JP2010224378A - 粘着剤層付き複合偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】新たな部材を増やすことなく、簡便な手段を用いて、暗表示時の可視光の長波長側での光洩れを抑制することができ、コントラストや色相に優れ、かつ広い視野角特性を有する液晶表示装置を提供し、またそれに有用な複合偏光板を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子12を含む偏光板10の片面に位相差板20が貼合され、位相差板20の偏光子12とは反対側の面に、650〜950nmの波長領域に極大吸収を示す色素を含有する粘着剤層30を備える粘着剤層付き複合偏光板17が提供される。この粘着剤層付き複合偏光板17を粘着剤層30側で液晶セル40の片側に貼合し、液晶セル40の反対側には同種又は異種の偏光板11を配置し、一方の偏光板の外側にバックライト50を配置して、液晶表示装置とする。
【選択図】図3
【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子12を含む偏光板10の片面に位相差板20が貼合され、位相差板20の偏光子12とは反対側の面に、650〜950nmの波長領域に極大吸収を示す色素を含有する粘着剤層30を備える粘着剤層付き複合偏光板17が提供される。この粘着剤層付き複合偏光板17を粘着剤層30側で液晶セル40の片側に貼合し、液晶セル40の反対側には同種又は異種の偏光板11を配置し、一方の偏光板の外側にバックライト50を配置して、液晶表示装置とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、暗表示時の可視光の長波長側における光洩れを抑制することができ、コントラストや色相に優れ、かつ広い視野角特性を有する液晶表示装置、及びそれに有用な複合偏光板に関するものである。
近年、消費電力が少なく、低電圧で駆動し、軽量でかつ薄型の液晶表示装置(LCD)が、携帯電話、携帯情報端末、コンピュータ用のモニタ、テレビなど、情報用表示デバイスとして急速に普及してきており、その表示品位の向上、大型化、薄型・軽量化も目覚ましい。
一般的に、液晶表示装置に用いられる偏光板は、一軸延伸したポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素又は二色性有機染料を吸着させることにより作製した偏光子の片面又は両面に、接着剤を介して透明樹脂からなる保護層を積層した構成となっている。保護層としてトリアセチルセルロースフィルムが汎用されているが、その保護層を他の樹脂で置き換えたり、保護層に位相差を持たせたりするなどの試みも多数なされている。これら偏光板は、必要によりさらに、位相差板等の他の光学機能性フィルムを介して、液晶セルに粘着剤で貼り合わされ、液晶表示装置の構成部品となる。
現在一般的に用いられている偏光板は、およそ430nmから680nmの範囲の可視光に対して良好な偏光性能を示し、この範囲から外れる波長の光に対しては、クロスニコルに配置されていても著しい光洩れが生じる。このような偏光板を、低波長領域及び高波長領域にも発光を持つ液晶表示装置に適用した場合には、暗表示状態でも長波長域及び短波長域の光が透過してしまい、黒輝度の上昇やコントラストの低下につながるおそれがある。従来用いられてきたバックライトの光源は、その発光波長の範囲が狭く、問題となる短波長又は長波長領域での発光がほとんどなかったため、大きな問題とはなっていなかった。
液晶表示装置のバックライトは、冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp :CCFL)で構成されているものが現在の主流である。この冷陰極蛍光ランプから、赤(R)、緑(G)及び青(B)の三原色を含む白色光を発し、これをカラーフィルタによって三原色に分光することでカラー表示を可能にしている。より色鮮やかな画像を再現するには、光源となるバックライトの発光スペクトルが鍵となるため、多くのメーカーが蛍光体の改良を重ね、RGB三原色の発光ピーク波長や強度の最適化、及び純度の向上を進めてきている。
特に色度の低さが指摘されていた赤色に関しても、より長波長側へピークをシフトさせるとか、長波長側にピークを追加するとかの改良が進められ、液晶表示装置では従来困難とされてきた真紅に近い色の表示も、現在では可能なまでになってきている。
しかしながら、このようにバックライトがより長波長域に発光ピークを持つようになったことから、これらピークに起因するテールやサブピークが、偏光板の補償外である波長域まで達してしまう場合が見られるようになってきた。この長波長域での発光は、液晶表示装置の暗表示においても透過してくるため、黒色が赤みを帯びたり、黒輝度が上昇したりするなどの問題を引き起こす。
これまでに、クロスニコル時の可視光の短波長及び長波長域における光洩れを防ぐ偏光板として、様々な提案がなされている。例えば、特開 2004-233871号公報(特許文献1)には、クロスニコル時の波長700nmにおける透過率及び波長410nmにおける透過率を規定することで、上記問題の解決を図った偏光板が提案されている。しかしながら、このような偏光板を用いても、問題となっている長波長域の光洩れを抑えるには不十分であった。
本発明の課題は、新たな部材を増やすことなく、簡便な手段を用いて、暗表示時の可視光の長波長側での光洩れを抑制することができ、コントラストや色相に優れ、かつ広い視野角特性を有する液晶表示装置を提供し、さらにはそれに有用な複合偏光板を提供することにある。
本発明者は、液晶表示装置における暗表示時の光洩れ問題を解決するべく、鋭意研究を行ってきた。その結果、問題とされている長波長領域に選択吸収を示す色素を偏光板部材である粘着剤に含有させることで、明表示時の表示性能にはほとんど影響を及ぼすことなく、暗表示時の光洩れが防止できることを見出した。この手法を用いれば、より長波長領域に発光を持つバックライトを用いた場合でも、輝度や色再現性を犠牲にすることなく、優れたコントラストや色相を実現できる。
本発明によれば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子を含む偏光板の片面に位相差板が貼合され、その位相差板の偏光子とは反対側の面に、650〜950nmの波長領域に極大吸収を示す色素を含有する粘着剤層を備える、粘着剤層付き複合偏光板が提供される。
この粘着剤層付き複合偏光板の一つの形態において、位相差板は環状オレフィン系樹脂フィルムからなることが好ましい。また別の形態において、位相差板は酢酸セルロース系樹脂フィルムからなることが好ましい。位相差板を酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成する場合、その厚みは20〜100μm の範囲にあることが好ましい。
また、この粘着剤層付き複合偏光板において、偏光板は、偏光子の位相差板と反対側の面に透明保護層が形成されたもので構成することができ、その場合の透明保護層は、偏光子と反対側の面に、ハードコート層、防眩層、反射防止層及び帯電防止層からなる群より選ばれる付加機能層を有することが好ましい。
さらに本発明によれば、上記の如き粘着剤層付き複合偏光板を用いた液晶表示装置も提供される。この液晶表示装置は、液晶セルの両側にそれぞれ、粘着剤層、及びポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子を含む偏光板がこの順に積層され、一方の偏光板の外側にバックライトが配置されてなり、前記偏光板の少なくとも一方と粘着剤層との間には位相差板が配置され、少なくとも一方の位相差板と液晶セルとの間に位置する粘着剤層は、650〜950nmの波長領域に極大吸収を示す色素を含有するものである。
本発明の粘着剤層付き複合偏光板は、新たな部材を増やすことなく、特定波長に極大吸収を示す色素を位相差板側の粘着剤層に配合するという簡便な手段で、液晶表示装置の暗表示時における可視光の長波長側での光洩れを抑制することができ、コントラストや色相に優れ、かつ広い視野角特性を実現することができる。また、本発明の液晶表示装置は、暗表示時における可視光の長波長側での光洩れが抑制され、コントラストや色相に優れ、かつ広い視野角特性が実現されたものとなる。
以下、適宜図面も参照しながら、本発明を詳細に説明する。
[粘着剤層付き複合偏光板]
本発明に係る粘着剤層付き複合偏光板の基本的な層構成を図1に断面模式図で示した。本発明の粘着剤層付き複合偏光板は、偏光板10の片面に位相差板20を貼合し、さらに位相差板20の偏光板10とは反対側の面に粘着剤層30を配置したものである。図示は省略するが、粘着剤層30の外側には、離型処理が施されたセパレートフィルムを貼合して、液晶セルなどの他の部材に貼り合わせるまでその粘着剤層表面を仮着保護するのが通例である。
本発明に係る粘着剤層付き複合偏光板の基本的な層構成を図1に断面模式図で示した。本発明の粘着剤層付き複合偏光板は、偏光板10の片面に位相差板20を貼合し、さらに位相差板20の偏光板10とは反対側の面に粘着剤層30を配置したものである。図示は省略するが、粘着剤層30の外側には、離型処理が施されたセパレートフィルムを貼合して、液晶セルなどの他の部材に貼り合わせるまでその粘着剤層表面を仮着保護するのが通例である。
[偏光板]
偏光板10は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子を含むものであって、その偏光子単体で使用することもできるが、一般には、偏光子の少なくとも片面に透明保護層を有するもので構成される。このような透明保護層を有する偏光板20は、偏光子の両面に透明保護層を貼合したものであってもよいし、片面のみに透明保護層を貼合したものであってもよい。
偏光板10は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子を含むものであって、その偏光子単体で使用することもできるが、一般には、偏光子の少なくとも片面に透明保護層を有するもので構成される。このような透明保護層を有する偏光板20は、偏光子の両面に透明保護層を貼合したものであってもよいし、片面のみに透明保護層を貼合したものであってもよい。
本発明においては、偏光子の片面にのみ透明保護層を貼合して偏光板を構成し、偏光子の他面には位相差板を直接貼合する形態が、特に好ましい。このような好ましい層構成の例を図2に断面模式図で示した。すなわち図2では、偏光子12の片面に透明保護層14を貼合して、偏光板10が構成されており、偏光子12の透明保護層14と反対側には、位相差板20及び粘着剤層30がこの順に貼合され、粘着剤層付き複合偏光板となっている。このような構成とすることで、偏光板10と位相差板20との積層物である複合偏光板を薄型軽量化することができ、さらに液晶表示装置の構成部材が減ることで、生産工程を簡素化し、歩留まりを向上させることが可能となる。図示は省略するが、粘着剤層30の外側にセパレートフィルムを貼合するのが通例であることは、図1と同様である。
偏光子12は、フィルム面に垂直に入射する光のうち、ある方向の振動ベクトルを持つ直線偏光を透過し、それと直交する方向の振動ベクトルを持つ直線偏光を吸収する性質を有するものである。かかる偏光子は、公知の方法で作製することができ、具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色及びホウ酸処理を施すことで得られる。二色性色素としては、ヨウ素又は二色性有機染料が用いられる。偏光子の厚みは、5〜40μm 程度である。
偏光子12に貼合される透明保護層14には、透明な各種樹脂フィルムを用いることができる。かかる透明樹脂の例として、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロースに代表される酢酸セルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂に代表される環状オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などを挙げることができる。一般には、面内位相差がほぼゼロの透明樹脂フィルムで透明保護層14を構成するのが実用的である。とりわけ、酢酸セルロース系樹脂フィルム、中でもトリアセチルセルロースフィルムで構成するのが好ましい。市販のトリアセチルセルロースフィルムとしては、例えば、富士フイルム(株)から販売されている“フジタックフィルム”(各種グレードがある)や、コニカミノルタオプト(株)から販売されている“KC8UX2M”及び“KC8UY”など(いずれも商品名)がある。酢酸セルロース系樹脂からなる透明保護層は、偏光子との接着性を高めるため、通常はケン化処理が施される。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が採用できる。
[位相差板]
偏光板10の片面には、位相差板20が貼合される。偏光子12の両面に透明保護層が貼合されたものを偏光板10とする場合は、その一方の面に位相差板20が貼合される。偏光子12の片面にのみ透明保護層14が貼合されたものを偏光板10とする場合には、その透明保護層14と反対側の偏光子12面に位相差板20が貼合される。位相差板20は、環状オレフィン系樹脂フィルム又は酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成することが好ましい。
偏光板10の片面には、位相差板20が貼合される。偏光子12の両面に透明保護層が貼合されたものを偏光板10とする場合は、その一方の面に位相差板20が貼合される。偏光子12の片面にのみ透明保護層14が貼合されたものを偏光板10とする場合には、その透明保護層14と反対側の偏光子12面に位相差板20が貼合される。位相差板20は、環状オレフィン系樹脂フィルム又は酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成することが好ましい。
位相差板に用いられる環状オレフィン系樹脂としては、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような環状オレフィン構造を含むモノマーユニットを有する熱可塑性の樹脂、上述のような環状オレフィンの開環重合体や2種以上の環状オレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物、環状オレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との付加共重合体などが挙げられる。また、必要により環状オレフィン構造に極性基が導入されていてもよい。
環状オレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との共重合体からなる樹脂の場合、鎖状オレフィンの例としては、エチレンやプロピレンなどが挙げられ、またビニル基を有する芳香族化合物の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、核アルキル置換スチレンなどが挙げられる。このような共重合体において、環状オレフィンからなるモノマーのユニットは、50モル%以下、例えば、15〜50モル%程度であってもよい。特に、環状オレフィンと鎖状オレフィンとビニル基を有する芳香族化合物との三元共重合体とする場合、環状オレフィンからなるモノマーのユニットは、このように比較的少ない量であることができる。かかる三元共重合体において、鎖状オレフィンからなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%程度、ビニル基を有する芳香族化合物からなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%程度である。
市場から入手できる熱可塑性環状オレフィン系樹脂として、ドイツの TOPAS ADVANCED POLYMERS GmbH から販売されている“TOPAS” 、JSR(株)から販売されている“アートン(ARTON)” 、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノア(ZEONOR)”及び
“ゼオネックス(ZEONEX)”、三井化学(株)から販売されている“アペル”など(いずれも商品名)がある。このような環状オレフィン系樹脂を製膜してフィルムとすることになるが、製膜には溶剤キャスト法や溶融押出法など、公知の製膜手法が適宜用いられる。製膜された環状オレフィン系樹脂フィルムや、位相差が付与された環状オレフィン系樹脂フィルムも市販されており、例えば、積水化学工業(株)から販売されている“エスシーナ”及び“SCA40” 、JSR(株)から販売されている“アートンフィルム”、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノアフィルム”など(いずれも商品名)がある。
“ゼオネックス(ZEONEX)”、三井化学(株)から販売されている“アペル”など(いずれも商品名)がある。このような環状オレフィン系樹脂を製膜してフィルムとすることになるが、製膜には溶剤キャスト法や溶融押出法など、公知の製膜手法が適宜用いられる。製膜された環状オレフィン系樹脂フィルムや、位相差が付与された環状オレフィン系樹脂フィルムも市販されており、例えば、積水化学工業(株)から販売されている“エスシーナ”及び“SCA40” 、JSR(株)から販売されている“アートンフィルム”、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノアフィルム”など(いずれも商品名)がある。
環状オレフィン系樹脂フィルムは、延伸することで任意の位相差値を付与することができる。通常、延伸はフィルムをロールから巻き出しながら連続的に行われ、加熱炉にて、ロールフィルムの進行方向へ、又は進行方向と直交する方向へと延伸される。加熱炉の温度は、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度近傍からガラス転移温度+100℃の範囲が、通常採用される。延伸の倍率は、通常 1.1〜6倍程度、好ましくは1.1〜3.5倍である。所定の屈折率特性を満たすためには、二軸延伸が好ましく採用される。位相差板を環状オレフィン系樹脂フィルムで構成する場合は、偏光子との接着性を高めるため、偏光子との接着面にコロナ処理等の表面活性化処理を施しておくことが好ましい。
同様に位相差板として用いられる酢酸セルロース系樹脂は、セルロースの少なくとも一部が酢酸エステル化されたものであって、例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。酢酸セルロース系樹脂フィルムも、延伸することで任意の位相差値を付与することができる。位相差が発現された酢酸セルロース系樹脂フィルムは、波長分散特性が短波長になるにつれて位相差値が減少するいわゆる「逆波長分散」であることなどの特徴を有する。酢酸セルロース系樹脂フィルムを延伸して二軸配向性の位相差を発現させたものも市販されており、例えば、コニカミノルタオプト(株)から販売されている“KC4FR-T” や“KC4HR-1” など(いずれも商品名)がある。位相差板を酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成する場合、偏光子との接着性を高めるため、通常は先の透明保護層について説明したのと同様のケン化処理が施される。
位相差板20の厚みは薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣るものとなり、一方で厚すぎると透明性が低下したり、偏光板との積層物である複合偏光板の重量が大きくなったりするなどの問題が生じる。そこで、位相差板20の厚みは、好ましくは5〜200μm 程度であり、さらに好ましくは20〜100μm 程度である。特に、位相差板として酢酸セルロース系樹脂フィルムを採用する場合には、バックライトの熱により発生する応力に起因する位相差への影響を考慮して、好ましくは20〜100μm 、さらに好ましくは20〜60μm とするのがよい。
位相差板20の位相差値は、本発明の粘着剤層付き複合偏光板が適用される液晶セルの特性によって、好ましい値に設定することができる。例えば、垂直配向(VA)モードの液晶セルに対して有効な補償機能を有する複合偏光板とする場合は、面内の位相差値Ro が30〜80nm、そして厚み方向の位相差値Rthが80〜250nmの範囲にあることが好ましい。
なお、面内の位相差値Ro 及び厚み方向の位相差値Rthは、当該フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をnx、面内で遅相軸と直交する方向(進相軸方向)の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnz 、厚みをdとしたときに、以下の式(I)及び(II)で定義される。
Ro =(nx−ny)×d (I)
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (II)
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (II)
位相差板20の面内の位相差値Ro が30nmを下回ると、偏光軸の視角補償が不十分となり、それを適用した液晶表示装置において、暗表示状態で斜角からの光抜けが増大し、視野角が狭くなる。一方、その値が80nmを超えると、逆に視角が過補償されて光抜けに悪影響を与える。また、厚み方向の位相差値Rthも面内の位相差値と同様、小さすぎると液晶層の視角補償が不十分となり、逆に大きすぎると過補償される状態となるので、好ましくない。
[各層の接着]
偏光子11と透明保護層12、偏光子11と位相差板20、また偏光板10を偏光子の両面に透明保護層が貼合されたもので構成する場合にその偏光板の片側透明保護層と位相差板20は、通常、透明で光学的に等方性の接着剤又は粘着剤を介して貼着される。これらの接着には、それぞれの接着性を考慮して任意のものを用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤などが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液は、特に偏光子12を一方の被接着物とする場合の好ましい接着剤の一つであり、この水溶液は、さらに水溶性エポキシ樹脂や多価アルデヒドなどの硬化剤を含有するのが好ましい。
偏光子11と透明保護層12、偏光子11と位相差板20、また偏光板10を偏光子の両面に透明保護層が貼合されたもので構成する場合にその偏光板の片側透明保護層と位相差板20は、通常、透明で光学的に等方性の接着剤又は粘着剤を介して貼着される。これらの接着には、それぞれの接着性を考慮して任意のものを用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤などが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液は、特に偏光子12を一方の被接着物とする場合の好ましい接着剤の一つであり、この水溶液は、さらに水溶性エポキシ樹脂や多価アルデヒドなどの硬化剤を含有するのが好ましい。
水溶液を接着剤として用いた場合は、積層後に乾燥処理が施される。乾燥処理は、例えば、熱風を吹き付けることにより行われ、そのときの温度は、40〜100℃程度、好ましくは60〜100℃の範囲から適宜選択される。乾燥時間は 20〜1,200秒程度である。位相差板として環状オレフィン系樹脂フィルムを採用し、水溶液接着剤を用いてそれを偏光子に積層した場合は、乾燥後さらに、室温又はそれよりやや高い温度、例えば、20〜50℃程度の温度で、12〜600時間程度養生してやるのが好ましい。養生のときの温度は、乾燥時に採用した温度よりも低く設定されるのが一般的である。
偏光板の構成部材である偏光子12は、面内に吸収軸を持っている。ポリビニルアルコール系偏光子は通常、縦延伸で製造されるので、ロール状の偏光子又は偏光板は、そのロールフィルムの長手方向が吸収軸となる。それに積層される位相差板20も屈折率異方性を有しており、面内に遅相軸及び進相軸が存在する。遅相軸と進相軸は、それぞれ面内で直交する方向となる。偏光板と位相差板を積層する際には、偏光子の吸収軸と位相差板の面内遅相軸とがほぼ平行関係又はほぼ直交関係となるように配置することが好ましい。特に、位相差板20を横一軸延伸で、又は横延伸倍率のほうが大きい二軸延伸で製造した場合には、偏光子12を含む偏光板10と位相差板20をそのままロール・ツー・ロール貼合することで、偏光子11の吸収軸方向と位相差板20の遅相軸方向が実質的に直交関係となるので、このような貼合方式は好ましい形態の一つである。
[粘着剤層]
本発明においては、位相差板20の偏光子12と反対側の面に、650〜950nmの波長範囲に極大吸収を示す色素(以下、「光洩れ低減用色素」と称することがある)を含有する粘着剤層30が形成される。粘着剤層30は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベースポリマーとし、さらに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋剤を含み、必要に応じてシランカップリング剤などを含み、これらを溶剤と混合した粘着剤組成物から形成することができる。粘着剤層30の厚みは、通常5〜100μm程度、好ましくは5〜40μmである。粘着剤層が薄すぎると粘着性が低下し、厚すぎると粘着剤がはみ出すなどの不具合を生じやすくなる。
本発明においては、位相差板20の偏光子12と反対側の面に、650〜950nmの波長範囲に極大吸収を示す色素(以下、「光洩れ低減用色素」と称することがある)を含有する粘着剤層30が形成される。粘着剤層30は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベースポリマーとし、さらに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋剤を含み、必要に応じてシランカップリング剤などを含み、これらを溶剤と混合した粘着剤組成物から形成することができる。粘着剤層30の厚みは、通常5〜100μm程度、好ましくは5〜40μmである。粘着剤層が薄すぎると粘着性が低下し、厚すぎると粘着剤がはみ出すなどの不具合を生じやすくなる。
粘着剤層30に含有させる色素として、本発明では、650〜950nmの波長範囲に極大吸収を示すものを採用する。当該波長範囲に極大吸収を示す色素を粘着剤に含有させることにより、偏光板のクロスニコルでは完全に遮断できない長波長域の光を吸収し、暗表示状態における黒輝度の上昇や、色相のズレといった問題を解決することができる。
ここで用いる色素は、上記した特定の波長範囲に極大吸収を示すものであれば、公知の色素が制限なく使用できる。具体的には、ジインモニウム系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、ポリメチン系、アントラキノン系、ピリリウム系、スクアリリウム系、トリフェニルメタン系、シアニン系、アミニウム系などの化合物が挙げられ、これらの色素をそれぞれ単独で、又は2種類以上組み合わせて用いることができる。650〜950nmの波長範囲に極大吸収を示す色素として、例えば、住友精化(株)から販売されている“SD50-E04N”や“SD50-E05N”(いずれも商品名)などを挙げることができる。
上記色素を粘着剤層に含有させる方法としては、公知の方法を採用することができる。具体的には、上記したような粘着剤組成物に色素を添加して、色素入り粘着剤とする。色素の添加濃度は、色素の吸収波長域や吸光係数、粘着剤層の厚みや層数、粘着剤を構成するベース樹脂の種類などによって異なるが、通常、粘着剤組成物の固形分重量を基準に、1ppm〜10,000ppm 程度の範囲から、適宜選べばよい。このような色素入り粘着剤組成物を直接、位相差板20上に塗布し、乾燥する方式や、色素入り粘着剤組成物を離型処理が施されたセパレートフィルム上に塗布し、乾燥してシート状の粘着剤層とし、これを位相差板20上に貼り付ける方式などにより、粘着剤層30を形成することができる。
また、これらの光洩れ低減用色素の光や熱に対する安定性を向上させることを目的として、色素を含有させた粘着剤組成物に各種安定化剤を添加することもできる。さらには、必要に応じて色調補正のために、前記の650〜950nmの波長範囲に極大吸収を示す光洩れ低減用色素以外の色素を配合することも可能である。粘着剤組成物に配合された各種安定化剤や光洩れ低減用色素以外の色素も、そのまま粘着剤層に持ち込まれる。
[付加機能層]
本発明の複合偏光板においては、透明保護層、偏光子、位相差板及び粘着剤層に加え、偏光板10側表面、特に透明保護層14の表面に、付加機能層が設けられていてもよい。付加機能層としては、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層などが例示される。これらのハードコート層、防眩層、反射防止層及び帯電防止層は、通常、液晶セルの視認側(光出射側)に配置される複合偏光板に対して設けられる。
本発明の複合偏光板においては、透明保護層、偏光子、位相差板及び粘着剤層に加え、偏光板10側表面、特に透明保護層14の表面に、付加機能層が設けられていてもよい。付加機能層としては、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層などが例示される。これらのハードコート層、防眩層、反射防止層及び帯電防止層は、通常、液晶セルの視認側(光出射側)に配置される複合偏光板に対して設けられる。
ハードコート層は、表面の耐擦傷性などを改善するために設けられる。防眩層は、外光の映り込みやギラツキを防ぐために設けられる。反射防止層は、外光の反射を防ぐために設けられる。また帯電防止層は、静電気の発生を防ぐために設けられる。これらの付加機能層を本発明の複合偏光板に形成する場合、塗工など公知の方法で直接透明保護層上に設けてもよいし、基材上にこれらの付加機能層が設けられたフィルムを透明保護層に貼合してもよい。また、これらの付加機能層を予め透明保護層14上に形成しておき、これをその付加機能層とは反対側で偏光子12に貼る方法も採用できる。
ハードコート層は、紫外線硬化型のハードコート樹脂を塗工し、そこに紫外線を照射して硬化させる方式などにより、設けることができる。防眩層は、例えば、フィラーが添加された紫外線硬化型樹脂を塗工し、そこに紫外線を照射して硬化させ、フィラーに基づく凹凸を現出させる方式、紫外線硬化型樹脂にエンボス型を接触させた状態で紫外線を照射し、硬化させて凹凸を現出させる方式などにより、設けることができる。反射防止層は、金属酸化物などを一層又は複数層蒸着する方式などにより、設けることができる。帯電防止層は、帯電防止剤入りの紫外線硬化型樹脂を塗工し、そこに紫外線を照射して硬化させる方式などにより、設けることができる。また、一般に偏光板の表面(図1や図2に示した粘着剤層付き複合偏光板では、粘着剤層30とは反対側の偏光板10の表面)には、易剥離性の粘着剤層を有するプロテクトフィルムを貼合し、使用時までその表面を仮着保護するのが通例である。かかるプロテクトフィルムを構成する粘着剤層に帯電防止剤を配合しておき、それを偏光板10の表面、特に透明保護層14の表面に貼合することも、好適な帯電防止層の形態のひとつである。
さらには、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光分離フィルム、表面に反射機能を有する反射フィルム、反射機能と透過機能を併せ持つ半透過反射フィルムなどを、付加機能層として積層することもできる。これらの反射型偏光分離フィルム、反射フィルム及び半透過反射フィルムは、通常、液晶セルの背面側(透過型又は半透過反射型の場合は光入射側)に配置される複合偏光板に対して設けられる。ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光分離フィルムに相当する市販品としては、米国の 3M Company 〔日本では住友スリーエム(株)〕から販売されている“DBEF”(商品名)などがある。
[液晶表示装置]
以上のように構成され、所定の波長領域に極大吸収を示す色素を含有する粘着剤層を備える本発明の複合偏光板は、液晶セルの少なくとも片側に配置されて、液晶表示装置となる。本発明に係る液晶表示装置の層構成の例を図3に断面模式図で示した。一般に液晶表示装置、特に透過型の液晶表示装置は、液晶セル40の両側にそれぞれ、粘着剤層30,31及び偏光板10,11をこの順に積層し、一方の偏光板11の外側にはバックライト50を配置して構成される。一対の偏光板10,11と粘着剤層30,31との間の少なくとも一方には、位相差板20が配置される。図示の例では、視認側(光出射側)の偏光板10と粘着剤層30の間、及び背面側(光出射側)の偏光板11と粘着剤層31の間の両方に、位相差板20,21が配置されている。
以上のように構成され、所定の波長領域に極大吸収を示す色素を含有する粘着剤層を備える本発明の複合偏光板は、液晶セルの少なくとも片側に配置されて、液晶表示装置となる。本発明に係る液晶表示装置の層構成の例を図3に断面模式図で示した。一般に液晶表示装置、特に透過型の液晶表示装置は、液晶セル40の両側にそれぞれ、粘着剤層30,31及び偏光板10,11をこの順に積層し、一方の偏光板11の外側にはバックライト50を配置して構成される。一対の偏光板10,11と粘着剤層30,31との間の少なくとも一方には、位相差板20が配置される。図示の例では、視認側(光出射側)の偏光板10と粘着剤層30の間、及び背面側(光出射側)の偏光板11と粘着剤層31の間の両方に、位相差板20,21が配置されている。
そして本発明では、位相差板20,21と液晶セル40の間に位置する粘着剤層30,31のうち少なくとも一方は、上で説明した本発明の粘着剤層付き複合偏光板に従って、650〜950nmの波長領域に極大吸収を示す色素(光洩れ低減用色素)を含有するもので構成する。視認側と背面側の一方にだけ位相差板を配置する場合は、その位相差板を液晶セルに貼合するための粘着剤層に上記の色素を含有させる。また、図示のように液晶セル40の両側に位相差板20,21を配置する場合は、視認側の粘着剤層30と背面側の粘着剤層31のうち少なくとも一方に上記の色素を含有させる。後者の場合はもちろん、粘着剤層31,32の両方に上記の色素を含有させてもよい。
図3に示す例は、図2に示したのと同じ偏光板10/位相差板20/上述の光洩れ低減用色素を含有する粘着剤層30で構成される粘着剤層付き複合偏光板17が、その粘着剤層30を介して液晶セル40の視認側に貼合された構造となっている。液晶セル40の背面側には、(透明保護層15/偏光子13の構成からなる偏光板11)/位相差板21/粘着剤層31で構成される粘着剤層付き複合偏光板18が、その粘着剤層31を介して液晶セル40の背面側に貼合されている。この構成において、上述の光洩れ低減用色素は、視認側の粘着剤層30及び背面側の粘着剤層31のうち、少なくとも一方に含有されていればよい。両方の粘着剤層に光洩れ低減用色素を含有させることもできるし、一方の粘着剤層は光洩れ低減用色素を含有させたもので構成し、他方の粘着剤層は光洩れ低減用色素を含有しないもので構成することもできる。
液晶表示装置を構成する液晶セル40は、透過光量をスイッチングするために、液晶が2枚の透明基板の間に封入され、電圧印加により液晶の配向状態を変化させる機能を有する部材であって、その中に封入された液晶層の配向状態と、電極間に電圧を印加したときの液晶層の配向状態によって、例えば、ツイステッドネマティック(TN)モードや垂直配向(VA)モードなど、各種方式のものがある。本発明の粘着剤層付き複合偏光板は、一般的な液晶表示装置に広く使用されている各種モードの液晶セルに対して、有効に適用することができる。
液晶表示装置を構成するバックライト50も、一般の液晶表示装置に広く使用されているものでよい。例えば、拡散板とその背後に配置された光源で構成され、光源からの光を拡散板で均一に拡散させたうえで前面側に出射するようになっている直下型のバックライトや、導光板とその側方に配置された光源で構成され、光源からの光を一旦導光板の中に取り込んだうえで、その光を前面側に均一に出射するようになっているサイドライト型のバックライトなどを挙げることができる。バックライトにおける光源としては、蛍光管を使って白色光を発光する冷陰極蛍光ランプや、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)などを採用することができる。本発明の構成は、650nm以上の長波長領域にまで発光を有する高色域対応のバックライトが採用されている場合に、より顕著な効果が期待できる。
位相差板20,21は、先に説明した環状オレフィン系樹脂フィルム又は酢酸セルロース系樹脂フィルムで構成することが好ましい。液晶セル40の両側に位相差板を配置する場合、視認側の位相差板20及び背面側の位相差板21は、同種の樹脂フィルムであってもよいし、それぞれが異なる種類の樹脂フィルムであってもよい。また、これらの位相差板の位相差値は、用いる液晶セルの特性によって、好ましい値に設定することができる。上述したように、垂直配向(VA)モードの液晶セルに対して有効な補償機能を発現させるためには、2枚の位相差板20,21のうち少なくとも一方は、面内の位相差値Ro が30〜80nm、そして厚み方向の位相差値Rthが80〜250nmの範囲にあることが好ましい。さらには、位相差板20,21の両方を、このような位相差値を有するもので構成することが、一層好ましい。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
以下の例で用いた偏光子の保護フィルム及び位相差板は次のとおりであり、以下、それぞれの記号で表示する。厚さ、面内位相差Ro 及び厚み方向位相差Rthは、メーカー呼称値で示した。Ro 及びRthは、王子計測機器(株)製の位相差測定装置“KOBRA-WR”を用いて実測もしているが、以下に示す値とほぼ同様の値が得られている。
(A)面内位相差がほぼゼロのトリアセチルセルロースフィルム(透明保護層)
TAC:商品名“KC8UX2M”、コニカミノルタオプト(株)から入手、厚さ80μm。
(B)酢酸セルロース系樹脂フィルムからなる位相差板
RAC:商品名“KC4HR-1”、コニカミノルタオプト(株)から入手、厚さ48μm、
Ro=52nm、Rth=125nm。
TAC:商品名“KC8UX2M”、コニカミノルタオプト(株)から入手、厚さ80μm。
(B)酢酸セルロース系樹脂フィルムからなる位相差板
RAC:商品名“KC4HR-1”、コニカミノルタオプト(株)から入手、厚さ48μm、
Ro=52nm、Rth=125nm。
[参考例1]光洩れ低減用色素含有粘着剤シートの作製
アクリル系共重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物に、波長834nmに極大吸収を示す選択吸収色素〔住友精化(株)から入手、商品名“SD50-E05N”〕 を、粘着剤組成物の固形分重量基準で1200ppm 添加して、色素含有粘着剤組成物を調製した。この色素含有粘着剤組成物を、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレートフィルムとする)の離型処理面に、乾燥後の厚さが25μm となるように塗布し、100℃で1分間乾燥処理を施して、粘着剤層を形成した。その後、上と同じセパレートフィルムを粘着剤の露出面に貼り合わせることで、色素含有粘着剤シートを作製した。
アクリル系共重合体をベースポリマーとする粘着剤組成物に、波長834nmに極大吸収を示す選択吸収色素〔住友精化(株)から入手、商品名“SD50-E05N”〕 を、粘着剤組成物の固形分重量基準で1200ppm 添加して、色素含有粘着剤組成物を調製した。この色素含有粘着剤組成物を、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレートフィルムとする)の離型処理面に、乾燥後の厚さが25μm となるように塗布し、100℃で1分間乾燥処理を施して、粘着剤層を形成した。その後、上と同じセパレートフィルムを粘着剤の露出面に貼り合わせることで、色素含有粘着剤シートを作製した。
[参考例2]波長選択吸収色素含有粘着剤シートの作製
色素を、波長593nmに極大吸収を示す選択吸収色素〔山田化学工業(株)製、商品名“TAP-18”〕に変えた以外は、参考例1と同様にして色素含有粘着剤シートを作製した。
色素を、波長593nmに極大吸収を示す選択吸収色素〔山田化学工業(株)製、商品名“TAP-18”〕に変えた以外は、参考例1と同様にして色素含有粘着剤シートを作製した。
[実施例1]
(a)粘着剤層付き複合偏光板の作製
(a1)色素含有粘着剤層付き複合偏光板
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTACを、もう一方の面には、同じく表面ケン化処理が施された酢酸セルロース系樹脂フィルムからなる位相差板RACを、それぞれポリビニルアルコール系樹脂含有水溶液からなる接着剤を介して貼合し、複合偏光板を作製した。その位相差板RAC側に、参考例1で作製した波長834nmに極大吸収を示す色素を含有する粘着剤シートから片側セパレートフィルムを剥がしたものをその粘着剤層側で貼り合わせ、色素含有粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(a)粘着剤層付き複合偏光板の作製
(a1)色素含有粘着剤層付き複合偏光板
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光子の片面に、表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースフィルムTACを、もう一方の面には、同じく表面ケン化処理が施された酢酸セルロース系樹脂フィルムからなる位相差板RACを、それぞれポリビニルアルコール系樹脂含有水溶液からなる接着剤を介して貼合し、複合偏光板を作製した。その位相差板RAC側に、参考例1で作製した波長834nmに極大吸収を示す色素を含有する粘着剤シートから片側セパレートフィルムを剥がしたものをその粘着剤層側で貼り合わせ、色素含有粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(a2)色素不含粘着剤層付き複合偏光板
一方、上と同じTAC/偏光子/RACの3層からなる複合偏光板の位相差板RAC側に、色素を含有しないアクリル系粘着剤層がセパレートフィルム上に形成されている粘着剤シートを貼り合わせ、色素不含粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
一方、上と同じTAC/偏光子/RACの3層からなる複合偏光板の位相差板RAC側に、色素を含有しないアクリル系粘着剤層がセパレートフィルム上に形成されている粘着剤シートを貼り合わせ、色素不含粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(b)液晶表示装置の作製
シャープ(株)製の垂直配向モードの液晶表示装置“AQUOS” (対角寸法32インチ=約81cm)から視認側偏光板を剥がし、その代わりに、上記(a1)で作製した色素含有粘着剤層付き複合偏光板からセパレートフィルムを剥がしたものを、オリジナルの偏光板と同じ軸方向で、その粘着剤層側にて貼り付けた。また、背面側偏光板も剥がし、その代わりに、上記(a2)で作製した色素不含粘着剤層付き複合偏光板からセパレートフィルムを剥がしたものを、オリジナルの偏光板と同じ軸方向で、その粘着剤層側にて貼り付けた。こうして、液晶セルの視認側粘着剤層が834nmに極大吸収波長を示す色素を含有する液晶表示装置を作製した。
シャープ(株)製の垂直配向モードの液晶表示装置“AQUOS” (対角寸法32インチ=約81cm)から視認側偏光板を剥がし、その代わりに、上記(a1)で作製した色素含有粘着剤層付き複合偏光板からセパレートフィルムを剥がしたものを、オリジナルの偏光板と同じ軸方向で、その粘着剤層側にて貼り付けた。また、背面側偏光板も剥がし、その代わりに、上記(a2)で作製した色素不含粘着剤層付き複合偏光板からセパレートフィルムを剥がしたものを、オリジナルの偏光板と同じ軸方向で、その粘着剤層側にて貼り付けた。こうして、液晶セルの視認側粘着剤層が834nmに極大吸収波長を示す色素を含有する液晶表示装置を作製した。
[比較例1]
視認側偏光板及び背面側偏光板の両方を、実施例1の(a2)で作製した色素不含粘着剤層付き複合偏光板とした以外は、実施例1の(b)と同様にして、液晶表示装置を作製した。
視認側偏光板及び背面側偏光板の両方を、実施例1の(a2)で作製した色素不含粘着剤層付き複合偏光板とした以外は、実施例1の(b)と同様にして、液晶表示装置を作製した。
[比較例2]
(a)色素含有粘着剤層付き複合偏光板の作製
実施例1の(a1)で作製したのと同じTAC/偏光子/RACの3層からなる複合偏光板の位相差板RAC側に、参考例2で作製した波長593nmに極大吸収を示す色素を含有する粘着剤シートから片側セパレートフィルムを剥がしたものをその粘着剤側で貼り合わせ、色素含有粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(a)色素含有粘着剤層付き複合偏光板の作製
実施例1の(a1)で作製したのと同じTAC/偏光子/RACの3層からなる複合偏光板の位相差板RAC側に、参考例2で作製した波長593nmに極大吸収を示す色素を含有する粘着剤シートから片側セパレートフィルムを剥がしたものをその粘着剤側で貼り合わせ、色素含有粘着剤層付き複合偏光板を作製した。
(b)液晶表示装置の作製
視認側偏光板を上記(a)で作製した色素含有粘着剤層付き複合偏光板に変更し、背面側偏光板は実施例1と同様、色素不含粘着剤層付き複合偏光板とし、その他は実施例1の(b)と同様にして、液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は、液晶セルの視認側粘着剤層が593nmに極大吸収波長を示す色素を含有する。
視認側偏光板を上記(a)で作製した色素含有粘着剤層付き複合偏光板に変更し、背面側偏光板は実施例1と同様、色素不含粘着剤層付き複合偏光板とし、その他は実施例1の(b)と同様にして、液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置は、液晶セルの視認側粘着剤層が593nmに極大吸収波長を示す色素を含有する。
[液晶表示装置の評価]
以上の実施例1並びに比較例1及び2で作製したそれぞれの液晶表示装置につき、トプコンテクノハウス(株)製の色彩輝度計“SR-UL1”を用いて、明表示状態と暗表示状態それぞれにおける正面輝度及び暗表示状態における色度を測定した。そして、暗表示状態の正面輝度に対する明表示状態の正面輝度の比を求め、コントラストとした。なお、ここで測定した色度は、国際照明委員会(Commission Internationale de l'Eclairage)が1976年に提案したUCS(uniform-chlomaticity-scale)色度図に現れるu′座標及びv′座標に相当する。UCS色度図において、赤色(波長700nmの単色光)は(u′,v′)=(0.62,0.51)の座標に、また白色点は(u′,v′)=(0.21,0.47)の座標にあるので、u′座標及びv′座標の値が赤色領域から離れて白色領域に近づくほど、赤色から遠ざかることを意味する。各例につき、粘着剤層の概要と試験結果を表1にまとめた。表中、λmax は色素の極大吸収波長を意味する。
以上の実施例1並びに比較例1及び2で作製したそれぞれの液晶表示装置につき、トプコンテクノハウス(株)製の色彩輝度計“SR-UL1”を用いて、明表示状態と暗表示状態それぞれにおける正面輝度及び暗表示状態における色度を測定した。そして、暗表示状態の正面輝度に対する明表示状態の正面輝度の比を求め、コントラストとした。なお、ここで測定した色度は、国際照明委員会(Commission Internationale de l'Eclairage)が1976年に提案したUCS(uniform-chlomaticity-scale)色度図に現れるu′座標及びv′座標に相当する。UCS色度図において、赤色(波長700nmの単色光)は(u′,v′)=(0.62,0.51)の座標に、また白色点は(u′,v′)=(0.21,0.47)の座標にあるので、u′座標及びv′座標の値が赤色領域から離れて白色領域に近づくほど、赤色から遠ざかることを意味する。各例につき、粘着剤層の概要と試験結果を表1にまとめた。表中、λmax は色素の極大吸収波長を意味する。
以上の結果から、位相差板を液晶セルに貼り付けるための粘着剤層に、波長834nmに極大吸収を示す色素を含有させた実施例1は、色素を含有しない比較例1に比べ、コントラストが向上しており、かつ、暗表示時の色相を赤色から遠ざける効果が認められた。一方、この構成において、上記と同じ粘着剤層に593nmに極大吸収を示す色素を含有させた比較例2では、色相の改善効果が大きいものの、コントラスト向上効果との両立はできていない。
10,11……偏光板、
12,13……偏光子、
14,15……透明保護層、
17,18……粘着剤層付き複合偏光板、
20,21……位相差板、
30,31……粘着剤層、
40……液晶セル、
50……バックライト。
12,13……偏光子、
14,15……透明保護層、
17,18……粘着剤層付き複合偏光板、
20,21……位相差板、
30,31……粘着剤層、
40……液晶セル、
50……バックライト。
Claims (6)
- ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子を含む偏光板の片面に位相差板が貼合され、さらに該位相差板の偏光子とは反対側の面に、650〜950nmの波長領域に極大吸収を示す色素を含有する粘着剤層を備えることを特徴とする、粘着剤層付き複合偏光板。
- 位相差板は環状オレフィン系樹脂フィルムからなる請求項1に記載の粘着剤層付き複合偏光板。
- 位相差板は酢酸セルロース系樹脂フィルムからなる請求項1に記載の粘着剤層付き複合偏光板。
- 位相差板を構成する酢酸セルロース系樹脂フィルムは、20〜100μm の厚みを有する請求項3に記載の粘着剤層付き複合偏光板。
- 偏光板は、前記偏光子の位相差板と反対側の面に透明保護層が形成されたものであり、該透明保護層は、偏光子と反対側の面に、ハードコート層、防眩層、反射防止層及び帯電防止層からなる群より選ばれる付加機能層を有する請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤層付き複合偏光板。
- 液晶セルの両側にそれぞれ、粘着剤層、及びポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子を含む偏光板がこの順に積層され、一方の偏光板の外側にバックライトが配置されてなる液晶表示装置であって、
前記偏光板の少なくとも一方と粘着剤層との間には位相差板が配置され、
少なくとも一方の位相差板と液晶セルとの間に位置する粘着剤層は、650〜950nmの波長領域に極大吸収を示す色素を含有する
ことを特徴とする液晶表示装置。
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- 2009-03-25 JP JP2009073719A patent/JP2010224378A/ja active Pending
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