JP2002000768A - マルチピースソリッドゴルフボールの製造方法 - Google Patents

マルチピースソリッドゴルフボールの製造方法

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JP2002000768A
JP2002000768A JP2000189288A JP2000189288A JP2002000768A JP 2002000768 A JP2002000768 A JP 2002000768A JP 2000189288 A JP2000189288 A JP 2000189288A JP 2000189288 A JP2000189288 A JP 2000189288A JP 2002000768 A JP2002000768 A JP 2002000768A
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JP2000189288A
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Toshiaki Tanaka
聡明 田中
Yoshiyuki Okido
義之 大城戸
Hideki Sano
英起 佐野
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明により、外層の厚さが小さく均一な2
層コアを高い生産性で製造することができ、かつ優れた
反発性能および良好な耐久性を有するマルチピースソリ
ッドゴルフボールを提供する。 【解決手段】 本発明は、内層コア(1)と外層コア(2)と
から構成されるコア(4)、および該コアを被覆する1層
以上のカバー(3)から成り、(a)球状の内層コア(1)を形
成する工程、(b)該コアと同様の直径を有する半球状キ
ャビティを有するコア成形用金型の下金型の該キャビテ
ィに外層用組成物および該内層コアを投入し、該内層コ
アを該キャビティ内で回転させることにより、該内層コ
アの周りに該外層コア用組成物を付着させ、コア成形用
上下金型内で加熱プレスして2層構造を有するコア(4)
を形成する工程、および(c)該コア上にカバー(3)を被
覆する工程を含むことを特徴とするマルチピースソリッ
ドゴルフボールに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチピースソリ
ッドゴルフボールの製造方法、特に外層の厚さが小さく
て均一な2層コアを高い生産性で製造することができ、
かつ優れた反発性能および良好な耐久性を有するマルチ
ピースソリッドゴルフボールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、市販されているゴルフボールに
は、ツーピースゴルフボールやスリーピースゴルフボー
ル等のソリッドゴルフボールと糸巻きゴルフボールとが
ある。近年、ソリッドゴルフボールは従来の糸巻きゴル
フボールと同等のソフトな打球感を維持したまま、優れ
た飛距離を有するなど優れた性能を有するようになり、
市場においても大半を占めるようになった。またスリー
ピースゴルフボールに代表されるマルチピースゴルフボ
ールにおいては、ツーピースゴルフボールに比較して、
多種の硬度分布を得ることができ、更に優れた性能を有
するゴルフボールが提供されている。
【0003】しかしながら、ゴルフボールの性能の向上
に対する要求はますます高まっており、更にコアの硬度
分布が複雑化し、例えば内核および外層から成る2層コ
アの外層が非常に薄いものも当然必要となってくる。そ
のような薄い外層を成形する場合、以下のような方法が
用いられていた。 1)流動性の高い熱可塑性または熱硬化性樹脂を内核の
外側に射出成形またはプレス成形する方法(例えば、特
開平8-47553号公報)。 2)内核をラテックスにディップして成形する方法(例
えば、米国特許第5,989,136号)。 3)外層用ゴム組成物を用いて予め半球殻状半加硫成形
物を作製しておき、未加硫の内核用ゴム成形物を2つの
上記半球殻状半加硫成形物で挟み、加熱プレスすること
により一体成形する方法(例えば、特開平11-70188号公
報)。
【0004】上記の方法はそれぞれ以下のような欠点を
有していた。 1)成形方法としては一般的に用いられている方法であ
るが、外層が非常に薄いために、溶融粘度が低くて流動
性の高い熱可塑性または熱硬化性樹脂を用いることによ
り、得られるゴルフボールの反発性能および耐久性が低
下する。 2)ラテックスを用いた成形物は、ゴルフボールに用い
るには硬度が非常に低く、また内核との密着性が悪いた
めに、得られるゴルフボールの反発性能が低下し、また
耐久性が低下する。 3)未加硫であるため内核用ゴム組成物の加硫時の熱膨
張が大きく、2つの外層用半球殻状成形物のシーム(接
合部)付近で外層が薄くなり、外層厚さの均一性に欠け
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来のマルチピースソリッドゴルフボールの製造方法
の有する問題点を解決し、外層の厚さが小さくて均一な
2層コアを高い生産性で製造することができ、かつ優れ
た反発性能および良好な耐久性を有するマルチピースソ
リッドゴルフボールの製造方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(i)コアと同様の
直径を有する半球状キャビティを有する上下金型から成
るコア成形用金型の下金型のキャビティ内に外層用組成
物および内層コアを投入し、(ii)内層コアを上記コア成
形用下金型のキャビティ内で回転させることにより、上
記内層コアの周りに上記外層コア用組成物を付着させ、
(iii)上記コア成形用上金型を配置し、(iv)コア成形用
上下金型内で加熱プレスして2層コアを形成する方法を
用いることによって、外層コアの厚さが小さくて均一な
2層コアを高い生産性で製造することができ、かつ優れ
た反発性能および良好な耐久性を有するマルチピースソ
リッドゴルフボールが得られることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、内層コア(1)と該内層コ
アの周りに被覆される加硫ゴム成形物から成る外層コア
(2)とから構成されるコア(4)、および該コアを被覆する
1層以上のカバー(3)から成るマルチピースソリッドゴ
ルフボールの製造方法において、(a)球状の内層コア
(1)を形成する工程、(b)(i)該コア(4)の直径に設定
された直径を有する半球状キャビティを有する上下金型
から成るコア成形用金型の下金型の該キャビティに外層
用組成物および該内層コアを投入する工程、(ii)該内層
コアを該コア成形用下金型のキャビティ内で回転させる
ことにより、該内層コアの周りに該外層コア用組成物を
付着させる工程、(iii)該外層コア用組成物を周りに付
着させた内層コアが、該コア成形用上下金型のキャビテ
ィ内に収まるように、該コア成形用上金型を配置する工
程、および(iv)該コア成形用上下金型内で加熱プレスす
る工程から成る2層構造を有するコア(4)を形成する工
程、および(c)該コア上にカバー(3)を被覆する工程を
含むことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボー
ルの製造方法に関する。
【0008】更に、本発明を好適に実施するために、上
記工程(b)が、該コア成形用下金型のキャビティに該外
層コア用組成物を投入し、次いで該内層コアを投入する
ことにより行われ、上記外層コア用組成物が、基材ゴム
100重量部に対して、共架橋剤25〜40重量部および有機
過酸化物1〜5重量部を含有するゴム組成物から成り、
かつ基材ゴムが液状ポリブタジエン50重量%以上を含有
し、上記外層コア(2)が厚さ0.1〜1.0mmを有することが
好ましい。
【0009】以下、図1を用いて本発明のゴルフボール
を更に詳しく説明する。図1は本発明のゴルフボールの
1つの態様の概略断面図である。図1に示すように、本
発明のゴルフボールは、内層コア(1)と該内層コア上に
形成された外層コア(2)とから成るコア(4)と、該コア
(4)を被覆する1層以上のカバー(3)とから成る。但し、
図1では説明をわかりやすくするため、1層のカバー
(3)を有するゴルフボール、即ちスリーピースソリッド
ゴルフボールとした。
【0010】次に、本発明のマルチピースソリッドゴル
フボールの製造方法を以下に詳しく説明する。本発明の
マルチピースソリッドゴルフボールの製造方法は、大き
く分けると、前述のように(a)内層コア(1)を形成する
工程、(b)2層構造を有するコア(4)を形成する工程、
および(c)コア上にカバー(3)を被覆する工程の3工程
である。
【0011】(a)内層コア(1)用のゴム組成物を混練ロ
ール等の適宜の混練機を用いて均一に混練し、金型内で
加硫成形することにより球状の内層コア(1)を得ること
ができる。この際の条件は特に限定されないが、通常は
130〜240℃、圧力2.9〜11.8MPa、15〜60分間で行われ
る。
【0012】次に、コア(4)の製造工程を図2を用いて
詳しく説明する。図2は、2層構造を有するコアの製造
工程(b)を模式的に示した経路図である。図2に示すよ
うに、まず(i)コアの直径に設定された直径を有する半
球状キャビティを有する上下金型から成るコア成形用金
型の下金型の半球状キャビティーに、外層コアとなる外
層コア用ゴム組成物(5)および上記のようにして得られ
た内層コア(1)を投入する。次いで、(ii‐1)上記内層コ
ア(1)を上記キャビティ内で回転させることによって、
(ii‐2)内層コアの周りに外層コア用ゴム組成物(5)を付
着させる。
【0013】上記内層コア(1)を回転させる方法として
は、1本以上のニードル(6)を用いて内層コアを引っ掛
けて回転させる方法、内層コアに平坦面を接触させて平
行移動することにより回転させる方法、ローラーを内層
コアに接触させながら回転させることにより内層コア
(1)を回転させる方法等を用いることが可能であるが、
内層コアを確実に回転させることができ、作業性の良好
なニードル(6)を用いる方法が好ましい。更に、上記外
層コア用組成物は、上記のように内層コア(1)を回転さ
せることによって、内層コア表面のほぼ全面、少なくと
も8割以上が均一に被覆されるのに十分な粘度を有する
ことが好ましい。
【0014】尚、上記コアの製造工程(b)における金型
温度については、内層コアに外層コア用ゴム組成物を付
着させてからコアの加硫温度に昇温してもよいが、量産
時の連続工程を想定して、外層コア用ゴム組成物の投入
時からコアの成形加硫温度、またはそれに近い温度に達
していることが好ましい。
【0015】次に、(iii)上記のようにして得られた外
層コア用組成物(5)を周りに付着させた内層コア(1)が、
コア成形用上下金型のキャビティ内に収まるように、コ
ア成形用上金型を配置して、(iv)コア成形用上下金型内
で130〜200℃で1〜20分間、加熱プレスすることにより
2層構造を有するコア(4)を形成する。尚、本発明のマ
ルチピースソリッドゴルフボールの製造方法において
は、(b)-(iii)の工程で、内層コア(1)の位置決め用の
ホールドピンをコア成形用金型に設けてもよい。
【0016】本発明のゴルフボールの内層コア(1)およ
び外層コア(2)は、基本的には両者共に、基材ゴム、共
架橋剤、有機過酸化物、有機硫黄化合物、充填材、必要
に応じて老化防止剤等を含有するゴム組成物から成るの
で、ここに一度に説明する。
【0017】本発明の内層コア(1)に用いられる基材ゴ
ムとしては、従来からソリッドゴルフボールに用いられ
ている天然ゴムおよび/または合成ゴムが用いられ、特
にシス-1,4-結合少なくとも40%以上、好ましくは80%
以上を有するいわゆるハイシスポリブタジエンゴムが好
ましく、所望により、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、
スチレンポリブタジエンゴム(SBR)、エチレン-プ
ロピレン‐ジエンゴム(EPDM)等を配合してもよ
い。
【0018】本発明の外層コア用ゴム組成物は、前述の
方法により上記内層コア(1)の周りに好適に付着させる
ため、適当な粘度を有するようにするのが良く、例えば
本発明の外層コア(2)に用いられる基材ゴムとしては、
液状ポリブタジエンゴムが好ましい。また、所望により
上記液状ポリブタジエンゴムには、天然ゴム、ポリイソ
プレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム(SBR)、
エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、ポリブ
タジエンゴム、特に好ましくはシス‐1,4‐結合80%以
上を有するポリブタジエンゴム等を配合してもよい。使
用する場合、配合量は、基材ゴム総重量に対して、液状
ポリブタジエンゴムが50重量%以上、好ましくは70〜99
重量%、より好ましくは85〜98重量%となるようにする
ことが好ましい。上記液状ポリブタジエンゴムの配合量
が50重量%未満では、外層コア用ゴム組成物の粘度が高
くなり過ぎて均一な厚さで成形することができない。
【0019】上記液状ポリブタジエンゴムは、B型回転
粘度計による23℃での粘度500〜50000mPa・s、好ま
しくは1000〜30000mPa・s、より好ましくは1000〜5
000mPa・sを有することが望ましい。上記粘度が500
00mPa・sより高くなると、前述の外層コア用ゴム組
成物(5)を付着させる工程(b)‐(ii)において内層コア
を回転させにくくなったり、内層コアの周りに均一に付
着させにくくなって外層コアの厚さが不均一になる。50
0mPa・sより低くなると、重力により付着させた外
層コア用ゴム組成物が垂れ下がって外層コアの厚さが不
均一になる。
【0020】上記液状ポリブタジエンゴムは、数平均分
子量500〜10000、好ましくは700〜5000、より好ましく
は1000〜4000を有することが望ましい。上記数平均分子
量が、500未満となると、粘度が低くなり過ぎて前述の
外層コア用ゴム組成物(5)を付着させる工程(b)‐(ii)
において外層コア用ゴム組成物の垂れが大きくなり過ぎ
て外層コアの厚さが不均一となる。上記数平均分子量が
10000を超えると、粘度が高くなり過ぎて、上記付着工
程における内層コアの回転が行いにくくなって生産性が
低下したり、外層コアの厚さが不均一となったりし易
い。
【0021】上記液状ポリブタジエンゴムの例として
は、外層コア用ゴム組成物が上記粘度を満足するような
未加硫および常温状態で液体状態を示すポリブタジエン
ゴムであれば限定されないが、例えば日本ゼオン(株)か
ら商品名「ポリオイル(Polyoil)」(具体的には、「ポ
リオイル130」、「ポリオイル110」等)で市販の液状ポ
リブタジエンゴム、日本石油化学(株)から「日石ポリブ
タジエンB‐3000」で市販の液状ポリブタジエンゴム等
が挙げられる。
【0022】共架橋剤は特に限定されないが、アクリル
酸またはメタクリル酸等のような炭素数3〜8のα,β-
不飽和カルボン酸の、亜鉛、マグネシウム等の一価また
は二価の金属塩が好ましく、特に高い反発性を付与する
アクリル酸亜鉛が好適である。配合量は、基材ゴム100
重量部に対して、内層コア(1)では20〜40重量部、好ま
しくは25〜35重量部であり、外層コア(2)では25〜40重
量部、好ましくは28〜38重量部である。内層コアでの20
重量部および外層コアでの25重量部より少ないと軟らか
くなり過ぎて反発が悪くなり飛距離が低下し、内層コア
での40重量部および外層コアでの40重量部より多いと硬
くなり過ぎてフィーリングが悪くなる。
【0023】有機過酸化物は架橋剤または硬化剤として
作用し、例えばジクミルパーオキサイド、1,1-ビス(t-
ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、
ジ-t-ブチルパーオキサイドが挙げられ、ジクミルパー
オキサイドが好適である。配合量は、基材ゴム100重量
部に対して、内層コア(1)では0.5〜2.5重量部、好まし
くは0.5〜2.0重量部であり、外層コア(2)では1.0〜5.0
重量部、好ましくは1.5〜4.5重量部である。内層コアで
の0.5重量部および外層コアでの1.0重量部未満では軟ら
かくなり過ぎて反発が悪くなり飛距離が低下する。内層
コアでの2.5重量部および外層コアでの5.0重量部を越え
ると硬くなり過ぎ、フィーリングが悪くなる。
【0024】更に本発明のゴルフボールのコアには、充
填材(例えば、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム等)、高比重金属粉末(例えば、タングステン粉末、
モリブデン粉末等)、有機硫黄化合物、老化防止剤また
はしゃく解剤、その他ソリッドゴルフボールのコアの製
造に通常使用し得る成分を適宜配合してもよい。尚、老
化防止剤は0〜1.0重量部、更に0.2〜0.5重量部が好ま
しい。
【0025】本発明のゴルフボールの内層コア(1)は、
直径36〜39mm、好ましくは37〜38mmを有する。上記直径
が、36mm未満の場合には反発性能を向上することができ
なくなり、39mmを超えると外層コアの厚さが小さくなり
過ぎて反発性能を向上することができなくなる。
【0026】本発明のゴルフボールの外層コア(2)は、
厚さ0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.9mm、より好ましく
は0.3〜0.8mmを有することが望ましい。次いで、(c)
上記のコア(4)上には、カバー(3)を形成する。
【0027】本発明のカバー(3)は、熱可塑性樹脂、特
にα‐オレフィンと炭素数3〜8個のα,β‐不飽和カ
ルボン酸の共重合体中のカルボン酸の一部を金属イオン
で中和したアイオノマー樹脂、またはその混合物が用い
られる。上記アイオノマー樹脂中のα‐オレフィンとし
ては、エチレン、プロピレンが好ましく、α,β‐不飽
和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸等が
好ましい。更に、中和する金属イオンとしては、アルカ
リ金属イオン、例えばNaイオン、Kイオン、Liイオン
等;2価金属イオン、例えばZnイオン、Caイオン、M
gイオン等;3価金属イオン、例えばAlイオン、Ndイ
オン等;およびそれらの混合物が挙げられるが、Naイ
オン、Znイオン、Liイオン等が反発性、耐久性等から
よく用いられる。アイオノマー樹脂の具体例としては、
それだけに限定されないが、ハイミラン1557、1605、16
52、1705、1706、1707、1855、1856(三井デュポンポリ
ケミカル社製)、サーリンAD8511、サーリンAD8512(デ
ュポン社製)、IOTEK 7010、8000(エクソン(Exxon)社
製)等を例示することができる。
【0028】更に、本発明のカバー(3)の好ましい材料
の例としては、上記のようなアイオノマー樹脂のみであ
ってもよいが、アイオノマー樹脂と特殊なエラストマー
や樹脂との組合せが好適に用いられる。それらの組合せ
の例としては、以下の3種が考えられる。(i)アイオノ
マー樹脂と酸変性熱可塑性エラストマーまたは末端にO
H基が付加した熱可塑性エラストマーと、エポキシ基を
含有するポリブタジエンブロックを有するSBS(スチ
レン-ブタジエン-スチレン)構造のブロック共重合体ま
たはエポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有
するSIS(スチレン-イソプレン-スチレン)構造のブ
ロック共重合体との加熱混合物、(ii)アイオノマー樹脂
とエチレン-不飽和カルボン酸エステル-不飽和カルボン
酸とから成る三元共重合体との加熱混合物、(iii)アイ
オノマー樹脂と無水マレイン酸変性熱可塑性エラストマ
ーとグリシジル基変性熱可塑性エラストマーとの加熱混
合物。
【0029】また、本発明において、上記カバー用組成
物には、主成分としての上記樹脂の他に必要に応じて、
硫酸バリウム等の充填材や二酸化チタン等の着色剤や、
その他の添加剤、例えば分散剤、老化防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤並びに蛍光材料または蛍光増白剤等を、
ゴルフボールカバーによる所望の特性が損なわれない範
囲で含有していてもよいが、通常、着色剤の配合量は0.
1〜0.5重量部が好ましい。
【0030】上記カバーを被覆する方法は、特に限定さ
れるものではなく、通常のゴルフボールのカバーを被覆
する方法で行うことができる。カバー用組成物を予め半
球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてコア
を包み、130〜170℃で1〜5分間加圧成形するか、また
は上記カバー用組成物を直接コア上に射出成形してコア
を包み込む方法が用いられる。
【0031】本発明のゴルフボールのカバー(3)は厚さ
1.0〜3.0mm、好ましくは1.0〜2.5mmを有することが好ま
しい。1.0mmより薄いとカバーの効果が十分に得られ
ず、3.0mmより厚いと、打撃時のフィーリングが悪くな
る。
【0032】そして、カバー成形時に、必要に応じて、
ボール表面にディンプルを形成し、また、カバー成形
後、ペイント仕上げ、スタンプ等も必要に応じて施し得
る。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0034】(内層コアの作製)以下の表1に示した配
合の内層コア用ゴム組成物を混練し、金型内160℃で20
分間加熱プレスして、直径37.4mmを有する内層コアを得
た。
【0035】
【表1】
【0036】(注1):JSR(株)から商品名「BR0
1」で市販のハイシスポリブタジエンゴム(シス‐1,4
‐ポリブタジエン含量96%) (注2):日本油脂(株)製ジクミルパーオキサイド
【0037】(実施例1)以下の表2に示した配合Aの
外層コア用ゴム組成物を、160℃に加熱した直径39.7mm
の半球状キャビティに6g投入し、その上に上記のよう
にして得られた内層コアを160℃に予熱して載せた。直
ちに内層コアをニードルで引っ掛けて回転させ、ほぼ全
面に外層コア用ゴム組成物を付着させて被覆し、金型を
閉じて5分間加硫成形して、10分間かけて金型を室温ま
で冷却して取り出し、直径38.4mmおよび外層コア厚さ0.
5mmを有するコアを得た。得られたコアの偏芯を測定し
たところ、0.1mm未満であった。試験方法は後述の通り
とした。
【0038】(比較例1)以下の表2に示した配合Bの
外層コア用ゴム組成物を、160℃に加熱した直径39.7mm
の半球状キャビティに3g投入し、上記のようにして得
られた室温の内層コアを所定の位置にセットし、3分間
保持した。次いで、もう一方の金型に室温の上記外層コ
ア用ゴム組成物を3g投入し、金型を閉じて5分間加硫
成形し、10分間かけて金型を室温まで冷却して取り出
し、直径38.4mmおよび外層コア厚さ0.5mmを有するコア
を得た。得られたコアの偏芯を測定したところ、0.3mm
であった。試験方法は後述の通りとした。また、外層コ
ア用ゴム組成物を押し流す力によって発生した内層コア
の歪によって、シーム(外層コア接合部)付近の外層コ
アが幅10mmにわたって薄く不均一になっていた。
【0039】
【表2】 (注3)日本ゼオン(株)から「ポリオイル130」で市販の液
状ポリブタジエンゴム (注4)日本油脂(株)から商品名「パーヘキサ3M」で市
販の1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)‐3,3,5‐トリメ
チルシクロヘキサン
【0040】(比較例2)上記のようにして得られた内
層コアを凝固剤としての硝酸カルシウム35%溶液にディ
ップして乾燥させた。次いで、以下の表3に示した配合
の外層コア用配合液に5秒間ディップし、100℃で30分
間乾燥した後、オーブン中130℃で1時間加硫した。得
られたコアの偏芯を測定したところ、0.3mmであった。
試験方法は後述の通りとした。また、外層コアは内層コ
アに接着しておらず、容易に剥がれる状態であった。
【0041】(比較例3)まず、前述の内層コア用ゴム
組成物を、押出機を用いて円筒状の未加硫内層コアに成
形する。次いで、直径39.6mmの半球状キャビティを有す
る半球状金型と内層コアと同形の直径38.6mmの半球凸部
を有する中子金型とを用いて、上記表2に示した配合B
の外層コア用ゴム組成物を、155℃で5分間加熱プレス
して、半球殻状外層コアを成形する。続いて、上下2つ
のコア用金型を用いて、上記未加硫内層コアを上記半球
殻状外層コア2個で挟んで、直径39.2mmの半球状キャビ
ティを有する金型内で160℃で20分間一体加硫成形し、
直径38.3mmのコアを得た。得られたコアの偏芯を測定し
たところ、0.3mmであった。試験方法は後述の通りとし
た。また、得られたコアは、上記半球殻状外層コアのシ
ーム(接合部)付近で、外層コアが幅約5mmにわたって
厚さが0.2mm小さくなって不均一となっていた。
【0042】
【表3】
【0043】(試験方法) 偏芯 2層構造を有するコアを金型内で成形し、得られたコア
を金型の合わせ面(シーム面)(図2−(iii)のα)、そ
れと直交する面(図2−(iii)のβ)にて4等分切断した
試料において、外層コアの厚さの最大部分および最小部
分における最大厚さおよび最小厚さを測定する。各ボー
ルについて外層コアの4試料中での最大厚さおよび最小
厚さの差を偏芯とした。
【発明の効果】本発明のマルチピースソリッドゴルフボ
ールの製造方法によれば、外層コアの厚さが非常に小さ
く均一な2層コアを高い生産性で製造することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のゴルフボールの1つの態様の概略断
面図である。
【図2】 本発明のゴルフボールの2層構造を有するコ
アの製造工程を模式的に示した経路図である。
【符号の説明】
1 … 内層コア 2 … 外層コア 3 … カバー 4 … コア 5 … 外層コア用ゴム組成物 6 … ニードル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層コア(1)と該内層コアの周りに被覆
    される加硫ゴム成形物から成る外層コア(2)とから構成
    されるコア(4)、および該コアを被覆する1層以上のカ
    バー(3)から成るマルチピースソリッドゴルフボールの
    製造方法において、 (a)球状の内層コア(1)を形成する工程、 (b)(i)該コア(4)の直径に設定された直径を有する半
    球状キャビティを有する上下金型から成るコア成形用金
    型の下金型の該キャビティに外層用組成物および該内層
    コアを投入する工程、 (ii)該内層コアを該コア成形用下金型のキャビティ内で
    回転させることにより、該内層コアの周りに該外層コア
    用組成物を付着させる工程、 (iii)該外層コア用組成物を周りに付着させた内層コア
    が、該コア成形用上下金型のキャビティ内に収まるよう
    に、該コア成形用上金型を配置する工程、および (iv)該コア成形用上下金型内で加熱プレスする工程から
    成る2層構造を有するコア(4)を形成する工程、および (c)該コア上にカバー(3)を被覆する工程を含むことを
    特徴とするマルチピースソリッドゴルフボールの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記工程(b)‐(i)が、該コア成形用下
    金型のキャビティに該外層コア用組成物を投入し、次い
    で該内層コアを投入することにより行われる請求項1記
    載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(a)が内層コア用のゴム組成物
    を加熱加圧することにより行われる請求項1〜2のいず
    れか1項記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記外層コア用組成物が、基材ゴム100
    重量部に対して、共架橋剤25〜40重量部および有機過酸
    化物1〜5重量部を含有するゴム組成物から成り、かつ
    基材ゴムが液状ポリブタジエン50重量%以上を含有する
    請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記外層コア(2)が厚さ0.1〜1.0mmを有
    する請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
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