JP2008508211A - 非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤としてのベンジルトリアゾロン化合物 - Google Patents

非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤としてのベンジルトリアゾロン化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)に記載の化合物、式(I)に記載の化合物を投与することによる、ヒト免疫不全ウイルスにより仲介される疾病の治療方法、及びヒト免疫不全ウイルスにより仲介される疾病の治療のための、式(式中、R1、R2、R3、R4、R5は本願に定義されたとおりである)に記載の化合物を含有する医薬組成物に関する。

Description

ヒト免疫不全ウイルスHIVは、免疫系、特にCD4T細胞の破壊により特徴付けられる、付随する日和見感染症に対する感受性を伴う疾病である後天性免疫不全症候群(AIDS)の病原因子である。HIV感染症はまた、例えば持続性全身性リンパ節腫脹、発熱及び体重低下のような症状により特徴付けられる症候群である、前駆AIDS関連症候群(ARC)と関連している。
他のレトロウイルスと同様に、HIVゲノムは、ウイルスプロテアーゼにより処理されてプロテアーゼ、逆転写酵素(RT)、エンドヌクレアーゼ/インテグラーゼ、及びウイルスコアの成熟構造タンパク質を与える、gag及びgag−polとして周知のタンパク質前駆体をコードしている。この処理を妨害することは、正常な感染性ウイルスの生産を妨げる。ウイルスによりコードされる酵素の阻害によるHIVの制御に向けて、相当の取り組みが実施されている。
現在利用可能な化学療法は、二種の重要なウイルス酵素、HIVプロテアーゼ及びHIV逆転写酵素を標的とする。(J. S. G. Montaner et al. Antiretroviral therapy: "the state of the art", Biomed & Pharmacother. 1999 53:63-72、 R. W. Shafer and D. A. Vuitton, Highly active retroviral therapy (HAART) for the treatment of infection with human immunodeficiency virus type 1, Biomed. & Pharmacother.1999 53:73-86、 E. De Clercq, New Developments in Anti-HIV Chemotherap. Curr. Med. Chem. 2001 8:1543-1572) RTI阻害剤の一般的な二つのクラス、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)及び非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)が知られている。
NRTIは一般に、ウイルスRTと相互作用するに先だってリン酸化される必要がある2’,3’−ジデオキシヌクレオシド(ddN)類似体である。対応するトリホスフェートは、競合的阻害剤、又はウイルスRTの代替的基質として機能する。ヌクレオシド類似体は、核酸内に組み込まれた後、鎖延長工程を終結させる。HIV逆転写酵素は、ヌクレオシド類似体を切断して鎖延長を継続させることによって、耐性株が遮断を克服することを可能にするDNA編集能力を有している。現在臨床にて使用されているNRTIは、ジドブジン(AZT)、ジダノシン(ddI)、ザルシタビン(ddC)、スタブジン(d4T)、ラミブジン(3TC)及びテノホビル(PMPA)を含む。
NNRTIは、1989年に最初に発見された。NNRTIは、HIV逆転写酵素上の非基質結合部位に可逆的に結合することによって、活性部位の形状を変更する、即ちポリメラーゼ活性を遮断するアロステリック阻害剤である。(R. W. Buckheit, Jr., Non- nucleoside reverse transcriptase inhibitors: perspectives for novel therapeutic compounds and strategies for treatment of HIV infection, Expert Opin. Investig. Drugs 2001 10(8)1423-1442; E. De Clercq The role of nonO-nuceloside reverse transcriptase inhibitors (NNRTIs) in the therapy of HIV-1 infection, Antiviral Res. 1998 38:153-179; G. Moyle, The Emerging Roles of Non-Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitors in Antiviral Therapy, Drugs 2001 61(l):19-26)NNRTIの30以上の構造クラスが研究所内で同定されているが、エファビレンツ、ネビラピン及びデラビルジンの3種の化合物のみが、HIV治療のために認可されている。NNRTIは、当初は化合物の有望なクラスと見なされていたが、インビトロ及びインビボ研究により、薬物耐性HIV株の出現に対する障壁が低く、クラス特異的な毒性を示すことが直ちに明らかになった。薬物耐性は、RT内の単一点突然変異のみによって頻繁に発現する。
NRTI、PI及びNNRTIとの併用療法は、多くの場合、ウイルス量を劇的に低下させ、疾病の進行を遅延させたが、相当の治療的問題が残っている。カクテル療法は全患者に有効ではなく、潜在的に重篤な有害反応が度々発生し、急速に再生するHIVウイルスは、突然変異である野生型のプロテアーゼ及び逆転写酵素の薬物耐性異形を巧みに形成することが証明されている。野生型及び通常発生するHIV耐性株に対する活性を有する、より安全な薬物が今尚必要とされている。
1998年2月5日に公開されたJ.L.RomainらによるWO9804135は、カリウムチャネルモジュレータである式1の複素環式化合物を開示した。開示された複素環式基は、
Figure 2008508211
とりわけ1a及び1b(式中、ZはO又はSであり、Z1はO、S又はNRであり、m及びnは、0又は1である)を含む。
2002年5月16日に公開されたM.B.MantloらによるWO2002038553は、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体α(PPARα)作動薬である式2
Figure 2008508211
のトリアゾロン化合物を開示している。
該発明では、Xが(CH21−5(式中、炭素原子は、場合によりO、S又はNHで置き換えられてもよい)、R1及びR2は、独立して水素、C1−8アルキル、アリール−C0−4アルキル、ヘテロアリール−C0−4アルキル、C3−6シクロアルキル−C0−2アルキル又はCH2COR1718であり、YはO、S、NH、C又は単結合であり、WはO又はSである化合物が開示されている。
1991年7月3日に公開されたJohn M.Kane及びFrancis P.MillerによるEP0-435177は、式3
Figure 2008508211
(式中、R1は、水素又はC1−4アルキルである)のトリアゾロンを開示している。この化合物は、抗けいれん活性を示すことが開示されている。
1996年5月9日に公開されたS.J.DominianniらによるWO9613264は、式4
Figure 2008508211
に従った複素環及び関連する化合物(式中、Z1はO、S、又はNRである)を開示している。この化合物は、経口血糖降下活性を示す。
1995年7月25日に公開されたS.M.SorensonらによるUS5,436,252は、式5
Figure 2008508211
(式中、R1は水素又はR2であり、R2は低級アルキルであり、Rは、個別に水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、ハロゲン及びトリフルオロメチルである)に従った5−アリール−3H−l,2,4−トリアゾール−3−オンを開示している。開示された化合物は、神経変性疾患の治療に有用である。
1994年7月19日に公開されたJ.A.MillerによるUS5,331,002は、記憶及び認知の改善、並びにアルツハイマー病の治療に有用な、式105
Figure 2008508211
に従った5−(場合により置換された)フェニル−4−アルキル−3H−l,2,4−トリアゾール−3−チオンを開示している。
H.Yuksekらは、Synthesis and Antibacterial Activities of some 4,5-Dihydro-1H-1,2,4-triazol-5-ones in Arzneim. Forschung. 1997 47(4):405-409において、数種のトリアゾロンの抗菌活性を開示している。
トリアゾロン、オキサジアゾロン及びチアジアゾロンの殺草及び殺虫特性が報告されている。K.-H.Linkerらは、WO9641535にトリアゾロンの殺虫特性を開示している。F.Gozzoらは、US4,400,517及びUS4,220,789にトリアゾロンのホスホン酸エステルの殺虫、抗線虫及び殺ダニ特性を開示している。T.Kimataらは、US5,155,124及びUS5,208,231に1−カルバモイルトリアゾロンの殺虫特性を開示している。K.H.Muellerらは、US5,532,378及びUS5,625,074にスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノンの殺草特性を開示している。F.Bettariniらは、EP533206に(チア)オキサジアゾール−及びトリアゾール(チ)オンの殺ダニ及び殺虫活性を開示している。F.Bettariniらは、Pesticide Science 1994 40(2):141-6に3−アリール−5−アリールメチル−1,3,4−オキサ(チア)ジアゾール−2(3H)−オンの合成、及び殺ダニ活性を開示している。これらの化合物は、本発明の開示の範囲内に含まれない。
2004年3月23日に出願されたU.S.Serial No.10/807,766(U.S.Patent Publication 20040192704)は、HIV逆転写酵素(HIV RT)を阻害するベンジル−トリアゾロン及びベンジル−オキサ(チア)ジアゾロン化合物を開示している。2004年3月23日に出願されたU.S.Serial No.10/807,993(U.S.Patent Publication 20040198736)は、HIV RTを阻害するベンジル−ピリダジノン化合物を開示している。2004年4月23日に出願されたU.S Ser.No.60/565,117の優先権を主張する、2005年4月22日に出願されたJ.P.DunnらによるU.S.出願は、HIV逆転写酵素の阻害剤であるN−アリール3−フェノキシ−フェニルアセトアミド化合物を開示している。これら出願は、その全体が参照により本願に組み入れられる。2005年3月22日に出願されたJ.P.DunnらによるU.S.Ser.No.11/085,869は、N−アシルオキシメチル誘導体を含むベンジル−ピリダジノン化合物のプロドラッグを開示している。
薬の失敗は、耐性株に淘汰圧をもたらし得る。HIV複製中に突然変異が生じた施設では、感染した人々に多数の株が生じた。これにより、一つ又は二つ以上の点突然変異を伴う種々の逆転写酵素に対して活性を有する薬物が必要となった。異なる突然変異体に対する有効性は一般に変動するため、最も耐性のある株に対してさえも十分な活性を提供し、また耐性株に有利に働く淘汰圧を回避するために、活性薬剤成分の高い血中濃度が利用できる必要がある。以前に開示されたトリアゾロン(I、R=H)は、一般に観察される株の全部を制御するに十分な高い血中濃度を生成するための、十分なバイオアベイラビリティに欠けている。
活性薬物部分の化学誘導体化は、活性薬物の望ましくない物理的特性を変更し、薬物動態パラメータが影響を与える活性成分の吸収、分布及び代謝を最適化し、活性部分を特定の標的組織若しくは細胞へ部位特異的にターゲッティング若しくは局在化させることを含む様々な理由により頻繁に行われている。Albertは、固有の生物活性を欠くが、活性薬物に代謝変換することができる化合物を記述するために、プロドラッグという用語を導入した(A. Albert, Selective Toxicity, Chapman and Hall, London, 1951)。代謝変換は、多くの場合加水分解酵素である特定の酵素に触媒され得るが、活性化合物は、非特異的な化学的プロセスによっても放出され得る。プロドラッグは、最近、見直されている(P. Ettmayer et al, J. Med Chem. 2004 47(10):2393-2404、K. Beaumont et al, Curr. Drug Metab. 2003 4:461-485、H. Bundgaard, Design of Prodrugs: Bioreversible derivatives for various functional groups and chemical entities in Design of Prodrug, H. Bundgaard(ed)Elsevier Science Publishers, Amsterdam 1985; G. M. Pauletti et al. Adv. Drug Deliv. Rev. 1997 27:235-256; K. Beaumont et al. Curr. Drug Metab. 2003 4:461-485)。
アミド(7)プロドラッグはN−ヒドロキシメチル誘導体(8a)を含んでおり、その最も一般的なものはN−アシルオキシメチル(8b)化合物である(H. Bundgaard 上記を参照, pp 10-27; S. A. Varia et al., J. Pharm. Sci., 1984 73(8):1068-1073)。
Figure 2008508211
潜在的なプロドラッグ候補は、時には分子内に含まれる化学官能基に基づき識別され得る。しかしながら、分子の物理的、化学的及び生物学的特性の一局面を変更する化学的修飾は、親分子には観察されない他の望ましくない特性を導入する可能性がある。したがって、プロドラッグの識別は、不確実であり困難な課題である。
本発明は、式Iに従った化合物、ヒト免疫不全ウイルスにより仲介される疾病を治療若しくは予防する方法、又は式Iに従った化合物を単独で、若しくは併用療法にて投与することにより後天性免疫不全症候群若しくはAIDS関連症候群を治療する方法、並びにヒト免疫不全ウイルスにより仲介される疾病の治療のための、式I
Figure 2008508211
(式中、
1は、ハロゲン、C1−6アルキル又はC1−6アルコキシであり、
2は、水素、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、
3は、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、ハロゲン、及びシアノからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり、
4は、CH2OH、CH2OC(=O)(CH22C(=O)OH又はCH2OC(=O)C1−6アルキルであり、
5は、水素又はC1−6アルキルである)に従った化合物、並びにその水和物、溶媒和物、及び塩を含有する医薬組成物に関する。
本発明の目的の一つは、(i)式I
Figure 2008508211
(式中、
1は、ハロゲン、C1−6アルキル又はC1−6アルコキシであり、
2は、水素、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、
3は、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、ハロゲン、及びシアノからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり、
4は、CH2OH、CH2OC(=O)(CH22C(=O)OH又はCH2OC(=O)C1−6アルキルであり、
5は、水素又はC1−6アルキルである)に従った化合物、並びにその水和物、溶媒和物、及び塩である。
本発明の更なる目的は、(ii)
(式中、
1は、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、
2は、水素であり、
3は、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、ハロゲン、及びシアノからなる群から独立して選択される置換基で置換された3,5−置換フェニルであり、
4は、CH2OH、CH2OC(=O)(CH22C(=O)OH又はCH2OC(=O)CH2C(=O)OHであり、
5は、C1−6アルキルである)である(ii)に従った化合物、
(iii)
(式中、
1は、クロロ、ブロモ、メチル又はエチルであり、
2は、水素であり、
3は、3−クロロ−5−シアノ−フェニル、3,5−ジシアノ−フェニル又は3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェニルであり、
4は、CH2OH、CH2OC(=O)(CH22C(=O)OH又はCH2OC(=O)CH2C(=O)OHであり、
5は、メチルである)である(ii)に従った化合物、
(iv)
3−クロロ−5−[6−クロロ−2−フルオロ−3−(1−ヒドロキシメチル−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメチル)−フェノキシ]−ベンゾニトリル;
コハク酸モノ−{3−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;
5−[6−クロロ−2−フルオロ−3−(1−ヒドロキシメチル−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメチル)−フェノキシ]−イソフタロニトリル;
コハク酸モノ−{3−[4−クロロ−3−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;
コハク酸モノ−{3−[4−クロロ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;
3−[6−クロロ−2−フルオロ−3−(1−ヒドロキシメチル−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメチル)−フェノキシ]−5−ジフルオロメチル−ベンゾニトリル;
コハク酸モノ−{3−[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−4−メチル−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;
3−ジフルオロメチル−5−[2−フルオロ−3−(1−ヒドロキシメチル−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメチル)−6−メチル−フェノキシ]−ベンゾニトリル;
コハク酸モノ−{3−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;
3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(1−ヒドロキシメチル−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメチル)−フェノキシ]−5−ジフルオロメチル−ベンゾニトリル;
コハク酸モノ−{3−[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−4−エチル−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;又は
酢酸3−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルエステル
である、請求項3に記載の化合物、
(v)
コハク酸モノ−{3−[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−4−エチル−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;
コハク酸モノ−{3−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;
コハク酸モノ−{3−[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−4−メチル−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;及び、
コハク酸モノ−{3−[4−クロロ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル
からなる群から選択される、(i)に従った化合物、
(vi)医薬として使用するための、(i)〜(v)のいずれか一つに従った化合物、
(vii)AIDS又はARC(AIDS関連症候群)を含む、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)により仲介される疾病の治療用の医薬を製造するための(i)〜(v)のいずれかに従った化合物の使用、
(viii)治療的有効量の(i)に従った化合物を、少なくとも一種の薬学的に許容できる担体、賦形剤又は希釈剤との十分な混合物の状態で含有する医薬組成物、
(ix)式I
Figure 2008508211
に従った複素環の製造方法であって、
(a)複素環I(R4=H)の溶液をホルムアルデヒド水溶液と接触させ、
(b)得られたN−ヒドロキシメチル化合物I(R4=CH2OH)を、アシル化剤と接触させるステップを含む方法である。
U.S.Serial No.10/807,766に開示されている複素環式化合物は、水溶性が非常に低く、そのため活性成分の処方が複雑なものとなる。活性成分の十分な血中濃度を得ることが困難である。抗HIV化合物の効果的な投与は、耐性HIV株を制御するために高い用量を必要とする。許容可能な投与計画において、活性成分の十分な血中濃度を達成するためには、活性成分の効率的な吸収及び分布が必要である。驚くべきことに、本発明の修飾複素環は、向上した薬物動態特性を示す。
本発明の一実施態様において、式I(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、上記に記載されている)に従った化合物を提供する。
本発明の別の一実施態様において、式I(式中、R1はメチル、エチル、臭素及び塩素であり、R2は水素であり、R3、R4及びR5は上記に記載されている)に従った化合物を提供する。
本発明の別の一実施態様において、式I(式中、R1はメチル、エチル、臭素及び塩素であり、R3は、場合によりC1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、ハロゲン、及びシアノからなる群から独立して選択される2個の基で置換された3,5−二置換フェニルであり、R2、R4及びR5は、上記に記載されている)に従った化合物を提供する。
本発明の別の一実施態様において、コハク酸モノ−{3−[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−4−エチル−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[l,2,4]トリアゾール−l−イルメチル}エステル、コハク酸モノ−{3−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル、コハク酸モノ−{3−[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−4−メチル−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[l,2,4]トリアゾール−l−イルメチル}エステル、及び、コハク酸モノ−{3−[4−クロロ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[l,2,4]トリアゾール−l−イルメチル}エステルからなる群から選択される化合物を提供する。
本発明の別の一実施態様において、HIV感染症を治療するか、又はHIV感染症を予防するか、又はAIDS若しくはARCを治療する方法を提供し、同方法は、それを必要とする宿主に対して、治療的有効量の式I(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は上記に記載したとおりである)に従った化合物を投与することを含む。
本発明の別の一実施態様において、HIV感染症を治療するか、又はHIV感染症を予防するか、又はAIDS若しくはARCを治療する方法を提供し、同方法は、それを必要とする宿主に対して、治療的有効量の式I(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、上記に記載したとおりである)に従った化合物と、HIVプロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、CD−4結合リガンド、CCR5及びCXCR4阻害剤、並びにウイルス融合阻害剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を共投与することを含む。
本発明の別の一実施態様において、HIV感染症を治療するか、又はHIV感染症を予防するか、又はAIDS若しくはARCを治療する方法を提供し、同方法は、それを必要とする宿主に対して、治療的有効量の式I(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、上記に記載したとおりである)に従った化合物と、ジドブジン、ラミブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、レスクリプター、サスティバ、ビラミューン、エファビレンツ、ネビラピン及びデラビルジン、サキナビル、リトナビル、ネルフィナビル、インジナビル、アンプレナビル及びロピナビルからなる群から選択される少なくとも一種の化合物、並びに/又はT−20、BMS−378806、BMS−488043、Sch−351125、Sch−350634、Sch−417690、UK−4278957、TAK−779、ONO−4128、AK−602、KRH−1636、T−22若しくはT−134から選択されるCD−4/CCR5/CXCR4/ウイルス融合阻害剤を共投与することを含む。
本発明の別の一実施態様において、HIV逆転写酵素を阻害する方法を提供し、同方法は、式I(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、上記に記載したとおりである)に従った化合物を投与することを含む。
本発明の別の一実施態様において、野生型ウイルスと対照して、少なくとも一つの突然変異を伴うHIV逆転写酵素を阻害する方法を提供し、同方法は、式I(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、上記に記載したとおりである)に従った化合物を投与することを含む。
本発明の別の一実施態様において、エファビレンツ、ネビラピン又はデラビルジンに対する低下された感受性を有する、HIV株によって発現したHIV逆転写酵素を阻害する方法を提供し、同方法は、式I(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、上記に記載したとおりである)に従った化合物を投与することを含む。
本発明の別の一実施態様において、エファビレンツ、ネビラピン又はデラビルジンに対する低下された感受性を有する、HIV株によって発現したHIV逆転写酵素を阻害する方法を提供し、同方法は、式I(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、上記に記載したとおりである)に従った化合物と、HIVプロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、CD−4結合リガンド、CCR5及びCXCR4阻害剤並びにウイルス融合阻害剤からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を共投与することを含む。
本発明の別の一実施態様において、式I(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、上記に記載したとおりである)に従った化合物を、少なくとも一種の薬学的に許容できる担体、賦形剤又は希釈剤との混合物の状態で、単回又は複数回の投与計画において投与した際に、HIVを阻害し、ヒト免疫不全ウイルスにより仲介される疾病を治療するに十分な量で含有する医薬組成物を提供する。
本発明の別の一実施態様において、式I(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は上記に記載したとおりである)に従った化合物を製造する方法を提供し、同方法は、(i)式I(R4=H)に従った複素環の溶液をホルムアルデヒド水溶液と接触させ、(ii)得られた式I(R4=CH2OH)のN−ヒドロキシメチル化合物をアシル化剤と接触させることを含む。
本発明の別の一実施態様において、式II
Figure 2008508211
(式中、X1は、O、S、及びNR5からなる群から選択され、R1、R2、R6及びR7は、各々、水素、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6ハロアルコキシ、C1−6ハロアルキルチオ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ及びシアノからなる群から独立して選択され、R3は、アリール又はヘテロアリール基であり、前記ヘテロアリール基は、ピリジニル、ピリジンN−オキシド、ピリジンN−オキシド、インドール、インドールN−オキシド、キノリン、キノリンN−オキシド、ピリミジニル、ピラジニル及びピロリルからなる群から選択され、ここで前記アリール及び前記ヘテロアリール基は、場合によりC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6スルホニル、C1−6ハロアルコキシ、C1−6ハロアルキルチオ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アシル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、C1−6N−アルキルカルバモイル、C1−6N,N−ジアルキルカルバモイル、ニトロ及びシアノからなる群から独立して選択された1〜3個の置換基で置換され、R4は、CH2OH、CH2OC(=O)X28、CH2OCOCH(R12)NHR13、CH2CO29、CH2NR1011、CH2OP(=O)(OH)2及びCH(NR1011)CO29からなる群から選択され、R5は、水素、又はヒドロキシ、アルコキシ、チオール、アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6スルホニル、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、及びジアルキルアミノアルキルからなる群から独立して選択された1〜2個の置換基で置換されたC1−6アルキルであり、R8は、C1−10アルキル、C1−10ヘテロアルキル、(CH2CO2H、CH=CHCO2H、アリール、(CH20NR10a11a、及びヘテロアリールであり、前記アリール及び前記ヘテロアリールは、場合によりC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6スルホニル、C1−6ハロアルコキシ、C1−6ハロアルキルチオ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アシル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、C1−6N−アルキルカルバモイル、C1−6N,N−ジアルキルカルバモイル、ニトロ及びシアノからなる群から独立して選択された1〜3個の置換基で置換され、R9は水素又はC1−10アルキルである)に従った化合物を提供する。
本実施態様において、R10、R10a、R11及びR11aは、独立して水素又はC1−10アルキルであり、更にR10及びR11は、それらが結合する窒素原子と共にピロリジニル、ピペリジニル、アゼピニル、又はモルホリン環を形成してもよい。更に、R12は、単独で、天然に存在するアミノ酸の側鎖、場合により置換されたフェニル、及び非分岐若しくは分岐C1−5アルキルからなる群から選択され、R13は、単独で、水素及びC1−6アルキルからなる群から選択されるか、又はR12及びR13は、一緒になって(CH23である。本実施態様において、X2は、結合、O、S、NHであり、nは1〜6であり、oは1〜3である。本実施態様は更に、式IIの水和物、溶媒和物、クラスレート及び酸付加塩を含む。
本願で使用される表現「a」又は「an」実体は、その実体の一つ又は二つ以上を指し、例えば、a化合物は、一種若しくは二種以上の化合物、又は少なくとも一種の化合物を意味する。そのようなものとして、「a」(又は「an」)、「一種又は二種以上」、及び「少なくとも一種の」という表現は、本願にて交換可能に使用され得る。
「上記に定義したとおりである」という表現は、発明の要旨に提供されている各基の最初の定義を指す。
「場合による」又は「場合により」は、続いて説明する出来事又は状況が起こり得るが、起こる必要はなく、また説明は、その出来事又は状況が起こる場合、起こらない場合を含むこと意味し、例えば「場合による結合」は、結合が存在してもしなくてもよく、またこの記述は、単結合、二重結合又は三重結合を含む。
本願で使用される用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を含む非分岐又は分岐鎖の、飽和一価炭化水素残基を意味する。用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖の炭化水素残基を意味する。「C1−10アルキル」は、1〜10個の炭素からなるアルキルを意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチルを含む低級アルキル基、又はペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルを含むが、これらに限定されるものではない。
本願で使用される用語「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を含む飽和炭素環式環、即ちシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルを意味する。本願で使用される「C3−7シクロアルキル」は、炭素環式環が3〜7個の炭素からなるシクロアルキルを意味する。
本願で使用される用語「アルコキシ」は、−O−アルキル基(ここでアルキルは上記に定義されている)、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ(それらの異性体を含む)を意味する。本願で使用される「低級アルコキシ」は、以前に定義した「低級アルキル」基を伴うアルコキシ基を意味する。「C1−10アルコキシ」は、−O−アルキル(ここでアルキルはC1−10である)を意味する。
本願で使用される用語「ハロアルキル」は、1、2、3又はそれ以上の水素原子がハロゲンで置換された、上記に定義した非分岐又は分岐鎖アルキル基を意味する。本願で使用される「C1−3ハロアルキル」は、1〜3個の炭素及び1〜8個のハロゲン置換基からなるハルアルキルを指す。例としては、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、トリヨードメチル、1−フルオロエチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−ヨードエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2,2−ジクロロエチル、3−ブロモプロピル又は2,2,2−トリフルオロエチルが挙げられる。
本願で使用される用語「ハロアルコキシ」は、基−OR(ここで、Rは本願で定義したハロアルキルである)を指す。
本願で使用される用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
本願で使用される用語「シアノ」は、三重結合によって窒素に結合した炭素、即ち、−C≡Nを指す。
式Iの化合物は、互変異性を示す。互変異性化合物は、二つ又は三つ以上の相互変換可能な種として存在し得る。プロトトロピック(prototropic)互変異性体は、二つの原子間での共有結合した水素原子の移動により生じる。互変異性体は、一般に、平衡状態で存在し、個々の互変異性体を単離する試みは、通常、化学的及び物理的特性が化合物の混合物と一致する混合物を生成する。平衡の位置は、分子内の化学的特徴に依存している。例えば、多数の脂肪族アルデヒド及びケトンにおいて、例えばアセトアルデヒドでは、ケト型が優位であり、一方、フェノールでは、エノール型が優位である。一般的なプロトトロピック互変異性体は、ケト/エノール(−C(=O)−CH−⇔−C(OH)=CH−)、アミド/イミド酸(−C(=O)−NH−⇔−C(−OH)=N−)及びアミジン(−C(=NR)−NH−⇔−C(−NHR)=N−)互変異性体を含む。後者の二つは、ヘテロアリール及び複素環式環にて特に一般的であり、本発明は化合物の全互変異性体型を包含する。
本願で使用される用語「天然に存在するアミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸のL−異性体を意味する。天然に存在するアミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、メチオニン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、システイン、プロリン、ヒスチジン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、D−カルボキシグルタミン酸、アルギニン、オルニチン及びリシンである。特に示さない限り、本出願に引用される全アミノ酸は、L−型である。本願で使用される用語「疎水性アミノ酸」は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びプロリンである。天然に存在するアミノ酸の側鎖は、水素、メチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、−CH2OH、−CH(OH)CH3、−CH2SH、−CH2CH2SMe、−(CH2COR(式中、Rは−OH又は−NH2であり、pは1又は2である)、−(CH2−NH2(式中、qは3又は4である)、−(CH23−NHC(=NH)NH2、−CH265、−CH2−p−C64−OH、(3−インドリニル)メチレン、(4−イミダゾリル)メチレンを含む。
本願で使用される用語「野生型」は、逆転写酵素阻害剤に暴露されていない正常な集団内に天然に生じる、優性の遺伝子型を所有するHIVウイルス株を指す。本願で使用される用語「野生型逆転写酵素」は、アクセッションナンバーP03366にてSwissProtデータベース内に配列及び蓄積されている、野生型株により発現される逆転写酵素を指す。
本願で使用される用語「低下した感受性」は、同一の実験系内で野生型ウイルスにより示される感受性と比較して約10倍又はそれ以上の、特定のウイルス分離株の感受性の変化を意味する。
本願で使用される用語「ヌクレオシド及びヌクレオチド逆転写酵素阻害剤」(「NRTI」)は、ウイルスゲノムHIV−1RNAのプロウイルスHIV−1DNAへの変換を触媒する酵素である、HIV−1逆転写酵素の活性を阻害するヌクレオシド及びヌクレオチド、並びにそれらの類似体を意味する。
典型的な適切なNRTIは、商標RETROVIRの下で入手可能なジドブジン(AZT);商標VIDEXの下で入手可能なジダノシン(ddl);商標HIVIDの下で入手可能なザルシタビン(ddC);商標ZERITの下で入手可能なスタブジン(d4T);商標EPIVIRの下で入手可能なラミブジン(3TC);WO96/30025に開示され商標ZIAGENの下で入手可能なアバカビル(1592U89);商標PREVONの下で入手可能なアデフォビル・ジピボキシル[ビス(POM)−PMEA];EP-0358154及びEP-0736533に開示され、Bristol-Myers Squibbによる開発下にあるヌクレオシド逆転写酵素阻害剤のロブカビル(BMS-180194);BiochemPharmaによる開発下にある逆転写酵素阻害剤(BCH-10618及びBCH-10619のラセミ混合物形態)のBCH-10652;U.S.Pat.No.5,814,639の下でEmory Universityから許諾され、Triangle Pharmaceuticalsによる開発下にあるエミトリシタビン(emitricitabine)[(-)-FTC];Yale UniversityからVion Pharmaceuticalsに許諾されたβ−L−FD4(β−L−D4Cとも称され、β−L−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロ−シチジンと命名された);EP-0656778に開示されたプリンヌクレオシド、(−)−β−D−2,6−ジアミノプリンジオキソランであり、Triangle Pharmaceuticalsに許諾されたDAPD;並びにNIHにより発見された酸に安定なプリンベースの逆転写酵素阻害剤であり、U.S.Bioscience Incによる開発下にある、9−(2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−β−D−トレオ−ペントフラノシル)アデニン、ロデノシン(FddA)を含む。
本願で使用される用語「非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤」(「NNRTI」)は、HIV−1逆転写酵素の活性を阻害する非ヌクレオシドを意味する。
典型的な適切なNNRTIは、商標VIRAMUNEの下で入手可能なネビラピン(BI−RG−587);商標RESCRIPTORの下で入手可能なデラビラジン(delaviradine)(BHAP、U-90152);WO94/03440に開示されたベンゾオキサジン−2−オンであり、商標SUSTIVAの下で入手可能なエファビレンツ(DMP−266);フロピリジン−チオ−ピリミジンであるPNU-142721;AG-1549(以前はShionogi#S-1153);WO96/10019に開示された5−(3,5−ジクロロフェニル)−チオ−4−イソプロピル−l−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルカーボネート;MKC−442(1−(エトキシ−メチル)−5−(1−メチルエチル)−6−(フェニルメチル)−(2,4(lH,3H)−ピリミジンジオン);並びに(+)−カラノライドA(NSC-675451)及びB、U.S.Pat.No.5,489,697に開示されたクマリン誘導体を含む。
本願で使用される用語「プロテアーゼ阻害剤」(「PI」)は、ウイルスポリタンパク質前駆体(例、ウイルスGAG及びGAG Polポリタンパク質)を感染性HIV−1に見られる個々の機能性タンパク質にタンパク質分解的に切断するのに必要な酵素であるHIV−1プロテアーゼの阻害剤を意味する。HIVプロテアーゼ阻害剤は、ペプチドの模倣構造、高い分子量(7600ダルトン)、及び実質的にペプチドの特徴を有する化合物、例えばCRIXIVAN、及び非ペプチドプロテアーゼ阻害剤、例えばVIRACEPTを含む。
典型的な適切なPIは、商標INVIRASEの下でハードゲルカプセルにて、及び商標FORTOVASEの下でソフトゲルカプセルとして入手可能なサキナビル;商標NORVIRの下で入手可能なリトナビル(ABT−538);商標CRIXIVANの下で入手可能なインジナビル(MK−639);VIRACEPTの下で入手可能なネルフナビル(AG−1343);非ペプチドプロテアーゼ阻害剤である商標AGENERASEのアンプレナビル(141W94);ラシナビル(Novartis、Basel、Switzerland(CGP-61755)により最初に発見されたBMS−234475);Dupontにより発見された環状尿素であるDMP−450;第二世代HIV−1PIとしての、Bristol-Myers Squibbによる開発下にある、アザペプチドのBMS−2322623;ABT−378;経口活性イミダゾールカルバメートであるAG−1549を含む。
他の抗ウイルス薬は、ヒドロキシ尿素、リバビリン、IL−2、IL−12、ペンタフシド及びYissum Project No.11607を含む。ヒドロキシ尿素(ドロキシア(Droxia))、リボヌクレオシド三リン酸リダクターゼ阻害剤、T−細胞の活性化に関与する酵素を含む。ヒドロキシ尿素は、ジダノシンの活性に相乗効果を有し、スタブジンと共に研究されてきた。IL−2は、Ajinomoto EP-0142268、Takeda EP-0176299、及びChiron U.S.Pat.Nos.RE33,653、4,530,787、4,569,790、4,604,377、4,748,234、4,752,585、及び4,949,314に開示され、水により再構成及び希釈してIV注入又はsc投与される凍結乾燥粉末として、商標PROLEUKIN(アルデスロイキン)の下で入手可能である。用量約1〜約20000000 1U/日、scが好ましく、用量約15000000 1U/日量、scがより好ましい。IL−12は、WO96/25171に開示され、用量約0.5〜約10マイクログラム/kg/日として利用可能であり、scが好ましい。U.S.Pat.No.5,464,933に開示され、商標FUZEONの下で入手可能な、36−アミノ酸合成ペプチドであるペンタフシド(DP−178、T−20)は、標的膜に対するHIV−1の融合を阻害することにより作用する。ペンタフシド(3〜100mg/日)は、三剤併用療法に効果を有さないHIV−1陽性患者に対して、エファビレンツ及び2PIと共に連続sc注入又は注射することにより投与される。100mg/日の使用が好ましい。Yissum Project No.11607は、HIV−1 Vifタンパク質に基づく合成タンパク質である。リバビリン、l−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドは、U.S.Pat.No.4,211,771に記載されている。
本願で使用される用語「抗HIV−1治療」は、ヒトのHIV−1感染症を単独で、又は多剤併用療法、特にHAART三剤及び四剤併用療法の一部として有用である任意の抗HIV−1薬を意味する。HAARTは、高活性抗レトロウイルス治療を指す。典型的な適切な公知の抗HIV−1治療は、多剤併用療法、例えば(i)二種のNRTI、一種のPI、第二のPI、及び一種のNNRTIから選択された少なくとも三種の抗HIV−1薬、並びに(ii)NNRTI及びPIから選択された少なくとも二種の抗HIV−1薬を含むが、これらに限定されるものではない。典型的な適切なHAART−多剤併用療法は、(a)三剤併用療法、例えば二種のNRTI及び一種のPI、又は(b)二種のNRTI及び一種のNNRTI、並びに(c)四剤併用療法、例えば二種のNRTI、一種のPI及び第二のPI又は一種のNNRTIを含む。未処置患者の治療には、抗HIV−1治療を、三剤併用療法から開始することが好ましく、PIに不耐性でない限り二種のNRTI及び一種のPIの使用が好ましい。薬物コンプライアンスが不可欠である。3〜6ヶ月ごとにCD4及びHIV−1−RNA血漿中濃度を監視する必要がある。ウイルス量が安定したら、第四の薬、例えば一種のPI又は一種のNNRTIを加えてもよい。臨床医は、改良された投薬計画を絶えず模索しており、正確な薬物は異なり得るが、HAARTは、抗−HIV化合物の多剤組み合わせの使用を意味する。
本願で使用される略語は、アセチル(Ac)、酢酸(HOAc)、アゾ−ビス−イソブチリルニトリル(AIBN)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、雰囲気(Atm)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN又はBBN)、メチル(Me)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、アセトニトリル(MeCN)、ジ−tert−ブチルピロカーボネート、即ち無水BOC(BOC2O)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ベンジル(Bn)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、ブチル(Bu)、メタノール(MeOH)、ベンジルオキシカルボニル(cbz又はZ)、融点(mp)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、MeSO2−(メシル又はMs)、l,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、質量スペクトル(ms)、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、ジベンジリデンアセトン(Dba)、N−カルボキシ無水物(NCA)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N−メチルピロリドン(NMP)、1,2−ジシクロエタン(DCE)、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、N,N’−ジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、ジクロロメタン(DCM)、プロピル(Pr)、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、フェニル(Ph)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、ポンド/平方インチ(psi)、ジエチルイソプロピルアミン(DEIPA)、ピリジン(pyr)、ジイソブチルアルミニウムハイドライド(DIBAL−H)、室温(rt又はRT)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、tert−ブチルジメチルシリル即ちt−BuMe2Si(TBDMS)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン(Et3N又はTEA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、トリフレート又はCF3SO2−(Tf)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2、6−ジオン(TMHD)、1、1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、酢酸エチル(EtOAc)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル(Et2O)、トリメチルシリル又はMe3Si(TMS)、エチル(Et)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH又はpTsOH)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)、4−Me−C64SO2−又はトシル(Ts)、イソプロピル(i−Pr)、N−ウレタン−N−カルボキシ無水物(UNCA)、エタノール(EtOH)を含む。接頭辞ノルマル(n)、イソ(i−)、第二(sec−)、第三(tert−)及びネオを含む従来の命名法は、アルキル部分と共に使用される場合、それらの慣例的な意味を有する(J.Rigaudy and D.P.Klesney,Nomenclature in Organic Chemistry,IUPAC 1979 Pergamon Press,Oxford)。
本発明に包含され、本発明の範囲内にある代表的な化合物の例を、表1に示す。これらの例及び続く製造を、当業者が本発明をより明確に理解し、かつ実施できるよう提供する。これらは本発明を限定するものではなく、単に例示及び代表するものとして考慮するべきである。
一般に本出願にて使用する学名は、IUPAC系統的命名法を生成するための、Beilstein InstituteのコンピュータシステムであるAUTONOM(登録商標)v.4.0、に基づく。図示した構造と、それに付与された名称に矛盾がある場合、図示した構造により重点を置く。
Figure 2008508211
本発明の化合物は、3−アリールオキシ−フェニル酢酸化合物10から複数ステップの工程(スキーム1)により製造され、該工程は、トリアゾロンを合成し(11)、窒素上にヒドロキシメチル置換基を導入し(12)(X=OH)、ヒドロキシメチル付加化合物をアシル化する(13)ことを含む。この一般的な手法の変形としては、12(X=OH)の対応するクロロメチル化合物12(X=Cl)への中間体転換を含み、該12は銀(I)−イオン補助によりカルボン酸で求核置換される(実施例6参照)。
Figure 2008508211
トリアゾロン化合物11をホルムアルデヒドと接触させて、対応するヒドロキシメチル化合物12を得る。本願において、付加化合物をN−ヒドロキシメチル付加化合物として図示しているが、アミドと類似するトリアゾロンは、アンビデント求核試薬であり、ホルムアルデヒドは、原則として、窒素原子、又は隣接するカルボニル酸素原子のいずれかと反応し得る。アンビデント求核試薬から誘導される生成物の比は、微妙な要因の影響を受けることが多く、N−ヒドロキシメチル及びO−ヒドロキシメチル化合物の両方が、本発明の範囲内に含まれるものと想定される。12(X=OH)をアシル化して、エステル13(R”=(CH22CO2H)を得る。
アシル化を、12(X=OH)を、例えばDCM、クロロホルム、四塩化炭素、エーテル、THF、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、MeCN、DMFのような溶媒中で、場合により無機又は有機塩基(例、トリエチルアミン、DIPEA、DMAP又はピリジン)の存在下、−20〜200℃の温度で、好ましくは−10〜80℃の温度で、ハロゲン化アシル、又は酸無水物と接触させることにより都合よく行い、6(Y=アルキル又はヘテロアリール)を得る。アシル化はまた、遊離酸により、酸−活性化剤又は脱水剤、例えばイソブチルクロロホルメート、TMS−Cl、DCC、DCC/N−ヒドロキシスクシンイミド若しくはHOBT、CDI、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムテトラフルオロボレート/NMM、O−(ベンゾトリアゾール−l−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムテトラフルオロボレート/DIPEA、N,N’−チオニルジイミダゾール又は(C653P/CCl4の存在下、−20〜200℃の温度で、好ましくは−10〜80℃の温度で実施することもできる(J.March,Advanced Organic Chemistry John Wiley&Sons,New York 1992 392-398; J.Mulzer Synthesis of Esters, Activated Esters&Lactones in Comprehensive Organic Synthesis,E.Winterfeldt,ed.,vol.6,Pergamon Press, Oxford 1991,pp.324-340)。
本発明の化合物の製造に使用する2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン16は、式15に従ったN’−アシル−N−カルバモイルヒドラジド誘導体の環化により製造された。必要なヒドラジドは、アシルヒドラゾン14bをアルキルイソシアナートと接触させることにより製造される。あるいは、置換フェニル酢酸14cを、カルボン酸活性化基の存在下、4−アルキル−セミカルバジドと縮合させる。効率的な活性化及びカルボン酸とアミン化合物との結合のためのプロトコルは、十分に改良及び最適化されている(例、M.Bodanszky,Principles of Peptide Synthesis,Springer Verlag,New York 1993; P.Lloyd-Williams and F.Albericio Chemical Methods for the Synthesis of Peptides and Proteins CRC Press,Boca Raton,FL1997参照)。N’−アシル−N−カルバモイルヒドラジド15は、tert−ブタノール中でメタノールKOH又はカリウムtert−ブトキシドで処理することにより、環化されてトリアゾロン16となる。
Figure 2008508211
本発明の化合物の合成のための有用な中間体である3−フェノキシ−フェニル−酢酸化合物14a及び14cは、(J.Dunn,et al.U.S.Publication 20040192704、U.S.Publication 20040198736、及び2005年3月22日に出願されたU.S.Non-Provisional Application)に記載されている。これらの出願は、その全体が参照により本願に組み入れられる。
本発明の化合物はビアリールエーテルを含み、ジアリールエーテルの調製が再考されている(J.S.Sawyer,Recent Advances in Diaryl Ether Synthesis,Tetrahedron 2000 56:5045-5065)。アリールオキシエーテルの導入は、多くの場合、脱離基及び電気陰性置換基で置換された芳香環上の直接SNAr置換により実行され得る。電気陰性置換基を有するフッ化芳香族化合物は、弱い求核試薬による求核攻撃に感受性が高いことが周知である。フッ素置換基は、一般に、他のハロゲン置換基と比較してかなり不安定である。水及び水酸化物のような強い求核試薬はフッ化物を置換しない一方、フェノール、イミダゾール、アミン、チオール及び数種のアミドのような弱い求核試薬は、室温においてさえも、置換反応を受けやすい(D.Boger et al.,Biorg.Med.Chem.Lett.2000 10:1471-75、F.Ferrier Nucleophilic Aromatic Displacement:The Influence of the Nitro Group VCH Publishers,New York、NY 1991)。6b及び12aで代表されるフェノールは、適切に置換されたアリールフッ素化合物で処理されて、ジアリールエーテルを生成し得る(下記)。
アリールエーテルは、置換ベンゼンボロン酸及びフェノールのCu(OAc)2触媒による縮合によっても効率的に製造され得る(D.A.Evans et al.,Tetrahedron Lett.,1998 39:2937-2940、及びD.M.T.Chan et al.,Tetrahedron Lett.1998 39:2933-2936)。このプロトコルは、例えば6b及び12aのようなフェノールにも適用し得る。他の様々な置換基を含むベンゼンボロン酸は、広く入手可能である。
これに代わって、Cu(I)塩を用いたUllmannジアリールエーテル合成のバリエーション(J.-F.Marcoux et al., J.Am.Chem.Soc.1997 119: 10539-540; E.Buck et al, Org.Lett.2002 4(9): 1623-1626)又はパラジウム触媒によるカップリング手順(G.Mann et al., J.Am. Chem.Soc、1999 121:3224-3225)も報告されている。当業者は、最適な手順を、カップリングされるべきアリール環上の置換基の性質及び位置に応じて変化させ、カップリングのための有利な条件を、必要以上の実験を行うことなく確認し得ることを理解するであろう。
4−クロロ−2−フルオロ−3−フェノキシ−フェニル酢酸化合物(スキーム3)は、1−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシ4−メチルベンゼン(17a)から出発して、NBS及びAIBNによるベンジル位の臭素化、シアニド置換、ニトリルの加水分解、及びカルボン酸のエステル化を含む連続工程(17a〜17c)により調製し得る。エーテルの脱メチル化によりフェノール18aを得て、これを適切に置換されたベンゼン(例えば5−フルオロイソフタロニトリル)上のフッ素置換基のSNAr置換による又はSuzuki条件下での置換ベンゼンボロン酸とのカップリングによるビアリールエーテルの導入に使用し得る。
Figure 2008508211
2−フルオロ置換化合物の合成も、1,2,3−トリフルオロ−4−ニトロ−ベンゼン(19)から出発して達成される。19をアルカリ金属フェノラートで処理すると、良好な位置選択性で3−フルオロ基が置換されて20aを得る(スキーム4)。20aをtert−ブチルエチルマロナートの脱プロトン化により形成されたカルボアニオンで処理すると、マロン酸エステル(20b)が位置選択的に導入され、これをtert−ブチルエステルの酸触媒による加水分解、及び脱カルボキシル化に付して20cを得る。フェノキシ及び酢酸部分の導入後、ニトロ基を4位にて他の置換基に変換し得る。ニトロ置換基の還元により21aを得て、これをSandmeyer条件に付して、ブロモ21b又はクロロ21e置換基を導入する。ブロモ置換基を更に、ジアルキル亜鉛と反応させて(Negishi反応)、21c及び21dに例示した4−アルキル−3−アリールオキシ−2−フルオロ−フェニル酢酸化合物を得る。
Figure 2008508211
これに代わって、マロン酸の混合tert−ブチルエチルエステルとの反応により、付加化合物の位置異性体混合物(22aの1位におけるフッ素の置換を優先)を得る。1:3異性体の比は、約2:1であり、異性体はシリカクロマトグラフィーで都合良く分離される。22aの加水分解及び脱カルボキシル化によりフェニル酢酸22bを得て、これは第二SNAr置換によるアリールエーテル導入、及びSandmeyer型化学反応によるニトロ基の置換のための有効な基質である。
o−ジフルオロベンゼンから4−アルコキシ−2−フルオロ−3−フェノキシフェニル酢酸化合物を調製する(スキーム5)。ortho−ジフルオロベンゼン(23a)及びトリメチルシリルクロリドの混合物をブチルリチウムで処理して、2,3−ジフルオロ−1,4−ビス−トリメチルシラニル−ベンゼン(23b)を生成し、これを臭素化して23cを得る。23cの塩化イソプロピルマグネシウム−塩化リチウム錯体よる選択的モノメタル化、及びDMFによる有機マグネシウム化合物のクエンチにより、23dを得た。K2CO3存在下における23dのフェノールとの反応により、アルデヒドに隣接するフッ素原子が置換されて、24aを得た。アルデヒドをトリフルオロ過酢酸によるBaeyer-Villiger酸化に付して、これを同時にフェノール24bに加水分解し、Cs2CO3及びヨウ化メチルでアルキル化に付してメトキシ置換類似体24cを得た。残留した臭素置換基をイソ−PrMgCl/LiI/THFでメタル化し、得られたグリニャール試薬をアリル化して25aを得て、これをNaIO4/Ru(III)Cl3で酸化的に切断してフェニル酢酸25bを生成した。
Figure 2008508211
かように得られた置換フェニル酢酸エステルを、前述したように対応するトリアゾロンに変換する。
例えば3−クロロ−5−フルオロ−ベンゾニトリル、1−ブロモ−3−クロロ−5−フルオロ−ベンゼン、5−フルオロ−イソフタロニトリル及び3,5−ジブロモ−フルオロ−ベンゼンのような有用なフッ化アリールは、市販されているか、又は市販の前駆体から容易に製造される。3−ジフルオロメチル−5−フルオロ−ベンゾニトリル(34)は、1,3−ジブロモ−5−フルオロベンゼン(33a)をモノメタル化し、アリールリチウム中間体をDMFでクエンチし、得られたベンズアルデヒド(33b)をDASTでフッ素化して33cを得ることにより調製される。シアニドによるハロゲンのZn(CN)2/パラジウム触媒置換により、シアニド置換基を芳香環内に導入し得る。これは、ビアリールエーテルの形成後、又は該エーテル形成前のハロゲン化前駆体(スキーム6)上のいずれかに実施し得る。臭素置換基をシアン化亜鉛で置換して34を得る。これらフッ素化化合物は、フェニル酢酸部分上のフェノール置換基との縮合に適している。19又は22bとの縮合に有用なフェノールも、容易に入手可能である。3−ブロモ−5−ジフルオロメチル−フェノール(28b)は、3−アセトキシ−5−ブロモ−ベンズアルデヒド(27b)のDASTによるフッ素化により調製され得る。場合により、シアニドによる臭素置換基の置換は、ビアリールエーテルの形成前、又は形成後のいずれかに実施され得る。このように、29をZn(CN)2及びPd(Ph3P)4(0)で処理して30を得る。3,5−ジブロモフェノールは、市販されており、シアニドによる両方の臭素原子のパラジウム触媒置換により、5−ヒドロキシ−イソフタロニトリルを得る。3−クロロ−5−ヒドロキシ−ベンゾニトリル(31c)は、3,5−ジクロロベンゾニトリルから、ナトリウムメトキシドを用いたSNAr置換、及び得られたメチルエーテル31bの切断により調製され得る。4位の更なる修飾のために、31bを19と縮合させて、4−ニトロ置換基を含むフェニル酢酸内に3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ置換基を導入する。同様に、3−ブロモ−5−クロロ−フェノールを22bと縮合させ得、これを更に32cに変換する。
Figure 2008508211
用量及び投与
本発明の化合物は、非常に様々な経口投与用剤形及び担体に処方され得る。経口投与は、錠剤、被覆錠剤、糖衣錠、ハード及びソフトゼラチンカプセル、溶液、乳剤、シロップ、又は懸濁液の形態で為され得る。本発明の化合物は、他の投与経路の中でも、連続的(点滴)局所非経口、筋内、静脈内、皮下、経皮(浸透促進剤を含み得る)、頬内、鼻腔内、吸入及び坐薬による投与を含む、他の投与経路により投与される場合に効果的である。好ましい投与方法は一般に、苦痛の程度、及び活性成分に対する患者の反応にしたがって調製され得る、便利な連日投与計画による経口投与である。
本発明の化合物(一種又は複数種)、並びにそれらの薬学的に使用できる塩は、一種又は二種以上の従来の賦形剤、担体、又は希釈剤と共に、医薬組成物、及び単位用量の形態にされ得る。医薬組成物及び単位剤形は、更なる活性化合物又は主成分を伴い、又は伴わずに、従来の成分を従来の比率にて含有し得、単位剤形は、使用するべき意図される一日用量範囲に相応する任意の適切な有効量の活性成分を含有し得る。医薬組成物は、例えば錠剤若しくは充填カプセル、半固体、散剤、持続放出製剤のような固体として、又は例えば経口使用用の溶液、懸濁液、乳剤、エリキシル、若しくは充填カプセルのような液体として、又は直腸若しくは膣投与用の坐薬の形態で、又は非経口使用用の無菌注射溶液の形態で使用され得る。典型的な調合品は、約5〜約95%の活性化合物(一種又は複数種)(w/w)を含有するあろう。用語「調合品」又は「剤形」は、活性化合物の固体及び液体製剤の両方を含むものとし、当業者は、活性成分が、標的器官又は組織、並びに所望の用量及び薬物動態パラメータに応じて、異なる調合品に存在し得ることを理解するであろう。
本願で使用される用語「賦形剤」は、一般に、安全な、無毒性の、かつ生物学的にもそれ以外にも望ましくないものではない、医薬組成物の調製に有用な化合物を指し、またヒト薬剤用途及び獣医学的使用に許容される賦形剤を含む。本願で使用される用語「賦形剤」は、そのような賦形剤の一種、及び二種以上の両方を含む。
本願で使用される「薬学的に許容できる」という表現は、一般に、ヒト薬剤用途において安全な、無毒性の、かつ生物学的にもそれ以外にも望ましくないものではない医薬組成物の調製に有用であることを意味する。
活性成分の「薬学的に許容できる塩」の形態は、最初に、塩でない形態に不在であった所望の薬物動態特性を活性成分に対して付与し得、また、その身体内での治療的活性に関して、活性成分の薬力学にポジティブに作用し得る。化合物の「薬学的に許容できる塩」という表現は、薬学的に許容でき、また親化合物の所望の薬理学的活性を所有する塩を意味する。そのような塩は、(1)例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸と共に形成される酸付加塩、又は例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン(glucoheptonic)酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等の有機酸と共に形成される酸付加塩、又は(2)親化合物内に存在するいずれかの酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、若しくはアルミニウムイオンで置換され、又は有機塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン等の有機塩基と配位して形成された塩を含む。薬学的に許容できる塩の全参照は、同一の酸付加塩の、本願に定義する溶媒付加形態(溶媒和物)、又は結晶形(多形体)を含むことを理解するべきである。
固体形態の調合品は、散剤、錠剤、丸剤、カプセル、カシェ、坐薬、及び分散可能な顆粒を含む。固体担体は、希釈剤、矯味矯臭剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、又は封入剤としても機能し得る一種又は二種以上の物質であり得る。散剤において、担体は、一般に、微粉化した固体であり、これは微粉化した活性成分との混合物である。錠剤において、活性成分は、一般に、必要な結合能を有する担体と共に適切な比率で混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバター等を含むが、これらに限定されるものではない。固体形態の調合品は、活性成分に加えて、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含有してもよい。
経口投与に適切な液体製剤には、乳剤、シロップ、エリキシル、水性溶液、及び水性懸濁液が含まれる。これらは、使用の直前に液体形態調合品に転換されることを意図した固体形態調合品を含む。乳剤は、溶液、例えばプロピレングリコール水溶液に調製されてもよく、又は例えばレシチン、モノオレイン酸ソルビタン、若しくはアカシアのような乳化剤を含んでもよい。水性溶液は、活性成分を水に溶解し、適切な着色剤、風味剤、安定剤、及び増粘剤を添加することによって調製され得る。水性懸濁液は、微粉化した活性成分を、例えば天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び他の周知の懸濁化剤のような粘性材料と共に水に分散して調製され得る。
本発明の化合物は、(例、注射、例えばボーラス注射又は連続的注入による)非経口投与用に処方されてもよく、添加された保存剤と共に、単位剤形にて、アンプル、あらかじめ充填されたシリンジ、小容量注入又は多数回投与用容器内に存在し得る。組成物は、油性又は水性ビヒクル中で、懸濁液、溶液、又は乳剤のような形態(例えばポリエチレングリコール水溶液)をとり得る。油性若しくは非水性担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例、オリーブオイル)、及び注入可能な有機エステル(例、オレイン酸エチル)を含み、また、例えば保存剤、湿潤剤、乳化若しくは懸濁剤、安定剤、及び/又は分散剤のような処方剤(formulatory agent)を含んでもよい。これに代わって、活性成分は、無菌固体の無菌単離、又は使用前に例えば無菌の、無発熱性の水のような適切なビヒクルで構成するための溶液の凍結乾燥により得られる粉末形態であってもよい。
本発明の化合物は、軟膏、クリーム若しくはローションとして、又は経皮パッチとして表皮に対する局所投与用に処方され得る。軟膏及びクリームは、例えば適切な増粘剤、及び/又はゲル化剤を加えた水性又は油性基剤と共に処方され得る。ローションは、水性又は油性基剤と共に処方され得、一般に一種若しくは二種以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、又は着色剤も含有するであろう。適切な口内局所投与用の製剤は、通常スクロース及びアカシア又はトラガカントである風味付けした基剤中に活性薬剤を含有するロゼンジ、例えばゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアのような不活性基剤中に活性成分を含有するトローチ、並びに適切な液体担体中に活性成分を含有するうがい薬を含む。
本発明の化合物は、坐薬として投与されるために処方され得る。最初に例えば脂肪酸グリセリドの混合物又はココアバターのような低融点ワックスを融解し、活性成分を例えば撹拌により均質に分散させる。次いで、融解した均質混合物を、都合よいサイズの鋳型に流し込み、冷却させ、固化させる。
本発明の化合物は、膣投与用に処方され得る。ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレーは、活性成分に加えて当該技術分野で適切であると知られているような担体を含む。
本発明の化合物は、鼻腔内投与用に処方され得る。溶液又は懸濁液は、従来の手段、例えば、点滴器(dropper)、ピペット又はスプレーにより鼻腔へ直接適用される。製剤は、単一又は複数回投与形態で提供し得る。点滴器又はピペットの後者の場合、これは患者が適切な、規定容積の溶液又は懸濁液を投与することにより達成し得る。スプレーの場合、これは例えば定量噴霧器により達成し得る。
本発明の化合物は、特に気道に対して、及び鼻腔内への投与を含むエアゾル投与用に処方され得る。化合物は、一般に、例えば5ミクロン又はそれ未満のオーダーの小さい粒径を有するであろう。このような粒径は、例えば微粒子化等の当該技術分野にて周知の手段により得ることができる。活性成分は、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、若しくはジクロロテトラフルオロエタンのようなクロロフルオロ炭素(CFC)、又は二酸化炭素、又は他の適切な気体等の適切な噴射剤と共に加圧されて提供される。エアロゾルはまた、例えばレシチンのような界面活性剤を都合よく含み得る。薬物の投与量は、定量弁により制御し得る。これに代わって、活性成分は、乾燥粉末、例えば、ラクトース、澱粉、澱粉誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドン(PVP)のような適切な粉末基剤中における化合物の粉末混合物の形態で提供され得る。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成するであろう。粉末組成物は、例えばカプセル若しくはカートリッジ、例えばゼラチン内、又はそこから粉末が吸入器により投与され得るブリスター包装内の単位剤形にて存在し得る。
所望の際には、製剤は活性成分の持続若しくは制御放出投与に適した腸溶コーティングと共に調製され得る。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下薬物送達装置に処方することができる。これらの送達システムは、化合物の徐放が必要であり、また、患者の治療計画に対するコンプライアンスが重大な場合に有利である。経皮送達システム内の化合物は、しばしば皮膚粘着固体支持体に付着される。対象の化合物は、浸透促進剤、例えば、アゾン(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と組み合わせてもよい。徐放送達システムは、外科手術又は注入により皮下層内に皮下的に挿入される。皮下インプラントは、脂溶性膜内、例、シリコンゴム、又は生分解性ポリマー、例、ポリ乳酸内に化合物を封入する。
適切な製剤、並びに薬剤担体、希釈剤及び賦形剤は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 1995,edited by E.W.Martin,Mack Publishing Company,19th edition,Easton,Pennsylvaniaに記載されている。熟練した処方の科学者は、本発明の組成物を不安定にするか又は治療的活性を損うことなく、特定の投与経路用に多数の製剤を提供するために、明細書の教示範囲内において製剤を修飾し得る。
本化合物の水又は他のビヒクルに対する溶解度をより高くするための修飾は、例えば当業者に周知の僅かな修飾(塩、エステル化製剤等)により容易に達成し得る。患者に対する最大の薬効のために本化合物の薬物動態を管理するために、投与経路を変更し、また特定の化合物の投与計画を変更することも当業者の技量内に含まれる。
本願で使用される用語「治療的有効量」は、個人の疾病の症状を軽減するために必要な量を意味する。用量は、各々の特定の場合の個々の要求に調整されるであろう。その用量は、例えば治療すべき疾病の重篤さ、ウイルス量、患者の年齢及び一般的な健康状態、患者が治療されている他の医薬、投与経路及び投与形態、並びに関与する開業医の選択及び経験等の多数の要素に応じて広い範囲で変動し得る。経口投与用には、単剤治療、及び/又は併用療法において、約0.01〜約100mg/kg体重/日の一日用量が適切である。好ましい一日用量は、約0.1〜約500mg/kg体重/日、より好ましくは0.1〜約100mg/kg体重/日、最も好ましくは1.0〜約10mg/kg体重/日である。したがって、70kgの人に投与する場合、投与量の範囲は約7mg〜0.7g/日であろう。一日用量は、一回投与量、又は分割した投与量として、一般に1〜5投与量/日で投与され得る。一般に、治療は、化合物の最適用量よりも少ない投与量で開始される。その後、投与量は個々の患者が到達する最大効果まで少量ずつ増加される。本願に記載する疾病を治療する当業者は、必要以上の実験を行うことなく、個人的な知識、経験及び本願の開示により、所定の疾病及び患者のための本発明の化合物の治療的有効量を確認できるであろう。
本発明の実施態様にて、活性化合物又は塩は、例えばヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、他の非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、又はHIVプロテアーゼ阻害剤等の他の抗ウイルス剤と組み合わせて投与されてもよい。活性化合物又はその誘導体若しくは塩が他の抗ウイルス剤と組み合わせて投与された場合、その活性は親化合物を越えて増大し得る。治療が併用療法の場合、そのような投与は、ヌクレオシド誘導体に関して併用又は連続的であり得る。したがって、本願で使用される「併用投与」は、同じ又は異なる時間における薬剤の投与を含む。二種又は三種以上の薬剤の同じ時間における投与は、二種若しくは三種以上の活性成分を含有する単一製剤、又は単一の活性薬剤を含む二種若しくは三種以上の剤形の実質的な同時投与により達成し得る。
治療に対する本願の引用が、予防、及び既存の状態の治療に拡張されるということが理解されるであろう。更に、本願で使用される用語HCV感染症の「治療」はまた、HCV感染症に関連した、又はHCV感染症により仲介される疾病若しくは状態、又はその臨床的兆候の治療若しくは予防を含む。
医薬製剤は、単位剤形であることが好ましい。そのような形態では、製剤は活性成分の適切な量を含有する単位用量に更に分割される。単位剤形は、例えばパック入り錠剤、カプセル、及びバイアル又はアンプル内の粉末製剤等の、個別の量を含有するパッケージであるパッケージ製剤であり得る。単位剤形はまた、カプセル、錠剤、カシェ、若しくはロゼンジそれ自体であっても、又はこれらの適切な任意数のパッケージ形態であってもよい。
実施例1
コハク酸モノ−{3−[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−4−メチル−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル
Figure 2008508211
工程1:オーブンで乾燥した丸底フラスコに、36(9.07g、54mmol)及び乾燥THF(90mL)を充填した。溶液を窒素下で0℃に冷却し、ナトリウムtert−ブトキシド(5.27g、55mmol)を数分かけてゆっくりと加えた。明澄な黄色の溶液を0℃で10分間撹拌した。オーブンで乾燥した別の丸底フラスコに、22b(13.148g、54mmol)を窒素下で充填し、乾燥THF(90mL)を加えた。この溶液を0℃に維持したナトリウムフェノラート溶液にシリンジを介して10分かけてゆっくりと加えた。室温で一晩撹拌した後、反応物を冷却した飽和KHSO4水溶液(100mL)にゆっくりと注ぎ、EtOAc(2×200mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、ブライン(100mL)で洗浄した。溶液を乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物を温Et2O(100mL)に溶解し、ヘキサン(50mL)を加え、数時間冷蔵庫に保存することにより再結晶化した。沈殿物を濾過して、褐色の固体13gを得た。濾液を濃縮して、EtOAc/ヘキサンで溶離するSiO2カラムクロマトグラフィーにより精製して、37a 10gを黄色の固体として得た。生成物を沈殿物と合わせ、混合物を上記と同様の条件下で再結晶化して、37a 20g(94%)を白色の固体として得た。
工程2:bis−アリールエーテル37a(16.36g、41.5mmol)、鉄(9.732g、174mmol)及びNH4Cl(9.322g、174mmol)を丸底フラスコ中で合わせ、EtOH(70mL)及び水(70mL)に懸濁した。懸濁液を2.5時間加熱還流し、室温に冷却し、セライト(登録商標)を通して濾過した。セライトケーキをEtOAcで繰り返し洗浄した。濾液を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗物質をEtOAc/ヘキサンで溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製して、37b 14.2g(93%)を白色の固体として得た。
工程3:500mLの丸底フラスコに、Cu(II)Br2(2.62g、11.7mmol)及びLiBr(3.052g、35.2mmol)を充填した。混合物を乾燥アルゴンで20分間パージした。これにMeCN(150mL)を加え、固体粒子が微細に分散するまで50℃で20分間撹拌した。懸濁液にtert−ブチルニトリルを加え、5分間撹拌を続けた後、37b(4.27g、11.72mmol)及びMeCN(40mL)の溶液を一度に加えた。得られた混合物を70℃で1時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、5%HBr水溶液(10mL)でクエンチした。溶液をEtOAc(200mL)で希釈し、水(100mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗物質をEtOAc/ヘキサンで溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製して、37c 2.6g(52%)を白色の固体として得た。
工程4:オーブンで乾燥した丸底フラスコに、臭化物37c(3.0g、7mmol)及びPd(dppf)CH2Cl2(572mg、0.7mmol)を充填した。混合物をアルゴンで15分間パージした。固体に、乾燥THF(35mL)、ジメチルアミノエタノール(0.14mL、1.4mmol)及びジエチル亜鉛(トルエン中1.1M、12.7mL、14mmol)を加えた。得られた混合物を65℃に10分間温め、次に50℃に冷却した。1時間後、反応混合物を室温に冷却し、飽和NH4Cl水溶液(100mL)に加えた。混合物をEtOAc(150mL)で抽出し、次に有機層を水(100mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をEtOAc/ヘキサンで溶離するSiO2カラムクロマトグラフィーにより精製して、37d 2.3g(90%)を白色の固体として得た。
工程5:100mLの丸底フラスコに、37d(3.3g、8.75mmol)及びEtOH(25mL)を充填した。これに無水ヒドラジン(4.12mL、131mmol)を加え、得られた溶液を2時間加熱還流した。溶液を室温に冷却し、MeOH/DCMで溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製した。生成物を温かいEtOHから再結晶化して、38a 3.0g(94%)を白色の固体として得た。
工程6:38a(3.0g、8.26mmol)及び無水THF(40mL)の溶液を含む250mLの丸底フラスコに、メチルイソシアナート(7.26mL、12.9mmol)を窒素雰囲気下で一度に加えた。得られた溶液を室温で4時間撹拌し、濃縮して、38b 3.45g(99%)を明黄色の固体として得て、それを更に精製しないで使用した。
工程7:丸底フラスコに、38b(3.4g、8mmol)及びtert−ブタノール(80mL)を窒素雰囲気下で充填した。この溶液にカリウムtert−ブトキシド(91mg、0.8mmol)を加え、混合物を窒素下で加熱還流した。追加のカリウムtert−ブトキシドを24、36及び48時間後に加えた(各追加46mg、0.4mmol)。60時間撹拌した後、反応物を室温に冷却し、EtOAc(150mL)で希釈した。有機相を水(100mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。次に粗物質をMeOH/DCMで溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製して、固体を得て、それを温かいEtOAc(50mL)及びヘキサン(50mL)から再結晶化して、39a 1.85g(56%)を白色の固体として得た(56%)。
工程8:トリアゾリノン39a(1.75g、4.3mmol)及びMeOH(20mL)を充填した100mLの丸底フラスコに、ホルムアルデヒド(水中37%、14.1mL、174mmol)を一度に加えた。反応物を90℃で1時間加熱還流し、冷却し、真空下で濃縮し、MeOHを除去した。生成物をDCM(2×100mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。次に粗物質をMeOH/DCMで溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製した。続いて回収した生成物を温かいEtOAc(30mL)及びヘキサン(30mL)から再結晶化し、39b 1.85g(98%)を白色の固体として得た。
工程9:100mLの丸底フラスコを、トリアゾリノン39b(1.85g、4.3mmol)、DMAP(26mg、0.21mmol)及び無水コハク酸(471mg、4.70mmol)で充填した。これにDCM(25mL)及びDIPEA(0.82mL、4.70mmol)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌した。次に反応物を飽和NH4Cl水溶液(50mL)に注ぎ、抽出し、ジクロロメタンで2回(各75mL)洗浄した。有機層を合わせ、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物を高温のEtOH(50mL)から再結晶化して、白色固体のI−11 2.07g(91%)を得た(91%)。
実施例2
コハク酸モノ−{3−[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−4−メチル−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル(I−7)
Figure 2008508211
[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−4−メチル−フェニル]−酢酸エチルエステル(40、R=OEt)を、工程4でEt2ZnをMe2Znで置き換えることを除いては実施例1に記載のように調製した。エチルエステルをLiOH及びEtOHで加水分解し、40aを得た。
工程1:オーブンで乾燥し、N2下に維持した100mLの丸底フラスコに、40a(1.14g、3.4mmol)、メチルセミカルバジド(318mg、3.57mmol)及びMeCN(65mL)を充填した。DCC及び無水MeCN(20mL)の溶液を加え、溶液を一晩撹拌した。翌日追加のメチルセミカルバジド(40mg、0.46mmol)及びDCC(105mg、0.46mmol)を加えた。更に3時間後、反応物を濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をMeOH/DCMで溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製して、40b 1.0g(76%)を白色の固体として得た。
工程2:40b(2.0g、4.9mmol)及びtert−ブタノール(49mL)の溶液に、カリウムtert−ブトキシド(55mg、0.49mmol)を窒素雰囲気下で加え、混合物を窒素下で加熱還流した。追加のカリウムtert−ブトキシド(55mg、0.49mmol)を24時間後に加えた。48時間撹拌した後、反応物を室温に冷却し、EtOAc(150mL)で希釈した。溶液を水(100mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をEtOAc(50mL)及びヘキサン(50mL)から再結晶化して、41a 1.60g(84%)を白色の固体として得た。
工程3:41a(1.68g、4.3mmol)及びMeOH(86mL)の溶液に、CH2O(水中37%、2.6mL、87mmol)を一度に加えた。反応物を11時間加熱還流し、反応物を真空下で濃縮し、メタノールを除去した。粗アルコールをH2O(50mL)から再結晶化し、41b 1.45g(77%)を白色の固体として得た。
工程4:フラスコに41b(1.358g、3.25mmol)、DMAP(20mg、0.16mmol)及び無水コハク酸(357mg、3.57mmol)を充填し、DCM(31mL)及びDIPEA(0.622mL、3.57mmol)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌した。次に反応物を1M HCl水溶液(50mL)に注ぎ、DCM(2×75mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をSiO2カラムクロマトグラフィー(HOAc/EtOAc/ヘキサン)により精製して、I−7 1.30g(77%)を白色の固体として得た。
実施例3
コハク酸モノ−{3−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル(I−2)
Figure 2008508211
工程1及び2:1−ブロモ−3−クロロ−5−フルオロ−ベンゼン(42a、55g、263mmol)の溶液を0℃に冷却し、25%メタノール性ナトリウムメトキシド溶液(68mL、315mmol)で処理し、40℃に3時間加熱した。溶液を冷却し、水(1L)とヘキサン/ジエチルエーテルの1:1混合物(3×200mL)に分配した。合わせた抽出物をブライン(60mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、溶媒を真空下で蒸発して、42bを油状物(57.3g、純度92%、238mmol)として得た。エーテル42b(43g、173mmol)を氷HOAc(150mL)及び48%HBr水溶液(100mL)で処理し、120℃に加熱した。40時間後、揮発物を80℃に加熱しながら除去し、次に室温に冷却した。残渣を水(100mL)とDCM(3×250mL)に分配した。合わせた抽出物をH2O(50mL)、NaHCO3水溶液(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。溶媒を除去して、42c 23.3gを灰色の固体として得た。
工程3:Ar雰囲気下に維持したナトリウムtert−ブトキシド(4.2g、43.7mmol)及びTHF(180mL)の溶液に、3−ブロモ−5−クロロ−フェノール(42c、9.5g、45.7mmol)及びTHF(35mL)の溶液を室温で加えた。得られた溶液を室温で15分間放置した。溶液を0℃に冷却し、22b(10.2g、41.6mmol)及びTHF(20mL)の溶液を3分かけて加えた。紫色の混合物を室温で3時間撹拌し、次にNH4Clの水溶液(150mL)に加え、Et2O(3×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を0.5M NaOH水溶液(2×50mL)及びブライン(100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、揮発物を蒸発して、[3−(3−ブロモ−5−クロロ−フェノキシ)−2−フルオロ−4−ニトロ−フェニル]−酢酸エチルエステル(44a)16.2gを黄褐色の固体として得た。
工程4及び5:無水エタノール(700mL)及びH2O(180mL)中の44a(16.1g、37mmol)、Fe粉末(8.2g、148mmol、Fisher、電解析出)及びNH4Cl(8.0g、148mmol)の懸濁液を、4時間加熱還流した。溶液を室温に冷却し、セライト(登録商標)を通して濾過した。フィルターケーキをクロロホルム(2×150mL)で洗浄した。濾液をNaHCO3水溶液、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(K2CO3)、濾過し、揮発物を除去して、[4−アミノ−3−(3−ブロモ−5−クロロ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−酢酸エチルエステル(44b)14.0gを得た。アニリン44b(9.7g、24.1mmol)を無水MeCN(100mL)に窒素下で溶解した。この溶液を、窒素下で調製した亜硝酸tert−ブチル(7.1mL、60.3mmol、分析値90%)及びCuCl2(6.5g、48.2mmol)の混合物にゆっくりと加え、50℃に温めた。反応温度を50℃に15分間維持し、0℃に冷却し、5%HCl水溶液(80mL)及びEt2O(150mL)に注いだ。混合物をEtOAc(3×150mL)で抽出し、合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、揮発物を除去した。残留油状物をEtOAc/ヘキサン類(0%〜10%EtOAc)で溶離するフラッシュSiO2クロマトグラフィーにより精製して、[4−クロロ−3−(3−ブロモ−5−クロロ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−酢酸エチルエステル(44c)6.25gを油状物として得た。
工程6:44c(8.8g、20.8mmol)及び無水EtOH(130mL)の溶液に、ヒドラジン一水和物(4.0mL、83mmol)を加え、溶液を加熱還流した。7時間後、溶液を室温に冷却し、揮発物を除去した。残渣を水(250mL)、温かいCHCl3(400mL)及びEtOAc(200mL)に溶解し、有機抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発して、45a 8.3gをオフホワイトの粉末として得た。
工程7及び8:45a(8.3g、20.4mmol)及びTHF(150mL)の溶液に、メチルイソシアナート(1.5g、26.4mmol)を室温で加えた。5.5時間後、揮発物を除去し、撹拌できない塊状物を生成した。残渣をトルエン(50mL)及びテトラヒドロフラン(50mL)に再懸濁し、揮発物を再び除去し、セミカルバジド45b(9.5g、20.4mmol)をオフホワイトの粉末として得た。45b(1.9g、4.1mmol)及びMeOH(80mL)の懸濁液をナトリウムメトキシド(MeOH中0.5M、18mL、9mmol)で処理し、11時間加熱還流し、冷却し、揮発物を除去した。残渣をNH4Cl水溶液及びCHCl3(4×100mL)に分配し、有機抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発した。粗生成物を勾配(1:1 CHCl3:EtOAc〜100%EtOAc〜5%EtOH/EtOAc)で溶離するSiO2カラムを通して濾過して、46a 980mgを白色の粉末として得た。
工程9:46a(2.32g、5.2mmol)及びDMF(60mL)の溶液をアルゴンを用いて真空パージサイクルに3回付した。脱ガスした溶液をZn(CN)2(1.07g、9.1mmol)及び(Ph3P)4P(0)(300mg、0.26mmol)で処理し、アルゴンを用いて95℃に加熱しながら真空パージに再度付した。16時間後、揮発物を除去し、残渣を10%NH4OH及びCHCl3(3×150mL)に分配した。合わせた有機抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空下で蒸発した。粗生成物を勾配(1:1 CHCl3/EtOAc〜EtOAc〜5%EtOH/EtOAc)で溶離するSiO2カラムを通して濾過し、46b 1.54gをオフホワイトの粉末として得た。
工程10及び11:46b(1.7g、4.3mmol)、MeOH(90mL)及び37%CH2O水溶液(18mL)の溶液を加熱還流した。1.5時間後、溶液を窒素気流下で冷却した。反応物を濃縮し、容量が約30mLに減少したときに固体が沈殿し、氷10gを加えた。固体を濾過し、50℃で一晩真空下に保管して、46c 1.81gを白色の粉末として得た。ヒドロキシメチル付加物46c(1.29g、3.05g)、無水コハク酸(320mg、3.2mmol)、DMAP(20mg、0.15mmol)、NMM(0.40mL、3.7mmol)を、DCM(35mL)に溶解し、室温で2.5時間撹拌した。混合物を0.5M KHSO4水溶液に注ぎ、DCMで抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発して、粗生成物1.3gを得て、それを勾配(2:1〜3:1 EtOAc/ヘキサン、次に0.5%HOAcを含む3:1 EtOAc/ヘキサン)で溶離するSiO2パッドを通す濾過により精製して、I−2を得た:
Figure 2008508211
コハク酸モノ−{3−[4−クロロ−3−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステルを、工程1及び2を省略し、3,5−ジブロモフェノールを工程3の3−ブロモ−5−クロロフェノールの代わりに使用することを除いては同様の方法で調製して、I−4を得た。
Figure 2008508211
3,5−ジブロモフェノールを、3,5−ジブロモアニソールからHBr/HOAcを用いる脱メチル化により調製した。
実施例4
コハク酸モノ−{3−[4−クロロ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル(I−5)
Figure 2008508211
工程1:BBr3(DCM中の1.0M溶液の29.1ml、29.1mmol)の溶液を、−78℃でN2下に維持した無水DCM(25mL)中の27a(2.5g、11.62mmol)の溶液にゆっくりと加えた。有機溶液を室温に温め、2時間撹拌し、氷に注いだ。混合物をDCM(100mL)で抽出し、有機層をH2O(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。溶媒を蒸発し、残留油状物をEtOAc/ヘキサン勾配(0%〜20%EtOAc)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、目的のフェノールを得た。ピリジン(10mL)中のこのフェノールの溶液に、無水酢酸(0.6mL、6.33mmol)をアルゴン下でゆっくりと加えた。2時間後、揮発性物質を除去して、3−ブロモ−5−ホルミル−フェニル酢酸(27b、1.02g、40%)を得た。
工程2:DAST(1.02mL、7.69mmol)を、NALGENE(登録商標)ボトルに入ったDCM(5mL)中の3−ブロモ−5−ホルミル−フェニル酢酸(27b、1.1g、4.52mmol)の溶液に窒素下で加えた。EtOH(0.013mL、0.23mmol)を加え、混合物を16時間撹拌した。次に反応混合物を飽和NaHCO3の水溶液にゆっくりと加えた。気泡発生が終了した後、DCM(50mL)を加え、層を分離した。有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を除去して、黄色の油状物を得て、それをTHF(15mL)及びH2O(4mL)の混合物に入れた。LiOH一水和物(474mg、11.3mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。次に溶液を5%HCl水溶液(50mL)に滴下し、混合物をEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機画分をブライン(30mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。揮発物質を蒸発して油状物を得て、それをシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(0%〜25%EtOAc/ヘキサン)により精製して、3−ブロモ−5−ジフルオロメチルフェノール(28b)800mg(79%)を得た。
フェノール28bを、実施例3の工程3に記載のように2,3−ジフルオロ−4−ニトロ−フェニル酢酸エチル(22b)と縮合した。ニトロ基の還元、ジアゾ化及びジアゾニウム塩の塩化物による置き換え(工程4及び5)を、前実施例の工程4及び5に記載のように実施して、48cを得た。
工程6:フラスコに48c(28.6g、65mmol)、Zn(CN)2(4.60g、0.6当量)及びPd[P(Ph)34(0)(7.5g、0.1当量)を充填し、Ar下で維持した。DMF(200mL)を加え、混合物を80℃に4時間加熱した。溶液を0℃に冷却し、SiO2パッドを通して濾過した。シリカパッドをEtOAc 300mL、NH4OH(2N、200mL)及びH2O(100mL)で洗浄し、ヘキサン(100mL)を混合物に加えた。水層を分離し、1:1 EtOAc/ヘキサン600mLで抽出した。合わせた有機抽出物を水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をEtOAc/ヘキサン勾配(5〜25%EtOAc)で溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製して、49 19.1g(76%)を白色の固体として得た。
[4−クロロ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−酢酸エチルエステル(49)を、実施例3の工程6〜8に記載の通り対応する4−メチルトリアゾロンに変換した。トリアゾロンをMeOH/DCM勾配(1%〜3%MeOH)で溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製した。ヒドロキシメチルスクシナートを、実施例3の工程10及び11に記載されたようにホルムアルデヒドとの縮合と続く無水コハク酸とのアシル化により調製して、I−5を得た。
実施例5
コハク酸モノ−{3−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル(I−9)
Figure 2008508211
工程1:加熱還流した37c(2.71g、6.33mmol、実施例1の工程3より)及び無水EtOH(25mL)の溶液に、無水ヒドラジン(1.99mL、63.3mmol)を加え、加熱を2時間続けた。反応物を冷却し、蒸発した。粗生成物をEtOAcで溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製して、50 2.07g(79%)を白色の固体として得た。
工程2:乾燥THF(170mL)中の50(12.15g、29.3mmol)の懸濁液を均質になるまで温め、次に室温に冷却した。アルゴン下に維持した得られた溶液にMeNCO(2.85mL、46.9mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を2時間撹拌し、20分以内に白色の沈殿物が現れた。反応混合物を0℃に冷却し、白色の粉末を濾過し、エーテルで洗浄して、51 13.78g(収率100%)を得た。
工程3:温かいHPLCグレードtert−ブタノール(70mL)中の51(3.29g、6.98mmol)の撹拌溶液に、カリウムtert−ブトキシド(78mg、0.698mmol)を加え、混合物をアルゴン雰囲気下で24時間加熱還流した。追加のカリウムtert−ブトキシドの部分(40mg)を加え、加熱を更に24時間を続けた。第3の部分を加え、続いて24時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、NH4Cl水溶液(100mL)を加えた。混合物をEtOAcで2回抽出し、合わせた有機抽出物をH2Oで2回洗浄し、乾燥し(MgSO4)、真空下で濃縮した。粗生成物をMeOH/DCM勾配(3〜5%MeOH)で溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製した。最少量のEtOAcをクロマトグラフィーより回収された白色の固体に加えた。これを超音波処理し、濾過し、最少量のEtOAcで洗浄して、トリアゾロン52 1.6g(51%)を得た。
工程4:52(1.6g、3.53mmol)、MeOH(35mL)及び37%ホルムアルデヒド(28mL)の懸濁液を3時間加熱還流した。溶液が約15分間で均質になった。反応混合物を冷却し、真空下で濃縮し、その後DCM(50mL)を撹拌しながら加えた。有機相を分離し、水層をDCMで抽出した。合わせた抽出物をH2Oで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。無色の油状物(1.9g)をMeOH/DCM(2%〜4%MeOH)で溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製した。最少量のDCMを白色の泡状物に加え、超音波処理して(溶液がわずかに濁るまでヘキサンを数滴添加)、53 1.5g(88%)を白色の固体として得た。
工程5:53(1.14g、2.36mmol)、無水コハク酸(0.28g、2.83mmol)、DMAP(14.4mg、0.118mmol)及びDCM(10mL)の懸濁液に、DIPEA(0.54mL、3.06mmol)をアルゴン雰囲気下で室温にて加え、反応混合物を1時間撹拌した。明澄な溶液に10%HCl(10mL)を加え、水相をDCMで2回抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。少量のEtOAcを白色の泡状物に加え、混合物を超音波処理し、濾過し、固体を1:1 EtOAc/ヘキサンで洗浄して、I−9 1.28g(93%)を白色の粉末として得た。
実施例6
酢酸3−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルエステル(I−12)
Figure 2008508211
オーブンで乾燥した100mLの丸底フラスコに、46c(980mg、2.32mmol、実施例3の工程10より)を充填し、無水DCM(20mL)を加え、混合物を窒素雰囲気下で−5℃にて維持した。溶液にSOCl2(177mL、2.43mmol)を数分かけて滴下した。反応物を窒素下で−5℃にて1時間撹拌した。反応物をブライン(10mL)に注ぎ、得られた混合物をDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物をEtOAc/ヘキサンで溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製して、55 825mg(81%)を白色の泡状物として得た。
オーブンで乾燥した丸底フラスコに、窒素流下に維持した55(180mg、0.41mmol)を充填した。これに酸化銀(142mg、0.61mmol)及び酢酸(69μL、1.22mmol)を加えた。混合物をN2雰囲気下で室温にて撹拌した。3時間後、粗物質をSiO2のパッドを通して濾過し、10%MeOH/DCM(50mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、粗生成物を10%MeOH/DCMで溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製して、I−12 120mgを白色の泡状物(63%)として得た。
実施例7
コハク酸モノ−{3−[3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−4−メトキシ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル(56b)
Figure 2008508211
スキーム5の工程1〜8参照。
工程1:−78℃に冷却しN2雰囲気下に維持したTHF(500mL)中のジイソプロピルアミン(150mL、108.3g、1.07mol)の溶液に、n−BuLi(100mL、1.00mol、ヘキサン中10M)を115分かけて加えた。得られた混合物を−78℃で30分間撹拌した。23a(45mL、52.110g、0.457mol)及びクロロトリメチルシラン(130.0mL、111.28g、1.024mol)の混合物を、内部反応温度を−50℃未満に維持する速度で加えた。溶液を−78℃で1時間撹拌した。反応物を1M H2SO4を加えながら−78℃でクエンチし、MTBEで希釈し、混合物を固体NaClで飽和した。相を分離し、水相をMTBE(300mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO4)、濾過し、溶媒を蒸発して、23b 118g(100%)を白色の固体として得た。
工程2:氷浴で0℃に冷却した希釈されていない臭素(76.9mL、1.50mol)に固体23b(126.23g、0.500mol)を内部温度を20〜45℃に維持しながら少量ずつ加えた(注意:発熱性!)。反応混合物を58℃で2時間撹拌した。この時間が経過した1時間後、追加の臭素(45.48g)を加え、添加用漏斗をシクロヘキサン(10mL)ですすいだ。反応混合物を0℃に冷却し、氷冷飽和NaHSO3溶液にゆっくりと注いだ。添加後、得られた混合物を固体NaClで飽和し、MTBE(500mL及び200mL)で抽出し、乾燥し(MgSO4)、真空下で濃縮して、23c 191gを得た。反応混合物を約60mbarで蒸留し、無色の液体161.53gを得て、それを110℃で沸騰させると約11%のモノブロモ誘導体を含んでいた。生成物を約50mbarでバブルボールカラムを通して再蒸留して、23c 141.3(78.5%)を沸点93〜94℃で得、純度>99.6を有した。
工程3:イソ−PrMgCl.LiClの調製−LiCl(4.56g、107.6mmol)試料を高真空下でヒートガンを用いて10分間乾燥した。乾燥固体にイソ−PrMgCl(53.8mL、107.6mmol、THF中2M溶液)をN2雰囲気下で23℃にて加え、得られた混合物を23℃で3日間撹拌した。
−40℃でTHF(5mL)中の23c(1.29mL、10mmol)の溶液に、イソ−PrMgCl.LiCl溶液(5.5mL、11mmol、THF中2.0M)を反応温度を−30℃未満に維持する速度で加えた。撹拌を−35〜−30℃で1時間続け、次に−7℃に更に1時間温めた。反応混合物を−30℃に冷却し、DMF(1.00mL、13mmol)を一度に加え(温度が−23℃に上昇)、撹拌を−25〜+15℃で3.5時間続けた。反応混合物を1M H2SO4及び氷に注ぎ、得られた混合物を固体NaClで飽和し、MTBEで2回抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(MgSO4)、濾過し、真空下で濃縮して、23d 2.17g(98%)を白色の固体として得た。
工程4:3−クロロ−5−ヒドロキシ−ベンゾニトリル(3.84g)、K2CO3粉末(4.2g)及びn−ブチルニトリルの溶液に、23d(5.57g)を加えた。反応混合物を4.5時間加熱還流し、gc/msにより反応が完結したように見えた。反応混合物を冷却し、水に注ぎ、次にEtOAcを加えた。得られた混合物を層が分離するまで放置した。幾つかの結晶が境界及び上層の壁面に沿って現れ、それを濾過し、水及びヘキサンで洗浄した。濾液を真空下で蒸発し、残渣をIPAに取り、再蒸発した。固体をヘキサンで粉砕し、濾過した。母液を蒸発し、残留物をヘキサン/EtOAc(80:20)で溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製した。生成物をIPAで粉砕し、濾過し、ヘキサンで洗浄し、生成物画分を合わせて、24a 1.45g(83%)を得た。
工程5:無水トリフルオロ酢酸(8.88、4.231mmol)を100mLの丸底フラスコに加え、0℃で撹拌した。次に30%過酸化水素(0.290、8.46mmol)を反応器に滴下し、0で2時間撹拌して、トリフルオロ過酢酸(TFPA)を生成した。
DCM(20mL)中の24a(2.0、5.64mmol)の溶液に、KH2PO4(15.35g、112.82mmol)を撹拌しながら0℃で加えた。この懸濁液にTFPAを0℃で滴下した。反応物を48時間撹拌した。出発物質を消費したら、反応混合物を0℃に冷却し、ブラインで希釈し、10%重亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチした。得られた混合物をDCMで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、溶媒を真空下で除去して、黄色の固体を得て、それをヘキサン/EtOAc(92:8)で溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製して、24b 1.8g(94%)を得た。
工程6:DMF(15mL)中の24b(1.8g、5.26mmol)の溶液に、Cs2CO3(3.43、10.52mmol)及びヨードメタン(0.74g、5.26mmol)を加えた。反応混合物を85℃で12時間撹拌した。24bを消費したとき、反応混合物を室温に冷却し、粗混合物をEtOAcで抽出し、合わせた抽出物を水及びブラインで洗浄した。EtOAcを乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空下で濃縮して、24cを黄色の油状物として得て、それを次の工程で更に精製しないで使用した。
工程7:乾燥した100mLの丸底フラスコに窒素をパージし、24c(1.6g、4.50mmol)及び無水THF(20mL)を充填した。混合物を−20℃に冷却し、イソ−PrMgCl.LiCl(5.40ml、5.40mol、THF中2M、工程3参照)の溶液を滴下した。反応物を−20℃で2時間撹拌し、CuCN LiCl(0.100mL、0.100mol、THF中1M)の溶液を加え、−20℃で撹拌を続けた。この混合物に臭化アリル(1.08g、9.0mmol)を加え、混合物を更に2時間撹拌した。反応物をNH4Cl水溶液を加えてクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、水及びブラインで洗浄した。抽出物を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、溶媒を真空下で除去して、黄色の油状物を得た。粗生成物をヘキサン/EtOAc(95:5)で溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製して、25a 1g(70%)を得た。
工程8:25a(0.100g、0.315mmol)、EtOAc(2mL)、MeCN(2mL)及び水(3mL)の溶液に、NaIO4(0.437g、2.050mmol)及びRuCl3(0.001g、0.006mmol)を加えた。25aを消費したとき、粗混合物をセライト(登録商標)のパッドを通して濾過し、EtOAcで洗浄し、合わせたEtOAcの洗浄物をブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空下で蒸発して、25b 0.090g(85%)を黄色の固体として得た。
フェニル酢酸25bを、実施例2の工程1及び2に記載された手順によりトリアゾロン56aに変換した。トリアゾロンを実施例1の工程8及び9に記載の手順により56bに変換した。
実施例8
3−ジフルオロメチル−5−ヒドロキシ−ベンゾニトリル(36)
Figure 2008508211
工程1:57a、ナトリウムメトキシド(1当量)及びDMFの溶液を、N2雰囲気下で一晩室温にて撹拌した。揮発性溶媒を真空下で除去し、残渣をEt2Oと水に分配した。有機相を5%NaOH、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発して、57bを得た。
工程2:−78℃に冷却しAr雰囲気下に維持した57b(60g、0.2256mol)及び無水Et2O(1L)の溶液に、n−BuLi(100mL、0.2482mol、ヘキサン中2.5M)を30分かけて滴下した。黄色の溶液を−78℃で20分間撹拌した。反応混合物に乾燥DMF(19mL、248.2mmol)を15分かけて滴下し、反応物を−78℃で10分間撹拌し、その後冷浴を取り外し、反応物を30分かけて−30℃に温めた。反応器を氷水浴に入れ、−10℃に温めた。混合物を氷冷飽和NH4Cl水溶液(400mL)にゆっくりと加えた。有機層を分離し、水相をEt2Oで3回抽出した。合わせた抽出物を水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発して、油状物を得て、それを放置して凝固させた。粗生成物をヘキサン/EtOAc勾配(97:3〜95:5)で溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製して、58を得た。
工程3:実施例3の工程9に記載のように、59aを得るための58のシアン化をZn(CN)2、Pd(PPh34(0)及びDMFを用いて行った。
工程4:DAST(21.04mL、519mmol)を、NALGENE(登録商標)ボトルに入ったDCM(100mL)中の59a(15.1g、94mmol)の溶液に窒素下で加えた。EtOH(0.013mL、0.23mmol)を加え、混合物を16時間撹拌した。次に反応混合物を飽和NaHCO3の水溶液にゆっくりと加えた。気泡発生が終了した後、DCM(50mL)を加え、層を分離した。有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルの2つのフラッシュクロマトグラフィー(0%〜10%EtOAc/ヘキサン)により精製して、59bを白色の固体として得た。
工程5:実施例3の工程2に記載のように、メチルエーテル59bをHBr及び氷HOAcで脱メチル化し、36を得た。
実施例9
薬物動態パラメータの決定
体重200〜250gの健康な雌のラットを使用した。3〜5匹のラットのグループを実験化合物の各容量レベルに使用し、1匹のラットをビヒクル対照として使用した。動物は実験を通して食物と水を自由に摂取できた。試験物質をヒドロキシプロピルセルロース、ポリソルベート80及びベンジルアルコールを含む、HCl又はNaOHでpH3.5に調整された懸濁水溶液として(0.127mmol)と当量の容量で配合し、強制経口投与した。血液試料(0.3mL)を処置後2、4、6及び8時間後のラットの眼窩洞から、及び24時間後のラットの心臓穿刺から回収した。少なくとも0.3mLの血液試料を投与から3時間後の未処置の動物から採取した。シュウ酸カリウム/NaF及びヘパリンリチウムを試料に加え、それをサンプリング工程の間氷上で保存した。試料をできるだけ早く冷却遠心機内で−4℃で回転させ、血漿試料を遠心後素早く−20℃に保存し、その後分析まで−80℃の冷凍庫に移した。血漿の一部(0.05mL)を内部標準0.35mL(及びギ酸0.1%を含むアセトニトリル0.05mL)と混合した。較正標準のセットを未処置のラットからの血漿の一部0.05mLとギ酸0.1%を含むアセトニトリル中の標準液の一部0.05mL及びギ酸0.1%を含むアセトニトリル中の内部標準の一部0.35mLとを混合することで調製した。各血漿試料及び較正標準を十分にボルテックスし、次に4℃で20分間遠心分離し(3000×g)、タンパク質を沈殿させた。遠心分離による各上清をLC/MS/MS分析用に別の注射容器に移した。
Figure 2008508211
実施例10
HIV逆転写酵素アッセイ:インヒビターIC50測定
HIV−1 RTアッセイを、精製した組換え酵素及びポリ(rA)/オリゴ(dT)16テンプレート−プライマーを使用し、総量50μlで、96−ウエルMillipore MultiScreen MADVNOB 50プレートで実施した。アッセイの構成成分は、50mMトリス/HCl、50mM NaCl、1mM EDTA、6mM MgCl2、5μM dTTP、0.15μCi[3H]dTTP、2.5μg/mL オリゴ(dT)16にプレアニールした5μg/mLポリ(rA)及び最終濃度におけるインヒビター濃度範囲の10%DMSOであった。反応を4nM HIV−1 RTを加えて開始し、37℃で30分間のインキュベーションの後、反応を20%氷冷TCA50μlの添加によって停止させ、4℃で30分間沈殿させた。沈殿物を、プレートに真空を適用して回収し、10%TCA(3×200μl)及び70%エタノール(2×200μl)で順次洗浄した。最後に、プレートを乾燥させ、ウエルごとにシンチレーション液25μlを加えた後で、Packard Top Counterで放射活性をカウントした。IC50(表2)を、阻害率に対するlog10インヒビター濃度をプロットして計算した。
Figure 2008508211
実施例11
医薬組成物
経口投与組成物(A)
Figure 2008508211
成分を混合し、それぞれ約100mgを含有するカプセルに調剤する。1カプセルが1日用量のほぼ全てとなる。
経口投与組成物(B)
Figure 2008508211
成分を合わせ、メタノールのような溶媒を使用して造粒する。次に配合物を乾燥させ、適切な錠剤成形機を用いて錠剤(活性化合物約20mg含有)を形成する。
経口投与組成物(C)
Figure 2008508211
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
座剤配合物(E)
Figure 2008508211
成分を一緒に溶融し、蒸気浴で混合し、全重量2.5gを含有する型に注ぐ。
特定の形態で、又は開示された機能、若しくは開示された結果を獲得するための方法若しくは工程を実行する手段として表現された前記の説明、又は特許請求の範囲、又は添付の図面に開示されている事項は、適宜、個別に又はその事項の任意に組み合わせにて、本発明の多様な形態を実現するために使用し得る。
前記した本発明は、明確性及び理解のための説明及び例のために、そのいくつかの詳細が説明されてきた。当業者には、添付の特許請求の範囲内で変更及び修正を為し得ることが明らかであろう。したがって、上記の説明は、限定ではなく例示を意図するものと理解するべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定するべきではなく、添付の特許請求の範囲、及びその特許請求の範囲が権利を付与する等価物の包括的範囲を参照して決定するべきである。
本願に引用した全ての特許、特許出願及び出版物は、各特許、特許出願及び出版物がそのように個別に意味するのと同程度に、その全体が参照として本願に組み入れられる。

Claims (10)

  1. 式I
    Figure 2008508211

    (式中、
    1は、ハロゲン、C1−6アルキル又はC1−6アルコキシであり、
    2は、水素、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、
    3は、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、ハロゲン、及びシアノからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり、
    4は、CH2OH、CH2OC(=O)(CH22C(=O)OH又はCH2OC(=O)C1−6アルキルであり、
    5は、水素又はC1−6アルキルである)に記載の化合物、並びにその水和物、溶媒和物、及び塩。
  2. 1が、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、
    2が水素であり、
    3が、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、ハロゲン、及びシアノからなる群から独立して選択される置換基で置換された3,5−置換フェニルであり、
    4が、CH2OH、CH2OC(=O)(CH22C(=O)OH又はCH2OC(=O)CH2C(=O)OHであり、
    5がC1−6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 1が、クロロ、ブロモ、メチル又はエチルであり、
    2が水素であり、
    3が、3−クロロ−5−シアノ−フェニル、3,5−ジシアノフェニル又は3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェニルであり、
    4が、CH2OH、CH2OC(=O)(CH22C(=O)OH又はCH2OC(=O)CH2C(=O)OHであり、
    5がメチルである、請求項2に記載の化合物。
  4. 3−クロロ−5−[6−クロロ−2−フルオロ−3−(1−ヒドロキシメチル−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメチル)−フェノキシ]−ベンゾニトリル;
    コハク酸モノ−{3−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−l−イルメチル}エステル;
    5−[6−クロロ−2−フルオロ−3−(1−ヒドロキシメチル−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメチル)−フェノキシ]−イソフタロニトリル;
    コハク酸モノ−{3−[4−クロロ−3−(3,5−ジシアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;
    コハク酸モノ−{3−[4−クロロ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;
    3−[6−クロロ−2−フルオロ−3−(1−ヒドロキシメチル−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメチル)−フェノキシ]−5−ジフルオロメチル−ベンゾニトリル;
    コハク酸モノ−{3−[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−4−メチル−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;
    3−ジフルオロメチル−5−[2−フルオロ−3−(1−ヒドロキシメチル−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメチル)−6−メチル−フェノキシ]−ベンゾニトリル;
    コハク酸モノ−{3−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;
    3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(1−ヒドロキシメチル−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメチル)−フェノキシ]−5−ジフルオロメチル−ベンゾニトリル;
    コハク酸モノ−{3−[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−4−エチル−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;又は
    酢酸3−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチルエステル
    である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. コハク酸モノ−{3−[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−4−エチル−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;
    コハク酸モノ−{3−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;
    コハク酸モノ−{3−[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−4−メチル−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル;及び、
    コハク酸モノ−{3−[4−クロロ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−ベンジル]−4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル}エステル
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  6. 医薬として使用するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. AIDS又はARC(AIDS関連症候群)を含む、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)により仲介される疾病を治療する医薬の製造のための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  8. 治療的有効量の請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物を、少なくとも一種の薬学的に許容できる担体、賦形剤又は希釈剤との十分な混合物の状態で含有する医薬組成物。
  9. 式I
    Figure 2008508211

    に従った複素環の製造方法であって、
    (i)複素環I(R4=H)の溶液をホルムアルデヒド水溶液と接触させ、
    (ii)得られたN−ヒドロキシメチル化合物I(R4=CH2OH)を、アシル化剤と接触させるステップを含む方法。
  10. 上記に説明したような発明。
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