JP5057046B2 - ゴルフボール - Google Patents

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本発明は、反発性に優れたゴルフボールに関する。
従来、ゴルフボールに優れた反発性を付与するために、基材ゴムとして使用されるポリブタジエンのムーニー値、重合触媒、溶液粘度、分子量分布、その他の指標の1種又は2種以上に焦点を当てて最適化することが行なわれている(例えば、特許文献1:特開2004−292667号公報、特許文献2:米国特許第6818705号明細書、特許文献3:特開2002−355336号公報、特許文献4:特開2002−355337号公報、特許文献5:特開2002−355338号公報、特許文献6:特開2002−355339号公報、特許文献7:特開2002−355340号公報、特許文献8:特開2002−356581号公報)。
例えば、特許文献1:特開2004−292667号公報には、ムーニー粘度30〜42で、分子量分布(Mw/Mn)が2.5〜3.8のポリブタジエンが、また、特許文献2:米国特許第6818705号明細書には分子量が20万以上、レジリエンスインデックスが40以上のポリブタジエンが、ゴルフボール用の基材ゴムとして記載されている。
しかし、より飛距離の出るゴルフボールを求めるユーザーは多く、更に反発性に優れるゴルフボールの開発が求められていた。
特開2004−292667号公報 米国特許第6818705号明細書 特開2002−355336号公報 特開2002−355337号公報 特開2002−355338号公報 特開2002−355339号公報 特開2002−355340号公報 特開2002−356581号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、非常に反発性に優れるゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、コアと最外層カバーと、これらの間に配置される中間層とを有するゴルフボールにおいて、前記コアを、特定のT80値を有するポリブタジエンを配合した基材ゴムと不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と有機過酸化物とを含むゴム組成物の加熱成形物にて形成すると共に、前記中間層を、オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体のナトリウムイオン中和物(I)とオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体のマグネシウムイオン中和物(II)とをブレンドした樹脂材料を主成分として形成し、その材料硬度をショアD硬度55〜70、中間層の厚さを0.5〜2.5mmとし、前記最外層カバーを非アイオノマー系樹脂材料を主成分として形成し、その材料硬度をショアD硬度35〜60、カバーの厚さを0.5〜2.0mmに調整することにより、ボール反発性を良好に維持することを知見した。更に、本発明のゴルフボールは、プロや上級者が使用する飛びとコントロール性能を満足させ、打感も良く、耐擦過傷性に優れていることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明は、以下のゴルフボールを提供する。
〔1〕コアと最外層カバーと、これらの間に配置される中間層とを有するゴルフボールにおいて、前記コアが、(a)下記のように定義される応力緩和時間(T80)が1.5以上2.5以下の固形状ポリブタジエンが含まれる基材ゴムと、(b)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、(c)有機過酸化物と、を配合したゴム組成物の加熱成形物にて形成されると共に、前記中間層が、オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体のナトリウムイオン中和物(I)とオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体のマグネシウムイオン中和物(II)とをブレンドした樹脂材料を主成分として形成されてなり、その材料硬度がショアD硬度で55〜70、中間層の厚さが0.5〜2.5mmであり、かつ前記最外層カバーが非アイオノマー系樹脂材料を主成分として形成されてなり、その材料硬度がショアD硬度で35〜60、カバーの厚さが0.5〜2.0mmであることを特徴とするゴルフボール。
[応力緩和時間(T80)]
ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)である。
〔2〕前記ゴム組成物が(d)有機硫黄化合物を含む〔1〕記載のゴルフボール。
〔3〕応力緩和時間(T80)1.5以上2.5以下の前記ポリブタジエンが前記基材ゴム中に占める割合が40質量%以上である〔1〕又は〔2〕記載のゴルフボール。
〔4〕応力緩和時間(T80)1.5以上2.5以下の前記ポリブタジエンが、希土類元素系触媒を用いて形成されたポリブタジエンである〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔5〕応力緩和時間(T80)1.5以上2.5以下の前記ポリブタジエンが、希土類元素系触媒を用いた重合の後に末端変性されて形成されたポリブタジエンである〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔6〕前記中間層の材料において、上記(I)材料と上記(II)材料との配合比が質量比で20/80〜80/20である〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔7〕前記最外層カバーの非アイオノマー系樹脂材料が熱可塑性ポリウレタンエラストマーである〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
本発明のゴルフボールによれば、非常に反発性に優れるゴム組成物の加熱成形物をコアに用いるものであり、それ故、ボール全体の反発性にも非常に優れたものである。
また、本発明のゴルフボールによれば、プロや上級者が使用する飛びとコントロール性能を満足させ、そのうえ、打感が良好であり、耐擦過傷性に優れたものである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のゴルフボールは、コアと、それに被覆する複数のカバー層とからなる多層構造を有するものである。本発明では、コア以外の被覆層として、少なくとも最外層カバーと中間層とが具備されるものである。そして、前記コアは、次の(a)〜(c)成分、
(a)下記のように定義される応力緩和時間(T80)が1.5以上2.5以下のポリブタジエン(以下、「BR1」と略記することがある。)が含まれる基材ゴム、
(b)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩、
(c)有機過酸化物、
を配合したゴム組成物の加熱成形物にて形成される。
[応力緩和時間(T80)]
ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)。
なお、本発明にいうムーニー粘度とは、回転可塑度計の一種であるムーニー粘度計で測定される工業的な粘度の指標であり、単位記号としてML1+4(100℃)を用いる。Mはムーニー粘度、Lは大ローター(L型)、1+4は予備加熱時間1分間、ローターの回転時間4分間を示し、100℃の条件下にて測定した値であることを意味する。
本発明において、前記(a)成分に含まれるポリブタジエンには、応力緩和時間(T80)が1.5以上2.5以下のポリブタジエン(BR1)が含まれる。80値が2.5を超えると本発明の目的が達成されない。一方、T80値が小さすぎると作業性に問題が発生する場合がある。
前記BR1のムーニー粘度(ML1+4(100℃))としては20以上80以下が好ましいが、特に限定するものではない。
また、前記BR1のシス1,4結合含有率としては好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上であり、1,2ビニル結合含有率としては好ましくは2%以下、より好ましくは1.7%以下、更に好ましくは1.5%以下、最も好ましくは1.3%以下であることが推奨される。シス1,4結合含有率や1,2ビニル結合含有率が前記範囲を逸脱すると、反発性が低下する場合がある。
本発明における前記BR1としては、希土類元素系触媒を用いて形成されたポリブタジエンであることが、反発性の観点から好適である。
ここで、希土類元素系触媒としては公知のものを使用することができ、例えば、ランタン系列希土類元素化合物、有機アルミニウム化合物、アルモキサン、ハロゲン含有化合物、更に、必要に応じルイス塩基の組合せよりなる触媒を使用することができる。
前記ランタン系列希土類元素化合物としては、原子番号57〜71の金属ハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコラート、チオアルコラート、アミド等を挙げることができる。
前記有機アルミニウム化合物としては、例えば、AlR123(ここで、R1、R2及びR3は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素又は炭素数1〜8の炭化水素残基を表す)で示されるものを用いることができる。
前記アルモキサンとしては、下記式(I)又は下記式(II)で示される構造を有する化合物を好適に挙げることができる。この場合、ファインケミカル,23,(9),5(1994)、J.Am.Chem.Soc.,115,4971(1993)、J.Am.Chem.Soc.,117,6465(1995)で示されるアルモキサンの会合体を用いてもよい。
Figure 0005057046
(式中、R4は、炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、nは2以上の整数である。)
前記ハロゲン含有化合物としては、AlXn3-n(ここで、Xはハロゲンを示し、Rは、炭素数が1〜20の炭化水素残基であり、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基であり、nは、1、1.5、2又は3を示す)で示されるアルミニウムハライド、Me3SrCl、Me2SrCl2、MeSrHCl2、MeSrCl3などのストロンチウムハライド、その他、四塩化ケイ素、四塩化スズ、四塩化チタンなどの金属ハライド等が用いられる。
前記ルイス塩基は、ランタン系列希土類元素化合物を錯化するのに用いることができ、例えば、アセチルアセトン、ケトンアルコールなどを挙げることができる。
なお、本発明においては特にランタン系列希土類元素化合物の使用、中でもネオジウム化合物を用いたネオジウム系触媒の使用が、1,4−シス結合が高含量、1,2−ビニル結合が低含量のポリブタジエンゴムを優れた重合活性で得る観点から好ましく、これら希土類元素系触媒の具体例としては、特開平11−35633号公報に記載されているものを好適に挙げることができる。
ここで、希土類元素系触媒の存在下でブタジエンを重合させる場合には溶媒を使用してもよいし、溶媒を使用せずにバルク重合あるいは気相重合してもよい。重合温度は好ましくは−30℃〜150℃、より好ましくは10〜100℃とすることができる。
また、本発明における前記BR1については、前記の希土類元素系触媒による重合に引き続いてポリマーの活性末端に末端変性剤を反応させて、末端変性ポリブタジエンとして得られるものであることが、安定した品質のゴルフボールを製造する観点から好適である。
末端変性剤としては公知のものを使用することができるが、例えば、下記(1)〜(6)に記載した化合物等を使用することができる。
(1)R5 nM’X4-n、M’X4、M’X3、R5 nM’(−R6−COOR74-n又はR5 nM’(−R6−COR74-n(式中、R5及びR6は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、R7は炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基であり、側鎖にカルボニル基又はエステル基を含んでいてもよく、M’はスズ原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はリン原子、Xはハロゲン原子、nは0〜3の整数を示す)に対応するハロゲン化有機金属化合物、ハロゲン化金属化合物又は有機金属化合物)
(2)分子中に、Y=C=Z結合(式中、Yは炭素原子、酸素原子、チッ素原子又はイオウ原子、Zは酸素原子、チッ素原子又はイオウ原子を示す)を含有するヘテロクムレン化合物
(3)分子中に下記結合を含有するヘテロ3員環化合物
Figure 0005057046
(式中、Yは、酸素原子、チッ素原子又はイオウ原子を示す)
(4)ハロゲン化イソシアノ化合物
(5)R8−(COOH)m、R9(COX)m、R10−(COO−R11)、R12−OCOO−R13、R14−(COOCO−R15m、又は下記式で示されるカルボン酸、酸ハロゲン化物、エステル化合物、炭酸エステル化合物又は酸無水物
Figure 0005057046
(式中、R8〜R16は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜50の炭素原子を含む炭化水素基、Xはハロゲン原子、mは1〜5の整数を示す)
(6)R17 lM”(OCOR184-l、R19 lM”(OCO−R20−COOR214-l、又は下記式で示されるカルボン酸の金属塩
Figure 0005057046
(式中、R17〜R23は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、M”はスズ原子、ケイ素原子又はゲルマニウム原子、lは0〜3の整数を示す。)
以上の(1)〜(6)に示される末端変性剤の具体例及び反応させる方法については、例えば特開平11−35633号公報、特開平7−268132号公報等に記載されているもの及び方法を挙げることができる。
本発明において前記BR1は、前記基材ゴム中に含まれるものであるが、同BR1が前記基材ゴム中に占める割合としては好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上であり、100質量%であってもよい。当該割合が小さすぎると反発性が低下する場合がある。
なお、前記BR1以外に前記基材ゴム中に配合してもよいゴム化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば応力緩和時間T80が3.5を超えるポリブタジエンゴムを配合してもよいし、スチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等を配合してもよい。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
ここで、このような配合用ゴムのムーニー粘度としては、好ましくは80以下、20以上であるが、特に限定するものではない。
また、このような配合用ゴムについては、VIII族触媒で合成されたものを用いることができる。VIII族触媒として具体的には、下記のニッケル系触媒、コバルト系触媒を挙げることができる。
即ち、ニッケル系触媒としては、例えば、ニッケルケイソウ土のような1成分系、ラネーニッケル/四塩化チタンのような2成分系、ニッケル化合物/有機金属/三フッ化ホウ素エーテラートのような3成分系のもの等を挙げることができる。なお、ニッケル化合物としては、担体付還元ニッケル、ラネーニッケル、酸化ニッケル、カルボン酸ニッケル、有機ニッケル錯塩などが用いられる。また、有機金属としては、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、1,4−ジリチウムブタン等のアルキルリチウム、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等のジアルキル亜鉛等を挙げることができる。
また、コバルト系触媒としては、コバルト及びその化合物として、ラネーコバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、酸化コバルト、硫酸コバルト、炭酸コバルト、リン酸コバルト、フタル酸コバルト、コバルトカルボニル、コバルトアセチルアセトネート、コバルトジエチルジチオカルバメート、コバルトアニリニウムナイトライト、コバルトジニトロシルクロリド等を挙げることができ、特にこれらの化合物とジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド等のジアルキルアルミニウムモノクロリド、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルミニウムアルキルセスキクロリド、塩化アルミニウム等との組み合わせを好適に挙げることができる。
前記VIII族系触媒、特にニッケル系触媒又はコバルト系触媒を用いて重合する場合は、通常、溶剤、ブタジエンモノマーと併せて連続的に反応機にチャージさせ、例えば、反応温度を5〜60℃、反応圧力を大気圧から70数気圧の範囲で適宜選択して、前記ムーニー粘度のものが得られるように操作する方法を挙げることができる。
前記(b)成分として、不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸を好適に用いることができる。また、不飽和カルボン酸の金属塩としては、メタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和脂肪酸の亜鉛塩、マグネシウム塩等を挙げることができ、特にアクリル酸亜鉛を好適に用いることができる。
前記(b)成分の配合量としては、前記基材ゴム100質量部に対して好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、上限として、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、最も好ましくは40質量部以下であることが推奨される。(b)成分の配合量が多すぎるとゴム組成物の加熱成形物が硬くなって耐え難い打感となる場合があり、少なすぎると、反発性が低下してしまう場合がある。
前記(c)成分としては、市販品を用いることができ、例えばパークミルD(日本油脂社製)、パーヘキサC(日本油脂社製)、Luperco 231XL(アトケム社製)等を使用可能である。必要に応じて2種以上の異なる有機過酸化物を混合して用いてもよい。
前記(c)成分の配合量としては、前記基材ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、上限として、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2質量部以下であることが推奨される。配合量が多すぎたり少なすぎたりすると、好適な硬度分布、すなわち打感、耐久性及び反発性に劣る場合がある。
本発明におけるゴム組成物には、更に反発性を向上させる観点から、次の(d)成分、
(d)有機硫黄化合物
を配合することが好適である。
このような有機硫黄化合物としては、例えばチオフェノール類、チオナフトール類、ハロゲン化チオフェノール類、又はそれらの金属塩等を挙げることができ、更に具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール等の亜鉛塩、硫黄数が2〜4のジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイルポリスルフィド等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。中でも、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、及び/又はジフェニルジスルフィドを好適に用いることができる。
前記(d)成分の配合量としては、前記基材ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、上限として、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下であることが推奨される。配合量が多すぎるとゴム組成物の加熱成形物の硬さが軟らかくなりすぎてしまう場合があり、一方、少なすぎると反発性の向上が見込めない場合がある。
本発明におけるゴム組成物には、更に無機充填剤や老化防止剤といった添加剤を配合することができる。無機充填剤としては、例えば酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を挙げることができ、その配合量は、前記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、最も好ましくは13質量部以上、上限として、好ましくは80質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、最も好ましくは40質量部以下であることが推奨される。配合量が多すぎたり少なすぎたりすると、適正な質量、および好適な反発性を得ることができない場合がある。
なお、反発性を上げるという点から無機充填剤中に酸化亜鉛が50質量%以上含有されているものが好ましく、更に好ましくは75質量%以上含有されているもの、特に100質量%(無機充填剤として酸化亜鉛が100%)であるものが好ましい。
また、酸化亜鉛の平均粒径(空気透過法による)は、好ましくは0.01μm以上、更に好ましくは0.05μm以上、特に0.1μm以上、上限として好ましくは2μm以下、更に1μm以下が好ましく用いられる。
また、老化防止剤としては市販品として2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(ノクラックNS−6、大内新興化学工業社製)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(ノクラックNS−5、大内新興化学工業社製)等が挙げられる。その配合量は、前記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは0質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、最も好ましくは0.2質量部以上、上限として、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、最も好ましくは0.5質量部以下とすることが、好適な反発性、耐久性を得る観点から推奨される。
本発明におけるコアは、上述したゴム組成物を、公知のゴルフボール用ゴム組成物と同様の方法で加硫・硬化させることによって得ることができる。加硫条件としては、例えば、加硫温度100〜200℃、加硫時間10〜40分にて実施する条件が挙げられる。
なお、本発明におけるコア(加硫成形物)について、加熱成形物表面のJIS−C硬度から加熱成形物中心のJIS−C硬度を引いた硬度差としては、好ましくは15以上、より好ましくは16以上、更に好ましくは17以上、最も好ましくは18以上であり、上限として、好ましくは50以下、より好ましくは40以下であることが推奨される。このように硬度を調整することが、軟らかい打感と良好な反発性、耐久性を兼ね備えたゴルフボールを実現する観点から好適である。
また、本発明におけるコア(加熱成形物)は、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷した時のたわみ量が、好ましくは2.0mm以上、より好ましくは2.5mm以上、更に好ましくは2.8mm以上、上限としては、好ましくは6.0mm以下、より好ましくは5.5mm以下、更に好ましくは5.0mm以下、最も好ましくは4.5mm以下であることが推奨される。変形量が少なすぎると打感が悪くなると共に、特にドライバーなどのボールに大変形が生じるロングショット時にスピンが増えすぎて飛ばなくなる場合があり、一方、軟らかすぎると打感が鈍くなると共に、反発が十分でなくなり飛ばなくなる上、耐久性が悪くなる場合がある。
コアの直径としては、好ましくは30.0mm以上、より好ましくは32.0mm以上、更に好ましくは35.0mm以上、最も好ましくは37.0mm以上、上限として、好ましくは41.0mm以下、より好ましくは40.5mm以下、更に好ましくは40.0mm以下、最も好ましくは39.5mm以下とすることが推奨される。
また、スリーピースソリッドゴルフボールのソリッドコアの直径としては、好ましくは30.0mm以上、より好ましくは32.0mm以上、更に好ましくは34.0mm以上、最も好ましくは35.0mm以上、上限として、好ましくは40.0mm以下、より好ましくは39.5mm以下、更に好ましくは39.0mm以下とすることが推奨される。
前記コアの比重としては、好ましくは0.9以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.1以上、上限として、好ましくは1.4以下、より好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.2以下であることが推奨される。
次に、本発明では、コアを被覆する層が、少なくとも中間層及び最外層を含む多層体からなる。本発明における最外層カバーについて下記に説明する。
本発明では、最外層カバーは非アイオノマー系樹脂を主材料として形成されるものである。非アイオノマー系材料としては、ポリエステル系エラストマー,ポリアミド系エラストマー,ポリウレタン系エラストマーまたはその混合物から選択される熱可塑性樹脂を好適に用いることができ、特に、ポリウレタン系エラストマーが最適である。
上記最外層カバー材料であるポリウレタン系エラストマーについては、特に制限はないが、特に、量産性の点から熱可塑性ポリウレタンを用いることが好ましい。また、本発明において、下記の(A)及び(B)成分を主成分とするカバー成形材料(C)を採用することが好適に採用される。
(A)熱可塑性ポリウレタン材料
(B)1分子中に官能基として2つ以上のイソシアネート基を持つイソシアネ−ト化合物(b−1)を、イソシアネートと実質的に反応しない熱可塑性樹脂(b−2)中に分散させたイソシアネート混合物
本発明において、最外層カバーを上述したカバー成形材料(C)によって形成した場合には、より優れたフィーリング、コントロール性、耐カット性、耐擦過傷性を有するゴルフボールを得ることができる。
以下、成分(A),(B)及び(C)について説明する。
(A)熱可塑性ポリウレタン材料
熱可塑性ポリウレタン材料の構造は、高分子ポリオール(ポリメリックグリコール)からなるソフトセグメントと、ハードセグメントを構成する鎖延長剤およびジイソシアネートからなる。ここで、原料となる高分子ポリオールとしては、従来から熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものはいずれも使用でき、特に制限されるものではないが、ポリエステル系とポリエーテル系があり、反発弾性率が高く、低温特性に優れた熱可塑性ポリウレタン材料を合成できる点で、ポリエーテル系の方がポリエステル系に比べて好ましい。ポリエーテルポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられるが、反発弾性率と低温特性の点でポリテトラメチレングリコールが特に好ましい。また、高分子ポリオールの平均分子量は1000〜5000であることが好ましく、特に反発弾性の高い熱可塑性ポリウレタン材料を合成するためには2000〜4000であることが好ましい。
鎖延長剤としては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら鎖延長剤の平均分子量は20〜15000であることが好ましい。
ジイソシアネートとしては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただし、イソシアネート種によっては射出成形中の架橋反応をコントロールすることが困難なものがある。本発明では、後述するイソシアネート混合物(B)との反応性の安定性から、芳香族ジイソシアネートである4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートが最も好ましい。
上記の熱可塑性ポリウレタン材料としては、市販品を好適に用いることができ、例えばディーアイシーバイエルポリマー(株)製パンデックスT−8290、T−8295、T−8260や、大日精化工業(株)製レザミン2593、2597などが挙げられる。
(B)イソシアネート混合物
イソシアネート混合物(B)は、1分子中に官能基として2つ以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物(b−1)を、イソシアネートと実質的に反応しない熱可塑性樹脂(b−2)中に分散させたものである。ここで、上記イソシアネート化合物(b−1)としては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただし、反応性、作業安全性の面から、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートが最適である。
また、前記熱可塑性樹脂(b−2)としては、吸水性が低く、熱可塑性ポリウレタン材料との相溶性に優れた樹脂が好ましい。このような樹脂として、例えばポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルエラストマー(ポリエーテル・エステルブロック共重合体、ポリエステル・エステルブロック共重合体等)が挙げられるが、反発弾性、強度の点からポリエステルエラストマー、中でもポリエーテル・エステルブロック共重合体が特に好ましい。
イソシアネート混合物(B)における熱可塑性樹脂(b−2):イソシアネート化合物(b−1)の配合比は、質量比で好ましくは100:5〜100:100、特に100:10〜100:40であることが好ましい。熱可塑性樹脂(b−2)に対するイソシアネート化合物(b−1)の配合量が少なすぎると、熱可塑性ポリウレタン材料(A)との架橋反応に充分な添加量を得るためにはより多くのイソシアネート混合物(B)を添加しなくてはならず、熱可塑性樹脂(b−2)の影響が大きく作用することでカバー成形材料(C)の物性が不充分となる。熱可塑性樹脂(b−2)に対するイソシアネート化合物(b−1)の配合量が多すぎると、イソシアネート化合物(b−1)が混練り中にすべり現象を起こし、イソシアネート混合物(B)の合成が困難となる。
イソシアネート混合物(B)は、例えば、熱可塑性樹脂(b−2)にイソシアネート化合物(b−1)を配合し、これらを温度130〜250℃のミキシングロール又はバンバリーミキサーで充分に混練して、ペレット化又は冷却後粉砕することにより得ることができる。イソシアネート混合物 (B)としては、市販品を好適に用いることができ、例えば大日精化工業(株)製クロスネートEM30などが挙げられる。
(C)カバー成形材料
カバー成形材料(C)は、前述した熱可塑性ポリウレタン材料(A)およびイソシアネート混合物(B)を主成分とするものである。カバー成形材料(C)における熱可塑性ポリウレタン材料(A):イソシアネート混合物(B)の配合比は、質量比で好ましくは100:1〜100:100、特に100:5〜100:50、中でも100:10〜100:30であることが好ましい。熱可塑性ポリウレタン材料(A)に対するイソシアネート混合物(B)の配合量が少なすぎると架橋効果が充分に発現せず、多すぎると未反応のイソシアネートが成形物に着色現象を起こさせるので好ましくない。
カバー成形材料(C)には、上述した成分に加えて他の成分を配合することができる。このような他の成分として、例えば熱可塑性ポリウレタン材料以外の熱可塑性高分子材料を挙げることができ、例えばポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、アイオノマー樹脂、スチレンブロックエラストマー、ポリエチレン、ナイロン樹脂等を配合することができる。この場合、熱可塑性ポリウレタン材料以外の熱可塑性高分子材料の配合量は、必須成分である熱可塑性ポリウレタン材料100質量部に対して、好ましくは0〜100質量部、より好ましくは10〜75質量部、更に好ましくは10〜50質量部であり、カバー材の硬度の調整、反発性の改良、流動性の改良、接着性の改良などに応じて適宜選択される。更に、カバー成形材料(C)には、必要に応じて種々の添加剤を配合することができ、例えば顔料、分散剤、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤を適宜配合することができる。
カバー成形材料(C)を用いたカバーの成形では、例えば、熱可塑性ポリウレタン材料(A)にイソシアネート混合物(B)を添加してドライミキシングし、この混合物を用いて射出成形機によりコアの周囲にカバーを成形することができる。成形温度は熱可塑性ポリウレタン材料(A)の種類によって異なるが、好ましくは150〜250℃の範囲で行われる。
上記のようにして得られたゴルフボールカバーの反応形態、架橋形態としては、熱可塑性ポリウレタン材料の残存OH基にイソシアネート基が反応してウレタン結合を形成したり、熱可塑性ポリウレタン材料のウレタン基にイソシアネート基の付加反応が生じ、アロファネート、ビュレット架橋形態を形成したりすると考えられる。この場合、カバー成形材料(C)の射出成形直後は架橋反応が充分に進んでいないが、成形後にアニーリングを行うことにより架橋反応が進行し、ゴルフボールカバーとして有用な特性を保持するようになる。アニーリングとは、カバーを一定温度、一定時間で加熱熟成したり、室温で一定期間熟成したりすることを言う。
なお、上述した最外層カバーの樹脂材料には、上記樹脂分に加えて、必要に応じて種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば顔料、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、離型剤、可塑剤、無機充填剤(酸化亜鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン等)等を挙げることができる。
上記最外層カバーの厚さは、0.5mm以上2.0mm以下の範囲内とされ、好ましくは0.5mm以上1.5mm以下、より好ましくは0.6mm以上1.3mm以下とすることができる。また、最外層カバーの硬度(材料硬度)は、ショアD硬度で35〜60の範囲内とされ、好ましくは40〜60、より好ましくは42〜58である。これらの範囲を逸脱したカバーの厚さやショアD硬度に設定すると、打感およびスピン性能が悪くなり、本発明の所定の効果を得ることができなくなるおそれがある。
次に、上記コアと上記最外層カバーとの間に配置される中間層について以下に説明する。
中間層の厚さは、0.5mm以上2.5mm以下の範囲とされ、好ましくは0.8mm以上2.2mm以下、より好ましくは1.5mm以上2.0mm以下である。その範囲を逸脱すると、ボールのスピン性能と初速とのバランスが悪くなり、飛びが低下する場合がある。
中間層の表面硬度、即ち、コアを中間層で被覆した球体の表面硬度については、特に制限はないが、ショアD硬度で60以上80以下とすることが好ましく、より好ましくは63以上77以下、さらに好ましくは67以上73以下である。上記範囲よりも軟らかすぎると、フルショット時にスピンが掛かりすぎて飛距離が伸びなくなることがある。また、打感が軟らかくなり過ぎることがある。逆に、上記範囲よりも硬すぎると、スピン量が減り、コントロールがしにくくなったり、打感が硬くなりすぎたり、耐久性が悪くなることがある。この中間層の表面硬度とは、中間層材料をコアに被覆した状態の球体の表面における硬度を意味するものであり、下地であるコアの硬さと中間層の厚さ及び硬さ等により決定されるものであり、中間層の材料自体の硬度とは相違する。なお、中間層は最外層表面よりも硬くする必要がある。
本発明において、中間層材料としては、オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体のナトリウムイオン中和物(I)とオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体のマグネシウムイオン中和物(II)とをブレンドした樹脂材料を主成分として用いることが必要である。通常、アイオノマーの耐衝撃特性はカチオン種と樹脂硬度などの要因により決められるものであるが、本発明の材料では、ナトリウムイオン中和物の2元ランダム共重合体を単独で用いることよりもマグネシウムイオン中和物の2元ランダム共重合体と併用することにより、耐衝撃特性及び耐久性を改善することができことの知見により、上記(I)(II)材料を併用するものである。
この場合、上記(I)(II)の樹脂材料に、さらに3元ランダム共重合体等の他の樹脂材料をブレンドすることができる。この場合、上記3元共重合体については本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができ、例えば、基材樹脂100質量部に対して0〜5質量部程度である。
上記の(I)成分、又は(II)成分におけるオレフィンとしては、α−オレフィンが好適に用いられる。α−オレフィンの具体例としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテンなどが挙げられ、この中でも、特にエチレンが好ましい。また、これらオレフィンを複数種組み合わせて使用しても良い。
(I)成分、又は(II)成分における不飽和カルボン酸としては、炭素原子数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸が好適に用いられる。炭素原子数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸の具体例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられ、この中でもアクリル酸、メタクリル酸が好ましく使用される。また、これら不飽和カルボン酸を複数種組み合わせて使用しても良い。
これら共重合体中の不飽和カルボン酸の含有量としては、上記(I)成分及び上記(II)成分ともに5〜20質量%であることが好ましい。不飽和カルボン酸含有量が少なすぎると、剛性・反発性が小さくなり、ゴルフボールの飛び性能が低下する場合がある。不飽和カルボン酸含有量が多すぎると、柔軟性が不十分となる場合がある。
上記(I)成分と、上記(II)成分とを配合して用いる場合、その配合量は質量比で(I)/(II)=20/80〜80/20の範囲であることが好ましく、特に25/75〜75/25であることがより好ましい。
本発明に使用するアイオノマー樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば、米国デュポン社製「サーリン(Surlyn)」や、三井・デュポンポリケミカル社製「ハイミラン(HIMILAN)」等が挙げられる。
中間層の材料硬度については、ショアD硬度で55以上70以下とすることができ、好ましくは58以上65以下である。
上述したコア、中間層及びカバーの各層を積層して形成されたゴルフボールの製造方法については、公知の射出成形法等の常法により行なうことができる。例えば、ゴム材を主材とした加硫成形物をコアとして所定の射出成形用金型内に配備し、順に、中間層材料を射出して中間球状体を得、次いで、該球状体を別の射出成形用金型内に配備してカバー材を射出成形することによりマルチピースのゴルフボールを得ることができる。また、カバーを中間球状体に被覆する方法により、カバーを積層することもでき、例えば、予め半殻球状に成形した2枚のハーフカップで該中間球状体を包み加熱加圧成形することができる。
また、上記カバー表面には多数のディンプルを形成することができる。カバー表面に配置されるディンプルについては、特に制限はないが、好ましくは250個以上500個以下、より好ましくは280個以上360個以下、さらに好ましくは300個以上350個以下具備することができる。ディンプルの個数が上記範囲より多くなると、ボールの弾道が低くなり、飛距離が低下することがある。逆に、ディンプル個数が少なくなると、ボールの弾道が高くなり、飛距離が伸びなくなる場合がある。
ディンプルの形状については、円形、各種多角形、デュードロップ形、その他楕円形など1種類又は2種類以上を組み合わせて適宜使用することができる。例えば、円形ディンプルを使用する場合には、直径は2.5mm以上6.5mm以下程度、深さは0.08mm以上0.30mm以下とすることができる。
ディンプルがゴルフボールの球面に占めるディンプル占有率、具体的には、ディンプルの縁に囲まれた平面の面縁で定義されるディンプル面積の合計が、ディンプルが存在しないと仮定したボール球面積に占める比率(SR値)については、空気力学特性を十分に発揮し得る点から60%以上90%以下であることが望ましい。また、各々のディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値V0は、ボールの弾道の適正化を図る点から0.35以上0.80以下とすることが好適である。更に、ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル容積の合計が、ディンプルが存在しないと仮定したボール球容積に占めるVR値は、0.6%以上1.0%以下とすることが好ましい。上述した各数値の範囲を逸脱すると、良好な飛距離が得られない弾道となり、十分満足した飛距離を出せない場合がある。
なお、本発明のゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、ボール外径としては42.672mm内径のリングを通過しない大きさで42.80mm以下、重量としては通常45.0〜45.93gに形成することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〜3,比較例1〜6〕
下記表1に示すポリブタジエンを主成分とするコア材料を用いて、直径37.3mm、重量31.9g、たわみ変形量3.8mm又は3.9mmに調整したソリッドコアを作成した。なお、この変形量の値は、コアに対して初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでの変形量を測定した値である。
Figure 0005057046
上記の配合についての詳細は下記のとおりである。
・ポリブタジエンゴム:商品名「EC140」(ファイアストンポリマー社製)
Nd系触媒により重合/ムーニー粘度「43」/T80値:2.3
・ポリブタジエンゴム:商品名「BR51」(JSR社製)
Nd系触媒により重合/ムーニー粘度「39」/T80値:5.0
・ポリブタジエンゴム:商品名「BR60」(POLIMERI Srl社製)
Nd系触媒により重合/ムーニー粘度「57」/T80値:4.6
・ポリブタジエンゴム:商品名「BR01」(JSR社製)
Ni系触媒により重合/ムーニー粘度「48」/T80値:8.4
・過酸化物:ジクミルパーオキサイド 商品名「パークミルD」(日本油脂社製)
・酸化亜鉛:堺化学社製 商品名「三種酸化亜鉛」、平均粒径0.6μm(空気透過法)
・老化防止剤:商品名「ノクラックNS−6」(大内新興化学工業社製)
・アクリル酸亜鉛:日本触媒社製
・ステアリン酸亜鉛:商品名「ジンクステアレートG」(日本油脂社製)
次に、表3(実施例)、表4(比較例)に示す組成の中間層材料を、上記ソリッドコア(表1のNo.1〜No.4のコア)を配備した金型内に厚さ1.67mmとなるようにそれぞれ射出した。次いで、コアの周囲に中間層を被覆した球体を金型内に配備し、表2に示した最外層カバーを厚さ1.01mmとなるように、射出成形し、直径42.7mmのスリーピースソリッドゴルフボールをそれぞれ製造した。なお、中間層材料は、同方向回転噛合形二軸押出機(スクリュー径32mm、L/D=30、主電動機出力7.5kw、真空ベントポート付き)により200℃でミキシングして作成された。
Figure 0005057046
上記の配合についての詳細は下記のとおりである。
T−8290、T8295:DIC Bayer Polymer社製の商標「パンデッ
クス」、MDI−PTMGタイプ熱可塑性ポリウレタン
酸化チタン:商品名 タイペークR550(石原産業社製)
ポリエチレンワックス:商品名「サンワックス161P」(三洋化成社製)
イソシアネート化合物
商品名「クロスネートEM30」:大日精化工業(株)製のイソシアネートマスターバッチで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを30%含有(JIS−K1556によるアミン逆滴定イソシアネート測定濃度5〜10%)、マスターバッチベース樹脂はポリエステルエラストマー(東レ・デュポン社製の「ハイトレル4001」)。イソシアネート化合物はインジェクションと同時に混合した。
下記表3、表4中の配合成分の詳細は下記のとおりである。
商品名「ハイミラン1706」
三井デュポンポリケミカル社製 Znイオン中和 エチレン−メタクリル酸2元ランダム共重合体のアイオノマー樹脂
商品名「ハイミラン1605」
三井デュポンポリケミカル社製 Naイオン中和 エチレン−メタクリル酸2元ランダム共重合体のアイオノマー樹脂
商品名「AM7311」
三井デュポンポリケミカル社製 Mgイオン中和 エチレン−メタクリル酸2元ランダム共重合体のアイオノマー樹脂
商品名「TMP」
三菱ガス化学社製 トリメチロールプロパン
Figure 0005057046
※ 中間層の樹脂配合の数字は、質量部で表される。
Figure 0005057046
※ 中間層の樹脂配合の数字は、質量部で表される。
〔中間層/カバー材料の諸物性の評価〕
メルトマスフローレート
JIS−K6760(試験温度190℃、試験荷重21N(2.16kgf))に従い測定した材料のメルトマスフローレート。
樹脂硬度
ASTM D−2240に準じて測定したショアD硬度を表した。
〔ボールの諸物性の評価〕
ボールのたわみ変形量(mm)
ゴルフボールに対して初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでの変形量(mm)をもとめた。
ボール初速(m/s)
ゴルフボール公認機関R&A(USGA)と同タイプの初速度計を使用し、R&A(USGA)ルールに従い測定したときの初速度(m/s)を測定した。
耐擦過傷性
ブリヂストン社製の製品名「X−WEDGE 03」(ロフト角52°)ノンメッキのものを打撃ロボットにセットし、フェイスをスクエアから約30°開き、ヘッドスピード(HS)を33m/sにて打撃。その表面状態を、3人のHDCP10以内のゴルファーが目視により観察し、下記の基準による評価により、その平均点数で表した。
5点:ボール表面が全く変化しないか、又はクラブフェース跡がわずかに残る程度
4点:クラブフェース跡がかなり残るが、カバー表面の毛羽立ちはない。
3点:表面が毛羽立ち、ささくれが目立つ。
2点:表面が毛羽立ち、亀裂がある。
1点:ディンプルが削り取られている。
打感(フィーリング)
ゴルフクラブ(W#1)を使用し、ヘッドスピードが35〜40m/sのアマチュアゴルファー10人により下記の基準により官能評価を行った。
○:10人中7人以上が良い打感。
△:5、6人が良い打感。
×:良い打感と感じた人が10人中4人以下。
表3、表4の結果を対比すると、本実施例1〜3のゴルフボールは、ボール反発性、耐擦過傷性及び打感に優れているのに対して、比較例1〜6のゴルフボールは、初速、打感または耐擦過傷性の少なくとも1項目が改善されていないことが分かる。

Claims (7)

  1. コアと最外層カバーと、これらの間に配置される中間層とを有するゴルフボールにおいて、前記コアが、(a)下記のように定義される応力緩和時間(T80)が1.5以上2.5以下の固形状ポリブタジエンが含まれる基材ゴムと、(b)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、(c)有機過酸化物と、を配合したゴム組成物の加熱成形物にて形成されると共に、前記中間層が、オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体のナトリウムイオン中和物(I)とオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体のマグネシウムイオン中和物(II)とをブレンドした樹脂材料を主成分として形成されてなり、その材料硬度がショアD硬度で55〜70、中間層の厚さが0.5〜2.5mmであり、かつ前記最外層カバーが非アイオノマー系樹脂材料を主成分として形成されてなり、その材料硬度がショアD硬度で35〜60、カバーの厚さが0.5〜2.0mmであることを特徴とするゴルフボール。
    [応力緩和時間(T80)]
    ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)である。
  2. 前記ゴム組成物が(d)有機硫黄化合物を含む請求項1記載のゴルフボール。
  3. 応力緩和時間(T80)1.5以上2.5以下の前記ポリブタジエンが前記基材ゴム中に占める割合が40質量%以上である請求項1又は2記載のゴルフボール。
  4. 応力緩和時間(T80)1.5以上2.5以下の前記ポリブタジエンが、希土類元素系触媒を用いて形成されたポリブタジエンである請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
  5. 応力緩和時間(T80)1.5以上2.5以下の前記ポリブタジエンが、希土類元素系触媒を用いた重合の後に末端変性されて形成されたポリブタジエンである請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール。
  6. 前記中間層の材料において、上記(I)材料と上記(II)材料との配合比が質量比で20/80〜80/20である請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール。
  7. 前記最外層カバーの非アイオノマー系樹脂材料が熱可塑性ポリウレタンエラストマーである請求項1〜6のいずれか1項記載のゴルフボール。
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