JP2009012609A - トラクタの原動部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トラクタの原動部構造において、エンジンルームRに設けたエンジン4の前方に、ラジエータ20と、後方に冷却風を供給する冷却ファン24とを備え、ラジエータ20及び冷却ファン24の後方でエンジンルームRの上部に、エアクリーナ36とマフラー42とを左右に並べて配設し、エアクリーナ36とマフラー42との間に、前後向きの断熱部材60を備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、マフラーからの熱がエアクリーナ側に伝達され難く、エアクリーナ等の破損やエンジン出力の低下を防止できるトラクタの原動部構造を実現することを目的とする。
(構成)
本発明の第1特徴は、トラクタの原動部構造を次のように構成することにある。
走行車体の前部にエンジンルームを備えるとともに、前記エンジンルームに設けたエンジンの前方に、ラジエータと、後方に冷却風を供給する冷却ファンとを備え、
前記ラジエータ及び冷却ファンの後方で前記エンジンルームの上部に、エアクリーナとマフラーとを左右に並べて配設し、
前記エアクリーナと前記マフラーとの間に、前後向きの断熱部材を備える。
本発明の第1特徴によると、エンジンからの排気によりマフラーが温められると、エアクリーナとマフラーとの間に備えられた断熱部材により、マフラーからの熱のエアクリーナ側への伝達が抑制されて、マフラーからの熱がエアクリーナ側に伝達され難くなる。また、冷却ファンによりマフラーからの熱により温められた熱風が後方に供給されると、エアクリーナとマフラーとの間に備えられた断熱部材により、マフラーからの熱風のエアクリーナ側への流入が抑制されて、マフラーからの熱風がエアクリーナ側に供給され難くなる。その結果、マフラーからの熱によりエアクリーナ等(例えばエアクリーナ、エアクリーナに接続される外気吸入管や浄気吸入管等)が変形等し難くなると共に、エアクリーナ等を通ってエンジンに供給される空気が加熱され難くなる。
本発明の第1特徴によると、マフラーからの熱によるエアクリーナ等の破損を防止することができるとともに、エンジン出力の低下を防止できる。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴のトラクタの原動部構造において、次のように構成することにある。
前記エンジンの後方に配設された燃料タンクと、前記エンジンと前記燃料タンクとの間を仕切る仕切部材とを備え、
前記断熱部材の後部を前記仕切部材に連結する。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、断熱部材の後部は仕切部材に連結されているため、断熱部材の横側を通って後方へ供給されたマフラーからの熱風は、仕切部材にぶつかってエンジンルームの横外側へ導かれる。その結果、マフラーからの熱風が断熱部材の後部を迂回してエアクリーナ側へ流入することを抑制することができ、マフラーからの熱がエアクリーナ側に更に供給され難くなる。
断熱部材の後部が仕切部材に連結されて支持されることになるので、仕切部材が断熱部材の支持部材に兼用されて、仕切部材の支持部材を少なくすることができる(不要にすることができる)。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、マフラーからの熱によるエアクリーナ等の破損を更に防止することができるとともに、エンジン出力の低下を更に防止できる。仕切部材の支持部材を少なくすることができるので(不要にすることができるので)、構造の簡素化の面で有利なものとなる。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴のトラクタの原動部構造において、次のように構成することにある。
前記仕切部材に断熱材を備える。
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴と同様に前項[II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第3特徴によると、冷却ファンによりマフラーからの熱風が後方に供給されて仕切部材に供給されると、仕切部材に備えた断熱材によりマフラーからの熱の燃料タンク側への伝達が抑制されて、マフラーからの熱が燃料タンク側に伝達され難くなる。その結果、仕切部材の後方に配設された燃料タンクの加熱を防止できる。
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴と同様に前項[II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、エアクリーナ等の加熱を防止するために後方に供給されたマフラーからの熱風により燃料タンクが加熱されることを防止できる。
図1〜図3に基づいて、トラクタの全体構成について説明する。図1〜図3に示すように、このトラクタは、左右一対の操向操作及び駆動自在な前輪1と、左右一対の駆動自在な後輪2とを走行車体3に備えた四輪駆動仕様に構成されている。走行車体3の前部に、エンジン4等が内装されたボンネット部5を備え、走行車体3の後部に、ステアリングハンドル6、運転座席7等が内装されたキャビン8を備える。
図2及び図3に基づいて、エンジンルームR内の詳細構造について説明する。図2及び図3に示すように、エンジン4は、水冷式の縦型ディーゼルエンジンに構成されており、その前方にラジエータ20が立設配備されて、エンジン4の冷却水がエンジン4内の冷却水ジャケット(図示せず)とラジエータ20との間で循環流動されるようになっている。エンジン4の前面下部に出力軸21が延出されており、この出力軸21に大径プーリ22と小径プーリ23とが連動連結され、エンジン4の前面上部に軸支配備された冷却ファン24の入力プーリ25及び発電機26の入力プーリ26aと、大径プーリ22とに亘って伝動ベルト27が巻回張設されている。フロントカバー15bを通してエンジンルームR内に導入した外気を冷却ファン24によってラジエータ20に供給するよう構成されている。
図2〜図5に基づいて、燃料タンク50の取付構造について説明する。図2〜図5に示すように、キャビン8を構成するキャビンフレーム43は、右及び左の前縦フレーム44を備えて構成されており、この右の前縦フレーム44と左の前縦フレーム44とに亘って横長の上側横フレーム45が固着され、右及び左の前縦フレーム44の下部に内方側へ延出された右及び左の下側横フレーム46が固着されている。上側横フレーム45と右及び左の下側横フレーム46の内方側端部とに亘って、右及び左の縦フレーム47が固着されており、この右及び左の縦フレーム47と上側横フレーム45とによって燃料タンク50を配置する空間が形成されている。
図2,図3,図4,図6に基づいて、断熱部材60の詳細構造について説明する。図2,図3,図4,図6に示すように、断熱部材60は、エンジンルームR内に左右に並べて配設されたマフラー42とエアクリーナ36との間に前後向きに配設されており、ブラケット63及び仕切部材57に前端部及び後端部がそれぞれ締め付け固定された取付部材61と、この取付部材61の左側面側に貼付された断熱材62とを備えて構成されている。
図7,図8,図9に基づいて、ブレーキ作動機構の詳細構造について説明する。なお、図7,図8,図9においては、運転座席7に着座した運転者の右足側のブレーキペダル73を例にとって説明する。図7に示すように、ハウジングフレーム10から支軸71が側方に延出されており、この支軸71の左右方向の軸心周りに筒状の連係部材72が外嵌されている。連係部材72には、ブレーキペダル73のロッド73aの一端が連結されており、ブレーキペダル73の踏み部73bを踏み込み操作すると、ブレーキペダル73が支軸71の左右方向の軸心周りで揺動操作されるように構成されている。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、取付部材61に断熱材62を貼付した断熱部材60を採用した例を示したが、取付部材61と断熱材62とを一体形成した断熱部材60を採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、マフラー42のマフラー本体42bの右横側にエアクリーナ36及び浄気吸入管39が位置するように配置し、マフラー42のマフラー本体42bと、エアクリーナ36及び浄気吸入管39との間に断熱部材60を設けた例を示したが、マフラー42に対してエアクリーナ36、外気吸入管37及び浄気吸入管39を異なる位置及び方向で配置してもよく、逆に、エアクリーナ36、外気吸入管37及び浄気吸入管39に対してマフラー42を異なる位置及び方向で配置してよい。この場合、左右に並べて配置したマフラー42と、エアクリーナ36、外気吸入管37又は浄気吸入管39との間に断熱部材60を配設する。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、エンジンルームRの上部の右側にエアクリーナ36を配設し左側にマフラー42を配設して、エアクリーナ36とマフラー42との間に断熱部材60を備えた例を示したが、エンジンルームRの上部の左側にエアクリーナ36を配設し右側にマフラー42を配設した場合においても同様に適用できる。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、[発明の実施の第2別形態]及び[発明の実施の第3別形態]においては、エンジン4にディーゼルエンジンを採用した例を示したが、ガソリンエンジンの場合においても同様に適用できる。また、キャビン8を備えたトラクタに限らず、キャビン8を備えていないトラクタにおいても同様に適用できる。
4 エンジン
20 ラジエータ
24 冷却ファン
36 エアクリーナ
42 マフラー
50 燃料タンク
57 仕切部材
58 断熱材
60 断熱部材
R エンジンルーム
Claims (3)
- 走行車体の前部にエンジンルームを備えるとともに、前記エンジンルームに設けたエンジンの前方に、ラジエータと、後方に冷却風を供給する冷却ファンとを備え、
前記ラジエータ及び冷却ファンの後方で前記エンジンルームの上部に、エアクリーナとマフラーとを左右に並べて配設し、
前記エアクリーナと前記マフラーとの間に、前後向きの断熱部材を備えてあるトラクタの原動部構造。 - 前記エンジンの後方に配設された燃料タンクと、前記エンジンと前記燃料タンクとの間を仕切る仕切部材とを備え、
前記断熱部材の後部を前記仕切部材に連結してある請求項1記載のトラクタの原動部構造。 - 前記仕切部材に断熱材を備えてある請求項2記載のトラクタの原動部構造。
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