JP2009007107A - シート搬送装置、原稿読取り装置、及び画像形成装置 - Google Patents

シート搬送装置、原稿読取り装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シートの厚みにかかわらず、重送状態の各シートを分離することが可能なシート搬送装置を提供する。
【解決手段】重送センサ25により重送状態が検出されると、分離ローラ15が逆方向Cに回転される。このため、給紙ローラ13により該給紙ローラ13に直接接触する上側のシートPが搬送方向Aに搬送されるが、分離ローラ15により該分離ローラ15に直接接触する下側のシートPが逆方向に搬送され、上側のシートPと下側のシートPが分離する。このとき、シートPの厚みにかかわらず、分離ローラ15の圧接圧力が略一定に維持されているので、分離ローラ15の回転負荷抵抗が大きくならずに済み、上側と下側のシートPが分離する前に分離ローラ15のトルクリミッタに過大トルクが作用することはなく、分離ローラ15が空転状態となることもなく、上側と下側のシートPが速やかに分離する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のシートを1枚ずつ順次搬送し、搬送されている各シートが相互に重なった重送状態となったときに、各シートを分離するシート搬送装置、原稿読取り装置、及び画像形成装置に関する。
この種のシート搬送装置は、複写機、ファクシミリ装置、プリンター等に適用されるものである。この装置では、印刷に用いられる複数のシートを給紙トレイに積載収容しておき、給紙トレイの最上層のシートにピックアップローラを圧接し、ピックアップローラを回転させることによりシートを引き出して搬送する。1枚目のシートが搬送されると、ピックアップローラが2枚目のシートに圧接して該シートを引き出し、各シートが1枚ずつ順次引き出されて搬送される。
また、ピックアップローラの搬送方向下流側には、給紙ローラと分離ローラを相互に圧接させて配置している。給紙ローラは、その軸を回転駆動系に接続されて回転駆動される。また、分離ローラの軸にトルクリミッタを設けており、分離ローラを給紙ローラに直接圧接しているとき、又は分離ローラを1枚のシートを介して給紙ローラに圧接しているときには、給紙ローラの回転力が分離ローラにそのまま伝達されて、分離ローラのトルクリミッタに過大トルクが作用し、分離ローラが空転状態となり、分離ローラが給紙ローラに従動回転する。
従って、給紙トレイからシートが1枚ずつ順次引き出されている状態では、シートが給紙ローラと分離ローラ間のニップ域に導かれて挟み込まれ、このシートが給紙ローラにより更に搬送されて行く。
また、給紙トレイから引き出された複数のシートが相互に重なった重送状態が発生することがある。この場合は、給紙ローラにより該給紙ローラに直接接触するシートが搬送されても、給紙ローラと分離ローラ間に介在する各シート間にずれが生じることから、分離ローラのトルクリミッタに過大トルクが作用し難く、分離ローラが従動回転せずに、分離ローラに直接接触する他のシートが停止したままとなり、この他のシートが給紙ローラにより直接搬送されて行くシートから分離される。
しかしながら、このように相互に重なった各シートを分離することができても、分離ローラに直接接触するシートが搬送されずにそのまま残るので、給紙トレイからのシートの搬送供給動作を一旦停止して、搬送されなかったシートを除去する作業が必要となる。
このため、特許文献1では、重送状態が発生したときに、給紙ローラにより1枚のシートを搬送しつつ、分離ローラを逆回転させて、分離ローラにより他のシートを一時的に逆方向に搬送し、各シートの間隔を調整してから、他のシートを再び順方向に搬送している。これにより、重送状態が発生しても、シートの搬送供給動作を継続させることが可能となる。
特開2003−171032号公報
ところで、シートの厚みは多様であり、厚いシートや薄いシートが使用される。そして、このシートの厚みの変化により、分離ローラの圧接圧力が変化するので、シートの厚みによりシートを分離することができたり、分離することができなかったりした。
また、分離ローラの軸にトルクリミッタを設けた構成においては、シートが厚くなって、分離ローラの圧接圧力が大きくなったときに、分離ローラの回転負荷抵抗が大きくなり、シートが分離する前にトルクリミッタに過大トルクが作用して、分離ローラが空転状態となってしまい、シートの分離がなされなかった。
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、シートの厚みにかかわらず、重送状態の各シートを分離することが可能なシート搬送装置、原稿読取り装置、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のシート搬送装置は、複数のシートを1枚ずつ順次搬送し、搬送されている各シートが相互に重なった重送状態を検出して、重なった各シートを分離するシート搬送装置において、前記重送状態が検出されたときには、相互に重なった各シートのうちの1枚のシート片面に圧接した状態で、該1枚のシートを搬送方向とは逆方向に引き戻して、該各シートを分離する分離手段と、前記搬送されているシートの厚みを識別する識別手段と、前記識別手段により識別されたシートの厚みに応じて、前記1枚のシート片面に対する分離手段の圧接圧力を調節制御する制御手段とを備えている。
また、前記分離手段により相互に重なった各シートが分離された後に、この分離手段が停止されて、シートの搬送が継続されている。
更に、複数のシートを積載収容する給紙トレイと、この給紙トレイを昇降させる昇降手段とを備え、前記給紙トレイから各シートを1枚ずつ順次引き出して搬送しており、前記重送状態が検出されたときに、前記分離手段により1枚のシートを搬送方向とは逆方向に引き戻して、この1枚のシートを給紙トレイ側に戻すと共に、前記昇降手段により給紙トレイを下降させている。
また、前記分離手段は、1枚のシート片面に圧接される分離ローラであり、この分離ローラをトルクリミッタを介して軸支している。
一方、本発明の原稿読取り装置は、上記本発明のシート搬送装置を備えている。
また、本発明の画像形成装置は、上記本発明のシート搬送装置を備えている。
このような本発明によれば、分離手段は、相互に重なった各シートのうちの1枚のシート片面に圧接した状態で、該1枚のシート片面を搬送方向とは逆方向に引き戻して、該各シートを分離している。そして、シートの厚みに応じて、1枚のシート片面に対する分離手段の圧接圧力を調節制御している。例えば、シートが厚くて、分離手段の圧接圧力が増大する場合は、分離手段の圧接圧力を低減させ、またシートが薄くて、分離手段の圧接圧力が低減する場合は、分離手段の圧接圧力を増大させ、これにより分離手段の圧接圧力の変動を抑えて、重送状態の各シートの速やかなる分離を可能にしている。
また、分離手段により相互に重なった各シートが分離された後に、この分離手段が停止されて、シートの搬送が継続されるので、重送状態が発生しても、シートの搬送供給動作が停止することはない。
更に、重送状態が検出されたときに、分離手段により1枚のシート片面を搬送方向とは逆方向に引き戻して、この1枚を給紙トレイ側に戻すと共に、昇降手段により給紙トレイを下降させている。このようにシートを給紙トレイに一旦戻しても良く、このときに給紙トレイを下降させれば、シートを給紙トレイに容易に引き戻すことができる。
また、分離手段が1枚のシート片面に圧接される分離ローラであり、この分離ローラにトルクリミッタが設けられているので、分離ローラが給紙ローラに直接圧接しているとき、又は分離ローラが1枚のシートを介して給紙ローラに圧接しているときには、トルクリミッタに過大トルクが作用して、分離ローラが空転状態となり、分離ローラによりシートの搬送が阻害されることはなく、シートの搬送が速やかに行われる。
一方、本発明の原稿読取り装置及び画像形成装置は、上記本発明のシート搬送装置を備えているので、同様の作用効果を果たす。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明のシート搬送装置の一実施形態を部分的に破断して示す側面図である。本実施形態の装置では、複数のシートPを給紙トレイ11に積載収容し、ピックアップローラ12を給紙トレイ11内のシートP上側に配置し、給紙ローラ13をシート搬送方向Aにおけるピックアップローラ12よりも下流側に配置している。給紙ローラ13の軸13aは、定位置に位置決めされて、該給紙ローラ13の回転駆動機構(図示せず)に接続されている。この軸13aによりアーム14が回動自在に軸支され、アーム14の先端側にピックアップローラ12の軸12aが軸支されている。
また、給紙ローラ13とピックアップローラ12間には回転伝達機構(図示せず)が挿入されており、給紙ローラ13が時計周りに回転駆動されると、給紙ローラ13の回転がピックアップローラ12に伝達されて、ピックアップローラ12が給紙ローラ13と同一方向に従動回転する。同時に、給紙ローラ13の時計周りの回転に伴い、軸13aを回転中心とする時計周りのモーメントがアーム14に発生して、アーム14が時計回りに回転し、ピックアップローラ12が給紙トレイ11内の最上層のシートPに圧接される。
尚、給紙ローラ13とピックアップローラ12間の回転伝達機構は、リンク機構、プーリとベルトの組み合わせ、ギアの組み合わせ等から構成される。
給紙ローラ13直下には、分離ローラ15が配置されている。揺動アーム16は、その略中央の軸17により回転自在に軸支されており、その先端側16aで分離ローラ15の軸15aが回転自在に軸支され、その後端側16bがバネ18を介してラックギア21に連結されている。ラックギア21は、上下移動可能に支持されており、ピニオンギア22に歯合している。このピニオンギア22が回転駆動機構(図示せず)により回転駆動されると、ラックギア21が上下移動して、バネ18が伸縮し、バネ18により揺動アーム16の後端側16bを引っ張る力が変化し、これに伴って揺動アーム16の先端側16aの分離ローラ15を給紙ローラ13に圧接する圧力が変化する。従って、ピニオンギア22を回転駆動することにより、給紙ローラ13に対する分離ローラ15の圧接圧力を変更することができる。
この分離ローラ15の軸15aは、トルクリミッタ(図示せず)を介して該分離ローラ15の回転駆動機構(図示せず)に接続されている。分離ローラ15が給紙ローラ13に直接圧接しているとき、又は分離ローラ15が1枚のシートPを介して給紙ローラ13に圧接している状態で、給紙ローラ15が回転駆動されると、給紙ローラ13の回転力が分離ローラ15にそのまま伝達されて、トルクリミッタに過大トルクが作用し、分離ローラ15が順方向Bに空転状態となり、分離ローラ15によりシートPの搬送が阻害されることなく、給紙ローラ13によるシートPの搬送が速やかに行われる。
また、複数のシートPが重なって搬送される重送状態が生じると、分離ローラ15は、その回転駆動機構により逆方向Cに回転駆動される。このとき、そのトルクリミッタに過大トルクが作用しない限りは、分離ローラ15が逆回転し続ける。
更に、シート搬送方向Aにおける給紙ローラ13よりも下流側には、一組の搬送ローラ23が配置されており、シートPが給紙ローラ13から搬送ローラ23へと受け渡されて搬送されて行く。
従って、シートPは、ピックアップローラ12により給紙トレイ11から引き出されて給紙ローラ13へと搬送され、給紙ローラ13から搬送ローラ23へと受け渡されて搬送されて行く。このようなシートPの搬送経路において、給紙トレイ11のシート引き出し位置近傍には、シートPの先端及び後端を検出する給紙センサ24が設けられ、またシート搬送方向Aにおける給紙ローラ13及び分離ローラ15よりも下流側には、複数のシートPが重なって搬送される重送状態を検出する重送センサ25が設けられている。例えば、給紙センサ24及び重送センサ25は、光センサ、磁気センサ、超音波センサ等からなる。
また、給紙トレイ11は、リフトアップ機構26により上下移動可能に支持されており、このリフトアップ機構26により昇降駆動される。
図2は、本実施形態のシート搬送装置の駆動制御系を示すブロック図である。図2において、制御部31は、このシート搬送装置の統括的な制御を司るものであり、シートの厚み等を示す入力設定情報をユーザインターフェース32を通じて入力したり、給紙センサ24及び重送センサ25の検出出力を入力する。
また、制御部31は、給紙モータ駆動回路33を通じて、給紙ローラ13の回転駆動機構の動力源である給紙モータ34を駆動制御し、給紙ローラ13を回転駆動する。
更に、制御部31は、分離モータ駆動回路35を通じて、分離モータ15の回転駆動機構の動力減である分離モータ36を駆動制御し、分離ローラ15を逆方向Cに回転駆動する。
また、制御部31は、分離ローラ圧接駆動回路37を通じて、ピニオンギア22の回転駆動機構の動力源である圧接モータ38を駆動制御し、ピニオンギア22を回転駆動して、給紙ローラ13に対する分離ローラ15の圧接圧力を調節する。
更に、制御部31は、リフトアップ駆動回路41を通じて、リフトアップ機構26の回転駆動機構の動力源であるリフトアップモータ42を駆動制御し、リフトアップ機構26により給紙トレイ11を昇降させる。
さて、このような構成のシート搬送装置において、シートPの搬送開始に先立ち、制御部31は、リフトアップ駆動回路41を通じて、リフトアップモータ42を駆動制御し、リフトアップ機構26により給紙トレイ11を昇降させて、給紙トレイ11内の最上層のシートPの位置を規定の高さに設定する。以降、複数のシートPが重なって搬送される重送状態が発生しない限りは、リフトアップ機構26により給紙トレイ11内の最上層のシートPの位置が規定の高さに維持される。これにより、最上層のシートPに対するピックアップローラ12の圧接が常に確実になされる。
また、シートの厚み等を示す入力設定情報が、ユーザインターフェース32を通じて制御部31に入力される。制御部31は、シートの厚み等を示す入力設定情報を入力すると、分離ローラ圧接駆動回路37を通じて、圧接モータ38を駆動制御して、ピニオンギア22を回転駆動し、シートPの厚みに応じて分離ローラ15の圧接圧力を調節する。
ここで、シートPの厚みが変化すると、分離ローラ15が変位して、揺動アーム16の後端側16bのバネ18が伸縮し、給紙ローラ13に対する分離ローラ15の圧接圧力が変化する。例えば、シートPが厚ければ、分離ローラ15の圧接圧力が増大し、またシートPが薄ければ、分離ローラ15の圧接圧力が減少する。そこで、シートPが厚い場合は、バネ18が縮小して、分離ローラ15の圧接圧力が減少するように圧接モータ38を駆動制御し、またシートPが薄い場合は、バネ18が伸長して、分離ローラ15の圧接圧力が増大するように圧接モータ38を駆動制御し、これにより分離ローラ15の圧接圧力を略一定に維持して、その変動を抑えている。すなわち、シートPの厚みにかかわらず、分離ローラ15の圧接圧力を略一定に維持している。
こうして給紙トレイ11内の最上層のシートPの位置が規定の高さに調節され、また分離ローラ15の圧接圧力が調節されると、シートの搬送開始指示がユーザインターフェース32を通じて制御部31に入力される。制御部31は、シートの搬送開始指示を入力すると、給紙モータ駆動回路33を通じて給紙モータ34を駆動制御し、給紙ローラ13を時計回りに回転させる。これに伴い、ピックアップローラ12が時計回りに従動回転し、アーム14が給紙ローラ13の軸13aを回転中心とする時計回りに回転して、ピックアップローラ12が給紙トレイ11内の最上層のシートPに圧接される。そして、ピックアップローラ12が時計回りに回転し続けて、ピックアップローラ12により最上層のシートPが引き出され、シートPが給紙ローラ13と分離ローラ15間のニップ域に導かれて、給紙ローラ13によりシートPが搬送ローラ23へと受け渡されて搬送されて行く。
このとき、重送センサ25により重送状態が検出されなければ、制御部31は、重送センサ25の検出出力に基づいて重送状態が発生していないと判定し、重送状態を解消するための制御を行うことがない。また、制御部31は、給紙センサ24の検出出力に基づいて、給紙センサ24によるシートPの後端の検出時点を判定し、この検出時点よりも僅かに遅れたタイミングでピックアップローラ12及び給紙ローラ13を一旦停止させ、一定時間が経過してから、ピックアップローラ12及び給紙ローラ13を回転させる。これにより、1枚目のシートPが給紙ローラ13の部位を通過した後に、ピックアップローラ12及び給紙ローラ13による搬送と引き出しが一旦停止されて、ピックアップローラ12が給紙トレイ11内の2枚目のシートPに圧接された状態となり、1枚目のシートPの後端が2枚目のシートPの先端から一定距離離間してから、ピックアップローラ12及び給紙ローラ13による2枚目のシートPの引き出しと搬送が開始される。
以降同様に、重送センサ25により重送状態が検出されない限り、給紙センサ24によるシートPの後端の検出時点に基づいて、ピックアップローラ12及び給紙ローラ13の停止及び回転が繰り返されて、給紙トレイ11から各シートPが1枚ずつ一定間隔で順次引き出されて搬送されて行く。
こうして各シートPが1枚ずつ引き出されて搬送されて行くときには、分離ローラ15が給紙ローラ13に直接圧接しているか、又は分離ローラ15が1枚のシートPを介して給紙ローラ13に圧接している状態であり、給紙ローラ13の回転力が分離ローラ15にそのまま伝達されて、分離ローラ15のトルクリミッタに過大トルクが作用し、分離ローラ15が順方向Bに空転状態となり、分離ローラ15によりシートPの搬送が阻害されることなく、給紙ローラ13によるシートPの搬送が速やかに行われる。
次に、シートPの搬送に際し、図3(a)に示すように2枚のシートPが重なって搬送される重送状態になったものとする。この場合、重送センサ25により重送状態が検出される。制御部31は、重送センサ25の検出出力に基づいて重送状態が発生していると判定し、分離モータ駆動回路35を通じて、分離モータ36を駆動制御し、分離ローラ15を逆方向Cに回転させる。このため、図3(b)に示すように給紙ローラ13により該給紙ローラ13に直接接触する上側のシートPが搬送方向Aに搬送されるが、分離ローラ15により該分離ローラ15に直接接触する下側のシートPが逆方向に搬送され、上側のシートPと下側のシートPが分離する。
このとき、先に述べたようにシートPの厚みにかかわらず、分離ローラ15の圧接圧力が略一定に維持されているので、分離ローラ15の回転負荷抵抗が大きくならずに済み、上側と下側のシートPが分離する前に分離ローラ15のトルクリミッタに過大トルクが作用することはなく、分離ローラ15が空転状態となることもなく、上側と下側のシートPが速やかに分離する。また、分離ローラ15の圧接圧力が略一定に維持されているので、分離ローラ15が下側のシートP表面を滑ってしまうこともなく、分離ローラ15により下側のシートPが逆方向に確実に搬送されて、上側と下側のシートPが確実に分離する。
また、制御部31は、リフトアップ駆動回路41を通じて、リフトアップモータ42を駆動制御し、リフトアップ機構26により給紙トレイ11を一定高さ分だけ下降させる。このため、図3(c)に示すように分離ローラ15により逆方向に搬送された下側のシートPが給紙トレイ11に速やかに戻される。
そして、上記下側であったシートPの殆どの部分が給紙トレイ11に戻ると、下側であったシートPの先端が給紙センサ24により検出される。制御部31は、給紙センサ24の検出出力に基づいてシートPの先端の検出を判定し、この判定をなすと、分離モータ36を停止させ、下側であったシートPの逆方向への搬送を停止させる。
このとき、給紙トレイ11からの上記上側のシートPの引き出しが終了していることから、ピックアップローラ12が給紙トレイ11内の上記下側であったシートPに圧接された状態となり、ピックアップローラ12及び給紙ローラ13による該シートPの引き出しと搬送が行われ、該シートPが給紙ローラ13から搬送ローラ23へと受け渡されて搬送されて行く。
この後、制御部31は、リフトアップ駆動回路41を通じて、リフトアップモータ42を駆動制御し、リフトアップ機構26により給紙トレイ11を元の高さまで上昇させ、ピックアップローラ12及び給紙ローラ13による次のシートPの引き出しと搬送を開始し、以降同様に、各シートPを1枚ずつ一定間隔で順次引き出して搬送する。
このように本実施形態では、シートPの厚みに応じて、給紙ローラ13に対する分離ローラ15の圧接圧力を調節し、シートPの厚みにかかわらず、分離ローラ15の圧接圧力を略一定に維持しているので、シートPが厚くても薄くても、トルクリミッタの作動により分離ローラ15が空転状態となることはなく、また分離ローラ15がシートP表面を滑ってしまうこともなく、分離ローラ15により上側と下側のシートPを確実に分離することができる。
尚、本発明は、上気実施形態に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、シートPの厚みにかかわらず、分離ローラ15の圧接圧力を略一定に維持するのではなく、シートPが厚いときに分離ローラ15の圧接圧力を減少させ、シートPが薄いときに分離ローラ15の圧接圧力を増大させても構わない。すなわち、シートPの厚みによりシートの分離性が変化するならば、この変化の程度に応じて分離ローラ15の圧接圧力を変化させても良い。
また、本発明は、シート搬送装置に限定されるものではなく、このシート搬送装置を備える原稿読取り装置や画像形成装置を包含する。画像形成装置には、複写装置、ファクシミリ装置、プリンター等があり、これらの装置における記録用紙の搬送装置として本発明のシート搬送装置を適用したり、これらの装置における原稿読取り装置で原稿を搬送するために本発明のシート搬送装置を適用することができる。
本発明のシート搬送装置の一実施形態を部分的に破断して示す側面図である。 図1のシート搬送装置の駆動制御系を示すブロック図である。 (a)乃至(c)は、図1のシート搬送装置の動作を説明するために用いた図である。
符号の説明
11 給紙トレイ
12 ピックアップローラ
13 給紙ローラ
14 アーム
15 分離ローラ
16 揺動アーム
17 軸
18 バネ
21 ラックギア
22 ピニオンギア
23 搬送ローラ
24 給紙センサ
25 重送センサ
26 リフトアップ機構

Claims (6)

  1. 複数のシートを1枚ずつ順次搬送し、搬送されている各シートが相互に重なった重送状態を検出して、重なった各シートを分離するシート搬送装置において、
    前記重送状態が検出されたときには、相互に重なった各シートのうちの1枚のシート片面に圧接した状態で、該1枚のシートを搬送方向とは逆方向に引き戻して、該各シートを分離する分離手段と、
    前記搬送されているシートの厚みを識別する識別手段と、
    前記識別手段により識別されたシートの厚みに応じて、前記1枚のシート片面に対する分離手段の圧接圧力を調節制御する制御手段とを備えることを特徴とするシート搬送装置。
  2. 前記分離手段により相互に重なった各シートが分離された後に、この分離手段が停止されて、シートの搬送が継続されることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 複数のシートを積載収容する給紙トレイと、この給紙トレイを昇降させる昇降手段とを備え、
    前記給紙トレイから各シートを1枚ずつ順次引き出して搬送しており、前記重送状態が検出されたときに、前記分離手段により1枚のシートを搬送方向とは逆方向に引き戻して、この1枚のシートを給紙トレイ側に戻すと共に、前記昇降手段により給紙トレイを下降させることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  4. 前記分離手段は、1枚のシート片面に圧接される分離ローラであり、この分離ローラをトルクリミッタを介して軸支したことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つの請求項に記載のシート搬送装置を備えることを特徴とする原稿読取り装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1つの請求項に記載のシート搬送装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011184201A (ja) * 2010-03-09 2011-09-22 Toshiba Corp 画像消去装置および画像消去装置における用紙搬送方法

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