JP2011074579A - スライドドア自動開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーブルの配索経路長が変化することによるケーブルの張力の変化を吸収しつつ、スムーズなスライドドアの動作を確実に行うことができるスライドドア自動開閉装置を提供する。
【解決手段】駆動ユニット3は、開放用ケーブル2a、および閉塞用ケーブル2bが巻回されるドラム24と、ドラム24を回転駆動させる電動モータ9と、テンショナ機構25とを備え、テンショナ機構25は、開放用ケーブル2aが掛け回される開放側テンショナプーリ31と、閉塞用ケーブル2bが掛け回される閉塞側テンショナプーリ32と、これらプーリ2a,2bを回転自在に支持するプーリケース33と、プーリケース33を揺動自在に支持すると共に、各ケーブル2a,2bに張力を付与する方向に向かってプーリケース33を付勢するコイルバネ34とを有している。
【選択図】図3

Description

この発明は、車両本体に設けられたスライドドアを自動開閉させるためのスライドドア自動開閉装置に関するものである。
従来から、ワゴン車やワンボックス車等の車両において、車両本体の側部に設けられた乗降用の開口部を開閉するスライドドアを電動モータによって駆動させ、乗員の乗降する際の利便性を高めた駆動装置が知られている。
スライドドアは、車両本体の前後方向に沿って延在するガイドレールに、ローラアッシーを介してスライド移動自在に支持されている。ガイドレールの前方には、車室内側に向かって湾曲形成された湾曲部が設けられている。そして、スライドドアは、全閉状態になる際、ローラアッシーが湾曲部に案内されることにより、車両本体の側面と面一となるように車両本体の内側に引き込まれるようになっている。
一方、駆動装置としては、ケーブルが巻回されたドラムと、このドラムを正/逆回転させる電動モータとを有するものがある。この種の駆動装置は、スライドドアに、ドラムに巻回されたケーブルをガイドレールの前後両端に配置された反転プーリを介して接続している。そして、電動モータによりドラムを正/逆転させると、スライドドアの前方に配索されたケーブル、およびスライドドアの後方に配索されたケーブルの何れか一方がドラムに巻き取られ、他方がドラムから繰出される。これにより、スライドドアがケーブルに引張される形で開放側や閉塞側に向かって自動でスライド移動する。
また、駆動装置には、ガイドレールの湾曲部にローラアッシーが案内されると、ケーブルの配索経路長(周長)が増大し、ケーブルが緊張するので、配索経路長の変化を吸収するべく、テンショナ機構が設けられている場合が多い。このテンショナ機構としては、例えば、ドラムに隣接配置された一対のプーリを有しているものがある。これらプーリには、それぞれスライドドアの前方に配索されたケーブルと、スライドドアの後方に配索されたケーブルとが掛け回されている。各プーリは、それぞれ弾性部材(コイルスプリング)によってケーブルに張力を付与する方向に向かって付勢されている。つまり、各プーリは、ケーブルの配索経路長を増加させる方向に向かって付勢されている。
これにより、ケーブルの配索経路長が長くなりケーブルが緊張すると、プーリは弾性部材の付勢力に抗してケーブルの配索経路長を短くする方向に向かって変位する。一方、ケーブルの配索経路長が短くなりケーブルが弛緩されると、プーリは弾性部材の付勢力によってケーブルの配索経路長を長くする方向に向かって変位する。このため、ガイドレールの湾曲部にローラアッシーが差し掛かってケーブルの張力が変化した場合であっても、これをテンショナ機構により吸収することが可能になる(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−19396号公報
しかしながら、上述の従来技術にあっては、各プーリがそれぞれ別個の弾性部材に付勢されているので、スライドドアを動作させる際、ドラムのケーブルを繰出す側に位置しているプーリにあっては、弾性部材が適正に作用するが、ドラムのケーブルを巻き取る側に位置するプーリにあっては、弾性部材によりケーブルの適正な動作が阻害されてしまう。
より具体的に、図11に基づいて説明する。
図11は、従来のテンショナ機構301を備えた駆動装置300の簡略構成図であって、(a)〜(c)は、テンショナ機構301、およびスライドドア302の挙動を示している。
図11(a)に示すように、テンショナ機構301の1対のプーリ303a,303bは、それぞれ弾性部材としてのバネ304に均等に付勢された状態になっている。
なお、図11(a)〜図11(c)においては、図中上側に配置されているプーリ303aに、スライドドア302の後方に配索されたケーブル305aが掛け回され、図中下側に配置されているプーリ303bに、スライドドア302の前方に配索されたケーブル305bが掛け回されているものとして説明する。したがって、スライドドア302が左側(図11(a)矢印参照)に移動すると車両本体の乗降用の開口部が開く。つまり、プーリ303aをスライドドア302を開放側に向かってスライド移動させる側の開放側プーリ303aとする。また、プーリ303bをスライドドア302を閉塞側に向かってスライド移動させる側の閉塞側プーリ303bとする。
ここで、図11(b)に示すように、ドラム306をスライドドア302を開放側にスライド移動させるべく回転させると、スライドドア302の後方に配索されたケーブル305aが引張される。すると、開放側プーリ303aがバネ304の付勢力に抗して変位する。開放側プーリ303aが変位した後、さらにケーブル305aが引張されることで、スライドドア302がスライド移動する(図11(c)参照)。
このように、ドラム306によってケーブル305a,305bを引張する際、これに対応するプーリ303a,303bをバネ304の付勢力に抗して変位させた後、ケーブル305a,305bを引張することになる。
このため、ドラム306がケーブル305a,305bを巻き取り始めてからスライドドア302が動作し始めるまでにタイムラグが生じ、スライドドア302の動作がスムーズに行われないという課題がある。
また、スライドドア302を停止させた際、弾性変形したバネ304に復元力が作用してプーリ303a,303bが変位し、この分ケーブル305a,305bがドラム306から繰出されたり、巻き取られたりしてしまう。このため、スライドドア302の動作がスムーズに行われないという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ケーブルの配索経路長が変化することによるケーブルの張力の変化を吸収しつつ、スムーズなスライドドアの動作を確実に行うことができるスライドドア自動開閉装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車両本体、およびスライドドアの何れか一方に、開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルのそれぞれ一端を接続し、前記車両本体、および前記スライドドアの何れか他方に駆動ユニットを設け、この駆動ユニットにより前記、開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルを操作し、前記スライドドアを自動開閉させるスライドドア自動開閉装置において、前記駆動ユニットは、前記開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルが巻回され、これらケーブルの繰出し、および巻取りを行うドラムと、前記ドラムを正/逆回転駆動させる電動モータと、各ケーブルの張力を所定の範囲に維持するためのテンショナ機構とを備え、前記テンショナ機構は、前記開放用ケーブルが掛け回される開放側テンショナプーリと、前記閉塞用ケーブルが掛け回される閉塞側テンショナプーリと、これら開放側テンショナプーリ、および閉塞側テンショナプーリを回転自在に支持するプーリケースと、前記プーリケースを揺動自在に支持すると共に、各ケーブルに張力を付与する方向に向かって前記プーリケースを付勢する弾性部材と、を有していることを特徴とする。
このように構成することで、プーリケースを弾性部材により支持するので、配索経路長の変化に応じて各テンショナプーリを弾性部材の付勢力に抗して変位させることができる。このため、テンショナ機構によって、各ケーブルの配索経路長の変化に伴う張力の変化を吸収することができる。
また、ドラムを電動モータにより正/逆転させた際、ケーブルに作用する引張力によって、プーリケースがドラムにより巻き取られる側に向かって傾動する。このため、弾性部材の弾性変形を最小限に抑えつつ、ケーブルを巻き取る側のテンショナプーリ、つまり、開放側テンショナプーリ、および閉塞側テンショナプーリの何れか一方を配索経路長を短くする方向に向かって変位させることができる。また、ケーブルを繰出す側の他方のテンショナプーリを配索経路長を長くする方向に向かって変位させることができる。
よって、開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルの何れかを引張する際、従来のように弾性部材の付勢力に抗してプーリを変位させる必要がないので、この分、スムーズなスライドドアの動作を確実に行うことができる。
請求項2に記載した発明は、車両本体、およびスライドドアの何れか一方に、開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルのそれぞれ一端を接続し、前記車両本体、および前記スライドドアの何れか他方に駆動ユニットを設け、この駆動ユニットにより前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルを操作し、前記スライドドアを自動開閉させるスライドドア自動開閉装置において、前記駆動ユニットは、前記開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルが巻回され、これらケーブルの繰出し、および巻取りを行うドラムと、前記ドラムを正/逆回転駆動させる電動モータと、前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルの張力を所定の範囲に維持するためのテンショナ機構とを備え、前記テンショナ機構は、前記開放用ケーブルが掛け回される開放側テンショナプーリと、前記閉塞用ケーブルが掛け回される閉塞側テンショナプーリと、これら開放側テンショナプーリ、および閉塞側テンショナプーリを回転自在に支持するプーリケースと、前記プーリケースを揺動自在に支持すると共に、各ケーブルに張力を付与する方向に向かって前記プーリケースを付勢する弾性部材と、を有し、前記プーリケースの揺動時に前記開放側テンショナプーリと前記閉塞側テンショナプーリの移動量がそれぞれ等しいことを特徴とする。
このように構成することで、プーリケースの揺動時に各ケーブルの配索経路長が変化した場合であっても各ケーブルの撓みを確実に防止できる。
請求項3に記載した発明は、前記プーリケースには、前記開放側テンショナプーリと前記閉塞側テンショナプーリとの間の略中央に支柱が設けられ、この支柱が前記弾性部材により支持され、前記支柱を中心にして前記プーリケースが揺動するように構成されていることを特徴とする。
このように構成することで、ドラムの正/逆転に応じて、より確実に、かつバランスよく各テンショナプーリを揺動させることが可能になる。また、各ケーブルの配索経路長の変化に伴う張力変動をより確実に吸収することが可能になる。
請求項4に記載した発明は、前記駆動ユニットに、少なくとも前記ドラム、および前記テンショナ機構を収納するユニットケースを設け、このユニットケースの同一面に、前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルを挿通するための挿通孔を形成すると共に、前記ドラムを中心にして前記挿通孔とは反対側に、前記テンショナ機構を配置したことを特徴とする。
このように構成することで、スライドドア自動開閉装置の小型化を図りつつ、各テンショナプーリにより、各々対応するケーブルに確実に張力を付与することが可能になる。
請求項5に記載した発明は、車両本体、およびスライドドアの何れか一方に、開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルのそれぞれ一端を接続し、前記車両本体、および前記スライドドアの何れか他方に駆動ユニットを設け、この駆動ユニットにより前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルを操作し、前記スライドドアを自動開閉させるスライドドア自動開閉装置において、前記駆動ユニットは、前記開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルが巻回され、これらケーブルの繰出し、および巻取りを行うドラムと、前記ドラムを正/逆回転駆動させる電動モータと、各ケーブルの張力を所定の範囲に維持するためのテンショナ機構とを備え、前記テンショナ機構は、前記開放用ケーブルが掛け回され、前記開放用ケーブルに張力を付与可能な方向に向かってスライド移動自在に設けられた開放側テンショナプーリと、前記閉塞用ケーブルが掛け回され、前記開放側テンショナプーリのスライド方向に沿ってスライド移動自在に設けられた閉塞側テンショナプーリと、前記開放側テンショナプーリと前記閉塞側テンショナプーリとに跨るように設けられた板バネとを有し、この板バネは、長手方向中央を中心にして揺動可能に支持されていることを特徴とする。
このように構成することで、ドラムによりケーブルの巻き取られる側に位置しているテンショナプーリがケーブルの配索経路長を短くする方向に向かって変位すると、このテンショナプーリに押圧されて板バネが傾動する。このため、ケーブルの巻き取られる側に位置しているテンショナプーリは、板バネを弾性変形させることなく変位する。
一方、板バネが傾動することにより、ケーブルの繰出し側に位置しているテンショナプーリがケーブルの配索経路長を長くする方向に向かって変位する。このため、板バネの付勢力を利用することなく、弛緩される側のケーブルの配索経路長を長くすることができる。
さらに、この状態でスライドドアを移動させている途中で各ケーブルの配索経路長が変化すると、板バネの付勢力に基づいてテンショナプーリを変位させることができる。
よって、各ケーブルの配索経路長が変化することによる各ケーブルの張力の変化を吸収しつつ、スムーズなスライドドアの動作を確実に行うことができる。
請求項6に記載した発明は、車両本体、およびスライドドアの何れか一方に、開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルのそれぞれ一端を接続し、前記車両本体、および前記スライドドアの何れか他方に駆動ユニットを設け、この駆動ユニットにより前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルを操作し、前記スライドドアを自動開閉させるスライドドア自動開閉装置において、前記駆動ユニットは、前記開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルが巻回され、これらケーブルの繰出し、および巻取りを行うドラムと、前記ドラムを正/逆回転駆動させる電動モータと、前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルの張力を所定の範囲に維持するためのテンショナ機構とを備え、前記テンショナ機構は、前記開放用ケーブルが掛け回され、前記開放用ケーブルに張力を付与可能な方向に向かってスライド移動自在に設けられた開放側テンショナプーリと、前記閉塞用ケーブルが掛け回され、前記閉塞用ケーブルに張力を付与可能な方向に向かってスライド移動自在に設けられた閉塞側テンショナプーリと、前記開放側テンショナプーリと前記閉塞側テンショナプーリとに跨るように設けられた板バネとを有し、この板バネは、長手方向中央を中心にして揺動可能に支持され、前記板バネの揺動時に前記開放側テンショナプーリと前記閉塞側テンショナプーリの移動量がそれぞれ等しいことを特徴とする。
このように構成することで、板バネの揺動時に開放側テンショナプーリと閉塞側テンショナプーリの移動量がそれぞれ等しくなるので、各ケーブルの撓みを確実に防止することが可能になる。
請求項7に記載した発明は、前記駆動ユニットに、前記ドラム、および前記テンショナ機構を収納するユニットケースを設け、前記ユニットケースに、前記開放側プーリ、および前記閉塞側プーリをスライド移動自在に設けると共に、前記板バネの長手方向中心を揺動可能に支持することを特徴とする。
このように構成することで、テンショナ機構の構造を簡素化することができ、小型化、製造コストの低減化を図ることが可能になる。
本発明によれば、プーリケースを弾性部材により支持するので、配索経路長の変化に応じて各テンショナプーリを弾性部材の付勢力に抗して変位させることができる。このため、テンショナ機構によって、各ケーブルの配索経路長の変化に伴う張力の変化を吸収することができる。
また、ドラムを電動モータにより正/逆転させた際、ケーブルに作用する引張力によって、プーリケースがドラムにより巻き取られる側に向かって傾動する。このため、弾性部材の弾性変形を最小限に抑えつつ、ケーブルを巻き取る側のテンショナプーリ、つまり、開放側テンショナプーリ、および閉塞側テンショナプーリの何れか一方を配索経路長を短くする方向に向かって変位させることができる。また、ケーブルを繰出す側の他方のテンショナプーリを配索経路長を長くする方向に向かって変位させることができる。
よって、開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルの何れかを引張する際、従来のように弾性部材の付勢力に抗してプーリを変位させる必要がないので、この分、スムーズなスライドドアの動作を確実に行うことができる。
本発明によれば、ドラムによりケーブルの巻き取られる側に位置しているテンショナプーリがケーブルの配索経路長を短くする方向に向かって変位すると、このテンショナプーリに押圧されて板バネが揺動する。このため、ケーブルの巻き取られる側に位置しているテンショナプーリは、板バネを弾性変形させることなく変位する。
一方、板バネが揺動することにより、ケーブルの繰出し側に位置しているテンショナプーリがケーブルの配索経路長を長くする方向に向かって変位する。このため、板バネの付勢力を利用することなく、弛緩される側のケーブルの配索経路長を長くすることができる。
さらに、この状態でスライドドアを移動させている途中で各ケーブルの配索経路長が変化すると、板バネの付勢力に基づいてテンショナプーリを変位させることができる。
よって、各ケーブルの配索経路長が変化することによる各ケーブルの張力の変化を吸収しつつ、スムーズなスライドドアの動作を確実に行うことができる。
本発明の実施形態における車両の側面図である。 本発明の第一実施形態におけるスライドドアの車両本体への取り付け構造を示す平面図である。 本発明の第一実施形態における駆動ユニットの斜視図である。 本発明の第一実施形態におけるドライブ機構の斜視図である。 本発明の第一実施形態におけるスライドドア駆動機構の要部拡大斜視図である。 本発明の第一実施形態におけるテンショナ機構の動作を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態におけるスライドドア自動開閉装置の簡略構成図であって、(a)〜(c)は、テンショナ機構、およびスライドドアの挙動を示す。 本発明の第二実施形態における駆動ユニットの平面図である。 図8のA−A線に沿う断面図である。 本発明の第二実施形態におけるテンショナユニットの斜視図である。 従来のテンショナ機構を備えた駆動装置の簡略構成図であって、(a)〜(c)は、テンショナ機構、およびスライドドアの挙動を示す。
(第一実施形態)
(車両)
次に、この発明の第一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るスライドドア自動開閉装置1が搭載された車両100の側面図、図2は、スライドドア103の車両本体101への取り付け構造を示す平面図である。なお、以下の説明において、説明を簡単にするために、車両100の地面側を単に下側、車両の100の天井側を単に上側、車両100の進行方向前方を単に前方、進行方向後方を単に後方などと表現して説明する。
図1に示すように、車両100の車両本体101には、側部に車両本体101の開口部102を開閉するためのスライドドア103が設けられている。このスライドドア103は、開口部102の上側に配置されているアッパーレール104と、開口部102の下側に配置されているロアーレール105と、開口部102の上下方向略中央であって、かつ後方側に配置されたセンターレール106とにそれぞれスライド移動自在に支持されている。
図2に示すように、ロアーレール105は、前後方向に延在する直線状の直線部105aと、直線部105aに対して車室内側に向かって傾斜した傾斜部105bとが一体成形されたものである。ロアーレール105は、傾斜部105bを前方側に向けた状態で車両本体101に固定されている。
また、センターレール106は、前後方向に延在する直線状の直線部106aと、直線部106aに対して車室内側に向かって湾曲形成された湾曲部106bとが一体成形されたものである。センターレール106は、湾曲部106bを前方側に向けた状態で車両本体101に固定されている。ここで、図2への図示を省略するが、アッパーレール104もロアーレール105と同様に形成されている。
一方、スライドドア103には、前方の下端部にロアーアーム107が設けられている。このロアーアーム107は、スライドドア103を支持するためのものであって、先端側にローラアッシー108が設けられている。ローラアッシー108は、ロアーレール105にスライド移動自在に組み込まれている。
また、スライドドア103には、上下方向略中央の後端部にセンターアーム109が設けられている。このセンターアーム109もロアーアーム107と同様にスライドドア103を支持するためのものであって、先端側にローラアッシー110が設けられている。ローラアッシー110は、センターレール106にスライド移動自在に組み込まれている。
ここで、図2への図示を省略するが、スライドドア103の前方であって上端部にもスライドドア103を支持するためのアッパーアーム(不図示)が設けられ、このアッパーアームの先端に、アッパーレール104にスライド移動自在に組み込まれるローラアッシー(不図示)が組み込まれている。
このような構成のもと、各アーム107,109がそれぞれ対応する各レール105,106に沿って移動すると、スライドドア103が車両本体101の前後方向に沿ってスライド移動する。また、ロアーレール105の傾斜部105bにローラアッシー108が案内されると共に、センターレール106の湾曲部106bにローラアッシー110が案内されることにより、スライドドア103は、車両本体101の外側に引き出された位置から車室内側に斜め前方に向かって引き込まれる。そして、その後に車両本体101の側面と面一となって閉じられる。
(スライドドア自動開閉装置)
ここで、車両100には、スライドドア103を自動開閉するためのスライドドア自動開閉装置1が搭載されており、このスライドドア自動開閉装置1を構成する駆動ユニット3がスライドドア103に内装されている。スライドドア自動開閉装置1は、所謂ケーブル式の装置であって、駆動ユニット3から延びる開放用ケーブル2a、および閉塞用ケーブル2bがそれぞれ車両本体101に接続されている。
一方、車両本体101には、ロアーレール105の後方側に連結ユニット111aが設けられており、ここに、スライドドア103の内部から引き出された開放用ケーブル2aの一端が連結されている。また、車両本体101には、ロアーレール105の前方側に連結ユニット111bが設けられており、ここに、スライドドア103の内部から引き出された閉塞用ケーブル2bが連結されている。つまり、開放用ケーブル2aの一端は、連結ユニット111aを介して、ロアーレール105の開放側に連結されている。閉塞用ケーブル2bの一端は、連結ユニット111bを介して、ロアーレール105の閉塞側に連結されている。
さらに、車両本体101には、開口部102の後端側にストライカ112が設けられている一方、スライドドア103の後端であってストライカ112と対応する位置には、ラッチ機構113が設けられている。このラッチ機構113は、スライドドア103を半閉位置から全閉位置にまで自動で閉め込み、スライドドア103の全閉状態を保持するためのものである。ラッチ機構113と駆動ユニット3は、互いにクローザケーブル114によって連結されている。ラッチ機構113は、駆動ユニット3によって動作する。
(駆動ユニット)
図3は、駆動ユニット3の斜視図、図4は、駆動ユニット3の一部を取り外した状態を示し、ドライブ機構7の斜視図である。
図3、図4に示すように、駆動ユニット3は、平面視略長方形状のベースプレート4を間に挟んで一面側(図3における紙面手前側)に配置されたスライドドア駆動機構5と、他面側(図3における紙面奥側)に配置された電磁クラッチ6と、ベースプレート4とスライドドア駆動機構5との間に配置されたドライブ機構7と、電磁クラッチ6に連結されているモータユニット8とを有している。
モータユニット8は、駆動源としての電動モータ9と、電動モータ9の回転軸(不図示)に連結されているウォーム減速機構10とを有している。ウォーム減速機構10は、不図示のウォーム軸と、このウォーム軸に噛合うウォームホイール(不図示)とで構成されている。そして、電動モータ9の回転軸にウォーム軸が連結されている一方、ウォームホイールに設けられた出力軸11が電磁クラッチ6を介してドライブ機構7に連結されている。
電磁クラッチ6は、モータユニット8の駆動力をドライブ機構7へ伝達/遮断するためのものであって、ベースプレート4の長手方向一端側(図3における下端側)に固定されている。例えば、不図示の車室内に設けられた操作スイッチを操作して、電磁クラッチ6を遮断状態とすると、ウォームホイールの出力軸11とドライブ機構7との間の動力伝達経路が遮断され、ドライブ機構7はモータユニット8に拘束されない非拘束状態になる。一方、操作スイッチを操作して電磁クラッチ6を接続状態とすると、モータユニット8にドライブ機構7が拘束され、モータユニット8の駆動力がドライブ機構7に伝達される。
(ドライブ機構)
図4に詳示するように、モータユニット8のウォームホイール(不図示)に設けられた出力軸11は、ベースプレート4の他面側から厚さ方向に沿って貫通し、ベースプレート4の一面側に突出している。この突出した出力軸11の先端には、ドライブ機構7が連結されている。
ドライブ機構7は、スライドドア駆動機構5とラッチ機構113(図2参照)とにモータユニット8の駆動力をそれぞれ伝達するためのものであって、出力軸11に連結された遊星歯車機構12を有している。遊星歯車機構12は、出力軸11に外嵌固定され出力軸11と共回りする太陽歯車13と、太陽歯車13に噛合い、太陽歯車13を中心に公転可能に形成された3つの遊星歯車14と、3つの遊星歯車14を連結する遊星キャリア15と、遊星歯車14の外周側に設けられた環状の外輪歯車16とを有している。
遊星キャリア15は、各歯車13,14,16とベースプレート4との間に配置されており、略円板状に形成されたキャリア本体17を有している。キャリア本体17には、径方向略中央の大部分に、太陽歯車13との干渉を回避するための開口孔18が形成されている。また、キャリア本体17には、各遊星歯車14に対応する位置に、不図示の支柱が立設されており、ここに、それぞれ遊星歯車14が回転自在に軸支されている。これによって、各遊星歯車14と遊星キャリア15とが一体となって回転する。
さらに、キャリア本体17は、この外周部の出力軸11よりもベースプレート4の一端側(図4における下側)が段差により縮径された形に形成されている。これにより、キャリア本体17の外周縁には、出力軸11を中心にしてベースプレート4の短手方向で対向する位置に、それぞれ段差部19,19が形成される。
各段差部19には、ベースプレート4の長手方向に沿って延在する2つのアームの20一端がそれぞれピン21を介して係合されている。各アーム20の他端は、ベースプレート4に長手方向に沿ってスライド移動可能に支持されている。また、各アーム20の他端には、それぞれクローザケーブル114(図2参照)の一端が接続されている。すなわち、各アーム20は、遊星キャリア15の回転に基づいてスライド移動し、クローザケーブル114を引張するようになっている。そして、クローザケーブル114を引張することにより、ラッチ機構113を駆動させる。
ここで、クローザケーブル114は、各アーム20の他端からベースプレート4の他端(図3における上端)を介してラッチ機構113に向かって引き出されている。クローザケーブル114のうち、駆動ユニット3とラッチ機構113との間に配索されている部分には、アウタチューブ115が被覆され、クローザケーブル114が保護されるようになっている。アウタチューブ115の端末部には、アウタチューブ115をベースプレート4の他端に固定するためのプラグ116が取り付けられている。
ベースプレート4の他端からは、クローザケーブル114が引き出されている他、センサケーブル117が引き出されている。センサケーブル117の一端は、ベースプレート4に配置されている不図示の回転位置検出センサに接続されている。回転位置検出センサは、遊星歯車機構12の遊星キャリア15、および外輪歯車16の回転位置を検出するためのものである。センサケーブル117の他端は、不図示の外部制御機器に接続されており、回転位置検出センサの信号をセンサケーブル117を介して外部制御機器に出力できるようになっている。
なお、センサケーブル117もクローザケーブル114と同様に、アウタチューブ115に被覆されている。このセンサケーブル117を被覆するアウタチューブ115の端末部にもプラグ116が取り付けられており、ベースプレート4の他端に固定できるようになっている。
一方、外輪歯車16には、内周面に遊星歯車14と噛合う内歯16aが形成されている。また、外輪歯車16の外周面には、周方向に等間隔で4つの突起22が一体形成されている。外輪歯車16の外周面には、スライドドア駆動機構5を構成する後述のドラム24が嵌合固定されるようになっており、突起22は、外輪歯車16とドラム24との相対回転を阻止するための役割を有している。
(スライドドア駆動機構)
図5は、スライドドア駆動機構5の要部拡大斜視図である。
スライドドア駆動機構5は、モータユニット8の駆動に基づいて、スライドドア103(図1、図2参照)を自動でスライド移動させるためのものである。
図3、図5に示すように、スライドドア駆動機構5は、ケース23内に、ドライブ機構7の外輪歯車16に外嵌固定されたドラム24と、ドラム24のベースプレート4の長手方向他端側(図3における上側)に配置されたテンショナ機構25とを収納している。
ケース23は、ベースプレート4の一面側を覆うベース部26と、ベース部26上の大部分に一体形成された箱状の収納部27とで構成されており、この収納部27に、ドラム24、およびテンショナ機構25が収納されている。ベース部26の外周部には、複数のボルト孔(不図示)が形成されており、ここに複数のボルト28が挿通され、ベースプレート4にケース23が締結固定されるようになっている。
収納部27は、ベースプレート4の長手方向一端側に形成されたドラム収納部27aとベースプレート4の長手方向他端側に形成されたテンショナ収納部27bとが一体成形されたものである。そして、ドラム収納部27aの両側、つまり、ベースプレート4の短手方向両側には、それぞれ配索通路30a,30bが形成されている。
これら配索通路30a,30bのうち、図5における左側に位置する配索通路30aには、開放用ケーブル2aが配索されている。一方、図5における右側に位置する配索通路30bには、閉塞用ケーブル2bが配索されている。
ドラム収納部27aは、ベースプレート4の一端側の側壁が円弧状に形成されていると共に、テンショナ収納部27b側の側壁が大きく開口している。
一方、テンショナ収納部27bは、ベースプレート4とは反対側に開口部29を有する箱状に形成されている。
また、配索通路30a,30bは、それぞれベースプレート4とは反対側に開口部41a,41bを有すると共に、ベースプレート4の一端側に開口部42a,42bを有する箱状に形成されている。テンショナ収納部27bの開口部29と、配索通路30a,30bの開口部41a,41bは、互いに連通している。さらに、テンショナ収納部27b、および配索通路30a,30bには、それぞれの開口部29,41a,41bを閉塞するカバー43が設けられている。
ドラム収納部27aに収納されているドラム24は略円筒状に形成されており、内周面がドライブ機構7の外輪歯車16に外嵌される。ドラム24の内周面には、外輪歯車16の突起22に対応する部位に突起22を受け入れ可能な凹部(不図示)が形成されている。これにより、外輪歯車16に対するドラム24の回転が規制され、外輪歯車16とドラム24とが一体となって回転する。
また、ドラム24の外周面には、螺旋状の案内溝(不図示)が形成されている。この案内溝に沿って、開放用ケーブル2aの他端側と閉塞用ケーブル2bの他端側とが複数巻回されている。開放用ケーブル2aの他端は、ベースプレート4の長手方向一端側から収納部27内の配索通路30aへと引き込まれ、ドラム24の外周面に複数巻回された後、ドラム24に固定されている。
また、閉塞用ケーブル2bの他端は、ベースプレート4の長手方向一端側から収納部27内の配索通路30bへと引き込まれ、ドラム24の外周面に複数巻回された後、ドラム24に固定されている。ドラム24の軸方向両面には、内周面と外周面との間に、それぞれ各ケーブル2a,2bの他端を固定するための切り欠き部47が形成されている。
このように、ドラム24の外周面に、各ケーブル2a,2bの他端側を複数巻回することにより、例えば、図3において、ドラム24を時計回り方向に向かって回転させると、開放用ケーブル2aが巻き取られる一方、閉塞用ケーブル2bが繰出される。このため、スライドドア103が開放用ケーブル2aに引張され、全開方向(図1における右方向、後方)に向かってスライド移動する。
また、これとは逆に、図3において、ドラム24を反時計回り方向に向かって回転させると、閉塞用ケーブル2bが巻き取られる一方、開放用ケーブル2aが繰出される。このため、スライドドア103が閉塞用ケーブル2bに引張され、全閉方向(図1における左方向、前方)に向かってスライド移動する。
なお、開放用ケーブル2a、および閉塞用ケーブル2bもクローザケーブル114やセンサケーブル117と同様に、アウタチューブ115に被覆されている。そして、アウタチューブ115の端末部には、このアウタチューブ115を収納部27の開口部42a,42bに固定するためのプラグ116が取り付けられている。
(テンショナ機構)
テンショナ収納部27bに収納されたテンショナ機構25は、各ケーブル2a,2bに所定の張力を付与するためのものである。テンショナ機構25は、開放用ケーブル2a側(図3、および図5における左側)に配置された開放側テンショナプーリ31と、閉塞用ケーブル2b側(図3、および図5における右側)に配置された閉塞側テンショナプーリ32と、これらテンショナプーリ31,32を回転自在に支持するプーリケース33とを有し、このプーリケース33がコイルバネ34によって、ベースプレート4の長手方向他端側に向かって、つまり、ドラム24から離反する方向に向かって付勢されている。
プーリケース33は、開放側テンショナプーリ31を収納する収納部35と、閉塞側テンショナプーリ32を収納する収納部36と、これら両収納部35,36の両面であって、かつ両収納部35,36に跨るように一体形成された1対の連結プレート37,37とを有している。
各収納部35,36は、それぞれのテンショナプーリ31,32の周囲を取り囲むように形成され、かつドラム24側が大きく開口されている。また、各収納部35,36には、それぞれシャフト38,38が設けられており、ここに開放側テンショナプーリ31と閉塞側テンショナプーリ32とが回転自在に支持されている。各シャフト38,38は、ドラム24の回転軸(出力軸11)を通る直線L1(図5参照)を中心にして線対称に配置されている。
開放側テンショナプーリ31の外周面には、開放用ケーブル2aを掛け回すための括れ部31aが形成されている。すなわち、開放用ケーブル2aは、ベースプレート4の長手方向一端側から収納部27内へ引き込まれ、ドラム24を間に挟んで反対側に位置する開放側テンショナプーリ31を介して折り返す形でドラム24に巻回される。
一方、閉塞側テンショナプーリ32の外周面には、閉塞用ケーブル2bを掛け回すための括れ部32aが形成されている。閉塞用ケーブル2bは、ベースプレート4の長手方向一端側から収納部27内へ引き込まれ、ドラム24を間に挟んで反対側に位置する閉塞側テンショナプーリ32を介して折り返す形でドラム24に巻回される。
ここで、プーリケース33には、各シャフト38,38の間の中心に、1対の連結プレート37,37に跨るように支柱39が設けられている。この支柱39には、コイルバネ34の一端が回動自在に取り付けられている。コイルバネ34の他端は、テンショナ収納部27bのベースプレート4の他端側(図5における上側)に取り付けられている。これにより、プーリケース33は、テンショナ収納部27bにコイルバネ34を介して支持された状態になると共に、支柱39を中心に回動自在に支持された状態になる。
コイルバネ34としては所謂引張りバネが用いられ、これにより、プーリケース33は、ドラム24から離反する方向に向かって付勢される。
また、プーリケース33の1対の連結プレート37,37のうち、カバー43側に位置する連結プレート37には、支柱39の近傍であって、かつ直線L1を中心にして線対称位置に、1対の突起40,40が一体成形されている。一方、カバー43には、それぞれ突起40,40を受け入れる長孔44,44が形成されている。
これら長孔44,44は、突起40,40の移動を所定範囲に規制し、プーリケース33の揺動範囲を決定する役割を有している。各長孔44,44は、突起40,40の回動軌跡に対応するようにベースプレート4の長手方向に沿って長くなるように形成されている。
(作用)
次に、図2、図4、図6、図7に基づいて、スライドドア自動開閉装置1の動作について説明する。
図6は、テンショナ機構25の動作を示す斜視図、図7は、スライドドア自動開閉装置1の簡略構成図であって、(a)〜(c)は、テンショナ機構25、およびスライドドア103の挙動を示している。
図4、図6、図7に示すように、例えば、操作者により不図示の車室内に設けられた操作スイッチを開操作すると、電磁クラッチ6が接続され、モータユニット8の駆動力がドライブ機構7に伝達される状態になる。そして、この状態でモータユニット8の駆動力がドライブ機構7の太陽歯車13、および遊星歯車14を介して外輪歯車16に伝達される。これにより、外輪歯車16と一体となってドラム24が図6における反時計回り方向(図6における矢印X1方向)に向かって回転する。すると、開放用ケーブル2aがドラム24に巻き取られると共に、閉塞用ケーブル2bがドラム24から繰出される。
開放用ケーブル2aがドラム24に巻き取られることにより、開放用ケーブル2aが引張される(図6における矢印Y参照)。一方、閉塞用ケーブル2bが弛緩される。
すると、テンショナ機構25の開放側テンショナプーリ31がドラム24側へと引張され、プーリケース33が支柱39を中心にして傾動する。すなわち、図6、図7(a)、図7(b)に詳示するように、支柱39を中心にしてプーリケース33が右肩上がりに傾動する。
このとき、プーリケース33の傾動量、つまり、プーリケース33の水平方向に対する傾斜角度θは、テンショナ収納部27bのカバー43に形成されている長孔44の大きさにより決定される。つまり、長孔44がプーリケース33の突起40の軌跡に沿って長く形成されると、プーリケース33の傾斜角度θを大きく設定することができる。一方、長孔44の長さが短ければプーリケース33の傾斜角度θを小さく設定される。
ここで、プーリケース33が傾動するにあたって、テンショナ機構25のコイルバネ34が作用することが殆どないので、プーリケース33の傾動動作とほぼ同時にスライドドア103が開放用ケーブル2aに引張される。これにより、スライドドア103が開放側に向かってスライド移動する(図7(b)における矢印Z1参照)。
また、図2に示すように、スライドドア103が開放移動するにあたって、スライドドア103に設けられたローラアッシー108がロアーレール105の傾斜部105bから直線部105aへと引き出される。さらに、スライドドア103のローラアッシー110がセンターレール106の湾曲部106bから直線部106aへと引き出される。このとき、各ローラアッシー108,110がそれぞれ直線部105a,106aへと引き出されることにより、各ケーブル2a,2bの配索経路長が減少する。
すると、プーリケース33がコイルバネ34の付勢力によってドラム24から離反する方向に向かって変位する(図7(c)における矢印Z2参照)。このため、各ケーブル2a,2bの配索経路長が変化した場合であっても各ケーブル2a,2bが撓むことがない。
すなわち、プーリケース33の揺動時に各ケーブル2a,2bの配索経路長が変化した場合であっても開放側テンショナプーリ31と閉塞側テンショナプーリ32の移動量が等しいため、各ケーブル2a,2bが撓むことがない。
なお、プーリケース33の傾斜角度θ(図6参照)は、各ケーブル2a,2bの配索経路長の変化量、および、ドラム24を回転させ始めてからスライドドア103がスライド移動を開始するまでの応答性を考慮して決定することが望ましい。
次に、スライドドア103を閉塞動作させる場合におけるスライドドア自動開閉装置1の動作について説明する。なお、スライドドア103を閉塞動作させる場合において、テンショナ機構25は開放動作の場合と同様に動作するので、説明を省略する。
ここで、スライドドア103が半閉状態になると、スライドドア103の移動が停止するので、ドラム24の回転も停止する。ドラム24の回転が停止することにより、これと一体化しているドライブ機構7の外輪歯車16も停止する。この状態でモータユニット8を駆動し続けると、遊星歯車14が太陽歯車13を中心にして公転し始め、これらと一体となって遊星キャリア15が回転する。
すると、遊星キャリア15の段差部19に係合されている各アーム20が駆動し、これに伴ってクローザケーブル114が引張される。クローザケーブル114が引張されることによって、ラッチ機構113(図2参照)が駆動する。そして、ラッチ機構113が駆動することによって、ラッチ機構113と車両本体101に設けられているストライカ112とが噛合い、スライドドア103が全閉位置にまで閉め込まれる。
(効果)
したがって、上述の第一実施形態によれば、テンショナ機構25のプーリケース33をコイルバネ34で支持しているので、配索経路長の変化に応じて開放側テンショナプーリ31、および閉塞側テンショナプーリ32をコイルバネ34の付勢力に抗して変位させることができる。このため、テンショナ機構25によって、各ケーブル2a,2bの配索経路長の変化に伴う張力の変化を吸収することができる。
また、ドラム24をモータユニット8により回転させた際、開放用ケーブル2a、および閉塞用ケーブル2bの何れか引張される側、つまり、ドラム24により巻き取られる側に向かってプーリケース33が揺動する。このため、コイルバネ34の弾性変形を最小限に抑えつつ、各ケーブル2a、2bのうち、巻き取り側のテンショナプーリ31,32を配索経路長を短くする方向に向かって変位させることができる。また、各ケーブル2a、2bのうち、繰出し側のテンショナプーリ31,32を配索経路長を長くする方向に向かって変位させることができる。よって、開放用ケーブル2a、および閉塞用ケーブル2bの何れかを引張する際、従来のように弾性部材(コイルバネ)の付勢力に抗してプーリ31,32を変位する必要がないので、この分、スムーズなスライドドア103の動作を確実に行うことができる。
さらに、プーリケース33には、各テンショナプーリ31,32を軸支するシャフト38,38の間の中心に支柱39が設けられ、この支柱39がコイルバネ34を介してテンショナ収納部27bに支持されている。このため、プーリケース33を左右バランスよく揺動させることができる。よって、スライドドア103を開放側、および閉塞側の何れの方向に向かってスライド移動させる場合であってもスライドドア103をスムーズに移動させることができ、かつ各ケーブル2a,2bの配索経路長の変化に伴う張力変動をより確実に吸収することが可能になる。
そして、ベースプレート4の一端側に、各ケーブル2a,2bを配索する開口部41a,41bを形成する一方、この開口部41a,41bとはドラム24を挟んで反対側にテンショナ機構25を配置している。このため、スライドドア駆動機構5の小型化を図りつつ、各テンショナプーリ31,32により、これらに対応する各ケーブル2a,2bに確実に張力を付与することが可能になる。
なお、上述の第一実施形態では、所謂引張りバネであるコイルバネ34を用い、コイルバネ34の一端をテンショナ機構25の支柱39に取り付けると共に、コイルバネ34の他端をベースプレート4に取り付け、テンショナ機構25をドラム24から離反する方向に向かって付勢した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、コイルバネ34に代わって所謂圧縮バネを用い、この圧縮バネをドラム収納部27aとテンショナ機構25との間に配置し、テンショナ機構25をドラム24から離反する方向に向かって付勢するようにしてもよい。
(第二実施形態)
次に、この発明の第二実施形態を図8〜図10に基づいて説明する。なお、第一実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図8は、駆動ユニット203の平面図、図9は、図8のA−A線に沿う断面図である。
この第二実施形態において、車両100にスライドドア103を自動開閉するためのスライドドア自動開閉装置201が搭載されており、このスライドドア自動開閉装置201を構成する駆動ユニット203がスライドドア103に内装されている点、スライドドア自動開閉装置201は、所謂ケーブル式の装置であって、駆動ユニット203から延びる開放用ケーブル2a、および閉塞用ケーブル2bがそれぞれ車両本体101に接続されている点、駆動ユニット203は、スライドドア駆動機構205と、電磁クラッチ6と、電磁クラッチ6に連結されているモータユニット8と、モータユニット8の駆動力をスライドドア駆動機構205に伝達するためのドライブ機構207とを有している点等の基本的構成は、前述した第一実施形態と同様である。
(駆動ユニット)
ここで、図8、図9に示すように、第二実施形態の駆動ユニット203のケース223は、ベースプレート204を有している。このベースプレート204の一面側(図9における左側)には、クラッチ収納部246が設けられていると共に、クラッチ収納部246の電動モータ9とは反対側にスライドドア機構収納部247が設けられている。クラッチ収納部246は、外側に開口部246aを有する箱状に形成されており、この開口部246aを閉塞するカバー248が設けられている。また、スライドドア機構収納部247は、開口部247aを有する箱状に形成されており、この開口部247aを閉塞するカバー249が設けられている。
クラッチ収納部246には、電磁クラッチ6と、モータユニット8のウォーム減速機構10とが収納されている。そして、電磁クラッチ6の周囲を取り囲むようにウォーム減速機構10のウォームホイール251が形成され、両者6,251が同心円上に配置された状態になっている。ウォームホイール251は、平面視略円板状の連結プレート252を介して電磁クラッチ6に固定された状態になっている。
連結プレート252の外周面には、ウォームホイール251が外嵌固定されている。一方、連結プレート252の径方向中央には、ボス部253が形成されている。このボス部253の外周面は、電磁クラッチ6に圧入固定されている。
また、ボス部253の内周面には出力軸11が内嵌固定されている。出力軸11は、連結プレート252からベースプレート204の他面側(図9における右側)に向かって突設されている。
(ドライブ機構)
ベースプレート204の他面側には、ドライブ機構収納部245が設けられ、ここにドライブ機構207が収納されている。ドライブ機構収納部245は、外側に開口部245aを有する箱状に形成されており、この開口部245aを閉塞するカバー250が設けられている。
ここで、第二実施形態のドライブ機構207は、前述の遊星歯車機構12を有さず、互いに噛合う第一平歯車213と、第二平歯車214とで構成されている。第一平歯車213は、出力軸11に外嵌固定されているボス部215と、ボス部215に一体成形された歯車本体216とを有している。
ボス部253の径方向略中央には、出力軸11を内嵌するための軸孔271が形成されている。出力軸11の先端はボス部253から外側に突出した状態になっている。そして、カバー250に設けられている軸受け255に出力軸11の先端が回転自在に支持されている。また、ケース223のベースプレート204には、ボス部215に対応する部位に、軸孔254が形成されており、ここにボス部215が回転自在に支持されている。
一方、歯車本体216の外周面には、外歯216aが形成されており、ここに第二平歯車214が噛合っている。
第二平歯車214は、略円板状に形成された歯車本体217と、歯車本体217の径方向略中央に設けられたボス部218とが一体成形されたものである。歯車本体217の外周面には、第一平歯車213に噛合う外歯217aが形成されている。ボス部218は、略円筒状に形成されたものであって、このボス部218に回転軸219が内嵌固定されている。
ベースプレート204の回転軸219に対応する部位には、回転軸219を回転自在に支持するための軸受け256が設けられている。回転軸219は、軸受け256を介してベースプレート204の一面側(図9における左側)に突出した状態になっており、この突出した部位に、スライドドア駆動機構205のドラム224が外嵌固定されている。
(スライドドア駆動機構)
スライドドア駆動機構205は、ケース223のスライドドア機構収納部247に収納されており、回転軸219に軸支されているドラム224と、ドラム224の周囲に配置されたテンショナ機構225とを有している。
ドラム224の径方向略中央には、ベースプレート204側に小径孔257aが形成されている。一方、ベースプレート204とは反対側には、小径孔257aと比較して拡径された大径孔257bが形成され、両者257a,257bが互いに連通されている。
ドラム224の小径孔257aには、回転軸219の先端部が内嵌固定されている。一方、ドラム224の大径孔257bには、カバー249に設けられた軸受け258が内嵌されている。すなわち、スライドドア機構収納部247は、ベースプレート204とカバー249との間の距離がドラム244の軸方向の厚さよりも僅かに大きい程度に設定されており、カバー249の軸受け258によって、ドラム224を回転自在に支持することができるようになっている。
また、ドラム224の外周面には、螺旋状の案内溝224aが形成されている。この案内溝224aに沿って開放用ケーブル2aの他端側と、閉塞用ケーブル2bの他端側とが複数巻回されている。開放用ケーブル2aの他端は、ケース223の電動モータ9とは反対側の側壁223aからスライドドア機構収納部247内へと引き込まれ、ドラム224の外周面に複数巻回された後、ドラム224に固定されている。
また、閉塞用ケーブル2bの他端もケース223の側壁223aからスライドドア機構収納部247内へと引き込まれ、ドラム224の外周面に複数巻回された後、ドラム224に固定されている。ドラム224の軸方向両面には、それぞれ各ケーブル2a,2bの他端を固定するための切り欠き部229が形成されている。
開放用ケーブル2a、および閉塞用ケーブル2bには、ケース223から引き出された部位に、アウタチューブ115が被覆されている。アウタチューブ115の端末部には、プラグ116が取り付けられている。このプラグ116は、アウタチューブ115をケース223の側壁223aに固定するためのものである。
(テンショナ機構)
テンショナ機構225は、ドラム224を挟んで振り分け配置された開放側テンショナユニット261と、閉塞側テンショナユニット262と、これらテンショナユニット261,262に跨る板バネ263とを有している。
ここで、開放側テンショナユニット261は、ドラム224の開放用ケーブル2aが配索されている側に配置されている一方、閉塞側テンショナユニット262は、ドラム224の閉塞用ケーブル2bが配索されている側に配置されており、これ以外は同一の構造を有しているので、以下に開放側テンショナユニット261についてのみ説明する。
図10は、開放側テンショナユニット261、および閉塞側テンショナユニット262の斜視図である。
同図に示すように、開放側テンショナユニット261は、開放用ケーブル2aが掛け回されるテンショナプーリ231と、このテンショナプーリ231を回転自在に支持するプーリホルダ233とを有している。
テンショナプーリ231の外周面には、開放用ケーブル2aを掛け回すための括れ部231aが形成されている。
プーリホルダ233は、テンショナプーリ231の周囲を覆う収納部235と、収納部235を支持するアーム236とを有している。収納部235は、ケース223の電動モータ9とは反対側、つまり、開放用ケーブル2aが引き出されている側の大部分が開口されている。そして、この開口から開放用ケーブル2aが引き出されている。
アーム236は、収納部235の軸方向両面を挟持するように形成された断面略コの字状のアーム本体237を有している。すなわち、アーム本体237は、収納部235の軸方向両面に配置された1対の第一プレート237aと、各第一プレート237aの一端に跨る第二プレート237bとが一体成形されたものである。1対の第一プレート237aには、テンショナプーリ231の径方向中央に対応する部位に、支軸238が設けられている。支軸238は、収納部235、およびテンショナプーリ231を貫通した状態になっている。つまり、支軸238に、収納部235が支持されていると共に、テンショナプーリ231が回転自在に支持されている。
また、1対の第一プレート237a,237a間の幅W1は、ドラム224の軸方向の厚さよりもやや大きくなるように設定されている。一方、ケース223のベースプレート204、およびスライドドア機構収納部247を閉塞するカバー249には、それぞれ第一プレート237a,237aに対応する箇所に、第一プレート237aを受入れ可能な凹部251,251が形成されている。
これら凹部251,251に第一プレート237a,237aが収納されることによって、各テンショナユニット261,262は、ケース223のベースプレート204と、カバー249に挟持された状態になる。凹部251の長手方向の長さL1は、第一プレート237aの長さよりも長く設定されている。すなわち、各テンショナユニット261,262は、スライドドア機構収納部247に第一プレート237aの長手方向に沿ってスライド自在に設けられた状態になっている。
第二プレート237bには、長手方向略中央に円柱部239がケース223の側壁223a側に向かって突設されている。
ここで、開放側テンショナユニット261に設けられた円柱部239と、閉塞側テンショナユニット262に設けられた円柱部239との間を跨るように、板バネ263が設けられている。板バネ263は、各テンショナユニット261,262の並列方向に沿って長くなるように帯状に形成され、かつケース223の側壁223a側に向かって膨出するように弧状に形成されている。
板バネ263の長手方向両端には、ケース223の側壁223aに向かって折り返すように湾曲形成された湾曲部241,241が形成されている。これら湾曲部241,241が各テンショナユニット261,262の円柱部239に当接している。
また、板バネ263の長手方向略中央には、ケース223の側壁223a側の面に、断面弧状の凹部242が形成されている。
一方、ケース223の側壁223aには、板バネ263の凹部242に対応する箇所に、凸部243が板バネ263側に向かって突出形成されている。凸部243は、この表面が弧状に形成されており、板バネ263の凹部242に当接するようになっている。すなわち、板バネ263は、ケースの側壁223aに、凸部243を支点にして揺動自在に支持されていると共に、各テンショナユニット261,262をモータユニット8側に向かって付勢している。これにより、各テンショナユニット261,262は、各ケーブル2a,2bに張力を付与することが可能になっている。
この他に、ケース223のベースプレート204には、側壁223a側に、第二平歯車214の回転角度を検出するための回転位置検出センサ280が設けられている。この回転位置検出センサ280は、第二平歯車214のベースプレート204側の面に配置されたセンサマグネット281と、このセンサマグネット281の磁界の変化を検出する基板282とで構成されている。
基板282には、センサマグネット281に対応する位置にホールIC283が実装されている。そして、ホールIC283の検出結果を不図示の外部制御機器に出力することにより、第二平歯車214の回転位置を検出できるようになっている。第二平歯車214の回転位置を検出することにより、ドラム224の回転位置制御を行うことができる。
(作用)
次に、この第二実施形態のスライドドア自動開閉装置201の動作について説明する。
例えば、操作者により不図示の車室内に設けられた操作スイッチを開操作すると、電磁クラッチ6が接続され、モータユニット8の駆動力がドライブ機構207に伝達される状態になる。そして、この状態でモータユニット8の駆動力がドライブ機構207の第一平歯車213を介して第二平歯車214に伝達される。そして、第二平歯車214と一体となってドラム224が図8における反時計回り方向(図8における矢印X2方向)に向かって回転する。すると、開放用ケーブル2aがドラム224に巻き取られると共に、閉塞用ケーブル2bがドラム224から繰出される。
開放用ケーブル2aがドラム224に巻き取られることにより、開放用ケーブル2aが引張される一方、閉塞用ケーブル2bが弛緩される。すると、テンショナ機構225の開放側テンショナユニット261がケース223の側壁223a側へと引張され、スライド移動する。このとき、板バネ263がケース223の凸部243を支点にして揺動自在に支持されているので、図8において右肩下がりに傾動する。そして、閉塞側テンショナユニット262が板バネ263に押される形で電動モータ9側に向かってスライド移動する。
ここで、開放側テンショナユニット261がケース223の側壁223a側にスライド移動し、これに応じて板バネ263が傾動するので、板バネ263の開放側テンショナユニット261側は、殆ど弾性変形しなくなる。一方、板バネ263の閉塞側テンショナユニット262側は、閉塞側テンショナユニット262が電動モータ9側に向かってスライド移動した分、閉塞側テンショナユニット262とケース223の側壁223aとの間の空間が確保され、大きく弾性変形させることができる。
このため、スライドドア103を開放移動させるとき、各ケーブル2a,2bの配索経路長が変化した場合であっても変化に応じて閉塞側テンショナユニット262がスライド移動する。
(効果)
したがって、上述の第二実施形態によれば、開放側テンショナユニット261、および閉塞側テンショナユニット262の何れか一方が一方向にスライド移動したとき、これに応じて板バネ263が傾動すると共に、開放側テンショナユニット261、および閉塞側テンショナユニット262の何れか他方が他方向にスライド移動するので、各テンショナユニット261,262を板バネ263を殆ど弾性変形させることなく変位させることができる。
すなわち、板バネ263の揺動時に開放側テンショナユニット261と閉塞側テンショナユニット262の移動量がそれぞれ等しくなるので、各ケーブル2a,2bの撓みを確実に防止することが可能になる。
また、板バネ263の付勢力を利用することなく、ケーブル2a,2bが弛緩される側のテンショナユニット261,262を配索経路長を長くする方向に向かって変位させることができる。このため、より効率よく各ケーブル2a,2bの撓みを防止することが可能になる。さらに、スライドドア103を移動させている途中で各ケーブル2a,2bの配索経路長が変化すると、板バネ263の付勢力に基づいて各テンショナユニット261,262を変位させることができる。
よって、各ケーブル2a,2bの配索経路長が変化することによる各ケーブル2a,2bの張力の変化を吸収しつつ、スムーズなスライドドア103の動作を確実に行うことができる。
また、ケース223のスライドドア機構収納部247に、ドラム224、およびテンショナ機構225を収納している。そして、ケース223のベースプレート204、およびスライドドア機構収納部247を閉塞するカバー249とにより、テンショナ機構225の各テンショナユニット261,262を挟持している。これに加え、ベースプレート204、およびカバー249に凹部251を形成することにより、各テンショナユニット261,262をスライド自在としている。このため、スライドドア駆動機構205の構造を簡素化することができ、スライドドア自動開閉装置201の小型化、製造コストの低減化を図ることが可能になる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
また、上述の実施形態では、スライドドア自動開閉装置1,201を構成する駆動ユニット3,203をスライドドア103に内装する一方、各駆動ユニット3,203から延びる開放用ケーブル2a、および閉塞用ケーブル2bの端末部を車両本体101に接続した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、各駆動ユニット3,203を車両本体101に取り付け、各駆動ユニット3,203から延びる開放用ケーブル2a、および閉塞用ケーブル2bの端末部をスライドドア103に接続してもよい。
1,201 スライドドア自動開閉装置
2a 開放用ケーブル
2b 閉塞用ケーブル
3,203 駆動ユニット
4 プレート
5,205 スライドドア駆動機構
6 電磁クラッチ
7,207 ドライブ機構
8 モータユニット
9 電動モータ
23,223 ケース(ユニットケース)
24,224 ドラム
25,225 テンショナ機構
27 収納部
27a ドラム収納部
27b テンショナ収納部
31 開放側テンショナプーリ
32 閉塞側テンショナプーリ
32a 括れ部
33 プーリケース
34 コイルバネ(弾性部材)
35,36 収納部
37 プレート
39 支柱
42a,42b 開口部(挿通孔)
100 車両
101 車両本体
103 スライドドア
231 テンショナプーリ(開放側テンショナプーリ、閉塞側テンショナプーリ)
223a 側壁
233 プーリホルダ
236 アーム
241 湾曲部
242 凹部
243 凸部
245 ドライブ機構収納部
246 クラッチ収納部
247 スライドドア機構収納部
261 開放側テンショナユニット
262 閉塞側テンショナユニット
263 板バネ

Claims (7)

  1. 車両本体、およびスライドドアの何れか一方に、開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルのそれぞれ一端を接続し、
    前記車両本体、および前記スライドドアの何れか他方に駆動ユニットを設け、この駆動ユニットにより前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルを操作し、前記スライドドアを自動開閉させるスライドドア自動開閉装置において、
    前記駆動ユニットは、
    前記開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルが巻回され、これらケーブルの繰出し、および巻取りを行うドラムと、
    前記ドラムを正/逆回転駆動させる電動モータと、
    前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルの張力を所定の範囲に維持するためのテンショナ機構とを備え、
    前記テンショナ機構は、
    前記開放用ケーブルが掛け回される開放側テンショナプーリと、
    前記閉塞用ケーブルが掛け回される閉塞側テンショナプーリと、
    これら開放側テンショナプーリ、および閉塞側テンショナプーリを回転自在に支持するプーリケースと、
    前記プーリケースを揺動自在に支持すると共に、各ケーブルに張力を付与する方向に向かって前記プーリケースを付勢する弾性部材と、
    を有していることを特徴とするスライドドア自動開閉装置。
  2. 車両本体、およびスライドドアの何れか一方に、開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルのそれぞれ一端を接続し、
    前記車両本体、および前記スライドドアの何れか他方に駆動ユニットを設け、この駆動ユニットにより前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルを操作し、前記スライドドアを自動開閉させるスライドドア自動開閉装置において、
    前記駆動ユニットは、
    前記開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルが巻回され、これらケーブルの繰出し、および巻取りを行うドラムと、
    前記ドラムを正/逆回転駆動させる電動モータと、
    前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルの張力を所定の範囲に維持するためのテンショナ機構とを備え、
    前記テンショナ機構は、
    前記開放用ケーブルが掛け回される開放側テンショナプーリと、
    前記閉塞用ケーブルが掛け回される閉塞側テンショナプーリと、
    これら開放側テンショナプーリ、および閉塞側テンショナプーリを回転自在に支持するプーリケースと、
    前記プーリケースを揺動自在に支持すると共に、各ケーブルに張力を付与する方向に向かって前記プーリケースを付勢する弾性部材と、
    を有し、前記プーリケースの揺動時に前記開放側テンショナプーリと前記閉塞側テンショナプーリの移動量がそれぞれ等しいことを特徴とするスライドドア自動開閉装置。
  3. 前記プーリケースには、前記開放側テンショナプーリと前記閉塞側テンショナプーリとの間の略中央に支柱が設けられ、この支柱が前記弾性部材により支持され、
    前記支柱を中心にして前記プーリケースが揺動するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスライドドア自動開閉装置。
  4. 前記駆動ユニットに、少なくとも前記ドラム、および前記テンショナ機構を収納するユニットケースを設け、
    このユニットケースの同一面に、前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルを挿通するための挿通孔を形成すると共に、
    前記ドラムを中心にして前記挿通孔とは反対側に、前記テンショナ機構を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスライドドア自動開閉装置。
  5. 車両本体、およびスライドドアの何れか一方に、開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルのそれぞれ一端を接続し、
    前記車両本体、および前記スライドドアの何れか他方に駆動ユニットを設け、この駆動ユニットにより前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルを操作し、前記スライドドアを自動開閉させるスライドドア自動開閉装置において、
    前記駆動ユニットは、
    前記開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルが巻回され、これらケーブルの繰出し、および巻取りを行うドラムと、
    前記ドラムを正/逆回転駆動させる電動モータと、
    前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルの張力を所定の範囲に維持するためのテンショナ機構とを備え、
    前記テンショナ機構は、
    前記開放用ケーブルが掛け回され、前記開放用ケーブルに張力を付与可能な方向に向かってスライド移動自在に設けられた開放側テンショナプーリと、
    前記閉塞用ケーブルが掛け回され、前記閉塞用ケーブルに張力を付与可能な方向に向かってスライド移動自在に設けられた閉塞側テンショナプーリと、
    前記開放側テンショナプーリと前記閉塞側テンショナプーリとに跨るように設けられた板バネとを有し、
    この板バネは、長手方向中央を中心にして揺動可能に支持されていることを特徴とするスライドドア自動開閉装置。
  6. 車両本体、およびスライドドアの何れか一方に、開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルのそれぞれ一端を接続し、
    前記車両本体、および前記スライドドアの何れか他方に駆動ユニットを設け、この駆動ユニットにより前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルを操作し、前記スライドドアを自動開閉させるスライドドア自動開閉装置において、
    前記駆動ユニットは、
    前記開放用ケーブル、および閉塞用ケーブルが巻回され、これらケーブルの繰出し、および巻取りを行うドラムと、
    前記ドラムを正/逆回転駆動させる電動モータと、
    前記開放用ケーブル、および前記閉塞用ケーブルの張力を所定の範囲に維持するためのテンショナ機構とを備え、
    前記テンショナ機構は、
    前記開放用ケーブルが掛け回され、前記開放用ケーブルに張力を付与可能な方向に向かってスライド移動自在に設けられた開放側テンショナプーリと、
    前記閉塞用ケーブルが掛け回され、前記閉塞用ケーブルに張力を付与可能な方向に向かってスライド移動自在に設けられた閉塞側テンショナプーリと、
    前記開放側テンショナプーリと前記閉塞側テンショナプーリとに跨るように設けられた板バネとを有し、
    この板バネは、長手方向中央を中心にして揺動可能に支持され、前記板バネの揺動時に前記開放側テンショナプーリと前記閉塞側テンショナプーリの移動量がそれぞれ等しいことを特徴とするスライドドア自動開閉装置。
  7. 前記駆動ユニットに、前記ドラム、および前記テンショナ機構を収納するユニットケースを設け、
    前記ユニットケースに、前記開放側プーリ、および前記閉塞側プーリをスライド移動自在に設けると共に、前記板バネの長手方向中心を揺動可能に支持することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のスライドドア自動開閉装置。
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