JP2009011436A - ゴルフボール - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明のゴルフボールは、作業性よく製造することができ、コア材とカバー材との相乗効果によりボールの反発性を向上させたものである。
【選択図】なし
Description
(A)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体100質量部、
(B)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体5〜80質量部、
(C)上記(A),(B)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部
を含有してなり、メルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物
(II)
(D)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物100質量部、
(B)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体 5〜80質量部、
(C)上記(D),(B)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部
を含有してなり、メルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物
(III)
(A)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体と(D)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物との混合物100質量部、
(B)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体5〜80質量部、
(C)上記(A),(D),(B)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部
を含有してなり、メルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物
〔1〕コアと1層又は複数層のカバーを有するゴルフボールにおいて、前記コアが、(a)下記のように定義される応力緩和時間(T80)が3.5以下のポリブタジエンが含まれる基材ゴムと、(b)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、(c)有機過酸化物と、を配合したゴム組成物の加熱成形物にて形成されると共に、前記カバーを構成する少なくとも1層が、(A)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体 100質量部、(B)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体 5〜80質量部、(C)上記(A),(B)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部を含有してなり、メルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物にて形成されることを特徴とするゴルフボール。
[応力緩和時間(T80)]
ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)である。
〔2〕コアと1層又は複数層のカバーを有するゴルフボールにおいて、前記コアが、(a)下記のように定義される応力緩和時間(T80)が3.5以下のポリブタジエンが含まれる基材ゴムと、(b)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、(c)有機過酸化物と、を配合したゴム組成物の加熱成形物にて形成されると共に、前記カバーを構成する少なくとも1層が、(D)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物100質量部、(B)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体 5〜80質量部、(C)上記(D),(B)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部を含有してなり、メルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物にて形成されることを特徴とするゴルフボール。
[応力緩和時間(T80)]
ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)である。
〔3〕コアと1層又は複数層のカバーを有するゴルフボールにおいて、前記コアが、(a)下記のように定義される応力緩和時間(T80)が3.5以下のポリブタジエンが含まれる基材ゴムと、(b)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、(c)有機過酸化物と、を配合したゴム組成物の加熱成形物にて形成されると共に、前記カバーを構成する少なくとも1層が、(A)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体と(D)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物との混合物100質量部、(B)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体 5〜80質量部、(C)上記(A),(D),(B)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部を含有してなり、メルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物にて形成されることを特徴とするゴルフボール。
[応力緩和時間(T80)]
ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)である。
〔4〕前記ゴム組成物が(d)有機硫黄化合物を含む〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔5〕応力緩和時間(T80)3.5以下の前記ポリブタジエンが前記基材ゴム中に占める割合が40質量%以上である〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔6〕応力緩和時間(T80)3.5以下の前記ポリブタジエンが、希土類元素系触媒を用いて形成されたポリブタジエンである〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔7〕応力緩和時間(T80)3.5以下の前記ポリブタジエンが、希土類元素系触媒を用いた重合の後に末端変性されて形成されたポリブタジエンである〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔8〕前記塩基性無機金属化合物が、酸化マグネシウム,水酸化マグネシウム,炭酸マグネシウム,酸化亜鉛,水酸化ナトリウム,炭酸ナトリウム,酸化カルシウム,水酸化カルシウム,水酸化リチウム及び炭酸リチウムの群から選ばれる〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
また、本発明によれば、熱安定性、流動性、成形性が良好な高中和アイオノマー樹脂をカバー材に用いたものであり、作業性よく製造することができ、コア材とカバー材との相乗効果により反発性を向上させたものである。
本発明のゴルフボールは、コアと1層又は複数層のカバーを有するものであり、コアは1層のみならず、必要により、2層以上に構成することもできる。前記コアは、次の(a)〜(c)成分、
(a)下記のように定義される応力緩和時間(T80)が3.5以下のポリブタジエン(以下、「BR1」と略記することがある。)が含まれる基材ゴム、
(b)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩、
(c)有機過酸化物、
を配合したゴム組成物の加熱成形物にて形成される。
ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)。
(d)有機硫黄化合物
を配合することが好適である。
下記表1に示すポリブタジエンを主成分とするコア材料を用いて、直径38.6mm、重量35.1g、たわみ変形量3.2mm又は3.3mmに調整したソリッドコアを作成した。なお、この変形量の値は、コアに対して初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでの変形量を測定した値である。
・ポリブタジエンゴム:商品名「EC140」(ファイアストンポリマー社製)
Nd系触媒により重合/ムーニー粘度「43」/T80値:2.3
・ポリブタジエンゴム:商品名「BR51」(JSR社製)
Nd系触媒により重合/ムーニー粘度「39」/T80値:5.0
・ポリブタジエンゴム:商品名「BR60」(POLIMERI Srl社製)
Nd系触媒により重合/ムーニー粘度「57」/T80値:4.6
・ポリブタジエンゴム:商品名「BR01」(JSR社製)
Ni系触媒により重合/ムーニー粘度「48」/T80値:8.4
・過酸化物:ジクミルパーオキサイド 商品名「パークミルD」(日本油脂社製)
・酸化亜鉛:堺化学社製 商品名「三種酸化亜鉛」、平均粒径0.6μm(空気透過法)
・老化防止剤:商品名「ノクラックNS−6」(大内新興化学工業社製)
・アクリル酸亜鉛:日本触媒社製
・ステアリン酸亜鉛:商品名「ジンクステアレートG」(日本油脂社製)
ボールのたわみ量(mm)
ゴルフボールに対して初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでの変形量(mm)をもとめた。
初速度
ゴルフボール公認機関R&A(USGA)と同タイプの初速度計を使用し、R&A(USGA)ルールに従い測定したときの初速度。
カルボキシラートアニオン吸収ピーク相対吸光度
試料の赤外吸収測定には透過法を用いた。2900cm-1付近に観測される炭化水素鎖に伴うピークの透過率が約90%になるように試料厚を調整したサンプルの赤外吸収測定において、カルボニル伸縮振動吸収ピーク(1690〜1710cm-1)の吸光度を1とし、これに対するカルボキシラートアニオン伸縮振動吸収ピーク(1530〜1630cm-1)の割合を相対吸光度として算出した。
減量率
水分の影響を除くため、測定にはドライホッパーにて50℃で24時間乾燥させたサンプルを用い、各サンプル約5mgについて、窒素雰囲気中(流量100ml/min)で昇温速度10℃/minにて25℃から300℃まで熱重量測定を行い、25℃の重量に対する250℃の重量の減量率を求めた。
中和度
加熱混合物中に含まれる全酸基(脂肪酸(誘導体)中の酸基も含む)のうち、金属イオンにより中和されている酸基のモル分率を原料の酸含量、中和度、分子量から計算した。
遷移金属イオン配合比
加熱混合物中に含まれる酸基を中和する金属イオンのうち、遷移金属イオンのモル分率を原料の酸含量、中和度、分子量から計算した。
メルトフローレート
JIS−K6760(試験温度190℃、試験荷重21N(2.16kgf))に従い測定した材料のメルトフローレート。
押出成形性
材料混合時に一般的に用いられるタイプの同方向回転噛合形二軸押出機(スクリュ径32mm、主電動機出力7.5kW)により200℃で各カバー材を混練したときの成形性について下記基準で評価した。
○:成形可能
×:過負荷により成形不可能
「ニュクレルAN4318」:三井・デュポンポリケミカル社製エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、酸含量8質量%,エステル含量17質量%
「ニュクレル1560」:三井・デュポンポリケミカル社製エチレン−メタクリル酸共重合体、酸含量15質量%
「ハイミランAM7316」:三井・デュポンポリケミカル社製三元亜鉛アイオノマー、酸含量10質量%、中和度50モル%、エステル含量24質量%
「サーリン6320」:デュポン社製三元マグネシウムアイオノマー、酸含量10質量%、中和度50モル%、エステル含量24質量%
「ベヘニン酸」:日本油脂社製、商品名:NAA−222S
「酸化マグネシウム」:協和化学工業社製高活性タイプ酸化マグネシウム、商品名:ミクロマグ3−150
実施例1及び実施例2は、T80値が「2.3」のポリブタジエンから形成されたコアに、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体をベース樹脂とし、これに(B)成分としてベヘニン酸、(C)成分として酸化マグネシウムを配合して形成されたカバー材を被覆した本発明のゴルフボールである。一方、比較例1は、ベース樹脂に対し、B)成分としてステアリン酸マグネシウムが配合されているが、(C)成分が無配合であるため、ボールの反発性に劣るものである。また、比較例2,3及び4は、カバー材が実施例1と同じであるが、T80値がそれぞれ「5.0」「4.6」及び「8.4」と本発明のT80値よりも大きいゴムを用いるため、ボールの反発性に劣るものである。
Claims (8)
- コアと1層又は複数層のカバーを有するゴルフボールにおいて、前記コアが、(a)下記のように定義される応力緩和時間(T80)が3.5以下のポリブタジエンが含まれる基材ゴムと、(b)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、(c)有機過酸化物と、を配合したゴム組成物の加熱成形物にて形成されると共に、前記カバーを構成する少なくとも1層が、(A)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体100質量部、(B)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体5〜80質量部、(C)上記(A),(B)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部を含有してなり、メルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物にて形成されることを特徴とするゴルフボール。
[応力緩和時間(T80)]
ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)である。 - コアと1層又は複数層のカバーを有するゴルフボールにおいて、前記コアが、(a)下記のように定義される応力緩和時間(T80)が3.5以下のポリブタジエンが含まれる基材ゴムと、(b)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、(c)有機過酸化物と、を配合したゴム組成物の加熱成形物にて形成されると共に、前記カバーを構成する少なくとも1層が、(D)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物 100質量部、(B)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体5〜80質量部、(C)上記(D),(B)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部を含有してなり、メルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物にて形成されることを特徴とするゴルフボール。
[応力緩和時間(T80)]
ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)である。 - コアと1層又は複数層のカバーを有するゴルフボールにおいて、前記コアが、(a)下記のように定義される応力緩和時間(T80)が3.5以下のポリブタジエンが含まれる基材ゴムと、(b)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、(c)有機過酸化物と、を配合したゴム組成物の加熱成形物にて形成されると共に、前記カバーを構成する少なくとも1層が、(A)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体と(D)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物との混合物100質量部、(B)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体 5〜80質量部、(C)上記(A),(D),(B)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部を含有してなり、メルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物にて形成されることを特徴とするゴルフボール。
[応力緩和時間(T80)]
ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)である。 - 前記ゴム組成物が(d)有機硫黄化合物を含む請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 応力緩和時間(T80)3.5以下の前記ポリブタジエンが前記基材ゴム中に占める割合が40質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 応力緩和時間(T80)3.5以下の前記ポリブタジエンが、希土類元素系触媒を用いて形成されたポリブタジエンである請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 応力緩和時間(T80)3.5以下の前記ポリブタジエンが、希土類元素系触媒を用いた重合の後に末端変性されて形成されたポリブタジエンである請求項1〜6のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 前記塩基性無機金属化合物が、酸化マグネシウム,水酸化マグネシウム,炭酸マグネシウム,酸化亜鉛,水酸化ナトリウム,炭酸ナトリウム,酸化カルシウム,水酸化カルシウム,水酸化リチウム及び炭酸リチウムの群から選ばれる請求項1〜7のいずれか1項記載のゴルフボール。
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