JP2010245240A - ヘテロ接合型電界効果半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

ヘテロ接合型電界効果半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゲートリーク電流が小さく、形成が容易なノーマリオフ特性を有するヘテロ接合型電界効果半導体装置を提供する。

【解決手段】第1の半導体層(1)と、
前記第1の半導体層内に第1導電型を有する二次元キャリアガス層を形成するために前記第1の半導体層上にヘテロ接合するように形成される第2の半導体層(2)と、
前記第2の半導体層に形成される凹部(3)と、
前記凹部を包囲するように前記第2の半導体層上に形成される第1の絶縁膜(4)と、
少なくとも前記凹部上に形成される第2導電型を有する第3の半導体層(5)と、
少なくとも前記凹部上であって前記第3の半導体層上に形成される第2の絶縁膜(6)と、
前記第2の絶縁膜上に形成される制御電極(7)と、
を備えることを特徴とするヘテロ接合型電界効果半導体装置。

【選択図】図1

Description

本発明は、高電子移動度トランジスタ即ちHEMT( High Electron Mobility Transistor)、2次元電子キャリアガス層を電流通路とするダイオード、メタル・セミコンダクタ電界効果トランジスタ即ちMESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)等のヘテロ接合型電界効果半導体装置及びその製造方法に関する。
ヘテロ接合型電界効果トランジスタの一種である従来のHEMTは、シリコン、サファイア等の基板の上にバッファ層を介して形成されたアンドープGaN等の窒化物半導体から成る電子走行層と、n型不純物がドープされた又はアンドープのAlGaN等の窒化物半導体から成る電子供給層又はバリア層と、電子供給層の上に形成されたソース電極とドレイン電極とゲート電極(ショットキー電極)とを有している。AlGaN等から成る電子供給層のバンドギャップはGaN等から成る電子走行層のバンドギャップよりも大きく、またAlGaN等から成る電子供給層の格子定数はGaN等から成る電子走行層の格子定数よりも小さい。電子走行層の上にこれよりも格子定数が小さい電子供給層を配置すると、電子供給層に伸張性歪み即ち引っ張り応力が生じ、ピエゾ分極する。電子供給層は自発分極もするので、ピエゾ分極と自発分極とに基づく電界の作用で電子走行層と電子供給層とのヘテロ接合面の近傍に周知の2次元電子ガス層即ち2DEG層が生じる。2DEG層は周知のようにドレイン電極とソース電極との間の電流通路(チャネル)として機能し、この電流通路を流れる電流はゲート電極に印加されるバイアス電圧で制御される。
ところで、一般的な構成のHEMTは、ゲート電極にゲート制御電圧を印加しない状態(ノーマリ状態)でソース電極とドレイン電極との間に電流が流れる特性即ちノーマリオン(normally - on)特性を有する。ノーマリオン型のHEMTをオフ状態に保つためにはゲート電極を負電位にするための負電源が必要になり、電気回路が必然的に高価になる。従って、従来のノーマリオン型のHEMTの使い勝手は良くない。
そこで、ノーマリオフ(normally - off)特性を有するヘテロ接合電界効果半導体装置の開発が進められている。ノーマリオフ特性を得るための代表的の方法として、電子供給層にリセス(凹部)を形成し、このリセスで薄くなった電子供給層の上にゲート電極を形成する方法(特許文献1)や、電子供給層の上にp型のAlGaN層を介してゲート電極を形成する方法(特許文献2)が知られている。
特開2005−183733号公報 特開2007−19309号公報
しかしながら、上記の方法を用いた場合、以下のような問題点がある。
特許文献1の方法に従うHEMTは、リセス上に形成されたゲート電極に正のゲート制御電圧を印加すると、比較的大きいゲートリーク電流が流れてしまう。また、特許文献2の方法に従うHEMTは、p型導電型を有するAlGaN層を形成することが困難である。
上述のHEMTと同様な問題は、2DEG層を利用したダイオード、及びHEMT以外のヘテロ接合型電界効果半導体装置(例えばMESFET)等においてもある。
従って、本発明が解決しようとする課題は、ゲートリーク電流が小さく、形成が容易なノーマリオフ特性を有するヘテロ接合型電界効果半導体装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明に係る電界効果半導体装置は、
第1の半導体層と、
前記第1の半導体層内に第1導電型を有する二次元キャリアガス層を形成するために前記第1の半導体層上にヘテロ接合するように形成される第2の半導体層と、
前記第2の半導体層に形成される凹部と、
前記凹部を包囲するように前記第2の半導体層上に形成される第1の絶縁膜と、
少なくとも前記凹部上に形成される第2導電型を有する第3の半導体層と、
少なくとも前記凹部上であって前記第3の半導体層上に形成される第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に形成される制御電極と、を備えることを特徴とする。
また、請求項8の発明に係る電界効果半導体装置の製造方法は、
第1の半導体層と、前記第1の半導体層内に第1導電型を有する二次元キャリアガス層を形成するために前記第1の半導体層上にヘテロ接合する第2の半導体層と、をエピタキシャル成長させる工程と、
前記第2の半導体層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜及び前記第2の半導体層をエッチングして凹部を形成する工程と、
少なくとも前記凹部上に第2導電型を有する第3の半導体層を形成する工程と、
少なくとも前記凹部上であって前記第3の半導体層上に第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上に制御電極を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の各請求項に係る発明によれば、ゲートリーク電流が小さく、形成が容易なノーマリオフ特性を有するヘテロ接合型電界効果半導体装置を提供することができる。
本発明の実施例1のヘテロ接合型電界効果半導体装置を示す断面図である。 図1の実施例1のヘテロ接合型電界効果半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施例2のヘテロ接合型電界効果半導体装置を示す断面図である。 本発明の実施例2のヘテロ接合型電界効果半導体装置の変形例を示す断面図である。 本発明の実施例3のヘテロ接合型電界効果半導体装置を示す断面図である。 図5の実施例3のヘテロ接合型電界効果半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施例4のヘテロ接合型電界効果半導体装置を示す断面図である。 本発明の実施例5のヘテロ接合型電界効果半導体装置を示す断面図である。 本発明のヘテロ接合型電界効果半導体装置の変形例を示す断面図である。
次に、図面を参照して本発明の実施形態に係るヘテロ接合型電界効果半導体装置及びその製造方法を説明する。
図1に示す本発明の実施例1に係るヘテロ接合型電界効果半導体装置は、図示しないバッファ層を介して図示しない基板上に形成される電子走行層1(第1の半導体層)と、電子走行層1上に形成される電子供給層2(第2の半導体層)と、電子供給層2上に形成されるリセス3(凹部)と、リセス3を包囲するように電子供給層2上に形成される第1の絶縁膜4と、リセス3の底面及び側面に隣接するように電子供給層2上に形成されるp型半導体膜5(第3の半導体層)と、リセス3の側面に隣接するようにp型半導体膜5上に形成される第2の絶縁膜6と、第1の絶縁膜4の側面及び表面上に延伸するように第2の絶縁膜6上に形成されるゲート電極7(制御電極)と、電子供給層2上においてゲート電極7の両側に離間して形成される図示しないソース電極とドレイン電極とを備える。
図示しない基板は、シリコン(Si)、シリコンカーバイト(SiC)又はサファイア、セラミック等の材料で形成される。
図示しないバッファ層は、周知のMOCVD法等のエピタキシャル成長法で形成される。バッファ層は、窒化アルミニウム(AlN)から成る1つの層又はAlNから成る層と窒化ガリウム(GaN)から成る層とが交互に積層された多層構造で形成することができる。なお、このバッファ層は半導体装置の動作に直接に関係していないので、これを省くこともできる。

電子走行層1は、0.3〜10μmの厚さに形成され、この上の電子供給層2とのヘテロ接合面の近傍に電流通路(チャネル)として機能する2次元キャリアガス層としての2次元電子ガス層(2DEG層)を得るためのものであって、周知のMOCVD法でエピタキシャル成長されたアンドープGaNから成る。なお、電子走行層1は、例えばAlInGa1−a−bN(0≦a<1、0≦b<1)等の窒化物半導体、又は別の化合物半導体で形成することもできる。
電子走行層1上に形成される電子供給層2は、電子走行層1よりも大きいバンドギャップを有し且つ電子走行層1よりも小さい格子定数を有する材料によって5〜100nm(例えば25nm)の厚さに形成される。電子供給層2は、周知のMOCVD法でエピタキシャル成長されたアンドープAl0.26Ga0.74Nから成る。なお、電子供給層2は、例えばAlInyGa1−x−yN(0<x<1、0≦y<1)等の窒化物半導体又は別の化合物半導体で形成することもできる。xの好ましい値は0.1〜0.4である。また、電子供給層2は、n型(第1導電型)の不純物を添加して形成することもできる。
なお、電子供給層2は、窒化アルミニウム(AlN)から成るスペーサ層を介して電子走行層1上に形成されても良く、電子供給層2上にGaNから成るキャップ層を形成しても良い。
電子供給層2に形成されるリセス3(凹部)は、電子供給層2上のソース電極とドレイン電極との間に異方性エッチングで形成され、且つ電子供給層2の厚みよりも浅く形成される。従って、リセス3の底面と電子走行層1との間に電子供給層2の薄い残存部がある。この電子供給層2の残存部の厚みは1〜20nm、より好ましくは3〜15nm、最も好ましくは4〜10nmであり、図1では7nmである。
電子供給層2上に形成される第1の絶縁膜4は、電子供給層2上のソース電極、ドレイン電極及びリセス3が形成されている部分以外に配置されている。更に詳細には、第1の絶縁膜4は、SiOx(ここで、xは1〜2の数値を示し、好ましくは2である)から成り、好ましくはプラズマCVD(化学気相成長法)によって、好ましくは200〜2000nm(例えば500nm)の厚さに形成され、圧縮応力即ち圧縮性歪み(例えば4.00×10dyn/cm)を発生する性質を有し、2次元キャリアガス層のキャリア濃度を高めるために寄与する。即ち、第1の絶縁膜4の下には電子供給層2が配置されているので、第1の絶縁膜4の圧縮応力が作用すると、この反作用で電子供給層2に伸張性歪み即ち引張り応力が生じ、電子供給層2のピエゾ分極が強められ、2次元電子ガス層(2DEG層)における電子濃度が増大する。この電子濃度の増大はヘテロ接合型電界効果半導体装置のオン抵抗低減に寄与する。第1の絶縁膜4はリセス3の中には配置されず、リセス3を包囲するように開口を有する。第1の絶縁膜4の開口の側面41は、リセス3に向かって薄くなる5〜80度の傾斜を有している。
なお、第1の絶縁膜4を、スパッタリング等の別の方法で形成することもできる。しかし、電子供給層2の表面の結晶ダメージを少なくし、表面準位(トラップ)を少なくし、電流コラプスを抑制するために、プラズマCVDが最も優れている。また、第1の絶縁膜4をシリコン酸化物以外の別な絶縁材料(例えば酸化ハフニウム、酸化アルミニウム或いはシリコン窒化物)等で形成することもできる。
図示しないソース電極及びドレイン電極は、電子供給層2の表面上に例えばTi(チタン)、続いてAl(アルミニウム)を所望の厚さに蒸着し、その後フォトリソグラフイ技術で所望のパターンにすることによってそれぞれ形成される。ソース電極及びドレイン電極は、Ti及びAl以外の低抵抗性接触(オーミック接触)可能な金属で形成することもできる。なお、電子供給層2は極めて薄いので、この厚さ方向の抵抗は無視できるほど小さい。従って、ソース電極及びドレイン電極は、電流通路としての2DEG層に電気的に結合されている。
p型半導体膜5は、リセス3上において電子供給層2に隣接するように形成されるか、或いは絶縁膜を介して電子供給層2上に形成され、電子供給層2よりも大きい抵抗率を有する金属酸化物半導体材料で形成され、好ましくは3〜1000nm、より好ましくは10〜500nmの厚さを有する。p型半導体膜5が3nmよりも薄くなると、ノーマリオフ特性が良好に得られなくなり、1000nmよりも厚くなると、ゲート電極7の制御によるターンオン特性が悪くなる。
本実施例に係るp型半導体膜5は、酸化ニッケルから成る。更に詳細には、このp型半導体膜5は、酸素を含む雰囲気(好ましくはアルゴンと酸素の混合ガス)中においてNiOをスパッタリングすることによって形成されたNiOx(x≧1)である。また、NiOxに酸素をイオン注入することによって酸素濃度及び正孔濃度を高めても良い。このように形成されたp型半導体膜5は、比較的高い酸素濃度及び正孔濃度を有するため、従来のp型不純物が添加されたGaNよりも高い正孔濃度を有し、且つ比較的大きい抵抗率を有する。従って、p型半導体膜5は、電子走行層2のゲート電極6に対向する部分の電子濃度を低減させるために良好に寄与すると共に、ゲートリーク電流を低減する。電子走行層2のゲート電極6に対向する部分の電子濃度が低減すると、ノーマリオフ特性又は低い閾値を有するヘテロ接合型電界効果半導体装置が得られる。
また、p型半導体膜5を上記NiOxで形成する代わりに、FeOx(酸化鉄)、CoOx(酸化コバルト)、MnOx(酸化マンガン)及びCuOx(酸化銅)から選択された少なくとも1つによる単層又は積層で形成することもできる(ここでxは任意の数値である)。NiOx以外の金属酸化物から成るp型半導体膜5も、酸素を含む雰囲気で金属材料をスパッタリングすることによって形成することが望ましい。また、p型半導体膜5の正孔濃度をその厚さ方向に変えても良い。
p型半導体膜5上に形成される第2の絶縁膜6は、ゲートリーク電流の低減させるためのものであって、p型半導体膜5とゲート電極7との間に延伸して形成される。第2の絶縁膜6は、ゲート電極7に基づく所望の電界効果作用をできるだけ妨害しないように比較的薄く形成され、好ましくは3〜300nmの厚みを有する。
第2の絶縁膜6はp型半導体膜5よりも高い抵抗率を有する材料から選択され、シリコン酸化物以外の、ハフニウム(Hf)酸化物或いは金属酸化物等の別の絶縁材料で形成することもできる。
ゲート電極7は、第2の絶縁膜6上に形成され、第1の絶縁膜4の側面及び表面上に隣接するように延伸して形成された金属層から成り、蒸着で形成された厚さ25nmのNi(ニッケル)層とその上に蒸着で形成された厚さ300nmのAu(金)層とから成る。なお、ゲート電極7は、第1の絶縁膜4の表面上に延伸しないように形成しても良いが、後述するフィールドプレート効果を得るために第1の絶縁膜4の表面上に延伸するように形成されることが望ましい。また、ゲート電極7は、Ni層とAu層とTi層との多層膜、又はAl層、又導電性を有するポリシリコン層等で形成することもできる。
図2は、本発明の実施例1に係るヘテロ接合型電界効果半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図2(A)に示すように、図示しない基板及びバッファ層上に電子走行層1及び電子供給層2を順次エピタキシャル成長させ、電子供給層2上に第1の絶縁膜4を形成する。
次に、図2(B)に示すように、第1の絶縁膜4上に第1のマスク11を周知のフォトリソ工程により形成する。第1のマスク11は、この後の工程でリセス3を形成する箇所に開口を有するように形成される。
次に、図2(C)に示すように、第1の絶縁膜4に周知の異方性エッチングを施し、所定の厚さの残存部を残すように第1の絶縁膜4の一部を除去した後、周知の等方性エッチングにより第1の絶縁膜4の残存部を除去する。この等方性エッチングにより第1の絶縁膜4の開口部が後退し、傾斜を有する側面41が形成される。第1の絶縁膜4の残存部を薄くすることで、第1の絶縁膜4の開口部の後退幅が縮小できる。
次に、図2(D)に示すように、周知の異方性エッチングにより電子供給層2にリセス3を形成する。
次に、図2(E)に示すように、酸素を含む雰囲気中でNiOをスパッタリングし、リセス3内部にp型半導体膜5を形成した後、第2の絶縁膜6を形成する。なお、第2の絶縁膜6を形成するために、スパッタリングに代わり周知の物理的蒸着法又は化学的蒸着法を適用することができる。
次に、図2(F)に示すように、第1のマスク11を除去した後、第1の絶縁膜4上に第2のマスク12を周知のフォトリソ工程により形成する。第2のマスク12は、第1の絶縁膜4との間に、リセス3に向かって開口が大きくなるようなテーパ部を有するように形成される。また、第2のマスク12の開口部は、リセス3及び少なくとも第1の絶縁膜4の側面41が露出するように、第1のマスク11の開口部よりも広く形成される。
次に、図2(G)に示すように、周知のスパッタリングによりゲート電極7を形成した後、第2のマスク12を除去する。ゲート電極7は、開口部及びテーパ部を有する第2のマスク12を用いて形成されるため、第1の絶縁膜4の表面に隣接して延伸する鍔状の周辺構造を有する。
図示しないソース電極とドレイン電極とは、第2のマスク12に所定の開口部を形成した後、周知のスパッタリングにより形成することができる。
本実施例に係るヘテロ接合型電界効果半導体装置及びその製造方法は、次の効果を有する。
(1)金属酸化物から成るp型半導体膜5は、従来のp型AlGaN層よりも比較的高い抵抗率(絶縁性)を有するため、ヘテロ接合型電界効果半導体装置のゲートリーク電流を低減することができる。
(2)金属酸化物から成るp型半導体膜5は、従来のp型AlGaN層よりも比較的容易に形成でき且つ化学的に安定している。従って、p型半導体膜5を電子供給層2とゲート電極7との間に配置することによって安定性の高いノーマリオフ特性又はノーマリオフに近い特性を有する電界効果半導体装置を得ることができる。
(3)p型半導体膜5よりも高い抵抗率を有する第2の絶縁膜6が、p型半導体膜5とゲート電極7との間に形成されるため、ゲートリーク電流(漏れ電流)をさらに低減することができる。
(4)第1の絶縁膜4の側面41が傾斜を有し、ゲート電極7が側面41及び第1の絶縁膜4の表面上に延伸して形成されるので、フィールドプレート効果により、ゲート電極7の端部(リセス3の端部)における電界集中を良好に緩和することができ、高耐圧化を図ることができる。
(5)等方性エッチングにより第1の絶縁膜4を除去する工程を含むため、傾斜を有する側面41を容易に形成することができる。
(6)異方性エッチングにより所定の厚さの残存部を残すように第1の絶縁膜4の一部を除去した後、等方性エッチングにより第1の絶縁膜4の残存部を除去するため、第1の絶縁膜4の開口部の後退幅が縮小でき、ゲート領域を小さくすることができる。従って、ソース電極とドレイン電極との距離を近づけることにより、オン抵抗を低減することができる。
図3に示す実施例2に係るヘテロ接合型電界効果半導体装置は、変形された第2の絶縁膜6’を有する他は図1のヘテロ接合型電界効果半導体装置と実質的に同一に形成されている。変形された第2の絶縁膜6’は、リセス3上においては図1の第2の絶縁膜6と同一に配置されているが、第1の絶縁膜4の側面41及び第1の絶縁膜4の表面上に延伸して形成される。
変形された第2の絶縁膜6’は、図2に示す実施例1の製造方法において、第2のマスク12を用いてシリコン酸化物を堆積させることで形成することができる。なお、図4に示すように、変形された第2の絶縁膜6’は、少なくとも第1の絶縁膜4の側面41上に延伸していれば良い。
この実施例2のヘテロ接合型電界効果半導体装置は、実施例1のヘテロ接合型電界効果半導体装置と同一の基本構造を有するので、実施例1と同一の効果を有する。さらに、変形された第2の絶縁膜6’が、p型半導体膜5を良好に被覆するため、p型半導体膜5とゲート電極7との間の絶縁性をより高め、ゲートリーク電流(漏れ電流)をより低減することができる。
図5に示す実施例3に係るヘテロ接合型電界効果半導体装置は、変形された第1の絶縁膜4’及び変形された第2の絶縁膜6’’を有する他は図3のヘテロ接合型電界効果半導体装置と実質的に同一に形成されている。変形された第1の絶縁膜4’は、リセス3の周囲において電子供給層2が露出するように、比較的広い開口部を有するようにけいせいされる。また、変形された第2の絶縁膜6’’は、電子供給層2の表面、第1の絶縁膜4の側面41及び第1の絶縁膜4の表面上に延伸して形成される。
変形された第1の絶縁膜4’は、図6(C’)(D’)に示すように、実施例1の製造方法において、等方性エッチングのエッチングレート或いは処理時間を調整することで形成することができる。また、変形された第2の絶縁膜6’’は、実施例2の製造方法と同一の方法により形成される。
この実施例3のヘテロ接合型電界効果半導体装置は、実施例2のヘテロ接合型電界効果半導体装置と同一の基本構造を有するので、実施例1と同一の効果を有する。さらに、ゲート電極7の端部(リセス3の端部)における電界集中を良好に緩和することができ、より高耐圧化を図ることができる。
図7に示す実施例4に係るヘテロ接合型電界効果半導体装置は、変形されたp型半導体膜5’を有する他は図3のヘテロ接合型電界効果半導体装置と実質的に同一に形成されている。変形されたp型半導体膜5’は、リセス3の内部においては図1のp型半導体膜5よりも厚く、且つ、第1の絶縁膜4の側面41上に延伸するように形成される。
変形されたp型半導体膜5’は、図2に示す実施例1の製造方法において、例えばスパッタリングによる処理時間を長くすることで形成することができる。このとき、変形された第2の絶縁膜6’は、p型半導体膜5’とゲート電極7との絶縁性を確保するため、第1の絶縁膜4の側面41及び第1の絶縁膜4の表面上に延伸するように形成されることが好ましい。
この実施例4のヘテロ接合型電界効果半導体装置は、実施例2のヘテロ接合型電界効果半導体装置と同一の基本構造を有するので、実施例2と同一の効果を有する。さらに、変形されたp型半導体膜5’が、ゲート電極7のフィールドプレート効果を高めるため、より高耐圧化を図ることができる。
図8に示す実施例5に係るヘテロ接合型電界効果半導体装置は、変形された電子供給層2’を有する他は図3のヘテロ接合型電界効果半導体装置と実質的に同一に形成されている。変形された電子供給層2’は、電子走行層1上に隣接するように形成される第1の電子供給層21(第1の領域)と、第1の電子供給層21上に形成される第2の電子供給層22(第2の領域)と、から構成される。
第1の電子供給層21は、実施例1に係る電子供給層2以上の電子濃度を有するように、比較的高いAl組成比を有するアンドープAlInGa1−a−bN(例えば0.2≦a≦0.5)で3〜10nmの厚さに形成される。第2の電子供給層22は、第1の電子供給層21よりも電子濃度が低くなるように、比較的低いAl組成比を有するアンドープAlInGa1−a−bN(例えば0.1≦a≦0.4)で12〜50nmの厚さに形成される。リセス3は第2の電子供給層22上に形成され、p型半導体膜5は第2の電子供給層22に隣接するように形成される。
p型半導体膜5が隣接する第2の電子供給層22の電子濃度を低くすると、第2の電子供給層22に広がる空乏層が厚くなり、電子が空乏層をトンネルすることを抑制できるため、ゲートリーク電流を低減することができる。また、電子走行層1が隣接する第1の電子供給層21の電子濃度を高くすると、電子が2DEGへ染み出しやすくなるため、2DEGの電子濃度が高くなり、ヘテロ接合型電界効果半導体装置のオン抵抗が低減できる。
なお、Al組成比を変える以外に、不純物のドーピングにより電子供給層の電子濃度を調整することができる。また、第2の電子供給層21をAlGaNから成る複数の半導体層で構成しても良い。
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において種々の変更や、各実施例或いは各変形例の組合せが可能である。例えば、フィールドプレート効果が弱まるが、図9に示すようにゲート電極7を第1の絶縁膜4の表面上に延伸しないように形成しても良い。また、各半導体層を窒化ガリウム以外の材料で構成しても良く、2次元ホールガスが形成され、第3の半導体層としてn型半導体膜を有するヘテロ接合型電界効果半導体装置として構成しても良い。
1 電子走行層(第1の半導体層)
2,2’ 電子供給層(第2の半導体層)
3 リセス
4、4’ 第1の絶縁膜
5、5’ p型半導体膜(第3の半導体層)
6、6’、6’’ 第2の絶縁膜
7 ゲート電極

Claims (8)

  1. 第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層内に第1導電型を有する二次元キャリアガス層を形成するために前記第1の半導体層上にヘテロ接合するように形成される第2の半導体層と、
    前記第2の半導体層に形成される凹部と、
    前記凹部を包囲するように前記第2の半導体層上に形成される第1の絶縁膜と、
    少なくとも前記凹部上に形成される第2導電型を有する第3の半導体層と、
    少なくとも前記凹部上であって前記第3の半導体層上に形成される第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜上に形成される制御電極と、
    を備えることを特徴とするヘテロ接合型電界効果半導体装置。
  2. 前記第2の絶縁膜が、少なくとも前記第1の絶縁膜の側面上に延伸して形成されることを特徴とする請求項1記載のヘテロ接合型電界効果半導体装置。
  3. 前記第2の絶縁膜が、少なくとも前記第1の絶縁膜の表面上に延伸して形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のヘテロ接合型電界効果半導体装置。
  4. 前記第1の絶縁膜の側面が、前記凹部に向かって薄くなる5〜80度の傾斜を有することを特徴とする請求項2記載のヘテロ接合型電界効果半導体装置。
  5. 前記第3の半導体層が、少なくとも前記第1の絶縁膜の側面上に延伸して形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のヘテロ接合型電界効果半導体装置。
  6. 前記制御電極が、前記第1の絶縁膜の表面上に延伸して形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のヘテロ接合型電界効果半導体装置。
  7. 前記第2の半導体層が、前記第1の半導体層に隣接する第1の領域と、前記第1の領域上に形成され且つ前記第1の領域よりも低い電子濃度を有する第2の領域と、を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のヘテロ接合型電界効果半導体装置。
  8. 第1の半導体層と、前記第1の半導体層内に第1導電型を有する二次元キャリアガス層を形成するために前記第1の半導体層上にヘテロ接合する第2の半導体層と、をエピタキシャル成長させる工程と、
    前記第2の半導体層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の絶縁膜及び前記第2の半導体層をエッチングして凹部を形成する工程と、
    少なくとも前記凹部上に第2導電型を有する第3の半導体層を形成する工程と、
    少なくとも前記凹部上であって前記第3の半導体層上に第2の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2の絶縁膜上に制御電極を形成する工程と、
    を備えることを特徴とするヘテロ接合型電界効果半導体装置の製造方法。
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