JP2008309877A - 光源装置及びプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の発光部11aを有する光源11と、周期分極反転構造を有し、複数の発光部11aから射出された光の波長を所定の波長に変換する複数の波長変換素子21と、複数の波長変換素子21の温度を調節する温度調節媒体Wと、温度調節媒体Wを収容する収容空間Kを有し、複数の波長変換素子21を保持する保持部材22と、温度調節媒体Wにより複数の波長変換素子21の温度を制御する温度制御部30とを備え、温度制御部30が、複数の波長変換素子21のうち、少なくとも1つの波長変換素子21から射出される光の波長が、他の波長変換素子21から射出される光の波長とは異なるように波長変換素子21の温度を制御する。
【選択図】図1
Description
また、非線形光学結晶の周囲に液体あるいは気体を流すことにより、非線形光学結晶の温度を制御する構成が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2に記載の光高調波発生装置では、複数の非線形光学結晶を光の進行方向に直列に配置し、レーザビームが非線形光学結晶を順に通過することにより第2高調波を得ている。この光高調波発生装置では、3つの非線形光学結晶のうち真ん中に配置された非線形光学結晶付近に媒体の流入部と流出部とを設け、複数の非線形光学結晶の配列方向に対して垂直な方向に媒体を流すことにより非線形光学結晶の温度を一定にさせている。
さらには、特許文献2に記載の複数の非線形光学結晶を冷却する構成では、複数の非線形光学結晶のうち端部側に配置された非線形光学結晶付近の媒体の流れが滞ってしまうおそれがあり、複数の非線形光学結晶を所定の温度にするのは困難である。その結果、非線形光学結晶における光の変換効率が低下してしまう。
本発明の光源装置は、複数の発光部を有する光源と、周期分極反転構造を有し、前記複数の発光部から射出された光の波長を所定の波長に変換する複数の波長変換素子と、前記複数の波長変換素子の温度を調節する温度調節媒体と、前記温度調節媒体を収容する収容空間を有し、前記複数の波長変換素子を保持する保持部材と、前記温度調節媒体により前記複数の波長変換素子の温度を制御する温度制御部とを備え、前記温度制御部が、前記複数の波長変換素子のうち、少なくとも1つの波長変換素子から射出される光の波長が、他の波長変換素子から射出される光の波長とは異なるように前記波長変換素子の温度を制御することを特徴とする。
このとき、温度制御部は、複数の波長変換素子のうち、少なくとも1つの波長変換素子から射出される光の波長が、他の波長変換素子から射出される光の波長とは異なるように、温度調節媒体により複数の波長変換素子の温度を制御する。したがって、異なる波長変換素子から射出される光同士の干渉性を低下させ、スペックルノイズの発生を低減することが可能となる。
また、周期分極反転構造のピッチが同一である波長変換素子を製造すればよいため、製造コストを抑えることが可能となる。
また、温度調節媒体が、複数の波長変換素子の配列方向に沿って流動されるため、一つの波長変換素子内で光の進行方向に垂直な面内における入射光がズレても、波長変換素子の垂直な面内の温度勾配が小さいので、光の変換効率が向上する。
また、流入部が複数の波長変換素子の配列方向の一方の端部側の保持部材の面に設けられ、流入部が設けられた保持部材の面以外に流出部が設けられている場合、例えば、波長変換素子の配列方向の他方の端部側の保持部材の面に設けられている場合、流入部と流出部とを接続させる配管等が長くなる。これにより、このような光源装置をプロジェクタに用いた場合、筐体の形状によっては光源装置の配置に制約が生じる場合がある。そこで、本発明の光源装置は、複数の波長変換素子の配列方向の一方の端部側の保持部材の面に流入部及び流出部が設けられているため、流入部と流出部とを接続する配管等が短くて済むので、コンパクト化を図ることが可能となる。
本発明に係る光源装置では、発光部から射出された光が入射される波長変換素子の入射端面側が射出端面側に比べて温度が上がる。このとき、波長変換素子の入射端面側に、所望の温度に調節された温度調節媒体を流入させることにより、効率良く波長変換素子の温度を所望の温度にすることが可能となる。
前記複数の波長変換素子の配列方向の他方の端部側の前記保持部材の面に前記温度調節媒体を前記収容空間から流出させる流出部が設けられ、前記循環流路により、前記流入部と前記流出部とが連通されていることが好ましい。
本発明の第1実施形態について、図1から図3を参照して説明する。
図1は光源装置の概略構成を示す図であり、図2は光源装置の波長選択素子13を省略し、波長変換素子ユニット20を簡略化した斜視図であり、図3は波長変換素子の斜視図である。なお、図1は、半導体レーザ素子から射出され波長選択素子に向かう光の光路図を分かり易く説明するために、1つのエミッタから射出されたレーザ光の光路のみ図示して説明する。
複数のエミッタ11aは、図2に示すように、2列に配列されており、3個ずつのエミッタ11aが1つのエミッタ群11bをなし、三角形の頂点に並ぶように配置されている。3個のエミッタ11aからなる1つのエミッタ群11bは上段が1個のエミッタ11a、下段が2個のエミッタ11aで三角形が構成されている。このように、合計12個のエミッタ11aが3個ずつまとめて配置されている。
また、1つのエミッタ群11bの中のエミッタ11a間のピッチP1は、1つのエミッタ群11bの端のエミッタ11aと隣のエミッタ群11bの端のエミッタ11aとの間の距離P2よりも小さい。
波長変換素子ユニット20は、図1に示すように、4つの波長変換素子21と、波長変換素子21を保持する保持部材22と、波長変換素子21の温度を制御する温度制御部30とを備えている。
波長変換素子(第2高調波発生素子、SHG:Second Harmonic Generation)21は、半導体レーザ素子11から射出された基本波の光(図1に示す実線)L3をほぼ半分の波長に変換する非線形光学素子であり、例えば、波長変換素子21に入射するレーザ光の強度が強いほど、変換効率が向上する。また、半導体レーザ素子11から射出されたレーザ光のすべてが、所定波長のレーザ光に変換されるわけではない。
また、1つの波長変換素子21は、図2に示すように、3個のエミッタ11aからなる1つのエミッタ群11bに対応して、対向配置されている。
また、結晶の引き上げによって、図2に示すような、波長変換素子21の断面形状が円状の円柱状の他、断面形状が楕円状にすることも可能である。
また、直方体のバルク型では、波長変換素子21の一方の面から他方の面に向かって分極反転領域が狭くなる場合が生じるため、分極の偏差が生じる。これにより、分極反転ピッチが一定ではなくなってしまうため、レーザ光が入射した位置によって光の変換効率が変わってしまう。しかしながら、CZ法により製造された波長変換素子21は、分極反転ピッチがレーザ光の進行方向に垂直な面方向で一定である。これにより、エミッタに対して面方向の位置決め精度を厳しくしなくても良い。
さらに、1つのエミッタ群11bに属する3個のエミッタ11aに着目すると、これら3個のエミッタ11aから射出される3本のレーザ光の中で波長を異ならせてもよいし、3本のレーザ光の波長を全て等しく揃えてもよい。このように各エミッタ11aから射出されるレーザ光の波長を異ならせる場合、出力されるレーザ光の色純度、波長変換素子21や波長選択素子13との整合性などを考慮すると、大きくても10nm以下の波長差に設定することが望ましい。
また、周期分極反転構造のピッチを異ならせるには、単結晶引き上げ時に融液表面温度の変動周期を異ならせればよい。
射出側貫通孔23の内径は、波長変換素子21の外径よりも若干大きくなっており、波長変換素子21と射出側貫通孔23の内壁との間には隙間26が形成されている。そして、この隙間26には、当該隙間26より大きい弾性材料からなるシール材27が設けられている。このシール材27は、アクリルニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等からなるOリングまたはパッキンである。これにより、射出側貫通孔24から収容空間K内の温調媒体Wが漏れるのを防止している。
また、各波長変換素子21が保持部材22に対して位置決めされた状態で、各波長変換素子21と保持部材22とがUV硬化性接着材(図示略)により固定され、4つの波長変換素子21が一方向に配列される。これにより、収容空間K内の温調媒体Wが、入射側貫通孔23、24から漏れ出ることを防止している。さらに、入射側貫通孔23には、収容空間K内の温調媒体Wが漏洩するのを防止するためにシール材23aが設けられている。また、エミッタ11aから射出されたレーザ光は、入射側貫通孔23から入射するため、シール材23aは、光透過性を有する樹脂等からなることが好ましく、波長変換素子21の屈折率に近い材質からなることが望ましい。
これにより、温調媒体Wの流れを図1において矢印Fで示すと、収容空間K内の温調媒体Wは、最も左端面22c側に配置された波長変換素子21の入射端面21a側から流入し、波長変換素子21の配列方向の入射端面21a側を進む。そして、温調媒体Wは、左端面22cと反対の右端面22dに到達すると、最も右端面22d側に配置された波長変換素子21側から最も左端面22c側に配置された波長変換素子21側に向かう。このとき、温調媒体Wは、波長変換素子21の射出端面21b側を通って左端面22cに戻る。このように、温調媒体Wは収容空間K内において左回りに対流する。なお、温調媒体Wをより波長変換素子21の配列方向に沿わせるように流すために、保持部材22に整流板を設けても良い。
配管33は、保持部材22の左端面22cに設けられた流出口28bと連通しており、配管34は、保持部材22の左端面22cに設けられて流入口28aと連通している。また、配管33は、リザーブタンク32,ポンプ31を介して配管34と接続されている。さらに、ポンプ31と、リザーブタンク32とが配管35により接続されている。
この構成により、ポンプ31は、流出口28bから流出され、リザーブタンク32に貯留された温調媒体Wを流入口28aに送出する。また、リザーブタンク32は、温調媒体Wを蓄積するものであり、保持部材22から流出された暖められた温調媒体Wをリザーブタンク32に設けられヒートシンク(温度変化手段)32aより放熱するようになっている。なお、リザーブタンク32に、複数の放熱フィンが形成されている構成であっても良い。
また、温度センサ36は、波長変換素子21の温度を測定するものであり、保持部材22の左端面22c側に配置された波長変換素子21に設けられている。
また、制御部37は温度センサ36により測定された波長変換素子21の温度に基づいて、ポンプ31を制御する。
ここで、少なくとも1つのエミッタ群11bにおける平均波長がそれ以外のエミッタ群11bにおける平均波長と異なっている。そして、波長変換素子21のピッチが異なっているため、温度制御部30は、4つの波長変換素子21の温度が同じになるように制御することで、少なくとも1つの波長変換素子21から射出された光の波長が、他の波長変換素子21から射出される光の波長とは異なる。
ポンプ31により送出された温調媒体Wは、配管34を通り、流入口28aから保持部材22の収容空間Kに流入する。そして、温調媒体Wは、収容空間Kの波長変換素子21の入射端面21a側から配列方向に進み、保持部材22の右端面22dにおいて波長変換素子21の射出端面21b側から左端面22cに折り返す。このようにして、温調媒体Wは収容空間K内において左周りに流れる。
このとき、半導体レーザ素子11から射出されたレーザ光により加熱された波長変換素子21の熱が、温調媒体Wに伝達され、この熱は、リザーブタンク32を介してヒートシンクにより外部に放熱される。そして、冷却された温調媒体Wが、再び配管34から保持部材22の収容空間Kに流入する。
つまり、本実施形態の光源装置10は、波長変換素子21の温度制御を行うことによって、干渉性の低い光を効率良く射出することが可能である。
また、エミッタ11aから射出された光が入射される入射端面21a側が射出端面21b側に比べて温度が上がるため、流入口28aを流出口28bより波長変換素子21の入射端面21a側に配置することにより、冷却された温調媒体Wがまず入射端面21a側に接触するため、効率良く波長変換素子21の温度を所望の温度にすることが可能となる。
また、波長変換素子21の断面形状が略円形状であるので、直方体状である場合に比べて、温調媒体Wの収容空間K内での流動抵抗が小さくなるため、温調媒体Wを効率良く流すことが可能となる。これにより、4つの波長変換素子21を所定の温度に調節し易くなる。
さらに、エミッタ11a間のピッチP1は、エミッタ群11bの端のエミッタ11aのピッチP2より小さいので、エミッタ11aで発生する熱が蓄積することによって半導体レーザ素子11の中央が高温になるのが抑えられ、エミッタ11a間の温度均一化を図ることができる。また、各エミッタ群11bに対する波長変換素子21の配置の自由度が高くなる。
また、保持部材22にポンプ32、ヒートシンク32aを設けることにより、装置全体の小型化を図ることが可能となる。また、保持部材22の収容空間K内に設けることにより、収容空間K内の温調媒体Wの温度を直接変えることや、直接温調媒体Wを流動させることができるため、効果的に収容空間K内の温調媒体Wを循環させることが可能となる。
しかしながら、保持部材22にポンプ31やリザーブタンク32を設けてしまうと、ポンプ31及びリザーブタンク32の大きさにある程度の制約が生じてしまう場合もある。これにより、循環能力の大きいポンプや冷却能力の大きいリザーブタンクを備えることが困難になってしまう。そこで、本実施形態では、ポンプ31やリザーブタンク32を保持部材とは別の位置に設けているため、ポンプ31やリザーブタンク32の大きさの制約を解消することが可能となる。
また、温調媒体Wを冷却し、波長変換素子21を冷却することで複数の波長変換素子21の温度を均一にしたが、リザーブタンク32が例えば、ヒータを備えた構成であっても良い。この構成では、波長変換素子21を加熱することで複数の波長変換素子21の温度を均一にすることができる。
なお、本実施形態では4つの波長変換素子21を用いたが、よりスペックルノイズの発生を低減させるためには、できるだけ多くの波長変換素子21及びそれに対応したエミッタ群11bを備え、エミッタ群11bにおける平均波長が他のエミッタ群11bにおける平均波長と異ならせることが好ましい。
また、1つのエミッタ群11bが3つのエミッタ11aを備える構成であったが、これに限るものではない。1つのエミッタ群11bが有するエミッタ11aの数を増やすことにより、よりスペックルノイズの発生を低減することができる。
また、温度センサ36、制御部37は必ずしも備えていなくても良いが、温度センサ36の値に基づいて制御部37により流速を制御することで、より正確に温度調節をすることが可能となる。
さらには、流速が一定で、リザーブタンク32に貯留された温調媒体Wの温度を調節しても良い。
また、温度センサ36を保持部材22の左端面22c側の波長変換素子21に設けたが、温度センサ36を設ける波長変換素子21はこれに限らず、いずれの波長変換素子21であっても良い。また、温度センサ36を1つだけでなく、複数の波長変換素子21に設けても良い。さらには、温度センサ36を設ける位置は、波長変換素子21に限定されず、収容空間Kの内壁に設けて、温調媒体Wの温度を測定しても良い。
また、保持部材22の端面22b側に波長変換素子21を抑えて固定する固定部材を設けることで、波長変換素子21の位置をより安定して固定することができる。
次に、本発明に係る第2実施形態について、図4を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態の図面において、上述した第1実施形態に係る光源装置10と構成を共通とする箇所には同一符号を付けて、説明を省略することにする。
本実施形態に係る光源装置40では、流入口41aと、流出口41bとの配置において第1実施形態と異なる。その他の構成においては第1実施形態と同様である。
また、温度センサ42a,42bは、ポンプ31に設けられた制御部45に接続されている。
また、本実施形態では、収容空間K内の温調媒体Wが一方向(保持部材22の左端面22c側から右端面22dに向かって)にしか流れない。これにより、制御部45は、収容空間K内の温調媒体Wの速度を制御することで、4つの波長変換素子21のうち、流入口41a側の波長変換素子21の温度が最も低く、流出口41bに向かうに連れて徐々に波長変換素子21の温度が高くなるように制御することが可能となる。
この制御部45は、温度センサ42a,42bにより測定された波長変換素子21の温度差に基づいて、ポンプ31の単位時間あたりの流量を制御し、ポンプ31から送出される温調媒体Wの流速を変化させる。すなわち、温度センサ42a,42bにより測定された温度が所定の温度差より大きい場合は、制御部37は、温調媒体Wの流速が速くなるようにポンプ31を制御し、温度センサ42a,42bにより測定された温度が所定の温度差より小さい場合は、制御部45は、温調媒体Wの流速が遅くなるようにポンプ31を制御する。このようにして、4つの波長変換素子21に温度勾配を付与している。
制御部45は、温度センサ42a,42bにより測定された温度差に基づいてポンプ31を制御したが、光源装置40から射出される光のスペックルノイズの発生状況に応じて、流速を変化させ波長変換素子21の温度を変えても良い。
次に、本発明に係る第3実施形態について、図5を参照して説明する。
本実施形態に係る光源装置50では、1つのエミッタ11aに対応して1つの波長変換素子55を用いる点において第1実施形態と異なる。その他の構成においては第1実施形態と同様である。
保持部材52は、図5に示すように、直方体状であり、内部に収容空間Kが形成されている。また、保持部材52は、半導体レーザ素子51が配置された側の端面52aに沿って、端面52aから収容空間Kに向かって貫通した8つの入射側貫通孔53と、端面52aと反対の端面52bに沿って端面52bから収容空間Kに向かって貫通した8つの射出側貫通孔54とが形成されている。そして、第1実施形態と同様に、段差56により波長変換素子55が成長軸方向に位置決めされる。
また、保持部材52の左端面52cに、ポンプ31と、リザーブタンク32と、配管33,34,35と、制御部37とを備えており、温度センサ36が保持部材52の左端面52c側に配置された波長変換素子55に設けられている。
なお、エミッタ51aから射出される光の出力波長がすべて異なる場合、この出力波長に応じた周期分極反転構造のピッチを有する波長変換素子55を用いても良いが、1種類の周期分極反転構造のピッチで、ある範囲の出力波長を有するエミッタ51aを包含させても良い。このようにすることで、周期分極反転構造のピッチが異なる波長変換素子の数を減らすことができるため、より製造コストを抑えることが可能となる。
次に、本発明に係る第4実施形態について、図6を参照して説明する。
本実施形態に係る光源装置60では、1つの収容空間K1に1つの波長変換素子21が保持されている点において第1実施形態と異なる。すなわち、外部に温度制御部を設けるのではなく、本実施形態では、収容空間の内部に温度制御部を設け、波長変換素子21を個々に制御する。その他の構成においては第1実施形態と同様である。
また、温度制御部65は、波長変換素子21の入射端面21a側の底面63に設けられたヒータ(温度変化手段)66と、側面64に設けられたモータ(流動手段)67とを備えている。これにより、各収容空間K1の温調媒体Wは、個別にヒータ66により暖められ、モータ67により攪拌される。このようにして、収容空間K1内の波長変換素子21の温度を均一な温度に保っている。
また、固体の熱伝導率が高い材質からなる保持部材を波長変換素子21の一部に接触させ、熱伝導により温度制御を行う場合よりも、波長変換素子21内での温度勾配も小さく、波長変換素子21の温度制御を正確に行うことが可能となる。
また、温度制御部65が、各収容空間K1に温度センサを備えていても良い。そして、この温度センサにより測定された温度に基づいてヒータ66を制御することにより、より正確に波長変換素子21の温度を調節することが可能となる。さらに、温度制御部65が、温度センサにより測定された温度に基づいてモータ67の回転速度を調整し収容空間K内の温調媒体Wの流動速度を調整しても良い。
また、必ずしもモータ67を設ける必要はないが、波長変換素子21内の温度をより均一に制御するにはモータ67を設けた方が効果的である。また、ヒータ66及びモータ67を保持部材22の外部に設けても良い。
また、ヒータ66を用いて波長変換素子21を加熱することにより温度を制御したが、温度変化手段として温調媒体Wを冷却させる部材を用いても良い。すなわち、保持部材61に放熱フィン形状を設けて放熱しても良い。
図7に示す第4実施形態の変形例の光源装置70では、図6に示す第4実施形態の保持部材61が内壁62で分割された構成となっている。すなわち、保持部材71が、波長変換素子21ごとに設けられ、各波長変換素子21を保持している。また、保持部材71は、所定の間隔をあけてエミッタ群11bに対向して配置されている。
これにより、波長変換素子21の温度を個別に制御することができるとともに、隣接する波長変換素子21を保持する保持部材71とは熱伝達が行われにくくなるため、波長変換素子21ごとのより正確な温度制御を行うことが可能となる。
なお、隣接する保持部材71間に断熱部材を設けて、隣同士の波長変換素子21の熱伝導をより抑える構成であっても良い。
次に、本発明に係る第5実施形態について、図8を参照して説明する。
なお、図8中においては、簡略化のためプロジェクタ100を構成する筐体は省略している。
また、プロジェクタ100は、レーザ光源10R,10G,10Bから射出されたレーザ光をそれぞれ変調する液晶ライトバルブ(光変調装置)104R,104G,104Bと、液晶ライトバルブ104R,104G,104Bによって形成された像を拡大してスクリーン(表示面)110に投射する投射レンズ(投射装置)107とを有する画像形成装置を備えている。また、プロジェクタ100は、液晶ライトバルブ104R,104G,104Bから射出された光を合成して投写レンズ107に導くクロスダイクロイックプリズム(色光合成手段)106を備えている。
また、平均波長の異なる群の構成で、同一色の中の波長を微妙にずらす構成だけでなく、すなわち、RGB3色を構成できるような大きな波長違いにも対応できる。例えば、3色各3ブロックずつ(同一色内の3ブロックは少しずつ波長をずらす)の9ブロックの構成であっても良い。
また、第1〜第4実施形態の光源装置(変形例を含む)を、レーザ光源(光源装置)からのレーザ光をスクリーン上で走査させることにより表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置(プロジェクタ)の光源装置にも適用するこが可能である。
Claims (15)
- 複数の発光部を有する光源と、
周期分極反転構造を有し、前記複数の発光部から射出された光の波長を所定の波長に変換する複数の波長変換素子と、
前記複数の波長変換素子の温度を調節する温度調節媒体と、
前記温度調節媒体を収容する収容空間を有し、前記複数の波長変換素子を保持する保持部材と、
前記温度調節媒体により前記複数の波長変換素子の温度を制御する温度制御部とを備え、
前記温度制御部が、前記複数の波長変換素子のうち、少なくとも1つの波長変換素子から射出される光の波長が、他の波長変換素子から射出される光の波長とは異なるように前記波長変換素子の温度を制御することを特徴とする光源装置。 - 前記複数の波長変換素子のうち、少なくとも1つの波長変換素子の周期分極反転構造のピッチが、他の波長変換素子の周期分極反転構造のピッチと異なり、
前記温度制御部は、前記複数の波長変換素子の温度が同じになるように制御することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。 - 前記複数の波長変換素子の周期分極反転構造のピッチが同一であり、
前記温度制御部が、前記複数の波長変換素子のうち、少なくとも1つの波長変換素子の温度が、他の波長変換素子の温度と異なるように制御することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。 - 前記保持部材の外部に、前記収容空間内の前記温度調節媒体を循環させる循環流路が設けられ、
前記温度調節媒体が、前記複数の波長変換素子の配列方向に沿って流動されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光源装置。 - 前記複数の波長変換素子の配列方向の一方の端部側の前記保持部材の面に、前記温度調節媒体を前記収容空間に流入させる流入部と、前記温度調節媒体を前記収容空間から流出させる流出部とが設けられ、
前記循環流路により、前記流入部と前記流出部とが連通されていることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。 - 前記流入部を前記流出部より前記波長変換素子の入射端面側に配置することを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
- 前記複数の波長変換素子の配列方向の一方の端部側の前記保持部材の面に前記温度調節媒体を前記収容空間に流入させる流入部が設けられ、
前記複数の波長変換素子の配列方向の他方の端部側の前記保持部材の面に前記温度調節媒体を前記収容空間から流出させる流出部が設けられ、
前記循環流路により、前記流入部と前記流出部とが連通されていることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。 - 少なくとも1つの前記波長変換素子の温度を測定する温度測定手段が設けられ、
前記温度制御部は、前記温度測定手段により測定された温度に基づいて前記温度調節媒体の流動速度を変えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光源装置。 - 前記収容空間が、前記複数の波長変換素子ごとに設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の光源装置。
- 前記保持部材が、前記複数の波長変換素子ごとに設けられていることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
- 前記温度制御部が、前記波長変換素子の温度を前記温度調節媒体を介して変化させる温度変化手段と、前記温度調節媒体を流動させる流動手段とを備え、
前記温度変化手段及び前記流動手段が、前記保持部材とは別に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の光源装置。 - 前記温度制御部が、前記波長変換素子の温度を前記温度調節媒体を介して変化させる温度変化手段と、前記温度調節媒体を流動させる流動手段とを備え、
前記温度変化手段及び前記流動手段が、前記保持部材に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の光源装置。 - 前記保持部材に、前記波長変換素子の光の進行方向の位置を決める位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の光源装置。
- 前記波長変換素子は、結晶組成もしくは不純物濃度が周期的に変動してなる成長縞を有し、前記成長縞が前記周期分極反転構造を構成することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の光源装置。
- 請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の光源装置と、
該光源装置からの光を利用して、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置とを備えることを特徴とするプロジェクタ。
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