JP2005288773A - カラー画像形成装置、画像形成方法およびプログラム - Google Patents

カラー画像形成装置、画像形成方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】タンデム構成・マルチビームのカラー画像形成装置において、レーザ劣化の観点から使用するビームを切り替える場合、簡単な構成で色ずれの発生を防ぐこと。
【解決手段】感光体と該感光体に対応した複数のビームで走査露光するマルチビームスキャナ光学系とを有する画像形成部を複数備え、画像形成モードに応じて前記マルチビームスキャナ光学系で使用するビーム数を切り替えるカラー画像形成装置において、前記マルチビームスキャナ光学系の一部のビームを使用しない画像形成モードが選択されたとき、各マルチビームスキャナ光学系間のビームの組み合わせが特定の組み合わせで、使用しないビームを切り替える(S102ないしS104)。
【選択図】図4

Description

本発明は、光走査装置(スキャナ)により画像を形成するプリンタ、複写機、ファクシミリ装置等のカラー画像形成装置に関し、特にその色ずれの補正、レーザの劣化防止に関するものである。
電子写真方式のカラー画像形成装置においては、高速化のために複数の画像形成部を有し、搬送ベルト上に保持された記録材(転写材)上に順次異なる色の像を転写する方式が各種提案されている。このような構成はタンデム方式と呼ばれている。
ところで、複数の画像形成部を有する装置の問題点としては、機械的精度等の原因により、複数の感光ドラムや搬送ベルトの移動むらや、各画像形成部の転写位置での感光ドラム外周面と搬送ベルトの移動量の関係等が各色毎にばらばらに発生し、画像を重ね合わせたときに一致せず、色ずれ(位置ずれ)を生じることが挙げられる。特に、各画像形成部でレーザスキャナと感光体間の光学的距離に誤差があり、この誤差が各画像形成部間で異なると、感光ドラム上でのビームの主走査倍率に違いが発生し、色ずれ(位置ずれ)が発生する。また、各画像形成部でレーザスキャナや感光体が、ビーム走査方向(以下、主走査方向と記す)の位置がずれ、このずれが各画像形成部間で異なると、最終的な画像に色ずれ(位置ずれ)が発生する。
他の高速化の一手段として、レーザダイオードから出射される複数のビームを用いて複数ラインを同時に走査することとが行われている。
また、カラー複写機やカラーレーザプリンタ等のフルカラー画像形成装置において、用紙として厚紙、光沢紙、OHT(Over Head Projector)用紙等の特殊な用紙を用いる場合、十分な定着性、光沢性、透過性(OHT用紙)を得るために、これらの用紙では普通紙よりも搬送速度を低下させる特殊紙モードが用意されている装置がある。特殊な用紙ではない場合であっても、複数の解像度、例えば600dpiと1200dpiで印刷できる場合、解像度によって用紙の搬送速度や転写速度などのプロセススピードを変える方式が知られている。2ビーム以上のマルチビームである場合、前述の搬送速度やプロセススピードを変えるときに、スキャナの回転速度は変更せず、一部のビームだけ使って画像を形成する手法があり、例えば下記特許文献1に示されている。また、一部のビームだけ使って画像を形成する場合、一部のレーザのみ劣化の進みが速くなるという弊害がある。対策としては、使うレーザをページごとなどで交互に切り替える手法があり、例えば下記特許文献2に示されている。前述の特許文献1にも同様の内容が示されている。
特開2002−166592号公報 特開2002−103684号公報
しかしながら、前述した従来の技術では次のような問題がある。
タンデム方式でマルチビームの場合、プロセススピード等を変更するために一部のビームのみ使用し、レーザの劣化対策として使用するビームを交互に切り替える構成にすると、ビームを切り替えたときに各色の搬送方向書き出し位置が合わず、色ずれが生じてしまう可能性がある。
この対策として、前記特許文献1の実施例には、ビーム切り替えによる色ずれの発生を防止するために、工場出荷時にLD1、LD2それぞれの書き出しタイミングを書き込み制御部に記憶させておき、自動色ずれ調整の結果により、その記憶内容を書き換え、必要時に記憶内容を呼び出して使用するという手法が示されている。しかし、この手法は煩雑であり、制御プログラムが複雑になり、ひいては制御プログラムを格納しているROMの容量アップによるコスト増につながる。また、一部のレーザのみが劣化することの対策として簡単にできる手法であるページごとに使用するビームを変えるという手法の場合、前記記憶内容の書き換えは頻繁に起こり、印刷速度に追いつかない可能性も生じる。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、タンデム構成・マルチビームのカラー画像形成装置において、一部のビームのみ使用する画像形成モードがあり、レーザ劣化の観点から使用するビームを切り替える場合、簡単な構成で色ずれの発生を防ぐことを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明では、カラー画像形成装置を次ぎの(1)ないし(8)のとおりに構成し、画像形成方法を次ぎの(9)のとおりに構成し,プログラムを次ぎの(10)のとおりに構成する。
(1)感光体と該感光体に対応した複数のビームで走査露光するマルチビームスキャナ光学系とを有する画像形成部を複数備え、画像形成モードに応じて前記マルチビームスキャナ光学系で使用するビーム数を切り替えるカラー画像形成装置において、
前記マルチビームスキャナ光学系の一部のビームを使用しない画像形成モードが選択されたとき、使用しないビームを切り替えるビーム切り替え手段を備え、
前記ビーム切り替え手段で選択されるビームの各マルチビームスキャナ光学系間の組み合わせが特定の組み合わせであるカラー画像形成装置。
(2)前記(1)に記載のカラー画像形成装置において、
前記特定の組み合わせは、用紙搬送方向書き出し順が同じビームの組み合わせであるカラー画像形成装置。
(3)前記(1)または(2)に記載のカラー画像形成装置において、
前記画像形成モードは、画像の解像度が異なるモードに分けられているカラー画像形成装置。
(4)前記(1)または(2)に記載のカラー画像形成装置において、
前記画像形成モードは、転写材の搬送速度が異なるモードに分けられているカラー画像形成装置。
(5)前記(1)または(2)に記載のカラー画像形成装置において、
前記画像形成モードは、転写材の種類により分けられているカラー画像形成装置。
(6)前記(5)に記載のカラー画像形成装置において、
前記画像形成モードは、転写材として普通紙を使うモードと、転写材として厚紙や光沢紙やOHT用紙など特殊な用紙を使うモードに分けられているカラー画像形成装置。
(7)前記(1)ないし(6)のいずれかに記載のカラー画像形成装置において、
前記ビーム切り替え手段は、1画像ごとに使用するビームの切り替えを行うカラー画像形成装置。
(8)前記(1)ないし(7)のいずれかに記載のカラー画像形成装置において、
前記ビーム切り替え手段によりビームを切り替えたとき、転写材に対する搬送方向画像書き出し位置を補正する手段を備えたカラー画像形成装置。
(9)感光体と該感光体に対応した複数のビームで走査露光するマルチビームスキャナ光学系とを有する画像形成部を複数備え、画像形成モードに応じて前記マルチビームスキャナ光学系で使用するビーム数を切り替えるカラー画像形成装置における画像形成方法であって、
前記マルチビームスキャナ光学系の一部のビームを使用しない画像形成モードが選択されたとき、各マルチビームスキャナ光学系間のビームの組み合わせが特定の組み合わせで、使用しないビームを切り替えるカラー画像形成装置における画像形成方法。
(10)前記(9)に記載のカラー画像形成装置における画像形成方法を実現するためのプログラム。
本発明によれば、タンデム方式・マルチビームレーザの構成で、一部のレーザを使用しない画像形成モード(解像度、転写材の種類など)があるときに、使わないレーザを切り替えることでレーザの劣化を防ぐと共に、簡単な構成で搬送方向の色ずれを防止することができる。
また請求項8に記載の発明によれば、さらに、レーザの切り替え時の用紙に対する搬送方向書き出し位置の補正をすることで位置ずれが解消される。
以下本発明を実施するための最良の形態を、カラー画像形成装置の実施例により詳しく説明する。なお、本発明は、装置の形に限らず、実施例の説明に裏付けられて、方法の形で、さらにプログラムの形で実施することができる。
実施例1である“カラー画像形成装置(カラーレーザプリンタ)”について説明する。本実施例は、解像度を上げるためにプロセススピードを変更するとき、一部のレーザのみ使う例である。
(本体の全体構成の説明)
図1は実施例1の全体構成を示す斜視図である。
本実施例は、4色すなわち、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの画像形成手段を備えたカラー画像形成装置である。同図において、1は静電潜像を形成する感光ドラム(k,c,m,yはそれぞれK、C、M、Y用を示す)、2は画像信号に応じて露光を行い感光ドラム1上に静電潜像を形成するレーザスキャナ、3は用紙を各色の画像形成部に順次搬送する、転写ベルトを兼ねた無端状の搬送ベルト、4は、図示しないモータとギア等からなる駆動手段と接続され、搬送ベルト3を駆動する駆動ローラ、5は搬送ベルト3の移動に従って回転し、かつ搬送ベルト3に一定の張力を付与する従動ローラ、6は、搬送ベルト3上に形成された位置ずれ検知用パターンを検出する、搬送ベルトの両サイドに設けられた1対の光センサである。
以下、本実施例の動作について説明する。
コンピュータなどからプリントすべきデータや印刷条件がカラー画像形成装置に送られ、プリンタエンジンの方式に応じた画像形成が終了しプリント可能状態となると、用紙カセットから用紙が供給され搬送ベルト3に到達し、搬送ベルト3により用紙が各色の画像形成部に順次搬送される。搬送ベルト3による用紙搬送とタイミングを合わせて、各色の画像信号が各レーザスキャナ2に送られ、感光ドラム1上に静電潜像が形成され、図示しない現像器でトナーが現像され、図示しない転写部で用紙上に転写される。図1では、Y、M、C、Kの順に順次画像形成される。その後用紙は搬送ベルトから分離され、図示しない定着器で熱によってトナー像が用紙上に定着され、外部へ排出される。
(制御系の概略構成の説明)
図7は図1のカラー画像形成装置における制御系の概略構成を示すブロック図である。
カラー画像形成装置1000において、1001はコントローラで、CPU1012によりROM1013のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等あるいは、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク等の外部メモリ1014に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス1015に接続された各種デバイスとのアクセスを統括的に制御し、プリンタエンジン1016に出力情報としてのビデオデータを出力する。また、ROM1013のフォント用ROMには出力データを生成する際に使用するフォントデータ等を記憶している。更に、ROM1013のデータ用ROMにはハードディスク等の外部メモリ1014を備えていないカラー画像形成装置のために、ホストコンピュータ2000上で利用される情報等を記憶している。
CPU1012は入力部1018、インターフェイス2100を介してホストコンピュータ2000と双方向通信処理が可能となっており、カラー画像形成装置1000内の情報等をホストコンピュータ2000に通知可能に構成されている。1019はRAMで、CPU1012の主メモリ、ワークエリア等として機能し、図示しない増設ボードに接続されているオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるよう構成されている。また、コントローラ1001内のCPU1012、プリンタエンジン1016内のCPU1017は内部にタイマを有しており、計時可能となっている。
また、RAM1019は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、不揮発性RAMなどに用いられる。前述のハードディスク、ICカード等の外部メモリ1014は、メモリコントローラ(MC)1020によりアクセスを制御される。外部メモリ1014はオプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。1021は操作部で、走査及び各種設定のためのスイッチ及びLED表示器、LCD表示器等が配されている。
なお、前述の外部メモリ1014は一個に限らず、少なくとも一個以上備え、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されている。また、図示しない不揮発性RAMを備え、操作部1021からの各種設定情報を記憶する様にしてもよい。
更に、プリンタエンジン1016にはコントローラ1001内のCPU1012から送られてくるビデオデータを印字するために、所定のタイミングでアクチュエータ1022を動作させると共に、動作時に取り込まれる種々の検出系1023(センサ6、光ビーム検出器40Y,40M,40C,40Kを含む)からの信号をその動作にフィードバックして制御を行うためのCPU1017、及びこのCPU1017が実行する各種制御プログラム、並びに各種信号の出力タイミング、並びに色ずれを検出するためのマークの画像データ、マゼンタ、シアン、ブラックの各潜像の書き出しタイミングデータ、検出系1023から出力されるデータを一時的に格納するROM/RAM1030を有する。
また、CPU1017は各色画像間の色ずれを補正するために、ROM/RAM1030に格納されたマーク画像データに基づいて中間転写ベルト42上に各色の画像データを形成し、センサ6により読み取る。そして、この読み取り結果に基づいて各色画像間の位置ずれ量を算出する。
(スキャナ光学系の説明)
次に、各画像形成部のスキャナ光学系について説明する。図2に複数ビーム(例として2ビーム)によるスキャナ光学系の概略斜視図を示す。レーザ光源81より出射された複数のビームはコリメートレンズ82によりコリメートされた後、ポリゴンミラー83で走査される。走査されたビーム87a、87bはf―θレンズ84で走査速度を補正され、最終的に感光体1上に画像信号に対応した潜像を形成する。感光体上での画像信号書き込みタイミングを検出するための位置検出センサ86(以下、BDセンサと記述する)から出力された図示しない水平同期信号(以下、BD信号と記述する)に画像クロックを同期(以下BD同期と記述する)させる。画像クロックをBD同期させてから、ある時間遅延させ、画像信号の書き込みを開始する。
(色ずれ補正の説明)
本実施例のカラー画像形成装置では、画像形成部が複数あるために、用紙の搬送方向や、ビームの操作方向に各色の位置ずれ(色ずれ)が生じる。色ずれを低減させるため、搬送ベルト3上に図3に示す様な位置ずれ検出用パターンを形成し、搬送ベルトの両サイドに設けられた1対のセンサ6で読み取り、各色の位置ずれ量を検出する。同図において、7、8、9、10は各々K、C、M、Yの主走査方向と搬送方向に延びた直線パターン、aとbは各々搬送ベルト3の手前側と奥側のパターンである。aのパターンは光センサ6aで、bパターンは光センサ6bで読み取られ、主走査方向に延びた直線パターンから搬送方向の位置ずれ量を、搬送方向に延びた直線パターンから主走査方向の位置ずれ量を検出する。各色の主走査倍率は、搬送方向に延びた直線パターンaとb間の距離から算出される。
このような色ずれ補正を行っているため、通常色ずれは生じない。また、2ビームのうち、搬送方向で書き出し側のレーザをLD1、書き出しから遠いほうのレーザをLD2とすると、2ビームを使った色ずれ補正の後であれば、全ての画像形成部でLD1だけを使えば、色ずれは生じない。同様に全ての画像形成部でLD2だけを使えば、色ずれは生じない。もちろん、全ての画像形成部で同じレーザ(例えばLD1)だけで色ずれ補正パターンを形成して色ずれ補正を行った場合、LD2だけで画像形成を行った場合にもほとんど色ずれは生じない。
色ずれ補正のタイミングは、カラー画像形成装置の起動時や、交換可能ユニットである画像形成部などが交換されたとき、あるいは、昇温により色ずれが生じたと考えられるときである。これらのタイミングで、色ずれ補正動作を行い、色ずれが生じないような書き出しタイミング等を求め、設定する。
(全体の動作の説明)
以上の説明を元に、本実施例の動作を説明する。
カラー画像形成装置には、ユーザが操作するボタンやディスプレイがあり、ここから600dpi(高速モード)か1200dpi(高解像度モード)かを選択できる。またカラー画像形成装置には、コンピュータなどが接続されており、コンピュータ上の設定で高速モードか高解像度モードかを指定することもできる。高速モードが指定された場合には、カラー画像形成装置は、全ての画像形成部でLD1とLD2両方を使い、画像を形成する。
高解像度モードが指定された場合には、高速モードに対し次の条件で画像を形成する。(1)スキャナの回転数は変更しない。(2)搬送速度(プロセススピード)を1/4にする。(3)全ての画像形成部で1つのレーザのみ用いて画像形成する。(4)全てのレーザの光量を1200dpiに適切な光量に落とす。
図4は、本実施例における高解像度モードの動作を説明する図である。ユーザにより、高解像度モードが指示され、画像データが送られると、高解像モードでの印刷が開始される(S100)。まず、1200dpiで印刷できるように、プロセススピードを高速モードの1/4に設定し、全てのレーザの光量を1200dpiに適する光量に変更する(S101)。本カラー画像形成装置の制御部には不揮発メモリがあり、その中の特定のアドレスAの値により使うビームが決まる。この不揮発メモリAの値が0であればS103に進み、1であればS104に進む(S102)。
S103では、全ての画像形成部で使用するレーザをLD1に設定し、次の画像形成のためにAに1を記録する。S104では、全ての画像形成部で使用するレーザをLD2に設定し、次の画像形成のためにAに0を記録する。S103またはS104により、全ての画像形成部において、画像上同じ位置を走査するレーザを選ぶことにより、レーザの選択に起因する搬送方向色ずれをなくすことができる。次に、画像を1ページ分形成する(S105)。S106では、全てのページの印刷が終われば印刷を終了し(S107)、まだ高解像度モードで印刷するページが残っていればS102に戻る。
以上の動作で、1ページごとにすべての画像形成部で使用するレーザを色ずれが生じないように切り替えながら印刷することが可能となる。
また、これらの動作は本カラー画像形成装置を制御するコントローラ1001の中にプログラムの形で格納されている。
なお、本実施例では、1200dpiでは1/4速と非常に遅くなっている。2ビームで1200dpiのときに1/2速にしようとした場合、2ビームの搬送方向ピッチ間隔を変えれば可能である。しかし、搬送方向ピッチ間隔を変えるにはレーザを回転させるなど光学系の物理的位置関係を変更する必要があり、コストが非常に高くなる。600dpiが主な使用用途で、1200dpiは解像度が必要なときにときどき使うことを想定すれば、本実施例のような構成もコスト的な面から有効であるといえる。また、ポリゴンの回転速度を上げることで、1/4速ではなく、1/3速や1/2速など早い速度にすることも可能である。
また、本実施例の構成では、使用するビームを切り替えたとき、2ビームのピッチ間だけ用紙に対する搬送方向書き出し位置がずれる。600dpiの場合、ビームが隣接するドットを形成するように構成されていれば、ピッチ間隔は42μm程度であるため通常は問題とならない。もし、ビームのピッチ間だけ搬送方向書き出し位置がずれるのが問題となるようであれば、ビームを切り替えたときに搬送方向書き出しタイミングをビームの搬送方向ピッチ間隔分だけずらしてやれば、用紙に対する書き出し位置を補正することができる。
本実施例では、2ビームレーザを使った構成について説明した。ただし、2ビームよりも多いレーザを使った構成であっても、一部のレーザのみ使う画像形成モードがあれば、本実施例の手法は有効である。
以上説明したように、本実施例によれば、タンデム方式・マルチビームレーザの構成で、解像度を上げるときにプロセススピードを遅くし一部のビームのみ使い、簡単な構成でビーム切り替えに伴う色ずれを防止することができる。
実施例2である“カラー画像形成装置”について説明する。本実施例は、特殊な用紙で定着性を上げるためにプロセススピードを遅くするときに一部のレーザのみ使う例である。
(本体の全体構成の説明)
本体の全体構成、制御系の構成やスキャナ光学系の構成は、実施例1と同様なので、実施例1の説明を援用し再度の説明は省略する。
(特殊紙での低速動作の説明)
本実施例では、厚紙・光沢紙・OHT用紙などでは、低速での画像形成が行われる。厚紙では、用紙の熱容量が大きいために、通常の速度で定着すると定着性が悪くなることから低速での定着が必要となる。光沢紙では、定着スピードを落とすことで定着性が高まり光沢度を上げることができるため、低速での定着を行う。OHT用紙では、定着性をあげることで光の透過性がよくなるため、低速での定着を行う。定着を遅くするのに伴い、用紙の搬送速度を遅くするため、定着速度の変更にあわせて感光体での画像形成も遅くする必要がある。本実施例では1/2速での印刷とする。
2ビームの構成で速度を1/2速にするには、露光系としては、1ビームだけ使うようにすればよい。すなわち、厚紙・光沢紙・OHT用紙などの画像形成速度を遅くする特殊紙モードでは、全ての画像形成部で1ビームだけで画像を形成することになる。
(全体の動作説明)
カラー画像形成装置には、ユーザが操作するボタンやディスプレイなどのパネルがあり、このパネルから通常の用紙に印刷する通常モードか、特殊紙モードかを選択できる。また、またカラー画像形成装置には、コンピュータなどが接続されており、コンピュータ上の設定で通常モードか特殊紙モードかを指定することもできる。あるいは、透過型のセンサを用紙搬送路上に置いて、光が透過するか、しないかでOHTか通常の用紙か見分け、OHTのときには特殊紙モードにしてもよい。あるいは、紙の厚さを測定するセンサを用紙搬送路上に置いて、紙の厚さから厚紙か通常の紙か判断し、厚紙であれば特殊紙モードに入るようにしてもよい。あるいは、用紙の表面の凸凹(表面性)を測定できるエリア光学センサを用紙搬送路上に設け、通常の用紙か光沢紙か判別し、光沢紙の場合には特殊紙モードになるようにしてもよい。
通常モードが指定された場合には、カラー画像形成装置は、全ての画像形成部でLD1とLD2両方を使い、画像を形成する。
特殊紙モードが指定された場合には、次の条件で画像を形成する。(1)スキャナの回転数は変更しない。(2)搬送速度(プロセススピード)を1/2にする。(3)全ての画像形成部で1つのレーザのみ用いて画像形成する。
図5は、本実施例の特殊紙モードの動作を説明する図である。ユーザにより特殊紙モードが指示されるか、カラー画像形成装置に実装されたセンサなどの検知により特殊紙モードが選択されたとき、画像データが送られると、特殊紙モードでの印刷が開始される(S200)。まず、プロセススピードを通常モードの1/2になるように設定する(S201)。本カラー画像形成装置の制御部には不揮発メモリがあり、その中の特定のアドレスAの値により使うビームが決まる。この不揮発メモリAの値が0であればS203に進み、1であればS204に進む(S202)。
S203では、全ての画像形成部で使用するレーザをLD1に設定し、次の画像形成のためにAに1を記録する。S204では、全ての画像形成部で使用するレーザをLD2に設定し、次の画像形成のためにAに0を記録する。次に、画像を1ページ分形成する(S205)。S206では、全てのページの印刷が終われば印刷を終了し(S207)、まだ特殊紙モードで印刷するページが残っていればS202に戻る。
以上の動作で、1ページごとにすべての画像形成部で使用するレーザを切り替えながら印刷することが可能となる。
また、これらの動作は本カラー画像形成装置を制御するコントローラ1001の中にプログラムの形で格納されている。
なお、本実施例では、特殊紙モードで通常の1/2の画像形成速度となっている。ただし、ポリゴンの回転速度を上げることで、1/2速よりも早い速度での画像形成も可能である。
本実施例では、2ビームレーザを使った構成について説明した。ただし、2ビームよりも多いレーザを使った構成であっても、一部のレーザのみ使う画像形成モードがあれば、本実施例の手法は有効である。
以上説明したように本実施例によれば、タンデム方式・マルチビームレーザの構成で、厚紙・光沢紙・OHT用紙などの特殊紙に画像形成するとき、簡単な構成でビーム切り替えに伴う色ずれを防止することができる。
実施例3である“カラー画像形成装置”について説明する。本実施例は、解像度を変えるために一部のレーザだけを使う例である。
(本体の全体構成の説明)
本体の全体構成、制御系の概略構成やスキャナ光学系の構成は、実施例1と同様なので、実施例1の説明を援用し再度の説明は省略する。
(解像度切り替え時の動作の説明)
本実施例では、600dpi×600dpiの解像度で記録するとき(通常モード)には、各画像形成部の2つのレーザのうち、1つのレーザのみ用いて画像形成する。1200dpi×1200dpi(高解像度モード)の解像度で記録するときには、各画像形成部の2つのレーザを共に使って画像形成する。このとき、ポリゴンの回転数は通常モードと高解像度モードで変更しない。また、通常モードと高解像度モードで適切な光量が変わる。そのため、モードが変わったとき、レーザの光量を変更する。
(全体の動作説明)
高解像度モードでの印刷の際には、各カラー画像形成装置で2ビームとも用いるため、通常どおり印刷を行えばよい。
これに対し、通常モードでは、各カラー画像形成装置で1ビームのみ用いるため、一部のレーザの劣化が起きないように、レーザを切り替えながら画像を形成する必要がある。
以下、動作について説明する。
カラー画像形成装置の操作パネルから通常モード(600dpi)か高解像度モード(1200dpi)かを選択できる。またカラー画像形成装置には、コンピュータなどが接続されており、このコンピュータ上の設定で通常モードか高解像度モードかを指定することもできる。
高解像度モードが指定された場合には、カラー画像形成装置は、全ての画像形成部でLD1とLD2両方を使い、画像を形成する。
通常モードが指定された場合には、高解像度モードに対し、次の条件で画像を形成する。(1)全ての画像形成部で1つのレーザのみ用いて画像形成する。(2)全てのレーザの光量を600dpiに適切な光量に上げる。
図6は、本実施例の通常モードの動作を説明する図である。ユーザにより通常モードが指示されたとき、画像データが送られると、通常モードでの印刷が開始される(S300)。まず、600dpiに適した光量に全ての画像形成部のレーザの光量を変更する(S301)。本カラー画像形成装置の制御部には不揮発メモリがあり、そのなかのあるアドレスAの値により使うビームが決まる。この不揮発メモリAの値が0であればS303に進み、1であればS304に進む(S302)。S303では、全ての画像形成部で使用するレーザをLD1に設定し、次の画像形成のためにAに1を記録する。S304では、全ての画像形成部で使用するレーザをLD2に設定し、次の画像形成のためにAに0を記録する。次に、画像を1ページ分形成する(S305)。S306では、全てのページの印刷が終われば印刷を終了し(S307)、まだ通常モードで印刷するページが残っていればS302に戻る。
以上の動作で、1ページごとにすべての画像形成部で使用するレーザを切り替えながら印刷することが可能となる。
また、これらの動作は本カラー画像形成装置を制御するコントローラ1001の中にプログラムの形で格納されている。
本実施例では、通常モードにおいて、1ページごとにビームを切り替える構成とした。しかし、それぞれのレーザで印刷した枚数を記録しておき、2つのレーザで印刷枚数が同じになるように一連の印刷ジョブごとに切り替えてもよい。
以上説明したように本実施例によれば、タンデム方式・マルチビームレーザの構成で、600dpiのときには1ビームで画像形成し、1200dpiのときには2ビームで画像形成する構成であるとき、600dpi画像形成時にビーム切り替えに伴う色ずれを防止することができる。
実施例1の概略構成を示す斜視図 実施例1における複数ビームスキャナ光学系の概略構成を示す斜視図 実施例1で用いる位置ずれ検出用パターンを示す図 実施例1の動作を示すフローチャート 実施例2の動作を示すフローチャート 実施例3の動作を示すフローチャート 画像形成装置の制御系の概略構成を示すブロック図
符号の説明
1 感光体
2 マルチビームスキャナ光学系
81 マルチビームレーザダイオード
1001 コントローラ

Claims (10)

  1. 感光体と該感光体に対応した複数のビームで走査露光するマルチビームスキャナ光学系とを有する画像形成部を複数備え、画像形成モードに応じて前記マルチビームスキャナ光学系で使用するビーム数を切り替えるカラー画像形成装置において、
    前記マルチビームスキャナ光学系の一部のビームを使用しない画像形成モードが選択されたとき、使用しないビームを切り替えるビーム切り替え手段を備え、
    前記ビーム切り替え手段で選択されるビームの各マルチビームスキャナ光学系間の組み合わせが特定の組み合わせであることを特徴とするカラー画像形成装置。
  2. 請求項1に記載のカラー画像形成装置において、
    前記特定の組み合わせは、用紙搬送方向書き出し順が同じビームの組み合わせであることを特徴とするカラー画像形成装置。
  3. 請求項1または2に記載のカラー画像形成装置において、
    前記画像形成モードは、画像の解像度が異なるモードに分けられていることを特徴とするカラー画像形成装置。
  4. 請求項1または2に記載のカラー画像形成装置において、
    前記画像形成モードは、転写材の搬送速度が異なるモードに分けられていることを特徴とするカラー画像形成装置。
  5. 請求項1または2に記載のカラー画像形成装置において、
    前記画像形成モードは、転写材の種類により分けられていることを特徴とするカラー画像形成装置。
  6. 請求項5に記載のカラー画像形成装置において、
    前記画像形成モードは、転写材として普通紙を使うモードと、転写材として厚紙や光沢紙やOHT用紙など特殊な用紙を使うモードに分けられていることを特徴とするカラー画像形成装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のカラー画像形成装置において、
    前記ビーム切り替え手段は、1画像ごとに使用するビームの切り替えを行うことを特徴とするカラー画像形成装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のカラー画像形成装置において、
    前記ビーム切り替え手段によりビームを切り替えたとき、転写材に対する搬送方向画像書き出し位置を補正する手段を備えたことを特徴とするカラー画像形成装置。
  9. 感光体と該感光体に対応した複数のビームで走査露光するマルチビームスキャナ光学系とを有する画像形成部を複数備え、画像形成モードに応じて前記マルチビームスキャナ光学系で使用するビーム数を切り替えるカラー画像形成装置における画像形成方法であって、
    前記マルチビームスキャナ光学系の一部のビームを使用しない画像形成モードが選択されたとき、各マルチビームスキャナ光学系間のビームの組み合わせが特定の組み合わせで、使用しないビームを切り替えることを特徴とするカラー画像形成装置における画像形成方法。
  10. 請求項9に記載のカラー画像形成装置における画像形成方法を実現するためのプログラム。
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