以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る画像作成方法について説明をする。
(1)第1の実施形態
図1は、本発明の各実施形態として画像作成方法が適用されるカラー画像形成装置100の構成例を示す概念図である。
この実施形態では、色画像の濃度検出系や位置検出系の出力に基づいて画像転写手段又は画像形成ユニットを制御する制御装置を備え、この制御装置では色画像の位置検出系で色濃度補正用の切片画像の濃度を検出し、当該位置検出系から出力される切片画像の濃度検出信号に基づいて印画像の位置検出用の制御基準値を校正し、画像転写手段における反射光量の変動や、センサ発光量の低減等により画像転写手段の使用環境が経時的に変化した場合であっても、本来の印画像の位置を正確に検出できるようにすると共に、高信頼度の位置検出信号に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整できるようにしたものである。
図1に示すカラー画像形成装置100は、任意の画像情報に基づいて色を重ね合わせ、画像転写系に色画像を形成する装置である。
図1において、カラー画像形成装置100は、画像形成装置本体101と画像読取装置102とから構成される。画像形成装置本体101の上部には、自動原稿給紙装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置102が設置されている。自動原稿給紙装置201の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正及び画像圧縮処理等がなされ、画像情報となる。その後、画像情報は画像形成ユニットの一例となる画像書き込み部(露光手段)3Y、3M、3C、3Kへ送られる。
自動原稿給紙装置201は自動両面原稿搬送手段を備えている。この自動原稿給紙装置201は原稿載置台上から給送される多数枚の原稿dの内容を連続して一挙に読み取り、原稿内容を記憶手段に蓄積するようになされる(電子RDH機能)。この電子RDH機能は、複写機能により多数枚の原稿内容を複写する場合、或いはファクシミリ機能により多数枚の原稿dを送信する場合等に便利に使用される。
画像形成装置本体101は、タンデム型のカラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成ユニット(画像形成系)10Y、10M、10C、10Kと、画像転写手段(画像転写系)の一例を成す中間転写体としての無終端状の中間転写ベルト6と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、トナー像を定着するための定着装置17からなる。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、像形成体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置されたY色用の帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置4Y及び像形成体用のクリーニング手段8Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、像形成体としての感光体ドラム1Mと、M色用の帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4M及び像形成体用のクリーニング手段8Mを有する。
シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、像形成体としての感光体ドラム1Cと、C色用の帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C及び像形成体用のクリーニング手段8Cを有する。黒(BK)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、像形成体としての感光体ドラム1Kと、BK色用の帯電手段2K、露光手段3K、現像装置4K及び像形成体用のクリーニング手段8Kを有する。
帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C及び帯電手段2Kと露光手段3Kとは、潜像形成手段を構成する。現像装置4Y、4M、4C、4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施形態においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
画像形成プロセスの概要について以下に説明する。画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施形態においては正極性)の1次転写バイアス(不図示)が印加される1次転写ローラ7Y、7M、7C及び7Kにより、回動する中間転写ベルト6上に逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像(色画像:カラートナー像)が形成される。カラー画像は中間転写ベルト6から用紙Pへ転写される。
給紙カセット20A、20B、20C内に収容された用紙Pは、給紙カセット20A、20B、20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21および給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等を経て、2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙P上の一方の面(表面)にカラー画像が一括して転写される(2次転写)。
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。転写後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの周面上に残った転写残トナーは、像形成体用のクリーニング手段8Y、8M、8C、8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。
両面画像形成時には、一方の面(表面)に画像形成され、定着装置17から排出された用紙Pは、分岐手段26によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙搬送手段を構成する、下方の循環通紙路27Aを経て、再給紙機構(ADU機構)である反転搬送路27Bにより表裏を反転され、再給紙搬送部27Cを通過して、給紙ローラ22Dにおいて合流する。
反転搬送された用紙Pは、レジストローラ23を経て、再度2次転写ローラ7Aに搬送され、用紙Pの他方の面(裏面)上にカラー画像(カラートナー像)が一括転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17(或いは定着装置17A)により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。一方、2次転写ローラ7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写ベルト6は、中間転写ベルト用のクリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
これらの画像形成の際には、用紙Pとして52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙や83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙を用い、線速度を80〜350mm/sec程度とし、環境条件として温度が5〜35℃程度、湿度が15〜85%程度の設定条件とすることが好ましい。用紙Pの厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
上述のクリーニング手段8Aの上流側であって、中間転写ベルト6の左側には、第1の検出手段の一例となるトナー像濃度検知用のセンサ(以下、単にトナー濃度センサ11という)が設けられており、中間転写ベルト6に形成されたトナー像(色画像)の濃度を検出し、濃度検出信号S1を発生するようになされる。
このトナー濃度センサに並べて第2の検出手段の一例となるトナー像位置ずれ検知用のセンサ(以下、単にレジストセンサ12という)が設けられており、中間転写ベルト6に形成された印画像(以下でカラーレジストマークCRという)の位置を検出し、位置検出信号S2を発生するようになされる。画像形成装置本体101には制御装置15が設けられ、位置検出信号S2に基づいてカラーレジストマーク検知処理をするようになされる。
カラーレジストマーク検知処理とは色重ね合わせ用のカラーレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成し、この中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCRの位置(エッジ、重心等)をレジストセンサ12によって検出することをいう。この処理はカラーレジストマークCRの位置に基づいて色画像の形成位置を調整するためである。この例では、中間転写ベルト6の使用環境が経時的に変化した場合であっても、本来のカラーレジストマークCRの位置を正確に検出できるようにすると共に、高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整できるようになされる。
図2は本発明に係る第1の実施形態としてのカラー画像形成装置100の画像転写及び画像形成系の構成例を示すブロック図である。図2に示すカラー画像形成装置100は図1に示した中間転写ベルト6を画像転写系Iとし、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを画像形成系IIとして抜き出したものである。図2において、カラー画像形成装置100は制御装置15を有している。制御装置15にはトナー濃度センサ11が接続されており、中間転写ベルト6に形成されたトナー像(色画像)の濃度を検出し、濃度検出信号S1を制御装置15へ出力するようになされる。
制御装置15にはトナー濃度センサ11の他にレジストセンサ12が接続されており、中間転写ベルト6に形成されたトナー像(色画像)の位置を検出して位置検出信号S2を制御装置15へ出力するようになされる。制御装置15はレジストセンサ12から得られる位置検出信号S2に基づいて画像形成ユニット10Y,10M,10Cを制御するようになされる。この例で制御装置15は、画像形成ユニット10Y,10M,10Cにおける補正手段5Y,5M,5Cを通じて、主/副走査時の書き出し位置調整及び画像書込み部3Y,3M,3Cにおける位置調整(スキュー調整)、主走査書込みクロック信号の補正(横倍調整/部分横倍調整)等がなされる(図3参照)。
制御内容によっては画像形成ユニット10Kを基準にして画像形成ユニット10Y,10M,10Cのいずれか一方又は3つを制御するようにしてもよい。制御装置15の負担を軽減できる。もちろん、中間転写ベルト6を制御対象に入れてもよい。その場合には、図示しない蛇行補正機構を設け、中間転写ベルト6の蛇行を補正して色ずれを調整するようにしてもよい。
制御装置15には画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが接続されており、画像形成ユニット10Yでは、任意の画像情報Dinを構成するY色用の画像情報Dy、主走査方向のY色書込み周期用のH−VALID信号(以下Y−HV信号という)、副走査方向のY色書込み周期用のH−VALID信号(以下Y−VV信号という)、Y色用のポリゴン駆動クロック信号(以下でYポリゴンCLKという)を入力し、画像情報Dy、Y−HV信号、Y−VV信号、YポリゴンCLKに基づいて中間転写ベルト6にY色のトナー画像を形成する。
画像形成ユニット10MではM色用の画像情報Dm、主走査方向のM色書込み周期用のH−VALID信号(以下M−HV信号という)、副走査方向のM色書込み周期用のH−VALID信号(以下M−VV信号という)、M色用のポリゴン駆動クロック信号(以下でMポリゴンCLKという)を入力し、画像情報Dm、M−HV信号、M−VV信号、MポリゴンCLKに基づいて中間転写ベルト6にM色のトナー画像を形成する。
画像形成ユニット10CではC色用の画像情報Dc、主走査方向のC色書込み周期用のH−VALID信号(以下C−HV信号という)、副走査方向のC色書込み周期用のH−VALID信号(以下C−VV信号という)、C色用のポリゴン駆動クロック信号(以下でCポリゴンCLKという)を入力し、画像情報Dc、C−HV信号、C−VV信号、CポリゴンCLKに基づいて中間転写ベルト6にC色のトナー画像を形成する。
画像形成ユニット10KではBK色用の画像情報Dk、主走査方向のBK色書込み周期用のH−VALID信号(以下K−HV信号という)、副走査方向のBK色書込み周期用のH−VALID信号(以下K−VV信号という)、BK色用のポリゴン駆動クロック信号(以下でKポリゴンCLKという)を入力し、画像情報Dk、K−HV信号、K−VV信号、KポリゴンCLKに基づいて中間転写ベルト6にBK色のトナー画像を形成するようになされる。
この例ではY色用の画像書き込み部(露光手段)3Yには補正手段5Yが取り付けられており、制御装置15からのY色用の位置補正信号Syに基づいてY色画像の主走査方向の形成位置を調整するようになされる。同様にしてM色用の画像書き込み部3Mには補正手段5Mが取り付けられており、制御装置15からのM色用の位置補正信号Smに基づいてM色画像の主走査方向の形成位置を調整するようになされる。
C色用の画像書き込み部3Cには補正手段5Cが取り付けられており、制御装置15からのC色用の位置補正信号Scに基づいてY色画像の主走査方向の形成位置を調整するようになされる。BK色用の画像書き込み部3Kには補正手段5Kが取り付けられており、制御装置15からのBK色用の位置補正信号Skに基づいてBK色画像の主走査方向の形成位置を調整するようになされる(部分横倍率補正)。この例で色ずれ量の算出に関しては、BK色のカラーレジストマークCRを基準にしている。Y,M,C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整するためである。
例えば、Y色の書込み位置調整に関しては、BK色のカラーレジストマークCRの書込み位置と、Y色のカラーレジストマークCRの書込み位置とを検知し、Y色のカラーレジストマークCRの書込み位置をBK色のカラーレジストマークCRの書込み位置に換算した際のずれ量からその補正量を算出する。同様にして、M、C色の書込み位置調整に関しても、BK色のカラーレジストマークCRの書込み位置と、MやC色のカラーレジストマークCRの書込み位置とのずれ量を各々検知し、このずれ量から各々の補正量を算出する。その後、BK色用の画像形成ユニット10K以外のY、M、C色用の画像形成ユニット10Y,10M,10Cを調整するようになされる。
このため、BK色用の画像形成ユニット10Kでは中間転写ベルト6に対してBK色のみの出力で正規の主/副走査時の書き込み位置調整及び画像書込み部3Kにおける横倍調整、部分横倍調整及び傾き調整等がなされる。BK色について調整し基準とするためである。その後、本発明方式のカラーレジスト調整に移行してBK色に合わせてY,M,C色の書込み位置を合わせるレジスト調整を実行するようになされる。
また、制御装置15では切片画像の一例となる色濃度補正用のパッチマークを中間転写ベルト6に形成するように画像形成ユニット10Y,10M,10Cが制御される。中間転写ベルト6に形成されたパッチマークの濃度はレジストセンサ12によって検出される。その後、パッチマークの濃度に基づいて色重ね合わせ用のカラーレジストマークCRの濃度が調整され、ここで濃度調整されたカラーレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成するように制御装置15によって画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが制御される。
中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCRの位置はレジストセンサ12によって検出される。制御装置15ではレジストセンサ12から出力されるパッチマークの濃度情報を含む位置検出信号S2’に基づいてカラーレジストマークCRの位置検出時の閾値Lthをリアルタイムに校正できるようになる。このカラーレジストマークCRの位置に基づいて色画像の形成位置を調整するように画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御するようになされる。
この例では、レジストセンサ12から出力されるパッチマークの非形成部分の位置検出信号S2’の最小値(MIN)及び当該パッチマークの形成部分に係る最大値(MAX)を検出し、この濃度情報を含む位置検出信号S2’の最小値及び最大値に基づいて平均値を演算する。
この演算ではパッチマークの非形成部分に係る濃度情報を含む位置検出信号S2’の最大値及びその形成部分に係る最小値が演算対象から除かれる。すなわち、パッチマークが形成されていない中間転写ベルト(ベース)6の反射出力の値と、パッチマークを形成した部分の反射出力の値とが最も近い場合の値が2値化する閾値を決める最悪の関係となる。
このため、その条件となる値を使用して平均値(中央値)を割り出し、2値化の閾値を決定するようになされる。この例では、当該平均値をレジストセンサ12の制御基準値とし、この制御基準値に基づいてカラーレジストマークCRの通過タイミングを検出するようになされる。レジストセンサ12の制御基準値は平均値近傍であってもよい。
もちろん、これに限られることはなく、同一シーケンス内で制御装置15により、色濃度補正用のパッチマークを中間転写ベルト6に形成し、中間転写ベルト6に形成されたパッチマークの濃度をトナー濃度センサ11によって検出し、色画像の濃度を調整する色補正処理を実行すると共に、中間転写ベルト6に形成されたパッチマークの濃度をレジストセンサ12により連続して検出してもよい。パッチ検出時に生成されるパッチマークをレジストセンサ12で連続して検出することで、最も信号レベルが確保できるカラーレジストマークCRの濃度を決めることができる。
その後は、パッチマークの濃度に基づいてカラーレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成し、中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCRの位置をレジストセンサ12によって検出し、カラーレジストマークCRの位置に基づいて色画像の形成位置を調整する色重ね合わせ処理をするようになされる。
図3は制御装置15の位置ずれ制御系に係る内部構成例を示すブロック図である。図3に示す制御装置15は発振器51、分周器52、ポリゴン駆動回路53、計数回路54、CPU(中央演算装置)55、ラッチ回路56、RAM57、ディジタル/アナログ(D/A)変換器58、二値化用のコンパレータ59、インデックス遅延回路510、VV生成回路511、HV生成回路512、スキュー補正回路513、アナログ/ディジタル(A/D)変換器514及びマスク生成用のマスク回路515等を有している。
発振器51では基準周波数のクロック信号CKを発生するようになされる。発振器51には分周器52が接続されており、クロック信号CKを分周して所定の周波数のシステムクロック信号SCKを生成するようになされる。
分周器52にはポリゴン駆動回路53及び計数回路54が接続されている。ポリゴン駆動回路53ではCPU55からの回転位相設定信号Srに基づいて、システムクロック信号SCKからYポリゴンCLK、MポリゴンCLK、CポリゴンCLK及びKポリゴンCLKの各々が生成される。YポリゴンCLKは画像書き込み部3Yに出力され、MポリゴンCLKは画像書き込み部3Mに出力され、CポリゴンCLKは画像書き込み部3Cに出力され、及び、KポリゴンCLKは画像書き込み部3Kに出力される。
計数回路54ではCPU55からの画像先端信号(以下VTOP信号という)をリセット信号としてシステムクロック信号SCKをカウントしてラッチ信号SLを発生するようになされる。VTOP信号はBK色の書込み位置を検出する際の基準となる。ラッチ信号SLはBK、Y、M、C色の書込み位置を示すものとなる。例えば、BK色の書込み位置はVTOP信号が立ち上がった時刻を基準にしてシステムクロック信号SCKをカウントすることで認識される。
計数回路54にはラッチ回路56が接続されており、マスク後の通過タイミングパルス信号Spに基づいてラッチ信号SLをラッチするようになされる。ラッチ回路56にはRAM57が接続されており、RAM57をロードするようになされる。RAM57はデータバス16を通じてCPU55に接続される。
一方、図2に示したレジストセンサ12はコンパレータ59に接続される。コンパレータ59にはD/A変換器58が接続され、CPU55からの閾値設定データDthをディジタル/アナログ変換して閾値Lthを発生する。コンパレータ59ではレジストセンサ12からの位置検出信号S2が閾値(制御基準値)Lthに基づいて二値化される。この例では使用環境に応じて最適に閾値Lthを校正するようになされる。二値化後の位置検出信号S2は通過タイミングパルス信号Spとなる。
コンパレータ59にはマスク回路515が接続されており、印画像以外の通過タイミングパルス信号Spをマスクするようになされる。マスク回路515にはラッチ回路56が接続されており、印画像以外をマスクされた通過タイミングパルス信号Spに基づいてラッチ信号SLを制御するようになされる。
また、レジストセンサ12にはA/D変換器514に接続され、パッチマークを当該レジストセンサ12で検出して得た濃度情報を含む位置検出信号S2’がアナログ/ディジタル変換される。A/D変換後の濃度検出データD1’はCPU55へ出力される。CPU55では濃度検出データD1’に基づいて閾値設定データDthが決定される。この閾値設定データDthを使用することで、カラーレジストマークCRの位置検出時の閾値Lthをリアルタイムに校正できるようになる。
インデックス遅延回路(以下で横倍補正部ともいう)510はCPU55に接続されており、上位の制御システムから供給されるY,M,C,BKの各色用のINDEX(クロック)信号を遅延制御データD10に基づいて遅延し可変して、Y,M,C,BKの各色用の遅延INDEX信号(delay YINDEX、delay MINDEX、delay CINDEX、delay KINDEX)を画像転写系Iへ出力するようになされる。
VV生成回路(以下で副走査補正部ともいう)511はCPU55に接続されており、副走査方向の書込み周期用のV−VALID(以下VVという)生成制御データD11に基づいてY,M,C,BKの各色の副走査周期信号であるY−VV、M−VV,C−VV,K−VV信号を各々生成し、これらのY−VV、M−VV,C−VV,K−VV信号を画像形成系IIへ出力するようになされる。Y−VV、M−VV,C−VV,K−VV信号の立ち上がりによって副走査方向の書込みが開始される。
HV生成回路(以下で主走査補正部ともいう)512はCPU55に接続されており、主走査方向の書込み周期用のH−VALID(以下HVという)生成制御データD12に基づいてY,M,C,BKの各色の主走査周期信号であるY−HV、M−HV,C−HV,K−HV信号を各々生成し、これらのY−HV、M−HV,C−HV,K−HV信号を画像形成系IIへ出力するようになされる。Y−HV、M−HV,C−HV,K−HV信号の立ち上がりによって主走査方向の書込みが開始される。
スキュー補正回路(以下でスキュー補正部ともいう)513はCPU55に接続されており、画像傾き補正用のスキュー補正データD13に基づいてY,M,Cの各色のスキュー補正信号S13(Y,M,C)を生成し、このY,M,Cの各色の信号S13(Y,M,C)を画像形成系IIへ出力するようになされる。スキュー補正回路513にはY、M、Cの各色用の画像書込み部3Y、3M、3Cに設けられたモータ9Y,9M,9Cが接続されており、例えば、スキュー補正信号S13(Y)に基づいて画像書込み部3Y等の姿勢を調整される。又は、これらの姿勢を調整するためにモータ9Yが制御される。
図4はY色用の画像書込み部3Y及びその補正手段5Yの構成例を示すイメージ図である。図4に示すY色用の画像書込み部3Yは半導体レーザ光源31、光学系32,33、ポリゴンミラー34、ポリゴンモータ35及びf(θ)レンズを有している。半導体レーザ光源31ではY色用の画像情報Dyに基づいてレーザ光が発生される。半導体レーザ光源31から出射されたレーザ光は光学系によって所定のビーム光に整形される。
このビーム光はポリゴンミラー34によって副走査方向に偏向される。ポリゴンミラー34は制御装置15からのYポリゴンCLKに基づき、ポリゴンモータ35によって回転される。ポリゴンミラー34によって偏向されるビーム光はf(θ)レンズ36によって感光体ドラム1Yの方へ結像される。この動作により、感光体ドラム1YにレジストマークCR等の静電潜像を形成するようになされる。
この画像書込み部3Yには補正手段5Yが設けられる。補正手段5Yはレンズ保持機構41、f(θ)調整機構42及び光軸調整機構43等を有している。この例で色ずれ量の算出に関しては、BK色のレジストマークCRを基準にしている。Y,M,C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整するためである。補正内容は、例えば、次のi〜vの5つある。補正内容のうち、i〜iiiは画像データを補正することにより実現され、iv及びvはモータを駆動し、実際に、書込み部3Y,3M,3C,3Kを駆動して調整するようになされる。
i.主走査補正処理
この処理は、Y,M,C、BK色の色画像の主走査方向の書出し位置を揃える補正である。例えば、Y色の書込み位置補正に関しては、BK色のレジストマークCRの主走査書込みタイミングと、Y色のレジストマークCRの主走査書込みタイミングとを検知し、Y色のレジストマークCRの書込みタイミングをBK色のレジストマークCRの書込み位置に換算した際のずれ量からその補正量を算出する。この補正量に基づいて、主走査方向のBK色のレジストマークCRの書込み位置と、Y,M,C色の色画像の書込み位置とが機械の画像形成位置に合わせられる。
ii.副走査補正処理
この処理は、Y,M,C、BK色の色画像の副走査方向における書出し位置を揃える補正である。例えば、Y色の書込み位置調整に関しては、BK色のレジストマークCRの副走査書込みタイミングと、Y色のレジストマークCRの副走査書込みタイミングとを検知し、Y色のレジストマークCRの書込みタイミングをBK色のレジストマークCRの書込み位置に換算した際のずれ量からその補正量を算出する。この補正量に基づいて、この補正量に基づいて、副走査方向のBK色のレジストマークCRの書込み位置と、Y,M,C色の色画像の書込み位置とが機械の画像形成位置に合わせられる。
iii.全体横倍補正処理
この処理は、Y,M,C,BK色の色画像の全体における画像形成位置を揃える補正である。例えば、画像クロック信号の周期を調整して、レーザ発光タイミングを調整し、この調整に基づいて全体横倍ずれ量を補正するようになされる。
iv.部分横倍補正処理
この処理は、各書込み部3Y,3M,3C等の水平位置(方向)の傾きを調整する補正である。例えば、図3に示した書込み部3Yのレンズ保持機構41にはf(θ)レンズ36が取り付けられている。レンズ保持機構41はf(θ)調整機構42に対して可動自在に取り付けられる。f(θ)調整機構42では制御装置15から出力された、回転成分を含む位置補正信号Syに基づいてレンズ保持機構41をX−Y(水平)方向に移動調整するようになされる。このf(θ)調整機構42にはアクチュエータ(圧電素子)やモータ制御等により具現化される。感光体ドラム1Yに対する書込み部3Yの水平位置の傾きを調整するためである。他の画像形成ユニット10M,10Cにおいても同様な処理がなされる。
v.スキュー補正処理
この処理は、各画像書込み部3Y,3M,3C等の垂直位置の傾きを調整する補正である。例えば、図3に示したモータ9Yでは位置補正信号S13(Y)に基づいて画像書込み部3Yの姿勢を調整するようになされる。感光体ドラム1Yに対する画像書込み部3Yの垂直位置の傾きを調整するためである。他の画像形成ユニット10M,10Cにおいても同様な処理がなされる。
この例ではカラーレジストマークCRの位置検出用の制御基準値を校正するために、予め画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを介して中間転写ベルト6にパッチマークが形成される。制御基準値は、中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストの通過タイミングを検出する際の二値化しき値レベルであり、以下で単に閾値Lthという。
図5はトナー濃度センサ11及びレジストセンサ12A,12Bの配置例を示す斜視図である。図5において、レジストセンサ12A,12Bは中間転写ベルト6の幅方向に沿った両端の上部に設けられる。中間転写ベルト6の幅方向は、主走査方向でもある。主走査方向とは、各々の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにおいて、レーザ光を感光体ドラムに走査する方向をいう。レジストセンサ12Aの上流側にはトナー濃度センサ11が取り付けられる。トナー濃度センサ11及びレジストセンサ12は、中間転写ベルト6の走行方向(副走査方向)の所定位置に連続して(並べて)取り付けられる。制御装置15では、予め色濃度補正用のパッチマークPmを形成するように例えば、画像形成ユニット10Kを制御して濃度の異なるパッチ(1)出力〜パッチ(4)出力を中間転写ベルト6に形成する。
そして、中間転写ベルト6が一周する間に形成されたパッチマークPmの濃度がトナー濃度センサ11によって検出され、色画像の濃度を調整する色補正制御を実行すると共に、中間転写ベルト6に形成されたパッチマークPmの濃度がレジストセンサ12A等により連続して検出される。その後、パッチマークPmの濃度に基づいて色重ね合わせ用のカラーレジストの濃度が調整される。
図6はレジストセンサ12A等によるパッチマークPmの濃度検知例を示す波形図である。図7A及びBはレジストセンサ12A等による濃度情報を含む位置検出信号S2’の波形例を示す図である。図6、図7A及びBにおいて、いずれも横軸は時間tであり、縦軸はレジストセンサ12A等による濃度情報を含む位置検出信号S2’の信号レベルである。
上述した画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kでは濃度の異なる何種類かのパッチマークPmが中間転写ベルト6に形成される。図6に示す実線は濃度の異なる4つのパッチマークPmの濃度検知時の波形である。パッチマークPmの濃度が薄い場合は図7Aに示すように濃度情報を含む位置検出信号S2’の波形が鋭くなる。その半値幅w1が狭くなる。パッチマークPmの濃度が濃い場合は図7Bに示すように濃度情報を含む位置検出信号S2’の波形が鈍くなる。半値幅w2が広くなる。
この例でパッチマークPmの形成部分の濃度情報を含む位置検出信号S2’に関して、4つのパッチマークPm=パッチ(1)出力〜パッチ(4)出力の濃度情報を含む位置検出信号S2’の内、最も信号レベルが低くなる濃度を検出する。
図6に示した例ではパッチ(1)出力の濃度が最も薄くパッチ(4)出力が最も濃い。パッチマークPmの濃度が変動した場合に、濃度が薄くなっても、濃度が高くなりすぎても、下地との関係で反射光量が高くなってしまう場合が有る。この例では、パッチ(1)出力>パッチ(2)出力>パッチ(4)出力>パッチ(3)出力となってパッチ(3)出力が最も低い。パッチマークPmはレジストセンサ12A等で検出できるものであればどのようなパターン形状でもよい。
図8はレジストセンサ12A等によるパッチマークPmの濃度検知に基づく閾値設定例を示す波形図である。図8において、横軸は時間tであり、縦軸はレジストセンサ12A等による濃度情報を含む位置検出信号S2’の信号レベルである。
図8に示す実線は前記最も低いパッチマークPm(パッチ(3))と非形成部の検知時の波形である。図8において、レジストセンサ12から出力されるパッチマークの非形成部分の位置検出信号S2’の最小値及び当該パッチマークの形成部分に係る最大値を検出し、この濃度情報を含む位置検出信号S2’の最小値及び最大値に基づいて平均値を演算する。このように、閾値Lthが2つの出力レベルの中央(センタ)になるように設定することで、検知安定性を高めることができる。この閾値Lthは中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストがレジストセンサ12下を通過する際の通過タイミングの検出に使用される。
図9はレジストセンサ12A,12BによるカラーレジストマークCRの検知例を示す斜視図である。図9において、パッチマーク検出後、中間転写ベルト6が次に一周する間に濃度調整された例えば、「フ」字状のカラーレジストマークCRを形成するように画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが制御される。中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCRの位置はレジストセンサ12A,12Bによって検出される。そして、制御装置15ではカラーレジストマークCRの位置に基づいて色画像の形成位置を調整する色重ね合わせ制御を実行するようになる。
図10A及びBはレジストセンサ12A等による位置検出信号S2の二値化例を示す図である。図10Aにおいてレジストセンサ12A等により得られる位置検出信号S2は図8において演算された閾値Lthに基づいて二値化される。この例では、位置検出信号S2が立ち下がるa点が閾値Lthをクロスする時刻taに通過タイミングパルス信号Spが立ち上がり、位置検出信号S2が立ち上がるb点が閾値Lthをクロスする時刻tbに通過タイミングパルス信号Spが立ち下がる。この通過タイミングパルス信号Spは図3に示したコンパレータ59からマスク回路515を経てラッチ回路56へ出力され、色画像の位置ずれを調整するための基準に使用される。BK色の書込み位置に対するY,M,C色の書き込み位置のずれ量を算出するためである。
続いて、第1の画像形成方法についてカラー画像形成装置100の動作例について説明をする。図11はカラー画像形成装置100の動作例を示すフローチャートである。
この実施例では画像転写系Iに中間転写ベルト6が設けられる場合であって、任意の画像情報に基づいて色を重ね合わせ、この中間転写ベルト6に色画像を形成する前に、カラーレジストマークCRの位置に基づいて色画像の形成位置を調整する場合を前提とする。更に、色画像の形成位置を調整する前に、カラーレジストマークCRの位置検出時の閾値Lthをリアルタイムに校正する場合を例に挙げる。トナー濃度センサ11(第1の検出系)及びレジストセンサ12A,12B(第2の検出系)は中間転写ベルト6の走行方向(ベルト進行方向)に同位相となる位置に連続して取り付けられている。
これを画像形成条件にして、図11のフローチャートのステップA1〜A3でレジストセンサ12A,12B等の初期調整を行い、その後、ステップA4〜A8で書込み位置調整をするようになされる。この初期調整では下地のセンサ出力との濃度検出用のマークのセンサ出力から最適な閾値Lthが決定される。
この例では、ステップA1で中間転写ベルト6に色濃度補正用のパッチマークPmを形成する。このとき、画像形成ユニット10Y,10M,10C又は10Kでは図5に示したように濃度の異なる何種類かのパッチマークPmが中間転写ベルト6に形成される。その後、ステップA2に移行して中間転写ベルト6に形成されたパッチマークPmの濃度をレジストセンサ12A等で検出する。例えば、レジストセンサ12Aで検出された濃度情報を含む位置検出信号S2’は図6に示すようになる。
更に、ステップA3に移行してレジストセンサ12Aから出力されるパッチマークPmの濃度情報を含む位置検出信号S2’に基づいてカラーレジストマークCRの位置検出時の閾値Lthを校正する。閾値Lthは図8に示した演算で校正する。このとき、制御装置15ではレジストセンサ12A等から出力されるパッチマークPmの形成部分の濃度情報を含む位置検出信号S2’の最大値(MAX)及びその非形成部分の最小値(MIN)が検出され、濃度情報を含む位置検出信号S2’の最大値及び最小値に基づいて平均値が演算される。パッチマークPmの非形成部分の濃度情報を含む位置検出信号S2’は中間転写ベルト6の下地を反映するものである。
この平均値がレジストセンサ12の閾値Lthとなされる。また、パッチマークPmの濃度に基づいて色重ね合わせ用のカラーレジストマークCRの濃度も調整するようになされる。ここで検出されたパッチマークPmの濃度によりカラーレジストマークCRを形成することで、カラーレジストマークCRの濃度をレジストセンサ12の検出に最も最適にできる。また、カラーレジストマーク形成時のトナー消費量と調整時間を削減できる。
そして、濃度調整されたカラーレジストマークCR(印画像)をステップA4で中間転写ベルト6に形成する。その後、中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCRの位置をステップA5でレジストセンサ12によって検出される。このとき、図10Aに示した閾値Lthに基づいてカラーレジストマークCRの通過タイミングが検出される。その後、ステップA6で通過タイミングに基づいて色ずれ量を算出する。カラーレジストマークCRの位置に基づいて色画像の形成位置を調整するためである。
そして、ステップA7に移行して色ずれ量と目標値と比較する。色ずれ量が目標値以下の場合は色画像の形成位置を調整することなく処理を終了する。色ずれ量が目標値を越える場合はステップA8に移行して色ずれ補正をする。この色ずれ補正では、例えば、Y色用の補正手段5Yにおいて、BK色のレジストマークとの演算した色ずれ分だけ、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。これにより、感光体ドラム1YへのY色の画像形成位置を調整することができる。
そして、ステップA4に戻って上述した処理を繰り返す。例えば、C色用の補正手段5Cにおいて、BK色のレジストマークCRを基準にして、C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整される。この補正では、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。これにより、感光体ドラム1CへのC色用の画像形成位置を調整することができる。同様にして、M色についても、色ずれ補正処理がなされる。色ずれ量を零にすることで、色画像の形成位置を最適に調整するためである。その後は、従来方式と同様にして画像形成位置が最適に調整された画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによって色画像が中間転写ベルト6に形成される。
このように、本発明に係る第1の実施形態としてのカラー画像形成装置100及び画像形成方法によれば、レジストセンサ12で色濃度補正用のパッチマークPmの濃度を検出し、当該レジストセンサ12から出力されるパッチマークPmの濃度情報を含む位置検出信号S2’に基づいて制御装置15でカラーレジストマークCRの位置検出用の閾値Lthを校正するようになされる。
従って、カラーレジストマークCRの位置検出用の閾値Lthを使用環境に応じて中間転写ベルト6又は画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの使用状態に合わせ込むような補正することができる。しかも、カラーレジストマークの濃度を最適化できるので、カラーマーク検知処理の高い精度を確保することができる。
これにより、中間転写ベルト6における反射光量の変動や、センサ発光量の低減等により使用環境が経時的に変化した場合であっても、本来のカラーレジストマークCRの位置を正確に検出できるので、高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整することができる。従って、中間転写ベルト6で正確に色を重ね合わせることができるので、所望の用紙Pに色画像を精度良く転写することができる。
(2)第2の実施形態
図12は本発明に係る第2の実施形態としてのカラー画像形成装置200の画像転写及び画像形成系の構成例を示すブロック図である。
この実施形態では任意の画像情報に基づいて色を重ね合わせ色画像を形成する場合に、色重ね合わせ用の印画像を反転した反転印画像に基づいて中間転写ベルト6及び画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御する制御装置15を備え、少なくとも、予め反転印画像を中間転写ベルト6に形成し、その後、この反転印画像の色抜け部分が成す印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整し、メンテナンスや部品消耗等の経時的な変化により中間転写ベルト6に傷等が生じた場合であっても、所望の用紙Pに色画像を精度良く転写できるようにしたものである。
図12に示すカラー画像形成装置200は任意の画像情報に基づいて色を重ね合わせ色画像を形成する装置である。当該装置200は中間転写ベルト6を有しており、色画像を所望の用紙Pに転写するようになされる。この中間転写ベルト6に沿って画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが設けられ、色画像を形成するようになされる。中間転写ベルト6の例えば、左側には検出手段の一例となるレジストセンサ12が取り付けられ、中間転写ベルト6に形成された色画像の位置を検出するようになされる。
レジストセンサ12には制御装置15が接続されており、このレジストセンサ12の出力に基づいて中間転写ベルト6及び画像形成ユニット10Y,10M,10Cを制御するようになされる。制御装置15では少なくとも、予め色重ね合わせ用の印画像を反転した反転カラーレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成し、この中間転写ベルト6に形成された反転カラーレジストマークCRの色抜け部分が成す印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するように画像形成ユニット10Y,10M,10Cを制御する。例えば、制御装置15ではレジストセンサ12A等の出力に基づき、BK色のカラーレジストパターンCRを基準として他のC,M,Y色用の画像形成ユニット10C,10M,10Yが制御される。この制御によって、BK色の書込み位置に合うようにC,M,Y色の書込み位置が調整される。
制御装置15には記憶装置14が接続されており、色重ね合わせ用の印画像を反転するための複数種類の反転印画像情報(以下で反転印画像データDpという)が格納される。もちろん、これに限られることはなく、色重ね合わせ用の印画像を形成するための印画像情報を記憶装置14に格納しておき、カラーレジストマーク検知時に、印画像情報及びパターン幅に基づいて反転印画像データDpを作成するようにしてもよい。反転印画像データDpに基づいて印画像を反転した反転カラーレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成するためである。
この例で中間転写ベルト6にY色用のトナー像を形成する現像装置4Yが画像形成ユニット10Yに備えられ、M色用のトナー像を形成する現像装置4Mが画像形成ユニット10に備えられ、C色用のトナー像を形成する現像装置4Cが画像形成ユニット10Cに備えられ、BK色用のトナー像を形成する現像装置4Kが画像形成ユニット10Kに備えられ、これらの現像装置4Y,4M,4C,4Kによって中間転写ベルト6に形成されたY色、M色、C色及びBK色のトナー像部分が各々反転カラーレジストマークCR’を構成し、トナー像を形成しない色抜け部分が印画像を構成するようになる。なお、第1の実施形態と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
図13A及びBは印画像及び反転印画像の構成例を示すイメージ図である。図13Aに示すカラーレジストマークCRは印画像の一例であり、カラー画像形成装置100で適用したパターンである。カラーレジストマークCRは中間転写ベルト6の幅方向を主走査方向とし、この主走査方向に直交する方向を副走査方向(走行方向)としたとき、主走査方向に平行な線画及び副走査方向に直交しない斜線画を組み合わせて構成される。カラーレジストマークCRがレジストセンサ12下を通過するときのタイミングを検知するためである。
図13Bに示す反転カラーレジストパターンCR(上線バーを省略する)は反転印画像の一例であり、色抜け部分により形成される印画像の全体を取り囲む矩形状のパターンを構成するようになる。この反転カラーレジストマークCRは図12で説明したカラー画像形成装置200で適用するものである。図13Bにおいて、Wsは反転カラーレジストマークCRの主走査方向のパターン幅であり、主走査方向でトナー像を形成する範囲である。Wmは、反転カラーレジストマークCRの副走査方向のパターン幅であり、副走査方向でトナー像を形成する範囲である。
図13Aに示したカラーレジストの形成方法では、中間転写ベルト6の経時的な変化によって、トナーが載っていない部分に、ベルト傷等が生じた場合、レジストセンサ12A等において、ベルト傷が雑音となって誤検知される場合が考えられ、S/N比を落とす原因となる。そこで、本発明方式の図13Bに示した反転カラーレジストを用いることで、ベルト傷を覆うことができるようになる。
この例で反転カラーレジストマークCRの色抜け部分が成す印画像に係る位置検出信号S2がレジストセンサ12から出力される。位置検出信号S2はその色抜け部分のエッジを検出することで得られ、非反転印画像の場合と同じように画像処理をするには、この位置検出信号S2のエッジ検出論理を逆にするだけでよい。
具体的にはレジストセンサ12の出力にインバータを接続して信号論理を反転し、この位置検出信号S2に関しては色抜け部分以外をハード的にマスクするようになされる。これは中間転写ベルト6において一様にトナー像で覆う範囲が副走査方向で制限された場合に、トナーで覆わない部分、すなわち、印画像の位置を精度良く検出するためである。
この例で画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによって、中間転写ベルト6の主走査方向及び副走査方向に任意のパターン幅Wsを有するように反転カラーレジストマークCRが形成され、反転カラーレジストマークCRのパターン幅Wsは副走査方向で任意に可変される。カラーレジストマーク検知に係るトナーの消費量を減らすためである。
図14はBK,C,M,Y色用の反転カラーレジストマークCRの形成例を示すイメージ図である。
図14に示すBK色用の反転カラーレジストマークCR(以下で単にBK色反転パターンPKという)、C色用の反転カラーレジストマークCR(以下で単にC色反転パターンPCという)、M色用の反転カラーレジストマークCR(以下で単にM色反転パターンPMという)、Y色用の反転カラーレジストマークCR(以下で単にY色反転パターンPYという)は中間転写ベルト6の副走査方向に並べて形成したパターン例である。
各色反転パターンPK,PC,PM,PYは2つのレジストセンサ12A,12Bによって検出される場合を示している。レジストセンサ12Aは走行方向に向かって中間転写ベルト6上の右側に設けられ、レジストセンサ12Bは中間転写ベルト6上の左側に設けられる。波線は中間転写ベルト6が回転することによる各々のレジストセンサ12A,12Bの見かけ上の軌跡である。
このパターン例ではBK色反転パターンPKが主走査方向で連続し、全面一様なトナー像の上にマーク部を色抜けとして形成されており、レジストセンサ12A及び12Bによって検出される。このように、BK色反転パターンPK等を主走査方向で連続して全面一様に形成すると、トナーの消費量が多くなる。そこで、C色用や、M色用あるいはY色用の反転パターンPC,PM,PYのようにパターン幅Wsを制限し、マーク部分だけに一様なトナー像を形成するとよい。トナーの消費量を少なく抑えることができる。
M色用の反転パターンPMの例では印画像の幅よりも、その反転パターンPMのパターン幅Wsを小さくした場合である。この場合はトナーの消費量を最小限に抑えることができる。反転パターンPMは色抜け部分を仕切る複数の部分図形パターンを並べたような構成となり、色抜け部分により形成される印画像の全体を取り囲む矩形状のパターン構成のBK、C、Y色の各々の反転パターンPK,PC,PYと異なっている。なお、図14に示した反転パターンPK、PM、PC及びPYでは、各色毎にパターン幅Wsを変えているが、トナー消費量を最低限とするよう設定値で全色のパターン幅Wsを同じ値に設定にしてもよい。
これらの複数種類の反転パターンPY、PM、PC,PKを形成するための反転印画像データDpは記憶装置14に格納するようになされる。制御装置15で中間転写ベルト6の使用状態に応じて反転パターンPY、PM、PC,PKを選択するようにするとよい。
また、中間転写ベルト6の走行方向(副走査方向)に二以上の反転カラーレジストを並べて形成する場合に、制御装置15によって中間転写ベルト6に形成される一方の反転カラーレジストの下部と、他方の反転カラーレジストの上部とを重なるように、例えば、1画素が重なるように画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御する。
これにより、図14に示すM色用の反転パターンPMとY色用の反転パターンPYの例のように、中間転写ベルト6で一様にトナーで覆う範囲に関してM色用のトナー像と、Y色用のトナー像とをオーバーラップさせることができる。このようにすると、印画像のハード的な読み取りを容易に制限ができるばかりか、色重ね合わせ後の色画像の濃度を確認することもできる。
続いて、第2の画像形成方法についてはカラー画像形成装置200の動作例について説明をする。図15はカラー画像形成装置200の動作例を示すフローチャートである。
この実施形態では任意の画像情報に基づいて色を重ね合わせ中間転写ベルト6に色画像を形成する場合であって、予め色重ね合わせ用の印画像を反転するための反転印画像データDpを準備する。反転印画像データDpはROM等の記憶装置14から読み出される。もちろん、カラーレジストマーク検知時に、印画像情報及びパターン幅に基づいて反転印画像データDpを作成するようにしてもよい。BK色を基準にしてC,M,Y色の順に色ずれ補正をする場合を例に採る。色ずれ補正はBK色の書込み位置を基準にしてY,M,C色の書込み位置を修正するようになされる。
これを画像形成条件にして図15に示すフローチャートのステップB1で反転印画像データDpに基づき当該色の反転カラーレジストマークCRを形成する。この例では最初に画像形成ユニット10Kにより感光体ドラム1KにBK色反転パターンPKを形成する。その後、ステップB2に移行して感光体ドラムから中間転写ベルト6へ反転カラーレジストマークCRを転写する。この例では感光体ドラム1Kから中間転写ベルト6にBK色反転パターンPKを形成する。
この例で反転印画像データDpに基づいて中間転写ベルト6にトナー像を形成したとき、中間転写ベルト6に形成されたトナー像部分がBK色反転パターンPK(反転カラーレジストマーク)を構成し、トナー像を形成しない色抜け部分が印画像を構成するようになる。そして、中間転写ベルト6に形成されたBK色反転パターンPKの色抜け部分が成す印画像の位置をステップB3でレジストセンサ12A等により検出するようになされる。
更に、ステップB4で色抜け部分が成す印画像の位置に基づいて制御装置15ではBK色ずれ量以外のY,M,C色のずれ量の補正値を演算するようになされる。その後、ステップB5に移行して色ずれ補正を実行するか否かが制御装置15によって判断される。BK色は基準なので色ずれ補正はしない。色ずれ補正を実行するか否かは、予め設定された制御目標値と比較することで判断される。
この例でBK色は色ずれ補正を実行しないので、ステップB6に移行する。
ステップB6でBK色及び、色ずれ量が目標値以下で色ずれ補正を要しない場合はステップB7に移行して、他の色について、カラーレジストマーク検知を行うかが判別される。他の色、つまり、Y、M,C色についてカラーレジストマーク検知を行うのでステップB1に戻る。
そして、ステップB1で反転印画像データDpに基づき画像形成ユニット10Yにより感光体ドラム1YにM色反転パターンPYを形成し、ステップB2で感光体ドラム1Yから中間転写ベルト6にY色反転パターンPYを形成し、ステップB3でY色反転パターンPYの色抜け部分が成す印画像の位置をレジストセンサ12A等により検出する。
更に、ステップB4で色抜け部分が成す印画像の位置に基づいて制御装置15ではY色ずれ量の補正値を演算するようになされる。このとき、各色の色ずれ量が目標値を越え、色ずれ補正を要する場合、制御装置15は、BK色のレジストマークを基準として、Y,M,C色のレジストマークがBK色のレジストマークに対してずれている量を算出し、ずれ量を求める。Y色は色ずれ補正の対象である。従って、制御装置15では、BK色のカラーレジストマークCRの書込み位置と、Y色のカラーレジストマークCRの書込み位置とを検知し、Y色のカラーレジストマークCRの書込み位置をBK色のカラーレジストマークCRの書込み位置に換算した際のずれ量からその補正量を算出する。
その後、ステップB5に移行して色ずれ補正を実行するか否かが制御装置15によって判断される。色ずれ補正を実行するか否かは、予め設定された制御目標値と比較することで判断される。色ずれ補正を実行する場合、制御装置15は、画像書込み部3Yのポリゴン駆動回路53から出力されるYポリゴンCLK、を補正手段5Yによって補正し、補正手段5Yは、Y−VV、Y−HV信号を各々補正してステップB6に移行する。そして、制御装置15によって画像書込み部3Yが制御される。
このとき、Y色用の補正手段5Yにおいて、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。これにより、感光体ドラム1YへのY色用の画像形成位置を調整することができる。その後、ステップB7に移行して、他の色について、カラーレジストマーク検知を行うかが判別される。この例では、M色及びC色についてカラーレジストマーク検知を行うのでステップB1に戻る。
ステップB1で反転印画像データDpに基づき画像形成ユニット10Mにより感光体ドラム1MにM色反転パターンPMを形成し、ステップB2で感光体ドラム1Mから中間転写ベルト6にM色反転パターンPMを形成し、ステップB3でM色反転パターンPMの色抜け部分が成す印画像の位置をレジストセンサ12A等により検出する。
更に、ステップB4で色抜け部分が成す印画像の位置に基づいて制御装置15ではM色ずれ量の補正値を演算するようになされる。このとき、制御装置15では、BK色のカラーレジストマークCRの書込み位置と、M色のカラーレジストマークCRの書込み位置とを検知し、M色のカラーレジストマークCRの書込み位置をBK色のカラーレジストマークCRの書込み位置に換算した際のずれ量からその補正量を算出する。
その後、ステップB5に移行して色ずれ補正を実行するかが制御装置15によって判断される。色ずれ補正を実行するか否かは、Y色と同様にして予め設定された制御目標値と比較することで判断される。色ずれ量が目標値を越え、色ずれ補正を要する場合はステップB6に移行し、制御装置15によって画像書込み部3Mが制御される。このとき、M色用の補正手段5Mにおいて、BK色のレジストマークCRを基準にして、M色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整される。この補正では、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。これにより、感光体ドラム1MへのM色用の画像形成位置を調整することができる。
また、ステップB1で反転印画像データDpに基づき画像形成ユニット10Cにより感光体ドラム1CにM色反転パターンPCを形成し、ステップB2で感光体ドラム1Cから中間転写ベルト6にC色反転パターンPCを形成し、ステップB3でC色反転パターンPCの色抜け部分が成す印画像の位置をレジストセンサ12A等により検出する。
更に、ステップB4で色抜け部分が成す印画像の位置に基づいて制御装置15ではC色ずれ量の補正値を演算するようになされる。このとき、制御装置15では、BK色のカラーレジストマークCRの書込み位置と、C色のカラーレジストマークCRの書込み位置とを検知し、C色のカラーレジストマークCRの書込み位置をBK色のカラーレジストマークCRの書込み位置に換算した際のずれ量からその補正量を算出する。
その後、ステップB5に移行して色ずれ補正を実行するかが制御装置15によって判断される。色ずれ補正を実行するか否かは、予め設定された制御目標値と比較することで判断される。
色ずれ量が目標値を越え、色ずれ補正を要する場合はステップB6に移行し、制御装置15によって画像書込み部3Cが制御される。このとき、C色用の補正手段5Cにおいて、BK色のレジストマークCRを基準にして、C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整される。この補正では、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。これにより、感光体ドラム1CへのC色用の画像形成位置を調整することができ、色画像の形成位置を調整することができる。
このように、本発明に係る第2の実施形態としてのカラー画像形成装置及び画像形成方法によれば、制御装置15では予めBK色反転パターンPKを中間転写ベルト6に形成し、その後、この中間転写ベルト6に形成されたC色反転パターンPCの色抜け部分が成す印画像の位置に基づいてC色画像の形成位置を調整するように画像書込み部3Cを制御するようになされる。M,Y色についても同様にして調整するように画像書込み部3M及び画像書込み部3Yを制御するようになされる。
従って、印画像を成す色抜け部分以外をY,M,C,BK色等の反転カラーレジスト(トナー像)により覆い隠すことができるので、メンテナンスや部品消耗等の経時的な変化により中間転写ベルト6に傷等が生じた場合であっても、本来の印画像の位置を正確に検出することができる。
これにより、傷等による雑音信号が重畳されない高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整することができる。しかも、色ずれ値の算出には、従来方式の構成をほとんど変更することなく、位置検出信号S2のエッジ検出論理を逆にするだけで、そのまま使用できる。また、反転カラーレジストマークCR以外の部分の読み込みをハード的に制限したので、トナーの消費量も抑えることができた。従って、中間転写ベルト6に正確に色を重ね合わせることができるので、経時的な変化に左右されることなく、所望の用紙Pに色画像を精度良く転写することができる。
(3)第3の実施形態
図16は本発明に係る第3の実施形態としてのカラー画像形成装置300の画像転写及び画像形成系の構成例を示すブロック図である。
この実施形態では色画像の位置検出に基づいて中間転写ベルト6及び画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御する制御装置15を備え、中間転写ベルト6の使用状況に応じて色重ね合わせ用の印画像又は該印画像を反転した反転カラーレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成し、この中間転写ベルト6に形成された非反転カラーレジストマーク又は反転カラーレジストマークの色抜け部分が成す印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するように画像形成ユニット10Y,10M,10Cを制御するものである。
これによって、中間転写ベルト6を新規に使用する場合や、当該中間転写ベルト6を新品と交換した場合に、印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整できるようになる。これと共に、メンテナンスや部品消耗等の経時的な変化により中間転写ベルト6に傷等が生じた場合も、傷等による雑音信号が重畳されない高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整できるようにしたものである。
図16に示すカラー画像形成装置300は任意の画像情報に基づいて色を重ね合わせ色画像を形成する装置である。当該装置300は中間転写ベルト6を有しており、色画像を所望の用紙Pに転写するようになされる。この中間転写ベルト6に沿って画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが設けられ、色画像を形成するようになされる。中間転写ベルト6の例えば、走行方向には検出手段の一例となるレジストセンサ12が取り付けられ、中間転写ベルト6に形成された色画像の位置を検出するようになされる。
レジストセンサ12には制御装置15が接続されており、このレジストセンサ12の出力に基づいて中間転写ベルト6及び画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御するようになされる。制御装置15は少なくとも、中間転写ベルト6の使用状況に応じて、色重ね合わせ用の印画像又は該印画像を反転した反転カラーレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成し、この中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCR又は反転カラーレジストマークCRの色抜け部分が成すカラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するように画像形成ユニット10Y,10M,10Cを制御する。
制御装置15には記憶装置14が接続されており、カラーレジストマークCRを形成するための印画像情報及び反転カラーレジストマークCRを形成するための反転印画像データDpを記憶するようになされる。もちろん、これに限られることはなく、色重ね合わせ用の印画像を形成するための印画像情報を記憶装置14に格納しておき、カラーレジストマークCR検知時に、印画像情報及びパターン幅に基づいて反転印画像データDpを作成するようにしてもよい。反転印画像データDpに基づいて印画像を反転した反転カラーレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成するためである。
この例でレジストセンサ12は、中間転写ベルト6の走行方向を副走査方向とし、副走査方向に直交する方向を主走査方向としたとき、主走査方向に複数個が並べて取り付けられる。この例では、3個のレジストセンサ12A,12B,12Cが設けられ、レジストセンサ12A,12B,12C毎にカラーレジストマークCR又は反転カラーレジストマークCRを形成するための印画像情報又は反印画情報を記憶装置14から選択することができる。
この例で中間転写ベルト6にY色用のトナー像を形成する現像装置4Yが画像形成ユニット10Yに備えられ、M色用のトナー像を形成する現像装置4Mが画像形成ユニット10に備えられ、C色用のトナー像を形成する現像装置4Cが画像形成ユニット10Cに備えられ、BK色用のトナー像を形成する現像装置4Kが画像形成ユニット10Kに備えられ、これらの現像装置4Y,4M,4C,4Kによって中間転写ベルト6に形成されたY色、M色、C色及びBK色のトナー像部分が各々反転カラーレジストマークCRを構成し、トナー像を形成しない色抜け部分が印画像を構成するようになる。なお、第1の実施形態と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
制御装置15は中間転写ベルト6のレジストマーク形成面の表面状態をレジストセンサ12で検出すると共に、レジストセンサ12の出力に基づいて中間転写ベルト6の表面状態の良否を判断し記憶装置14の情報選択読出し制御をする。この例でレジストセンサ12、記憶装置14及び制御装置15によってマーク検知可否判断手段80を構成する。
マーク検知可否判断手段80ではレジストセンサ12で中間転写ベルト6のレジストマーク形成面の表面状態を検出し、制御装置15では検知不可フラグFGが準備される。この検知不可フラグはカラーレジストマーク検知時にレジストセンサ12A等で誤検知するかどうかの判断基準として使用される。
この例で制御装置15はレジストセンサ12の検出出力を入力し、中間転写ベルト6の表面状態に対応してレジストマーク形成面にカラーレジストマークCR又は該カラーレジストマークCRを反転した反転カラーレジストマークCRを形成するように画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御する。
ここで印画像情報に基づいてカラーレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成(以下で第1マーク作成方法ともいう)し、この中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整する処理を第1調整モードとする。また、反転印画像データDpに基づいて反転カラーレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成(以下で第2マーク作成方法ともいう)し、この中間転写ベルト6に形成された反転カラーレジストマークCRの色抜け部分が成す印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整する処理を第2調整モードとする。
この制御装置15には操作手段18や表示装置29が接続され、第1調整モード又は第2調整モードのいずれかを設定(選択)するように操作される。制御装置15では操作手段18の出力に基づいて中間転写ベルト6や画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K等を制御するようになされる。表示装置29には画像形成時の設定画面が表示される。表示装置29には操作手段18を取り込んだタッチパネルが使用される。
例えば、制御装置15ではレジストマーク形成面の表面状態が良好である場合又は第1調整モードが設定された場合は、第1マーク作成方法によりカラーレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成し、この中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するようになされる。
また、レジストマーク形成面に表面状態が予め定めた基準値よりも劣る場合又は第2調整モードが設定された場合は、第2マーク作成方法により反転カラーレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成し、この中間転写ベルト6に形成された反転カラーレジストマークCRの色抜け部分が成すカラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するようになされる。
この例では更に中間転写ベルト6には新品検知用のヒューズFが設けられる。このヒューズFは識別回路19に接続されている。識別回路19は例えば制御装置15に設けられ、このヒューズFの溶断有無に基づく新品検知信号を出力すると共に、外部設定信号に基づいてヒューズFを溶断するようになされる。
この例で制御装置15は中間転写ベルト6の識別回路19から得られる新品検知信号に基づいて中間転写ベルト6のレジストマーク形成面にカラーレジストマークCR又は該カラーレジストマークCRを反転した反転カラーレジストマークCRを形成するように画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御する。
また、第2調整モードに基づいて制御装置15が既に画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御していた場合であって、識別回路19から得られた新品検知信号Sndが「中間転写ベルト6は新品である」を示す場合に第2調整モードから第1調整モードに切り替えて画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御するようになされる。マーク作成方法を第2から第1へ切換えるためである。
図17は制御装置15の位置ずれ制御系及び画像形成制御系の内部構成例を示すブロック図である。
図17に示す制御装置15は図3に示した位置ずれ制御系に画像形成制御系を加えたものであり、画像形成制御系として画像形成制御部13及び識別回路19と、位置ずれ制御系としてCPU55、RAM57、横倍補正部510、副走査補正部511、主走査補正部512、スキュー補正部513、マスク回路515及び信号検知回路516とを備えている。信号検知回路516は図3に示した発振器51、分周器52、ポリゴン駆動回路53、計数回路54、ラッチ回路56、D/A変換器58、コンパレータ59から構成されている。
CPU55は論理演算部551、ずれ量検出部552及び補正値算出部553を有している。論理演算部551ではRAM57からデータを読み出して論理演算するようになされる。ずれ量検出部552では色ずれ量を検出して色ずれ検出値を出力するようになされる。補正値算出部553では色ずれ検出値に基づいて書込み位置補正用の遅延制御データD10、VV生成制御データD11、VH生成制御データD12及びスキュー補正データD13等の補正値を算出するようになされる。
遅延制御データD10は補正値算出部553から横倍補正部510へ出力される。VV生成制御データD11は補正値算出部553から副走査補正部511へ出力される。VH生成制御データD12は補正値算出部553から主走査補正部512へ出力される。スキュー補正データD13は補正値算出部553からスキュー補正部513へ出力される。なお、図3に示した制御装置15と同じ名称及び同じ記号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
画像形成制御部13では任意の画像情報Dinを画像処理してY色用の画像情報Dyを分離して画像書き込み部(露光手段)3Yへ出力する。同様にして、画像書き込み部3MへM色用の画像情報Dmを出力し、画像書き込み部3CへC色用の画像情報Dcを出力し、画像書き込み部3KへBK色用の画像情報Dkを出力するようになされる。
画像形成制御部13には図16に示した記憶装置14、操作手段18及び識別回路19が接続されている。識別回路19では中間転写ベルト6に設けられたヒューズFの溶断有無に基づく新品検知信号Sndを出力すると共に、外部設定信号Sopに基づいてヒューズFを溶断するようになされる。
ここで中間転写ベルト6が新品のときの新品検知信号Sndの信号論理を「L」レベルとし、中間転写ベルト6が一度でも使用されたときの新品検知信号Sndの信号論理を「H」レベルとしたとき、識別回路19ではヒューズFが溶断されない場合は「L」レベルの新品検知信号Sndを画像形成制御部13に出力する。外部設定信号Sopに基づいてヒューズFが強制的に溶断された場合は、「H」レベルの新品検知信号Sndを画像形成制御部13に出力するようになされる。外部設定信号Sopは操作手段18を通じて識別回路19へ出力するようになされる。
図18A及びBはベルトユニット新品検知回路90の構成例を示す回路図である。図18Aに示すベルトユニット新品検知回路90は識別回路19の一例であり、pnp型のバイポーラトランジスタTR、抵抗器R1、R2及びダイオードDを有している。抵抗器R1、R2は直列に接続され、この直列抵抗回路が電源線VCCと接地線GNDとの間に接続されている。この抵抗器R1、R2の直列接続点pにはダイオードDのアノードが接続され、そのカソードが新品検知用のヒューズFに接続されている。
また、トランジスタTRのエミッタは電源線VCCに接続され、そのコレクタがヒューズF及びダイオードのカソードに各々接続される。トランジスタTRのベースには強制オープン制御用の外部設定信号Sopが供給される。この例ではトランジスタTRのベースにハイ・レベル(以下で「H」レベルという)の外部設定信号Sopを供給すると、トランジスタTRがオンしてヒューズFに過電流が流れ、ヒューズFがオープン(溶断)する。
直列接続点pの電位は図18Bに示すようにヒューズFが溶断されないとき(Close)は、ロー・レベル(以下で「L」レベルという)の新品検知信号Sndである。ヒューズFが溶断されたときは、電源線VCC−接地線GND間の電位を抵抗器R1、R2により分圧する「H」レベルの新品検知信号Sndとなる。
この例ではヒューズFを用いているが、その代わりにEEPROMなどの不揮発性のメモリチップにベルトユニットの新品(New)又は使用中(Old)のデータを記憶させてもよい。これに基づいて第1又は第2調整モードを設定できる。
図19A〜Cは表示装置29における画像形成時の操作画面P1の表示例を示すイメージ図である。この例で操作手段18を使用してコピーモードを選択すると、図19Aに示すようなキーオペレーション用の操作画面P1が表示装置29に表示される。この操作画面P1には「コピーできます 原稿はオモテ面を上にセット」等のメッセージが表示されると共に、「コピー設定」、「コピー予約」、予約リスト等のソフトウエアスイッチが表示される。図19Aでは「コピー予約」が選択された場合を示している。
この操作画面P1で「コピー設定」のソフトウエアスイッチを選択すると、図19Bに示すようなメモリセットモード画面P2が表示される。メモリセットモード画面P2は通常、装置設置時にサービスマン等によって操作される。このメモリセットモード画面P2には「1 ソフトウエアスイッチセット」、「2 ペーパーサイズ」、「3 PMカウント」、「4 データ取消」、「5 部数」、「6 パスワードセット」、「7 電話番号セット」、「8 シリアル番号表示」、「9 ROMバージョン」、「10 KRDSセット」等の項目キーが表示されている。
この項目キーの中で「1 ソフトウエアスイッチセット」を選択すると、図19Cに示すようなソフトウエアスイッチモード画面P3が表示される。このソフトウエアスイッチモード画面P3では第1調整モード又は第2調整モードのいずれかを設定(選択)するように操作される。非反転カラーレジストマークCR又は反転カラーレジストマークCR(上線バー省略)を画面上で設定できるようにしたものである。
図19Cに示すソフトウエアスイッチモード画面P3の例では、レジストセンサ12等の検出マークに関して第2のマーク作成方法を選択した画面である。この例では、ソフトウエアスイッチモード画面P3には「ソフトウエアスイッチモード」のメッセージと、レジストマーク設定画面の「NO−A:B」として例えば、「15−1:1」と、3つのソフトウエアスイッチSW1,SW2、SW3-と、確定用の「ON」キーKy1、リセット用の「OFF」キーKy2が表示される。
この画面P3ではソフトウエアスイッチSW1及びSW2を使用して例えば、カラーレジストマーク選定番号NO=「15」が選択される。ソフトウエアスイッチSW3はマーク作成方法を自動選択又は手動選択とするかを設定するとき、及び、第1又は第2マーク作成方法を設定するときに使用される。選択ビットA=0で自動選択が設定され、選択ビットA=1で手動選択が設定される。選択ビットB=0で第1マーク作成方法が設定され、選択ビットB=1で第2マーク作成方法が設定される。
「ON」キーKy1は設定確定時に使用され、「OFF」キーKy2は設定をリセットする時に使用される。従って、この例で「15−1:1」はカラーレジストマークの選定番号が「15」で、マーク作成方法が手動選択で第2マーク作成方法を設定したことを示すものとなる。この他に、どのレジストセンサ12A,12Bでどのマーク作成方法によって形成されたカラーレジストマークCRを検出するかを設定することもなされる。
図20は中間転写ベルト6上の非反転及び反転カラーレジストマークCR、CR(上線バーを省略する)の形成例を示すイメージ図である。
この例では図20に示すレジストセンサ12Aにより中間転写ベルト6上の非反転カラーレジストマークCRを検出し、レジストセンサ12Bにより中間転写ベルト6上の反転カラーレジストマークCRを検出するようにしたものである。
非反転カラーレジストマークCR及び反転カラーレジストマークCRは図19Cに示すソフトウエアスイッチモード画面P3により自動又は手動設定された第1又は第2マーク作成方法によるもの、ベルトユニット新品検知回路90に基づいて自動選択された第1又は第2マーク作成方法によるもの、中間転写ベルト6の使用状況の検出結果に基づいて自動選択された第1又は第2マーク作成方法によるものである。
図20に示すレジストセンサ12Aによって見かけ上トレースされる中間転写ベルト6の左側には従来方式と同様にしてBK色及びM色等の非反転カラーレジストマークCRが形成される。レジストセンサ12Bによって見かけ上トレースされる中間転写ベルト6の右側の書込みKにはBK色の反転カラーレジストマークCRが形成され、この例では1stマーク(K)及び2ndマーク(K)が連続して形成され、このレジスト形成領域が信号読込領域Akとなる。
また、書込みMにはM色のレジストが形成され、この例では1stマーク(M)及び2ndマーク(M)が連続して形成され、このレジスト形成領域が信号読込領域Amとなる。これらのBK色やM色等の反転カラーレジストマークCR以外、例えば、信号読込領域Akと信号読込領域Amとの間は信号マスク領域Mskとなされている。
この信号マスク領域Mskは図3や図17等に示したマスク回路515によって通過タイミングパルス信号Spをマスクすることで対処している。また、図17に示したずれ量検出部552では1stマーク(M)、2ndマーク(M)・・・・等の相対位置ずれ量を算出するようになる。各色を再現性良く重ね合わせるためである。
図21はレジストセンサ12A等の他の配置例を示す斜視図である。この例では中間転写ベルト6の幅方向を主走査方向としたとき、主走査方向に、BK色のレジストマークに対してY、M、C色のレジストマークのずれ量を検出するために、複数個の検出系を並べて配置し、また、中間転写ベルト6のレジストマーク形成面の状態から、レジストのずれ量を求めるために、主走査方向にセンサを並べて各々検出するようにしたものである。
図21に示す配置例では3個のレジストセンサ12A〜12Cが配置される。レジストセンサ12Aは中間転写ベルト6の走行方向に向かって右側、レジストセンサ12Bは左側、レジストセンサ12Cは中央部に各々配置され、左右中央3列方式による検出系を構成している。中間転写ベルト6のレジストマーク形成面に経時的な変化によって生じた傷に対して、この傷の分布に対応したマスク生成方法を選択することができる。
従って、3個のレジストセンサ12A〜12Cは、各センサ毎に検出した副走査方向(走行方向)のレジストマーク形成面毎にカラーレジストマークCR又は反転カラーレジストマークCRを形成するための印画像情報又は反転印画情報を記憶装置14から選択することができる。
左右中央3列方式の検出系は図9に示した左右2列方式の場合に比べて色画像形成領域をエリア毎に第1調整モード又は第2調整モードを設定することができる。従って、レジストセンサ12A,12B,12Cに対して第1又は第2マーク作成方法を選択させることができる。これにより、マークトナー量を抑制でき、かつ、色ずれマーク検出に対してベルト傷の影響を抑えることができる。
図22はレジストセンサ12A等によるベースレベル補正時の信号例を示す波形図である。図22において、横軸は時間tであり、縦軸はレジストセンサ12A等によるベースレベル補正時の位置検出信号S2の信号レベルである。図22に示す実線はカラーレジスト形成前の中間転写ベルト6のレジストマーク形成面の状態を表す波形である。Lbは位置検出信号S2のベース補正レベルである。Lthは閾値である。
この波形は中間転写ベルト6を一周回してレジストセンサ12A等により、レジストマーク形成面を検出することにより得られる。この波形取得処理はベースレベル補正と呼ばれる。カラーレジストマーク検知の妨げ有無は閾値Lthを下回る信号レベルが存在するか否かによって判断される。図22に示す信号例によれば、ベルトノイズ等を含むものの閾値Lthに至らない位置検出信号S2が検出される。図22は中間転写ベルト6にカラーレジストマーク検知の妨げとなる傷等が無い場合に示している。
続いて、本発明に係る第3の画像形成方法についてカラー画像形成装置300の動作例を3つの実施例に分けて説明をする。各実施例では任意の画像情報Dinに基づいて色を重ね合わせ中間転写ベルト6に色画像を形成する場合を前提とする。
[第1の実施例]
図23は本発明に係る第1の実施例としてのカラー画像形成装置300の動作例(傷有無検知時)を示すフローチャートである。
この例では図16で説明したレジストセンサ12、記憶装置14及び制御装置15から構成されるマーク検知可否判断手段80が備えられ、レジストセンサ12で中間転写ベルト6のレジストマーク形成面の表面状態を検出し、制御装置15では検知不可フラグFGが準備される。この検知不可フラグはカラーレジストマーク検知時にレジストセンサ12A等で誤検知するかどうかの判断基準として採用される。
これを動作条件にして、まず、中間転写ベルト6のレジストマーク形成面の表面状態を検出するべく、図23に示すフローチャートのステップC1でベースラインの補正処理を実行する。この処理では無終端状の中間転写ベルト6を駆動し、レジストマーク形成面をクリーニングすると共に、ステップC2に移行してベルト一周分のレジストセンサ12A,12B等のセンサ出力をRAM57等に読み込む。中間転写ベルト6のベースノイズを少なくともベルト1周期分をサンプリングするためである。そして、ステップC3に移行して中間転写ベルト6のレジストマーク形成面に傷が有ったかを判断する。
この際の傷有無の判断ではカラーレジストマークCRを形成する前に、図46に示したようなベース補正レベルから閾値Lthを大きく下回るレベルの位置検出信号S2が検出される。カラーレジストマーク形成前の新規な中間転写ベルト6であれば、図22に示したようなベース補正レベルの位置検出信号S2が検出されるはずである。経時的な変化により中間転写ベルト6のレジストマーク形成面に傷が発生していると、閾値Lthを下回るレベルの位置検出信号S2が検出される。この位置検出信号S2はカラーレジストマーク検知時にはコンパレータ59で二値化され、通過タイミングパルス信号Spとなってマスク回路515を通してラッチ回路56へ出力される。
中間転写ベルト6の使用状況の検出(把握)処理で、閾値Lthを下回るレベルの位置検出信号S2が検出される場合はカラーレジストマーク形成後に誤検知するおそれがある。そこで、ステップC3で中間転写ベルト6に傷が有ったと判断された場合はステップC4で検知不可フラグFGがセットされ、FG=1とされる。また、ステップC3で中間転写ベルト6に傷が無いと判断された場合はステップC5で検知不可フラグFGがリセットされ、FG=0とされる。検知不可フラグFGはRAM57に一時記憶される。
(位置ずれ調整モードの設定例)
図24はカラー画像形成装置300における位置ずれ調整モードの設定例を示すフローチャートである。
この例では中間転写ベルト6で色画像を転写するに当たり、制御装置15では中間転写ベルト6の表面状態の良否を判断し、この中間転写ベルト6の表面状態の良否に応じて当該中間転写ベルト6に色重ね合わせ用のカラーレジストマークCR又は該カラーレジストマークCRを反転した反転カラーレジストマークCRを形成する。この例では制御装置15の判断結果に応じて第1調整モード又は第2調整モードを設定し、その後、第1又は第2のマーク作成方法を選択してマーク検知を行うようにしたものである。
カラーレジストマークCRの形成方法としては、非反転カラーレジストマークCRを構成する有効マーク部をトナー像とする第1マーク作成方法と、反転カラーレジストマークCRを構成する有効マーク部以外の領域をトナー像とする第2マーク作成方法とが準備される。もちろん、色重ね合わせ用のカラーレジストマークCRを形成するための印画像情報又は該カラーレジストマークCRを反転した反転カラーレジストマークCRを形成するための反転印画像データDpも予め準備される。
これを動作条件にして、図24に示すフローチャートのステップE1でCPU55はRAM57からレジストマーク形成面の表面状態に対応した検知不可フラグFGを読み込む。そして、ステップE2で検知不可フラグがFG=1か否かを判別する。FG=1でない場合、つまり、FG=0でレジストマーク形成面の表面状態が良好である場合はステップE3に移行して第1調整モードを設定し、その後、ステップE6に移行して第1マーク作成方法を選択する。そして、ステップE7に移行する。
また、ステップE2で検知不可フラグがFG=1の場合、つまり、レジストマーク形成面に表面状態が予め定めた閾値(基準値)Lthよりも劣る場合は、ステップE5に移行して第2調整モードを設定し、その後、ステップE6に移行して第2マーク作成方法を選択する。そして、ステップE7に移行する。ステップE7では各調整モードに基づいて位置ずれ調整処理がなされる。
例えば、上述のステップE3で第1調整モードが設定された場合には、ステップE4で第1マーク作成方法により印画像情報が読み出され、この印画像情報に基づくカラーレジストマークCRが中間転写ベルト6に形成される。位置検出用のレジストセンサ12A,12Bでは中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCRの位置が検出される。
この中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するようになされる。制御装置15ではレジストセンサ12A等の出力に基づき、BK色のカラーレジストパターンCRを基準として他のC,M,Y色用の画像形成ユニット10C,10M,10Yが制御される。この制御によって、BK色の書込み位置に合うようにC,M,Y色の書込み位置が調整される。
また、ステップE5で第2調整モードが設定された場合には、第2マーク作成方法により反転印画像データDpが読み出され、この反転印画像データDpに基づく反転カラーレジストマークCRが画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによって中間転写ベルト6に形成される。この中間転写ベルト6に形成された反転カラーレジストマークCRの色抜け部分が成す印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するようになされる。
(傷有無検知時の他の例)
図25はカラー画像形成装置300の他の動作例(傷有無検知時)を示すフローチャートである。
この例では図16で説明したレジストセンサ12、記憶装置14及び制御装置15から構成されるマーク検知可否判断手段が備えられ、レジストセンサ12で中間転写ベルト6のレジストマーク形成面の表面状態を検出する際に、非反転カラーレジストマークCRを形成してそのマークエッジ総数と設計値とを比較し、その後、比較結果に基づいて検知不可フラグを設定し、そして、調整モードを見直すようにしたものである。
つまり、非反転カラーレジストマークCRに関しては、マーク検知時に、マークエッジの検出回数は予め設計値によって明確になっている。もしも、中間転写ベルト6に誤検知してしまうような傷が有る場合は、マークエッジの検出回数が設計値に一致しなくなる。そのため、色ずれ等の計算結果が不適切となり補正処理が正常にできなくなる。このマークエッジの検出回数を計測することで、これを誤検知するかどうかの判断基準として採用するものである。従って、傷の有無にかかわらず、第1マーク作成方法により非反転カラーレジストマークCRが中間転写ベルト6に形成される。
これを前提条件にして、まず、中間転写ベルト6のレジストマーク形成面の表面状態を検出するべく、図25に示すフローチャートのステップF1で非反転カラーレジストマークCRの読み込み処理を実行する。そして、ステップF2に移行してマークエッジ総数と設計値とを比較する。マークエッジ総数と設計値とが一致しない場合は、ステップF3に移行する。ステップF3ではマークエッジ総数が設計値を越えるかが検出される。マークエッジ総数が設計値を越える場合は、レジストマーク形成面の表面状態が経時的な変化によって劣化しているので、ステップF4に移行して検知不可フラグFGがセットされ、FG=1とされる。
また、ステップF2でマークエッジ総数と設計値とが一致する場合は、レジストマーク形成面の表面状態が良好なので、ステップF6に移行して検知不可フラグFGがリセットされ、FG=0とされる。検知不可フラグFGはRAM57に一時記憶される。その後の処理は図24に示した位置ずれ調整モードの設定例に従うようになされる。
なお、ステップF3でマークエッジ総数が設計値を越えない場合は、ステップF5に移行してマーク読み取り異常処理を実行する。この処理では非反転カラーレジストマークCRの作成不良や、今後の位置ずれ調整モードの設定が不可等を表示装置に表示するようになされる。その後の処理については、図24に示したフローチャートと同じ処理がなされる。
このように本発明に係る第1の実施例に係るカラー画像形成装置及びその画像形成方法によれば、レジストセンサ12、記憶装置14及び制御装置15から構成されるマーク検知可否判断手段が備えられ、レジストセンサ12で中間転写ベルト6のレジストマーク形成面の表面状態を検出し、制御装置15では検知不可フラグFGが準備される。カラーレジスト(マークエッジ)検知時にはレジストセンサ12A等で誤検知するかどうかを検知不可フラグFGによって判断するようになされる。
従って、中間転写ベルト6を新規に使用する場合や、当該中間転写ベルト6が新品と交換された場合等は、カラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整することができる。メンテナンスや部品消耗等の経時的な変化により中間転写ベルト6に傷等が生じた場合は、反転カラーレジストマークCRにより傷等を覆い隠すことができるので、本来の印画像の位置を正確に検出することができる。
これにより、傷等による雑音信号が重畳されない高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整することができる。また、中間転写ベルト6に正確に色を重ね合わせることができるので、所望の用紙Pに色画像を精度良く転写することができる。
[第2の実施例]
図26は本発明に係る第2の実施例としてのカラー画像形成装置300の動作例を示すフローチャートである。
この実施例では中間転写ベルト6に新品検知用のヒューズFが取り付けられ、該ヒューズFを溶断するベルトユニット新品検知回路(New検知手段)90が制御装置15に備えられ、中間転写ベルト6を新規に使用する場合又は当該中間転写ベルト6が新品と交換された場合は、ヒューズFを溶断する。そのヒューズFの溶断有無の判断結果に応じてマーク作成方法を切り換えてレジストマーク検知を行うようになされる。
これは中間転写ベルト(ベルトユニット)6が新品の時はヒューズFが導通状態であり、ヒューズFがオープンならばベルトユニットが使用途中であると判断できることによる。これと共に、このベルトユニット新品検知回路90から得られる新品検知信号Sndに基づいて色画像の形成位置を調整する第1調整モードで画像形成処理をするようになされる。
これらを動作条件にして、図26に示すフローチャートのステップG1で制御装置15はベルトユニット新品検知回路90から新品検知信号Sndを読み込む。そして、ステップG2で新品検知信号Sndが「L」レベルか否かを判別する。新品検知信号Sndが「L」レベルの場合はベルトユニットが新品なので、ステップG3に移行して第1調整モードを設定し、必要な所定データの設定処理をする。
その後、ステップG4に移行してカウンタをクリアし、更に、ステップG5に移行して第1マーク作成方法の選択等を行う。そして、ステップG6に移行してヒューズFの切断処理を行う。この処理ではベルトユニット新品検知回路90に外部設定信号Sopが供給され、トランジスタTRがONし、ヒューズFに過電流を流して溶断することにより、ヒューズFを強制的にオープンさせ、ベルト使用状態になされる。ヒューズFがオープンされた後は、「H」レベルの新品検知信号Sndがベルトユニット新品検知回路90から制御装置15へ出力するようになされる。
この例でベルトユニット新品検知回路90から得られる新品検知信号Snd=「H」レベルに基づいて中間転写ベルト6のレジストマーク形成面に非反転カラーレジストマークCRを形成するようにした。ステップG2で新品検知信号Sndが「L」レベルでない場合、つまり、新品検知信号Sndが「H」レベルでベルトユニットが既に使用中の場合は、新品処理をせずに終了する。
なお、経時的な変化によって第1の実施例のように第1調整モードから第2調整モードに設定が変更され、第2調整モードに基づいて制御装置15が画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを制御していた場合であって、ベルトユニットが新品と交換され、ベルトユニット新品検知回路90から得られた新品検知信号Sndが「L」レベル、つまり、「中間転写ベルト6は新品である」を示す場合に第2調整モードから第1調整モードに自動的に処理を切り替えるようになされる。
このように本発明に係る第2の実施例に係るカラー画像形成装置及びその画像形成方法によれば、中間転写ベルト6に新品検知用のヒューズFが取り付けられ、該ヒューズFを溶断するベルトユニット新品検知回路90が制御装置15に備えられ、中間転写ベルト6を新規に使用する場合又は当該中間転写ベルト6が新品と交換された場合は、ヒューズFを溶断する。そのヒューズFの溶断有無の判断結果に応じてマーク作成方法を切り換えてレジストマーク検知を行うようになされる。
従って、中間転写ベルト6を新規に使用する場合や、当該中間転写ベルト6が新品と交換された場合等は、カラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整することができる。メンテナンスや部品消耗等の経時的な変化により中間転写ベルト6に傷等が生じた場合は、反転カラーレジストマークCRにより傷等を覆い隠すことができるので、本来の印画像の位置を正確に検出することができる。
これにより、傷等による雑音信号が重畳されない高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整することができる。また、中間転写ベルト6に正確に色を重ね合わせることができるので、所望の用紙Pに色画像を精度良く転写することができる。
[実施例3]
図27は本発明に係る第3の実施例としてのカラー画像形成装置300の動作例を示すフローチャートである。
この実施例では図16に示した操作手段18を操作して自動又は手動選択を設定し、これに基づいて第1調整モード又は第2調整モードのいずれかを設定する場合を前提とする。
これを動作条件にして、図27に示すフローチャートのステップH1で制御装置15では自動又は手動選択の設定によって制御を分岐する。自動又は手動選択はキーオペレーション用の操作画面P1によって設定される。ソフトウエアスイッチSW3の選択ビットAが「0」で自動選択が設定された場合は、ステップH2に移行して検知不可フラグFGが「1」か「0」かが制御装置15によって判断される。検知不可フラグFG=0の場合はステップH4に移行して第1調整モードが設定され、ステップH5に移行して第1マーク作成方法が選択される。その後、ステップH14に移行する。
ステップH2で検知不可フラグがFG=1の場合はステップH6に移行して第2調整モードが設定され、ステップH7に移行して第2マーク作成方法が選択される。その後、ステップH14に移行する。
また、ステップH1でソフトウエアスイッチSW3の選択ビットAが「1」で手動選択が設定された場合は、ステップH8に移行してソフトウエアスイッチSW3の選択ビットBが読み込まれる。そして、ステップH9に移行して選択ビットBが「1」か「0」かが判別される。選択ビットBが「0」の場合はステップH10に移行して第1調整モードが設定され、ステップH11に移行して第1マーク作成方法が選択される。その後、ステップH14に移行する。
ステップH2で選択ビットBが「1」の場合はステップH12に移行して第2調整モードが設定され、ステップH13に移行して第2マーク作成方法が選択される。その後、ステップH14に移行する。ステップH14では第2の実施例と同様にして各調整モードに基づいて位置ずれ調整処理がなされる。
例えば、上述のステップH4や,ステップH9で第1調整モードが設定された場合には、ステップH5やH11で第1マーク作成方法により印画像情報が読み出され、この印画像情報に基づくカラーレジストマークCRが中間転写ベルト6に形成される。位置検出用のレジストセンサ12A,12B又は、12A〜12Cでは中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCRの位置が検出される。この中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するようになされる。制御装置15ではレジストセンサ12A等の出力に基づき、BK色のカラーレジストパターンCRを基準として他のC,M,Y色用の画像形成ユニット10C,10M,10Yが制御される。この制御によって、BK色の書込み位置に合うようにC,M,Y色の書込み位置が調整される。
また、ステップH6やH12で第2調整モードが設定された場合には、第2マーク作成方法により反転印画像データDpが読み出され、この反転印画像データDpに基づく反転カラーレジストマークCRが画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによって中間転写ベルト6に形成される。この中間転写ベルト6に形成された反転カラーレジストマークCRの色抜け部分が成す印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するようになされる。
このように本発明に係る第3の実施例に係るカラー画像形成装置及びその画像形成方法によれば、操作手段18を操作して自動又は手動選択を設定し、これに基づいて第1調整モード又は第2調整モードのいずれかを設定するようになされる。
従って、中間転写ベルト6を新規に使用する場合や、当該中間転写ベルト6が新品と交換された場合等は、カラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整することができる。メンテナンスや部品消耗等の経時的な変化により中間転写ベルト6に傷等が生じた場合は、反転カラーレジストマークCRにより傷等を覆い隠すことができるので、本来の印画像の位置を正確に検出することができる。
これにより、傷等による雑音信号が重畳されない高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整することができる。しかも、レジストマークの形成に係るトナー量を抑制することができる。また、中間転写ベルト6に正確に色を重ね合わせることができるので、所望の用紙Pに色画像を精度良く転写することができる。
(4)第4の実施形態
図28は、本発明の第4の実施形態としてのカラー画像形成装置400の構成例を示す概念図である。
この実施形態では第1〜第3の画像形成装置で説明したような中間転写ベルト6が省略されており、その代わりに4色の画像形成系で共用する感光体ベルト60が備えられ、この感光体ベルト60上でカラー画像を形成するようにしたものである。
もちろん、本実施形態でも、色画像の濃度検出系や位置検出系の出力に基づいて画像形成ユニット10Y’、10M’、10C’、10K’を制御する制御装置15を備えている。この制御装置15では色画像の位置検出系で色濃度補正用の切片画像の濃度を検出し、当該位置検出系から出力される切片画像の濃度検出信号に基づいて印画像の位置検出用の制御基準値を校正する。
そして、感光体ベルト60における反射光量の変動や、センサ発光量の低減等により当該感光体ベルト60の使用環境が経時的に変化した場合であっても、本来の印画像の位置を正確に検出できるようにすると共に、高信頼度の位置検出信号に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整できるようにしたものである。
図28に示すカラー画像形成装置400は画像形成装置の他の一例を構成するものであり、任意の画像情報に基づいて感光体ベルト60上で色を重ね合わせ、所定の用紙Pに色画像を形成する装置である。
図28において、カラー画像形成装置400は、画像形成装置本体101’と画像読取装置102とから構成される。画像形成装置本体101’の上部には、自動原稿給紙装置201と原稿画像走査露光装置202から成る画像読取装置102が設置されている。自動原稿給紙装置201の原稿台上に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正及び画像圧縮処理等がなされ、画像情報となる。その後、画像情報は画像形成手段の一例を構成する画像書き込み部(露光手段)3Y、3M、3C、3Kへ送られる。
自動原稿給紙装置201は第1〜第3の画像形成装置と同様にして自動両面原稿搬送手段を備えている。この自動原稿給紙装置201は原稿載置台上から給送される多数枚の原稿dの内容を連続して一挙に読み取り、原稿内容を記憶手段に蓄積するようになされる(電子RDH機能)。この電子RDH機能は、複写機能により多数枚の原稿内容を複写する場合、或いはファクシミリ機能により多数枚の原稿dを送信する場合等に便利に使用される。
画像形成装置本体101’は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成ユニット(画像形成系)10Y’、10M’、10C’、10K’と、像形成体の一例となる無終端状の感光体ベルト60と、再給紙機構(ADU機構)を含む給紙搬送手段と、トナー像を定着するための定着装置17からなる。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Y’は第1〜第3の画像形成装置に比べて感光体ドラムや像形成体用のクリーニング手段8Y等がユニット外に追いやられ、像形成体としての感光体ベルト60を4色の画像形成系で共用するようになされる。この感光体ベルト60の所定の位置に対峙して配置されたY色用の帯電手段2Y、露光手段3Y及び現像装置4Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10M’は、M色用の帯電手段2M、露光手段3M及び現像装置4Mを有する。
シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10C’はC色用の帯電手段2C、露光手段3C及び現像装置4Cを有する。黒(BK)色の画像を形成する画像形成ユニット10K’はBK色用の帯電手段2K、露光手段3K及び現像装置4Kを有する。
帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C及び帯電手段2Kと露光手段3Kとは、潜像形成手段を構成する。現像装置4Y、4M、4C、4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施形態においては負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される反転現像にて行われる。感光体ベルト60は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
画像形成プロセスの概要について以下に説明する。画像形成ユニット10Y’、10M’、10C’及び10K’より、感光体ベルト60上に各色の静電潜像が形成されると共に、この静電潜像が各色のトナーによって現像される。感光体ベルト60上には、使用するトナーと反対極性(本実施形態においては正極性)のバイアス(不図示)が印加される。トナー像を合成されたカラー画像(色画像:カラートナー像)が感光体ベルト60上で形成される。その後、カラー画像は感光体ベルト60から用紙Pへ転写される。
なお、給紙カセット20A、20B、20C内に収容された用紙Pは、第1〜第3の実施形態と同様にして給紙カセット20A、20B、20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21および給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送ローラ22B、22C、22D、レジストローラ23等を経て、転写ローラ7Aに搬送され、用紙P上の一方の面(表面)にカラー画像が一括して転写される。
カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。転写後の感光体ベルト60の周面上に残った転写残トナーは、像形成体用のクリーニング手段8Aによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに入る。なお、両面画像形成処理や用紙Pについては図1で説明したのでその説明を省略する。
上述のクリーニング手段8Aの上流側であって、感光体ベルト60の左側には、第1の検出手段の一例となるトナー像濃度検知用のセンサ(以下、単にトナー濃度センサ11という)が設けられており、感光体ベルト60に形成されたトナー像(色画像)の濃度を検出し、濃度検出信号S1を発生するようになされる。もちろん、この位置に限られることはなく、図28で波線に示した位置、転写ローラ7Aとレジストローラ23との間に、トナー濃度センサ11やレジストセンサ12を備えてもよい。
このトナー濃度センサ11に並べて第2の検出手段の一例となるトナー像位置ずれ検知用のセンサ(以下、単にレジストセンサ12という)が設けられており、感光体ベルト60に形成された印画像(以下でカラーレジストマークCRという)の位置を検出し、位置検出信号S2を発生するようになされる。画像形成装置本体101’には制御装置15が設けられ、濃度検出信号S1及び位置検出信号S2に基づいてカラーレジストマーク検知処理をするようになされる。
ここでのカラーレジストマーク検知処理では、色重ね合わせ用のカラーレジストマークCRを感光体ベルト60に形成し、この感光体ベルト60に形成されたカラーレジストマークCRの位置(エッジ、重心等)をレジストセンサ12によって検出するようになされる。この処理はカラーレジストマークCRの位置に基づいて色画像の形成位置を調整するためである。この例でも、第1〜第3の実施形態と同様にして、感光体ベルト60の使用環境が経時的に変化した場合であっても、本来のカラーレジストマークCRの位置を正確に検出できるようにすると共に、高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整できるようになされる。
図29は本発明に係る第4の実施形態としてのカラー画像形成装置400の画像転写及び画像形成系の構成例を示すブロック図である。図29に示すカラー画像形成装置400は図28に示した感光体ベルト60を画像転写系Iとし、画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を画像形成系IIとして抜き出したものである。図29において、カラー画像形成装置400は制御装置15を有している。制御装置15にはトナー濃度センサ11が接続されており、感光体ベルト60に形成されたトナー像(色画像)の濃度を検出し、濃度検出信号S1を制御装置15へ出力するようになされる。
制御装置15にはトナー濃度センサ11の他にレジストセンサ12が接続されており、感光体ベルト60に形成されたトナー像(色画像)の位置を検出して位置検出信号S2を制御装置15へ出力するようになされる。制御装置15はトナー濃度センサ11から得られる濃度検出信号S1及びレジストセンサ12から得られる位置検出信号S2に基づいて画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御するようになされる。
この例で制御装置15は、画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’における補正手段5Y,5M,5Cを通じて、主/副走査時の書き出し位置調整及び画像書込み部3Y,3M,3Cにおける位置調整(スキュー調整)、主走査書込みクロック信号の補正(横倍調整/部分横倍調整)等がなされる(図3参照)。
制御内容によっては画像形成ユニット10K’を基準にして画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’のいずれか一方又は3つを制御するようにしてもよい。制御装置15の負担を軽減できる。もちろん、感光体ベルト60を制御対象に入れてもよい。その場合には、図示しない蛇行補正機構を設け、感光体ベルト60の蛇行を補正して色ずれを調整するようにしてもよい。
制御装置15には画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’が接続されており、画像形成ユニット10Y’では、任意の画像情報Dinを構成するY色用の画像情報Dy、主走査方向のY色書込み周期用のH−VALID信号(以下Y−HV信号という)、副走査方向のY色書込み周期用のH−VALID信号(以下Y−VV信号という)、Y色用のポリゴン駆動クロック信号(以下でYポリゴンCLKという)を入力し、画像情報Dy、Y−HV信号、Y−VV信号、YポリゴンCLKに基づいて感光体ベルト60にY色のトナー画像を形成する。
画像形成ユニット10M’ではM色用の画像情報Dm、主走査方向のM色書込み周期用のH−VALID信号(以下M−HV信号という)、副走査方向のM色書込み周期用のH−VALID信号(以下M−VV信号という)、M色用のポリゴン駆動クロック信号(以下でMポリゴンCLKという)を入力し、画像情報Dm、M−HV信号、M−VV信号、MポリゴンCLKに基づいて感光体ベルト60にM色のトナー画像を形成する。
画像形成ユニット10C’ではC色用の画像情報Dc、主走査方向のC色書込み周期用のH−VALID信号(以下C−HV信号という)、副走査方向のC色書込み周期用のH−VALID信号(以下C−VV信号という)、C色用のポリゴン駆動クロック信号(以下でCポリゴンCLKという)を入力し、画像情報Dc、C−HV信号、C−VV信号、CポリゴンCLKに基づいて感光体ベルト60にC色のトナー画像を形成する。
画像形成ユニット10K’ではBK色用の画像情報Dk、主走査方向のBK色書込み周期用のH−VALID信号(以下K−HV信号という)、副走査方向のBK色書込み周期用のH−VALID信号(以下K−VV信号という)、BK色用のポリゴン駆動クロック信号(以下でKポリゴンCLKという)を入力し、画像情報Dk、K−HV信号、K−VV信号、KポリゴンCLKに基づいて感光体ベルト60にBK色のトナー画像を形成するようになされる。
この例ではY色用の画像書き込み部(露光手段)3Yには補正手段5Yが取り付けられており、制御装置15からのY色用の位置補正信号Syに基づいてY色画像の形成位置を調整するようになされる。同様にしてM色用の画像書き込み部3Mには補正手段5Mが取り付けられており、制御装置15からのM色用の位置補正信号Smに基づいてM色画像の形成位置を調整するようになされる。C色用の画像書き込み部3Cには補正手段5Cが取り付けられており、制御装置15からのC色用の位置補正信号Scに基づいてY色画像の形成位置を調整するようになされる。
BK色用の画像書き込み部3Kには補正手段5Kが取り付けられており、制御装置15からのBK色用の位置補正信号Skに基づいてBK色画像の形成位置を調整するようになされる。この例で色ずれ量の算出に関しては、BK色のカラーレジストマークCRを基準にしている。Y,M,C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整するためである。
このY色の書込み位置調整に関しては、第1の実施形態で説明したように、BK色のカラーレジストマークCRの書込み位置と、Y色のカラーレジストマークCRの書込み位置とを検知し、Y色のカラーレジストマークCRの書込み位置をBK色のカラーレジストマークCRの書込み位置に換算した際のずれ量からその補正量を算出する。同様にして、M、C色の書込み位置調整に関しても、BK色のカラーレジストマークCRの書込み位置と、MやC色のカラーレジストマークCRの書込み位置とのずれ量を各々検知し、このずれ量から各々の補正量を算出する。その後、BK色用の画像形成ユニット10K’以外のY、M、C色用の画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’を調整するようになされる。
このため、BK色用の画像形成ユニット10Kでは感光体ベルト60に対してBK色のみの出力で正規の主/副走査時の書き込み位置調整及び画像書込み部3Kにおける横倍調整、部分横倍調整及び傾き調整等がなされる。BK色について調整し基準とするためである。その後、本発明方式のカラーレジスト調整に移行してBK色に合わせてY,M,C色の書込み位置を合わせるレジスト調整を実行するようになされる。
また、制御装置15では切片画像の一例となる色濃度補正用のパッチマークを感光体ベルト60に形成するように画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’が制御される。感光体ベルト60に形成されたパッチマークの濃度はレジストセンサ12によって検出される。その後、パッチマークの濃度に基づいて色重ね合わせ用のカラーレジストマークCRの濃度が調整され、ここで濃度調整されたカラーレジストマークCRを感光体ベルト60に形成するように制御装置15によって画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’が制御される。
感光体ベルト60に形成されたカラーレジストマークCRの位置はレジストセンサ12によって検出される。制御装置15ではレジストセンサ12から出力されるパッチマークの濃度情報を含む位置検出信号S2’に基づいてカラーレジストマークCRの位置検出時の閾値Lthをリアルタイムに校正できるようになる。このカラーレジストマークCRの位置に基づいて色画像の形成位置を調整するように画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御するようになされる。
この例では、レジストセンサ12から出力されるパッチマークの非形成部分に係る濃度情報を含む位置検出信号S2’の最大値(MAX)及び当該パッチマークの形成部分に係る最小値(MIN)を検出し、この位置検出信号S2’の最小値及び最大値に基づいて平均値を演算する。
この演算は、すなわち、パッチマークの無いベースの反射出力の値と、パッチマーク部の反射出力の値が最も近い値が2値化する閾値を決める最悪の関係となるため、その条件となる値を使用して平均値(中央値)を割り出し、2値化の閾値を決定するためである。この例では、当該平均値をレジストセンサ12の制御基準値とし、この制御基準値に基づいてカラーレジストマークCRの通過タイミングを検出するようになされる。レジストセンサ12の制御基準値は平均値近傍であってもよい。
もちろん、これに限られることはなく、同一シーケンス内で制御装置15により、色濃度補正用のパッチマークを感光体ベルト60に形成し、感光体ベルト60に形成されたパッチマークの濃度をトナー濃度センサ11によって検出し、色画像の濃度を調整する色補正処理を実行すると共に、感光体ベルト60に形成されたパッチマークの濃度をレジストセンサ12により連続して検出してもよい。パッチ検出時に生成されるパッチマークをレジストセンサ12で連続して検出することで、最も信号レベルが確保できるカラーレジストマークCRの濃度を決めることができる。
その後は、パッチマークの濃度に基づいて色重ね合わせ用のカラーレジストマークCRの濃度を調整し、濃度調整されたカラーレジストマークCRを感光体ベルト60に形成し、感光体ベルト60に形成されたカラーレジストマークCRの位置をレジストセンサ12によって検出し、カラーレジストマークCRの位置に基づいて色画像の形成位置を調整する色重ね合わせ処理をするようになされる。なお、制御装置15の位置ずれ制御系に係る内部構成例については図3を参照されたい。
図30はY色用の画像書込み部3Y及びその補正手段5Yの構成例を示すイメージ図である。図30に示すY色用の画像書込み部3Yは半導体レーザ光源31、光学系32,33、ポリゴンミラー34、ポリゴンモータ35及びf(θ)レンズを有している。半導体レーザ光源31ではY色用の画像情報Dyに基づいてレーザ光が発生される。半導体レーザ光源31から出射されたレーザ光は光学系によって所定のビーム光に整形される。
このビーム光はポリゴンミラー34によって副走査方向に偏向される。ポリゴンミラー34は制御装置15からのYポリゴンCLKに基づき、ポリゴンモータ35によって回転される。ポリゴンミラー34によって偏向されるビーム光はf(θ)レンズ36によって感光体ベルト60の方へ結像される。この動作により、感光体ベルト60にレジストマークCR等の静電潜像を形成するようになされる。
この画像書込み部3Yには補正手段5Yが設けられる。補正手段5Yはレンズ保持機構41及び、f(θ)調整機構42等を有している。この例で色ずれ量の算出に関しては、BK色のレジストマークCRを基準にしている。Y,M,C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整するためである。補正処理内容は例えば、次のi〜vの5つある。補正内容のうち、i〜iiiは画像データを補正することにより実現され、iv及びvはモータを駆動し、実際に、書込み部3Y,3M,3C,3Kを駆動して調整するようになされる。
i.主走査補正処理
この処理は、Y,M,C、BK色の色画像の主走査方向の書出し位置を揃える補正である。例えば、Y色の書込み位置補正に関しては、BK色のレジストマークCRの主走査書込みタイミングと、Y色のレジストマークCRの主走査書込みタイミングとを検知し、Y色のレジストマークCRの書込みタイミングをBK色のレジストマークCRの書込み位置に換算した際のずれ量からその補正量を算出する。この補正量に基づいて、主走査方向のBK色のレジストマークCRの書込み位置と、Y,M,C色の色画像の書込み位置とが機械の画像形成位置に合わせられる。
ii.副走査補正処理
この処理は、Y,M,C、BK色の色画像の副走査方向における書出し位置を揃える補正である。例えば、Y色の書込み位置調整に関しては、BK色のレジストマークCRの副走査書込みタイミングと、Y色のレジストマークCRの副走査書込みタイミングとを検知し、Y色のレジストマークCRの書込みタイミングをBK色のレジストマークCRの書込み位置に換算した際のずれ量からその補正量を算出する。この補正量に基づいて、この補正量に基づいて、副走査方向のBK色のレジストマークCRの書込み位置と、Y,M,C色の色画像の書込み位置とが機械の画像形成位置に合わせられる。
iii.全体横倍補正処理
この処理は、Y,M,C,BK色の色画像の全体における画像形成位置を揃える補正である。例えば、画像クロック信号の周期を調整して、レーザ発光タイミングを調整し、この調整に基づいて全体横倍ずれ量を補正するようになされる。
iv.部分横倍補正処理
この処理は、各書込み部3Y,3M,3C等の水平位置(方向)の傾きを調整する補正である。例えば、図3に示した書込み部3Yのレンズ保持機構41にはf(θ)レンズ36が取り付けられている。レンズ保持機構41はf(θ)調整機構42に対して可動自在に取り付けられる。f(θ)調整機構42では制御装置15から出力された、回転成分を含む位置補正信号Syに基づいてレンズ保持機構41をX−Y(水平)方向に移動調整するようになされる。このf(θ)調整機構42にはアクチュエータ(圧電素子)やモータ制御等により具現化される。感光体ベルト60に対する書込み部3Yの水平位置の傾きを調整するためである。他の画像形成ユニット10M,10Cにおいても同様な処理がなされる。
v.スキュー補正処理
この処理は、各画像書込み部3Y,3M,3C等の垂直位置の傾きを調整する補正である。例えば、図3に示したモータ9Yでは位置補正信号S13(Y)に基づいて画像書込み部3Yの姿勢を調整するようになされる。感光体ベルト60に対する画像書込み部3Yの垂直位置の傾きを調整するためである。他の画像形成ユニット10M,10Cにおいても同様な処理がなされる。
この例ではカラーレジストマークCRの位置検出用の制御基準値を校正するために、予め画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を介して感光体ベルト60にパッチマークが形成される。制御基準値は感光体ベルト60に形成されたカラーレジストの通過タイミングを検出する際の二値化しき値レベルである。
図31はトナー濃度センサ11及びレジストセンサ12A,12Bの配置例を示す斜視図である。図31において、レジストセンサ12A,12Bは感光体ベルト60の両端の上部に設けられる。レジストセンサ12Aの上流側にはトナー濃度センサ11が取り付けられる。
トナー濃度センサ11及びレジストセンサ12A,12Bは図31に示した位置に限られることはなく、図28で波線に示した転写ローラ7Aとレジストローラ23との間に取り付けてもよい。ここに取り付けた場合は、画像形成位置とカラーレジストマークCRの検知位置が近いので、像形成体用のクリーニング手段8Aに近接した上流側に設ける場合に比べて、いち早く位置ずれを検出することができ、画像処理の高速化に寄与するところが大きい。
この例では、トナー濃度センサ11及びレジストセンサ12は、感光体ベルト60の走行方向の所定位置に連続して(並べて)取り付けられる。感光体ベルト60が一周する間に濃度検出信号S1に基づいてレジストセンサ12を校正するためである。つまり、制御装置15では、予め色濃度補正用のパッチマークPmを形成するように例えば、画像形成ユニット10K’を制御して濃度の異なるパッチ(1)出力〜パッチ(4)出力を感光体ベルト60に形成する。
そして、感光体ベルト60が一周する間に形成されたパッチマークPmの濃度がトナー濃度センサ11によって検出され、色画像の濃度を調整する色補正制御を実行すると共に、感光体ベルト60に形成されたパッチマークPmの濃度がレジストセンサ12A等により連続して検出される。その後、パッチマークPmの濃度に基づいて色重ね合わせ用のカラーレジストの濃度が調整される。
なお、レジストセンサ12A等によるパッチマークPmの濃度検知例については、図6を参照され、レジストセンサ12A等による濃度情報を含む位置検出信号S2’の波形例については、図7A及びBを各々参照されたい。また、レジストセンサ12A等によるパッチマークPmの濃度検知に基づく閾値設定例については、図8を参照されたい。
図32はレジストセンサ12A,12BによるカラーレジストマークCRの検知例を示す斜視図である。図32において、パッチマーク検出後、感光体ベルト60が次に一周する間に濃度調整された例えば、「フ」字状のカラーレジストマークCRを形成するように画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’が制御される。
この感光体ベルト60に形成されたカラーレジストマークCRの位置はレジストセンサ12A,12Bによって検出される。そして、制御装置15ではカラーレジストマークCRの位置に基づいて色画像の形成位置を調整する色重ね合わせ制御を実行するようになる。なお、レジストセンサ12A等による位置検出信号S2の二値化例については図10A及びBを参照されたい。
続いて、第1の画像形成方法に係るカラー画像形成装置400の動作例について説明をする。図33はカラー画像形成装置400の動作例を示すフローチャートである。
この実施例では画像転写系Iに感光体ベルト60が設けられる場合であって、任意の画像情報に基づいて感光体ベルト60上で色を重ね合わせ、用紙Pに色画像を形成する前に、カラーレジストマークCRの位置に基づいて色画像の形成位置を調整する場合を前提とする。更に、色画像の形成位置を調整する前に、カラーレジストマークCRの位置検出時の閾値Lthをリアルタイムに校正する場合を例に挙げる。トナー濃度センサ11(第1の検出系)及びレジストセンサ12A,12B(第2の検出系)は感光体ベルト60の走行方向(ベルト進行方向)に同位相となる位置に連続して取り付けられている。
これを画像形成条件にして、図33のフローチャートのステップJ1〜J3でレジストセンサ12A,12B等の初期調整を行い、その後、ステップJ4〜J8で書込み位置調整をするようになされる。この初期調整では下地のセンサ出力との濃度検出用のマークのセンサ出力から最適な閾値Lthが決定される。
この例では、ステップJ1で感光体ベルト60に色濃度補正用のパッチマークPmを形成する。このとき、画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’又は10K’では図31に示したように濃度の異なる何種類かのパッチマークPmが感光体ベルト60に形成される。その後、ステップJ2に移行して感光体ベルト60に形成されたパッチマークPmの濃度をレジストセンサ12A等で検出する。例えば、レジストセンサ12Aで検出された濃度情報を含む位置検出信号S2’は図6に示すようになる。
更に、ステップJ3に移行してレジストセンサ12Aから出力されるパッチマークPmの濃度情報を含む位置検出信号S2’に基づいてカラーレジストマークCRの位置検出時の閾値Lthを校正する。閾値Lthは図8に示した演算で校正する。このとき、制御装置15ではレジストセンサ12A等から出力されるパッチマークPmの形成部分の濃度情報を含む位置検出信号S2’の最大値(MAX)及びその非形成部分の最小値(MIN)が検出され、濃度情報を含む位置検出信号S2’の最大値及び最小値に基づいて平均値が演算される。パッチマークPmの非形成部分の濃度情報を含む位置検出信号S2’は感光体ベルト60の下地を反映するものである。
この平均値がレジストセンサ12の閾値Lthとなされる。また、パッチマークPmの濃度に基づいて色重ね合わせ用のカラーレジストマークCRの濃度も調整するようになされる。ここで検出されたパッチマークPmの濃度によりカラーレジストマークCRを形成することで、カラーレジストマークCRの濃度をレジストセンサ12の検出に最も適切にできる。また、カラーレジストマーク形成時のトナー消費量と調整時間を削減できる。
そして、濃度調整されたカラーレジストマークCR(印画像)をステップJ4で感光体ベルト60に形成する。その後、感光体ベルト60に形成されたカラーレジストマークCRの位置をステップJ5でレジストセンサ12によって検出される。このとき、図33Aに示した閾値Lthに基づいてカラーレジストマークCRの通過タイミングが検出される。その後、ステップJ6で通過タイミングに基づいて色ずれ量を算出する。カラーレジストマークCRの位置に基づいて色画像の形成位置を調整するためである。
そして、ステップJ7に移行してBK色のレジストマークCRを基準にしてY色のレジストマークCRを比較する。色ずれ量が目標値以下の場合は色画像の形成位置を調整することなく処理を終了する。色ずれ量が目標値を越える場合はステップJ8に移行して色ずれ補正をする。この色ずれ補正では、Y色のレジストマークCRの書込み位置をBK色に合わせるように調整され、Y色用の補正手段5Yにおいて、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。これにより、感光体ベルト60へのY色用の画像形成位置を調整することができる。
そして、ステップJ4に戻って上述した処理を繰り返す。例えば、M色用の補正手段5Mにおいて、BK色のレジストマークCRを基準にして、M色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整される。この補正では、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。これにより、感光体ベルト60へのM色用の画像形成位置を調整することができる。同様にして、C色についても、色ずれ補正処理がなされる。色ずれ量を零にすることで、色画像の形成位置を最適に調整するためである。その後は、従来方式と同様にして画像形成位置が最適に調整された画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’によって色画像が感光体ベルト60に形成される。
このように、本発明に係る第4の実施形態としてのカラー画像形成装置400及び画像形成方法によれば、レジストセンサ12で色濃度補正用のパッチマークPmの濃度を検出し、当該レジストセンサ12から出力されるパッチマークPmの濃度情報を含む位置検出信号S2’に基づいて制御装置15でカラーレジストマークCRの位置検出用の閾値Lthを校正するようになされる。
従って、カラーレジストマークCRの位置検出用の閾値Lthを使用環境に応じて画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’の使用状態に合わせ込むような補正することができる。しかも、カラーレジストマークの濃度を最適化できるので、カラーレジストマーク検知処理の高い精度を確保することができる。
これにより、感光体ベルト60における反射光量の変動や、センサ発光量の低減等により使用環境が経時的に変化した場合であっても、本来のカラーレジストマークCRの位置を正確に検出できるので、高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整することができる。従って、感光体ベルト60で正確に色を重ね合わせることができるので、所望の用紙Pに色画像を精度良く転写することができる。
(5)第5の実施形態
図34は本発明に係る第5の実施形態としてのカラー画像形成装置500の画像転写及び画像形成系の構成例を示すブロック図である。
この実施形態では任意の画像情報に基づいて色を重ね合わせ色画像を形成する場合に、感光体ベルト60に色重ね合わせ用の印画像を反転した反転印画像を形成するように画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御する制御装置15を備え、少なくとも、予め反転印画像を感光体ベルト60に形成し、その後、この反転印画像の色抜け部分が成す印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整し、メンテナンスや部品消耗等の経時的な変化により感光体ベルト60に傷等が生じた場合であっても、所望の用紙Pに色画像を精度良く転写できるようにしたものである。
図34に示すカラー画像形成装置500は任意の画像情報に基づいて色を重ね合わせ色画像を形成する装置である。当該装置500は感光体ベルト60を有しており、この感光体ベルト60上でカラー画像を形成した後に、このカラー画像を所望の用紙Pに転写するようになされる。この感光体ベルト60に沿って画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’が設けられ、色画像を形成するようになされる。感光体ベルト60の例えば、左側には検出手段の一例となるレジストセンサ12が取り付けられ、感光体ベルト60に形成された色画像の位置を検出するようになされる。
レジストセンサ12には制御装置15が接続されており、このレジストセンサ12の出力に基づいて感光体ベルト60及び画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御するようになされる。制御装置15では少なくとも、予め色重ね合わせ用の印画像を反転した反転カラーレジストマークCRを感光体ベルト60に形成し、この感光体ベルト60に形成された反転カラーレジストマークCRの色抜け部分が成す印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するように画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御する。例えば、制御装置15ではレジストセンサ12A等の出力に基づき、BK色のカラーレジストパターンCRを基準として他のC,M,Y色用の画像形成ユニット10C’,10M’,10Y’が制御される。この制御によって、BK色の書込み位置に合うようにC,M,Y色の書込み位置が調整される。
制御装置15には記憶装置14が接続されており、色重ね合わせ用の印画像を反転するための複数種類の反転印画像データDpが格納される。もちろん、これに限られることはなく、色重ね合わせ用の印画像を形成するための印画像情報を記憶装置14に格納しておき、カラーレジストマーク検知時に、印画像情報及びパターン幅に基づいて反転印画像データDpを作成するようにしてもよい。反転印画像データDpに基づいて印画像を反転した反転カラーレジストマークCRを感光体ベルト60に形成するためである。
この例で感光体ベルト60にY色用のトナー像を形成する現像装置4Yが画像形成ユニット10Y’に備えられ、M色用のトナー像を形成する現像装置4Mが画像形成ユニット10M’に備えられ、C色用のトナー像を形成する現像装置4Cが画像形成ユニット10C’に備えられ、BK色用のトナー像を形成する現像装置4Kが画像形成ユニット10K’に備えられ、これらの現像装置4Y,4M,4C,4Kによって感光体ベルト60に形成されたY色、M色、C色及びBK色のトナー像部分が各々反転カラーレジストマークCR’を構成し、トナー像を形成しない色抜け部分が印画像を構成するようになる。
なお、第4の実施形態と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。また、非反転カラーレジストマークCR及び反転カラーレジストマークCR’の構成例については図13A及びBを参照されたい。
図35はBK,C,M,Y色用の反転カラーレジストマークCRの形成例を示すイメージ図である。
図35に示すBK色用の反転カラーレジストマークCR(以下で単にBK色反転パターンPKという)、C色用の反転カラーレジストマークCR(以下で単にC色反転パターンPCという)、M色用の反転カラーレジストマークCR(以下で単にM色反転パターンPMという)、Y色用の反転カラーレジストマークCR(以下で単にY色反転パターンPYという)は感光体ベルト60の主走査方向に並べて形成したパターン例である。
各色反転パターンPK,PC,PM,PYは2つのレジストセンサ12A,12Bによって検出される場合を示している。レジストセンサ12Aは走行方向に向かって感光体ベルト60上の右側に設けられ、レジストセンサ12Bは感光体ベルト60上の左側に設けられる。波線は感光体ベルト60が回転することによる各々のレジストセンサ12A,12Bの見かけ上の軌跡である。
このパターン例ではBK色反転パターンPKが副走査方向で連続し、全面一様なトナー像の上にマーク部を色抜けとして形成されており、レジストセンサ12A及び12Bによって検出される。このように、BK色反転パターンPK等を副走査方向で連続して全面一様に形成すると、トナーの消費量が多くなる。そこで、C色用や、M色用あるいはY色用の反転パターンPC,PM,PYのようにパターン幅Wsを制限し、マーク部分だけに一様なトナー像を形成するとよい。トナーの消費量を少なく抑えることができる。
M色用の反転パターンPMの例では印画像の幅よりも、その反転パターンPMのパターン幅Wsを小さくした場合である。この場合はトナーの消費量を最小限に抑えることができる。反転パターンPMは色抜け部分を仕切る複数の部分図形パターンを並べたような構成となり、色抜け部分により形成される印画像の全体を取り囲む矩形状のパターン構成のBK、C、Y色の各々の反転パターンPK,PC,PYと異なっている。
これらの複数種類の反転パターンPY、PM、PC,PKを形成するための反転印画像データDpは記憶装置14に格納するようになされる。制御装置15で感光体ベルト60の使用状態に応じて反転パターンPY、PM、PC,PKを選択するようにするとよい。
また、感光体ベルト60の主走査方向に二以上の反転カラーレジストを並べて形成する場合に、制御装置15によって感光体ベルト60に形成される一方の反転カラーレジストの下部と、他方の反転カラーレジストの上部とを重なるように、例えば、1画素が重なるように画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御する。
これにより、図35に示すM色用の反転パターンPMとY色用の反転パターンPYの例のように、感光体ベルト60で一様にトナーで覆う範囲に関してM色用のトナー像と、Y色用のトナー像とをオーバーラップさせることができる。このようにすると、印画像のハード的な読み取りを容易に制限ができるばかりか、色重ね合わせ後の色画像の濃度を確認することもできる。
続いて、第2の画像形成方法に係るカラー画像形成装置500の動作例について説明をする。図36はカラー画像形成装置500の動作例を示すフローチャートである。
この実施形態では任意の画像情報に基づいて色を重ね合わせ感光体ベルト60に色画像を形成する場合であって、予め色重ね合わせ用の印画像を反転するための反転印画像データDpを準備する。反転印画像データDpはROM等の記憶装置14から読み出される。もちろん、カラーレジストマーク検知時に、印画像情報及びパターン幅に基づいて反転印画像データDpを作成するようにしてもよい。BK色を基準にしてC,M,Y色の順に色ずれ補正をする場合を例に採る。色ずれ補正はBK色の書込み位置を基準にしてY,M,C色の書込み位置を修正するようになされる。
これを画像形成条件にして図36に示すフローチャートのステップK1で反転印画像データDpに基づき当該色の反転カラーレジストマークCRを感光体ベルト60に形成する。この例では最初に画像形成ユニット10K’により感光体ベルト60にBK色反転パターンPKを形成する。この例で反転印画像データDpに基づいて感光体ベルト60にトナー像を形成したとき、感光体ベルト60に形成されたトナー像部分がBK色反転パターンPK(反転カラーレジストマーク)を構成し、トナー像を形成しない色抜け部分が印画像を構成するようになる。そして、感光体ベルト60に形成されたBK色反転パターンPKの色抜け部分が成す印画像の位置をステップK2でレジストセンサ12A等により検出するようになされる。
更に、ステップK3で色抜け部分が成す印画像の位置に基づいて制御装置15ではBK色ずれ量以外のY,M,C色のずれ量の補正値を演算するようになされる。その後、ステップK4に移行して色ずれ補正を実行するか否かが制御装置15によって判断される。BK色は基準なので色ずれ補正はしない。色ずれ補正を実行するか否かは、予め設定された制御目標値と比較することで判断される。
色ずれ量が目標値を越え、色ずれ補正を要する場合はステップK5に移行するが、ステップK4でBK色及び、色ずれ量が目標値以下で色ずれ補正を要しない場合はステップK6に移行して、他の色について、カラーレジストマーク検知を行うかが判別される。他の色、つまり、Y,M,C色についてカラーレジストマーク検知を行うのでステップK1に戻る。
そして、ステップK1で反転印画像データDpに基づき画像形成ユニット10Y’により感光体ベルト60にY色反転パターンPYを形成し、ステップK2でY色反転パターンPYの色抜け部分が成す印画像の位置をレジストセンサ12A等により検出する。
更に、ステップK3で色抜け部分が成す印画像の位置に基づいて制御装置15ではY色ずれ量の補正値を演算するようになされる。このとき、制御装置15では、BK色のカラーレジストマークCRの書込み位置と、Y色のカラーレジストマークCRの書込み位置とを検知し、Y色のカラーレジストマークCRの書込み位置をBK色のカラーレジストマークCRの書込み位置に換算した際のずれ量からその補正量を算出する。
その後、ステップK4に移行して色ずれ補正を実行するかが制御装置15によって判断される。色ずれ補正を実行するか否かは、予め設定された制御目標値と比較することで判断される。色ずれ量が目標値を越え、色ずれ補正を要する場合はステップK5に移行し、制御装置15によって画像書込み部3Yが制御される。このとき、Y色用の補正手段5Yにおいて、BK色のレジストマークCRを基準にして、Y色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整される。この補正では、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。これにより、感光体ベルト60へのY色用の画像形成位置を調整することができる。
また、ステップK1で反転印画像データDpに基づき画像形成ユニット10M’により感光体ベルト60にM色反転パターンPMを形成し、ステップK2でM色反転パターンPMの色抜け部分が成す印画像の位置をレジストセンサ12A等により検出する。
更に、ステップK3で色抜け部分が成す印画像の位置に基づいて制御装置15ではM色ずれ量の補正値を演算するようになされる。このとき、制御装置15では、BK色のカラーレジストマークCRの書込み位置と、M色のカラーレジストマークCRの書込み位置とを検知し、M色のカラーレジストマークCRの書込み位置をBK色のカラーレジストマークCRの書込み位置に換算した際のずれ量からその補正量を算出する。
その後、ステップK4に移行して色ずれ補正を実行するかが制御装置15によって判断される。色ずれ補正を実行するか否かは、Y色と同様にして、予め設定された制御目標値と比較することで判断される。色ずれ量が目標値を越え、色ずれ補正を要する場合はステップK5に移行し、制御装置15によって画像書込み部3Mが制御される。このとき、M色用の補正手段5Mにおいて、BK色のレジストマークCRを基準にして、M色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整される。この補正では、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。これにより、感光体ベルト60へのM色用の画像形成位置を調整することができる。
更にステップK1で反転印画像データDpに基づき画像形成ユニット10C’により感光体ベルト60にC色反転パターンPCを形成し、ステップK2でC色反転パターンPCの色抜け部分が成す印画像の位置をレジストセンサ12A等によりそれぞれ検出する。
更にまた、ステップK3で色抜け部分が成す印画像の位置に基づいて制御装置15ではC色ずれ量の補正値を演算するようになされる。このとき、制御装置15では、BK色のカラーレジストマークCRの書込み位置と、C色のカラーレジストマークCRの書込み位置とを検知し、C色のカラーレジストマークCRの書込み位置をBK色のカラーレジストマークCRの書込み位置に換算した際のずれ量からその補正量を算出する。
その後、ステップK4に移行して色ずれ補正を実行するかが制御装置15によって判断される。色ずれ補正を実行するか否かは、Y色と同様にして、予め設定された制御目標値と比較することで判断される。色ずれ量が目標値を越え、色ずれ補正を要する場合はステップK5に移行し、制御装置15によって画像書込み部3Cが制御される。このとき、C色用の補正手段5Cにおいて、BK色のレジストマークCRを基準にして、C色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整される。この補正では、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。これにより、感光体ベルト60へのC色用の画像形成位置を調整することができ、色画像の形成位置を調整することができる。
このように、本発明に係る第5の実施形態としてのカラー画像形成装置及び画像形成方法によれば、制御装置15では予めBK色反転パターンPKを感光体ベルト60に形成し、その後、この感光体ベルト60に形成されたC色反転パターンPCの色抜け部分が成す印画像の位置に基づいてY色画像の形成位置を調整するように画像書込み部3Yを制御するようになされる。M,C色についても同様にして調整するように画像書込み部3M及び画像書込み部3Cを制御するようになされる。
従って、印画像を成す色抜け部分以外をY,M,C,BK色等の反転カラーレジスト(トナー像)により覆い隠すことができるので、メンテナンスや部品消耗等の経時的な変化により感光体ベルト60に傷等が生じた場合であっても、本来の印画像の位置を正確に検出することができる。
これにより、傷等による雑音信号が重畳されない高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整することができる。しかも、色ずれ値の算出には、従来方式の構成をほとんど変更することなくはそのまま使用できる。また、反転カラーレジストマークCR以外の部分の読み込みをハード的に制限したので、トナーの消費量も抑えることができた。従って、感光体ベルト60に正確に色を重ね合わせることができるので、経時的な変化に左右されることなく、所望の用紙Pに色画像を精度良く転写することができる。
(6)第6の実施形態
図37は本発明に係る第6の実施形態としてのカラー画像形成装置600の画像転写及び画像形成系の構成例を示すブロック図である。
この実施形態では感光体ベルト60上に形成された色画像の位置検出に基づいて画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御する制御装置15を備える。そして、感光体ベルト60の使用状況に応じて色重ね合わせ用の印画像又は該印画像を反転した反転カラーレジストマークCRを感光体ベルト60に形成し、この感光体ベルト60に形成された非反転カラーレジストマーク又は反転カラーレジストマークの色抜け部分が成す印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するように画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御するものである。
これによって、感光体ベルト60を新規に使用する場合や、当該感光体ベルト60を新品と交換した場合に、印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整できるようになる。これと共に、メンテナンスや部品消耗等の経時的な変化により感光体ベルト60に傷等が生じた場合も、傷等による雑音信号が重畳されない高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整できるようにしたものである。
図37に示すカラー画像形成装置600は任意の画像情報に基づいて色を重ね合わせ色画像を形成する装置である。当該装置600は感光体ベルト60を有しており、この感光体ベルト60上でカラー画像を形成した後に、このカラー画像を所望の用紙Pに転写するようになされる。この感光体ベルト60に沿って画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’が設けられ、色画像を形成するようになされる。感光体ベルト60の例えば、走行方向には検出手段の一例となるレジストセンサ12が取り付けられ、感光体ベルト60に形成された色画像の位置を検出するようになされる。
レジストセンサ12には制御装置15が接続されており、このレジストセンサ12の出力に基づいて感光体ベルト60及び画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御するようになされる。制御装置15は少なくとも、感光体ベルト60の使用状況に応じて、色重ね合わせ用の印画像又は該印画像を反転した反転カラーレジストマークCRを感光体ベルト60に形成し、この感光体ベルト60に形成されたカラーレジストマークCR又は反転カラーレジストマークCRの色抜け部分が成すカラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するように画像形成ユニット10K’を基準にして画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’を制御する。
制御装置15には記憶装置14が接続されており、カラーレジストマークCRを形成するための印画像情報及び反転カラーレジストマークCRを形成するための反転印画像データDpを記憶するようになされる。もちろん、これに限られることはなく、色重ね合わせ用の印画像を形成するための印画像情報を記憶装置14に格納しておき、カラーレジストマークCR検知時に、印画像情報及びパターン幅に基づいて反転印画像データDpを作成するようにしてもよい。反転印画像データDpに基づいて印画像を反転した反転カラーレジストマークCRを感光体ベルト60に形成するためである。
この例でレジストセンサ12は、感光体ベルト60の幅方向を主走査方向としたとき、この主走査方向に複数個が並べて取り付けられる。これによって、感光体ベルト60のレジストマーク形成面(色画像形成面)を複数に分担して表面状態を検出することができる。従って、当該レジストセンサ12で分担して検出した副走査方向(走行方向)のレジストマーク形成面毎にカラーレジストマークCR又は反転カラーレジストマークCRを形成するための印画像情報又は反印画情報を記憶装置14から選択することができる。
この例で感光体ベルト60に沿って、Y色用のトナー像を形成する現像装置4Yが画像形成ユニット10Y’に備えられ、M色用のトナー像を形成する現像装置4Mが画像形成ユニット10M’に備えられ、C色用のトナー像を形成する現像装置4Cが画像形成ユニット10C’に備えられ、BK色用のトナー像を形成する現像装置4Kが画像形成ユニット10K’に備えられ、これらの現像装置4Y,4M,4C,4Kによって感光体ベルト60に形成されたY色、M色、C色及びBK色のトナー像部分が各々反転カラーレジストマークCRを構成し、トナー像を形成しない色抜け部分が印画像を構成するようになる。なお、第4の実施形態と同じ名称及び同じ符号のものは同じ機能を有するためその説明を省略する。
制御装置15は感光体ベルト60のレジストマーク形成面の表面状態をレジストセンサ12で検出すると共に、レジストセンサ12の出力に基づいて感光体ベルト60の表面状態の良否を判断し記憶装置14の情報選択読出し制御をする。この例でレジストセンサ12、記憶装置14及び制御装置15によってマーク検知可否判断手段80を構成する。
マーク検知可否判断手段80ではレジストセンサ12で感光体ベルト60のレジストマーク形成面の表面状態を検出し、制御装置15では検知不可フラグFGが準備される。この検知不可フラグはカラーレジストマーク検知時にレジストセンサ12A等で誤検知するかどうかの判断基準として使用される。
この例で制御装置15はレジストセンサ12の検出出力を入力し、感光体ベルト60の表面状態に対応してレジストマーク形成面にカラーレジストマークCR又は該カラーレジストマークCRを反転した反転カラーレジストマークCRを形成するように画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御する。
ここで印画像情報に基づいてカラーレジストマークCRを感光体ベルト60に形成(以下で第1マーク作成方法ともいう)し、この感光体ベルト60に形成されたカラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整する処理を第1調整モードとする。また、反転印画像データDpに基づいて反転カラーレジストマークCRを感光体ベルト60に形成(以下で第2マーク作成方法ともいう)し、この感光体ベルト60に形成された反転カラーレジストマークCRの色抜け部分が成す印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整する処理を第2調整モードとする。
この制御装置15には操作手段18や表示装置29が接続され、第1調整モード又は第2調整モードのいずれかを設定(選択)するように操作される。制御装置15では操作手段18の出力に基づいて感光体ベルト60や画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’等を制御するようになされる。表示装置29には画像形成時の設定画面が表示される。表示装置29には操作手段18を取り込んだタッチパネルが使用される。
例えば、制御装置15ではレジストマーク形成面の表面状態が良好である場合又は第1調整モードが設定された場合は、第1マーク作成方法によりカラーレジストマークCRを感光体ベルト60に形成し、この感光体ベルト60に形成されたカラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するようになされる。
また、レジストマーク形成面に表面状態が予め定めた基準値よりも劣る場合又は第2調整モードが設定された場合は、第2マーク作成方法により反転カラーレジストマークCRを感光体ベルト60に形成し、この感光体ベルト60に形成された反転カラーレジストマークCRの色抜け部分が成すカラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するようになされる。
この例では更に感光体ベルト60には新品検知用のヒューズFが設けられる。このヒューズFは識別回路19に接続されている。識別回路19は例えば制御装置15に設けられ、このヒューズFの溶断有無に基づく新品検知信号を出力すると共に、外部設定信号に基づいてヒューズFを溶断するようになされる。
この例で制御装置15は感光体ベルト60の識別回路19から得られる新品検知信号に基づいて感光体ベルト60のレジストマーク形成面にカラーレジストマークCR又は該カラーレジストマークCRを反転した反転カラーレジストマークCRを形成するように画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御する。
また、第2調整モードに基づいて制御装置15が既に画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御していた場合であって、識別回路19から得られた新品検知信号Sndが「感光体ベルト60は新品である」を示す場合に第2調整モードから第1調整モードに切り替えて画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御するようになされる。マーク作成方法を第2から第1へ切換えるためである。
なお、制御装置15の位置ずれ制御系及び画像形成制御系の内部構成例については図17を参照され、ベルトユニット新品検知回路90の構成例については図18A及びBを各々参照されたい。また、表示装置29における画像形成時の操作画面P1の表示例については図19A〜Cを参照されたい。
図38は感光体ベルト60上の非反転及び反転カラーレジストマークCR、CR(上線バーを省略する)の形成例を示すイメージ図である。
この例では図38に示すレジストセンサ12Aにより感光体ベルト60上の非反転カラーレジストマークCRを検出し、レジストセンサ12Bにより感光体ベルト60上の反転カラーレジストマークCRを検出するようにしたものである。
非反転カラーレジストマークCR及び反転カラーレジストマークCRは図19Cに示したソフトウエアスイッチモード画面P3により自動又は手動設定された第1又は第2マーク作成方法によるもの、ベルトユニット新品検知回路90に基づいて自動選択された第1又は第2マーク作成方法によるもの、感光体ベルト60の使用状況の検出結果に基づいて自動選択された第1又は第2マーク作成方法によるものである。
図38に示すレジストセンサ12Aによって見かけ上トレースされる感光体ベルト60の左側には従来方式と同様にしてBK色及びM色等の非反転カラーレジストマークCRが形成される。レジストセンサ12Bによって見かけ上トレースされる感光体ベルト60の右側の書込みKにはBK色の反転カラーレジストマークCRが形成され、この例では1stマーク(K)及び2ndマーク(K)が連続して形成され、このレジスト形成領域が信号読込領域Akとなる。
また、書込みMにはM色のレジストが形成され、この例では1stマーク(M)及び2ndマーク(M)が連続して形成され、このレジスト形成領域が信号読込領域Amとなる。これらのBK色やM色等の反転カラーレジストマークCR以外、例えば、信号読込領域Akと信号読込領域Amとの間は信号マスク領域Mskとなされている。
この信号マスク領域Mskは図3や図17等に示したマスク回路515によって通過タイミングパルス信号Spをマスクすることで対処している。また、図17に示したずれ量検出部552では1stマーク(M)、2ndマーク(M)・・・・等の相対位置ずれ量を算出するようになる。各色を再現性良く重ね合わせるためである。
図39はレジストセンサ12A等の他の配置例を示す斜視図である。この例では感光体ベルト60の幅方向を主走査方向としたとき、この主走査方向に複数個の検出系を並べ配置し、感光体ベルト60のレジストマーク形成面の状態を各々の検出系で検出するようにしたものである。
図39に示す配置例では3個のレジストセンサ12A〜12Cが配置される。レジストセンサ12Aは感光体ベルト60の走行方向に向かって右側、レジストセンサ12Bは左側、レジストセンサ12Cは中央部に各々配置され、左右中央3列方式による検出系を構成している。感光体ベルト60のレジストマーク形成面に経時的な変化によって生じた傷に対して、この傷の分布に対応したマスク生成方法を選択することができる。
つまり、この配置によって、感光体ベルト60のレジストマーク形成面を複数に分担して表面状態を検出することができる。従って、当該レジストセンサ12で分担して検出した副走査方向(走行方向)のレジストマーク形成面毎にカラーレジストマークCR又は反転カラーレジストマークCRを形成するための印画像情報又は反転印画情報を記憶装置14から選択することができる。
左右中央3列方式の検出系は図32に示した左右2列方式の場合に比べて色画像形成領域をエリア毎に第1調整モード又は第2調整モードを設定することができる。従って、レジストセンサ12A,12B,12Cに対して第1又は第2マーク作成方法を選択させることができる。これにより、マークトナー量を抑制でき、かつ、色ずれマーク検出に対してベルト傷の影響を抑えることができる。なお、レジストセンサ12A等によるベースレベル補正時の信号例については図22を参照されたい。
続いて、本発明に係る第3の画像形成方法についてカラー画像形成装置600の動作例を3つの実施例に分けて説明をする。各実施例では任意の画像情報Dinに基づいて色を重ね合わせ感光体ベルト60に色画像を形成する場合を前提とする。
[第1の実施例]
図40は本発明に係る第1の実施例としてのカラー画像形成装置600の動作例(傷有無検知時)を示すフローチャートである。
この例では図37で説明したレジストセンサ12、記憶装置14及び制御装置15から構成されるマーク検知可否判断手段80が備えられ、レジストセンサ12で感光体ベルト60のレジストマーク形成面の表面状態を検出し、制御装置15では検知不可フラグFGが準備される。この検知不可フラグはカラーレジストマーク検知時にレジストセンサ12A等で誤検知するかどうかの判断基準として採用される。
これを動作条件にして、まず、感光体ベルト60のレジストマーク形成面の表面状態を検出するべく、図40に示すフローチャートのステップL1でベースラインの補正処理を実行する。この処理では無終端状の感光体ベルト60を駆動し、レジストマーク形成面をクリーニングすると共に、ステップL2に移行してベルト一周分のレジストセンサ12A,12B等のセンサ出力をRAM57等に読み込む。感光体ベルト60のベースノイズを少なくともベルト1周期分をサンプリングするためである。そして、ステップL3に移行して感光体ベルト60のカラーレジストマーク形成面に傷が有ったかを判断する。
この際の傷有無の判断ではカラーレジストマークCRを形成する前に、図46に示したようなベース補正レベルから閾値Lthを大きく下回るレベルの位置検出信号S2が検出される。カラーレジストマーク形成前の新規な感光体ベルト60であれば、図10Aに示したようなベース補正レベルの位置検出信号S2が検出されるはずである。経時的な変化により感光体ベルト60のレジストマーク形成面に傷が発生していると、閾値Lthを下回るレベルの位置検出信号S2が検出される。この位置検出信号S2はカラーレジストマーク検知時にはコンパレータ59で二値化され、通過タイミングパルス信号Spとなってマスク回路515を通してラッチ回路56へ出力される。
感光体ベルト60の使用状況の検出(把握)処理で、閾値Lthを下回るレベルの位置検出信号S2が検出される場合はカラーレジストマーク形成後に誤検知するおそれがある。そこで、ステップL3で感光体ベルト60に傷が有ったと判断された場合はステップL4で検知不可フラグFGがセットされ、FG=1とされる。また、ステップL3で感光体ベルト60に傷が無いと判断された場合はステップL5で検知不可フラグFGがリセットされ、FG=0とされる。検知不可フラグFGはRAM57に一時記憶される。
(位置ずれ調整モードの設定例)
図41はカラー画像形成装置600における位置ずれ調整モードの設定例を示すフローチャートである。
この例では感光体ベルト60で色画像を転写するに当たり、制御装置15では感光体ベルト60の表面状態の良否を判断し、この感光体ベルト60の表面状態の良否に応じて当該感光体ベルト60に色重ね合わせ用のカラーレジストマークCR又は該カラーレジストマークCRを反転した反転カラーレジストマークCRを形成する。この例では制御装置15の判断結果に応じて第1調整モード又は第2調整モードを設定し、その後、第1又は第2のマーク作成方法を選択してマーク検知を行うようにしたものである。
カラーレジストマークCRの形成方法としては、非反転カラーレジストマークCRを構成する有効マーク部をトナー像とする第1マーク作成方法と、反転カラーレジストマークCRを構成する有効マーク部以外の領域をトナー像とする第2マーク作成方法とが準備される。もちろん、色重ね合わせ用のカラーレジストマークCRを形成するための印画像情報又は該カラーレジストマークCRを反転した反転カラーレジストマークCRを形成するための反転印画像データDpも予め準備される。
これを動作条件にして、図41に示すフローチャートのステップM1でCPU55はRAM57からレジストマーク形成面の表面状態に対応した検知不可フラグFGを読み込む。そして、ステップM2で検知不可フラグがFG=1か否かを判別する。FG=1でない場合、つまり、FG=0でレジストマーク形成面の表面状態が良好である場合はステップM3に移行して第1調整モードを設定し、その後、ステップM6に移行して第1マーク作成方法を選択する。そして、ステップM7に移行する。
また、ステップM2で検知不可フラグがFG=1の場合、つまり、レジストマーク形成面に表面状態が予め定めた閾値(基準値)Lthよりも劣る場合は、ステップM5に移行して第2調整モードを設定し、その後、ステップM6に移行して第2マーク作成方法を選択する。そして、ステップM7に移行する。ステップM7では各調整モードに基づいて位置ずれ調整処理がなされる。
例えば、上述のステップM3で第1調整モードが設定された場合には、ステップM4で第1マーク作成方法により印画像情報が読み出され、この印画像情報に基づくカラーレジストマークCRが感光体ベルト60に形成される。位置検出用のレジストセンサ12A,12Bでは感光体ベルト60に形成されたカラーレジストマークCRの位置が検出される。この感光体ベルト60に形成されたカラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するようになされる。制御装置15ではレジストセンサ12A等の出力に基づき、BK色のカラーレジストパターンCRを基準として他のC,M,Y色用の画像形成ユニット10C’,10M’,10Y’が制御される。この制御によって、BK色の書込み位置に合うようにC,M,Y色の書込み位置が調整される。
また、ステップM5で第2調整モードが設定された場合には、第2マーク作成方法により反転印画像データDpが読み出され、この反転印画像データDpに基づく反転カラーレジストマークCRが画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’によって感光体ベルト60に形成される。この感光体ベルト60に形成された反転カラーレジストマークCRの色抜け部分が成す印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するようになされる。
(傷有無検知時の他の例)
図42はカラー画像形成装置600の他の動作例(傷有無検知時)を示すフローチャートである。
この例では図37で説明したレジストセンサ12、記憶装置14及び制御装置15から構成されるマーク検知可否判断手段80が備えられ、レジストセンサ12で感光体ベルト60のレジストマーク形成面の表面状態を検出する際に、非反転カラーレジストマークCRを形成してそのマークエッジ総数と設計値とを比較し、その後、比較結果に基づいて検知不可フラグを設定し、そして、調整モードを見直すようにしたものである。
つまり、非反転カラーレジストマークCRに関しては、マーク検知時に、マークエッジの検出回数は予め設計値によって明確になっている。もし、感光体ベルト60に誤検知してしまうような傷が有る場合は、マークエッジの検出回数が設計値に一致しなくなる。そのため、色ずれ等の計算結果が不適切となり補正処理が正常にできなくなる。このマークエッジの検出回数を計測することで、これを誤検知するかどうかの判断基準として採用するものである。従って、傷の有無にかかわらず、第1マーク作成方法により非反転カラーレジストマークCRが感光体ベルト60に形成される。
これを前提条件にして、まず、感光体ベルト60のレジストマーク形成面の表面状態を検出するべく、図42に示すフローチャートのステップN1で非反転カラーレジストマークCRの読み込み処理を実行する。そして、ステップN2に移行してマークエッジ総数と設計値とを比較する。マークエッジ総数と設計値とが一致しない場合は、ステップN3に移行する。ステップN3ではマークエッジ総数が設計値を越えるかが検出される。マークエッジ総数が設計値を越える場合は、レジストマーク形成面の表面状態が経時的な変化によって劣化しているので、ステップN4に移行して検知不可フラグFGがセットされ、FG=1とされる。
また、ステップN2でマークエッジ総数と設計値とが一致する場合は、レジストマーク形成面の表面状態が良好なので、ステップN6に移行して検知不可フラグFGがリセットされ、FG=0とされる。検知不可フラグFGはRAM57に一時記憶される。その後の処理は図301に示した位置ずれ調整モードの設定例に従うようになされる。
なお、ステップN3でマークエッジ総数が設計値を越えない場合は、ステップN5に移行してマーク読み取り異常処理を実行する。この処理では非反転カラーレジストマークCRの作成不良や、今後の位置ずれ調整モードの設定が不可等を表示装置に表示するようになされる。その後の処理については、図33に示したフローチャートと同じ処理がなされる。
このように本発明に係る第1の実施例に係るカラー画像形成装置及びその画像形成方法によれば、レジストセンサ12、記憶装置14及び制御装置15から構成されるマーク検知可否判断手段が備えられ、レジストセンサ12で感光体ベルト60のレジストマーク形成面の表面状態を検出し、制御装置15では検知不可フラグFGが準備される。カラーレジスト(マークエッジ)検知時にはレジストセンサ12A等で誤検知するかどうかを検知不可フラグFGによって判断するようになされる。
従って、感光体ベルト60を新規に使用する場合や、当該感光体ベルト60が新品と交換された場合等は、カラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整することができる。メンテナンスや部品消耗等の経時的な変化により感光体ベルト60に傷等が生じた場合は、反転カラーレジストマークCRにより傷等を覆い隠すことができるので、本来の印画像の位置を正確に検出することができる。
これにより、傷等による雑音信号が重畳されない高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整することができる。また、感光体ベルト60に正確に色を重ね合わせることができるので、所望の用紙Pに色画像を精度良く転写することができる。
[第2の実施例]
図43は本発明に係る第2の実施例としてのカラー画像形成装置600の動作例を示すフローチャートである。
この実施例では感光体ベルト60に新品検知用のヒューズFが取り付けられ、該ヒューズFを溶断するベルトユニット新品検知回路(New検知手段)90が制御装置15に備えられ、感光体ベルト60を新規に使用する場合又は当該感光体ベルト60が新品と交換された場合は、ヒューズFを溶断する。そのヒューズFの溶断有無の判断結果に応じてマーク作成方法を切り換えてレジストマーク検知を行うようになされる。
これは感光体ベルト(ベルトユニット)60が新品の時はヒューズFが導通状態であり、ヒューズFがオープンならばベルトユニットが使用途中であると判断できることによる。これと共に、このベルトユニット新品検知回路90から得られる新品検知信号Sndに基づいて色画像の形成位置を調整する第1調整モードで画像形成処理をするようになされる。
これらを動作条件にして、図43に示すフローチャートのステップQ1で制御装置15はベルトユニット新品検知回路90から新品検知信号Sndを読み込む。そして、ステップQ2で新品検知信号Sndが「L」レベルか否かを判別する。新品検知信号Sndが「L」レベルの場合はベルトユニットが新品なので、ステップQ3に移行して第1調整モードを設定し、必要な所定データの設定処理をする。
その後、ステップQ4に移行してカウンタをクリアし、更に、ステップQ5に移行して第1マーク作成方法の選択等を行う。そして、ステップQ6に移行してヒューズFの切断処理を行う。この処理ではベルトユニット新品検知回路90に外部設定信号Sopが供給され、トランジスタTRがONし、ヒューズFに過電流を流して溶断することにより、ヒューズFを強制的にオープンさせ、ベルト使用状態になされる。ヒューズFがオープンされた後は、「H」レベルの新品検知信号Sndがベルトユニット新品検知回路90から制御装置15へ出力するようになされる。
この例でベルトユニット新品検知回路90から得られる新品検知信号Snd=「H」レベルに基づいて感光体ベルト60のレジストマーク形成面に非反転カラーレジストマークCRを形成するようにした。ステップQ2で新品検知信号Sndが「L」レベルでない場合、つまり、新品検知信号Sndが「H」レベルでベルトユニットが既に使用中の場合は、新品処理をせずに終了する。
なお、経時的な変化によって第1の実施例のように第1調整モードから第2調整モードに設定が変更され、第2調整モードに基づいて制御装置15が画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’を制御していた場合であって、ベルトユニットが新品と交換され、ベルトユニット新品検知回路90から得られた新品検知信号Sndが「L」レベル、つまり、「感光体ベルト60は新品である」を示す場合に第2調整モードから第1調整モードに自動的に処理を切り替えるようになされる。
このように本発明に係る第2の実施例に係るカラー画像形成装置及びその画像形成方法によれば、感光体ベルト60に新品検知用のヒューズFが取り付けられ、該ヒューズFを溶断するベルトユニット新品検知回路90が制御装置15に備えられ、感光体ベルト60を新規に使用する場合又は当該感光体ベルト60が新品と交換された場合は、ヒューズFを溶断する。そのヒューズFの溶断有無の判断結果に応じてマーク作成方法を切り換えてレジストマーク検知処理を行うようになされる。
従って、感光体ベルト60を新規に使用する場合や、当該感光体ベルト60が新品と交換された場合等は、カラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整することができる。メンテナンスや部品消耗等の経時的な変化により感光体ベルト60に傷等が生じた場合は、反転カラーレジストマークCRにより傷等を覆い隠すことができるので、本来の印画像の位置を正確に検出することができる。
これにより、傷等による雑音信号が重畳されない高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整することができる。また、感光体ベルト60に正確に色を重ね合わせることができるので、所望の用紙Pに色画像を精度良く転写することができる。
[実施例3]
図44は本発明に係る第3の実施例としてのカラー画像形成装置600の動作例を示すフローチャートである。
この実施例では図37に示した操作手段18を操作して自動又は手動選択を設定し、これに基づいて第1調整モード又は第2調整モードのいずれかを設定する場合を前提とする。
これを動作条件にして、図44に示すフローチャートのステップR1で制御装置15では自動又は手動選択の設定によって制御を分岐する。自動又は手動選択はキーオペレーション用の操作画面P1によって設定される。ソフトウエアスイッチSW3の選択ビットAが「0」で自動選択が設定された場合は、ステップR2に移行して検知不可フラグFGが「1」か「0」かが制御装置15によって判断される。検知不可フラグFG=0の場合はステップR4に移行して第1調整モードが設定され、ステップR5に移行して第1マーク作成方法が選択される。その後、ステップR14に移行する。
ステップR2で検知不可フラグがFG=1の場合はステップR6に移行して第2調整モードが設定され、ステップR7に移行して第2マーク作成方法が選択される。その後、ステップR14に移行する。
また、ステップR1でソフトウエアスイッチSW3の選択ビットAが「1」で手動選択が設定された場合は、ステップR8に移行してソフトウエアスイッチSW3の選択ビットBが読み込まれる。そして、ステップR9に移行して選択ビットBが「1」か「0」かが判別される。選択ビットBが「0」の場合はステップR10に移行して第1調整モードが設定され、ステップR11に移行して第1マーク作成方法が選択される。その後、ステップR14に移行する。
ステップR2で選択ビットBが「1」の場合はステップR12に移行して第2調整モードが設定され、ステップR13に移行して第2マーク作成方法が選択される。その後、ステップR14に移行する。ステップR14では第2の実施例と同様にして各調整モードに基づいて位置ずれ調整処理がなされる。
例えば、上述のステップR4や,ステップR9で第1調整モードが設定された場合には、ステップR5やR11で第1マーク作成方法により印画像情報が読み出され、この印画像情報に基づくカラーレジストマークCRが感光体ベルト60に形成される。位置検出用のレジストセンサ12A,12Bでは感光体ベルト60に形成されたカラーレジストマークCRの位置が検出される。この感光体ベルト60に形成されたカラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するようになされる。制御装置15ではレジストセンサ12A等の出力に基づき、BK色のカラーレジストパターンCRを基準として他のC,M,Y色用の画像形成ユニット10C’,10M’,10Y’が制御される。この制御によって、BK色の書込み位置に合うようにC,M,Y色の書込み位置が調整される。
また、ステップR6やR12で第2調整モードが設定された場合には、第2マーク作成方法により反転印画像データDpが読み出され、この反転印画像データDpに基づく反転カラーレジストマークCRが画像形成ユニット10Y’,10M’,10C’,10K’によって感光体ベルト60に形成される。この感光体ベルト60に形成された反転カラーレジストマークCRの色抜け部分が成す印画像の位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整するようになされる。
このように本発明に係る第3の実施例に係るカラー画像形成装置及びその画像形成方法によれば、操作手段18を操作して自動又は手動選択を設定し、これに基づいて第1調整モード又は第2調整モードのいずれかを設定するようになされる。
従って、感光体ベルト60を新規に使用する場合や、当該感光体ベルト60が新品と交換された場合等は、カラーレジストマークCRの位置検出に基づいて色画像の形成位置を調整することができる。メンテナンスや部品消耗等の経時的な変化により感光体ベルト60に傷等が生じた場合は、反転カラーレジストマークCRにより傷等を覆い隠すことができるので、本来の印画像の位置を正確に検出することができる。
これにより、傷等による雑音信号が重畳されない高信頼度の位置検出信号S2に基づいて色画像の形成位置を精度良く調整することができる。しかも、レジストマークの形成に係るトナー量を抑制することができる。また、感光体ベルト60に正確に色を重ね合わせることができるので、所望の用紙Pに色画像を精度良く転写することができる。
(7)第7の実施形態
図45は本発明に係る第7の実施形態としてのパッチマークPm’の作像例を示す図である。
この実施形態では、中間転写ベルト6に色ずれ補正用のカラーレジストマーク(印画像)を形成し、当該カラーレジストマークの通過タイミングを読み取って、基準色(BK色)のカラーレジストマークに対する他のカラーレジストマークの位置ずれ量を算出し、このマーク作像位置(画像形成位置)を補正する場合(色ずれ補正モード)を前提にして、中間転写ベルト6の所定の位置に、各色毎に濃度の異なる任意数の色濃度検出用のパッチマーク(切片画像)Pm’が形成される。
図45に示すパッチマークPm’は、主走査方向に長さを成し、かつ、副走査方向に複数本を成した、BK色用のパッチマークPmkと、C色用のパッチマークPmcと、M色用のパッチマークPmmと、Y色用のパッチマークPmyから構成される。各々の色用のパッチマークPmk、Pmc、Pmm、Pmyは、例えば、濃度がそれぞれ異なる4本のライン状のパッチ(1)〜(4)によって構成される。パッチマークPm’は、レジストセンサ(印画像位置検出用の検出系)12A、12Bによって検出可能なように中間転写ベルト6上に形成される。例えば、レジストセンサ12Aの下方から、レジストセンサ12Bの下方に至る長さを有して中間転写ベルト6上に作像される。
この中間転写ベルト6に形成されたパッチマークPm’は、レジストセンサ12A,12Bによって読み取られる。この例では、レジストセンサ12A,12Bから得られる読取り結果に基づいて各色の色ずれ補正用のカラーレジストマークCRの濃度を決定するようになされる。このようにすると、最適な濃度のカラーレジストマークCRを作像できることに加えて、最適な閾値Lthを各色毎に見つけ出すことができるようになる(第4の画像形成方法)。
図46は、レジストセンサ12A等におけるパッチマーク検出例を示す概念図である。 図46に示すレジストセンサ12A等は、中間転写ベルト6に光を照射し、当該中間転写ベルト6からの反射光を検出するものである。レジストセンサ12A等には、反射型の光学センサが使用される。この例で、レジストセンサ12A等は、中間転写ベルト6に作像された、色ずれ補正用のカラーレジストマーク(印画像)や、色濃度調整用のパッチマーク等のトナー検知レベルを検出するが、カラーレジストマークCRや、パッチマークPm’が形成されない部分、すなわち、中間転写ベルト6の下地レベルも読み取るようになされる。
この例では、レジストセンサ12A等から得られる中間転写ベルト6のパッチマーク非形成部分(下地)の濃度情報を含む位置検出信号S2’のレベルと、当該中間転写ベルト6のパッチマーク形成部分の各色の濃度情報を含む位置検出信号S2’のレベルとに基づいて制御基準値の一例となる閾値(二値化レベル)Lthを各色毎に決定するようになされる。閾値Lthは、レジストセンサ12A,12BによってカラーレジストマークCRを検出する際に、各々の画像形成ユニット10Y、10C、10M、10Kに各々設定される。
図47は、パッチマーク検出時の濃度情報を含む位置検出信号S2’の波形例を示す図である。図47において、横軸は時間tであり、縦軸はレジストセンサ12A等による、例えば、BK色用のパッチマークPmkに関する位置検出信号S2’の信号レベルである。また、L0はトナー検知レベルであり、L1はベルト検知レベルであり、Lthは二値化レベル(閾値)である。
この例で、レジストセンサ12A,12Bは最も低くなるパッチ(3)出力の濃度を検出する。制御装置15は、トナー検知レベルL0と、ベルト検知レベルL1から閾値Lthを算出する。図47に示すBK色用のパッチマークPmcの位置検出信号S2’は、図45に示したように、BK色用のパッチマークPmcが濃度の異なる4つのライン状のパッチ(1)〜(4)から構成されることから、4つの濃度を反映した波形となる。
パッチマークPmkで濃度が薄いライン状のパッチ(1)の場合は、図7Aに示したように濃度情報を含む位置検出信号S2’の波形が鋭くなる。その半値幅w1が狭くなる。パッチマークPmkで濃度が濃いライン状のパッチ(4)場合は、図7Bに示したように位置検出信号S2’の波形が鈍くなる。半値幅w2は広くなる。
この例でパッチマークPm’の形成部分の濃度情報を含む位置検出信号S2’に関して、4つのパッチマークPm’=パッチ(1)出力〜パッチ(4)出力の濃度情報を含む位置検出信号S2’の内、最も信号レベルが低くなる濃度を検出する。レジストセンサ12から出力されるパッチマークPm’の非形成部分の位置検出信号S2’の最小値(MIN)及び当該パッチマークPm’の形成部分に係る最大値(MAX)を検出し、この濃度情報を含む位置検出信号S2’の最小値及び最大値に基づいて平均値を演算する。この平均値、つまり、最小値及び最大値のセンターに二値化時の閾値Lthを設定する。
図47に示したBK色のパッチマークPmkの例によれば、パッチ(1)出力の濃度が最も薄く、パッチ(4)出力が最も濃い。BK、C,M,Y色用のパッチマークPm’の濃度が変動した場合に、濃度が薄くなっても、濃度が高くなりすぎても、下地との関係で反射光量が高くなってしまう場合が有る。この例では、パッチ(1)出力>パッチ(2)出力>パッチ(4)出力>パッチ(3)出力となって、パッチ(3)出力が最も低い。つまり、パッチマークPm’はレジストセンサ12A等で検出できるものであればどのようなパターン形状でもよい。
図48A及びBはレジストセンサ12A等におけるパッチマークPm’の検出時の位置検出信号S2’の二値化例を示す図である。
図48A及びBにおいて、横軸はいずれも時間である。この例で、パッチマークPm’の検出時の位置検出信号S2’には、パッチマークPm’の濃度情報を含んでいる。つまり、位置検出信号S2’には、BK色用のパッチマークPmk、C色用のパッチマークPmc、M色用のパッチマークPmm、Y色用のパッチマークPmyの各々の濃度情報及び位置情報を含んでいる。位置検出信号S2’は、図46において、各色毎に決定された閾値Lthに基づいて各々二値化される。
この例で、中間転写ベルト6が副走査方向に移動して、例えば、レジストセンサ12A等がBK色用のパッチマークPmkを検出すると、図48Aに示す位置検出信号S2’が立ち下がり、a点が閾値Lthをクロスする時刻taに、BK色用のパッチマークPmkに係る通過タイミングパルス信号Spが立ち上がる。また、位置検出信号S2’が立ち上がり、b点が閾値Lthをクロスする時刻tbに通過タイミングパルス(二値化)信号Spが立ち下がる。
同様に、中間転写ベルト6が副走査方向に移動して、レジストセンサ12A等が他のC、M、Y色用のパッチマークPmc、Pmm、Pmyを順次検出する。例えば、C色用のパッチマークPmcに関して、図48Aに示した位置検出信号S2’が立ち下がり、a点が閾値Lthをクロスする時刻taに、C色用のパッチマークPmcに係る通過タイミングパルス信号Spが立ち上がる。また、位置検出信号S2’が立ち上がり、b点が閾値Lthをクロスする時刻tbに通過タイミングパルス信号Spが立ち下がる。
更に、M色用のパッチマークPmmに関して、図48Aに示した位置検出信号S2’が立ち下がり、a点が閾値Lthをクロスする時刻taに、M色用のパッチマークPmmに係る通過タイミングパルス信号Spが立ち上がる。また、位置検出信号S2’が立ち上がり、b点が閾値Lthをクロスする時刻tbに通過タイミングパルス信号Spが立ち下がる。
また、Y色用のパッチマークPmyに関して、図48Aに示した位置検出信号S2’が立ち下がり、a点が閾値Lthをクロスする時刻taに、Y色用のパッチマークPmmに係る通過タイミングパルス信号Spが立ち上がる。また、位置検出信号S2’が立ち上がり、b点が閾値Lthをクロスする時刻tbに通過タイミングパルス信号Spが立ち下がる。
これら順次発生するBK、C,M,Y色用の各々の通過タイミングパルス信号Spは、図3に示したコンパレータ59からマスク回路515を経てラッチ回路56へ出力され、BK色用のカラーレジストマークCRを基準とした他のC,M,Y色の位置ずれを調整するために使用される。BK色の書込み位置に対するY,M,C色の書き込み位置のずれ量を算出するためである。
図49は、他のカラーレジストパターンCR’の作像例を示す図である。図49に示すカラーレジストパターンCR’は、主走査方向に所定の長さを有するライン状のパッチと、副走査方向に所定の長さを有するライン状のパッチとを交差させた十字状のパターンを成すものである。この例では、中間転写ベルト6に形成された十字状のカラーレジストパターンCR’の濃度及び形成位置を2つのレジストセンサ12A,12Bによって検出するようになされる。
図50は、カラー画像形成装置100の他の動作例を示すフローチャートである。
この実施形態では、色ずれ補正モード実行前に、濃度がそれぞれ異なる4本のライン状のパッチ(1)〜(4)によって構成されるBK,C,M,Y色用のパッチマークPmk、Pmc、Pmm、Pmyをレジストセンサ12A、12Bによって検出可能なように、パッチマークPm’を中間転写ベルト6上に形成する場合であって、カラーレジストマークCR’の位置検出時の閾値Lthをリアルタイムに校正する場合を例に挙げる。レジストセンサ12A,12B(第2の検出系)は中間転写ベルト6の走行方向(ベルト進行方向)に同位相となる位置に連続して取り付けられている。
これを画像形成条件にして、図50に示すフローチャートのステップU1〜U3でレジストセンサ12A,12B等の初期調整を行い、その後、ステップU4〜U8で書込み位置調整をするようになされる。この初期調整では下地のセンサ出力レベルL0との色濃度検出用のパッチマークのセンサ出力レベルL1から最適な閾値Lthが決定される。
この例では、ステップU1で中間転写ベルト6に色濃度補正用のパッチマークPm’を形成する。このとき、図2に示した画像形成ユニット10Y,10M,10C又は10Kでは、図45に示したように、濃度の異なる4本のライン状のパッチ(1)〜(4)を各々有するBK,C,M,Y色用のパッチマークPmk、Pmc、Pmm、Pmy(パッチマークPm’)が中間転写ベルト6に形成される。その後、ステップU2に移行して中間転写ベルト6に形成されたパッチマークPm’の濃度をレジストセンサ12A等で検出する。例えば、レジストセンサ12Aで検出された濃度情報を含む位置検出信号S2’は図47に示したようになる。
更に、ステップU3に移行してレジストセンサ12Aから出力されるパッチマークPm’の濃度情報を含む位置検出信号S2’に基づいて各色毎のカラーレジストマークCRの濃度及び位置検出時の閾値Lthを決定する。閾値Lthは図48A及びBに示した演算手順で決定する。このとき、制御装置15ではレジストセンサ12A等から出力されるパッチマークPm’の形成部分の濃度情報を含む位置検出信号S2’の最大値(MAX)及びその非形成部分の最小値(MIN)が検出され、位置検出信号S2’の最大値及び最小値に基づいて平均値が演算される。パッチマークPm’の非形成部分の濃度情報を含む位置検出信号S2’は中間転写ベルト6の下地を反映するものである。
この平均値がレジストセンサ12A等の閾値Lthとなされる。また、各色毎のパッチマークPm’の濃度に基づいて、図49に示したような色重ね合わせ用のカラーレジストマークCR’の濃度も調整するようになされる。ここで検出されたパッチマークPm’の濃度によりカラーレジストマークCR’を形成することで、カラーレジストマークCR’の検出時のレジストセンサ12Aの閾値Lthの設定を最適にできる。また、カラーレジストマーク形成時のトナー消費量と調整時間を削減できる。
そして、濃度調整されたカラーレジストマーク(印画像)CR’をステップU4で中間転写ベルト6に形成する。その後、中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCR’の位置をステップU5でレジストセンサ12A等によって検出する。このとき、図48Aに示した閾値Lthに基づいてカラーレジストマークCR’の通過タイミングが検出される。その後、ステップU6で通過タイミングに基づいて色ずれ量を算出する。カラーレジストマークCR’の位置に基づいて色画像の形成位置を調整するためである。
そして、ステップU7に移行して色ずれ量と目標値と比較する。色ずれ量が目標値以下の場合は色画像の形成位置を調整することなく処理を終了する。色ずれ量が目標値を越える場合はステップU8に移行して色ずれ補正をする。この色ずれ補正では、例えば、Y色用の補正手段5Yにおいて、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。これにより、感光体ドラム1YへのY色の画像形成位置を調整することができる。
そして、ステップU4に戻って上述した処理を繰り返す。例えば、M色用の補正手段5Mにおいて、BK色のレジストマークCRを基準にして、M色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整される。この補正では、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。
これにより、感光体ドラム1MへのM色用の画像形成位置を調整することができる。同様にして、C色についても、色ずれ補正処理がなされる。色ずれ量を零にすることで、色画像の形成位置を最適に調整するためである。その後は、画像形成位置が最適に調整された画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによって色画像が中間転写ベルト6に形成される。
このように、本発明に係る第7の実施形態としての画像形成方法によれば、中間転写ベルト6に色ずれ補正用のカラーレジストマークCR’を形成し、当該カラーレジストマークCR’の通過タイミングを読み取って、基準色であるBK色のカラーレジストマークCR’に対する他のC,M,Y色のカラーレジストマークCR’の位置ずれ量を算出して画像形成位置を補正(色ずれ補正モード)する際に、全色のカラーレジストマークCR’を最適な濃度に設定することができる。
従って、画像転写系Iや中間転写ベルト6等における反射光量の変動や、センサ発光量の低減等により使用環境が経時的な変化した場合であっても、色ずれ補正モード時のレジストマーク画像作成に当たって最適な濃度をフィードバックすることができる。
また、第7の実施形態によれば、中間転写ベルト6でパッチマークPm’が形成された部分と、当該パッチマークPm’が形成されない部分とをレジストセンサ12で読み取り、このレジストセンサ12から得られる中間転写ベルト6のパッチマーク非形成部分の濃度情報を含む位置検出信号S2’と、当該中間転写ベルト6のパッチマーク形成部分の各色の濃度情報を含む位置検出信号S2’とに基づいてレジストセンサ12によってカラーレジストマークCRを検出する際の閾値Lthを各色毎に決定するようになされる。
従って、各色毎に最適な閾値Lthを見つけだすことができ、色ずれ補正モード時に、本来のカラーレジストマークCR’の位置を正確に検出することができる。この高信頼度の位置検出信号S2’に基づいてカラーレジストマークCR’の形成位置を精度良く調整することができる。これにより、図2に示した画像転写系Iや画像形成系II等で正確に色を重ね合わせることができるので、所望の転写紙に色画像を精度良く転写することができる。
もちろん、本発明に係る画像形成方法は、像形成体に関して、第1の実施形態で説明したように各色毎に感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを準備し、これらの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに当該色のトナー像を形成し、複数の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト6に転写するカラー画像形成装置に適用できる。また、本発明に係る画像形成方法は、図28で説明したように、色を重ね合わせて色画像を形成する1つの感光体ベルト60を準備し、この感光体ベルト60に各色のトナー像を重ねて形成するカラー画像形成装置にも適用できる。
(8)第8の実施形態
図51は本発明に係る第8の実施形態としてのパッチマークPm''の作像例を示す図である。
この実施形態では、カラーレジストマークの作像位置を補正する場合(色ずれ補正モード)を前提にして、中間転写ベルト6の所定の位置に、各色毎に濃度の異なる任意数の色濃度検出用のパッチマーク(切片画像)Pm''が中間転写ベルト6の片側に形成される。第7の実施形態に比べてトナー像の消費を抑えるためである。
図51に示すパッチマークPm''は、第7の実施形態に比べて主走査方向に短い長さを成し、かつ、副走査方向に複数本を成した、BK色用のパッチマークPmk’と、C色用のパッチマークPmc’と、M色用のパッチマークPmm’と、Y色用のパッチマークPmy’から構成される。各々の色用のパッチマークPmk’、Pmc’、Pmm’、Pmy’は、濃度がそれぞれ異なる4本の短冊状のパッチ(1)’〜(4)’によって構成される。パッチマークPm''は、トナー濃度センサ11(色濃度検出用の検出系)及びレジストセンサ(印画像位置検出用の検出系)12Aによって検出可能なように中間転写ベルト6の右側位置に全色形成される。
この中間転写ベルト6に形成されたパッチマークPm''は、トナー濃度センサ11及びレジストセンサ12Aによって読み取られる。つまり、トナー濃度センサ11がパッチマークPm''を読み取るタイミングで、レジストセンサ12Aでも、パッチマークPm''が読み取られる。この例では、トナー濃度センサ11から得られる読取り結果に関係なく、レジストセンサ12Aから得られる読取り結果に基づいて各色の色ずれ補正用のカラーレジストマークCRの濃度を決定するようになされる。同時に、レジストセンサ12Aから得られる読取り結果に基づいて色ずれ補正モード時の閾値Lthを決定するようになされる。このようにすると、最適な濃度のカラーレジストマークCR’等を作像できることに加えて、レジストマークの濃度を決めるためのレジストマークを別途形成する必要がなくなる(第5の画像形成方法)。
図52は、レジストセンサ12A等におけるパッチマークPm''の検出例を示す概念図である。
この実施形態でも、中間転写ベルト6に色ずれ補正用のカラーレジストマークCR’等を形成し、当該カラーレジストマークCR’の通過タイミングを読み取って、基準色であるBK色のカラーレジストマークCR’に対するC,M,Y,色の他のカラーレジストマークCR’の位置ずれ量を算出して画像形成位置を補正し、その後、任意の画像情報に基づいて色画像を形成する場合を対象とする。
図52に示すトナー濃度センサ11や、レジストセンサ12A、12B等は、中間転写ベルト6に光を照射し、当該中間転写ベルト6からの反射光を検出するものである。レジストセンサ12A等には、反射型の光学センサが使用される。この例で、レジストセンサ12Aは、中間転写ベルト6の右側に作像された色濃度調整用のパッチマークPm''のトナー検知レベル及び、中間転写ベルト6の下地レベルを読み取るようになされる。トナー濃度センサ11は色ずれ補正モードには使用されない。
この例でも、レジストセンサ12A等から得られる中間転写ベルト6のパッチマーク非形成部分(下地)の濃度情報を含む位置検出信号S2’のレベルと、当該中間転写ベルト6のパッチマーク形成部分の各色の濃度情報を含む位置検出信号S2’のレベルとに基づいて制御基準値の一例となる閾値Lth(二値化レベル)を各色毎に決定するようになされる。閾値Lthは、レジストセンサ12A,12BによってカラーレジストマークCRを検出する際に、各々の画像形成ユニット10Y、10C、10M、10Kに各々設定される。
図53は、カラー画像形成装置100の他の動作例を示すフローチャートである。 この実施形態では、色ずれ補正モード実行前に、濃度がそれぞれ異なる4本の短冊状のパッチ(1)’〜(4)’によって構成されるBK,C,M,Y色用のパッチマークPmk’、Pmc’、Pmm’、Pmy’をトナー濃度センサ11及びレジストセンサ12Aによって検出可能なように、パッチマークPm''を中間転写ベルト6上に形成する場合であって、カラーレジストマークCR’の位置検出時の閾値Lthをリアルタイムに校正する場合を例に挙げる。トナー濃度センサ(第1の検出系)11及びレジストセンサ12A(第2の検出系)は、中間転写ベルト6の走行方向(ベルト進行方向)に連続して取り付けられている。
これを画像形成条件にして、図53に示すフローチャートのステップST1〜ST3で、トナー濃度センサ11や、レジストセンサ12A,12B等の初期調整を行い、その後、ステップST4〜ST8で書込み位置調整をするようになされる。この初期調整では第7の実施形態と同様にして、下地のセンサ出力レベルL0との色濃度検出用のパッチマークのセンサ出力レベルL1から最適な閾値Lthが決定される。
この例では、ステップST1で中間転写ベルト6に色濃度補正用のパッチマークPm''を形成する。このとき、図2に示した画像形成ユニット10Y,10M,10C又は10Kでは、図51に示したように、濃度の異なる4本の短冊状のパッチ(1)’〜(4)’を各々有するBK,C,M,Y色用のパッチマークPmk’、Pmc’、Pmm’、Pmy’(パッチマークPm'')が中間転写ベルト6に形成される。その後、ステップST2に移行して中間転写ベルト6に形成されたパッチマークPm''の濃度をレジストセンサ12A等で検出する。例えば、レジストセンサ12Aで検出された濃度情報を含む位置検出信号S2’は、図47に示したようになる。
更に、ステップST3に移行してレジストセンサ12Aから出力されるパッチマークPm''の濃度情報を含む位置検出信号S2’に基づいて各色毎のカラーレジストマークCRの濃度及び位置検出時の閾値Lthを決定する。閾値Lthは図48に示した演算で決定する。このとき、制御装置15ではレジストセンサ12A等から出力されるパッチマークPm''の形成部分の濃度情報を含む位置検出信号S2’の最大値(MAX)及びその非形成部分の最小値(MIN)が検出され、位置検出信号S2’の最大値及び最小値に基づいて平均値が演算される。パッチマークPm''の非形成部分の濃度情報を含む位置検出信号S2’は中間転写ベルト6の下地を反映するものである。
この平均値がレジストセンサ12A等の閾値Lthとなされる。また、各色毎のパッチマークPm''の濃度に基づいて、図49に示したような色重ね合わせ用のカラーレジストマークCR’の濃度も調整するようになされる。なお、カラーレジストマーク形成時のトナー消費量と調整時間を第7の実施形態に比べてより一層削減できる。
そして、濃度調整されたカラーレジストマーク(印画像)CR’をステップST4で中間転写ベルト6に形成する。その後、中間転写ベルト6に形成されたカラーレジストマークCR’の位置をステップST5でレジストセンサ12A等によって検出する。このとき、図48Aに示した閾値Lthに基づいてカラーレジストマークCR’の通過タイミングが検出される。その後、ステップST6で通過タイミングに基づいて色ずれ量を算出する。カラーレジストマークCR’の位置に基づいて色画像の形成位置を調整するためである。
そして、ステップST7に移行して色ずれ量と目標値と比較する。色ずれ量が目標値以下の場合は色画像の形成位置を調整することなく処理を終了する。色ずれ量が目標値を越える場合はステップST8に移行して色ずれ補正をする。この色ずれ補正では、例えば、Y色用の補正手段5Yにおいて、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。これにより、感光体ドラム1YへのY色の画像形成位置を調整することができる。
そして、ステップST4に戻って上述した処理を繰り返す。例えば、M色用の補正手段5Mにおいて、BK色のレジストマークCRを基準にして、M色の色画像の書込み位置をBK色に合わせるように調整される。この補正では、主走査補正処理、副走査補正処理、全体横倍補正処理、部分横倍補正処理及び、スキュー補正処理がなされる。同様にして、C色についても、色ずれ補正処理がなされる。色ずれ量を零にすることで、色画像の形成位置を最適に調整するためである。その後は、画像形成位置が最適に調整された画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによって色画像が中間転写ベルト6に形成される。
このように、本発明に係る第8の実施形態にとしての画像形成方法によれば、色ずれ補正モード実行時に、全色のカラーレジストマークCR’を最適な濃度に設定することができる。従って、画像転写系Iや中間転写ベルト6等における反射光量の変動や、センサ発光量の低減等により使用環境が経時的な変化した場合であっても、色ずれ補正モード時のレジストマーク画像作成に当たって最適な濃度をフィードバックすることができる。
また、第8の実施形態によれば、中間転写ベルト6でパッチマークPm’が形成された部分と、当該パッチマークPm’が形成されない部分とをレジストセンサ12で読み取り、このレジストセンサ12から得られる中間転写ベルト6のパッチマーク非形成部分の濃度情報を含む位置検出信号S2’と、当該中間転写ベルト6のパッチマーク形成部分の各色の濃度情報を含む位置検出信号S2’とに基づいて閾値Lthを各色毎に決定するようになされる。
従って、レジストセンサ12によってカラーレジストマークCRを検出する際の各色毎に最適な閾値Lthを見つけ出すことができ、色ずれ補正モード時に、本来のカラーレジストマークCR’の位置を正確に検出することができる。高信頼度の位置検出信号S2’に基づいてカラーレジストマークCR’の形成位置を精度良く調整することができる。これにより、画像転写系Iや画像形成系II等で正確に色を重ね合わせることができるので、所望の転写紙に色画像を精度良く転写することができる。
もちろん、本発明に係る画像形成方法は、像形成体に関して、第1の実施形態で説明したように各色毎に感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを準備し、これらの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに当該色のトナー像を形成し、複数の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト6に転写するカラー画像形成装置に適用できる。また、本発明に係る画像形成方法は、図28で説明したように、色を重ね合わせて色画像を形成する1つの感光体ベルト60を準備し、この感光体ベルト60に各色のトナー像を重ねて形成するカラー画像形成装置にも適用できる。