JP2008311247A - 熱電材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不純物の混入に起因する熱電特性の劣化の少ない熱電材料の製造方法、及びこれを用いて得られる熱電材料を提供すること。
【解決手段】以下の構成を備えたハーフホイスラー化合物を含む熱電材料。(1)前記ハーフホイスラー化合物は、AgAsMg型結晶構造を有する。(2)前記ハーフホイスラー化合物は、原子当たりの価電子数が6である。(3)前記ハーフホイスラー化合物は、前記AgAsMg型結晶構造の3つのサイトの内、少なくとも2つのサイトには、それぞれ、価電子数の異なる2種以上の原子を含む。(4)前記ハーフホイスラー化合物中のO濃度([O])及びSi濃度([Si])は、次の(a)式を満たす。
2.5≦3.305−5.10[O]−0.540[Si] ・・・(a)
【選択図】図4

Description

本発明は、熱電材料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、ハーフホイスラー化合物を主成分とする熱電材料及びその製造方法に関する。
熱電変換とは、ゼーベック効果やペルチェ効果を利用して、電気エネルギーを冷却や加熱のための熱エネルギーに、また逆に熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換することをいう。熱電変換は、
(1)エネルギー変換の際に余分な老廃物を排出しない、
(2)排熱の有効利用が可能である、
(3)材料が劣化するまで継続的に発電を行うことができる、
(4)モータやタービンのような可動装置が不要であり、メンテナンスの必要がない、
等の特徴を有していることから、エネルギーの高効率利用技術として注目されている。
熱エネルギと電気エネルギとを相互に変換できる材料、すなわち、熱電材料の特性を評価する指標としては、一般に、性能指数Z(=S2σ/κ、但し、S:ゼーベック係数、σ:電気伝導度、κ:熱伝導度)、又は、性能指数Zと、その値を示す絶対温度Tの積として表される無次元性能指数ZTが用いられる。ゼーベック係数は、1Kの温度差によって生じる起電力の大きさを表す。熱電材料は、それぞれ固有のゼーベック係数を持っており、ゼーベック係数が正であるもの(p型)と、負であるもの(n型)に大別される。
また、熱電材料は、通常、p型の熱電材料とn型の熱電材料とを接合した状態で使用される。このような接合対は、一般に、「熱電素子」と呼ばれている。熱電素子の性能指数は、p型熱電材料の性能指数Z、n型熱電材料の性能指数Z、並びに、p型及びn型熱電材料の形状に依存し、また、形状が最適化されている場合には、Z及び/又はZが大きくなるほど、熱電素子の性能指数が大きくなることが知られている。従って、性能指数の高い熱電素子を得るためには、性能指数Z、Zの高い熱電材料を用いることが重要である。
このような熱電材料としては、
(1)Bi−Te系、Pb−Te系、Si−Ge系等の化合物半導体、
(2)NaxCoO2(0.3≦x≦0.8)、(ZnO)mIn23(1≦m≦19)、Ca3Co49等のCo系酸化物セラミックス、
(3)Zn−Sb系、Co−Sb系、Fe−Sb系等のスクッテルダイト化合物、
(4)ZrNiSn等のハーフホイスラー化合物、などが知られている。
これらの内、Bi−Te系、Pb−Te系の化合物半導体は、低温域では高いZTを示すが、中・高温域では使用できず、かつ、Pb、Te、Sb等の環境負荷の大きい元素を多量に含むという問題がある。また、Ge−Si系の化合物半導体は、600℃以下の中・低温域での特性が低い(ZT<0.5)。さらに、Co系酸化物セラミックスは、高温域でも使用でき、単結晶ではZT>1という報告もあるが、バルク材料では、ZT<0.5にとどまっている。
スクッテルダイト化合物は、中・低温域において相対的に高い熱電特性を示すp型熱電材料である。また、ある種のスクッテルダイト化合物は、527℃(800K)においてZT>1となることが知られている。例えば、自動車の排ガス温度は約800Kであるので、このようなスクッテルダイト化合物を使用した熱電素子を用いれば、高効率の廃熱回収システムを得ることも可能になると期待されている。
さらに、ハーフホイスラー化合物は、中・低温域で相対的に高い熱電特性を示すn型熱電材料である。ここで、「ハーフホイスラー化合物」とは、ホイスラー合金CuAlMnのCuサイト原子の半分が欠損した構造を持つ一連の化合物をいう。ハーフホイスラー化合物は、中・低温域で相対的に高い熱電特性を示すので、スクッテルダイト化合物と組み合わせて使用する相手材の候補材料の1つと考えられている。そのため、ハーフホイスラー化合物の組成に関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1及び非特許文献1には、Zr0.5Hf0.5Ni1-xPdxSn0.99Sb0.01(x=0.2又は0.5)組成を有するハーフホイスラー化合物からなる熱電材料が開示されている。同文献には、
(1)Niの一部をPdで置換することによって、結晶格子中に質量欠陥が導入され、これによって格子の熱伝導度が低下する点、
(2)1at%のSbドープによって、電気比抵抗が小さくなる点、及び、
(3)Hf0.5Zr0.5Ni0.8Pd0.2Sn0.99Sb0.01組成を有するハーフホイスラー化合物の800Kにおける無次元性能指数ZTは、0.7(最大値)である点、
が記載されている。
また、非特許文献2には、Ti0.5(Zr0.5Hf0.5)0.5NiSn0.998Sb0.002組成を有するハーフホイスラー化合物からなる熱電材料が開示されている。同文献には、
(1)(Zr、Hf)サイトをTiで置換することによって熱伝導度が大きく低下し、ゼーベック係数も増加する点、
(2) SnサイトにSbをドープすることによって、電気伝導度が増加する点、及び、
(3) 700Kにおいて無次元性能指数ZTが1.5になる点、
が記載されている。
また、非特許文献3には、(ZrxHf1-x)0.7Ti0.3NiSn(x=0.3、0.4、0.5、0.6、0.7)組成を有するハーフホイスラー化合物からなる熱電材料が開示されている。同文献には、(Zr0.7Hf0.3)0.7Ti0.3NiSn組成において、800Kにおける無次元性能指数ZTが0.32(最大値)となる点が記載されている。
また、非特許文献4には、一般式:Zr1-x-yxNbyNiSn(y−x=0.02、0.02≦y≦0.05)で表されるハーフホイスラー化合物からなる熱電材料が開示されている。同文献には、x=0(Zr0.98Nb0.02NiSn)において、573KでZTが最大値(0.34)になる点が記載されている。
さらに、特許文献2〜4には、急冷凝固法を用いて各種熱電材料を製造する方法が記載されている。また、特許文献2には、急冷凝固に用いるノズルとして石英ガラスを用いる点が記載されている。
米国特許出願公開第2004/0112418号明細書 Q.Shen et al., Appl. Phys. lett., 79, 4165(2001) N.Shutoh et al., Proc. 22nd Int. Conf. Thermoelectrics (2003), P312 黒崎 健 他、第1回日本熱電学会学術講演論文集、p24 勝山 茂 他、第1回日本熱電学会学術講演会論文集、p22 特開2006−269870号公報 特開2006−269731号公報 特開2006−165125号公報
スクッテルダイト化合物からなるp型熱電材料を用いた熱電素子において、高い熱電変換効率を得るためには、中・低温域において高いZTを示す相手材(n型熱電材料)が必要である。熱電材料の実用化の目安は、ZT>1である。
しかしながら、従来のハーフホイスラー化合物では、ZT>1とするのは困難である。なお、非特許文献2には、700KにおけるZTが1.5であるハーフホイスラー化合物が記載されているが、非特許文献2の報告例は再現性に乏しく、現在の学会において、データの真偽が問われているのが現状である。
さらに、中・低温域において高い熱電特性を示すスクッテルダイト化合物の多くは、Sb等の環境負荷の大きい元素を多量に含むという問題がある。そのため、環境負荷の大きい元素の含有量が相対的に少なく、かつ、中・低温域で高い熱電特性を示すp型熱電材料が望まれている。
また、一般に、溶融可能な材料に対して急冷凝固法を用いると、相の均一性の改善、粒の微細化などが可能となる。そのため、急冷凝固法は、合金系材料の合成に利用されている。熱電材料の合成過程においても、急冷凝固法を用いることで、熱電性能が向上することが報告されている(特許文献2〜4参照)。急冷凝固法においては、一般にガラスノズルが用いられる(特許文献2参照)。しかしながら、急冷凝固法を用いて熱電材料を製造する場合において、ノズルの材質と熱電特性との因果関係が検討された例は、従来にはない。
本発明が解決しようとする課題は、中・低温域で相対的に高い熱電特性を示す熱電材料及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、中・低温域で相対的に高い熱電特性を示し、しかも、環境負荷の大きい元素の含有量が相対的に少ない熱電材料を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、不純物の混入に起因する熱電特性の劣化の少ない熱電材料の製造方法、及びこれを用いて得られる熱電材料を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る熱電材料は、以下の構成を備えたハーフホイスラー化合物を含むことを要旨とする。
(1) 前記ハーフホイスラー化合物は、AgAsMg型結晶構造を有する。
(2) 前記ハーフホイスラー化合物は、原子当たりの価電子数が6である。
(3) 前記ハーフホイスラー化合物は、前記AgAsMg型結晶構造の3つのサイトの内、少なくとも2つのサイトには、それぞれ、価電子数の異なる2種以上の原子を含む。
(4) 前記ハーフホイスラー化合物中のO濃度([O])及びSi濃度([Si])は、次の(a)式を満たす。
2.5≦3.305−5.10[O]−0.540[Si] ・・・(a)
また、本発明に係る熱電材料の製造方法は、
本発明に係るハーフホイスラー化合物となるように配合された原料を溶解する溶解工程と、
該溶解工程で得られた溶湯を急冷凝固させる急冷工程と、
を備え、
前記急冷工程は、窒化ホウ素製ノズルを用いて前記溶湯を冷却媒体に噴霧又は滴下するものからなる。
前記窒化ホウ素製ノズルは、不活性ガス雰囲気下において600℃以上で加熱することにより得られるものが好ましい。
ハーフホイスラー化合物において、原子当たりの価電子数が6に維持されるように、少なくとも2つのサイトを占める原子の一部を価電子数の異なる原子で置換すると、キャリアの移動度を低下させることなく、熱伝導度κを小さくし、かつ、ゼーベック係数Sを大きくすることができる。
また、所定の組成を有するハーフホイスラー化合物を急冷凝固法を用いて製造する場合において、従来一般に用いられている石英ノズルを用いると、主成分中に含まれる元素が石英ノズルと反応する。その結果、ハーフホイスラー化合物の組成ずれが発生する。また、石英管との反応により、ケイ素と酸素が混入し、熱電特性を低下させる。
これに対し、急冷凝固用のノズルとして窒化ホウ素製ノズルを用いると、構成元素とノズルとの反応が抑制される。特に、予め不活性ガス雰囲気下において600℃以上で加熱した窒化ホウ素製ノズルを用いると、意図しない不純物の混入を最小限に抑制することができる。そのため、仕込み組成を反映した熱電材料が得られる。また、不純物の混入を最小限に抑制することができるので、熱電特性及びその再現性も向上する。
以下に本発明の一実施の形態につて詳細に説明する。
[1. 熱電材料(1)]
本発明の第1の実施の形態に係る熱電材料は、以下の構成を備えたハーフホイスラー化合物を含むことを特徴とする。
(1) 前記ハーフホイスラー化合物は、AgAsMg型結晶構造を有する。
(2) 前記ハーフホイスラー化合物は、原子当たりの価電子数が6である。
(3) 前記ハーフホイスラー化合物は、前記AgAsMg型結晶構造の3つのサイトの内、少なくとも2つのサイトには、それぞれ、価電子数の異なる2種以上の原子を含む。
(4) 前記ハーフホイスラー化合物中のO濃度([O])及びSi濃度([Si])は、次の(a)式を満たす。
2.5≦3.305−5.10[O]−0.540[Si] ・・・(a)
[1.1. 結晶構造]
図1に、AgAsMg型結晶構造の単位胞の模式図を示す。ハーフホイスラー化合物は、AgAsMg型結晶構造(空間群F43m)を有し、一般式:XYZで表される。X原子及びZ原子は、それぞれ、4a(0、0、0)サイト(以下、単に「4aサイト」という。)及び4b(1/2、1/2、1/2)サイト(以下、単に、「4bサイト」という。)に位置しており、X原子及びZ原子は岩塩構造を形成している。Y原子は、八面体状に配位したポケット(X原子及びZ原子で構成される立方体の中心)、すなわち、4c(1/4、1/4、1/4)サイト(以下、単に「4cサイト」という。)に位置している。他のポケット、すなわち、4d(3/4、3/4、3/4)サイト(以下、単に「4dサイト」という。)は、空になっている。
[1.2. 価電子数]
本実施の形態に係るハーフホイスラー化合物において、原子当たりの価電子数は、6である。原子当たりの価電子数が6(又は、総価電子数が18)であるハーフホイスラー化合物は、半導体的特性を示し、適度な大きさのゼーベック係数Sと電気抵抗率ρを持つことが知られている。
なお、ハーフホイスラー化合物XYZは、X:Y:Z=1:1:1の化合物であるので、原子当たりの価電子数#eは、次の(1)式で表される。
#e=(#e+#e+#e)/3 ・・・(1)
ここで、#e、#e及び#eは、それぞれ、X原子、Y原子及びZ原子の価電子数である。また、各サイトが複数種類の原子で占められている場合には、#e、#e及び#eは、それぞれ、各サイトを占める原子の平均の価電子数である。
また、本発明において、「価電子数」とは、化学結合に寄与する電子の数をいう。次の表1に、各原子の価電子数を示す。
Figure 2008311247
[1.3. 構成元素]
本発明に係るハーフホイスラー化合物は、上述した3つのサイトの内、少なくとも2つのサイトには、それぞれ、価電子数の異なる2種以上の原子を含むことを特徴とする。
具体的には、
(1) 4aサイト又は4bサイトのいずれか一方に、価電子数が4である1種又は2種以上の原子と、価電子数が5である1種又は2種以上の原子とを含み、
他方のサイトに、価電子数が4である1種又は2種以上の原子と、価電子数が3である1種又は2種以上の原子とを含み、
4cサイトに価電子数が10である1種又は2種以上の原子を含む場合、
(2) 4aサイト又は4bサイトのいずれか一方に、価電子数が4である1種又は2種以上の原子と、価電子数が5である1種又は2種以上の原子とを含み、
他方のサイトに、価電子数が4である1種又は2種以上の原子を含み、
4cサイトに、価電子数が10である1種又は2種以上の原子と、価電子数が9である1種又は2種以上の原子を含む場合、
(3) 4aサイト又は4bサイトのいずれか一方に、価電子数が4である1種又は2種以上の原子と、価電子数が5である1種又は2種以上の原子と、価電子数が3である1種又は2種以上の原子を含み、
他方のサイトに、価電子数が4である1種又は2種以上の原子と、価電子数が3である1種又は2種以上の原子と、価電子数が5である1種又は2種以上の原子とを含み、
4cサイトに、価電子数が10である1種又は2種以上の原子をむ場合、
(4) 4aサイト及び4bサイトの双方に、価電子数が4である1種又は2種以上の原子と、価電子数が5である1種又は2種以上の原子とを含み、
4cサイトに、価電子数が10である1種又は2種以上の原子と、価電子数が8である1種又は2種以上の原子を含む場合、
などがこれに該当する。
各サイトに占める原子の種類は、特に限定されるものではなく、上述した条件を満たすものである限り、任意に選択することができる。その中でも、以下のような元素、及び、これらの組み合わせが特に好ましい。
すなわち、4aサイトの構成元素Xは、IIIa族(21Sc、39Y)、IVa族(22Ti、40Zr、72Hf)、Va族(23V、41Nb、73Ta)、及び、希土類元素(57La〜71Lu)から選ばれる1種以上の元素が好ましい。
また、4cサイトの構成元素Yは、VIIIa族(26Fe、27Co、28Ni、44Ru、45Rh、46Pd、76Os、77Ir、78Pt)及びIb族(29Cu、47Ag、79Au)から選ばれる1種以上の元素が好ましい。
さらに、4bサイトの構成元素Zは、IIIb族(5B、13Al、31Ga、49In、81Tl)、IVb族(6C、14Si、32Ge、50Sn、82Pb)及びVb族(7N、15P、33As、51Sb、83Bi)から選ばれる1種以上の元素が好ましい。
なお、4aサイトと4bサイトは、等価である。従って、上述した組み合わせに変えて、4bサイトの構成元素ZがIIIa族、IVa族、Va族及び希土類元素から選ばれる1種以上の元素であり、4aサイトの構成元素XがIIIb族、IVb族及びVb族から選ばれる1種以上の元素であっても良い。
また、IVb族元素の内、Siは、4aサイト又は4bサイトに入らずに、粒界に偏在することが多い。従って、本発明においては、Si量は、後述する量以下に制限される。
これらの中でも、4cサイトの構成元素Yは、Ni及び/又はCoが好ましい。4cサイトにNi及び/又はCoを含むハーフホイスラー化合物は、相対的に高い熱電特性を示す。
また、4bサイトの構成元素Z又は4aサイトの構成元素Xのいずれか一方は、Sn及び/又はSbが好ましい。4bサイト又は4aサイトのいずれか一方にSn及び/又はSbを含むハーフホイスラー化合物は、相対的に高い熱電特性を示す。
さらに、4aサイトの構成元素X又は4bサイトの構成元素Zのいずれか一方は、Ti、Zr及び/又はHfが好ましい。4aサイト又は4bサイトのいずれか一方にTi、Zr及び/又はHfを含むハーフホイスラー化合物は、相対的に高い熱電特性を示す。
また、ハーフホイスラー化合物は、環境に対する負荷の大きな元素の含有量が少ないほど良い。環境負荷の大きな元素としては、具体的には、Cd、Hg、Tl、Pb、As、Se、Te、Sb等がある。
これらの内、Cd、Hg、Tl、Pb、As、Se及びTeは、環境に対する負荷が極めて大きいので、これらの濃度は、それぞれ、ハーフホイスラー化合物を構成する全原子の0.1at%以下が好ましい。
一方、Sbは、Cd等に比べて環境に対する負荷が小さいので、Sbの濃度は、ハーフホイスラー化合物を構成する全原子の5at%以下が好ましい。
各サイトに占める価電子数の異なる原子の比率は、特に限定されるものではなく、任意に選択することができる。ここで、各サイトに占める価電子数の異なる原子の内、該当するサイトに占める全原子に対するその原子の割合が50at%以下であるものを、「少数派原子」と定義する。少数派原子の割合は、50at%でも良いが、一般に、少数派原子の割合が50at%に近づくにつれて、熱電特性は低下する傾向がある。これは、イオン半径の違いから、固溶せずに異相分離しやすく、これによって電気伝導度が低下するためと考えられる。
高い熱電特性を得るためには、少数派原子の割合は、20at%以下が好ましく、さらに好ましくは、10at%以下である。
一方、少数派原子の割合が少なくなりすぎると、後述する諸効果が得られなくなり、かえって熱電特性は低下する。従って、少数派原子の割合は、0.1at%以上が好ましい。
上述した各種の条件を満たすハーフホイスラー化合物には、種々の組成を有するものが含まれる。これらの中でも、上述した諸条件に加えて、以下の条件をさらに満たすハーフホイスラー化合物は、高い熱電特性を示す。
(1) 前記ハーフホイスラー化合物は、一般式:A1-xx(0.001≦x≦0.5)で表される。
(2) 前記化合物Aは、前記AgAsMg型結晶構造を有し、かつ、原子当たりの価電子数が6であるハーフホイスラー化合物からなる。
(3) 前記化合物Bは、前記AgAsMg型結晶構造を有し、かつ、原子当たりの価電子数が6であるハーフホイスラー化合物からなる。
(4) 前記化合物Bの各サイトには、それぞれ、価電子数の等しい1又は2以上の原子のみを含む。
(5) 前記化合物Aは、少なくとも2つのサイトにおいて、前記化合物Bとは価電子数が異なる元素を含む。
なお、「一般式:A1-xx」は、化合物Aと化合物Bとが固溶体を形成していることを意味する。また、化合物Aは、少なくとも原子当たりの価電子数が6であれば良く、各サイトを占める元素の種類は、特に限定されるものではない。すなわち、化合物Aの各サイトには、それぞれ、価電子数の等しい1又は2以上の原子のみを含むものであっても良く、あるいは、1又は2以上のサイトにおいて、価電子数の異なる1又は2以上の原子を含むものであっても良い。さらに、少数派原子を含む化合物Bの含有量xの上限は、0.2以下が好ましく、さらに好ましくは、0.1以下である点、及び、化合物Bの含有量xの下限は、0.001以上が好ましい点は、上述した通りである。
化合物Bの第1の具体例は、一般式:RNiSb(但し、R=Sc、Y及び/又は希土類元素(La〜Lu))で表されるハーフホイスラー化合物である。
この場合、化合物Bと組み合わせて使用する化合物Aとしては、具体的には、
(Ti1-x-yZrxHfy)NiSn(0≦x≦1、0≦y≦1)などがある。
化合物Bの第2の具体例は、一般式:NbR'Sn(但し、R'=Co及び/又はRh)で表されるハーフホイスラー化合物である。
この場合、化合物Bと組み合わせて使用する化合物Aとしては、具体的には、
(Ti1-x-yZrxHfy)NiSn(0≦x≦1、0≦y≦1)などがある。
化合物Bの第3の具体例は、ScCuSnからなるハーフホイスラー化合物である。
この場合、ScCuSnと組み合わせて使用する化合物Aとしては、具体的には、
(Ti1-x-yZrxHfy)NiSn(0≦x≦1、0≦y≦1)などがある。
化合物Bの第4の具体例は、TiCoSbからなるハーフホイスラー化合物である。
この場合、TiCoSbと組み合わせて使用する化合物Aとしては、具体的には、
(Ti1-x-yZrxHfy)NiSn(0≦x≦1、0≦y≦1)などがある。
化合物Bの第5の具体例は、TiRhAsからなるハーフホイスラー化合物である。
この場合、TiRhAsと組み合わせて使用する化合物Aとしては、具体的には、
(Ti1-x-yZrxHfy)NiSn(0≦x≦1、0≦y≦1)などがある。
これらの中でも、RNiSbは、XNiSn(X=Ti、Zr、Hf)等からなる化合物Aと組み合わせて使用することによって、相対的に高い熱電特性が得られるので、化合物Bとして特に好適である。一方、TiRhAsは、XNiSn(X=Ti、Zr、Hf)等からなる化合物Aと組み合わせることによって相対的に高い熱電特性が得られるが、環境に対する負荷の大きいAsを含んでいる点で好ましくない。
本発明において、熱電材料を構成するハーフホイスラー化合物は、少なくとも5種類の元素(X原子、Y原子及びZ原子、並びに、少なくともこれらの2つを置換する少数派原子)を含んでいるが、これらの元素は、化合物全体に渡って、均一に分散していることが好ましい。ここで、「均一に分散している」とは、2°/min以下のスキャン速度、0.02°以下のステップの条件下でX線回折を行ったときに、主要な回折ピーク(少なくとも、最大の回折ピーク)の分離が認められない程度の均一性をいう。また、EDXで面分析した場合に、10μm以下の領域において組成の均一性が保たれているのが好ましい。各元素は、原子レベルで均一に分散していても良く、あるいは、規則的に配列していても良い。特に、少数派原子がクラスタを構成しているハーフホイスラー化合物は、高い熱電特性を示す。
[1.4. 不純物量]
本発明において、ハーフホイスラー化合物中のO濃度([O](at%))及びSi濃度([Si](at%))は、次の(a)式を満たすことを特徴とする。
2.5≦3.305−5.10[O]−0.540[Si] ・・・(a)
本実施の形態に係る熱電材料は、上述したハーフホイスラー化合物のみからなることが望ましいが、不可避的に含まれる不純物が含まれていても良い。但し、熱電特性に悪影響を与える不純物は、少ない方が好ましい。
不純物の中でも、Oは、熱電特性に与える影響が大きい。また、IVb族元素の中でもSiは、4aサイト又は4bサイトに入らずに、粒界に偏在することが多い。粒界に偏在するSiは、熱電特性を低下させる原因となる。従って、ハーフホイスラー化合物中のO濃度及びSi濃度は、(a)式を満たすことが好ましい。
なお、(a)式は、測定温度500℃における出力因子(PF)と、試料中に含まれるO濃度(at%)及びSi濃度(at%)を用いて、重回帰分析により求めることができる。(a)式中の左辺は、測定温度500℃における出力因子(mW/K2m)に対応しており、(a)式は、出力因子2.5(mW/K2m)以上を得るためのO濃度及びSi濃度の上限を規定する。(a)式の左辺の数値を2.6、2.7、2.8…と順次大きくすると、対応する出力因子を得るために必要なO濃度及びSi濃度の上限を特定することができる。
高い熱電特性を得るためには、O濃度は、(a)式を満たすことに加えて、0.18at%未満が好ましい。O濃度は、さらに好ましくは、0.15at%以下、さらに好ましくは、0.10at%以下である。。
また、Si濃度は、(a)式を満たすことに加えて、1.30at%以下が好ましい。Si濃度は、さらに好ましくは、0.30at%以下、さらに好ましくは、0.20at%以下、さらに好ましくは、0.10at%以下である。
さらに、本実施の形態に係る熱電材料は、上述したハーフホイスラー化合物と、他の材料(例えば、樹脂、ゴム等)との複合体であっても良い。
[2. 熱電材料(2)]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る熱電材料について説明する。本実施の形態に係る熱電材料は、上述した原子当たりの価電子数が6であるハーフホイスラー化合物(第1のハーフホイスラー化合物)に対してさらにドーパントを加え、かつ、原子当たりの価電子数が5.9以上6.1以下(但し、原子当たりの価電子数が6であるものを除く)であるハーフホイスラー化合物(第2のハーフホイスラー化合物)を含むものからなる。
ドーピングは、少なくとも1つのサイトの構成元素の一部を、価電子数の異なる他の元素で置換することにより行う。ドーピングは、1つのサイトの構成元素のみを置換するものであっても良く、あるいは、2以上のサイトの構成元素を同時に置換するものであっても良い。また、ドーピングは、1又は2以上の各サイトにおいて、構成元素の一部を価電子数が同一又は異なる2種以上の元素で置換するものであっても良い。
第1のハーフホイスラー化合物は、一般に、原子当たりの価電子数が6であっても、電子が優勢キャリアとなり、n型熱電材料となる場合が多い。このような第1のハーフホイスラー化合物の構成元素の一部を、それより価電子数の大きな元素(以下、これを「n型ドーパント」という。)で置換すると、原子当たりの価電子数が6より大きい第2のハーフホイスラー化合物が得られる。原子当たりの価電子数が6を超えると、電子がドープされ、電気伝導度がより大きいn型熱電材料となる。
一方、第1のハーフホイスラー化合物の構成元素の一部を、それより価電子数の小さな元素(以下、これを「p型ドーパント」という。)で置換すると、原子当たりの価電子数が6より小さい第2のハーフホイスラー化合物が得られる。原子当たりの価電子数が6より小さくなると、ホールがドープされる。また、p型ドーパントの量がある一定量を超えると、ゼーベック係数Sが正に転じ、p型熱電材料となる。
さらに、ドーピングは、n型ドーパントとp型ドーパントとを同時に添加するものであっても良い。但し、キャリアの増加は、主として、n型ドーパントによる価電子数の増加の寄与分と、p型ドーパントによる価電子数の増加の寄与分の差に依存する。そのため、キャリアを増加させるという点では、n型ドーパントとp型ドーパントの同時添加は実益がなく、いずれか一方を添加するのが好ましい。
例えば、第1のハーフホイスラー化合物の4aサイトがTi及びYからなる場合において、Tiの一部をさらにVa属元素で置換すると、電子をドープすることができ、Tiの一部をさらにIIIa属元素及び/又は希土類元素で置換すと、ホールをドープすることができる。
また、例えば、第1のハーフホイスラー化合物の4bサイトがSn及びSbからなる場合において、Snの一部をさらにVb属元素で置換すると、電子をドープすることができ、Snの一部をさらにIIIb属元素で置換すると、ホールをドープすることができる。
また、例えば、第1のハーフホイスラー化合物の4cサイトがNiからなる場合において、Niの一部をIb属元素で置換すると、電子をドープすることができ、Niの一部をVIIIa族元素の内、Niより価電子数の少ない元素(Fe、Co等)で置換すると、ホールをドープすることができる。
さらに、これらを組み合わせて用いても良い。
第1のハーフホイスラー化合物へのドーピングは、ドーピング後(すなわち、第2のハーフホイスラー化合物)の原子当たりの価電子数が5.9以上6.1以下となるように行う。原子当たりの価電子数が5.9未満である場合、及び、6.1を超える場合は、いずれも、第2のハーフホイスラー化合物が金属的となり、高い熱電特性は得られない。
一般に、熱電特性を支配するゼーベック係数S、電気伝導度σ及び熱伝導度κは、いずれも、キャリア濃度の関数となる。従って、高い熱電特性を得るためには、原子当たりの価電子数は、第2のハーフホイスラー化合物の組成に応じて、最適な値を選択するのが好ましい。
なお、第2のハーフホイスラー化合物は、不可避的不純物を含んでいても良い点、熱電特性に悪影響を与える不純物は少ない方が好ましい点、及び、他の材料と複合化させて用いても良い点は、第1の実施の形態と同様である。
[3. 熱電材料の作用]
次に、本発明に係る熱電材料の作用について説明する。ハーフホイスラー化合物は、原子当たりの価電子数が6に等しいとき、半導体となることが知られている。例えば、TiNiSnの場合、(4+10+4)/3=6であるから、TiNiSnは半導体である。このような半導体に対し、少量の電子又はホールをドープすると、その電気伝導度σは増大する。しかしながら、ゼーベック係数Sは、一般に、キャリア濃度と負の相関があるので、電子又はホールをドープすることにより、ゼーベック係数Sの絶対値は小さくなる。そのため、ハーフホイスラー化合物に対して単一の元素をドーピングするという従来の手法では、到達可能な性能指数Z(あるいは、無次元性能指数ZT)に限界がある。
これに対し、原子当たりの価電子数が6に維持されるように、少なくとも2つのサイトを占める原子の一部を価電子数の異なる原子で置換すると、高い熱電特性を示す第1のハーフホイスラー化合物が得られる。その理由の詳細については、不明であるが、以下のような理由によると考えられる。
第1の理由は、熱伝導度κが小さくなることである。これは、少なくとも2つのサイトを占める原子の一部を価電子数の異なる原子で置換することによって(換言すれば、構成元素の異なる2種類のハーフホイスラー化合物を複合化させることによって)、格子波の伝搬が抑制されるためと考えられる。
第2の理由は、ゼーベック係数Sが増大することである。ゼーベック係数Sは、半導体の状態密度に比例することが知られている。ハーフホイスラー化合物において、少なくとも2つのサイトを占める原子の一部を価電子数の異なる原子で置換すると、電子構造が複雑となり、状態密度が増大する。その結果、ゼーベック係数Sが増大すると考えられる。
第3の理由は、キャリアの移動度の低下が小さいことである。従来の単元素ドープの場合、ドーピングにより生じたイオンサイトは、長距離に渡ってクーロン力を及ぼす。そのため、イオンサイトから遠く離れたキャリアであっても、イオンサイトの影響を受け、キャリアの移動度を低下させる。電気伝導度σは、キャリア移動度に比例するので、キャリア移動度の低下は、電気伝導度σの低下をもたらす。
これに対し、本発明に係る第1のハーフホイスラー化合物は、原子当たりの価電子数が6(つまり、平均的には中性)であるため、移動度の低下は少ないと考えられる。
第4の理由は、特に、置換元素が相対的に少量であり、かつ、局所的にクラスターを形成する、いわゆるナノドット構造を有する場合、電気伝導度σを低下させることなく、熱伝導度κを小さくする効果が大きいことである。
相対的に少量の置換元素が局所的にクラスターを形成すると、格子波の伝搬が抑制され、熱伝導度κが小さくなると考えられる。
また、原子当たりの価電子数が6に維持されるように、2以上のサイトを占める原子を置換すると、置換原子の少なくとも1つは+のイオンサイトとなり、他方は−のイオンサイトとなる。これらの置換原子が局所的にクラスターを形成すると、クラスターから遠く離れたキャリアにとっては、クラスタは、電気的に中性として振る舞う。その結果、キャリアの移動度の低下が小さくなると考えられる。
クラスタが形成され、局所的な電気的中性を保ちやすくするためには、2つのサイトで原子を置換するのが好ましい。これは、1つのサイトでは最近接に配置することができないし、3つのサイトでは+2、−1、−1といった異なるイオンが分布することによるクーロン力が移動度を低下させるためである。
さらに、このような第1のハーフホイスラー化合物に対してさらにドーパントを添加した場合において、ドーパントの添加量を最適化すると、電気伝導度σが増大し、その熱電特性が向上する。
また、熱電材料は、電気伝導度、ゼーベック係数が高く、熱伝導度が低いことが必要である。しかしながら、合成過程で不純物が混入すると、それが散乱源となって電気伝導度が低下するため、熱電特性が低下する。特に、O及び粒界に存在するSiは、熱電特性を低下させる原因となる。本発明に係る熱電材料は、後述するように窒化ホウ素製ノズルを用いて急冷凝固することにより得られるので、不純物量(特に、O及びSi)が少ない。そのため、電気伝導度の低下が少なく、高い性能指数が得られる。また、組成ずれも少ないので、高い熱電特性の再現性も高い。
[4. 熱電材料の製造方法]
次に、本発明に係る熱電材料の製造方法について説明する。本発明に係る熱電材料の製造方法は、溶解工程と、急冷工程とを備えている。
[4.1 溶融工程]
溶解工程は、上述した第1のハーフホイスラー化合物又は第2のハーフホイスラー化合物となるように配合された原料を溶解する工程である。
原料は、単一の元素のみを含むものであっても良く、あるいは、2種以上の元素を含む合金、化合物等であっても良い。また、各原料は、目的とする組成が得られるように、配合する。原料の溶解方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。また、原料の溶解は、酸化を防ぐために、不活性雰囲気下で行うのが好ましい。
[4.2. 急冷工程]
急冷工程は、溶解工程で得られた溶湯を急冷凝固させる工程である。本発明において、急冷工程は、窒化ホウ素製ノズルを用いて溶湯を冷却媒体に噴霧又は滴下するものである。この点が、従来の製造方法とは異なる。
急冷方法としては、具体的には、
(1) 窒化ホウ素製ノズル内で溶融させた溶湯を、回転する銅ロール(冷却媒体)上に噴霧又は滴下する方法(銅ロール法)、
(2) 窒化ホウ素製ノズル内で溶解させた溶湯をノズル穴から噴霧又は滴下させ、溶湯の流れに周囲からジェット流体(不活性ガス、水、空気など)を吹き付け、生成した液滴を落下させながら凝固させる方法(アトマイズ法)、
などがある。
窒化ホウ素製ノズルは、そのまま使用しても良いが、原料を溶解する前に、予め不活性ガス雰囲気下(Ar、N2など)において600℃以上で加熱処理したものを用いるのが好ましい。製造直後の窒化ホウ素には、ガスや水分が吸着しているが、これを所定の条件下で加熱処理すると、吸着ガスや吸着水が除去されるので、不純物(特に、O)の混入を最小限に抑制することができる。
急冷時の冷却速度は、100℃/sec以上が好ましい。冷却速度が100℃/sec未満であると、成分元素が偏斥し、均一な固溶体が得られない場合がある。均一な固溶体を得るためには、冷却速度は、速いほどよい。
[4.3. 焼結工程]
銅ロール法等を用いて溶湯を急冷凝固させると、リボン状又は粉末状のハーフホイスラー化合物が得られる。これらのリボン状又は粉末状のハーフホイスラー化合物をそのまま、あるいは、必要に応じて粉砕(粉砕工程)した後、、他の材料と複合化させても良い。あるいは、リボン状又は粉末状のハーフホイスラー化合物を、必要に応じて粉砕(粉砕工程)した後、焼結(焼結工程)させても良い。
粉末状のハーフホイスラー化合物を焼結させる場合、その焼結方法には、種々の方法を用いることができる。焼結方法としては、具体的には、常圧焼結法、ホットプレス、HIP、放電プラズマ焼結法(SPS)などがある。これらの中でも、放電プラズマ焼結法は、短時間で緻密な焼結体が得られるので、焼結方法として特に好適である。
焼結条件(例えば、焼結温度、焼結時間、焼結時の加圧力、焼結時の雰囲気等)は、ハーフホイスラー化合物の組成、使用する焼結方法等に応じて、最適なものを選択する。
例えば、放電プラズマ焼結法を用いる場合、焼結温度は、ハーフホイスラー化合物の融点以下が好ましく、加圧力は、20MPa以上が好ましい。焼結時にハーフホイスラー化合物を溶融させると、冷却時に成分元素が偏斥するおそれがある。また、加圧力を20MPa以上とすると、緻密な焼結体を得ることができる。焼結時間は、緻密な焼結体が得られるように、焼結温度に応じて最適な時間を選択する。
[4.4. アニール工程]
さらに、粉末を焼結した後、焼結体を所定の温度に保持するアニール処理を行っても良い(アニール工程)。焼結体に対してアニール処理を施すと、成分元素の偏斥や4cサイトの格子欠陥等を除去することができる。
アニール処理の温度は、700℃以上ハーフホイスラー化合物の融点以下が好ましい。アニール処理温度が700℃未満であると、十分な効果が得られない。一方、アニール処理温度がハーフホイスラー化合物の融点を超えると、冷却時に成分元素が偏斥するおそれがある。
アニール処理時間は、アニール処理温度に応じて、最適な時間を選択する。一般に、アニール処理温度が高くなるほど、短時間で偏斥や格子欠陥を除去することができる。通常は、数時間〜数十時間である。
[5. 熱電材料の製造方法の作用]
本発明に係る熱電材料の製造方法は、急冷工程を備えているので、ハーフホイスラー化合物が多数の元素によって構成されている場合であっても、均一な固溶体を得ることができる。また、このような急冷凝固された化合物を粉砕し、焼結させると、鋳巣などの欠陥の少ない緻密な焼結体が得られる。さらに、このような焼結体に対してアニール処理を施すと、偏斥や格子欠陥等が除去され、高い特性を有する熱電材料が得られる。
また、熱電材料の合成過程において分相が生じると、それが散乱源となって電気伝導度が低下するため、熱電特性が低下する。分相に関しては、急冷工程を経ることで改善可能である。しかしながら、所定の組成を有するハーフホイスラー化合物を急冷凝固法を用いて製造する場合において、従来一般に用いられている石英ノズルを用いると、構成元素中の酸化しやすい元素が石英ノズルと反応する。その結果、不純物(特に、O及びSi)の混入を生じやすく、性能指数が低下する。また、組成ずれのため、再現性良く熱電材料を製造することが困難となる。
これに対し、窒化ホウ素は、多くの元素と反応性が低いため、急冷凝固用のノズルとして窒化ホウ素製ノズルを用いると、構成元素とノズルとの反応が抑制される。そのため、組成ずれを引き起こすことなく、相の均一性を改善することができる。
さらに、窒化ホウ素製ノズルを予め600℃以上で加熱処理することにより、ノズル表面が清浄となる。その結果、電気伝導度低下の原因となる不純物の混入が抑制され、熱電特性を向上させることが可能となる。
(実施例1〜2、比較例1〜3)
[1. 試料の作製]
Ti、Zr、Hfを、組成比がTi0.5Zr0.25Hf0.25となるように秤量し、アーク溶解炉にセットした。10-6Torr(1.33×10-4Pa)台の真空にした後、Arガスを導入して、チャンバー圧が0.5気圧(5.07×104Pa)になるまで置換し、アーク溶解によりTi0.5Zr0.25Hf0.25合金を得た。次に、Ni、Snを秤量し、全体の組成が(Ti0.5Zr0.25Hf0.25)NiSnとなるようにし、合成したTi0.5Zr0.25Hf0.25合金と一緒に窒化ホウ素のルツボに入れて高周波溶解した。
この時、普通に高周波溶解すると、合成されたインゴット表面が酸化して青や茶色に変色し、インゴットがルツボにくっ付いて剥がれにくくなった。一方、窒化ホウ素のルツボを600℃以上で加熱処理すると、窒化ホウ素ルツボ表面に吸着した水分やガスが脱離して、ルツボの重量減少が確認された。また、加熱処理後のルツボを用いて高周波溶解を行うと、ガスや吸着水等が除去された結果、合成されたインゴットの酸化が抑制され、ルツボとインゴットの接着も抑制できることが分かった。
インゴット(加熱処理後のルツボを用いたもの。以下同じ。)をグローブボックス内においてAr雰囲気中で粉砕し、放電プラズマ装置で1100℃、50MPaの条件で焼結した(比較例1)。
インゴットをグローブボックス内においてAr雰囲気中で粉砕し、ホットプレス装置で1100℃、50MPaの条件で焼結した(比較例2)。
インゴットをガラス管内で再び高周波溶解し、溶湯を3000rpmで回転するCuロール面上で急冷凝固し、リボン状試料を得た。これを粉砕し、放電プラズマ装置で1100℃、50MPaの条件で焼結した(比較例3)。
インゴットを粉砕し、窒化ホウ素製ノズル内で溶解し、溶湯を比較例3と同条件で急冷凝固した。得られたリボン状試料を粉砕し、放電プラズマ装置を用いて比較例3と同条件で焼結した(実施例1)。
さらに、高周波溶解前に、窒化ホウ素製ノズルを600℃以上で加熱処理した以外は、実施例1と同様の手順に従い、焼結体を作製した(実施例2)。
[2. 試験方法]
得られた試料について、X線回折測定を行った。また、ICP及びSEM−EDX測定により、成分分析を行った。さらに、得られた焼結体から棒状試料を切り出し、熱電特性を測定した。
[3. 結果]
[3.1. 生成相]
急冷工程を入れず、放電プラズマ装置で焼結した場合(比較例1)、ハーフホイスラー相のX線回折の最強ピークは、2つに分裂した。SEM−EDX測定の結果、これは、Ti−rich相とTi−poor相に分離していることがわかった。
急冷工程を入れない場合でも、ホットプレス装置で焼結した場合(比較例2)には、X線のピーク分離は抑制されていた。ただし、SEM−EDXで観察を行うと、Ti−rich相とTi−poor相への分相は抑制されていないことがわかった。
急冷工程を経た試料(比較例3、実施例1〜2)のX線回折ピークには分離がなく、SEM−EDXの測定結果でも、Ti−rich相とTi−poor相への分相が抑制されていることが確認された。
[3.2. 成分]
表2に、SEM−EDX測定により得られた各試料のO濃度及びSi濃度を示す。
石英ノズルで急冷工程を行った場合(比較例3)、SEM−EDX測定の結果、SiやOなどの不純物が混入していることがわかった。
一方、窒化ホウ素製ノズルで急冷を行った場合(実施例1、2)には、EDXの検出限界(<100ppm)内では、Siの存在は確認されなかった。未処理の窒化ホウ素製ノズルで急冷を行った場合(実施例1)、粒界に酸化物の形で酸素が混入するが、加熱処理済み窒化ホウ素製ノズルで急冷を行った場合(実施例2)、酸素濃度が大幅に低減されているのが確認された。
Figure 2008311247
図2に、石英ノズルを用いて急冷した試料(比較例3)のEDX分析結果を示す。
図2より、
(1) 粒内(領域16)は、ほぼ仕込み通りの組成になっていること、
(2) 粒界の一部(領域18)は、O濃度が極めて高くなっており、かつ、著しい組成ずれが生じていること、及び、
(3) 粒界の他の一部(領域19、20)は、Si濃度が高くなっており、かつ、組成ずれが生じていること、
がわかる。
図3(a)に、比較例3で得られた試料のSEM写真を示す。また、図3(b)に、実施例2で得られた試料のSEM写真を示す。石英ノズルを使用した場合(図3(a))、黒い斑点(Si濃度の高い領域)が点在しているのに対し、窒化ホウ素製ノズルを使用した場合(図3(b))、黒い斑点が消失していることがわかる。
比較例3、及び実施例1〜2で得られた試料について、ICPにより組成分析を行った。表3に、その結果を示す。石英管で急冷工程を行った場合(比較例3)、及び未処理の窒化ホウ素製ノズルを用いて急冷工程を行った場合(実施例1)には、仕込み組成と比べて実際の組成が大きくずれているのが確認された。一方、窒化ホウ素製ノズルを加熱前処理してから急冷工程を行った場合(実施例2)には、ほぼ仕込み通りの組成が保たれていることが確認された。
Figure 2008311247
[3.3. 熱電特性]
比較例1、3、及び実施例1、2で得られた試料の電気伝導度σ及びゼーベック係数Sを測定し、出力因子(PF)を算出した。図4に、その結果を示す。図4より、急冷の効果(比較例1vs比較例3)、ノズル素材の効果(比較例3vs実施例1)、及び、加熱前処理の効果(実施例1vs実施例2)が、それぞれ明らかになった。
図5に、O濃度と出力因子(測定温度:500℃)との関係を示す。また、図6に、Si濃度と出力因子(測定温度:500℃)との関係を示す。図5及び図6より、O濃度が低くなるほど、及び/又は、Si濃度が低くなるほど、高い出力因子が得られることがわかる。
また、図5及び図6より、目的とする出力因子を得るために必要なO濃度及びSi濃度の上限を読み取ることができる。表4に、その一例を示す。
例えば、O濃度が0.001at%以下の場合において、2.6mW/K2m以上の出力因子を得るためには、Si濃度を1.30at%以下にすれば良いことがわかる。また、O濃度が0.001at%以下の場合において、2.7mW/K2m以上の出力因子を得るためには、Si濃度を1.11at%以下にすれば良いことがわかる。
同様に、Si濃度が0at%の場合において、2.6mW/K2m以上の出力因子を得るためには、O濃度を0.138at%以下にすれば良いことがわかる。また、Si濃度が0at%の場合において、2.7mW/K2m以上の出力因子を得るためには、O濃度を0.118at%以下にすれば良いことがわかる。他の場合も同様である。
Figure 2008311247
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本発明に係る熱電材料は、太陽熱発電器、海水温度差熱電発電器、化石燃料熱電発電器、工場排熱や自動車排熱の回生発電器等の各種の熱電発電器、光検出素子、レーザーダイオード、電界効果トランジスタ、光電子増倍管、分光光度計のセル、クロマトグラフィーのカラム等の精密温度制御装置、恒温装置、冷暖房装置、冷蔵庫、時計用電源等に用いられる熱電素子を構成する熱電材料として使用することができる。
AgAsMg型結晶構造の単位胞を示す図である。 石英ノズルを用いて急冷した試料(比較例3)のEDX分析結果を示す。 図3(a)に、石英ノズルを用いて急冷した試料(比較例)のSEM写真を示す。また、図3(b)に、窒化ホウ素製ノズルを用いて急冷した試料(実施例2)のSEM写真を示す。 比較例1、3、及び実施例1、2で得られた試料の出力因子の温度依存性を示す図である。 O濃度と出力因子(測定温度:500℃)との関係を示す図である。 Si濃度と出力因子(測定温度:500℃)との関係を示す図である。

Claims (8)

  1. 以下の構成を備えたハーフホイスラー化合物を含む熱電材料。
    (1) 前記ハーフホイスラー化合物は、AgAsMg型結晶構造を有する。
    (2) 前記ハーフホイスラー化合物は、原子当たりの価電子数が6である。
    (3) 前記ハーフホイスラー化合物は、前記AgAsMg型結晶構造の3つのサイトの内、少なくとも2つのサイトには、それぞれ、価電子数の異なる2種以上の原子を含む。
    (4) 前記ハーフホイスラー化合物中のO濃度([O])及びSi濃度([Si])は、次の(a)式を満たす。
    2.5≦3.305−5.10[O]−0.540[Si] ・・・(a)
  2. 前記ハーフホイスラー化合物は、4c(1/4、1/4、1/4)サイトに、Ni及び/又はCoを含む請求項1に記載の熱電材料。
  3. 前記ハーフホイスラー化合物は、4b(1/2、1/2、1/2)サイト又は4a(0、0、0)サイトのいずれか一方に、Sn及び/又はSbを含む請求項1又は2に記載の熱電材料。
  4. 前記ハーフホイスラー化合物は、4a(0、0、0)サイト又は4b(1/2、1/2、1/2)サイトのいずれか一方に、Ti、Zr及び/又はHfを含む請求項1から3までのいずれかに記載の熱電材料。
  5. 請求項1から4までのいずれかに記載のハーフホイスラー化合物となるように配合された原料を溶解する溶解工程と、
    該溶解工程で得られた溶湯を急冷凝固させる急冷工程と、
    を備え、
    前記急冷工程は、窒化ホウ素製ノズルを用いて前記溶湯を冷却媒体に噴霧又は滴下するものである熱電材料の製造方法。
  6. 前記窒化ホウ素製ノズルは、不活性ガス雰囲気下において600℃以上で加熱することにより得られるものである請求項5に記載の熱電材料の製造方法。
  7. 前記急冷工程は、冷却速度が100℃/sec以上である請求項5又は6に記載の熱電材料の製造方法。
  8. 急冷された前記ハーフホイスラー化合物からなる粉末を焼結させる焼結工程をさらに備えた請求項5から7までのいずれかに記載の熱電材料の製造方法。
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