WO2013161010A1 - 車両の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本願発明は、上記事実を考慮し、熱交換器を効率的に冷却することが可能な車両の冷却装置を提案することにある。
また、後側熱交換器は、パワーユニット及び前側熱交換器よりも車両後方側に配置されているが、車両前方側から記前側熱交換器を通過していない空気を導入する。このため、後側熱交換器の熱交換の効率を向上することができる。
このようにして、第1の態様に係る車両の冷却装置では、熱交換器、及び後側熱交換器の両方の熱交換の効率を向上することができる。
また、後側ファンを作動させることで、後側熱交換器に空気を導き、後側熱交換器を通過した空気を効率的は排出することができる。このため、後側熱交換器の熱交換の効率を向上することができる。
一方、後側熱交換器は少なくとも車両前部の下側から空気を導入し、後側熱交換器は車両前部の下側から空気を導入した空気によって熱交換を行う。
一方、後側熱交換器は、パワーユニットの冷却を行うラジエータである。このため、パワーユニットを冷却する際にラジエータが熱交換を行う。
コンデンサは、少なくともパワーユニットよりも車両前方側から空気を導入するため、コンデンサの熱交換の効率を向上することができる。
ラジエータは、パワーユニット及びコンデンサよりも車両後方側に配置されるが、車両前方側からコンデンサを通過していない空気を導入するため、ラジエータの熱交換の効率を向上することができる。
第7の態様に係る車両の冷却装置では、前側熱交換器の車両前方側に、車両前方向に延び、車両前方側の端部、即ち車両前方側の開口部がパワーユニットの車両前端よりも車両前側に位置するダクトが取り付けられている。このため、走行時に、パワーユニットの熱で暖められたパワーユニット周辺の空気が前側熱交換器に導入されることが抑えられる。なお、ダクトの車両前方側の端部の位置を、パワーユニットから車両前方側へ出来るだけ離すことで、例えば、停車時においても、パワーユニット周辺の空気が前側熱交換に導入されることを抑えることができる。
図1には、自動車の前部が斜視図にて示されており、図2には、自動車の前部の内部構造が側面からみた断面図で示されている。図3には、パワーユニット12及びコンデンサ40Cが正面図で示されており、図4には、パワーユニット12及びコンデンサ14Cが斜視図にて示されている。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印Wは車両幅方向を示している。
図2に示されるように、自動車(車両)Aの前部には、パワーユニット室(本実施形態の場合には「エンジンコンパートメント」としても把握される要素である。)14が配設され、パワーユニット室14の内部にはパワーユニット12が配置されている。本実施形態の自動車Aは、いわゆるフロントエンジン、フロントドライブ車両である。
なお、パワーユニット12は、エンジン12Aと電動モータ(図示せず)とを含んで構成されていても良い。エンジン12Aと電動モータを併用した自動車としては、HV(ハイブリッド)車、PHV(プラグインハイブリッド)車等と呼ばれる自動車がある。
また、エンジン12Aには、過給機が取り付けられていても良い。
図1、及び図2に示すように、上記パワーユニット12が配設されたパワーユニット室14は、上方側がフード30によって開閉可能とされている。
なお、パワーユニット室14には、フード30の先端側を支持する車幅方向に延びるフード受け部31が設けられている。
フロントバンパカバー34には、パワーユニット室14内に空気を取り入れるための空気取入口34Aが形成されている。
空気取入口34Aは、パワーユニット室14の前端下部に形成されて車両前向きに開口されている。なお、図2では、空気取入口34Aから導入される空気の流れを矢印f1で示し、パワーユニット室14の車両下方側の空気の流れを矢印f0で示している。
なお、図2では、空気取入口38Aから導入される空気の流れを矢印Fr2で示している。
ラジエータ40Rは、空気との熱交換によって冷却されるようになっている。ラジエータ40Rは、水冷式のパワーユニット12との間で冷媒としての冷却水を循環させてパワーユニット12を冷却する熱交換器である。
ファンシュラウド44の上壁部44Aにおける前端部側には、ラジエータ40Rの上端部との間に間隔を形成するように排熱用ダクト44Bが形成されている。
即ち、この排熱用ダクト44Bとラジエータ40Rの上端部との間に連通孔45が構成されており、この連通孔45によって、ラジエータ40Rとラジエータファン42との間の空間S1と、パワーユニット12の車両後方側の空間S2とが連通されている。
コンデンサ40Cの車両前方側には、車両前方向に向けて延びるダクト74が取り付けられている。ダクト74の車両前方側の端部74Aは、パワーユニット12の前端よりも車両前方側に位置している。
図2に示すように、ダクト74は、空気取入口38Aの車両後方側に開口している。
なお、本実施形態のコデンサファン70は、コンデンサ40Cを通過した空気を車両後方斜め下側に位置する連通孔45に向けてコンデンサ40Cを通過した空気を送風する。
したがって、コンデンサ40Cを通過して冷媒との熱交換を行った後の空気は連通孔45に流入する。
図2に示されるように、パワーユニット室14には、パワーユニット室14の前端下部に形成された空気取入口34Aから、パワーユニット12の車両下方側を経てラジエータ40Rに空気(冷却風)を導く第一通路46が形成されている。
第一通路46の上壁部は、後述する第一ダクト50の上壁部50C、パワーユニット12の下面部、及び後述する第二ダクト52の上壁部(シュラウド54の上壁部54B)等によって構成されている。
また、第一通路46の下壁部はアンダカバー48によって構成されている。このアンダカバー48は、パワーユニット室14を車両上下方向の下側から覆っている。
また、第二ダクト52は、アンダカバー48によって下壁部が構成されると共に、シュラウド54によって側壁部及び上壁部が構成されている。
なお、本実施形態では、シュラウド54とファンシュラウド44とが別体とされているが、シュラウド54とファンシュラウド44とが一体とされると共に、その上壁部にラジエータ40Rとラジエータファン42との間の上方側に排熱用ダクト44Bが一体的に形成された構成であってもよい。
シュラウド54を含んで構成された第二ダクト52の流路は、ラジエータ40Rを介してファンシュラウド44と連通されている。
シュラウド54は、下端側の開口部がアンダカバー48側へ向けられ、前端側の開口部が第一ダクト50の後端開口部側へ向けられている。
本実施形態では、ラジエータ40Rは、上端側が下端側よりも車両前方側に位置するように傾斜(前傾)して配置されている。
本実施形態では、ラジエータ40Rの前面に対して交差する方向に沿って、走行風に基づく冷却風(下側空気流Fr0及び第一空気流Fr1)が通過する構成とされている。また、本実施形態では、ラジエータファン42の作動によっても、冷却風(下側空気流Fr0及び第一空気流Fr1)が生成されるようになっている。即ち、ラジエータファン42が作動することで、自動車Aの低速走行時や停車時であっても冷却風(下側空気流Fr0及び第一空気流Fr1)が生成される構成となっている。
これにより、パワーユニット室14には、パワーユニット室14の前端上部に形成された空気取入口38Aから、第一通路46の車両上方側及びラジエータ40Rの車両上方側を経てラジエータ40Rの車両後方側に空気を導く第二通路60が形成されている。
また、第二通路60は、第一ダクト50の上壁部50C、トランスミッション12Bの上面、第二ダクト52の上壁部(シュラウド54の上壁部54B)、及び詳細図示を省略するパワーユニット室14内の搭載部品の上面部等によって、車両下方側の壁部を構成している。
そして、第二通路60と第一通路46とは、パワーユニット室14を上下に分離するように形成されている。
以上によって、本実施形態のパワーユニット室14では、パワーユニット室14内の空気の通過経路が上下で分けられた構造となっている。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
自動車Aが走行すると パワーユニット室14の前端下部に形成された空気取入口34A、パワーユニット室14の前端上部に形成された空気取入口38A、アンダカバー48に形成された空気取入口48Aを介してパワーユニット室14に空気(外気)が導入される。
コンデンサ40Cで暖められた空気は、ラジエータ40Rの上方に位置する連通孔45を介してラジエータ40Rとラジエータファン42との間の空間S1に導入され、ラジエータファン42を介して車両後方へ排出することができる。
なお、パワーユニット12の熱で暖められたパワーユニット12周辺の空気は、コンデンサ40Cからラジエータ40Rの上方に位置する連通孔45に向けて流れる第二空気流Fr2に乗って連通孔45に流入させることができる。したがって、パワーユニット12周辺に暖まった空気が溜まることが抑えられる。
なお、制御装置64は、エアコンディショナー47が作動したとき、また、第2の温度センサ68で計測したパワーユニット室14の温度が、予め設定した温度を超えた場合に、走行中、及び停車中(アイドリング中)に関係なくコデンサファン70を作動させることができる。
これにより、パワーユニット室14の温度を低く抑えることができる。
ラジエータ40Rでは、空気とパワーユニット12の冷媒(冷却水)との間で熱交換が行われる。ラジエータ40Rで暖められた空気は、車両後方側へ排出される。ここで、ラジエータファン42を作動させることで、大量の空気をラジエータ40Rに通過させることができ、パワーユニット12の高負荷時等において、効率的に熱交換を行うことができる。
また、本実施形態によれば、パワーユニット室14の温度を低くすることが可能なため、パワーユニット室14内には比較的耐熱性能の低い耐熱材(熱対策部品)を適用できるので、低コスト化を実現することもできる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
上記実施形態では、第一通路46は、第一ダクト50及び第二ダクト52を備えており、このような構成が好ましいが、例えば、第一通路と第二通路とが、オイルパン及びデフケース等や仕切り専用部品によって上下に仕切られた構成であってもよい。
上記実施形態では、アンダカバー48に空気取入口48Aが形成されているが、空気取入口48Aが形成されない構成としてもよい。
上記実施形態のパワーユニット12は内燃機関を含んで構成されていたが、パワーユニット12は内燃機関を含まない電動モータのみの構成であっても良い。即ち、この場合、自動車Aはいわゆる電気自動車となる。
また、上記実施形態では、コンデンサ40Cがトランスミッション12Bの上方、かつやや車両前方側に配置されていたが、ダクト74の車両前後方向の長さを長くすることで、コンデンサ40Cの位置を図2に示す位置よりも車両後方側に配置することも出来る。
なお、ダクト74を車両前方側へ延ばし、車両前方側の端部74Aの位置を、パワーユニット12から車両前方側へ出来るだけ離し、空気取入口38Aに接近させることで、例えば、停車時において、コンデンサファン70が作動している場合であっても、パワーユニット周辺の空気が前側熱交換に導入されることを抑えることができる。
なお、図示はしないが、ファンシュラウド72と連通孔45との間に、ファンシュラウド72から排出された空気を連通孔45に効率的に導入させるためのダクトを配置しても良い。
上記実施形態では、パワーユニット12のエンジン12Aが横置きであったが、本発明はこれに限らず、エンジン12Aは縦置きであっても良い。エンジン12Aが縦置きの場合にも、コンデンサ40Cがエンジン12Aよりも車両前方側から空気を導入するようにコンデンサ40Cをエンジン12Aの車両幅方向側方に配置すれば良い。
Claims (8)
- パワーユニットよりも車両前方側から空気を導入する前側熱交換器と、
前記パワーユニット及び前記前側熱交換器よりも車両後方側に配置され、車両前方側から前記前側熱交換器を通過していない空気を導入する後側熱交換器と、
を有する車両の冷却装置。 - 前記前側熱交換器に空気を導く前側ファンと、
前記後側熱交換器に空気を導く後側ファンと、
を有する請求項1に記載の車両の冷却装置。 - 前記前側熱交換器は少なくとも車両前部の上側から空気を導入し、
前記後側熱交換器は少なくとも車両前部の下側から空気を導入する、請求項1または請求項2に記載の車両の冷却装置。 - 前記前側熱交換器を通過した空気は、前記後側熱交換器の上方を通過して車両後方に導かれる、請求項3に記載の車両の冷却装置。
- 前記パワーユニットは、車輪を駆動する駆動力を発生する本体と、前記本体の車両幅方向側部の下方側に取り付けられ、前記駆動力を前記車輪に伝達するトランスミッションとを備え、
前記前側熱交換器は、前記トランスミッションの上方に配置されている、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の車両の冷却装置。 - 前記前側熱交換器は、エアコンディショナーのヒートポンプに用いられるコンデンサであり、
前記後側熱交換器は、前記パワーユニットの冷却を行うラジエータである、請求項1~請求項5の何れか1項に記載の車両の冷却装置。 - 前記前側熱交換器の車両前方側に車両前方向に延びるダクトが取り付けられ、
前記ダクトの車両前方側の端部が、前記パワーユニットの車両前端よりも車両前側に位置している、請求項1~請求項6の何れか1項に記載の車両の冷却装置。 - 前記パワーユニットの温度、及び前記パワーユニットの配置されているパワーユニット室の温度の少なくとも一方を計測する温度センサと、
前記温度センサで計測した温度情報に基づいて、前記前側ファン、及び前記後側ファンの作動を制御する制御装置と、
を有する、請求項2に記載の車両の冷却装置。
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