JP5292686B2 - 液晶表示装置及び偏光板のセット - Google Patents

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Description

本発明は、表示画面の額縁ムラが生じにくく、かつ、生産性に優れる偏光板が組み込まれた液晶表示装置、及びそれに用いるのに有用な偏光板のセットに関するものである。
偏光板は通常、二色性色素が吸着配向したポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の片面又は両面に、接着剤を介して、透明樹脂からなる保護層を積層した構成となっている。保護層として、トリアセチルセルロースフィルムが一般的に用いられているが、その保護層を他の樹脂で置き換えたり、保護層に位相差を持たせたりするなどの試みも多数なされている。これら偏光板は、必要によりさらに位相差フィルム等、他の光学機能性フィルムを介して、液晶セルに粘着剤で貼り合わされ、液晶表示装置の構成部品となる。
上記トリアセチルセルロースに代表される酢酸セルロース系樹脂フィルムのみを偏光子の両側に貼合した場合、その偏光板を備えた液晶表示装置を高温下で使用すると、表示画面の縁が白く見える、「額縁ムラ」とか「白ヌケ」とか呼ばれる現象が発生することが知られている。かかる額縁ムラが発生すると、表示画面の縁付近でコントラストが低下し、表示品質が低下する。特に、近年著しく需要の伸びている大型液晶テレビに代表されるように、液晶表示装置の大型化が進んでおり、その表示画面の高輝度化のために、液晶セルの直下に光源を置く直下型バックライトが採用されている。直下型バックライトを採用した場合には、液晶表示装置のバックライト側で熱がこもり、偏光板が約60℃もの高温に晒されることで、偏光板の保護フィルムが変形し、額縁ムラが発生するといった問題が一層顕著になってきている。
額縁ムラの問題を解決するために、酢酸セルロース系樹脂フィルムに代えて、高温下に晒されても寸法変化が生じにくく、光弾性係数の小さい樹脂、例えば、ノルボルネン系樹脂に代表される環状オレフィン系樹脂を保護膜として採用する技術が提案されている。具体的な文献を挙げると、特開 2002-174729号公報(特許文献1)には、ポリビニルアルコール系偏光子の一方の面に非晶性ポリオレフィン系樹脂(環状オレフィン系樹脂)からなる保護フィルムを貼合し、他方の面にはそれと異なる樹脂からなる保護フィルムを貼合した偏光板が、高温下での白ヌケの発生を防止するのに有効であることが記載されている。特開 2005-114995号公報(特許文献2)には、偏光子の液晶セルとは反対側に、ポリカーボネート系樹脂など、引張破断強度と引張破断伸度の大きい保護フィルムを、液晶セル側には、ノルボルネン系樹脂など、光弾性係数の小さい保護フィルムを積層した偏光板が、耐熱試験での光漏れなどの防止に有効であることが記載されている。特開 2005-128097号公報(特許文献3)には、非晶性オレフィン系樹脂(環状オレフィン系樹脂)フィルムの表面にハードコート層を設け、これを偏光子の保護フィルムとして用いた偏光板が、耐熱試験での光漏れなどの防止に有効であることが記載されている。また特開 2005-242171号公報(特許文献4)には、ゴム質重合体を少量配合した環状オレフィン系樹脂など、定荷重引張試験の前後における引張強さの変化が小さいフィルムを偏光子の保護フィルムとして用いた偏光板が、やはり耐熱試験での光漏れなどの防止に有効であることが記載されている。
しかし、環状オレフィン系樹脂フィルムは概して、酢酸セルロース系樹脂フィルムよりも透湿度が低いため、従来の手法と同様に、水を主な溶媒とする接着剤、例えば、ポリビニルアルコール水溶液を用いて偏光子に貼合し、貼合後に溶媒を乾燥留去するウェットラミネーションでは、十分な接着強度が得られなかったり、外観が不良になったりするなどの問題があった。これは、透湿度の低いフィルムは一般的に、酢酸セルロース系樹脂に比べて疎水性であることや、低透湿度のために溶媒である水を十分に乾燥できないことなどの理由による。
このような問題を改善するため、環状オレフィン系樹脂からなる保護層は、前記特許文献1に開示される如く、透湿度の高い酢酸セルロース系樹脂からなる保護層と組み合わせて用いられることが多い。すなわち、偏光子の片面に環状オレフィン系樹脂フィルムを、他面には酢酸セルロース系樹脂フィルムを貼合することで、環状オレフィン系樹脂の透湿性の低さをある程度補償することが行われている。しかしながら、液晶表示装置における光出射側偏光板においては通常、その視認側の保護層を担う酢酸セルロース系樹脂フィルムがハードコート層、反射防止層、防眩層などの各種表面処理層を有していることで、透湿性が失われており、上記のように異種の保護膜を組み合わせても、貼合時の不具合が生じやすく、生産性の面で不利であるのが実情であった。
また、液晶表示装置が高温に晒された場合、液晶セルがその両面に配置された偏光板の熱による反りを反映して少なからず湾曲する現象が知られている。この偏光板の反りは、偏光板に積層された保護フィルムや各種光学機能性フィルムによって方向や強度などの特性が異なるため、これら偏光板の構成要素が液晶パネルの湾曲にも大きな影響を与える。例えば、光入射側及び光出射側の偏光板がともに、下(バックライト側)に凸の方向へ反る特性を有する場合には、液晶パネル中央部がバックライトへ接近するために、当該部分の温度が上昇し、液晶パネル面内に温度分布が生じる。このような温度差が発生すると、液晶セルガラス自体に位相差が生じ、その結果、位相差ズレによる額縁ムラが一層顕著になることが示唆されている。かかる現象による表示品位の低下を防ぐため、液晶パネルの湾曲を考慮に入れたうえで、偏光板に積層する保護フィルムをはじめ、各種光学機能性フィルム及び偏光板の構成を選定することが非常に重要となる。
特開2002−174729号公報 特開2005−114995号公報 特開2005−128097号公報 特開2005−242171号公報
そこで、本発明の課題は、バックライトの熱による画面の額縁ムラが生じにくく、表示品位が良好であり、また生産性に優れる偏光板が組み込まれた液晶表示装置を提供することにある。本発明のもう一つの課題は、かかる液晶表示装置に好適に用いられる偏光板のセットを提供することにある。
本発明者は、かかる課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、液晶表示装置の光入射側偏光板の液晶セル側保護層として、高温下における寸法変化の少ない環状オレフィン系樹脂フィルムを配置することで、バックライトの熱に由来する額縁ムラの発生を抑えることができ、また光出射側偏光板の液晶セル側保護層として、酢酸セルロース系樹脂フィルムを配置することで、生産性を確保しつつ良好な表示品質が得られることを見出した。さらに、光出射側偏光子の液晶セル側に酢酸セルロース系樹脂フィルムを、光入射側偏光子の液晶セル側に環状オレフィン系樹脂フィルムをそれぞれ配置した構成の場合、その液晶パネルは、高温下において上(視認側)に凸の挙動を示すことが観察された。すなわち、かかる偏光板構成を採用した液晶パネルでは、バックライトへの接近による熱ムラの発生が抑えられ、熱ムラに起因する額縁ムラの低減にとって好ましいことも併せて見出した。
そこで本発明によれば、バックライト、光入射側偏光板、液晶セル、及び光出射側偏光板がこの順に配置されてなり、光入射側偏光板及び光出射側偏光板はそれぞれ、偏光子の両面を透明保護層で挟んだ積層構造を有し、光入射側偏光板の少なくとも液晶セル側に位置する透明保護層は、面内遅相軸方向の屈折率をnx 、面内で遅相軸と直交する方向(面内進相軸方向)の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnz、厚みをdとして、下記式(1)及び(2)を満たす環状オレフィン系樹脂フィルムで構成され、光出射側偏光板の少なくとも液晶セル側に位置する透明保護層は、同じく下記式(1)及び(2)を満たす酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成される液晶表示装置が提供される。
(nx−ny)×d≧30nm (1)
x>ny>nz (2)
また本発明によれば、液晶セルの両面に配置される偏光板のセットも提供され、この偏光板のセットは、偏光子の両面を透明保護層で挟んだ積層構造を有し、少なくとも液晶セル側に配置される透明保護層が、前記式(1)及び(2)を満たす環状オレフィン系樹脂フィルムで構成される光入射側偏光板、及び、偏光子の両面を透明保護層で挟んだ積層構造を有し、少なくとも液晶セル側に配置される透明保護層が前記式(1)及び(2)を満たす酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成される光出射側偏光板からなる。
本発明によれば、高温下における偏光子保護層の変形やパネルの湾曲に起因する画面の額縁ムラが生じにくく、表示品位が良好な液晶表示装置、及びそれに用いる偏光板のセットが提供される。加えて、液晶セルの上下に配置される偏光板のうち、特に光出射側に用いる偏光板は、偏光子の両面に貼り合わせる透明保護層を酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成することができるので、高い生産性が確保できる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係る液晶表示装置の基本的な層構成の例を、図1に断面模式図で示した。本発明の液晶表示装置は、バックライト10、光入射側偏光板20、液晶セル40及び光出射側偏光板30を備えるものである。光入射側偏光板20は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子21の両面を透明保護層23,24で挟んだ積層構造になっており、光出射側偏光板30も、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子31の両面を透明保護層33,34で挟んだ積層構造になっている。
そして、本発明では、両偏光板20,30の特に液晶セル40側に位置する透明保護層23,33として、前記式(1)及び(2)を同時に満たす樹脂フィルムを採用する。かつ、光入射側偏光板20の液晶セル側に位置する透明保護層23は、環状オレフィン系樹脂フィルムで構成し、光出射側偏光板30の液晶セル側に位置する透明保護層33は、酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成する。
一般に、光学異方性を示すフィルムについて、面内位相差R0 及び厚み方向位相差Rthは、先に定義した三軸方向の屈折率をnx、ny及びnz 、厚みをdとしたときに、以下の式(3)及び(4)で定義される。
0 =(nx−ny)×d (3)
th=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (4)
前記式(1)は、上記式(3)からもわかるように、面内位相差R0 が30nm以上であることを意味する。また前記式(2)は、三軸方向の屈折率nx、ny及びnz のうち、面内遅相軸方向の屈折率nxが最も大きく、厚み方向の屈折率nzが最も小さいこと、すなわち二軸配向性であることを意味する。
光入射側偏光板20の液晶セル側に位置する透明保護層23及び光出射側偏光板30の液晶セル側に位置する透明保護層33は、面内位相差R0 を30nm以上とするが、その値があまり大きくならないようにするのが好ましく、具体的には、面内位相差R0 を100nm以下とするのが好ましい。R0 が30nm以下になると、偏光軸の視角補償が不十分であり、黒表示での斜角からの光抜けが増大し、色変化も大きくなる。一方、R0 があまり大きくなると、逆に視角が過補償される状態となり、光抜けや色変化に悪影響を及ぼす。また、それぞれの厚み方向位相差Rthは、比較的大きめ、特に面内位相差R0 よりは大きい値となるようにするのが好ましく、具体的には、70〜300nm程度の範囲から、液晶セルの特性に合わせて選択するのが好ましい。R0 と同様、Rthが小さすぎると、液晶層の視角補償が不十分となり、逆に大きくなりすぎると、過補償される状態となる。
上記のように、光入射側偏光板20及び光出射側偏光板30のそれぞれ液晶セル側に位置する透明保護層23,33として、面内位相差R0 が30nm以上でかつ二軸配向性のフィルムを採用したことで、偏光子の視角補償を行うことができ、黒表示状態を斜めから見たときの光抜けや色変化を抑えることができる。また、光入射側偏光板20の液晶セル側透明保護層23を環状オレフィン系樹脂フィルムで構成したことで、バックライト熱に起因する額縁ムラの発生を抑えている。一方、光出射側偏光板30の液晶セル側透明保護層33を酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成したことで、この偏光板の生産性を確保している。さらに、かかる偏光板構成の液晶表示装置は、高温に晒された場合に、液晶パネルが上(視認側)に凸となる挙動を示し、液晶パネルに変形が生じても液晶パネル中央部がバックライトから遠ざかる方向で湾曲することになるので、熱ムラの発生やそれに起因する額縁ムラの発生を抑えるのに一層有効なものとなっている。
光入射側偏光板20の液晶セル側透明保護層を構成する環状オレフィン系樹脂フィルムは、光弾性係数が、例えば7×10-13cm2/dyne以下と低いものであり、高温下での寸法安定性に優れるとともに、熱による位相差変化も小さいものとなる。光入射側偏光板20において、少なくとも液晶セル側に位置する透明保護層23は、上記条件を満たす環状オレフィン系樹脂フィルムで構成するが、反対側(バックライト側)に位置する透明保護層24は、液晶セル側の透明保護層23と同種の樹脂で構成してもよいし、異種の樹脂で構成してもよい。バックライト側の透明保護層24を液晶セル側透明保護層23と同種の樹脂で構成する場合であっても、その透明保護層24は、前記式(1)及び(2)の関係を満たす必要性は必ずしもない。
また、光出射側偏光板30についても、その液晶セル側に位置する透明保護層33は、前記条件を満たす酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成するが、反対側(視認側)に位置する透明保護層34は、液晶セル側の透明保護層33と同種の樹脂で構成してもよいし、異種の樹脂で構成してもよい。視認側の透明保護層34を液晶セル側透明保護層33と同種の樹脂で構成する場合であっても、その透明保護層34は、前記式(1)及び(2)の関係を満たす必要性は必ずしもない。
光入射側偏光板20の少なくとも液晶セル側透明保護層23を構成する環状オレフィン系樹脂は、例えばノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような、環状オレフィンからなるモノマーのユニットを有する熱可塑性の樹脂であり、上記環状オレフィンの開環重合体や2種以上の環状オレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物であることができるほか、環状オレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との付加共重合体であってもよい。また、極性基が導入されていてもよい。
環状オレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との共重合体とする場合、鎖状オレフィンの例としては、エチレンやプロピレンなどが挙げられ、またビニル基を有する芳香族化合物の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、核アルキル置換スチレンなどが挙げられる。このような共重合体において、環状オレフィンからなるモノマーのユニットは、50モル%以下、例えば、15〜50モル%程度であってもよい。特に、環状オレフィンと鎖状オレフィンとビニル基を有する芳香族化合物との三元共重合体とする場合、環状オレフィンからなるモノマーのユニットは、このように比較的少ない量であることができる。かかる三元共重合体において、鎖状オレフィンからなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%程度、ビニル基を有する芳香族化合物からなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%程度である。
市販の熱可塑性環状オレフィン系樹脂としては、ドイツの Ticona 社から販売されている“Topas” 、JSR(株)から販売されている“アートン”、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノア(ZEONOR)”及び“ゼオネックス(ZEONEX)”、三井化学(株)から販売されている“アペル”など(いずれも商品名)がある。このような環状オレフィン系樹脂を製膜して、フィルムとすることになるが、製膜には、溶剤キャスト法や溶融押出法など、公知の製膜手法が適宜用いられる。製膜された環状オレフィン系樹脂フィルムも市販されており、例えば、積水化学工業(株)から販売されている“エスシーナ”及び“SCA40” 、(株)オプテスから販売されている“ゼオノアフィルム”など(いずれも商品名)がある。
環状オレフィン系樹脂フィルムは、延伸することで任意の位相差値を付与することができる。通常、延伸はフィルムをロールから巻き出しながら連続的に行われ、加熱炉にて、ロールの進行方向へ、又は進行方向と直交する方向へ延伸される。加熱炉の温度は、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度近傍からガラス転移温度+100℃の範囲が、通常採用される。延伸の倍率は、通常1.1〜6倍程度、好ましくは1.1〜3.5倍である。
光出射側偏光板30の少なくとも液晶セル側透明保護層33を構成する酢酸セルロース系樹脂は、セルロースの少なくとも一部が酢酸エステル化されたものであって、例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。市販のトリアセチルセルロースフィルムとしては、例えば、富士写真フイルム(株)から販売されている“フジタックフィルム”(各種グレードがある)、コニカミノルタオプト(株)から販売されている“KC8UX2M”及び“KC8UY”など(いずれも商品名)がある。
酢酸セルロース系樹脂フィルムも、延伸することで任意の位相差値を付与することができる。位相差が発現された酢酸セルロース系樹脂フィルムは、低複屈折であること、波長分散特性が、波長が短くなるにつれ位相差値が減少する「逆波長分散」であることなどの特徴を有する。本発明においては、光出射側偏光板30の少なくとも液晶セル側透明保護層33として、屈折率特性が前述の式(1)及び(2)を満たす酢酸セルロース系樹脂フィルムを採用する。酢酸セルロース系樹脂フィルムに、延伸により二軸配向性の位相差を発現させたものも市販されており、例えば、コニカミノルタオプト(株)から販売されている“KC8UCR-5”や“KC4FR-T” など(いずれも商品名)がある。酢酸セルロース系樹脂フィルムは、偏光子との接着性を高めるため、通常はケン化処理が施される。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が採用できる。
環状オレフィン系樹脂フィルム及び酢酸セルロース系樹脂フィルムの厚みは、薄い方が好ましいが、薄すぎると、強度が低下し、加工性に劣るものとなり、一方で厚すぎると、透明性が低下したり、偏光板の重量が大きくなったりするなどの問題が生じる。そこで、これらのフィルムの適当な厚みは、例えば、5〜200μm 程度であり、好ましくは20〜100μm である。特に、光出射側偏光板30の液晶セル側透明保護層33として配置される酢酸セルロース系樹脂フィルムは、熱により印加される応力に起因する位相差の変化を考慮して、20〜60μmの厚みとするのがより好ましく、理想的には35〜45μmである。
先にも述べたとおり、光入射側偏光板20の液晶セルと反対側(バックライト側)に位置する透明保護層24、及び光出射側偏光板30の液晶セルと反対側(視認側)に位置する透明保護層34は、それぞれ、液晶セル側の透明保護層23,33と同種の樹脂で構成してもよいし、異種の樹脂で構成してもよい。また屈折率特性も特に限定されない。それぞれ液晶セルと反対側に位置する透明保護層24,34は、面内位相差がほぼゼロの透明樹脂フィルムで構成するのが実用的であり、とりわけ、酢酸セルロース系樹脂フィルム、中でもトリアセチルセルロースで構成するのが好ましい。酢酸セルロース系樹脂フィルムの表面、特に光出射側偏光板30の視認側に位置する透明保護層34を酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成する場合、その表面には、用途に応じて、防眩処理、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理などの表面処理が施されてもよい。
これらの偏光板20,30を構成する偏光子21,31は、フィルム面に垂直に入射する光のうち、ある方向の振動ベクトルを持つ直線偏光を透過し、それと直交する方向の振動ベクトルを持つ直線偏光を吸収する性質を有するものである。かかる偏光子は、公知の方法で作製することができ、具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色及びホウ酸処理を施すことで得られる。偏光子の厚みは、5〜40μm 程度である。偏光子とその両面を挟む透明保護層とは、通常、接着剤を介して積層される。偏光子と透明保護層との接着に用いる接着剤は、それぞれの接着性を考慮して任意のものを用いることができる。ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液は、好ましい接着剤の一つであり、この水溶液は、さらに水溶性エポキシ樹脂や多価アルデヒドなどの硬化剤を含有するのが好ましい。
偏光子と保護フィルムを積層した後は、乾燥処理が施される。乾燥処理は、例えば、熱風を吹き付けることにより行われるが、そのときの温度は、40〜100℃程度、好ましくは60〜100℃の範囲から適宜選択される。乾燥時間は、 20〜1,200秒程度である。少なくとも一方の透明保護層を環状オレフィン系樹脂フィルムで構成した偏光板にあっては、乾燥後さらに、室温又はそれよりやや高い温度、例えば20〜50℃程度の温度で12〜600時間程度養生してやるのが好ましい。養生のときの温度は、乾燥時に採用した温度よりも低く設定されるのが一般的である。
光入射側偏光板20及び光出射側偏光板30における偏光子21及び31は、それぞれ面内で吸収軸を持っている。それに積層される透明保護層のうち、少なくとも液晶セル側に位置する透明保護層23及び33は、先の定義から明らかなように屈折率異方性を示すものであり、したがって面内に遅相軸及び進相軸が存在する。遅相軸と進相軸は、それぞれ面内で直交する方向となる。光入射側偏光板20を構成する偏光子21と液晶セル側透明保護層23、そして、光出射側偏光板30を構成する偏光子31と液晶セル側透明保護層33は、偏光子の吸収軸と液晶セル側透明保護層の面内遅相軸とがほぼ平行関係又はほぼ直交関係となるように配置すればよい。特に、両者がほぼ直交関係となるように配置するのが、生産性の面で好ましい。すなわち、本発明において液晶セル側透明保護層23,33として規定する程度の二軸配向性を示すフィルムは、横延伸を主体とする延伸操作で製造するのが好ましく、その場合の遅相軸はロールフィルム幅方向となることから、ロールフィルムの長手方向(流れ方向)が吸収軸である偏光子とロール・ツー・ロール貼合することで、偏光子の吸収軸と透明保護層の遅相軸が直交関係になる。また、光入射側偏光板20と光出射側偏光板30とは、通常、それぞれの吸収軸が直交するように配置され、ノーマリーブラックモードで使用される。
このようにして得られた偏光板は、通常、その片面又は両面に粘着剤層が形成される。本発明においては、液晶セルに貼合される側、すなわち、位相差を有する環状オレフィン系樹脂フィルムからなる透明保護層23、及び位相差を有する酢酸セルロース系樹脂フィルムからなる透明保護層33のそれぞれ外側に粘着剤層を形成する。粘着剤層の厚みは、通常5〜100μm 程度、好ましくは5〜40μm である。粘着剤層が薄すぎると粘着性が低下し、厚すぎると粘着剤がはみ出すなどの不具合を生じやすくなる。
粘着剤層を形成するための粘着剤は、通常、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベース樹脂とし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋剤を加え、さらに必要に応じてシランカップリング剤などを加えた組成物からなる。
本発明の液晶表示装置を構成する偏光板において、透明保護層の表面には、他の光学機能性フィルムが貼着されていてもよい。光学機能性フィルムとしては例えば、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光分離フィルム、表面に凹凸形状を有する防眩機能付きフィルム、表面反射防止処理付きフィルム、表面に反射機能を有する反射フィルム、反射機能と透過機能を併せ持つ半透過反射フィルムなどが挙げられる。ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光分離フィルムに相当する市販品としては、米国の 3M Company (日本では、住友スリーエム(株))から販売されている“DBEF”(商品名)などがある。
バックライト10は、一般の液晶表示装置に広く使用されているものでよい。例えば、導光板とその側方に配置された光源で構成され、光源からの光を一旦導光板の中に取り込んだうえで、その光を前面側に均一に出射するようになっているサイドライト型のバックライトや、拡散板とその背後に配置された光源で構成され、光源からの光を拡散板で均一に拡散させたうえで前面側に出射するようになっている直下型のバックライトなどを挙げることができる。
液晶セル40は、透過光量をスイッチングするために、液晶が2枚の透明基板の間に封入され、電圧印加により液晶の配向状態を変化させる機能を有する装置であって、やはり一般の液晶表示装置に広く使用されているものでよい。液晶セル40は、典型的には、対向して配置される1対の透明基板と、それら基板のそれぞれ向かい合う面に設けられた透明電極と、電極間に封入された液晶層とを少なくとも含む構造を有する。液晶セルには、その中に封入された液晶層の配向状態と、電極間に電圧を印加したときの液晶層の配向状態によって、例えば、ツイステッドネマティック(TN)モードや、垂直配向(VA)モードなど、各種方式のものがある。
本発明の構成は、垂直配向モードの液晶セルに対して特に有効である。垂直配向モードとは、正又は負の誘電率異方性を有する棒状の液晶分子がセル内に封入され、電圧無印加状態においては液晶分子の長軸が基板に対して垂直に配向しており、電圧印加によって液晶分子の長軸が基板に平行な方向へと回転することで、透過光量をスイッチングするものである。
本発明に係る偏光板のセットは、図1を参照して上で説明した光入射側偏光板20と、光出射側偏光板30との組合せである。それぞれの構成については、これまでの説明がそのままあてはまるので、説明を繰り返すことは省略する。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
以下の例で用いた偏光子の保護フィルムは次のとおりであり、以下、それぞれの記号で表示する。厚み、面内位相差R0 及び厚み方向位相差Rthは、メーカー呼称値であり、面内の遅相軸方向屈折率nx、面内の進相軸方向屈折率ny、及び厚み方向屈折率nz は、王子計測機器(株)製の位相差測定装置“KOBRA-21ADH”で求めた値である。なお、R0及びRthについては、“KOBRA-21ADH” を用いて実測もしているが、以下に示す値とほぼ同様の値が得られている。また、nx、ny、nz 及び厚みから前記式(3)及び式(4)により求められる値が、以下のR0 及びRthと必ずしも一致しないことがあるが、これは、三軸方向の屈折率nx、ny及びnz を小数点以下第4位までに留めていることと、測定精度が主な要因である。
(A)面内位相差のある酢酸セルロース系樹脂フィルム
RAC1:商品名“KC4FR-T”、コニカミノルタオプト(株)から入手、
厚さ40μm 、R0=45nm、Rth=125nm、
x=1.4785、ny=1.4775、nz=1.4750。
RAC2:商品名“KC8UCR-5”、コニカミノルタオプト(株)から入手、
厚さ80μm 、R0=45nm、Rth=125nm、
x=1.4778、ny=1.4772、nz=1.4759。
(B)面内位相差がほぼゼロのトリアセチルセルロースフィルム
TAC1:商品名“フジタックフィルム”、富士写真フイルム(株)から入手、
厚さ80μm 。
TAC2:商品名“KC8UX2M”、コニカミノルタオプト(株)から入手、
厚さ80μm 。
(C)面内位相差のあるノルボルネン系樹脂フィルム
COP1:商品名“ゼオノアフィルム”、(株)オプテスから入手、
厚さ73μm 、R0=55nm、Rth=120nm、
x=1.5309、ny=1.5302、nz=1.5289。
COP2:商品名“ゼオノアフィルム”、(株)オプテスから入手、
厚さ73μm 、R0=63nm、Rth=225nm、
x=1.5315、ny=1.5306、nz=1.5279。
[実施例1]
(a)光出射側偏光板の作製
ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、表面ケン化処理が施された酢酸セルロース系樹脂フィルムRAC1を、他面には表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTAC1を、それぞれポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を介して貼合し、光出射側偏光板を作製した。RAC1は、その面内遅相軸が偏光子の吸収軸と直交するように配置した。
(b)光入射側偏光板の作製
同様に、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、コロナ処理が施されたノルボルネン系樹脂フィルムCOP1を、他面には表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTAC2を、それぞれポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を介して貼合し、光入射側偏光板を作製した。 COP1は、その面内遅相軸が偏光子の吸収軸と直交するように配置した。
(c)液晶表示装置の作製と評価
シャープ(株)製の垂直配向モードの液晶表示装置“アクオス”(対角寸法37インチ=約94cm)から光出射側偏光板を剥がし、その代わりに、上記(a)で作製した偏光板を、酢酸セルロース系樹脂フィルムRAC1が液晶セル側となるよう、オリジナルの偏光板と同じ軸方向でアクリル系粘着剤を介して貼り付けた。また光入射側偏光板も剥がし、その代わりに、上記(b)で作製した偏光板を、ノルボルネン系樹脂フィルムCOP1が液晶セル側となるよう、オリジナルの偏光板と同じ軸方向でアクリル系粘着剤を介して貼り付けた。
この表示装置につき、65℃の乾燥条件下で100時間放置する耐熱試験を行った後、その黒表示画面を目視で評価した。また同様に、60℃の乾燥条件下で70時間放置した後、−10℃の環境下に移す急冷試験を行い、その直後の黒表示画面を目視で評価した。その結果、耐熱試験後及び急冷試験後とも、額縁ムラは比較的小さかった。
[比較例1]
(a)光出射側偏光板の作製
ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTAC2を、他面には表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTAC1を、それぞれポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を介して貼合し、光出射側偏光板を作製した。
(b)光入射側偏光板の作製
同様に、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、コロナ処理が施されたノルボルネン系樹脂フィルムCOP2を、他面には表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTAC2を、それぞれポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を介して貼合し、光入射側偏光板を作製した。 COP2は、その面内遅相軸が偏光子の吸収軸と直交するように配置した。
(c)液晶表示装置の作製と評価
上記(a)で作製した偏光板をそのTAC2が液晶セル側となるように光出射側偏光板として貼り付け、また上記(b)で作製した偏光板をそのCOP2が液晶セル側となるように光入射側偏光板として貼り付け、その他は実施例1の(c)と同様にして、液晶表示装置を作製し、耐熱試験及び急冷試験を行った。その結果、急冷試験においては額縁ムラが比較的小さかったが、耐熱試験においては若干の額縁ムラが観察された。
[比較例2]
(a)光出射側偏光板の作製
ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、表面ケン化処理が施された酢酸セルロース系樹脂フィルムRAC2を、他面には表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTAC1を、それぞれポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を介して貼合し、光出射側偏光板を作製した。RAC2は、その面内遅相軸が偏光子の吸収軸と直交するように配置した。
(b)光入射側偏光板の作製
同様に、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、表面ケン化処理が施された酢酸セルロース系樹脂フィルムRAC2を、他面には表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTAC2を、それぞれポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を介して貼合し、光入射側偏光板を作製した。RAC2は、その面内遅相軸が偏光子の吸収軸と直交するように配置した。
(c)液晶表示装置の作製と評価
上記(a)で作製した偏光板をそのRAC2が液晶セル側となるように光出射側偏光板として貼り付け、また上記(b)で作製した偏光板をそのRAC2が液晶セル側となるように光入射側偏光板として貼り付け、その他は実施例1の(c)と同様にして、液晶表示装置を作製し、耐熱試験及び急冷試験を行った。その結果、耐熱試験後及び急冷試験後のいずれにおいても、比較的強い額縁ムラが観察された。
[比較例3]
(a)光出射側偏光板の作製
ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTAC1を、他面には表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTAC2を、それぞれポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を介して貼合し、光出射側偏光板を作製した。
(b)光入射側偏光板の作製
同様に、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している偏光子の両面に、表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTAC2を、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を介して貼合し、光入射側偏光板を作製した。
(c)液晶表示装置の作製と評価
上記(a)で作製した偏光板をそのTAC2が液晶セル側となるように光出射側偏光板として貼り付け、また上記(b)で作製した偏光板を光入射側偏光板として貼り付け、その他は実施例1の(c)と同様にして、液晶表示装置を作製し、耐熱試験及び急冷試験を行った。その結果、耐熱試験後及び急冷試験後のいずれにおいても、比較的強い額縁ムラが観察された。
以上の実施例及び比較例における層構成の概略及び試験結果を表1にまとめた。
Figure 0005292686
表1からわかるように、光入射側偏光板の液晶セル側に位置する透明保護層として、前記式(1)及び(2)の関係を満足し、かつ環状オレフィン系樹脂からなるフィルムを採用し、光出射側偏光板の液晶セル側に位置する透明保護層として、同じく前記式(1)及び(2)の関係を満足し、かつ酢酸セルロース系樹脂からなるフィルムを採用し、液晶セルの上下で非対称の偏光板構成とした実施例1のものは、耐熱試験及び急冷試験によっても額縁ムラの発生が少なく、良好な視認性を与えるものであった。
本発明に係る液晶表示装置の基本的な層構成の例を示す断面模式図である。
符号の説明
10……バックライト、
20……光入射側偏光板、
21……偏光子、
23,24……透明保護層、
30……光出射側偏光板、
31……偏光子、
33,34……透明保護層、
40……液晶セル。

Claims (5)

  1. バックライト、光入射側偏光板、液晶セル、及び光出射側偏光板がこの順に配置されてなる液晶表示装置であって、
    光入射側偏光板及び光出射側偏光板はそれぞれ、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の両面を透明保護層で挟んだ積層構造を有し、
    光入射側偏光板の少なくとも液晶セル側に位置する透明保護層は、面内遅相軸方向の屈折率をn、面内で遅相軸と直交する方向の屈折率をn、厚み方向の屈折率をn、厚みをdとして、下記式(1)及び(2)
    (n−n)×d≧30nm (1)
    >n>n (2)
    を満たす環状オレフィン系樹脂フィルムで構成され、
    光出射側偏光板の少なくとも液晶セル側に位置する透明保護層は、面内遅相軸方向の屈折率をn、面内で遅相軸と直交する方向の屈折率をn、厚み方向の屈折率をn、厚みをdとして、前記式(1)及び(2)を満たす酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成され
    液晶セルが垂直配向モードである
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 光入射側偏光板のバックライト側に位置する透明保護層及び光出射側偏光板の視認側に位置する透明保護層が、ともに酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成される請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 光出射側偏光板の液晶セル側透明保護層を構成する酢酸セルロース系樹脂フィルムは、20〜60μmの厚みを有する請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 垂直配向モードの液晶セルの両面に配置される偏光板のセットであって、
    ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の両面を透明保護層で挟んだ積層構造を有し、少なくとも液晶セル側に配置される透明保護層は、面内遅相軸方向の屈折率をn、面内で遅相軸と直交する方向の屈折率をn、厚み方向の屈折率をn、厚みをdとして、下記式(1)及び(2)
    (n−n)×d≧30nm (1)
    >n>n (2)
    を満たす環状オレフィン系樹脂フィルムで構成される光入射側偏光板、及び
    ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の両面を透明保護層で挟んだ積層構造を有し、少なくとも液晶セル側に配置される透明保護層は、面内遅相軸方向の屈折率をn、面内で遅相軸と直交する方向の屈折率をn、厚み方向の屈折率をn、厚みをdとして、前記式(1)及び(2)を満たす酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成される光出射側偏光板
    からなることを特徴とする偏光板のセット。
  5. 光入射側偏光板の前記液晶セル側に配置される透明保護層と反対側に位置する透明保護層及び光出射側偏光板の前記液晶セル側に配置される透明保護層と反対側に位置する透明保護層が、ともに酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成される請求項に記載の偏光板のセット。
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