JP2008305816A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゲート電極と各ソース/ドレイン電極間に有限の間隔が存在するため、寄生抵抗が発生する。
【解決手段】バリア層4の内で第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6B間の領域4A全体の表面上に、AlGaOから成る絶縁膜8が全面的に形成されている。更に、絶縁膜8の表面上に、ゲート電極9が全面的に形成されている。本構造によって、ゲート電極9と第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bないしは第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bとが直接に接触することはない。
【選択図】図1
【解決手段】バリア層4の内で第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6B間の領域4A全体の表面上に、AlGaOから成る絶縁膜8が全面的に形成されている。更に、絶縁膜8の表面上に、ゲート電極9が全面的に形成されている。本構造によって、ゲート電極9と第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bないしは第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bとが直接に接触することはない。
【選択図】図1
Description
この発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、窒化物を含む半導体(以下「窒化物半導体」と言う。)から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタとその製造方法とに関する。
従来の窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタでは、ゲート電極と、ソース/ドレイン電極の下側に形成された高濃度n型不純物領域との間には、間隔が存在する(特許文献1参照)。
(問題点1)
窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタを高周波化するためには、ゲート電極とソース/ドレイン電極間に生じる寄生抵抗を低減することが望ましい。従来の構造では、トランジスタが動作する際にキャリアが走行する領域(ソース/ドレイン電極間、或いは、ソース/ドレイン電極下部の高濃度n型不純物領域間)の全てがゲート電極によって覆われておらず、ゲート電極と高濃度n型不純物領域(或いはソース/ドレイン電極)との間には、間隔が生じていた。この領域があることによって、ゲート、ソース及びドレインの各電極間には、寄生抵抗が生じる。しかも、従来の構造では、トランジスタが動作する際にキャリアが走行する領域の全てをゲート電極で覆おうとした場合には、ゲート電極とソース/ドレイン電極とが接してしまうため、実質的にそのような構造を実現することは不可能である。
窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタを高周波化するためには、ゲート電極とソース/ドレイン電極間に生じる寄生抵抗を低減することが望ましい。従来の構造では、トランジスタが動作する際にキャリアが走行する領域(ソース/ドレイン電極間、或いは、ソース/ドレイン電極下部の高濃度n型不純物領域間)の全てがゲート電極によって覆われておらず、ゲート電極と高濃度n型不純物領域(或いはソース/ドレイン電極)との間には、間隔が生じていた。この領域があることによって、ゲート、ソース及びドレインの各電極間には、寄生抵抗が生じる。しかも、従来の構造では、トランジスタが動作する際にキャリアが走行する領域の全てをゲート電極で覆おうとした場合には、ゲート電極とソース/ドレイン電極とが接してしまうため、実質的にそのような構造を実現することは不可能である。
(問題点2)
又、窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタをスイッチング素子等に用いる場合には、当該トランジスタがノーマリオフ動作することが望ましい。窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタに於いては、バリア層の厚さ及びチャネル層とバリア層とを構成する原子の混晶比(例えば、AlGaNの場合にはAlの組成)を制御することによって、ゲート電極に電圧を印加しない状態で2次元電子ガス(2DEG)を発生させないことが可能である。この様に、ゲート電極に電圧を印加しない状態では2次元電子ガスが発生しない様にヘテロエピタキシャル構造を設計した場合に於いて、トランジスタが動作する際にキャリアが走行する領域の全てがゲート電極で覆われていれば、ゲート電極に電圧を印加することで、キャリアが走行する領域の全てに2次元電子ガスを発生させることが出来、ノーマリオフ型のトランジスタを作製することが出来る。しかし、従来の構造では、ゲート電極と高濃度n型不純物領域との間の領域には間隔が生じるため、高抵抗となって、電流が流れない。そのため、ゲート電極と高濃度n型不純物領域との間の上記領域には、2次元電子ガスを発生させられず、当該領域は大きな抵抗を呈するため、従来の構造をトランジスタ動作させることは難しい。
又、窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタをスイッチング素子等に用いる場合には、当該トランジスタがノーマリオフ動作することが望ましい。窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタに於いては、バリア層の厚さ及びチャネル層とバリア層とを構成する原子の混晶比(例えば、AlGaNの場合にはAlの組成)を制御することによって、ゲート電極に電圧を印加しない状態で2次元電子ガス(2DEG)を発生させないことが可能である。この様に、ゲート電極に電圧を印加しない状態では2次元電子ガスが発生しない様にヘテロエピタキシャル構造を設計した場合に於いて、トランジスタが動作する際にキャリアが走行する領域の全てがゲート電極で覆われていれば、ゲート電極に電圧を印加することで、キャリアが走行する領域の全てに2次元電子ガスを発生させることが出来、ノーマリオフ型のトランジスタを作製することが出来る。しかし、従来の構造では、ゲート電極と高濃度n型不純物領域との間の領域には間隔が生じるため、高抵抗となって、電流が流れない。そのため、ゲート電極と高濃度n型不純物領域との間の上記領域には、2次元電子ガスを発生させられず、当該領域は大きな抵抗を呈するため、従来の構造をトランジスタ動作させることは難しい。
この発明は、以上に記載の問題点に鑑みて成されたものであり、その主目的は、ゲート電極とソース/ドレイン電極間に発生する寄生抵抗を低減化することにある。又、この発明の副目的は、寄生抵抗が低減化された、ノーマリオフ型の窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタを実現することにある。
この発明の主題に係る半導体装置は、第1窒化物半導体から成るチャネル層と、前記チャネル層の表面上に形成され、前記第1窒化物半導体のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する第2窒化物半導体から成るバリア層と、前記バリア層の表面上に形成された第1及び第2ソース/ドレイン電極と、前記バリア層の前記表面の内で少なくとも前記第1ソース/ドレイン電極の下方部分から前記チャネル層内部に向けて形成された第1高濃度不純物領域と、前記バリア層の前記表面の内で少なくとも前記第2ソース/ドレイン電極の下方部分から前記チャネル層内部に向けて形成された第2高濃度不純物領域と、少なくとも、前記バリア層の内で前記第1高濃度不純物領域と前記第2高濃度不純物領域とで挟まれた領域の表面上に全面的に形成された絶縁膜と、少なくとも、前記絶縁膜の表面の内で、前記第1高濃度不純物領域と前記第2高濃度不純物領域とで挟まれた前記バリア層の前記領域全体の直上に該当する領域上に全面的に形成されたゲート電極とを備えることを特徴とする。
以下、この発明の主題の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点と共に、詳述する。
本発明の主題によれば、トランジスタが動作する際にキャリアが走行する領域の全て、即ち、各ソース/ドレイン電極下部に形成される高濃度n型不純物領域間の全てが、平面視に於いて、絶縁膜及びその上のゲート電極によって覆われているため、従来型のトランジスタには存在するソース/ドレイン電極の下側に形成されている高濃度n型不純物領域とゲート電極との間の横方向の間隔を無くすことが出来る。このため、この領域があることよって生じる寄生抵抗をなくすことが出来、トランジスタの大電流化、大出力化及び高出力化を実現することが出来る。更には、従来型のトランジスタに於ける上記横方向の間隔が本発明の主題に係る半導体装置では無いために、トランジスタが動作する際にキャリアが走行する距離が従来型のトランジスタよりも短くなることから、トランジスタの高周波化にも繋がると言う効果が得られる。
(実施の形態1)
本実施の形態の特徴点は、「窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタに於いて、少なくともソース/ドレイン電極の下側に形成されている高濃度n型不純物領域の間のバリア層の表面全てが覆われる様にバリア層表面上に絶縁膜が形成され、更に、その上に、少なくともソース/ドレイン電極の下側に形成されている高濃度n型不純物領域の間のバリア層の表面全てが覆われる様に、ゲート電極が形成されている」点にある。この様に、ゲート電極とバリア層表面との間に絶縁膜がトランジスタのチャネル領域の上側全てを覆う様に存在している。この点で、本実施の形態に係る半導体装置は、特許文献2に記載の従来の半導体装置とは顕著に相違する。以下、図面を参照しながら、本実施の形態の特徴点について詳述する。
本実施の形態の特徴点は、「窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタに於いて、少なくともソース/ドレイン電極の下側に形成されている高濃度n型不純物領域の間のバリア層の表面全てが覆われる様にバリア層表面上に絶縁膜が形成され、更に、その上に、少なくともソース/ドレイン電極の下側に形成されている高濃度n型不純物領域の間のバリア層の表面全てが覆われる様に、ゲート電極が形成されている」点にある。この様に、ゲート電極とバリア層表面との間に絶縁膜がトランジスタのチャネル領域の上側全てを覆う様に存在している。この点で、本実施の形態に係る半導体装置は、特許文献2に記載の従来の半導体装置とは顕著に相違する。以下、図面を参照しながら、本実施の形態の特徴点について詳述する。
図1は、本実施の形態に係る窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタの構造例を示す縦断面図である。
図1に於いて、最下層は半絶縁性SiC基板1であり、その上にバッファ層2を介して、GaN(第1窒化物半導体に該当。)から成るチャネル層3が形成されている。更に、チャネル層3の表面上には、チャネル層3との界面に於いてヘテロ接合を形成する、Al0.2Ga0.8N(第1窒化物半導体のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する第2窒化物半導体に該当。)から成るバリア層4が形成されている。そして、バリア層4を挟み込む領域5は、素子分離領域である。又、バリア層4の表面上には、共にTi/Alから成る、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bが形成されている。そして、Siが高濃度で含まれる第1高濃度n型不純物領域6A(第1高濃度不純物領域に該当。)が、バリア層4の表面の内で第1ソース/ドレイン電極7Aの直下部分及びその周縁部分に該当する領域からチャネル層3の内部に向けて形成されている。同様に、Siが高濃度で含まれる第2高濃度n型不純物領域6B(第2高濃度不純物領域に該当。)が、バリア層4の表面の内で第2ソース/ドレイン電極7Bの直下部分及びその周縁部分に該当する領域からチャネル層3の内部に向けて形成されている。これにより、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bは、それぞれ、対応する第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bとオーミック接触を成す。更に、AlGaOから成る絶縁膜8が、バリア層4の内で、第1高濃度n型不純物領域6Aと第2高濃度n型不純物領域6Bとで挟まれた領域4Aの表面上に全面的に形成されている。そして、Ni/Auから成るゲート電極9が、絶縁膜8の表面上に全面的に形成されている。換言すれば、絶縁膜8の表面の内で、第1高濃度n型不純物領域6Aと第2高濃度n型不純物領域6Bとで挟まれた上記バリア層領域4A全域の直上に該当する領域上に、ゲート電極9が全面的に形成されている。
以上の様に、AlGaOから成る絶縁膜8は、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7B下側の第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6B間のバリア層4Aの全表面を覆う様に形成されており、且つ、絶縁膜8の上に形成されるゲート電極9も同様に、バリア層4Aの全表面を覆う様に形成されている。
この様な構造とすることによって、ゲート電極9と各高濃度n型不純物領域6A,6B或いは各ソース/ドレイン電極7A,7Bとが直接に接することなく、トランジスタが動作する際にキャリアが走行する第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6B間のバリア層4Aの全てを平面視的に見てゲート電極9で覆うことが出来るため、ゲート電極9と各ソース/ドレイン電極7A,7B間に生じる寄生抵抗をなくすことが出来る。
以上の通り、図1に例示する本実施の形態では、代表的な条件について記載したが、下記の本実施の形態の各変形例に示す各条件下に於いても、同様の効果が得られる。尚、後述する図2〜図8に於いて、図1と同一の参照符号を付したものは、図1に於いて対応する構成要素と同一又はこれに相当するものに該当する。
<変形例1>
図1における半絶縁性SiC基板1に代えて、Si基板、サファイア基板、GaN基板又はAlN基板等を用いても良い。
図1における半絶縁性SiC基板1に代えて、Si基板、サファイア基板、GaN基板又はAlN基板等を用いても良い。
<変形例2>
図1に於けるチャネル層3とバリア層4との関係については、バリア層4を構成する窒化物半導体のバンドギャップがチャネル層3を形成する窒化物半導体のバンドギャップよりも大きければ良い。従って、必ずしも図1に示す様に、チャネル層3を形成する窒化物半導体をGaNで、バリア層4を構成する窒化物半導体をAl0.2Ga0.8Nで構成する必要性はなく、例えば、チャネル層3をInaAlbGa1-a-bNで構成されている層とし、他方、バリア層4をIncAldGa1-c-dNで構成される層に設定しても良い。
図1に於けるチャネル層3とバリア層4との関係については、バリア層4を構成する窒化物半導体のバンドギャップがチャネル層3を形成する窒化物半導体のバンドギャップよりも大きければ良い。従って、必ずしも図1に示す様に、チャネル層3を形成する窒化物半導体をGaNで、バリア層4を構成する窒化物半導体をAl0.2Ga0.8Nで構成する必要性はなく、例えば、チャネル層3をInaAlbGa1-a-bNで構成されている層とし、他方、バリア層4をIncAldGa1-c-dNで構成される層に設定しても良い。
<変形例3>
図1に於けるチャネル層3及びバリア層4の構造に代えて、チャネル層3がAlbGa1-bNで構成され、バリア層4がAldGa1-dN(0≦b<1、0<d≦1、b<d)で構成されていても良い(図1に示す構造はその一例である。)。この場合には、バリア層4(4A)に大きな分極効果が発生するため、ヘテロ界面に高濃度の2次元電子ガスを発生させることが出来る。従って、本変形例に係る構造は、トランジスタの大電流化、更には高出力化にとって有利であり、より好ましい構造と言える。
図1に於けるチャネル層3及びバリア層4の構造に代えて、チャネル層3がAlbGa1-bNで構成され、バリア層4がAldGa1-dN(0≦b<1、0<d≦1、b<d)で構成されていても良い(図1に示す構造はその一例である。)。この場合には、バリア層4(4A)に大きな分極効果が発生するため、ヘテロ界面に高濃度の2次元電子ガスを発生させることが出来る。従って、本変形例に係る構造は、トランジスタの大電流化、更には高出力化にとって有利であり、より好ましい構造と言える。
<変形例4>
ヘテロ接合電界効果型トランジスタでは、チャネル層3に用いる半導体材料の絶縁破壊電界が高い程に、耐圧が高くなる。AlbGa1-bNは、そのAl組成がより高い程にそのバンドギャップが大きく絶縁破壊電界が高いため、変形例3の構造に於いて、チャネル層3に用いるAlbGa1-bNに関しては、よりAl組成が高い(bが1に近い)方が好ましい。
ヘテロ接合電界効果型トランジスタでは、チャネル層3に用いる半導体材料の絶縁破壊電界が高い程に、耐圧が高くなる。AlbGa1-bNは、そのAl組成がより高い程にそのバンドギャップが大きく絶縁破壊電界が高いため、変形例3の構造に於いて、チャネル層3に用いるAlbGa1-bNに関しては、よりAl組成が高い(bが1に近い)方が好ましい。
又、バリア層4に用いる半導体材料のバンドギャップが大きい程に、バリア層4を介してゲート電極8からヘテロ界面へ流れるゲートリーク電流が流れにくくなるため、バリア層4として用いるAldGa1-dNについても同様に、よりAl組成が高い方が好ましく、バリア層4をAlN(AldGa1-dNのdが1の場合)で構成する場合に、最もリーク電流を低減することが出来る。
<変形例5>
変形例2〜4に示したチャネル層3及びバリア層4は、必ずしも同一組成の1層からなる構造である必要性はなく、In組成、Al組成、Ga組成(a,b,c,d)が異なる数層から成る多層膜であっても構わない。又、これらの層には、上記窒化物半導体において、n型又はp型の不純物が含まれていても良い。
変形例2〜4に示したチャネル層3及びバリア層4は、必ずしも同一組成の1層からなる構造である必要性はなく、In組成、Al組成、Ga組成(a,b,c,d)が異なる数層から成る多層膜であっても構わない。又、これらの層には、上記窒化物半導体において、n型又はp型の不純物が含まれていても良い。
<変形例6>
図2の縦断面図に示す様に、チャネル層3とバリア層4との間に、厚さ0.1nm〜5nmのInN、GaN或いはAlNから成る薄いスペーサ層10を挿入しても構わない。この様な2元系の半導体層から成るスペーサ層10を挿入することによって、ヘテロ界面の電子移動度を向上させ、大きなドレイン電流を流すことが出来る。
図2の縦断面図に示す様に、チャネル層3とバリア層4との間に、厚さ0.1nm〜5nmのInN、GaN或いはAlNから成る薄いスペーサ層10を挿入しても構わない。この様な2元系の半導体層から成るスペーサ層10を挿入することによって、ヘテロ界面の電子移動度を向上させ、大きなドレイン電流を流すことが出来る。
<変形例7>
図1に於けるバリア層4の表面を、厚さ0.1nm〜5nmのGaNから成る薄いキャップ層11で以って被覆しても良い(図3参照)。図3に於いて、領域4Aの表面全体は、厚みが0.1nm〜5nmの範囲内にあるGaNから成るキャップ層11で被覆されている。この様な構造にすることによって、ゲート電極8の障壁がより高くなり、耐圧をより高くすることが出来る。
図1に於けるバリア層4の表面を、厚さ0.1nm〜5nmのGaNから成る薄いキャップ層11で以って被覆しても良い(図3参照)。図3に於いて、領域4Aの表面全体は、厚みが0.1nm〜5nmの範囲内にあるGaNから成るキャップ層11で被覆されている。この様な構造にすることによって、ゲート電極8の障壁がより高くなり、耐圧をより高くすることが出来る。
<変形例8>
図1に於ける第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bの各々は、必ずしもTi/Alで形成されている必要性はなく、オーミック特性が得られるのであれば、Ti、Al、Nb、Hf、Zr、Sr、Ni、Ta、Au、Mo、W等の金属、若しくは、これらの金属から構成される多層膜で形成されていても良い。
図1に於ける第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bの各々は、必ずしもTi/Alで形成されている必要性はなく、オーミック特性が得られるのであれば、Ti、Al、Nb、Hf、Zr、Sr、Ni、Ta、Au、Mo、W等の金属、若しくは、これらの金属から構成される多層膜で形成されていても良い。
<変形例9>
図1に於ける各ソース/ドレイン電極7A,7B直下の各高濃度n型不純物領域6A,6Bに関しては、必ずしもn型不純物の濃度が一定である必要性はなく、n型不純物の濃度が領域内で分布していても良い。特に、ゲート電極9側からソース/ドレイン電極7A,7B側に向けてn型不純物濃度を高くする様な構造を採用するときには、ドレイン電極に高電圧を印加した際にゲート電極9のドレイン電極側の端に集中する電界を緩和することが出来、高耐圧化することが出来ると言う利点がある。
図1に於ける各ソース/ドレイン電極7A,7B直下の各高濃度n型不純物領域6A,6Bに関しては、必ずしもn型不純物の濃度が一定である必要性はなく、n型不純物の濃度が領域内で分布していても良い。特に、ゲート電極9側からソース/ドレイン電極7A,7B側に向けてn型不純物濃度を高くする様な構造を採用するときには、ドレイン電極に高電圧を印加した際にゲート電極9のドレイン電極側の端に集中する電界を緩和することが出来、高耐圧化することが出来ると言う利点がある。
<変形例10>
図1に於ける第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7B直下の第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの各々は、図4に示す様に、その一部を除去した構造になっていても良い。即ち、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの各々の表面は、バリア層4の領域4Aの表面(上面)と絶縁膜8との界面よりも低く、且つ、バリア層4の領域4Aの下面とチャネル層3との界面よりも高い位置に存在する。この様な構造に設定することによって、ゲート電極9と各高濃度n型不純物領域6A,6B間のコンタクト抵抗をより一層低く抑制することが出来る。
図1に於ける第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7B直下の第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの各々は、図4に示す様に、その一部を除去した構造になっていても良い。即ち、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの各々の表面は、バリア層4の領域4Aの表面(上面)と絶縁膜8との界面よりも低く、且つ、バリア層4の領域4Aの下面とチャネル層3との界面よりも高い位置に存在する。この様な構造に設定することによって、ゲート電極9と各高濃度n型不純物領域6A,6B間のコンタクト抵抗をより一層低く抑制することが出来る。
<変形例11>
図1に示す絶縁膜8は、その厚さが各ソース/ドレイン電極7A,7Bよりも厚い場合には、絶縁膜8の側面が両ソース/ドレイン電極7A,7Bの側面と接触していてもゲート電極9から各ソース/ドレイン電極7A,7Bには電流は流れない。従って、絶縁膜8は、図5に示す様な両ソース/ドレイン電極7A,7Bとの接触構造を有していても良い。この様な接触構造とすることによって、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bと対応する第1及び第2高濃度n型不純物層6A,6Bとの接触面積を図1の場合よりも増やすことが出来るため、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bと対応する第1及び第2高濃度n型不純物層6A,6Bとの接触抵抗を低減することが出来る。
図1に示す絶縁膜8は、その厚さが各ソース/ドレイン電極7A,7Bよりも厚い場合には、絶縁膜8の側面が両ソース/ドレイン電極7A,7Bの側面と接触していてもゲート電極9から各ソース/ドレイン電極7A,7Bには電流は流れない。従って、絶縁膜8は、図5に示す様な両ソース/ドレイン電極7A,7Bとの接触構造を有していても良い。この様な接触構造とすることによって、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bと対応する第1及び第2高濃度n型不純物層6A,6Bとの接触面積を図1の場合よりも増やすことが出来るため、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bと対応する第1及び第2高濃度n型不純物層6A,6Bとの接触抵抗を低減することが出来る。
又、図6に示す様な、上記の接触構造と変形例10に示す構造(図4)とを組み合わせた構造となっていても良い。この場合、必ずしも絶縁膜8の膜厚が各ソース/ドレイン電極7A,7Bよりも厚く設定されている必要性はなく、絶縁膜8と各高濃度n型不純物領域6A,6Bの内で図1の場合と比較して除去された部分の深さとを合わせた値が、各ソース/ドレイン電極7A,7Bの厚みよりも大きければ良く、同様な効果が得られる。
<変形例12>
本実施の形態に於けるゲート電極9と各ソース/ドレイン電極7A,7Bは、これらの直下の領域の性質が異なるため、これらは同一の材料でもゲート電極9、各ソース/ドレイン電極7A,7Bとして機能することが出来る。従って、ゲート電極9と第1ソース/ドレイン電極7Aと第2ソース/ドレイン電極7Bとは、必ずしも異なる材料で構成されている必要性はなく、同じ材料で構成されていても良い。この場合には、ゲート電極9と第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bとを同時に形成することが出来るため、デバイス形成プロセスを簡略化することが出来ると言う利点がある。
本実施の形態に於けるゲート電極9と各ソース/ドレイン電極7A,7Bは、これらの直下の領域の性質が異なるため、これらは同一の材料でもゲート電極9、各ソース/ドレイン電極7A,7Bとして機能することが出来る。従って、ゲート電極9と第1ソース/ドレイン電極7Aと第2ソース/ドレイン電極7Bとは、必ずしも異なる材料で構成されている必要性はなく、同じ材料で構成されていても良い。この場合には、ゲート電極9と第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bとを同時に形成することが出来るため、デバイス形成プロセスを簡略化することが出来ると言う利点がある。
<変形例13>
図1に於ける絶縁膜8は必ずしもAlGaxOyである必要性はなく、その代わりに、SiNe、SiOf、HfOg、TiOh等で形成されていても構わない。但し、実施の形態3に於いて示す様に、AlGaxOyはAlGaNを酸化することによって形成出来るため、CVDや蒸着法により成膜する場合に比べて、不純物が少なく絶縁性の高い膜となる。そのため、ゲート電極9から各ソース/ドレイン電極7A,7Bに流れるリーク電流を格段に低減することが出来る。その意味では、上記の変形例3で示した様なバリア層4にAldGa1-dNを用いた場合には、絶縁膜8として、AlGaxOyを用いた方が好ましい。
図1に於ける絶縁膜8は必ずしもAlGaxOyである必要性はなく、その代わりに、SiNe、SiOf、HfOg、TiOh等で形成されていても構わない。但し、実施の形態3に於いて示す様に、AlGaxOyはAlGaNを酸化することによって形成出来るため、CVDや蒸着法により成膜する場合に比べて、不純物が少なく絶縁性の高い膜となる。そのため、ゲート電極9から各ソース/ドレイン電極7A,7Bに流れるリーク電流を格段に低減することが出来る。その意味では、上記の変形例3で示した様なバリア層4にAldGa1-dNを用いた場合には、絶縁膜8として、AlGaxOyを用いた方が好ましい。
又、変形例4で示した様なバリア層にAlNを用いる場合には、絶縁膜8としては、AIOzを用いることが、上記の理由と同様に、より好ましい。
<変形例14>
図1に示す絶縁膜8のゲート長方向に於ける長さは、必ずしも第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6B間の距離と等しく設定されている必要性はなく、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6B間のバリア層領域4Aの表面全体を覆っていれば良く、図7に示す様に、絶縁膜8が、ゲート長方向に関して、バリア層領域4Aと各高濃度n型不純物領域6A,6Bとの境界から、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの表面の一部にまで食み出した(オーバーラップした)構造を有していても良い。
図1に示す絶縁膜8のゲート長方向に於ける長さは、必ずしも第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6B間の距離と等しく設定されている必要性はなく、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6B間のバリア層領域4Aの表面全体を覆っていれば良く、図7に示す様に、絶縁膜8が、ゲート長方向に関して、バリア層領域4Aと各高濃度n型不純物領域6A,6Bとの境界から、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの表面の一部にまで食み出した(オーバーラップした)構造を有していても良い。
<変形例15>
図7に示す絶縁膜8及びゲート電極9は、ゲート長方向に関して、必ずしも同じ長さを有している必要性はない。例えば、図8に示す様に、ゲート電極9が平面視に於いてバリア層領域4Aの全表面を覆う様に絶縁膜8上に形成されていれば、ゲート長方向に関して、ゲート電極9の長さが絶縁膜8よりも短くても良い。
図7に示す絶縁膜8及びゲート電極9は、ゲート長方向に関して、必ずしも同じ長さを有している必要性はない。例えば、図8に示す様に、ゲート電極9が平面視に於いてバリア層領域4Aの全表面を覆う様に絶縁膜8上に形成されていれば、ゲート長方向に関して、ゲート電極9の長さが絶縁膜8よりも短くても良い。
<変形例16>
図1に於けるゲート電極8は、必ずしもNi/Auで形成されている必要性はなく、Ti、Al、Pt、Au、Ni、Pd等の金属、IrSi、PtSi、NiSi2等のシリサイド、或いは、TiN、WN等の窒化物金属、若しくは、これらから構成される多層膜で形成されていても良い。
図1に於けるゲート電極8は、必ずしもNi/Auで形成されている必要性はなく、Ti、Al、Pt、Au、Ni、Pd等の金属、IrSi、PtSi、NiSi2等のシリサイド、或いは、TiN、WN等の窒化物金属、若しくは、これらから構成される多層膜で形成されていても良い。
<変形例17>
上述した構造は全て個々に採用する必要性はなく、それぞれを組み合わせた構造としても良い。
上述した構造は全て個々に採用する必要性はなく、それぞれを組み合わせた構造としても良い。
(実施の形態2)
図9は、図1に示す構造に於いて、ゲート電極9直下のバリア層4の領域4Aの厚さを20nmに設定した場合(AlGaNバリア層4のAl組成は0.2)に於ける、バリア層及びチャネル層の深さ方向のエネルギーバンド構造及びキャリア濃度を計算によって導いたものである。計算は、ポアソン方程式とシュレディンガー方程式とを自己無撞着に解いたものである。図9に示す様に、バリア層4の厚さが20nmの場合には、ヘテロ界面に高濃度(2E+20cm-3)の2次元電子ガス(2DEG)が発生しており、この様な構造のエピタキシャル基板上にトランジスタを作製した場合には、ノーマリオン型のトランジスタが形成される。
図9は、図1に示す構造に於いて、ゲート電極9直下のバリア層4の領域4Aの厚さを20nmに設定した場合(AlGaNバリア層4のAl組成は0.2)に於ける、バリア層及びチャネル層の深さ方向のエネルギーバンド構造及びキャリア濃度を計算によって導いたものである。計算は、ポアソン方程式とシュレディンガー方程式とを自己無撞着に解いたものである。図9に示す様に、バリア層4の厚さが20nmの場合には、ヘテロ界面に高濃度(2E+20cm-3)の2次元電子ガス(2DEG)が発生しており、この様な構造のエピタキシャル基板上にトランジスタを作製した場合には、ノーマリオン型のトランジスタが形成される。
他方、図10は、ゲート電極9直下のバリア層4の領域4Aの厚さを4nmに設定した場合(AlGaNバリア層4のAl組成は0.2)に於ける、バリア層及びチャネル層の深さ方向のエネルギーバンド構造及びキャリア濃度を同様の計算方法によって導いたものである。この場合には、ヘテロ界面に2次元電子ガス(2DEG)は発生しておらず、この様な構造のエピタキシャル基板上にトランジスタを作製した場合には、ノーマリオフ型のトランジスタが形成される。トランジスタをスイッチング素子等のパワーデバイスとして用いる場合には、異常時の安全確保のため、しきい値が正となるノーマリオフ型のトランジスタが望まれている。窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタの場合、バリア層4の厚さ及びチャネル層3とバリア層4を構成する原子の混晶比(例えばAlGaNの場合にはAl組成)を制御することによって、図10に示した様なゲート電極に電圧を印加しない状態でヘテロ界面に2次元電子ガスを発生させないことが可能であり、その様な構造とすることによって、ノーマリオフ型のトランジスタを作製することが可能となる。
(実施の形態3:製造方法例1)
図11〜図19は、図1に示す構造を有する窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造プロセスの一例を示す縦断面図である。これらの図11〜図19に於いて、図1〜図8と同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものを示す。
図11〜図19は、図1に示す構造を有する窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造プロセスの一例を示す縦断面図である。これらの図11〜図19に於いて、図1〜図8と同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものを示す。
先ず、図11に示す様に、MOCVD法、MBE法等のエピタキシャル成長法を適用することで、基板1上に、バッファ層2、チャネル層(GaN)3、及びバリア層(Al0.2Ga0.8N)4を、それぞれ下から順にエピタキシャル成長させる。
次に、図12に示す様に、トランジスタを作製する領域外のチャネル層3及びバリア層4の部分に、例えばイオン注入法やエッチング等を用いて、素子分離領域5を形成する。図12には、イオン注入法による方法を示した。
次に、図13に示す様に、酸素中でアニールすることにより、バリア層(Al0.2Ga0.8N)4内の窒素を酸素と置換し、バリア層(Al0.2Ga0.8N)4の表面側を絶縁膜(AlGaO)8とする。
次に、Ti、Al、Pt、Au、Ni、Pd等の金属、或いは、IrSi、PtSi、NiSi2等のシリサイド、或いは、TiN、WN等の窒化物金属、若しくは、これらから構成される多層膜からなるゲート電極層を蒸着法やスパッタ法を用いて絶縁膜8上に堆積した上で、当該ゲート電極層にリフトオフ法等を適用することで、図14に示す様に、絶縁膜8上にゲート電極9を形成する。
その後、図15に示す様に、ゲート電極9をマスクとして、例えばイオンミリング法やICPエッチング法によって、ゲート電極9直下以外の領域の絶縁膜8を除去する。
次に、図16に示す様に、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bを形成する両領域及びゲート電極9が開口する様に、レジストパターン12を形成する。
次に、図17に示す様に、レジストパターン12及びゲート電極9をマスクとして、イオン注入法等を用いて、Si等の窒化物半導体中に於いてn型となるイオンが高濃度にドーピングされた領域6A,6Bを、その底面がチャネル層3内に存在する様に、バリア層4及びチャネル層3内に形成する。その後、レジストパターン12を除去する。
次に、図18に示す様に、RTA(Rapid Thermal Annealing)法等を用いてドーピングしたイオンを活性化させて、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bを形成する。
次に、図19に示す様に、例えば、Ti、Al、Nb、Hf、Zr、Sr、Ni、Ta、Au、Mo、W等の金属、若しくは、これらの金属から構成される多層膜から成るソース/ドレイン電極層を蒸着法やスパッタ法を用いて堆積し、リフトオフ法等を適用して第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの表面上に、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bを形成する。
以上の記載では、トランジスタとして動作する必要最小限の要素しか記載していないが、最終的には、保護膜、配線、及びバイアホール等の形成プロセスを経て、半導体デバイスが完成される。
本実施の形態に記載の工程によれば、実施の形態1に於ける図1に示す構造を有するヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することが出来る。
尚、以上の記載では、代表的な条件について述べたが、下記の各変形例に示す様な条件下においても、同様に、本発明の効果が得られる窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することが出来る。
<変形例1>
図11に示すチャネル層3及びバリア層4の成長時に、AlGaNの原料ガスとなるトリメチルアンモニウム、トリメチルガリウム、アンモニア等の流量や圧力、温度を調整し、チャネル層3及びバリア層4を所望の組成とすることで、実施の形態1の変形例1〜4に示した様々なノーマリオフ型の窒化物半導体ヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することが出来る。
図11に示すチャネル層3及びバリア層4の成長時に、AlGaNの原料ガスとなるトリメチルアンモニウム、トリメチルガリウム、アンモニア等の流量や圧力、温度を調整し、チャネル層3及びバリア層4を所望の組成とすることで、実施の形態1の変形例1〜4に示した様々なノーマリオフ型の窒化物半導体ヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することが出来る。
<変形例2>
図11に示すチャネル層3及びバリア層4の成長時に、AlGaNの原料ガスとなるトリメチルアンモニウム、トリメチルガリウム、アンモニア等の流量や圧力、温度を調整し、チャネル層3及びバリア層4を所望のAl組成とすることで、実施の形態2に示したノーマリオフ型の窒化物半導体ヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することが出来る。
図11に示すチャネル層3及びバリア層4の成長時に、AlGaNの原料ガスとなるトリメチルアンモニウム、トリメチルガリウム、アンモニア等の流量や圧力、温度を調整し、チャネル層3及びバリア層4を所望のAl組成とすることで、実施の形態2に示したノーマリオフ型の窒化物半導体ヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することが出来る。
<変形例3>
図11に示すチャネル層3を成長した後に、厚さ0.1nm〜5nmのInN、GaN或いはAlNから成る薄いスペーサ層10を成長し、その後にバリア層4を成長すると、実施の形態1の変形例6(図2)に示した構造を得ることが出来る。
図11に示すチャネル層3を成長した後に、厚さ0.1nm〜5nmのInN、GaN或いはAlNから成る薄いスペーサ層10を成長し、その後にバリア層4を成長すると、実施の形態1の変形例6(図2)に示した構造を得ることが出来る。
<変形例4>
図11に示すバリア層4を成長した後に、厚さ0.1nm〜5nmのGaNから成る薄いキャップ層11を成長すると、実施の形態1の変形例7(図3)に示した構造を得ることが出来る。
図11に示すバリア層4を成長した後に、厚さ0.1nm〜5nmのGaNから成る薄いキャップ層11を成長すると、実施の形態1の変形例7(図3)に示した構造を得ることが出来る。
<変形例5>
図16及び図17に示すレジストパターン12の形成及びイオン注入を、レジストパターン及び注入条件(注入エネルギー及び注入量)を変えて数回繰り返して行なうことにより、実施の形態1の変形例9に示す様なn型不純物濃度が分布した第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bを形成することが出来る。
図16及び図17に示すレジストパターン12の形成及びイオン注入を、レジストパターン及び注入条件(注入エネルギー及び注入量)を変えて数回繰り返して行なうことにより、実施の形態1の変形例9に示す様なn型不純物濃度が分布した第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bを形成することが出来る。
<変形例6>
図17に示すイオン注入プロセス後に、例えばイオンミリングやCl2を用いたドライエッチング法によって、後の工程で形成される第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bの直下に該当する第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの部分を含む第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの一部を除去した後に、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bを形成することにより、実施の形態1の変形例10(図4)に記載した構造を得ることが出来る。
図17に示すイオン注入プロセス後に、例えばイオンミリングやCl2を用いたドライエッチング法によって、後の工程で形成される第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bの直下に該当する第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの部分を含む第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの一部を除去した後に、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bを形成することにより、実施の形態1の変形例10(図4)に記載した構造を得ることが出来る。
<変形例7>
図13に示す絶縁膜8の形成に関しては、必ずしも熱酸化により絶縁膜8を形成する必要性はなく、例えばプラズマCVD法やCat-CVD法、或いは蒸着法によって、AlOx、SiNx、SiOx、HfOx、又はTiOx等から成る絶縁膜8を形成することとしても良い。
図13に示す絶縁膜8の形成に関しては、必ずしも熱酸化により絶縁膜8を形成する必要性はなく、例えばプラズマCVD法やCat-CVD法、或いは蒸着法によって、AlOx、SiNx、SiOx、HfOx、又はTiOx等から成る絶縁膜8を形成することとしても良い。
<変形例8>
図13に示す絶縁膜8の形成では、バリア層4がAlNの場合には、熱酸化することによってAlOxを絶縁膜8として形成することが出来る。
図13に示す絶縁膜8の形成では、バリア層4がAlNの場合には、熱酸化することによってAlOxを絶縁膜8として形成することが出来る。
<変形例9>
図17に示すイオン注入時に注入角度を垂直方向から傾けることで、絶縁膜8下部の一部の領域にも第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bを形成することが出来る。これによって、実施の形態1の変形例14(図7)に示す様な絶縁膜8が第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの一部に食み出した(オーバーラップした)構造を実現することが出来る。
図17に示すイオン注入時に注入角度を垂直方向から傾けることで、絶縁膜8下部の一部の領域にも第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bを形成することが出来る。これによって、実施の形態1の変形例14(図7)に示す様な絶縁膜8が第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの一部に食み出した(オーバーラップした)構造を実現することが出来る。
<変形例10>
図12に示す素子分離領域5の形成工程、及び、図15に示すゲート電極9直下領域を除くゲート絶縁膜8の領域除去の工程に関しては、必ずしもこの順序で行なう必要性はなく、工程の順番を入れ替えても良い。例えば、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bを形成する前に、ゲート電極9直下領域を除くゲート絶縁膜8の領域の除去を行なうこととしても良い。
図12に示す素子分離領域5の形成工程、及び、図15に示すゲート電極9直下領域を除くゲート絶縁膜8の領域除去の工程に関しては、必ずしもこの順序で行なう必要性はなく、工程の順番を入れ替えても良い。例えば、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bを形成する前に、ゲート電極9直下領域を除くゲート絶縁膜8の領域の除去を行なうこととしても良い。
(実施の形態4:製造方法例2)
図20〜図32は、実施の形態1の変形例11(図5)に記載した構造を有する窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造プロセスの一例を示す縦断面図である。図20〜図32に於いて、図1〜図8、図11〜図19と同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものを示す。
図20〜図32は、実施の形態1の変形例11(図5)に記載した構造を有する窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造プロセスの一例を示す縦断面図である。図20〜図32に於いて、図1〜図8、図11〜図19と同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものを示す。
先ず、図20に示す様に、MOCVD法、MBE法等のエピタキシャル成長法を適用することで、基板1上に、バッファ層2、チャネル層(GaN)3、及びバリア層(Al0.2Ga0.8N)4を、それぞれ下から順にエピタキシャル成長させる。
次に、図21に示す様に、トランジスタを作製する領域外のチャネル層3及びバリア層4の部分に、例えばイオン注入法やエッチング等を用いて、素子分離領域5を形成する。図12には、イオン注入法による方法を示した。
次に、図22に示す様に、酸素中でアニールすることにより、バリア層(Al0.2Ga0.8N)4内の窒素を酸素と置換し、バリア層(Al0.2Ga0.8N)4の表面側を絶縁膜(AlGaO)8とする。
次に、図23に示す様に、絶縁膜8の表面中でゲート電極9を形成すべき領域を、例えばレジストパターン13等を用いてマスクする。
次に、図24に示す様に、例えばイオンミリング法又はICPエッチング法によって、ゲート電極9を形成すべき領域直下以外の絶縁膜8の領域を除去する。
その後、図25に示す様に、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bを形成する領域及びゲート電極9が開口する様に、レジストパターン12を形成する。
その上で、図26に示す様に、レジストパターン12及び絶縁膜8をマスクとして、イオン注入法等を用いて、Si等の窒化物半導体中に於いてn型となるイオンが高濃度にドーピングされた領域6A,6Bを、その底面がチャネル層3内に存在する様に、バリア層4及びチャネル層3内に形成する。その後、レジストパターン12を除去する。
次に、図27に示す様に、RTA(Rapid Thermal Annealing)法等を用いてドーピングしたイオンを活性化させて、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bを形成する。
次に、少なくとも絶縁膜8の上面全体を被覆する様に、例えば、Ti、Al、Pt、Au、Ni、Pd等の金属、或いは、IrSi、PtSi、NiSi2等のシリサイド、或いは、TiN、WN等の窒化物金属、若しくは、これらから構成される多層膜からなる層を、蒸着法やスパッタ法を用いて堆積し、その後、リフトオフ法等を適用することにより、図28に示す様な層14を絶縁膜8の上面全体上等に形成する。
その上で、図29に示す様に、絶縁膜8とその上に堆積された層14とを覆う様に、レジストパターン15を形成する。
次に、図30に示す様に、例えばウェットエッチングなどの等方的にエッチング出来る手法を用いて、絶縁膜8の上面上部分以外の層14を除去し、除去後に残存した層14をゲート電極9として形成する。その後、レジストパターン15を除去する。
次に、図31に示す様に、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bを形成する領域及びゲート電極9の領域が開口したレジストパターン16を形成する。
その上で、図32に示す様に、レジストパターン16をマスクとして、例えばTi、Al、Nb、Hf、Zr、Sr、Ni、Ta、Au、Mo、W等の金属、若しくは、これらの金属から構成される多層膜から成るソース/ドレイン電極層を蒸着法やスパッタ法を用いて堆積し、リフトオフ法等を適用して、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの表面上に、絶縁膜8の側面と接触する第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bを形成する。
以上の方法により、実施の形態1の変形例11における図5に示す構造を有するヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することが出来る。
特に、イオン注入後の活性化熱処理は、1000℃を越える高温で行なわれる場合があるため、活性化熱処理よりも先にゲート電極9を形成する実施の形態3の製造プロセスでは、ゲート電極9として用いる材料が変質して、リーク電流の増加等、デバイス特性の劣化に繋がる可能性がある。従って、本実施の形態に係る方法の様に、イオン注入後の活性化熱処理を行なった後に、ゲート電極9を形成することが望ましい。これにより、ゲート電極9を高温熱処理することを防ぐことが出来る。
以上では、トランジスタとして動作する必要最小限の要素しか記載していないが、最終的には、保護膜、配線、バイアホール等の形成プロセスを経て、半導体デバイスが形成される。
尚、以上の記載では、代表的な条件について述べたが、下記の各変形例に示す様な条件下においても、同様に、本発明の効果が得られる窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することが出来る。
<変形例1>
図26に示すイオン注入プロセス後に、例えばイオンミリングやCL2を用いたドライエッチング法によって、各ソース/ドレイン電極7A,7B直下の高濃度n型不純物領域6A,6Bの部分を含む高濃度n型不純物領域6A,6Bの一部を除去した後に、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bを形成するときには、実施の形態1の変形例11に於ける図6に示した様な構造を得ることが出来る。
図26に示すイオン注入プロセス後に、例えばイオンミリングやCL2を用いたドライエッチング法によって、各ソース/ドレイン電極7A,7B直下の高濃度n型不純物領域6A,6Bの部分を含む高濃度n型不純物領域6A,6Bの一部を除去した後に、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bを形成するときには、実施の形態1の変形例11に於ける図6に示した様な構造を得ることが出来る。
<変形例2>
図29〜図32に示した作製プロセスを行なわないときには、実施の形態1の変形例12に示した様な、ゲート電極9と第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bが同一の材料で構成された構造を得ることが出来る。
図29〜図32に示した作製プロセスを行なわないときには、実施の形態1の変形例12に示した様な、ゲート電極9と第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bが同一の材料で構成された構造を得ることが出来る。
<変形例3>
実施の形態3に示した製造プロセスと、本実施の形態に於いて既述した製造プロセスとは全て個々に採用する必要性はなく、それぞれの製造プロセスを組み合わせても良い。
実施の形態3に示した製造プロセスと、本実施の形態に於いて既述した製造プロセスとは全て個々に採用する必要性はなく、それぞれの製造プロセスを組み合わせても良い。
(実施の形態5:製造方法例3)
図33〜図39は、実施の形態1の変形例14(図7)に記載した構造を有する窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造プロセスの一例を示す縦断面図である。図33〜図39に於いて、図1〜図8、図11〜図19、図20〜図32に於ける符号と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものを示す。
図33〜図39は、実施の形態1の変形例14(図7)に記載した構造を有する窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造プロセスの一例を示す縦断面図である。図33〜図39に於いて、図1〜図8、図11〜図19、図20〜図32に於ける符号と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものを示す。
先ず、図33に示す様に、MOCVD法、MBE法等のエピタキシャル成長法を適用することで、基板1上に、バッファ層2、チャネル層(GaN)3、及びバリア層(Al0.2Ga0.8N)4を、それぞれ下から順にエピタキシャル成長させる。
次に、図34に示す様に、トランジスタを作製する領域外のチャネル層3及びバリア層4の部分に、例えばイオン注入法やエッチング等を用いて、素子分離領域5を形成する。図34には、イオン注入法による方法を示した。
次に、図35に示す様に、レジストパターン等をマスクとして、イオン注入法等を用いて、Si等の窒化物半導体中に於いてn型となるイオンが高濃度にドーピングされた領域6A,6Bをチャネル層3及びバリア層4内に形成し、その後、RTA(Rapid Thermal Annealing)法等を用いてドーピングしたイオンを活性化させて、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bを形成する。
次に、図36に示す様に、酸素中でアニールすることにより、バリア層(Al0.2Ga0.8N)4内の窒素を酸素と置換して、バリア層(Al0.2Ga0.8N)4の表面側を絶縁膜(AlGaO)8とする。この際に、素子分離領域5、並びに、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの各々も、それを構成する材料の殆どはAlGaNであるため、本工程により絶縁膜8となる。
次に、例えば、Ti、Al、Pt、Au、Ni、Pd等の金属、或いは、IrSi、PtSi、NiSi2等のシリサイド、或いは、TiN、WN等の窒化物金属、若しくは、これらから構成される多層膜からなるゲート電極層を蒸着法やスパッタ法を用いて絶縁膜8上に堆積した上で、当該ゲート電極層にリフトオフ法等を適用することで、図37に示す様に、絶縁膜8上にゲート電極9を形成する。
次に、図38に示す様に、ゲート電極9をマスクとして、例えばイオンミリング法やICPエッチング法によって、ゲート電極9直下の領域以外の絶縁膜8の領域を除去する。
その上で、例えば、Ti、Al、Nb、Hf、Zr、Sr、Ni、Ta、Au、Mo、W等の金属、若しくは、これらの金属から構成される多層膜から成るソース/ドレイン電極層を蒸着法やスパッタ法を用いて堆積し、リフトオフ法等を適用して第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの表面上に、図39に示す様な第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bを形成する。
以上の方法により、実施の形態1の変形例14に於ける図7に示した構造を有するヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することが出来る。
特に、イオン注入後の活性化熱処理は、1000℃を越える高温で行なわれる場合があるため、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bよりも先に絶縁膜8を形成する実施の形態3又は4の製造プロセスでは、絶縁膜8として用いる材料が変質して、リーク電流の増加等、デバイス特性の劣化に繋がる可能性がある。その意味では、本実施の形態に記載した方法の様に、イオン注入後の活性化熱処理を行なって第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bを形成した後に、絶縁膜8及びその上のゲート電極9を形成することが望ましい。これにより、絶縁膜8及びその上のゲート電極9を高温熱処理することを防ぐことが出来る。
以上では、トランジスタとして動作する必要最小限の要素しか記載していないが、最終的には、保護膜、配線、バイアホール等の形成プロセスを経て、半導体デバイスが形成される。
尚、以上の記載では、代表的な条件について述べたが、下記の各変形例に示す様な条件下においても、同様に、本発明の効果が得られる窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することが出来る。
<変形例1>
図37に示すゲート電極9の形成後に、ゲート電極9よりも広い領域を覆う様にレジストパターンを形成し、それをマスクとして図38に示す絶縁膜8の除去工程を行なえば、図8に示した様な構造を得ることが出来る。
図37に示すゲート電極9の形成後に、ゲート電極9よりも広い領域を覆う様にレジストパターンを形成し、それをマスクとして図38に示す絶縁膜8の除去工程を行なえば、図8に示した様な構造を得ることが出来る。
<変形例2>
実施の形態3又は4に示した製造プロセスと、本実施の形態に於いて既述した製造プロセスとは全て個々に採用する必要性はなく、それぞれの製造プロセスを組み合わせても良い。
実施の形態3又は4に示した製造プロセスと、本実施の形態に於いて既述した製造プロセスとは全て個々に採用する必要性はなく、それぞれの製造プロセスを組み合わせても良い。
(実施の形態6:製造方法例4)
図40〜図47は、実施の形態1の変形例15(図8)に記載した構造を有する窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造プロセスの一例を示す縦断面図である。図40〜図47に於いて、図1〜図8、図11〜図19、図20〜図32、図33〜図39に於ける符号と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものを示す。
図40〜図47は、実施の形態1の変形例15(図8)に記載した構造を有する窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造プロセスの一例を示す縦断面図である。図40〜図47に於いて、図1〜図8、図11〜図19、図20〜図32、図33〜図39に於ける符号と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものを示す。
先ず、図40に示す様に、MOCVD法、MBE法等のエピタキシャル成長法を適用することで、基板1上に、バッファ層2、チャネル層(GaN)3、及びバリア層(Al0.2Ga0.8N)4を、それぞれ下から順にエピタキシャル成長させる。
次に、図41に示す様に、トランジスタを作製する領域外のチャネル層3及びバリア層4の部分に、例えばイオン注入法やエッチング等を用いて、素子分離領域5を形成する。図41には、イオン注入法による方法を示した。
次に、図42に示す様に、レジストパターン等をマスクとして、イオン注入法等を用いて、Si等の窒化物半導体中に於いてn型となるイオンが高濃度にドーピングされた領域6A,6Bをチャネル層3及びバリア層4内に形成し、その後、RTA(Rapid Thermal Annealing)法等を用いてドーピングしたイオンを活性化させて、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bを形成する。
次に、図43に示す様に、酸素中でアニールすることにより、バリア層(Al0.2Ga0.8N)4内の窒素を酸素と置換して、バリア層(Al0.2Ga0.8N)4の表面側を絶縁膜(AlGaO)8とする。この際に、素子分離領域5、並びに、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの各々も、それを構成する材料の殆どはAlGaNであるため、本工程により絶縁膜8となる。
次に、図44に示す様に、第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの間のバリア層領域4Aの全体及び当該領域4Aと各高濃度n型不純物領域6A,6Bとの境界周辺部分の直上に位置する絶縁膜8の領域上に、平面視に於いて領域4Aを覆う様に、レジストパターン17を形成する。
その上で、図45に示す様に、レジストパターン17をマスクとして、例えばイオンミリング法やICPエッチング法によって、レジストパターン17直下の絶縁膜8のみを残す様に、絶縁膜8のその他の領域を除去する。その後、レジストパターン17を除去する。
次に、例えば、Ti、Al、Nb、Hf、Zr、Sr、Ni、Ta、Au、Mo、W等の金属、若しくは、これらの金属から構成される多層膜から成るソース/ドレイン電極層を蒸着法やスパッタ法を用いて堆積し、リフトオフ法等を適用して第1及び第2高濃度n型不純物領域6A,6Bの表面上に、図46に示す様な第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bを形成する。
更に、例えば、Ti、Al、Pt、Au、Ni、Pd等の金属、或いは、IrSi、PtSi、NiSi2等のシリサイド、或いは、TiN、WN等の窒化物金属、若しくは、これらから構成される多層膜からなるゲート電極層を蒸着法やスパッタ法を用いて堆積した上で、当該ゲート電極層にリフトオフ法等を適用することで、図47に示す様に、絶縁膜8上に、そのゲート長が領域4Aのゲート長方向に於ける長さよりも長く且つ絶縁膜8のゲート長方向に於ける長さよりも短いゲート電極9を形成する。
以上の方法により、実施の形態1の変形例15に於ける図8に示した構造を有するヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することが出来る。
特に、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bに対しては、そのコンタクト抵抗を低減化するために、熱処理を行なう場合があるが、この熱処理は、ゲート電極9として用いる材料が変質して、リーク電流の増加等、デバイス特性の劣化に繋がる可能性がある。従って、本実施の形態に既述した方法の様に、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bを形成した後に、ゲート電極9を形成することが望ましい。この場合には、ゲート電極9に対して、第1及び第2ソース/ドレイン電極7A,7Bのコンタクト抵抗低減化のための熱処理を行なうことを防止することが出来る。
以上では、トランジスタとして動作する必要最小限の要素しか記載していないが、最終的には、保護膜、配線、バイアホール等の形成プロセスを経て、半導体デバイスが完成する。
尚、以上では、代表的な条件について記載したが、実施の形態3〜5に示した製造プロセスと、本実施の形態で上述した製造プロセスとは、全て個々に採用する必要性はなく、それぞれを組み合わせても良い。
(付記)
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正や変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正や変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
この発明は、例えば、窒化物半導体から成るヘテロ接合電界効果型トランジスタに適用して好適である。
1 半絶縁性基板、2 バッファ層、3 チャネル層、4 バリア層、4A バリア層領域、5 素子分離領域、6A,6B 高濃度n型不純物領域、7A,7B ソース/ドレイン電極、8 絶縁膜、9 ゲート電極、10 スペーサ層、11 キャップ層、12,13 レジストマスク、14 ゲート電極材料の層、15〜17 レジストマスク。
Claims (11)
- 第1窒化物半導体から成るチャネル層と、
前記チャネル層の表面上に形成され、前記第1窒化物半導体のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する第2窒化物半導体から成るバリア層と、
前記バリア層の表面上に形成された第1及び第2ソース/ドレイン電極と、
前記バリア層の前記表面の内で少なくとも前記第1ソース/ドレイン電極の下方部分から前記チャネル層内部に向けて形成された第1高濃度不純物領域と、
前記バリア層の前記表面の内で少なくとも前記第2ソース/ドレイン電極の下方部分から前記チャネル層内部に向けて形成された第2高濃度不純物領域と、
少なくとも、前記バリア層の内で前記第1高濃度不純物領域と前記第2高濃度不純物領域とで挟まれた領域の表面上に全面的に形成された絶縁膜と、
少なくとも、前記絶縁膜の表面の内で、前記第1高濃度不純物領域と前記第2高濃度不純物領域とで挟まれた前記バリア層の前記領域全体の直上に該当する領域上に全面的に形成されたゲート電極とを備えることを特徴とする、
半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置であって、
前記チャネル層がAlbGa1-bNで構成され、
前記バリア層がAldGa1-dN(0≦b<1、0<d≦1、b<d)で構成されることを特徴とする、
半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置であって、
前記バリア層がAlNで構成されることを特徴とする、
半導体装置。 - 請求項2に記載の半導体装置であって、
前記絶縁膜はAlGaxOyから成ることを特徴とする、
半導体装置。 - 請求項3に記載の半導体装置であって、
前記絶縁膜はAlOzから成ることを特徴とする、
半導体装置。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の半導体装置であって、
前記ゲート電極と前記第1ソース/ドレイン電極と前記第2ソース/ドレイン電極とは何れも同一の材料から成ることを特徴とする、
半導体装置。 - 請求項1乃至6の何れかに記載の半導体装置であって、
前記ゲート電極に電圧を印加しない状態でヘテロ界面に2次元電子ガスが発生しない様に、前記バリア層の厚さ及び前記チャネル層と前記バリア層とを構成する原子の混晶比が制御されていることを特徴とする、
半導体装置。 - 基板上に、第1窒化物半導体から成るチャネル層と、前記第1窒化物半導体のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する第2窒化物半導体から成るバリア層とを順次に形成する工程と、
前記バリア層及び前記チャネル層内に対向する第1及び第2高濃度不純物領域を形成する工程と、
(1)少なくとも、前記バリア層の内で前記第1高濃度不純物領域と前記第2高濃度不純物領域とで挟まれた領域全体の表面上に全面的に位置する絶縁膜と、(2)少なくとも、前記絶縁膜の表面の内で前記第1高濃度不純物領域と前記第2高濃度不純物領域とで挟まれた前記領域全体の直上に該当する領域上に全面的に位置するゲート電極とから成る構造を形成する工程と、
前記第1及び第2高濃度不純物領域の表面上にそれぞれ第1及び第2ソース/ドレイン電極を形成する工程とを備えることを特徴とする、
半導体装置の製造方法。 - 請求項8記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1及び第2高濃度不純物領域の形成後に、前記ゲート電極を形成することを特徴とする、
半導体装置の製造方法。 - 請求項8記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1及び第2高濃度不純物領域の形成後に、前記絶縁膜及び前記ゲート電極を形成することを特徴とする、
半導体装置の製造方法。 - 請求項8乃至10の何れかに記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1及び第2ソース/ドレイン電極の形成後に、前記ゲート電極を形成することを特徴とする、
半導体装置の製造方法。
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