JP2006083530A - 索条の往復移動装置における索条のたるみ防止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 巻取ドラム9の両側方における固定体であるテンショナケース30に、索条15a、15bに圧接する1対のテンションローラ16、17を軸支するローラホルダ43、43を、それぞれ緊張時の索条15a、15bとほぼ直交する方向に移動可能として装着し、かつテンショナケース30における両テンションローラ16、17の中間位置に巻回部49aを枢支させたねじりコイルばね49における巻回部49aより両側方に延出する線材端末延出部49b、49cを、両ローラホルダ43、43にほぼ同方向より当接させる。
【選択図】 図5
Description
そのため、必要以上に強力な大型のモータ等を使用しなければならず、装置全体の小型軽量化の妨げとなっている。
(1) 1対のガイド部材に掛け回された索条を、前記両ガイド部材間に配設した巻取ドラムに、互いに逆方向から巻き取るようにし、前記巻取ドラムを一方向およびその逆方向に回転させることにより、前記索条を往復回走させて、索条に止着した移動部材を往復移動させるようにした索条の往復移動装置における索条のたるみ防止装置であって、前記巻取ドラムの両側方に、索条に圧接する1対のテンションローラを軸支するローラホルダを、それぞれ緊張時の索条とほぼ直交する方向に移動可能として固定体に装着し、かつ前記固定体における両テンションローラの中間位置に巻回部を枢支させたねじりコイルばねにおける前記巻回部より両側方に延出する線材端末延出部を、前記両ローラホルダにほぼ同方向より当接させる。
(a) 請求項1記載の発明によると、単一のねじりコイルばねで、2個のテンションローラを効率よく付勢することができるので、部品点数を削減できるだけでなく、巻取ドラムの回転抵抗を軽減することができる。
すなわち、巻取ドラムをいずれの方向に回転させる場合にも、互いに逆方向から巻取ドラムに巻き取られている索条の一方の巻取側が緊張し、他方の繰り出し側が弛み、その繰り出し側のテンションローラが、ねじりコイルばねの一方の線材端末延出部により押動させられることにより、ねじりコイルばねがねじ戻されて、他方の巻取側のテンションローラを付勢する線材端末延出部の付勢力が弱められ、結果的に、巻取ドラムの回転抵抗が軽減される。
巻取ドラムの回転抵抗が軽減されることにより、巻取ドラムの駆動手段に掛かる負荷が軽減し、巻取ドラムを回転させるモータ等の駆動手段として、小出力の小型のものを使用することができるようになり、索条の往復移動装置全体の小型軽量化を図ることができる。
図1は、本発明の一実施形態を備えるスライドドアの開閉装置を装着した車両の左側面を示す斜視図である。
なお、車体の右側面におけるスライドドアに関しては、上記の構成と左右対称の同様の構成により開閉させるようにしてあるが、その図示および詳細な説明は省略する。
図1〜図3に示すように、開閉装置(6)は、側面パネル(2)の車内側の面に固着した基板(7)に、左右方向を向く軸(8)をもって枢支した巻取ドラム(9)を、基板(7)に設けた正逆回転可能のモータ(10)により、減速機構(11)を介して、図3における時計方向である開方向、および図3における反時計方向である閉方向に回転させるようにしたドライブユニット(12)と、側面パネル(2)におけるウエストレール(5)の前後部に設けた1対のガイド部材(13)(14)と、スライドドア(4)の内面に一方の端末が止着され、そこから前方に延出して、前方のガイド部材(13)に平面視ほぼU字状に掛け回され、他方の端末部が巻取ドラム(9)の上部より反時計回りに巻き取られ、最終的に他方の端末が巻取ドラム(9)に止着されたワイヤまたはケーブル等からなる閉扉用の索条(15a)と、スライドドア(4)の内面に一方の端末が止着され、そこから後方に延出して、後方のガイド部材(14)に平面視ほぼU字状に掛け回され、他方の端末部が巻取ドラム(9)の上部より時計回りに巻き取られ、最終的に他方の端末が巻取ドラム(9)に止着された、索条(15a)と同様の開扉用の索条(15b)とを備えている。
この例では、開閉装置(6)が、索条(15a)(15b)を往復回走させて、索条(15a)(15b)に止着した移動部材であるスライドドア(4)を往復移動させるようにした索条(15a)(15b)の往復移動装置をなしている。
このガイド部材(14)におけるプーリホルダ(22)を、その索条(15b)の外側出口(22a)が、側面パネル(2)におけるアウターパネルに設けた開口(図示略)に望むようにし、かつプーリホルダ(22)がパッキン(20)を介してアウターパネルの車内側の面に圧接されるようにして、ブラケット(27)の後端上下部に形成された取付片(27b)(27b)を、アウターパネルの車内側の面に当接させて、ねじ止めすることにより、後方のガイド部材(14)を側面パネル(2)に簡単かつ確実に装着することができる。
図1に示す閉扉状態において、図示を省略した車内側または車外側に設けた開扉操作スイッチを操作すると、モータ(10)が正転させられ、減速機構(11)を介して、巻取ドラム(9)が図3における時計方向である開方向に回転させられ、後方の索条(15b)が巻取ドラム(9)に巻き取られ、かつ前方の索条(15a)が巻取ドラム(9)から繰り出されて、両索条(15a)(15b)に止着されたスライドドア(4)が後方に向かって移動させられる。
スライドドア(4)が、予め定めた全開位置に達すると、図示および説明を省略した全開検出センサが作動し、モータ(10)の正転が停止させられ、スライドドア(4)は全開位置に保持される。
スライドドア(4)が、全閉位置に達すると、図示および説明を省略したドアラッチにより全閉位置に係止されるとともに、全閉検出センサが作動し、モータ(10)の逆転が停止させられ、スライドドア(4)は全閉位置に保持される。
図4は、テンショナの分解斜視図、図5は、開扉操作時のテンショナの状態を、テンショナカバーを外して示す側面図、図6は、閉扉操作時のテンショナの状態を、テンショナカバーを外して示す側面図、図7〜図10は、それぞれ図3におけるVII−VII、VIII−VIII、IX−IX、X−X線に沿う断面図である。
テンショナケース(30)は、巻取ドラム(9)の上方を覆うように前後方向に延び、かつ互いに対向するテンショナボディ(31)とテンショナカバー(32)とを備えている。
また、中央のボス部(33)の先端には、テンショナカバー(32)の中央部と、その外面に当接された、巻取ドラム(9)を覆うドラムカバー(36)の上部の取付片(36a)とが、ボルト(37)をもって共締めされている(図3および図8参照)。
テンショナボディ(31)側のガイド溝(38)は、テンショナボディ(31)の内面に、緊張時の索条(15a)(15b)とほぼ直交する方向を向き、かつ車内側に向かって突出する長円形リブ(39)を設けることにより、その内側に形成されている。
また、テンショナカバー(32)側のガイド溝(38)は、テンショナカバー(32)の両側部に、緊張時の索条(15a)(15b)とほぼ直交する方向を向く長孔を設け、かつその長孔の周縁に車内側に向かって突出する長円形リブ(39)を設けることにより形成されている。
テンショナボディ(31)の内面には、各長円形リブ(39)の下端から底片(41)に至る縦リブ(42)を設け、図9に示すように、この縦リブ(42)と各テンションローラ(16)(17)との間隙を、索条(15a)(15b)の線径より小とすることにより、各テンションローラ(16)(17)とテンショナボディ(31)との間に、索条(15a)(15b)が進入するのを確実に防止するようにしてある。
各ローラホルダ(43)内には、テンションローラ(16)(17)が、両側片(44)(44)における下方のボス(45)(45)を貫通する軸(48)をもって、回転自在に嵌合されている。
また、テンショナボディ(31)における中央のボス部(33)から前後のガイド溝(38)(38)までの距離をほぼ等しくするとともに、ねじりコイルばね(49)の両線材端末延出部(49b)(49c)における巻回部(49a)から両ローラホルダ(43)への当接部までの長さをほぼ同一としてある。
このような構成としたことにより、ねじりコイルばね(49)の付勢力は、両線材端末延出部(49b)(49c)からローラホルダ(43)を介して、両テンションローラ(16)(17)に安定して作用し、両テンションローラ(16)(17)をバランスよく下方に向けて付勢することができる。
巻取ドラム(9)とテンショナケース(30)との位置決めは、基板(7)に設けた孔(7e)に、巻取ドラム(9)の軸(8)を嵌合し(図8参照)、かつ基板(7)に設けた孔(7f)に、テンショナボディ(31)に設けた突起(53)を嵌合し(図7参照)、さらに、押え部材(50)の突起(51)を、ドラムカバー(36)の上部の取付片(36a)に設けた若干上下方向に長い長孔とした上記係合孔(52)に嵌合することにより果たされている。
なお、押え部材(50)は、テンショナボディ(31)とテンショナカバー(32)またはドラムカバー(36)との間に、左右方向を向く軸をもって枢着して支持してもよい。
また、各請求項に記載した構成により、発明の効果として上述したような特有の効果を奏することができる。
例えば、減速機構(11)に、モータ(10)の出力を、巻取ドラム(9)に伝達する伝達状態と、伝達しない非伝達状態とに切り換え可能なクラッチを設け、スライドドア(4)を手動にて開閉可能な状態にしたい場合に、クラッチを非伝達状態として、手動操作力を低減できるようにしてもよい。
(2)側面パネル
(3)開口
(4)スライドドア(移動部材)
(5)ウエストレール
(6)開閉装置(索条の往復移動装置)
(7)基板
(7a)縁部
(7b)取付片
(7c)変形可能部
(7d)ブラケット取付片
(7e)(7f)孔
(8)軸
(9)巻取ドラム
(10)モータ
(11)減速機構
(12)ドライブユニット
(13)(14)ガイド部材
(15a)(15b)索条
(16)(17)テンションローラ
(16a)(17a)鍔部
(18)テンショナ(索条のたるみ防止装置)
(19)(20)パッキン
(21)(22)プーリホルダ
(22a)外側出口
(23)(24)軸
(25)(26)ガイドプーリ
(27)ブラケット
(27a)(27b)取付片
(28)止めねじ
(29)延出部
(30)テンショナケース(固定体)
(31)テンショナボディ
(32)テンショナカバー
(33)(34)ボス部
(35)ボルト
(36)ドラムカバー
(36a)取付片
(37)ボルト
(38)ガイド溝
(39)長円形リブ
(40)作業孔
(41)底片
(42)縦リブ
(43)ローラホルダ
(44)側片
(45)ボス(突部)
(46)連結片(ばね当接部)
(47)リブ
(48)軸
(49)ねじりコイルばね
(49a)巻回部
(49b)(49c)線材端末延出部
(50)押え部材
(51)突起
(52)係合孔
(53)突起
Claims (4)
- 1対のガイド部材に掛け回された索条を、前記両ガイド部材間に配設した巻取ドラムに、互いに逆方向から巻き取るようにし、前記巻取ドラムを一方向およびその逆方向に回転させることにより、前記索条を往復回走させて、索条に止着した移動部材を往復移動させるようにした索条の往復移動装置における索条のたるみ防止装置であって、
前記巻取ドラムの両側方における固定体に、索条に圧接する1対のテンションローラを軸支するローラホルダを、それぞれ緊張時の索条とほぼ直交する方向に移動可能として装着し、かつ前記固定体における両テンションローラの中間位置に巻回部を枢支させたねじりコイルばねにおける前記巻回部より両側方に延出する線材端末延出部を、前記両ローラホルダにほぼ同方向より当接させたことを特徴とする索条の往復移動装置における索条のたるみ防止装置。 - ねじりコイルばねの両線材端末延出部における巻回部から両ローラホルダへの当接部までの長さをほぼ同一とした請求項1記載の索条の往復移動装置における索条のたるみ防止装置。
- 巻取ドラムの両側方における固定体に、緊張時の索条とほぼ直交する方向を向くガイド溝をそれぞれ設け、該ガイド溝に、テンションローラを枢支するローラホルダに設けた突部を摺動自在に嵌合し、前記ローラホルダの端部に設けたばね当接部に、ねじりコイルばねにおける各線材端末延出部を当接させた請求項1または2記載の索条の往復移動装置における索条のたるみ防止装置。
- ローラホルダを下向きコ字状に形成し、その両側片の外側面に設けた上下1対のボスを突部として、ガイド溝に摺動自在に嵌合し、かつ上下いずれかのボスに、テンションローラを枢支する軸を嵌合した請求項3記載の索条の往復移動装置における索条のたるみ防止装置。
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