JP2009030023A - インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】初期の色調がニュートラルに近いだけでなく、耐光性試験後の色調変化のバランスに優れた画像を形成するブラックのインクの提供、また、階調性を有する画像(グレー画像)を形成する場合でも色調変化が少なく、階調性のバランスが適正化されたブラックのインクの提供、記録媒体のインク受容層の厚さ方向における色材の浸透深さをコントロールし、画像の耐光性を達成できる有効な相関を見出す技術の提供。
【解決手段】特定構造のアゾ色素、例えば一般式(I)で示される化合物と特定構造を有する他の2種のアゾ色素を併用して所望の性能を有するブラックインクを得る。
Figure 2009030023

【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙や光沢メディアなどの記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。また、インクジェット記録方法により得られる画像の高画質化が進んだことに加えて、デジタルカメラの急速な普及に伴い、銀塩写真に匹敵する画像の出力方法として広く一般的になっている。
インクジェット記録方法の問題点のひとつとして、得られた記録物の画像保存性が挙げられる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は、銀塩写真と比較して、その画像保存性に劣るという問題がある。より具体的には、記録物が、光、湿度、熱、又は空気中に存在する環境ガスなどに長時間さらされた場合には、記録物上の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいという問題がある。ブラックインクで形成した画像における耐光性は、色材の劣化による色調の変化を伴うことが多く、特に劣化が顕著に認識されるため、従来から解決すべき課題として捉えられ、多くの提案がなされている。
例えば、インク中に、紫外線吸収剤や酸化防止剤などの添加剤を含有させることで、色材の劣化を抑制することに関する提案がなされている。しかし、これらの添加剤を使用することによる充分な効果を得るためには、添加剤の含有量を多くする必要があるため、インクの吐出不良や固着などのインクの信頼性に影響を与える可能性がある。
このような問題に対して、耐光性に優れた構造を有する色材を含有するインクを用いることで、画像の耐光性を向上させることに関する種々の提案がなされている。例えば、アゾ基に直結していない芳香族の共役π電子の数を規定した染料を含有させたインクにより、耐光性及び耐オゾン性などの画像の堅牢性、インクの保存安定性、さらには画像の色調をも優れたものとすることについての提案がある(特許文献1参照)。また、画像の色調にも優れ、ブラックインクの調色用染料として有用な耐光性及び耐オゾン性に優れたイエロー〜レッド系染料、さらに、該染料を含有するインクに関する提案がなされている(特許文献2参照)。
一方、画質の観点からは、ブラックインクを用いて形成する画像は、高い光学濃度に加えて、色調がニュートラルに近いことが要求されている。なお、本発明でいうニュートラルな色調とは、具体的には、CIE(国際照明委員会)により規定されたL***表示系におけるa*及びb*を測定して、画像の色調の評価をした場合に、これらの値が特定の範囲内にある画像を意味する。このことについては、後述する実施例において詳述する。ニュートラルに近い色調を得るためには、画像が可視領域においてフラットに近い吸収を示すことが必要である。これに対し、水溶性の染料として一般的に用いられるアゾ染料では、高い光学濃度及びニュートラルに近い色調を1種類の色材で達成することは難しい。このため、複数の異なる染料を組み合わせることにより、上記した要求を達成することに関する技術が提案されている。
例えば、C.I.フードブラック1などの青味を有する特定の黒色染料と、マゼンタ及び/又はイエロー染料とをともに含むインクを用いることで、耐光性に優れた画像を与えることに関する提案がなされている(特許文献3参照)。また、テトラキスアゾ染料と、4,4’−ジニトロスチルベン−2,2’−ジスルホン酸とアミノベンゼンとの縮合化合物とをともに含むブラックインクについての提案がある。すなわち、このような組成とすることで、耐光性及び耐オゾン性に優れた画像を形成することができるとされている(特許文献4参照)。また、複素環を有する特定のアゾ染料と特定の構造を有するアゾ染料とをともに含むブラックインクが提案されている(特許文献5参照)。さらに、吸収スペクトルにおける吸収極大波長が、それぞれ、長波長領域に存在する特定構造の染料と、短波長領域に存在する染料とをともに含むブラックインクが提案されている(特許文献6参照)。これらのインクは、色調、耐光性、及び耐オゾン性に優れた画像を与えるとされている。
また、ブラックインクを用いてグレー画像を得ることに関しては、下記の提案がある。すなわち、色材の吸収スペクトルにおける吸収極大波長を規定し、長波長領域に極大吸収波長を有する染料と、短波長領域に極大吸収波長を有する染料とをともに有するインクに関する提案がある(特許文献7参照)。そして、これらの染料を含有するインクを用いることで、グレー画像における色調を無彩色に保ち、かつ、耐光性試験後の色差を規定することで、耐光性に優れたブラックインクが得られることが開示されている。
さらに、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各染料を含有してなる、調色されたインクを用いて形成したグレーないしはブラックの画像についての、湿度による劣化の抑制を課題とした下記の提案がある。すなわち、ブラック染料と、適切なカラー染料とを含むインクを用いることに関して提案されており、かかるインクによって、耐光性及び耐湿性に優れた画像が得られるとされている(特許文献8参照)。具体的には、以下に述べる色相範囲、彩度範囲、及び明度(L*)の特性を有する、ライトグレー、ミディアムグレー、及びダークグレーの各インクからなる3種のインクのインクセットを用いて画像形成を行う。ライトグレーインクは、250°乃至310°の色相範囲、6未満の彩度範囲、54乃至72の明度(L*)範囲を有する。また、ミディアムグレーインクは、250°乃至310°の色相範囲、6未満の彩度範囲、30乃至47の明度(L*)範囲を有する。さらに、ダークグレーインクは、150°乃至270°の色相範囲、6未満の彩度範囲、10乃至18の明度(L*)範囲を有する。そして、ライトグレー、ミディアムグレー、及びダークグレーのうち2種又は3種のインクが一緒に記録されると、グレーカラーは、250°乃至310°の色相範囲及び2乃至6の彩度範囲となることが記載されている。
特開2005−139427号公報 国際公開第2006/001274号パンフレット 特公平8−026263号公報 特開2005−068416号公報 特開2005−146244号公報 特開2006−282795号公報 特開2006−028256号公報 特表2006−526062号公報
さらに、本発明者らは、ブラックインクを用いて形成した画像について、その色調と耐光性の観点から検討を行ったところ、記録デューティを100%として形成した画像において、後述の一般式(I)で表される化合物が耐光性に優れることを着目するに至った。
公知のブラック染料の多くは、画像に光を照射する耐光性試験後に、画像の色調が黄味に変化する傾向がある。つまり、公知のブラック染料を含有するインクを用いて形成した画像は、イエロー波長領域の光学濃度と比較して、マゼンタ波長領域や特にシアン波長領域における光学濃度の低下の程度が大きい傾向にある。なお、各波長領域における光学濃度は、分光光度計を用いて、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各成分の光学濃度を測定する(分光感度特性;ISOステータスAを使用)ことで、求めることができる。
これに対して、一般式(I)で表される化合物を含有するインクを用いて形成した画像は、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各波長領域における光学濃度の低下の程度が同程度であることがわかった。すなわち、一般式(I)で表される化合物は、耐光性試験に対する色調(色味)の変化が起こりにくい特性をもつことがわかった。さらに、一般式(I)で表される化合物を含有するインクを用いて形成した画像の色調は緑味の黒であり、ブラックインクに適用できる可能性があることもわかった。
そこで本発明者らは、一般式(I)で表される化合物と、イエロー系〜レッド系の色調を有し、耐光性に優れる特性を有する一般式(II)で表される化合物を併用し、一般式(I)で表される化合物を含有するインクの色調を調整することについて検討を行った。なお、一般式(II)で表される化合物については、後述する。その結果、これらの化合物を含有するインクを用いて記録デューティを100%として形成した初期の画像の色調は、ニュートラルに近いものとなった。また、前記画像の耐光性試験後における、ブラックの光学濃度(分光感度特性;ISO Visualを使用)の残存率は、予想の範囲内のレベルであった。
ところが、一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物とを併有するインクにおいては、以下のような新たな問題があることがわかった。すなわち、かかるインクを用いて形成した画像は、耐光性試験後の色調の変化が大きくなった。具体的には、耐光性試験後の画像の色調の変化が起こりにくい特性をもつ一般式(I)で表される化合物をインク中に含有しているにもかかわらず、その画像はイエロー波長領域と比較してマゼンタやシアンの波長領域における光学濃度の低下の程度が大きくなった。つまり、一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物とを併有するインクでは、記録媒体中において、一般式(I)で表される化合物の特性の一部が失われており、この化合物が本来もつ優れた耐光性を発揮しきれていないことがわかった。
したがって、本発明の第1課題は、一般式(I)で表される化合物と一般式(II)の化合物とを含有するインクにおける上記のような課題を解決することにある。すなわち、初期の画像の色調がニュートラルに近いだけでなく、耐光性試験後の画像の色調変化のバランスに優れたインクを提供することにある。
また、本発明者らは、この第1課題の解決方法についての検討中に、インク中に含有させた色材の構造の違いなどにより、記録媒体にインクを付与した際に、インク受容層の厚さ方向における色材の分布位置(浸透深さ)が異なる場合があるという知見を得た。つまり、複数の色材を含むインクで形成した画像においては、以下のような課題がある。すなわち、記録媒体のインク受容層の厚さ方向における各色材の存在位置(浸透深さ)の違いによって、光による各色材の劣化の程度が異なる。これにより、耐光性試験後における画像の色調が異なってしまい、色調変化のバランスが損なわれる場合があるという知見を得た。
したがって、本発明の第2課題は、複数の色材を用いる場合の色材の選択条件を適正化することで、記録媒体のインク受容層の厚さ方向における分布位置(浸透深さ)をコントロールし、耐光性にとって有効な相関を見出す技術を提供することにある。さらには、この技術を利用したインクを提供することにある。
さらに、本発明者らは、上述した課題の検討の過程で一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物とを含有するインクを用いて階調性を有する画像を形成すると、得られた画像の色調がニュートラルから外れる場合があることがわかった。ブラックインクを用いて階調性を有する画像(グレー画像)を形成する場合、いわゆるハーフトーンと呼ばれる、記録デューティ40%付近での画像において色調の変化が顕著となる傾向にある(図7参照)。図7は、ブラックインクを用いて記録デューティを100%、80%、60%、40%、20%、及び10%として形成した画像におけるa**平面上の色度図である。なお、本発明においては、「階調性を有する画像」とは、画像を形成する際の記録デューティが高い画像から低い画像まで、少なくとも2点以上に記録デューティを変えて形成した画像のことを言うものとする。
したがって、本発明の第3課題は、階調性を有する画像(グレー画像)を形成する場合でも画像の色調変化が少なく、階調性のバランスが適正化されたインクを提供することにある。
本発明の目的は、上記した少なくとも1つの課題を解決することにある。具体的には、初期の色調がニュートラルに近く、また、耐光性試験後においても色調変化が少なく、しかも、変化のバランスが優れている耐光性に優れた画像を与えるブラックのインクを提供することにある。また、階調性を有する画像を形成した場合でも、画像の色調変化を少なくできるブラックのインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明にかかるインクは、少なくとも、第1の色材、第2の色材、及び第3の色材を含有してなるインクであって、前記第1の色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、前記第2の色材が、下記一般式(II)で表される化合物であり、前記第3の色材が、下記一般式(III)で表される化合物であることを特徴とする。
Figure 2009030023
(一般式(I)中、Aは置換されていてもよい芳香族基又は複素環基であり、Bは下記一般式(1)乃至(5)で表されるいずれかの基であり、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
Figure 2009030023
(一般式(1)乃至(5)中、R1乃至R9はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アニリノ基及び複素環アミノ基を含むアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル若しくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホン酸基であり、各基はさらに置換されていてもよい。)
Figure 2009030023
(一般式(II)中、R10はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキル基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルコキシル基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキルアミノ基、カルボキシル−炭素数1乃至5のアルキルアミノ基、ビス−〔カルボキシ−炭素数1乃至5のアルキル〕アミノ基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルカノイルアミノ基、カルボキシル基若しくはスルホン酸基若しくはアミノ基で置換されていてもよいフェニルアミノ基、スルホン酸基、ハロゲン原子、又はウレイド基であり、[C]はカルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミン残基であり、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
Figure 2009030023
(一般式(III)中、Dは、置換基を有するフェニル基であり、該置換基は、カルボキシル基、スルホン酸基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基(ヒドロキシル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)、及び炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシル基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる。E及びFはそれぞれ独立に、置換基を有するパラフェニレン基であり、該置換基は、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基(ヒドロキシル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)、及び炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシル基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる。R11は、カルボキシル基で置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキル基、スルホン酸基で置換されていてもよいフェニル基、又はカルボキシル基のいずれかであり、R12は、シアノ基、カルバモイル基、又はカルボキシル基のいずれかであり、R13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、塩素原子、又はスルホン酸基のいずれかである。)
また、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット記録方法は、インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、前記インクが、上記構成のインクであることを特徴とする。
また、本発明の別の実施態様にかかるインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが、上記構成のインクであることを特徴とする。
また、本発明の別の実施態様にかかる記録ユニットは、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットにおいて、前記インクが、上記構成のインクであることを特徴とする。
また、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット記録装置は、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置において、前記インクが、上記構成のインクであることを特徴とする。
本発明によれば、初期の色調がニュートラルに近いだけでなく、耐光性試験後の色調変化のバランスに優れた画像を与えるブラックのインクが提供される。また、本発明によれば、階調性を有する画像を形成した場合でも、画像の色調変化を少なくできるブラックのインクを提供することができる。さらに、本発明の別の実施態様によれば、インクを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置を提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を挙げて、詳細に説明する。
なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、以下の記載において、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物は、それぞれ、「一般式(I)の化合物」、「一般式(II)の化合物」、「一般式(III)の化合物」と記載することがある。
本発明者らは、後述の、一般式(I)の化合物と一般式(II)の化合物とを含有するインクを用いて得られる画像の色調及び耐光性についての検討を行う過程で、新たに、後述の一般式(III)の化合物を着目するに至った。本発明者らの検討によると、一般式(III)の化合物のみを含有するインクを用いて得られた画像は、青味の色調を有している。また、一般式(III)の化合物のみを含有するインクで形成された画像の耐光性試験後の各波長領域における光学濃度の低下の程度は、イエロー波長領域、マゼンタ波長領域、シアン波長領域の順に大きくなるが、光学濃度の残存率はいずれも高いことがわかった。
そこで、本発明者らは、色材として、一般式(I)の化合物と一般式(II)の化合物、さらに、これらに加えて一般式(III)の化合物を含有してなるインクについて、詳細な検討を行った。その結果、これらの3つの色材を含有するインクを用いて、記録デューティを100%として形成した画像(初期の画像)の色調はニュートラルに近いものとなった。また、前記画像は、耐光性に関しても、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各波長領域における光学濃度の低下の程度が同程度であり、耐光性試験後も色調変化が小さく、ニュートラルに近い色調を有する画像を保つことがわかった。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
さらに、本発明者らは、インク中における、一般式(I)の化合物、一般式(II)の化合物、及び一般式(III)の化合物の含有量の比率を検討した。その結果、これらの3つの色材の含有量の質量比率をある範囲とすることで、記録デューティが100%である画像だけでなく、階調性を有する画像においても、ニュートラルに近い色調を有する画像が得られることがわかった。さらには、この質量比率をある範囲としたインクによって得られた画像は、耐光性に関しても、耐光性試験後の色調変化がより小さく、ニュートラルにより近い色調を有する画像となることがわかった。
本発明のインクは、少なくとも、一般式(I)の化合物、一般式(II)の化合物、及び一般式(III)の化合物を含有することを特徴とする。これらの3つの化合物(色材)を組み合わせて含有するインクで形成した画像において、耐光性試験後の色調変化が抑えられ、色調変化のバランスが良好となるという効果の理由について、本発明者らは以下のように考えている。
記録媒体として、色材をインク受容層の多孔質構造を形成する微粒子に吸着させる記録媒体を用いる場合、記録媒体のインク受容層の厚さ方向における色材の分布位置(浸透深さ)は、色材の凝集性や記録媒体への吸着性によって異なる。この場合、耐光性試験による色材の劣化の程度は、色材の記録媒体への浸透の深さによって異なると考えられる。先ず、色材が記録媒体の厚さ方向のより深い位置(より内部)に存在する場合には、記録媒体中で光が散乱されることや吸収されることにより、その部分では光の強度が落ちるため、色材は光の影響を受けにくいと考えられる。一方、色材が記録媒体の厚さの方向のより浅い位置(より表面近傍)に存在する場合には、光の影響を受けやすく、耐光性試験により色材の劣化が生じやすいと推測される。
この推測に基づいて、後述の実施例及び比較例のインクを用いて本発明者らが確認したところ、以下に述べることがわかった。先ず、本発明のインクを構成する各化合物(色材)をそれぞれ単独で含有してなる各インクを用いて画像形成を行って検討した結果、記録物、つまり記録媒体のインク受容層の厚さ方向における色材の分布位置は、各色材によって異なることがわかった。図8(a)〜(c)は、本発明で使用する各色材をそれぞれに含有するインクを記録媒体に付与した際に、記録媒体中における各色材の分布位置を示す模式図である。以下、この図8を参照して記録媒体における色材の分布位置と、画像の耐光性との関係を説明する。図8に示したように、一般式(I)の化合物のみを含有するインクを用いた場合の色材の全体的な分布位置が最も浅くなった(より記録媒体の表面近傍に分布)。次いで、一般式(III)の化合物のみを含有するインクを用いた場合の色材の全体的な分布位置は、一般式(I)の化合物のみを含有するインクを用いた場合の色材の全体的な分布位置より深くなった。次いで、一般式(II)の化合物のみを含有するインクを用いた場合の色材の全体的な分布位置はこれらの中で最も深くなった(より記録媒体の内部に分布)。
この結果は、インクが付与された記録媒体中において、耐光性に優れ、色調の変化が起こりにくいという特性を有する一般式(I)の化合物が、光による色材の劣化を最も受けやすい分布位置にあることを示している。そして、一般式(I)の化合物に、一般式(II)の化合物を併用してなるインクを用いて形成した画像の耐光性試験後の色調の変化が大きくなった理由は、以下のようであると考えられる。先ず、一般式(I)の化合物は、凝集性が大きいため記録媒体の厚さの方向へ浸透しにくく、記録媒体の表面近傍に分布し、一方、一般式(II)の化合物は、浸透性が大きいため記録媒体の厚さの方向へ浸透しやすく、記録媒体のより内部に分布する。このため、一般式(I)の化合物の方が、一般式(II)の化合物に比べて光による劣化を受ける割合が大きくなり、一般式(I)の化合物が本来有する色調のバランスを保つ特性が十分に発揮されないものと推測される。
これに対して、図8(e)に示される、3種の化合物(色材)を含有する本発明のインクで形成した画像は、耐光性試験後の、イエロー、マゼンタ及びシアンの各波長領域における光学濃度の低下が同程度となり、画像の色調変化が少ないことがわかった。このように3種の化合物を含むインクによって、画像の色調変化を抑制できる理由は以下のようであると考えられる。すなわち、インク中に含有されている一般式(I)の化合物、一般式(II)の化合物、及び一般式(III)の化合物は、記録媒体中で比較的均一な状態で存在する。この結果、一般式(I)と一般式(II)の化合物を併用したインクの場合よりも、上記の3種の色材を併用したインクの場合の方が、一般式(I)の化合物の光による劣化をより抑えられ、さらには、各色材がバランスよく退色したためと推測される。
本発明者らは、一般式(I)及び(II)で表される2種の化合物を含有するインクと、一般式(I)、(II)及び(III)で表される3種の化合物を含有するインクでそれぞれ画像を形成することにより、上記事項に関するより詳細な検討を行った。具体的には、これらの画像における、記録媒体のインク受容層の厚さ方向における色材の分布位置(浸透深さ)を比較した。その結果、図8(e)に示したように、3種の化合物を含有する後者のインクを記録媒体に付与した場合は、前者の、図8(d)に示した2種の化合物を含有するインクを付与した場合に比べて、色材全体が同等又は浅い位置に分布する傾向にあった。このことは、後者のインクでは、記録媒体中において、3種の化合物が相互に作用することで、記録媒体中における一般式(I)の化合物の凝集が抑えられると共に、記録媒体中への一般式(II)の化合物の浸透も抑えられるためであると推測される。
このような現象が起こる理由について、本発明者らは、以下に挙げるようなことが原因ではないかと推論している。先ず、本発明で用いる一般式(I)の化合物、一般式(II)の化合物、及び一般式(III)の化合物のそれぞれの構造を比較すると、以下のような特徴がある。一般式(I)の化合物は、複素環を少なくとも2つ以上有するジスアゾ化合物である。また、一般式(II)の化合物は6つのベンゼン環と、1つの複素環を有するテトラキスアゾ化合物である。これに対して、一般式(III)の化合物は、3つのベンゼン環と1つの複素環を有する化合物である。これらの化合物を模式的に表すと、以下のようになる(Jはベンゼン環、J’は芳香族環、Kは複素環、をそれぞれ表す)。
Figure 2009030023
これらの化合物の構造を比較すると、一般式(III)の化合物は、一般式(I)の化合物に類似する部分と、一般式(II)の化合物に類似する部分の両方の構造を併せもっている。そのため、これらの化合物が記録媒体中で併存した状態になると、一般式(III)の化合物が、一般式(I)及び一般式(II)の化合物の双方に対して、相互に作用すると考えられる。そして、このことにより、記録媒体中における一般式(I)の化合物の凝集と、記録媒体中への一般式(II)の化合物の浸透を抑えているものと推測される。さらには、インクが一般式(II)の化合物を含有することによって、インクの色調をよりニュートラルに調整することができることとなるため、階調性を有する画像においてもニュートラルな画像を得ることができたものと考えられる。
これまでに述べてきたように、本発明のインクは、一般式(I)の化合物、一般式(II)の化合物、及び一般式(III)の化合物の3種の色材を含有することを特徴とする。本発明においては、特に、前記インクを用いて形成した画像について耐光性試験を行い、耐光性試験前の画像と耐光性試験後の画像とにおける光学濃度から求めた各波長領域における光学濃度の残存率が、以下の関係を満たすように設計されたものが、特に好ましい。なお、画像を形成する際の条件は、インクの記録媒体への付与量を11g/m2(記録デューティ100%にほぼ相当する)とする。このようにして得られた画像について、キセノン照射強度100キロルクス、温度24℃、相対湿度60%の条件で100時間曝露するという条件で耐光性試験を行う。そして、耐光性試験前及び耐光性試験後の画像について、イエロー波長領域、マゼンタ波長領域、及びシアン波長領域での、分光感度特性;ISOステータスAにより規定されたイエロー成分、マゼンタ成分、及びシアン成分の光学濃度をそれぞれ求める。そして、下記式で表される光学濃度の残存率が、前記イエロー成分、前記マゼンタ成分、及び前記シアン成分の光学濃度の残存率の最大値及び最小値の差が0以上5以下であることが特に好ましい。このような条件を満たすインクとすることで、耐光性試験後の画像においてもニュートラルな画像をより維持できるようになる。つまり、より耐光性に優れた画像を得ることができる。勿論、本発明は上記条件を満たすインクに限られるものではない。
Figure 2009030023
また、本発明においては、各色材が以下の条件を満たすことが特に好ましい。具体的には、第1の色材である一般式(I)の化合物、第2の色材である一般式(II)の化合物、及び第3の色材である一般式(III)の化合物における可溶化基の種類が同一で、1分子中の可溶化基の数が同数であることが特に好ましい。前記可溶化基とは、インク中において解離することができる基であり、例えば、スルホン酸基やカルボキシル基が挙げられる。上記の条件を満たすインクとすることで、色材として用いる3種の化合物の構造がより類似したものになり、一般式(III)の化合物が、一般式(I)及び(II)の化合物の双方に対して、相互に作用することによる効果が特に顕著に得られたものと考えられる。また、上記したように構成することにより、インクの色調をよりニュートラルに調整することができるため、階調性を有する画像においてもニュートラルな色調を有する画像を得ることができたものと考えられる。
<インク>
本発明のインクは、少なくとも、第1の色材として一般式(I)の化合物、及び第2の色材として一般式(II)の化合物を含有するインクであって、前記インクがさらに、第3の色材として一般式(III)の色材を含有することを特徴とする。以下、本発明にかかるインクを構成する成分や、インクの物性などについて詳細に述べる。
(色材)
〔第1の色材:一般式(I)で表される化合物〕
本発明のインクは、下記一般式(I)の化合物を、第1の色材として含有することが必要である。
Figure 2009030023
(一般式(I)中、Aは置換されていてもよい芳香族基又は複素環基であり、Bは下記一般式(1)乃至(5)で表されるいずれかの基であり、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
Figure 2009030023
(一般式(1)乃至(5)中、R1乃至R9はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基。ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アニリノ基及び複素環アミノ基を含むアミノ基。アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル若しくはアリールチオ基。複素環チオ基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホン酸基であり、各基はさらに置換されていてもよい。)
一般式(I)におけるAは、置換されていてもよい芳香族基又は複素環基であり、具体的には以下の置換基とすることができる。ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、及びベンゾイソチアゾール環などが挙げられる。上記の中でも特に、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、又はベンゾチアゾール環が好ましく、ベンゼン環又はナフタレン環がより好ましい。
一般式(I)におけるBは、上記に示した一般式(1)乃至(5)で表されるいずれかの基である。一般式(1)乃至(5)におけるR1乃至R9はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基。ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アニリノ基及び複素環アミノ基を含むアミノ基。アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル若しくはアリールチオ基。複素環チオ基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホン酸基であり、各基はさらに置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子などが挙げられ、中でも、塩素原子又は臭素原子が好ましく、特には、塩素原子が好ましい。
脂肪族基としては、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基、及び置換アラルキル基が挙げられる。これらの脂肪族基は分岐を有していてもよく、又は環を形成していてもよい。脂肪族基の炭素数は1乃至20であることが好ましく、1乃至16であることがより好ましい。アラルキル基及び置換アラルキル基のアリール部分は、フェニル又はナフチルであることが好ましく、フェニルがより好ましい。脂肪族基としては、具体的には、以下の基が挙げられる。メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、シクロヘキシル、ベンジル、2−フェネチル、ビニル、及びアリルなどが挙げられる。
芳香族基としては、1価又は2価のアリール基及び置換アリール基が挙げられる。1価の芳香族基としては、アリール基及び置換アリール基が挙げられる。アリール基は、フェニル又はナフチルであることが好ましく、フェニルがより好ましい。1価の芳香族基の炭素数は6乃至20であることが好ましく、6乃至16がより好ましい。1価の芳香族基としては、具体的には、フェニル、p−フェニルフェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル、p−クロロフェニル、p−アセチルアミノフェニル、及びm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが挙げられる。2価の芳香族基としては、これらの1価の芳香族基を2価にしたものが挙げられる。具体的には、フェニレン、p−トリレン、p−メトキシフェニレン、o−クロロフェニレン及びm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニレン、及びナフチレンなどが挙げられる。
複素環基としては、置換基を有する複素環基及び無置換の複素環基が挙げられる。複素環に脂肪族環、芳香族環、又は他の複素環が縮合していてもよい。複素環基としては、5員環又は6員環の複素環基が好ましく、複素環のヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子が挙げられる。置換基としては、具体的には、脂肪族基、ハロゲン原子、アルキル若しくはアリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、及びイオン性親水性基などが挙げられる。1価の複素環基としては、2−ピリジル基、3−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、及び2−フリル基などが挙げられる。2価の複素環基としては、前記1価の複素環基中の水素原子を取り除いて結合手とした基が挙げられる。
カルバモイル基としては、置換基を有するカルバモイル基及び無置換のカルバモイル基が挙げられる。置換基としては、具体的には、アルキル基などが挙げられる。カルバモイル基としては、具体的には、メチルカルバモイル基及びジメチルカルバモイル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、置換基を有するアルコキシカルボニル基及び無置換のアルコキシカルボニル基が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、炭素数2乃至20のアルコキシカルボニル基が好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、具体的には、メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、置換基を有するアリールオキシカルボニル基及び無置換のアリールオキシカルボニル基が挙げられる。アリールオキシカルボニル基としては、炭素数7乃至20のアリールオキシカルボニル基が好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。アリールオキシカルボニル基としては、具体的には、フェノキシカルボニル基が挙げられる。
複素環オキシカルボニル基としては、置換基を有する複素環オキシカボニル基及び無置換の複素環オキシカルボニル基が挙げられる。複素環オキシカルボニル基としては、炭素数2乃至20の複素環オキシカルボニル基が好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。複素環オキシカルボニル基としては、具体的には、2−ピリジルオキシカルボニル基が挙げられる。
アシル基としては、置換基を有するアシル基及び無置換のアシル基が挙げられる。アシル基としては、炭素数1乃至20のアシル基が好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。アシル基としては、具体的には、アセチル基及びベンゾイル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、置換基を有するアルコキシ基及び無置換のアルコキシ基が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1乃至20のアルコキシ基が好ましい。置換基としては、具体的には、アルコキシ基、ヒドロキシル基、及びイオン性親水性基が挙げられる。アルコキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、及び3−カルボキシプロポキシ基が挙げられる。
アリールオキシ基としては、置換基を有するアリールオキシ基及び無置換のアリールオキシ基が挙げられる。アリールオキシ基としては、炭素数6乃至20のアリールオキシ基が好ましい。置換基としては、具体的には、アルコキシ基及びイオン性親水性基が挙げられる。アリールオキシ基としては、具体的には、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、及びo−メトキシフェノキシ基が挙げられる。
複素環オキシ基としては、置換基を有する複素環オキシ基及び無置換の複素環オキシ基が挙げられる。複素環オキシ基としては、炭素数2乃至20の複素環オキシ基が好ましい。置換基としては、具体的には、アルキル基、アルコキシ基、及びイオン性親水性基が挙げられる。複素環オキシ基としては、具体的には、3−ピリジルオキシ基、及び3−チエニルオキシ基が挙げられる。
シリルオキシ基としては、炭素数1乃至20の脂肪族基、及び芳香族基が置換したシリルオキシ基が好ましい。シリルオキシ基としては、具体的には、トリメチルシリルオキシ、及びジフェニルメチルシリルオキシが挙げられる。
アシルオキシ基としては、置換基を有するアシルオキシ基及び無置換のアシルオキシ基が挙げられる。アシルオキシ基としては、炭素数1乃至20のアシルオキシ基が好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。アシルオキシ基としては、具体的には、アセトキシ基、及びベンゾイルオキシ基が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、置換基を有するカルバモイルオキシ基及び無置換のカルバモイルオキシ基が挙げられる。置換基としては、具体的には、アルキル基が挙げられる。カルバモイルオキシ基としては、具体的には、N−メチルカルバモイルオキシ基が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、置換基を有するアルコキシカルボニルオキシ基及び無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が挙げられる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2乃至20のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基としては、具体的には、メトキシカルボニルオキシ基、及びイソプロポキシカルボニルオキシ基が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、置換基を有するアリールオキシカルボニルオキシ基及び無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が挙げられる。アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素数7乃至20のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基としては、具体的には、フェノキシカルボニルオキシ基が挙げられる。
アミノ基としては、アルキル基、アリール基、又は複素環基で置換されたアミノ基が含まれ、アルキル基、アリール基、及び複素環基は、さらに置換基を有していてもよい。アルキルアミノ基としては、炭素数1乃至20のアルキルアミノ基が好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。アルキルアミノ基としては、具体的には、メチルアミノ基、及びジエチルアミノ基が挙げられる。アリールアミノ基としては、置換基を有するアリールアミノ基及び無置換のアリールアミノ基が挙げられる。アリールアミノ基としては、炭素数6乃至20のアリールアミノ基が好ましい。置換基としては、具体的には、ハロゲン原子、及びイオン性親水性基が挙げられる。アリールアミノ基としては、具体的には、アニリノ基、及び2−クロロフェニルアミノ基が挙げられる。複素環アミノ基としては、置換基を有する複素環アミノ基及び無置換の複素環アミノ基が挙げられる。複素環アミノ基としては、炭素数2乃至20個の複素環アミノ基が好ましい。置換基としては、具体的には、アルキル基、ハロゲン原子、及びイオン性親水性基が挙げられる。
アシルアミノ基としては、置換基を有するアシルアミノ基及び無置換基のアシルアミノ基が挙げられる。アシルアミノ基としては、炭素数2乃至20のアシルアミノ基が好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。アシルアミノ基としては、具体的には、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、N−フェニルアセチルアミノ基、及び3,5−ジスルホベンゾイルアミノ基が挙げられる。
ウレイド基としては、置換基を有するウレイド基及び無置換のウレイド基が挙げられる。ウレイド基としては、炭素数1乃至20のウレイド基が好ましい。置換基としては、具体的には、アルキル基及びアリール基が挙げられる。ウレイド基としては、具体的には、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、及び3−フェニルウレイド基が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、置換基を有するスルファモイルアミノ基及び無置換のスルファモイルアミノ基が挙げられる。置換基としては、具体的には、アルキル基が挙げられる。スルファモイルアミノ基としては、具体的には、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ基が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基及び無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が挙げられる。アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素数2乃至20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。アルコキシカルボニルアミノ基としては、具体的には、エトキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、置換基を有するアリールオキシカボニルアミノ基及び無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が挙げられる。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素数7乃至20のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、具体的には、フェノキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基としては、置換基を有するアルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、及び無置換のアルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基が挙げられる。スルホニルアミノ基としては、炭素数1乃至20のスルホニルアミノ基が好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。スルホニルアミノ基としては、具体的には、メチルスルホニルアミノ基、N−フェニル−メチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、及び3−カルボキシフェニルスルホニルアミノ基が挙げられる。
複素環スルホニルアミノ基としては、置換基を有する複素環スルホニルアミノ基及び無置換の複素環スルホニルアミノ基が挙げられる。複素環スルホニルアミノ基としては、炭素数1乃至12の複素環スルホニルアミノ基が好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。複素環スルホニルアミノ基としては、具体的には、2−チオフェンスルホニルアミノ基、及び3−ピリジンスルホニルアミノ基が挙げられる。
アルキル若しくはアリールチオ基としては、置換基を有するアルキル若しくはアリールチオ基及び無置換のアルキル若しくはアリールチオ基が挙げられる。アルキル若しくはアリールチオ基としては、炭素数1乃至20のものが好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。アルキル若しくはアリールチオ基としては、具体的には、メチルチオ基、及びフェニルチオ基が挙げられる。
複素環チオ基としては、置換基を有する複素環チオ基、及び無置換の複素環チオ基が挙げられる。複素環チオ基としては、炭素数1乃至20のものが好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。複素環チオ基としては、具体的には、2−ピリジルチオ基が挙げられる。
アルキル若しくはアリールスルホニル基としては、置換基を有するアルキル若しくはアリールスルホニル基、及び無置換のアルキル若しくはアリールスルホニル基が挙げられる。アルキル若しくはアリールスルホニル基としては、具体的には、メチルスルホニル基、及びフェニルスルホニル基が挙げられる。
複素環スルホニル基としては、置換基を有する複素環スルホニル基及び無置換の複素環スルホニル基が挙げられる。複素環スルホニル基としては、炭素数1乃至20の複素環スルホニル基が好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。複素環スルホニル基としては、具体的には、2−チオフェンスルホニル基、3−ピリジンスルホニル基が挙げられる。
アルキル若しくはアリールスルフィニル基としては、置換基を有するアルキル若しくはアリールスルフィニル基、及び無置換のアルキル若しくはアリールスルフィニル基が挙げられる。アルキル若しくはアリールスルフィニル基としては、具体的には、メチルスルフィニル基及びフェニルスルフィニル基が挙げられる。
複素環スルフィニル基としては、置換基を有する複素環スルフィニル基及び無置換の複素環スルフィニル基が挙げられる。複素環スルフィニル基としては、炭素数1乃至20の複素環スルフィニル基が好ましい。置換基としては、具体的には、イオン性親水性基が挙げられる。複素環スルフィニル基としては、具体的には、4−ピリジンスルフィニル基が挙げられる。
スルファモイル基としては、置換基を有するスルファモイル基及び無置換のスルファモイル基が挙げられる。置換基としては、具体的には、アルキル基が挙げられる。スルファモイル基としては、具体的には、ジメチルスルファモイル基、及びジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が挙げられる。
一般式(I)におけるMはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。前記アルカリ金属としては、具体的には、リチウム、ナトリウム、及びカリウムなどが挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、具体的には、アセトアミド、ベンズアミド、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、フェニルアミノ、及びトリエタノールアミノなどが挙げられる。
本発明で用いる一般式(I)の化合物においては、Aが置換されていてもよいナフチル基であり、Bが上記一般式(2)で表される基であることが好ましく、さらには、上記一般式(2)におけるR3がアリール基又はピリジル基であることがより好ましい。アリール基又はピリジル基としては、具体的には、以下に挙げるものが好ましい。フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基など。また、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基など。また、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基など。また、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基など。また、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基など。また、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基など。上記の中でも特に、フェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが好ましい。
前記一般式(I)の化合物は、水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)が590nm以上620nm以下であることが好ましい。
前記一般式(I)の化合物の好ましい具体例としては、下記の例示化合物I−1〜I−12が挙げられる。なお、本発明は、前記一般式(I)の構造に包含されるものであれば、下記の例示化合物に限られるものではない。本発明においては、下記の例示化合物の中でも、特に、例示化合物I−3、I−5、I−6、I−8、I−9、I−10、I−11、及びI−12を用いることが好ましく、さらに例示化合物I−3、I−5、及びI−10を用いることがより好ましい。
Figure 2009030023
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Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
〔第2の色材:一般式(II)で表される化合物〕
本発明のインクは、下記一般式(II)の化合物を、第2の色材として含有することが必要である。
Figure 2009030023
(一般式(II)中、R10はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキル基。ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルコキシル基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキルアミノ基。カルボキシル−炭素数1乃至5のアルキルアミノ基、ビス−〔カルボキシ−炭素数1乃至5のアルキル〕アミノ基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルカノイルアミノ基。カルボキシル基若しくはスルホン酸基若しくはアミノ基で置換されていてもよいフェニルアミノ基、スルホン酸基、ハロゲン原子、又はウレイド基である。[C]はカルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミン残基である。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
一般式(II)におけるR10はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキル基。ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルコキシル基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキルアミノ基。カルボキシル−炭素数1乃至5のアルキルアミノ基、ビス−〔カルボキシ−炭素数1乃至5のアルキル〕アミノ基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルカノイルアミノ基。カルボキシル基若しくはスルホン酸基若しくはアミノ基で置換されていてもよいフェニルアミノ基、スルホン酸基、ハロゲン原子、又はウレイド基である。
ヒドロキシル基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキル基としては、具体的には、以下の基が挙げられる。メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、メトキシエチル、エトキシエチル、n−プロポキシエチル、イソプロポキシエチル。n−ブトキシエチル、sec−ブトキシエチル、tert−ブトキシエチル、及び2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。
ヒドロキシル基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、具体的には、以下の基が挙げられる。メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ。n−プロポキシエトキシ、イソプロポキシエトキシ、n−ブトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、n−プロポキシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ、n−プロポキシブトキシ、及び2−ヒドロキシエトキシエトキシなどが挙げられる。
ヒドロキシル基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキルアミノ基としては、具体的には、以下の基が挙げられる。メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジ(n−プロピル)アミノ、N,N−ジ(イソプロピル)アミノ。ヒドロキシエチルアミノ、2−ヒドロキシプロピルアミノ、3−ヒドロキシプロピルアミノ、ビス(ヒドロキシエチル)アミノ、メトキシエチルアミノ、エトキシエチルアミノ、ビス(メトキシエチル)アミノ、ビス(2−エトキシエチル)アミノなどが挙げられる。
カルボキシ−炭素数1乃至5のアルキルアミノ基としては、具体的には、カルボキシメチルアミノ、カルボキシエチルアミノ、カルボキシプロピルアミノ、カルボキシ−n−ブチルアミノ、及びカルボキシ−n−ペンチルアミノなどが挙げられる。
ビス−〔カルボキシ−炭素数1乃至5のアルキル〕アミノ基としては、具体的には、ビス−(カルボキシメチル)アミノ基、ビス−(カルボキシエチル)アミノ基、及びビス−(カルボキシプロピル)アミノ基などが挙げられる。
ヒドロキシル基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルカノイルアミノ基としては、具体的には、以下の基が挙げられる。アセチルアミノ、n−プロピオニルアミノ、イソプロピオニルアミノ、ヒドロキシアセチルアミノ、2−ヒドロキシ−n−プロピオニルアミノ、3−ヒドロキシ−n−プロピオニルアミノ、2−メトキシ−n−プロピオニルアミノ。3−メトキシ−n−プロピオニルアミノ、2−ヒドロキシ−n−ブチリルアミノ、3−ヒドロキシ−n−ブチリルアミノ、2−メトキシ−n−ブチリルアミノ、及び3−メトキシ−n−ブチリルアミノなどが挙げられる。
カルボキシル基、スルホン酸基、又はアミノ基で置換されていてもよいフェニルアミノ基としては、具体的には、以下の基が挙げられる。フェニルアミノ、スルホフェニルアミノ、カルボキシフェニルアミノ、ビスカルボキシフェニルアミノ、アミノフェニルアミノ、ジアミノフェニルアミノ、及びジアミノスルホフェニルアミノなどが挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子などが挙げられ、中でも、塩素原子又は臭素原子が好ましく、特には塩素原子が好ましい。
ウレイド基としては、具体的には、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、及び3−フェニルウレイド基などが挙げられる。
一般式(II)における[C]は、カルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミン残基である。脂肪族アミン残基としては、カルボキシル基又はスルホン酸基を有する、モノ−炭素数1乃至5のアルキルアミン残基又はジ−炭素数1乃至5のアルキルアミン残基が好ましい。カルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミン残基としては、具体的には、以下のものが挙げられる。アミノ−炭素数1乃至5のアルキルスルホン酸、ジイミノ−炭素数1乃至5のアルキルスルホン酸、アミノ−炭素数1乃至5のアルキルカルボン酸、ジイミノ−炭素数1乃至5のアルキルカルボン酸などが挙げられる。上記の中でも、脂肪族の炭素数1又は2であることがより好ましい。カルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミン残基としては特に、スルホエチルアミノ基、及びジカルボキシメチルイミノ基が好ましく、スルホエチルアミノ基がより好ましい。
一般式(II)におけるMはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。前記アルカリ金属としては、具体的には、リチウム、ナトリウム、及びカリウムなどが挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、アセトアミド、ベンズアミド、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、及びフェニルアミノなどが挙げられる。
本発明で用いる一般式(II)の化合物においては、R10が炭素数1乃至4のアルキル基であることが好ましく、R10がメチル基であることがより好ましい。なお、一般式(II)において、R10が置換する2つのベンゼン環においては、それぞれのベンゼン環に対してR10が1つずつ置換していることが好ましい。また、スルホン酸基(−SO3M)が置換する4つのベンゼン環においては、それぞれのベンゼン環に対してスルホン酸基が1つずつ置換していることが好ましい。
前記一般式(II)の化合物は、水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)が400nm以上440nm以下であることが好ましい。
前記一般式(II)の化合物の好ましい具体例としては、下記の例示化合物II−1〜II−12が挙げられる。例示化合物II−1〜II−12は、下記一般式(7)における[C]が、それぞれ下記表1に示す脂肪族アミン残基である化合物である。なお、本発明は、前記一般式(II)の構造に包含されるものであれば、下記の例示化合物に限られるものではない。本発明においては、下記の例示化合物の中でも、特に、例示化合物II−1、II−5、及びII−9を用いることが好ましい。
Figure 2009030023
(一般式(7)中、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
Figure 2009030023
〔第3の色材:一般式(III)で表される化合物〕
本発明のインクは、下記一般式(III)の化合物を、第3の色材として含有することが必要である。
Figure 2009030023
(一般式(III)中、Dは、置換基を有するフェニル基である。該置換基は、カルボキシル基、スルホン酸基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、炭素数1乃至4のアルキル基。炭素数1乃至4のアルコキシ基(ヒドロキシル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)。炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシル基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる。E及びFはそれぞれ独立に、置換基を有するパラフェニレン基である。該置換基は、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基(ヒドロキシル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)。炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシル基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる。R11は、カルボキシル基で置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキル基、スルホン酸基で置換されていてもよいフェニル基、又はカルボキシル基のいずれかである。R12は、シアノ基、カルバモイル基、又はカルボキシル基のいずれかである。R13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、塩素原子、又はスルホン酸基のいずれかである。)
一般式(III)におけるDは置換フェニル基である。カルボキシル基、スルホン酸基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基(ヒドロキシル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)。炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシル基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる置換基を有する。
炭素数1乃至4のアルキル基としては、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、及びtert−ブチルなどが挙げられる。
ヒドロキシル基、炭素数1乃至4のアルコキシル基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、具体的には、以下の基が挙げられる。メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、n−プロポキシエトキシ。イソプロポキシエトキシ、n−ブトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、n−プロポキシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ、n−プロポキシブトキシ、2−ヒドロキシエトキシエトキシ、カルボキシメトキシ。2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ、3−スルホプロポキシ、及び4−スルホブトキシなどが挙げられる。
ヒドロキシル基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基としては、具体的には、以下の基が挙げられる。メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ヒドロキシエチルスルホニル、2−ヒドロキシプロピルスルホニル、2−スルホエチルスルホニル。3−スルホプロピルスルホニル、2−カルボキシエチルスルホニル、及び3−カルボキシプロピルスルホニルなどが挙げられる。
一般式(III)におけるE及びFはそれぞれ独立に、置換基を有する置換パラフェニレン基である。置換基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基(ヒドロキシル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)。炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシル基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる。
上記において、炭素数1乃至4のアルキル基としては、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、及びtert−ブチルなどが挙げられる。
また、ヒドロキシル基、炭素数1乃至4のアルコキシル基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、具体的には、以下の基が挙げられる。メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキ。メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、n−プロポキシエトキシ、イソプロポキシエトキシ、n−ブトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、n−プロポキシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ。n−プロポキシブトキシ、2−ヒドロキシエトキシエトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ、3−スルホプロポキシ、及び4−スルホブトキシなどが挙げられる。
ヒドロキシル基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基としては、具体的には、以下の基が挙げられる。メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ヒドロキシエチルスルホニル。2−ヒドロキシプロピルスルホニル、2−スルホエチルスルホニル、3−スルホプロピルスルホニル、2−カルボキシエチルスルホニル、及び3−カルボキシプロピルスルホニルなどが挙げられる。
一般式(III)におけるR11は、カルボキシル基で置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキル基、スルホン酸基で置換されていてもよいフェニル基、又はカルボキシル基である。
カルボキシル基で置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキル基としては、具体的には、以下の基が挙げられる。メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、カルボキシメチル、及び2−カルボキシエチルなどが挙げられる。
スルホン酸基で置換されていてもよいフェニル基としては、具体的には、フェニル、3−スルホフェニル、4一スルホフェニル、2,4−ジスルホフェニル、及び3,5−ジスルホフェニルなどが挙げられる。
一般式(III)におけるR12は、シアノ基、カルバモイル基、又はカルボキシル基である。
一般式(III)におけるR13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、塩素原子、又はスルホン酸基である。
本発明で用いる一般式(III)の化合物においては、Dの置換基が以下の基であることが好ましい。具体的には、シアノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルファモイル基、メチルスルホニル基、2−ヒドロキシエチルスルホニル基、3−スルホプロピルスルホニル基、ニトロ基。メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−スルホエトキシ基、3−スルホプロポキシ基、4−スルホブトキシ基、カルボキシメトキシ基、及び2−カルボキシエトキシ基などが挙げられる。上記の中でも特に、シアノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルファモイル基、メチルスルホニル基、ヒドロキシエチルスルホニル基、3−スルホプロピルスルホニル基、又はニトロ基が好ましい。特に、カルボキシル基又はスルホン酸基がより好ましい。
本発明で用いる一般式(III)の化合物において、E及びF(置換パラフェニレン基)が有する置換基は、それぞれ独立に、以下の基であることが好ましい。具体的には、カルボキシル基、スルホン酸基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−スルホエトキシ基。3−スルホプロポキシ基、4−スルホブトキシ基、カルボキシメトキシ基、及び2−カルボキシエトキシ基などが挙げられる。上記の中でも特に、スルホン酸基、メチル基、メトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−スルホエトキシ基、3−スルホプロポキシ基、又はカルボキシメトキシ基が好ましい。これらの中でも、スルホン酸基、メチル基、メトキシ基、又は3−スルホプロポキシ基がより好ましい。E及びFは、これらの置換基をそれぞれ独立に、1乃至3個、さらには1乃至2個有することが好ましい。
本発明で用いる一般式(III)におけるE及びF(置換パラフェニレン基)はそれぞれ独立に、下記一般式(6)で表される基であることが好ましい。
Figure 2009030023
(一般式(6)中、R15は、スルホン酸基、又はスルホプロポキシ基であり、R16は、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、又はエトキシ基である。)
一般式(6)におけるR15及びR16の好ましい組み合わせとしては、R15がスルホン酸基でR16が水素原子である場合、又はR15が3−スルホプロポキシ基でR16がメチル基である場合が挙げられる。
本発明で用いる一般式(III)の化合物においては、R11が以下の基であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、カルボキシメチル基、フェニル基、4−スルホフェニル基、カルボキシル基などが挙げられる。上記の中でも特に、メチル基、n−プロピル基、カルボキシメチル基、及び4−スルホフェニル基が好ましく、メチル基、及びn−プロピル基がより好ましい。
本発明で用いる一般式(III)の化合物におけるR11及びR12の好ましい組み合わせとしては、R11がメチル基でR12がシアノ基である場合、又はR11がメチル基でR12がカルバモイル基である場合が挙げられる。
本発明で用いる一般式(III)の化合物におけるR13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、及びスルホン酸基であることが好ましい。一般式(III)の化合物におけるR13及びR14の好ましい組み合わせとしては、R13が水素原子でR14がスルホン酸基である場合、又はR13がスルホン酸基でR14が水素原子である場合が挙げられる。
前記一般式(III)で表される化合物が塩である場合、塩を形成する陽イオンは無機又は有機の陽イオンとすることができる。無機又は有機の陽イオンをMで表すと、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。前記アルカリ金属としては、具体的には、リチウム、ナトリウム、及びカリウムなどが挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、アセトアミド、ベンズアミド、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、及びフェニルアミノなどが挙げられる。
前記一般式(III)の化合物は、水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)が540nm以上570nm以下であることが好ましい。
前記一般式(III)の化合物の好ましい具体例は、下記の例示化合物III−1〜III−20が挙げられる。なお、下記の例示化合物は遊離酸の形で記載する。勿論、本発明は、前記一般式(III)の構造及びその定義に包含されるものであれば、下記の例示化合物に限られるものではない。本発明においては、下記の例示化合物の中でも、例示化合物III−6、III−13、III−15、及びIII−17を用いることが特に好ましい。
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
〔色材の検証方法〕
本発明で用いる色材がインク中に含まれているか否かの検証には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた下記(1)〜(3)の検証方法が適用できる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークについての極大吸収波長
(3)(1)のピークについてのマススペクトルのM/Z(posi)、M/Z(nega)
高速液体クロマトグラフィーの分析条件は、以下に示す通りである。先ず、純水で約1,000倍に希釈した液体(インク)を調製し、測定用サンプルとした。そして、下記の条件で高速液体クロマトグラフィーでの分析を行い、ピークの保持時間(retention time)、及び、ピークの極大吸収波長を測定した。
・カラム:SunFire C18(日本ウォーターズ製)2.1mm×150mm
・カラム温度:40℃
・流速:0.2mL/min
・PDA:200nm〜700nm
・移動相及びグラジエント条件:表2
Figure 2009030023
また、マススペクトルの分析条件は以下に示す通りである。得られたピークについて、下記の条件でマススペクトルを測定し、最も強く検出されたM/Zをposi、negaそれぞれに対して測定する。
・イオン化法
・ESI
キャピラリ電圧:3.5kV
脱溶媒ガス:300℃
イオン源温度:120℃
・検出器
posi:40V 200〜1500amu/0.9sec
nega:40V 200〜1500amu/0.9sec
上記した方法及び条件下で、それぞれの色材の代表例として、第1の色材の具体例である例示化合物I−5、第2の色材の具体例である例示化合物II−1、及び第3の色材の具体例である例示化合物III−17について測定を行った。その結果、得られた保持時間、極大吸収波長、M/Z(posi)、M/Z(nega)の値を表3に示した。未知のインクについて、上記と同様の方法及び条件下で測定を行って、表3に示す値に該当する場合、本発明において用いる化合物に該当する化合物を含有しているものと判断できる。
Figure 2009030023
〔色材の含有量〕
インク中における、第1の色材(一般式(I)の化合物)の含有量、第2の色材(一般式(II)の化合物)の含有量及び第3の色材(一般式(III)の化合物)の含有量は、色調及び耐光性の観点から以下に述べるように設定することが好ましい。
第1の色材のインク中における含有量(質量%)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量%)に対して、つまり[第1の色材/インク中の全ての色材]×100の値が、45.0%以上75.0%以下であることが好ましい。[第1の色材/インク中の全ての色材]×100の値が45.0%未満、又は75.0%を超えると、階調性を有する画像(初期の画像)において、ブラックインクとして好ましい色調が得られない場合がある。
第2の色材のインク中における含有量(質量%)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量%)に対して、つまり[第2の色材/インク中の全ての色材]×100の値が、12.0%より大きく40.0%以下であることが好ましい。さらには、上記[第2の色材/インク中の全ての色材]×100の値が、12.0%より大きく25.0%以下であることが好ましい。上記[第2の色材/インク中の全ての色材]×100の値が12.0以下であると、階調性を有する画像(初期の画像)において、ブラックインクとして好ましい色調が得られない場合がある。また、[第2の色材/インク中の全ての色材]×100の値が40.0%を超えると、階調性を有する画像(耐光性試験後)において、ブラックインクとして好ましい色調が得られない場合がある。特に、上記[第2の色材/インク中の全ての色材]×100の値が、12.0%より大きく25.0%以下であると、階調性を有する画像においても、さらに、耐光性試験後の当該画像においても、ブラックインクとしての色調が、より好ましいものとなる。
第3の色材のインク中における含有量(質量%)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量%)に対して、つまり[第3の色材/インク中の全ての色材]×100の値が、4.0%以上40.0%以下であることが好ましい。さらには、[第3の色材/インク中の全ての色材]×100の値が、4.0%以上25.0%以下であることが好ましい。[第3の色材/インク中の全ての色材]×100の値が4.0%未満、又は40.0%を超えると、階調性を有する画像(初期の画像及び耐光性試験後)において、ブラックインクとして好ましい色調が得られない場合がある。特に、上記[第3の色材/インク中の全ての色材]×100の値が、4.0%以上25.0%以下である場合には、階調性を有する画像においても、さらに耐光性試験後の画像においても、ブラックインクとしての色調が、より好ましいものとなる。
本発明においては、各色材の含有量に関して、以下の2つの条件を満たすインクとすることが特に好ましい。先ず、第1の色材のインク中における含有量(質量%)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量%)に対して50.0%以上であることが好ましい。次に、第2の色材の含有量(質量%)が、第3の色材の含有量(質量%)に対して、質量比率で、0.60倍以上1.00倍未満であることが好ましい。これらの2つの条件を満たすインクとすることで、階調性を有する画像(初期の画像)を、よりニュートラルな色調を有する画像とすることができるからである。なお、この場合、第1の色材のインク中における含有量(質量%)の上限が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量%)に対して75.0%以下であることが好ましい。
本発明では、インク中の第1の色材、第2の色材、及び第3の色材の含有量の合計(質量%)が、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましい。さらには、これらの含有量の合計(質量%)が、0.5質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。これらの含有量の合計が0.1質量%未満であると、発色性が十分に得られない場合があり、一方、これらの含有量の合計が15.0質量%を超えると、耐固着性などのインクジェット特性が得られない場合がある。
なお、本発明におけるブラックインクとして好ましい色調、すなわち、ニュートラルであり好ましい画像を与える色調とは、具体的には、以下のことを意味する。ブラックインクを用いて記録デューティを100%から記録デューティを落として形成した階調性を有する画像について、CIE(国際照明委員会)により規定されたL***表示系におけるa*及びb*を測定する。そして、少なくとも記録デューティが100%である部分におけるa*及びb*の値が、−5≦a*≦5かつ−5≦b*≦5であるインクを、本発明においてはブラックインクとして好ましい色調を有するインクであるとしている。さらには、以下の規定を満たすインクを、本発明においてはブラックインクとしてより好ましい色調を有するインクであるとしている。すなわち、記録デューティが100%である部分におけるa*及びb*の値が−5≦a*≦5かつ−5≦b*≦5、さらに、記録デューティを落として形成した各階調においてはa*及びb*の値が−10≦a*≦10かつ−10≦b*≦10であることが好ましい。なお、前記a*及びb*の値は、例えば、分光光度計(商品名:Spectrolino;Gretag Macbeth製)を用いて測定することができる。勿論、本発明はこれに限られるものではない。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より少ないと、インクをインクジェット記録装置に用いる場合に吐出安定性などの信頼性が得られない場合がある。また、水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より多いと、インクの粘度が上昇して、インクの供給不良が起きる場合がある。
水溶性有機溶剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数1乃至4のアルキルアルコール類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類。アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン又はケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類。エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、チオジグリコールなどのグリコール類。1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオ−ルなどのアルキレン基が2乃至6個の炭素原子を持つアルキレングリコール類。ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン。ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの低級アルキルエーテルアセテート類。エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類。N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど。勿論、本発明はこれらに限られるものではない。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクは必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性ポリマーなど、種々の添加剤を含有してもよい。
(その他のインク)
また、フルカラーの画像などを形成するために、本発明のインクを、本発明のインクとは別の色調を有するインクと組み合わせて用いることができる。本発明のインクは、例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、レッドインク、グリーンインク及びブルーインクなどから選択される少なくともいずれか1種のインクと共に用いることが好ましい。また、これらのインクと実質的に同一の色調を有する、所謂淡インクをさらに組み合わせて用いることもできる。これらのインク又は淡インクの色材は、公知の染料であっても、新規に合成された色材であっても用いることができる。
<記録媒体>
本発明のインクを用いて画像を形成する際に用いる記録媒体は、インクを付与して記録を行う記録媒体であればいずれのものでも用いることができる。本発明においては、染料や顔料などの色材をインク受容層の多孔質構造を形成する微粒子に吸着させる、インクジェット用の記録媒体を用いることが好ましい。特には、支持体上のインク受容層に形成された空隙によりインクを吸収する、所謂、隙間吸収タイプのインク受容層を有する記録媒体を用いることが好ましい。隙間吸収タイプのインク受容層は、微粒子を主体として構成されるものであり、さらに必要に応じて、バインダーやその他の添加剤を含有してもよい。
微粒子は、具体的には、以下のものを用いることができる。シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、アルミナ又はアルミナ水和物などの酸化アルミニウム、珪藻土、酸化チタン、ハイドロタルサイト、又は酸化亜鉛などの無機顔料。尿素ホルマリン樹脂、エチレン樹脂、スチレン樹脂などの有機顔料。これらの微粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
バインダーは、水溶性高分子やラテックスなどが挙げられ、具体的には、以下のものを用いることができる。ポリビニルアルコール、澱粉、ゼラチン、又はこれらの変性体。アラビアゴム。カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はヒドロキシプロオイルメチルセルロースなどのセルロース誘導体。SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、又はエチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス。ポリビニルピロリドン。無水マレイン酸若しくはその共重合体、又はアクリル酸エステル共重合体など。これらのバインダーは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
その他に、必要に応じて添加剤を用いることができる。例えば、分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、染料定着剤などを用いることができる。
特に、本発明のインクを用いて画像を形成する際には、平均粒子径が1μm以下である微粒子を主体として、インク受容層を形成した記録媒体を用いることが好ましい。前記微粒子の具体例は、シリカ微粒子や酸化アルミニウム微粒子などが挙げられる。シリカ微粒子として好ましいものは、コロイダルシリカに代表されるシリカ微粒子である。コロイダルシリカは市販品を用いることもできるが、特には、例えば、特許第2803134号公報、同2881847号公報に記載のコロイダルシリカを用いることが好ましい。また、酸化アルミニウム微粒子として好ましいものは、アルミナ水和物微粒子(アルミナ系顔料)を挙げることができる。
前記アルミナ系顔料の中でも、下記式で表される擬ベーマイトなどのアルミナ水和物を特に好適なものとして挙げることができる。
AlO3-n(OH)2n・mH2
(式中、nは1乃至3の整数であり、mは0乃至10、好ましくは0乃至5である。ただし、mとnは同時には0とならない。)
mH2Oは、多くの場合、mH2O結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相をも表すものである。このため、mは整数又は整数でない値を取ることができる。また、この種のアルミナ水和物を加熱すると、mは0に達することがあり得る。
アルミナ水和物は、下記のような公知の方法で製造することができる。例えば、米国特許第4,242,271号明細書、米国特許第4,202,870号明細書に記載のアルミニウムアルコキシドの加水分解やアルミン酸ナトリウムの加水分解で製造することができる。また、特公昭57−44605号公報に記載のアルミン酸ナトリウムなどの水溶液に、硫酸ナトリウムや塩化アルミニウムなどの水溶液を加えて中和を行う方法で製造することができる。
記録媒体は上記したインク受容層を支持するための支持体を有することが好ましい。支持体は、インク受容層が、上記多孔質の微粒子で形成することが可能であって、かつインクジェット記録装置などの搬送機構によって搬送可能な剛度を与えるものであれば、特に制限はなく、いずれのものも用いることができる。例えば、天然セルロース繊維を主体としたパルプ原料で構成される紙支持体を用いることができる。また、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタラート)、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリイミドなどの材料で構成されるプラスチック支持体を用いることができる。さらに、基紙の少なくとも一方の面に白色顔料などを添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(例:RCペーパー)を用いることができる。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクは、インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行う本発明のインクジェット記録方法に用いる。インクジェット記録方法は、インクに力学的エネルギーを作用することによりインクを吐出する記録方法や、インクに熱エネルギーを作用することによりインクを吐出する記録方法などがある。特に、本発明においては、熱エネルギーを利用するインクジェット記録方法を好ましく用いることができる。
<インクカートリッジ>
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジとしては、かかるインクを収容するインク収容部を備えた本発明のインクカートリッジが挙げられる。
<記録ユニット>
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な記録ユニットは、かかるインクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた本発明の記録ユニットが挙げられる。特に、前記記録ヘッドが、記録信号に対応した熱エネルギーをインクに作用することによりインクを吐出する記録ユニットを好ましく用いることができる。また、本発明においては、金属及び/又は金属酸化物を含有する発熱部接液面を有する記録ヘッドを用いることが特に好ましい。前記発熱部接液面を構成する金属及び/又は金属酸化物としては、具体的には、例えば、Ta、Zr、Ti、Ni、若しくはAlなどの金属、又はこれらの金属の酸化物などが挙げられる。
<インクジェット記録装置>
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適なインクジェット記録装置は、かかるインクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた本発明のインクジェット記録装置が挙げられる。特に、前記インクを収容するインク収容部を有する記録ヘッドの内部のインクに、記録信号に対応した熱エネルギーを作用することによりインクを吐出するインクジェット記録装置を好ましく用いることができる。
以下に、インクジェット記録装置の機構部の概略構成を説明する。インクジェット記録装置は、各機構の役割から、給紙部、搬送部、キャリッジ部、排紙部、クリーニング部、及びこれらを保護し、意匠性を持たせる外装部などで構成される。
図1は、インクジェット記録装置の斜視図である。また、図2及び図3は、インクジェット記録装置の内部機構を説明する図であり、図2は右上部からの斜視図、図3はインクジェット記録装置の側断面図をそれぞれ示す。
給紙を行う際には、給紙トレイM2060を含む給紙部において、記録媒体の所定枚数のみが給紙ローラM2080と分離ローラM2041から構成されるニップ部に送られる。記録媒体はニップ部で分離され、最上位の記録媒体のみが搬送される。搬送部に搬送された記録媒体は、ピンチローラホルダM3000及びペーパーガイドフラッパーM3030に案内されて、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対に搬送される。搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対は、LFモータE0002の駆動により回転し、この回転により記録媒体がプラテンM3040上を搬送される。
記録媒体に画像を形成する際には、キャリッジ部は、記録ヘッドH1001(図4;詳細な構成は後述する)を目的の画像を形成する位置に配置して、電気基板E0014からの信号にしたがって記録媒体にインクを吐出する。記録ヘッドH1001により記録を行いながらキャリッジM4000が列方向に走査する主走査と、搬送ローラM3060により記録媒体を行方向に搬送する副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体に画像を形成する。画像が形成された記録媒体は、排紙部において、第1の排紙ローラM3110と拍車M3120とのニップに挟まれた状態で搬送されて、排紙トレイM3160に排出される。
なお、クリーニング部は、画像を形成する前後の記録ヘッドH1001をクリーニングする。キャップM5010で記録ヘッドH1001の吐出口をキャッピングした状態で、ポンプM5000を作動すると、記録ヘッドH1001の吐出口から不要なインクなどが吸引されるようになっている。また、キャップM5010を開いた状態で、キャップM5010の内部に残っているインクなどを吸引することにより、残インクによる固着やその他の弊害が起こらないようになっている。
(記録ヘッドの構成)
ヘッドカートリッジH1000の構成について説明する。図4は、ヘッドカートリッジH1000の構成を示した図であり、また、ヘッドカートリッジH1000に、インクカートリッジH1900を装着する様子を示した図である。ヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、インクカートリッジH1900を搭載する手段、及びインクカートリッジH1900から記録ヘッドにインクを供給する手段を有しており、キャリッジM4000に対して着脱可能に搭載される。
インクジェット記録装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、淡マゼンタ、淡シアン、及びグリーンの各インクで画像を形成する。したがって、インクカートリッジH1900も7色分が独立に用意されている。なお、上記において、少なくともひとつのインクに、本発明のインクを用いる。そして、図4に示すように、それぞれのインクカートリッジH1900が、ヘッドカートリッジH1000に対して着脱可能となっている。なお、インクカートリッジH1900の着脱は、キャリッジM4000にヘッドカートリッジH1000を搭載した状態でも行うことができる。
図5は、ヘッドカートリッジH1000の分解斜視図である。ヘッドカートリッジH1000は、記録素子基板、プレート、電気配線基板H1300、カートリッジホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800などで構成される。記録素子基板は第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101で構成され、プレートは第1のプレートH1200及び第2のプレートH1400で構成される。
第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101はSi基板であり、その片面にインクを吐出するための複数の記録素子(ノズル)がフォトリソグラフィ技術により形成されている。各記録素子に電力を供給するAlなどの電気配線は成膜技術により形成されており、個々の記録素子に対応した複数のインク流路はフォトリソグラフィ技術により形成されている。さらに、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。
図6は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101の構成を説明する正面拡大図である。H2000〜H2600は、それぞれ異なるインク色に対応する記録素子の列(以下、ノズル列ともいう)である。第1の記録素子基板H1100には、イエローインクのノズル列H2000、マゼンタインクのノズル列H2100、及びシアンインクのノズル列H2200の3色分のノズル列が形成されている。第2の記録素子基板H1101には、淡シアンインクのノズル列H2300、ブラックインクのノズル列H2400、グリーンインクのノズル列H2500、及び淡マゼンタインクのノズル列H2600の4色分のノズル列が形成されている。
各ノズル列は、記録媒体の搬送方向(副走査方向)に1200dpi(dot/inch;参考値)の間隔で並ぶ768個のノズルによって構成されている。そして、各ノズルからは、それぞれ約2ピコリットルのインクが吐出される。このため、各吐出口における開口面積は、およそ100μm2に設定されている。
以下、図4及び図5を参照して説明する。第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101は第1のプレートH1200に接着固定されている。ここには、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されている。この第2のプレートH1400は、電気配線基板H1300と第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101とが電気的に接続されるように、電気配線基板H1300を保持する。
電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101に形成されている各ノズルからインクを吐出するための電気信号を印加する。この電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し、インクジェット記録装置からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有する。外部信号入力端子H1301は、カートリッジホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
インクカートリッジH1900を保持するカートリッジホルダーH1500には、流路形成部材H1600が、例えば、超音波溶着により固定され、インクカートリッジH1900から第1のプレートH1200に通じるインク流路H1501を形成する。インクカートリッジH1900と係合するインク流路H1501のインクカートリッジ側端部には、フィルターH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクカートリッジH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
さらに、上記したように、カートリッジホルダー部と記録ヘッド部H1001とを接着などで結合することで、ヘッドカートリッジH1000が構成される。なお、カートリッジホルダー部は、カートリッジホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、及びシールゴムH1800から構成される。また、記録ヘッド部H1001は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される。
なお、ここでは記録ヘッドの一形態として、電気信号に応じた膜沸騰をインクに生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体(記録素子)を用いて記録を行うサーマルインクジェット方式の記録ヘッドについて述べた。この代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は、所謂、オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用することができる。
サーマルインクジェット方式は、オンデマンド型に適用することが特に有効である。オンデマンド型の場合には、インクを保持する液流路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加する。このことによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、インクに膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応したインク内の気泡を形成できる。この気泡の成長及び収縮により吐出口を介してインクを吐出することで、少なくともひとつの滴を形成する。駆動信号をパルス形状とすると、即時、適切に気泡の成長及び収縮が行われるので、特に応答性に優れたインクの吐出が達成でき、より好ましい。
また、本発明のインクは、前記のサーマルインクジェット方式に限らず、下記に述べるような、力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置においても好ましく用いることができる。かかる形態のインクジェット記録装置は、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備えてなる。そして、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクをノズルから吐出する。
インクジェット記録装置は、上記したように、記録ヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、それらが分離不能に一体になったものを用いてもよい。さらに、インクカートリッジは、記録ヘッドに対して分離可能又は分離不能に一体化されてキャリッジに搭載されるもの、また、インクジェット記録装置の固定部位に設けられて、チューブなどのインク供給部材を介して記録ヘッドにインクを供給するものでもよい。また、記録ヘッドに対して、好ましい負圧を作用させるための構成をインクカートリッジに設ける場合には、以下の構成とすることができる。すなわち、インクカートリッジのインク収容部に吸収体を配置した形態、又は可撓性のインク収容袋とこれに対してその内容積を拡張する方向の付勢力を作用するばね部とを有した形態などとすることができる。また、インクジェット記録装置は、上記したようなシリアル型の記録方式を採るもののほか、記録媒体の全幅に対応した範囲にわたって記録素子を整列させてなるラインプリンタの形態をとるものであってもよい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、特に指定のない限り、実施例、比較例のインク成分は「質量部」を意味する。
<色材の調製>
以下に示す手順にしたがって、各例示化合物を調製した。なお、得られた各例示化合物について、水を溶媒として、以下の条件で、吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)を測定した。
・分光光度計:自記分光光度計(商品名:U−3300;日立製作所製)
・測定セル:1cm 石英セル
・サンプリング間隔:0.1nm
・スキャン速度:30nm/min
(例示化合物I−3及びI−5の合成と特性値の測定)
前記した例示化合物I−3(M:リチウム)及び例示化合物I−5(M:リチウム)を、特許文献1に記載された方法に準じて合成した。なお、例示化合物I−3及びI−5は、それぞれ、特許文献1に記載のb−6及びc−4の染料をリチウム塩型にしたものに相当する。水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)は、例示化合物I−3が608nm、例示化合物I−5が604nmであった。
(例示化合物II−1及びII−9の合成と特性値の測定)
前記した例示化合物II−1(M:ナトリウム)及び例示化合物II−9(M:ナトリウム)を、特許文献2の実施例1及び2に記載された方法に準じてそれぞれ合成した。水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)は、例示化合物II−1が414nm、例示化合物II−9が436nmであった。
(例示化合物III−6の合成と特性値の測定)
以下に示す手順にしたがって、前記した例示化合物III−6(M:ナトリウム)を合成した。
(1)式(9)の化合物の合成
水100部に、5−スルホアントラニル酸21.7部を水酸化ナトリウムの添加によりpH5.0〜6.0として溶解した。これに、35%塩酸31.3部を添加した後、液体の温度を0〜5℃として、40%亜硝酸ナトリウム水溶液19.0部を添加してジアゾ化した。このジアゾ溶液に、特開2004−083492公報に記載の方法で得た下記式(8)の化合物24.0部を水240部に水酸化ナトリウムの添加によりpHを4.5〜5.5として溶解させた液体を、約20分かけて滴下した。その後、液体の温度を10〜20℃として、炭酸ナトリウムの添加により液体のpHを2.0〜3.0とし、この温度及びpHを維持して3時間撹拌した。その後、塩化ナトリウムを添加することにより塩析を行い、析出物を濾過して、分離、乾燥して、下記式(9)の化合物42.1部を得た。
Figure 2009030023
Figure 2009030023
(2)式(10)の化合物の合成
上記で得た式(9)の化合物7.1部を水40部に懸濁して水酸化ナトリウムの添加によりpHを4.0〜5.0として溶解した。この溶液に35%塩酸6.0部を添加した後、液体の温度を15〜25℃として、40%亜硝酸ナトリウム水溶液2.9部を添加してジアゾ化した。このジアゾ懸濁液を、上記式(8)の化合物3.6部を水30部に、水酸化ナトリウムの添加によりpH4.5〜5.5として溶解した溶液に、溶液の温度を15〜25℃として約30分かけて滴下した。滴下中は炭酸ナトリウムの添加により溶液のpHを3.5〜4.5に維持した。その後2時間撹拌して、塩化ナトリウムを添加することにより塩析を行い、析出物を濾過、分離して、下記式(10)のジスアゾ化合物を含むウェットケーキを得た。
Figure 2009030023
(3)式(12)の化合物の合成
2−(シアノメチル)ベンズイミダゾールとアセト酢酸エチルをエタノール中、ナトリウムメトキシドの存在下で加熱反応させた。これに、希塩酸を添加することにより酸析して得られる下記式(11)の化合物8.9部を6%発煙硫酸64部中に温度15〜25℃としてゆっくり添加した。その後、同温度で2時間撹拌した後、得られた液体を、190部の氷水中に約10分間かけて滴下した。析出した結晶を濾過、分離し、乾燥して、下記式(12)の化合物を得た。
Figure 2009030023
Figure 2009030023
(4)例示化合物III−6の合成
上記(2)で得られた式(10)のジスアゾ化合物を含むウェットケーキを、水80部に水酸化ナトリウムの添加によりpHを6.0〜7.0として溶解し、これに40%亜硝酸ナトリウム水溶液2.3部を添加した。その後、この溶液を35%塩酸5.2部と水70部の混合液中に温度20〜30℃で滴下してジアゾ化した。このジアゾ懸濁液を、上記(3)で得られた式(12)の化合物3.0部を水50部に水酸化ナトリウムの添加によりpHを8.0〜9.0として溶解した溶液に、温度20〜30℃で滴下した。滴下中は炭酸ナトリウムの添加により溶液のpHを7.0〜8.0に維持した。その後、同温度で2時間撹拌し、塩化ナトリウムの添加により塩析し、析出物を濾過、分離した。得られたウェットケーキを水50部に溶解後、メタノール120部を添加することにより晶析し、析出物を濾過、分離した。得られたウェットケーキをさらに水50部に溶解後、メタノール120部の添加により晶析し、乾燥して、下記の構造の例示化合物III−6(ナトリウム塩)を得た。得られた例示化合物III−6の、水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)は、553nmであった。
Figure 2009030023
(例示化合物III−17の合成と特性値の測定)
以下に示す手順にしたがって、例示化合物III−17(M:ナトリウム)を合成した。
(1)式(13)の化合物の合成
上記した例示化合物III−6の合成方法(1)において、5−スルホアントラニル酸21.7部の代わりに2−アミノベンゼン−1,5−ジスルホン酸25.3部を用いた。これ以外は、上記した例示化合物III−6の合成方法(1)と同様にして、下記式(13)の化合物を得た。
Figure 2009030023
(2)〜(4)例示化合物III−17の合成
上記した例示化合物III−6の合成方法(2)において、上記式(9)の化合物7.1部の代わりに上記式(13)の化合物7.6部を用いた。これ以外は、上記した例示化合物III−6の合成方法(2)〜(4)と同様にして下記の構造の例示化合物III−17(ナトリウム塩)を得た。得られた例示化合物III−17の、水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)は、557.5nmであった。
Figure 2009030023
<インクの調製>
上記で得られた色材である例示化合物I−3、I−5、II−1、II−9、III−6、III−17、及びC.I.ダイレクトレッド84(ナトリウム塩;比較例の色材)を用いて、下記のようにしてインクをそれぞれ調製した。先ず、下記表4〜表7に示した各成分をそれぞれ混合して、十分撹拌した。その後、ポアサイズ0.2μmのフィルターにて加圧ろ過を行い、実施例1〜17及び比較例1〜8のブラックインクを調製した。なお、表4〜表7の下段において、各色材の含有量及び色材の含有量の合計は、インク全質量を基準とした値を示す。また、第1〜第3の色材/全色材×100[%]は、上記の各色材の含有量が、色材の含有量の合計に占める割合[%]の値を示す。さらに、第2の色材/第3の色材[倍]の値は、第2の色材の含有量の、第3の色材の含有量に対する質量比率[倍]の値を示す。
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
Figure 2009030023
<評価>
(1)初期画像の色調
上記で得られた実施例及び比較例の各インクをそれぞれ、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置(商品名:PIXUS iP8600)に搭載した。記録条件を、温度23℃、相対湿度55%、記録密度2,400dpi×1,200dpi、吐出量2.5pLとした。記録媒体PR−101(キヤノン製)に記録デューティを100%、80%、60%、40%、20%、及び10%とした画像をそれぞれ形成し、得られた各画像を温度23℃、相対湿度55%で24時間自然乾燥させた。このようにして得られた各記録物の画像の部分について、CIE(国際照明委員会)により規定されたL***表示系におけるa*及びb*を測定して、初期画像の色調の評価を行った。なお、a*及びb*は、分光光度計(Spectorolino;Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で測定した。初期画像の色調の評価基準は以下の通りである。評価結果を表8に示した。本発明においては、下記の評価基準でB以上である場合を、色調がニュートラルであり好ましい画像であるものとしている。
AA:記録デューティ100%、80%、60%、40%、20%、及び10%の画像において、−5≦a*≦5かつ−5≦b*≦5を満たす。
A:記録デューティ100%の画像において−5≦a*≦5かつ−5≦b*≦5を満たし、さらに、記録デューティ80%、60%、40%、20%、及び10%の画像において−10≦a*≦10かつ−10≦b*≦10を満たす。
B:記録デューティ100%の画像において−5≦a*≦5かつ−5≦b*≦5を満たすが、記録デューティ80%、60%、40%、20%、及び10%の画像の少なくとも1つにおいて−10≦a*≦10かつ−10≦b*≦10を満たさない。
C:記録デューティ100%の画像において−5≦a*≦5かつ−5≦b*≦5を満たさない。
(2)耐光性
上記で得られた各記録物の画像における記録デューティ100%の部分について、ブラックの光学濃度(分光感度特性;ISO Visualを使用)を測定した(「試験前の光学濃度」とする)。さらに、これらの各記録物に、スーパーキセノン試験機(商品名:SX−75;スガ試験機製)を用いて、照射強度100キロルクス、槽内温度24℃、相対湿度60%で100時間曝露した。その後、再度、各記録物の画像における記録デューティ100%の部分について、ブラックの光学濃度(分光感度特性;ISO Visualを使用)を測定した(「試験後の光学濃度」とする)。なお、光学濃度は、分光光度計(Spectorolino;Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で測定した。得られた試験前の光学濃度及び試験後の光学濃度の各値から、下記式に基づいて光学濃度の残存率を算出して、耐光性の評価を行った。耐光性の基準は以下の通りである。評価結果を表8に示した。
Figure 2009030023
AA:光学濃度の残存率が95%以上。
A:光学濃度の残存率が90%以上95%未満。
B:光学濃度の残存率が85%以上90%未満。
C:光学濃度の残存率が85%未満。
(3)耐光性試験後の色調
上記(2)の耐光性試験後の各画像の色調を、上記(1)と同様の条件により、a*及びb*を測定することで評価した。耐光性試験後の色調の評価基準は、上記(1)と同様である。評価結果を表8に示した。本発明においては、上記の評価基準でB以上である場合を、色調がニュートラルであり好ましい画像であるものとしている。
Figure 2009030023
(4)各波長領域における光学濃度の残存率
実施例3及び12、並びに比較例7のインクを用いて、記録デューティを100%(インクの記録媒体への付与量:11g/m2)として形成した画像をそれぞれ形成した(耐光性試験前の画像とする)。得られた各画像について、キセノン照射強度100キロルクス、槽内温度24℃、相対湿度60%の条件で100時間曝露する耐光性試験を行い、試験後の各画像を得た(耐光性試験後の画像とする)。こうして得られた耐光性試験前の各画像と耐光性試験後の各画像とにおける、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各波長領域での、分光感度特性;ISO ステータスAにより規定されたイエロー、マゼンタ、及びシアンの各成分の光学濃度をそれぞれ測定した。なお、光学濃度は、分光感度特性;ISO ステータスAを使用した分光光度計(Spectorolino;Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で測定した。そして、上記で測定した各成分の光学濃度から、イエロー成分、マゼンタ成分、及びシアン成分の光学濃度の残存率(各成分の残存率の算出方法は上記の光学濃度の残存率と同様である)を算出した。さらに、得られた各カラー成分における光学濃度の残存率のうち、光学濃度の残存率の最大値と最小値との差を求めた。得られた評価結果を表9に示す。
Figure 2009030023
表9より明らかであるように、実施例3におけるイエロー、マゼンタ、及びシアンの各波長領域における光学濃度の残存率の最大値と最小値との差は1%である。これに対して、実施例12では光学濃度の残存率の最大値と最小値との差が4%であり、比較例7では光学濃度の残存率の最大値と最小値との差が7%と大きくなった。実施例3のようにイエロー、マゼンタ、及びシアンの各波長領域における光学濃度の残存率の最大値と最小値との差が小さい、つまり、光学濃度の低下の程度の差が小さいと、画像が光に曝されて退色した後の色調の変化が小さくなる。この結果、耐光性試験後においても、色調がニュートラルに近い優れた画像を得ることができる。
インクジェット記録装置の斜視図である。 インクジェット記録装置の機構部の斜視図である。 インクジェット記録装置の断面図である。 ヘッドカートリッジにインクカートリッジを装着する状態を示す斜視図である。 ヘッドカートリッジの分解斜視図である。 ヘッドカートリッジにおける記録素子基板を示す正面図である。 ブラックインクを用いて記録デューティを100%、80%、60%、40%、20%、及び10%として形成した画像におけるa**平面上の色度図である。 各色材を含有するインクを記録媒体に付与した際に、記録媒体中における各色材の分布位置を示す模式図である。
符号の説明
M2041:分離ローラ
M2060:給紙トレイ
M2080:給紙ローラ
M3000:ピンチローラホルダ
M3030:ペーパーガイドフラッパー
M3040:プラテン
M3060:搬送ローラ
M3070:ピンチローラ
M3110:排紙ローラ
M3120:拍車
M3160:排紙トレイ
M4000:キャリッジ
M5000:ポンプ
M5010:キャップ
M7030:アクセスカバー
E0002:LFモータ
E0014:電気基板
H1000:ヘッドカートリッジ
H1001:記録ヘッド
H1100:第1の記録素子基板
H1101:第2の記録素子基板
H1200:第1のプレート
H1201:インク供給口
H1300:電気配線基板
H1301:外部信号入力端子
H1400:第2のプレート
H1500:タンクホルダー(カートリッジホルダー)
H1501:インク流路
H1600:流路形成部材
H1700:フィルター
H1800:シールゴム
H1900:インクカートリッジ
H2000:イエローノズル列
H2100:マゼンタノズル列
H2200:シアンノズル列
H2300:淡シアンノズル列
H2400:ブラックノズル列
H2500:グリーンノズル列
H2600:淡マゼンタノズル列

Claims (12)

  1. 少なくとも、第1の色材、第2の色材、及び第3の色材を含有してなるインクであって、
    前記第1の色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、
    前記第2の色材が、下記一般式(II)で表される化合物であり、
    前記第3の色材が、下記一般式(III)で表される化合物であることを特徴とするインク。
    Figure 2009030023
    (一般式(I)中、Aは置換されていてもよい芳香族基又は複素環基であり、Bは下記一般式(1)乃至(5)で表されるいずれかの基であり、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
    Figure 2009030023
    (一般式(1)乃至(5)中、R1乃至R9はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アニリノ基及び複素環アミノ基を含むアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル若しくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホン酸基であり、各基はさらに置換されていてもよい。)
    Figure 2009030023
    (一般式(II)中、R10はそれぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキル基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルコキシル基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキルアミノ基、カルボキシル−炭素数1乃至5のアルキルアミノ基、ビス−〔カルボキシ−炭素数1乃至5のアルキル〕アミノ基、ヒドロキシル基若しくは炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルカノイルアミノ基、カルボキシル基若しくはスルホン酸基若しくはアミノ基で置換されていてもよいフェニルアミノ基、スルホン酸基、ハロゲン原子、又はウレイド基であり、[C]はカルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミン残基であり、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
    Figure 2009030023
    (一般式(III)中、Dは、置換基を有するフェニル基であり、該置換基は、カルボキシル基、スルホン酸基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基(ヒドロキシル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)、及び炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシル基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる。E及びFはそれぞれ独立に、置換基を有するパラフェニレン基であり、該置換基は、カルボキシル基、スルホン酸基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基(ヒドロキシル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)、及び炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシル基、スルホン酸基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい)からなる群から選ばれる。R11は、カルボキシル基で置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキル基、スルホン酸基で置換されていてもよいフェニル基、又はカルボキシル基のいずれかであり、R12は、シアノ基、カルバモイル基、又はカルボキシル基のいずれかであり、R13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、塩素原子、又はスルホン酸基のいずれかである。)
  2. 前記一般式(I)で表される化合物におけるAが、置換されていてもよいナフチル基であり、Bが、前記一般式(2)で表される基である請求項1に記載のインク。
  3. 前記一般式(III)で表される化合物におけるDの置換基が、スルホン酸基又はカルボキシル基であり、E及びFが、下記一般式(6)で表される基である請求項1又は2に記載のインク。
    Figure 2009030023
    (一般式(6)中、R15は、スルホン酸基又はスルホプロポキシ基であり、R16は、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、又はエトキシ基のいずれかである。)
  4. インク中における前記第1の色材の含有量(質量%)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量%)に対して、45.0%以上75.0%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク。
  5. インク中における前記第2の色材の含有量(質量%)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量%)に対して、12.0%より大きく40.0%以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク。
  6. インク中における前記第1の色材の含有量(質量%)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量%)に対して50.0%以上であり、
    かつ、インク中における前記第2の色材の含有量(質量%)が、インク中における前記第3の色材の含有量(質量%)に対して、質量比率で、0.60倍以上1.00倍未満である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインク。
  7. 前記インクの記録媒体への付与量を11g/m2として形成した耐光性試験前の画像と、前記画像をキセノン照射強度100キロルクス、温度24℃、相対湿度60%の条件で100時間曝露する耐光性試験を行った耐光性試験後の画像とにおける、イエロー成分、マゼンタ成分、及びシアン成分の光学濃度の残存率(分光感度特性;ISO ステータスAにより規定されたイエロー成分、マゼンタ成分、及びシアン成分の光学濃度をそれぞれ求めた際に、下記式で表される光学濃度の残存率)の最大値及び最小値の差が0以上5以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインク。
    Figure 2009030023
  8. 前記第1の色材として一般式(I)で表される化合物、前記第2の色材として一般式(II)で表される化合物、及び前記第3の色材として一般式(III)で表される化合物は、可溶化基が同一で同数である請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインク。
  9. インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、前記インクが、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  11. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットにおいて、前記インクが、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とする記録ユニット。
  12. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置において、前記インクが、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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