JP2008276097A - 波長変換素子ユニット、波長変換素子ユニットの製造方法、光源装置及びプロジェクタ - Google Patents

波長変換素子ユニット、波長変換素子ユニットの製造方法、光源装置及びプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】波長変換素子を複数の波長に対応させるために、それぞれ異なるの波長整合を持たせた複数のバルク型の波長変換素子を個別に製造し、それを並べる必要がない製造方法を提供する。
【解決手段】複数の発光部から射出された光の波長を所定の波長に変換するとともに、結晶組成もしくは不純物濃度が周期的に変動してなる成長縞を有し、成長縞が周期分極反転構造を構成する複数の波長変換素子21と、複数の波長変換素子21を収容する収容部26が形成された保持部材22とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、波長変換素子ユニット、波長変換素子ユニットの製造方法、光源装置及びプロジェクタに関する。
近年、プロジェクタの小型化の要求が益々高まるなか、半導体レーザの高出力化、青色半導体レーザの登場に伴い、レーザ光源を使ったプロジェクタが開発されている。この種のプロジェクタは、光源の波長域が狭いために色再現範囲を十分に広くすることが可能である。また、小型化や構成部材の削減も可能であることから、次世代の表示デバイスとして大きな可能性を秘めている。この場合、光源として赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色のレーザ光源が必要である。例えば、R光用光源やB光用光源には半導体レーザで原振が存在するが、G光用光源には原振が存在しないため、赤外レーザからの赤外光を非線形光学素子に入射させた際に発生する第2次高調波(Second Harmonic Generation:SHG)を利用することが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
非線形光学効果を利用した光の波長変換では、変換前の基本波と変換後の高調波との間で位相整合条件が成立する必要があり、結晶内の分極方向を周期的に反転させる擬似位相整合法が用いられる。特許文献1では、MgO:LiNbO結晶内に微細なピッチで分極方向が周期的に反転した構造(以下、周期分極反転構造と称する。)を形成し、これを波長変換素子としている。ところが、実際の波長変換素子は、位相整合条件を満足する波長の許容範囲が極端に狭く、基本波の波長が僅かでもずれると出力(変換効率)が大きく低下する。一方、変換効率は波長変換素子の温度に強く依存することが知られている。これを利用して、複数のレーザ光を波長変換する複数の波長変換素子を備え、各波長変換素子の温度を個別に制御することで、波長変換素子全体の変換効率を確保したレーザ光源装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、これらの技術に用いられる波長変換素子としては、直方体状のバルク型を用いるのが一般的である。
特開2006−253406号公報 特開2006−352009号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の光源装置では、直方体状のバルク型の波長変換素子を用いているため、装置全体のコストが高い。つまり、このような波長変換素子の製造方法としては、まず、結晶にレーザ光の中心軸方向に沿って電極が有る領域と無い領域とが交互に並んだストライプ状の電極パターンを形成する。次に、これら電極パターンにパルス状の電圧を印加することにより分極反転構造を得る。
このような製造方法により製造された直方体状のバルク型の波長変換素子は製造プロセスが複雑であるため、コストが高く、それに伴い波長変換素子を備えた光源装置のコストも高くなってしまう。また、バルク型の波長変換素子を用いた場合、波長整合を1種類の波長対応で行うのが一般的であるため、異なる波長の光を射出する複数のエミッタの波長を変換するのが困難となる。すなわち、波長変換素子を複数の波長に対応させるためには、複数の波長が対応するように1つのバルク型の波長変換素子に作り込むか、別の波長整合を持たせた複数のバルク型の波長変換素子を並べる必要があるため、さらにコストが高くなってしまう。
また、複数の波長変換素子を用いる場合は、それぞれの波長変換素子の位置合わせが困難である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、波長変換素子を所定の位置に保持することが可能な波長変換素子ユニット、波長変換素子ユニットの製造方法、光源装置及びプロジェクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の波長変換素子ユニットは、複数の発光部から射出された光の波長を所定の波長に変換するとともに、結晶組成もしくは不純物濃度が周期的に変動してなる成長縞を有し、前記成長縞が周期分極反転構造を構成する複数の波長変換素子と、前記複数の波長変換素子を収容する収容部を有する保持部材とを備えることを特徴とする。
本発明に係る波長変換素子ユニットでは、結晶組成もしくは不純物濃度が周期的に変動してなる成長縞を有し、前記成長縞が周期分極反転構造を構成する波長変換素子は、単結晶をチョクラルスキー法(以下CZ法と略記する)を用いて分極反転構造を結晶中に導入して製造した素子である。この方法により製造された波長変換素子は、安価であるという利点があり、一般的に、波長変換素子の成長軸方向(結晶の引き上げ方向)に対して垂直な方向の断面形状が略円形状となっている。このため、波長変換素子を所定の位置で保持するのは困難であり、光源に対する位置決めが煩雑になるという問題が生じる。
そこで、本発明の波長変換素子は、保持部材に形成された収容部に保持されているため、簡易な構成で所定の位置に波長変換素子を保持することが可能となる。
また、低コストである略円柱状の波長変換素子を所定の位置に保持することができるため、ユニット全体の低コスト化を図ることが可能となる。
さらに、例えば、複数の発光部の間隔に合わせて複数の収容部を形成することにより、保持部材に波長変換素子が保持されることで、光源の配列方向と波長変換素子との位置決めを行うことが可能となる。
また、引き上げ法による結晶作製時に融液温度を制御するだけで、分極反転構造の反転ピッチが異なる波長変換素子を作製することができる。これにより、発光部の出力波長が製造誤差等によりずれていた場合でも、波長変換素子が低コストで製造されるため、発光部の出力波長に合った波長を変換する波長変換素子を用いても、装置全体のコストが高くなることはない。したがって、低コスト化を図りつつ、入射した光の変換効率の高い波長変換素子ユニットを提供することが可能となる。
また、本発明の波長変換素子ユニットは、前記保持部材に、前記波長変換素子の成長軸方向の位置を決める位置決め部が設けられていることが好ましい。
本発明に係る波長変換素子ユニットでは、保持部材に、波長変換素子の位置を決める位置決め部が設けられている。これにより、より正確に成長軸方向の波長変換素子の位置が決められるため、例えば、複数の発光部とそれに対応した複数の波長変換素子の入射端面との距離を一定にすることが可能となる。
また、本発明の波長変換素子ユニットは、前記波長変換素子の成長軸方向の側面の一部には、平坦化加工を施した平坦部が形成されていることが好ましい。
本発明に係る波長変換素子ユニットでは、波長変換素子の側面の一部には、平坦部が形成されているため、波長変換素子の保持部材に接触する接触面積を増やすことができる。これにより、より効率良く波長変換素子の熱を保持部材を介して放熱することが可能となる。さらには、平坦部を保持部材に接触させることにより、波長変換素子の位置が決められるので、波長変換素子の面内における分極処理の特性に方向性がある場合、方向性に対して同じ方向に平坦化処理することにより、方向性を揃えることが可能となる。
また、本発明の波長変換素子ユニットは、前記波長変換素子には、複数の前記平坦部が形成されていることが好ましい。
本発明に係る波長変換素子ユニットでは、波長変換素子が複数の平坦部を有しているため、平坦部同士を接触させることで、発光部が狭ピッチである場合でも対応することが可能となる。さらに、複数の波長変換素子の平坦部同士を接触させることにより、波長変換素子同士の熱伝導が良くなり、複数の波長変換素子の温度の均一化を図ることが可能となる。
また、平坦部を複数設けることにより、波長変換素子の保持部材に接触する接触面積が増えるため、波長変換素子の放熱効果を向上させることが可能となる。
また、本発明の波長変換素子ユニットは、前記波長変換素子の成長軸方向に垂直な端面のうち少なくとも一方の端面に平坦化加工が施されていることが好ましい。
本発明に係る波長変換素子ユニットでは、波長変換素子の成長軸方向に垂直な端面として、波長変換素子の入射端面に平坦化加工を施すことにより、発光部から射出された光が波長変換素子の入射端面に垂直に入射され易くなる。このように、波長変換素子の入射端面に光を垂直に入射させることにより、入射端面において光が屈折せず波長変換素子の内部に入射する。したがって、波長変換素子は、内部を進行する光の直進性を保ったまま射出端面から射出させることが可能となる。
また、波長変換素子の成長軸方向に垂直な端面として、波長変換素子の射出端面に平坦化加工を施すことにより、射出端面において光が屈折せずに波長変換素子から射出される。これにより、波長変換素子の後段側に光学素子を配置した場合、垂直に入射させることが可能となる。すなわち、特に、垂直に光を入射させなければならない光学素子を配置した場合に好適である。
また、本発明の波長変換素子ユニットは、前記保持部材の収容部内に、前記保持部材に前記複数の波長変換素子を保持する充填材が充填されていることが好ましい。
本発明に係る波長変換素子ユニットでは、波長変換素子が充填材により保持部材に保持されているため、波長変換素子の熱を充填材を介して効率良く保持部材に放熱することが可能となる。なお、充填材として熱伝導性の高い材料を用いることにより、さらに効果的に波長変換素子の熱を充填材を介して放熱することができる。
また、本発明の波長変換素子ユニットは、前記保持部材の収容部内に、前記保持部材に前記複数の波長変換素子を保持する弾性体からなる弾性部材が設けられていることが好ましい。
本発明に係る波長変換素子ユニットでは、波長変換素子の断面形状にバラツキがある場合に効果的である。すなわち、弾性部材により波長変換素子が保持されているため、波長変換素子の断面形状のバラツキを弾性部材により吸収させる。したがって、バラツキがあっても保持部材は波長変換素子を保持することが可能となる。
波長変換素子ユニットの製造方法では、上記の波長変換素子ユニットの製造方法であって、前記保持部材の収容部に前記波長変換素子を保持させる工程と、前記波長変換素子の成長軸方向に垂直な端面に研磨処理及び反射防止処理を施す工程とを有することを特徴とする。
本発明に係る波長変換素子ユニットの製造方法では、波長変換素子を保持した後、波長変換素子の入射端面及び射出端面に研磨処理及び反射防止処理を施すことにより、入射端面及び射出端面の平行度を精度良く確保することが可能となる。これにより、波長変換素子に垂直に入射した光が、入射端面及び射出端面で屈折することがないので、後段に配置された光学素子に垂直に光を入射させることができる。
本発明の光源装置は、複数の発光部を有する光源と、該光源から射出された光の波長を変換する上記の波長変換素子ユニットとを備えることを特徴とする。
本発明に係る光源装置では、複数の発光部から射出された光のうち一部の光は、波長変換素子により所定の波長に変換される。このとき、低コストな波長変換素子ユニットを備えているので、装置全体の低コスト化を図ることができる。
また、波長変換素子が低コストであるため、発光部ごとに波長変換素子を備えることもできる。したがって、発光部から射出される波長を異ならせ、この波長を変換する波長変換素子を用いることにより、光の利用効率を低下させることなく、波長変換素子ユニットから射出される光のスペックルノイズを低減させることが可能となる。
また、本発明の光源装置は、1つの前記波長変換素子には、前記複数の発光部から射出された光が入射することが好ましい。
従来の製法により製造された波長変換素子では、面内において分極反転のピッチが入射する位置によって異なるため、1つの波長変換素子に複数の発光部から射出された光が入射すると、光の変換効率が低下する場合が生じる。しかしながら、本発明の波長変換素子は、面内において分極反転ピッチのバラツキが充分小さいため、複数の発光部から射出された光を入射させても変換効率を落とすことはない。したがって、複数の発光部から射出された光の利用効率を向上させることが可能な光源装置を提供することが可能となる。
また、本発明の光源装置は、1つの前記波長変換素子には、1つの前記発光部から射出された光が入射することが好ましい。
本発明に係る光源装置では、低コストな波長変換素子を用いているため、1つの波長変換素子に1つの発光部を対応させても、装置全体が高コストにはならない。例えば、製造誤差等により、発光部の出力波長にバラツキが生じていても、発光部の出力波長に応じた波長を変換する波長変換素子を用いることにより、変換効率を低下させることなく入射した光を射出することが可能となる。
また、本発明の光源装置は、前記波長変換素子から射出されたレーザ光のうち前記所定の波長に変換されなかったレーザ光を前記発光部に向かって反射させることによって前記発光部の共振器ミラーとして機能するとともに、残りのレーザ光を透過させる波長選択素子を備えることが好ましい。
本発明に係る光源装置では、複数の発光部から射出されたレーザ光のうち一部の光は、波長変換素子により所定の波長に変換される。そして、所定の波長に変換された光と所定の波長に変換されなかった光とは波長選択素子に射出され、波長選択素子において、所定の選択波長光が反射され、変換された光は透過する。そして、波長選択素子で反射した光は共振器ミラー間で共振し増幅され、さらに波長変換素子を通過することで、所定の波長に変換された光が射出される。
このとき、例えば、製造の誤差等により発光部の出力波長のバラツキが生じていても、発光部の出力波長に応じた低コストな波長変換素子を用いることができるため、強度を落とすことなく波長選択素子に射出される。すなわち、波長変換素子の光の変換効率が高いため、装置全体の低コスト化を図りつつ光の利用効率を向上させることが可能となる。
また、本発明の光源装置は、前記保持部材に前記波長選択素子が保持されていることが好ましい。
本発明に係る光源装置では、保持部材に波長選択素子が保持されているため、波長選択素子の位置決めが容易となる。また、複数の波長変換素子から波長選択素子までの距離を一定に保つことができる。
本発明のプロジェクタは、上記の光源装置と、該光源装置からの光を利用して、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置とを備えることを特徴とする。
本発明に係るプロジェクタでは、光源装置より射出された光は画像形成装置に入射される。そして、画像形成装置により、表示面に所望の大きさの画像が表示される。このとき、光源装置から射出される光は、上述したように、スペックルノイズが抑えられた光であるため、低コストでありながらぎらつきを抑えた鮮明な画像を表示することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係る波長変換素子ユニット、波長変換素子ユニットの製造方法、光源装置及びプロジェクタの実施形態について説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
本発明に係る光源装置10は、図1に示すように、半導体レーザ素子11と、半導体レーザ素子11から射出された光の波長を変換する波長変換素子ユニット20と、波長変換素子ユニット20より変換された光を透過し、変換されなかった波長の光を選択して反射させる波長選択素子13とを備えている。また、波長変換素子ユニット20は7つの波長変換素子21を備えている。
また、図1は光源装置の概略構成を示す図であり、図2は光源装置の斜視図であり、図3は波長変換素子の斜視図である。なお、図1は、半導体レーザ素子から射出され波長選択素子に向かう光の光路図を分かり易く説明するために、1つのエミッタから射出されたレーザ光の光路のみ図示して説明する。
半導体レーザ素子11は、図1に示すように、7つのエミッタ群11A〜エミッタ群11Gを有している。1つのエミッタ群は、レーザ光を発する3つのエミッタ(発光部)11a,11b,11cを備えている。このエミッタ11a〜エミッタ11cは一列に配置されている。また、エミッタ11a〜エミッタ11cから射出される光のピーク波長は一致している。
また、半導体レーザ素子11には、固定するキャリア板、熱を放熱する放熱基板、電気的な接続を行う配線などが設けられているが、図1では簡略化して図示している。
次に、波長変換素子ユニット20について説明する。
波長変換素子ユニット20は、図1に示すように、波長変換素子21と、波長変換素子21を保持する保持部材22とを備えている。
波長変換素子(第2高調波発生素子、SHG:Second Harmonic Generation)21は、図2に示すように、エミッタ群11A〜エミッタ群11Gごとに設けられ、各エミッタ群11A〜エミッタ群11Gのエミッタ11a〜エミッタ11cに対向して配置されている。また、波長変換素子21は、レーザ素子11から射出されたレーザ光の中心軸Oに対して垂直な方向の断面形状が楕円状である楕円柱となっている。この波長変換素子21の断面積は、3つのエミッタ11a〜エミッタ11cから射出されたレーザ光のスポットS1,S2,S3が入射可能な大きさとなっている。
波長変換素子21は、入射光をほぼ半分の波長に変換する非線形光学素子であり、例えば、波長変換素子21に入射するレーザ光の強度が強いほど、変換効率が向上する。つまり、半導体レーザ素子11から射出されたレーザ光のすべてが、所定波長のレーザ光に変換されるわけではない。
波長変換素子21の製法について説明する。
本実施形態では、LiNbO3単結晶をCZ(チョクラルスキー:Czochralski)法により結晶成長させる。この製法は、結晶の引き上げ育成中に人為的に分極反転構造を結晶中に導入する方法である。一般的には成長縞(ストリエーション:striation)21Sと称される不純物濃度や組成の微小な周期的変動が固液界面形状に一致して導入される。この成長縞21Sは、単結晶の引き上げ成長時に成長界面(融液表面)の温度を周期的に変動させることによって形成することができる。したがって、引き上げ法による結晶作製時に融液温度を制御するだけで、分極反転構造のピッチが異なる波長変換素子を製造することができる。このような製法により、製造された波長変換素子21は、図3に示すように、結晶の引き上げ方向に沿って、分極が互いに反転したドメインの繰り返し構造を得ることができる。また、結晶の引き上げ方向がレーザ素子11から射出されたレーザ光の進行方向となっている。
また、結晶の引き上げによって、図2に示すような、断面形状が楕円状の他、断面形状が円状の円柱にすることも可能である。
CZ法により製造された波長変換素子は、以下のような利点を有している。CZ法は、フォトリソグラフィ法及びエッチング法に比べて、工程が簡略化され低コストで波長変換素子を製造することが可能となる。すなわち、フォトマスクなどのツールを必要とせず、初期導入時のコストがかからない上に、分極反転のピッチの変更などの仕様変更を容易に行うことができる。
また、直方体のバルク型では、波長変換素子21の一方の面から他方の面に向かって分極反転領域が狭くなる場合が生じるため、分極の偏差が生じる。これにより、分極反転ピッチが一定ではなくなってしまうため、レーザ光が入射した位置によって光の変換効率が変わってしまう。しかしながら、CZ法により製造された波長変換素子21は、分極反転ピッチがレーザ光の進行方向で一定である。これにより、エミッタに対して面方向の位置決め精度を厳しくしなくても良い。
保持部材22は、図2に示すように、半導体レーザ素子11が配置された側の端面22aから端面22aと反対の端面22bに向かって(一方向)7つの孔(収容部:貫通孔)26が形成されている。この孔26は、レーザ光の中心軸Oに対して垂直な方向の開口断面積が異なる2つの大きさの孔26a,26bから構成されている。
孔26は、具体的には、図1に示すように、半導体レーザ素子11が配置された側の保持部材22の端面22aに開口された孔26aと、波長変換素子21が挿通可能な大きさであり、波長選択素子13側が配置された側の保持部材22の端面22bに開口された孔26bとを有している。この孔26bの大きさは、波長変換素子21の外形とほぼ同じ大きさとなっている。
そして、この孔26aと孔26bとは連通しており、孔26aは空洞であり、孔26bには波長変換素子21が保持されている。また、孔26bのレーザ光の中心軸O方向の寸法M1は、波長変換素子21の寸法M2に比べて短くなっており、波長変換素子21の射出端面21b側が保持部材の端面22bより突出している。さらに、孔26aの開口面積は、図1に示すように、孔26bの開口面積に比べて小さい。これにより、孔26aと孔26bとが連通する部分が段差部27となり、この段差部27によって、波長変換素子21のレーザ光の中心軸O方向の位置が固定される。つまり、この段差部27が、波長変換素子21の位置決め部となっている。
波長変換素子ユニットを製造する際には、図3に示すように、CZ法により所定の断面形状を有する波長変換素子21を製造する。そして、保持部材22の孔26に波長変換素子21を挿通し、位置を調整して、UV硬化型樹脂を用いて保持部材22と波長変換素子21とを接着する。このとき、保持部材22の孔26bの中心軸O方向の寸法M1より、波長変換素子21の寸法M2の方が長いため、波長変換素子21の射出端面21bが突出する。そして、射出端面21bの研磨処理及びARコート(反射防止処理)を行う。
なお、波長変換素子21の入射端面21aに平坦化加工を施す場合は、保持部材22の孔26に挿通する前に平坦化加工を施せば良い。
また、波長選択素子13は、図1に示すように、波長変換素子21から射出された所定の選択波長のレーザ光(図1に示す鎖線)W1を選択して半導体レーザ素子11に向かって反射させることによってエミッタ11a〜11eの共振器ミラーとして機能するとともに、変換されたレーザ光(図1に示す二点鎖線)W2を透過させるものである。波長選択素子13としては、例えば、周期格子を有するホログラムのような光学素子を用いることができる。
次に、半導体レーザ素子11から射出される光の光路について、図1を参照して説明する。
半導体レーザ素子11から射出された基本波の光(図1に示す実線)W3は、波長変換素子21を通過することによって、ほぼ半分の波長の光に変換される。波長変換素子21によって波長が変換されなかった光は、半導体レーザ素子11と波長選択素子13との間で反射を繰り返し、増幅された後、レーザ光W2として、波長選択素子13から射出されるようになっている。波長選択素子13は様々な波長の光を透過させるが、そのうち、所定の波長の光だけが増幅されている。増幅された光の強度は、他の波長の光の強度と比較して著しく高い。よって、波長選択素子13を透過した光W2は、ほぼ単一波長の光とみなすことができる。この光W2の波長は、波長選択素子13の選択波長、つまり波長選択素子13が反射する光W1の波長とほぼ同一である。波長選択素子13は、所定の選択波長の光の一部(98〜99%程度)を反射するので、その残り(1〜2%程度)の光が出力光として利用されることになる。
また、波長選択素子13は、波長変換素子21によって所定の波長に変換されなかったレーザ光W1のみを選択して半導体レーザ素子11に向かって反射させ、それ以外のレーザ光を透過させるものである。
本実施形態に係る波長変換素子ユニット20では、所定の位置に保持しづらい断面形状が楕円状の波長変換素子21であっても、孔26の形成された保持部材22が波長変換素子21を保持することにより、簡易な構成で波長変換素子21を所定の位置に保持することが可能となる。
また、CZ法により、波長変換素子21を低コストに製造することができるため、光源装置10全体のコストを抑えることが可能となる。
さらに、孔26の位置を隣接するエミッタ11a〜エミッタ11cの3つごとの間隔に合わせて形成することにより、保持部材22の孔26に波長変換素子21を保持させることで、エミッタ11a〜エミッタ11cの配列方向と波長変換素子21との位置決めを行うことが可能となる。
つまり、本実施形態の波長変換素子ユニット20は、略円柱状の波長変換素子21を所定の位置に保持することが可能である。
また、保持部材22に段差部27が設けられているため、より正確にレーザ光の進行方向の波長変換素子21の位置が決められる。したがって、エミッタ11a〜エミッタ11cとこれに対応した波長変換素子21の入射端面21aとの距離を一定にすることが可能となる。
また、CZ法により波長変換素子21を製造することにより、分極反転のピッチの変更などの仕様変更を容易に行うことができる。そこで、異なる波長の光を射出するエミッタ群11A〜エミッタ群11Gを備え、それぞれのエミッタ群の出力波長に応じた波長変換素子21を配置する。なお、エミッタ群11A〜エミッタ群11Gの出力波長のバラツキは、例えば1nmである。これにより、各波長変換素子から射出される光の波長が異なっているため、波長変換素子ユニット20から射出されるレーザ光の干渉性が抑えられる。したがって、装置全体のコストを抑えつつ、スペックルノイズを低減させることが可能な光源装置10を提供することが可能となる。
また、本実施形態の波長変換素子ユニット20の製造方法では、保持部材22に波長変換素子21を保持させた後、複数の波長変換素子21の射出端面21bに一度に研磨処理及びARコートを施すことにより、7つの波長変換素子21のすべての射出端面21bのレーザ光の中心軸O方向の位置を一定にすることが可能となる。すなわち、波長変換素子21を製造した段階で行う必要がないため、工程の簡略化を図ることが可能となる。
なお、図1では、半導体レーザ素子11の複数のエミッタ11a〜エミッタ11cを1列に配置した構成であったが、2列以上であっても良い。
また、1つの波長変換素子21に対して3つのエミッタ11a〜エミッタ11cを配置させたが、エミッタの数はこれに限るものではない。すなわち、エミッタの個数に応じて、波長変換素子21の断面形状を代えて製造すれば良い。
さらに、一般に結晶をCZ法を用いて分極反転させる製法で作られる波長変換素子21は断面形状が楕円状であるため、楕円柱の波長変換素子21を例に挙げて説明したが、波長変換素子21の形状はこれに限るものではない。
また、保持部材22には必ずしも段差部27を設けなくても良い。すなわち、同じ寸法を有する複数の波長変換素子21を用いて同じ寸法だけ、保持部材22の端面22bから突出させても良く、また、波長変換素子21の射出端面21bと保持部材22の端面22bとが同一の面となるように、波長変換素子21を保持部材22の孔26内に保持させても良い。
また、位置決め部として段差部27を形成したが、段差だけではなく、保持部材22の端面22bから端面22aに向かって徐々に開口面積が小さくなっていても良い。すなわち、収容部の断面積と波長変換素子の断面積とが略一致する箇所が位置決め部となる。
また、保持部材の収容部としては、貫通孔が形成された構成にしたが、これに限るものではない。すなわち、図4(a)に示すように、孔26aに光透過性部材(光透過性樹脂)26cが設けられた保持部材や、図4(b)に示すように、貫通孔ではなく、凹部26dが形成された保持部材であっても良い。この構成の場合、波長変換素子21の射出端面21aから外部に光が射出されるように、保持部材は光透過性を有する材料からなっている。また、図4(c)に示すように、収容部が溝26fである保持部材であっても良い。
なお、図4(a)から図4(b)に示す保持部材は、1つの収容部のみ示している。
[第1実施形態の変形例]
図1に示す第1実施形態では、保持部材22に波長変換素子21が保持された構成であったが、保持部材35が波長選択素子13も保持する光源装置30であっても良い。図5を参照して説明する。
保持部材35の寸法は、波長変換素子21の寸法に比べて大きい。波長変換素子21の寸法M2に比べて長くなっている。また、保持部材35の半導体レーザ素子11側の端面35aと反対の他方の端面35bに、図5に示すように、凹部31が形成されている。そして、この凹部31に波長選択素子13が保持されている。
この構成では、保持部材35の凹部31に波長選択素子13を嵌め込むだけで、複数の波長変換素子21の射出端面21bから波長選択素子13の入射端面13aまでの間隔を一定にすることが可能となる。
なお、保持部材35が半導体レーザチップ11を保持する構成であっても良い。この構成では、半導体レーザチップ11から複数の波長変換素子21の入射端面21aまでの間隔を一定にすることが可能となる。
さらに、保持部材が、波長変換素子21、波長選択素子13、及び半導体レーザ素子11を保持する構成であっても良い。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態について、図6を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態の図面において、上述した第1実施形態に係る光源装置10と構成を共通とする箇所には同一符号を付けて、説明を省略することにする。
本実施形態に係る光源装置40では、1つのエミッタに対応して1つの波長変換素子を用いる点において第1実施形態と異なる。
半導体レーザ素子11は、図6に示すように、15個のエミッタ11a〜エミッタ11oが一列に配置されている。
波長変換素子41は、複数のエミッタ11a〜エミッタ11oのそれぞれに対向して配置されている。また、波長変換素子41は、レーザ素子11から射出されたレーザ光の中心軸Oに対して垂直な方向の断面形状が略円状である円柱状となっている。この波長変換素子41の断面積は、各エミッタ11a〜エミッタ11oから射出されたレーザ光のスポットSaが入射可能な大きさとなっている。
保持部材42は、図6に示すように、半導体レーザ素子11が配置された側の端面42aから端面42aと反対の端面42bに向かって(一方向)15個の孔(収容部)46が形成されている。この孔46は、第1実施形態の保持部材22と同様に、レーザ光の中心軸Oに対して垂直な方向の開口断面積が異なる2つの大きさの孔46a,46bから構成されている。
孔46は、具体的には、半導体レーザ素子11が配置された側の保持部材42の端面42aに開口された孔46aと、波長変換素子41が挿通可能な大きさであり、波長選択素子13側が配置された側の保持部材42の端面42bに開口された孔46bとを有している。この孔46bの大きさは、図6に示すように、波長変換素子41の外形とほぼ同じ大きさとなっている。
本実施形態は、複数のエミッタ11a〜エミッタ11oから射出する出力波長が異なる場合に、特に効果的である。すなわち、出力波長のバラツキが、例えば1nmであるエミッタ11a〜エミッタ11oを備える。そして、各エミッタ11a〜エミッタ11oに対応した波長変換素子41としては、エミッタ11a〜エミッタ11oから射出された光を所定の波長に変換する素子を用いる。これにより、波長変換素子ユニット45から射出されるレーザ光の干渉性が抑えられえる。
本実施形態に係る光源装置40では、複数の波長変換素子41を保持部材42に形成された孔46により、所定の位置に保持することが可能となる。また、従来の製造で製造された直方体の波長変換素子41はコストが高いが、本実施形態では低コストである波長変換素子41を用いているため、エミッタ11a〜エミッタ11oの出力波長に適した複数の波長変換素子41を安価に製造することができる。したがって、装置全体のコストを抑えつつ、スペックルノイズを低減させることが可能な光源装置40を提供することが可能となる。
なお、意図的に出力波長の異なるエミッタ11a〜エミッタ11oを用いるのではなく、製造誤差等により出力波長にバラツキが生じた場合には、その出力波長に適した波長を変換する波長変換素子を安価に用いることが可能となる。
[第3実施形態]
次に、本発明に係る第3実施形態について、図7から図11を参照して説明する。
本実施形態に係る波長変換素子ユニット55では、複数の波長変換素子51を1つの孔(収容部)56で保持する点において第1実施形態と異なる。
また、図7は波長変換素子ユニット55の波長変換素子51の入射端面51a側から見た正面図であり、図8は図7のA−A線における矢視断面図であり、図9は、波長変換素子ユニット55の製造工程を示す図である。
波長変換素子ユニット55には、図8に示すように、保持部材52に半導体レーザ素子11が配置された側の端面52aから端面52aと反対の端面52bに向かって(一方向)孔56が形成されている。この保持部材52は、熱伝導性が高い材料、例えば、銅により形成されている。
波長変換素子51には、図7に示すように、外周の一部にレーザ光の進行方向(中心軸O方向)に沿って平坦化加工が施された平坦部51cが形成されている。この平坦部51cは、保持部材52の内側面52cに接触して設けられている。また、図8に示すように、波長変換素子51の入射端面51aと保持部材52の端面52aとが同一の面となっている。同様に、波長変換素子51の射出端面51bと保持部材52の端面52bとが同一の面となっている。
また、保持部材52の孔56には接着材57が充填されている。これにより、複数の波長変換素子51は接着材57により保持部材52に保持されている。
接着材(充填材)57としては、熱伝導性の高い樹脂を用いており、熱伝導率は10〜30(W/m・k)であり、好ましくは100(W/m・k)以上である。
次に、波長変換素子ユニットの製造方法について説明する。
まず、CZ法により断面形状が円形状である波長変換素子51を製造する。そして、半導体レーザ素子11のエミッタの間隔に合わせて、保持部材52の孔56の内側面52cに波長変換素子21の平坦部51cを接触させる。このとき、図9に示すように、波長変換素子51の寸法N1は、孔56のレーザ光の進行方向の寸法N2に比べて長いものを用いる。これにより、波長変換素子51の入射端面51a及び射出端面51bが、それぞれ保持部材52の端面52a,52bから突出するように、波長変換素子51を孔56内に配置する。そして、孔56内に接着材57を充填した後、波長変換素子51の入射端面51a及び射出端面51bを研磨処理及びARコート(反射防止処理)し、図8に示すように、波長変換素子51の入射端面51a及び射出端面51bを保持部材52の端面52a,52bと同一の面にする。
本実施形態に係る波長変換素子ユニット55では、波長変換素子51には外周の一部に平坦部51cが形成されているため、波長変換素子51の保持部材52に接触する接触面積が増える。これにより、保持部材52は波長変換素子51を保持するとともに、より効率良く波長変換素子51の熱を保持部材52を介して放熱することが可能となる。また、保持部材52を熱伝導性の高い材料により形成することで、波長変換素子51の温度制御を行うための熱伝導路として機能するため、より効果的に波長変換素子51の熱を外部に放熱することができる。
さらには、波長変換素子51の面内における分極処理の特性に方向性がある場合、この分極方向と垂直な方向に平坦化処理を施すことにより、分極方向を揃えることが可能となる。
また、波長変換素子51の平坦部51cと保持部材52の内側面52cとを接触させることにより波長変換素子51の位置を規制し易くなる。これにより、波長変換素子51を所定の位置に保持し易くなる。
また、波長変換素子51を熱伝導性の高い接着材57により保持部材52に保持することにより、波長変換素子51の熱を接着材57を介して効率良く放熱することが可能となる。
さらに、本実施形態の波長変換素子ユニット55の製造方法では、保持部材52に波長変換素子51を保持させた後、複数の波長変換素子51の入射端面51a及び射出端面51bに一度に研磨処理及びARコートを施すことにより、入射端面51a及び射出端面51bの平行度を精度良く確保することが可能となる。これにより、波長変換素子51に入射したレーザ光が、入射端面51a及び射出端面51bで屈折することがないので、波長選択素子13に垂直にレーザ光を入射させることができる。また、波長変換素子51を製造した段階で行う必要がないため、工程の簡略化を図ることが可能となる。
なお、第1実施形態と同様に、図10に示すように、波長変換素子51ごとに孔58(収容部)を有し、この孔58に接着材57が充填されていても良い。また、接着材57は、孔56に必ずしもすべて充填されている必要はなく、孔56の一部に設けられていても良い。
また、第1実施形態と同様に、波長変換素子51に平坦部51cが形成されていない円形状の波長変換素子59であっても良い。この構成では、図11に示すように、孔58より径の小さい波長変換素子59を用いることにより、孔58と波長変換素子59との間に隙間58aが設けられる。そして、隙間58aに接着材57を充填する。これにより、波長変換素子59の熱が接着材57を介して保持部材に伝わる。すなわち、波長変換素子51の位置決め精度を厳しくしなくても良いため、簡易な工程で複数の波長変換素子51を保持した波長変換素子ユニットを製造することができるとともに、効率良く放熱することができる。
また、波長変換素子51の入射端面51a及び射出端面51bのうち一方の端面を第1実施形態で示した段差部27により位置を規制し、他方の端面のみ研磨処理及びARコートを施しても良い。
[第4実施形態]
次に、本発明に係る第4実施形態について、図12及び図13を参照して説明する。
本実施形態に係る光源装置60では、波長変換素子61が複数の平坦部61a,61bを有し、隣接する波長変換素子61が接触している点において第3実施形態と異なる。
光源装置60の波長変換素子ユニット65には、第3実施形態と同様に、保持部材62に孔(収容部)66が形成されている。この保持部材62は、熱伝導性が高い材料、例えば、銅により形成されている。
波長変換素子61には、外周の一部にレーザ光の進行方向(中心軸O方向)に沿って平坦化加工が施された平坦部61aが形成されている。そして、平坦部61aと反対側の外周には平坦化加工が施された平坦部61bが形成されている。そして、複数の波長変換素子61は、当該波長変換素子61の平坦部61aと隣接する波長変換素子の平坦部61bとが接触するように配置されている。この波長変換素子61の断面積は、2つのエミッタ11a,エミッタ11bから射出されたレーザ光のスポットS1,S2が入射可能な大きさとなっている。
また、保持部材62の孔66には接着材67が充填されている。これにより、複数の波長変換素子61は接着材67により保持部材62に保持されている。
本実施形態に係る光源装置60では、複数の波長変換素子61の平坦部61a,61bを接触させることにより、波長変換素子61同士の熱伝導が良くなり、複数の波長変換素子61の温度の均一化を図ることが可能となる。
また、隣接した波長変換素子61を接触させることで、隣接する波長変換素子61のピッチを狭くすることができる。したがって、エミッタ11a,エミッタ11bのピッチ方向の制約がある場合に、波長変換素子61のピッチを隣接するエミッタ11a,11bのピッチに合わせることができるため効果的である。
また、波長変換素子61を接着材67により保持部材62に保持することにより、波長変換素子61の熱を効率良く保持部材62に放熱することが可能となる。
なお、図13に示すように、波長変換素子71の平坦部71aを保持部材72の孔76(収容部)の上面76aに接触させ、平坦部71bを孔76の下面76bに接触させても良い。また、隣接する波長変換素子71の間は接着材77が充填されている。この構成では、波長変換素子71の熱を保持部材72を介して外部に放熱され易くすることが可能となる。すなわち、平坦部を複数設けることにより、波長変換素子71の保持部材72に接触する接触面積が増えるため、波長変換素子71の放熱効果を向上させることが可能となる。
[第5実施形態]
次に、本発明に係る第5実施形態について、図14を参照して説明する。
本実施形態に係る波長変換素子ユニット80では、波長変換素子81が弾性体からなる弾性部材85により保持部材82に保持されている点において第3実施形態と異なる。
波長変換素子ユニット80には、図14に示すように、第3実施形態と同様に、保持部材82に孔(収容部)86が形成されている。この保持部材82は、熱伝導性が高い材料、例えば、銅により形成されている。
弾性部材85は、複数の凹部85aを有しており、この凹部85aにはそれぞれ波長変換素子81が配置されている。また、弾性部材85を保持部材82の孔86の下面86bから上面86aに向かって付勢させることで、波長変換素子81を保持部材86の上面86aに押し当てている。なお、波長変換素子81の形状は、第2実施形態で示した円柱状である。
本実施形態に係る波長変換素子ユニット80では、波長変換素子81の大きさ(径)にバラツキがある場合に効果的である。すなわち、波長変換素子81の大きさのバラツキを弾性部材85により吸収させることができるため、バラツキがあっても保持部材82は波長変換素子81を保持することが可能となる。
なお、弾性部材85と上面86aとの空洞部87に熱伝導性の高い樹脂を充填させても良い。また、弾性部材85を熱伝導性が高い材料により形成しても良い。これらの構成では、波長変換素子81の熱を効率良く放熱することが可能となる。
また、弾性部材85としては、複数の凹部85aを有するものに限らず、例えば立方体状の弾性部材に波長変換素子の径より小さい複数の孔を形成し、この孔内に波長変換素子81を保持する構成であっても良い。
[第6実施形態]
次に、本発明に係る第6実施形態について、図15を参照して説明する。
なお、図15中においては、簡略化のためプロジェクタ100を構成する筐体は省略している。
プロジェクタ100において、赤色光、緑色光、青色光を射出する赤色レーザ光源(光源装置)101R,緑色レーザ光源(光源装置)101G、青色レーザ光源(光源装置)101Bは、上記第1実施形態の波長変換素子ユニット20を有する光源装置101である。
また、プロジェクタ100は、レーザ光源101R,101G,101Bから射出されたレーザ光をそれぞれ変調する液晶ライトバルブ(光変調装置)104R,104G,104Bと、液晶ライトバルブ104R,104G,104Bによって形成された像を拡大してスクリーン(表示面)110に投射する投射レンズ(投射装置)107とを有する画像形成装置を備えている。また、プロジェクタ100は、液晶ライトバルブ104R,104G,104Bから射出された光を合成して投写レンズ107に導くクロスダイクロイックプリズム(色光合成手段)106を備えている。
さらに、プロジェクタ100は、レーザ光源101R,101G,101Bから射出されたレーザ光の照度分布を均一化させるため、各レーザ光源101R,101G,101Bよりも光路下流側に、均一化光学系102R,102G,102Bを設けており、これらによって照度分布が均一化された光によって、液晶ライトバルブ104R,104G,104Bを照明している。例えば、均一化光学系102R,102G、102Bは、例えば、ホログラム102a及びフィールドレンズ102bによって構成される。
各液晶ライトバルブ104R,104G,104Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム106に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は投写光学系である投射レンズ107によりスクリーン110上に投写され、拡大された画像が表示される。
上述した本実施形態のプロジェクタ100は、赤色レーザ光源101R,緑色レーザ光源101G,青色レーザ光源101Bが、低コスト化でありスペックノイズを抑えることが可能であるため、低コストでありながらぎらつきを抑えた鮮明な画像を表示することが可能となる。
なお、本実施形態のプロジェクタにおいて、赤色,緑色及び青色のレーザ光源101R,101G、101Bについては、第1実施形態の波長変換素子ユニット20を用いたものを説明したが、第1〜第5実施形態の波長変換素子ユニット(変形例を含む)を用いることも可能である。このとき、各光源装置101のそれぞれに異なる波長変換素子ユニットを有する光源装置を採用することも可能であるし、同じ波長変換素子ユニットを有する光源装置を採用することも可能である。
また、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いても良いし、反射型のライトバルブを用いても良い。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)が挙げられる。投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
また、第1〜第5実施形態の波長変換素子ユニット(変形例を含む)を、レーザ光源(光源装置)からのレーザ光をスクリーン上で走査させることにより表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置(プロジェクタ)の光源装置にも適用するこが可能である。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、色光合成手段として、クロスダイクロイックプリズムを用いたが、これに限るものではない。色光合成手段としては、ダイクロイックミラーをクロス配置とし色光を合成するもの、ダイクロイックミラーを平行に配置し色光を合成するものを用いることができる。
また、半導体レーザ素子として、1つの基板上に複数のエミッタが形成された構成にしたが、1つの基板に1つのエミッタが形成された半導体レーザ素子を複数用いても良い。
また、保持部材は必ずしも熱伝導性が高い材料により形成されていなくても良い。
本発明の第1実施形態に係る光源装置を示す要部断面図である。 図1の光源装置及び波長変換素子ユニットを示す斜視図である。 図1の光源装置の波長変換素子を示す斜視図である。 図1の光源装置の保持部材の変形例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る光源装置の変形例を示す要部断面図である。 本発明の第2実施形態に係る光源装置を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る波長変換素子ユニットを示す要部断面図である。 図7の波長変換素子ユニットのA−A線矢視断面図である。 図7の波長変換素子ユニットの製造工程を示す要部断面図である。 本発明の第3実施形態に係る波長変換素子ユニットの変形例を示す要部断面図である。 本発明の第3実施形態に係る波長変換素子ユニットの変形例を示す要部断面図である。 本発明の第4実施形態に係る波長変換素子ユニットを示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る波長変換素子ユニットの変形例を示す斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る波長変換素子ユニットを示す斜視図である。 本発明の第6実施形態に係るプロジェクタを示す光路図である。
符号の説明
10,30,40,60…光源装置、11a〜11o…エミッタ(発光部)、13,41,51…波長選択素子、20,45,55,65,80…波長変換素子ユニット、21,41,59,61,71、81…波長変換素子、22,35,42,52,62,72,82…保持部材、26a,26b,66,76,86…孔(収容部)、51c,61a,61b,71a,71b…平坦部、57,67,77…接着材、85…弾性部材、100…プロジェクタ

Claims (14)

  1. 複数の発光部から射出された光の波長を所定の波長に変換するとともに、結晶組成もしくは不純物濃度が周期的に変動してなる成長縞を有し、前記成長縞が周期分極反転構造を構成する複数の波長変換素子と、
    前記複数の波長変換素子を収容する収容部が形成された保持部材とを備えることを特徴とする波長変換素子ユニット。
  2. 前記保持部材に、前記波長変換素子の成長軸方向の位置を決める位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子ユニット。
  3. 前記波長変換素子の成長軸方向の側面の一部には、平坦化加工を施した平坦部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の波長変換素子ユニット。
  4. 前記波長変換素子には、複数の前記平坦部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の波長変換素子ユニット。
  5. 前記波長変換素子の成長軸方向に垂直な端面のうち少なくとも一方の端面に平坦化加工が施されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の波長変換素子ユニット。
  6. 前記保持部材の収容部内に、前記保持部材に前記複数の波長変換素子を保持する充填材が充填されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の波長変換素子ユニット。
  7. 前記保持部材の収容部内に、前記保持部材に前記複数の波長変換素子を保持する弾性体からなる弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の波長変換素子ユニット。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の波長変換素子ユニットの製造方法であって、
    前記保持部材の収容部に前記波長変換素子を保持させる工程と、前記波長変換素子の成長軸方向に垂直な端面に研磨処理及び反射防止処理を施す工程とを有することを特徴とする波長変換素子ユニットの製造方法。
  9. 複数の発光部を有する光源と、
    該光源から射出された光の波長を変換する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の波長変換素子ユニットとを備えることを特徴とする光源装置。
  10. 1つの前記波長変換素子には、前記複数の発光部から射出された光が入射することを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
  11. 1つの前記波長変換素子には、1つの前記発光部から射出された光が入射することを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
  12. 前記波長変換素子から射出されたレーザ光のうち前記所定の波長に変換されなかったレーザ光を前記発光部に向かって反射させることによって前記発光部の共振器ミラーとして機能するとともに、残りのレーザ光を透過させる波長選択素子を備えることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の光源装置。
  13. 前記保持部材に前記波長選択素子が保持されていることを特徴とする請求項12に記載の光源装置。
  14. 請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の光源装置と、
    該光源装置からの光を利用して、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置とを備えることを特徴とするプロジェクタ。
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