JP5893548B2 - エンジン室を後方に配置した多目的車両 - Google Patents
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Description
本発明は、エンジン室を乗員室の後方に配置した多目的車両に関する。
前輪と後輪とによって対地支持される機体フレームの中央部に運転座席を配置し、その運転座席の下方に変速装置及び運転座席の後方にエンジンやエンジン補機を配置した、乗用草刈機が特許文献1から知られている。この乗用草刈機では、変速装置には変速装置用冷却ファンが備えられ、エンジンにはエンジン用冷却ファンがそれぞれ備えられている。さらに変速装置用冷却ファンとエンジン用冷却ファンとの間にオイルクーラが配置されている。変速装置用冷却ファンは車体前側の外気を吸引して変速装置を冷却し、エンジン用冷却ファンは運転座席後方の外気を吸引してエンジンを冷却する。オイルクーラは両ファンによる外気の流れによって冷却される。この特許文献1による冷却ファン構成は、2つのファンを備えているので構造的かつコスト的な負担が大きい。
さらに、特許文献2からも、運転座席後方にエンジンとエンジン補機を配置した作業車が知られている。この作業車では、ボンネットによって覆われるエンジン室には、車体の後部にエンジンが配置され、このエンジンの車体前方側にラジエータが配置されている。ラジエータとエンジンとの間に冷却ファンが配置されている。冷却ファンとボンネットとの隙間はシュラウドによって閉鎖されている。ボンネットの前端及び前方両側面にはエンジン冷却用吸気口として機能する防塵網でカバーされた開口が形成されている。このエンジン冷却用吸気口は、車体の両横外側及び上方側に向けて開口している。エンジンによって駆動される冷却ファンの送風作用により、ボンネット外の空気がエンジン冷却用吸気口からボンネット内のラジエータの付近に吸引され、ラジエータを通ってエンジンに流れ込む。この冷却ファン構成は、ラジエータ前面と、ボンネットの複数箇所に形成されたエンジン冷却用吸気口との間に空気が自由に流れる自由空間が確保されていれば、良好な冷却効果が得られる。しかしながら、そのような自由空間が確保できない場合、空気の流れが悪くなり、効果的な冷却が困難となる。
上記実情に鑑み、乗員室の後方に配置されたエンジンだけでなくオイルクーラなどの放熱器も効率的に冷却することができる多目的車両が要望されている。
本発明による多目的車両は、前後方向に延びた車体と、前記車体に形成された乗員室と、前記乗員室の前方で前記車体に形成された前室と、前記乗員室の後方で前記車体に形成されたエンジン室と、前記前室に配置されたラジエータと、前記エンジン室に配置されたエンジンと、前記乗員室の下方に配置された放熱器と、前記放熱器の前方空間の空気を前記放熱器を通じて引き込んで前記エンジンに送るファンと、前記ファンの周囲を覆うシュラウドと、前記車体の一方の側方に設けられた空気取り入れ口から前記放熱器の前方空間に外気を導く、少なくとも車体下方からの外気の流れ込みを阻止する導風底板を有する導風板ユニットと備えている。
この構成では、車体の一方の側方から取り入れられた外部空気は放熱器の前面まで流入し、さらにファンによる吸引力によって放熱器を通過し、エンジン室内のエンジンに達する。放熱器を通過してもまだ十分な冷却能力を有する外部空気は、エンジンおよびエンジン室内に配置されているその他の機器を冷却しながら後方から流出される。その際、導風板ユニットは、空気取り入れ口から放熱器の前方空間への通路を形成するとともに、その導風底板によって車体下方からの空気の流れ込みを阻止する。これにより、車体前部に配置されたラジエータを通過し、車体下方を流れてくる熱風が放熱器を通ってエンジン室に流れ込むという問題が解消される。
なお、この明細書において、特別に定義されていない限り、位置関係を示す語句、「前」は、車両走行方向で前進側を表し、「後」は後進側を表す。従って、車体前後方向は車体長手方向を表し、車体横断方向は車体の幅方向(左右方向)を表す。また、車体側方は車体幅方向における中心からの位置関係を表す。
車体の一方の側方、つまり車体幅方向での左端または右端に設けられた空気取り入れ口から十分に外部空気を取り入れるためには、空気取り入れ口の内側の空間における取り入れ空気と車両構成部材との干渉をできるだけ避ける必要がある。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、車体の一方側に空気取り入れ室が形成され、前記空気取り入れ室の側端壁に前記空気取り入れ口が設けられている。
空気取り入れ口から放熱器の前方空間へ流れる外部空気はできるだけ他の箇所に流れ出さないことが冷却効率を高めるために重要であるので、前記導風板ユニットが前記放熱器の前面を覆う導風ダクトとして形成されることが好ましい。実質的に閉鎖されたダクト構造を採用することにより、空気取り入れ口から取り入れられた空気が漏れ出すことだけでなく、他の熱風や塵埃が取り入れ空気(新鮮空気)内に流れ込むことも防止できる。
本発明の好適な実施形態の1つとして、前記導風ダクトは前記シュラウドと連結される構造を採用するならば、空気取り入れ口からファンまでの外気空気の流路の密封性が保証され、外部空気がロスなく放熱器を通り抜けエンジン空間に流れ込むので、エンジンだけでなくオイルクーラなどの放熱器もより効率的に冷却することができる。
乗員室には、運転座席や助手座席などの乗員座席が設けられる。このため、この乗員座席の下方の有効利用が、車両のコンパクト化にとって重要である。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記乗員室に乗員座席が設けられており、前記乗員座席の下方に前記ファンと前記放熱器と前記導風板ユニットとが位置している。
本発明に関する、冷却構造を備えた多目的車両の具体的な実施形態を説明する前に、図1を用いてその基本的な構造を説明する。
この車両は車両前後方向(走行方向)に延びた車体10に、前室FRと乗員室Cnとエンジン室ERとが前から後へ形成されている。前室FRにはラジエータ33とエアクリーナ34が配置され、乗員室(密閉空間であってもよいし、開放空間であってもよい)Cnのフロア上には乗員が座る座席や操縦機器が配置されており、乗員室Cnの下方にはオイルクーラなどの放熱器32が配置されている。エンジン室ERには、エンジン30やトランスミッション(変速装置を含む動力伝達装置)37が配置されている。放熱器32を冷却するため、放熱器32の前方空間の空気を放熱器32を通じて引き込んでエンジン30に送るファン76が放熱器32前または後に配置されている。ファン76の周囲には、ファン76によって効率よく空気流が作り出されるようにシュラウド77が設けられている。
ラジエータ33を通過した熱風が乗員室Cnに入り込まないように、この熱風は下方に方向付けられている。この車両の下方を通過する熱風が、放熱器32の前方に流れて、放熱器32を通過しないように、放熱器32の前方に、車体下方からの外気の流れ込みを阻止する導風底板71を有する導風板ユニット70が設けられている。さらに、この導風板ユニット70は、車体10の一方の側方(図1では車体左側)に設けられた空気取り入れ口75aから放熱器32の前方空間に外気を導く導風路も作り出している。図1で示すように、導風底板71が放熱器32から空気取り入れ口75aへ延設され、その導風底板71の上方に前室FRと乗員室Cnの間に配置された隔壁などの構造部材やバッテリなどの車両機器などが位置しないようすれば、放熱器32には外気が流れ込むことになる。この放熱器32への空気流の取り込みをより確実にするためには、車体の側方に外気と流通する空間を形成する空気取り入れ室55が形成され、その外側開口を空気取り入れ口75aとし、その内側開口を導風底板71と接続するとよい。また、導風底板71の両側端に導風側板72を立設すると、溝状の空気流路が作り出されるので空気取り入れ室55から放熱器32へ空気がスムーズに流れる。図1の例では、導風天板74を導風側板72の上端にかぶせることで導風板ユニット70を導風ダクトとして形成しているが、導風底板71の上方がフロアパネルなどで覆われている場合には、導風天板74、場合によっては、導風側板72も省くことができる。いずれにしても、導風板ユニット70によって車両の側方からの外気の取り入れが可能となり、放熱器32に新鮮な冷却空気流が流れ込むとともに、放熱器32を通過した空気流はさらに、エンジン30及びトランスミッション37を冷却する。
次に、図面を用いて、エンジン及びオイルクーラなどの放熱器も効率的に冷却する冷却構造を有する多目的車両の具体的な実施の形態の一例を説明する。図2は多目的車両の斜視図であり、図2は多目的車両の平面図であり、図3は多目的車両の空気の流れを示す模式図である。
この多目的車両は、図2と図3に示すように、四輪駆動型の車両であり、農作業や運搬作業等の多目的の作業に使用される。操向操作自在な左右一対の前車輪1aと、左右一対の後車輪1bとによって、パイプフレーム構造体である車体10が支持されている。また図4から理解できるように、この車体10の前側に前室FRが形成され、車体10の中央に乗員室Cnが形成され、車体10の後側にエンジン室ERが形成されている。
前室FRには、ボンネット2が設けられている。このボンネット2は、車体10に固定された固定ボンネット2aと、その固定ボンネット2aに対して、後端に設けられた車体横断方向に延びた揺動支点周りで開閉揺動可能な可動ボンネット2bとからなる。固定ボンネット2aの左右両側から、前車輪1aの上部を覆うフロントフェンダ21が延設されている。また、車体10の後端側には、乗員室Cnよりも後方側で荷台11の下方に、左右の後車輪1bの上方を覆う合成樹脂製のリヤフェンダ22が備えられている。
乗員室Cn内には、前車輪1aを操向制御するステアリングホイール46が配設された車体左右方向での左方側寄り箇所で、前記ステアリングホイール46の後方側に、運転者が着座するための運転座席47が配置され、この運転座席47に隣接する右方側寄り位置に、横長となる2人掛用の助手座席48が配置されている。なお、運転座席47及び助手座席48は、乗員室Cn内で車体10に取り付けられた座席支持台(図示されていない)に支持されており、その座席支持台の裏面側には、近接配置されるエンジン30や作動油配管から熱気に対する耐性を有した耐熱性材料からなり、かつ、断熱性、及び吸音性を備えた素材からなる裏当て材が装備されている。
エンジン室ERには、駆動ユニット3が配置されている。エンジン室ERには、模式的にしか図示されていないが、エンジン30やトランスミッション37やマフラ38などが配置されている。エンジン室ERの上方には荷台11が設けられている。荷台11は、その後端が車体10に設けられた揺動軸間周りに揺動自在に支持されている。荷台11が図示されていないダンプシリンダの伸縮作動により昇降揺動させられることで、その積載物を排出される。
ボンネット2によって覆われた前室FRの中央領域で左右方向(車体横断方向)のほぼ中央にエンジン冷却用のラジエータ33が設けられている。ラジエータ33にはボンネット2の前壁に設けられたフロントグリルを通じて外気を吸引導入するラジエータファン33aが備えられている。ラジエータ33によって温められた空気流は車体下方から後方に流される。なお、このラジエータ33に乗員室Cnのための空調装置のコンデンサが付設されてもよい。さらに、この前室FRのサイド領域、ここでは右領域にはエアクリーナ34が配置されており、エアクリーナ34とエンジン30とが吸気ダクト35によって接続されている。
エンジン30からの駆動力を前車輪1aと後車輪1bとに伝えるトランスミッション37は、エンジン30の後方に配置されている。トランスミッション37は、ここではHSTである無段変速装置37aとギヤ変速装置37bから構成されている。ギヤ変速装置に多段ギヤ変速機構と後輪デファレンシャル機構などが含まれている。トランスミッション37の上方位置の左側にはエンジン30の排気音を低減するように、マフラ38を備えている。HST37aは、エンジン30からの駆動力により作動するアキシャルプランジャ型の可変容量型の油圧ポンプ(図示せず)と、この油圧ポンプから供給される作動油により回転するアキシャルプランジャ型の油圧モータ(図示せず)とを備えて構成されている。
エンジン30は、その出力軸(クランク軸、図示せず)の軸芯を前後向き方向に設定した姿勢で配置され、この出力軸に連結する伝動軸(図示せず)をトランスミッション37に前後方向に貫通させることで、エンジン30の駆動力がHST37aの油圧ポンプに伝達され、さらにHST37aの油圧モータからの駆動力がトランスミッション37に伝達される。トランスミッション37の後輪デファレンシャル機構と左右の後車輪1bに伝達される。トランスミッション37の前面側に形成した下部出力軸(図示せず)からドライブシャフト37dを介して前輪デファレンシャル機構37eに前輪駆動用の動力を伝え、更に、前輪駆動軸37fから左右の前車輪1aに伝えるように伝動系が構成されている。
エンジン30は、その上面の右側にエアクリーナ34から吸気ダクト35を介して空気が供給されるインテークマニホールド30aを備え、その左側にエグゾーストマニホールド30bを備えており、このエグゾーストマニホールド30bとマフラ38との間に上流排気管36aが配置されている。マフラ38は、円筒状に成形され、後端には排気ガスを左側の下方に送り出すように屈曲した筒状の下流排気管36bを備えている。
作動油タンク23は、乗員室Cnの下方、この実施形態では助手座席48の下方で車体10の側方に寄せて配置されている。燃料タンク24は、作動油タンク23の後方でエンジン30の側方に配置されている。
HST37aから吐出された作動油や、図示されていないパワーステアリング装置やダンプシリンダからの戻り油などを冷却するためのオイルクーラ32が本発明における放熱器として、エンジン30の前方で運転座席47と助手座席48の後端部の下方に取り付けられている。オイルクーラ32は、冷却空気が入り込む冷却面が車体横断方向に延びるように配置されている。オイルクーラ32を冷却するための冷却装置は、冷却空気を導く導風板ユニット70と、オイルクーラ32を通過する冷却空気流を作り出すファン76とを備えている。ファン76はオイルクーラ32のすぐ後方に付設されており、ファン76とオイルクーラ32の間にファン76を覆うシュラウド77が設けられている。この実施形態では導風板ユニット70は導風ダクト70として形成されており、導風ダクト70の上流側には空気取り入れ室75が形成されている。空気取り入れ室75は、乗員室Cnの下方、この実施形態では運転座席47の下方で車体10の側方に寄せて配置されている。空気取り入れ室75の外部と接する境界面には、空気取り入れ口75aが形成されている。つまり、この車両の一方の側部から取り入れられえた外気が、冷却空気流として空気取り入れ室75と導風ダクト70とを通じてオイルクーラ32に達し、オイルクーラ32を通り抜けた冷却空気流はエンジン室ERに入り込み、エンジン30やトランスミッション37やマフラ38を冷却する。
図5から明らかなように、乗員室Cnは、床板(フロアパネル)49によって車体10の下方空間に対して境界付けられている。フレーム状の車体10に立設された座席取付フレームによって段差が形成された床板49の上に運転座席47と助手座席48が形成されている。運転座席47と助手座席48の後側には、乗員室Cnからエンジン室ER及び荷台11を隔離する隔壁80が設けられている。オイルクーラ32は、この座席取付フレーム12の内部に配置されている。ファン76はエンジン30の前方出力軸30cに固定されている。導風ダクトとして形成された導風板ユニット70は、オイルクーラ32側の端部領域に、オイルクーラ32を覆うとともにファン76のシュラウド77と接続する接続カバー78を備えている。これにより、空気取り入れ室75からオイルクーラ32を介してファン76まで延びる空気流路は、実質的に密閉した空間となり、車両側方から取り入れた新鮮空気がそのままエンジン室ERに流れ込む。
図2から明らかなように、乗員室Cnは、丸パイプ製のロプスフレームアッセンブリ4と、このロプスフレームアッセンブリ4の左右両側部に設けられている乗降用開口に対して、夫々開閉自在に装備されたドア45とを備えている。ロプスフレームアッセンブリ4は、左フレーム部4aと右フレーム部4bと前クロスバー4cと後クロスバー4dを備えている。左フレーム部4a及び右フレーム部4bは、門型形状を有する。前クロスバー4cは左フレーム部4aの前上端と右フレーム部4bの前上端とを接続し、後クロスバー4dは左フレーム部4aの後上端と右フレーム部4bの後上端とを接続している。左フレーム部4aの前側脚部は左側のピラー41として機能し、左フレーム部4aの後側脚部は左後側のピラー43として機能する。右フレーム部4bの前側脚部は右側のピラー42として機能し、右フレーム部4bの後側脚部は右後側のピラー44として機能する。乗員室Cnの前部には取り外し自在なウインドシールド5が配置される。このウインドシールド5は左側のピラー41と右側のピラー42とにウインドシールドマウントユニット6を用いて着脱自在に装着される。
図6に示されているように、運転座席47の前方のフロントパネルには、ステアリングホイール46、各種操作スイッチ、表示デバイスが配置されており、底板49の近くにはアクセルペダル9が配置されている。このアクセルペダル9は、図7に詳しく図示されているが、その操作変位伝達系に平行リンク機構90が設けられている。この平行リンク機構90は、ペダル9の上部の裏面に設けられたペダルブラケット91と、車体側に固定された固定ブラケット92と、ペダルブラケット91と固定ブラケット92とを連結する下側リンク板93aと上側リンク板93bとからなる。固定ブラケット92と下側リンク板93aとを揺動可能に連結する揺動軸94に二股揺動アーム95が固定されており、この二股揺動アーム95の一方のアーム部に操作ケーブル96が接続している。二股揺動アーム95の他方のアーム部はストッパとして機能する。アクセルペダル9の踏み込み変位を、蒸気のような平行リンク機構90を介して操作ケーブル96に伝達するため、ペダル踏み込み力と操作力との比やペダル踏み込み量と操作ケーブル変位量の比の選択自由度が向上して、良好な車速調整が可能となる。また、下側リンク板93aと上側リンク板93bがペダル踏み面に対してほぼ平行な板で形成されており、このことは車体前後方向の省スペース化に貢献する。また、ペダル踏み込み力は平行リンク機構90の圧縮力と引っ張り力として作用するため、車体幅方向での強度が確保できる。
図8に、この多目的車両に用いられたマフラ38が示されている。マフラ38は、よく知られているように、ハウジング38aと、ハウジング38aの内部空間に入り込んだ内管38bと、ハウジング38aの内周面に内管38bを囲むように設けられた筒状の消音室38cからなる。消音室38cにはグラスウールやSUSウールが充填されている。マフラ38の構造はよく知られているので、ここでの詳しい説明は省略されるが、従来にない構成として、この消音室38cに接続している水抜き管38dにはチェックバルブCVが設けられている。このチェックバルブCVは、エンジンアイドリング運転時にはマフラ内圧が低いため閉鎖し、エンジン回転が高速域または中速域ではマフラ内圧が上昇することで開放するように設定されている。これにより、アイドリング運転で車両が停止または微速走行中にはチェックバルブCVが閉鎖するので、水抜き管38dから排気臭が漏れ出すといった問題は解消される。通常走行時にはチェックバルブCVが開放するが、水抜き管38dから漏れ出した排気臭が運転者に達する可能性は少ない。
また、図8に示されたマフラ38に接続している下流排気管36bの排気口36xは、そこから出る排気ガスが下方を向くように方向付けられている。図示された形態では、山形にカットされた排気口の上側のカット面に偏向板をカバーし、下側のカット面を排気口36xとしている。これに代えて、下流排気管36bの後端部を曲げ加工することで排気口36xの排気ガス排出方向を偏向するようにしてもよい。また、図9に示すようにマフラ38に対する下流排気管36bの取り付けを、周方向で複数のピッチで取付可能にすることで、排気口36xからの排気ガスの方向を可変とすることも可能である。
図10と図11に下流排気管36bに介装されたスパークアレスタ39が示されている。このスパークアレスタ39は、ハーフ円筒状の第1ハウジング39aと第2ハウジング39bとからなる円筒ケース体と、その境界面に張り渡されたスクリーン39cとを備えている。第1ハウジング39aと第2ハウジング39bの軸方向に延びた一方の縁部同士は揺動連結されており、他方の縁部同士は、よく知られたレバータイプのクイッククランプ構造のロックレバー39dによって閉鎖連結される。なお、第1ハウジング39aと第2ハウジング39bの縁部におけるスクリーン39cとの連結は、メタルガスケットを挟んで行なうとよい。ハウジングの内部空間は、第1ハウジング39aとスクリーン39cとによって区画された第1空間と、第2ハウジング39bとスクリーン39cとによって区画された第2空間とに分割されている。下流排気管36bは、第1下流排気管39xと第2下流排気管39yに分割されており、第1下流排気管39xは第1空間に開口し、第2下流排気管39yは第2空間に開口している。したがって、第1下流排気管39xから排出された排気ガスはスクリーン39cを通過して第2空間に流れ、第2下流排気管39yに流入する。ロックレバー39dをアンロック位置に操作し、第1ハウジング39aと第2ハウジング39bを開放することでスクリーン39cが露出するので、スクリーン39cのクリーニングが簡単となる。
この多目的車両では、無段変速装置37aとしてHSTが利用されている。HSTはエンジン出力を用いて油圧ポンプを駆動し、油圧ポンプで作られた油圧で油圧モータを駆動して回転動力を出力する。油圧ポンプまたは油圧モータあるいは両方を可変出力タイプとすることで、変速出力が得られる。この油圧モータが正転または逆転駆動している状態から、停止する際には、油圧ポンプまたは油圧モータをニュートラルに操作するとともに、停止応答を良くするため機械式ブレーキなどが併用される。その際不要な運動エネルギは熱エネルギに変換されて捨てられることになる。このようなエネルギ損失を抑制するため、油圧モータの軸に停止時に動作させる発電装置を設けられる。
10:車体(フレーム構造体)
20:フロントパネル
3:駆動ユニット
30:エンジン
30c:前方出力軸
30a:インテークマニホールド
30b:エグゾーストマニホールド
32:放熱器(オイルクーラ)
33:ラジエータ
33a:ラジエータファン
34:エアクリーナ
35:吸気ダクト
36a:上流排気管
36b:下流排気管
37:トランスミッション
38:マフラ
39:スパークアレスタ
4:ロプスフレームアッセンブリ
47:運転座席
48:助手座席
5:ウインドシールド
50:トリム
51:受け台
6:ウインドシールドマウントユニット
7:空冷装置
70:導風板ユニット(導風ダクト)
71:導風底板
72:導風側板
73:導風上板
74:導風天板
75:空気取り入れ室
75a:空気取り入れ口
76:ファン
77シュラウド
78:接続カバー
Cn:乗員室
ER:エンジン室
FR:前室
20:フロントパネル
3:駆動ユニット
30:エンジン
30c:前方出力軸
30a:インテークマニホールド
30b:エグゾーストマニホールド
32:放熱器(オイルクーラ)
33:ラジエータ
33a:ラジエータファン
34:エアクリーナ
35:吸気ダクト
36a:上流排気管
36b:下流排気管
37:トランスミッション
38:マフラ
39:スパークアレスタ
4:ロプスフレームアッセンブリ
47:運転座席
48:助手座席
5:ウインドシールド
50:トリム
51:受け台
6:ウインドシールドマウントユニット
7:空冷装置
70:導風板ユニット(導風ダクト)
71:導風底板
72:導風側板
73:導風上板
74:導風天板
75:空気取り入れ室
75a:空気取り入れ口
76:ファン
77シュラウド
78:接続カバー
Cn:乗員室
ER:エンジン室
FR:前室
Claims (5)
- 前後方向に延びた車体と、
前記車体に形成された乗員室と
前記乗員室の前方で前記車体に形成された前室と、
前記乗員室の後方で前記車体に形成されたエンジン室と、
前記前室に配置されたラジエータと、
前記エンジン室に配置されたエンジンと、
前記乗員室の下方に配置された放熱器と、
前記放熱器の前方空間の空気を前記放熱器を通じて引き込んで前記エンジンに送るファンと、
前記ファンの周囲を覆うシュラウドと、
前記車体の一方の側方に設けられた空気取り入れ口から前記放熱器の前方空間に外気を導く、少なくとも車体下方からの外気の流れ込みを阻止する導風底板を有する導風板ユニットと備えた多目的車両。 - 車体の一方側に空気取り入れ室が形成され、前記空気取り入れ室の側端壁に前記空気取り入れ口が設けられている請求項1に記載の多目的車両。
- 前記導風板ユニットは前記放熱器の前面を覆う導風ダクトとして形成されている請求項1または2に記載の多目的車両。
- 前記導風ダクトは前記シュラウドと連結されている請求項3に記載の多目的車両。
- 前記乗員室に乗員座席が設けられており、前記乗員座席の下方に前記ファンと前記放熱器と前記導風板ユニットとが位置している請求項1から4のいずれか一項に記載の多目的車両。
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JP2012277355A JP5893548B2 (ja) | 2012-12-19 | 2012-12-19 | エンジン室を後方に配置した多目的車両 |
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