JP2013229458A - ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、高耐圧化とともに大電流化が可能なヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタであって、チャネル層3と、チャネル層3上に形成されたバリア層4と、バリア層4上に形成され、当該バリア層4よりも格子定数が小さく、かつ、第1の開口部を有する第1のキャップ層5と、第1のキャップ層5上に形成され、当該第1のキャップ層5よりも格子定数が大きく、かつ、平面視第1の開口部を包含し第1の開口部よりも大きい第2の開口部を有する第2のキャップ層6と、少なくとも第1、第2の開口部の重なる領域においてバリア層4上に形成されたゲート電極11とを備え、第1のキャップ層5と第2のキャップ層6とは組成が異なることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタであって、チャネル層3と、チャネル層3上に形成されたバリア層4と、バリア層4上に形成され、当該バリア層4よりも格子定数が小さく、かつ、第1の開口部を有する第1のキャップ層5と、第1のキャップ層5上に形成され、当該第1のキャップ層5よりも格子定数が大きく、かつ、平面視第1の開口部を包含し第1の開口部よりも大きい第2の開口部を有する第2のキャップ層6と、少なくとも第1、第2の開口部の重なる領域においてバリア層4上に形成されたゲート電極11とを備え、第1のキャップ層5と第2のキャップ層6とは組成が異なることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、窒化物を含む半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法に関する。
窒化物半導体は高い絶縁破壊電界強度を有することから、窒化物半導体を用いることによるトランジスタの高出力化が期待されている。
しかしながら、上記のトランジスタの一つであるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、デバイス領域内において一様に高い電子濃度を有しているため、十分に高い耐圧を得ることができないという問題がある。
このような問題の対策として、従来では、ゲート電極下に存在するバリア層の一部をリセスエッチングした構造がある(例えば、特許文献1参照)。また、電子供給層上に形成されたキャップ層にリセス部を設けた構造がある(例えば、特許文献2参照)。特許文献1,2の構造によれば、電子濃度を低減し、かつ、電界強度を分散して高耐圧化を図ることができる。
しかし、特許文献1,2では、ゲート電極下の電子濃度が低下してしまうため、チャネル抵抗が増大して大電流を得ることができないという問題がある。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、高耐圧化とともに大電流化が可能なヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタであって、チャネル層と、チャネル層上に形成されたバリア層と、バリア層上に形成され、当該バリア層よりも格子定数が小さく、かつ、第1の開口部を有する第1のキャップ層と、第1のキャップ層上に形成され、当該第1のキャップ層よりも格子定数が大きく、かつ、平面視第1の開口部を包含し第1の開口部よりも大きい第2の開口部を有する第2のキャップ層と、少なくとも第1、第2の開口部の重なる領域においてバリア層上に形成されたゲート電極とを備え、第1のキャップ層と第2のキャップ層とは組成が異なることを特徴とする。
本発明によると、チャネル層と、チャネル層上に形成されたバリア層と、バリア層上に形成され、当該バリア層よりも格子定数が小さく、かつ、第1の開口部を有する第1のキャップ層と、第1のキャップ層上に形成され、当該第1のキャップ層よりも格子定数が大きく、かつ、平面視第1の開口部を包含し第1の開口部よりも大きい第2の開口部を有する第2のキャップ層と、少なくとも第1、第2の開口部の重なる領域においてバリア層上に形成されたゲート電極とを備え、第1のキャップ層と第2のキャップ層とは組成が異なることを特徴とするため、高耐圧化とともに大電流化が可能となる。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて以下に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの構成の一例を示す図である。なお、本実施の形態1によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、窒化物半導体を用いて構成されるものとする。
図1は、本発明の実施の形態1によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの構成の一例を示す図である。なお、本実施の形態1によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、窒化物半導体を用いて構成されるものとする。
図1に示すように、基板1の(0001)面上にはバッファ層2、チャネル層3が順次形成されている。
チャネル層3上には、AlxGa1−xN(0<x≦1)からなるバリア層4が形成されている。バリア層4の格子定数はチャネル層3の格子定数よりも小さいため、引っ張り応力によってバリア層4に歪みが生じてピエゾ分極が発生し、窒化物半導体の自発分極と合わせてチャネル層3とバリア層4とのヘテロ界面に2次元電子ガス(2−Dimensional Electron Gas:2DEG、以下、2DEGとも称する)と呼ばれる高濃度のキャリアが発生する。
バリア層4上には、GaNからなる第1のキャップ層5が形成されている。また、第1のキャップ層5上には、AlyGa1−yN(0<y≦1)からなる第2のキャップ層6が形成されている。また、第1のキャップ層5および第2のキャップ層6の各々は、ゲート電極11が形成される領域に対してエッチングによって開口部が形成されており、第1のキャップ層5に形成された開口部(第1の開口部)は、第2のキャップ層6に形成された開口部(第2の開口部)よりも小さい。すなわち、第2のキャップ層6の開口部は、平面視で第1のキャップ層5の開口部を包含し当該開口部よりも大きい。ここで、第1のキャップ層5に形成された開口部は開口領域7に対応し、第2のキャップ層6に形成された開口部は開口領域7と開口領域8とを合わせた領域に対応する。また、第1のキャップ層5の格子定数はバリア層4の格子定数よりも小さく、第2のキャップ層6の格子定数は第1のキャップ層5の格子定数よりも大きい。また、上記より、第1のキャップ層5と第2のキャップ層6とは組成が異なる。
第2のキャップ層6上には、ソース領域9およびドレイン電極10がゲート電極11を挟んで離間して形成されている。また、第1のキャップ層5および第2のキャップ層6の開口部の重なる領域においてバリア層4上にゲート電極11が形成されている。
図2,3は、本実施の形態1による図1に示すヘテロ接合電界効果型トランジスタにおける2次元電子ガスの濃度分布を示す図である。
図2,3に示すように、開口領域8に対応するチャネル層3とバリア層4とのヘテロ界面(すなわち、開口領域8下のヘテロ界面)における2DEG濃度は、開口領域7に対応するチャネル層3とバリア層4とのヘテロ界面(すなわち、開口領域7下のヘテロ界面)における2DEG濃度よりも低くなる。すなわち、チャネル層3とバリア層4との界面におけるキャリア濃度は、開口領域8の方が、当該開口領域8以外の他の領域よりも小さい。理由を以下に述べる。開口領域8では第1のキャップ層5の上面がピニングされる効果によりバンドポテンシャルが下がる一方、開口領域8下のバリア層4はピニングの影響がなくなるためバンドポテンシャルは上昇する。バリア層4のバンドポテンシャルが上昇すると、バリア層4とチャネル層3との界面のバンドポテンシャルも上昇するために2DEGが減少する。また、第1のキャップ層5とバリア層4の自発分極差により生じる電界が、チャネル層3とバリア層4との間で生じるピエゾ電界を弱めるため2DEGは減少する。
また、第2のキャップ層6に対応するチャネル層3とバリア層4とのヘテロ界面(すなわち、開口領域7,8以外の第2のキャップ層6下のヘテロ界面)における2DEG濃度は、上記の開口領域8下のヘテロ界面における2DEG濃度よりも高くなる。理由としては、AlGaNからなる第2のキャップ層6とGaNからなる第1のキャップ層5との間にて生じる自発分極とピエゾ分極とによるものである。
上記より、図2,3に示すように、開口領域7下の領域(第1の開口部と第2の開口部とが重なる領域)を第1の領域、開口領域8下の領域(第1の開口部と第2の開口部とが重ならない第2の開口部の領域)を第2の領域、第2のキャップ層6下の領域(第1の開口部および第2の開口部以外の領域)を第3の領域とした場合において、チャネル層3とバリア層4との界面における2DEG濃度(キャリア濃度)は、第3の領域、第1の領域、第2の領域の順に大、中、小になる(図2参照)。あるいは、第1の領域、第3の領域、第2の領域の順に大、中、小になる(図3参照)。
次に、図1に示すヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の一例について説明する。
まず、基板1上に、バッファ層2、GaNからなるチャネル層3、AlxGa1−xN(0<x≦1)からなるバリア層4、GaNからなる第1のキャップ層5、AlyGa1−yN(0<y≦1)からなる第2のキャップ層6を順次形成する。なお、各層は、MOCDV(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などのエピタキシャル成長法を適用することによって形成する。
次に、第2のキャップ層6上に、Ti/Alからなるソース電極9およびドレイン電極10を形成する。なお、各電極は、蒸着法やスパッタ法などを用いて堆積して、リフトオフ法などによって形成する。
次に、最終的にトランジスタとして形成する領域以外のチャネル層3、バリア層4、第1のキャップ層5、および第2のキャップ層6に対して素子分離領域12を形成する。なお、素子分領域12は、例えばイオン注入法やエッチング等を用いて形成する。また、本実施の形態1では、イオン注入法によって形成している。
次に、レジストパターン等をマスクとして第2のキャップ層6をエッチングすることによって、開口領域8を含む開口部を形成する。第2のキャップ層6の開口部は、Cl2(塩素)等を用いたドライエッチング法などにより形成する。
次に、レジストパターン等をマスクとして第1のキャップ層5をエッチングすることによって、開口領域7である開口部を形成する。第1のキャップ層5の開口部は、Cl2等を用いたドライエッチング法などにより形成する。なお、第1のキャップ層5をエッチングする際には、Cl2等の塩素系のガスに加えて、例えば酸素やSF6(六フッ化硫黄)等のフッ素系のガスを用いることによって、選択的に第1のキャップ層5のみエッチングすることが可能となり、エッチング深さの制御性が良くなる。
次に、第1のキャップ層5の開口部および第2のキャップ層6の開口部内に、Ni/Auからなるゲート電極11を形成する。ゲート電極11は、蒸着法やスパッタ法を用いて堆積して、リフトオフ法などによって形成する。
上記の製造方法によって、図1に示すヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。
なお、上記では、トランジスタとして動作する必要最小限の要素しか記載していないが、最終的には表面パッシベーション膜の形成、配線電極の形成、バイアホールの形成等のプロセスを経てデバイスとして完成する。
以上のことから、本実施の形態1によるヘテロ接合電界効果型トランジスタによれば、開口領域7下の2DEG濃度が高くなるため、チャネル抵抗を低減することができる。また、第2のキャップ層6下の2DEG濃度が高くなると、アクセス抵抗を低減することができる。これらの抵抗(チャネル抵抗、アクセス抵抗)を低減することによって大電流化が可能となるが、いずれの抵抗を低減するのかは用途に応じて素子設計によって任意に決定される。また、電界強度が最も高くなるゲート電極のドレイン電極側の端部において2DEG濃度が低くなるため、ドレイン耐圧を向上させることが可能となる。従って、高出力動作が可能な高周波ヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。
なお、ドレイン耐圧の向上に特に影響する箇所は、強電界が集中するゲート電極のドレイン電極側の端部であるため、例えば図4,5に示すように、ゲート電極11のソース電極9側の端部に対しては、2DEG濃度が低い領域を形成しなくてもよい。すなわち、図1と比較して、ソース電極9側の開口領域8を形成しなくてもよい。
また、上記では代表的な構成条件について説明したが、第1のキャップ層5は、バリア層4よりもAl組成が小さいAlGaNであっても上記と同様の効果が得られる。なお、この場合は、第2のキャップ層6のAl組成は、第1のキャップ層5のAl組成よりも高くする必要がある。
また、ゲート電極11の形状は、例えば図6,7に示すように、第1のキャップ層5および第2のキャップ層6と接しないように形成してもよい。
また、エッチングにより形成された第1のキャップ層5の開口部および第2のキャップ層6の開口部の底面(エッチング底面)は、バリア層4、第1のキャップ層5、および第2のキャップ層6のそれぞれの界面に限定する必要はなく、エッチング対象となる各層が多少残っていたり、エッチング対象となる各層の下層までエッチングが進んだりしても、図2,3に示すような2DEG濃度に変化が得られるだけのエッチング量であれば、上記と同様の効果が得られる。
また、本実施の形態1によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法において、ソース電極9、ドレイン電極10、ゲート電極11、素子分離領域12のプロセス順序を入れ替えてもよい。例えば、ソース/ドレイン電極9,10を形成する前に、素子分領域12を形成してもよい。
<実施の形態2>
図8は、本発明の実施の形態2によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの構成の一例を示す図である。図8に示すように、本実施の形態2では、第2のキャップ層6上に第3のキャップ層13を形成することを特徴としている。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図8は、本発明の実施の形態2によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの構成の一例を示す図である。図8に示すように、本実施の形態2では、第2のキャップ層6上に第3のキャップ層13を形成することを特徴としている。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
第3のキャップ層13は、AlGaNからなる第2のキャップ層6上に、当該第2のキャップ層6よりも高いAl組成を有するAlGaNか、あるいは、例えばSiなどからなるn型ドーパントが導入されたGaNまたはAlGaNからなる層であり、これらの層を複合した多層構造であってもよい。なお、第3のキャップ層13としてAlGaNが形成された場合は自発分極およびピエゾ分極が増大し、n型ドーパントが導入された場合は電子が供給されるため、第3のキャップ層13を形成することによって2DEG濃度を増大させることができる。
第1のキャップ層5、第2のキャップ層6、および第3のキャップ層13の各々は、ゲート電極11が形成される領域がエッチングによって開口されており、第1のキャップ層5の開口部は第2のキャップ層6の開口部よりも小さい。また、第3のキャップ層13の開口部は、第2のキャップ層6の開口部と等しいか大きい。
ソース電極9およびドレイン電極10は、第3のキャップ層13上に形成され、ゲート電極11は、各キャップ層の開口部が重なる領域であってバリア層4上に形成される。
以上のことから、本実施の形態2によれば、第3のキャップ層13下のチャネル層3とバリア層4とのヘテロ界面における2DEG濃度が増大して、素子のアクセス抵抗(オン抵抗)を低減することができる。
<実施の形態3>
Al組成の高いAlGaN層は、電子に対するポテンシャルバリアが高いため、良好なオーミックコンタクトを得ることが難しくなる。本発明の実施の形態3では、コンタクト抵抗を低減させることを特徴としている。
Al組成の高いAlGaN層は、電子に対するポテンシャルバリアが高いため、良好なオーミックコンタクトを得ることが難しくなる。本発明の実施の形態3では、コンタクト抵抗を低減させることを特徴としている。
図9,10は、本実施の形態3によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの構成の一例を示す図である。
図9に示すように、ソース電極9およびドレイン電極10下には、高濃度のn型ドーパントを選択的にイオン注入した領域14が形成されている。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
領域14の形成方法としては、例えば、レジストパターンなどをマスクとして、ソース電極9およびドレイン電極10を形成する領域に、Siをドーズ量1×1013〜1×1017(cm−2)、エネルギー10〜1000(keV)の条件でイオン注入し、注入したSiを活性化させるために900〜1200℃で熱処理を行えばよい。
上記のように形成された領域14を有するヘテロ接合電界効果型トランジスタでは、領域14に多数の電子が供給されて低抵抗化するためコンタクト抵抗が低減する。
また、図10に示すように、ソース電極9およびドレイン電極10下における第1のキャップ層5および第2のキャップ層6は、選択的にエッチングして除去されている。すなわち、ソース電極9およびドレイン電極10は、バリア層4上に形成されている。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
ソース電極9およびドレイン電極10の形成方法としては、例えば、レジストパターンなどをマスクとして、第2のキャップ層6および第1のキャップ層5をエッチングし、エッチング後のバリア層4上にソース電極9およびドレイン電極10を形成する。なお、第2のキャップ層6および第1のキャップ層5のエッチングには、Cl2等を用いたドライエッチング法などがある。
上記のように形成されたヘテロ接合電界効果型トランジスタでは、ポテンシャルバリアが低下し、また、ポテンシャルバリア厚も薄くなるため、コンタクト抵抗が低減する。
<実施の形態4>
ゲート電極11と半導体層とはショットキー接合されることによってゲート電流を制御しているが、ショットキー界面のポテンシャルが界面準位などでピニングされた場合には、十分な高さのポテンシャルバリアを得ることができずに大きなゲートリーク電流が流れてしまう。本発明の実施の形態4では、リーク電流を低減させることを特徴としている。
ゲート電極11と半導体層とはショットキー接合されることによってゲート電流を制御しているが、ショットキー界面のポテンシャルが界面準位などでピニングされた場合には、十分な高さのポテンシャルバリアを得ることができずに大きなゲートリーク電流が流れてしまう。本発明の実施の形態4では、リーク電流を低減させることを特徴としている。
図11は、本実施の形態4によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの構成の一例を示す図である。
図11に示すように、ゲート電極11と半導体層との間に誘電体膜15が形成されている。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、上記の半導体層とは、バリア層4、第1のキャップ層5、第2のキャップ層6のことをいう。
誘電体膜15は、バリア層4、第1のキャップ層5、第2のキャップ層6上の少なくとも一部に形成されており、ゲート電極11は、誘電体膜15上に形成されている。なお、誘電体膜15は、CVD法、スパッタ法、ALD(Atomic Layer Deposition)法などによって形成されたSi,Al,Hf,Zr,Ta,Nbなどの酸化膜、窒化膜、酸窒化膜などを用いればよい。
以上のことから、本実施の形態4によれば、誘電体膜15を形成することによってリーク電流を低減することができる。
なお、図11では、バリア層4、第1のキャップ層5、および第2のキャップ層6と、ゲート電極11との間の全ての領域において誘電体膜15が形成されているが、ポテンシャルバリアの高い層である第2のキャップ層6の一部についてはゲート電極11と接していても(すなわち、誘電体膜15を介さずとも)リーク電流を低減する効果が得られる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 基板、2 バッファ層、3 チャネル層、4 バリア層、5 第1のキャップ層、6 第2のキャップ層、7 開口領域、8 開口領域、9 ソース電極、10 ドレイン電極、11 ゲート電極、12 素子分離領域、13 第3のキャップ層、14 領域、15 誘電体膜。
Claims (10)
- 窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタであって、
チャネル層と、
前記チャネル層上に形成されたバリア層と、
前記バリア層上に形成され、当該バリア層よりも格子定数が小さく、かつ、第1の開口部を有する第1のキャップ層と、
前記第1のキャップ層上に形成され、当該第1のキャップ層よりも格子定数が大きく、かつ、平面視前記第1の開口部を包含し前記第1の開口部よりも大きい第2の開口部を有する第2のキャップ層と、
少なくとも前記第1、第2の開口部の重なる領域において前記バリア層上に形成されたゲート電極と、
を備え、
前記第1のキャップ層と前記第2のキャップ層とは組成が異なることを特徴とする、ヘテロ接合電界効果型トランジスタ。 - 前記チャネル層と前記バリア層との界面におけるキャリア濃度は、前記第1の開口部と前記第2の開口部とが重ならない前記第2の開口部の領域の方が、当該領域以外の他の領域よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。
- 前記第1の開口部と前記第2の開口部とが重なる領域を第1の領域、前記第1の開口部と前記第2の開口部とが重ならない前記第2の開口部の領域を第2の領域、前記第1の開口部および前記第2の開口部以外の領域を第3の領域とした場合において、
前記チャネル層と前記バリア層との界面におけるキャリア濃度は、前記第3の領域、前記第1の領域、前記第2の領域の順に大、中、小になることを特徴とする、請求項1または2に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。 - 前記第1の開口部と前記第2の開口部とが重なる領域を第1の領域、前記第1の開口部と前記第2の開口部とが重ならない前記第2の開口部の領域を第2の領域、前記第1の開口部および前記第2の開口部以外の領域を第3の領域とした場合において、
前記チャネル層と前記バリア層との界面におけるキャリア濃度は、前記第1の領域、前記第3の領域、前記第2の領域の順に大、中、小になることを特徴とする、請求項1または2に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。 - 前記第1のキャップ層はGaNであり、
前記第2のキャップ層はAlGaNであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。 - 前記第1のキャップ層はAlxGa1−xNであり、
前記第2のキャップ層はAlyGa1−yN(0≦x<y≦1)であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。 - 前記第2のキャップ層はAlGaNであり、
前記第2のキャップ層上に形成され、Al組成が前記第2のキャップ層よりも高いAlGaNからなる第3のキャップ層をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。 - 前記第2のキャップ層上に形成され、n型ドーパントが導入された窒化物半導体からなる第3のキャップ層をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。
- 前記バリア層、前記第1のキャップ層、および前記第2のキャップ層上の少なくとも一部に形成された誘電体膜をさらに備え、
前記ゲート電極は、前記誘電体膜上に形成されることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。 - 窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法であって、
(a)チャネル層、バリア層を順次形成する工程と、
(b)前記バリア層上に、当該バリア層よりも格子定数が小さい第1のキャップ層を形成する工程と、
(c)前記第1のキャップ層上に、当該第1のキャップ層よりも格子定数が大きい第2のキャップ層を形成する工程と、
(d)前記第2のキャップ層におけるゲート電極を形成すべき領域に第2の開口部を形成する工程と、
(e)前記第2の開口部内において、当該第2の開口部よりも小さい第1の開口部を前記第1のキャップ層に形成する工程と、
(f)少なくとも前記第1、第2の開口部の重なる領域において前記バリア層上にゲート電極を形成する工程と、
を備え、
前記工程(b)、(c)において、前記第1のキャップ層と前記第2のキャップ層とは異なる組成で形成される、
ことを特徴とする、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法。
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