以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係るカラー画像形成装置及び画像形成方法について説明をする。
図1は本発明の実施形態としてのカラープリンタ100の構成例を示す概念図である。図1に示すカラープリンタ100は、タンデム方式のカラー画像形成装置の一例を構成し、入力画像データ(画像情報)DINに基づいて中間転写ベルト6(像担持体)上で色を重ね合わせて色画像を形成すると共に、設定された像外色ずれ補正モードを実行するものである。入力画像データDINは、赤(R)色、緑(G)色、青(B)色を再現するデータ又は、これらのRGB色を再現するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)色を重ね合わせるためのデータである。
ここに像外色ずれ補正モードとは、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを介して中間転写ベルト6の画像領域に記録紙転写用の画像を書き込む処理(以下通常動作モードという)と、その非画像領域に印画像(以下レジストマークCRという)を書き込み、当該レジストマークCRの検知処理に基づいて色ずれ補正処理とを並行して実行する動作をいう。画像領域とは、当該プリンタ100に適用される最大サイズ紙の左右に所定の余白を残して有効に画像が形成できる幅と、その副走査方向への所定の長さから定義される領域をいう。非画像領域とは画像領域以外をいい、この例では、画像領域の両端部に非画像領域が設定される。
カラープリンタ100は、レジストセンサ12A,12B、不揮発メモリ14、制御部15、操作部16、定着装置17、表示部18、用紙供給部20、画像処理部70及び画像形成部80を有して構成される。制御部15は、通常動作モードに係る中間転写ベルト6上の画像領域への画像形成制御と、像外色ずれ補正モードに係る非画像領域へのレジストマーク形成制御とをパラレルに実行する。
制御部15には操作部16が接続され、通常動作モード時、ユーザによって、プリンタ枚数や、画像濃度、用紙サイズ等の画像形成条件を指示する際に操作される。操作部16から出力される操作データD31は制御部15に出力される。制御部15には操作部16の他に表示部18が接続され、上述の画像形成条件等が表示データDvに基づいて表示するようになされる。表示部18には液晶ディスプレイが使用され、液晶ディスプレイは、操作部16を構成する図示しないタッチパネルと組み合わせて使用される。上述の像外色ずれ補正モードは、用紙毎に実行するが、これに限られることはなく、その実行周期等を、メンテナンス時に、操作部16を介して制御部15に設定するようにしてもよい。
制御部15には操作部16の他に不揮発メモリ14が接続される。不揮発メモリ14には画像データDy,Dm,Dc,Dkに基づく中間転写ベルト6の画像領域への画像書き込み処理と共に、当該中間転写ベルト6の非画像領域への色ずれ補正用のレジストマークCRの書き込み処理を実行し、レジストマークCRを検出し、当該レジストマークCRの検出結果に基づいて像外色ずれ補正モードを実行するためのプログラムが記述される。
不揮発メモリ14には、上述のプログラムの他に画像検知データDp1,Dp2、色ずれ補正データDε、表示データDv等が記憶される。不揮発メモリ14にはハードディスクやEEPROM等が使用される。このようなプログラムを記述した不揮発メモリ14を備えているので、再現性良く、レジストマークCRに基づいて像外色ずれ補正モードを実行できるようになり、ジョブを中断して定期的に色ずれ補正モードを実行する場合に比べて、高速画像処理に加えて画像品質を向上できるようになる。
制御部15には不揮発メモリ14や操作部16等の他に画像処理部70が接続され、パーソナルコンピュータ等の外部装置から、カラープリントに係るY,M,C,K色用の入力画像データDIN(例えば、画像データDy,Dm,Dc,Dk)が入力される。
画像処理回路71では、画像処理制御信号S4に基づいて画像データDyをY−信号処理部72Yに出力する。ここに画像データDyは、通常動作モード時のJOBに係るY色用の画像形成信号をアナログ・デジタル変換した後の1ページ単位のデータである。また、像外色ずれ補正モードの実行時、画像処理制御信号S4に基づいて色ずれ補正用の画像データDy’をY−信号処理部72Yに出力する。画像処理回路71では、カラー用のレジストマークCRを直線パターン部(第1パターン)と斜めパターン部(第2パターン)の2つに分けて管理される。
画像データDy’は、Y色のレジストマークCRの形成用データであり、この例では、フ状のレジストマークCRを2つに分割した直線パターン部と斜めパターン部とを形成するための2つのマークデータDy1,Dy2である。中間転写ベルト6の左端部に形成するレジストマークCRに対して、その右端部に形成するレジストマークCRは反転している。つまり、逆向きのフ状のレジストマークCRを形成するため、左端部の画像データをDy’としたとき、右端部の画像データはDy’バー(上線を省略する)となり、その2つのマークデータもDy1バー、Dy2バーとなる。
このように画像処理回路71では、フ状のレジストマークCRを2つに分割し、かつ、中間転写ベルト6の左・右端部では、マークデータDy1,Dy2,Dy1バー、Dy2バーの4つに区分するようになされる。Y−信号処理部72Yは、画像データDy及び画像データDy’,Dy’バーを書込制御信号S5に基づいて読み出し、この画像データDy及び画像データDy’,Dy’バーを画像形成ユニット10Yに出力する。
同様にして、画像処理回路71は、画像処理制御信号S4に基づいて画像データDmをM−信号処理部72Mに出力する。ここに画像データDmは、通常動作モード時のJOBに係るM色用の画像形成信号をアナログ・デジタル変換した後のデータである。また、像外色ずれ補正モードの実行時、画像処理制御信号S4に基づいて色ずれ補正用の画像データDm’をM−信号処理部72Mに出力する。
画像データDm’は、M色のレジストマークCR等の形成用データであり、画像データDy’と同様にして、フ状のレジストマークCRを2つに分割した直線パターン部と斜めパターン部とを形成するための2つのマークデータDm1,Dm2である。この例でも、中間転写ベルト6の左・右端部では、マークデータDm1,Dm2,Dm1バー、Dm2バーの4つに区分するようになされる。M−信号処理部72Mは、画像データDm及び画像データDm’,Dm’バーを書込制御信号S5に基づいて読み出し、この画像データDm及び画像データDm’,Dm’バーを画像形成ユニット10Mに出力する。
また、画像処理回路71は、画像処理制御信号S4に基づいて画像データDcをC−信号処理部72Cに出力する。ここに画像データDcは、通常動作モード時のJOBに係るC色用の画像形成信号をアナログ・デジタル変換した後のデータである。更に、像外色ずれ補正モードの実行時、画像処理制御信号S4に基づいて色ずれ補正用の画像データDc’をC−信号処理部72Cに出力する。
画像データDc’はC色のレジストマークCRの形成用データであり、画像データDy’,Dm’と同様にして、フ状のレジストマークCRを2つに分割した直線パターン部と斜めパターン部とを形成するための2つのマークデータDc1,Dc2である。この例でも、中間転写ベルト6の左・右端部でマークデータDc1,Dc2,Dc1バー、Dc2バーの4つに区分するようになされる。C−信号処理部72Cは、画像データDc及び画像データDc’,Dc’バーを書込制御信号S5に基づいて読み出し、この画像データDc及び画像データDc’,Dc’バーを画像形成ユニット10Cに出力する。
また、画像処理回路71は、画像処理制御信号S4に基づいて画像データDkをK−信号処理部72Kに出力する。ここに画像データDkは、通常動作モード時のJOBに係るBK色用の画像形成信号をアナログ・デジタル変換した後のデータである。更に、像外色ずれ補正モードの実行時、画像処理制御信号S4に基づいて色ずれ補正用の画像データDk’をK−信号処理部72Kに出力する。
画像データDk’はBK色のレジストマークCRの形成用データであり、画像データDy’,Dm’,Dc’と同様にして、フ状のレジストマークCRを2つに分割した直線パターン部(第1のパターン)と斜めパターン部(第2のパターン)とを形成するための4つのマークデータDk1,Dk2,Dc1バー、Dc2バーに区分して管理される。K−信号処理部72Kは、画像データDk及び画像データDk’,Dk’バーを書込制御信号S5に基づいて読み出し、この画像データDk及び画像データDk’,Dk’バーを画像形成ユニット10Kに出力する。画像処理制御信号S4は制御部15から画像処理回路71に出力され、書込制御信号S5は制御部15からY〜K−信号処理部72Y〜72Kに各々出力される。図中、Sy,Sm,Sc及びSkはY,M,C,BK色用のLPHユニットにおける画像書込位置制御信号である(図2,図12参照)。
制御部15には画像処理部70の他に4個の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが接続されている。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、無終端状の中間転写ベルト6を含めて画像形成部80を構成する。
画像形成ユニット10Yは、Y色用の感光体ドラム1Yを有し、画像形成ユニット10Mは、M色用の感光体ドラム1Mを有し、画像形成ユニット10Cは、シアC色用の感光体ドラム1Cを有し、画像形成ユニット10Kは、BK色用の感光体ドラム1Kを各々有している。感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kや中間転写ベルト6等は像担持体の機能を構成する。
この例で、画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Yの他に、帯電器2Y、LPHユニット3Y、現像ユニット4Y、除電ランプ5Y及び像形成体用のクリーニング部8Yを有して構成される。
感光体ドラム1Yは、例えば、中間転写ベルト6の右側上部に近接して回転自在に設けられ、通常動作モード及び像外色ずれ補正モードに係るY色の静電潜像を形成するようになされる。この例で、感光体ドラム1Yは反時計方向に回転される。感光体ドラム1Yの斜め右側下方には、帯電器2Yが設けられ、静電潜像形成前に、感光体ドラム1Yの表面を所定の電位に帯電するようになされる。
感光体ドラム1Yのほぼ真横には、これに対峙して、書込みユニットの機能を構成するライン状の光学ヘッド(Line Photo diode Head;以下LPHユニット3Yという)が設けられ、事前に帯電された感光体ドラム1Yに対して、Y色用の画像データに基づく所定の強度を有したレーザ光を一括照射するようになされる。LPHユニット3Yには、図示しないLEDヘッド(画素)がライン状に配置されたものが使用される。
LPHユニット3Yの上方には現像ユニット4Yが設けられ、感光体ドラム1Yに形成された通常動作モード及び像外色ずれ補正モードに係るY色用の静電潜像を現像するように動作する。現像ユニット4Yは、図示しないY色用の現像ローラを有している。現像ユニット4Yには、Y色用のトナー剤及びキャリアが収納されている。
Y色用の現像ローラは、内部に磁石が配置され、現像ユニット4Y内でキャリアとY色トナー剤を攪拌して得られる2成分現像剤を感光体ドラム1Yの対向部位に回転搬送し、Y色のトナー剤により通常動作モード及び像外色ずれ補正モードに係る静電潜像を現像するようになされる。
この感光体ドラム1Yに形成されたY色のトナー像は、1次転写ローラ7Yを動作させて中間転写ベルト6に転写される(1次転写)。感光体ドラム1Yの左側下方には、クリーニング部8Yが設けられ、前回の書込で感光体ドラム1Yに残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。クリーニング部8Yと帯電器2Yとの間には除電ランプ5Yが設けられ、感光体ドラム1Yを除電するようになされる。
この例で、画像形成ユニット10Yの下方には画像形成ユニット10Mが設けられる。画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1M、帯電器2M、LPHユニット3M、現像ユニット4M、除電ランプ5M及び像形成体用のクリーニング部8Mを有して、マゼンタ(M)色の画像を形成するようになされる。画像形成ユニット10Mの下方には画像形成ユニット10Cが設けられる。画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1C、帯電器2C、LPHユニット3C、現像ユニット4C、除電ランプ5C及び像形成体用のクリーニング部8Cを有して、シアン(C)色の画像を形成するようになされる。
画像形成ユニット10Cの下方には画像形成ユニット10Kが設けられる。画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1K、帯電器2K、LPHユニット3K、現像ユニット4K、除電ランプ5K及び像形成体用のクリーニング部8Kを有して、ブラック(BK)色の画像を形成するようになされる。感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kには有機感光体(Organic Photo Conductor;OPC)ドラムが使用される。
なお、画像形成ユニット10M〜10Kの各部材の機能については、画像形成ユニット10Yの同じ符号のものについて、YをM,C,Kに読み替えることで適用できるので、その説明を省略する。上述の1次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kには、使用するトナー剤と反対極性(本実施例においては正極性)の1次転写バイアス電圧が印加される。
中間転写ベルト6では、1次転写ローラ7Y,7M,7C及び7Kによって転写されたトナー像を重合してカラートナー像(カラー画像)が形成される。このように、画像形成部80では、通常動作モードに係わり、当該感光体ドラム1Y,1M,1C,1K毎に作像処理がなされ、各色の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kで作像処理された各色のトナー像が中間転写ベルト6上の画像領域で重ね合わされ、カラー画像を形成するようになされる。
中間転写ベルト6上の画像領域に形成されたカラー画像及び非画像領域に形成されたレジストマークCRは、中間転写ベルト6が時計方向に回転することで、2次転写ローラ7Aに向けて搬送される。2次転写ローラ7Aは中間転写ベルト6の下方に位置しており、中間転写ベルト6の画像領域に形成されたカラー画像を用紙Pに一括して転写するようになされる(2次転写)。2次転写ローラ7Aには前回の転写で2次転写ローラ7Aに残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。
非画像領域に形成されたレジストマークCRは、用紙Pに転写されることなく、中間転写ベルト6の非画像領域に転写されたままレジストセンサ12A,12B下に搬送される。レジストセンサ12Aは、中間転写ベルト6の一方の端部上域に設けられ、レジストセンサ12Bは、中間転写ベルト6の他方の端部上域に配設される。制御部15には、画像処理部70及び4個のLPHユニット3Y,3M,3C,3Kの他に2個のレジストセンサ12A,12Bが接続され、像外色ずれ補正モードにおいて、中間転写ベルト6上の非画像領域に形成されたレジストマークCRを検知して画像検知信号S21,S22を出力する。画像検知信号S21,S22には、レジストマークCRの前端エッジ検知信号成分や後端エッジ検知信号成分が含まれる。
レジストセンサ12A,12Bには、反射型の光学式センサやイメージセンサ等が使用される。これらのセンサには、発光素子及び受光素子が備えられ、光が発光素子からレジストマークCRへ照射され、その反射光を受光素子で検知するようになされる。
制御部15は、レジストセンサ12A,12Bによって検知されたBK,C,M,Yの各色毎の直線パターン部及び斜めパターンの画像検知データDp1,Dp2(検知情報)から直線パターン部に対する斜めパターンの副走査方向における離隔量Lbを取得する。画像検知データDp1,Dp2は、レジストセンサ12A,12Bから得られる画像検知信号S21,S22をアナログ・デジタル変換したものである。制御部15は離隔量Lbに基づいてLPHユニット3Y,3M,3C,3Kの露光タイミングを制御する。
なお、レジストセンサ12A,12Bの下流側、この例では、中間転写ベルト6の左側上方にはクリーニング部8Aが設けられ、転写後の中間転写ベルト6上に残存するトナー剤や、レジストセンサ12A,12Bで検知を経たレジストマークCR等をクリーニングするように動作する。クリーニング部8Aは、中間転写ベルト6の電荷を除電する除電部(図示せず)や中間転写ベルト6に残留するトナー等を除去するパッドを有している。このクリーニング部8Aによってベルト面がクリーニングされ、除電部で除電された後の中間転写ベルト6は、次の画像形成サイクルに入る。これにより、用紙Pにカラー画像を形成すると共に、色ずれ補正処理を実行できるようになる。
カラープリンタ100には画像形成部80の他に、用紙給紙部20及び、定着装置17を備えている。上述の画像形成ユニット10Kの下方には、用紙供給部20が設けられ、図示しない複数の給紙トレイを有して構成される。各々の給紙トレイ内には所定のサイズの用紙Pが収容される。用紙供給部20から画像形成ユニット10Kの下方に至る用紙搬送路には、搬送ローラ22A,22C,ループローラ22B、レジストローラ23等が設けられる。例えば、レジストローラ23は、用紙供給部20から繰り出された所定の用紙Pを2次転写ローラ7Aの手前で保持し、画像タイミングに合わせて2次転写ローラ7Aへ送り出すようになされる。2次転写ローラ7Aは、中間転写ベルト6に担持された色画像を、レジストローラ23によって用紙搬送制御される所定の用紙Pに転写するようになされる。
上述の2次転写ローラ7Aの下流側には定着装置17が設けられ、カラー画像が転写された用紙Pを定着処理するようになされる。定着装置17は、図示しない定着ローラ、加圧ローラ、加熱(IH)ヒータや、定着クリーニング部17A等を有している。定着処理は、加熱ヒータによって加熱される定着ローラ及び加圧ローラの間に用紙Pを通過させることで、当該用紙Pが加熱・加圧される。定着後の用紙Pは、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ(図示せず)上に排紙される。定着クリニーグ部17Aは、前回の定着で定着ローラ等に残留したトナー剤を除去(クリーニング)するようになされる。
画像形成ユニット10Yでは、LPHユニット3Yから感光体ドラム1Yを介して中間転写ベルト6の画像領域に、通常動作モードに係るY色の画像が形成され、その非画像領域には、像外色ずれ補正モードに係る直線パターン部(第1のパターン)及び斜めパターン部(第2のパターン)から成るY色のレジストマークCRが形成される。
例えば、LPHユニット3Yは、画像処理部70から出力された通常動作モード時のY色用の画像データDyを、Y−IDX信号に基づいてライン単位に感光体ドラム1Yにレーザ光を一斉照射するようにして書き込む。この書き込みによって感光体ドラム1Yから中間転写ベルト6の画像領域へY色のトナー像が形成される。像外色ずれ補正モードでは、上述の画像形成処理と同時に、画像処理部70から出力される、色ずれ補正用のY色用の画像データDy’,Dy’バーに基づいて感光体ドラム1Yを介して中間転写ベルト6の左右の非画像領域にY色のレジストマークCRが形成される。
この例で、像外色ずれ補正モードが設定されると、1ページ分の画像データDyと、色ずれ補正用の画像データDy’とがLPHユニット3Yに出力される。つまり、通常動作モードに係る1ページ分の画像データDyがY−信号処理部72Yから読み出され、同時に、中間転写ベルト6の非画像領域に書込むための色ずれ補正用の画像データDy’,Dy’バーがY−信号処理部72Yからパラレルに読み出されてLPHユニット3Yに出力される。これにより、感光体ドラム1Yに、通常動作モードに係るY色用の静電潜像や、像外色ずれ補正モードに係るY色用の静電潜像等を形成できるようになる。
なお、他の色用の画像形成ユニット10M,10C,10Kにおいても同様な処理がなされるが、その各部材の機能については、画像形成ユニット10Yの同じ符号のものについて、YをM,C,K及びyをm,c,kに読み替えることで適用できるので、その説明を省略する。LPHユニット3Y,3M,3C,3Kでは、制御部15によって色ずれ補正用のレジストマークCRを感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを介して中間転写ベルト6の非画像領域に形成するように制御される。
この例で制御部15は、中間転写ベルト6に形成されたレジストマークCRを検知する際に、感光体ドラム1Y,1M,1C,1KへのレジストマークCRの書込開始を許可する書込み許可信号(以下VTOP信号という)を基準にして、中間転写ベルト6上のレジストマークCRの前端エッジ検知時刻と後端エッジ検知時刻とを検知し、レジストマークCRの前端エッジ検知時刻と後端エッジ検知時刻とに基づいて色ずれ補正データDεを演算する。
図2は、画像形成部80におけるLPHユニット3Y等の配置例を示す斜視図である。図2に示す画像形成部80にはY色用のLPHユニット3Yが設けられ、通常動作モードで、中間転写ベルト6の画像領域にカラー画像が書き込まれ、像外色ずれ補正モードで、中間転写ベルト6の非画像領域にレジストマークCRが書き込まれる。
LPHユニット3Yは感光体ドラム1Yに対峙して配置される。LPHユニット3Yには、感光体ドラム1Yの主走査方向に沿ってライン状にフォトダイオード(LED)を並設した光学ヘッドが使用され、この光学ヘッドの両端の発光素子領域には非画像領域が設定され、この非画像領域の両端部から中央部に向けて色ずれ補正用のレジストマークCRが書き込まれる。
ここに、主走査方向とは、図2に示す中間転写ベルト6の幅方向であって、感光体ドラム1Yの回転軸に平行する方向をいう。LPHユニット3Yは、当該感光体ドラム1Yに対してY色用の画像データDyに基づくレーザ光を1ライン単位に一括露光するように動作する。この一括露光により感光体ドラム1Yに対して1ライン単位に静電潜像が形成される。感光体ドラム1Yは、副走査方向に回転する。副主走査方向とは、主走査方向と直交する方向であって、中間転写ベルト6の長さ方向をいう。
上述の中間転写ベルト6は、一定の線速度で副走査方向に移動される。感光体ドラム1Yが副走査方向に回転し、かつ、LPHユニット1Yによる主走査方向へのライン単位の一括露光によって感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。LPHユニット3Yは、感光体ドラム1Yの全幅Wに等しい長さlを有しており、Y色用の書込み許可(インデックス)信号(以下Y−IDX信号という)に基づいて、Y色画像データDyを1ライン分及び数ライン分をまとめて主走査方向へ一括書込みするように動作する(通常動作モード)。通常動作モードでは、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに当該ページの静電潜像を書き込み、当該静電潜像をトナー現像した後にトナー画像を中間転写ベルト6に転写し、中間転写ベルト6に転写されたトナー画像を用紙に転写され、かつ、定着するようになされる。
この例では、通常動作モードに並行して像外色ずれ補正モードが実行される。像外色ずれ補正モードでは、LPHユニット3Yの両端部のデータ保持用のレジスタ等に色ずれ補正用の画像データDy’がセットされる。例えば、左端部のレジスタには、画像データDy’=マークデータ(Dy1+Dy2)が供給され、右端部のレジスタには、画像データDy’バー=マークデータ(Dy1+Dy2)バーがセットされる。LPHユニット3Yは、Y−IDX信号に基づいて、非画像領域に対応する主走査方向の数画素分のフォトダイオードに画像データDy’,Dy’バーを一括書込みするように動作する。
この書込みにより、感光体ドラム1Yの左端部にY色用の画像データDy’=マークデータ(Dy1+Dy2)に基づくフ状パターンを分割した直線パターン部及び斜めパターン部から成る静電潜像が書き込まれ、その右端部にY色用の画像データDy’バー=マークデータ(Dy1+Dy2)バーに基づく逆向きフ状パターンを分割した直線パターン部及び斜めパターン部から成る静電潜像が書き込まれる。各々の静電潜像は、トナー現像された後に中間転写ベルト6に転写される。
この転写によって、中間転写ベルト6の左端部にはフ状パターンを分割した直線パターン部及び斜めパターン部から成るY色のレジストマークCRが形成され、その右端部には、逆向きフ状パターンを分割した直線パターン部及び斜めパターン部から成るY色のレジストマークCRが各々形成される。このようなレジストマークCRは用紙Pには転写されない。
図示しないが、他の色用のLPHユニット3M,3C,3Kも、同様な長さを有しており、各色用のM−IDX信号、C−IDX信号及び、K−IDX信号に基づいて、M色画像データDm、C色画像データDc、BK色画像データDkを同様にしてまとめて一括書込みしたり、レジストマークCRを書き込むように動作する。
各色用のY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号及び、K−IDX信号は図1に示した制御部15から供給される。LPHユニット3Y,3M,3C,3Kには、当該プリンタ100で取り扱われる用紙の最大幅にもよるが、フォトダイオード(LED素子)及びそのデータ保持用のフィリップ・フロップ回路(レジスタ)が1ラインに付き数千〜数万画素を有するものが使用される。図中、Y色用の画像書込み位置制御信号Syは、LPHユニット3Yにおいて、画像書込位置を補正する際に使用される。図示しないが、他の色用のLPHユニット3M,3C,3Kにも、画像書込み位置制御信号Sm,Sc,Skが供給され、LPHユニット3M,3C,3Kにおいて、画像書込み位置を補正する際に使用される。
このようにすると、ライン状に発光素子を並設した光学ヘッドの両側端部の発光素子領域に非画像領域が設定され、非画像領域の両端部から中央部に向けて像外色ずれ補正用のパターンが書き込めるので、LPHユニット3Yにおける像外色ずれ補正用に占める非画像領域を最小限に抑制できる。従って、相対的に実画像領域を広く設定できるようになる。また、画像形成部80のLPH幅、ドラム幅、ベルト幅等を必要最小限に設計できるようになる。
なお、図2に示した中間転写ベルト6は、感光体ドラム1Y〜1Kによって形成されたトナー画像を図示しない用紙Pに転写するため、感光体ドラム1Y〜1Kの露光可能幅Wにほぼ等しいベルト幅W0を有している。例えば、中間転写ベルト6は、A3サイズの用紙Pの短辺よりも長いベルト幅W0を有している。ベルト幅W0は、当該画像形成部80における露光可能幅でもあり、最大画像形成領域の主走査方向の幅を成す。
図3は、2つのレジストセンサ12A,12BによるレジストマークCRの検知例を示す斜視図である。図3に示すベルト幅W0は、LPHユニット3Yのユニット幅とほぼ等しく、例えば、最大画像形成領域を幅W1の画像領域(有効画像領域)と、その両端部に幅W2l,W2rの非画像領域とに区分される。
レジストセンサ12A及び12Bは、中間転写ベルト面を見通せる領域であって、中間転写ベルト6の両側端部上に設けられ、像外色ずれ補正モード実行時、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによって中間転写ベルト6の両側に形成されたレジストマークCRを検知するようになされる。レジストセンサ12A及び12Bには、反射型の光学式センサが使用される。レジストセンサ12Aは、中間転写ベルト6の左端側の幅W2lの非画像領域上に配置され、レジストセンサ12Bは、その右端側の幅W2rの非画像領域上に配置される。これにより、制御部15は、レジストセンサ12A,12B等から出力されたレジストマーク検出情報に基づいて像外色ずれ補正モードを実行できるようになる。
図4は、中間転写ベルト6における用紙Pの給紙例を示す平面図である。この例では、A3サイズの用紙Pの短辺よりも長いベルト幅W0を有した中間転写ベルト6にA3サイズの用紙Pを給紙(セット)した場合の例を挙げる。
図4に示すA3サイズの用紙Pが給紙された中間転写ベルト6において、露光可能幅(ベルト幅)をW0とし、画像領域の幅をW1とし、非画像領域の幅をW2l,W2rとし、左右の紙裁断マージン(範囲)をWaとし、左右の汚れ防止マージンをWbとし、左右の書込みユニット取付公差をWdとし、A3サイズの用紙Pの短辺の幅(最大幅)をWmax=297mmとしたとき、露光可能幅W0は仕様値によりW0=324mmに設定(設計)される。
画像領域の幅W1は、Wmax+(Wa+Wb)×2に設定される。この例では、左右の紙裁断マージンWaが2mmに設定され、左右の汚れ防止マージンWbも2mmに設定され、画像領域の幅W1は305mmとなる。非画像領域の左側端部の幅W2lは8mmに設定され、右側端部の幅W2rも8mmに設定される。左右の書込みユニット取付公差Wdは1.5mmに設定される。
この例で、像外色ずれ補正モードにおいて、非画像領域W2l,W2rに形成する色ずれ補正用のレジストマークCRは、第1のパターンとしての直線パターン部と、第2のパターンとしての斜めパターン部から構成される。直線パターン部(第1パターン)は、主走査方向に略平行する色ずれ補正用のレジストマークCR(印画像)であり、斜めパターン部(第2パターン)は、当該色の直線パターン部に対して所定の角度を有する色ずれ補正用のレジストマークR(印画像)である。直線パターン部や、斜めパターン部等のライン幅は、例えば、48dot(1.016mm)に設定される。
この例で、中間転写ベルト6の左端部の非画像領域W2lには上から順にBK色、C色、M色、Y色のフ状パターンを直線パターン部及び斜めパターン部の2つに分割したレジストマークCRが形成される。その右端部の非画像領域W2rには上から順にBK色、C色、M色、Y色の逆向きフ状パターンを直線パターン部及び斜めパターン部の2つに分割したレジストマークCRが形成される。
このように、画像形成部80を構成すると、通常動作モードと並行して、像外色ずれ補正モードに係る直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRを1ライン単位に書き込んで像外色ずれ補正処理を実行できるようになる。
図5は、色ずれ補正用のレジストマークCRとレジストセンサ12Aとの関係例を示す図である。図5に示すレジストマークCRは、像外色ずれ補正モード時に適用され、主走査方向に平行な線分で構成される直線パターン部(水平パターン部)Paと、主走査方向に対してθ=45°の角度を有した線分で構成される斜めパターン部Pbとを有している。
この例で、レジストマークCRは、フ状パターンを直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとに分割して構成される。レジストマークCRは、レジストセンサ12Aのスポット径の照射位置にその中央の点eを合わせ込むように書き込まれる。レジストマークCRは、図1に示した制御部15によって、中間転写ベルト6に形成するように画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kが制御される。
この例で、直線パターン部Paの中央の点eから、副走査方向に平行な補助線を引いて、この45°の角度を有した線分とこの補助線とが交わる点をfとしたとき、この点e−f間の線分の長さをLbとする。この例では、レジストマークCRの点eと点fとの検知時刻の差から点e−f間の線分の長さLbを算出することで、図3に示した色ずれ補正用のレジストマークCRのレジストセンサ12A,12Bの検知点に対する主走査方向の位置ずれを検知することができる。
これらの色ずれ補正用のレジストマークCRをレジストセンサ12A及び12Bにより検知し、各色のレジストマークCRの画像形成位置に対する色ずれ量を算出し、Y,M,C色の画像形成位置を補正する。この補正は、像外色ずれ補正モード実行後の画像形成系で、次の用紙Pに色画像を形成するための画像データDy,Dm,Dc,DkをLPHユニット3Y等に書込位置を補正して、この色ずれ補正を基づく色画像を精度良く重ね合わせるためである。
図6A〜Hは、レジストセンサ12A等による画像検知信号S21の二値化例を示す図である。
図6Aに示すレジストセンサ12Aは、中間転写ベルト6上のレジストマークCRの、図中、直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbのエッジを検知して画像検知信号S21を出力する。この例で、フ状パターンを2つに分割したレジストマークCRの成す角度θは45°である。中間転写ベルト6は、一定線速で副走査方向に移動する。レジストセンサ12Aでは、図示しない発光素子からレジストマークCRへ光が照射され、その反射光を受光素子で検知するようになされる。
図6Bに示す画像検知信号S21はレジストセンサ12Aから得られ、この画像検知信号S21において、L1はベルト(面)検知レベルである。Lthは、画像検知信号S21を二値化するための閾値であり、L2はレジストマークCRに係るマーク検知レベルである。a点は、レジストマークCRの直線パターン部Paの前端エッジがレジストセンサ12Aにより検知され、その画像検知信号S21が閾値Lthをクロスした点であり、前端エッジ検知時刻taを与える。この前端エッジ検知時刻taに、図6Dに示す1個目の通過タイミングパルス信号Spが立ち上がる。
b点は、レジストマーク直線パターン部Paの後端エッジが同様に検知され、その画像検知信号S21が閾値Lthをクロスした点であり、後端エッジ検知時刻tbを与える。この後端エッジ検知時刻tbには、図6Dに示した通過タイミングパルス信号Spが立ち下がる。
同様にして、c点は、レジストマークCRの斜めパターン部Pbの前端エッジがレジストセンサ12Aにより検知され、その画像検知信号S21が閾値Lthをクロスした点であり、前端エッジ検知時刻tcを与える。この前端エッジ検知時刻tcには、図6Dに示す2個目の通過タイミングパルス信号Spが立ち上がる。
d点は、レジストマークCRの斜めパターン部Pbの後端エッジが同様に検知され、その画像検知信号S21が閾値Lthをクロスした点であり、後端エッジ検知時刻tdを与える。この後端エッジ検知時刻tdには、図6Dに示した通過タイミングパルス信号Spが立ち下がる。この二値化後の通過タイミングパルス信号Spは、画像検知データDpとなる。画像検知データDpはBK色のレジストマークCRの書込位置に対するY,M,C色の書込位置のずれ量算出に使用される。
レジストマークCRの直線パターン部Paの副走査方向のマーク幅は、中間転写ベルト6が一定線速で副走査方向に移動する場合、図6Fに示す経過時間T2と、図6Eに示す経過時間T1とに基づいて得られる。経過時間T1は、図6Cに示す時刻t0で書込み許可信号(VTOP信号)が立ち上がって、図示しないカウンタが起動され、その後、基準クロック信号のパルス数がカウントされ、前端エッジ検知時刻taになったとき、そのカウンタから出力される出力値(経過時間情報D[T1])によって得られる。
VTOP信号は、感光体ドラム1Y,1M,1C,1KにレジストマークCRの書込を許可する信号(画像先端信号)である。同様にして、経過時間T2は、カウンタが更に基準クロック信号のパルス数をカウントし、後端エッジ検知時刻tbになったとき、そのカウンタから出力される出力値(経過時間情報D[T2])によって得られる。これらの経過時間情報D[T1],D[T2]は、不揮発メモリ14に格納される。
色ずれ算出時には、不揮発メモリ14から経過時間情報D[T1]、D[T2]が読み出される。制御部15では、レジストマークCRの直線パターン部Paの副走査方向のマーク幅を経過時間情報D[T1],D[T2]に基づいて(T2−T1)により演算するようになされる。
また、レジストマークCRの斜めパターン部Pbの副走査方向のマーク幅は、同様にして、図6Hに示す経過時間T4と、図6Gに示す経過時間T3とに基づいて与えられる。経過時間T3は、図6Cに示した時刻t0でVTOP信号が立ち上がって、カウンタが起動され、その後、基準クロック信号のパルス数がカウントされ、前端エッジ検知時刻tcになったとき、そのカウンタから出力される出力値(経過時間情報D[T3])によって得られる。
同様にして、経過時間T4は、カウンタが更に基準クロック信号のパルス数をカウントし、後端エッジ検知時刻tbになったとき、そのカウンタから出力される出力値(経過時間情報D[T4])によって得られる。これらの経過時間情報D[T3],D[T4]は、不揮発メモリ14に格納される。
色ずれ算出時には、不揮発メモリ14から経過時間情報D[T3],D[T4]が読み出される。制御部15では、レジストマークCRの斜めパターン部Pbの副走査方向のマーク幅を経過時間情報D[T3],D[T4]に基づいて√2・(T4−T3)/2により演算するようになされる。これらの演算後に得られる情報は、色ずれ補正データとなる。なお、レジストセンサ12Bについても、同様に機能するので、その説明を省略する。
図7A及びBは、レジストセンサ12A,12B,LPHユニット3K,3C,3M,3Yの設計上の配置例と、レジストマークCRの書込位置との関係例を示す図である。
図7Aに示すレジストセンサ12Aは、LPHユニット3Y等の左端側で分割フ状のレジストマークCRを検知する位置に配置される。この位置は、左端側の非画像領域W2lに割り当てられた300〜400dotのLED画素列により形成される直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbを検知可能な場所である。レジストセンサ12Bは、その右端側でレジストマークCRを検知する位置に配置される。この位置は、右端側の非画像領域W2rに割り当てれた300〜400dotのLED画素列により形成されるレジストマークCRを検知可能な場所である。
例えば、左端側のレジストセンサ12Aには、組立基準位置となる取り付け基準マークが設けられる。図示しない筐体には、設計基準位置となる取り付け基準マークが設けられ、レジストセンサ12Aの取り付け基準マークと筐体の取り付け基準マークとを位置合わせした後に、レジストセンサ12Aが筐体に固定される。右端側のレジストセンサ12Bについても同様にして取り付けられる。
LPHユニット3Y,3M,3C,3Kは、設計基準位置に並べて取り付けられる。例えば、LPHユニット3Yには取り付け基準マークが設けられる。図示しない筐体にも、取り付け基準マークが設けられ、LPHユニット3Yの取り付け基準マークと筐体の取り付け基準マークとを位置合わせした後に、LPHユニット3Yが筐体に取り付けられる。他の色のLPHユニット3Yについても同様に取り付けられる。
図7Bに示すレジストマークCR,CRバーは、図7Aに示したLPHユニット3Y,3M,3C,3Kによって書き込まれるパターンである。左端側のレジストマークCRは、K,C,M,Y色毎に直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbから構成され。右端側のレジストマークCRバーは、直線パターン部Paバー及び斜めパターン部Pbバーから構成される。
この例で、LPHユニット3K,3C,3M,3Yには、左端側の非画像領域W2lに対応するLED画素列及び、右端側の非画像領域W2rに対応するLED画素列が設定される。LPHユニット3Yから感光体ドラム1Yのデフォルト位置にレジストマークCRCRバーを書き込む場合に、その左端側では、LPHユニット3Yでレジスト補正処理に割り当てた非画像領域W2lのLED画素列の1dot目のLED素子に画像データDy1の書き出し位置が設定される。
その右端側では、LPHユニット3Yでレジスト補正処理に割り当てた非画像領域W2rのLED画素列の最終dot目のLED素子に画像データDy1バーの書き出し位置が設定される。他のM,C,K色用のLPHユニット3M,3C,3Kについても同様にして設定される。このように、各色用のLPHユニット3Y,3M,3C,3Kにおいて、書き出し位置に関して、LED画素列の1dot目や最終dot目のLED素子を設定するようにしたのは、画像領域の両端部の狭小領域においてレジスト補正処理を実施するためである。
レジストマークCRは原則、制御系が期待する設計基準位置に書込みまれる。従って、K,C,M,Y色の左端側の直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの間の離隔量Lbや、その右端側の直線パターン部Paバーと斜めパターン部Pbバーとの間の離隔量Lbは全て等しく、例えば、Lb=1である。
これらのK,C,M,Y色の直線パターン部Paと斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRや、その直線パターン部Paバーと斜めパターン部Pbバーから成るレジストマークCRバーは、画像処理部70から画像形成部80へ出力される分割フ状パターン用の画像データDk’,Dc’,Dm’,Dy’及び逆向き分割フ状パターン用の画像データDk’バー,Dc’バー,Dm’バー,Dy’バーによって与えられる。
図8A〜Dは、LPHユニット3K,3C,3M,3Yの取付例を示す図である。図8Aに示すLPHユニット3Kによれば、図7Aに示したLPHユニット3Kと同じ設計基準位置に取り付けられた場合である。設計基準位置には、例えば、筐体に設けられた取り付け基準マークが適用される。
この例では、BK色を基準色としているので、残りのLPHユニット3Y,3M,3Cは、LPHユニット3Kに位置合わせして取り付けられる。この例で、図8Aに示したBK色用のLPHユニット3Kと、図8Dに示すY色用のLPHユニット3Yとが設計位置に取り付けられた場合である。
図8Bに示すC色用のLPHユニット3Cは、例えば、設計基準位置に対して右側に数百μm単位に位置ずれを伴って取り付けられた場合である。ここで100μmを1単位とすると、LPHユニット3Cは、右側に+1.5位置づれを伴って取り付けられた例を示している。図8Cに示すM色用のLPHユニット3Mは、例えば、設計基準位置に対して左側に−1.0位置ずれを伴って取り付けられた場合である。このような取り付け誤差は、機械公差及び使用環境温度により生ずると考えられ、主走査方向における色ずれの原因となる。
図9A〜Dは、レジストセンサ12A,12Bによるマーク検知例を示す概念図である。図9Aに示すマーク検知例によれば、図8Aに示したLPHユニット3Kが取り付けられた画像形成部80で、図7Bに示した関係を有するBK色用のレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成し、その後、レジストセンサ12A,12Bで取得した場合である。この場合、LPHユニット3Kによって形成された左・右端部のBK色用のレジストマークの直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの各々の離隔量(時間差)はLbである。
図9Bに示すマーク検知例によれば、図8に示したLPHユニット3Cが取り付けられた画像形成部80で、図7Bに示したC色用のレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成し、その後、レジストセンサ12A,12Bで取得した場合である。
この場合、LPHユニット3Cによって形成された左端部のC色用のレジストマークの直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの離隔量(時間差)はLb’(Lb<Lb’)であり、その右端部の離隔量(時間差)はLb”(Lb>Lb”)である。これは、図8Bに示したようにC色用のLPHユニット3Cが設計位置に対して右側に数百μm単位に位置ずれを伴って取り付けられたことによる。
図9Cに示すマーク検知例によれば、図8に示したLPHユニット3Mが取り付けられた画像形成部80で、図7Bに示したM色用のレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成し、その後、レジストセンサ12A,12Bで取得した場合である。
この場合、LPHユニット3Mによって形成された左端部のM色用のレジストマークの直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの離隔量(時間差)はLb”(Lb>Lb”)であり、その右端部の離隔量(時間差)はLb’(Lb<Lb’)である。これは、図8Bに示したようにM色用のLPHユニット3Mが設計位置に対して左側に数百μm単位に位置ずれを伴って取り付けられたことによる。
なお、図9Dに示すマーク検知例によれば、図8に示したLPHユニット3Yが取り付けられた画像形成部80で、図7Bに示した関係を有するY色用のレジストマークCRを中間転写ベルト6に形成し、その後、レジストセンサ12A,12Bで取得した場合である。この場合、LPHユニット3Yによって形成された左・右端部のC色用のレジストマークの直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの各々の離隔量(時間差)はLbである。
この例で、BK色のLPHユニット3Kを基準にとると、BK色(基準色)用のLPHユニット3Kによって形成された左・右端部のBK色用のレジストマークの離隔量(時間差)Lbに対して、Y色のLPHユニット3Yによって形成された左・右端部のY色用のレジストマークの離隔量(時間差)もLbである。
しかし、BK色用のレジストマークの離隔量(時間差)Lbに対して、LPHユニット3Cによって形成された左・右端部のC色用のレジストマークの離隔量(時間差)はLb’,Lb”と異なっており、同様にして、M色のLPHユニット3Mによって形成された左・右端部のM色用のレジストマークの離隔量(時間差)も、Lb”,Lb’と異なっている。このようなLPHユニット3Y,3M,3C,3Kの主走査方向における取り付け誤差による色ずれについて、像外色ずれ補正モードにより補正するようになされる。
図10A及びBは、色ずれ補正前後のマーク検知例を示す図である。この例では、図10Aに示す色ずれ補正前のレジストマークCRの離隔量(図9A〜D参照)を、図10Bに示すような色ずれ補正後のレジストマークCRの離隔量に補正するようになされる。
図10Bに示す色ずれ補正後のレジストマークCRによれば、LPHユニット3Cによって形成された左端部のC色用のレジストマークの直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの離隔量(時間差)Lb’や、LPHユニット3Mによって形成された左端部のM色用のレジストマークの直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの離隔量(時間差)Lb”等を、LPHユニット3Kによって形成された左端部のBK色用のレジストマークの直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの各々の離隔量(時間差)Lbや、LPHユニット3Yによって形成された左端部のY色用のレジストマークの直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの各々の離隔量(時間差)Lb等に合わせ込む補正がなされる。
右端側も同様にして、LPHユニット3Cによって形成された右端部のC色用のレジストマークの直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの離隔量(時間差)Lb”や、LPHユニット3Mによって形成された右端部のM色用のレジストマークの直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの離隔量(時間差)Lb’等を、LPHユニット3Kによって形成された右端部のBK色用のレジストマークの直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの各々の離隔量(時間差)Lbや、LPHユニット3Yによって形成された右端部のY色用のレジストマークの直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの各々の離隔量(時間差)Lb等に合わせ込む補正がなされる。
図11A〜Cは、色ずれ補正検証時の当該色のレジストマークCRの斜めパターン部Pbの移動例を示す図である。この例では、当該色のレジストマークCRの直線パターン部Paを固定して、斜めパターン部Pbを補正値に基づいて副走査方向に沿って前後に移動する。図11A〜Cにおいて、一点鎖線は、中間転写ベルト6がレジストセンサ12A下を一定線速で移動していることによるレジストセンサ12Bの光軸等価検知軌跡である。レジストセンサ12Bの光軸は主走査方向の基準位置となる。
図11Aは、BK色のレジストマークCRにおける直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの関係例を示す図である。
この例では、基準色としてBK色を設定し、BK色のレジストマークCRを基準にして色ずれ量を算出している。これはBK色用のLPHユニット3Kに対するY,M,C色用のLPHユニット3C,3M,3Yにおける画像データの書込開始位置をBK色に合わせるように補正するためである。図中、傾斜角度θは45°であり、直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの間の離隔量Lbは「1」である。
例えば、C色の画像書込開始位置に関しては、BK色のレジストマークCRの書込位置と、C色のレジストマークCRの書込位置とを検知し、C色のレジストマークCRの書込位置とBK色のレジストマークCRの書込位置とのずれ量からその補正量を算出する。同様にして、M、Y色の画像書込開始位置に関しても、BK色のレジストマークCRの画像書込位置と、MやY色のレジストマークCRの画像書込開始位置とのずれ量を各々検知し、このずれ量から各々の補正量を算出する。
その後、C,M,Y色の画像形成位置を調整するようになされる。画像形成位置とは、画像データに基づくカラー画像を中間転写ベルト6上に再現する場合に、Y色、M色、C色、BK色等の各々のトナー像を重ね合わせる位置をいう。この画像形成位置は、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに対するLPHユニット3Y,3C,3M,3Kにおける画像データの書込開始位置を調整することで補正される。
この例では、各色のレジストマークCRの直線パターン部Paとその斜めパターン部Pbとが成す角度をθとし、基準色として設定されたBK色(基準色)のレジストマークCRの直線パターンPaに対する斜めパターン部Pbの副走査方向の離隔量Lbと、他の色のレジストマークCRの直線パターンPaに対する斜めパターン部Pbの副走査方向の離隔量Lb’等との差分量をβとし、基準色として設定されたBK色の斜めパターン部Pbに対する当該色のレジストマークCRの斜めパターン部Pbの主走査方向への色ずれ量の補正値をαとしたとき、制御部15は、(1)式、すなわち、
α=(1/β)×tanθ(dot)・・・・・(1)
の関係式によりBK色に対する補正値αを算出するようになされる。
この(1)により算出したY色の補正値αに基づいて、制御部15がLPHユニット3Yにおける画像データの画像書込開始位置を補正できるようになる。他のM色及びC色についても当該色の補正値αに基づいて、LPHユニット3M,3Cにおける画像データの画像書込開始位置を補正できるようになる。
なお、色ずれ補正検証確認時、色ずれ補正動作中のBK,M,C,Y色のレジストマークCRの主走査方向への移動を伴うことなく、Y,M,C色の各々のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの離隔量Lb’やLb”等が、BK色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの離隔量Lbに一致するように、Y,M,C色の各々のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbを副走査方向の位置に移動できるようになる。
図11Bは、色ずれ補正検証時のC色のレジストマークCRにおける直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの関係例を示す図である。図11Bに示す実線の直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbは、移動前のC色のレジストマークCRである。直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの間の離隔量Lb’は、例えば1.24である。
このように、図11Aに示したBK色のレジストマークCRの離隔量Lb=1に対してC色のレジストマークCRの離隔量Lb’=1.24と大きくなったのは、図8Bに示したC色用のLPHユニット3Cが、機械公差や使用環境温度等により設計位置に対して右端側に数百μm単位に位置ずれを伴って取り付けられたことによる。このような取り付け誤差は、直線パターン部Paと斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRがレジストセンサ12A等によって右端側にずれて検知される。この際の主走査方向への色ずれ量(補正値)は+α1である。
これに対して、二点鎖線で示した斜めパターン部Pb’は、主走査方向への色ずれ量を無くすために、副走査方向へ移動した後の位置を示している。この例で、斜めパターン部Pb’の副走査方向への移動量β1は、Lb’−Lb=0.24、又はβ1=α1・tanθである。θ=45°でβ1=α1である。
図11Cは、M色のレジストマークCRにおける直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの関係例を示す図である。図11Cに示す実線の直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbは、移動前のM色のレジストマークCRである。直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの間の離隔量Lb”は、例えば0.84である。
このように、図11Aに示したBK色のレジストマークCRの離隔量Lb=1に対してM色のレジストマークCRの離隔量Lb”=0.84と小さくなったのは、図8Cに示したM色用のLPHユニット3Mが、機械公差や使用環境温度等により設計位置に対して左端側に数百μm単位に位置ずれを伴って取り付けられたことによる。このような取り付け誤差は、直線パターン部Paと斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRがレジストセンサ12A等によって左端側にずれて検知される。この際の主走査方向への色ずれ量は−α2である。
これに対して、二点鎖線で示した斜めパターン部Pb”は、主走査方向への色ずれ量を無くすために、副走査方向へ移動した後の位置を示している。この例で、斜めパターン部Pb”の副走査方向への移動量β2は、Lb−Lb”=0.16、又はβ2=−α2・tanθである。θ=45°でβ2=α2である。なお、補正を行うタイミングは、用紙1ページ単位に行われる。このようにすると、用紙Pの両側端部に色ずれ補正用のY,C,M,BKの各色のレジストマークCRが転写されることなく、通常動作モード実行中に、同時に、像外色ずれ補正モードを実行できるようになる。
図12は、カラープリンタ100の制御系の構成例を補足するブロック図である。この例で、CPU57は色ずれ補正初期処理を実行し、その後、色ずれ補正検証確認処理を実行する。ここに色ずれ補正初期処理とは、各色毎に直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbを感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを介して中間転写ベルト6の非画像領域W2l,W2rに形成し、当該非画像領域W2l,W2rに形成された各色の直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbを検知し、ここに検知された当該色の直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbの画像検知データDp1,Dp2から、主走査方向の基準位置における当該直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの離隔量を算出する処理をいう。
また、色ずれ補正検証確認処理とは、基準色として設定されたBK色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの副走査方向の離隔量Lbと、他のY,M又はC色の直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの副走査方向の離隔量Lb’等との差分量βに基づく補正値αxが所定量X以下となる副走査方向の位置に当該色の斜めパターン部Pbを移動する処理をいう。この処理により、制御部15が算出した補正値α=(1/β)×tanθ(dot)を含む色ずれ補正動作を検証できるようになる。
上述の色ずれ補正検証確認処理には、上記の差分量βに基づく補正値αを徐々に減らす方法で副走査方向へ移動される当該色の斜めパターン部Pbの移動量β11等から基準色として設定されたBK色のレジストマークCRの斜めパターン部Pbに対する当該色の斜めパターン部Pbの主走査方向の検証確認用の補正値α11等を順次算出し、検証確認用の補正値α11等と所定量Xとを逐次比較し、補正値α11等が所定量X以下となる副走査方向の位置に当該色のレジストマークCRの斜めパターン部Pbが移動されたか否かを判別する処理が含まれる。この処理によっても、制御部15が算出した補正値α=(1/β)×tanθ(dot)を含む色ずれ補正動作を検証できるようになる。
図12に示すカラープリンタ100は、LPHユニット3Y,3M,3C,3K、レジストセンサ12A,12B、不揮発メモリ14、制御部15、操作部16、表示部18及び画像処理部70を有して構成される。制御部15は、例えば、A/D変換器13A〜13D、補正量演算部51、タイミング発生回路52、CPU57及びインターフェース58から構成される。インターフェース58には操作部16及び表示部18が接続される。
タイミング発生回路52にはCPU57が接続される。CPU57は、タイミング発生回路52に画像先端信号(VTOP信号)や副走査画像領域信号(以下SVV信号という)等を出力する。タイミング発生回路52では、VTOP信号やSVV信号に基づいてY−IDX信号、M−IDX信号、C−IDX信号、K−IDX信号、画像処理制御信号S4及び書込制御信号S5を発生する。画像処理制御信号S4及び書込制御信号S5は、画像処理部70へ出力される。
画像処理部70は、画像処理制御信号S4及び書込制御信号S5に基づいてLPHユニット3Yに通常動作モードに係る画像データDy及び像外色ずれ補正モードに係る画像データDy’,Dy’バーを出力する。同様にして、LPHユニット3Mに通常動作モードに係る画像データDm及び像外色ずれ補正モードに係る画像データDm’,Dm’バーを出力し、LPHユニット3Cに通常動作モードに係る画像データDc及び像外色ずれ補正モードに係る画像データDc’,Dc’バーを出力し、LPHユニット3Kに通常動作モードに係る画像データDk及び像外色ずれ補正モードに係る画像データDk’,Dk’バーを各々出力する。
画像処理部70には、LPHユニット3Y,3M,3C,3Kが接続される。LPHユニット3Yの非画像領域W2lのLED画素列では、左端側のレジストマーク用の画像データDy’(=Dy1+Dy2)に基づいて直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRが書き込まれる。LPHユニット3Yの非画像領域W2rのLED画素列では、右端側のレジストマーク用の画像データDy’(=Dy1+Dy2)バーに基づいて直線パターン部Pa及び反転斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRバーが書き込まれる。LPHユニット3Yの画像領域には、Y−IDX信号に基づいて通常動作モードに係る画像データDyが書き込まれる。
同様にして、LPHユニット3Mの非画像領域W2lのLED画素列では、左端側のレジストマーク用の画像データDm’(=Dm1+Dm2)に基づいて直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRが書き込まれる。LPHユニット3Mの非画像領域W2rのLED画素列では、右端側のレジストマーク用の画像データDm’(=Dm1+Dm2)バーに基づいて直線パターン部Pa及び反転斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRバーが書き込まれる。LPHユニット3Mの画像領域には、M−IDX信号に基づいて通常動作モードに係る画像データDmが書き込まれる。
同様にして、LPHユニット3Cの非画像領域W2lのLED画素列では、左端側のレジストマーク用の画像データDc’(=Dc1+Dc2)に基づいて直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRが書き込まれる。LPHユニット3Mの非画像領域W2rのLED画素列では、右端側のレジストマーク用の画像データDc’(=Dc1+Dc2)バーに基づいて直線パターン部Pa及び反転斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRバーが書き込まれる。LPHユニット3Cの画像領域には、C−IDX信号に基づいて通常動作モードに係る画像データDcが書き込まれる。
同様にして、LPHユニット3Kの非画像領域W2lのLED画素列では、左端側のレジストマーク用の画像データDk’(=Dk1+Dk2)に基づいて直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRが書き込まれる。LPHユニット3Mの非画像領域W2rのLED画素列では、右端側のレジストマーク用の画像データDk’(=Dk1+Dk2)バーに基づいて直線パターン部Pa及び反転斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRバーが書き込まれる。LPHユニット3Kの画像領域には、K−IDX信号に基づいて通常動作モードに係る画像データDkが書き込まれる。
LPHユニット3Y,3M,3C,3Kにはタイミング発生回路52が接続され、上述のY−IDX信号がタイミング発生回路52からLPHユニット3Yへ出力される。同様にして、M−IDX信号がタイミング発生回路52からLPHユニット3Mへ出力され、C−IDX信号がタイミング発生回路52からLPHユニット3Cへ出力され、K−IDX信号がタイミング発生回路52からLPHユニット3Kへ各々出力される。
この例で、タイミング発生回路52からLPHユニット3Yには、画像書込み位置制御信号Syが出力され、LPHユニット3Yで画像領域に割り当てられたLED画素列のレジスタにおける画像データDyの書込開始位置をシフト(補正)するようになされる。
同様にして、タイミング発生回路52からLPHユニット3Mには、画像書込み位置制御信号Smが出力され、LPHユニット3Mで画像領域に割り当てられたLED画素列のレジスタにおける画像データDmの書込開始位置をシフトするようになされる。例えば、図8Cに示したようにM色用のLPHユニット3Mのように左端側にずれて配置されている場合は、画像書込み位置制御信号SmでM色の主走査方向の色ずれ量に相当するLED画素の画像書込開始位置を数dotだけプラス側にずらすようになされる(当該M色の有効画像領域シフト処理)。
また、タイミング発生回路52からLPHユニット3Cには、画像書込位置制御信号Scが出力され、LPHユニット3Cで画像領域に割り当てられたLED画素列のレジスタにおける画像データDcの書込開始位置をシフト(補正)するようになされる。例えば、図8Bに示したようにC色用のLPHユニット3Cのように右端側にずれて配置されている場合は、画像書込位置制御信号ScでC色の主走査方向の色ずれ量に相当するLED画素の画像書込開始位置を数dotだけマイナス側にずらすようになされる(当該C色の有効画像領域シフト処理)。
なお、タイミング発生回路52からLPHユニット3Kには、画像書込み位置制御信号Skを出力しているが、このBK色用のLPHユニット3Kを基準色に設定する場合は、省略してもよい。これは、LPHユニット3Kで画像領域に割り当てられたLED画素列のレジスタにおける画像データDkの書込開始位置をシフトする必要がないからである。基準色をBK色からY色等に移行した場合は、画像書込み位置制御信号Skが必要となる。
図12において、レジストセンサ12AはA/D変換器13Aに接続される。レジストセンサ12Aは、像外色ずれ補正モード時に、中間転写ベルト6の非画像領域W2rに形成された、Y色,M色,C色,BK色の直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRを検知する。A/D変換器13Aでは、レジストセンサ12Aから出力された、レジストマークCRに基づく画像検知信号S21をA/D変換して二値化した後の画像検知データDp1を出力するようになされる。
レジストセンサ12BはA/D変換器13Bに接続される。レジストセンサ12Bは、像外色ずれ補正モード時に、中間転写ベルト6の非画像領域W2lに形成されたY色,M色,C色,BK色の直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRを検知する。A/D変換器13Bでは、レジストセンサ12Bから出力された、レジストマークCRに基づく画像検知信号S22をA/D変換して二値化した後の画像検知データDp2を出力するようになされる。A/D変換器13A〜13Dは、不揮発メモリ14に接続される(図5参照)。A/D変換器13A及び13Bには不揮発メモリ14が接続され、画像検知データDp1,Dp2が格納される。
不揮発メモリ14には補正量演算部51が接続され、像外色ずれ補正モード時に、不揮発メモリ14からレジストマーク検出時の画像検知データDp1,Dp2を読み出し、色ずれ補正検証時、例えば、補正値α1を3等分した補正値αx=α11,α12,α13が算出する。又は、補正値α11,α12,α13を(1)に代入した、当該色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの副走査方向への移動量βx=β11,β12,β13を算出する。基準色に対する当該色のレジストマークCRの斜めパターン部Pbの副走査方向への移動量βの二値化データは、色ずれ補正データDεを成す。上述の不揮発メモリ14には、画像検知データDp1,Dp2、色ずれ補正データDεの他に、図6に示したような経過時間情報D[T1],D[T2],D[T3],D[T4]等が格納される。
不揮発メモリ14及び補正量演算部51にはCPU57が接続される。CPU57は、レジストセンサ12A,12Bによって検知された当該色の直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbの画像検知データ(検知情報)Dp1,Dp2から差分量βを算出する。
例えば、CPU57は、Y,M,C,BK色の中から基準色として設定されたBK色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの副走査方向の離隔量Lb(検知時間差)と、Y,M,C色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの副走査方向の離隔量Lb’等との差分量βを算出する。
CPU57は、当該差分量βに基づいてLPHユニット3Y,3M,3C,3Kにおける通常動作モード時の画像データの画像書込開始位置を補正する補補正値αを算出し、この補正値αに基づいて画像形成部80を制御する。
この例では、画像書込み位置制御信号SyをY色用のLPHユニット3Yに出力して、Y色の主走査方向の色ずれ量に相当するLED画素の画像書込開始位置をプラス側又はマイナス側にずらすようになされる(色ずれ補正検証確認処理)。このように、色ずれ補正検証確認時の斜めパターン部Pbの移動量βに基づいてLPHユニット3Yにおける画像書込開始位置を補正するので、LPHユニット3Yにおける色ずれ補正用に占める非画像領域W2l,W2rを最小限に抑制できるようになり、相対的に実画像領域を広く設定できるようになる。他の色も同様にして補正される。
更に、CPU57は、この演算結果を検証するために、Y,M,C色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの離隔量Lb’が、基準色に設定されたBK色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの基準離隔量Lbとなる位置に、Y,M,C色のレジストマークCRの斜めパターン部Pbを副走査方向に移動するように画像形成部80を制御するようになる。
例えば、色ずれ補正検証時、CPU57は、Y,M,C,BK色の中から選定されたBK色(基準色)の直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの離隔量を副走査方向における基準離隔量に設定して他のY,M,C色の斜めパターン部Pbの移動量βxを算出する。これにより、色ずれ補正検証確認処理後に、BK色のLPHユニット3Kを基準して補正値αに基づいて他のY,M,C色のLPHユニット3Y,3M,3Cにおける画像書込開始位置を補正できるようになる。
図13A〜Dは、BK,C,M,Y色のLPHユニット3K,3C,3M,3Yの像外色ずれ補正前の画像書込開始位置の設定例を補足する図である。
図13A〜Dにおいて、BK,C,M,Y色のLPHユニット3K,3C,3M,3Yに、例えば、最大14500dotのLED素子を備えたLED画素列のものを適用した場合、いずれも、画像書込開始位置が、例えば、500dot目に設定され、画像書込終了画素が14000dot目に設定される(デフォルト設定)。有効画像領域W1は、画像書込開始位置500dot〜画像書込終了画素14000dotに設定される。
図14A〜Dは、LPHユニット3Yの像外色ずれ補正後の画像書込開始位置の設定例を補足する図である。
図14Aに示したLPHユニット3Kは、図13Aに示したLPHユニット3Kに対して、補正前後の画像書込開始位置は変化していない。同様にして、図14Dに示したLPHユニット3Yも、図13Dに示したLPHユニット3Yに対して補正前後の画像書込開始位置は変化していない。図14Bに示すC色用のLPHユニット3Cでは、画像書込位置制御信号Scに基づいて、C色の主走査方向の色ずれ量に相当するLED画素の画像書込開始位置を数dot分だけマイナス側にずらすように補正される。図11Bに示した例によれば、補正後のLED画素の画像書込開始位置は(400dot−0.24×数dot)となる。その画像書込終了位置は(14000dot−0.24×数dot)となる。
また、図14Cに示すM色用のLPHユニット3Mでは、画像書込み位置制御信号Smに基づいて、M色の主走査方向の色ずれ量に相当するLED画素の画像書込開始位置を数dotだけプラス側にずらすようになされる。図11Cに示した例によれば、補正後のLED画素の画像書込開始位置は(400dot+0.16×数dot)になる。その画像書込終了位置は(14000dot+0.16×数dot)となる。
これにより、LPHユニット3K、3Yに対して、図14Bに示したLPHユニット3Cのようにプラス側に1.5ずれて取り付けられたり、図14Cに示したLPHユニット3Mのようにマイナス側に1.0ずれて取り付けられた場合であっても、中間転写ベルト6で再現性良く色を重ね合わせることができるようになる。
本発明に係る画像形成方法について、当該カラープリンタ100の動作例を説明する。図15は、カラープリンタ100の像外色ずれ補正モード時の動作例を示すフローチャートである。
この実施例では、CPU57は、通常動作モード時、LPHユニット3Kから感光体ドラム1Yを介して、LPHユニット3Mから感光体ドラム1Mを介して、LPHユニット3Cから感光体ドラム1Cを介して、LPHユニット3Kから感光体ドラム1Kを介して、中間転写ベルト6へ画像データが書き込まれる画像領域の両端部の非画像領域W2l,W2rで像外色ずれ補正処理を実行する。この例では、ステップST1〜ST3で色ずれ補正初期処理を実行し、ステップST4〜ST7で色ずれ補正検証確認処理を実行する場合を例に挙げる。また、補正値αに基づくLPHユニット3Y,3M,3C,3Kにおける記録紙転写用の画像データの画像書込開始位置の補正時期は、色ずれ補正検証確認処理後に設定する場合を挙げる。
これらを画像形成条件にして、図14に示すフローチャートのステップST1でCPU57は、色ずれ補正初期処理を実行すべく、デフォルト位置にレジストマークCRを形成するように画像形成部80を制御する。このとき、画像形成部80では、画像形成ユニット1がY色の直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbを感光体ドラム1Yを介して中間転写ベルト6の非画像領域W2l,W2rに形成する。他のC,M,K色用の画像形成ユニット10C,10M,10Kでも同様にして、直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbが形成される(図9A〜D参照)。
次に、ステップST2でCPU57は、レジストセンサ12A,12Bを動作させて、直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRを読込む制御を実行する。レジストセンサ12A,12BはレジストマークCRの読込み処理を実行する。レジストセンサ12Aは、中間転写ベルト6上の非画像領域W2lに形成された、直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbから成る分割フ状のレジストマークCRを検知して画像検知信号S21,S22をA/D変換器13Aに出力する。
レジストセンサ12Bは、中間転写ベルト6上の非画像領域W2rに形成された、直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbから成る逆向き分割フ状のレジストマークCRを主走査方向の基準位置で検知して画像検知信号S21,S22をA/D変換器13Bに出力する。画像検知信号S21,S22は、A/D変換され、二値化した後の画像検知データDp1,Dp2が不揮発メモリ14に出力される。画像検知データDp1,Dp2は、BK,C,M,Yの各色毎のレジストマークCRの直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbの検知結果である。
この例でCPU57は、画像検知データDP1,DP2から当該色のレジストマークCRの直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbの副走査方向における離隔量Lbを取得する。このとき、CPU57は、レジストセンサ12A及び12Bの光軸等価検知軌跡を基準にして、直線パターン部Paと斜めパターン部Pbとの間の離隔量Lbを取得する(図11A〜C参照)。
その後、ステップST3でCPU57は、色ずれ補正時の補正値α1(カラーレジスト補正値)及び色ずれ補正検証時の斜めパターンの移動量を算出する。このとき、CPU57は、不揮発メモリ14から、当該色の直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbの画像検知データDp1,Dp2を読み出し、BK,C,M,Y色の中から基準色として設定されたBK色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの副走査方向の離隔量Lbと、例えば、C色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの副走査方向の離隔量Lb’の差分量β1を算出する。
ここに当該差分量β1に基づいて(1)式により補正値α1を算出する(図11B参照)。ここに算出された補正値α1に基づいて、CPU57は、LPHユニット3Cにおける記録紙転写用の画像データの画像書込開始位置を補正するように画像形成ユニット1OCを制御するようになされる。他のM色やY色等についても同様になされる。
この例では、色ずれ補正検証確認処理するために、例えば、補正値α1を3等分した補正値αx=α11,α12,α13が適用される。又は、補正値α11,α12,α13を(1)に代入した、当該色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの副走査方向への移動量βx=β11,β12,β13が適用される。
次に、ステップST4でCPU57は、色ずれ補正検証確認処理を実行するために、補正値α1を反映した移動量β11に基づく斜めパターン部Pbを形成するように画像形成部80を制御する。例えば、CPU57は、当該色のレジストマークCRの副走査方向における直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの離隔量が、基準色として設定されたBK色の直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの基準離隔量となる位置を目標にして、当該色の直線パターン部Paを固定した状態で斜めパターン部Pbを副走査方向に移動する移動量β11を画像形成部80に設定するようになされる。
その後、ステップST5でCPU57はレジストセンサ12A,12Bを動作させて、当該色の直線パターン部Pa及び補正値α1を反映した移動量β11に基づく斜めパターン部Pbから成るレジストマークCRを読込む制御を実行する。レジストセンサ12A,12Bは当該色の斜めパターン部Pbに補正値α1を反映した移動量β11に基づくレジストマークCRの読込み処理を実行する。
レジストセンサ12Aは、中間転写ベルト6上の非画像領域W2lに形成された、当該色の直線パターン部Pa及び補正値α1を反映した移動量β11に基づく斜めパターン部Pbから成る分割フ状のレジストマークCRを検知して画像検知信号S21,S22をA/D変換器13Aに出力する。レジストセンサ12Bは、中間転写ベルト6上の非画像領域W2rに形成された、当該色の直線パターン部Pa及び補正値α1を反映した移動量β11に基づく斜めパターン部Pbから成る分割フ状のレジストマークCRを検知して画像検知信号S21,S22をA/D変換器13Bに出力する。画像検知信号S21,S22は、A/D変換され、二値化した後の画像検知データDp1,Dp2が不揮発メモリ14に出力される。
そして、ステップST6でCPU57は当該色のレジストマークCRの直線パターン部Pa及び補正値α1を反映した移動量β11に基づく斜めパターン部Pbの移動後の補正値α11を算出し、色ずれ補正を検証する。例えば、CPU57は、不揮発メモリ14から、当該色の直線パターン部Pa及び補正値を反映した斜めパターン部Pbの画像検知データDp1,Dp2を読み出し、BK色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの副走査方向の離隔量Lbと、当該色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの副走査方向の離隔量Lb’の差分量β11を算出する。この差分量β11に基づいて(1)式により補正値α11を算出し検証する。
その後、ステップST7でCPU57は当該色のレジストマークCRの斜めパターン部Pbの移動後の補正値αxと所定量Xとを比較して、補正値αx≦所定量Xとなったか否かを判別する。ここに所定量Xは、例えば、補正値α1−(α11+α12+α13)である。当該色のレジストマークCRの斜めパターン部Pbの移動後の補正値αxが所定量Xよりも大きい場合(αx>X)は、ステップST4に戻って上述した斜めパターン部の副走査方向への移動処理を繰り返すようになされる。これは、当該色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの離隔量が、BK色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの基準離隔量となる位置に、当該色の斜めパターン部Pbを副走査方向に移動する処理をするためである。
この例では、続けて、色ずれ補正検証確認処理するために、補正値αx=α12が適用される。又は、補正値α12を(1)に代入した、当該色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの副走査方向への移動量βx=β12が適用される。
そして、上述の斜めパターン部Pbの移動後の補正値αxが所定量X以下となった場合(αx≦X)は、ステップST8に移行して当該LPHユニットにおける画像書込開始位置を補正して色ずれ補正処理(カラーレジスト補正処理)を完了する(図14A〜D参照)。
この例では、色ずれ補正初期処理時(移動前)の当該色のレジストマークCRの斜めパターン部Pbの副走査方向の検知位置から、移動後の当該色のレジストマークCRの斜めパターン部Pbの補正値αxが所定量Xよりも小さくなった時点に至る移動量β=αに基づいてLPHユニット3Cや、3M等における画像データDc、Dmの画像書込開始位置が補正される。例えば、LPHユニット3CにおけるC色用の画像データDcを保持するレジスタへ画像書込開始位置制御信号Scを出力し、これに基づいて当該C色の有効画像領域をシフト処理するようになされる(図13B、図14B参照)。
このように、実施形態におけるカラープリンタ100及び画像形成方法によれば、BK,C,M,Yの各色毎のレジストマークCRの直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbの画像検知データDP1,DP2から当該色のレジストマークCRの直線パターン部Pa及び斜めパターン部Pbの副走査方向における離隔量Lb’やLb”等を取得するCPU37を備え、CPU57は、LPHユニット3Kから感光体ドラム1Yを介して、LPHユニット3Mから感光体ドラム1Mを介して、LPHユニット3Cから感光体ドラム1Cを介して、LPHユニット3Kから感光体ドラム1Kを介して、中間転写ベルト6の画像領域内に通常動作モードに基づく画像を形成しているときに、色ずれ補正初期処理を実行すると共に、色ずれ補正検証確認処理を実行する。
CPU57は、BK,C,M,Y色の中から基準色として設定されたBK色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの副走査方向の離隔量Lbと、上述した例で、C色のレジストマークCRの直線パターン部Paに対する斜めパターン部Pbの副走査方向の離隔量Lb’の差分量β1を算出し、当該差分量β1に基づいて補正値α1を求め、この補正値α1に基づいてLPHユニット3Cにおける記録紙転写用の画像データの画像書込開始位置を補正するように画像形成ユニット1OCを制御するようになされる。他のM色やY色等についても同様になされる。
従って、色ずれ補正動作中のBK,C,M,Yの各色のレジストマークCRの主走査方向への移動を伴うことなく、色ずれ補正処理を完了できるようになる。しかも、色ずれ補正検証確認によって、ずれ量許容範囲に収束したBK色のレジストマークCRの斜めパターン部Pbに対する当該色のレジストマークCRの斜めパターン部Pbの副走査方向への移動量βに基づいてLPHユニット3Y,3M,3C等における画像書込開始位置を補正できるようになる。
これにより、LPHユニット3Y,3M,3C,3Kにおける色ずれ補正用に占める非画像領域を最小限に抑制できるので、相対的に実画像領域を広く設定できるようになる。これは、レジストマークCRが主走査方向に移動しないことによる。
また、LPHユニット3Y,3M,3C,3KのLPH幅、ドラム幅、ベルト幅等を必要最小限に設計できるようになる。この結果、通常長さよりも長いカスタム(特注)LPHユニットを採用する必要がなく、汎用品のLPHユニットが利用できるためコストメリットが向上する。しかも、LPHユニットのサイズを小さくできるため機械寸法を抑えることができる。レジストマークCRの小型化が可能となり、トナー削減効果が向上する。これらにより、カラープリンタ100のコンパクト化かつ低コスト化に寄与するところが大きい。