JP2010530863A - 非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤としての尿素及びカルバマート誘導体 - Google Patents

非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤としての尿素及びカルバマート誘導体 Download PDF

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Abstract

式(I)[ここで、R、R、R、X及びArは、本明細書で定義されたとおりである]の化合物又はその薬学的に許容しうる塩は、HIV−1逆転写酵素を阻害し、そしてHIV−1感染の予防及び治療ならびにAIDS及び/又はARCの処置のための方法を与える。本発明はまた、HIV−1感染の予防及び治療ならびにAIDS及び/又はARCの処置に有用な式(I)の化合物を含む組成物に関する。

Description

本発明は、抗ウイルス療法の分野、特に、HIV−1逆転写酵素を阻害し、ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)媒介疾患を処置するために有用な非ヌクレオシド化合物に関する。本発明は、単独療法もしくは併用療法で前記化合物を用いる、HIV−1媒介疾患、AIDS又はARCを治療又は予防するための、式Iの新規な尿素及びカルバマート誘導体を提供する。
本発明は、抗ウイルス療法の分野、特に、HIV−1逆転写酵素を阻害し、ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)媒介疾患を処置するために有用な非ヌクレオシド化合物に関する。本発明は、単独療法もしくは併用療法で前記化合物を用いる、HIV−1媒介疾患、AIDS又はARCを治療又は予防するための、式Iの新規な尿素及び複素環化合物を提供する。
ヒト免疫不全ウイルスHIV−1は、免疫系、特にCD4+T細胞の破壊とそれに付随する日和見感染症への感受性を特徴とする疾患である後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因因子である。HIV−1感染はまた、持続性全身性リンパ節腫脹、発熱及び体重減少などの症状を特徴とする症候群である前駆症状AIDS関連症候群(ARC)に関連している。
他のレトロウイルスと同様に、HIVゲノムは、ウイルスプロテアーゼによりプロセシングされて、プロテアーゼ、逆転写酵素(RT)、エンドヌクレアーゼ/インテグラーゼ及びウイルスコアの成熟構造タンパク質を与えるgag及びgag−polとして知られるタンパク質前駆体をコードしている。このプロセシングが妨害されると、正常に感染性のウイルスの産生が妨げられる。ウイルスによりコードされている酵素の阻害によるHIVの制御に向けて多大な努力がなされている。
HIV−1化学療法について、2種の酵素:HIV−1プロテアーゼ及びHIV−1逆転写酵素が、詳細に研究されている(J. S. G. Montaner et al., Biomed & Pharmacother. 1999 53:63- 72; R. W. Shafer and D. A. Vuitton, Biomed. & Pharmacother. 1999 53 :73-86; E. De Clercq, Curr. Med. Chem. 2001 8:1543-1572)。二つの一般的クラスのRTI阻害剤:ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)及び非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)が同定されている。現在、CCR5共受容体が、抗HIV−1化学療法のための潜在的な標的として登場している(D. Chantry, Expert Opin. Emerg. Drugs 2004 9(1):1-7; C. G. Barber, Curr. Opin. Invest. Drugs 2004 5(8):851-861; D. Schols, Curr. Topics Med. Chem. 2004 4(9):883-893; N. A. Meanwell and J. F. Kadow, Curr. Opin. Drug Discov. Dev. 2003 6(4):451-461)。
第三の酵素インテグラーゼもまた活発に研究されている。HIV−1インテグラーゼ阻害剤のN置換ヒドロキシピリミジノンカルボキサミド阻害剤が、WO2003/035077(2003年5月1日公開)中でB. Crescenzi et al.により開示されており、MK−0518(ラルテグラビル(raltegravir))がFDAにより承認されている。Gilead Sciencesよりライセンス供与された日本たばこ(Japan Tobacco)からのGS9137(エルビテグラビル(Elvitegravir))又はJTK−303が第2相試験を受けている(A. Savarino A. Expert Opin Investig Drugs. 2006 15(12):1507-22)。
NRTIは、典型的には2’,3’−ジデオキシヌクレオシド(ddN)類似体であって、これはウイルスRTと相互作用する前にリン酸化されねばならない。対応する三リン酸塩は、ウイルスRTの競合的阻害剤又は代替基質として機能する。このヌクレオシド類似体は、核酸に取り込まれた後、鎖伸張プロセスを停止させる。HIV−1逆転写酵素はDNA編集能を有し、これが、ヌクレオシド類似体を開裂させ、伸張を継続させることにより、耐性株が遮断を克服することを可能にする。
NNRTIは1989年に最初に発見された。NNRTIはHIV−1逆転写酵素の非基質結合部位に可逆的に結合し、それによって活性部位の形状を変化させるか、またはポリメラーゼ活性を遮断する、アロステリック阻害剤である(R. W. Buckheit, Jr., Expert Opin. Investig. Drugs 2001 10(8) 1423-1442; E. De Clercq, Antiviral Res. 1998 38:153-179; E. De Clercq, Current Med. Chem. 2001 8(13):1543-1572; G. Moyle, 2001 61 (1):19-26)。30を超える構造クラスのNNRTIが実験室で同定されているが、四つの化合物:エファビレンツ(efavirenz)、ネビラピン(nevirapine)、デラビルジン(delavirdine)及びエトラビリン(etravirine)のみが、HIV−1治療のために承認されている。
有望な化合物のクラスであると最初は見られていたが、インビトロ及びインビボ研究で、NNRTIが薬物耐性HIV−1株の出現に対する低い障壁及びクラス特異的毒性を呈することがすぐに判明した。薬剤耐性は、RTにおける単一の点突然変異だけで頻繁に発生する。NRTI、PI及びNNRTIを用いる併用治療は、多くの場合で、劇的にウイルス負荷を低下させ、疾患の進行を遅延させるが、重大な治療上の問題が残っている。(R. M. Gulick, Eur. Soc. Clin. Microbiol. and Inf. Dis. 2003 9(3):186-193)。カクテルは全ての患者で有効であるわけではなく、潜在的に重篤な副作用がしばしば起こり、迅速に繁殖するHIV−1ウイルスは、野生型プロテアーゼ及び逆転写酵素の突然変異薬剤耐性変異体を巧みに創り出すことが証明された。HIV−1の野生型及び一般的に生じる耐性株に対する活性を有する、より安全な薬物が依然として必要とされている。
ピリダジノン非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤は、2007年3月13日に発行された米国特許第7,189,718号中でJ. P. Dunn et al.により、そして2005年3月22日に出願された米国特許出願公開第2005021554号中でJ. P. Dunn et al.により記載されている。5−アラルキル−2,4−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾール−3−オン、5−アラルキル−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン及び5−アラルキル−3H−[1,3,4]チアジアゾール−2−オン非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤が、2007年4月24日に発行された米国特許第7,208,059号、2006年10月5日に公開された米国特許公報第20060225874号、及び2005年6月27日に出願された米国特許出願公開第2006025462号中でJ. P. Dunn et al.により開示されている。関連化合物は、2007年4月5日に公開された米国特許出願公開第20070078128号中でY. D. Saito et al.により開示されている。フェニルアセトアミド非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤は、2007年1月23日に発行された米国特許第7,166,738号中でJ. P. Dunn et al.により開示されており、フェニルアセトアミド化合物でのレトロウイルス感染の処置方法は、2005年10月27日に公開された米国特許出願公開第20050239880号中でJ. P. Dunn et al.により;2007年4月19日に公開された米国特許出願公開第20070088053号中でT. Mizadegan and T. Silvaにより;そして2007年4月19日に公開された米国特許出願公開第20070088015号中でZ. K. Sweeney and T. Silvaにより開示されている。これらの出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
2006年6月26日に公開されたWO2006/067587中で、L. H. Jones et al.は、HIV−1逆転写酵素に結合し、そしてそのモジュレーター、特に阻害剤である、フェノキシアセトアミド誘導体及びそれを含有する組成物を開示している。K. R. Romines et al (J. Med. Chem. 2006 49(2):727-739)及びP. Bonneau et al. (2006年3月30日に公開された米国特許出願公開第20060069261号)は、HIV−1逆転写酵素を阻害するフェノキシアセトアミドを記載している。2007年1月25日に公開された米国特許出願公開第2007/0021442号中で、S. A. Saggar et al.は、ジフェニルエーテルHIV−1逆転写酵素阻害剤を開示している。
本発明は、式I:
Figure 2010530863

[式中、
Xは、O又はNRであり;
は、ハロゲン、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシであり;
とRは、独立して、(i)水素又はC1−6アルキルであるか;(ii)RとRは一緒になって、(CH、オルト−フェニレン、ピリジニレン、3,4−ピリダジレン又はCH=N(ここで、nは2〜4の整数であり、そして前記ピリジニレン又は3,4−ピリダジレン環中の窒素原子は、酸素で場合により置換されていることができる)であるか;あるいは(iii)Rは水素であり、そしてRは、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ及びニトロからなる群より場合により選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているフェニルであり;
Arは、ハロゲン、シアノ、C1−6ハロアルキル及びC1−6アルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されているフェニルである]で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
式Iの化合物は、HIV−1逆転写酵素を阻害し、そしてHIV−1感染の予防及び治療、ならびにAIDS及び/又はARCの処置のための方法を与える。HIV−1は、その遺伝暗号の容易な変異を受け、現在の治療オプションでの療法に対する感受性が低下した株をもたらす。本発明はまた、HIV−1感染の予防及び治療ならびにAIDS及び/又はARCの処置に有用な式Iの化合物を含有する組成物に関する。本発明は、更に、単独療法又は他の抗ウイルス剤との併用療法に有用な式Iの化合物に関する。
本明細書で使用される語句「a」又は「an」物体は、一つ以上のその物体であることを指し;例えば、「a」化合物は、一つ以上の化合物又は少なくとも一つの化合物を指す。それで、「a」(又は「an」)、「一つ以上」及び「少なくとも一つ」という用語は、本明細書では互換的に使用されうる。
語句「本明細書中で上に定義されたとおり」は、発明の概要で提供されているような各々の基に対する最も広い定義又は最も広い特許請求の範囲を指す。以下に提供されている他の全ての実施態様において、各々の実施態様において存在することができ、そして明示的には定義されていない置換基は、発明の概要で提供される最も広い定義を保持する。
本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、別に定義しない限り、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されている意味を有する。本明細書では、当業者に公知の種々の方法論及び材料に言及する。薬理学の一般原理を記載している標準的な参考著作物として、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th Ed., McGraw Hill Companies Inc., New York (2001)が挙げられる。当業者に公知の任意の適切な材料及び/又は方法を、本発明の実施において利用することができる。しかし、好ましい材料及び方法を記載する。以下の説明及び実施例中で言及する材料、試薬などは、別に示さない限り、商業的供給源から入手可能である。
移行句中であれ、請求項の本体中であれ、本明細書中で使用される用語「含む(comprise(s))」及び「含む(comprising)」は、制限のない意味を有するものとして解釈されるできである。すなわち、この用語は、語句「少なくとも有する」又は「少なくとも含む」と同義的に解釈されるべきである。方法の文脈で使用されるとき、用語「含む」は、その方法が記載された工程を少なくとも含むが、追加の工程を含んでもよいことを意味する。化合物又は組成物の文脈で使用されるとき、用語「含む」は、その化合物又は組成物が記載された特徴又は成分を少なくとも含むが、追加の特徴又は成分も含んでもよいことを意味する。
用語「約」は、大体、あたり、概略、又はおおよそを意味するように本明細書で使用される。用語「約」は、数値範囲の関連で使用される場合、記載された数値の上下に境界を拡げることにより、その範囲を加減する。一般に、用語「約」は、20%の変動幅で、言及された値の上下に数値を加減するように本明細書で使用される。
本明細書で使用される用語「場合による」又は「場合により」は、後に記載される事象又は状況が起こってもよいが起こる必要はなく、そしてその記載が、その事象又は状況が起こる場合と起こらない場合とを含むことを意味する。例えば、「場合により置換されている」は、場合により置換されている部分が水素又は置換基を含んでいてもよいことを意味する。
語句「場合による結合」は、その結合が存在してもよく、又は存在しなくてもよいこと、及び、その記載は、単結合、二重結合又は三重結合を包含することを意味する。置換基が「結合」又は「不存在」であると示されている場合には、置換基に結合している原子は、直接結合されている。
任意の可変物(例えば、R、R4a、Ar、X又はHet)が、本発明で用いられるか又は特許請求される化合物を示しそして記載する任意の部分又は式中で一回を越えて生じる場合には、出現ごとのその定義は、全ての他の出現についてのその定義とは独立している。また、置換基及び/又は可変物の組み合わせは、そのような化合物が安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
「安定な」化合物は、調製及び単離することができ、本明細書に記載された目的(例えば、対象への治療的又は予防的投与)のための化合物の使用を可能にするのに十分な期間の間、その構造及び特性が、本質的に不変であるか、又は不変にされることができる化合物である。
明示的にそれに反して記載されない限り、本明細書中で引用される全ての範囲は包含的(inclusive)である。例えば、「1〜4個のヘテロ原子」を含むと記載される複素環は、環が1、2、3又は4個のヘテロ原子を含むことができることを意味する。本明細書中で引用される任意の範囲は、その範囲内の全ての部分範囲をその範囲内に包含することも理解されるべきである。したがって、例えば、「1〜5個の置換基」で場合により置換されていると記載されるアリール又はヘテロアリールは、その態様として、1〜4個の置換基、1〜3個の置換基、1〜2個の置換基、2〜5個の置換基、2〜4個の置換基、2〜3個の置換基、3〜5個の置換基、3〜4個の置換基、4〜5個の置換基、1個の置換基、2個の置換基、3個の置換基、4個の置換基及び5個の置換基で場合により置換されている任意のアリールを包含することが意図される。
結合の末端の符号「*」又は結合を通して描かれる「―――――」は、それぞれ、官能基又は他の化学的部分の、それがその一部である分子の残余への結合点を指す。したがって、例えば:
Figure 2010530863

である。
本明細書に記載の定義は、化学的に関連する組み合わせ、例えば「ヘテロアルキルアリール」、「ハロアルキルヘテロアリール」、「アリールアルキルヘテロシクリル」、「アルキルカルボニル」、「アルコキシアルキル」などを形成するように付加されうることが意図される。用語「アルキル」が、「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」におけるように、他の用語の後に接尾辞として使用される場合、これは、他の具体的に名付けられた基から選択される1〜2個の置換基で置換されている、上記で定義されたアルキル基を指すことが意図される。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、1〜2個のフェニル置換基を有するアルキル基を指し、したがって、ベンジル、フェニルエチル及びビフェニルを包含する。「アルキルアミノアルキル」は、1〜2個のアルキルアミノ置換基を有するアルキル基である。「ヒドロキシアルキル」は、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−(ヒドロキシメチル)、3−ヒドロキシプロピルなどを包含する。したがって、本明細書で使用される用語「ヒドロキシアルキル」は、以下に定義されるヘテロアルキル基の部分集合を定義するために使用される。用語(アラ)アルキル((ar)alkyl)は、非置換アルキル又はアラルキル基のいずれかを指す。用語(ヘテロ)アリール又は(ヘタ)アリール((het)aryl)は、アリール又はヘテロアリール基のいずれかを指す。
本明細書で使用される用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を含む、非分岐鎖又は分岐鎖状飽和一価炭化水素残基を示す。用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖状炭化水素残基を示す。本明細書で使用される「C1−10アルキル」は、1〜10個の炭素から構成されるアルキルを指す。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル又はペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルを含む低級アルキルが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「アルキレン」は、別に示さない限り、1〜10個の炭素原子の二価飽和直鎖状炭化水素基(例えば、(CH)又は2〜10個の炭素原子の分岐状飽和二価炭化水素基(例えば、−CHMe−又は−CHCH(i−Pr)CH−)を示す。アルキレン基の開放原子価は、同じ原子に結合されない。アルキレン基の例には、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチル−プロピレン、1,1−ジメチル−エチレン、ブチレン、2−エチルブチレンが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を含む飽和炭素環、すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルを示す。本明細書で使用される「C3−7シクロアルキル」は、炭素環中の3〜7個の炭素から構成されるシクロアルキルを指す。
本明細書で使用される用語「アルコキシ」は、−O−アルキル基(ここで、アルキルは上記で定義されたとおりである)、例えば、メトキシ、エトキシ、N−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、N−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ(それらの異性体を含む)を意味する。本明細書で使用される「低級アルコキシ」は、先に定義された「低級アルキル」基を有するアルコキシ基を示す。本明細書で使用される「C10アルコキシ」は、アルキルが、C1−10である、−O−アルキルを指す。
本明細書で使用される用語「ハロアルキル」は、1、2、3個又はそれ以上の水素原子がハロゲンにより置換されている、上記で定義された非分岐鎖又は分岐鎖状アルキル基を示す。その例は、1−フルオロメチル、1−クロロメチル、1−ブロモメチル、1−ヨードメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、トリヨードメチル、1−フルオロエチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−ヨードエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2,2−ジクロロエチル、3−ブロモプロピル又は2,2,2−トリフルオロエチルである。
本明細書で使用される用語「ハロアルコキシ」は、基−OR(ここで、Rは、本明細書で定義されたハロアルキルである)を指す。本明細書で使用される用語「ハロアルキルチオ」は、基−SR(ここで、Rは、本明細書で定義されたハロアルキルである)を指す。
本明細書で使用される用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
本明細書で使用される用語オルト−フェニレン、2,3−ピリジニレン、3,4−ピリジニレン又は3,4−ピリダジレンは、それぞれ、部分(i)〜(iv)を指す。本明細書で使用される2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンは、(v)を指す。ジアリールエーテルは、ii及びiiiのC−3で、そしてivのC−4で窒素に結合する。ピリジン環の窒素原子又はピリダジン環の1個の窒素原子は場合により酸素原子で置換されて、窒素N−オキシドを形成する。N−オキシドの調製は周知であり、例えば、適切な有機溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、ヘキサン又はt−ブタノールなど)中、過剰量の酸化剤(例えば、過酸化ナトリウム、過酸化水素、過ヨウ素酸ナトリウム、亜硝酸アシル、過ホウ酸ナトリウム、メタ−クロロ過安息香酸又は他の過酸、OXONE(登録商標)(ペルオキシ一硫酸カリウム)、過マンガン酸カリウム又はクロム酸)の存在下、典型的には20〜60℃の温度で実施されうる。
Figure 2010530863
本明細書で使用される用語尿素は、R′R″N(=O)NHR'''(ここで、R″及びR'''は、場合により、飽和していてもよく、又はフェニル、ピリジニル又はピリダジニル環に縮合していてもよいアルキレン鎖である)を含む化合物を指す。R’残基は、ビス−アリールエーテルに結合しているメチレンである。本明細書で使用される用語カルバマートは、R’OC(=O)NHR'''を含む化合物を指す。
本発明の1つの実施態様においては、R、R、R、X及びArが本明細書上記で定義されたとおりである、式Iの化合物が提供される。下記に提供する他の全ての実施態様において、各実施態様に存在することができ、明示的に定義されていない置換基は、発明の概要において提供される最も広い定義を保持する。
本発明の第2の実施態様においては、XがNRである、式Iの化合物が提供される。
本発明の第3の実施態様においては、XがNRであり、そしてRとRが一緒になってオルト−フェニレン、ピリジニレン又は3,4−ピリダジレンである、式Iの化合物が提供される。
本発明の第4の実施態様においては、XがNRであり;RとRが一緒になってオルト−フェニレン、ピリジニレン又は3,4−ピリダジレンであり;Rがブロモ、クロロ又はC1−6アルキルであり;そしてArが3,5−二置換フェニル部分(ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、C1−6ハロアルキル又はC1−6アルキルより選択される)である、式Iの化合物が提供される。
本発明の第5の実施態様においては、XがNRであり;RとRが一緒になってオルト−フェニレン、ピリジニレン又は3,4−ピリダジレンであり;Rがブロモ、クロロ又はC1−6アルキルであり;そしてArが3−クロロ−5−シアノ−フェニル、3,5−ジシアノ−フェニル又は3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェニルである、式Iの化合物が提供される。
本発明の第6の実施態様においては、XがNRであり;RとRが一緒になって2,3−又は3,4−ピリジニレンであり;Rがブロモ、クロロ又はC1−6アルキルであり;そしてArが3−クロロ−5−シアノ−フェニル、3,5−ジシアノ−フェニル又は3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェニルである、式Iの化合物が提供される。
本発明の第7の実施態様においては、XがNRであり;RとRが一緒になって3,4−ピリダジレンであり;Rがブロモ、クロロ又はC1−6アルキルであり;そしてArが3−クロロ−5−シアノ−フェニル、3,5−ジシアノ−フェニル又は3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェニルである、式Iの化合物が提供される。
本発明の第8の実施態様においては、XがNRであり;RとRが、それらが結合する原子と一緒になって、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンを形成し;Rがブロモ、クロロ又はC1−6アルキルであり;そしてArが3,5−二置換フェニル部分(ここで、置換基は、ハロゲン、シアノ、C1−6ハロアルキル又はC1−6アルキルより選択される)である、式Iの化合物が提供される。
本発明の第9の実施態様においては、3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル;3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル;3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル;3−クロロ−5−[6−クロロ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イルメチル)−フェノキシ]−ベンゾニトリル;又は3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリダジン−5−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリルより選択される化合物が提供される。
本発明の第10の実施態様においては、それを必要とする宿主に、治療有効量の式I(ここで、R、R、R、X及びArは、本明細書上記で定義されたとおりである)の化合物を投与することを含む、HIV−1感染の治療、又はHIV−1感染の予防、又はAIDSもしくはARCの処置のための方法が提供される。
本発明の第11の実施態様においては、それを必要とする宿主に、治療有効量の式I(ここで、R、R、R、X及びArは、本明細書上記で定義されたとおりである)の化合物とHIVプロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、CCR5アンタゴニスト及びウィルス融合阻害剤からなる群より選択される少なくとも1つの化合物とを同時投与することを含む、HIV−1感染の治療、又はHIV−1感染の予防、又はAIDSもしくはARCの処置のための方法が提供される。
本発明の第12の実施態様においては、それを必要とする宿主に、治療有効量の式I(ここで、R、R、R、X及びArは、本明細書で定義されたとおりである)の化合物とジドブジン、ラミブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、レスクリプター、サスティバ、ビラミューン、エファビレンツ、ネビラピン又はデラビルジン、サキナビル、リトナビル、ネルフィナビル、インジナビル、アンプレナビル、ロピナビル、ラルテグラビルカリウム及びエンフビルチドの群より選択される少なくとも1つの化合物とを同時投与することを含む、HIV−1感染の治療、又はHIV−1感染の予防、又はAIDSもしくはARCの処置のための方法が提供される。
本発明の第13の実施態様においては、それを必要とする宿主に、治療有効量の式I(ここで、R、R、R、X及びArは、本明細書上記で定義されたとおりである)の化合物を投与することを含む、HIV−1に感染した宿主中のHIV−1逆転写酵素の阻害方法が提供される。
本発明の第14の実施態様においては、それを必要とする宿主に、治療有効量の式I(ここで、R、R、R、X及びArは、本明細書上記で定義されたとおりである)の化合物を投与することを含む、野生型HIV−1と比較して少なくとも1つの変異を有する逆転写酵素を発現するHIV−1に感染した宿主中のHIV−1逆転写酵素の阻害方法が提供される。
本発明の第15の実施態様においては、それを必要とする宿主に、治療有効量の式I(ここで、R、R、R、X及びArならびにnは、本明細書上記で定義されたとおりである)の化合物を投与することを含む、エファビレンツ、ネビラピン又はデラビルジンに対する低下した感受性を示す逆転写酵素を発現するHIV−1に感染した宿主中のHIV−1逆転写酵素の阻害方法が提供される。
本発明の第16の実施態様においては、治療有効量の式I(ここで、R、R、R、X及びArならびにnは、本明細書上記で定義されたとおりである)の化合物及び少なくとも1個の担体、賦形剤又は希釈剤を含む、医薬組成物が提供される。
A-M. Vandamme et al. (Antiviral Chemistry & Chemotherapy, 1998 9:187-203)は、少なくとも三剤の併用を含む、現在の、ヒトにおけるHIV−1感染のHAART臨床処置を開示している。従来、高活性抗レトロウイルス剤療法(HAART)は、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、及びプロテアーゼ阻害剤(PI)を用いた併用療法からなっている。これらの化合物は、ウイルスの複製に必要な生化学的過程を阻害する。HAARTは、HIV−1に感染した個人の予後を劇的に変化させてきたが、現在の治療法には、高度に複雑な投薬レジメン、及び非常に重篤でありうる副作用を含め、依然として多くの欠点が残されている((A. Carr and D. A. Cooper, Lancet 2000 356(9239):1423-1430)。更に、これらの多剤療法によってHIV−1は排除されず、通常、長期の処置によって多剤耐性がもたらされ、それによって長期療法でのその有用性が制限される。より良いHIV−1処置を提供するための、NRTI、NNRTI、PI及びウィルス融合阻害剤と組み合わせて使用することのできる新たな薬物療法の開発が依然として優先事項となっている。
典型的な適切なNRTIには、ジドブジン(AZT;RETROVIR(登録商標));ジダノシン(ddl;VIDEX(登録商標));ザルシタビン(ddC;HIVID(登録商標));スタブジン(d4T;ZERIT(登録商標));ラミブジン(3TC;EPIVIR(登録商標));アバカビル(ZIAGEN(登録商標));アデフォビルジピボキシル[ビス(POM)−PMEA;PREVON(登録商標)]及びテノフォビル(VIREAD、TDF又はPMPA);ロブカビル(BMS−180194)、EP−0358154及びEP−0736533で開示されているヌクレオシド逆転写酵素阻害剤;BCH−10652、Biochem Pharmaにより開発中の逆転写酵素阻害剤(BCH−10618及びBCH−10619のラセミ混合物の形態);Triangle Pharmaceuticalsにより開発中のエミトリシタビン(emitricitabine)[(−)−FTC];Vion Pharmaceuticalsにライセンス供与された、β−L−FD4(β−L−D4Cとも呼ばれ、β−L−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロ−シチデンと命名される);DAPD、EP−0656778で開示され、Triangle Pharmaceuticalsにライセンス供与された、プリンヌクレオシド、(−)−β−D−2,6−ジアミノ−プリンジオキソラン;及びロデノシン(FddA)、9−(2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−β−D−トレオ−ペントフラノシル)アデニン、U.S. Bioscience Inc.により開発中の酸安定プリン系逆転写酵素阻害剤が含まれる。
典型的な適切なNNRTIには、ネビラピン(BI−RG−587;VIRAMUNE(登録商標));デラビラジン(BHAP、U−90152;RESCRIPTOR(登録商標));エファビレンツ(DMP−266;SUSTIVA(登録商標))、;PNU−142721、Pfizerにより開発中のフロピリジン−チオ−ピリミジン;AG−1549(旧シオノギ(Shionogi)#S−1153);WO96/10019で開示されている5−(3,5−ジクロロフェニル)−チオ−4−イソプロピル−1−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルカルボナート;MKC−442(1−(エトキシ−メチル)−5−(1−メチルエチル)−6−(フェニルメチル)−(2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン);ならびに(+)−カラノリド(calanolide)A(NSC−675451)及びB、米国特許第5,489,697号で開示されているクマリン誘導体が含まれる。
典型的な適切なPIには、サキナビル(Ro31−8959;INVIRASE(登録商標);FORTOVASE(登録商標));リトナビル(ABT−538;NORVIR(登録商標));インジナビル(MK−639;CRIXIVAN(登録商標));ネルフナビル(nelfnavir)(AG−1343;VIRACEPT(登録商標));アンプレナビル(141W94;AGENERASE(登録商標));TMC114(ダルナビル、PREZISTA(登録商標));ラシナビル(BMS−234475);DMP−450、Triangle Pharmaceuticalsにより開発中の環状尿素;BMS−2322623、第二世代HIV−1 PIとしてBristol-Myers Squibbにより開発中のアザペプチド;Abbotにより開発中のABT−378;及びAG−1549、Agouron Pharmaceuticals, Inc.により開発中のイミダゾールカルバマートが含まれる。
ペンタフシド(FUZEON(登録商標))は、HIV−1の標的膜への融合を阻害する36アミノ酸の合成ペプチドである。ペンタフシド(3〜100mg/日)は、三剤併用療法に不応性のHIV−1陽性患者に、エファビレンツ及び2種のPIと一緒に、連続的皮下(sc)注入又は注射として与えられ;100mg/日の使用が好ましい。FUZEONは、ウイルスコーティング上のGP41に結合し、ウイルスのカプシドのための侵入孔の生成を阻害して、ウイルスを細胞外に留める。
HIV−1は、ウイルスエンベロープ糖タンパク質(Env)のCD−4抗原との高親和性相互作用を利用することにより、単球マクロファージ系の細胞及びヘルパーT細胞リンパ球に感染する。CD−4抗原は、細胞侵入に必要ではあるが、十分な要件ではないことが見出され、少なくとも一つの他の表面タンパク質が、細胞への感染に必要であった(E. A. Berger et al., Ann. Rev. Immunol. 1999 17:657-700)。2種のケモカイン受容体、CCR5又はCXCR4受容体のいずれかが、その後、CD4と共に共受容体であることが見出され、これらは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による細胞の感染に必要とされる。CCR5結合のアンタゴニストが、ウイルス融合の防止のために求められている。マラビロク(Pfizer)は、FDAにより最近承認されたCCR5アンタゴニストである。Pfizerによるビクリビロク(Schering)は、後期開発段階にある。多数の他の会社が、種々の発見及び開発段階の研究プログラムを有している(例えば、A. Palani and J. R. Tagat, J. Med. Chem. 2006 49(10):2851-2857、P. Biswas et al. Expert. Opin. Investig. Drugs 2006 15(5):451-464; W. Kazmierski et al. Biorg Med. Chem. 2003 11:2663-76参照)。市場に到っているCCR5アンタゴニストは、NNRTI、NRTI及びPIとの組み合わせで有用であるようである。
他の抗ウイルス剤には、ヒドロキシ尿素、リバビリン、IL−2、IL−12、ペンタフシドが含まれる。ヒドロキシ尿素(Droxia)は、ジダノシンの活性に対して相乗効果を有することが示されており、スタブジンと共に研究されている、リボヌクレオシド三リン酸還元酵素阻害剤である。IL−2(アルデスロイキン;PROLEUKIN(登録商標))は、EP−0142268(Ajinomoto)、EP−0176299(Takeda)、ならびに米国特許第RE33,653号、同第4,530,787号、同第4,569,790号、同第4,604,377号、同第4,748,234号、同第4,752,585号及び同第4,949,314号(Chiron)で開示されている。リバビリン、1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。
一般的に使用される略語には、アセチル(Ac)、大気(Atm)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ジ−tert−ブチルピロカルボナート又はboc無水物(BOCO)、ベンジル(Bn)、ブチル(Bu)、ケミカルアブストラクト登録番号(CASRN)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ又はZ)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ジクロロメタン(DCM)、ジエチルアゾジカルボキシラート(DEAD)、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(DIAD)、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL又はDIBAL−H)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、当量(eq.又はequiv.)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、2−エトキシ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(EEDQ)、ジエチルエーテル(EtO)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート酢酸(HATU)、酢酸(HOAc)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、イソプロパノール(IPA)、メタノール(MeOH)、融点(mp)、MeSO−(メシル又はMs)、メチル(Me)、アセトニトリル(MeCN)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、質量スペクトル(ms)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、フェニル(Ph)、プロピル(Pr)、イソプロピル(i−Pr)、ポンド/平方インチ(psi)、ピリジン(pyr)、室温(rt又はRT)、tert−ブチルジメチルシリル又はt−BuMeSi(TBDMS)、トリエチルアミン(TEA又はEtN)、トリフラート又はCFSO−(Tf)、トリフルオロ酢酸(TFA)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフロオロボラート(TBTU)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、テトラヒドロフラン(THF)、トリメチルシリル又はMeSi(TMS)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH又はpTsOH)、4−Me−CSO−又はトシル(Ts)、N−ウレタン−N−カルボキシ無水物(UNCA)が含まれる。接頭辞:ノルマル(n−)、イソ(i−)、第二級(sec−)、第三級(tert−)、及びネオ(neo)を含む従来の命名法は、アルキル部分と共に使用される場合にその慣慣習的意味を有する(J. Rigaudy and D. P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979 Pergamon Press, Oxford.)。
Figure 2010530863

Figure 2010530863
本発明の化合物を、下記に示し、記載した例示の合成反応スキームで示されている種々の方法によって製造することができる。これらの化合物の調製に使用する出発材料及び試薬は、一般に、Aldrich Chemical Co.などの商業供給者から入手可能であるか、又はFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, Volumes 1-21; R. C. LaRock, Comprehensive Organic Transformations, 2nd edition Wiley-VCH, New York 1999; Comprehensive Organic Synthesis, B. Trost and I. Fleming (Eds.) vol. 1-9 Pergamon, Oxford, 1991; Comprehensive Heterocyclic Chemistry, A. R. Katritzky and C. W. Rees (Eds) Pergamon, Oxford 1984, vol. 1-9; Comprehensive Heterocyclic Chemistry II, A. R. Katritzky and C. W. Rees (Eds) Pergamon, Oxford 1996, vol. 1-11; およびOrganic Reactions, Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-40などの参考文献に記載の手順に従って当業者に公知の方法により調製されるかのいずれかである。下記の合成反応スキームは、それによって本発明の化合物を合成することができるいくつかの方法を例示しているに過ぎず、これらの合成反応スキームに対して種々の改変を行うことができ、当該改変は本出願に含まれる開示を参照した当業者に示唆されよう。
合成反応スキームの出発材料及び中間体を、所望であれば、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含む(しかし、それらには限定されない)従来の技術を使用して、単離及び精製することができる。そのような材料を、物理定数及びスペクトルデータを含む従来の手段を使用して特徴付けることができる。
それに反して明記しない限り、本明細書に記載される反応は、好ましくは、不活性雰囲気下、大気圧で、約−78℃〜約150℃、より好ましくは約0℃〜約125℃の反応温度範囲で、最も好ましく、そして好都合にはほぼ室温(又は周囲温度)、例えば約20℃で実施される。
下記のスキームにおけるいくつかの化合物は、一般化された置換基に関して示されている;しかし、R基の性質及び数を変動させて、本発明において意図される種々の化合物を得ることができることを、当業者は直ちに理解するであろう。スキーム中の一般式は、例示的であることが意図されており、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を制限することを意味することは意図されない。さらに、反応条件は例示的であって、代替的な条件は周知である。下記の実施例における反応シーケンスは、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲を制限することを意味しない。
Figure 2010530863
ビス−アリールエーテル(工程1)の導入を、対称的に配置されたフッ素原子の1つをフェノキシド塩で置換することにより達成することができる。フルオロニトロ芳香族化合物は、ソフトな求核剤による求核攻撃に非常に感受性であることが知られている。フッ素置換基は、一般に、他のハロゲン置換基よりも著しく不安定である。水や水酸化物のようなハードな求核剤はフッ化物を置換できないが、フェノール、イミダゾール、アミン、チオール及び幾つかのアミドのようなソフトな求核剤は、室温で容易にフッ素を置換する(D. Boger et al., Biorg. Med. Chem. Lett. 2000 10: 1471-75; F. Terrier Nucleophilic Aromatic Displacement: The Influence of the Nitro Group VCH Publishers, New York, NY 1991)。
A−2aをイソ−PrMgCl/LiCl/THFでモノ金属化し、得られたマグネシウム塩をDMFでホルミル化して、A−2dを得た。アルデヒドの選択的還元を可能にする十分に確立された試薬を利用することにより、得られたアルデヒドの還元を達成することができる。水素化ホウ素ナトリウムは、シアノ置換基の存在下で、アルデヒド及びケトンを選択的に還元することが知られている。水素化ホウ素ナトリウム還元を、典型的には、アルコール性又は水性媒体中で実施する。ベンジルアルコール(A−2c)のハロゲン化ベンジル(A−2d)への変換は当技術分野において周知であり、これを種々の試薬を用いて実施することができる。一般的に使用される試薬には、SOBr、PBr、POBrならびに(RO)PRBr及びRPBrなどのリン誘導ハロゲン化剤が含まれる。本例では、臭素化剤として三臭化リンが利用された(A. R. Katritzky et al. Chem Scr. 1987 27:477)。2−ヒドロキシ−ベンズイミダゾールを用いたA−2dのアルキル化により、直接I−1を得る。スキームAは、3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ部分を用いた化合物の調製を例示しているが、同様に他のフェノールを導入することができることを当業者は理解するであろう。例えば、本発明の範囲内にある化合物を、5−ヒドロキシ−イソ−フタロニトリル[CASRN 79370−78−8]、3−シアノ−5−ジフルオロメチル−ベンゾニトリル[CASRN 874974−85−3]、3−ブロモ−5−ヒドロキシ−ベンゾニトリル[CASRN 770718−92−8]及び3−ヒドロキシ−5−メチル−ベンゾニトリル[CASRN 95658−81−4]から調製することができる。
2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン誘導体(I−8〜I−10)を、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン又は5−アルキル−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンを用いたA−2dのアルキル化により同様に調製した。5−アルキル−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンを、カルボン酸誘導体(例えば、トリアルキルオルトアセタート)を用いたセミカルバジドの環化又はヒドラジンを用いたチオアシルカルバマートの環化により調製した。
Figure 2010530863
あるいは、本発明の化合物の調製に利用されるハロゲン化ベンジル中間体を、スキームBに示すように構築した。グリニャール試薬を用いて、B−1a[CASRN 136386−79−3]をモノ金属化し、シアン酸クレゾールでシアン化して、ベンゾニトリルB−1bを得た。B−1bを金属化し、得られた有機金属をDMFでクエンチして、B−2を得て、それをエチレングリコール及び1,2−ジアセトキシエタンでB−3aに変換し、脱シリル化して、B−3bを得た。B−3b及びA−1を縮合し、得られたジアリールエーテルをモノ金属化及びホルミル化し、新たに導入されたアルデヒドを還元して、ベンジルアルコールB−4cを得た。アセタールを加水分解して、B−5aを得て、次に、それを、対応するオキシムに変換し、脱水して、3,5−ジシアノフェノキシ化合物B−5cを生成する。ベンジルアルコールの対応する臭化物B−6への変換を、スキームAに示すように実施する。
中間体B−4cを使用して、ジフルオロメチル置換中間体を調製することができる。B−4cをアセチル化し、アセタールを選択的に加水分解して、2個のフッ素原子を導入するために適切に保護されたアルデヒドB−7aを得る。B−7aをDASTで処理して、所望のジフルオロメチル部分を得て、その後アセタートを加水分解し、臭化物を導入して、B−7dを得る。
Figure 2010530863
1,3−ジヒドロ−3−tert−ブチル−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−オン(I−2)を、C−1aからの不安定なクロロ置換基をtert−ブチルアミンで置換することにより調製して、C−1bを得た。ニトロ基を接触水素化して、ジアミンC−1cを得て、それをCDIと接触させた結果、縮合イミダゾリジン−2−オン環が形成された。C−2を用いたA−2aのアルキル化を、スキームAに示したシーケンスと同様にして実施した。tert−ブチル保護の除去を、C−3をTTFA及びMsOHに暴露することにより達成し、その結果tert−ブチル基が開裂し、それと同時に、シアノ置換基が部分的に加水分解されて、対応するカルボキサミドC−4aが得られ、それを、ピリジン及びTFAAで処理して、シアノ置換基を再形成する。
1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン及び5,7−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリダジン−6−オン環を、スキームDに示すように調製した。
Figure 2010530863
A−2dを、イソインドール−1,3−ジオンのカリウム塩でアルキル化し、その後フタルイミドからアミンをヒドラジンで遊離させることにより、3−(3−アミノメチル−6−ブロモ−2−フルオロ−フェノキシ)−5−クロロ−ベンゾニトリル(D−1)を調製した。
1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン環を、4−クロロ−3−ニトロ−ピリジンから塩素をD−1で置換することにより合成して、D−2aを得た。ニトロ基を還元して、D−2bを得て、それをCDIで直接環化して、I−4を得ることができる。対照的に、5,7−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリダジン−6−オン部分を、5−アリル−1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオンを最初に構築することにより調製した。A−2bをメチル2−アミノ−ペンタ−4−エノアートで還元的アルキル化に付し、その後αアミノエステルをトリメチルシリルイソシアナートで環化して、D−5を得た。オレフィンの四酸化オスミウム媒介開裂により、アルデヒドを得て、それはヒドラジンに暴露すると環化されて、5,7−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリダジン−6−オン部分が得られた。
D−4を得るためのA−2bの還元的アミノ化を、好ましくは、錯体金属水素化物、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド又はボラン/ピリジンの存在下、好都合にはpH1〜7で、場合により中間体イミンの形成を促進するために脱水剤、例えば、モレキュラーシーブ又はTi(IV)(O−i−Pr)の存在下、アミン及びA−2bを組み合わせることにより実施する。還元的アミノ化の手順は概説されている:R. M. Hutchings and M. K. Hutchings Reduction of C=N to CHNH by Metal Hydrides in Comprehensive Organic Synthesis col. 8, I. Fleming (Ed) Pergamon, Oxford 1991 pp. 47-54。
がアルキルである本発明の化合物を、ジアルキル亜鉛種のPd触媒カップリングにより、対応する臭化物又はトリフラートから調製することができる。ハロゲン化有機亜鉛又はジアルキル亜鉛のハロアレーン及びアリールトリフラートとの根岸カップリングは、アルキル基のアレーンへの結合のための効果的な手段である(E.-I. Negishi, Acc. Chem. Res. 1982 15:340-348)。反応をパラジウムPd(0)により触媒し、好ましくはパラジウムを二座配位子に結合する(Pd(dppf)Cl及びPd(dppe)Clを含む)(J. M. Herbert Tetrahedron Lett. 2004 45:817-819)。典型的には、反応は不活性非プロトン性溶媒中で行われ、ジオキサン、DME及びTHFを含む一般的なエーテル性溶媒が適切である。反応は一般的には上昇した温度で行われる。
がシクロプロピルである本発明の化合物を、トリブチルビニルすずで臭化物をPd媒介置換(スティル(Stille)反応)して、Rがビニルである化合物を生成し、ビニル誘導体を、ジアゾメタンでのPd媒介シクロプロパン化に供することにより調製することができる。
Figure 2010530863
が塩素である式Iによる本発明の実施態様を、E−2(CASRN 261762−91−8)と適切に置換されたフッ化アリールとを縮合することにより調製したE−3bから調製することができる。スキームEにおける反応をE−1(CASRN 327056−73−05)に関して示すが、5−フルオロ−イソフタロニトリル(CASRN 453565−55−4)及び3−ジフルオロメチル−5−フルオロ−ベンゾニトリル(CASRN 327056−73−5)を含む他の適切なフッ化アリールが利用可能であり、本発明の化合物の調製に有用なE−3と同様に、それをE−1の代わりにして、他のビス−アリールエーテルを調製することができる。NBS及びAIBNを用いたE−3のメチル置換基の遊離基臭素化により、E−3bを得て、それを上記のとおり調製した本発明の化合物に変換する。
本発明の化合物を、多種多様な経口投与投薬形態及び担体中で処方しうる。経口投与は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤、シロップ剤又は懸濁剤の形態であることができる。本発明の化合物は、投与経路の中でとりわけ、連続的(静脈内点滴)、局所、非経口、筋肉内、静脈内、皮下、経皮(浸透増強剤を含んでもよい)、頬側、経鼻、吸入、及び坐剤投与を含む他の投与経路により投与される場合に有効である。好ましい投与方法は、一般に、苦痛の程度及び活性成分に対する患者の応答に従って調整できる都合のよい1日用量レジメンを使用する経口である。
1個又は複数個の本発明の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用できる塩を、1種以上の従来の賦形剤、担体又は希釈剤と一緒に、医薬組成物及び単位投薬の形態にしてもよい。医薬組成物及び単位投薬形態は、追加の活性化合物もしくは有効成分と共に又はそれなしで、従来の割合で従来の成分から構成されてもよく、単位投薬形態は、用いられるべき意図される1日投与量範囲に相応する活性成分の任意の適切な有効量を含んでもよい。医薬組成物は、錠剤もしくは充填カプセル剤、半固形剤、散剤、徐放性処方物などの固体、又は液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤などの液体、又は経口使用のための充填カプセル剤として;あるいは直腸内もしくは膣内投与のための坐剤の形態で;あるいは非経口使用のための滅菌注射用液剤の形態で用いてもよい。典型的な調製物は、1個又は複数個の活性化合物を約5%〜約95%(w/w)含有する。用語「調製物」又は「投薬形態」は、活性化合物の固体及び液体処方物の両方を含むことを意図しており、当業者は、活性成分が標的器官又は組織、ならびに所望の用量及び薬物動態パラメータに応じて異なる調製物中で存在できることを理解するであろう。
本明細書で使用される用語「賦形剤」は、一般的に安全で、非毒性であり、生物学的にもそれ以外でも望ましくないものでない、医薬組成物の調製に有用である化合物を指し、獣医学的使用ならびにヒトの薬学的使用に許容されうる賦形剤を含む。本発明の化合物を単独で投与することができるが、一般的には、意図した投与経路及び標準的な製薬慣習に関して選択された1種以上の適切な薬学的賦形剤、希釈剤又は担体と混合して投与する。「薬学的に許容しうる」は、一般的に安全で、非毒性であり、生物学的にもそれ以外でも望ましくないものでない、医薬組成物の調製に有用であるものを意味し、ヒトの薬学的使用に許容されうるものを含む。
活性成分の「薬学的に許容しうる塩」の形態はまた、非塩形態では存在しなかった望ましい薬物動態学的特性を活性成分にまず付与し、そして身体におけるその治療活性に関して活性成分の薬力学に正の影響さえ与えうる。化合物の「薬学的に許容しうる塩」という語句は、薬学的に許容することができ、親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。そのような塩には以下が含まれる:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で;又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸で形成される酸付加塩;あるいは(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオンにより置換されるか;又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位結合するかのいずれかの場合に形成される塩。
固体形態の調製物には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤及び分散性顆粒剤が含まれる。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩解剤又はカプセル化材料としても作用しうる1種以上の物質であってよい。散剤では、担体は、一般に微細に分割された活性成分との混合物である微細に分割された固体である。錠剤では、活性成分は、一般に必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状及び大きさに圧縮される。適切な担体には、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、カカオバターなどが含まれるが、これらに限定されない。固体形態の調製物は、活性成分に加えて、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有してもよい。
液体処方物もまた経口投与に適しており、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を含む液体処方物を含む。これらには、使用の直前に液体形態の調製物に変換されることが意図される固体形態の調製物が含まれる。乳剤は、溶液、例えば、プロピレングリコール水溶液中で調製されてもよく、あるいはレシチン、ソルビタンモノオレアート又はアカシアなどの乳化剤を含有してもよい。水性液剤を、活性成分を水に溶解し、適切な着色剤、風味剤、安定剤及び増粘剤を加えることにより調製することができる。水性懸濁剤を、微細に分割された活性成分を、天然又は合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び他の周知の懸濁化剤などの粘性材料と共に水に分散することにより調製することができる。
本発明の化合物を、非経口投与(例えば、注射、例えばボーラス注射又は持続注入による)のために処方してもよく、アンプル、充填済注射器、小量注入中で単位用量形態で、又は防腐剤を添加した複数回投与用容器中で提示してもよい。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤又は乳剤、例えばポリエチレングリコール水溶液中の液剤のような形態をとりうる。油性又は非水性担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)及び注射用有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)が含まれ、防腐剤、湿潤剤、乳化剤もしくは懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤などの配合剤を含有してもよい。あるいは、活性成分は、適切なビヒクル、例えば滅菌発熱物質不含水を用いて使用前に構成するための、滅菌固体の無菌分離によるか又は溶液からの凍結乾燥により得られる粉末形態であってもよい。
本発明の化合物を坐剤としての投与のために処方してもよい。脂肪酸グリセリドの混合物又はカカオバターなどの低融点ロウを最初に溶融し、活性成分を例えば撹拌により均質に分散させる。次に溶融した均質混合物を、都合のよい大きさの成形型に注ぎ、冷却及び固化させる。
本発明の化合物を膣内投与用に処方してもよい。活性成分に加えて適切であることが当技術分野で公知であるような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレー。
所望であれば、処方物を、活性成分の徐放又は制御放出投与に適応させた腸溶コーティングを用いて調製することができる。例えば本発明の化合物を、経皮又は皮下薬物送達デバイス中に処方することができる。これらの送達システムは、化合物の徐放が必要であり、治療レジメンに対する患者のコンプライアンスが重大である場合に有利である。経皮送達システムにおける化合物を、頻繁に、皮膚付着固体支持体に付着させる。目的の化合物を、浸透増強剤、例えばAzone(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることもできる。徐放性送達システムは、手術又は注射により皮下層に皮下的に挿入される。皮下インプラントは、脂溶性膜、例えばシリコーンゴム又は生物分解性ポリマー、例えばポリ乳酸中に化合物を被包する。
薬学的担体、希釈剤及び賦形剤を伴った適切な処方物は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。熟練した処方科学者は、本発明の組成物を不安定にしたり、あるいはその治療活性を損なうことなく、特定の投与経路のための多数の処方物を提供するために、本明細書の教示の範囲内で処方物を改変しうる。
水又は他のビヒクル中で本発明の化合物をより可溶性にするためのそれらの化合物の改変は、例えば、わずかな改変(塩処方、エステル化など)により容易に達成され得、これは十分に、当技術分野における通常の技術の範囲内である。また、患者における最大限の有益な効果のために本発明の化合物の薬物動態を管理する目的で、特定の化合物の投与経路及び投薬レジメンを改変することは、十分に、当技術分野における通常の技術の範囲内である。
本明細書で使用される用語「治療有効量」は、個体における疾患の症状を軽減するために必要な量を意味する。用量は、それぞれの特定の症例における個別の要件に適合される。投与量は、処置される疾患の重篤度、患者の年齢及び身体全体の健康状態、それを用いて患者が処置されている他の医薬、投与の経路及び形態、ならびに関与する医師の好み及び経験などの多数の要因に応じて広い範囲で変動しうる。経口投与では、1日あたり約0.01〜約1000mg/kg体重の1日投与量が、単独療法及び/又は併用療法で適切であるはずである。好ましい1日投与量は、1日あたり、約0.1〜約500mg/kg体重、より好ましくは0.1〜約100mg/kg体重、最も好ましくは1.0〜約10mg/kg体重である。したがって、70kgの個人に対する投与では、投与量範囲は、1日あたり約7mg〜0.7gであろう。1日投与量を、単回投与として又は分割投与で、典型的には1日あたり1〜5回投与で投与することができる。一般に、処置は、化合物の最適用量未満のより少ない投与量で始められる。その後、投与量は、個別の患者に最適な効果が達成されるまで少量ずつ増加される。本明細書で記載されている疾患の処置における当業者は、過度の実験を行うことなく、個人的な知識、経験及び本出願の開示に拠り、所与の疾患及び患者のために、本発明の化合物の治療有効量を確認することが可能となろう。
本発明の実施態様において、活性化合物又は塩を、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、別の非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤又はHIV−1プロテアーゼ阻害剤などの、別の抗ウイルス剤と組み合わせて投与することができる。活性化合物又はその誘導体もしくは塩が別の抗ウイルス剤と組み合わせて投与されるとき、活性は、親化合物を超えて増大しうる。処置が併用療法であるとき、そのような投与は、ヌクレオシド誘導体の投与と同時作用的であってもよく、又は連続的であってもよい。したがって、本明細書で使用される「同時作用的投与」には、同時又は異なる時の薬剤の投与が含まれる。同時に2種以上の薬剤を投与することを、2種以上の活性成分を含有する単一の処方物によるか、又は単一の活性薬剤を含む2種以上の投薬形態の実質的に同時の投与により達成することができる。
処置に対する本明細書での言及は、予防ならびに既存の状態の治療にまで及ぶものであること、動物の処置には、ヒト、ならびに他の動物の処置が含まれることが理解されるであろう。更に、本明細書で使用される、HIV−1感染の処置には、HIV−1感染に関連するか又はそれが媒介する疾患もしくは状態、又はその臨床症状の治療又は予防も含まれる。
医薬調製物は、好ましくは単位投薬形態である。そのような形態では、調製物は、活性成分の適切な量を含有する単位用量に細分化されている。単位投薬形態は、パッケージ調製物であることができ、そのパッケージは、パケット錠剤、カプセル剤及びバイアル又はアンプル中の散剤のように、調製物の別個の分量を含有する。また、単位投薬形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤又はトローチ剤自体であることができるか、あるいはパッケージ形態にあるこれらのうちのいずれかの適切な数であることができる。
以下の実施例は、本発明の範囲内にある化合物の調製及び生物学的評価を例証する。以下のこれらの実施例及び調製は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施することを可能とするために提供される。それらは本発明の範囲を限定するものとして考えるべきではなく、単にそれらを例証し、代表するものとして考えるべきである。
実施例1
3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル(I−1、スキームA)
工程1 3−クロロ−5−ヒドロキシ−ベンゾニトリル(153mg、1mmol)及びDMA(1ml)の溶液に、NaH(42mg、1.05当量、60%鉱油分散液)を加え、得られた混合物を、50℃で30分間撹拌した。溶液に、A−1(2.7g、10mmol)を加え、得られた混合物を、125℃で2時間加熱した。溶液を冷却し、EtOAcで希釈し、得られた溶液を同容量の10% HSOで洗浄した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、10% EtOAc/ヘキサンを用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、A−2a 331mg(82%)を得た。
工程2 Ar雰囲気下で維持し、−78℃に冷却したPhMe(40mL)中のA−2a(2.00g、4.93mL)の溶液に、i−PrMgClの溶液(THF中2M、3.08mL、6.16mmol)を加えた。溶液を1時間撹拌し、次にCuCN.2LiClの溶液(THF中1M、0.1mL)を加えた。得られた溶液を−50℃で2時間撹拌し、次に反応混合物をカニューレを通して、−78℃で維持したPhMe(10mL)及びDMF(0.57mL、7.4mmol)を含有するフラスコに挿入した。混合物を、室温に温め、飽和NHCl水溶液を加えてクエンチした。有機相を、分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発乾固して、A−2b 1.50g(86%)をオフホワイトの固体として得た。
工程3 水素化ホウ素ナトリウムを、室温で、THF(5mL)及びMeOH(5mL)中のA−2bの撹拌溶液に少量ずつ加えた。24時間攪拌した後、飽和NHCl水溶液を加えることにより、反応混合物をクエンチした。有機物をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発乾固した。生成物を、EtOAc/ヘキサン勾配(10〜50% EtOAc)で溶離するSiO2クロマトグラフィーにより精製して、A−2c 0.25g(31%)を得た。
工程4 DCM(100mL)中のA−2c(3.00g、8.41mmol)の撹拌溶液に、PBrの溶液(9.3mL、DCM中1M)を加えた。N下、室温で24時間撹拌した後、反応混合物を、飽和NaHCO水溶液を加えることによりクエンチした。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。生成物を、EtOAc/ヘキサン勾配(20〜50% EtOAc)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、A−2d 2.0g(57%)を白色の結晶として得た。
工程5 A−2d(0.448g、1.07mmol)、2−ヒドロキシベンズイミダゾール(CASRN 615−16−7、0.860g、6.41mmol)、KCO(0.295g、2.13mmol)及びDMF(2mL)の混合物を、マイクロ波中100℃で10分間加熱した。反応混合物を冷却し、EtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、蒸発乾固した。残留物を、EtOAcで粉砕して、過剰量の2−ヒドロキシベンズイミダゾールを除去した。濾液を蒸発させて、I−1 0.180g(35%)をオフホワイトの固体として得た:融点227〜229℃;実測値:C、53.15;H、2.53;N、8.79。C2112BrClFNは、C、53.36;H、2.56;N、8.89を要する。
実施例2
3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル(I−4、スキームD)
3−(3−アミノメチル−6−ブロモ−2−フルオロ−フェノキシ)−5−クロロ−ベンゾニトリル
イソインドール−1,3−ジオンのカリウム塩(10.5g、1.1当量)を、DMF(200mL)中のA−2d(21.6g、52mmol)の溶液に加え、溶液を50℃で16時間撹拌した。短時間の後、溶液から固体が沈殿した。反応物を室温に冷却し、水300mLに注ぎ、濾過した。固体を、少量のEtOで洗浄し、減圧下、濾過用漏斗中で乾燥させて、3−[6−ブロモ−3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−2−フルオロ−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル20g(80%)を得た。
ヒドラジン(1.62mL、5当量)を、THF(80mL)及びEtOH(20mL)の混合物中のイミド(5.0g、10mmol)の懸濁液にゆっくりと加えた。溶液をゆっくりと80℃に加熱し、反応混合物は均質になった。1時間後、大部分の溶媒を減圧下で除去し、残留物を、EtOAc/ヘキサンと水に分配した。有機層を、NaHCO水溶液で洗浄し、有機層を蒸発させた。粗生成物を、DCM/60:10:1 DCM:MeOH:NHOH勾配(0〜30%のDCM/MeOH/NHOH溶液)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、3−(3−アミノメチル−6−ブロモ−2−フルオロ−フェノキシ)−5−クロロ−ベンゾニトリル1.25g(34%)を得た。
工程1 4−クロロ−3−ニトロ−ピリジン(180mg、1.2当量)及びNaCO(188mg、2.3当量)を、DMA(5mL)中のD−1(275mg、0.77mmol)の溶液に加えた。50℃で2.5時間撹拌した後、反応混合物全体を水(20mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサン勾配(33〜65% EtOAc)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、D−2a 0.280g(76%)を得た。
工程2 塩化アンモニウム(124mg、4.0当量)、HO(1mL)、及びFe粉末(130mg、4.0当量)を、EtOH(3mL)中のニトロ化合物D−2a(277mg、0.58mmol)の溶液にゆっくりと加えた。100℃で2.5時間加熱した後、反応混合物を室温に冷却し、セライト(登録商標)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、MeOH/DCM勾配(5〜15% MeOH)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、D−2b 0.085g(33%)を得た。
工程3 CDI(34mg、1.1当量)を、DMF(1mL)中のD−2b(85mg、0.19mmol)の溶液に加えた。50℃で3日間攪拌した後、CDIの更なる部分を加え、温度を100℃に上昇させた。4時間後、反応混合物を冷却し、HO(5mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した。次に、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をEtOで粉砕して、I−4 0.060g(66%)を得た。
実施例3
3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル(I−2、スキームC)
工程1及び2 tert−ブチルアミン(19mL、3当量)を、C−1a(9.5g、59.9mmol)及びDMF(150mL)の溶液に加えた。45℃で2日間攪拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物をEtO(300mL)に再溶解した後、有機層を、水、次にブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、C−1bを得て、それを更に精製しないで使用した。C−1b及びMeOH(50mL)の溶液に、10%Pd/C(1g)を加えた。得られた懸濁液をH雰囲気下で18時間撹拌し、セライト(登録商標)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサン勾配(10〜50% EtOAc)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、C−1c 3.3g(33%)及び回収されたC−1b 6.1gを得た。
工程3 CDI(4.5g、1.3当量)を、MeCN(50mL)中のC−1c(3.3g、21.1mmol)の溶液に加え、反応混合物を50℃で2時間撹拌した。反応が完了した後、混合物を減圧下で濃縮し、EtOAc(300mL)に再溶解し、水及びブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサン勾配(10〜50% EtOAc)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、C−2 2.6g(64%)を得た。
工程4 0℃のDMF(2mL)中のC−2(100mg、1.1当量)の溶液に、NaH(24mg、1.25当量、60%鉱油分散液)を加えた。15分間撹拌した後、A−2d(199mg、0.475mmol)を加え、撹拌を室温で30分間続け、その時点で反応混合物全体をHO(10mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した。次に、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサン勾配(10〜30% EtOAc)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、C−3 0.200g(72%)を得た。
工程5及び6 C−3(175mg、0.33mmol)、TFA(1.3mL)及びMsOH(0.33mL)の溶液を、75℃に4時間加熱した。完了したら、反応混合物を減圧下で濃縮し、EtOAc(300mL)に再溶解し、HO及びブラインで順次洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物は、アミドC−4a(135mg、0.275mmol)であることが見出された。この物質をジオキサン(1.4mL)に懸濁し、0℃にて、ピリジン(200μL、9当量)及びTFAA(112μL、3当量)で連続的に処理した。次に、混合物を60℃に5時間穏やかに温めた。混合物を水20mLに注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮し、EtOで粉砕して、I−2を得た。
実施例4
3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリダジン−5−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル(I−7;スキームD)
工程1 アリルグリシンメチルエステル(730mg、1.0当量、飽和NaCOを用いてEtO中のHCl塩から遊離した遊離塩基)を、DCE(25mL)に溶解した。この溶液に、A−2b(2g、5.6mmol)、続いてNaBH(OAc)(1.66g、1.4当量)を加えた。反応混合物を一晩撹拌した後、飽和NaCOでクエンチし、EtOで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサン勾配(20〜30% EtOAc)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、D−4 1.25g(48%)を得た。
工程2 トリメチルシリルイソシアナート(1mL、2.5当量)及びDMAP(32mg、0.10当量)を、THF(13mL)中のD−4(1.20g、2.60mmol)の溶液に加えた。この溶液を50℃で3日間加熱し、冷却し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサン勾配(33〜66%EtOAc)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、ヒダントインD−5 1.11g(88%)を得た。
工程3 THF(8.5mL)中のD−5(1.02g、2.13mmol)の溶液に、OsO(100μL、tert−BuOH中5%)、続いてHO(2.8mL)中のNaIO(1.36g、3当量)の溶液を加えた。24時間撹拌した後、濃厚な混合物を飽和NaHCOで希釈し、EtOAcで抽出した。次に、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、対応するアルデヒドを得た。粗アルデヒドをAcOH(17mL)に溶解し、ヒドラジン(670μL、10当量)を加えた。更に24時間加熱した後、混合物を減圧下で濃縮し、MeOH/DCM勾配(1〜7% MeOH)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、わずかに不純な生成物を得て、それを更にHPLCにより精製して、I−7を得た。
実施例5
3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(5−オキソ−1,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−4−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル(I−8)
Figure 2010530863
A−2d(200mg、0.477mmol)、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン(10、CASRN 930−33−6、0.040g、1.0当量)、KCO(0.13g、2.0当量)、ならびにKI(0.008g、0.1当量)及びMeCN(1.5mL)の溶液を、85℃に2時間加熱し、次に室温に冷却した。反応混合物を、10% MeOH/DCMで希釈し、水及びブラインで順次洗浄した。有機抽出物を蒸発させ、粗生成物を、MeOH/DCM勾配(3〜10%MeOH)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、I−8 0.020g(10%)を白色の固体として得た。
実施例6
3−[6−ブロモ−3−(3−エチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−4−イルメチル)−2−フルオロ−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル(I−9)
Figure 2010530863
工程1 エチル(チオプロピオニル)カルバマート(12、CASRN 72139−54−9、0.28g、1.74mmol)及びEtOH(3mL)の溶液に、室温で、ヒドラジン(0.1mL、2当量)を加え、得られた溶液を80℃で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。固体をEtOAcで洗浄して、14 0.15g(76%)を得た。
工程2 A−2d(0.15g、0.358mmol)、14(0.04g、1.0当量)、KCO(0.1g、2当量)、ならびにKI(0.004g、0.1当量)及びMeCN(2.5mL)の溶液を、75℃で24時間加熱した。反応混合物を10% MeOH/DCMで希釈し、有機層をHO及びブラインで順次洗浄した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、MeOH/DCM勾配(1〜7% MeOH)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、I−9 0.015g(9%)を得た。
実施例7
3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(3−メチル−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−4−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル(I−10)
Figure 2010530863
工程1 セミカルバジド(1g、9mmol)、トリメチルオルトアセタート(2.5mL、2.2当量)及びMeOH(10mL)の溶液を、室温で18時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去し、固体をトルエンで洗浄し、濾過して、16 0.8g(79%)を得た。
工程2 A−2d(0.12g、0.286mmol)、16(0.035g、1.25当量)、KCO(0.1g、2.5当量)、ならびにKI(0.005g、0.1当量)、アセトン(1mL)及びMeCN(2.5mL)の溶液を、45℃で24時間加熱した。反応混合物を10% MeOH/DCMで希釈し、有機層をHO及びブラインで順次洗浄した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、MeOH/DCM勾配(1.5〜7% MeOH)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、I−10 0.020g(16%)を得た。
実施例8
3−クロロ−5−[6−クロロ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イルメチル)−フェノキシ]−ベンゾニトリル(I−6、スキームE)
工程1 DMA(100mL)中の3−クロロ−5−フルオロベンゾニトリル(E−1、10g、64.28mmol)及び6−クロロ−2−フルオロ−3−メチル−フェノール(E−2、9.38g、58.44mmol)の溶液に、CsCO(1.9g、5.84mmol)、続いてKCO(8.9g、64.28mmol)を加えた。混合物を、アルゴン下で5.5時間、120℃(油浴)に加熱した。反応物を室温に冷却し、水(150mL)を加えた。混合物をEtOAc(150mL)で抽出し、水相をEtOAc(2×100mL)で逆抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、E−3a 11.1g(純度75%)を白色の結晶質固体として得た。
工程2 CCl(100mL)中のE−3a(11.1g、純度75%、28mmol)の溶液に、NBS(5.4g、30mmol)、続いてAIBN(450mg、2.74mmol)を加えた。混合物を、還流温度直下まで5時間加熱した。更にNBS(2.7g)及びAIBN(200mg)を加え、加熱を更に5時間続けた。物質を室温に冷却し、濾過して、沈殿したスクシンイミドを除去した。濾液を濃縮し、残留物をEtOAc(100mL)に取り、ブライン(100mL)と共に振とうした。EtOAc相を回収し、水相をEtOAc(2×80mL)で逆抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物を、EtOAc/ヘキサン勾配(1.5〜8%EtOAc)を用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、E−3b 6.8g(65%)を白色の結晶質固体として得た。
I−6を、A−2bの代わりにE−3bを使用したことを除いては、実施例2に記載のものと同様の手順により、E−3bから調製した。
実施例10
I−11及びI−12によって例示される尿素及びカルバマートを、D−1又はA−2c(ここで、3−クロロ−5−シアノ−フェニル部分は、本発明の範囲内にある置換されたフェニル部分により置換されることができる)を、それぞれイソシアナートと縮合することにより調製することができる。膨大な数のイソシアナートが市販されているか、あるいはそれらはアリールアミン及びホスゲンから容易に調製される。
実施例11
5−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−イソフタロニトリル(スキームB、20)
Figure 2010530863
シアン酸クレゾール 臭素(100mL;1.06当量)を、反応器中、HO(350mL)下に置き、ジャケットを通して冷却剤を循環させた。氷水浴を冷却に使用した。別の容器中で、HO(350mL)中のNaCN(100g、1.11当量)の溶液を調製し、温度を≦30℃に維持する速度で、この溶液を臭素/水に加えた。得られた臭化シアンのスラリーを、トルエン(900mL)中のo−クレゾール(209g、1.00当量)の溶液に加える。二相性混合物を激しく撹拌し、10℃より低く冷却する。温度を≦10℃に維持しながら、TEA(270mL、0.98当量)を加える。撹拌を中断し、水相を回収し、ヘプタン(540mL)と置き換えた。温度を≦15℃に維持しながら、有機相を、希NaOH(1.20当量)、水、2M HCl(0.4当量)水、飽和NaHCO、及び水で順次洗浄した。ヘプタン溶液を、短時間の真空蒸留(温度≦35℃)により乾燥させ、Karl Fischer分析により試験する。有機相溶液を更なる使用時まで貯蔵した。
工程1 脱気した反応器に、イソ−PrMgClのTHF溶液(1.14当量、THF中2M溶液)を入れ、水浴で温度を65℃より低くしながら、B−1a(495.2g、1.352mol;CASRN 136386−79−3)をポンプで反応器に入れた。発熱がおさまった後、金属化が完了するまで(アリコートを取り出し、希HSOでクエンチし、ガスクロマトグラフィーによりアッセイした)、反応物を室温で撹拌した。反応温度を10℃より低く維持しながら、アリールグリニャール試薬を含有する得られた溶液を、シアン酸クレゾール(上記;CASRN 1123−89−3)のヘプタン溶液に加えた。アリコートを取り出し、希HSOでクエンチし、クレゾール/シアン酸塩比をアッセイすることにより、反応をモニターした。シアン酸塩が消費されたときに、反応混合物を、希HSO溶液(HSO 86.5g及びHO 2.15L)に加えた。水層を分離し、残留有機相をヘプタンで希釈し、氷冷NaOH水溶液(50% NaOH 320g及び氷1kg)、水、飽和NHCl及び水で順次洗浄した。溶液を共沸蒸留により乾燥させ、生成物を真空蒸留により精製して、3〜6%の3−(tert−ブチル−ジメチルシリルオキシ)−ブロモベンゼンが混入したB−1b 395.7g(93.7%)を得た。
工程2〜4 反応器に、B−1b(36kg)及びトルエン/ヘプタン(65kg)の溶液を入れ、溶液表面下に直接液体Nを注入することにより、溶液を−50℃より低く冷却した。イソプロピルマグネシウムクロリドの溶液(70kg、THF中2.0M)を、反応温度を−20℃より低く維持する速度で加えた(所望の温度を維持するために、液体Nを必要に応じて加えた)。添加は約50分間を必要とした。−20℃の冷却溶液を、容器のジャケットを通して循環させ、得られた反応混合物を−20℃で少なくとも1時間撹拌した。アリコートを取り出し、希HSOでクエンチし、HPLCによりアッセイすることにより、金属化の進行をモニターした。DMF(約30kg)を<−10℃に冷却し、移動工程の間、温度を0℃より低く維持する速度で移した。反応物をゆっくりと20℃に温め、アリコートを取り出し、クエンチし、hplcにより分析した。反応物を、0℃に再冷却し、反応混合物を10℃より低く維持しながら、HSO 8.2kg及びHO 90Lの溶液を加えた。反応容器にMTBE(50kg)を入れ、少なくとも15分間撹拌した。相を分離し、水相を容器から回収した。残留有機溶液を、HO(110L)で再び洗浄し、水相を廃棄した。
反応容器に、5℃に冷却した冷却器及び還流から完全な引取(take-off)まで切り替えることができるディーンスタークトラップ(Dean-Stark trap)を装着した。容器をNでパージし、p−TsOH(0.5kg)、エチレングリコール(22kg)及びエチレングリコールジアセタート(22kg)を順次加えた。THF及びMTBEを蒸留(ジャケット温度80〜95℃)により除去した。蒸留の完了後、ディーンスタークトラップを還流に設定し、ジャケット温度を約100℃に上昇させ、エチレングリコール及び水を共沸で除去した。更なるトルエンを必要に応じて加えることができる。1%未満のアルデヒドがHPLCにより検出されるまで、水の共沸除去を続けた。反応混合物を25℃に冷却し、NaHCO(25kg)及び水(75L)の飽和溶液を加え、溶液を撹拌し、分離させ、水溶液を回収した。残留有機相をHO(100L)で洗浄した。反応容器を蒸留のために適合させ、溶媒を、最初に大気圧下で、次に減圧下で、60℃に温めたジャケットを用いて除去した。
トルエンとB−3aだけが残留したときに、反応物を25℃に冷却し、DME(70kg)を加えた。溶液を−10℃〜−20℃に冷却し、10℃に冷却した15%NaOH水溶液を約30分かけて加えた(反応温度を<−10℃に維持しながら)。反応物のアリコートを取り出し、脱シリル化が完了したときに、反応混合物を、HO(80L)で希釈し、<0℃に冷却し、反応混合物のpHを、冷6.0MHSO(13.2kg濃HSO及び22L HO)で6〜7に調整した。混合物を、MTBE(130kg)に分配した。水層を回収し、MTBEで逆抽出した。合わせた有機抽出物をHOで洗浄し、水層を回収し、揮発性溶媒を、反応容量が約50〜70Lになるまで蒸留した。残留有機相を、ヘプタン(20kg)で希釈し、得られた沈殿フェノールを濾過し、Nutscheフィルタで乾燥させて、B−3bを得た。
工程5 B−3b(6.0g、31.38mmol)、KCO(4.76g、34.52mmol)及びDMA(48mL)の溶液を5分間撹拌した。溶液に、1,4−ジブロモ−2,3−ジフルオロ−ベンゼン(85.33g、0.3138mol)を加え、溶液を125℃で55分間加熱した。HPLC分析は、出発物質が消費されていたことを示した。反応混合物をHO(73mL)で希釈し、十分に撹拌し、次に底の有機層を回収した。有機相をHO(900mL)で希釈し、次に過剰量のジブロモ−ジフルオロ−ベンゼンを蒸気蒸留により除去した。残留溶液をDCM(50mL)で抽出し、有機相を分離し、MeOH(115mL)で希釈した。フラスコを蒸留のために適合させ、溶媒を、10分間温度計が65℃で定常になるまで蒸留した。反応混合物を、ゆっくりと6℃に冷却し、得られた固体を濾過し、MeOHで2回洗浄した。白色の固体を減圧下で乾燥させて、B−4a 9.7gを得た。
工程6 イソ−PrMgCl(15.6mL、1.4当量)を、−78℃に冷却したB−4a(10g、22.6mmol)及びトルエン(140mL)の溶液に滴下した。反応混合物を−78℃で4時間撹拌し、−20℃まで短時間温め、次に−78℃に再冷却した。DMF(3.4mL)を反応混合物に加え、反応物を室温に温め、NHClでクエンチし、EtOAcで抽出した。粗生成物を、25% EtOAc/ヘキサンを用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、B−4b 5.93g(68%)を得た。
工程7 NaBH(1.14g、2当量)を、THF(25mL)及びEtOH(25mL)の混合物中のB−4b(5.93g、15.1mmol)の溶液に加えた。反応物を室温で2時間撹拌し、次に0℃で一晩貯蔵した。混合物をHOでクエンチし、EtOAcで抽出し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。粗生成物をSiOクロマトグラフィー(45% EtOAc/ヘキサン)により精製して、B−4c 5.4g(91%)を、澄明な油状物/泡状固体として得た。
工程8 TsOHの水溶液(HO 6mL中0.14g、0.06当量)を、MeCN(20mL)及びHO(20mL)中のB−4c(5.4g、13.7mmol)の溶液に加えた。混合物を70℃に2時間加熱し、次に室温で一晩撹拌した。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物をNaHCO、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して、B−5a 4.1g(87%)を得た。
工程9 ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.1g、1.05当量)を、3回に分けて、HO(168mL)中のNaHCO(2.55g、1.05当量)の溶液に加えた。THF(168mL)中のB−5a(10.12g、28.9mmol)の溶液を加え、反応物を室温で撹拌した。反応が完了したら(約3時間)、混合物を分離し、水層をNHCl溶液、希HClで洗浄し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサンを用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、B−5b 8.62g(82%)を油状物として得、それはゆっくりと固化した。
工程10 TFAA(6.5mL、2当量)を、0℃に冷却したジオキサン(57mL)及びピリジン(11.5mL、6当量)の混合物中のB−5b(8.62g、24mmol)の溶液に加えた。反応混合物を65℃に数時間加熱し、次に室温に冷却し、一晩撹拌した。暗黄色の混合物をDCMで希釈し、水及び希HClで洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色の油状物を得て、それを、40%EtOAc/ヘキサンを用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、アルコール及び対応するトリフルオロアセタートの混合物(5.91g)を得た。この混合物をTHFに溶解し、LiOH(840mg、約1.5当量)のHO溶液を0℃で滴下した。混合物を0℃で1時間撹拌し、1N HClでクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、B−5c 4.9g(59%)を、出発エステルがわずかに混入した白色の固体として得た。
工程11 PBrの溶液(DCM中1.0M溶液15mL、1.1当量)を、DCM(23mL)中のB−5c(4.81g、13.9mmol)の溶液に加えた。溶液を室温で2時間撹拌した。混合物をNaHCOでクエンチし、DCMで抽出し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、黄色の油状物を得た。生成物を、20% EtOAc/ヘキサンを用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、B−6 1.9gを白色の固体として得た。
5−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−イソフタロニトリルを、実施例1の工程5に記載の手順を利用して、B−6及び2−ヒドロキシベンズイミダゾールから調製することができる。
実施例12
5−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−イソフタロニトリル(22)
Figure 2010530863
工程12 無水酢酸(0.93g、1.5当量)を、MeCN(10mL)中のB−4c(2.4g、6.1mmol)及びTEA(0.93g、1.5当量)の溶液に加えた。溶液を室温で1時間撹拌し、EtOAcで希釈し、NaHCO溶液で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、B−4d 2.2g(82%)を澄明な油状物として得た。
工程2O(6mL)中のp−TsOH(60mg、.06当量)の溶液を、MeCN(8mL)中のB−4d(2.2g、5.0mmol)の溶液に加えた。得られた溶液を70℃で5時間加熱した。次に、溶液を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、飽和NaHCO溶液及びブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濃縮した。粗生成物を、EtOAc/ヘキサンを用いて溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、B−7a 1.3g(62%)を澄明な油状物として得た。
工程3 0℃に冷却したDCM(1mL)中のB−7a(0.12g、0.3mmol)の溶液に、1滴のEtOH、続いてDAST(0.92g、1.2当量)を加えた。溶液を室温に温め、この温度で一晩放置した。次に、混合物を注意深く氷に注いだ。飽和NaHCOを加え、混合物をDCMで抽出し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、B−7bを得た。この生成物をTHF(10mL)に溶解し、HO中の2M LiOH(1.75mL)を加え、混合物を3時間撹拌した。反応物を1N HClでクエンチし、EtOAcで抽出し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。SiOクロマトグラフィーにより残留物を精製して、B−7c 0.074g(67%)を得た。
5−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−イソフタロニトリル(22)を、実施例1の工程4及び5に記載のものと同様の手順を使用して、B−7から調製することができる。
実施例13
HIV−1逆転写酵素アッセイ
RNA依存DNAポリメラーゼ活性を、ビオチン化プライマーオリゴヌクレオチド及びトリチウム化dNTP基質を使用して測定した。新たに合成されたDNAを、ストレプトアビジンをコーティングしたシンチレーションプロキシミティアッセイ(Scintillation Proximity Assay、SPA)ビーズ(Amersham)上でビオチン化プライマー分子を捕捉することにより定量した。ポリメラーゼアッセイ基質の配列は:18ntDNAプライマー、5’−ビオチン/GTC CCT GTT CGG GCG CCA−3’;47ntRNAテンプレート、5’−GGG UCU CUC UGG UUA GAC CAC UCU AGC AGU GGC GCC CGA ACA GGG AC−3’であった。ビオチン化DNAプライマーは、Integrated DNA Technologies Inc.から得られ、RNAテンプレートは、Dharmaconにより合成された。DNAポリメラーゼアッセイ(最終容量50μl)は、45mMトリス−HCl(pH8.0)、45mM NaCl、2.7mM Mg(CHCOO)、0.045%(w/v)Triton X-100、0.9mM EDTA中、32nMビオチン化DNAプライマー、64nM RNA基質、dGTP、dCTP、dTTP(各々5μMで)、103nM[H]−dATP(比活性=29μCi/mmol)を含有していた。反応物は、IC50決定用の100%DMSO中の化合物段階希釈物5μlを含有し、DMSOの最終濃度は、10%であった。反応を、30μlのHIV−1 RT酵素(最終濃度1〜3nM)を加えることにより開始した。タンパク質濃度を、少なくとも30分間のインキュベーションについて直線的な生成物の形成をもたらすように調整した。30℃で30分間インキュベーションした後、反応を、200mM EDTA(pH8.0)50μl及び2mg/ml SA−PVT SPAビーズ(Amersham、RPNQ0009、20mMトリス−HCl(pH8.0)、100mM EDTA及び1% BSA中で再構成、)を添加することによりクエンチした。ビーズを一晩放置して沈殿させ、SPAシグナルを、96ウエルトップカウンター−NXT(Packard)中でカウントした。IC50値を、GraphPadを使用して、S字回帰分析により得た。
実施例14
抗ウィルスアッセイ法:
抗HIV−1抗ウィルス活性を、Pauwels et al.の方法の適合物を使用して評価した(Pauwels et al., J Virol Methods 1988 20:309-321)。この方法は、HIV−1感染Tリンパ芽球様細胞(MT4細胞)の、感染により媒介される細胞死を防止する化合物の能力に基づいている。アッセイのエンドポイントを、培養物の細胞生存率が50%保たれる化合物の濃度(「50%阻害濃度」、IC50)として算出した。培養物の細胞生存率を、可溶性で黄色の3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)の取り込み及び紫色で不溶性のホルマザン塩へのその還元により決定した。可溶化の後、分光光度法を用いてホルマザン生成物の量を測定した。
MT4細胞を対数期増殖となるように調製して、合計2×10個の細胞をHIV−1のHXB2株によって、総容量200〜500マイクロリットル中、細胞当たり0.0001ウィルス感染単位の多重度にて感染させた。細胞をウィルスと共に37℃で1時間インキュベートした後、ウィルスを除去した。次に細胞を0.01Mリン酸緩衝生理食塩水(pH7.2)で洗浄した後、試験化合物の段階希釈物との培養物中でのインキュベーションのために、培地に再懸濁した。使用した培地は、ペニシリン、ストレプトマイシン、L−グルタミン及び10%ウシ胎仔血清を補充したフェノールレッド不含RPMI 1640(GM10)であった。
試験化合物を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中の2mM溶液として調製した。次にGM10中の2倍段階希釈物の4つの複製を調製し、50マイクロリットル量を最終ナノモル濃度範囲625〜1.22にわたって96ウェルプレートに入れた。次にGM10 50マイクロリットル及び3.5×10個の感染細胞を各ウェルに添加した。細胞を含有しない(ブランク)、未感染細胞を含有する(100%生存率;4つの複製)、及び化合物を含まない感染細胞を含有する(全ウィルス媒介細胞死;4つの複製)対照培養物も調製した。次に培養物を37℃にて、空気中5% COの湿潤雰囲気下、5日間インキュベートした。
5mg/mL MTTの新鮮な溶液を、0.01Mリン酸緩衝生理食塩水(pH7.2)中で調製し、20マイクロリットルを各培養物に添加した。培養物を前と同様に更に2時間インキュベートした。次にそれらをピペッティングで上下することにより、酸性化イソプロパノール中のTriton X-100(イソプロパノール中の濃HClの1:250混合物中の10%v/v Triton X-100)170マイクロリットルと混合した。更なる混合によってホルマザン沈殿が十分に可溶化したときに、培養物の吸光度(OD)を540nm及び690nmの波長で測定した(690nmの読取り値を、ウェル間のアーチファクト用のブランクとして使用した)。次に各処理培養物についての%防止を式から算出した:
Figure 2010530863
IC50を、%防止対log10薬物濃度のグラフプロットから得ることができる。
両方のアッセイにおいて、式Iの化合物は、活性が約0.5〜約10000nM又は0.5〜約5000nMのIC50の範囲であり、好ましい化合物は、約0.5〜約750nM、更に好ましくは約0.5〜300nM、最も好ましくは約0.5〜50nMの活性の範囲を有する。
Figure 2010530863
実施例15
幾つかの経路を介した投与のための対象化合物の医薬組成物を、この実施例に記載するように調製した。
Figure 2010530863
Figure 2010530863
成分を混合し、それぞれ約100mgを含有するカプセルに分注する;1つのカプセルがほぼ全1日投与量となる。
Figure 2010530863
成分を合わせ、メタノールなどの溶媒を使用して造粒する。次に処方物を乾燥させ、適切な錠剤成形機を用いて錠剤(活性化合物約20mg含有)を形成する。
Figure 2010530863
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
前記の記載、又は以下の特許請求の範囲において開示され、適宜、その特定の形態で、又は開示された機能を実行するための手段、又は開示された結果を達成するための方法もしくはプロセスに関して表わされた特徴は、別個に、又は、このような特徴の任意の組み合わせで、その多様な形態において本発明を実現するために利用されうる。
前記の発明は、明瞭さ及び理解の目的のために、説明及び例として幾分詳細に記載されている。変更及び変形を添付の特許請求の範囲内で実施しうることが、当業者には明白であろう。それゆえ、上記の記載は、例示的であり限定的ではないことを意図していることが理解されるべきである。それゆえ、本発明の範囲は、上記の記載に関して決定されるべきではなく、それに対してそのような特許請求の範囲に権利が与えられる同等物の全範囲と共に、以下の添付の特許請求の範囲に関して決定されるべきである。
本明細書で言及された特許、公開出願、及び科学文献は当業者の知見を確立し、それぞれが具体的かつ個別に参照により組み込まれると示されているのと同程度に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書で引用された任意の参考文献とこの明細書の具体的な教示との間の全て不一致は、後者を支持するように解決される。同様に、当技術分野で理解される単語又は語句の定義とこの明細書中で具体的に教示した単語又は語句の定義との間の全ての不一致は、後者を支持するように解決される。

Claims (13)

  1. 式I:
    Figure 2010530863

    [式中、
    Xは、O又はNRであり;
    は、ハロゲン、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6ハロアルキル、又はC1-6アルコキシであり;
    とRは、独立して、(i)水素又はC1−6アルキルであるか;(ii)RとRは一緒になって、(CH、オルト−フェニレン、ピリジニレン、3,4−ピリダジレン又はCH=N(ここで、nは2〜4の整数であり、そして前記ピリジニレン又は3,4−ピリダジレン環中の窒素原子は、酸素で場合により置換されていることができる)であるか;あるいは(iii)Rは水素であり、そしてRは、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、ハロゲン、シアノ及びニトロからなる群より場合により選択される1〜3個の置換基で場合により置換されているフェニルであり;
    Arは、ハロゲン、シアノ、C1−6ハロアルキル及びC1−6アルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の基で場合により置換されているフェニルである]で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
  2. XがNRである、請求項1に記載の化合物。
  3. XがNRであり、そしてRとRが一緒になってオルト−フェニレン、ピリジニレン又は3,4−ピリダジレンである、請求項1に記載の化合物。
  4. がブロモ、クロロ又はC1−6アルキルであり、そしてArが3,5−二置換フェニルである、請求項3に記載の化合物。
  5. Arが3−クロロ−5−シアノ−フェニル、3,5−ジシアノ−フェニル又は3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェニルである、請求項4に記載の化合物。
  6. とRが一緒になって2,3−ピリジニレン又は3,4−ピリジニレンである、請求項5に記載の化合物。
  7. とRが一緒になって3,4−ピリダジレンである、請求項5に記載の化合物。
  8. XがNRであり、そしてRとRが、それらが結合する原子と一緒になって、5位でC1−6アルキルで場合により置換されている2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンを形成し;Rがブロモ、クロロ又はC1−6アルキルであり、そしてArが3,5−二置換フェニルである、請求項1に記載の化合物。
  9. 3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル;
    3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル;
    3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリル;
    3−クロロ−5−[6−クロロ−2−フルオロ−3−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イルメチル)−フェノキシ]−ベンゾニトリル;及び
    3−[6−ブロモ−2−フルオロ−3−(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリダジン−5−イルメチル)−フェノキシ]−5−クロロ−ベンゾニトリルからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
  10. 医薬として使用するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
  11. HIV−1感染の治療、又はHIV−1感染の予防、又はAIDSもしくはARCの処置において使用するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
  12. HIV−1感染の治療、又はHIV−1感染の予防、又はAIDSもしくはARCの処置用の医薬の製造のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  13. 治療有効量の請求項1に記載の化合物及び少なくとも1個の担体、賦形剤又は希釈剤を含む、医薬組成物。
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