以下この発明のいくつかの実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明による三相ブラシレスモータの制御装置の実施の形態1における三相ブラシレスモータの構成説明図である。図2は、実施の形態1の三相ブラシレスモータにおける位置検出信号発生装置の構成説明図である。図3は、実施の形態1の三相ブラシレスモータの制御装置を示す電気回路図である。図4は、実施の形態1の三相ブラシレスモータの制御装置における演算処理回路の内部構成を示すブロック図である。図5は、実施の形態1の動作説明用タイミング図である。
実施の形態1の三相ブラシレスモータの制御装置は、三相ブラシレスモータ10と、その制御回路100を含む。三相ブラシレスモータ10は、例えば、車両用パワーステアリング制御装置に利用される。具体的には、三相ブラシレスモータ10により油圧を発生し、その油圧に基づいて車両用のステアリングホイールに対するアシストトルクを発生する。
三相ブラシレスモータ10は周知であるが、図1、図2を参照して、その概要を説明する。三相ブラシレスモータ10は、M極Nスロットの三相ブラシレスモータであり、具体的には、M=6、N=9の6極9スロットの三相ブラシレスモータである。この三相ブラシレスモータ10は、ロータ20と、ステータ30と、位置検出信号発生装置40を含む。
ロータ20は、図1の矢印R方向に回転するものとする。このロータ20は、6つの永久磁石M1〜M6を、三相ブラシレスモータ10の中心軸Oを中心とする同一円周上に等間隔に配置したものである。これらの永久磁石M1〜M6の配置に、誤差が発生する場合があり、その場合には、着磁位置に誤差が生じる。永久磁石M1〜M6は、それぞれ60度の角度範囲を持って円弧状に構成され、円周上に互いに隣接して配置される。永久磁石M1〜M6は、それぞれロータ10の径方向に着磁される。3つの永久磁石M1、M3、M5は、外周がS極、内周がN極となるように着磁されるが、残る3つの永久磁石M2、M4、M6は、永久磁石M1、M3、M5とは逆極性に着磁され、外周がN極、内周がS極となるように着磁される。
永久磁石M1〜M6の相互間には、6個のエッジEa〜Efが形成される。エッジEaは、隣接する2つの永久磁石M1、M2の間に形成される。同様に、エッジEb〜Efは、それぞれ隣接する2つの永久磁石M2、M3の間、永久磁石M3、M4の間、永久磁石M4、M5の間、永久磁石M5、M6の間、および永久磁石M6、M1の間に形成される。
ステータ30は、ロータ20の外周に配置される。ステータ30は、9つのステータポール31〜39と、9つのステータコイルU1〜U3、V1〜V3、W1〜W3を含む。ステータコイルU1〜U3は、互いに並列接続され、U相コイルCUを構成する。ステータコイルV1〜V3は、互いに並列接続され、V相コイルCVを構成する。ステータコイルW1〜W3は、互いに並列接続され、W相コイルCWを構成する。U相コイルCU、V相コイルCV、W相コイルCWは、それぞれU端子、V端子、W端子に接続される。
ステータコイルU1〜U3、V1〜V3、W1〜W3には、周知の通り、それぞれ通電電流が供給される。ステータ30は、このステータコイルU1〜U3、V1〜V3、W1〜W3に供給される通電電流により駆動磁界を発生し、ロータ20に矢印R方向の駆動力を与える。ステータコイルU1〜U3、V1〜V3、W1〜W3に供給される通電電流は、それぞれ制御回路100により切替えられ、ロータ20に、その回転位置に対応した駆動力を与える。ステータコイルU1〜U3、V1〜V3、W1W3に供給される通電電流は、制御回路100により、それぞれ指定された通電切替えタイミングで、正負の両極性に切替え制御される。
ステータコイルU1〜U3、V1〜V3、W1〜W3は、中心軸Oを中心とする同一円周上に、互いに等しい角度間隔θで配置される。ステータポール31〜39も、互いに等しい角度間隔θで配置される。ステータコイルU1〜U3は、それぞれステータポール31、34、37に巻回される。ステータコイルU1〜U3は、互いに120度の角度間隔で配置される。ステータコイルV1〜V3は、それぞれステータポール39、33、36に巻回され、また、ステータコイルW1〜W3は、それぞれステータポール32、35、38に巻回される。ステータコイルV1〜V3、およびステータコイルW1〜W3も、それぞれ互いに120度の角度間隔で配置される。
三相ブラシレスモータ10は9スロットであるので角度間隔θは40度であるが、ロータ20が6極であるので、ステータコイルU1〜U3、V1〜V3、W1〜W3は、ロータ20が角度θe=20度回転する毎に、通電を切替える必要がある。
三相ブラシレスモータ10には、位置検出信号発生装置40が組み込まれる。この位置検出信号発生装置40は、図2に示すように、位置検出用ロータ41と、3つの位置センサPA、PB、PCと、位置検出信号発生器42を含む。位置検出用ロータ41は、三相ブラシレスモータ10のロータ20に直結され、このロータ20と同じ回転速度で、ロータ20と同じ方向に駆動される。位置検出用ロータ41は環状の磁石板として構成され、中心軸Oを中心として、この中心軸Oの周り配置される。この位置検出用ロータ41は、図2の紙面に垂直な方向に対向する一対の磁極面を有し、その一方の磁極面が符号41sで示される。位置検出用ロータ41は、中心軸Oの周りの同一円周上に、6つの永久磁石m1〜m6を互いに等間隔に配置したものである。これらの永久磁石m1〜m6の配置にも、誤差が生じる場合があり、この場合に着磁位置に誤差が生じる。永久磁石m1〜m6は、それぞれ60度の角度範囲を持って円弧状に構成され、円周上に互いに隣接して配置される。位置検出信号発生器40の永久磁石m1〜m6は、それぞれ位置検出用ロータ41の中心軸Oに平行な方向に着磁される。3つの永久磁石m1、m3、m5は、磁極面41sがS極、磁極面41sと対向する他の磁極面がN極となるように着磁されるが、残る3つの永久磁石m2、m4、m6は、永久磁石m1、m3、m5とは逆極性に着磁され、磁極面41sがN極、磁極面41sと対向する他の磁極面がS極となるように着磁される。
永久磁石m1〜m6の相互間には、6個のエッジea〜efが形成される。エッジeaは、隣接する2つの永久磁石m1、m2の間に形成される。同様に、エッジeb〜efは、それぞれ隣接する2つの永久磁石m2、m3の間、永久磁石m3、m4の間、永久磁石m4、m5の間、永久磁石m5、m6の間、および永久磁石m6、m1の間に形成される。
エッジea〜efは、中心軸Oの周りに、それぞれエッジEa〜Efと同じ角度位置に形成される。エッジeaは、エッジEaを中心軸Oと平行に延長した延長面上に形成される。同様に、エッジeb〜efも、それぞれエッジEb〜Efを中心軸Oと平行に延長した延長面上に形成される。
位置センサPA、PB、PCは、位置検出用ロータ41の磁極面41sに微小な空隙を介して対向する。これらの位置センサPA、PB、PCは、共通の回路基板上に配置される。位置センサPAは、中心軸Oから径方向に延びる延長線La上に配置される。同様に、位置センサPB、PCは、それぞれ中心軸Oから径方向に延びる延長線Lb、Lc上に配置される。延長線La、Lbの間の角度をθabとし、延長線Lb、Lcの間の角度をθbcとし、延長線Lc、Laの角度をθcaとする。角度θab、θbcは、それぞれ角度θと等しくなるように設計され、また、角度θcaは、240+θであり、等価的に角度θに等しくなるように設計される。しかし、位置センサPA、PB、PCの取付位置の誤差のために、角度θと少しずれる事態が発生する場合がある。
位置センサPA、PB、PCは、それぞれ例えば、ホール素子を用いて構成される。これらの位置センサPA、PB、PCは、位置検出用ロータ41が回転に伴ない、それぞれ位置検出用ロータ41の各永久磁石m1〜m6からの磁束の変化に対応して、センサ出力pA、pB、pCを発生する。位置検出信号発生器42は、センサ出力pA、pB、pCを受けて、位置センサPAに対応する出力信号SA、位置センサPBに対応する出力信号SB、および位置センサPAに対応する出力信号SCを発生する。位置センサPAに対応する出力信号SAは、エッジea〜efのそれぞれに対応する複数の位置検出信号p1、p2を含む。同様に、位置センサPBに対応する出力信号SBは、エッジea〜efのそれぞれに対応する複数の位置検出信号p3、p4を含む。また、位置センサPCに対応する出力信号SCは、エッジea〜efのそれぞれに対応する位置検出信号p5、p6を含む。位置センサPA、PB、PCは、互いに40度の角度間隔で配置され、永久磁石m1〜m6が互いに60度の角度間隔で配置される結果、位置検出信号p1〜p6は、互いにθe=20度の間隔で発生する。位置センサPA、PB、PCの取付位置の誤差、および位置検出用ロータ41の永久磁石m1〜m6の着磁位置の誤差は、これらの位置検出信号p1〜p6の発生タイミングにずれを発生させる。
なお、位置検出用ロータ41を特別に設けずに、ロータ20の一部分を位置検出用ロータ41に兼用することもできる。この場合、位置センサPA、PB、PCは、それぞれロータ20の外周面に微小な空隙を介して対向するように配置され、位置検出信号発生器42は、ロータ20の回転に対応して、出力信号SA、SB、SCを発生する。
図5(a)は位置センサPAに対応する出力信号SAを、図5(b)は位置センサPBに対応する出力信号SBを、また、図5(c)は位置センサPCに対応する出力信号SCをそれぞれ示す。図5の最上部に示すタイミング軸(横軸)は、ロータ20が図1の矢印R方向に一回転するときの回転位置P1〜P18を示す。図5に示す期間Tnは、ロータ20の一回転に相当し、期間Tn−1、Tn+1は、それぞれ期間Tnの前、後の期間に相当する。ロータ20の一回転の期間Tnにおいて、出力信号SAは、3つの位置検出信号p1と、3つの位置検出信号p2を含む。回転位置P1は、エッジeaが位置センサPAに対向した位置であり、この回転位置P1では、位置検出信号p1が発生する。回転位置P4は、エッジebが位置センサPAに対応した位置であり、この回転位置P4では、位置検出信号p2が発生する。同様に、回転位置P7、P13は、それぞれエッジec、eeが位置センサPAに対向した位置であり、これらの回転位置P7、P13では、位置検出信号p1がそれぞれ発生する。また、回転位置P10、P16は、それぞれエッジed、efが位置センサPAに対向した位置であり、これらの回転位置P10、P16では、位置検出信号p2がそれぞれ発生する。
ロータ20の一回転の期間Tnにおいて、出力信号SBは、3つの位置検出信号p3と、3つの位置検出信号p4を含む。回転位置P3は、エッジeaが位置センサPBに対向した位置であり、この回転位置P3では、位置検出信号p3が発生する。回転位置P6は、エッジebが位置センサPBに対応した位置であり、この回転位置P6では、位置検出信号p4が発生する。同様に、回転位置P9、P15は、それぞれエッジec、eeが位置センサPBに対向した位置であり、これらの回転位置P9、P15では、位置検出信号p3がそれぞれ発生する。また、回転位置P12、P18は、それぞれエッジed、efが位置センサPBに対向した位置であり、これらの回転位置P12、P18では、位置検出信号p4がそれぞれ発生する。
ロータ20の一回転の期間Tnにおいて、出力信号SCは、3つの位置検出信号p5と、3つの位置検出信号p6を含む。回転位置P5は、エッジeaが位置センサPCに対向した位置であり、この回転位置P5では、位置検出信号p5が発生する。回転位置P8は、エッジebが位置センサPCに対応した位置であり、この回転位置P8では、位置検出信号p6が発生する。同様に、回転位置P11、P17は、それぞれエッジec、eeが位置センサPCに対向した位置であり、これらの回転位置P11、P17では、位置検出信号p5がそれぞれ発生する。また、回転位置P14、P2は、それぞれエッジed、efが位置センサPCに対向した位置であり、これらの回転位置P14、P2では、位置検出信号p6がそれぞれ発生する。
3つの位置検出信号p1は、矢印Rで示す回転方向について、それぞれS極からN極に変化するエッジea、ec、eeが、位置センサPAと対向した回転位置P1、P7、P13において、それぞれ発生する。3つの位置検出信号p2は、矢印Rで示す回転方向について、それぞれN極からS極に変化するエッジeb、ed、efが位置センサPAに対向した回転位置P4、P10、P16において、それぞれ発生する。3つの位置検出信号p3は、矢印Rで示す回転方向について、それぞれS極からN極に変化するエッジea、ec、eeが、位置センサPBと対向した回転位置P3、P9、P15において、それぞれ発生する。3つの位置検出信号p4は、矢印Rで示す回転方向について、それぞれN極からS極に変化するエッジeb、ed、efが位置センサPBに対向した回転位置P6、P12、P18において、それぞれ発生する。3つの位置検出信号p5は、矢印Rで示す回転方向について、それぞれS極からN極に変化するエッジea、ec、eeが、位置センサPCと対向した回転位置P5、P11、P17において、それぞれ発生する。3つの位置検出信号p6は、矢印Rで示す回転方向について、それぞれN極からS極に変化するエッジeb、ed、efが位置センサPCに対向した回転位置P8、P14、P2において、それぞれ発生する。
回転位置P1〜P18について、隣接する2つの回転位置の間の角度間隔は、角度θeに対応しており、回転位置P1〜P18は、角度θeの間隔を置いて、順次位置付けられる。実施の形態1は、位置センサPA、PB、PCが40度の間隔で配置されるので、出力信号SA、SB、SCは、それぞれ期間Tnの中で、互いに40度だけずれて、3つの連続するサイクルを繰返す。回転位置P1〜P7の間では、位置検出信号p1、p6、p3、p2、p5、p4が、この順番で角度θeの間隔を置いて順次発生する。回転位置P7〜P13の間、および回転位置P13と次の期間Tn+1の回転位置1の間でも、それぞれ位置検出信号p1、p6、p3、p2、p5が、この順番で角度θeの間隔を置いて順次発生する。隣接する2つの位置検出信号の間には、それぞれ区間qが存在する。この区間qの長さは、角度θeに対応した同じ長さに設計されるが、位置センサPA、PB、PCの取付位置の誤差、または永久磁石m1〜m6、M1〜M6の着磁位置の誤差により、それぞれの区間qの長さにずれが生じる。
次に、実施の形態1における制御回路100について、図3、図4を参照して説明する。制御回路100は、図3に示すように、スイッチ回路110と、PWM制御回路120と、演算処理回路130を含む。
スイッチ回路110は、図3に示すように、直流電源端子D1、D2との間に、負荷電流検出抵抗DRと直列に接続される。直流電源端子D1は、正極側電源端子であり、直流電源端子D2は、負極側電源端子である。直流電電端子D2は、グランド接続される。直流電源端子D1、D2の間には、直流電源端子D1を正極性とする直流電源電圧Vが供給される。直流電源端子D1、D2の間には、平滑用キャパシタSCが接続される。
スイッチ回路110は、三相ブラシレスモータ10のステータ30のU端子、V端子、W端子に接続される。スイッチ回路110は、ステータ30のU端子に接続されるU相スイッチ電路111Uと、ステータ30のV端子に接続されるV相スイッチ電路111Vと、ステータ30のW端子に接続されるW相スイッチ電路111Wを含む。これらの各スイッチ電路111U、111V、111Wは、直流電源端子D1と負荷電流検出抵抗DRとの間に、互いに並列に接続される。ステータ30のU端子、V端子、W端子は、それぞれU相コイルCU、V相コイルCV、W相コイルCWの一端に接続される。U相コイルCU、V相コイルCV、W相コイルCWの各他端は、ともに中性点に接続される。結果として、U相コイルCU、V相コイルCV、W相コイルCWは、三相星形接続される。
U相スイッチ電路111Uには、高圧側のU相スイッチ素子UHと低圧側のU相スイッチ素子ULが直列に接続される。スイッチ素子UH、ULの中間接続点が、ステータ30のU端子に接続される。V相スイッチ電路111Vには、高圧側のV相スイッチ素子VHと低圧側のV相スイッチ素子VLが直列に接続される。スイッチ素子VH、VLの中間接続点が、ステータ30のV端子に接続される。W相スイッチ電路111Wには、高圧側のW相スイッチ素子WHと低圧側のW相スイッチ素子WLが直列に接続される。スイッチ素子WH、WLの中間接続点が、ステータ30のW端子に接続される。
各スイッチ素子UH、UL、VH、VL、WH、WLは、一対の主端子と制御端子を有する半導体スイッチで構成される。これらの各スイッチ素子UH、UL、VH、VL、WH、WLは、一対の主端子間に、どちらの方向にも通電電流を流し、その通電電流を制御端子により、オン、オフ制御する能力を持つ。このようなスイッチ素子は、例えばパワーMOSFETを用いて構成することができる。
PWM制御回路120は、スイッチ駆動信号SUH、SUL、SVH、SVL、SWH、SWLを発生し、これらのスイッチ駆動信号をスイッチ回路110のスイッチ素子UH、UL、VH、VL、WH、WLのそれぞれの制御端子に供給する。スイッチ素子UH、UL、VH、VL、WH、WLは、それぞれ対応するスイッチ駆動信号が、ハイレベルになった状態で、オン期間となり、また、対応するスイッチ駆動信号がロウレベルとなった状態でオフ期間となる。スイッチ素子UH、UL、VH、VL、WH、WLは、それぞれのオン期間およびオフ期間において、PWM制御されたパルス繰返し周波数でオン、オフ動作を繰返す。
スイッチ駆動信号SUH、SULは、それぞれU相スイッチ素子UH、ULの各制御端子に供給される。スイッチ駆動信号SVH、SVLは、それぞれV相スイッチ素子VH、VLの各制御端子に供給される。スイッチ駆動信号SWH、SWLは、それぞれW相スイッチ素子WH、WLの各制御端子に供給される。
高圧側のスイッチ素子UH、VH、WHに対するスイッチ駆動信号SUH、SVH、SWHが、図5(d)(e)(f)にそれぞれ示される。また、低圧側のスイッチ素子UL、VL、WLに対するスイッチ駆動信号SUL、SVL、SWLが、図5(g)(h)(i)にそれぞれ示される。これらのスイッチ駆動信号SUH、SUL、SVH、SVL、SWH、SWLは、対応する各スイッチ素子のオン期間およびオフ期間では、実際は、それぞれのパルスが、その単位時間当たりのパルスデューティが変化するようにPWM変調されるが、図面を簡単化するために、そのPWM制御を省略して図示している。
図5(d)に示すスイッチ駆動信号SUHは、図5(j)に示す複数の通電切替えタイミングtu1において、それぞれロウレベルからハイレベルに切替えられ、また複数の通電切替えタイミングtu2において、それぞれハイレベルからロウレベルに切替えられる。通電切替えタイミングtu1は、回転位置P6、P7の中間、回転位置P12、P13の中間、および回転位置P16と次の期間Tn+1の回転位置P1の中間に、それぞれ設定される。前の期間Tn−1の回転位置P18と回転位置P1の中間にも、通電切替えタイミングtu1が設定される。通電切替えタイミングtu2は、回転位置P3、P4の中間、回転位置P9、P10の中間、および回転位置P15、P16の中間に、それぞれ設定される。
図5(e)に示すスイッチ駆動信号SHVは、図5(j)に示す複数の通電切替えタイミングtv1において、それぞれロウレベルからハイレベルに切替えられ、また複数の通電切替えタイミングtv2において、それぞれハイレベルからロウレベルに切替えられる。通電切替えタイミングtv1は、回転位置P2、P3の中間、回転位置P8、P9の中間、および回転位置P14、P15の中間に、それぞれ設定される。通電切替えタイミングtv2は、回転位置P5、P6の中間、回転位置P11、P12の中間、および回転位置P17、P18の中間に、それぞれ設定される。
図5(f)に示すスイッチ駆動信号SHWは、図5(j)に示す複数の通電切替えタイミングtw1において、それぞれロウレベルからハイレベルに切替えられ、また複数の通電切替えタイミングtw2において、それぞれハイレベルからロウレベルに切替えられる。通電切替えタイミングtw1は、回転位置P1、P2の中間、回転位置P7、P8の中間、および回転位置P13、P14の中間に、それぞれ設定される。通電切替えタイミングtw2は、回転位置P4、P5の中間、回転位置P10、P11の中間、および回転位置P16、P17の中間に、それぞれ設定される。
スイッチ駆動信号SULは、図5(g)に示すように、複数の通電切替えタイミングtu1において、それぞれハイレベルからロウレベルに切替えられ、また複数の通電切替えタイミングtu2において、それぞれロウレベルからハイレベルに切替えられる。このスイッチ駆動信号SULは、スイッチ駆動信号SUHの反転信号である。スイッチ駆動信号SVLは、図5(h)に示すように、複数の通電切替えタイミングtv1において、それぞれハイレベルからロウレベルに切替えられ、また複数の通電切替えタイミングtv2において、それぞれロウレベルからハイレベルに切替えられる。このスイッチ駆動信号SVLは、スイッチ駆動信号SVHの反転信号である。スイッチ駆動信号SWLは、図5(i)に示すように、複数の通電切替えタイミングtw1において、それぞれハイレベルからロウレベルに切替えられ、また複数の通電切替えタイミングtw2において、それぞれロウレベルからハイレベルに切替えられる。このスイッチ駆動信号SWLは、スイッチ駆動信号SWHの反転信号である。
スイッチ素子UH、UL、VH、VL、WH、WLのそれぞれのオン、オフ動作に基づいて、U相コイルCU、V相コイルCV、W相コイルCWに対する通電状態が、切替えられる。U相コイルCU、V相コイルCV、W相コイルCWに対する通電電流が、切替えられる結果、三相ブラシレスモータ10は、ロータ10の回転位置に応じて駆動力を発生する。この三相ブラシレスモータ10に与えられる駆動力は、周知であるので、詳細な説明は省略する。
PWM制御回路120は、図4に示すように、演算処理回路130から通電切替えタイミング信号TUH、TUL、TVH、TVL、THW、TWLと、回転速度指令RIを受け、また、負荷電流検出抵抗DRから負荷電流検出信号ILを受けて、スイッチ駆動信号SUH、SUL、SVH、SVL、SWH、SWLを発生する。通電切替えタイミング信号TUH、TUL、TVH、TVL、TWH、TWLは、複数の通電切替えタイミングtu1、tv1、tw1、tu2、tv2、tw2を決定する。回転速度指令RIと負荷電流検出信号ILは、スイッチ素子UH、UL、VH、VL、WH、WLそれぞれのオン期間およびオフ期間において、スイッチ駆動信号SUH、SUL、SVH、SVL、SWH、SWLの単位時間当たりのパルスデューティをPWM制御するのに利用される。
演算処理回路130は、図4に示すように、通電切替えタイミング演算手段131と、時間間隔演算手段133と、時間間隔演算モード設定手段135と、回転速度指令演算手段137を有する。回転速度指令演算手段137は、三相ブラシレスモータ10に対する回転速度指令RIを出力する。実施の形態1では、三相ブラシレスモータ10は、油圧を制御して、車両のステアリングホイールに対するアシストトルクを与えるのに使用されるので、回転速度指令演算手段137には、車両の車速を表わす車速信号SVと、ステアリングホイールの操舵角を表わす操舵角信号Sθが与えられる。回転速度指令演算手段137は、車速信号SVと操舵角信号Sθに基づいて、三相ブラシレスモータ10に対する回転速度指令RIを演算し、この回転速度指令RIを出力する。この回転速度指令RIは、負荷電流検出信号ILとともにPWM制御回路120に供給される。
実施の形態1では、この発明の特徴として、演算処理回路130が、通電切替えタイミング演算手段131と、時間間隔演算手段133と、時間間隔演算モード設定手段135を有し、通電切替えタイミング演算手段131は、位置信号発生装置40の出力信号SA、SB、SCと、時間間隔演算手段133からの時間間隔信号Stに基づいて、通電切替えタイミング信号TUH、TUL、TVH、TVL、TWH、TWLを発生する。時間間隔演算モード設定手段135は、時間間隔演算モード指令TQを発生し、この時間間隔演算モード指令TQを時間間隔演算手段133に供給する。時間間隔演算手段133には、時間間隔演算モード指令TQと、位置信号発生装置40の出力信号SA、SB、SCが供給される。
前述の通り、位置検出信号p1、p6、p3、p2、p5、p4は、この順番に順次発生し、隣接する各2つの位置検出信号の間には、それぞれ区間qが存在する。時間間隔演算手段133は、p1、p6、p3、p2、p5、p4の順番で順次発生する位置検出信号の中で、連続するQ個の区間を加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyを順次選択し、これらの選択された2つの位置検出信号px、pyの間の時間間隔tを演算する。時間間隔演算モード指令TQは、選択された2つの位置検出信号px、pyの間の加算区間に含まれる区間数Qを設定する。
時間間隔演算モード設定手段135は、外部指令TO、回転速度指令RI、負荷電流検出信号ILのどれかを取込み、時間間隔演算モード指令TQを出力する。時間間隔演算モード設定手段135は、位置検出信号発生装置40の出力信号SA、SB、SCを取込むことが可能に構成される。
実施の形態1では、時間間隔演算モード設定手段135が、外部指令TOを取込み、この外部指令TOに基づいて、時間間隔演算モード指令TQを発生する。具体的には、実施の形態1では、時間間隔演算モード設定手段135は、外部指令TOに基づいて、時間間隔演算モード指令TQの区間数Qを2、すなわち、Q=2に設定する。言い換えれば、2つの位置検出信号px、pyの間の加算区間Aqに含まれる区間qの個数Qを2に設定する。この実施の形態1では、時間間隔演算手段133は、時間間隔演算モード指令TQに基づき、Q=2個の区間qを含む加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyを順次選択し、それらの位置検出信号px、pyの間の時間間隔tを順次演算して、時間間隔信号Stを出力する。
時間間隔演算手段133は、具体的には、複数の時間間隔t21〜t26を、ロータ20の一回転の期間Tn−1、Tn、Tn+1のそれぞれにおいて、繰返し18回に亘り演算し、これらの時間間隔t21〜t26を時間間隔信号Stとして、通電切替えタイミング演算手段131へ出力する。これらの時間間隔t21〜t26について具体的に説明する。
先ず時間間隔t21は、図5(a)に付記されたように、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P3における位置検出信号p3の間、回転位置P7における位置検出信号p1と回転位置P9における位置検出信号p3との間、および回転位置P13における位置検出信号p1と回転位置P15における位置検出信号p3との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t21は、それぞれQ=2、位置検出信号px=p1、py=p3と設定し、連続する2つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p1、p3を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t22は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P6における位置検出信号p4の間、回転位置P10における位置検出信号p2と回転位置P12における位置検出信号p4との間、および回転位置P16における位置検出信号p2と回転位置P18における位置検出信号p4との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t22は、それぞれQ=2、位置検出信号px=p2、py=p4と設定し、連続する2つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p2、p4を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t23は、図5(b)に付記されたように、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P5における位置検出信号p5の間、回転位置P9における位置検出信号p3と回転位置P11における位置検出信号p5との間、および回転位置P15における位置検出信号p3と回転位置P17における位置検出信号p5との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t23は、それぞれQ=2、位置検出信号px=p3、py=p5と設定し、連続する2つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p3、p5を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t24は、期間Tn−1の回転位置P18における位置検出信号p4と回転位置P2における位置検出信号p6の間、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P8における位置検出信号p6との間、および回転位置P12における位置検出信号p4と回転位置P14における位置検出信号p6との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t24は、それぞれQ=2、位置検出信号信号px=p4、py=p6と設定し、連続する2つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p4、p6を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t25は、図5(c)に付記されたように、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P7における位置検出信号p1の間、回転位置P11における位置検出信号p5と回転位置P13における位置検出信号p1との間、および回転位置P17における位置検出信号p5と次の期間Tn+1の回転位置P1における位置検出信号p1との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t25は、それぞれQ=2、位置検出信号px=p5、py=p1と設定し、連続する2つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p5、p1を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t26は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P4における位置検出信号p2の間、回転位置P8における位置検出信号p6と回転位置P10における位置検出信号p2との間、および回転位置P14における位置検出信号p6と回転位置P16における位置検出信号p2との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t26は、それぞれQ=2、位置検出信号信号px=p6、py=p2と設定し、連続する2つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p6、p2を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
複数の時間間隔t21は、それぞれ位置検出信号p1と位置検出信号p3との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t21は、位置センサPA、PBの間の角度θabに依存する。複数の時間間隔t22は、それぞれ位置検出信号p2と位置検出信号p4との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t22も、位置センサPA、PBの間の角度θabに依存する。複数の時間間隔t23は、それぞれ位置検出信号p3と位置検出信号p5との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t23は、位置センサPB、PCの間の角度θbcに依存する。複数の時間間隔t24は、それぞれ位置検出信号p4と位置検出信号p6との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t24も、位置センサPB、PCの間の角度θbcに依存する。複数の時間間隔t25は、それぞれ位置検出信号p5と位置検出信号p1との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t25は、位置センサPC、PAの間の角度θcaに依存する。複数の時間間隔t26は、それぞれ位置検出信号p6と位置検出信号p2との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t26も、位置センサPC、PAの間の角度θacに依存する。
通電切替えタイミング演算手段131は、複数の時間間隔t21〜t26と、複数の位置検出信号p1〜p6とに基づいて、複数の通電切替えタイミングtu2、tw2、tv2、tu1、tw1、tv1をそれぞれ決定する。具体的には、回転位置P3、P4の中間における通電切替えタイミングtu2は、回転位置P2における位置検出信号p6を基準として、この位置検出信号p6から経過時間{(t24/2)+(t21/4)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間(t24/2)は、期間Tn−1の回転位置P18における位置検出信号p4と回転位置P2における位置検出信号p6との間の時間間隔t24に1/2を乗算することにより得られる。また、前記時間(t21/4)は、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P3における位置検出信号p3との間の時間間隔t21に1/4を乗算することにより得られる。回転位置P9、P10の中間、および回転位置P15、P16の中間における各通電切替えタイミングtu2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t24と直前の時間間隔t21を用いて、経過時間{(t24/2)+(t21/4)}を演算し、直前の位置検出信号p6から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P4、P5の中間における通電切替えタイミングtw2は、回転位置P3における位置検出信号p3を基準として、この位置検出信号p3から経過時間{(t21/2)+(t26/4)}だけ経過したタイミングに設定される。前記時間(t21/2)は、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P3における位置検出信号p3との間の時間間隔t21に1/2を乗算することにより得られる。また、前記時間(t26/4)は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P4における位置検出信号p2との間の時間間隔t26に1/4を乗算することにより得られる。回転位置P10、P11の中間、および回転位置P16、P17の中間における各通電切替えタイミングtw2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t21と直前の時間間隔t26を用いて、経過時間{(t21/2)+(t26/4)}を演算し、直前の位置検出信号p3から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P5、P6の中間における通電切替えタイミングtv2は、回転位置P4における位置検出信号p2を基準として、この位置検出信号p2から経過時間{(t26/2)+(t23/4)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t26/2)は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P4における位置検出信号p2との間の時間間隔t26に1/2を乗算することにより得られる。また、前記時間(t23/4)は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P5における位置検出信号p5との間の時間間隔t23に1/4を乗算することにより得られる。回転位置P11、P12の中間、および回転位置P17、P18の中間における各通電切替えタイミングtv2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t26と直前の時間間隔t23を用いて、経過時間{(t26/2)+(t23/4)}を演算し、直前の位置検出信号p2から、この経過時間だけ遅れたタイミングされる。
回転位置P6、P7の中間における通電切替えタイミングtu1は、回転位置P5における位置検出信号p5を基準として、この位置検出信号p5から経過時間{(t23/2)+(t22/4)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t23/2)は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P5における位置検出信号p5との間の時間間隔t23に1/2を乗算することにより得られる。また、前記時間(t22/4)は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P6における位置検出信号p4との間の時間間隔t22に1/4を乗算することにより得られる。回転位置P12、P13の中間、および回転位置P18と次の期間Tn+1の回転位置P1の中間における各通電切替えタイミングtu1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t23と直前の時間間隔t22を用いて、経過時間{(t23/2)+(t22/4)}を演算し、直前の位置検出信号p5から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P7、P8の中間における通電切替えタイミングtw1は、回転位置P6における位置検出信号p4を基準として、この位置検出信号p4から経過時間{(t22/2)+(t25/4)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t22/2)は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P6における位置検出信号p4との間の時間間隔t22に1/2を乗算することにより得られる。また、前記時間(t25/4)は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P7における位置検出信号p1との間の時間間隔t25に1/4を乗算することにより得られる。回転位置P13、P14の中間、および回転位置P1、P2の中間における各通電切替えタイミングtw1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t22と直前の時間間隔t25を用いて、経過時間{(t22/2)+(t25/4)}を演算し、直前の位置検出信号p4から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P8、P9の中間における通電切替えタイミングtv1は、回転位置P7における位置検出信号p1を基準として、この位置検出信号p1から経過時間{(t25/2)+(t24/4)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t25/2)は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P7における位置検出信号p1との間の時間間隔t25に1/2を乗算することにより得られる。また、前記時間(t24/4)は、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P8における位置検出信号p6との間の時間間隔t24に1/4を乗算することにより得られる。回転位置P14、P15の中間、および回転位置P2、P3の中間における各通電切替えタイミングtv1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t25と直前の時間間隔t24を用いて、経過時間{(t25/2)+(t24/4)}を演算し、直前の位置検出信号p1から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
従来の三相ブラシレスモータの制御装置では、回転位置P1〜P18のそれぞれにおいて順次発生する位置検出信号の中から、相隣接する2つの位置検出信号の間の時間間隔t0を演算し、この時間間隔t0を用いて、通電切替えタイミングを決定する。言い換えれば、単に1つの区間qの両端に位置する2つの位置検出信号を順次選択し、それらの間の時間間隔t0を演算するものであり、選択される2つの位置検出信号px、pyの間に存在する区間数Qは1である。この時間間隔t0に基づいて複数の通電切替えタイミングを決定する従来技術では、位置センサPA、PB、PCの取付位置の誤差が、複数の通電切替えタイミングに大きく影響する。
これに対して、実施の形態1では、複数の時間間隔t21〜t26が、それぞれ、連続する2つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyの間の時間間隔とされ、これらの複数の時間間隔t21〜t26と、複数の位置検出信号p1〜p6とに基づいて、複数の通電切替えタイミングtu2、tw2、tv2、tu1、tw1、tv1がそれぞれ決定される。複数の時間間隔t21〜t26は、それぞれ時間間隔t0を実質的に2倍した時間間隔を持つ。この時間間隔t0を実質的に2倍した時間間隔t21〜t26に1/2、1/4を乗算した値を用いて、複数の通電切替えタイミングを決定することにより、位置センサPA、PB、PCの取付位置に誤差が生じた場合にも、その誤差が平均化されるので、その影響が低減される。また、位置検出用ロータ41の永久磁石m1〜m6の配置誤差に伴なう着磁位置の誤差についても、同様に、その影響を低減することができる。位置検出用ロータ41に代って、ロータ20を兼用するものにおいても、同様に、永久磁石M1〜M6の配置誤差に伴なう着磁位置の誤差の影響を低減することができる。
図6は、三相ブラシレスモータ10において、位置センサPA、PB、PCの中の1つの位置センサの取付位置に、2度の角度誤差が生じた場合における通電切替えタイミングの変化を実測したグラフである。三相ブラシレスモータ10は、実施の形態1と同じ6極9スロットの三相ブラシレスモータとしている。図6の横軸は回転位置P1〜P18を示し、縦軸は通電切替えタイミングの電気角を示す。6極9スロットの三相ブラシレスモータ10では、回転位置P1〜p18に対応する通電切替えタイミングの間の電気角は、20度に維持されるのが理想であるが、1つの位置センサの取付位置に2度の角度誤差が生じた結果、回転位置P1〜P18に対応する複数の通電切替えタイミングが、20度を中心に変動している。
図6において、記号◇で示す特性C1は、実施の形態1に対応する特性であり、記号△で示す特性C0は、従来制御に対応する特性である。従来制御では、複数の時間間隔t0と複数の位置検出信号を用いて、複数の通電切替えタイミングを決定しており、特性C0に示すように、通電切替えタイミングの変動幅は、16度から23度の範囲となっている。これに対し、実施の形態1の制御では、時間間隔t0の実質的に2倍に相当する時間間隔t21〜t26と、位置検出信号p1〜p6とに基づいて、複数の通電切替えタイミングを決定しており、特性C1に示すように、通電切替えタイミングの変動幅は、約18度から23度の範囲に抑制される。
図7は、2つの位置検出信号px、pyの間における区間数Qと、それに対応した通電切替えタイミングの電気角変動幅との関係を実測したグラフである。図7のグラフでも、三相ブラシレスモータ10は、実施の形態1と同じ6極9スロットの三相ブラシレスモータとしている。図7の横軸は区間数Qを示し、縦軸は通電切替えタイミングの電気角変動幅を示す。特性D1は、位置センサPA、PB、PCの中の1つの位置センサの取付位置に1度の角度誤差が生じた場合の特性、特性D2は、1つの位置センサの取付位置に2度の角度誤差が生じた場合の特性、また特性D3は、1つの位置センサの取付位置に3度の角度誤差が生じた場合の特性である。
特性D1について、Q=1に相当する従来技術では、通電切替えタイミングの電気角変動幅は、約10.5度となるのに対し、Q=2とした実施の形態1では、通電切替えタイミングの電気角変動幅は、約8.0度に抑制される。特性D2について、Q=1に相当する従来技術では、通電切替えタイミングの電気角変動幅は、約7度となるのに対し、Q=2とした実施の形態1では、通電切替えタイミングの電気角変動幅は、約5.5度に抑制される。特性D3について、Q=1に対応する従来技術では、通電切替えタイミングの電気角変動幅は、約3.5度となるのに対し、Q=2とした実施の形態1では、通電切替えタイミングの電気角変動幅は、約3.0度に抑制される。
図6、図7は、いずれも位置センサの取付位置に誤差が生じた場合のグラフであるが、位置検出用ロータ41の永久磁石m1〜m6の配置の誤差が生じた場合、またはロータ20を兼用して位置検出を行なうものにおいて、ロータ20の永久磁石M1〜M6の配置に誤差が生じた場合にも、同様の特性が得られ、実施の形態1では、誤差による通電切替えタイミングの変動を抑制することができる。
実施の形態1では、区間数Qが2であり、この区間数Qが偶数である。区間数Qが、偶数であるので、複数の各時間間隔t21、t23、t25を決定する2つの位置検出信号px、pyは、位置検出信号p1、p3、p5の中から選ばれる。位置検出信号p1、p3、p5は、すべて、ロータ20の回転に伴なって、同じ極性の磁束密度の変化を与えるエッジ、すなわちS極からN極へ変化するエッジea、ec、eeが、位置センサPA、PB、PCと対向したときに発生するので、各時間間隔t21、t23、t25を、より正確に演算することができる。また複数の時間間隔t22、t24、t26を決定する2つの位置検出信号px、pyは、位置検出信号p2、p4、p6の中から選ばれる。位置検出信号p2、p4、p6は、すべて、ロータ20の回転に伴なって、同じ極性の磁束密度の変化を与えるエッジ、すなわちN極からS極へ変化するエッジeb、ed、efが、位置センサPA、PB、PCと対向したときに発生するので、各時間間隔t22、t24、t26も、より正確に演算することができる。
図8(a)は、位置センサPAに対応した出力信号SAと、それに対応する磁束密度の変化を例示する。他の位置センサSB、SCについても、同様である。位置センサSAのセンサ出力pAは、図8(a)に示す磁束密度の変化とほぼ同じ変化を示す。図8(b)は、位置センサPAに対応する位置検出信号発生器42の出力信号SAに含まれる位置検出信号p1、p2を示す。図8(a)に示す磁束密度の変化において、エッジea、ec、eeに対応する位置では、上り勾配suを持って磁束密度がN極側へ上昇し、エッジeb、ed、efに対応する位置では、逆に、下り勾配sdを持って磁束密度がS極側へ低下する。位置検出信号発生器42は、検出レベルa、bを持ち、磁束密度がN極側へ上昇する場合には、上り勾配suの途中で磁束密度がレベルaまで上昇したときに位置検出信号p1を発生し、また磁束密度がS極側へ低下する場合には、下り勾配sdの途中で磁束密度がレベルbまで低下したときに、位置検出信号p2を発生する。磁束密度の変化が上り勾配suと、下り勾配sdを持ち、また位置検出信号発生器42が検出レベルa、bを持つために、結果として、位置検出信号p1と次の位置検出信号p2との間における時間間隔taと、位置検出信号p2と次の位置検出信号p1との間における時間間隔tbとが相違し、tb>taの関係になる。
従来技術は、区間数Qが1であり、上り勾配suで得られた位置検出信号と下り勾配sdで得られた位置検出信号との間で時間間隔t0が演算される状態と、上り勾配suで得られた2つの位置検出信号の間で時間間隔t0が演算される状態と、下り勾配sdで得られた2つの位置検出信号の間で時間間隔t0が演算される状態の3つの状態が混在し、その結果、時間間隔t0に、磁束密度の変化の勾配に伴なうバラツキが生じる。これに対し、実施の形態1では、区間数Qが2であり、複数の各時間間隔t21、t23、t25は、すべて、上り勾配suで得られた位置検出信号p1、p3、p5の中の2つの位置検出信号の間で演算され、また、複数の各時間間隔t22、t24、t26は、すべて下り勾配sdで得られた位置検出信号p2、p4、p6の中の2つの位置検出信号の間で演算されるので、時間間隔t21〜t26には、磁束密度の変化の勾配に伴なうバラツキが小さくなり、通電切替えタイミングの変動をより小さく抑制できる。
実施の形態2.
実施の形態1は、時間間隔演算モード設定手段135が、外部指令TOに基づいて、Q=2の時間間隔演算モード指令TQを時間間隔演算手段133に与え、時間間隔演算手段133が、連続する2つの区間qの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyの間で、それぞれ時間間隔t21〜t26を演算するようにしたが、実施の形態2は、時間間隔演算モード設定手段135が、外部指令TOに基づいて、Q=3の時間間隔演算モード指令TQを時間間隔演算手段133に与え、時間間隔演算手段133が、連続する3つの区間qの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyの間で、それぞれ時間間隔t31〜t36を演算する。その他は、実施の形態1と同じに構成される。
図9は、実施の形態2の動作説明用タイミング図である。この図9の横軸の回転位置P1〜P18は、図5と同じであり、また図9(a)〜(j)に示された各信号波形も図5と同じである。実施の形態2では、時間間隔演算手段133は、図9(a)(b)(c)に付記された各時間間隔t31〜t36を順次演算する。これらの各時間間隔t31〜t36について具体的に説明する。
先ず時間間隔t31は、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P4における位置検出信号p2の間、回転位置P7における位置検出信号p1と回転位置P10における位置検出信号p2との間、および回転位置P13における位置検出信号p1と回転位置P16における位置検出信号p2との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t31は、Q=3、位置検出信号px=p1、py=p2と設定し、連続する3つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p1、p2を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t32は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P7における位置検出信号p1の間、回転位置P10における位置検出信号p2と回転位置P13における位置検出信号p1との間、および回転位置P16における位置検出信号p2と次の期間Tn+1の回転位置P1における位置検出信号p1との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t32は、それぞれQ=3、位置検出信号px=p2、py=p1と設定し、連続する3つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p2、p1を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t33は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P6における位置検出信号p4の間、回転位置P9における位置検出信号p3と回転位置P12における位置検出信号p4との間、および回転位置P15における位置検出信号p3と回転位置P18における位置検出信号p4との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t33は、それぞれQ=3、位置検出信号px=p3、py=p4と設定し、連続する3つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p3、p4を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t34は、前の期間Tn−1の回転位置P18における位置検出信号p4と回転位置P3における位置検出信号p3の間、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P9における位置検出信号p3との間、および回転位置P12における位置検出信号p4と回転位置P15における位置検出信号p3との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t34は、それぞれQ=3、位置検出信号信号px=p4、py=p3と設定し、連続する3つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p4、p3を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t35は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P8における位置検出信号p6の間、回転位置P11における位置検出信号p5と回転位置P14における位置検出信号p6との間、回転位置P17における位置検出信号p5と次の期間Tn+1の最初の位置検出信号p6との間、および前の期間Tn−1の最後の位置検出信号p5と回転位置P2における位置検出信号p6との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t35は、それぞれQ=3、位置検出信号px=p5、py=p6と設定し、連続する3つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p5、p6を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t36は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P5における位置検出信号p5の間、回転位置P8における位置検出信号p6と回転位置P11における位置検出信号p5との間、および回転位置P14における位置検出信号p6と回転位置P17における位置検出信号p5との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t36は、それぞれQ=3、位置検出信号信号px=p6、py=p5と設定し、連続する3つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p6、p5を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
位置センサPA、PB、PCの取付位置に角度誤差が生じた場合、または位置検出用ロータ41の永久磁石m1〜m6、ロータ20を位置検出に兼用するものでは、永久磁石M1〜M6に着磁位置の誤差が生じた場合には、位置検出信号p1〜p6が発生するタイミングがずれるので、通電切替えタイミングtu1、tu2、tv1、tv2、tw1、tw2にも、ずれが発生する。しかし、実施の形態2では、時間間隔t31、t32は、それぞれ位置検出信号p1と位置検出信号p2との間の時間間隔であり、これらの時間間隔t31、t32は、位置センサPAの取付位置に誤差が生じても、また永久磁石m1〜m6、M1〜M6に着磁位置の誤差が生じても、その誤差に影響されない。時間間隔t33、t34は、それぞれ位置検出信号p3と位置検出信号p4との間の時間間隔であり、また、時間間隔t35、t36は、それぞれ位置検出信号p5と位置検出信号p6との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t33、t34、t35、t36は、位置センサPB、PCの取付位置に誤差が生じても、また永久磁石m1〜m6、M1〜M6に着磁位置の誤差が生じても、その誤差に影響されない。
通電切替えタイミング演算手段131は、位置検出信号発生装置40の出力信号SA、SB、SCに含まれる複数の位置検出信号p1〜p6と、複数の時間間隔t31〜t36とに基づいて、複数の通電切替えタイミングtw2、tv2、tu1、tw1、tv1、tu2をそれぞれ決定する。具体的には、回転位置P4、P5の中間における通電切替えタイミングtw2は、回転位置P3における位置検出信号p3を基準として、この位置検出信号p3から経過時間{(t34/3)+(t31/6)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間(t34/3)は、前の期間Tn−1の回転位置P18における位置検出信号p4と回転位置P3における位置検出信号p3との間の時間間隔t34に1/3を乗算することにより得られる。また、前記時間(t31/6)は、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P4における位置検出信号p2との間の時間間隔t31に1/6を乗算することにより得られる。回転位置P10、P11の中間、および回転位置P16、P17の中間における各通電切替えタイミングtw2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t34と直前の時間間隔t31を用いて、経過時間{(t34/3)+(t31/6)}を演算し、直前の位置検出信号p3から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P5、P6の中間における通電切替えタイミングtv2は、回転位置P4における位置検出信号p2を基準として、この位置検出信号p2から経過時間{(t31/3)+(t36/6)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間(t31/3)は、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P4における位置検出信号p2との間の時間間隔t31に1/3を乗算することにより得られる。また、前記時間(t36/6)は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P5における位置検出信号p5との間の時間間隔t36に1/6を乗算することにより得られる。回転位置P11、P12の中間、および回転位置P17、P18の中間における各通電切替えタイミングtv2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t31と直前の時間間隔t36を用いて、経過時間{(t31/3)+(t36/6)}を演算し、直前の位置検出信号p2から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P6、P7の中間における通電切替えタイミングtu1は、回転位置P5における位置検出信号p5を基準として、この位置検出信号p5から経過時間{(t36/3)+(t33/6)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t36/3)は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P5における位置検出信号p5との間の時間間隔t36に1/3を乗算することにより得られる。また、前記時間(t33/6)は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P6における位置検出信号p4との間の時間間隔t33に1/6を乗算することにより得られる。回転位置P12、P13の中間、および回転位置P18と次の期間Tn+1の回転位置P1の中間における各通電切替えタイミングtu1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t36と直前の時間間隔t33を用いて、経過時間(t36/3)+(t33/6)}を演算し、直前の位置検出信号p5から、この経過時間だけ遅れたタイミングされる。
回転位置P7、P8の中間における通電切替えタイミングtw1は、回転位置P6における位置検出信号p4を基準として、この位置検出信号p4から経過時間{(t33/3)+(t32/6)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t33/3)は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P6における位置検出信号p4との間の時間間隔t33に1/3を乗算することにより得られる。また、前記時間(t32/6)は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P7における位置検出信号p1との間の時間間隔t32に1/6を乗算することにより得られる。回転位置P13、P14の中間、および回転位置P1と回転位置P2の中間における各通電切替えタイミングtw1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t33と直前の時間間隔t32を用いて、経過時間{(t33/3)+(t32/6)}を演算し、直前の位置検出信号p4から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P8、P9の中間における通電切替えタイミングtv1は、回転位置P7における位置検出信号p1を基準として、この位置検出信号p1から経過時間{(t32/3)+(t35/6)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t32/3)は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P7における位置検出信号p1との間の時間間隔t32に1/3を乗算することにより得られる。また、前記時間(t35/6)は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P8における位置検出信号p6との間の時間間隔t35に1/6を乗算することにより得られる。回転位置P14、P15の中間、および回転位置P2、P3の中間における各通電切替えタイミングtv1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t32と直前の時間間隔t35を用いて、経過時間{(t32/3)+(t35/6)}を演算し、直前の位置検出信号p1から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P9、P10の中間における通電切替えタイミングtu2は、回転位置P8における位置検出信号p6を基準として、この位置検出信号p6から経過時間{(t35/3)+(t34/6)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t35/3)は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P8における位置検出信号p6との間の時間間隔t35に1/3を乗算することにより得られる。また、前記時間(t34/6)は、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P9における位置検出信号p3との間の時間間隔t34に1/6を乗算することにより得られる。回転位置P15、P16の中間、および回転位置P3、P4の中間における各通電切替えタイミングtu2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t35と直前の時間間隔t34を用いて、経過時間{(t35/3)+(t34/6)}を演算し、直前の位置検出信号p6から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
実施の形態2は、連続する3つの区間qを加え合わせた加算期間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyを選択し、それらの間で、それぞれ複数の時間間隔t31〜t36を演算し、これらの複数の時間間隔t31〜t36と、複数の位置検出信号p1〜p6とに基づいて、複数の通電切替えタイミングを決定する。時間間隔t31〜t36は、位置センサPA、PB、PCの取付位置の角度誤差の影響を受ないので、複数の各通電切替えタイミングは、位置センサPA、PB、PCの取付位置の角度誤差と、永久磁石m1〜m6または永久磁石M1〜M6の着磁位置の誤差だけに依存して変動する結果となり、通電切替えタイミングの変動をより、小さく抑制できる。
図6の記号○で示す特性C2、および図7のQ=3は、実施の形態3に対応する。図6の特性C2では、各通電切替えタイミングの間の電気角は、18度と22度の間で変動する結果となり、従来技術の特性C0に比べて、各通電切替えタイミングの電気角の変動が小さくなる。図7のC=3では、特性D1における通電切替えタイミングの電気角変動幅が6度、特性D2における通電切替えタイミングの電気角変動幅が4度、特性D3における通電切替えタイミングの電気角変動幅が2度に、それぞれ抑制される。
実施の形態3.
この実施の形態3では、時間間隔演算モード設定手段135が、外部指令TOに基づいて、Q=4の時間間隔演算モード指令TQを時間間隔演算手段133に与え、時間間隔演算手段133が、連続する4つの区間qの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyの間で、それぞれ時間間隔t41〜t46を演算する。その他は、実施の形態1と同じに構成される。
図10は、実施の形態3の動作説明用タイミング図である。この図10の横軸の回転位置P1〜P18は、図5と同じであり、また図10(a)〜(j)に示された信号波形も図5と同じである。時間間隔演算手段133は、図10(a)(b)(c)に付記された各時間間隔t41〜t46を順次演算する。これらの時間間隔t41〜t46について具体的に説明する。
先ず時間間隔t41は、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P5における位置検出信号p5の間、回転位置P7における位置検出信号p1と回転位置P11における位置検出信号p5との間、および回転位置P13における位置検出信号p1と回転位置P17における位置検出信号p5との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t41は、それぞれQ=4、位置検出信号px=p1、py=p5と設定し、連続する4つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p1、p5を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t42は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P8における位置検出信号p6の間、回転位置P10における位置検出信号p2と回転位置P14における位置検出信号p6との間、回転位置P16における位置検出信号p2と次の期間Tn+1の最初の位置検出信号p6との間、および前の期間Tn−1の最後の位置検出信号p2と回転位置P2における位置検出信号p6との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t42は、それぞれQ=4、位置検出信号px=p2、py=p6と設定し、連続する4つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p2、p6を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t43は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P7における位置検出信号p1の間、回転位置P9における位置検出信号p3と回転位置P13における位置検出信号p1との間、回転位置P15における位置検出信号p3と次の期間Tn+1の回転位置P1における位置検出信号p1との間、および前の期間Tn−1の最後の位置検出信号p3と回転位置P1における位置検出信号p1との間で、それぞれ演算される。これらの時間間隔t43は、それぞれQ=4、位置検出信号px=p3、py=p1と設定し、連続する4つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p3、p1を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t44は、期間Tn−1の回転位置P18における位置検出信号p4と回転位置P4における位置検出信号p2の間、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P10における位置検出信号p2との間、および回転位置P12における位置検出信号p4と回転位置P16における位置検出信号p2との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t44は、それぞれQ=4、位置検出信号信号px=p4、py=p2と設定し、連続する4つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p4、p2を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t45は、前の期間Tn−1の最後の位置検出信号p5と回転位置P3における位置検出信号p3の間、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P9における位置検出信号p3の間、および回転位置P11における位置検出信号p5と回転位置P15における位置検出信号p3との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t45は、それぞれQ=4、位置検出信号px=p5、py=p3と設定し、連続する4つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p5、p3を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t46は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P6における位置検出信号p4の間、回転位置P8における位置検出信号p6と回転位置P12における位置検出信号p4との間、および回転位置P14における位置検出信号p6と回転位置P18における位置検出信号p4との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t46は、それぞれQ=4、位置検出信号信号px=p6、py=p4と設定し、連続する4つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p6、p4を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
位置センサPA、PB、PCの取付位置に角度誤差が生じた場合、または位置検出用ロータ41の永久磁石m1〜m6、ロータ20を位置検出に兼用するものでは、永久磁石M1〜M6に着磁位置の誤差が生じた場合には、各位置検出信号p1〜p6が発生するタイミングがずれるので、各通電切替えタイミングtu1、tu2、tv1、tv2、tw1、tw2にも、ずれが発生する。また、複数の時間間隔t41は、それぞれ位置検出信号p1と位置検出信号p5との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t41は、位置センサPC、PAの間の角度θcaに依存する。複数の時間間隔t42は、それぞれ位置検出信号p2と位置検出信号p6との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t42も、位置センサPC、PAの間の角度θcaに依存する。複数の時間間隔t43は、それぞれ位置検出信号p3と位置検出信号p1との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t43は、位置センサPA、PBの間の角度θabに依存する。複数の時間間隔t44は、それぞれ位置検出信号p4と位置検出信号p2との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t44も、位置センサPA、PBの間の角度θabに依存する。複数の時間間隔t45は、それぞれ位置検出信号p5と位置検出信号p3との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t45は、位置センサPB、PCの間の角度θbcに依存する。複数の時間間隔t46は、それぞれ位置検出信号p6と位置検出信号p4との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t46も、位置センサPB、PCの間の角度θbcに依存する。
通電切替えタイミング演算手段131は、位置検出信号発生装置40の出力信号SA、SB、SCに含まれる複数の位置検出信号p1〜p6と、複数の時間間隔t41〜t46に基づいて、複数の通電切替えタイミングtu1、tw1、tv1、tu2、tw2、tv2をそれぞれ決定する。具体的には、回転位置P6、P7の中間における通電切替えタイミングtu1は、回転位置P5における位置検出信号p5を基準として、この位置検出信号p5から経過時間{(t41/4)+(t46/8)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間(t41/4)は、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P5における位置検出信号p5との間の時間間隔t41に1/4を乗算することにより得られる。また、前記時間(t46/8)は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P6における位置検出信号p4との間の時間間隔t46に1/8を乗算することにより得られる。回転位置P12、P13の中間、および回転位置P18と次の期間Tn+1の回転位置P1の中間における各通電切替えタイミングtu1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t41と直前の時間間隔t46を用いて、経過時間{(t41/4)+(t46/8)}を演算し、直前の位置検出信号p5から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P7、P8の中間における通電切替えタイミングtw1は、回転位置P6における位置検出信号p4を基準として、この位置検出信号p4から経過時間{(t46/4)+(t43/8)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間(t46/4)は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P6における位置検出信号p4との間の時間間隔t46に1/4を乗算することにより得られる。また、前記時間(t43/8)は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P7における位置検出信号p1との間の時間間隔t43に1/8を乗算することにより得られる。回転位置P13、P14の中間、および回転位置P1、P2の中間における各通電切替えタイミングtw1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t46と直前の時間間隔t43を用いて、経過時間{(t46/4)+(t43/8)}を演算し、直前の位置検出信号p4から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P8、P9の中間における通電切替えタイミングtv1は、回転位置P7における位置検出信号p1を基準として、この位置検出信号p1から経過時間{(t43/4)+(t42/8)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t43/4)は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P7における位置検出信号p1との間の時間間隔t43に1/4を乗算することにより得られる。また、前記時間(t42/8)は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P8における位置検出信号p6との間の時間間隔t42に1/8を乗算することにより得られる。回転位置P14、P15の中間、および回転位置P2、P3の中間における各通電切替えタイミングtv1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t43と直前の時間間隔t42を用いて、経過時間{(t43/4)+(t42/8)}を演算し、直前の位置検出信号p1から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P9、P10の中間における通電切替えタイミングtu2は、回転位置P8における位置検出信号p6を基準として、この位置検出信号p6から経過時間{(t42/4)+(t45/8)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t42/4)は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P8における位置検出信号p6との間の時間間隔t42に1/4を乗算することにより得られる。また、前記時間(t45/8)は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P9における位置検出信号p3との間の時間間隔t45に1/8を乗算することにより得られる。回転位置P15、P16の中間、および回転位置P3、P4の中間における各通電切替えタイミングtu2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t42と直前の時間間隔t45を用いて、経過時間{(t42/4)+(t45/8)}を演算し、直前の位置検出信号p6から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P10、P11の中間における通電切替えタイミングtw2は、回転位置P9における位置検出信号p3を基準として、この位置検出信号p3から経過時間{(t45/4)+(t44/8)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t45/4)は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P9における位置検出信号p3との間の時間間隔t45に1/4を乗算することにより得られる。また、前記時間(t44/8)は、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P10における位置検出信号p2との間の時間間隔t44に1/8を乗算することにより得られる。回転位置P16、P17の中間、および回転位置P4、P5の中間における各通電切替えタイミングtw2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t45と直前の時間間隔t44を用いて、経過時間{(t45/4)+(t44/8)}を演算し、直前の位置検出信号p3から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P11、P12の中間における通電切替えタイミングtv2は、回転位置P10における位置検出信号p2を基準として、この位置検出信号p2から経過時間{(t44/4)+(t41/8)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t44/4)は、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P10における位置検出信号p2との間の時間間隔t44に1/4を乗算することにより得られる。また、前記時間(t41/8)は、回転位置P7における位置検出信号p1と回転位置P11における位置検出信号p5との間の時間間隔t41に1/8を乗算することにより得られる。回転位置P17、P18の中間、および回転位置P5、P6の中間における各通電切替えタイミングtv2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t44と直前の時間間隔t41を用いて、経過時間{(t44/4)+(t41/8)}を演算し、直前の位置検出信号p2から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
実施の形態3では、複数の時間間隔t41〜t46が、それぞれ連続する4つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyの間の時間間隔とされ、これらの複数の時間間隔t41〜t46と、複数の位置検出信号p1〜p6とに基づいて、複数の通電切替えタイミングtu2、tw2、tv2、tu1、tw1、tv1がそれぞれ決定される。時間間隔t41〜t46は、それぞれ時間間隔t0を実質的に4倍した時間間隔を持つ。この時間間隔t0を実質的に4倍した時間間隔t41〜t46に、それぞれ1/4、1/8を乗算した値を用いて、複数の通電切替えタイミングを決定することにより、位置センサPA、PB、PCの取付位置に誤差が生じた場合にも、その誤差が平均化されるので、その影響が低減される。また、位置検出用ロータ41の永久磁石m1〜m6の配置誤差に伴なう着磁位置の誤差についても、同様に、その影響を低減することができる。位置検出用ロータ41に代って、ロータ20を兼用するものにおいても、同様に、永久磁石M1〜M6の配置誤差に伴なう着磁位置の誤差の影響を低減することができる。
実施の形態3では、区間数Qが4であり、この区間数Qが実施の形態1と同様に偶数である。区間数Qが、偶数であるので、各時間間隔t41、t43、t45を決定する2つの位置検出信号px、pyは、位置検出信号p1、p3、p5の中から選ばれる。複数の位置検出信号p1、p3、p5は、すべて、ロータ20の回転に伴なって、同じ極性の磁束密度の変化を与えるエッジ、すなわちS極からN極へ変化するエッジea、ec、eeが、それぞれ位置センサPA、PB、PCと対向したときに発生するので、時間間隔t41、t43、t45を、より正確に演算することができる。また複数の時間間隔t42、t44、t26を決定する2つの位置検出信号px、pyは、位置検出信号p2、p4、p6の中から選ばれる。複数の位置検出信号p2、p4、p6は、すべて、ロータ20の回転に伴なって、同じ極性の磁束密度の変化を与えるエッジ、すなわちN極からS極へ変化するエッジeb、ed、efが、それぞれ位置センサPA、PB、PCと対向したときに発生するので、時間間隔t42、t44、t46も、より正確に演算することができる。
実施の形態4.
この実施の形態4では、時間間隔演算モード設定手段135が、外部指令TOに基づいて、Q=5の時間間隔演算モード指令TQを時間間隔演算手段133に与え、時間間隔演算手段133が、連続する5つの区間qの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyの間で、それぞれ時間間隔t51〜t56を演算する。その他は、実施の形態1と同じに構成される
図11は、実施の形態4の動作説明用タイミング図である。この図11の横軸の回転位置P1〜P18は、図5と同じであり、また図11(a)〜(j)に示された波形も図5と同じである。時間間隔演算手段133は、図11(a)(b)(c)に付記された時間間隔t51〜t56を順次演算する。これらの時間間隔t51〜t56について具体的に説明する。
先ず時間間隔t51は、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P6における位置検出信号p4の間、回転位置P7における位置検出信号p1と回転位置P12における位置検出信号p4との間、および回転位置P13における位置検出信号p1と回転位置P18における位置検出信号p4との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t51は、それぞれQ=5、位置検出信号px=p1、py=p4と設定し、連続する5つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p1、p4を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t52は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P9における位置検出信号p3との間、回転位置P10における位置検出信号p2と回転位置P15における位置検出信号p3との間、前の期間Tn−1の最後の位置検出信号p2と回転位置P3における位置検出信号p3との間、および回転位置P16における位置検出信号p2と次の期間Tn+1の最初の位置検出信号p3との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t52は、それぞれQ=5、位置検出信号px=p2、py=p3と設定し、連続する5つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p2、p3を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t53は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P8における位置検出信号p6との間、回転位置P9における位置検出信号p3と回転位置P14における位置検出信号p6との間、前の期間Tn−1の最後の位置検出信号p3と回転位置P2における位置検出信号p6との間、および回転位置P15における位置検出信号p3と次の期間Tn+1の最初の位置検出信号p6との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t53は、それぞれQ=5、位置検出信号px=p3、py=p6と設定し、連続する5つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p3、p6を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t54は、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P11における位置検出信号p5との間、回転位置P12における位置検出信号p4と回転位置P17における位置検出信号p5との間、および前の期間Tn−1の回転位置P18における位置検出信号p4と回転位置P5における位置検出信号p5との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t54は、それぞれQ=5、位置検出信号信号px=p4、py=p5と設定し、連続する5つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p4、p5を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t55は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P10における位置検出信号p2の間、回転位置P11における位置検出信号p5と回転位置P16における位置検出信号p2との間、前の期間Tn−1の最後の位置検出信号p5と回転位置P4における位置検出信号p2との間、および回転位置P17における位置検出信号p5と次の期間Tn+1の最初の位置検出信号p2との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t55は、それぞれQ=5、位置検出信号px=p5、py=p2と設定し、連続する5つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p5、p2を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t56は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P7における位置検出信号p1の間、回転位置P8における位置検出信号p6と回転位置P13における位置検出信号p1との間、前の期間Tn−1の最後の位置検出信号p6と回転位置P1における位置検出信号p1との間、および回転位置P14における位置検出信号p5と次の期間Tn+1の回転位置P1における位置検出信号p1との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t56は、それぞれQ=5、位置検出信号px=p6、py=p1と設定し、連続する5つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p6、p1を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
位置センサPA、PB、PCの取付位置に角度誤差が生じた場合、または位置検出用ロータ41の永久磁石m1〜m6、ロータ20を位置検出に兼用するものでは、永久磁石M1〜M6に着磁位置の誤差が生じた場合には、複数の位置検出信号p1〜p6が発生するタイミングがずれるので、複数の通電切替えタイミングtu1、tu2、tv1、tv2、tw1、tw2にも、ずれが発生する。また、複数の時間間隔t51は、それぞれ位置検出信号p1と位置検出信号p4との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t51は、それぞれ位置センサPA、PBの間の角度θabに依存する。複数の時間間隔t52は、それぞれ位置検出信号p2と位置検出信号p3との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t52も、それぞれ位置センサPA、PBの間の角度θabに依存する。複数の時間間隔t53は、それぞれ位置検出信号p3と位置検出信号p6との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t53は、それぞれ位置センサPB、PCの間の角度θbcに依存する。複数の時間間隔t54は、それぞれ位置検出信号p4と位置検出信号p5との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t54も、それぞれ位置センサPB、PCの間の角度θbcに依存する。複数の時間間隔t55は、それぞれ位置検出信号p5と位置検出信号p2との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t55は、それぞれ位置センサPC、PAの間の角度θcaに依存する。複数の時間間隔t56は、それぞれ位置検出信号p6と位置検出信号p1との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t56も、それぞれ位置センサPC、PAの間の角度θcaに依存する。
通電切替えタイミング演算手段131は、位置検出信号発生装置40の出力信号SA、SB、SCに含まれる複数の位置検出信号p1〜p6と、複数の時間間隔t51〜t56に基づいて、通電切替えタイミングtw1、tv1、tu2、Tw2、tv2、tu1をそれぞれ決定する。具体的には、回転位置P7、P8の中間における通電切替えタイミングtw1は、回転位置P6における位置検出信号p4を基準として、この位置検出信号p4から経過時間{(t51/5)+(t56/10)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間(t51/5)は、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P6における位置検出信号p4との間の時間間隔t51に1/5を乗算することにより得られる。また、前記時間(t56/10)は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P7における位置検出信号p1との間の時間間隔t56に1/10を乗算することにより得られる。回転位置P13、P14の中間、および回転位置P1、P2の中間における各通電切替えタイミングtw1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t51と直前の時間間隔t56を用いて、経過時間{(t51/5)+(t56/10)}を演算し、直前の位置検出信号p4から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P8、P9の中間における通電切替えタイミングtv1は、回転位置P7における位置検出信号p1を基準として、この位置検出信号p1から経過時間{(t56/5)+(t53/10)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間(t56/4)は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P7における位置検出信号p1との間の時間間隔t56に1/5を乗算することにより得られる。また、前記時間(t53/10)は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P8における位置検出信号p6との間の時間間隔t53に1/10を乗算することにより得られる。回転位置P14、P15の中間、および回転位置P2、P3の中間における各通電切替えタイミングtw1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t56と直前の時間間隔t53を用いて、経過時間{(t56/5)+(t53/10)}を演算し、直前の位置検出信号p1から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P9、P10の中間における通電切替えタイミングtu2は、回転位置P8における位置検出信号p6を基準として、この位置検出信号p6から経過時間{(t53/5)+(t52/10)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t53/5)は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P8における位置検出信号p6との間の時間間隔t53に1/5を乗算することにより得られる。また、前記時間(t52/10)は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P9における位置検出信号p3との間の時間間隔t52に1/10を乗算することにより得られる。回転位置P15、P16の中間、および回転位置P3、P4の中間における各通電切替えタイミングtvu2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t53と直前の時間間隔t52を用いて、経過時間{(t53/5)+(t52/10)}を演算し、直前の位置検出信号p6から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P10、P11の中間における通電切替えタイミングtw2は、回転位置P9における位置検出信号p3を基準として、この位置検出信号p3から経過時間{(t52/5)+(t55/10)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t52/5)は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P9における位置検出信号p3との間の時間間隔t52に1/5を乗算することにより得られる。また、前記時間(t55/10)は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P10における位置検出信号p2との間の時間間隔t55に1/10を乗算することにより得られる。回転位置P16、P17の中間、および回転位置P4、P5の中間における各通電切替えタイミングtw2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t52と直前の時間間隔t55を用いて、経過時間{(t52/5)+(t55/10)}を演算し、直前の位置検出信号p3から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P11、P12の中間における通電切替えタイミングtv2は、回転位置P10における位置検出信号p2を基準として、この位置検出信号p2から経過時間{(t55/5)+(t54/10)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t55/5)は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P10における位置検出信号p2との間の時間間隔t55に1/5を乗算することにより得られる。また、前記時間(t54/10)は、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P11における位置検出信号p5との間の時間間隔t54に1/10を乗算することにより得られる。回転位置P17、P18の中間、および回転位置P5、P6の中間における各通電切替えタイミングtv2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t55と直前の時間間隔t54を用いて、経過時間{(t55/5)+(t54/10)}を演算し、直前の位置検出信号p2から、この経過時間さけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P12、P13の中間における通電切替えタイミングtu1は、回転位置P11における位置検出信号p5を基準として、この位置検出信号p5から経過時間{(t54/5)+(t51/10)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t54/5)は、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P11における位置検出信号p5との間の時間間隔t54に1/5を乗算することにより得られる。また、前記時間(t51/10)は、回転位置P7における位置検出信号p1と回転位置P12における位置検出信号p4との間の時間間隔t51に1/10を乗算することにより得られる。回転位置P17と次の期間Tn+1の回転位置P1の中間、および回転位置P6、P7の中間における各通電切替えタイミングtu1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t54と直前の時間間隔t51を用いて、経過時間{(t54/5)+(t51/10)}を演算し、直前の位置検出信号p5から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
実施の形態4では、複数の時間間隔t51〜t56が、それぞれ、連続する5つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyの間の時間間隔とされ、これらの複数の時間間隔t51〜t56と、複数の位置検出信号p1〜p6とに基づいて、複数の通電切替えタイミングtw1、tv1、tu2、tw2、tv2、tu1がそれぞれ決定される。複数の時間間隔t51〜t56は、それぞれ時間間隔t0を実質的に5倍した時間間隔を持つ。この時間間隔t0を実質的に5倍した複数の時間間隔t51〜t56に、それぞれ1/5、1/10を乗算した値を用いて、複数の通電切替えタイミングを決定することにより、位置センサPA、PB、PCの取付位置に誤差が生じた場合にも、その誤差が平均化されるので、その影響が低減される。また、位置検出用ロータ41の永久磁石m1〜m6の配置誤差に伴なう着磁位置の誤差についても、同様に、その影響を低減することができる。位置検出用ロータ41に代って、ロータ20を兼用するものにおいても、同様に、永久磁石M1〜M6の配置誤差に伴なう着磁位置の誤差の影響を低減することができる。
実施の形態5.
この実施の形態5では、時間間隔演算モード設定手段135が、外部指令TOに基づいて、Q=6の時間間隔演算モード指令TQを時間間隔演算手段133に与え、時間間隔演算手段133が、連続する6つの区間qの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyの間で、それぞれ時間間隔t61〜t66を演算する。その他は、実施の形態1と同じに構成される。
図12は、実施の形態5の動作説明用タイミング図である。この図12の横軸の回転位置P1〜P18は、図5と同じであり、また図12(a)〜(j)に示された各信号波形も図5と同じである。実施の形態5では、時間間隔演算手段133は、図12(a)(b)(c)に付記された複数の時間間隔t61〜t66を順次演算する。これらの時間間隔t61〜t66について具体的に説明する。
先ず時間間隔t61は、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P7における位置検出信号p1の間、回転位置P7における位置検出信号p1と回転位置P13における位置検出信号p1との間、および回転位置P13における位置検出信号p1と次の機関Tn+1の回転位置P1における位置検出信号p1との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t61は、それぞれ区関数Q=6、位置検出信号px=p1、py=p1と設定し、連続する6つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p1、p1を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t62は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P10における位置検出信号p2の間、回転位置P10における位置検出信号p2と回転位置P16における位置検出信号p2との間、前の期間Tn−1の最後の位置検出信号p2と回転位置P4における位置検出信号p1との間、および回転位置P16における位置検出信号p2と次の期間Tn+1の最初の位置検出信号p2との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t62は、それぞれ区間数Q=6、位置検出信号px=p2、py=p2と設定し、連続する6つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p2、p2を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t63は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P9における位置検出信号p3の間、回転位置P9における位置検出信号p3と回転位置P15における位置検出信号p3との間、前の期間Tn−1の最後の位置検出信号p3と回転位置P3における位置検出信号p3との間、および回転位置P15における位置検出信号p3と次の期間Tn+1の最初の位置検出信号p3との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t63は、それぞれ区間数Q=6、位置検出信号px=p3、py=p3と設定し、連続する6つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p3、p3を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t64は、前の期間Tn−1の回転位置P18における位置検出信号p4と回転位置P6における位置検出信号p4の間、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P12における位置検出信号p4との間、および回転位置P12における位置検出信号p4と回転位置P18における位置検出信号p4との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t64は、それぞれ区間数Q=6、位置検出信号信号px=p4、py=p4と設定し、連続する6つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p4、p4を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t65は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P11における位置検出信号p5の間、回転位置P11における位置検出信号p5と回転位置P17における位置検出信号p5との間、および前の期間Tn−1の最後の位置検出信号p5と回転位置P5における位置検出信号p5との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t65は、それぞれ区間数Q=6、位置検出信号px=p5、py=p5と設定し、連続する6つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p5、p5を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t66は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P8における位置検出信号p6の間、回転位置P8における位置検出信号p6と回転位置P14における位置検出信号p6との間、前の期間Tn−1の最後の位置検出信号p6と回転位置P2における位置検出信号p6との間、および回転位置P14における位置検出信号p6と次の期間Tn+1の最初の位置検出信号p6との間で、それぞれ演算される。これらの各時間間隔t66は、それぞれ区関数Q=6、位置検出信号信号px=p6、py=p6と設定し、連続する6つの区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p6、p6を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
位置センサPA、PB、PCの取付位置に角度誤差が生じた場合、または位置検出用ロータ41の永久磁石m1〜m6、ロータ20を位置検出に兼用するものでは、永久磁石M1〜M6に着磁位置の誤差が生じた場合には、複数の位置検出信号p1〜p6が発生するタイミングがずれるので、複数の通電切替えタイミングtu1、tu2、tv1、tv2、tw1、tw2にも、ずれが発生する。しかし、実施の形態5では、複数の時間間隔t61、t62は、それぞれ位置検出信号p1と位置検出信号p1との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t61、t62は、それぞれ位置センサPAの取付位置に誤差が生じても、また永久磁石m1〜m6、M1〜M6に着磁位置の誤差が生じても、その誤差に影響されない。複数の時間間隔t63、t64は、それぞれ位置検出信号p3と位置検出信号p4との間の時間間隔であり、また、複数の時間間隔t65、t66は、それぞれ位置検出信号p5と位置検出信号p6との間の時間間隔であり、これらの時間間隔t63、t64、t65、t66は、位置センサPB、PCの取付位置に誤差が生じても、また永久磁石m1〜m6、M1〜M6に着磁位置の誤差が生じても、その誤差に影響されない。
通電切替えタイミング演算手段131は、位置検出信号発生装置40の出力信号SA、SB、SCに含まれる複数の位置検出信号p1〜p6と、複数の時間間隔t61〜t66に基づいて、複数の通電切替えタイミングtv1、tu2、tw2、tv2、tu1、tw1をそれぞれ決定する。具体的には、回転位置P8、P9の中間における通電切替えタイミングtv1は、回転位置P7における位置検出信号p1を基準として、この位置検出信号p1から経過時間{(t61/6)+(t66/12)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間(t61/6)は、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P7における位置検出信号p1との間の時間間隔t61に1/6を乗算することにより得られる。また、前記時間(t66/12)は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P8における位置検出信号p6との間の時間間隔t66に1/12を乗算することにより得られる。回転位置P14、P15の中間、および回転位置P2、P3の中間における各通電切替えタイミングtv1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t61と直前の時間間隔t66を用いて、経過時間{(t61/6)+(t66/12)}を演算し、直前の位置検出信号p1から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P9、P10の中間における通電切替えタイミングtu2は、回転位置P8における位置検出信号p6を基準として、この位置検出信号p6から経過時間{(t66/6)+(t63/12)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間(t66/6)は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P8における位置検出信号p6との間の時間間隔t66に1/6を乗算することにより得られる。また、前記時間(t63/12)は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P9における位置検出信号p3との間の時間間隔t63に1/12を乗算することにより得られる。回転位置P15、P16の中間、および回転位置P3、P4の中間における各通電切替えタイミングtu2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t66と直前の時間間隔t63を用いて、経過時間{(t66/6)+(t63/12)}を演算し、直前の位置検出信号p6から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P10、P11の中間における通電切替えタイミングtw2は、回転位置P9における位置検出信号p3を基準として、この位置検出信号p3から経過時間{(t63/6)+(t62/12)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t63/6)は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P9における位置検出信号p3との間の時間間隔t63に1/6を乗算することにより得られる。また、前記時間(t62/12)は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P10における位置検出信号p2との間の時間間隔t62に1/12を乗算することにより得られる。回転位置P16、P17の中間、および回転位置P4、P5の中間における各通電切替えタイミングtw2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t63と直前の時間間隔t62を用いて、経過時間{(t63/6)+(t62/12)}を演算し、直前の位置検出信号p3から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P11、P12の中間における通電切替えタイミングtv2は、回転位置P10における位置検出信号p2を基準として、この位置検出信号p2から経過時間{(t62/6)+(t65/12)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t62/6)は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P10における位置検出信号p2との間の時間間隔t62に1/6を乗算することにより得られる。また、前記時間(t65/12)は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置11における位置検出信号p5との間の時間間隔t65に1/12を乗算することにより得られる。回転位置P17、P18の中間、および回転位置P5、P6の中間における各通電切替えタイミングtv2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t62と直前の時間間隔t65を用いて、経過時間{(t62/6)+(t65/12)}を演算し、直前の位置検出信号p2から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P12、P13の中間における通電切替えタイミングtu1は、回転位置P11における位置検出信号p5を基準として、この位置検出信号p5から経過時間{(t65/6)+(t64/12)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t65/6)は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P11における位置検出信号p5との間の時間間隔t65に1/6を乗算することにより得られる。また、前記時間(t64/12)は、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P12における位置検出信号p4との間の時間間隔t64に1/12を乗算することにより得られる。回転位置P18と次の期間Tn+1の回転位置P1の中間、および回転位置P6、P7の中間における各通電切替えタイミングtu1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t65と直前の時間間隔t64を用いて、経過時間{(t65/6)+(t64/12)}を演算し、直前の位置検出信号p5から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P13、P14の中間における通電切替えタイミングtw1は、回転位置P12における位置検出信号p4を基準として、この位置検出信号p4から経過時間{(t64/6)+(t61/12)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t64/6)は、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P12における位置検出信号p4との間の時間間隔t64に1/6を乗算することにより得られる。また、前記時間(t61/12)は、回転位置P7における位置検出信号p1と回転位置P13における位置検出信号p1との間の時間間隔t61に1/12を乗算することにより得られる。回転位置P1、P2の中間、および回転位置P7、P8の中間における各通電切替えタイミングtw1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t64と直前の時間間隔t61を用いて、経過時間{(t64/6)+(t61/12)}を演算し、直前の位置検出信号p4から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
実施の形態5は、連続する6つの区間qを加え合わせた加算期間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyを選択し、それらの間で、それぞれ複数の時間間隔t61〜t66を演算し、この複数の時間間隔t61〜t66と、複数の位置検出信号p1〜p6に基づいて、複数の通電切替えタイミングを決定する。複数の時間間隔t61〜t66は、位置センサPA、PB、PCの取付位置の角度誤差の影響を受ないので、複数の通電切替えタイミングは、位置センサPA、PB、PCの取付位置の角度誤差と、永久磁石m1〜m6または永久磁石M1〜M6の着磁位置の誤差だけに依存して変動する結果となり、通電切替えタイミングの変動をより、小さく抑制できる。
実施の形態5では、区間数Qが6であり、この区間数Qが実施の形態1と同様に偶数である。区間数Qが、偶数であるので、複数の時間間隔t61、t63、t65を決定する2つの位置検出信号px、pyは、それぞれ位置検出信号p1、p3、p5の中から選ばれる。複数の位置検出信号p1、p3、p5は、すべて、ロータ20の回転に伴なって、同じ極性の磁束密度の変化を与えるエッジ、すなわちS極からN極へ変化するエッジea、ec、eeが、位置センサPA、PB、PCと対向したときに発生するので、各時間間隔t61、t63、t65を、より正確に演算することができる。また複数の時間間隔t62、t64、t66を決定する2つの位置検出信号px、pyは、それぞれ位置検出信号p2、p4、p6の中から選ばれる。複数の位置検出信号p2、p4、p6は、すべて、ロータ20の回転に伴なって、同じ極性の磁束密度の変化を与えるエッジ、すなわちN極からS極へ変化するエッジeb、ed、efが、位置センサPA、PB、PCと対向したときに発生するので、各時間間隔t62、t64、t66も、より正確に演算することができる。
実施の形態1から5は、それぞれ6極9スロットの三相ブラシレスモータ10の制御装置であり、ロータ20の一回転について、合計18回の通電切替えタイミングtu1、tu2、tv1、tv2、tw1、tw2を決定し、スイッチ素子UH、UL、VH、VL、WH、WLに対する通電を切替える。この一回転当たり合計18回の通電切替えを行なうものにおいて、実施の形態1から5では、加算区間Aqに含まれる連続する区間数Qを、Q=2〜6のいずれかに設定した。この区間数Qをさらに増大する場合に、一回転当たりの通電切替え回数を超えて区間数Qを増大しても非現実的であり、この区間数Qは、一回転当たりの通電切替え回数18に等しいQ=18までの範囲で増大するのが有効である。
実施の形態6.
この実施の形態6では、時間間隔演算モード設定手段135が、外部指令TOに基づいて、Q=17の時間間隔演算モード指令TQを時間間隔演算手段133に与え、時間間隔演算手段133が、連続する17個の区間qの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyの間で、それぞれ時間間隔t171〜t176を演算する。その他は、実施の形態1と同じに構成される
図13は、実施の形態6の動作説明用タイミング図である。この図13の横軸の回転位置P1〜P18は、図5の横軸と基本的に同じであるが、Q=17とされることに関連して、ロータ20の一回転に対応する期間Tnと、これに連続する次の期間Tn+1のそれぞれについて回転位置P1〜P18が示される。また図13(a)〜(j)に示された波形も図5と基本的に同じであるが、各期間Tn、Tn+1に亘って、各信号波形が示される。時間間隔演算手段133は、図13(a)(b)(c)に付記された複数の時間間隔t171〜t176を順次演算する。これらの時間間隔t171〜t176について具体的に説明する。
先ず時間間隔t171は、期間Tnの回転位置P1における位置検出信号p1と期間Tnの回転位置P18における位置検出信号p4の間、期間Tnの回転位置P7における位置検出信号p1と期間Tn+1の回転位置P6における位置検出信号p4との間、および期間Tnの回転位置P13における位置検出信号p1と期間Tn+1の回転位置P12における位置検出信号p4との間で、それぞれ演算される。期間Tn+1の回転位置P1における位置回転信号p1と期間Tn+1の回転位置P18における位置検出信号p4の間、前の期間Tn−1の回転位置P7における位置検出信号p1と期間Tnの回転位置P6における位置検出信号p4との間、および前の期間Tn−1の最後の位置検出信号p1と期間Tnの回転位置P12における位置検出信号p4との間でも、時間間隔t171がそれぞれ演算される。これらの各時間間隔t171は、それぞれQ=17、位置検出信号px=p1、py=p4と設定し、連続する17個の区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p1、p4を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t172は、期間Tnの回転位置P4における位置検出信号p2と次の期間Tn+1の回転位置P3における位置検出信号p3の間、期間Tnの回転位置P10における位置検出信号p2と期間Tn+1の回転位置P9における位置検出信号p3との間、および期間Tnの回転位置P16における位置検出信号p2と次の期間Tn+1の回転位置P15における位置検出信号p3との間で、それぞれ演算される。期間Tn+1の回転位置P4における位置回転信号p2と次の期間Tn+2の回転位置P3における位置検出信号p3の間、前の期間Tn−1の回転位置P10における位置検出信号p2と期間Tnの回転位置P9における位置検出信号p3との間、および前の期間Tn−1の回転位置16における位置検出信号p1と期間Tnの回転位置P15における位置検出信号p3との間でも、それぞれ時間間隔t172が演算される。これらの各時間間隔t172は、それぞれQ=17、位置検出信号px=p2、py=p3と設定し、連続する17個の区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p2、p3を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t173は、期間Tnの回転位置P3における位置検出信号p3と期間Tn+1の回転位置P2における位置検出信号p6の間、期間Tnの回転位置P9における位置検出信号p3と次の期間Tn+1の回転位置P8における位置検出信号p6との間、および期間Tnの回転位置P15における位置検出信号p3と期間Tn+1の回転位置P14における位置検出信号p6との間で、それぞれ演算される。期間Tn+1の回転位置P3における位置回転信号p3と次の期間Tn+2の回転位置P2における位置検出信号p6の間、前の期間Tn−1の回転位置P9における位置検出信号p3と期間Tnの回転位置P8における位置検出信号p6との間、および前の期間Tn−1の回転位置15における位置検出信号p3と期間Tnの回転位置P14における位置検出信号p6との間でも、それぞれ時間間隔t173が演算される。これらの各時間間隔t173は、それぞれQ=17、位置検出信号px=p3、py=p6と設定し、連続する17個の区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p3、p6を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t174は、期間Tnの回転位置P6における位置検出信号p4と期間Tn+1の回転位置P5における位置検出信号p5との間、期間Tnの回転位置P12における位置検出信号p4と期間Tn+1の回転位置P11における位置検出信号p5との間、および期間Tnの回転位置P18における位置検出信号p4と期間Tn+1の回転位置P17における位置検出信号p5との間で、それぞれ演算される。期間Tn+1の回転位置P6における位置回転信号p4と次の期間Tn+2の回転位置P5における位置検出信号p5の間、前の期間Tn−1の回転位置P12における位置検出信号p4と期間Tnの回転位置P11における位置検出信号p5との間、および前の期間Tn−1の回転位置18における位置検出信号p4と期間Tnの回転位置P17における位置検出信号p5との間でも、それぞれ時間間隔t174が演算される。これらの各時間間隔t174は、それぞれQ=17、位置検出信号信号Px=p4、Py=p5と設定し、連続する17個の区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p4、p5を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t175は、期間Tnの回転位置P5における位置検出信号p5と期間Tn+1の回転位置P4における位置検出信号p2の間、期間Tnの回転位置P11における位置検出信号p5と期間Tn+1の回転位置P10における位置検出信号p2との間、および期間Tnの回転位置P17における位置検出信号p5と期間Tn+1の回転位置P16における位置検出信号p2との間で、それぞれ演算される。期間Tn+1の回転位置P5における位置回転信号p5と次の期間Tn+2の回転位置P4における位置検出信号p2の間、前の期間Tn−1の回転位置P11における位置検出信号p5と期間Tnの回転位置P10における位置検出信号p2との間、および前の期間Tn−1の回転位置17における位置検出信号p5と期間Tnの回転位置P16における位置検出信号p2との間でも、それぞれ時間間隔t175が演算される。これらの各時間間隔t175は、それぞれQ=17、位置検出信号px=p5、py=p2と設定し、連続する17個の区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p5、p2を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t176は、期間Tnの回転位置P8における位置検出信号p6と期間Tn+1の回転位置P7における位置検出信号p1の間、回転位置P14における位置検出信号p6と期間Tn+1の回転位置P13における位置検出信号p1との間、および期間Tnの回転位置P2における位置検出信号p6と期間Tn+2の回転位置P1における位置検出信号p1との間で、それぞれ演算される。期間Tn+1の回転位置P8における位置回転信号p6と次の期間Tn+2の回転位置P7における位置検出信号p1の間、前の期間Tn−1の回転位置P14における位置検出信号p6と期間Tnの回転位置P13における位置検出信号p1との間、および期間Tn+1の回転位置2における位置検出信号p6と次の期間Tn+2の回転位置P1における位置検出信号p1との間でも、それぞれ時間間隔t176が演算される。これらの各時間間隔t176は、それぞれQ=17、位置検出信号信号px=p6、py=p1と設定し、連続する17個の区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p6、p1を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
位置センサPA、PB、PCの取付位置に角度誤差が生じた場合、または位置検出用ロータ41の永久磁石m1〜m6、ロータ20を位置検出に兼用するものでは、永久磁石M1〜M6に着磁位置の誤差が生じた場合には、複数の位置検出信号p1〜p6が発生するタイミングがずれるので、複数の通電切替えタイミングtu1、tu2、tv1、tv2、tw1、tw2にも、ずれが発生する。また、複数の時間間隔t171は、それぞれ位置検出信号p1と位置検出信号p4との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t171は、位置センサPA、PBの間の角度θabに依存する。複数の時間間隔t172は、それぞれ位置検出信号p2と位置検出信号p3との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t172も、それぞれ位置センサPA、PBの間の角度θabに依存する。複数の時間間隔t173は、それぞれ位置検出信号p3と位置検出信号p6との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t173は、それぞれ位置センサPB、PCの間の角度θbcに依存する。複数の時間間隔t174は、それぞれ位置検出信号p4と位置検出信号p5との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t174も、それぞれ位置センサPB、PCの間の角度θbcに依存する。複数の時間間隔t75は、それぞれ位置検出信号p5と位置検出信号p2との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t75は、それぞれ位置センサPC、PAの間の角度θcaに依存する。複数の時間間隔t176は、それぞれ位置検出信号p6と位置検出信号p1との間の時間間隔であり、これらの各時間間隔t176も、それぞれ位置センサPC、PAの間の角度θcaに依存する。
通電切替えタイミング演算手段131は、位置検出信号発生装置40の出力信号SA、SB、SCに含まれる複数の位置検出信号p1〜p6と、複数の時間間隔t171〜t176に基づいて、複数の通電切替えタイミングtw1、tv1、tu2、Tw2、tv2、tu1をそれぞれ決定する。具体的には、期間Tn+1の回転位置P1、P2の中間における通電切替えタイミングtw1は、期間Tnの回転位置P17における位置検出信号p4を基準として、この位置検出信号p4から経過時間{(t171/34)+(t176/68)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間(t171/34)は、期間Tnの回転位置P1における位置検出信号p1と期間Tnの回転位置P18における位置検出信号p4との間の時間間隔t171に1/34を乗算することにより得られる。また、前記時間(t176/68)は、期間Tnの回転位置P2における位置検出信号p6と期間Tn+1の回転位置P1における位置検出信号p1との間の時間間隔t176に1/68を乗算することにより得られる。期間Tnの回転位置P7、P8の中間、期間Tnの回転位置P13、P14の中間、期間Tn+1の回転位置P7、P8の中間、および期間Tn+1の回転位置P13、P14の中間における各通電切替えタイミングtw1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t171と直前の時間間隔t176を用いて、経過時間{(t171/34)+(t176/68)}を演算し、直前の位置検出信号p4から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
期間Tn+1の回転位置P2、P3の中間における通電切替えタイミングtv1は、期間Tn+1の回転位置P1における位置検出信号p1を基準として、この位置検出信号p1から経過時間{(t176/34)+(t173/68)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間(t176/34)は、期間Tnの回転位置P2における位置検出信号p6と期間Tn+1の回転位置P1における位置検出信号p1との間の時間間隔t176に1/34を乗算することにより得られる。また、前記時間(t173/68)は、期間Tnの回転位置P3における位置検出信号p3と期間Tn+1の回転位置P2における位置検出信号p6との間の時間間隔t173に1/68を乗算することにより得られる。期間Tnの回転位置P2、P3の中間、期間Tnの回転位置P8、P9の中間、期間Tnの回転位置P14、P15の中間、期間Tn+1の回転位置P8、P9の中間、および期間Tn+1の回転位置P14、P15の中間における各通電切替えタイミングtv1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t176と直前の時間間隔t173を用いて、経過時間{(t176/34)+(t173/34)}を演算し、直前の位置検出信号p1から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
期間Tn+1の回転位置P3、P4の中間における通電切替えタイミングtu2は、期間Tn+1の回転位置P2における位置検出信号p6を基準として、この位置検出信号p6から経過時間{(t173/34)+(t172/68)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t173/34)は、期間Tnの回転位置P3における位置検出信号p3と期間Tn+1の回転位置P2における位置検出信号p6との間の時間間隔t173に1/34を乗算することにより得られる。また、前記時間(t172/68)は、期間Tnの回転位置P4における位置検出信号p2と期間Tn+1の回転位置P3における位置検出信号p3との間の時間間隔t172に1/68を乗算することにより得られる。期間Tnの回転位置P3、P4の中間、期間Tnの回転位置P9、P10の中間、期間Tnの回転位置P15、P16の中間、期間Tn+1の回転位置P9、P10の中間、および期間Tn+1の回転位置P15、P16の中間における各通電切替えタイミングtu2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t173と直前の時間間隔t172を用いて、経過時間{(t173/34)+(t172/68)}を演算し、直前の位置検出信号p6から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
期間Tn+1の回転位置P4、P5の中間における通電切替えタイミングtw2は、期間Tn+1の回転位置P3における位置検出信号p3を基準として、この位置検出信号p3から経過時間{(t172/34)+(t175/68)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t172/34)は、期間Tnの回転位置P4における位置検出信号p2と期間Tn+1の回転位置P3における位置検出信号p3との間の時間間隔t172に1/34を乗算することにより得られる。また、前記時間(t175/68)は、期間Tnの回転位置P5における位置検出信号p5と期間Tn+1の回転位置P4における位置検出信号p2との間の時間間隔t175に1/68を乗算することにより得られる。期間Tnの回転位置P4、P5間、期間Tnの回転位置P10、P11の中間、基間Tnの回転位置P16、P17の中間、期間Tn+1の回転位置P10、P11の中間、および期間Tn+1の回転位置P16、P17の中間における各通電切替えタイミングtw2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t172と直前の時間間隔t175を用いて、経過時間{(t172/34)+(t175/68)}を演算し、直前の位置検出信号p3から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
期間Tn+1の回転位置P5、P6の中間における通電切替えタイミングtv2は、期間Tn+1の回転位置P4における位置検出信号p2を基準として、この位置検出信号p2から経過時間{(t175/34)+(t174/68)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t175/34)は、期間Tnの回転位置P5における位置検出信号p5と期間Tn+1の回転位置P4における位置検出信号p2との間の時間間隔t175に1/34を乗算することにより得られる。また、前記時間(t174/68)は、期間Tnの回転位置P6における位置検出信号p4と期間Tn+1の回転位置P5における位置検出信号p5との間の時間間隔t174に1/68を乗算することにより得られる。期間Tnの回転位置P5、P6の中間、期間Tnの回転位置P11、P12の中間、期間Tnの回転位置P17、P18の中間、期間Tn+1の回転位置P11、P12の中間、および期間Tn+1の回転位置P17、P18の中間における各通電切替えタイミングtv2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t175と直前の時間間隔t174を用いて、経過時間{(t175/34)+(t174/68)}を演算し、直前の位置検出信号p2から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
期間Tn+1の回転位置P6、P7の中間における通電切替えタイミングtu1は、期間Tn+1の回転位置P5における位置検出信号p5を基準として、この位置検出信号p5から経過時間{(t174/34)+(t171/68)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t174/34)は、期間Tnの回転位置P6における位置検出信号p4と期間Tn+1の回転位置P5における位置検出信号p5との間の時間間隔t174に1/34を乗算することにより得られる。また、前記時間(t171/68)は、期間Tnの回転位置P7における位置検出信号p1と期間Tn+1の回転位置P6における位置検出信号p4との間の時間間隔t171に1/68を乗算することにより得られる。期間Tnの回転位置P6、P7の中間、期間Tnの回転位置P12、P13の中間、期間Tnの回転位置P18と期間Tn+1の回転位置P1の中間、および期間Tn+1の回転位置P12、P13の中間における各通電切替えタイミングtu1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t174と直前の時間間隔t171を用いて、経過時間{(t174/34)+(t171/68)}を演算し、直前の位置検出信号p5から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
実施の形態6では、複数の時間間隔t171〜t176が、それぞれ、連続する17個の区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyの間の時間間隔とされ、これらの複数の時間間隔t171〜t176と、複数の位置検出信号p1〜p6とに基づいて、複数の通電切替えタイミングtw1、tv1、tu2、tw2、tv2、tu1がそれぞれ決定される。複数の時間間隔t171〜t176は、それぞれ時間間隔t0を実質的に17倍した時間間隔を持つ。この時間間隔t0を実質的に17倍した各時間間隔t171〜t176に、それぞれ1/34、1/68を乗算した値を用いて、複数の通電切替えタイミングを決定することにより、位置センサPA、PB、PCの取付位置に誤差が生じた場合にも、その誤差が平均化されるので、その影響が低減される。また、位置検出用ロータ41の永久磁石m1〜m6の配置誤差に伴なう着磁位置の誤差についても、同様に、その影響を低減することができる。位置検出用ロータ41に代って、ロータ20を兼用するものにおいても、同様に、永久磁石M1〜M6の配置誤差に伴なう着磁位置の誤差の影響を低減することができる。
実施の形態7.
この実施の形態7では、時間間隔演算モード設定手段135が、外部指令TOに基づいて、Q=18の時間間隔演算モード指令TQを時間間隔演算手段133に与え、時間間隔演算手段133が、連続する18個の区間qの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyの間で、それぞれ複数の時間間隔t181〜t186を演算する。その他は、実施の形態1と同じに構成される
図14は、実施の形態7の動作説明用タイミング図である。この図14の横軸の回転位置P1〜P18は、図5の横軸と基本的に同じであるが、Q=18とされることに関連して、ロータ20の一回転に対応する期間Tnと、これに連続する次の期間Tn+1について、それぞれ回転位置P1〜P18が示される。また図14(a)〜(j)に示された波形も図5と基本的に同じであるが、各期間Tn、Tn+1に亘って各信号波形が示される。時間間隔演算手段133は、図14(a)(b)(c)に付記された複数の時間間隔t181〜t186を順次演算する。これらの時間間隔t181〜t186について具体的に説明する。
先ず時間間隔t181は、期間Tnの回転位置P1における位置検出信号p1と期間Tn+1の回転位置P1における位置検出信号p1の間、期間Tnの回転位置P7における位置検出信号p1と期間Tn+1の回転位置P7における位置検出信号p1との間、および期間Tnの回転位置P13における位置検出信号p1と期間Tn+1の回転位置P13における位置検出信号p1との間で、それぞれ演算される。期間Tn+1の回転位置P1における位置回転信号p1と次の期間Tn+2の回転位置P1における位置検出信号p1の間、前の期間Tn−1の回転位置P13における位置検出信号p1と期間Tnの回転位置P7における位置検出信号p1との間、および前の期間Tn−1の回転位置13における位置検出信号p1と期間Tnの回転位置P13における位置検出信号p1との間でも、それぞれ時間間隔t181が演算される。これらの各時間間隔t181は、それぞれQ=18、位置検出信号px=p1、py=p1と設定し、連続する18個の区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p1、p1を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t182は、期間Tnの回転位置P4における位置検出信号p2と次の期間Tn+1の回転位置P4における位置検出信号p2の間、期間Tnの回転位置P10における位置検出信号p2と期間Tn+1の回転位置P10における位置検出信号p2との間、および期間Tnの回転位置P16における位置検出信号p2と次の期間Tn+1の回転位置P16における位置検出信号p2との間で、それぞれ演算される。期間Tn+1の回転位置P4における位置回転信号p2と次の期間Tn+2の回転位置P4における位置検出信号p2の間、前の期間Tn−1の回転位置P10における位置検出信号p2と期間Tnの回転位置P10における位置検出信号p2との間、および前の期間Tn−1の回転位置16における位置検出信号p1と期間Tnの回転位置P16における位置検出信号p2との間でも、それぞれ時間間隔t182が演算される。これらの各時間間隔t182は、それぞれQ=18、位置検出信号px=p2、py=p2と設定し、連続する18個の区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p2、p2を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t183は、期間Tnの回転位置P3における位置検出信号p3と期間Tn+1の回転位置P3における位置検出信号p3の間、期間Tnの回転位置P9における位置検出信号p3と次の期間Tn+1の回転位置P9における位置検出信号p3との間、および期間Tnの回転位置P15における位置検出信号p3と期間Tn+1の回転位置P15における位置検出信号p3との間で、それぞれ演算される。期間Tn+1の回転位置P3における位置回転信号p3と次の期間Tn+2の回転位置P3における位置検出信号p3の間、前の期間Tn−1の回転位置P9における位置検出信号p3と期間Tnの回転位置P9における位置検出信号p3との間、および前の期間Tn−1の回転位置15における位置検出信号p3と期間Tnの回転位置P15における位置検出信号p3との間でも、それぞれ時間間隔t183が演算される。これらの各時間間隔t183は、それぞれQ=18、位置検出信号px=p3、py=p3と設定し、連続する18個の区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p3、p3を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t184は、期間Tnの回転位置P6における位置検出信号p4と期間Tn+1の回転位置P6における位置検出信号p4との間、期間Tnの回転位置P12における位置検出信号p4と期間Tn+1の回転位置P12における位置検出信号p4との間、および期間Tnの回転位置P18における位置検出信号p4と期間Tn+1の回転位置P18における位置検出信号p4との間で、それぞれ演算される。期間Tn+1の回転位置P6における位置回転信号p4と次の期間Tn+2の回転位置P6における位置検出信号p4の間、前の期間Tn−1の回転位置P12における位置検出信号p4と期間Tnの回転位置P12における位置検出信号p4との間、および前の期間Tn−1の回転位置18における位置検出信号p4と期間Tnの回転位置P18における位置検出信号p4との間でも、それぞれ時間間隔t184が演算される。この時間間隔t184は、Q=18、位置検出信号信号px=p4、py=p4と設定し、連続する18個の区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p4、p4を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t185は、期間Tnの回転位置P5における位置検出信号p5と期間Tn+1の回転位置P5における位置検出信号p5の間、期間Tnの回転位置P11における位置検出信号p5と期間Tn+1の回転位置P11における位置検出信号p5との間、および期間Tnの回転位置P17における位置検出信号p5と期間Tn+1の回転位置P17における位置検出信号p5との間で、それぞれ演算される。期間Tn+1の回転位置P5における位置回転信号p5と次の期間Tn+2の回転位置P5における位置検出信号p5の間、前の期間Tn−1の回転位置P11における位置検出信号p5と期間Tnの回転位置P11における位置検出信号p5との間、および前の期間Tn−1の回転位置17における位置検出信号p5と期間Tnの回転位置P17における位置検出信号p5との間でも、それぞれ時間間隔t185が演算される。これらの各時間間隔t185は、それぞれQ=18、位置検出信号px=p5、py=p5と設定し、連続する18個の区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p5、p5を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t186は、期間Tnの回転位置P8における位置検出信号p6と期間Tn+1の回転位置P8における位置検出信号p6の間、回転位置P14における位置検出信号p6と期間Tn+1の回転位置P14における位置検出信号p6との間、および期間Tnの回転位置P2における位置検出信号p6と期間Tn+1の回転位置P2における位置検出信号p6との間で、それぞれ演算される。期間Tn+1の回転位置P8における位置回転信号p6と次の期間Tn+2の回転位置P8における位置検出信号p6の間、前の期間Tn−1の回転位置P14における位置検出信号p6と期間Tnの回転位置P14における位置検出信号p6との間、および期間Tn+1の回転位置2における位置検出信号p6と次の期間Tn+2の回転位置P2における位置検出信号p2との間でも、それぞれ時間間隔t186が演算される。これらの各時間間隔t186は、それぞれQ=18、位置検出信号信号px=p6、py=p6と設定し、連続する18個の区間qを加え合わせた加算区間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号p6、p6を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
位置センサPA、PB、PCの取付位置に角度誤差が生じた場合、または位置検出用ロータ41の永久磁石m1〜m6、ロータ20を位置検出に兼用するものでは、永久磁石M1〜M6に着磁位置の誤差が生じた場合には、複数の位置検出信号p1〜p6が発生するタイミングがずれるので、複数の通電切替えタイミングtu1、tu2、tv1、tv2、tw1、tw2にも、ずれが発生する。しかし、実施の形態7では、複数の時間間隔t181、t182は、それぞれ位置検出信号p1と位置検出信号p2との間の時間間隔であり、これらの時間間隔t181、t182は、いずれも、位置センサPAの取付位置に誤差が生じても、また永久磁石m1〜m6、M1〜M6に着磁位置の誤差が生じても、その誤差に影響されない。複数の時間間隔t183、t184は、それぞれ位置検出信号p3と位置検出信号p4との間の時間間隔であり、また、複数の時間間隔t185、t186は、それぞれ位置検出信号p5と位置検出信号p6との間の時間間隔であり、これらの時間間隔t183、t184、t185、t186は、いずれも、位置センサPB、PCの取付位置に誤差が生じても、また永久磁石m1〜m6、M1〜M6に着磁位置の誤差が生じても、その誤差に影響されない。
通電切替えタイミング演算手段131は、位置検出信号発生装置40の出力信号SA、SB、SCに含まれる複数の位置検出信号p1〜p6と、複数の時間間隔t181〜t186とに基づいて、複数の通電切替えタイミングtv1、tu2、Tw2、tv2、tu1、tw2をそれぞれ決定する。具体的には、期間Tn+1の回転位置P2、P3の中間における通電切替えタイミングtv1は、期間Tn+1の回転位置P1における位置検出信号p1を基準として、この位置検出信号p1から経過時間{(t181/36)+(t186/72)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間(t181/36)は、期間Tnの回転位置P1における位置検出信号p1と期間Tn+1の回転位置P1における位置検出信号p1との間の時間間隔t181に1/36を乗算することにより得られる。また、前記時間(t186/72)は、期間Tnの回転位置P2における位置検出信号p6と期間Tn+1の回転位置P2における位置検出信号p6との間の時間間隔t186に1/72を乗算することにより得られる。期間Tnの回転位置P2、P3の中間、期間Tnの回転位置P8、P9の中間、期間Tnの回転位置P14、P15の中間、期間Tn+1の回転位置P8、P9の中間、および期間Tn+1の回転位置P14、P15の中間における各通電切替えタイミングtv1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t181と直前の時間間隔t186を用いて、経過時間{(t181/36)+(t186/72)}を演算し、直前の位置検出信号p1から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
期間Tn+1の回転位置P3、P4の中間における通電切替えタイミングtu2は、期間Tn+1の回転位置P2における位置検出信号p6を基準として、この位置検出信号p6から経過時間{(t186/36)+(t183/72)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間(t186/36)は、期間Tnの回転位置P2における位置検出信号p6と期間Tn+1の回転位置P2における位置検出信号p2との間の時間間隔t186に1/36を乗算することにより得られる。また、前記時間(t183/72)は、期間Tnの回転位置P3における位置検出信号p3と期間Tn+1の回転位置P3における位置検出信号p3との間の時間間隔t183に1/72を乗算することにより得られる。期間Tnの回転位置P3、P4の中間、期間Tnの回転位置P9、P10の中間、期間Tnの回転位置P15、P16の中間、期間Tn+1の回転位置P9、P10の中間、および期間Tn+1の回転位置P15、P16の中間における各通電切替えタイミングtu2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t186と直前の時間間隔t183を用いて、経過時間{(t186/36)+(t183/72)}を演算し、直前の位置検出信号p6から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
期間Tn+1の回転位置P4、P5の中間における通電切替えタイミングtw2は、期間Tn+1の回転位置P3における位置検出信号p3を基準として、この位置検出信号p3から経過時間{(t183/36)+(t182/72)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t183/36)は、期間Tnの回転位置P3における位置検出信号p3と期間Tn+1の回転位置P3における位置検出信号p3との間の時間間隔t183に1/36を乗算することにより得られる。また、前記時間(t182/72)は、期間Tnの回転位置P4における位置検出信号p2と期間Tn+1の回転位置P4における位置検出信号p2との間の時間間隔t182に1/72を乗算することにより得られる。期間Tnの回転位置P4、P5の中間、期間Tnの回転位置P10、P11の中間、期間Tnの回転位置P16、P17の中間、期間Tn+1の回転位置P10、P11の中間、および期間Tn+1の回転位置P16、P17の中間における各通電切替えタイミングtw2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t183と直前の時間間隔t182を用いて、経過時間{(t183/36)+(t182/72)}を演算し、直前の位置検出信号p3から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
期間Tn+1の回転位置P5、P6の中間における通電切替えタイミングtv2は、期間Tn+1の回転位置P4における位置検出信号p2を基準として、この位置検出信号p2から経過時間{(t182/36)+(t185/72)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t182/36)は、期間Tnの回転位置P4における位置検出信号p2と期間Tn+1の回転位置P4における位置検出信号p2との間の時間間隔t182に1/36を乗算することにより得られる。また、前記時間(t185/72)は、期間Tnの回転位置P5における位置検出信号p5と期間Tn+1の回転位置P5における位置検出信号p5との間の時間間隔t185に1/72を乗算することにより得られる。期間Tnの回転位置P5、P6間、期間Tnの回転位置P11、P12の中間、基間Tnの回転位置P17、P18の中間、期間Tn+1の回転位置P11、P12の中間、および期間Tn+1の回転位置P17、P18の中間における各通電切替えタイミングtv2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t182と直前の時間間隔t185を用いて、経過時間{(t182/36)+(t185/72)}を演算し、直前の位置検出信号p2から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
期間Tn+1の回転位置P6、P7の中間における通電切替えタイミングtu1は、期間Tn+1の回転位置P5における位置検出信号p5を基準として、この位置検出信号p5から経過時間{(t185/36)+(t184/72)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t185/36)は、期間Tnの回転位置P5における位置検出信号p5と期間Tn+1の回転位置P5における位置検出信号p5との間の時間間隔t185に1/36を乗算することにより得られる。また、前記時間(t184/72)は、期間Tnの回転位置P6における位置検出信号p4と期間Tn+1の回転位置P6における位置検出信号p4との間の時間間隔t184に1/72を乗算することにより得られる。期間Tnの回転位置P6、P7の中間、期間Tnの回転位置P12、P13の中間、期間Tnの回転位置P18と期間Tn+1の回転位置P1の中間、および期間Tn+1の回転位置P12、P13の中間における各通電切替えタイミングtu1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t185と直前の時間間隔t184を用いて、経過時間{(t185/36)+(t184/72)}を演算し、直前の位置検出信号p5から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
期間Tn+1の回転位置P7、P8の中間における通電切替えタイミングtw1は、期間Tn+1の回転位置P6における位置検出信号p4を基準として、この位置検出信号p4から経過時間{(t184/36)+(t181/72)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間(t184/36)は、期間Tnの回転位置P6における位置検出信号p4と期間Tn+1の回転位置P6における位置検出信号p4との間の時間間隔t184に1/36を乗算することにより得られる。また、前記時間(t181/72)は、期間Tnの回転位置P7における位置検出信号p1と期間Tn+1の回転位置P7における位置検出信号p1との間の時間間隔t181に1/72を乗算することにより得られる。期間Tnの回転位置P1、P2の中間、期間Tnの回転位置P7、P8の中間、期間Tnの回転位置P13、P14の中間、期間Tn+1の回転位置P1、P2の中間、および期間Tn+1の回転位置P13、P14の中間における各通電切替えタイミングtw1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t184と直前の時間間隔t181を用いて、経過時間{(t184/36)+(t181/72)}を演算し、直前の位置検出信号p4から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
実施の形態7は、連続する18個の区間qを加え合わせた加算期間Aqの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyを選択し、それらの間で、それぞれ複数の時間間隔t181〜t186を演算し、これらの複数の時間間隔t181〜t186と、複数の位置検出信号p1〜p6とに基づいて、複数の通電切替えタイミングを決定する。複数の時間間隔t181〜t186は、それぞれ位置センサPA、PB、PCの取付位置の角度誤差の影響を受ないので、通電切替えタイミングは、位置センサPA、PB、PCの取付位置の角度誤差と、永久磁石m1〜m6または永久磁石M1〜M6の着磁位置の誤差だけに依存して変動する結果となり、通電切替えタイミングの変動をより、小さく抑制できる。
実施の形態7では、区間数Qが18であり、この区間数Qが実施の形態1と同様に偶数である。区間数Qが、偶数であるので、複数の時間間隔t181、t183、t185を決定する2つの位置検出信号px、pyは、複数の位置検出信号p1、p3、p5の中から選ばれる。複数の位置検出信号p1、p3、p5は、すべて、ロータ20の回転に伴なって、同じ極性の磁束密度の変化を与えるエッジ、すなわちS極からN極へ変化するエッジea、ec、eeが、位置センサPA、PB、PCと対向したときに発生するので、時間間隔t181、t183、t185を、より正確に演算することができる。また複数の時間間隔t182、t184、t186を決定する2つの位置検出信号px、pyは複数の位置検出信号p2、p4、p6の中から選ばれる。複数の位置検出信号p2、p4、p6は、すべて、ロータ20の回転に伴なって、同じ極性の磁束密度の変化を与えるエッジ、すなわちN極からS極へ変化するエッジeb、ed、efが、位置センサPA、PB、PCと対向したときに発生するので、時間間隔t182、t184、t186も、より正確に演算することができる。
実施の形態8.
この実施の形態8は、三相ブラシレスモータ10に対する回転速度指令RIの変化量にの変化に基づいて、時間間隔演算モードを切替える。この実施の形態8では、演算処理手段130の時間間隔演算モード設定手段135が、少なくとも2つの時間間隔演算モードMT1、MT2を設定するように構成される。時間間隔演算モードMT2では、時間間隔演算モード指令TQが、区間数Qを2〜18の範囲にいづれかに設定する。この時間間隔演算モードMT2は、実施の形態1〜7と同様である。また、時間間隔演算モードMT1では、時間間隔演算モード指令TQが、区間数Qを1に設定する。その他は、実施の形態1〜7と同じに構成される。
この実施の形態8において、回転速度指令演算手段137は、所定時間、例えば4ms毎に、順次三相ブラシレスモータ10に対する回転速度指令RIを出力する。この回転速度指令RIは、PWM制御回路120に供給され、スイッチ素子UH、UL、VH、VL、WH、WLのそれぞれのオン期間におけるパルスデューティを制御し、三相ブラシレスモータ10の回転速度を制御する。回転速度指令RIが、RI(n)からRI(n+1)に変化する場合を想定する。
図15は、この実施の形態8における時間間隔演算モード設定手段135の動作を示すフローチャートである。実施の形態8では、時間間隔演算モード設定手段135は、外部指令TOによらずに、図15のフローチャートに基づいて、時間間隔演算モードMT1、MT2を切替える。このフローチャートは、ステップS11〜S16の6つのステップを含む。ステップS11では、回転速度指令RI(n)を読込み、記憶する。次のステップS12では、回転速度指令RI(n+1)を読込む。次のステップS13では、回転速度指令RI(n)と回転速度指令RI(n+1)との変化量ΔRIを順次演算する。この変化量ΔRIは、次の式(1)で表わされる。
ΔRI=|RI(n)―RI(n+1)| (1)
次のステップS14では、変化量ΔRIが所定値、例えば0.05以上であるかどうかを判定する。ステップS14の判定結果がYESならば、ステップS15に移行し、このステップS15で、時間間隔演算モードMT1を設定する。ステップS15で時間間隔演算モードMT1を設定した後、最初のステップS11に戻る。ステップS14の判定結果がNOならば、ステップS16に移行し、このステップS16で、時間間隔演算モードMT2を設定する。ステップS16で時間間隔演算モードMT2を設定した後は、ステップS11に戻る。
時間間隔演算モードMT2を設定した場合、通電切替えタイミングの変動を抑制することができるが、反面、回転速度指令RIの変化に対する応答性が低下する。実施の形態8では、回転速度指令RIの変化量ΔRIの変化に基づいて、その変化量ΔRIが所定値を超えなければ、時間間隔演算モードMT2を設定するが、変化量ΔRIが所定値以上になれば、時間間隔演算モードMT1を設定し、従来制御を行なう。
この実施の形態8では、回転速度指令RIの変化量ΔRIに応じて、時間間隔演算モードMT1、MT2を切替えるので、変化量ΔRIが所定値を超えなければ、時間間隔演算モードMT2により、通電切替えタイミングの変化を抑制し、また変化量ΔRIが所定値以上になれば、時間間隔演算モードMT1により、回転速度指令RIに対する応答性を改善することができる。
この実施の形態8では、時間間隔演算モード設定手段135が時間間隔演算手段133に時間間隔演算モードMT1を与えたときには、時間間隔演算手段133は、区間数QをQ=1に設定し、各区間qの両端に位置する2つの位置検出信号px、pyの間の時間間隔t11〜t16を演算し、これらの複数の時間間隔t11〜t16と、複数の位置検出信号p1〜p6に基づいて、複数の通電切替えタイミングtu1、tu2、tv1、tv2、tw1、tw2を決定する。この制御は、従来制御であるが、実施の形態8、9、10において、時間間隔演算モードTM1で使用されるので、それらの時間間隔t11〜t16と、各通電切替えタイミングtu1、tu2、tv1、tv2、tw1、tw2の決定について、図16を参照して説明する。図16の制御は、Q=1と設定される以外は、実施の形態1と同じである。
図16において、先ず時間間隔t11は、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P2における位置検出信号p6の間、回転位置P7における位置検出信号p1と回転位置P8における位置検出信号p6との間、および回転位置P13における位置検出信号p1と回転位置P14における位置検出信号p6との間で、それぞれ演算される。これらの時間間隔t11は、それぞれQ=1、位置検出信号px=p1、py=p6と設定し、単に1つの区間qの両端に位置する2つの位置検出信号p1、p6を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t12は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P5における位置検出信号p5の間、回転位置P10における位置検出信号p2と回転位置P11における位置検出信号p5との間、および回転位置P16における位置検出信号p2と回転位置P17における位置検出信号p5との間で、それぞれ演算される。これらの時間間隔t12は、それぞれQ=1、位置検出信号px=p2、py=p5と設定し、単に1つの区間qの両端に位置する2つの位置検出信号p2、p5を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t13は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P4における位置検出信号p2の間、回転位置P9における位置検出信号p3と回転位置P10における位置検出信号p2との間、および回転位置P15における位置検出信号p3と回転位置P16における位置検出信号p2との間で、それぞれ演算される。これらの時間間隔t13は、それぞれQ=1、位置検出信号px=p3、py=p2と設定し、単に1つの区間qの両端に位置する2つの位置検出信号p3、p2を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t14は、前の期間Tn−1の回転位置P18における位置検出信号p4と回転位置P1における位置検出信号p1との間、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P7における位置検出信号p1の間、回転位置P12における位置検出信号p4と回転位置P13における位置検出信号p1の間、および回転位置P18における位置検出信号p4と次の期間Tn+1の回転位置P1における位置検出信号p1との間で、それぞれ演算される。これらの時間間隔t14は、それぞれQ=1、位置検出信号px=p4、py=p1と設定し、単に1つの区間qの両端に位置する2つの位置検出信号p4、p1を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t15は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P6における位置検出信号p4の間、回転位置P11における位置検出信号p5と回転位置P12における位置検出信号p4との間、および回転位置P17における位置検出信号p5と回転位置P18における位置検出信号p4との間で、それぞれ演算される。これらの時間間隔t15は、それぞれQ=1、位置検出信号px=p5、py=p1と設定し、単に1つの区間qの両端に位置する2つの位置検出信号p5、p4を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
時間間隔t16は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P3における位置検出信号p3の間、回転位置P8における位置検出信号p6と回転位置P9における位置検出信号p3の間、および回転位置P14における位置検出信号p6と回転位置P15における位置検出信号p3との間で、それぞれ演算される。これらの時間間隔t16は、それぞれQ=1、位置検出信号px=p6、py=p3と設定し、単に1つの区間qの両端に位置する2つの位置検出信号p6、p3を選択し、それらの間の時間間隔を演算することにより得られる。
通電切替えタイミング演算手段131は、位置検出信号発生装置40の出力信号SA、SB、SCに含まれる複数の位置検出信号p1〜p6と、複数の時間間隔t11〜t16に基づいて、複数の通電切替えタイミングtu2、tw2、tv2、tu1、tw1、tv1をそれぞれ決定する。具体的には、回転位置P3、P4の中間における通電切替えタイミングtu2は、回転位置P2における位置検出信号p6を基準として、この位置検出信号p6から経過時間{t11+(t16/2)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間t11は、回転位置P1における位置検出信号p1と回転位置P2における位置検出信号p6との間の時間間隔t11である。また、時間(t16/2)は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P3における位置検出信号p3との間の時間間隔t16に1/2を乗算することにより得られる。回転位置P9、P10の中間、および回転位置P15、P16の中間における各通電切替えタイミングtu2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t11と直前の時間間隔t16を用いて、経過時間{t11+(t16/2)}を演算し、直前の位置検出信号p6から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P4、P5の中間における通電切替えタイミングtw2は、回転位置P3における位置検出信号p3を基準として、この位置検出信号p3から経過時間{t16+(t13/2)}だけ遅れたタイミングに設定される。前記時間t16は、回転位置P2における位置検出信号p6と回転位置P3における位置検出信号p3との間の時間間隔である。また、前記時間(t13/2)は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P4における位置検出信号p2との間の時間間隔t13に1/2を乗算することにより得られる。回転位置P10、P11の中間、および回転位置P16、P17の中間における各通電切替えタイミングtw2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t16と直前の時間間隔t13を用いて、経過時間{t16+(t13/2)}を演算し、直前の位置検出信号p3から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P5、P6の中間における通電切替えタイミングtv2は、回転位置P4における位置検出信号p2を基準として、この位置検出信号p2から経過時間{t13+(t12/2)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間t13は、回転位置P3における位置検出信号p3と回転位置P4における位置検出信号p2との間の時間間隔である。また、前記時間(t12/2)は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P5における位置検出信号p5との間の時間間隔t12に1/2を乗算することにより得られる。回転位置P11、P12の中間、および回転位置P17、P18の中間における各通電切替えタイミングtv2も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t13と直前の時間t12を用いて、経過時間{t13+(t12/2)}を演算し、直前の位置検出信号p2から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P6、P7の中間における通電切替えタイミングtu1は、回転位置P5における位置検出信号p5を基準として、この位置検出信号p5から経過時間{t12+(t15/2)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間t12は、回転位置P4における位置検出信号p2と回転位置P5における位置検出信号p5との間の時間間隔である。また、前記時間(t15/2)は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P6における位置検出信号p4との間の時間間隔t15に1/2を乗算することにより得られる。回転位置P12、P13の中間、および回転位置P18と次の期間Tn+1の回転位置P1の中間における各通電切替えタイミングtu1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t12と直前の時間t15を用いて、経過時間{t12+(t15/2)}を演算し、直前の位置検出信号p5から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P7、P8の中間における通電切替えタイミングtw1は、回転位置P6における位置検出信号p4を基準として、この位置検出信号p4から経過時間{t15+(t14/2)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間t15は、回転位置P5における位置検出信号p5と回転位置P6における位置検出信号p4との間の時間間隔である。また、前記時間(t14/2)は、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P7における位置検出信号p1との間の時間間隔t14に1/2を乗算することにより得られる。回転位置P1、P2の中間、および回転位置P13、P14の中間における各通電切替えタイミングtw1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t15と直前の時間間隔t14を用いて、経過時間{t15+(t14/2)}を演算し、直前の位置検出信号p4から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
回転位置P8、P9の中間における通電切替えタイミングtv1は、回転位置P7における位置検出信号p1を基準として、この位置検出信号p1から経過時間{t14+(t11/2)}だけ遅れたタイミングとされる。前記時間t14は、回転位置P6における位置検出信号p4と回転位置P7における位置検出信号p1との間の時間間隔t14である。また、前記時間(t11/2)は、回転位置P7における位置検出信号p1と回転位置P8における位置検出信号p6との間の時間間隔t11に1/2を乗算することにより得られる。回転位置P2、P3の中間、および回転位置P14、P15の中間における各通電切替えタイミングtv1も同様に、それぞれ、直前の時間間隔t14と直前の時間間隔t11を用いて、経過時間{t14+(t11/2)}を演算し、直前の位置検出信号p1から、この経過時間だけ遅れたタイミングとされる。
実施の形態9.
この実施の形態9は、三相ブラシレスモータ10に対する回転速度指令RIと、三相ブラシレスモータ10の実回転速度との偏差の変化に基づいて、時間間隔演算モードを切替える。この実施の形態9では、演算処理手段130の時間間隔演算モード設定手段135が、少なくとも2つの時間間隔演算モードMT1、MT2を設定するように構成される。時間間隔演算モードMT2では、時間間隔演算モード指令TQが、区間数Qを2〜18の範囲のいづれかに設定する。この時間間隔演算モードMT2は、実施の形態1〜7と同じである。また、時間間隔演算モードMT1では、時間間隔演算モード指令TQが、区間数Qを1に設定する。その他は、実施の形態1と同じに構成される。
この実施の形態9において、回転速度指令演算手段137は、三相ブラシレスモータ10に対して、回転速度指令RIを出力する。この回転速度指令RIは、PWM制御回路120に供給され、スイッチ素子UH、UL、VH、VL、WH、WLのそれぞれのオン期間におけるパルスデューティを制御し、三相ブラシレスモータ10の回転速度を制御する。実施の形態9では、回転速度指令RIと三相ブラシレスモータ10の実回転速度Raとの偏差ΔRに基づいて、時間間隔演算モードMT1、MT2を切替える。
図17は、この実施の形態9における時間間隔演算モード設定手段135の動作を示すフローチャートである。実施の形態9では、時間間隔演算モード設定手段135は、外部指令TOによらずに、図17のフローチャートに基づいて、時間間隔演算モードMT1、MT2を切替える。このフローチャートは、ステップS21〜S26の6つのステップを含む。ステップS21では、回転速度指令RIを読込み、記憶する。次のステップS22では、位置検出信号発生装置40の出力信号SA、SB、SCを用いて、三相ブラシレスモータ10の実回転速度Raを演算する。次のステップS23では、回転速度指令RIと実回転速度Raとの偏差ΔRを順次演算する。この偏差ΔRは、次の式(2)で表わされる。
ΔR=|RI―Ra| (2)
次のステップS24では、偏差ΔRに対する回転速度指令RIの比、すなわちΔR/RIが所定値、例えば0.2以上であるかどうかを判定する。ステップS24の判定結果がYESならば、ステップS25に移行し、このステップS25で、時間間隔演算モードMT1を設定する。ステップS25で時間間隔演算モードMT1を設定した後、最初のステップS21に戻る。ステップS24の判定結果がNOならば、ステップS26に移行し、このステップS26で、時間間隔演算モードMT2を設定する。ステップS26で時間間隔演算モードMT2を設定した後は、ステップS21に戻る。
時間間隔演算モードMT2を設定した場合、通電切替えタイミングの変動を抑制することができるが、反面、回転速度指令RIの変化に対する応答性が低下する。実施の形態9では、回転速度指令RIと実回転速度Raとの偏差ΔRに基づき、ΔR/RIが所定値を超えなければ、時間間隔演算モードMT2を設定するが、変化量ΔRIが所定値以上になれば、時間間隔演算モードMT1を設定し、従来制御を行なう。
この実施の形態9では、偏差ΔRと回転速度指令RIとの比(ΔR/RI)に応じて、時間間隔演算モードMT1、MT2を切替えるので、その比(ΔR/RI)が所定値より小さいときには、時間間隔演算モードMT2により、通電切替えタイミングの変化を抑制し、またその比(ΔR/RI)が所定値以上になれば、時間間隔演算モードMT1により、回転速度指令RIに対する応答性を改善することができる。
実施の形態10.
この実施の形態10は、三相ブラシレスモータ10の平均負荷電流Iaの変化に基づいて、時間間隔演算モードを切替える。この実施の形態10では、演算処理手段130の時間間隔演算モード設定手段135が、少なくとも2つの時間間隔演算モードMT1、MT2を設定するように構成される。時間間隔演算モードMT2では、時間間隔演算モード指令TQが、区間数Qを2〜18に範囲にいづれかに設定する。この時間間隔演算モードMT2は、実施の形態1〜7と同じである。また、時間間隔演算モードMT1では、時間間隔演算モード指令TQが、区間数Qを1に設定する。その他は、実施の形態1と同じに構成される。
この実施の形態10において、負荷電流検出抵抗DRは、三相ブラシレスモータ10の負荷電流Iを表わす負荷電流検出信号ILを出力する。この負荷電流検出信号ILは、PWM制御回路120に供給され、スイッチ素子UH、UL、VH、VL、WH、WLのそれぞれのオン期間におけるパルスデューティを制御し、三相ブラシレスモータ10の負荷電流Iを制御する。実施の形態10では、三相ブラシレスモータ10の平均負荷電流Iaと定格電流Imとの比(Ia/Im)が、所定値以上になった状態で、時間間隔演算モードMT2を設定し、その比(Ia/Im)が所定値を超えない状態では、時間間隔演算モードMT1を設定する。
図18は、この実施の形態10における時間間隔演算モード設定手段135の動作を示すフローチャートである。実施の形態10では、時間間隔演算モード設定手段135は、外部指令TOによらずに、図18のフローチャートに基づいて、時間間隔演算モードMT1、MT2を切替える。このフローチャートは、ステップS31〜S35の5つのステップを含む。ステップS31では、負荷電流検出信号ILを順次読込み、記憶する。次のステップS32では、記憶した負荷電流検出信号ILに基づき、単位時間毎の平均値、すなわち平均負荷電流Iaを順次演算する。平均負荷電流Iaは、負荷電流Iの実効電流を意味する。
次のステップS33では、平均負荷電流Iaと三相ブラシレスモータ10の定格電流Imとの比(Ia/Im)が、所定値、例えば0.7以下であるかどうかを判定する。ステップS33の判定結果がYESならば、ステップS34に移行し、このステップS34で、時間間隔演算モードMT1を設定する。ステップS34で時間間隔演算モードMT1を設定した後、最初のステップS31に戻る。ステップS33の判定結果がNOならば、ステップS35に移行し、このステップS35で、時間間隔演算モードMT2を設定する。ステップS35で時間間隔演算モードMT2を設定した後は、ステップS31に戻る。
時間間隔演算モードMT1を設定し、Q=1で従来制御を行なう場合、例えば位置センサPA、PB、PCの取付位置に角度誤差があると、三相ブラシレスモータ10の負荷電流Iは、図19に示すように、ピーク値が大きく変動し、ロータ20の永久磁石M1〜M6が減磁される危険が高い。図19は、従来制御により、複数の通電切替えタイミングtu1、tw1、tv1、tu2、tw2、tv2を決定し、これらの通電切替えタイミングでスイッチ素子UH、UL、VH、VL、WH、WLをそれぞれ切替え制御した場合における負荷電流Iの変動を示す。図19の横軸は時間(sec)であり、縦軸は負荷電流I(A)である。図19では、位置センサPAの取付位置に角度誤差があり、通電切替えタイミングtu1、tw1の間の時間間隔が狭く、また通電切替えタイミングtv1、tu1の間の時間間隔と、通電切替えタイミングtw1、tv1の間の時間間隔が広くなっている。一般に、三相ブラシレスモータ10は、ロータ20の永久磁石M1〜M6の減磁を回避するために、負荷電流Iの最大ピーク値を所定値以下にするように負荷電流制御を行なうが、負荷電流Iのピーク値の変動が大きいと、負荷電流Iが制限されるので、モータ特性を充分に引出すことができない。
実施の形態10では、負荷平均電流Iaと定格電流Imの比(Ia/Im)が、所定値0.7以下である場合には、ロータ20の永久磁石が減磁される危険が少ないので、時間間隔演算モード設定手段135により、時間間隔演算モードMT1に設定し、その比(Ia/Im)が所定値0.7を超えた場合には、ロータ20の永久磁石が減磁される危険が高いので、時間間隔演算モードMT2に切替える。時間間隔演算モードMT2では、加算区間Aqの中で連続する区間数Qが2〜18のいずれかに設定されるので、負荷電流Iのピーク電流値のバラツキを抑制し、三相ブラシレスモータ10を安定駆動することができる。なお、時間間隔演算モードMT2を設定した場合、三相ブラシレスモータ10の応答性が低下するが、三相ブラシレスモータ10で油圧を制御する油圧式パワーステアリング制御では、負荷電流Iが大きい高負荷領域では、高い応答性は必要されない。
この発明の各種の変更と変形は、この発明の観点と精神から離れない範囲で、熟練技術者によって可能であり、またそれは、前述の図示した各実施の形態には、限定されないことを理解されるべきである。