JP2002248180A - マルチピースソリッドゴルフボールの製造方法 - Google Patents

マルチピースソリッドゴルフボールの製造方法

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JP2002248180A
JP2002248180A JP2002047530A JP2002047530A JP2002248180A JP 2002248180 A JP2002248180 A JP 2002248180A JP 2002047530 A JP2002047530 A JP 2002047530A JP 2002047530 A JP2002047530 A JP 2002047530A JP 2002248180 A JP2002248180 A JP 2002248180A
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core
mold
golf ball
cavity
vulcanizing
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Toshiaki Tanaka
聡明 田中
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、多層コアの偏心を著しく低減した
マルチピースソリッドゴルフボールの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明は、(a)コアの半球殻状の第(N+
1)層を未加硫状態のまま、最終的に該コアを加硫成形
する金型とは異なるキャビティ形状を有する予備成形用
の金型内で、第N層を包んで室温〜80℃で予備成形する
工程、および(b)該未加硫予備成形品を加硫金型内で140
〜170℃で加硫してコアを作製する工程を含む2以上の
ゴム組成物の層から成るコアと該コア上に形成されたカ
バーから成るマルチピースソリッドゴルフボールの製造
方法において、該予備成形用金型のキャビティの体積
を、該加硫金型のキャビティ体積の95%〜102%とする
ことを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボールの
製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2層以上の多層コ
アの偏心を著しく低減したマルチピースソリッドゴルフ
ボールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ソリッドゴルフボールは、糸巻きゴルフ
ボールでないゴルフボールであって、ゴム製の一体成形
されたコアとそのコアを被覆するカバーとから成ってい
る。最近、ゴルフボールの性能を向上するために種々の
改良がなされているが、ソリッドゴルフボールのコアを
2層以上の多層構造にする方法も提案されている。
【0003】ゴルフボールの性能の点からみると、ソリ
ッドゴルフボールのコアを多層構造にすることは優れた
方法であるが、製造上の観点からは偏心を起こさずに同
心円にゴム層を形成することは非常に難しい。多層コア
の作製工程としては、次の3つの方法が既に提案されて
いる。 (a)第(N+1)層を設けるときは、それよりも内側の部
分(第N層)を別に加硫成形してから第(N+1)層の金
型内の所定の位置に可動ホールドピンなどで固定し、第
(N+1)層を形成する材料を射出成形機またはトランス
ファー成形機により射出するとともに適当なタイミング
で前記ホールドピンを引き抜いて、そのまま加硫成形す
る方法、(b)第(N+1)層を、半球状凹型と半球状凸型
とを用いて半球殻状に半加硫し、または未加硫の状態で
シュリンクしない程度に一定時間加熱し半球殻状に成形
し、半球状凸型を除去後、半球殻状外層を半球状凹型に
つけたまま、別に加硫成形していた第N層をセットし、
加硫プレス成形する方法、いわゆる中子方式、(c)方法
(b)において、外層を半球殻状にせずに未加硫シート状
のまま用いる方法、等が用いられていた。
【0004】これらの方法は、例えば特開昭63-105774
号公報(方法(a))、特開平2-228978号公報(方法
(a))、特開平6-218077号公報(方法(a)、(b)および
(c))等に開示されている。しかしながら、これらの方
法においてはコアの第N層部分のずれを低減するために
作業性を犠牲にしており、実際の多層構造を有するゴル
フボールの製造に好適なものではなかった。
【0005】例えば、前記方法(a)においては、射出成
形機またはトランスファー成形機の金型内にて第N層を
可動ホールドピンで保持し、次いで外層材料の注入とと
もに上記ピンの引き抜きを行うために金型の構造が非常
に複雑となリコスト増を招き、注入時の圧力の限界によ
り1回のプレスでの取り数が少なくなって大量生産には
不向きであった。さらに可動ピンと金型のクリアランス
調整および管理が煩雑で、狭ければ摺動不良、広ければ
ゴムはみ出しなどの問題も生じていた。
【0006】前記方法(b)では、(a)の欠点である1回の
プレスでの取り数の少ないことや金型の問題は克服され
てはいるものの、外層を一旦半球殻状に成形したときに
は、その半球殻状外層は外層成形用の半球状凹型に付着
している必要があるにも拘わらず、半球状凸型の方に大
部分付着し、半球状凹型の方に移す作業が必要で、やは
り大量生産には採用できなかった。
【0007】方法(c)では、(b)の半球殻状外層成形の仕
込みをシート状に変更しただけで、同じ問題は残ってい
る。このように従来の方法(a)〜(c)は大量生産に致命的
な欠点を有していた。
【0008】そこで偏心を少なくしながら、表面凹みや
層間接着不良などを生じさせないで大量生産できる製造
方法として、(d)コアの半球殻状の第(N+1)層を未加
硫状態のまま、最終的にコアを加硫成形する金型とは異
なるキャビティ形状を有する予備成形用の金型内で、加
硫状態の第N層を包んで予備成形する方法、が提案され
ている。しかしながら、この予備成形方法では未加硫の
状態での成形工程を含むため、−旦成形した後に、ゴム
の残留応力によるシュリンクが生じ、2つの接着部分か
ら剥離、いわゆる口開きが生じ、偏心や作業性の低下を
招いていた。
【0009】そこで上記のような従来の予備成形方法で
は、偏心を防止するため以下のような方法を採ってい
た。 (1)予備成形品に口開きが生じないように (i)カバリング時のキャビティの動作を垂直とし接着面
積に偏りを生じないようにする。 (ii)キャビティ開口部テーパー角に制限を設ける。 (iii)キャビティ底部およびその近傍の曲率を2段階と
する。 (iv)使用する未加硫ゴムをあらかじめ熱入れして残留応
力を除いておく。あるいは (2)内核が所定の位置に固定されるようにキャビティ内
部に支持板を突設する。
【0010】1−iの方法は、図2に示すように予備成
形用の下金型に、例えば蝶番(11)を付けて二つ折れにな
るようにし、2つの第(N+1)層(9)の接着面積に偏り
を生じないようにして予備成形品の口開きを防止しよう
とするものである。図4に示すように、従来の予備成形
用金型のキャビティ形状(17)では、開口部テーパー角に
制限を設け(1−ii)、キャビティ底部およびその近傍
の曲率を2段階として(1−iii)、予備成形品の口開
きを防止しようとするものである。1−ivの方法によ
り、未加硫状態の第(N+1)層のゴムの残留応力による
シュリンクを抑制して、予備成形品の口開きを防止しよ
うとするものである。2の方法は、支持板により物理的
に第N層を固定して偏心を防止しようとするものであ
る。しかしながら、上記のような方法を用いても、偏心
について若干の改良は見られるものの、更に改善の余地
があった。
【0011】偏心の原因について詳細に調べたところ、
予備成形品を加硫金型に投入しプレスを閉めたときに生
じるゴム流れの不均一さであることがわかった。しかし
ながらこれを均一にするのは非常に困難である。
【0012】そこでゴム流れそのものを減少させること
が考えられる。しかしプレス加硫ではプレス締め切り時
にゴムを流して金型と製品の間のエアを逃がして製品を
金型に密着させなければならず、ゴム量を減少させるに
も限界がある。本発明では、偏心と製品表面の欠陥の無
いことの両方を満足するキャビティの体積について制限
を設ける。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来のマルチピースソリッドゴルフボールの製造方法の
有する問題を解決し、特に(d)の予備成形方法におい
て、2層以上の多層コアの偏心を著しく低減したマルチ
ピースソリッドゴルフボールの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成すべく鋭意検討を行った結果、予備成形方法による
多層コアの製造において、予備成形用金型と加硫金型の
キャビティ体積を特定の割合に規定することにより、偏
心を著しく低減した多層コアを製造することが可能であ
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0015】即ち、本発明は、(a)コアの半球殻状の第
(N+1)層を未加硫状態のまま、最終的に該コアを加硫
成形する金型とは異なるキャビティ形状を有する予備成
形用の金型内で、第N層を包んで予備成形する工程、お
よび(b)該予備成形品を加硫金型内で加硫してコアを作
製する工程を含む2以上のゴム組成物の層から成るコア
と該コア上に形成されたカバーから成るマルチピースソ
リッドゴルフボールの製造方法において、該予備成形用
金型のキャビティの体積を、該加硫金型のキャビティ体
積の95%〜102%とすることを特徴とするマルチピース
ソリッドゴルフボールの製造方法に関する。
【0016】本発明のマルチピースソリッドゴルフボー
ルの製造方法を、図1〜図4を用いて更に詳細に説明す
る。説明の簡略化のため、ここではコア内核(第N
層)、および該コア内核上に形成されるコア外層(第
(N+1)層)から成る2層コア(N=1)をカバーで被
覆したスリーピースソリッドゴルフボールの製造方法に
ついて説明する。図1は、本発明のゴルフボールの1つ
の態様の概略断面図である。図2は、本発明のゴルフボ
ールに用いるコア内核(第N層)成形用金型の1つの態
様の概略断面図である。図3は、本発明のゴルフボール
に用いるコアの予備成形工程を説明する経路図である。
図4は、本発明のゴルフボールの製造方法に用いる予備
成形用金型のキャビティ断面形状の1つの態様の概略図
である。図1に示すように、本発明のゴルフボールは、
コア内核(1)上にコア外層(2)を形成してなるコア(4)上
に、カバー(3)を形成する。
【0017】本発明のゴルフボールのコア内核(1)およ
びコア外層(2)は同様の材料から形成されるので、ここ
に一度に説明する。両者は共に、基材ゴム、共架橋剤、
有機過酸化物、充填材等を含有するゴム組成物から成
る。基材ゴムとしては、従来からソリッドゴルフボール
に用いられている天然ゴムおよび/または合成ゴムが用
いられ、特にシス-1,4-結合少なくとも40%以上、好ま
しくは80%以上を有するいわゆるハイシスポリブタジエ
ンゴムが好ましい。上記ポリブタジエンゴムには、所望
により、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリ
ブタジエンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(E
PDM)等を配合してもよい。
【0018】共架橋剤としては、α,β-不飽和カルボン
酸の金属塩、特にアクリル酸またはメタクリル酸等のよ
うな炭素数3〜8のα,β-不飽和カルボン酸の、亜鉛、
マグネシウム塩等の一価または二価の金属塩が挙げられ
るが、高い反発性を付与するアクリル酸亜鉛が好適であ
る。配合量は、コア内核(1)では、基材ゴム100重量部に
対して、10〜40重量部、好ましくは15〜35重量部であ
り、コア外層(2)では10〜40重量部、好ましくは15〜35
重量部である。コア内核(1)において40重量部またはコ
ア外層(2)において40重量部より多いと硬くなり過ぎ
て、打球感が悪くなる。コア内核(1)において10重量部
またはコア外層(2)において10重量部より少ないと反発
が悪くなり飛距離が低下する。
【0019】有機過酸化物は、架橋剤または硬化剤とし
て作用し、例えば例えばジクミルパーオキサイド、1,1-
ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘ
キサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、ジ-t-ブチルパーオキサイドが挙げられ、ジク
ミルパーオキサイドが好適である。配合量は、基材ゴム
100重量部に対して0.3〜5重量部、好ましくは0.5〜3
重量部である。0.3重量部未満では軟らかくなり過ぎて
反発が悪くなり飛距離が低下する。5重量部を越えると
硬くなり過ぎ、打球感が悪くなる。
【0020】充填材は、ゴルフボールのコアに通常配合
されるものであればよく、例えば無機塩(具体的には、
酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム)、高比重金
属粉末(例えば、タングステン粉末、モリブデン粉末
等)およびそれらの混合物が挙げられる。配合量は、基
材ゴム100重量部に対して5〜60重量部、好ましくは10
〜30重量部である。5重量部未満ではコアの重量が軽く
なり、その結果ボールの重量も軽くなり好ましくなく、
60重量部を越えるとコアの重量が重くなり、その結果ボ
ールの重量も重くなり過ぎる。
【0021】更に本発明のゴルフボールのコア内核およ
びコア外層には、老化防止剤またはしゃく解剤、その他
ソリッドゴルフボールのコアの製造に通常使用し得る成
分を適宜配合してもよい。尚、老化防止剤は、基材ゴム
100重量部に対して、0.2〜0.5重量部が好ましい。
【0022】本発明のコア内核(1)は、前述のゴム組成
物を通常用いられる混合機により混合し、ロール等の混
練機を用いて混練する。続いて、上記混練物を通常の方
法により、未加硫状態のプラグとして押出す。次いで、
通常のソリッドゴルフボールのコアの製造方法と同様に
して、上記未加硫プラグを、図2に示すような半球状キ
ャビティーを有する上下の金型を用いて、140〜170℃で
40〜15分間加硫プレスし、直径30〜38mmの球状のコア内
核(1)を作製する。
【0023】次に、コア外層(2)は、前述のコア内核(1)
と同様のゴム組成物を混合し、混練し、未加硫プラグを
作製して、図3に示すような、中子部分(6)を有する中
子金型(7)と予備成形用金型(8)を用いて、室温〜80℃
で、1キャビティ当たり0.1〜3tで2秒〜1分間プレ
スし、未加硫状態の半球殻状コア外層(9)を作製する。
【0024】次いで、上記のコア内核(1)を上記コア外
層(9)の中に投入し、上記予備成形用金型(8)を蝶番(11)
により二つ折りにして、コア内核(1)を2つのコア外層
(9)で挟み、型締めを行う。前述のように、予備成形用
金型(8)をこのような構造にすることにより、2つのコ
ア外層(9)の接着面積に偏りを生じないようにする。型
締めした後、室温〜80℃で、1キャビティ当たり0.1〜
3tで2秒〜1分間プレスし、エジェクタピン(12)を押
し出し、2層構造のコアの予備成形品(13)が得られる。
得られた予備成形品(13)のコア外層(9)部分は、未加硫
状態である。
【0025】上記予備成形品(13)を、従来からソリッド
ゴルフボールのコアの製造に用いられているコアプレス
を用いて、半球状キャビティーを有する上下の金型内で
140〜170℃で40〜15分間加硫プレスし、直径38〜40mmの
球状のコア(4)を作製する。
【0026】本発明のコアの予備成形用金型(8)のキャ
ビティの体積は、加硫金型のキャビティ体積の95%〜10
2%、好ましくは96%〜101%である。本発明の予備成形
用金型(8)のキャビティの体積が95%より小さいとボリ
ューム不足でコア表面にベア(エアだまり)が発生し、
102%より大きいとボリューム過多分のゴムがキャビテ
ィ外に流れる際に内核ずれを引き起こす。上記範囲内で
あれば、予備成形用金型(8)のキャビティの体積が、加
硫金型のキャビティ体積を下回る、即ち100%より小さ
い場合でも、加硫時の熱でゴムが熱膨張しているため加
硫成形品の表面にエアだまり等の欠陥は生じない。
【0027】本発明の予備成形用金型のキャビティ形状
を、図4を用いて更に詳細に説明する。図4に示すよう
に、コア内核の形状(15)と加硫金型の形状(16)に対し
て、本発明のコアの予備成形用金型のキャビティ形状(1
8)は、従来の予備成形用金型のキャビティ形状(17)と同
様に、金型の開口部にテーパー角をもたせ、キャビティ
底部およびその近傍の曲率を2段階として、予備成形品
の口開きを防止し、多層コアの偏心を低減する方法を用
いるものである。更に、本発明のコアの予備成形用金型
のキャビティ形状(18)では、従来の予備成形用金型のキ
ャビティ形状(17)よりキャビティ体積を小さくしてい
る。これにより、加硫成形時のゴム流れを減少させて、
ゴム流れの不均一さを低減し、加硫成形品表面に欠陥を
有することなく多層コアの偏心を低減することができ
る。
【0028】3層コア(N=2)を作製する場合には、
上記のように作製した2層コアをコア内核(第N層)と
して、コア外層(第(N+1)層)を上記と同様の方法に
より被覆して作製する。更に、4層以上のコアを作製す
る場合も、上記の方法を繰り返し行うことにより可能と
なる。
【0029】上記のようにして得られた2層構造を有す
るコア(4)上には、カバー(3)を被覆する。本発明のカバ
ーは、熱可塑性樹脂、特にα-オレフィンと炭素数3〜
8個のα,β-不飽和カルボン酸の共重合体中のカルボン
酸の一部を金属イオンで中和したアイオノマー樹脂、ま
たはその混合物が用いられる。上記アイオノマー樹脂中
のα-オレフィンとしては、エチレン、プロピレンが好
ましく、α,β-不飽和カルボン酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸等が好ましい。更に、中和する金属イ
オンとしては、アルカリ金属イオン、例えばNaイオ
ン、Kイオン、Liイオン等;2価金属イオン、例えば
Znイオン、Caイオン、Mgイオン等;3価金属イオ
ン、例えばAlイオン、Ndイオン等;およびそれらの混
合物が挙げられるが、Naイオン、Znイオン、Liイオ
ン等が反発性、耐久性等からよく用いられる。アイオノ
マー樹脂の具体例としては、それだけに限定されない
が、ハイミラン1557、1605、1652、1705、1706、1707、
1855、1856(三井デュポンポリケミカル社製)、サーリン
AD8511、サーリンAD8512(デュポン社製)、IOTEC 701
0、8000(エクソン(Exxon)社製)等を例示することができ
る。
【0030】また、本発明において、上記カバー用組成
物には、主成分としての上記樹脂の他に必要に応じて、
硫酸バリウム等の充填材や二酸化チタン等の着色剤や、
その他の添加剤、例えば分散剤、老化防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤並びに蛍光材料または蛍光増白剤等を、
ゴルフボールカバーによる所望の特性が損なわれない範
囲で含有していてもよいが、通常、着色剤の配合量は0.
5〜4重量部が好ましい。
【0031】本発明のカバー層は、ゴルフボールのカバ
ーの形成に使用されている一般に公知の方法を用いて形
成することができ、特に限定されるものではない。カバ
ー用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、そ
れを2枚用いてコアを包み、130〜170℃で1〜5分間加
圧成形するか、または上記カバー用組成物を直接コア上
に射出成形してコアを包み込む方法を用いてもよい。カ
バー形成方法の場合、作業性や製造効率から、射出成形
する方法が好ましい。カバーの厚さは1〜4mm、好まし
くは1.3〜2.7mmである。1mmより小さいとコアの反発力
が活かされず、また繰り返し打撃した場合にカバー割れ
が起こり易くなる欠点を有し、4mmより大きいと打球感
が悪くなる。更に、カバー成形時、必要に応じて、ディ
ンプルと呼ばれるくぼみを多数表面上に形成する。本発
明のゴルフボールは美観を高め、商品価値を上げるため
に、通常ペイント仕上げ、マーキングスタンプ等を施さ
れて市場に投入される。
【0032】本発明では、2層以上の多層コアの偏心を
著しく低減したマルチピースソリッドゴルフボールの製
造方法を提供し得る。
【0033】
【実施例】本発明を実施例を挙げて更に具体的に説明す
るが、これら実施例に限定されるものではない。
【0034】コア内核の作製 以下の表1に示した配合のゴム組成物を混合、混練し
て、金型内で加硫成形することにより、直径31.5mmの球
状のコア内核を作製した。加硫条件は、152℃で20分間
とした。
【0035】コア外層の作製 上記コア内核と同様の表1に示した配合のゴム組成物を
混合、混練し、押出機を通して、未加硫のプラグを作製
した。図3に示すような中子部分(6)を有する中子金型
(7)と予備成形用金型(8)を用いて、得られた未加硫プラ
グ(5)を25℃、1キャビティ当たり1tで0.5分間プレス
して、未加硫状態の厚さ2〜4mmの半球殻状のコア外層
(9)を作製した。次いで、上記のコア内核(10)を得られ
たコア外層(9)の中に投入し、予備成形用金型(8)を蝶番
(11)により二つ折りにして、コア内核(10)を2つのコア
外層(9)で挟み、型締めを行った。型締めした後、25
℃、1キャビティ当たり2tで0.5分間プレスし、エジ
ェクタピン(12)を押し出し、2層構造のコアの予備成形
品(13)を得た。用いた予備成形用金型のキャビティ体積
を測定し、その結果を表2および表3に示した。試験方
法は、後記の通りとした。
【0036】
【表1】
【0037】コアの作製(実施例1〜6および比較例1
〜4) 得られた予備成形品(13)を、従来からソリッドゴルフボ
ールのコアの製造に用いられているコアプレスを用い
て、半球状キャビティーを有する上下の加硫金型内で、
152℃で20分間加硫プレスし、直径39.1mmの球状の2層
構造のコア(4)を作製した。得られたコアのコア外層の
比重、重量および体積を測定し、得られたコアの偏心を
測定した。コア外層の比重は、コアをカットして比重計
で測定し、重量と体積は、予め測定したコア内核分をコ
アから差し引くことにより決定した。コアの偏心は、コ
アをX、YおよびZ方向でカットし、各コア外層厚さを
測定し、それぞれの偏りから三平方の定理で求めた。そ
の結果を表2(実施例)および表3(比較例)に示し
た。更に、加硫金型のキャビティ体積を測定し、上記の
予備成形金型との比を求め、その結果を同表に示した。
コアの偏心および加硫金型のキャビティ体積の試験方法
は以下の通りとした。
【0038】(試験方法) キャビティ体積 予備成形金型および加硫金型のキャビティ体積は、比重
1.2の硬化性液状シリコーンゴムを流し込んで硬化させ
てから取り外し、重量を測定し、重量/比重により求め
た。 偏心 コアの偏心は、コアをX、YおよびZ方向でカットし、
各コア外層厚さを測定し、それぞれの偏りから三平方の
定理で求めた。
【0039】(試験結果)
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】以上の結果より、コア作製時の予備成形用
金型のキャビティ体積が加硫金型のキャビティ体積の95
%〜102%である本発明のゴルフボールのコア(実施例
1〜6)は、比較例1〜4のコアに比較して、偏心が非
常に小さく、また成形品表面に欠陥を有さない。これに
対して、比較例1および2のコアは、予備成形用金型の
キャビティ体積と加硫金型のキャビティ体積の比が大き
いため、加硫成形時のゴム流れが多くて、コアの偏心が
非常に大きかった。比較例3および4のコアは、予備成
形用金型のキャビティ体積と加硫金型のキャビティ体積
の比が小さいため、ゴム流れが不足し、ベアが生じ、成
形品表面に欠陥を有した。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、多層コアの偏心を著し
く低減したマルチピースソリッドゴルフボールの製造方
法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のゴルフボールの1つの態様の概略断
面図である。
【図2】 本発明のゴルフボールに用いるコア内核(第
N層)成形用金型の1つの態様の概略断面図である。
【図3】 本発明のゴルフボールに用いるコアの予備成
形品の製造方法の1つの態様を説明する概略経路図であ
る。
【図4】 本発明のゴルフボールの製造方法に用いる予
備成形用金型のキャビティ形状の1つの態様の概略断面
図である。
【符号の説明】
1 … コア内核 2 … コア外層 3 … カバー 4 … コア 5 … 未加硫プラグ 6 … 中子部分 7 … 中子金型 8 … 予備成形金型 9 … 半球殻状コア外層 10 … コア内核 11 … 蝶番 12 … エジェクタピン 13 … 予備成形品 14 … コアプレス 15 … コア内核の形状 16 … 加硫金型のキャビティ形状 17 … 従来の予備成形用金型のキャビティ形状 18 … 本発明の予備成形用金型のキャビティ形状

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)コアの半球殻状の第(N+1)層を未
    加硫状態のまま、最終的に該コアを加硫成形する金型と
    は異なるキャビティ形状を有する予備成形用の金型内
    で、第N層を包んで室温〜80℃で予備成形する工程、お
    よび (b)該未加硫予備成形品を加硫金型内で140〜170℃で加
    硫してコアを作製する工程を含む2以上のゴム組成物の
    層から成るコアと該コア上に形成されたカバーから成る
    マルチピースソリッドゴルフボールの製造方法におい
    て、該予備成形用金型のキャビティの体積を、該加硫金
    型のキャビティ体積の95%〜102%とすることを特徴と
    するマルチピースソリッドゴルフボールの製造方法。
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