JP2002224802A - 急冷合金の製造方法および希土類磁石の製造方法 - Google Patents

急冷合金の製造方法および希土類磁石の製造方法

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JP2002224802A JP2001026886A JP2001026886A JP2002224802A JP 2002224802 A JP2002224802 A JP 2002224802A JP 2001026886 A JP2001026886 A JP 2001026886A JP 2001026886 A JP2001026886 A JP 2001026886A JP 2002224802 A JP2002224802 A JP 2002224802A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルから合金溶湯を吐出させて冷却基体に
衝突させることにより急冷合金を得る急冷合金製造方法
において、大量の合金溶湯を連続して急冷する場合にノ
ズルの詰まりを防ぐ。また、このような急冷方法を用い
ることにより、希土類磁石の生産性を向上させると共
に、高特性の希土類磁石を得る。 【解決手段】 合金溶湯をノズルから吐出して冷却基体
に衝突させることにより急冷合金を得る急冷工程を有
し、前記ノズルは、少なくとも合金溶湯の吐出路を構成
する表面付近が非酸化物材料から構成され、この非酸化
物材料の酸素含有率が質量比で0.2%以下である急冷
合金の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合金溶湯を急速に
冷却することによって合金を製造する方法と、この方法
を用いて希土類磁石を製造する方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】高性能希土類磁石としては、Sm−Co
系磁石やNd−Fe−B系磁石が実用化されているが、
近年、新規な希土類磁石の開発が盛んに行なわれてい
る。
【0003】例えば、Sm2Fe17結晶にNが侵入型に
固溶したSm−Fe−N系の希土類窒化磁石が提案され
ている。希土類窒化磁石(以下、Sm−Fe−N系磁
石)は、理論的にはNd−Fe−B系磁石を超える特性
が期待されるため、様々な提案がなされている。
【0004】Sm−Fe−N系磁石は、例えば特開平1
0−312918号公報に記載されており、その組織構
造は、希土類−鉄−窒素系組成をもつ硬質磁性相と、α
−Feを主体とする軟質磁性相とが組み合わさったもの
であり、これにより高い磁石特性が得られる。この磁石
は、溶湯急冷法により合金溶湯を冷却凝固して急冷合金
を得、この急冷合金に熱処理を施して結晶性を制御した
後、窒素雰囲気中で熱処理を施して窒化することにより
製造される。
【0005】溶湯急冷法としては、例えば回転ロール法
や遠心急冷法などが知られているが、量産性が高いこと
から、回転ロール法の一種である単ロール法が使用され
ることが多い。単ロール法では、合金溶湯をノズルから
吐出して冷却ロールの周面に衝突させることにより急速
に冷却する。Sm−Fe−N系磁石の製造に際してはS
m−Fe系合金の溶湯を急冷するが、この合金は希土類
元素を含有するため、溶解状態で酸化しやすい。そのた
め、急冷工程は、Arガス雰囲気中などの不活性ガス雰
囲気中で行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】単ロール法では、合金
溶湯は坩堝内からノズルを通って吐出される。Sm−F
e−N系磁石製造の際の急冷工程では、合金溶湯の冷却
速度を著しく速くする必要があるため、ノズルに設けら
れる合金溶湯の吐出路は比較的狭いものとされる。
【0007】本発明者らは、比較的大量の合金溶湯を連
続して急冷する場合に、坩堝内の合金溶湯がすべて吐出
される前に、ノズルが詰まってしまうことを見いだし
た。また、この場合において、ノズルが完全に詰まる前
に、吐出速度(単位時間当たりの合金溶湯吐出量)が不
安定となり、その結果、得られる急冷合金の結晶組織構
造にばらつきが生じることを見いだした。このようなば
らつきが生じると、最終的に得られるSm−Fe−N系
磁石の特性が低くなってしまう。
【0008】本発明は、ノズルから合金溶湯を吐出させ
て冷却基体に衝突させることにより急冷合金を得る急冷
合金製造方法において、大量の合金溶湯を連続して急冷
する場合にノズルの詰まりを防ぐことを目的とする。ま
た、本発明は、このような急冷方法を用いることによ
り、希土類磁石の生産性を向上させると共に、高特性の
希土類磁石を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。 (1) 合金溶湯をノズルから吐出して冷却基体に衝突
させることにより急冷合金を得る急冷工程を有し、前記
ノズルは、少なくとも合金溶湯の吐出路を構成する表面
付近が非酸化物材料から構成され、この非酸化物材料の
酸素含有率が質量比で0.2%以下である急冷合金の製
造方法。 (2) 前記非酸化物材料が窒化物である上記(1)の
急冷合金の製造方法。 (3) 前記窒化物が窒化ホウ素、窒化ケイ素および窒
化アルミニウムから選択される少なくとも1種を含む上
記(2)の急冷合金の製造方法。 (4) 前記合金溶湯が希土類元素を含む上記(1)〜
(3)のいずれかの急冷合金の製造方法。 (5) 希土類元素を含む合金溶湯を冷却基体に衝突さ
せることにより急冷合金を得る急冷工程を有し、前記急
冷工程において、上記(1)〜(4)のいずれかの急冷
合金の製造方法を利用する希土類磁石の製造方法。 (6) 少なくともR(Rは希土類元素の1種以上であ
り、R中のSm比率は50原子%以上である)、T(T
はFe、またはFeおよびCoである)およびNを含有
する磁石が製造される上記(5)の希土類磁石の製造方
法。
【0010】
【作用および効果】単ロール法において合金溶湯を吐出
するために用いられるノズルは、合金に対する反応性が
比較的低い材料、例えば石英、アルミナ、窒化ホウ素な
ど、から構成される。本発明者らは、急冷工程における
上記したノズルの詰まりが、合金溶湯とノズル構成材料
との反応によって生じた反応生成物がノズルを塞ぐため
に生じるのではないかと考え、様々なノズル構成材料に
ついて実験を繰り返した。その結果、非酸化物材料であ
って、かつ、その酸素含有量が0.2質量%以下である
ものからノズルを構成することにより、ノズルの詰まり
を実質的に防ぐことができ、また、ノズルの部分的な詰
まりに起因すると考えられる吐出速度の不安定さを改善
できることを見いだした。
【0011】本発明は、ノズルから合金溶湯を吐出する
工程をもつ急冷合金製造方法であれば、合金の組成にか
かわらず適用できる。ただし本発明は、酸化されやすい
希土類元素を含む合金溶湯を急冷する場合に特に有効で
ある。その理由は、合金溶湯構成元素の酸化物がノズル
を詰まらせると考えられるからである。したがって本発
明は、希土類磁石の製造に好適である。本発明が適用さ
れる希土類磁石としては、例えば上記したSm−Fe−
N系磁石やNd−Fe−B系磁石が挙げられるが、これ
らのうちではSm−Fe−N系磁石の製造に適用する場
合に本発明は特に有効である。この磁石を製造する際の
急冷工程では、冷却速度を著しく速くする必要があり、
そのため比較的狭い吐出路を有するノズルを用いる必要
があるので、ノズルに詰まりが発生しやすいからであ
る。
【0012】前述したように、合金溶湯の吐出速度が不
安定であると、合金溶湯の冷却速度が不安定となるため
に、得られる急冷合金の結晶組織構造にばらつきが生じ
る。合金溶湯の吐出速度の不安定さなどの、急冷条件の
変動による合金特性のばらつきの度合いは、以下に説明
する方法により評価することができる。なお、以下で
は、Sm−Fe−N系磁石を例に挙げて説明する。
【0013】単ロール法に用いる急冷装置の構成例を、
図1に断面図として示す。この急冷装置は、冷却ロール
2と、ノズル3とを有する。図1は、冷却ロール2を軸
方向から見ており、冷却ロール2の周面を離れて急冷合
金が飛翔する方向と、鉛直線とを含む面内を示してい
る。
【0014】単ロール法では、合金溶湯から冷却ロール
に急速に熱が移動することにより合金溶湯が凝固し、急
冷合金が得られる。このときの冷却速度は、冷却ロール
の材質やその回転数、合金溶湯の吐出速度によってほぼ
決定される。また、窒化後の磁石特性は、そのほかの製
造条件が同じであれば急冷合金の冷却速度によってほぼ
決まる。したがって、高性能の磁石を安定して製造する
ためには、急冷合金の冷却速度を一定に保つ必要があ
る。
【0015】しかし、上述したように吐出速度が不安定
となると、急冷合金の冷却速度が1ロット内でばらつい
てしまう。急冷合金の冷却速度のばらつきは、急冷合金
の結晶組織構造をX線回折により解析したり、窒化後に
磁気特性を測定したりすることにより判定できる。
【0016】吐出速度の変動によって冷却速度にばらつ
きが生じる理由を調べたところ、吐出速度が変動する
と、合金溶湯およびその凝固体が冷却ロールと接触する
時間が1ロット内でばらついたり、合金溶湯およびその
凝固体の冷却ロール周面における滑りまたは密着の程度
が1ロット内でばらついたりするためであることがわか
った。
【0017】合金溶湯は、冷却ロール周面で冷却されて
凝固し、急冷合金となった後、冷却ロール周面の接線方
向にほぼ沿って飛翔する。このとき、合金溶湯およびそ
の凝固体が冷却ロール周面に接触する時間にばらつきに
生じたり、合金溶湯およびその凝固体の冷却ロール周面
における滑りや密着の程度にばらつきが生じたりする
と、凝固体(急冷合金)の飛翔方向が変動する。実際に
単ロール法において急冷合金の飛翔方向を観察してみる
と、大部分の急冷合金は一定方向に飛翔するが、ときお
り、前記一定方向の上側または下側に飛翔する急冷合金
が認められた。
【0018】そこで、冷却ロール周面から飛翔したすべ
ての急冷合金のうち、ほぼ一定方向に飛翔した急冷合金
の比率を求めれば、冷却速度がほぼ一定であった急冷合
金の比率がわかることになる。したがって、この比率か
ら、急冷合金を選別せずに全体を磁石化したときの磁石
特性が推定できる。また、冷却速度がほぼ一定であった
急冷合金を選択的に捕集して磁石化すれば、高特性の磁
石が得られる。このように選択的に捕集して磁石化する
場合、ほぼ一定方向に飛翔した急冷合金の比率が高いほ
ど歩留まりが高くなる。このような考えに基づいて、本
明細書ではほぼ一定方向に飛翔した急冷合金の比率を、
冷却速度ばらつき評価の指標として用いる。
【0019】具体的には、図1において、合金溶湯の吐
出方向と冷却ロール周面とが交差する位置をEPで表し
たとき、位置EPを中心とする扇状領域内を飛翔する急
冷合金を捕集する。この扇状領域の中心角αは、評価基
準として適宜設定するが、通常、2〜10°の範囲から
選択する。また、位置EPにおける冷却ロール周面の接
線をTLで表したとき、この扇状領域は接線TLが含ま
れるように設定される。この扇状領域は、これを2分割
する直線が接線TLより下側に存在するように設定され
ることが好ましく、前記2分割する直線と接線TLとの
なす角度が0〜2°となるように設定されることが、よ
り好ましい。
【0020】上記扇状領域内を飛翔する急冷合金は、冷
却速度がほぼ同じであったものであり、そのため、捕集
された急冷合金を用いて製造された磁石は、高特性であ
る。これに対し、上記扇状領域より上側に飛翔した急冷
合金は、冷却ロール周面に密着せずに跳ね返ったものが
大部分であり、一方、下側に飛翔した急冷合金は、冷却
ロール周面に密着せずに滑って落下したものが大部分で
ある。
【0021】上記扇状領域内を飛翔する急冷合金を選択
的に捕集するための手段は特に限定されない。具体的な
捕集手段としては、例えば図1に示すように、上記扇状
領域が通る開口を有する板状の遮蔽手段10が挙げられ
る。上記扇状領域内を飛翔する急冷合金はこの開口を通
って捕集され、一方、上記扇状領域から外れて飛翔する
急冷合金は、遮蔽手段10に衝突して落下する。遮蔽手
段10に設ける開口の形状は特に限定されないが、通
常、矩形、円形または長円形とすればよい。なお、横方
向に大きくずれて飛翔する急冷合金も、所定の冷却速度
が得られなかったものなので、上記開口の寸法は横方向
においても規制することが好ましい。具体的には、ノズ
ルの合金溶湯吐出口の中心位置に対し、横方向に±10
mm以下の範囲に開口が存在するように、開口幅を設定す
ることが好ましい。また、急冷合金の量産に際しては、
生産性を高くするために、ノズルに複数の合金溶湯吐出
口を横方向に並べて設けることがあるが、この場合に
は、左右両端に存在する吐出口の中心位置に対し、左右
それぞれ10mm以下の範囲に開口が存在するように、開
口幅を設定することが好ましい。
【0022】図1に示す構成の遮蔽手段10は、冷却ロ
ールの頂部位置TPから300〜2000mm程度離して
設置することが好ましい。設置する位置が冷却ロールに
近すぎると、遮蔽手段10に衝突した急冷合金が跳ね返
って冷却ロールやノズルの方向に戻り、連続的な出湯を
妨げたり、冷却ロール周面からの急冷合金の飛翔を妨げ
たりしやすい。一方、設置する位置が冷却ロールから遠
すぎると、設備が大型化し、コスト高となる。また、設
置位置が遠すぎる場合には、飛翔中の運動エネルギー減
衰が大きくなるため、遮蔽手段10の位置における飛翔
方向と、冷却ロール周面から離れた直後の飛翔方向との
ずれが大きくなる。その結果、好ましい速度で冷却され
た急冷合金を上記扇状領域内において捕集することが困
難となる。
【0023】捕集手段としては、図1に示す構造の遮蔽
手段10のほか、図2(A)に示すような回収箱11を
用いることもできる。この回収箱11は、図1の遮蔽手
段10と同様な開口をもつ箱状体である。また、図2
(B)に示すように、急冷合金回収溝12内に仕切りを
設けても、一定範囲に飛翔する急冷合金だけを捕集する
ことができる。
【0024】図1に示す面内において、合金溶湯の吐出
方向と鉛直方向とのなす角度をθ(単位:度)、合金溶
湯の吐出位置をDP、冷却ロール頂部の位置をTP、位置
Pと位置DPとの間の水平方向距離をHL(単位:m
m)、位置TPと位置DPとの間の鉛直方向距離をVL(単
位:mm)、冷却ロールの直径をφ(単位:mm)でそれぞ
れ表したとき、上記歩留まり評価を行うに際しては、好
ましくは 0<θ≦50、 0≦HL≦40、 0≦VL≦30、 0<HL+VL、 250≦φ≦650 とし、より好ましくは 5≦θ≦40、 0≦HL≦40、 0≦VL≦20、 5≦HL+VL、 390≦φ≦410 とする。
【0025】0<θである場合、合金溶湯は、冷却ロー
ル2の回転方向前方側に吐出されることになる。このよ
うに角度をつけて吐出することにより、合金溶湯がロー
ル周面で跳ねた場合でも、跳ね返った溶湯がノズルに付
着せず、出湯が阻害されない。ただし、角度θが大きす
ぎると、合金溶湯がロール周面で滑ってパドルを形成し
にくくなるため、θは上記範囲内とする。なお、パドル
とは、ノズルから吐出された合金溶湯が、冷却ロール周
面上において形成する溜まりのことであり、合金溶湯の
冷却速度を安定させるためには、パドルを安定して形成
することが必要である。
【0026】距離HLが長すぎたり距離VLが長すぎたり
すると、合金溶湯の温度が低下してしまう。一方、HL
+VLがゼロであると、合金溶湯を吐出できない。ま
た、HL+VLが短すぎると、冷却ロール周面で跳ねた合
金溶湯がノズルに付着しやすくなる。
【0027】冷却ロールの直径φが小さすぎると、例え
ば50m/s以上の周速度を得るためには回転数を著しく
高くする必要が生じるため、冷却ロール駆動系の負担が
大きくなってしまう。また、冷却ロールの熱容量が小さ
くなるため、連続して急冷を行ったときに冷却ロール温
度を安定させることが難しくなる。一方、冷却ロールの
直径φが大きすぎると、冷却ロールが重量が大きくな
り、価格も高くなるため、コストパフォーマンスが低く
なる。なお、上記したθ、HL、VLの範囲は、上記範囲
のφに対して最適化された範囲である。
【0028】上記した冷却速度ばらつき評価方法は、窒
化して磁石化したときに高特性が得られる急冷合金を選
別する方法としても利用できる。すなわち、上記扇状領
域を飛翔した急冷合金だけを選別して捕集し、この捕集
された急冷合金だけを使用して窒化磁石を製造すれば、
冷却速度が最適ではなかった急冷合金の混入を防ぐこと
ができるので、高特性の希土類窒化磁石が得られる。そ
の場合、上記扇状領域の中心角αは、好ましくは2〜1
0°、より好ましくは2〜5°とする。中心角αが小さ
すぎると、材料歩留まりが低くなりすぎる。また、中心
角αが上記範囲を下回るように扇状領域を設定しても、
磁石の特性はそれほど向上しない。一方、中心角αが大
きすぎると、窒化後に高特性の磁石とはならない急冷合
金の混入率が高くなる。なお、捕集されなかった急冷合
金は、合金溶湯の材料として再利用することが可能であ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、Sm−Fe−N系磁石の製
造を例に挙げて本発明を説明する。
【0030】Sm−Fe−N系磁石は、R(Rは希土類
元素の1種以上であり、Smを必ず含む)、T(Tは、
Fe、またはFeおよびCoである)およびNを含有す
る磁石である。本発明ではこの磁石を製造するに際し、
RおよびTを含有する合金溶湯を冷却基体に衝突させる
ことにより急冷合金を得る急冷工程と、前記急冷合金に
対し組織構造制御のための熱処理を施す熱処理工程と、
前記熱処理が施された合金に対し窒化処理を施すことに
より磁石を得る窒化処理工程とを設ける。
【0031】急冷工程 急冷工程では、単ロール法を用いることが好ましい。単
ロール法では、合金溶湯をノズルから吐出して冷却ロー
ル周面に衝突させることにより、合金溶湯を急速に冷却
し、薄帯状または薄片状の急冷合金を得る。単ロール法
は、他の液体急冷法に比べ、量産性が高く、急冷条件の
再現性が良好である。単ロール法における条件は特に限
定されないが、冷却ロールの周速度を好ましくは50m/
s以上とする。冷却ロールの周速度をこのように高くす
れば、急冷合金がアモルファス相を含む微結晶状態とな
るため、その後の熱処理により任意の結晶粒径が実現可
能となり、窒化も容易となる。また、急冷合金が薄くな
るため、より均質な急冷合金が得られる。なお、冷却ロ
ールの周速度は、通常、120m/s以下とすることが好
ましい。冷却ロールの周速度が速すぎると、合金溶湯と
冷却ロール周面との密着性が悪くなって熱移動が効果的
に行なわれなくなる。このため、実効冷却速度が遅くな
ってしまう。
【0032】本発明で用いるノズルでは、少なくとも合
金溶湯の吐出路を構成する表面付近が、非酸化物材料か
ら構成され、かつ、この非酸化物材料の酸素含有率が
0.2質量%以下とされる。これにより、合金溶湯冷却
時にノズルが詰まりにくくなる。なお、通常は、ノズル
全体をこのような非酸化物材料から構成する。
【0033】上記非酸化物材料は、窒化物であることが
好ましい。窒化物としては、窒化ホウ素、窒化ケイ素お
よび窒化アルミニウムから選択される少なくとも1種を
含むものが好ましく、これらのうちでは、加工しやすい
こと、熱衝撃に強いことから、窒化ホウ素を含むもの、
特に窒化ホウ素からなるものがより好ましい。これらの
窒化物を用いることにより、本発明の効果はいっそう高
くなる。
【0034】上記非酸化物材料の酸素含有率は実質的に
ゼロであってもよいが、酸素含有率を極端に低くすると
ノズルの機械的強度が低くなりやすい。この機械的強度
の低下は、窒化ホウ素を含有するノズル、特に窒化ホウ
素からなるノズルにおいて特に著しい。このような機械
的強度の低下を防ぐためには、非酸化物材料中の酸素含
有率を0.05質量%以上とすることが好ましい。
【0035】なお、非酸化物材料の酸素含有率は、ガス
分析法により測定することができる。具体的には、試料
を高温加熱したときに発生したガスの赤外線吸収を測定
することにより、酸素含有率を求めることができる。
【0036】ノズルは、合金溶湯を貯める坩堝の下部に
固定される。坩堝の構成材料は特に限定されず、例えば
アルミナなどの酸化物であってもよい。
【0037】ノズルの合金溶湯吐出路の開口形状および
開口寸法は特に限定されないが、希土類磁石の製造に用
いる場合には、開口形状は円形とし、その直径は0.6
〜1.2mm程度とすることが好ましい。ただし、開口形
状を矩形としてもよい。開口形状を矩形とする場合、開
口の面積は円形開口の場合と同等とすることが好まし
く、開口の長軸長さは5〜10mm程度とすることが好ま
しい。また、吐出路の長さは、通常、1〜15mm程度と
することが好ましい。開口の寸法が小さすぎると、吐出
路が詰まりやすくなり、また、生産性が低くなる。一
方、開口の寸法が大きすぎると、単位時間当たりの吐出
量が多くなって急冷合金が厚くなりすぎるため、十分な
冷却速度を得ることが難しくなる。
【0038】急冷は、不活性ガス雰囲気中で行う。不活
性ガスとしては、希ガス、特にArガスを用いることが
好ましい。なお、雰囲気圧力を可能な限り低くして真空
に近づけてもよいが、好ましくは雰囲気圧力を4〜86
kPaとする。雰囲気圧力が低すぎると、合金溶湯中に含
まれるSmの蒸発が活発となるため、所望の組成の急冷
合金が得られにくくなる。また、合金溶湯と冷却ロール
周面との間のガス層が薄くなるため、合金溶湯が冷却ロ
ール周面に密着して反応しやすくなる。その結果、冷却
ロール周面に合金またはその反応物が埋め込まれた状態
となったり、合金が冷却ロール周面に強固に付着したり
しやすくなり、安定した急冷を行うことが難しくなる。
一方、雰囲気圧力が高すぎると、合金溶湯と冷却ロール
周面との間のガス層が厚くなるため、合金溶湯の凝固時
にガス巻き込みが生じ、冷却ロール周面への熱移動が阻
害されたり、熱移動が不均一となったりしやすい。その
結果、所望の冷却速度が得られなくなったり、冷却速度
にばらつきが生じたりしやすい。
【0039】粉砕工程 次に、上記方法により得た急冷合金を粉砕し、合金粉末
とする。粉砕は、ArやN2等の不活性ガス中において
行う。合金粉末の平均粒径は特に限定されないが、同一
粒子中に結晶性が大きく異なる領域ができるだけ存在し
ないような粒径であることが好ましく、また、磁石粉末
として使用可能な粒径であることが好ましい。具体的に
は、ボンディッド磁石に適用する場合、平均粒径は、通
常、10μm以上とすることが好ましいが、十分な耐酸
化性を得るためには、平均粒径を好ましくは30μm以
上、より好ましくは50μm以上、さらに好ましくは7
0μm以上とすることがよい。また、この程度の平均粒
径とすることにより、高密度のボンディッド磁石とする
ことができる。一方、平均粒径の上限は、好ましくは1
000μm、より好ましくは250μmである。なお、こ
の場合の平均粒径とは、篩別により求められた質量平均
粒径D50を意味する。質量平均粒径D50は、径の小さな
粒子から質量を加算していって、その合計質量が全粒子
の合計質量の50%となったときの粒径、すなわち粒度
分布グラフにおける累積頻度である。なお、熱処理後お
よび/または窒化処理後に、必要に応じてさらに粉砕し
てもよい。
【0040】熱処理工程 次に、合金粉末に熱処理を施す。この熱処理は、結晶化
を進めて、TbCu7型やTh2Zn17型等の結晶相と、
bcc構造T相等の軟質磁性相とを析出させるためのも
のである。この熱処理における処理温度は、好ましくは
500〜800℃、より好ましくは650〜775℃で
あり、処理時間は処理温度にもよるが、通常、10分間
〜10時間程度とする。この熱処理は、Ar、He等の
不活性雰囲気中や真空中で行なうことが好ましい。
【0041】窒化処理工程 熱処理後、合金粉末に窒化処理を施す。窒化処理は、窒
素ガス雰囲気中で合金粉末に熱処理を施すことにより行
う。この処理により、TbCu7型やTh2Zn 17型等の
結晶に窒素原子が侵入して侵入型の固溶体が形成され、
硬質磁性相となり、磁石粉末が得られる。窒化処理の際
の処理温度は、好ましくは350〜700℃、より好ま
しくは350〜550℃であり、処理時間は、好ましく
は0.1〜300時間である。窒素ガスの圧力は、0.
1気圧程度以上とすることが好ましい。なお、窒化処理
に高圧窒素ガスを用いたり、窒素ガス+水素ガスを用い
たり、アンモニアガスを用いたりすることもできる。
【0042】なお、熱処理および窒化処理の前に粉砕せ
ず、熱処理後および/または窒化処理後に粉砕してもよ
い。
【0043】ボンディッド磁石 希土類窒化磁石の粉末は、通常、ボンディッド磁石に適
用される。ボンディッド磁石は、磁石粒子をバインダで
結合することにより作製される。ボンディッド磁石とし
ては、プレス成形を用いるコンプレッションボンディッ
ド磁石、射出成形を用いるインジェクションボンディッ
ド磁石が挙げられる。バインダとしては、各種樹脂を用
いることが好ましいが、金属バインダを用いてメタルボ
ンディッド磁石とすることもできる。樹脂バインダの種
類は特に限定されず、エポキシ樹脂やナイロン等の各種
熱硬化性樹脂や各種熱可塑性樹脂から目的に応じて適宜
選択すればよい。金属バインダの種類も特に限定されな
い。また、磁石粒子に対するバインダの含有比率や成形
時の圧力等の各種条件にも特に制限はなく、通常の範囲
から適当に選択すればよい。ただし、結晶粒の粗大化お
よび磁石粒子の酸化を防ぐために、高温の熱処理が必要
な方法は避けることが好ましい。
【0044】磁石組成 次に、本発明を用いて製造される磁石について、その好
ましい組成および組織構造を説明する。この磁石は、
R、TおよびNのほか、さらに元素M(Mは、Zr、T
i、V、Cr、Nb、Hf、Ta、Mo、W、Al、
C、PおよびGaから選択される少なくとも1種の元素
である)を含有することが好ましい。
【0045】硬質磁性相はR、TおよびNを主体とし、
六方晶系のTbCu7型結晶構造および/またはTh2
17型結晶構造をもち、これらの結晶構造に窒素が侵入
した構造である。TbCu7型結晶構造では、Rは主と
してTbサイトに、Tは主としてCuサイトに存在す
る。Mは、元素によっても異なるが、主としてTbサイ
トに存在し、Cuサイトに存在する場合もある。また、
Mは、軟質磁性相であるT相に固溶することもあるが、
MとTとで別の化合物を形成することもある。Th2
17型結晶構造では、Rは主としてThサイトに、Tは
主としてZnサイトに存在する。Mが置換するサイト
は、Mの種類によって異なると考えられる。
【0046】軟質磁性相はbcc構造のT相および/ま
たはNを含有するT相である。bcc構造T相は、実質
的にα−Fe相であるか、α−Fe相のFeの一部がC
o、M、R等で置換されたものであるか、これらの混相
であると考えられる。また、Nを含有するT相は、窒素
の固溶体および/またはTの窒化物などから構成される
と考えられる。
【0047】なお、磁石中には、硬質磁性相および軟質
磁性相以外の結晶相として、Fe3Zr相などが含まれ
ることがある。
【0048】Rの含有量は4〜9原子%、Nの含有量は
10〜20原子%、Mの含有量は0〜10原子%、特に
1〜10原子%であることが好ましい。残部は実質的に
Tである。
【0049】Sm以外のRとしては、通常、Y、La、
Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu等の1種以上を用いる。硬質磁性
相はTbCu7型やTh2Zn17型の結晶構造に窒素が侵
入した構成であり、このような硬質磁性相ではRがSm
であるときに最も高い結晶磁気異方性を示す。Smの比
率が低いと結晶磁気異方性が低下し保磁力も低下するた
め、R中のSm比率は、通常、50原子%以上とする。
【0050】N含有量が少なすぎると、キュリー温度の
上昇、保磁力の向上、角形比の向上、飽和磁化の向上お
よび最大エネルギー積の向上が不十分となり、N含有量
が多すぎると、残留磁束密度が低下する傾向を示すと共
に角形比が低くなって最大エネルギー積も低くなる。N
含有量はガス分析法などにより測定することができる。
【0051】元素Mが含まれないと、合金製造時あるい
は熱処理時に軟質磁性相の粗大な結晶粒が析出しやすく
なる。これを均質で微細な組織構造とするためには、適
当な条件で熱処理を施せばよいが、このときに許容され
る条件の幅が狭いため、元素Mは基本的に含有されるこ
とが好ましい。また、元素Mを添加することにより保磁
力も向上する。ただし、Mの含有量が多すぎると、残留
磁束密度が低くなる。
【0052】上記各元素を除いた残部が実質的にTであ
る。Tは、Feであるか、あるいはFeおよびCoであ
る。Coの添加は特性を向上させるが、残留磁束密度の
低下を抑えるためにはT中のCoの比率を50原子%以
下とすることが好ましい。
【0053】
【実施例】実施例1 Sm8Fe84.5Zr3.5Co4(原子百分率)合金からな
る溶湯を、Be−Cu合金からなる冷却ロールを用いた
単ロール法により冷却し、急冷合金を得た。冷却はAr
ガス雰囲気中で行った。このとき、冷却ロールの周速度
は75m/sとした。合金溶湯を貯める坩堝にはアルミナ
製のものを用い、その下部に、窒化ホウ素またはアルミ
ナからなるノズルを固定した。ノズルの合金溶湯吐出路
は、開口が直径1mmの円形であり、長さは5mmである。
このノズルは、幅80mmの範囲に5つの溶湯吐出口がピ
ッチ20mmで配列したものである。窒化ホウ素からなる
ノズルについて、ガス分析法により測定した酸素含有量
を表1に示す。
【0054】合金溶湯は、67kPaの圧力で吐出させ、
前記した方法により急冷合金の歩留まりを測定すると共
に、合金溶湯の出湯率を求めた。急冷合金の歩留まり測
定に際しては、冷却ロール設置室に、図1に示す構造の
遮蔽手段10を設置した。この遮蔽手段10には、縦1
80mm、横100mmの矩形状の開口を設けたCu板を用
いた。図1に示す断面における前記開口の位置および寸
法は、前記扇状領域において、中心角αが10°とな
り、かつ、扇状領域を2分割する直線が接線TLの1°
下方に存在するように設定した。なお、冷却ロール頂部
の位置TPと遮蔽手段10との距離は、1000mmとし
た。また、図1に示す面内において、 θ=30(°)、 HL=35(mm)、 VL=12(mm)、 φ=410(mm) とした。
【0055】表1に示す出湯率、歩留まり1および歩留
まり2は、以下のようにして求めた。坩堝内に充填され
た合金溶湯の質量をAとし、ノズルが完全に詰まるまで
にノズルから出湯された合金溶湯の質量をBとし、遮蔽
手段10の開口を通り抜けて回収された急冷合金の質量
をCとする。出湯率はB/Aであり、歩留まり1はC/
Aであり、歩留まり2はC/Bである。このようにして
求めた歩留まりが高いということは、冷却速度がほぼ揃
った急冷合金の比率が高いということであり、高特性の
磁石を歩留まりよく製造できることを意味する。なお、
この評価において、質量Aは100kgとした。
【0056】
【表1】
【0057】表1から、本発明の効果が明らかである。
すなわち、酸素含有量を所定範囲内に抑えた窒化ホウ素
からなるノズルを用いると、出湯率および歩留まりが飛
躍的に向上することがわかる。
【0058】なお、表1において出湯率が94%であっ
たケースでは、ノズルには最後まで詰まりは生じなかっ
た。このケースにおいて出湯率が100%とならなかっ
たのは、合金溶湯の一部が坩堝内に付着して残留したた
めである。
【0059】実施例2 実施例1の各ケースにおいて、遮蔽手段10の開口を通
り抜けて回収された急冷合金に対し、組織構造制御のた
めの熱処理をArガス雰囲気中において750℃で1時
間施した。熱処理後にX線(Cu−Kα線)回折および
透過型電子顕微鏡による観察を行なったところ、TbC
7型結晶相とbcc構造α−Fe相とを含む多結晶複
合組織となっており、アモルファス相は実質的に消失し
ていた。
【0060】次に、結晶化した合金を約150μm以下
の径まで粉砕し、1気圧の窒素ガス雰囲気中において4
50℃で20時間窒化処理を施し、磁石粉末サンプルと
した。
【0061】また、比較のために、遮蔽手段10を設け
ず、製造した急冷合金の全体に対し上記熱処理および窒
化処理を施して磁石粉末サンプルを製造した。
【0062】これらの磁石粉末サンプルについて、VS
M(試料振動型磁力計)により残留磁束密度(Br)、
保磁力(HcJ)、角形比(Hk/HcJ)および最大エネ
ルギー積((BH)max)を測定した。これらの結果を表2
に示す。なお、蛍光X線分析およびガス分析により求め
たサンプルの組成は、原子比で (Sm7.5Fe85Zr3.5Co40.8515 であった。
【0063】上記Hk/HcJにおけるHkは、磁気ヒス
テリシスループの第2象限において磁束密度が残留磁束
密度の90%になるときの外部磁界強度である。Hkが
低いと高い最大エネルギー積が得られない。Hk/HcJ
は、磁石性能の指標となるものであり、磁気ヒステリシ
スループの第2象限における角張りの度合いを表わす。
HcJが同等であってもHk/HcJが大きいほど磁石中の
ミクロ的な保磁力の分布がシャープとなるため、着磁が
容易となり、かつ着磁ばらつきも少なくなり、また、最
大エネルギー積が高くなる。そして、磁石使用時の外部
からの減磁界や自己減磁界の変化に対する磁化の安定性
が良好となり、磁石を含む磁気回路の性能が安定したも
のとなる。
【0064】
【表2】
【0065】表2から、本発明の効果が明らかである。
すなわち、ケースNo.1およびNo.2において、遮蔽手段
10を用いて選別した急冷合金を用いて製造した磁石粉
末は磁石特性が十分に高いが、選別しなかった場合の磁
石特性はかなり低くなっている。これに対し、本発明の
ケースNo.3では、選別しなかった場合も選別した場合
とほとんど変わらない磁石特性が得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】単ロール法で用いる冷却装置の冷却ロール付近
を模式的に示す断面図である。
【図2】(A)および(B)は、単ロール法で用いる冷
却装置の冷却ロール付近を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
2 冷却ロール 3 ノズル 10 遮蔽手段 11 回収箱 12 回収溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合金溶湯をノズルから吐出して冷却基体
    に衝突させることにより急冷合金を得る急冷工程を有
    し、 前記ノズルは、少なくとも合金溶湯の吐出路を構成する
    表面付近が非酸化物材料から構成され、この非酸化物材
    料の酸素含有率が質量比で0.2%以下である急冷合金
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記非酸化物材料が窒化物である請求項
    1の急冷合金の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記窒化物が窒化ホウ素、窒化ケイ素お
    よび窒化アルミニウムから選択される少なくとも1種を
    含む請求項2の急冷合金の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記合金溶湯が希土類元素を含む請求項
    1〜3のいずれかの急冷合金の製造方法。
  5. 【請求項5】 希土類元素を含む合金溶湯を冷却基体に
    衝突させることにより急冷合金を得る急冷工程を有し、 前記急冷工程において、請求項1〜4のいずれかの急冷
    合金の製造方法を利用する希土類磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくともR(Rは希土類元素の1種以
    上であり、R中のSm比率は50原子%以上である)、
    T(TはFe、またはFeおよびCoである)およびN
    を含有する磁石が製造される請求項5の希土類磁石の製
    造方法。
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