JP2006165125A - 熱電材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 中・低温域で相対的に高い熱電特性を示し、しかも、環境負荷の大きい元素の含有量が相対的に少ない熱電材料を提供すること。
【解決手段】 AgAsMg型結晶構造を有し、原子当たりの価電子数が6であり、かつ、前記AgAsMg型結晶構造の3つのサイトの内、少なくとも2つのサイトには、それぞれ、価電子数の異なる2種以上の原子を含むハーフホイスラー化合物を含む熱電材料。ハーフホイスラー化合物は、ドーパントをさらに含み、かつ、原子当たりの価電子数が5.9以上6.1以下(原子当たりの価電子数が6であるものを除く)であるものでも良い。このようなハーフホイスラー化合物は、所定の組成となるように配合された原料を溶解し、溶湯を急冷させることにより得られる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、熱電材料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、ハーフホイスラー化合物を主成分とする熱電材料及びその製造方法に関する。
熱電変換とは、ゼーベック効果やペルチェ効果を利用して、電気エネルギーを冷却や加熱のための熱エネルギーに、また逆に熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換することをいう。熱電変換は、(1)エネルギー変換の際に余分な老廃物を排出しない、(2)排熱の有効利用が可能である、(3)材料が劣化するまで継続的に発電を行うことができる、(4)モータやタービンのような可動装置が不要であり、メンテナンスの必要がない、等の特徴を有していることから、エネルギーの高効率利用技術として注目されている。
熱エネルギと電気エネルギとを相互に変換できる材料、すなわち、熱電材料の特性を評価する指標としては、一般に、性能指数Z(=Sσ/κ、但し、S:ゼーベック係数、σ:電気伝導度、κ:熱伝導度)、又は、性能指数Zと、その値を示す絶対温度Tの積として表される無次元性能指数ZTが用いられる。ゼーベック係数は、1Kの温度差によって生じる起電力の大きさを表す。熱電材料は、それぞれ固有のゼーベック係数を持っており、ゼーベック係数が正であるもの(p型)と、負であるもの(n型)に大別される。
また、熱電材料は、通常、p型の熱電材料とn型の熱電材料とを接合した状態で使用される。このような接合対は、一般に、「熱電素子」と呼ばれている。熱電素子の性能指数は、p型熱電材料の性能指数Z、n型熱電材料の性能指数Z、並びに、p型及びn型熱電材料の形状に依存し、また、形状が最適化されている場合には、Z及び/又はZが大きくなるほど、熱電素子の性能指数が大きくなることが知られている。従って、性能指数の高い熱電素子を得るためには、性能指数Z、Zの高い熱電材料を用いることが重要である。
このような熱電材料としては、
(1)Bi−Te系、Pb−Te系、Si−Ge系等の化合物半導体、
(2)NaCoO(0.3≦x≦0.8)、(ZnO)In(1≦m≦19)、CaCo等のCo系酸化物セラミックス、
(3)Zn−Sb系、Co−Sb系、Fe−Sb系等のスクッテルダイト化合物、
(4)ZrNiSn等のハーフホイスラー化合物、などが知られている。
これらの内、Bi−Te系、Pb−Te系の化合物半導体は、低温域では高いZTを示すが、中・高温域では使用できず、かつ、Pb、Te、Sb等の環境負荷の大きい元素を多量に含むという問題がある。また、Ge−Si系の化合物半導体は、600℃以下の中・低温域での特性が低い(ZT<0.5)。さらに、Co系酸化物セラミックスは、高温域でも使用でき、単結晶ではZT>1という報告もあるが、バルク材料では、ZT<0.5にとどまっている。
スクッテルダイト化合物は、中・低温域において相対的に高い熱電特性を示すp型熱電材料である。また、ある種のスクッテルダイト化合物は、527℃(800K)においてZT>1となることが知られている。例えば、自動車の排ガス温度は約800Kであるので、このようなスクッテルダイト化合物を使用した熱電素子を用いれば、高効率の廃熱回収システムを得ることも可能になると期待されている。
さらに、ハーフホイスラー化合物は、中・低温域で相対的に高い熱電特性を示すn型熱電材料である。ここで、「ハーフホイスラー化合物」とは、ホイスラー合金CuAlMnのCuサイト原子の半分が欠損した構造を持つ一連の化合物をいう。ハーフホイスラー化合物は、中・低温域で相対的に高い熱電特性を示すので、スクッテルダイト化合物と組み合わせて使用する相手材の候補材料の1つと考えられている。そのため、ハーフホイスラー化合物の組成に関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1及び非特許文献1には、Zr0.5Hf0.5Ni1−xPdSn0.99Sb0.01(x=0.2又は0.5)組成を有するハーフホイスラー化合物からなる熱電材料が開示されている。同文献には、
(1)Niの一部をPdで置換することによって、結晶格子中に質量欠陥が導入され、これによって格子の熱伝導度が低下する点、
(2)1at%のSbドープによって、電気比抵抗が小さくなる点、及び、
(3)Hf0.5Zr0.5Ni0.8Pd0.2Sn0.99Sb0.01組成を有するハーフホイスラー化合物の800Kにおける無次元性能指数ZTは、0.7(最大値)である点、
が記載されている。
また、非特許文献2には、Ti0.5(Zr0.5Hf0.5)0.5NiSn0.998Sb0.002組成を有するハーフホイスラー化合物からなる熱電材料が開示されている。同文献には、
(1)(Zr、Hf)サイトをTiで置換することによって熱伝導度が大きく低下し、ゼーベック係数も増加する点、
(2) SnサイトにSbをドープすることによって、電気伝導度が増加する点、及び、
(3) 700Kにおいて無次元性能指数ZTが1.5になる点、
が記載されている。
また、非特許文献3には、(ZrHf1−x)0.7Ti0.3NiSn(x=0.3、0.4、0.5、0.6、0.7)組成を有するハーフホイスラー化合物からなる熱電材料が開示されている。同文献には、(Zr0.7Hf0.3)0.7Ti0.3NiSn組成において、800Kにおける無次元性能指数ZTが0.32(最大値)となる点が記載されている。
さらに、非特許文献4には、一般式:Zr1−x−yNbNiSn(y−x=0.02、0.02≦y≦0.05)で表されるハーフホイスラー化合物からなる熱電材料が開示されている。同文献には、x=0(Zr0.98Nb0.02NiSn)において、573KでZTが最大値(0.34)になる点が記載されている。
米国特許出願公開第2004/0112418号明細書 Q.Shen et al., Appl. Phys. lett., 79, 4165(2001) N.Shutoh et al., Proc. 22nd Int. Conf. Thermoelectrics (2003), P312 黒崎 健 他、第1回日本熱電学会学術講演論文集、p24 勝山 茂 他、第1回日本熱電学会学術講演会論文集、p22
スクッテルダイト化合物からなるp型熱電材料を用いた熱電素子において、高い熱電変換効率を得るためには、中・低温域において高いZTを示す相手材(n型熱電材料)が必要である。熱電材料の実用化の目安は、ZT>1である。
しかしながら、従来のハーフホイスラー化合物では、ZT>1とするのは困難である。なお、非特許文献2には、700KにおけるZTが1.5であるハーフホイスラー化合物が記載されているが、非特許文献2の報告例は再現性に乏しく、現在の学会において、データの真偽が問われているのが現状である。
さらに、中・低温域において高い熱電特性を示すスクッテルダイト化合物の多くは、Sb等の環境負荷の大きい元素を多量に含むという問題がある。そのため、環境負荷の大きい元素の含有量が相対的に少なく、かつ、中・低温域で高い熱電特性を示すp型熱電材料が望まれている。
本発明が解決しようとする課題は、中・低温域で相対的に高い熱電特性を示す熱電材料及びその製造方法を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、中・低温域で相対的に高い熱電特性を示し、しかも、環境負荷の大きい元素の含有量が相対的に少ない熱電材料を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る熱電材料は、AgAsMg型結晶構造を有し、原子当たりの価電子数が6であり、かつ、前記AgAsMg型結晶構造の3つのサイトの内、少なくとも2つのサイトには、それぞれ、価電子数の異なる2種以上の原子を含むハーフホイスラー化合物を含むことを要旨とする。この場合、前記ハーフホイスラー化合物は、ドーパントをさらに含み、かつ、原子当たりの価電子数が5.9以上6.1以下(原子当たりの価電子数が6であるものを除く)であるものでも良い。
また、本発明に係る熱電材料の製造方法は、本発明に係るハーフホイスラー化合物となるように配合された原料を溶解する溶解工程と、該溶解工程で得られた溶湯を急冷凝固させる急冷工程とを備えていることを要旨とする。
ハーフホイスラー化合物において、原子当たりの価電子数が6に維持されるように、少なくとも2つのサイトを占める原子の一部を価電子数の異なる原子で置換すると、キャリアの移動度を低下させることなく、熱伝導度κを小さくし、かつ、ゼーベック係数Sを大きくすることができる。また、このようなハーフホイスラー化合物に対し、さらに適量のドーパントをドーピングすると、電気伝導度σが増加し、中・低温域において高い熱電特性を示す。
このようなハーフホイスラー化合物は、目的とする組成となるように配合された原料を溶解させ、所定の値以上の冷却速度で急冷凝固させることにより得られる。
以下に本発明の一実施の形態につて詳細に説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る熱電材料は、AgAsMg型結晶構造を有し、原子当たりの価電子数が6であり、かつ、AgAsMg型結晶構造の3つのサイトの内、少なくとも2つのサイトには、それぞれ、価電子数の異なる2種以上の原子を含むハーフホイスラー化合物を含むものからなる。
図1に、AgAsMg型結晶構造の単位胞の模式図を示す。ハーフホイスラー化合物は、AgAsMg型結晶構造(空間群F43m)を有し、一般式:XYZで表される。X原子及びZ原子は、それぞれ、4a(0、0、0)サイト(以下、単に「4aサイト」という。)及び4b(1/2、1/2、1/2)サイト(以下、単に、「4bサイト」という。)に位置しており、X原子及びZ原子は岩塩構造を形成している。Y原子は、八面体状に配位したポケット(X原子及びZ原子で構成される立方体の中心)、すなわち、4c(1/4、1/4、1/4)サイト(以下、単に「4cサイト」という。)に位置している。他のポケット、すなわち、4d(3/4、3/4、3/4)サイト(以下、単に「4dサイト」という。)は、空になっている。
本実施の形態に係るハーフホイスラー化合物において、原子当たりの価電子数は、6である。原子当たりの価電子数が6(又は、総価電子数が18)であるハーフホイスラー化合物は、半導体的特性を示し、適度な大きさのゼーベック係数Sと電気抵抗率ρを持つことが知られている。
なお、ハーフホイスラー化合物XYZは、X:Y:Z=1:1:1の化合物であるので、原子当たりの価電子数#eは、次の(1)式で表される。
#e=(#e+#e+#e)/3 ・・・(1)
ここで、#e、#e及び#eは、それぞれ、X原子、Y原子及びZ原子の価電子数である。また、各サイトが複数種類の原子で占められている場合には、#e、#e及び#eは、それぞれ、各サイトを占める原子の平均の価電子数である。
また、本発明において、「価電子数」とは、化学結合に寄与する電子の数をいう。次の表1に、各原子の価電子数を示す。
Figure 2006165125
さらに、本発明に係るハーフホイスラー化合物は、上述した3つのサイトの内、少なくとも2つのサイトには、それぞれ、価電子数の異なる2種以上の原子を含むことを特徴とする。具体的には、
(1) 4aサイト又は4bサイトのいずれか一方に、価電子数が4である1種又は2種以上の原子と、価電子数が5である1種又は2種以上の原子とを含み、
他方のサイトに、価電子数が4である1種又は2種以上の原子と、価電子数が3である1種又は2種以上の原子とを含み、
4cサイトに価電子数が10である1種又は2種以上の原子を含む場合、
(2) 4aサイト又は4bサイトのいずれか一方に、価電子数が4である1種又は2種以上の原子と、価電子数が5である1種又は2種以上の原子とを含み、
他方のサイトに、価電子数が4である1種又は2種以上の原子を含み、
4cサイトに、価電子数が10である1種又は2種以上の原子と、価電子数が9である1種又は2種以上の原子を含む場合、
(3) 4aサイト又は4bサイトのいずれか一方に、価電子数が4である1種又は2種以上の原子と、価電子数が5である1種又は2種以上の原子と、価電子数が3である1種又は2種以上の原子を含み、
他方のサイトに、価電子数が4である1種又は2種以上の原子と、価電子数が3である1種又は2種以上の原子と、価電子数が5である1種又は2種以上の原子とを含み、
4cサイトに、価電子数が10である1種又は2種以上の原子をむ場合、
(4) 4aサイト及び4bサイトの双方に、価電子数が4である1種又は2種以上の原子と、価電子数が5である1種又は2種以上の原子とを含み、
4cサイトに、価電子数が10である1種又は2種以上の原子と、価電子数が8である1種又は2種以上の原子を含む場合、
などがこれに該当する。
各サイトに占める原子の種類は、特に限定されるものではなく、上述した条件を満たすものである限り、任意に選択することができる。その中でも、以下のような元素、及び、これらの組み合わせが特に好ましい。
すなわち、4aサイトの構成元素Xは、IIIa族(21Sc、39Y)、IVa族(22Ti、40Zr、72Hf)、Va族(23V、41Nb、73Ta)、及び、希土類元素(57La〜71Lu)から選ばれる1種以上の元素が好ましい。
また、4cサイトの構成元素Yは、VIIIa族(26Fe、27Co、28Ni、44Ru、45Rh、46Pd、76Os、77Ir、78Pt)及びIb族(29Cu、47Ag、79Au)から選ばれる1種以上の元素が好ましい。
さらに、4bサイトの構成元素Zは、IIIb族(B、13Al、31Ga、49In、81Tl)、IVb族(C、14Si、32Ge、50Sn、82Pb)及びVb族(N、15P、33As、51Sb、83Bi)から選ばれる1種以上の元素が好ましい。
なお、4aサイトと4bサイトは、等価である。従って、上述した組み合わせに変えて、4bサイトの構成元素ZがIIIa族、IVa族、Va族及び希土類元素から選ばれる1種以上の元素であり、4aサイトの構成元素XがIIIb族、IVb族及びVb族から選ばれる1種以上の元素であっても良い。
これらの中でも、4cサイトの構成元素Yは、Ni及び/又はCoが好ましい。4cサイトにNi及び/又はCoを含むハーフホイスラー化合物は、相対的に高い熱電特性を示す。
また、4bサイトの構成元素Z又は4aサイトの構成元素Xのいずれか一方は、Sn及び/又はSbが好ましい。4bサイト又は4aサイトのいずれか一方にSn及び/又はSbを含むハーフホイスラー化合物は、相対的に高い熱電特性を示す。
さらに、4aサイトの構成元素X又は4bサイトの構成元素Zのいずれか一方は、Ti、Zr及び/又はHfが好ましい。4aサイト又は4bサイトのいずれか一方にTi、Zr及び/又はHfを含むハーフホイスラー化合物は、相対的に高い熱電特性を示す。
また、ハーフホイスラー化合物は、環境に対する負荷の大きな元素の含有量が少ないほど良い。環境負荷の大きな元素としては、具体的には、Cd、Hg、Tl、Pb、As、Se、Te、Sb等がある。
これらの内、Cd、Hg、Tl、Pb、As、Se及びTeは、環境に対する負荷が極めて大きいので、これらの濃度は、それぞれ、ハーフホイスラー化合物を構成する全原子の0.1at%以下が好ましい。
一方、Sbは、Cd等に比べて環境に対する負荷が小さいので、Snの濃度は、ハーフホイスラー化合物を構成する全原子の5at%以下が好ましい。
各サイトに占める価電子数の異なる原子の比率は、特に限定されるものではなく、任意に選択することができる。ここで、各サイトに占める価電子数の異なる原子の内、該当するサイトに占める全原子に対するその原子の割合が50at%以下であるものを、「少数派原子」と定義する。少数派原子の割合は、50at%でも良いが、一般に、少数派原子の割合が50at%に近づくにつれて、熱電特性は低下する傾向がある。これは、イオン半径の違いから、固溶せずに異相分離しやすく、これによって電気伝導度が低下するためと考えられる。
高い熱電特性を得るためには、少数派原子の割合は、20at%以下が好ましく、さらに好ましくは、10at%以下である。
一方、少数派原子の割合が少なくなりすぎると、後述する諸効果が得られなくなり、かえって熱電特性は低下する。従って、少数派原子の割合は、0.1at%以上が好ましい。
上述した各種の条件を満たすハーフホイスラー化合物には、種々の組成を有するものが含まれる。これらの中でも、上述した諸条件に加えて、以下の条件をさらに満たすハーフホイスラー化合物は、高い熱電特性を示す。
(1) 前記ハーフホイスラー化合物は、一般式:A1−x(0.001≦x≦0.5)で表される。
(2) 前記化合物Aは、前記AgAsMg型結晶構造を有し、かつ、原子当たりの価電子数が6であるハーフホイスラー化合物からなる。
(3) 前記化合物Bは、前記AgAsMg型結晶構造を有し、かつ、原子当たりの価電子数が6であるハーフホイスラー化合物からなる。
(4) 前記化合物Bの各サイトには、それぞれ、価電子数の等しい1又は2以上の原子のみを含む。
(5) 前記化合物Aは、少なくとも2つのサイトにおいて、前記化合物Bとは価電子数が異なる元素を含む。
なお、「一般式:A1−x」は、化合物Aと化合物Bとが固溶体を形成していることを意味する。また、化合物Aは、少なくとも原子当たりの価電子数が6であれば良く、各サイトを占める元素の種類は、特に限定されるものではない。すなわち、化合物Aの各サイトには、それぞれ、価電子数の等しい1又は2以上の原子のみを含むものであっても良く、あるいは、1又は2以上のサイトにおいて、価電子数の異なる1又は2以上の原子を含むものであっても良い。さらに、少数派原子を含む化合物Bの含有量xの上限は、0.2以下が好ましく、さらに好ましくは、0.1以下である点、及び、化合物Bの含有量xの下限は、0.001以上が好ましい点は、上述した通りである。
化合物Bの第1の具体例は、一般式:RNiSb(但し、R=Sc、Y及び/又は希土類元素(La〜Lu))で表されるハーフホイスラー化合物である。
この場合、化合物Bと組み合わせて使用する化合物Aとしては、具体的には、
(Ti1−x−yZrHf)NiSn(0≦x≦1、0≦y≦1)などがある。
化合物Bの第2の具体例は、一般式:NbR'Sn(但し、R'=Co及び/又はRh)で表されるハーフホイスラー化合物である。
この場合、化合物Bと組み合わせて使用する化合物Aとしては、具体的には、
(Ti1−x−yZrHf)NiSn(0≦x≦1、0≦y≦1)などがある。
化合物Bの第3の具体例は、ScCuSnからなるハーフホイスラー化合物である。
この場合、ScCuSnと組み合わせて使用する化合物Aとしては、具体的には、
(Ti1−x−yZrHf)NiSn(0≦x≦1、0≦y≦1)などがある。
化合物Bの第4の具体例は、TiCoSbからなるハーフホイスラー化合物である。
この場合、TiCoSbと組み合わせて使用する化合物Aとしては、具体的には、
(Ti1−x−yZrHf)NiSn(0≦x≦1、0≦y≦1)などがある。
化合物Bの第5の具体例は、TiRhAsからなるハーフホイスラー化合物である。
この場合、TiRhAsと組み合わせて使用する化合物Aとしては、具体的には、
(Ti1−x−yZrHf)NiSn(0≦x≦1、0≦y≦1)などがある。
これらの中でも、RNiSbは、XNiSn(X=Ti、Zr、Hf)等からなる化合物Aと組み合わせて使用することによって、相対的に高い熱電特性が得られるので、化合物Bとして特に好適である。一方、TiRhAsは、XNiSn(X=Ti、Zr、Hf)等からなる化合物Aと組み合わせることによって相対的に高い熱電特性が得られるが、環境に対する負荷の大きいAsを含んでいる点で好ましくない。
本発明において、熱電材料を構成するハーフホイスラー化合物は、少なくとも5種類の元素(X原子、Y原子及びZ原子、並びに、少なくともこれらの2つを置換する少数派原子)を含んでいるが、これらの元素は、化合物全体に渡って、均一に分散していることが好ましい。ここで、「均一に分散している」とは、2°/min以下のスキャン速度、0.02°以下のステップの条件下でX線回折を行ったときに、主要な回折ピーク(少なくとも、最大の回折ピーク)の分離が認められない程度の均一性をいう。また、EDXで面分析した場合に、10μm以下の領域において組成の均一性が保たれているのが好ましい。各元素は、原子レベルで均一に分散していても良く、あるいは、規則的に配列していても良い。特に、少数派原子がクラスタを構成しているハーフホイスラー化合物は、高い熱電特性を示す。
さらに、本実施の形態に係る熱電特性は、上述したハーフホイスラー化合物のみからなることが望ましいが、不可避的に含まれる不純物が含まれていても良い。但し、熱電特性に悪影響を与える不純物は、少ない方が好ましい。
また、本実施の形態に係る熱電材料は、上述したハーフホイスラー化合物と、他の材料(例えば、樹脂、ゴム等)との複合体であっても良い。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る熱電材料について説明する。本実施の形態に係る熱電材料は、上述した原子当たりの価電子数が6であるハーフホイスラー化合物(第1のハーフホイスラー化合物)に対してさらにドーパントを加え、かつ、原子当たりの価電子数が5.9以上6.1以下(但し、原子当たりの価電子数が6であるものを除く)であるハーフホイスラー化合物(第2のハーフホイスラー化合物)を含むものからなる。
ドーピングは、少なくとも1つのサイトの構成元素の一部を、価電子数の異なる他の元素で置換することにより行う。ドーピングは、1つのサイトの構成元素のみを置換するものであっても良く、あるいは、2以上のサイトの構成元素を同時に置換するものであっても良い。また、ドーピングは、1又は2以上の各サイトにおいて、構成元素の一部を価電子数が同一又は異なる2種以上の元素で置換するものであっても良い。
第1のハーフホイスラー化合物は、一般に、原子当たりの価電子数が6であっても、電子が優勢キャリアとなり、n型熱電材料となる場合が多い。このような第1のハーフホイスラー化合物の構成元素の一部を、それより価電子数の大きな元素(以下、これを「n型ドーパント」という。)で置換すると、原子当たりの価電子数が6より大きい第2のハーフホイスラー化合物が得られる。原子当たりの価電子数が6を超えると、電子がドープされ、電気伝導度がより大きいn型熱電材料となる。
一方、第1のハーフホイスラー化合物の構成元素の一部を、それより価電子数の小さな元素(以下、これを「p型ドーパント」という。)で置換すると、原子当たりの価電子数が6より小さい第2のハーフホイスラー化合物が得られる。原子当たりの価電子数が6より小さくなると、ホールがドープされる。また、p型ドーパントの量がある一定量を超えると、ゼーベック係数Sが正に転じ、p型熱電材料となる。
さらに、ドーピングは、n型ドーパントとp型ドーパントとを同時に添加するものであっても良い。但し、キャリアの増加は、主として、n型ドーパントによる価電子数の増加の寄与分と、p型ドーパントによる価電子数の増加の寄与分の差に依存する。そのため、キャリアを増加させるという点では、n型ドーパントとp型ドーパントの同時添加は実益がなく、いずれか一方を添加するのが好ましい。
例えば、第1のハーフホイスラー化合物の4aサイトがTi及びYからなる場合において、Tiの一部をさらにVa属元素で置換すると、電子をドープすることができ、Tiの一部をさらにIIIa属元素及び/又は希土類元素で置換すと、ホールをドープすることができる。
また、例えば、第1のハーフホイスラー化合物の4bサイトがSn及びSbからなる場合において、Snの一部をさらにVb属元素で置換すると、電子をドープすることができ、Snの一部をさらにIIIb属元素で置換すると、ホールをドープすることができる。
また、例えば、第1のハーフホイスラー化合物の4cサイトがNiからなる場合において、Niの一部をIb属元素で置換すると、電子をドープすることができ、Niの一部をVIIIa族元素の内、Niより価電子数の少ない元素(Fe、Co等)で置換すると、ホールをドープすることができる。
さらに、これらを組み合わせて用いても良い。
第1のハーフホイスラー化合物へのドーピングは、ドーピング後(すなわち、第2のハーフホイスラー化合物)の原子当たりの価電子数が5.9以上6.1以下となるように行う。原子当たりの価電子数が5.9未満である場合、及び、6を超える場合は、いずれも、第2のハーフホイスラー化合物が金属的となり、高い熱電特性は得られない。
一般に、熱電特性を支配するゼーベック係数S、電気伝導度σ及び熱伝導度κは、いずれも、キャリア濃度の関数となる。従って、高い熱電特性を得るためには、原子当たりの価電子数は、第2のハーフホイスラー化合物の組成に応じて、最適な値を選択するのが好ましい。
なお、第2のハーフホイスラー化合物は、不可避的不純物を含んでいても良い点、熱電特性に悪影響を与える不純物は少ない方が好ましい点、及び、他の材料と複合化させて用いても良い点は、第1の実施の形態と同様である。
次に、本発明に係る熱電材料の作用について説明する。ハーフホイスラー化合物は、原子当たりの価電子数が6に等しいとき、半導体となることが知られている。例えば、TiNiSnの場合、(4+10+4)/3=6であるから、TiNiSnは半導体である。このような半導体に対し、少量の電子又はホールをドープすると、その電気伝導度σは増大する。しかしながら、ゼーベック係数Sは、一般に、キャリア濃度と負の相関があるので、電子又はホールをドープすることにより、ゼーベック係数Sの絶対値は小さくなる。そのため、ハーフホイスラー化合物に対して単一の元素をドーピングするという従来の手法では、到達可能な性能指数Z(あるいは、無次元性能指数ZT)に限界がある。
これに対し、原子当たりの価電子数が6に維持されるように、少なくとも2つのサイトを占める原子の一部を価電子数の異なる原子で置換すると、高い熱電特性を示す第1のハーフホイスラー化合物が得られる。その理由の詳細については、不明であるが、以下のような理由によると考えられる。
第1の理由は、熱伝導度κが小さくなることである。これは、少なくとも2つのサイトを占める原子の一部を価電子数の異なる原子で置換することによって(換言すれば、構成元素の異なる2種類のハーフホイスラー化合物を複合化させることによって)、格子波の伝搬が抑制されるためと考えられる。
第2の理由は、ゼーベック係数Sが増大することである。ゼーベック係数Sは、半導体の状態密度に比例することが知られている。ハーフホイスラー化合物において、少なくとも2つのサイトを占める原子の一部を価電子数の異なる原子で置換すると、電子構造が複雑となり、状態密度が増大する。その結果、ゼーベック係数Sが増大すると考えられる。
第3の理由は、キャリアの移動度の低下が小さいことである。従来の単元素ドープの場合、ドーピングにより生じたイオンサイトは、長距離に渡ってクーロン力を及ぼす。そのため、イオンサイトから遠く離れたキャリアであっても、イオンサイトの影響を受け、キャリアの移動度を低下させる。電気伝導度σは、キャリア移動度に比例するので、キャリア移動度の低下は、電気伝導度σの低下をもたらす。
これに対し、本発明に係る第1のハーフホイスラー化合物は、原子当たりの価電子数が6(つまり、平均的には中性)であるため、移動度の低下は少ないと考えられる。
第4の理由は、特に、置換元素が相対的に少量であり、かつ、局所的にクラスターを形成する、いわゆるナノドット構造を有する場合、電気伝導度σを低下させることなく、熱伝導度κを小さくする効果が大きいことである。
相対的に少量の置換元素が局所的にクラスターを形成すると、格子波の伝搬が抑制され、熱伝導度κが小さくなると考えられる。
また、原子当たりの価電子数が6に維持されるように、2以上のサイトを占める原子を置換すると、置換原子の少なくとも1つは+のイオンサイトとなり、他方は−のイオンサイトとなる。これらの置換原子が局所的にクラスターを形成すると、クラスターから遠く離れたキャリアにとっては、クラスタは、電気的に中性として振る舞う。その結果、キャリアの移動度の低下が小さくなると考えられる。
クラスタが形成され、局所的な電気的中性を保ちやすくするためには、2つのサイトで原子を置換するのが好ましい。これは、1つのサイトでは最近接に配置することができないし、3つのサイトでは+2、−1、−1といった異なるイオンが分布することによるクーロン力が移動度を低下させるためである。
さらに、このような第1のハーフホイスラー化合物に対してさらにドーパントを添加した場合において、ドーパントの添加量を最適化すると、電気伝導度σが増大し、その熱電特性が向上する。
次に、本発明に係る熱電材料の製造方法について説明する。本発明に係る熱電材料の製造方法は、溶解工程と、急冷工程とを備えている。
溶解工程は、上述した第1のハーフホイスラー化合物又は第2のハーフホイスラー化合物となるように配合された原料を溶解する工程である。
原料は、単一の元素のみを含むものであっても良く、あるいは、2種以上の元素を含む合金、化合物等であっても良い。また、各原料は、目的とする組成が得られるように、配合する。原料の溶解方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。また、原料の溶解は、酸化を防ぐために、不活性雰囲気下で行うのが好ましい。
急冷工程は、溶解工程で得られた溶湯を急冷凝固させる工程である。溶湯の急冷方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。例えば、ルツボ内で原料を溶解させ、これをルツボごと、冷媒(例えば、水)中に投下しても良い(ルツボ法)。あるいは、銅ロール法、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法等を用いて、溶湯を急冷凝固させても良い。
急冷時の冷却速度は、100℃/sec以上が好ましい。冷却速度が100℃/sec未満であると、成分元素が偏斥し、均一な固溶体が得られない場合がある。均一な固溶体を得るためには、冷却速度は、速いほどよい。
ルツボ法を用いて溶湯を急冷凝固させた場合、ルツボ内の凝固物を所定の形状に機械加工し、そのままバルクの熱電材料として使用することができる。また、これを適度な粒度に粉砕し(粉砕工程)、得られた粉末を他の材料と複合化させ、あるいは、焼結させること(焼結工程)によって、所定の形状としても良い。
また、銅ロール法等を用いて溶湯を急冷凝固させると、リボン状又は粉末状のハーフホイスラー化合物が得られる。これらのリボン状又は粉末状のハーフホイスラー化合物をそのまま、あるいは、必要に応じて粉砕(粉砕工程)した後、、他の材料と複合化させても良い。あるいは、リボン状又は粉末状のハーフホイスラー化合物を、必要に応じて粉砕(粉砕工程)した後、焼結(焼結工程)させても良い。
粉末状のハーフホイスラー化合物を焼結させる場合、その焼結方法には、種々の方法を用いることができる。焼結方法としては、具体的には、常圧焼結法、ホットプレス、HIP、放電プラズマ焼結法(SPS)などがある。これらの中でも、放電プラズマ焼結法は、短時間で緻密な焼結体が得られるので、焼結方法として特に好適である。
焼結条件(例えば、焼結温度、焼結時間、焼結時の加圧力、焼結時の雰囲気等)は、ハーフホイスラー化合物の組成、使用する焼結方法等に応じて、最適なものを選択する。
例えば、放電プラズマ焼結法を用いる場合、焼結温度は、ハーフホイスラー化合物の融点以下が好ましく、加圧力は、20MPa以上が好ましい。焼結時にハーフホイスラー化合物を溶融させると、冷却時に成分元素が偏斥するおそれがある。また、加圧力を20MPa以上とすると、緻密な焼結体を得ることができる。焼結時間は、緻密な焼結体が得られるように、焼結温度に応じて最適な時間を選択する。
さらに、粉末を焼結した後、焼結体を所定の温度に保持するアニール処理を行っても良い(アニール工程)。焼結体に対してアニール処理を施すと、成分元素の偏斥や4cサイトの格子欠陥等を除去することができる。
アニール処理の温度は、700℃以上ハーフホイスラー化合物の融点以下が好ましい。アニール処理温度が700℃未満であると、十分な効果が得られない。一方、アニール処理温度がハーフホイスラー化合物の融点を超えると、冷却時に成分元素が偏斥するおそれがある。
アニール処理時間は、アニール処理温度に応じて、最適な時間を選択する。一般に、アニール処理温度が高くなるほど、短時間で偏斥や格子欠陥を除去することができる。通常は、数時間〜数十時間である。
本発明に係る熱電材料の製造方法は、急冷工程を備えているので、ハーフホイスラー化合物が多数の元素によって構成されている場合であっても、均一な固溶体を得ることができる。また、このような急冷凝固された化合物を粉砕し、焼結させると、鋳巣などの欠陥の少ない緻密な焼結体が得られる。さらに、このような焼結体に対してアニール処理を施すと、偏斥や格子欠陥等が除去され、高い特性を有する熱電材料が得られる。
(実施例1)
各種原料(純度99.9%以上)を(YNiSb)0.01(Ti0.5Zr0.25Hf0.25NiSn)0.99となるように秤量し、窒化ホウ素製のルツボにいれ、高周波炉内にセットした。炉内を10−6Torr(1.33×10−4Pa)台の真空にした後、チャンバー内圧力が0.87気圧(0.88×10Pa)になるまでArガスを導入した。次いで、コイルに高周波を印加し、ルツボ内の原料を溶解させた。溶解させた後、溶湯を炉冷し、インゴットを得た。
得られたインゴットから、以下の4種類の試料を作製した。
(1) 試料1: インゴットから、機械加工により矩形状の試料を切り出した。
(2) 試料2: インゴットを粉砕し、得られた粉末を、放電プラズマ焼結装置で、1100℃×15分、50MPaの条件で焼結させた。
(3) 試料3: インゴットをガラス管内で再び高周波溶解し、溶湯を3000rpmで回転するCuロール面上で急冷し、リボン状試料を得た。これを粉砕し、放電プラズマ焼結装置で、1100℃×15分、50MPaの条件で焼結させた。
(4) 試料4: 試料3を、さらに10−6Torr(1.33×10−4Pa)台の真空中で850℃、72時間のアニールを行った。
得られた試料1〜4について、X線回折を行った。図2(a)及び図2(b)に、それぞれ、試料1及び試料3のX線回折パターンを示す。また、図3(a)及び図3(b)に、それぞれ、試料1及び試料3のX線回折パターンであって、2θ=42°近傍の拡大図を示す。急冷工程を入れない試料1(図2(a)、図3(a))及び試料2(図示せず)は、いずれも、ハーフホイスラー化合物を示す主なピーク(2θ=25.5°、29°、42°)が2つ以上に分離した。SEM/EDXで面分析した結果、Tiが多い相と少ない相に分離していることがわかった。
一方、急冷工程を入れた試料3(図2(b)、図3(b))及び試料4(図示せず)は、いずれもピークの分離はなく、均一な単相であることがわかった。
図4に、試料1及び試料3のSEM/EDXの面分析の結果を示す。図4より、試料1は、Ti量の少ないA部と、Ti量の多いB部に分離しているが、試料3は、ほぼ仕込み通りの組成比になっていることがわかる。
(実施例2)
実施例1の試料4と同一の手順に従い、種々の組成を有する試料を作製した。作製した試料の組成は、以下の通りである。
(1) 試料5: Ti0.5Zr0.25Hf0.25NiSn
(2) 試料6: Zr0.5Hf0.5NiSn
(3) 試料7: (YNiSb)0.01(Zr0.5Hf0.5NiSn)0.99
(4) 試料8: (YNiSb)0.3(Zr0.5Hf0.5NiSn)0.7
実施例1で得られた試料1〜4及び実施例2で得られた試料5〜8について、電気伝導度σ及びゼーベック係数Sを測定し、出力因子(PF=σS)を算出した。表2に、470Kにおける出力因子を示す。
Figure 2006165125
試料2の出力因子が試料1より大きいのは、放電プラズマ焼結を行うことによって、鋳造の際に生成した鋳巣その他の欠陥が消滅し、試料が高密度化したためと考えられる。また、試料3の出力因子が試料2より大きいのは、急冷凝固させることによって、均一な単相が得られたためと考えられる。さらに、試料4の出力因子が試料3より大きいのは、アニール処理によって、成分元素の偏斥、格子欠陥等が消滅したためと考えられる。
一方、試料8の出力因子は、試料7より小さくなっており、YNiSbの比率が多くなりすぎると、材料特性が低下することがわかった。
(実施例3)
一般式:A1−xで表されるハーフホイスラー化合物において、A=TiNiSnであるときには、化合物Bとしてどの材料が適当であるかを調べるために、第一原理計算により、A0.750.25の形成エネルギーを算出した。図5に、その結果を示す。
図5より、化合物Bが、
(1)NbCoSn、NbRhSn、若しくは、ScCuSnである場合(図5(a)参照)、
(2)YNiSb、若しくは、ScNiSbである場合(図5(b)参照)、又は、
(3)TiCoSb、若しくは、TiRhAsである場合(図5(c)参照)、
形成エネルギーが低くなることがわかる。これは、化合物AがTiNiSnである場合において、化合物BとしてYNiSb等を選択すると、目的とするサイトに目的とする元素(Y、Sb等)が入りやすいことを示している。
なお、これらの化合物Bの内、TiRhAsは、環境に対する負荷の大きい元素(As)を含んでいるので、これをドーパントとして用いるのは好ましくない。
以上の結果から、
(1)TiNiに対するドーパントは、CoNb、RhNb、又は、CuSc、
(2)TiSnに対するドーパントは、ScSb、又は、YSb、
(3)NiSnに対するドーパントは、CoSb、
が有効であることがわかった。
(実施例4)
一般式:Ni32(TiSn)31X(但し、X=ScSb、YSb、VSb)で表されるハーフホイスラー化合物において、2元素同時ドーピングによる系の安定性を調べるために、第一原理計算によりその形成エネルギーを算出した。図6に、その結果を示す。
図6より、VSbは、両者が第1近接であるときの形成エネルギーが第2〜第4近接であるときの形成エネルギーより高いのに対し、YSb及びScSbは、それぞれ、両者が第1近接にあるときに最も形成エネルギーが低いことがわかる。
これは、TiNiSnに対してVSbを同時ドーピングした時、VとSbが離れていた方が安定であることを示している。一方、TiNiSnに対してScSb又はYSbを同時ドーピングすると、ドーパントが近接しやすく、系がXNiSb(X=Sc、Y)のナノドット構造を持つ可能性があること、すなわち、高い熱電特性が得られる可能性があることを示している。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本発明に係る熱電材料は、太陽熱発電器、海水温度差熱電発電器、化石燃料熱電発電器、工場排熱や自動車排熱の回生発電器等の各種の熱電発電器、光検出素子、レーザーダイオード、電界効果トランジスタ、光電子増倍管、分光光度計のセル、クロマトグラフィーのカラム等の精密温度制御装置、恒温装置、冷暖房装置、冷蔵庫、時計用電源等に用いられる熱電素子を構成する熱電材料として使用することができる。
AgAsMg型結晶構造の単位胞を示す図である。 図2(a)は、急冷を行わなかった(YNiSb)0.01(Ti0.5Zr0.25Hf0.25NiSn)0.99(試料1)のX線回折パターンであり、図2(b)は、急冷を行った(YNiSb)0.01(Ti0.5Zr0.25Hf0.25NiSn)0.99(試料3)のX線回折パターンである。 図3(a)及び図3(b)は、それぞれ、図2(a)及び図2(b)に示すX線回折パターンの2θ=42°近傍の拡大図である。 急冷を行わなかった(YNiSb)0.01(Ti0.5Zr0.25Hf0.25NiSn)0.99(試料1)、及び、急冷を行った(YNiSb)0.01(Ti0.5Zr0.25Hf0.25NiSn)0.99(試料3)について測定されたEDXによる組成分析結果を示す図である 第一原理計算により求めたA0.750.25組成を有する各種ハーフホイスラー化合物の形成エネルギーを示す図である。 第一原理計算により求めたNi32(TiSn)31X(X=ScSb、YSb、VSb)の近接と形成エネルギーとの関係を示す図である。

Claims (16)

  1. AgAsMg型結晶構造を有し、
    原子当たりの価電子数が6であり、かつ、
    前記AgAsMg型結晶構造の3つのサイトの内、少なくとも2つのサイトには、それぞれ、価電子数の異なる2種以上の原子を含むハーフホイスラー化合物
    を含む熱電材料。
  2. 前記ハーフホイスラー化合物は、
    4a(0、0、0)サイト(又は、4b(1/2、1/2、1/2)サイト)の構成元素が、IIIa族、IVa族、Va族及び希土類元素から選ばれる1種以上の元素からなり、
    4c(1/4、1/4、1/4)サイトの構成元素が、VIIIa族及びIb族から選ばれる1種以上の元素からなり、
    4b(1/2、1/2、1/2)サイト(又は、4a(0、0、0)サイト)の構成元素が、IIIb族、IVb族及びVb族から選ばれる1種以上の元素からなる請求項1に記載の熱電材料。
  3. 前記ハーフホイスラー化合物は、4c(1/4、1/4、1/4)サイトに、Ni及び/又はCoを含む請求項1又は2に記載の熱電材料。
  4. 前記ハーフホイスラー化合物は、4b(1/2、1/2、1/2)サイト又は4a(0、0、0)サイトのいずれか一方に、Sn及び/又はSbを含む請求項1から3までのいずれかに記載の熱電材料。
  5. 前記ハーフホイスラー化合物は、4a(0、0、0)サイト又は4b(1/2、1/2、1/2)サイトのいずれか一方に、Ti、Zr及び/又はHfを含む請求項1から4までのいずれかに記載の熱電材料。
  6. 前記ハーフホイスラー化合物は、以下の条件をさらに満たすものからなる請求項1から5までのいずれかに記載の熱電材料。
    (1) 前記ハーフホイスラー化合物は、一般式:A1−x(0.001≦x≦0.5)で表される。
    (2) 前記化合物Aは、前記AgAsMg型結晶構造を有し、かつ、原子当たりの価電子数が6であるハーフホイスラー化合物からなる。
    (3) 前記化合物Bは、前記AgAsMg型結晶構造を有し、かつ、原子当たりの価電子数が6であるハーフホイスラー化合物からなる。
    (4) 前記化合物Bの各サイトには、それぞれ、価電子数の等しい1又は2以上の原子のみを含む。
    (5) 前記化合物Aは、少なくとも2つのサイトにおいて、前記化合物Bとは価電子数が異なる元素を含む。
  7. 前記化合物Bは、一般式:RNiSb(但し、R=Sc、Y及び/又は希土類元素)で表されるものである請求項6に記載の熱電材料。
  8. 前記ハーフホイスラー化合物は、Cd、Hg、Tl、Pb、As、Se及びTeの濃度が、それぞれ、全原子の0.1at%以下であり、かつ、
    Sbの濃度が、全原子の5at%以下である請求項1から7までのいずれかに記載の熱電材料。
  9. 前記ハーフホイスラー化合物は、ドーパントをさらに含み、かつ、
    原子当たりの価電子数が5.9以上6.1以下(原子当たりの価電子数が6であるものを除く)である請求項1から8までのいずれかに記載の熱電材料。
  10. 請求項1から9までのいずれかに記載のハーフホイスラー化合物となるように配合された原料を溶解する溶解工程と、
    該溶解工程で得られた溶湯を急冷凝固させる急冷工程と、
    を備えた熱電材料の製造方法。
  11. 前記急冷工程は、冷却速度が100℃/sec以上である請求項10に記載の熱電材料の製造方法。
  12. 急冷された前記ハーフホイスラー化合物からなる粉末を焼結させる焼結工程をさらに備えた請求項10又は11に記載の熱電材料の製造方法。
  13. 前記焼結工程は、前記ハーフホイスラー化合物の融点以下の温度において、20MPa以上の加圧下において前記粉末を焼結させるものである請求項12に記載の熱電材料の製造方法。
  14. 前記焼結工程は、放電プラズマ焼結法を用いて前記ハーフホイスラー化合物の粉末を焼結させるものである請求項12又は13に記載の熱電材料の製造方法。
  15. 前記焼結工程の前に、前記急冷工程で得られた前記ハーフホイスラー化合物を粉砕する粉砕工程をさらに備えた請求項12から14までのいずれかに記載の熱電材料の製造方法。
  16. 前記焼結工程の後に、焼結体を700℃以上前記ハーフホイスラー化合物の融点以下の温度に保持するアニール工程をさらに備えた請求項12から15までのいずれかに記載の熱電材料の製造方法。
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