JP2008501892A - 漏洩した六弗化硫黄ガスを捕集して閉じ込めるための装置及び方法 - Google Patents

漏洩した六弗化硫黄ガスを捕集して閉じ込めるための装置及び方法 Download PDF

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Abstract

ガス・エンクロージャから漏洩したSFガスを捕集して閉じ込めるための装置及び方法が提供される。この装置は、SFガスに対して実質的に不透過性の材料で作られたポータブルでフレキシブルなガス収容コンテナ(1)を有しており、このコンテナは、ガス入口(3)を有し、このガス入口は、漏洩源の周りを取り囲む表面に、気密状態で結合されるように構成され、それによって、SFガスをコンテナ内に捕集する。このコンテナは、予め定められた体積までSFガスを収容するために、捕集されたガスの圧力で膨張する。この装置は、SFガスを、ガス源からエンクロージャへ移送するためのコンテナとして機能するように構成されることが可能である。

Description

本発明は、漏洩したSFガスを捕集して閉じ込めるための装置及び方法に係る。
多くの産業において、六弗化硫黄(SF)ガスの雰囲気中で運転されることが要求される設備が使用されている。一つの特定の産業は、電力供給業である。SFは、電気伝導度が非常に低いと言う特徴を有しており、そのため、高電圧設備、例えば、電気的サーキット・ブレーカやトランスのための、非常に適切な絶縁ガスとして用いられている。
しかしながら、SFは、もし雰囲気に放出された場合に、温室効果へのその潜在的寄与に関して、深刻な環境問題を抱えている。更に、SFは、もし、漏洩によって雰囲気中に失われた場合に、交換するには高価なガスであり、それ故に、それを回収することに意義がある。
幾つかの大きい屋内設備のために、漏洩ガスの拡散を防止するための対策が講じられて来た。これらの対策の中には、設備の周りを取り囲むゾーンの中にガスの拡散を閉じ込める環境的なコントロール、及び、そのゾーンをシールしてその中にガスを閉じ込めるための手段が含まれる。そのような対策は、実施する際に極めて大きなコストがかかり、そのため、屋外の設備に対して適用された例はない。
米国特許公報第US−4,274,851号明細書
本発明の目的は、漏洩したSFガスを捕集して閉じ込めるための、コスト効率の良い代替案であって、いかなる設備においても使用可能な形態を提供することにある。
本発明の第一のアスペクトによれば、ガス・エンクロージャ(enclosure:囲い)からの漏洩した六弗化硫黄ガスを捕集して閉じ込めるための装置が提供される;
この装置は、下記構成を有している:
SFガスに対して実質的に不透過性のポータブルでフレキシブルなガス収容コンテナ、ここで、このコンテナは、ガス入口を有している;
前記入口は、漏洩源の周りを取り囲む表面に、気密状態で結合されるように構成され、それによって、前記六弗化硫黄ガスを前記コンテナの中に捕集する。また、前記コンテナは、捕集されたガスの圧力で膨張することが可能であり、それによって、六弗化硫黄ガスを予め定められた体積までを収容する。
本発明の第二のアスペクトによれば、ガス・エンクロージャからの漏洩した六弗化硫黄ガスを捕集して閉じ込めるための方法が提供される;
この方法は、下記のステップを有している:
SFガスに対して実質的に不透過性の、ポータブルでフレキシブルなガス収容コンテナを用意する、ここで、このコンテナは、ガス入口を有している;
前記入口を、漏洩源の周りを取り囲む表面に、気密状態で結合する;
前記六弗化硫黄ガスを前記コンテナの中に捕集する、このとき、前記コンテナは、捕集されたガスの圧力で膨張して、六弗化硫黄ガスを予め定められた体積まで収容する。
本発明は、好ましくも、漏洩したSFガスを捕集して閉じ込めるための効率良い形態を提供する。この装置の携帯性は、好都合にも、この装置が現場に保管され、且つ、必要なときに、直接、漏洩の源に移動されることを可能にする。この装置は、好都合にも、後で必要になるまで(例えば、SFの回収を実施するため)、捕集されたガスがその中に保管されることを可能にする。
一つの大きな経済的な優位性は、漏洩ガスを捕集することによって、捕集されたガスが、後で回収されることが可能になり、そして、再使用される可能性が生ずることである。
極低温プロセスを使用する適切なSFの回収システムが、米国特許公報第US−4,274,851号明細書に開示されており、その内容は、リファレンスとしてここに組み入れられる。そのような回収システムは、現場で有用に使用されることが可能な、都合の良いアセンブリを有している。
本発明の更なるアスペクトによれば、六弗化硫黄ガスを閉じ込めてガス源からガス・エンクロージャへ移送するための装置が提供される;
この装置は、下記構成を有している:
六弗化硫黄ガスに対して実質的に不透過性の材料で作られたポータブルでフレキシブルなガス収容コンテナ、ここで、このコンテナは、ガス入口を有している;
前記入口は、ガス源に気密状態で結合されるように構成されており、それによって、前記六弗化硫黄ガスを前記コンテナの中に捕集し、また、前記コンテナは、捕集されたガスの圧力により膨張することが可能であり、それによって、六弗化硫黄ガスを予め定められた体積まで収容し、更に、前記入口は、前記ガス源から切り離されてシールされるように構成され、それによって、前記コンテナの中に捕集された六弗化硫黄を、移送のために、保持する。
本発明の更なる特徴及びアスペクトは、添付図面を参照しながら示される好ましい実施形態についての以下の説明から、明らかになるであろう。
本発明の好ましい実施形態によれば、装置が、ポータブルでフレキシブルなガス収容コンテナの形態で提供される。コンテナは、球状または引き伸ばされた管状の構造を有し、ガス入口を有している。このコンテナは、SFガスに対して実質的に不透過性の材料から作られている。適切な材料の例は、低密度ポリエチレン及びPVCのシートを含む。好適な実施形態は、厚さ3ミクロンのポリエチレン・シートを用いて、製造される。
図1は、そのような実施形態の概略図を示しており、ポリエチレン・シートのチューブが平らに広げられた状態が示されている。その平面状の状態において、このシートは、2mの幅,及び25mまでの長さを有している。この長さは、ガスの容量を規定する。図1に示された複数の線は、プラスチックのシートの端が重ねられて接着されるラインに対応しており、膨張されたときに管状の形状を作るようにデザインされていて、その両端に、ガス入口及び出口の開口を有している。
図2は、膨張した状態での、代替案の実施形態を示し、唯一つの入口/出口の開口3を有している。この実施形態は、大きな高電圧サブステイションにおいて使用するために特に適切である。コンテナは、主要部である管状の膨張することが可能である部分1と、平面状の端部とを有している。平面状の端部2は、入口/出口の開口3を有している。コンテナは、ガス入口/出口のパイプ・アタッチメント4が、入口/出口の開口3に接続された形態で、示されている。アタッチメント4は、コンテナから捕集されたガスの抽出をコントロールするために使用されることが可能な、バルブ5を有していても良い。
使用されていないとき、このコンテナは、好都合にも、巻かれた形態で保管されることが可能である。しかしながら、コンテナは、コンテナが空であれば、他の形態で保管されることが可能であり、そのとき、二つの壁面は、互いに対して実質的に平面状である。
ガスの漏洩の状況において、一旦、漏洩源が発見された後には、アタッチメント4への入口が接続され、漏洩源の周りを取り囲む表面に対して、実質的にガスタイト状態でシールされることが可能である。その代わりに、アタッチメント4を用いることも考えられる。コンテナの入口/出口の開口3は、接続され、漏洩源の周りを取り囲む表面に対して、直接、ガスタイト状態でシールされることも可能である。これは、入口を表面に、自己粘着性テープなどを用いて単に巻き付けるだけで、実現することも可能である。
一旦、シールされた後には、漏洩ガスはコンテナの中に捕集される。それにより、コンテナは、捕集されたガスの圧力で膨張する。コンテナは、それから、それが最大容量に達するまで、あるいは漏洩が止まるまで、漏洩ガスを捕集し続ける。注意すべきことは、そのような漏洩は、一般的に小さく、多くのケースにおいて、ガスの合計の体積は大きくない。
しかしながら、ガスの価値は、しばしば捕集が経済的であるような程度であり、捕集されたガスが、後にSFガス回収システムを用いて回収されることが可能である程である。漏洩速度が低い状況であっても、漏洩ガスの新しく認識された環境的な影響は、環境への放出を制限することが、今や、SFによる絶縁設備の多くのユーザにとって、キーとなる狙いである程であり、また、多くの国において、政府の政策でもある。
コンテナの最大のガス体積は、現場の設備のガス体積に合わせて選択される。高電圧の電気設備は、典型的には5kgから200kgまでの範囲内の量のSFで、しばしば運転されるが、それよりも小さい量あるいはそれよりも大きい量も使用されている。テストの結果が示すところによれば、単一のコンテナが、そのような体積を適切に収容するために作られることが可能である。
ある特別な適用例は、5000kgまで、あるいは時にはそれを上回る量を含むことができる。そのようなケースにおいては、複数のコンテナが、共通のガス入口でまとめられ、これらの量が取り扱われることが可能である。この共通のガス入口は、そのとき、気密状態で、漏洩源の周りを取り囲む表面に、直接、結合されることになる。それぞれの可能性がある適用例において、関係するガスの量は、現場で適切な収容容量が設けられることが可能であることが確保されるように、通常、予め定められることが可能である。
一旦、漏洩が終了または停止した後に、コンテナは、ガスの回収のための適切な手段が利用可能になるまで、シールされることが可能である。幾つかの適用例においては、図1に示されたように、入口を介して漏洩を捕集するタスクの実行を継続しながら、個別のガス出口介して、コンテナから直接、ガスが回収されることも可能である。そのようなガス回収設備は、漏洩源を包み込むために適していない金属パイプで、通常、製造される。好ましくは、入口は、捕集されたガスをコンテナの中にシールして、入口が漏洩源から切り離されることを可能にするためのバルブを、有することが可能である。
上述の装置の形態に、添付クレームの範囲内で、多くの変形を行うことが可能であることが、分かるであろう。例えば、コンテナの入口が、異なる形または配置で作られ、異なる漏洩源のロケイションに直接結合するために、入口が漏洩源をよりうまく包み込むことを可能するように作られていても良い。
それに代わって、入口は、フレキシブル・チューブに接続されても良く、それによって、バルブを備えた複数のインプット及びアウトプットが、ガスの流れを、例えば、漏洩のサイトから回収設備まで、コントロールすることを可能にする。そのようなケースにおいて、フレキシブル・チューブは、それ自身で、漏洩源をシール可能な状態で包み込む同様のしかし個別の手段に接続され、それによって、入口が、漏洩源に、気密状態で、間接的に結合されることが確保されることになる。
上述の実施形態は、漏洩の状況において、SFガスを捕集する適用例に関係している。この装置が他の目的に適用可能であることが、分かるであろう。その例は、供給基地のようなガス源から、高電圧サブステイションのようなSFガスを必要とするガス・エンクロージャへの、SFガスの移送である。そのような適用例において、ガスの入口が、例えばバルブによって、密閉可能であることが必要になるであろう。それによって、ガス源からガスを捕集した後に、コンテナがガス・エンクロージャに移送されることが可能になる。
図1は、使用されていない状態におけるコンテナの好ましい実施形態の平面図である。 図2は、使用中のコンテナの代替案の実施形態の図である。

Claims (20)

  1. ガス・エンクロージャから漏洩した六弗化硫黄ガスを捕集して閉じ込めるための装置であって、
    この装置は、六弗化硫黄ガスに対して実質的に不透過性の材料で作られたポータブルでフレキシブルなガス収容コンテナを有し、前記コンテナは、ガス入口を有し、
    前記入口は、漏洩源の周りを取り囲む表面に気密状態で結合されるように構成され、それによって、前記六弗化硫黄ガスを前記コンテナ内に捕集し、前記コンテナは、予め定められた体積まで六弗化硫黄ガスを収容するために、捕集されたガスの圧力で膨張する。
  2. 下記特徴を備えた請求項1に記載の装置:
    前記入口は、前記表面から切り離されるように構成され、前記捕集されたガスをコンテナの中に保持するためにシールされる。
  3. 下記特徴を備えた請求項1または2に記載の装置:
    前記コンテナは、実質的に球状または管状の構造を有している。
  4. 下記特徴を備えた請求項1から3のいずれか1項に記載の装置:
    前記コンテナは、使用されていないときには、通常状態において、実質的に平面状の形態を有している。
  5. 下記特徴を備えた請求項1から4のいずれか1項に記載の装置:
    前記コンテナは、使用されていないときには、保管の便宜のために、巻かれることが可能である。
  6. 下記特徴を備えた請求項1から5のいずれか1項に記載の装置:
    前記コンテナは、通常状態においてシールされたガス出口を有し、このガス出口は、捕集された六弗化硫黄ガスを前記コンテナから取り除くために、シールが開かれることが可能である。
  7. 下記特徴を備えた請求項1から6のいずれか1項に記載の装置:
    六弗化硫黄ガスに対して実質的に不透過性の前記材料は、ポリエチレン構造である。
  8. ガス・エンクロージャから漏洩した六弗化硫黄ガスを捕集して閉じ込めるための方法であって、
    前記方法は、下記のステップを有している:
    六弗化硫黄ガスに対して実質的に不透過性のポータブルでフレキシブルなガス収容コンテナを用意する、ここで、前記コンテナは、ガス入口を有している;
    前記入口を、漏洩源の周りを取り囲む表面に、気密状態で結合する;
    前記六弗化硫黄ガスを前記コンテナに捕集し、それによって、前記コンテナが捕集されたガスの圧力で膨張して、予め定められた体積まで六弗化硫黄ガスを収容する。
  9. 下記特徴を備えた請求項8に記載の方法:
    下記のステップを更に有する:
    前記入口を前記表面から取り外し;
    前記入口をシールし、それによって、前記捕集されたガスを前記コンテナの中に保持する。
  10. 下記特徴を備えた請求項8または9に記載の方法:
    前記コンテナは、実質的に球状または管状の構造を有している。
  11. 下記特徴を備えた請求項8から10のいずれか1項に記載の方法:
    前記コンテナは、使用されていないときには、通常状態において、実質的に平面状の形態を有している。
  12. 下記特徴を備えた請求項8から11のいずれか1項に記載の方法:
    使用されていないとき、保管の便宜のために、前記コンテナを巻くステップを有し;
    前記用意するステップは、前記コンテナを巻かれた形態にすることを有している。
  13. 下記特徴を備えた請求項8から12のいずれか1項に記載の方法:
    前記結合するステップは、前記入口を、前記表面に、実質的にガスタイト状態で直接巻き付けることを有している。
  14. 下記特徴を備えた請求項8から13のいずれか1項に記載の方法:
    前記捕集された六弗化硫黄ガスを、前記コンテナからガス出口を介して、取り除くステップを更に有している。
  15. 六弗化硫黄ガスを閉じ込めて、ガス源からガス・エンクロージャへ移送するための装置であって、
    前記装置は、下記構成を有している:
    六弗化硫黄ガスに対して実質的に不透過性で作られたポータブルでフレキシブルなガス収容コンテナ、ここで、前記コンテナは、ガス入口を有している、
    前記入口は、ガス源に気密状態で結合されるように構成され、それによって、前記六弗化硫黄ガスを前記コンテナの中に捕集する、前記コンテナは、六弗化硫黄ガスを予め定められた体積までを収容するために、捕集されたガスの圧力で膨張されることが可能であり、前記入口は、更に、前記ガス源から切り離されてシールされるように構成され、それによって、捕集された六弗化硫黄ガスを、移送のために、前記コンテナの中に保持する。
  16. 下記特徴を備えた請求項15に記載の装置:
    前記コンテナは、実質的に球状または管状の構造を有している。
  17. 下記特徴を備えた請求項15または16に記載の装置:
    前記コンテナは、使用されていないときには、通常状態において、実質的に平面状の形態を有している。
  18. 下記特徴を備えた請求項15から17のいずれか1項に記載の装置:
    前記コンテナは、使用されていないときには、保管の便宜のために、巻かれることが可能である。
  19. 下記特徴を備えた請求項15から18のいずれか1項に記載の装置:
    前記コンテナは、通常状態においてシールされたガス出口を有し、このガス出口は、捕集された六弗化硫黄ガスを前記コンテナから前記ガス・エンクロージャへ移送することを可能にするために、シールが開かれることが可能である。
  20. 下記特徴を備えた請求項15から19のいずれか1項に記載の装置:
    六弗化硫黄ガスに対して実質的に不透過性の前記材料は、ポリエチレン構造である。
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