JP2009019396A - 車両用開閉体の駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動用回転体への雨水の到達を抑制するとともに、ケース内に浸入した雨水を効率良く外部に排出する。
【解決手段】ケース26の車体への固定状態において、ドラム32の下方側で各テンショナ機構35a,35bにより各ケーブル23a,23bの移動方向を屈曲させ、各テンショナ機構35a,35bの下方側に各排水部37a,37bを設けた。したがって、各ケーブル23a,23bに付着した雨水を、各ケーブル23a,23bの各テンショナ機構35a,35bによる屈曲によりケース26内に滴下させることができ、当該滴下した雨水を各排水部37a,37bから速やかに外部に排出させることができる。各テンショナ機構35a,35bよりも上方側にあるドラム32への雨水の到達を抑制できる。
【選択図】図8
【解決手段】ケース26の車体への固定状態において、ドラム32の下方側で各テンショナ機構35a,35bにより各ケーブル23a,23bの移動方向を屈曲させ、各テンショナ機構35a,35bの下方側に各排水部37a,37bを設けた。したがって、各ケーブル23a,23bに付着した雨水を、各ケーブル23a,23bの各テンショナ機構35a,35bによる屈曲によりケース26内に滴下させることができ、当該滴下した雨水を各排水部37a,37bから速やかに外部に排出させることができる。各テンショナ機構35a,35bよりも上方側にあるドラム32への雨水の到達を抑制できる。
【選択図】図8
Description
本発明は、車体に設けられる開閉体を開閉駆動する車両用開閉体の駆動装置に関する。
従来、ワゴン車やワンボックス車等の車両においては、その車体側部に車両の前後方向にスライドするスライドドアを設け、これにより、車体側部に形成される比較的大きな開口部を介して乗員の乗降や荷物の積み下ろしなどを容易に行えるようにしている。このようなスライドドアは、通常、手動で開閉操作されるが、近年では、車体のスライドドア近傍に当該スライドドアを開閉駆動するための駆動装置を搭載し、この駆動装置の駆動によりスライドドアを開閉するようにした車両が多く見受けられる。
スライドドアを開閉駆動する駆動装置には、車両の前後方向からスライドドアに接続されたケーブル(索条体)を、スライドドアをガイドするガイドレールの両端に配置された一対の反転プーリを介して、車体に装着されたケース内に案内孔を介して導き、このケース内に回転自在に設けられたドラム(駆動用回転体)にケーブルを巻き掛け、ドラムを電動モータ(駆動源)により回転駆動することでスライドドアをケーブルで引きながら開閉駆動するようにした、いわゆるケーブル式の駆動装置がある。
ケーブル式の駆動装置としては、例えば、特許文献1に記載された駆動装置が知られており、この特許文献1に記載された駆動装置は、ケース内のドラムに巻き掛けられた一対のケーブルがケースの外に引き出され、それぞれ反転プーリを介してスライドドアに接続されている。また、駆動装置の車体への装着状態において、ケースの側方にドラムを回転駆動するための電動モータが配置されるとともに、ケースのドラムよりも上方側には、ケーブルのケース内からの出入りを案内する一対の案内孔が設けられている。
特開2000−8709号公報
しかしながら、上述の特許文献1に係る駆動装置によれば、ケーブルの露出した部分に雨水が付着し、当該雨水がケーブルを伝ってケース内に浸入した場合には、雨水がドラムの周辺にまで到達することもある。したがって、駆動装置の使用過程で、例えば、ドラムが「被水」および「乾燥」を繰り返すことで雨水に含まれる埃等がドラムの外周に堆積し、ひいては埃等が堆積したドラムにケーブルが巻き掛けられるようになって、駆動装置の作動音増大やケーブルの耐久性が低下する等の問題が生じ得る。
本発明の目的は、駆動用回転体への雨水の到達を抑制するとともに、ケース内に浸入した雨水を効率良く外部に排出することができる車両用開閉体の駆動装置を提供することにある。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、車体に設けられる開閉体を開閉駆動する車両用開閉体の駆動装置であって、前記車体または前記開閉体のいずれか一方に固定されるケースと、前記ケースに回転自在に収容される駆動用回転体と、前記ケースに取り付けられ、前記駆動用回転体を回転駆動する駆動源と、一端側が前記駆動用回転体に巻き掛けられ、他端側が前記車体または前記開閉体のいずれか他方に接続される索条体と、前記ケースの内外を貫通するよう設けられ、前記索条体の前記ケースからの出入りを案内する索条体案内孔と、前記ケースに設けられ、前記ケースの前記車体または前記開閉体への固定状態において前記駆動用回転体および前記索条体案内孔よりも下方側で前記索条体の移動方向を屈曲させるプーリ機構と、前記ケースに設けられ、前記ケースの前記車体または前記開閉体への固定状態において前記プーリ機構よりも下方側で前記ケース内に浸入した雨水を前記ケース外へ排水する排水部とを備えることを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記プーリ機構を、前記索条体の前記索条体案内孔による案内方向に延びるよう前記ケースに支持されるガイド軸と、前記ガイド軸に当該ガイド軸の軸方向に沿って移動自在に設けられるプーリホルダと、前記プーリホルダに回転自在に設けられ前記索条体の移動方向を屈曲させるプーリと、前記ガイド軸に設けられ前記索条体に張力を付与するよう前記プーリホルダを押圧するばね部材とから構成し、前記排水部を前記ケースの前記ガイド軸を支持する支持部に近接して設けることを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記プーリホルダにおける前記プーリの外周側に、前記索条体から滴下した雨水を前記排水部に向けて案内するプーリホルダ側案内壁を設けることを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記ガイド軸の前記排水部側に、前記索条体から滴下した雨水を前記排水部に向けて案内可能な排水案内部材が装着されていることを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記ケースに前記駆動用回転体の外周面に沿う壁部を形成し、少なくとも前記駆動用回転体の下方側の前記壁部は、前記索条体から滴下した雨水を前記排水部に向けて案内するよう構成されていることを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記ケースを、前記駆動用回転体を収容する駆動用回転体収容部および前記プーリ機構を収容するプーリ機構収容部を備えるケース本体と、前記ケース本体を覆うケースカバーとから形成し、前記排水部は、前記ケースカバーの切り欠き部により前記ケース内外を連通するよう構成されることを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記駆動用回転体と前記駆動源との間に前記駆動源の回転を減速する減速機構を設け、前記ケースに前記減速機構を収容する減速機構収容部を設けることを特徴とする。
本発明の車両用開閉体の駆動装置は、前記減速機構を前記駆動源の回転軸に一体に設けられるウォームと、中心軸が前記駆動用回転体に接続されるウォームホイールとから構成し、前記回転軸を、前記ケースの前記車体または前記開閉体への固定状態において前記駆動用回転体の中心軸よりも上方側に配置することを特徴とする。
本発明によれば、ケースの車体または開閉体への固定状態において、駆動用回転体の下方側でプーリ機構によって索条体の移動方向を屈曲させ、プーリ機構の下方側には排水部を設けるので、索条体に付着した雨水を、索条体のプーリ機構による屈曲によってケース内に滴下させ、当該滴下した雨水を排水部から速やかに外部に排出させることができる。したがって、プーリ機構よりも上方側にある駆動用回転体への雨水の到達を抑制することができるとともに、ケース内に浸入した雨水を効率良く外部に排出させることができ、駆動用回転体の外周に埃等が堆積することを抑制して、ケース内を速やかに乾燥状態にすることができる。
本発明によれば、プーリ機構を、索条体の索条体案内孔による案内方向に延びるようケースに支持されるガイド軸と、ガイド軸に当該ガイド軸の軸方向に沿って移動自在に設けられるプーリホルダと、プーリホルダに回転自在に設けられ索条体の移動方向を屈曲させるプーリと、ガイド軸に設けられ索条体に張力を付与するようプーリホルダを押圧するばね部材とから構成し、排水部をケースのガイド軸を支持する支持部に近接して設けるので、索条体の弛みを防止する機能を備える駆動装置においても、駆動用回転体への雨水の到達を抑制するとともに、ケース内に浸入した雨水を効率良く外部に排出することができる。
本発明によれば、プーリホルダにおけるプーリの外周側に、索条体から滴下した雨水を排水部に向けて案内するプーリホルダ側案内壁を設けるので、ケース内に浸入した雨水を効率良く排水部に集めることができ、排水効率を高めることができる。
本発明によれば、ガイド軸の排水部側に、索条体から滴下した雨水を排水部に向けて案内可能な排水案内部材が装着されているので、ケース内に浸入した雨水を効率良く排水部に集めることができ、排水効率を高めることができる。
本発明によれば、ケースに駆動用回転体の外周面に沿う壁部を形成し、少なくとも駆動用回転体の下方側の壁部は、索条体から滴下した雨水を排水部に向けて案内するよう構成するので、索条体の屈曲で滴下しきれずに駆動用回転体にまで到達した雨水を効率良く排水部に集めることができ、排水効率を高めることができる。
本発明によれば、ケースを、駆動用回転体を収容する駆動用回転体収容部およびプーリ機構を収容するプーリ機構収容部を備えるケース本体と、ケース本体を覆うケースカバーとから形成し、排水部は、ケースカバーの切り欠き部によりケース内外を連通するよう構成するので、ケース本体あるいはケースカバーのいずれかに専用の排水機構を設ける必要がなく、ケース本体またはケースカバーの一部の形状を変更することで、容易に排水機構を構成することができる。
本発明によれば、駆動用回転体と駆動源との間に駆動源の回転を減速する減速機構を設け、ケースに減速機構を収容する減速機構収容部を設けるので、減速機構を有する駆動装置においても、索条体に付着した雨水が駆動用回転体を介して減速機構へ到達することを抑制することができる。
本発明によれば、減速機構を駆動源の回転軸に一体に設けられるウォームと、中心軸が駆動用回転体に接続されるウォームホイールとから構成し、回転軸を、ケースの車体または開閉体への固定状態において駆動用回転体の中心軸よりも上方側に配置するので、索条体に付着した雨水の減速機構への到達の抑制に加えて、減速機構を介して駆動源へ到達することを抑制することができる。
以下、本発明における一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係る車両用開閉体の駆動装置が搭載される車両を示す側面図を、図2は図1の車両のスライドドアの取り付け構造を示す平面図をそれぞれ表している。
図1に示す車両10には、その車体11の側部に形成された開口部11aを開閉する開閉体としてのスライドドア12が設けられている。このスライドドア12は、車体11の側部に固定されたガイドレール13に案内され、全閉位置と全開位置との間で開閉自在となっており、乗員の乗降や荷物の積み下ろしなどを行う際には所望の開度にまで開けて使用される。
図2に示すように、スライドドア12にはローラアッシー14が設けられ、このローラアッシー14がガイドレール13に案内されることにより、スライドドア12は車体11の側部に沿って車両10の前後方向に移動するようになっている。また、ガイドレール13の車両10の前方側には、車室内側(図中上側)に湾曲された湾曲部13aが設けられ、ローラアッシー14が湾曲部13aに案内されると、スライドドア12は、図中二点鎖線で示すように車体11の側面と略同一面となるよう車体11の内側に引き込まれた状態で閉じられる。
ここで、スライドドア12のセンター部に設けられるローラアッシー14に加え、スライドドア12の前端側のアッパー部およびロア部にもそれぞれローラアッシー(図示せず)が設けられており、各ローラアッシーに対応して車体11の開口部11aにおけるアッパー部およびロア部にはガイドレール(図示せず)がそれぞれ設けられている。このように、スライドドア12は、車体11に対して計3箇所で支持されるようになっており、車体11に対して安定した開閉動作が可能となっている。
車両10の車体11の側部には、図1および図2に示すように、スライドドア12を開閉駆動するための車両用開閉体の駆動装置としての開閉装置20が設けられている。
この開閉装置20は、ガイドレール13の車両10の前後方向における略中央部に隣接して車体11の内部に配置される駆動ユニット21と、ガイドレール13の車両10の後方側端部に設けられる反転プーリ22aを介して開側(車両後方側)からローラアッシー14(スライドドア12)に接続される索条体としての開側ケーブル23aと、ガイドレール13の車両10の前方側の端部に設けられる反転プーリ22bを介して閉側(車両前方側)からローラアッシー14(スライドドア12)に接続される索条体としての閉側ケーブル23bとを備えている。これにより、駆動ユニット21によって開側ケーブル23aを引くことでスライドドア12が開動作され、駆動ユニット21によって閉側ケーブル23bを引くことでスライドドア12が閉動作される。なお、各ケーブル23a,23bの車体11の外部に露出する部位は、ガイドレール13内に位置している。
図3は反転プーリの詳細構造を示す平面図を表している。なお、各反転プーリ22a,22bは、図2に示すように相互に対向するようガイドレール13の両端部に設けられ、その構造はいずれも同一である。したがって、車両後方側の反転プーリ22aのみを示して説明する。
図3に示すように、反転プーリ22aは、車体11の内部の装着壁部11bに形成された装着孔11cを貫通して一対の締結部材24aにより装着されるプーリケース24bと、プーリケース24bの内部に回転自在に設けられ、開側ケーブル23aが掛け渡されるプーリ24cと、プーリケース24bの駆動ユニット21側に設けられ、開側ケーブル23aの出入りを案内するユニット側案内孔24dと、プーリケース24bのローラアッシー14側に設けられ、開側ケーブル23aの出入りを案内するローラ側案内孔24eとを備えている。また、図示はしないがローラ側案内孔24eの開側ケーブル23aに対向する面には開側ケーブル23aと摺接するリップ部が設けられており、このリップ部によって開側ケーブル23aに付着する雨水等の異物がプーリケース24b内に侵入することを抑制している。
プーリケース24bのユニット側案内孔24dには、スリーブ24fが装着されており、このスリーブ24fと駆動ユニット21との間には、開側ケーブル23aの周囲を覆う可撓性を有するアウターケーシング25が設けられている。このアウターケーシング25の内側には所定の粘度を有するグリス(図示せず)が塗布されており、これにより、開側ケーブル23aを保護するとともに開側ケーブル23aのアウターケーシング25に対する摺動性を向上させている。一方、プーリケース24bのローラ側案内孔24eとローラアッシー14との間には、このようなアウターケーシング25を有しておらず、開側ケーブル23aは外部に露出されている。
図4は駆動ユニットの詳細を示す正面図を、図5は図4の駆動ユニットの電動モータおよび減速機構を説明する説明図を、図6は図4の駆動ユニットのテンショナ機構を示す斜視図を、図7は図4の駆動ユニットにケースカバーを装着した状態を示す正面図をそれぞれ表している。
図4に示すように、駆動ユニット21は、車体11に固定される樹脂製のケース26を備え、このケース26のケース本体26aには、モータユニット27が取り付けられている。モータユニット27は駆動源としての電動モータ28と減速機構(図5参照)29とが1つのユニットとして構成され、電動モータ28の回転は減速機構29により所定の回転数にまで減速されて出力軸30から出力されるようになっている。ここで、駆動ユニット21は、図4に示す状態、つまり、ケース26が下方側に向くよう、そして、モータユニット27が上方側に位置するよう車体11(図1参照)に固定するようになっている。
図5に示すように、電動モータ28は断面が略円弧形状に形成された一対の永久磁石28aと、各永久磁石28aの内側に所定の隙間を介して回転自在に設けられたアマチュア(電機子)28bと、アマチュア28bの回転中心に固定された回転軸としてのアマチュア軸28cと、アマチュア軸28cに装着されたコミュテータ28dとを有している。そして、図示しないブラシを介してコミュテータ28dに駆動電流を供給することにより、アマチュア28bに巻装されたコイル(図示せず)に駆動電流が流れて、アマチュア28bが永久磁石28aに対して正逆方向に回転するようになっている。
減速機構29は、ケース本体26aに一体に形成された減速機構収容部26bに収容されている。減速機構29は、アマチュア軸28cの先端側(図中左側)に一体に設けられたウォーム29aと、ウォーム29aに噛み合うギヤ歯29bを有するウォームホイール29cとを備えており、ウォームホイール29cの回転中心には出力軸30が固定されている。ここで、モータユニット27は、電動モータ28のアマチュア軸28cが出力軸30よりも上方側で回転するよう構成されている。
減速機構29には電磁クラッチ(図示せず)が接続されており、この電磁クラッチは、電動モータ28と出力軸30との間の動力伝達経路を断続するようになっている。例えば、図示しない車室内に設けられた操作スイッチを操作して、電磁クラッチを遮断状態とすると、出力軸30は電動モータ28に拘束されない非拘束状態となり、スライドドア12を手動により開閉操作できるようになる。一方、操作スイッチを操作して電磁クラッチを接続状態とすると、出力軸30には電動モータ28の回転駆動が伝達されるようになり、スライドドア12を電動で開閉駆動できるようになる。
図4に示すように、ケース本体26aには駆動用回転体収容部としてのドラム収容部31aが形成されている。ドラム収容部31aには、駆動用回転体としてのドラム32が回転自在に収容されており、このドラム32の回転中心には出力軸30が固定されている。また、ケース本体26aにはドラム32の外周面に若干の隙間を介して沿うよう形成されるとともに、ドラム収容部31aの一部を形成する壁部31が設けられている。ここで、ドラム32は、減速機構29を構成するウォームホイール29cに出力軸30を介して固定されており、したがって両者は一体回転可能となっている。
ドラム32の外周には、螺旋状の案内溝(図示せず)が形成されており、この案内溝には、開側ケーブル23aおよび閉側ケーブル23bの一端側をドラム32に固定した状態で、開側ケーブル23aおよび閉側ケーブル23bが、それぞれ複数回巻き掛けられている。つまり、各ケーブル23a,23bの一端側はドラム32に巻き掛けられるとともに、その他端側はスライドドア12に接続されている。
このように、各ケーブル23a,23bの一端側を、ドラム32に複数回巻き掛けることで、例えば、ドラム32の図中時計方向への回転により、開側ケーブル23aがドラム32から引き出され、閉側ケーブル23bがドラム32に巻き掛けられる。したがって、ドラム32を図中時計方向に回転させた場合には、図2に示すようにスライドドア12を全閉方向に移動させることができる。これとは逆にドラム32を図中反時計方向に回転させた場合には、開側ケーブル23aがドラム32に巻き掛けられるとともに、閉側ケーブル23bがドラム32から引き出されて、図2に示すようにスライドドア12を全開方向に移動させることができる。
ケース本体26aの壁部31における図中下方側には、壁部31の円弧軌跡上に配置され、かつ、壁部31と略同じ半径寸法を有するケース側壁部としての円弧壁部31bが形成されている。この円弧壁部31bは、壁部31と同様にドラム32の外周面に若干の隙間を介して近接して設けられており、円弧壁部31bは、ドラム32に巻き掛けられる各ケーブル23a,23bに付着した雨水を受けて、その両端側から、ケース本体26aの下方側に形成される各排水部37a,37bに向けて雨水を案内するようになっている。
ケース本体26aの壁部31における図中下方側で、かつ、左右対称となる位置には、各ケーブル23a,23bのケース26からの出入りを案内する一対のケーブル案内孔(索条体案内孔)33a,33bがケース26の内外を貫通するよう設けられている。各ケーブル案内孔33a,33bには、略円筒形状のスリーブ34a,34bが装着されており、これらのスリーブ34a,34bには、各ケーブル23a,23bが摺動自在に貫通している。また、各スリーブ34a,34bには、アウターケーシング25の端部がそれぞれ固定されている。
ケース本体26aに形成された各ケーブル案内孔33a,33bの図中下方側には、一対のプーリ機構としてのテンショナ機構35a,35bを収容するプーリ機構収容部としてのテンショナ収容部36a,36bが設けられている。なお、上述したケーブル案内孔33a,33bは、各テンショナ収容部36a,36bの上方に位置する部分に形成されている。また、各テンショナ収容部36a,36bの最も下方側に位置する部分には、一対の排水部37a,37bが設けられている。各排水部37a,37bは、ケース26内に浸入した雨水をケース26の外部に排出するものであり、したがって、各排水部37a,37bは、ケース本体26aの最も下方側に配置されている。なお、各排水部37a,37bの構成の詳細については後述する。
ケース本体26aに形成された各テンショナ収容部36a,36bの裏側の部分には、基板収容部(図示せず)がケース本体26aと一体的に設けられ、この基板収容部には、電動モータ28と電磁クラッチの作動を制御するための制御基板(図示せず)が収容されている。制御基板にはCPUやメモリ等の電子部品が実装されており、この制御基板は、接続コネクタ38,39を介して車体11に搭載される図示しないバッテリ等の電源や車室内の操作スイッチ等に接続されるようになっている。
各テンショナ機構35a,35bは、各ケーブル23a,23bに所定の張力を付与するものであり、図2に示すようにローラアッシー14がガイドレール13の湾曲部13aに案内される等して、スライドドア12とドラム32との間で各ケーブル23a,23bの移動経路長が変化しても、各ケーブル23a,23bに付与される張力によって各ケーブル23a,23bが弛むことを防止するようになっている。なお、各テンショナ機構35a,35bは、左右対称にケース本体26aに装着される以外何れも同一の構造となっており、一方のテンショナ機構35bを代表してその構造を説明する。
図6に示すように、テンショナ機構35bは鋼材等により所定の長さ寸法に形成される円柱状のガイド軸40を備え、このガイド軸40の両端側は、図4に示すように、ケース本体26aに設けられる支持部41a,41bに支持されている。これにより、テンショナ機構35bは、ケース本体26aに対して所定角度傾斜した状態で装着されるようになっている。
ガイド軸40にはプーリホルダ43が装着されており、このプーリホルダ43は、ガイド軸40への装着部分となるスライド部43aと当該スライド部43aと一体に形成される本体部43bとを備えている。プーリホルダ43は、スライド部43aがガイド軸40に支持されることにより、当該ガイド軸40の軸方向に沿って移動自在となっている。また、ガイド軸40における支持部41aの近傍、つまり、ガイド軸40の排水部37b側には、排水案内部材としてのワッシャ42が装着されており、このワッシャ42は、後述するようにテンショナ機構35bをケース26に組み付ける前にガイド軸40からプーリホルダ43が脱落するのを防止する機能を有するとともに、ケース26への組み付け後には、閉側ケーブル23bを介してケース26内に浸入してガイド軸40を伝う雨水を排水部37bに向けて案内する機能を有している。
プーリホルダ43の本体部43bには支軸44が固定されており、この支軸44には、本発明におけるプーリとしてのテンショナプーリ45が回転自在に装着されている。テンショナプーリ45は断面が略V字形状のプーリ溝(図示せず)を備えた円板状に形成されており、このテンショナプーリ45には、図4に示すように閉側ケーブル23bが掛け渡されている。そして、テンショナプーリ45によって閉側ケーブル23bの移動方向が略180度屈曲されている。
プーリホルダ43の本体部43bには、テンショナプーリ45の外周側との間に所定の隙間を形成するプーリホルダ側案内壁としてのホルダ壁部46が設けられ、このホルダ壁部46は、図4に示すように、略円弧形状に形成されてその最下部が排水部37bに近接するよう傾斜されている。なお、このホルダ壁部46は、閉側ケーブル23bをテンショナ機構35bに組み込む作業の際、その略円弧形状の内側面に沿うよう閉側ケーブル23bを案内し、これにより、当該組み込み作業を円滑に行えるようにしている。また、ホルダ壁部46には、テンショナプーリ45による閉側ケーブル23bの屈曲により閉側ケーブル23bに付着した雨水が滴下されて、ホルダ壁部46はこの滴下された雨水を排水部37bに向けて案内するようになっている。
プーリホルダ43のスライド部43aには、ガイド軸40との間に所定の隙間を形成する一対のグリス保持溝47が形成されており、各グリス保持溝47は、スライド部43aを軸方向に貫通するよう形成されている。各グリス保持溝47には、ガイド軸40に対してプーリホルダ43を円滑に動作させるためのグリス(図示せず)が塗布されて保持されるようになっている。
また、プーリホルダ43の本体部43bには、テンショナプーリ45を挟むよう図中表裏側で一対の連通孔43c(図示では一つのみ示す)が形成されており、各連通孔43cは、支軸44の軸方向に貫通して形成されるとともにホルダ壁部46の最下部に対応する箇所(図4参照)に形成されている。各連通孔43cは、プーリホルダ43の内外を連通するようになっており、ホルダ壁部46の内側面に滴下された雨水を本体部43bの外側面を介してワッシャ42側、つまり、排水部37bに向けて案内するようになっている。
ガイド軸40には、プーリホルダ43と並ぶようにしてストッパ48が装着されている。このストッパ48は、ガイド軸40への装着部分となる回動部48aと、回動部48aと一体に形成される本体部48bとを備えている。ストッパ48は、回動部48aをガイド軸40に回動自在に装着することで、ガイド軸40を中心として回動するようになっている。
ガイド軸40のストッパ48とプーリホルダ43との間には、スライド部43aおよび回動部48aに挟持されるように、ばね部材としてのコイルスプリング49が僅かに圧縮された状態で装着されており、プーリホルダ43は、コイルスプリング49のばね力によってストッパ48から離れる方向に付勢されている。これにより、コイルスプリング49のばね力と閉側ケーブル23bの張力とが釣り合う位置にまでテンショナプーリ45がプーリホルダ43とともに閉側ケーブル23bの径路長を増加させる方向に移動し、閉側ケーブル23bに所定の張力が付与される。
ストッパ48は、プーリホルダ43をコイルスプリング49のばね力に抗してストッパ48側に引き寄せた状態を保持する機能を有しており、これはコイルスプリング49を圧縮した状態でストッパ48を回動させ、当該ストッパ48をプーリホルダ43に係合させることにより行われる。これにより、プーリホルダ43のストッパ48から離れる方向への移動を一時的に規制することができ、コイルスプリング49を圧縮状態に仮保持できる。そして、このようなコイルスプリング49の圧縮状態のもとで閉側ケーブル23bに弛み代を与えることができ、この状態でスライドドア12への閉側ケーブル23bの接続作業を施すことで、閉側ケーブル23bをローラアッシー14に容易に接続することができる。なお、スライドドア12に閉側ケーブル23bを接続した後は、本体部48bを操作することでストッパ48とプーリホルダ43との係合状態を解除し、コイルスプリング49のばね力により閉側ケーブル23bに所定の張力が付与されるようにする。
テンショナ機構35bは、ガイド軸40,プーリホルダ43,コイルスプリング49,ストッパ48,ワッシャ42等を予め組み立てておくことにより、図6に示すような1つのユニットとして形成されており、このようにユニット化された状態でテンショナ収容部36bの支持部41a,41bに組み付けられるようになっている。ワッシャ42は、ユニット化されたテンショナ機構35bからプーリホルダ43やコイルスプリング49等が脱落するのを防止するとともに、プーリホルダ43の軸方向への移動量を規制するようになっている。なお、閉側ケーブル23bのドラム32に固定されるケーブル端の太さ寸法は、ホルダ壁部46とテンショナプーリ45との間の隙間寸法よりも小さく設定されており、したがって、閉側ケーブル23bのケーブル端は、テンショナ機構35bをケース26に組み付ける前にホルダ壁部46とテンショナプーリ45との間の隙間に挿通可能となっている。
図7に示すように、駆動ユニット21のケース本体26aの開口側には、ケース本体26aの外径形状に比して、一部その外径形状を異ならせたケースカバー50が装着されている。このケースカバー50はケース本体26aとともにケース26を構成しており、ケースカバー50の図中下方側には、ケース本体26aの各排水部37a,37bに対応して一対の切り欠き部51a,51bが形成されている。ケースカバー50は、各切り欠き部51a,51bを形成した部分の外形形状が、ケース本体26aの外径形状と異なっている。
このように、ケースカバー50に各切り欠き部51a,51bを形成するとともに、ケース本体26aに対してケースカバー50を覆うよう装着することで、図中破線円の部分拡大図に示すようにケース本体26aに形成された各排水部37a,37bが、それぞれケース26の外部と連通される。これにより、ケース26内に浸入した雨水を、図中矢印に示すように各排水部37a,37bを介して外部に排出することができるようになっている。
次に、以上のように構成した開閉装置20の動作について、図面を用いて詳細に説明する。図8は開閉装置の開動作を説明する説明図を、図9は開閉装置の閉動作を説明する説明図をそれぞれ表している。
操作者により操作スイッチ(図示せず)を開操作すると、図示しない電磁クラッチが接続制御されるとともに電動モータ28が正方向に所定速度で回転制御され、減速機構29および出力軸30を介してドラム32が、図8に示すように反時計方向に回転駆動される。すると、開側ケーブル23aがドラム32に巻き掛けられるとともに、閉側ケーブル23bがケース26の外部に引き出され、これにより、スライドドア12が全開方向に移動する(図2参照)。
スライドドア12が全閉した状態において、開側ケーブル23aの車体11の外部に露出した部分(ガイドレール13内に位置する部分)に雨水が付着すると、当該雨水は、図3に示す反転プーリ22aのローラ側案内孔24eに設けられたリップ部によってプーリケース24b内への浸入が抑制される。しかし、降雨量の多いときや高圧洗車の際に、雨水の一部がローラ側案内孔24eを通過してプーリケース24b内に浸入する場合が考えられ、その状態で図8に示すようにドラム32を反時計方向に回転駆動してスライドドア12を全開方向に移動させると、図2に示す反転プーリ22aおよびアウターケーシング25を介して、図8の二点鎖線(1)に示すようにケース26内に浸入する場合がある。ここで、本実施の形態の場合においては、開側ケーブル23aに付着した雨水は、テンショナ機構35aのテンショナプーリ45の略最下端(図中符号A)からホルダ壁部46に滴下される。
ホルダ壁部46に滴下された雨水は、ホルダ壁部46の傾斜によって、図8の二点鎖線(2)に示すように、プーリホルダ43内から連通孔43cを介してプーリホルダ43の外表面を伝わり、その後、雨水はガイド軸40を伝ってワッシャ42に到達する。そして、ワッシャ42に到達した雨水は、ワッシャ42の傾斜によって排水部37aに案内されて、ケースカバー50の切り欠き部51a(図7参照)により外部に連通された排水部37aから外部に排出される。
この場合、開側ケーブル23aに付着した雨水は、当該開側ケーブル23aがテンショナプーリ45によって屈曲されることから、その殆どをホルダ壁部46に滴下させることができ、テンショナプーリ45よりも上方側にあるドラム32には雨水が殆ど到達することはない。開側ケーブル23aを介して雨水の一部がドラム32に到達したとしても、ドラム32の回転による遠心力で雨水はケース本体26aの円弧壁部31b(図中符号B)に滴下される。そして、円弧壁部31bに滴下された雨水は、図8の二点鎖線(3)に示すように、例えば、車両10の走行時の振動等によって、その両側から各排水部37a,37bに向けて案内される。ここで、円弧壁部31bの両側から案内される雨水の一方は、テンショナ機構35aのホルダ壁部46,連通孔43cおよびワッシャ42を介して排水部37aに伝わり、円弧壁部31bの両側から案内される雨水の他方は、テンショナ機構35bのホルダ壁部46,連通孔43cおよびワッシャ42を介して排水部37bに伝わる。
一方、操作者により操作スイッチ(図示せず)を閉操作すると、図示しない電磁クラッチが接続制御されるとともに電動モータ28が逆方向に所定速度で回転制御され、減速機構29および出力軸30を介してドラム32が、図9に示すように時計方向に回転駆動される。すると、閉側ケーブル23bがドラム32に巻き掛けられるとともに、開側ケーブル23aがケース26の外部に引き出され、これにより、スライドドア12が全閉方向に移動する(図2参照)。
スライドドア12が全開した状態において、閉側ケーブル23bの車体11の外部に露出した部分(ガイドレール13内に位置する部分)に雨水が付着すると、当該雨水は、上記とは逆に、反転プーリ22b(図2参照)のローラ側案内孔に設けられたリップ部によってプーリケース内への浸入が抑制される。しかし、雨水の一部がローラ側案内孔を通過してプーリケース内に侵入する場合が考えられ、その状態で図9に示すようにドラム32を時計方向に回転駆動してスライドドア12を全閉方向に移動させると、図2に示す反転プーリ22bおよびアウターケーシング25を介して、図9の二点鎖線(1)に示すようにケース26内に浸入する場合がある。ここで、本実施の形態の場合においては、閉側ケーブル23bに付着した雨水は、テンショナ機構35bのテンショナプーリ45の略最下端(図中符号A)からホルダ壁部46に滴下される。
ホルダ壁部46に滴下された雨水は、ホルダ壁部46の傾斜によって、図9の二点鎖線(2)に示すようにプーリホルダ43内から連通孔43cを介してガイド軸40に伝わり、その後、雨水はガイド軸40を伝ってワッシャ42に到達する。そして、ワッシャ42に到達した雨水は、ワッシャ42の傾斜によって排水部37bに案内されて、ケースカバー50の切り欠き部51b(図7参照)により外部に連通された排水部37bから外部に排出される。
この場合、閉側ケーブル23bに付着した雨水は、当該閉側ケーブル23bがテンショナプーリ45によって屈曲されることから、その殆どをホルダ壁部46に滴下させることができ、テンショナプーリ45よりも上方側にあるドラム32には雨水が殆ど到達することはない。閉側ケーブル23bを介して雨水の一部がドラム32に到達したとしても、ドラム32の回転による遠心力で雨水はケース本体26aの円弧壁部31b(図中符号B)に滴下される。そして、上記と同様に、図9の二点鎖線(3)に示すように、雨水が各排水部37a,37bに向けて案内される。
以上詳述したように、上記一実施の形態に係る開閉装置20によれば、ケース26の車体11への固定状態において、ドラム32の下方側で各テンショナ機構35a,35bによって各ケーブル23a,23bの移動方向を屈曲させ、各テンショナ機構35a,35bの下方側には各排水部37a,37bを設けた。したがって、各ケーブル23a,23bに付着した雨水を、各ケーブル23a,23bの各テンショナ機構35a,35bによる屈曲によってケース26内に滴下させ、当該滴下した雨水を各排水部37a,37bから速やかに外部に排出させることができる。
また、各テンショナ機構35a,35bよりも上方側にあるドラム32への雨水の到達を抑制することができるとともに、ケース26内に浸入した雨水を効率良く外部に排出させることができるので、ドラム32の外周に埃等が堆積することを抑制して、ケース26内を速やかに乾燥状態にすることができる。
さらに、上述した開閉装置20によれば、各ケーブル23a,23bの弛みを防止する各テンショナ機構35a,35bを構成する部品を利用することにより、ケース26内に浸入した雨水を各排水部37a,37bに案内して効率良く外部に排出することができる。
また、上述した開閉装置20によれば、プーリホルダ43におけるテンショナプーリ45の外周側に、各ケーブル23a,23bから滴下した雨水を各排水部37a,37bに向けて案内するホルダ壁部46を設けるとともに、ガイド軸40の各排水部37a,37b側に、各ケーブル23a,23bから滴下した雨水をワッシャ42により各排水部37a,37bに向けて案内するよう構成したので、ケース26内に浸入した雨水を効率良く各排水部37a,37bに集めることができ、排水効率を高めることができる。
さらに、上述した開閉装置20によれば、ケース26にドラム32の外周面に沿う壁部31を形成し、ドラム32の下方側の円弧壁部31bを各ケーブル23a,23bから滴下した雨水を各排水部37a,37bに向けて案内するよう構成したので、各ケーブル23a,23bの屈曲で滴下しきれずにドラム32にまで到達した雨水を効率良く各排水部37a,37bに集めることができ、排水効率を高めることができる。
また、上述した開閉装置20によれば、ケース26を、ドラム収容部31aおよび各テンショナ収容部36a,36bを備えるケース本体26aと、ケース本体26aを覆うケースカバー50とから形成し、各排水部37a,37bは、ケースカバー50の切り欠き部51a,51bによりケース26内外を連通するよう構成したので、ケース本体26aあるいはケースカバー50のいずれかに専用の排水機構を設ける必要がなく、ケース本体26aまたはケースカバー50の一部の形状を変更することで、容易に排水機構を構成することができる。
さらに、上述した開閉装置20によれば、ドラム32と電動モータ28との間に電動モータ28の回転を減速する減速機構29を設け、ケース本体26aに減速機構29を収容する減速機構収容部26bを設けたので、ドラム32に対向配置される減速機構29への雨水の到達についても十分に抑制することができる。したがって、減速機構29に塗布されるグリスの流れ落ちを抑制して、スムーズな減速機構の回転を長期に亘り維持することができる。
また、上述した開閉装置20によれば、減速機構29を電動モータ28のアマチュア軸28cに一体に設けられるウォーム29aと、出力軸30を介してドラム32に接続されるウォームホイール29cとから構成し、アマチュア軸28cを、ケース26の車体11への固定状態において出力軸30よりも上方側に配置したので、各ケーブル23a,23bに付着した雨水の減速機構29への到達の抑制に加え、減速機構29を介して電動モータ28へ到達することを抑制することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態においては、プーリ機構として各ケーブル23a,23bの弛みを防止するテンショナ機構35a,35bを用いたものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、テンショナ機構をケース26の外部に設ける場合や、殆ど弛むことの無い高剛性のケーブルを利用すれば、プーリ機構としてケース本体26aに単に固定したプーリを用いることもできる。この場合、プーリホルダやコイルスプリング等のテンショナ機構を構成するプーリ以外の部品を省略することができ、装置の小型化や軽量化を図ることが可能となる。
また、上記実施の形態においては、プーリホルダ43の本体部43bに、図6中表裏側で支軸44の軸方向に貫通する一対の連通孔43cを形成し、各連通孔43cからワッシャ42に向けて雨水を案内するようにしたものを示したが、本発明はこれに限らず、プーリホルダ43のホルダ壁部46に、その内側面から外側面に向けて貫通する連通孔を設けるようにし、当該連通孔を介してワッシャ42に向けて雨水を案内するようにしても良い。要は、各ケーブル23a,23bに付着した雨水を、ホルダ壁部46を介してプーリホルダ43の内部側(テンショナプーリ45側)からワッシャ42に向けて案内可能な構造であれば良いものである。
さらに、上記実施の形態においては、ケースカバー50に各切り欠き51aを形成して、ケース本体26aの各排水部37a,37bを外部に連通するようにしたものを示したが、本発明はこれに限らず、ケースカバー50の各排水部37a,37bに対応する部分を、ケース本体26aからはみ出すように形成し、これにより各排水部37a,37bを外部に連通させるようにしても良い。要は、ケース本体およびケースカバーの外形形状を相互に異ならせることで、ケース本体の排水部が外部と連通するよう構成すれば良いものである。
また、上記実施の形態においては、ドラム32と電動モータ28との間に、出力軸30を介してウォーム29aおよびウォームホイール29cよりなる減速機構29を設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、減速機構29を省略して出力軸30を直接電動モータ28により回転駆動するようにしても良いし、スパーギヤの組み合わせにより減速する、例えば、遊星歯車機構等をドラム32と電動モータ28との間に設けることもできる。
さらに、上記実施の形態においては、アマチュア軸28cを出力軸30よりも上方側で回転するよう電動モータ28を配置したものを示したが、本発明はこれに限らず、アマチュア軸28cを出力軸30よりも下方側で回転するよう電動モータ28を配置することもできる。
また、上記実施の形態においては、駆動源としての電動モータ28をブラシ付きの電動モータとしたものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、ブラシレスの電動モータ等を用いることもできる。
さらに、上記実施の形態においては、開側ケーブル23aおよび閉側ケーブル23bの2本のケーブルを用いたものを示したが、本発明はこれに限らず、1本のケーブルの中間部分をドラム32に複数回巻き掛けるようにし、その両端部をスライドドア12に接続するようにしてもよい。
また、上記実施の形態においては、駆動ユニット21を車体11の内部に配置し、各ケーブル23a,23bをスライドドア12に接続するようにしたものを示したが、本発明はこれに限らず、駆動ユニット21をスライドドア12内に配置し、各ケーブル23a,23bをスライドドア12におけるローラアッシー14の部位を経由させて、ガイドレール13の両端部に固定する構造に本発明を適用することもできる。
10 車両
11 車体
11a 開口部
11b 装着壁部
11c 装着孔
12 スライドドア(開閉体)
13 ガイドレール
13a 湾曲部
14 ローラアッシー
20 開閉装置(車両用開閉体の駆動装置)
21 駆動ユニット
22a,22b 反転プーリ
23a 開側ケーブル(索条体)
23b 閉側ケーブル(索条体)
24a 締結部材
24b プーリケース
24c プーリ
24d ユニット側案内孔
24e ローラ側案内孔
24f スリーブ
25 アウターケーシング
26 ケース
26a ケース本体(ケース)
26b 減速機構収容部
27 モータユニット
28 電動モータ(駆動源)
28a 永久磁石
28b アマチュア
28c アマチュア軸(回転軸)
28d コミュテータ
29 減速機構
29a ウォーム(減速機構)
29b ギヤ歯
29c ウォームホイール(減速機構)
30 出力軸
31 壁部
31a ドラム収容部(駆動用回転体収容部)
31b 円弧壁部
32 ドラム(駆動用回転体)
33a,33b ケーブル案内孔(索条体案内孔)
34a スリーブ
35a,35b テンショナ機構(プーリ機構)
36a,36b テンショナ収容部(プーリ機構収容部)
37a,37b 排水部
38,39 接続コネクタ
40 ガイド軸
41a,41b 支持部
42 ワッシャ(排水案内部材)
43 プーリホルダ
43a スライド部
43b 本体部
43c 連通孔
44 支軸
45 テンショナプーリ(プーリ)
46 ホルダ壁部(プーリホルダ側案内壁)
47 グリス保持溝
48 ストッパ
48a 回動部
48b 本体部
49 コイルスプリング(ばね部材)
50 ケースカバー(ケース)
51a,51b 切り欠き部
11 車体
11a 開口部
11b 装着壁部
11c 装着孔
12 スライドドア(開閉体)
13 ガイドレール
13a 湾曲部
14 ローラアッシー
20 開閉装置(車両用開閉体の駆動装置)
21 駆動ユニット
22a,22b 反転プーリ
23a 開側ケーブル(索条体)
23b 閉側ケーブル(索条体)
24a 締結部材
24b プーリケース
24c プーリ
24d ユニット側案内孔
24e ローラ側案内孔
24f スリーブ
25 アウターケーシング
26 ケース
26a ケース本体(ケース)
26b 減速機構収容部
27 モータユニット
28 電動モータ(駆動源)
28a 永久磁石
28b アマチュア
28c アマチュア軸(回転軸)
28d コミュテータ
29 減速機構
29a ウォーム(減速機構)
29b ギヤ歯
29c ウォームホイール(減速機構)
30 出力軸
31 壁部
31a ドラム収容部(駆動用回転体収容部)
31b 円弧壁部
32 ドラム(駆動用回転体)
33a,33b ケーブル案内孔(索条体案内孔)
34a スリーブ
35a,35b テンショナ機構(プーリ機構)
36a,36b テンショナ収容部(プーリ機構収容部)
37a,37b 排水部
38,39 接続コネクタ
40 ガイド軸
41a,41b 支持部
42 ワッシャ(排水案内部材)
43 プーリホルダ
43a スライド部
43b 本体部
43c 連通孔
44 支軸
45 テンショナプーリ(プーリ)
46 ホルダ壁部(プーリホルダ側案内壁)
47 グリス保持溝
48 ストッパ
48a 回動部
48b 本体部
49 コイルスプリング(ばね部材)
50 ケースカバー(ケース)
51a,51b 切り欠き部
Claims (8)
- 車体に設けられる開閉体を開閉駆動する車両用開閉体の駆動装置であって、
前記車体または前記開閉体のいずれか一方に固定されるケースと、
前記ケースに回転自在に収容される駆動用回転体と、
前記ケースに取り付けられ、前記駆動用回転体を回転駆動する駆動源と、
一端側が前記駆動用回転体に巻き掛けられ、他端側が前記車体または前記開閉体のいずれか他方に接続される索条体と、
前記ケースの内外を貫通するよう設けられ、前記索条体の前記ケースからの出入りを案内する索条体案内孔と、
前記ケースに設けられ、前記ケースの前記車体または前記開閉体への固定状態において前記駆動用回転体および前記索条体案内孔よりも下方側で前記索条体の移動方向を屈曲させるプーリ機構と、
前記ケースに設けられ、前記ケースの前記車体または前記開閉体への固定状態において前記プーリ機構よりも下方側で前記ケース内に浸入した雨水を前記ケース外へ排水する排水部とを備えることを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。 - 請求項1記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記プーリ機構を、前記索条体の前記索条体案内孔による案内方向に延びるよう前記ケースに支持されるガイド軸と、前記ガイド軸に当該ガイド軸の軸方向に沿って移動自在に設けられるプーリホルダと、前記プーリホルダに回転自在に設けられ前記索条体の移動方向を屈曲させるプーリと、前記ガイド軸に設けられ前記索条体に張力を付与するよう前記プーリホルダを押圧するばね部材とから構成し、前記排水部を前記ケースの前記ガイド軸を支持する支持部に近接して設けることを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
- 請求項2記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記プーリホルダにおける前記プーリの外周側に、前記索条体から滴下した雨水を前記排水部に向けて案内するプーリホルダ側案内壁を設けることを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
- 請求項2または3記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記ガイド軸の前記排水部側に、前記索条体から滴下した雨水を前記排水部に向けて案内可能な排水案内部材が装着されていることを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記ケースに前記駆動用回転体の外周面に沿う壁部を形成し、少なくとも前記駆動用回転体の下方側の前記壁部は、前記索条体から滴下した雨水を前記排水部に向けて案内するよう構成されていることを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記ケースを、前記駆動用回転体を収容する駆動用回転体収容部および前記プーリ機構を収容するプーリ機構収容部を備えるケース本体と、前記ケース本体を覆うケースカバーとから形成し、前記排水部は、前記ケースカバーの切り欠き部により前記ケース内外を連通するよう構成されることを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記駆動用回転体と前記駆動源との間に前記駆動源の回転を減速する減速機構を設け、前記ケースに前記減速機構を収容する減速機構収容部を設けることを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
- 請求項7記載の車両用開閉体の駆動装置において、前記減速機構を前記駆動源の回転軸に一体に設けられるウォームと、中心軸が前記駆動用回転体に接続されるウォームホイールとから構成し、前記回転軸を、前記ケースの前記車体または前記開閉体への固定状態において前記駆動用回転体の中心軸よりも上方側に配置することを特徴とする車両用開閉体の駆動装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011074657A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Mitsuba Corp | 車両用自動開閉装置 |
JP2011074579A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Mitsuba Corp | スライドドア自動開閉装置 |
KR101301365B1 (ko) * | 2012-04-06 | 2013-09-10 | (주) 미창케이블 | 자동차용 시트의 포지션 조절을 위한 케이블의 설치 구조체 및 이에 사용되는 케이블 안내 기구 |
WO2020184046A1 (ja) * | 2019-03-13 | 2020-09-17 | 株式会社ミツバ | 駆動ユニットおよびその取り付け方法 |
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- 2007-07-11 JP JP2007182132A patent/JP2009019396A/ja active Pending
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