JP2009011431A - ゴルフボール - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明のゴルフボールは、ボール全体の反発性に非常に優れており、軟らかな心地良い打球感と優れた耐擦過傷性とを兼ね備えたものであり、その上、白色度の高い外観を呈するものである。
【選択図】なし
Description
〔1〕コアと1層又は複数層のカバーを有するゴルフボールにおいて、前記コアが、(a)下記のように定義される応力緩和時間(T80)が3.5以下のポリブタジエンが含まれる基材ゴムと、(b)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、(c)有機過酸化物と、を配合したゴム組成物の加熱成形物にて形成されると共に、前記カバーを構成する少なくとも1層が、(A)ベース樹脂100質量部と、(B)分岐型飽和脂肪酸又はその誘導体1〜40質量部とを必須成分とする混合物を成形して得られた材料にて形成されることを特徴とするゴルフボール。
[応力緩和時間(T80)]
ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)である。
〔2〕前記ゴム組成物が(d)有機硫黄化合物を含む〔1〕記載のゴルフボール。
〔3〕応力緩和時間(T80)3.5以下の前記ポリブタジエンが前記基材ゴム中に占める割合が40質量%以上である〔1〕又は〔2〕記載のゴルフボール。
〔4〕応力緩和時間(T80)3.5以下の前記ポリブタジエンが、希土類元素系触媒を用いて形成されたポリブタジエンである〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔5〕応力緩和時間(T80)3.5以下の前記ポリブタジエンが、希土類元素系触媒を用いた重合の後に末端変性されて形成されたポリブタジエンである〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔6〕前記(A)成分及び(B)成分を必須成分とする混合物に、前記(A)及び(B)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物を配合した〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔7〕前記(A)成分であるベース樹脂が、下記の(A1)〜(A4)から選ばれる1種または2種以上である〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
(A1)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体
(A2)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体
(A3)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属イオン中和物
(A4)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物。
〔8〕前記(A)成分であるベース樹脂が、(A1)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又は(A3)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属イオン中和物である〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔9〕前記カバーのうち最外層が、前記(A)成分及び(B)成分を必須成分とする混合物を成形して得られた材料にて形成される〔1〕〜〔8〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔10〕前記(B)成分である分岐型飽和脂肪酸が、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソパルミチン酸、イソミリスチン酸、イソヘプタン酸の群から少なくとも1種選ばれる〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
また、本発明のゴルフボールによれば、飛び性能を良好に維持しつつ、軟らかな心地良い打球感と優れた耐擦過傷性とを兼ね備えたものであり、そのうえ、白色度の高い外観を呈するものである。
本発明のゴルフボールは、コアと1層又は複数層のカバーを有するものであり、コアは1層のみならず、必要により、2層以上に構成することもできる。前記コアは、次の(a)〜(c)成分、
(a)下記のように定義される応力緩和時間(T80)が3.5以下のポリブタジエン(以下、「BR1」と略記することがある。)が含まれる基材ゴム、
(b)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩、
(c)有機過酸化物、
を配合したゴム組成物の加熱成形物にて形成される。
ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)。
(d)有機硫黄化合物
を配合することが好適である。
(A1)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体
(A2)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体
(A3)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属イオン中和物
(A4)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物
下記表1に示すポリブタジエンを主成分とするコア材料を用いて、直径36.6mm、重量31.3g、たわみ変形量3.6mm又は3.7mmに調整したソリッドコアを作成した。なお、この変形量の値は、コアに対して初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでの変形量を測定した値である。
・ポリブタジエンゴム:商品名「EC140」(ファイアストンポリマー社製)
Nd系触媒により重合/ムーニー粘度「43」/T80値:2.3
・ポリブタジエンゴム:商品名「BR51」(JSR社製)
Nd系触媒により重合/ムーニー粘度「39」/T80値:5.0
・ポリブタジエンゴム:商品名「BR60」(POLIMERI Srl社製)
Nd系触媒により重合/ムーニー粘度「57」/T80値:4.6
・ポリブタジエンゴム:商品名「BR01」(JSR社製)
Ni系触媒により重合/ムーニー粘度「48」/T80値:8.4
・過酸化物:ジクミルパーオキサイド 商品名「パークミルD」(日本油脂社製)
・酸化亜鉛:堺化学社製 商品名「三種酸化亜鉛」、平均粒径0.6μm(空気透過法)
・老化防止剤:商品名「ノクラックNS−6」(大内新興化学工業社製)
・アクリル酸亜鉛:日本触媒社製
・ステアリン酸亜鉛:商品名「ジンクステアレートG」(日本油脂社製)
・AM7331:Naイオン中和エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体
のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製)
・ダイナロン6100P:水添ポリマー(オレフィン系熱可塑性エラストマー)
(JSR社製)
・ベヘニン酸:商品名「NAA−222S」(粉末)(日本油脂社製)
・水酸化カルシウム:商品名「CLS−B」(白石カルシウム社製)
・ステアリン酸カルシウム:商品名「ニッサンカルシウムステアレート」
(日本油脂社製)
・ステアリン酸亜鉛:商品名「ニッサンジンクステアレート」(日本油脂社製)
(1)商品名「ハイミラン1706」
三井デュポンポリケミカル社製 Znイオン中和 エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂(ショアD硬度64)
(2)商品名「ハイミラン1855」
三井デュポンポリケミカル社製 Znイオン中和 エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体のアイオノマー樹脂(ショアD硬度55)
(3)商品名「ハイミラン1557」
三井デュポンポリケミカル社製 Znイオン中和 エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂(ショアD硬度59)
(4)商品名「AM7331」
三井デュポンポリケミカル社製 Naイオン中和 エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体のアイオノマー樹脂
(5)オレイン酸:商品名「NAA−300」(日本油脂社製)
(6)イソステアリン酸−N:日産化学工業(株)製の側鎖高級脂肪酸下記の化学構造式を有する。
(8)ステアリン酸マグネシウム:商品名「ニッサン マグネシウムステアレート」
(日本油脂社製)
(9)青色顔料:商品名「Ultramarine Blue EP−62」
(HOLLIDAY PIGMENTS社製)
(10)酸化チタン:商品名「タイペークR550」(石原産業社製)
メルトマスフローレート
JIS−K7210(試験温度190℃、試験荷重21N(2.16kgf))に従い測定した材料のメルトマスフローレート(またはメルトインデックス)。
ASTM D−2240に準じて測定したショアD硬度を表した。
ボールのたわみ変形量(mm)
ゴルフボールに対して初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでの変形量(mm)をもとめた。
ゴルフボール公認機関R&A(USGA)と同タイプの初速度計を使用し、R&A(USGA)ルールに従い測定したときの初速度(m/s)を測定した。
ブリヂストン社製の製品名「X−WEDGE 03」(ロフト角52°)ノンメッキのものを打撃ロボットにセットし、フェイスをスクエアから約30°開き、ヘッドスピード(HS)を33m/sにて打撃。その表面状態を、3人のHDCP10以内のゴルファーが目視により観察し、下記の基準による評価により、その平均点数で表した。
5点:ボール表面が全く変化しないか、又はクラブフェース跡がわずかに残る程度。 4点:クラブフェース跡がかなり残るが、カバー表面の毛羽立ちはない。
3点:表面が毛羽立ち、ささくれが目立つ。
2点:表面が毛羽立ち、亀裂がある。
1点:ディンプルが削り取られている。
目視検査により、下記基準でボール表面の白さを評価した。
○:白い
△:白さが足りない
×:黄色い
Claims (10)
- コアと1層又は複数層のカバーを有するゴルフボールにおいて、前記コアが、(a)下記のように定義される応力緩和時間(T80)が3.5以下のポリブタジエンが含まれる基材ゴムと、(b)不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、(c)有機過酸化物と、を配合したゴム組成物の加熱成形物にて形成されると共に、前記カバーを構成する少なくとも1層が、(A)ベース樹脂100質量部と、(B)分岐型飽和脂肪酸又はその誘導体1〜40質量部とを必須成分とする混合物を成形して得られた材料にて形成されることを特徴とするゴルフボール。
[応力緩和時間(T80)]
ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)である。 - 前記ゴム組成物が(d)有機硫黄化合物を含む請求項1記載のゴルフボール。
- 応力緩和時間(T80)3.5以下の前記ポリブタジエンが前記基材ゴム中に占める割合が40質量%以上である請求項1又は2記載のゴルフボール。
- 応力緩和時間(T80)3.5以下の前記ポリブタジエンが、希土類元素系触媒を用いて形成されたポリブタジエンである請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 応力緩和時間(T80)3.5以下の前記ポリブタジエンが、希土類元素系触媒を用いた重合の後に末端変性されて形成されたポリブタジエンである請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 前記(A)成分及び(B)成分を必須成分とする混合物に、前記(A)及び(B)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物を配合した請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 前記(A)成分であるベース樹脂が、下記の(A1)〜(A4)から選ばれる1種または2種以上である請求項1〜6のいずれか1項記載のゴルフボール。
(A1)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体
(A2)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体
(A3)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属イオン中和物
(A4)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物。 - 前記(A)成分であるベース樹脂が、(A1)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又は(A3)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属イオン中和物である請求項1〜7のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 前記カバーのうち最外層が、前記(A)成分及び(B)成分を必須成分とする混合物を成形して得られた材料にて形成される請求項1〜8のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 前記(B)成分である分岐型飽和脂肪酸が、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソパルミチン酸、イソミリスチン酸、イソヘプタン酸の群から少なくとも1種選ばれる請求項1〜9のいずれか1項記載のゴルフボール。
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