JP2005004121A - カラー画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】色ズレ補正を印刷対象画像の書き込み・転写形成と並行して行えると共に、色ズレ量が多い場合には即座に高精度な色ズレ補正を行うことができるカラー画像形成装置を提供すること。
【解決手段】通常時においては、印刷対象画像に第1の色ズレ検出パターンを付加して転写媒体上に形成する。第1の色ズレ量が所定の上限値を越えない場合には、その第1の色ズレ量に基づいて色ズレ補正データを更新する。前記第1の色ズレ量が前記所定の上限値を超えた場合には、高精度な色ずれ検出のための第2の色ズレ検出パターンを前記転写媒体上に形成して、第2の色ズレ量に基づいて色ズレ補正データを更新するようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】通常時においては、印刷対象画像に第1の色ズレ検出パターンを付加して転写媒体上に形成する。第1の色ズレ量が所定の上限値を越えない場合には、その第1の色ズレ量に基づいて色ズレ補正データを更新する。前記第1の色ズレ量が前記所定の上限値を超えた場合には、高精度な色ずれ検出のための第2の色ズレ検出パターンを前記転写媒体上に形成して、第2の色ズレ量に基づいて色ズレ補正データを更新するようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラープリンタ、カラーファクシミリ装置、カラー複写機等として適用可能なカラー画像形成装置に関し、特に、印刷対象画像を構成する各色成分の画像をそれら各色成分に対応した感光体上に書き込むと共に、それら各感光体上に書き込んだ画像を、転写媒体上の画像記録範囲内に順次転写してカラー重ね画像を形成する画像形成手段を備えたカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置においては、印刷対象画像を構成する各色成分、具体的には、例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の各色成分の画像を各色成分に対応した感光体(感光体ドラムや感光体ベルト等)上に書き込む(一様に帯電させた感光体上にレーザーや発光ダイオードの光を照射して部分的に除電して静電潜像形成すると共に各色のトナーを付着させる)。
【0003】
そして、各感光体上に書き込まれた各色の画像を転写ベルト等の転写媒体上の画像記録範囲(最終的に記録紙等の記録媒体上に定着形成される範囲)内に、転写することにより、カラー重ね画像が形成される。
【0004】
そのような、各色ごとに感光体を分けるタンデム方式では、単一の感光体に各色成分の画像を繰り返し書き込み・転写形成する、いわゆる1ドラム方式と比較して、高速なカラー画像形成が可能となる反面、各感光体、転写媒体、光学系等の相互の機械的な誤差に起因する色ズレが生じやすく、また、それらの誤差の経時的な変動に起因する色ズレの経時変化を生じやすい傾向がある。
【0005】
そのようないわゆるタンデム方式における色ズレ補正についての従来技術としては、転写媒体(転写ベルト)に各色を使用した所定のパターン画像を形成し、そのパターンの各色間の相対位置を測定し、理論上の相対位置と比較することで、感光体ドラム、転写媒体、光学系等の主に機械的誤差変動によるカラー重ね画像の色ズレデータを得て、そのデータに基づいて色ずれを補正するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平07−199576号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、色ズレ量を検出するための画像パターンを、転写媒体上の前記画像記録範囲内に形成するようにしているため、印刷対象の画像の記録出力動作と、色ズレ量の検出・色ズレ補正は並行して実施することができない。
【0008】
そのため、色ズレ補正のための画像パターンの書き込み・転写形成動作は、通常の印刷対象画像の書き込み・転写形成動作とは独立して行う必要があり、印刷対象画像の記録出力動作に支障が来すことなく、色ズレ量の経時変化に柔軟に対応することは難しいという問題がある。
【0009】
また、前記転写媒体上の前記画像記録範囲外に色ズレ補正のための画像パターンを形成して、印刷対象画像の記録出力動作と並行して色ズレ検出・補正を行うとしても、その色ズレ検出・補正は、そのための画像パターンが形成されるのが、実際に印刷対象画像が形成される画像記録範囲の外であるため、精度が十分でないという問題が残る。
【0010】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、色ズレ補正を印刷対象画像の書き込み・転写形成と並行して行えると共に、色ズレ量が多い場合には即座に高精度な色ズレ補正を行うことができるカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のカラー画像形成装置は、印刷対象画像を構成する各色成分の画像をそれら各色成分に対応した感光体上に書き込むと共に、それら各感光体上に書き込んだ画像を、転写媒体上の画像記録範囲内に順次転写してカラー重ね画像を形成する画像形成手段を備えたカラー画像形成装置において、色ズレ補正データを記憶する色ズレ補正データ記憶手段と、通常時においては、前記画像形成手段により書き込み・形成される前記印刷対象画像に、前記各色を使用した第1の色ズレ検出パターンを付加して、当該第1の色ズレ検出パターンを前記転写媒体上の前記画像記録範囲外に形成させると共に、その形成された第1の色ズレ検出パターンを測定して得た第1の色ズレ量が所定の上限値を越えない場合には、前記第1の色ズレ量に基づいて新たな色ズレ補正データを作成して前記色ズレ補正データ記憶手段に更新記憶する一方、前記第1の色ズレ量が前記所定の上限値を超えた場合においては、前記画像記録範囲内への前記印刷対象画像の形成に代えて前記各色を使用した高精度な色ずれ検出のための第2の色ズレ検出パターンを前記画像形成手段により前記転写媒体上に形成させると共に、その形成された第2の色ズレ検出パターンを測定して得た第2の色ズレ量に基づいて新たな色ズレ補正データを作成して前記色ズレ補正データ記憶手段に更新・記憶する画像形成制御手段とを備え、前記画像形成手段は、前記色ズレ補正データ記憶手段に記憶された色ズレ補正データに基づいて前記印刷対象画像を構成する各色成分の画像の前記各感光体への書き込み時の位置補正を行いつつ当該印刷対象画像を前記転写媒体上の前記画像記録範囲内に形成することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載のカラー画像形成装置は、請求項1に記載のカラー画像形成装置において、前記画像形成制御手段は、前記第1の色ズレ量が前記所定の上限値を超えた場合においては、前記第1の色ズレ検出パターンと並行して書き込み・転写形成されたページの印刷対象画像を前記画像形成手段により再度書き込み・転写形成させることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載のカラー画像形成装置は、請求項2に記載のカラー画像形成装置において、前記第1の色ズレ量が前記所定の上限値を超えた場合には、印刷対象画像の書き込み・転写形成の際の色ズレ量が前記所定の上限値を超えたために再度の書き込み・転写形成が行われた旨をユーザに認識可能に通知する重複印刷通知手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載のカラー画像形成装置は、請求項3に記載のカラー画像形成装置において、前記重複印刷通知手段は、前記再度の書き込み・転写形成が行われた旨の通知を、その旨のメッセージ情報の表示により行うものであることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載のカラー画像形成装置は、請求項3に記載のカラー画像形成装置において、前記重複印刷通知手段は、前記再度の書き込み・転写形成が行われた旨の通知を、所定の通信インターフェイスを介した他装置へのメッセージ情報の送信により行うものであることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
先ず、図1に、本発明の実施の形態に係るカラー画像形成装置のブロック構成について示す。
【0018】
同図において、CPU2は、ROM3に書き込まれた制御手順を実行して、RAM4を作業領域として使用しつつ装置各部を制御する中央演算処理装置である。
【0019】
ROM3は、前述したように、CPU2が装置各部を制御するための制御手順を記したプログラムや、その制御手順において参照される固定的なデータが記憶されているリードオンリメモリである。
【0020】
RAM4は、前述したようにシステム制御部2の作業領域として、印刷しようとする1ページ分の画像データを展開したりするなど、一時的なデータを記憶するために使用されるランダムアクセスメモリである。
【0021】
パラメータメモリ5は、装置動作に関連したデータのうち、一時的ではく、装置電源しゃ断時にも保持して次回の動作時にも参照される性質のデータを記憶するためのメモリであり、具体的には、バッテリバックアップされたSRAM(スタティックRAM)や、EEPROM(電気的に書き換え可能な読み出し専用メモリ)等により構成されるものである。
【0022】
プロッタ6は、印刷対象画像を記録紙上に定着形成して出力するもので、カラー画像に対応している。そのプロッタ6は「画像形成手段」に相当する。なお、プロッタ6の詳細については、後述する。
【0023】
操作表示部7は、図示は省略するが、印刷の強制中断を指示すためなどの各種入力キーが配設される一方、ユーザに知らせるべき装置の動作状態や各種メッセージを表示するための液晶表示器などの表示器を備えたものである。
【0024】
プリンタ制御部8は、他装置としてのPC20から転送されてくる印刷依頼に係る画像データを受信してCPU2に渡すと共に、PC20からの各種プリンタ命令を処理するものである。また、プリンタ制御部8は、カラー画像形成装置1とPC20との間でデータをやりとりするための所定の通信インターフェイスでもあり、PC20との間で必要なデータのやりとりを行う。
【0025】
システムバス14は、上記各部がデータをやり取りするための信号ラインであり、具体的には、データバス、アドレスバス、制御バス、I/Oバスなどの各種バスの集合として構成されている。
【0026】
以上のように構成されるカラー画像形成装置1の色ズレ補正データ記憶手段としてのパラメータメモリ5には、本発明に特徴的な記憶内容として、色ズレ補正データ5aが記憶される。また、ROM2には、図3に示すように、所定の上限値としての色ズレ上限値3a、第1の色ズレ検出パターンとしての色ズレ検出パターンデータ(両端用)3b、及び、第2の色ズレ検出パターンとしての色ズレ検出パターンデータ(画像記録範囲用)3cが予め記憶されている。それらの各記憶内容の詳細については後述する。
【0027】
プロッタ6の第1の構成例について、図4に示す。
【0028】
プロッタ6は、カラー画像に対応したいわゆるタンデム方式のもので、同図に示すものは、いわゆる直接転写方式のもので、記録紙などの記録媒体に直接画像を転写形成するものである。
【0029】
同図において、転写媒体としての転写ベルト151は、駆動ローラ152と従動ローラ153とに掛け渡されて、図示しないモータにより回転駆動される駆動ローラ152により、図において、左周りに回転する。
【0030】
転写ベルト151は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の各色成分に対応した感光体としての感光体ドラム102C、102M、102Y、及び、102Kと、それら各感光体ドラムとそれぞれ対になる転写ローラ104C、104M、104Y、及び、104Kとの間に、その上面が挟持されつつ図において左側に移動し、駆動ローラ152により反転して下面となり右側に移動し、従動ローラで再度反転して上面となって、左側に移動する動作をくり返す。
【0031】
一方、感光体ドラム102x(x=C、M、Y、または、K)には色成分xの画像が書き込まれる。つまり、各感光体ドラムxは、図示しない帯電器により表面が一様に帯電された後、書き込みユニット101xからのレーザー光やLED光のスキャン制御により色成分xの画像の内容に応じた位置を除電されて静電潜像が形成され、その静電潜像は現像器103xにより現像(トナー付着)されトナー像xとなる。
【0032】
そのトナー像xは、転写ベルト151上に転写される。その場合、書き込みユニットxによる感光体xへの書き込みタイミングを、感光体xの転写ベルト151に対する配置位置に応じて相互にずらすことで、CMYK各色成分のトナー像xが転写ベルト151上の所定の画像記録範囲内にカラー重ね画像として形成される。
【0033】
図4に示すプロッタ6は、直接転写方式のため、搬送ローラ106により図において右側から搬送され転写ベルト151上の前期画像記録範囲内に密着載置された記録紙等の記録媒体に直接各感光体ドラム102x上に書き込まれたトナー像xが転写され、定着部107により熱定着されて排出される。
【0034】
各書き込みユニット101xは、プロッタ制御部110により制御さる。プロッタ制御部110は、システムバス9を介してCPU2から印刷対象の画像データを受け取り、所定の書き込みタイミングで各書き込みユニット101xに出力して、各感光体ドラム102x上に各色成分xの画像を書き込ませる。
【0035】
その際、プロッタ制御部110は、各感光体ドラム102xと転写ベルト151との設計上の位置関係などから決まる理論的な書き込みタイミングを、各感光体102x、転写ベルト151、書き込みユニット101xの光学系等の相互の機械的な誤差や、それらの誤差の経時的な変動に起因する色ズレが生じないように補正する。
【0036】
その際に、プロッタ制御部110、図2に示したようにパラメータメモリに記憶される色ズレ補正データ5aを参照する。その色ズレ補正データ5aは、詳細は後述するが、転写ベルト151の上面の終端部に配設された光検出センサ120により検出された第1または第2の色ズレ検出パターンの色ズレ量に基づいて作成される。
【0037】
光検出センサ120は、CCDイメージセンサや、レーザダイオードからのビーム光を転写ベルト表面に照射してその反射光をフォトダイオードにより受光することにより、色ズレ検出パターンの理論上の形成位置からのズレを検出する。なお、光検出センサ120の検出結果は、プロッタ制御部112によりシステムバス9を介してCPU2に渡される。
【0038】
図5に、プロッタ6の第2の構成例について示す。
【0039】
この第2の構成例はいわゆる間接転写方式のもので、図4に示した直接転写方式と異なる点は、転写ベルト151の画像記録範囲内に直接カラー重ね画像が転写形成されて、その転写形成されたカラー重ね画像が、搬送ローラ108により図において下方から上方に搬送され、2次転写ローラ160と駆動ローラ152との間に挟持されつつ回転搬送されることで、転写ベルト上に転写形成されたカラー重ね画像が記録紙上に再転写され、定着部109により、熱定着されて排出される点であり、その他の動作は、図4に示した第1の構成例と同様である。
【0040】
図4に示した第1例、図5に示した第2例のいずれの場合も、CMYKの各色成分xの画像の、対応する感光体ドラム102xへの書き込み、及び、転写ベルト151上の画像記録範囲内への転写形成における重ね合わせの相対的な位置精度が印刷画像の品質向上(色ズレの防止)にとって重要であることは共通している。
【0041】
そこで、本実施の形態では、通常時、つまり、PC20から転送されてくるカラーの印刷対象画像を、図6に示すように、転写ベルト151上の幅方向中央部の画像記録範囲内に転写形成すると同時に、その画像記録範囲外である、左側画像記録範囲外、及び、右側画像記録範囲外に、第1の色ズレ検出パターンとなるCMYKの各色成分に対応した帯状のパターンを形成している。
【0042】
その第1の色ズレ検出パターンは、図3に示したように、ROM2の記憶領域3bに記憶された色ズレ検出パターンデータ(両端用)を印刷対象画像の両端に隣接して設定された余白スペースに付加した上で、その印刷対象画像の書き込み・転写形成を行うことにより、その印刷対象画像の画像記録範囲内への転写形成と並行して行われる。
【0043】
具体的には、左側画像記録範囲外には、転写ベルト151の幅方向と並行で、その幅方向と直角をなす搬送方向に一定間隔で転写形成された、C、M、Y及びKの各色のパターンP_C_l_l、P_M_l_l、P_Y_l_l、及び、P_K_l_lと、転写ベルト151の幅方向と一定の角度を成して斜めに、周方向に一定間隔で転写形成された、C、M、Y及びKの各色のパターンP_C_o_l、P_M_o_l、P_Y_o_l、及び、P_K_o_lとが形成されている。
【0044】
一方、右側画像記録範囲外には、転写ベルト151の幅方向と並行で、その幅方向と直角をなす搬送方向に一定間隔で転写形成された、C、M、Y及びKの各色のパターンP_C_l_r、P_M_l_r、P_Y_l_r、及び、P_K_l_rと、転写ベルト151の幅方向と一定の角度を成して斜めに、周方向に一定間隔で転写形成された、C、M、Y及びKの各色のパターンP_C_o_r、P_M_o_r、P_Y_o_r、及び、P_K_o_rとが形成されている。
【0045】
それらC、M、Y及びKの各色のパターンは、例えば、理論的に10.0mm間隔になるように書き込み・転写形成したとしても、各感光体102x、転写ベルト151、書き込みユニット101xの光学系等の相互の機械的な誤差に起因して、実際には10.0mmの等間隔には形成されない場合がある。
【0046】
また、仮に、10.0mmの等間隔になるように、色ズレ補正データ5aを設定したとしても、各感光体102x、転写ベルト151、書き込みユニット101xの光学系等の相互の機械的な誤差の経時的な変動に起因して、実際には10.0mmの等間隔には形成されない場合がある。
【0047】
各色のパターンの実際の形成間隔の相互のズレは、光検出センサ120により検出される。具体的には、例えば、最初にパターンP_C_l_lが検出されてから、パターンP_M_l_lが検出されるまでの転写ベルト151の移動量が10.3mm、P_Y_l_lが検出されるまでの転写ベルト151の移動量が19.8mm、P_K_l_lが検出されるまでの転写ベルト151の移動量が30.4mmであるとすると、色成分Cを基準として、色成分Mは、+0.3mm、色成分Yは−0.2mm、色成分Kは+0.4mmずれていることになる。
【0048】
そこで、色ズレ補正データ5aとして、色成分Cを基準として、色成分Mは、0.3mm遅らせて感光体ドラム102Mに書き込み、色成分Yは0.2mm早めて感光体ドラム102Yに書き込み、色成分Kは、0.4mm遅らせて感光体ドラム102Kに書き込むようにプロッタ制御部110に指示する情報を記憶しておく。
【0049】
経時変化により、現在記憶されている色ズレ補正データ5aに基づいた書き込み補正によってもCMYK各色の色ズレ検出パターンの相互のズレが生じてしまう場合には、その生じたズレを相殺するように、色ズレ補正データ5aにおける各色の補正量を変更する。
【0050】
なお、図6に示したように、左右の画像記録範囲外に色ズレ検出用のパターンを形成するようにすることで、画像記録範囲内への印刷対象画像の形成と並行した色ズレ補正が可能となるが、その分転写ベルト151の幅を広くする必要がある。そのため、左または右のいずれか一方にのみ、色ズレ検出用のパターンを形成するようにして、印刷対象画像の形成と並行した色ズレ補正に起因する転写ベルト151の幅の増大を最小限にするようにしてもよい。
【0051】
ただし左右両端に色ズレ検出用のパターンをそれぞれ形成するようにすることで、左右の相対的な色ズレも検出可能で、その検出結果に基づいて、印刷対象画像を構成する各色成分の画像を、画像記録範囲内に形成されたときに色ズレなく重なるように画像処理する、斜行補正を行うようにすることも可能となる。
【0052】
このように、転写ベルト151上の画像記録範囲外に色ズレ検出用のパターン形成することで、画像記録範囲内への印刷対象画像の形成と並行した色ズレ補正が可能とはなるが、最終的に記録紙に転写・定着される画像記録範囲内における色ズレ量を直接測定するわけではなく、画像記録範囲外における色ズレ量が画像記録範囲内における色ズレ量をある程度反映しているとの前提で行うものであるため、精度は比較的高くない。
【0053】
そこで、図6に示した画像記録範囲外に形成した第1の色ズレ検出パターンを光検出センサ120で測定して得られた色ズレ量が所定の上限値を越えている場合、複数のページで構成される印刷対象画像の記録出力動作の途中であっても、図7に示すように、画素記録範囲内に、高精度な色ズレ補正のための第2の色ズレ検出パターンを形成する。
【0054】
なお、色ズレ量が前記所定の上限値を越えたか否かの判断は、CMYKの各成分についての色ズレ量のうちの少なくとも1色について前記所定の上限値、具体的には、例えば、±0.1mmを越えた場合に、前記所定の上限値を越えたと判断する。
【0055】
図7において、第2の色ズレ検出パターンとしては、画像記録範囲内において、転写ベルト151の幅方向と並行で、その幅方向と直角をなす搬送方向に一定間隔で転写形成された、C、M、Y及びKの各色のパターンP_C_l_c、P_M_l_c、P_Y_l_c、及び、P_K_l_cと、転写ベルト151の幅方向と一定の角度を成して斜めに、搬送方向に一定間隔で転写形成された、C、M、Y及びKの各色のパターンP_C_o_c、P_M_o_c、P_Y_o_c、及び、P_K_o_cとが形成されている。
【0056】
図7に示すように画像記録範囲内(範囲外まで及ぶように形成してもよい)を広く用いて第2の色ズレ検出パターンを形成しているため、実際に記録出力される画像における色ズレを正確に測定・補正することができる。
【0057】
なお、プロッタ6として、図4の第1の構成例の直接転写方式を適用する場合、記録紙は給紙せず、転写ベルト151上に直接第2の色ズレ検出パターンを形成する。
【0058】
以上説明した色ズレ量の検出・補正を伴う画像形成制御の処理手順について、図8に示すフローチャートを参照して更に詳細に説明する。なお、図8に示す処理手順は画像形成制御手段に相当するものである。
【0059】
同図において、CPU2は、PC20から転送されている、1ページまたは複数ページで構成される印刷対象画像のうちの1ページ分の印刷対象画像データに第1の色ズレ検出パターン(両端用)を付加する(処理S101)。
【0060】
そして、その印刷対象画像データをプロッタ制御部110に渡して、色ズレ補正データ5aを参照しつつ書き込み位置補正をさせて印刷対象画像データをCMYKの各色成分に対応した感光体ドラムに書き込む(処理S102)。それにより、転写ベルト151上には、図6に示したように、画像記録範囲内(記録紙上に対応)に印刷対象画像が形成されると共に、両端の画像記録範囲外に第1の色ズレ検出パターンが形成される。
【0061】
その形成された第1の色ズレ検出パターンの位置を光検出センサ120により検出した上で(処理S103)、処理S102により画像記録済みの記録紙を排出し(処理S104)、当該ページの画像についての記録出力動作を完了させた後、処理S103での検出パターンの位置の測定結果に基づいて色ズレ量を算出し(処理S105)、その算出した色ズレ量を、図3に示したように予めROM3に設定・記憶されている色ズレ量上限値3aと比較する(処理S106)。
【0062】
その比較の結果上限値を超えた場合には(判断S107のYes)、高精度色ズレ補正処理を行った上で(処理S111)、判断S110に移行するが、その比較の結果上限値を超えない場合には(判断S107のNo)、処理S105で算出した色ズレ量に基づいて色ズレ補正データを再算出しパラメータメモリ5の記憶領域5aに更新・記憶する(処理S109)。
【0063】
そして、未処理の次ページの印刷対象画像がある場合には(判断S110のYes、処理S101に戻って、次ページについて、処理S110ないし処理S109の動作を繰り返し行う。
【0064】
次ページがない、つまり、印刷対象画像を構成する全ページの画像の記録出力が完了した場合には(判断S110のNo)、処理終了する。
【0065】
そのように、各ページの印刷対象画像の記録出力のたびに色ズレが補正されるため、色ズレの経時変化に迅速に追従して補正することができ、高品質な印刷画質を維持することができる。
【0066】
しかし、判断107において、上限値を超える色ズレ量となった場合(判断S107のYes)、つまり、画像記録範囲外に形成した第1の色ズレ検出パターンの測定による色ズレ補正では十分な補正を行えない事態になった場合に限って、処理S111の高精度色ズレ補正処理を行う。
【0067】
処理S111の高精度色ズレ補正処理の具体的な処理手順について、図9に示す。
【0068】
同図において、先ず、図7に示したように、印刷対象画像の書き込み・転写形成に代えて、第2の色ズレ検出パターン(画像記録範囲用)を、転写ベルト151上の画像印刷範囲内に書き込み・転写形成する(処理S201)。
【0069】
そして、その第2の色ズレ検出パターンの位置を測定する(処理S202)。その測定結果に基づいて、色ズレ補正データを高精度で再算出し(処理S203)、その再算出した色ズレ補正データをパラメータメモリ5の記憶領域5aに更新・記憶する(処理S204)。
【0070】
それにより、次ページの印刷対象画像の記録出力時には、高精度に色ズレ補正された高品質な出力が再び得られるようになる。
【0071】
しかし、図8の画像形成制御処理手順の判断107のYesになった場合に、処理S104で排出された記録紙上に記録されたページの画像は、色ズレが上限値を超えた、低品質な出力である。
【0072】
低品質といっても、1ページだけのことであるため、なにもしないで印刷対象画像の次ページの処理に移行してもよいが、本実施の形態では、低品質のページが生じてしまうことを問題として、適切な対応を行う。
【0073】
つまり、図8の画像形成制御処理手順の判断107のYesになった場合に、処理S104で排出された記録紙上に記録されたページと同一ページの印刷対象画像データを、書き込み・転写形成して記録紙に再印刷し排出する(処理S205)。この処理S205は、請求項2に相当する処理である。
【0074】
それにより、印刷対象画像を構成する全てのページの画像について、高品質の出力を行うことができる。
【0075】
しかし、色ズレが大きな低品質で出力されたページを、色ズレ補正した高品質で再出力しなおすと、同一ページが重複出力されることになるため、ユーザがそのことに気づかなかった場合に問題がある。
【0076】
そこで、更に、重複印刷通知処理を行う(処理S206)。この重複印刷通知処理は、重複印刷通知手段に相当するものである。
【0077】
図10に、処理S206の重複印刷通知処理の具体的な処理手順について示す。
【0078】
同図において、先ず、通知メッセージのメッセージ情報を作成し(処理S301)、操作表示部の表示器に、図11に示すメッセージ表示7aを行う(処理S302)。表示7aにおいては、色ズレが許容限度を超えたために再印刷が行われたこと、重複して印刷されている2枚のうちの最初の色ズレの大きすぎるページは破棄すべきことを示す。
【0079】
これにより、ユーザに対して重複印刷されたページのうちの色ズレの大き過ぎるほうのページの破棄を促すことができる。
【0080】
また、表示7aにおいては、重複印刷されたページが第何ページであるのかの情報についても表示しているため、ユーザは、その情報を頼りに、色ズレの大き過ぎる重複印刷ページを素早く見つけることができる。
【0081】
図12に、処理S206の重複印刷通知処理の具体的な処理手順の別例について示す。
【0082】
同図において、先ず、通知メッセージのメッセージ情報を作成し(処理S401)、所定の通信インターフェイスとしてのプロッタ制御部8を介してPC20に送信する(処理S402)。
【0083】
処理S402によりPC20に送信された通知メッセージは、PC20により受信され、例えば図13に示すように、表示画面21上に表示21aとして表示される。
【0084】
その表示21aにおいては、色ズレが許容限度を超えたために再印刷が行われたこと、重複して印刷されている2枚のうちの最初の色ズレの大きすぎるページは破棄すべきことを示す。
【0085】
これにより、ユーザに対して重複印刷されたページのうちの色ズレの大き過ぎるほうのページの破棄を促すことができる。
【0086】
また、表示21aにおいては、重複印刷されたページが第何ページであるのかの情報についても表示しているため、ユーザは、その情報を頼りに、色ズレの大き過ぎる重複印刷ページを素早く見つけることができる。
【0087】
また、印刷依頼元のPC20において、通知メッセージの表示がなされることで、ユーザにいっそう確実に通知メッセージを見せることができ、いっそう確実に適切な対応をとらせることが可能となる効果が得られる。
【0088】
なお、通知メッセージの送信先は、PC20に限らず、必要な通信インターフェイスを備えていさえすれば、例えばLAN上のコンピュータ端末や、公衆網上の特定のファクシミリ端末などであってもよいのはいうまでもない。
【0089】
また、重複印刷通知の形態としては、ブザーの鳴動、警告ランプの点灯、重複印刷の旨を印刷した記録紙の出力等のその他の通知形態も考えられる。
【0090】
なお、以上説明した本実施の形態では、印刷対象画像が、PC20から転送される印刷依頼に係る画像である場合に本発明を適用したが、本発明は、印刷対象画像の入力形態により限定されるものではなく、例えば、スキャナにより読み取った画像(複写装置)、ファクシミリ受信した画像(ファクシミリ装置)などその他の入力形態で入力された印刷対象画像についても同様に適用できるものであることはいうまでもない。
【0091】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、通常時は、印刷対象画像の書き込み・転写形成と並行して、前記第1の色ズレ検出パターンの書き込み・転写形成を行うようにすることで、色ズレ補正を印刷対象画像の書き込み・転写形成と並行して行えるようになると共に、色ズレ量が多い場合に限って、印刷対象画像の書き込み・転写形成を中断して、前記第2の色ズレ検出パターンの書き込み・転写形成を行うようにすることで、即座に高精度な色ズレ補正を行うことができるようになるため、比較的コストや時間をかけることなく記録画像品質の向上が可能となる効果が得られる。
【0092】
請求項2に係る発明によれば、色ズレ量が大きすぎる状態で書き込み・転写形成されたページの印刷対象画像については、色ズレが高精度に補正された状態で書き込み・転写形成がやりなおされるため、色ズレ量の少ない状態での画像形成が可能となる効果が得られる。
【0093】
請求項3に係る発明によれば、特定のページの印刷対象画像について、色ズレ量が大きすぎる状態で書き込み・転写形成された後、色ズレが高精度に補正された状態での書き込み・転写形成がやりなおされた場合には、その旨がユーザに通知されるため、色ズレ量が大きすぎる状態で印刷されたページが複数ページ中に紛れたままになることを防ぎ、破棄するなどの適切な対応をとらせることが可能となる効果が得られる。
【0094】
請求項4に係る発明によれば、表示されたメッセージ情報により、色ズレのために印刷され直したページがあることをユーザに認識させて適切な対応をとらせることが可能となる効果が得られる。
【0095】
請求項5に係る発明によれば、送信されて他装置で表示される等したメッセージ情報により、色ズレのために印刷され直したページがあることをユーザに認識させて適切な対応をとらせることが可能となる効果が得られる。また、その他装置が本発明に係るカラー画像形成装置に対して前記所定の通信インターフェイスを介して印刷対象画像を渡した印刷依頼元のコンピュータ端末である場合、色ズレのために印刷され直したページがあることをユーザにいっそう確実に認識させることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラー画像形成装置のブロック構成について示す図である。
【図2】パラメータメモリの記憶内容について示す図である。
【図3】ROMの記憶内容について示す図である。
【図4】プロッタの第1の構成例について示す図である。
【図5】プロッタの第2の構成例について示す図である。
【図6】印刷対象画像及び色ズレ検出パターンが形成された状態の転写ベルトについて示す図である。
【図7】高精度な色ズレ補正用の検出パターンの形成された状態の転写ベルトについて示す図である。
【図8】画像形成制御処理手順について示すフローチャートである。
【図9】高精度色ズレ補正処理の具体的な処理手順について示すフローチャートである。
【図10】重複印刷通知処理の具体的な処理手順について示すフローチャートである。
【図11】図10の処理手順における表示例について示す図である。
【図12】重複印刷通知処理の具体的な処理手順の別例について示すフローチャートである。
【図13】図12の処理手順における表示例について示す図である。
【符号の説明】
1 カラー印刷装置
2 CPU
3 ROM
4 RAM
5 パラメータメモリ
6 プロッタ
7 操作表示部
8 プリンタ制御部
9 システムバス
20 PC
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラープリンタ、カラーファクシミリ装置、カラー複写機等として適用可能なカラー画像形成装置に関し、特に、印刷対象画像を構成する各色成分の画像をそれら各色成分に対応した感光体上に書き込むと共に、それら各感光体上に書き込んだ画像を、転写媒体上の画像記録範囲内に順次転写してカラー重ね画像を形成する画像形成手段を備えたカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置においては、印刷対象画像を構成する各色成分、具体的には、例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の各色成分の画像を各色成分に対応した感光体(感光体ドラムや感光体ベルト等)上に書き込む(一様に帯電させた感光体上にレーザーや発光ダイオードの光を照射して部分的に除電して静電潜像形成すると共に各色のトナーを付着させる)。
【0003】
そして、各感光体上に書き込まれた各色の画像を転写ベルト等の転写媒体上の画像記録範囲(最終的に記録紙等の記録媒体上に定着形成される範囲)内に、転写することにより、カラー重ね画像が形成される。
【0004】
そのような、各色ごとに感光体を分けるタンデム方式では、単一の感光体に各色成分の画像を繰り返し書き込み・転写形成する、いわゆる1ドラム方式と比較して、高速なカラー画像形成が可能となる反面、各感光体、転写媒体、光学系等の相互の機械的な誤差に起因する色ズレが生じやすく、また、それらの誤差の経時的な変動に起因する色ズレの経時変化を生じやすい傾向がある。
【0005】
そのようないわゆるタンデム方式における色ズレ補正についての従来技術としては、転写媒体(転写ベルト)に各色を使用した所定のパターン画像を形成し、そのパターンの各色間の相対位置を測定し、理論上の相対位置と比較することで、感光体ドラム、転写媒体、光学系等の主に機械的誤差変動によるカラー重ね画像の色ズレデータを得て、そのデータに基づいて色ずれを補正するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平07−199576号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、色ズレ量を検出するための画像パターンを、転写媒体上の前記画像記録範囲内に形成するようにしているため、印刷対象の画像の記録出力動作と、色ズレ量の検出・色ズレ補正は並行して実施することができない。
【0008】
そのため、色ズレ補正のための画像パターンの書き込み・転写形成動作は、通常の印刷対象画像の書き込み・転写形成動作とは独立して行う必要があり、印刷対象画像の記録出力動作に支障が来すことなく、色ズレ量の経時変化に柔軟に対応することは難しいという問題がある。
【0009】
また、前記転写媒体上の前記画像記録範囲外に色ズレ補正のための画像パターンを形成して、印刷対象画像の記録出力動作と並行して色ズレ検出・補正を行うとしても、その色ズレ検出・補正は、そのための画像パターンが形成されるのが、実際に印刷対象画像が形成される画像記録範囲の外であるため、精度が十分でないという問題が残る。
【0010】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、色ズレ補正を印刷対象画像の書き込み・転写形成と並行して行えると共に、色ズレ量が多い場合には即座に高精度な色ズレ補正を行うことができるカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のカラー画像形成装置は、印刷対象画像を構成する各色成分の画像をそれら各色成分に対応した感光体上に書き込むと共に、それら各感光体上に書き込んだ画像を、転写媒体上の画像記録範囲内に順次転写してカラー重ね画像を形成する画像形成手段を備えたカラー画像形成装置において、色ズレ補正データを記憶する色ズレ補正データ記憶手段と、通常時においては、前記画像形成手段により書き込み・形成される前記印刷対象画像に、前記各色を使用した第1の色ズレ検出パターンを付加して、当該第1の色ズレ検出パターンを前記転写媒体上の前記画像記録範囲外に形成させると共に、その形成された第1の色ズレ検出パターンを測定して得た第1の色ズレ量が所定の上限値を越えない場合には、前記第1の色ズレ量に基づいて新たな色ズレ補正データを作成して前記色ズレ補正データ記憶手段に更新記憶する一方、前記第1の色ズレ量が前記所定の上限値を超えた場合においては、前記画像記録範囲内への前記印刷対象画像の形成に代えて前記各色を使用した高精度な色ずれ検出のための第2の色ズレ検出パターンを前記画像形成手段により前記転写媒体上に形成させると共に、その形成された第2の色ズレ検出パターンを測定して得た第2の色ズレ量に基づいて新たな色ズレ補正データを作成して前記色ズレ補正データ記憶手段に更新・記憶する画像形成制御手段とを備え、前記画像形成手段は、前記色ズレ補正データ記憶手段に記憶された色ズレ補正データに基づいて前記印刷対象画像を構成する各色成分の画像の前記各感光体への書き込み時の位置補正を行いつつ当該印刷対象画像を前記転写媒体上の前記画像記録範囲内に形成することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載のカラー画像形成装置は、請求項1に記載のカラー画像形成装置において、前記画像形成制御手段は、前記第1の色ズレ量が前記所定の上限値を超えた場合においては、前記第1の色ズレ検出パターンと並行して書き込み・転写形成されたページの印刷対象画像を前記画像形成手段により再度書き込み・転写形成させることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載のカラー画像形成装置は、請求項2に記載のカラー画像形成装置において、前記第1の色ズレ量が前記所定の上限値を超えた場合には、印刷対象画像の書き込み・転写形成の際の色ズレ量が前記所定の上限値を超えたために再度の書き込み・転写形成が行われた旨をユーザに認識可能に通知する重複印刷通知手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載のカラー画像形成装置は、請求項3に記載のカラー画像形成装置において、前記重複印刷通知手段は、前記再度の書き込み・転写形成が行われた旨の通知を、その旨のメッセージ情報の表示により行うものであることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載のカラー画像形成装置は、請求項3に記載のカラー画像形成装置において、前記重複印刷通知手段は、前記再度の書き込み・転写形成が行われた旨の通知を、所定の通信インターフェイスを介した他装置へのメッセージ情報の送信により行うものであることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
先ず、図1に、本発明の実施の形態に係るカラー画像形成装置のブロック構成について示す。
【0018】
同図において、CPU2は、ROM3に書き込まれた制御手順を実行して、RAM4を作業領域として使用しつつ装置各部を制御する中央演算処理装置である。
【0019】
ROM3は、前述したように、CPU2が装置各部を制御するための制御手順を記したプログラムや、その制御手順において参照される固定的なデータが記憶されているリードオンリメモリである。
【0020】
RAM4は、前述したようにシステム制御部2の作業領域として、印刷しようとする1ページ分の画像データを展開したりするなど、一時的なデータを記憶するために使用されるランダムアクセスメモリである。
【0021】
パラメータメモリ5は、装置動作に関連したデータのうち、一時的ではく、装置電源しゃ断時にも保持して次回の動作時にも参照される性質のデータを記憶するためのメモリであり、具体的には、バッテリバックアップされたSRAM(スタティックRAM)や、EEPROM(電気的に書き換え可能な読み出し専用メモリ)等により構成されるものである。
【0022】
プロッタ6は、印刷対象画像を記録紙上に定着形成して出力するもので、カラー画像に対応している。そのプロッタ6は「画像形成手段」に相当する。なお、プロッタ6の詳細については、後述する。
【0023】
操作表示部7は、図示は省略するが、印刷の強制中断を指示すためなどの各種入力キーが配設される一方、ユーザに知らせるべき装置の動作状態や各種メッセージを表示するための液晶表示器などの表示器を備えたものである。
【0024】
プリンタ制御部8は、他装置としてのPC20から転送されてくる印刷依頼に係る画像データを受信してCPU2に渡すと共に、PC20からの各種プリンタ命令を処理するものである。また、プリンタ制御部8は、カラー画像形成装置1とPC20との間でデータをやりとりするための所定の通信インターフェイスでもあり、PC20との間で必要なデータのやりとりを行う。
【0025】
システムバス14は、上記各部がデータをやり取りするための信号ラインであり、具体的には、データバス、アドレスバス、制御バス、I/Oバスなどの各種バスの集合として構成されている。
【0026】
以上のように構成されるカラー画像形成装置1の色ズレ補正データ記憶手段としてのパラメータメモリ5には、本発明に特徴的な記憶内容として、色ズレ補正データ5aが記憶される。また、ROM2には、図3に示すように、所定の上限値としての色ズレ上限値3a、第1の色ズレ検出パターンとしての色ズレ検出パターンデータ(両端用)3b、及び、第2の色ズレ検出パターンとしての色ズレ検出パターンデータ(画像記録範囲用)3cが予め記憶されている。それらの各記憶内容の詳細については後述する。
【0027】
プロッタ6の第1の構成例について、図4に示す。
【0028】
プロッタ6は、カラー画像に対応したいわゆるタンデム方式のもので、同図に示すものは、いわゆる直接転写方式のもので、記録紙などの記録媒体に直接画像を転写形成するものである。
【0029】
同図において、転写媒体としての転写ベルト151は、駆動ローラ152と従動ローラ153とに掛け渡されて、図示しないモータにより回転駆動される駆動ローラ152により、図において、左周りに回転する。
【0030】
転写ベルト151は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の各色成分に対応した感光体としての感光体ドラム102C、102M、102Y、及び、102Kと、それら各感光体ドラムとそれぞれ対になる転写ローラ104C、104M、104Y、及び、104Kとの間に、その上面が挟持されつつ図において左側に移動し、駆動ローラ152により反転して下面となり右側に移動し、従動ローラで再度反転して上面となって、左側に移動する動作をくり返す。
【0031】
一方、感光体ドラム102x(x=C、M、Y、または、K)には色成分xの画像が書き込まれる。つまり、各感光体ドラムxは、図示しない帯電器により表面が一様に帯電された後、書き込みユニット101xからのレーザー光やLED光のスキャン制御により色成分xの画像の内容に応じた位置を除電されて静電潜像が形成され、その静電潜像は現像器103xにより現像(トナー付着)されトナー像xとなる。
【0032】
そのトナー像xは、転写ベルト151上に転写される。その場合、書き込みユニットxによる感光体xへの書き込みタイミングを、感光体xの転写ベルト151に対する配置位置に応じて相互にずらすことで、CMYK各色成分のトナー像xが転写ベルト151上の所定の画像記録範囲内にカラー重ね画像として形成される。
【0033】
図4に示すプロッタ6は、直接転写方式のため、搬送ローラ106により図において右側から搬送され転写ベルト151上の前期画像記録範囲内に密着載置された記録紙等の記録媒体に直接各感光体ドラム102x上に書き込まれたトナー像xが転写され、定着部107により熱定着されて排出される。
【0034】
各書き込みユニット101xは、プロッタ制御部110により制御さる。プロッタ制御部110は、システムバス9を介してCPU2から印刷対象の画像データを受け取り、所定の書き込みタイミングで各書き込みユニット101xに出力して、各感光体ドラム102x上に各色成分xの画像を書き込ませる。
【0035】
その際、プロッタ制御部110は、各感光体ドラム102xと転写ベルト151との設計上の位置関係などから決まる理論的な書き込みタイミングを、各感光体102x、転写ベルト151、書き込みユニット101xの光学系等の相互の機械的な誤差や、それらの誤差の経時的な変動に起因する色ズレが生じないように補正する。
【0036】
その際に、プロッタ制御部110、図2に示したようにパラメータメモリに記憶される色ズレ補正データ5aを参照する。その色ズレ補正データ5aは、詳細は後述するが、転写ベルト151の上面の終端部に配設された光検出センサ120により検出された第1または第2の色ズレ検出パターンの色ズレ量に基づいて作成される。
【0037】
光検出センサ120は、CCDイメージセンサや、レーザダイオードからのビーム光を転写ベルト表面に照射してその反射光をフォトダイオードにより受光することにより、色ズレ検出パターンの理論上の形成位置からのズレを検出する。なお、光検出センサ120の検出結果は、プロッタ制御部112によりシステムバス9を介してCPU2に渡される。
【0038】
図5に、プロッタ6の第2の構成例について示す。
【0039】
この第2の構成例はいわゆる間接転写方式のもので、図4に示した直接転写方式と異なる点は、転写ベルト151の画像記録範囲内に直接カラー重ね画像が転写形成されて、その転写形成されたカラー重ね画像が、搬送ローラ108により図において下方から上方に搬送され、2次転写ローラ160と駆動ローラ152との間に挟持されつつ回転搬送されることで、転写ベルト上に転写形成されたカラー重ね画像が記録紙上に再転写され、定着部109により、熱定着されて排出される点であり、その他の動作は、図4に示した第1の構成例と同様である。
【0040】
図4に示した第1例、図5に示した第2例のいずれの場合も、CMYKの各色成分xの画像の、対応する感光体ドラム102xへの書き込み、及び、転写ベルト151上の画像記録範囲内への転写形成における重ね合わせの相対的な位置精度が印刷画像の品質向上(色ズレの防止)にとって重要であることは共通している。
【0041】
そこで、本実施の形態では、通常時、つまり、PC20から転送されてくるカラーの印刷対象画像を、図6に示すように、転写ベルト151上の幅方向中央部の画像記録範囲内に転写形成すると同時に、その画像記録範囲外である、左側画像記録範囲外、及び、右側画像記録範囲外に、第1の色ズレ検出パターンとなるCMYKの各色成分に対応した帯状のパターンを形成している。
【0042】
その第1の色ズレ検出パターンは、図3に示したように、ROM2の記憶領域3bに記憶された色ズレ検出パターンデータ(両端用)を印刷対象画像の両端に隣接して設定された余白スペースに付加した上で、その印刷対象画像の書き込み・転写形成を行うことにより、その印刷対象画像の画像記録範囲内への転写形成と並行して行われる。
【0043】
具体的には、左側画像記録範囲外には、転写ベルト151の幅方向と並行で、その幅方向と直角をなす搬送方向に一定間隔で転写形成された、C、M、Y及びKの各色のパターンP_C_l_l、P_M_l_l、P_Y_l_l、及び、P_K_l_lと、転写ベルト151の幅方向と一定の角度を成して斜めに、周方向に一定間隔で転写形成された、C、M、Y及びKの各色のパターンP_C_o_l、P_M_o_l、P_Y_o_l、及び、P_K_o_lとが形成されている。
【0044】
一方、右側画像記録範囲外には、転写ベルト151の幅方向と並行で、その幅方向と直角をなす搬送方向に一定間隔で転写形成された、C、M、Y及びKの各色のパターンP_C_l_r、P_M_l_r、P_Y_l_r、及び、P_K_l_rと、転写ベルト151の幅方向と一定の角度を成して斜めに、周方向に一定間隔で転写形成された、C、M、Y及びKの各色のパターンP_C_o_r、P_M_o_r、P_Y_o_r、及び、P_K_o_rとが形成されている。
【0045】
それらC、M、Y及びKの各色のパターンは、例えば、理論的に10.0mm間隔になるように書き込み・転写形成したとしても、各感光体102x、転写ベルト151、書き込みユニット101xの光学系等の相互の機械的な誤差に起因して、実際には10.0mmの等間隔には形成されない場合がある。
【0046】
また、仮に、10.0mmの等間隔になるように、色ズレ補正データ5aを設定したとしても、各感光体102x、転写ベルト151、書き込みユニット101xの光学系等の相互の機械的な誤差の経時的な変動に起因して、実際には10.0mmの等間隔には形成されない場合がある。
【0047】
各色のパターンの実際の形成間隔の相互のズレは、光検出センサ120により検出される。具体的には、例えば、最初にパターンP_C_l_lが検出されてから、パターンP_M_l_lが検出されるまでの転写ベルト151の移動量が10.3mm、P_Y_l_lが検出されるまでの転写ベルト151の移動量が19.8mm、P_K_l_lが検出されるまでの転写ベルト151の移動量が30.4mmであるとすると、色成分Cを基準として、色成分Mは、+0.3mm、色成分Yは−0.2mm、色成分Kは+0.4mmずれていることになる。
【0048】
そこで、色ズレ補正データ5aとして、色成分Cを基準として、色成分Mは、0.3mm遅らせて感光体ドラム102Mに書き込み、色成分Yは0.2mm早めて感光体ドラム102Yに書き込み、色成分Kは、0.4mm遅らせて感光体ドラム102Kに書き込むようにプロッタ制御部110に指示する情報を記憶しておく。
【0049】
経時変化により、現在記憶されている色ズレ補正データ5aに基づいた書き込み補正によってもCMYK各色の色ズレ検出パターンの相互のズレが生じてしまう場合には、その生じたズレを相殺するように、色ズレ補正データ5aにおける各色の補正量を変更する。
【0050】
なお、図6に示したように、左右の画像記録範囲外に色ズレ検出用のパターンを形成するようにすることで、画像記録範囲内への印刷対象画像の形成と並行した色ズレ補正が可能となるが、その分転写ベルト151の幅を広くする必要がある。そのため、左または右のいずれか一方にのみ、色ズレ検出用のパターンを形成するようにして、印刷対象画像の形成と並行した色ズレ補正に起因する転写ベルト151の幅の増大を最小限にするようにしてもよい。
【0051】
ただし左右両端に色ズレ検出用のパターンをそれぞれ形成するようにすることで、左右の相対的な色ズレも検出可能で、その検出結果に基づいて、印刷対象画像を構成する各色成分の画像を、画像記録範囲内に形成されたときに色ズレなく重なるように画像処理する、斜行補正を行うようにすることも可能となる。
【0052】
このように、転写ベルト151上の画像記録範囲外に色ズレ検出用のパターン形成することで、画像記録範囲内への印刷対象画像の形成と並行した色ズレ補正が可能とはなるが、最終的に記録紙に転写・定着される画像記録範囲内における色ズレ量を直接測定するわけではなく、画像記録範囲外における色ズレ量が画像記録範囲内における色ズレ量をある程度反映しているとの前提で行うものであるため、精度は比較的高くない。
【0053】
そこで、図6に示した画像記録範囲外に形成した第1の色ズレ検出パターンを光検出センサ120で測定して得られた色ズレ量が所定の上限値を越えている場合、複数のページで構成される印刷対象画像の記録出力動作の途中であっても、図7に示すように、画素記録範囲内に、高精度な色ズレ補正のための第2の色ズレ検出パターンを形成する。
【0054】
なお、色ズレ量が前記所定の上限値を越えたか否かの判断は、CMYKの各成分についての色ズレ量のうちの少なくとも1色について前記所定の上限値、具体的には、例えば、±0.1mmを越えた場合に、前記所定の上限値を越えたと判断する。
【0055】
図7において、第2の色ズレ検出パターンとしては、画像記録範囲内において、転写ベルト151の幅方向と並行で、その幅方向と直角をなす搬送方向に一定間隔で転写形成された、C、M、Y及びKの各色のパターンP_C_l_c、P_M_l_c、P_Y_l_c、及び、P_K_l_cと、転写ベルト151の幅方向と一定の角度を成して斜めに、搬送方向に一定間隔で転写形成された、C、M、Y及びKの各色のパターンP_C_o_c、P_M_o_c、P_Y_o_c、及び、P_K_o_cとが形成されている。
【0056】
図7に示すように画像記録範囲内(範囲外まで及ぶように形成してもよい)を広く用いて第2の色ズレ検出パターンを形成しているため、実際に記録出力される画像における色ズレを正確に測定・補正することができる。
【0057】
なお、プロッタ6として、図4の第1の構成例の直接転写方式を適用する場合、記録紙は給紙せず、転写ベルト151上に直接第2の色ズレ検出パターンを形成する。
【0058】
以上説明した色ズレ量の検出・補正を伴う画像形成制御の処理手順について、図8に示すフローチャートを参照して更に詳細に説明する。なお、図8に示す処理手順は画像形成制御手段に相当するものである。
【0059】
同図において、CPU2は、PC20から転送されている、1ページまたは複数ページで構成される印刷対象画像のうちの1ページ分の印刷対象画像データに第1の色ズレ検出パターン(両端用)を付加する(処理S101)。
【0060】
そして、その印刷対象画像データをプロッタ制御部110に渡して、色ズレ補正データ5aを参照しつつ書き込み位置補正をさせて印刷対象画像データをCMYKの各色成分に対応した感光体ドラムに書き込む(処理S102)。それにより、転写ベルト151上には、図6に示したように、画像記録範囲内(記録紙上に対応)に印刷対象画像が形成されると共に、両端の画像記録範囲外に第1の色ズレ検出パターンが形成される。
【0061】
その形成された第1の色ズレ検出パターンの位置を光検出センサ120により検出した上で(処理S103)、処理S102により画像記録済みの記録紙を排出し(処理S104)、当該ページの画像についての記録出力動作を完了させた後、処理S103での検出パターンの位置の測定結果に基づいて色ズレ量を算出し(処理S105)、その算出した色ズレ量を、図3に示したように予めROM3に設定・記憶されている色ズレ量上限値3aと比較する(処理S106)。
【0062】
その比較の結果上限値を超えた場合には(判断S107のYes)、高精度色ズレ補正処理を行った上で(処理S111)、判断S110に移行するが、その比較の結果上限値を超えない場合には(判断S107のNo)、処理S105で算出した色ズレ量に基づいて色ズレ補正データを再算出しパラメータメモリ5の記憶領域5aに更新・記憶する(処理S109)。
【0063】
そして、未処理の次ページの印刷対象画像がある場合には(判断S110のYes、処理S101に戻って、次ページについて、処理S110ないし処理S109の動作を繰り返し行う。
【0064】
次ページがない、つまり、印刷対象画像を構成する全ページの画像の記録出力が完了した場合には(判断S110のNo)、処理終了する。
【0065】
そのように、各ページの印刷対象画像の記録出力のたびに色ズレが補正されるため、色ズレの経時変化に迅速に追従して補正することができ、高品質な印刷画質を維持することができる。
【0066】
しかし、判断107において、上限値を超える色ズレ量となった場合(判断S107のYes)、つまり、画像記録範囲外に形成した第1の色ズレ検出パターンの測定による色ズレ補正では十分な補正を行えない事態になった場合に限って、処理S111の高精度色ズレ補正処理を行う。
【0067】
処理S111の高精度色ズレ補正処理の具体的な処理手順について、図9に示す。
【0068】
同図において、先ず、図7に示したように、印刷対象画像の書き込み・転写形成に代えて、第2の色ズレ検出パターン(画像記録範囲用)を、転写ベルト151上の画像印刷範囲内に書き込み・転写形成する(処理S201)。
【0069】
そして、その第2の色ズレ検出パターンの位置を測定する(処理S202)。その測定結果に基づいて、色ズレ補正データを高精度で再算出し(処理S203)、その再算出した色ズレ補正データをパラメータメモリ5の記憶領域5aに更新・記憶する(処理S204)。
【0070】
それにより、次ページの印刷対象画像の記録出力時には、高精度に色ズレ補正された高品質な出力が再び得られるようになる。
【0071】
しかし、図8の画像形成制御処理手順の判断107のYesになった場合に、処理S104で排出された記録紙上に記録されたページの画像は、色ズレが上限値を超えた、低品質な出力である。
【0072】
低品質といっても、1ページだけのことであるため、なにもしないで印刷対象画像の次ページの処理に移行してもよいが、本実施の形態では、低品質のページが生じてしまうことを問題として、適切な対応を行う。
【0073】
つまり、図8の画像形成制御処理手順の判断107のYesになった場合に、処理S104で排出された記録紙上に記録されたページと同一ページの印刷対象画像データを、書き込み・転写形成して記録紙に再印刷し排出する(処理S205)。この処理S205は、請求項2に相当する処理である。
【0074】
それにより、印刷対象画像を構成する全てのページの画像について、高品質の出力を行うことができる。
【0075】
しかし、色ズレが大きな低品質で出力されたページを、色ズレ補正した高品質で再出力しなおすと、同一ページが重複出力されることになるため、ユーザがそのことに気づかなかった場合に問題がある。
【0076】
そこで、更に、重複印刷通知処理を行う(処理S206)。この重複印刷通知処理は、重複印刷通知手段に相当するものである。
【0077】
図10に、処理S206の重複印刷通知処理の具体的な処理手順について示す。
【0078】
同図において、先ず、通知メッセージのメッセージ情報を作成し(処理S301)、操作表示部の表示器に、図11に示すメッセージ表示7aを行う(処理S302)。表示7aにおいては、色ズレが許容限度を超えたために再印刷が行われたこと、重複して印刷されている2枚のうちの最初の色ズレの大きすぎるページは破棄すべきことを示す。
【0079】
これにより、ユーザに対して重複印刷されたページのうちの色ズレの大き過ぎるほうのページの破棄を促すことができる。
【0080】
また、表示7aにおいては、重複印刷されたページが第何ページであるのかの情報についても表示しているため、ユーザは、その情報を頼りに、色ズレの大き過ぎる重複印刷ページを素早く見つけることができる。
【0081】
図12に、処理S206の重複印刷通知処理の具体的な処理手順の別例について示す。
【0082】
同図において、先ず、通知メッセージのメッセージ情報を作成し(処理S401)、所定の通信インターフェイスとしてのプロッタ制御部8を介してPC20に送信する(処理S402)。
【0083】
処理S402によりPC20に送信された通知メッセージは、PC20により受信され、例えば図13に示すように、表示画面21上に表示21aとして表示される。
【0084】
その表示21aにおいては、色ズレが許容限度を超えたために再印刷が行われたこと、重複して印刷されている2枚のうちの最初の色ズレの大きすぎるページは破棄すべきことを示す。
【0085】
これにより、ユーザに対して重複印刷されたページのうちの色ズレの大き過ぎるほうのページの破棄を促すことができる。
【0086】
また、表示21aにおいては、重複印刷されたページが第何ページであるのかの情報についても表示しているため、ユーザは、その情報を頼りに、色ズレの大き過ぎる重複印刷ページを素早く見つけることができる。
【0087】
また、印刷依頼元のPC20において、通知メッセージの表示がなされることで、ユーザにいっそう確実に通知メッセージを見せることができ、いっそう確実に適切な対応をとらせることが可能となる効果が得られる。
【0088】
なお、通知メッセージの送信先は、PC20に限らず、必要な通信インターフェイスを備えていさえすれば、例えばLAN上のコンピュータ端末や、公衆網上の特定のファクシミリ端末などであってもよいのはいうまでもない。
【0089】
また、重複印刷通知の形態としては、ブザーの鳴動、警告ランプの点灯、重複印刷の旨を印刷した記録紙の出力等のその他の通知形態も考えられる。
【0090】
なお、以上説明した本実施の形態では、印刷対象画像が、PC20から転送される印刷依頼に係る画像である場合に本発明を適用したが、本発明は、印刷対象画像の入力形態により限定されるものではなく、例えば、スキャナにより読み取った画像(複写装置)、ファクシミリ受信した画像(ファクシミリ装置)などその他の入力形態で入力された印刷対象画像についても同様に適用できるものであることはいうまでもない。
【0091】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、通常時は、印刷対象画像の書き込み・転写形成と並行して、前記第1の色ズレ検出パターンの書き込み・転写形成を行うようにすることで、色ズレ補正を印刷対象画像の書き込み・転写形成と並行して行えるようになると共に、色ズレ量が多い場合に限って、印刷対象画像の書き込み・転写形成を中断して、前記第2の色ズレ検出パターンの書き込み・転写形成を行うようにすることで、即座に高精度な色ズレ補正を行うことができるようになるため、比較的コストや時間をかけることなく記録画像品質の向上が可能となる効果が得られる。
【0092】
請求項2に係る発明によれば、色ズレ量が大きすぎる状態で書き込み・転写形成されたページの印刷対象画像については、色ズレが高精度に補正された状態で書き込み・転写形成がやりなおされるため、色ズレ量の少ない状態での画像形成が可能となる効果が得られる。
【0093】
請求項3に係る発明によれば、特定のページの印刷対象画像について、色ズレ量が大きすぎる状態で書き込み・転写形成された後、色ズレが高精度に補正された状態での書き込み・転写形成がやりなおされた場合には、その旨がユーザに通知されるため、色ズレ量が大きすぎる状態で印刷されたページが複数ページ中に紛れたままになることを防ぎ、破棄するなどの適切な対応をとらせることが可能となる効果が得られる。
【0094】
請求項4に係る発明によれば、表示されたメッセージ情報により、色ズレのために印刷され直したページがあることをユーザに認識させて適切な対応をとらせることが可能となる効果が得られる。
【0095】
請求項5に係る発明によれば、送信されて他装置で表示される等したメッセージ情報により、色ズレのために印刷され直したページがあることをユーザに認識させて適切な対応をとらせることが可能となる効果が得られる。また、その他装置が本発明に係るカラー画像形成装置に対して前記所定の通信インターフェイスを介して印刷対象画像を渡した印刷依頼元のコンピュータ端末である場合、色ズレのために印刷され直したページがあることをユーザにいっそう確実に認識させることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラー画像形成装置のブロック構成について示す図である。
【図2】パラメータメモリの記憶内容について示す図である。
【図3】ROMの記憶内容について示す図である。
【図4】プロッタの第1の構成例について示す図である。
【図5】プロッタの第2の構成例について示す図である。
【図6】印刷対象画像及び色ズレ検出パターンが形成された状態の転写ベルトについて示す図である。
【図7】高精度な色ズレ補正用の検出パターンの形成された状態の転写ベルトについて示す図である。
【図8】画像形成制御処理手順について示すフローチャートである。
【図9】高精度色ズレ補正処理の具体的な処理手順について示すフローチャートである。
【図10】重複印刷通知処理の具体的な処理手順について示すフローチャートである。
【図11】図10の処理手順における表示例について示す図である。
【図12】重複印刷通知処理の具体的な処理手順の別例について示すフローチャートである。
【図13】図12の処理手順における表示例について示す図である。
【符号の説明】
1 カラー印刷装置
2 CPU
3 ROM
4 RAM
5 パラメータメモリ
6 プロッタ
7 操作表示部
8 プリンタ制御部
9 システムバス
20 PC
Claims (5)
- 印刷対象画像を構成する各色成分の画像をそれら各色成分に対応した感光体上に書き込むと共に、それら各感光体上に書き込んだ画像を、転写媒体上の画像記録範囲内に順次転写してカラー重ね画像を形成する画像形成手段を備えたカラー画像形成装置において、
色ズレ補正データを記憶する色ズレ補正データ記憶手段と、
通常時においては、前記画像形成手段により書き込み・形成される前記印刷対象画像に、前記各色を使用した第1の色ズレ検出パターンを付加して、当該第1の色ズレ検出パターンを前記転写媒体上の前記画像記録範囲外に形成させると共に、その形成された第1の色ズレ検出パターンを測定して得た第1の色ズレ量が所定の上限値を越えない場合には、前記第1の色ズレ量に基づいて新たな色ズレ補正データを作成して前記色ズレ補正データ記憶手段に更新記憶する一方、前記第1の色ズレ量が前記所定の上限値を超えた場合においては、前記画像記録範囲内への前記印刷対象画像の形成に代えて前記各色を使用した高精度な色ずれ検出のための第2の色ズレ検出パターンを前記画像形成手段により前記転写媒体上に形成させると共に、その形成された第2の色ズレ検出パターンを測定して得た第2の色ズレ量に基づいて新たな色ズレ補正データを作成して前記色ズレ補正データ記憶手段に更新・記憶する画像形成制御手段とを備え、
前記画像形成手段は、前記色ズレ補正データ記憶手段に記憶された色ズレ補正データに基づいて前記印刷対象画像を構成する各色成分の画像の前記各感光体への書き込み時の位置補正を行いつつ当該印刷対象画像を前記転写媒体上の前記画像記録範囲内に形成することを特徴とするカラー画像形成装置。 - 前記画像形成制御手段は、前記第1の色ズレ量が前記所定の上限値を超えた場合においては、前記第1の色ズレ検出パターンと並行して書き込み・転写形成されたページの印刷対象画像を前記画像形成手段により再度書き込み・転写形成させることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
- 前記第1の色ズレ量が前記所定の上限値を超えた場合には、印刷対象画像の書き込み・転写形成の際の色ズレ量が前記所定の上限値を超えたために再度の書き込み・転写形成が行われた旨をユーザに認識可能に通知する重複印刷通知手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のカラー画像形成装置。
- 前記重複印刷通知手段は、前記再度の書き込み・転写形成が行われた旨の通知を、その旨のメッセージ情報の表示により行うものであることを特徴とする請求項3に記載のカラー画像形成装置。
- 前記重複印刷通知手段は、前記再度の書き込み・転写形成が行われた旨の通知を、所定の通信インターフェイスを介した他装置へのメッセージ情報の送信により行うものであることを特徴とする請求項3に記載のカラー画像形成装置。
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2003
- 2003-06-16 JP JP2003170255A patent/JP2005004121A/ja active Pending
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