JP2009022498A - 装飾地係止桿と布バネ座具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】布バネ座具のフレームを構成し、可撓性装飾地17を係止する可撓性装飾地係止桿14に使用するパイプの断面を楕円形状にし、その長径軸上X−Xの左右側端部間を中立板35で連結して内部空洞12を上下に2分すると共に、その左右側端36を分厚くし、その分厚くした左右側端36に蟻溝11(溝腔13)を設けてパイプをその長さ方向に折り曲げ易くし、中立板35に向き合うパイプ周面の弓形部分61の幅(S)を狭くし、パイプをその長さ方向に折り曲げた際に内部空洞12の外側の弓形部分61が平板に変形するとしても、その変形を格別目立たないようにする。
【選択図】図1
Description
上記二重係止方式(特許文献2参照)では、装飾地の端縁を挟むために2つのフレーム部材を必要とするので、二重係止方式によって座具を軽量化しスリムに構成することは、端縁圧入方式による場合よりも更に困難である。
(1) 円形パイプ50は、折り曲げて生じる彎曲線の外周面側と内周面側が同じように変形し、幅Tが広がり、断面が平板になり、その平板な外周面側部分51と平板な内周面側部分52が重なって平板な二重断面構造を成している(図13−d)。
(2) 平板な二重断面構造の左右側端部53・53には、その左右側端部53・53の間の中央部54に比して大きい隙間55が構成され、その側端56がC字形の断面形状を成して隙間55を包囲しており、その包囲するC字形断面の側端56が隙間55が押し潰されるのを防ぐフランジの役目を果たしている(図13−d)。
(3) そのフランジの役目を果たしているC字形断面の側端56が更に変形して平板になり、その包囲していた隙間55が消失すると、曲折箇所に亀裂が発生し、円形パイプ50が破断する。
(1) 折り曲げられて左右側端部53に変形する前の元の円形パイプ50の左右側端部63・63の間を平板な中立部材64によって連結しておけば、円形パイプ50の幅Sは折り曲げられても広がり難くなる(図13−c)。
(2) 円形パイプ50の左右側端部63・63の間を平板な中立部材64によって連結すれば、円形パイプ50の内部空洞は、上下2つの半円形空洞65に仕切られて押し潰され難くなる(図13−c)。
(3) 折り曲げられて左右側端部53に変形する前の元の円形パイプ50の左右側端部63・63を補強して厚くしておけば、折り曲げられてC字形断面に変形した側端56が更に平板に変形し難くなるので、曲折箇所に亀裂が発生し難く、破断し難くなる。
(4) 折り曲げられて左右側端部53に変形する前の元の円形パイプの左右側端部63・63は、平板に変形し難い部分であるから、その左右側端部63・63に隣り合わせに蟻溝66・66を設ければ、その蟻溝66・66も変形し難くなる(図13−c)。
(5) 円形パイプの左右側端63・63の間を中立部材64によって連結し(図13−c)、その左右側端63・63を厚くしておけば、変形して平板になる部分は、その厚くした左右側端部63・63の間の弓形部分61・61だけになるので、円形パイプ50を楕円形パイプにして弓形部分61・61の曲率半径を大きくすれば、その弓形部分61・61が平板に変形するとしても左程大きくは変形せず、パイプ全体として断面の変形は目立たなくなる。
具体的に短径Vと長径を示すと、短径Vを9±4(mm)、長径Wを24±16(mm)とし、好ましくは、短径Vを9±2(mm)、長径Wを21±12(mm)とする。
蟻溝11・11の空隙と内部空洞12・12の空隙との合計空隙断面積が係止桿14の断面積に占める内部空隙率は、45±8(%)にすることが望ましい。
加えて、係止桿14は、内部空洞12を有するので軽く、断熱性を有し、結露し難く、楕円形断面形状を成し、外面が丸みを帯びているので肌触りが柔らかく、装飾地の使用される室内仕切りや家具、建具等の肌身の触れ易い屋内装飾品の部材に好適である。
従って、係止桿14を屋内装飾品の曲面に応じて折曲加工するとき、その曲折箇所22において弓形に突き出ていた外周面部41と内周面部42が変形して平板になるとしても、その変形は殆ど目立たない(図13−a・b)。
一方、そのように殆ど目立たない程度であるとしても、曲折箇所22には折曲加工時に外周面部41と内周面部42が平板に変形する余裕があるので、無理なく折曲加工することが出来る。
本発明の係止桿14には蟻溝11・11が左右対称に左右に設けられているので、係止桿14・14の片面を被覆するように外側の蟻溝11aAと他の片側の係止桿14Bの外側の蟻溝11bBの間に装飾地17を張設する場合、その残りの内側の蟻溝11bAと内側の蟻溝11aBの間にランバーサポートやバックアップ地を張設することが出来る。
又、表装地17とバックアップ地30の間には、クッション材や断熱材等の機能性詰物37を挿入することが出来る隙間が出来るので、その詰物37によって機能性に優れた布バネ座具を得ることが出来る(図2)。
そのように、布バネ座具の幅方向に弾性伸縮する弾性装飾地17を使用するときは、強く緊張することが望まれる椎骨部、或いは、腰載部の脚部側に片寄った前半部分の幅が狭くなるように弾性装飾地を裁断し、それを左右の幅(間隔)を一定に揃えて配置した2本の係止桿の間に張設することによって椎骨部と腰載部前半を強く緊張して体重を受けて沈み込まないようにする一方、その他の部分では比較的沈み込み易くし、身体の起伏形状に合わせて弾性装飾地が変形し、身体から加わる体圧が弾性装飾地全体に均等に分散する体圧分散型の布バネ座具を得ることが出来る。
そのようにランバーサポートやバックアップ地30に使用する場合、特に、片側の係止桿14Aの外側の蟻溝11aAと他の片側の係止桿14Bの外側の蟻溝11bBの間に張設する装飾地17の撓みを抑えるランバーサポートに使用する場合には、10%伸長時の応力(F)が150(N/5cm)以上の伸び難い弾性織編布帛を使用する。
弾性織編布帛は、弾性糸条を経糸と緯糸の何れかに使用した織物であってもよく、弾性糸条を編糸と挿入糸の何れかに使用した編物(経編・緯編)であってもよく、それらは二重に織編成されたものであっても、表面パイル立毛を有する有毛布帛であってもよい。
その好ましい素材は、ポリ塩化ビニルとアルミニウムであり、特に強度的に、又、耐熱・耐燃性の点でアルミニウムを使用することが望ましい。
図6が示すように、係止桿14の2つの蟻溝11・11の中の一方の蟻溝11には装飾地17を係止し、その他方の蟻溝11にはバックアップ地30を係止し、長椅子のフレームに装飾地17とバックアップ地30を二重に張設することも出来る。
図11と図12が示すように、係止桿14は、その2つの蟻溝11・11の中の一方の蟻溝11には表側装飾地17を係止し、その他方の蟻溝11には裏側装飾地17を係止し、それら表裏の装飾地17・17を連結し、間仕切りを遮音効果や断熱・保温・保冷効果、遮光効果のある二層構造にするためにも使用される。
12:空洞
13:溝腔
14:係止桿
15:連結材
16:座具フレーム
17:装飾地
18:筒状袋縁
19:空洞
20:楔桿
21:端縁
22:曲折箇所
23:曲面
24:背凭れ部
25:腰載部
26:脚部
27:支脚部
28:中間部
29:張設面
30:バックアップ地
31:第1曲折箇所
32:第2曲折箇所
33:第3曲折箇所
35:中立板
36:側端
37:詰物
41:外周面部
42:内周面部
50:円形パイプ
51:外周面側部分
52:内周面側部分
53:側端部
54:中央部
55:隙間
56:側端
61:弓形部分
63:側端
64:中立部材
65:半円形空洞
66:蟻溝
G:溝幅
P:突出高さ
Q、S、T:幅
V:短径
W:長径
X:長径軸
Y:短径軸
Claims (11)
- 断面が楕円形状を成し、 その長径軸上(X−X)において外側に向けて開かれた2つの蟻溝(11・11)が、短径軸(Y)を境に左右対称に長径軸上(X−X)に配置されており、 内部の溝腔(13)を含む蟻溝(11)の断面が、長径軸(X)を境に上下対称形を成している可撓性装飾地係止桿。
- 左右の蟻溝(11)と蟻溝(11)の間に、左右の蟻溝(11)と蟻溝(11)の間を結ぶ中立板(35)に仕切られた2つの空洞(12)が、長径軸(X)を境に上下対称に短径軸上(Y−Y)に配置されており、 それら2つの各空洞(12)の断面が短径軸(Y)を境に左右対称形を成している前掲請求項1に記載の可撓性装飾地係止桿。
- 長径(W)が短径(V)の1.3倍〜3倍であり、 長径軸上(X)に平行する方向における空洞(12)の幅(Q)が長径(W)の0.4倍〜1.2倍であり、 溝腔(13)を含む蟻溝(11・11)の空隙の断面積と内部空洞(12・12)の空隙の断面積との合計空隙断面積が、可撓性装飾地係止桿(14)の断面積に占める内部空隙率が45±15(%)である前掲請求項1と2の何れかに記載の可撓性装飾地係止桿。
- 前掲請求項1と2と3の何れかに記載の2本の可撓性装飾地係止桿(14・14)が、それらの片側の蟻溝(11・11)を向かい合わせにして平行に配置されており、 それら2本の係止桿(14・14)が連結材(15)を介して連結されて座具フレーム(16)を構成しており、 可撓性装飾地(17)が係止桿(14)と係止桿(14の間に張設されており、 その装飾地(17)の端縁(21)が、その端縁(21)に沿って続く空洞(19)を有する筒状袋縁(18)を構成しており、 その筒状袋縁(18)が係止桿の蟻溝(11)に差し込まれており、 その差し込まれた筒状袋縁(18の空洞(19)に楔桿(20)が差し込まれており、 その差し込まれた楔桿(20)によって空洞(19)が蟻溝の溝腔内(13)で脹らんで、装飾地(17)の端縁(21)が蟻溝(11)に係合して係止桿(14)に係止されている布バネ座具。
- 係止桿(14)が、その長さ方向において45度以上折り曲げられており、 その曲折箇所(22)の前後において装飾地が連続した曲面(23)を形成している前掲請求項4に記載の布バネ座具。
- 係止桿(14)が第1曲折箇所(31)と第2曲折箇所(32)と第3曲折箇所(33)の3箇所で折れ曲がっており、 一端から第1曲折箇所に到る部分が背凭れ部(24)を構成し、第1曲折箇所から第2曲折箇所に到る部分が腰載部(25)を構成し、第2曲折箇所から第3曲折箇所に到る部分が脚部(26)を構成し、第3曲折箇所から他端に到る部分が支脚部(27)を構成している前掲請求項4に記載の布バネ座具。
- 連結材(15)の中間部(28)が装飾地の張設面(29)から離れる方向に膨出した山形形状を成している前掲請求項4と5と6の何れかに記載の布バネ座具。
- 腰載部(25)と支脚部(27)のそれぞれに、中間部(28・28)を向かい合わせに連結材(15・15)が接合されている前掲請求項7に記載の布バネ座具。
- 装飾地の片側の端縁(21A)が、平行に配置された2本の係止桿の中の1本の係止桿(14A)の外側の蟻溝(11aA)に係止され、装飾地の他の片側の端縁(21B)が2本の係止桿の中の他の1本の係止桿(14B)の外側の蟻溝(11bB)に係止されており、 それら2本の各係止桿(14)の外側の蟻溝(11a)から内側の蟻溝(11b)に到る片面が、装飾地(17)に被覆されている前掲請求項4と5と6と7と8の何れかに記載の布バネ座具。
- 平行に配置された2本の係止桿の中の1本の係止桿(14A)の内側の蟻溝(11bA)と、2本の係止桿の中の他の1本の係止桿(14B)の内側の蟻溝(11aB)の間にバックアップ地(30)が張設されており、 そのバックアップ地(30)の端縁(21’)が、その端縁(21’)に沿って続く空洞(19’)を有する筒状袋縁(18’)を構成しており、 その筒状袋縁(18’)が係止桿の内側の蟻溝(11bA・11aB)に差し込まれており、 その差し込まれた筒状袋縁(18’)の空洞(19’)に楔桿(20’)が差し込まれており、 その差し込まれた楔桿(20’)によって空洞(19’)が蟻溝の溝腔内(13’)で脹らんで、バックアップ地(30)の端縁(21’)が蟻溝(11)に係合して係止桿(14)に係止されている前掲請求項9に記載の布バネ座具。
- 可撓性装飾地(17)が、破断伸度が60(%)以上であり、15%伸長後の弾性回復率が90(%)以上である弾性糸条を有する弾性織編布帛であり、 2本の係止桿(14・14)が向き合う布バネ座具の幅方向における弾性織編布帛(17)の10%伸長時の応力(F)が、50≦F≦600(N/5cm)である前掲請求項4と5と6と7と8と9の何れかに記載の布バネ座具。
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