JP2002329863A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP2002329863A
JP2002329863A JP2001388865A JP2001388865A JP2002329863A JP 2002329863 A JP2002329863 A JP 2002329863A JP 2001388865 A JP2001388865 A JP 2001388865A JP 2001388865 A JP2001388865 A JP 2001388865A JP 2002329863 A JP2002329863 A JP 2002329863A
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Katsunori Nishii
勝則 西井
Kaoru Inoue
薫 井上
Toshinobu Matsuno
年伸 松野
Yoshito Ikeda
義人 池田
Hiroyuki Masato
宏幸 正戸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒化物半導体からなり、ゲート電極を有する
半導体装置の電流駆動能力を高めることができるように
する。 【解決手段】 炭化ケイ素からなる基板11上には、バ
ッファ層12と、窒化ガリウムからなりその上部に2次
元電子ガス層が形成されるチャネル層13と、n型の窒
化アルミニウムガリウムからなりチャネル層13にキャ
リアを供給するキャリア供給層14とが順次形成されて
いる。素子分離膜15に囲まれた素子形成領域には、キ
ャリア供給層14の上に成長した窒化ガリウムからなる
半導体層が酸化された絶縁酸化層16Bが選択的に形成
され、絶縁酸化層16B上には、ゲート電極17が形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、能動層に窒化物半
導体を用いた絶縁ゲートを有する半導体装置及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図19はIII-V族窒化物半導体からなる
従来のショットキゲート型の電解効果トランジスタ(F
ET)の断面構成を示している。
【0003】図19に示すように、サファイアからなる
基板101上には、窒化ガリウム(GaN)からなるチ
ャネル層102とn型の窒化アルミニウムガリウム(A
lGaN)からなるキャリア供給層103とが順次形成
されている。チャネル層102の上部におけるキャリア
供給層103とのヘテロ界面の近傍にはポテンシャル井
戸からなり電子移動度が極めて大きい2次元電子ガス層
が形成され、これにより、該FETは高電子移動度トラ
ンジスタ(HEMT)とも呼ばれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のショットキゲート型のFETは、ゲート電極の耐圧
がショットキ特性により決定されるため、ゲート電極の
逆耐圧も制限される。その上、ゲート電極に対する順方
向の印加電圧も高々2V程度に制限されるため、高い電
流駆動能力を持つ高出力半導体装置(パワーデバイス)
を得られないという問題がある。
【0005】本発明は、前記従来の問題を解決し、ゲー
ト電極を有し窒化物半導体からなる半導体装置の電流駆
動能力を高めることができるようにすることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、窒化物半導体からなる半導体装置におけ
るゲート電極を絶縁ゲートとすると共に、ゲート絶縁膜
を、堆積された窒化物半導体自体を酸化することにより
形成する構成とする。
【0007】具体的に、本発明に係る半導体装置は、基
板上に形成された第1の窒化物半導体層と、第1の窒化
物半導体層の上に形成された第2の窒化物半導体層が酸
化されてなる絶縁酸化層と、絶縁酸化層の上に形成され
たゲート電極とを備えている。
【0008】本発明の半導体装置によると、第1の窒化
物半導体層の上に形成された絶縁酸化層は、該第1の窒
化物半導体層上の第2の窒化物半導体層自体が酸化され
て形成されているため、絶縁酸化層の膜質は良好で且つ
該絶縁酸化層とその下側の第1の窒化物半導体層と接す
る界面も極めて清浄である。その結果、絶縁酸化層上に
形成されたゲート電極にリーク電流がほとんど発生せ
ず、その上、電流電圧特性がショットキ特性によって規
制されなくなるので、高耐圧で且つ高電流駆動能力を得
ることができる。
【0009】本発明の半導体装置において、第1の窒化
物半導体層の酸化速度が第2の窒化物半導体層の酸化速
度よりも小さいことが好ましい。このようにすると、製
造時には、第2の窒化物半導体層のみを選択的に酸化す
ることが容易となる。
【0010】また、本発明の半導体装置において、第1
の窒化物半導体層と第2の窒化物半導体層とが同一の材
料からなることが好ましい。このように、第1の窒化物
半導体層の上部のみを酸化して絶縁酸化層を形成する構
成としても良い。
【0011】本発明の半導体装置において、第1の窒化
物半導体層がアルミニウム(Al)を含むことが好まし
い。このように、典型的な窒化物半導体材料である窒化
ガリウム(GaN)にアルミニウムを添加した窒化アル
ミニウムガリウム(AlGaN)は、その酸化速度が窒
化ガリウムよりも小さいため、絶縁酸化層の形成時に酸
化しにくい上に、エネルギーギャップが窒化ガリウムよ
りも大きいため、ポテンシャル障壁層となる。
【0012】本発明の半導体装置は、基板と第1の窒化
物半導体層との間に形成され、エネルギーギャップが第
1の窒化物半導体層よりも小さい第3の窒化物半導体か
らなる能動層をさらに備えていることが好ましい。この
ようにすると、第1の窒化物半導体層がキャリア供給層
となり、第3の窒化物半導体層がチャネル層となる、高
耐圧で高電流駆動能力を持つ高電子移動度トランジスタ
(HEMT)を確実に実現することができる。
【0013】本発明の半導体装置は、第1の窒化物半導
体層と絶縁酸化層との間に形成され、酸化速度が第2の
窒化物半導体層よりも小さい第4の窒化物半導体からな
る酸化防止層をさらに備えていることことが好ましい。
このようにすると、第2の窒化物半導体層を酸化して絶
縁酸化層を形成する際に、第4の窒化物半導体層によっ
て酸化が実質的に停止するため、ゲート絶縁膜となる絶
縁酸化層の膜厚の制御が容易となる。
【0014】この場合に、酸化防止層が窒化アルミニウ
ムからなることが好ましい。
【0015】本発明の半導体装置は、絶縁酸化層とゲー
ト電極との間に形成された絶縁膜をさらに備えているこ
とが好ましい。このようにすると、ゲート電極に生じる
リーク電流を確実に抑制できるため、ゲート電極への高
い電圧印加が可能となるので、半導体装置の電流駆動能
力を一層高めることができる。
【0016】この場合に、絶縁膜がシリコン酸化膜又は
シリコン窒化膜からなることが好ましい。このようにす
ると、絶縁膜の膜質が極めて緻密となるため、高い絶縁
性を得ることができる。
【0017】また、本発明の半導体装置は、第1の窒化
物半導体層の上のゲート長方向側の領域に形成されたソ
ースドレイン電極をさらに備え、絶縁酸化層におけるゲ
ート電極とソースドレイン電極との間の少なくとも一方
に、その厚さがゲート電極の下側部分の厚さよりも大き
い厚膜部を有していることが好ましい。このようにする
と、厚膜部と隣接するソースドレイン電極をドレイン電
極とすると、該ドレイン電極のドレイン耐圧が高くな
り、その上、ドレインリーク電流が小さくなるため、半
導体装置の動作電圧を高くすることができるので、高出
力化を容易に図ることができる。
【0018】本発明に係る第1の半導体装置の製造方法
は、基板上に第1の窒化物半導体層を形成する第1の工
程と、第1の窒化物半導体層の上に第2の窒化物半導体
層を形成した後、形成した第2の窒化物半導体層を酸化
することにより、第2の窒化物半導体層からなる絶縁酸
化層を形成する第2の工程と、絶縁酸化層の上にゲート
電極を形成する第3の工程と、絶縁酸化層におけるゲー
ト長方向側の領域に対して選択的にエッチングを行なっ
て絶縁酸化層に開口部を形成し、形成した開口部上にソ
ースドレイン電極を形成する第4の工程とを備えてい
る。
【0019】第1の半導体装置の製造方法によると、第
1の窒化物半導体層の上に第2の窒化物半導体層を形成
し、該第2の窒化物半導体層を酸化することにより、第
2の窒化物半導体層からなる絶縁酸化層を形成し、形成
した絶縁酸化層の上にゲート電極を形成するため、本発
明に係る半導体装置を確実に得ることができる。
【0020】第1の半導体装置の製造方法において、第
1の窒化物半導体層の酸化速度が、第2の窒化物半導体
層の酸化速度よりも小さいことが好ましい。
【0021】第1の半導体装置の製造方法において、第
1の窒化物半導体層と第2の窒化物半導体層とが同一の
材料からなることが好ましい。
【0022】第1の半導体装置の製造方法は、第1の工
程よりも前に、基板の上にエネルギーギャップが第1の
窒化物半導体層よりも小さい第3の窒化物半導体からな
る能動層を形成する工程をさらに備えていることが好ま
しい。
【0023】第1の半導体装置の製造方法は、第1の工
程と第2の工程との間に、第1の窒化物半導体層の上に
酸化速度が第2の窒化物半導体層よりも小さい第4の窒
化物半導体からなる酸化防止層を形成する工程をさらに
備えていることが好ましい。このように、ゲート絶縁膜
である絶縁酸化層となる第2の窒化物半導体層とその下
側に形成される第1の窒化物半導体層との間に、第2の
窒化物半導体層と比べてその酸化速度が小さい第4の窒
化物半導体からなる酸化防止層を形成するため、該酸化
防止層は第2の窒化物半導体層よりも酸化されにくく、
第2の窒化物半導体層のみを酸化することが容易となる
ので、トランジスタの動作特性に大きな影響を与えるゲ
ート絶縁膜となる絶縁酸化層の膜厚の制御が容易とな
る。
【0024】この場合に、酸化防止層がアルミニウムを
含むことが好ましい。
【0025】また、第1の半導体装置の製造方法は、第
2の工程と第3の工程との間に、絶縁酸化層の上に絶縁
膜を形成する工程をさらに備え、第4の工程が、絶縁膜
におけるソースドレイン電極を形成する領域に対しても
開口部を形成する工程を含むことが好ましい。
【0026】この場合に、絶縁膜がシリコン酸化膜又は
シリコン窒化膜からなることが好ましい。
【0027】また、第1の半導体装置の製造方法におい
て、第2の工程が、第2の窒化物半導体層における少な
くともゲート電極を形成する領域に絶縁酸化層を形成す
る工程と、ゲート電極を形成する領域とソースドレイン
電極のうちドレイン電極を形成する領域との間の領域を
選択的に酸化することにより、絶縁酸化層にその厚さが
絶縁酸化層よりも大きい厚膜部を形成する工程とを含む
ことが好ましい。
【0028】本発明に係る第2の半導体装置の製造方法
は、基板上に第1の窒化物半導体層を形成する第1の工
程と、第1の窒化物半導体層の上に第2の窒化物半導体
層を形成する第2の工程と、第2の窒化物半導体層の上
におけるオーミック電極形成領域に酸化保護膜を形成す
る第3の工程と、酸化保護膜をマスクとして、第2の窒
化物半導体層を酸化することにより、第2の窒化物半導
体層におけるオーミック電極形成領域を除く領域に絶縁
酸化層を形成する第4の工程と、酸化保護膜を除去した
後、第2の窒化物半導体層におけるオーミック電極形成
領域の上にオーミック電極を形成する第5の工程と、絶
縁酸化層の上にゲート電極を選択的に形成する第6の工
程とを備えている。
【0029】第2の半導体装置の製造方法によると、第
2の窒化物半導体層のオーミック電極形成領域を除く領
域に絶縁酸化層を形成しておき、その後、第2の窒化物
半導体層におけるオーミック電極形成領域の上にオーミ
ック電極を形成する。このため、第2の窒化物半導体層
におけるオーミック電極形成領域は酸化されておらず、
その結果、オーミック電極は第2の窒化物半導体層を除
去することなく形成することができる。従って、第2の
窒化物半導体層に対する加工が不要となる。
【0030】第2の半導体装置の製造方法において、酸
化保護膜がシリコンからなることが好ましい。また、第
2の半導体装置の製造方法において、酸化保護膜が絶縁
膜であることが好ましい。
【0031】第2の半導体装置の製造方法は、第2の工
程と第3の工程との間に、第2の窒化物半導体層の上
に、該第2の窒化物半導体層の素子形成領域を覆う保護
膜を形成する工程と、形成された保護膜をマスクとし
て、第1の窒化物半導体層及び第2の窒化物半導体層を
酸化することにより、素子形成領域の周辺部に素子分離
膜を形成する工程とをさらに備え、第3の工程が、酸化
保護膜を保護膜から形成する工程を含むことが好まし
い。
【0032】第2の半導体装置の製造方法は、第1の工
程よりも前に、基板の上にエネルギーギャップが第1の
窒化物半導体層よりも小さい第3の窒化物半導体からな
る能動層を形成する工程をさらに備えていることが好ま
しい。
【0033】第2の半導体装置の製造方法は、第1の工
程と第2の工程との間に、第1の窒化物半導体層の上に
酸化速度が第2の窒化物半導体層よりも小さい第4の窒
化物半導体からなる酸化防止層を形成する工程をさらに
備えていることが好ましい。
【0034】この場合に、酸化防止層がアルミニウムを
含むことが好ましい。
【0035】第1又は第2の半導体装置の製造方法にお
いて、第1の窒化物半導体層がアルミニウムを含むこと
が好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の第1
の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0037】図1は本発明の第1の実施形態に係る半導
体装置であって、III-V族窒化物半導体からなる絶縁ゲ
ート型の高電子移動度トランジスタ(HEMT)の断面
構成を示している。
【0038】図1に示すように、例えば、炭化ケイ素
(SiC)からなる基板11上には、基板11と該基板
11上に成長するエピタキシャル層との格子不整合を緩
和する窒化アルミニウム(AlN)からなるバッファ層
12と、窒化ガリウムからなりその上部に2次元電子ガ
ス層が形成される能動層としてのチャネル層13と、n
型の窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなり
チャネル層13にキャリア(電子)を供給するキャリア
供給層14とが順次形成されている。
【0039】バッファ層12にまで達する絶縁体からな
る素子分離膜15に囲まれた素子形成領域上であって、
キャリア供給層14の上のゲート電極形成領域には、キ
ャリア供給層14の上に成長した窒化ガリウムからなる
半導体層自体が酸化された絶縁酸化層16Bが選択的に
形成されている。
【0040】絶縁酸化層16Bの上には、チタン(T
i)、白金(Pt)及び金(Au)の積層体からなるゲ
ート電極17が形成されている。また、キャリア供給層
14上におけるゲート電極17のゲート長方向側の領域
には、キャリア供給層14とオーミック接触するチタン
(Ti)及びアルミニウム(Al)からなるソースドレ
イン電極18が形成されている。
【0041】このように、本実施形態に係るHEMT
は、ゲート絶縁膜として、キャリア供給層14の上に成
長した窒化物半導体層が酸化されてなる絶縁酸化層16
Bを用いているため、該絶縁酸化層16Bとキャリア供
給層14との界面には汚染等による不純物がまったく存
在しないので、良好な界面が形成されている。その上、
絶縁酸化層16Bは窒化物が酸化されて形成されている
ため、その膜質は極めて緻密であり、高い絶縁性を有す
る。
【0042】図2は第1の実施形態に係るHEMTの電
流電圧特性を示している。横軸はソースドレイン間の電
圧値Vdsを示し、縦軸はゲート幅当たりの電流値を示し
ている。本実施形態に係るHEMTは、ゲート絶縁膜で
ある絶縁酸化層16Bの絶縁特性が優れているため、ド
レイン耐圧は200V以上にも達し、また順方向に5V
以上のゲートソース間電圧Vgsを印加してもゲート電極
17からのリーク電流は発生せず、良好な電流電圧特性
を示すことが分かる。
【0043】以下、前記のように構成された絶縁ゲート
を有するHEMTの製造方法について図面を参照しなが
ら説明する。
【0044】図3(a)〜図3(c)及び図4(a)、
図4(b)は本発明の第1の実施形態に係る絶縁ゲート
型のHEMTの製造方法の工程順の断面構成を表わして
いる。
【0045】まず、図3(a)に示すように、有機金属
化学的気相堆積(MOCVD)法により、炭化ケイ素か
らなる基板11上に、例えば膜厚が100nm程度の窒
化アルミニウムからなるバッファ層12と、膜厚が3μ
m程度の窒化ガリウムからなるチャネル層13と、膜厚
が15nm程度でシリコン(Si)をドーパントするn
型の窒化アルミニウムガリウムからなるキャリア供給層
14と、膜厚が50nm〜100nm程度の窒化ガリウ
ムからなる絶縁膜形成層16Aとを順次成長することに
より、窒化物半導体からなるエピタキシャル積層体を形
成する。
【0046】次に、図3(b)に示すように、リソグラ
フィ法及びエッチング法により、素子形成領域をマスク
するシリコンからなる保護膜(図示せず)を形成し、続
いて、基板11に対して酸化雰囲気で1〜2時間程度の
熱酸化処理を行なって、エピタキシャル積層体に素子分
離膜15を選択的に形成する。
【0047】次に、図3(c)に示すように、保護膜を
除去した後、絶縁膜形成層16Aに対して酸化雰囲気で
数分間程度の熱酸化処理を行なうことにより、絶縁膜形
成層16Aから絶縁酸化層16Bを形成する。
【0048】次に、図4(a)に示すように、例えばス
パッタ法により、膜厚が約50nmのチタン及び白金と
膜厚が約200nmの金とを積層してゲート電極形成膜
を形成する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチ
ング法により、ゲート電極形成膜に対して選択的にパタ
ーニングを行なって、ゲート電極形成膜からゲート電極
17を形成する。その後、絶縁酸化層16Bにおけるゲ
ート長方向側の領域に対して選択的にエッチングを行な
って、絶縁酸化層16Bに開口部16aを設けることに
より、該開口部16aからキャリア供給層14を露出す
る。
【0049】次に、図4(b)に示すように、キャリア
供給層14における開口部16aからの露出部分に、例
えばスパッタ法により、膜厚が約20nmのチタンと膜
厚が約200nmのアルミニウムとを積層する。続い
て、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、堆
積した金属膜に対して所定のパターニングを行ない、さ
らに熱処理を行なって、金属膜からキャリア供給層14
とオーミック接触するソースドレイン電極18を形成す
る。
【0050】このように、第1の実施形態に係るHEM
Tの製造方法は、エピタキシャル積層体の上面に、窒化
ガリウムからなる絶縁膜形成層16Aを成長させてお
き、成長した絶縁膜形成層16Aを熱酸化することによ
り、ゲート絶縁膜となる絶縁酸化層16Bを形成してい
る。
【0051】第1の実施形態においては、絶縁酸化層1
6Bの膜厚を絶縁膜形成層16Aに対する加熱時間によ
り調節している。窒化ガリウム(GaN)からなる絶縁
膜形成層16Aと窒化アルミニウムガリウム(AlGa
N)からなるキャリア供給層14との酸化速度を比較す
ると、Alの組成が0.3の場合には、窒化ガリウムの
酸化速度が窒化アルミニウムガリウムの酸化速度と比べ
て2倍程度と大きく、これにより、絶縁酸化層16Bの
下側に位置するキャリア供給層14の酸化を抑制するこ
とができる。
【0052】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0053】図5は本発明の第2の実施形態に係る半導
体装置であって、III-V族窒化物半導体からなる絶縁ゲ
ート型のHEMTの断面構成を示している。図5におい
て、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符
号を付している。
【0054】図5に示すように、例えば、炭化ケイ素か
らなる基板11上には、窒化アルミニウムからなるバッ
ファ層12と、窒化ガリウムからなるチャネル層13
と、n型の窒化アルミニウムガリウムからなりチャネル
層13にキャリア(電子)を供給するキャリア供給層1
4と、窒化アルミニウムからなる酸化防止層20とが順
次形成されている。
【0055】絶縁体からなる素子分離膜15に囲まれた
素子形成領域上であって、酸化防止層20上のゲート電
極形成領域には、酸化防止層20上に成長した窒化ガリ
ウムからなる半導体層自体が酸化された絶縁酸化層16
Bが選択的に形成されている。
【0056】絶縁酸化層16B上には、チタン、白金及
び金の積層体からなるゲート電極17が形成されてい
る。また、酸化防止層20上におけるゲート長方向側の
領域には、酸化防止層20とオーミック接触するチタン
及びアルミニウムからなるソースドレイン電極18が形
成されている。
【0057】このように、第2の実施形態に係るHEM
Tは、ゲート絶縁膜となる絶縁酸化層16Bとキャリア
供給層14との間に、窒化アルミニウムからなる酸化防
止層20が形成されていることを特徴とする。これによ
り、第1の実施形態と同様に、絶縁酸化層16Bと酸化
防止層20との界面には汚染等による不純物がまったく
存在しないため良好な界面が形成されている。その上、
絶縁酸化層16Bは窒化物が酸化されて形成されている
ため、その膜質は極めて緻密であり、優れた絶縁性を持
つ。
【0058】なお、酸化防止層20は絶縁酸化層16B
における酸化処理時の酸化ストッパ層として機能する。
【0059】図6は第2の実施形態に係るHEMTの電
流電圧特性を示している。横軸はソースドレイン間の電
圧値Vdsを示し、縦軸はゲート幅当たりの電流値を示し
ている。本実施形態に係るHEMTは、ゲート絶縁膜で
ある絶縁酸化層16Bの絶縁特性が優れているため、ド
レイン耐圧は200V以上にも達し、また順方向に5V
以上のゲートソース間電圧Vgsを印加してもゲート電極
17からのリーク電流は発生せず、良好な電流電圧特性
を示す。
【0060】以下、前記のように構成された絶縁ゲート
を有するHEMTの製造方法について図面を参照しなが
ら説明する。
【0061】図7(a)〜図7(c)及び図8(a)、
図8(b)は本発明の第2の実施形態に係る絶縁ゲート
型のHEMTの製造方法の工程順の断面構成を表わして
いる。
【0062】まず、図7(a)に示すように、MOCV
D法により、炭化ケイ素からなる基板11上に、例えば
膜厚が100nm程度の窒化アルミニウムからなるバッ
ファ層12と、膜厚が3μm程度の窒化ガリウムからな
るチャネル層13と、膜厚が15nm程度でシリコンを
ドーパントするn型の窒化アルミニウムガリウムからな
るキャリア供給層14と、膜厚が20nm〜50nm程
度の窒化アルミニウムからなる酸化防止層20と、膜厚
が50nm〜100nm程度の窒化ガリウムからなる絶
縁膜形成層16Aとを順次成長することにより、窒化物
半導体からなるエピタキシャル積層体を形成する。
【0063】次に、図7(b)に示すように、リソグラ
フィ法及びエッチング法により、素子形成領域をマスク
するシリコンからなる保護膜(図示せず)を形成し、続
いて、基板11に対して酸化雰囲気で1〜2時間程度の
熱酸化処理を行なって、エピタキシャル積層体に素子分
離膜15を選択的に形成する。
【0064】次に、図7(c)に示すように、保護膜を
除去した後、絶縁膜形成層16Aに対して酸化雰囲気で
数分間程度の熱酸化処理を行なうことにより、絶縁膜形
成層16Aから絶縁酸化層16Bを形成する。
【0065】第2の実施形態においても、絶縁酸化層1
6Bの膜厚を絶縁膜形成層16Aに対する加熱時間によ
り調節しているが、酸化防止層20を構成する窒化アル
ミニウムの酸化速度は窒化ガリウムの酸化速度と比べて
50分の1と極めて小さいため、絶縁膜形成層16Aに
対する酸化処理は酸化防止層20で停止したとみなすこ
とができる。従って、絶縁膜形成層16Aをすべて酸化
させたとしてもキャリア供給層14にまで酸化が及ぶこ
とがなくなり、絶縁酸化層16Bの膜厚は実質的に絶縁
膜形成層16Aの膜厚で調節することができるようにな
る。その結果、絶縁ゲートを有する素子の動作特性に大
きな影響を与える絶縁酸化層16Bの膜厚制御性を大幅
に向上することができる。
【0066】次に、図8(a)に示すように、例えばス
パッタ法により、膜厚が約50nmのチタン及び白金と
膜厚が約200nmの金とを積層してゲート電極形成膜
を形成する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチ
ング法により、ゲート電極形成膜に対して選択的にパタ
ーニングを行なって、ゲート電極形成膜からゲート電極
17を形成する。その後、絶縁酸化層16Bにおけるゲ
ート長方向側の領域に対して選択的にエッチングを行な
って、絶縁酸化層16Bに開口部16aを設けることに
より、該開口部16aから酸化防止層20を露出する。
【0067】次に、図8(b)に示すように、酸化防止
層20における開口部16aからの露出部分に、例えば
スパッタ法により、膜厚が約20nmのチタンと膜厚が
約200nmのアルミニウムとを積層する。続いて、リ
ソグラフィ法及びドライエッチング法により、堆積した
金属膜に対して所定のパターニングを行ない、さらに熱
処理を行なって、金属膜から酸化防止層20とオーミッ
ク接触するソースドレイン電極18を形成する。
【0068】また、酸化防止層20は窒化アルミニウム
に限られず、III-V族元素として、ガリウム又はインジ
ウムを含んでいてもよい。但し、酸化速度を小さくする
ためには、酸化防止層20におけるアルミニウムの組成
を相対的に大きくすることが好ましい。
【0069】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0070】図9は本発明の第3の実施形態に係る半導
体装置であって、III-V族窒化物半導体からなる絶縁ゲ
ート型のHEMTの断面構成を示している。図9におい
て、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符
号を付している。
【0071】図9に示すように、例えば、炭化ケイ素か
らなる基板11上には、基板11と該基板11上に成長
するエピタキシャル層との格子不整合を緩和する窒化ア
ルミニウムからなるバッファ層12と、窒化ガリウムか
らなりその上部に2次元電子ガス層が形成される能動層
としてのチャネル層13と、n型の窒化アルミニウムガ
リウムからなりチャネル層13にキャリア(電子)を供
給するキャリア供給層14と、窒化アルミニウムからな
る酸化防止層20とが順次形成されている。
【0072】バッファ層12にまで達する絶縁体からな
る素子分離膜15に囲まれた素子形成領域上であって、
酸化防止層20上のゲート電極形成領域には、酸化防止
層20上に成長した窒化ガリウムからなる半導体層自体
が酸化された絶縁酸化層16Bが選択的に形成され、さ
らに絶縁酸化層16Bの上には、酸化シリコン(SiO
2 )からなる上部ゲート絶縁膜21が形成されている。
これにより、第3の実施形態においては、ゲート絶縁膜
26は、絶縁酸化層16Bからなる下部ゲート絶縁膜
と、上部ゲート絶縁膜21とにより構成される。
【0073】ゲート絶縁膜26の上には、チタン、白金
及び金の積層体からなるゲート電極17が形成されてい
る。また、酸化防止層20上におけるゲート電極17の
ゲート長方向側の領域には、酸化防止層20とオーミッ
ク接触するチタン及びアルミニウムからなるソースドレ
イン電極18が形成されている。
【0074】このように、第3の実施形態に係るHEM
Tは、下部ゲート絶縁膜として、キャリア供給層14の
上に成長した窒化物半導体層が酸化されてなる絶縁酸化
層16Bを用いているため、該絶縁酸化層16Bとキャ
リア供給層14との界面には汚染等による不純物がまっ
たく存在しないので、良好な界面が形成されている。そ
の上、絶縁酸化層16Bは窒化物が酸化されて形成され
ているため、その膜質は極めて緻密であり、高い絶縁性
を有する。
【0075】さらに、第3の実施形態においては、ゲー
ト電極17と絶縁酸化層16Bとの間に、酸化シリコン
からなる上部ゲート絶縁膜21を設けているため、ゲー
ト電極17によるリーク電流はほとんど生じることがな
い。その結果、ゲート電極17に対して比較的に高い電
圧を印加することがが可能となるので、HEMTの電流
駆動能力をより一層高めることができる。
【0076】図10は第3の実施形態に係るHEMTの
電流電圧特性を示している。横軸はソースドレイン間の
電圧値Vdsを示し、縦軸はゲート幅当たりの電流値を示
している。本実施形態に係るHEMTは、ゲート絶縁膜
26が絶縁酸化層16Bと上部ゲート絶縁膜21とから
なり、その絶縁特性が極めて優れるため、ドレイン耐圧
は200V以上にも達する。その上、順方向に8V以上
のゲートソース間電圧Vgsを印加してもゲート電極17
からのリーク電流は発生せず、良好な電流電圧特性を示
すことが分かる。
【0077】以下、前記のように構成された絶縁ゲート
を有するHEMTの製造方法について図面を参照しなが
ら説明する。
【0078】図11(a)〜図11(c)及び図12
(a)、図12(b)は本発明の第3の実施形態に係る
絶縁ゲート型のHEMTの製造方法の工程順の断面構成
を表わしている。
【0079】まず、図11(a)に示すように、MOC
VD法により、炭化ケイ素からなる基板11上に、例え
ば膜厚が100nm程度の窒化アルミニウムからなるバ
ッファ層12と、膜厚が3μm程度の窒化ガリウムから
なるチャネル層13と、膜厚が15nm程度でシリコン
(Si)をドーパントするn型の窒化アルミニウムガリ
ウムからなるキャリア供給層14と、膜厚が20nm〜
50nm程度の窒化アルミニウムからなる酸化防止層2
0と、膜厚が50nm〜100nm程度の窒化ガリウム
からなる絶縁膜形成層16Aとを順次成長することによ
り、窒化物半導体からなるエピタキシャル積層体を形成
する。
【0080】次に、リソグラフィ法及びエッチング法に
より、素子形成領域をマスクするシリコンからなる保護
膜(図示せず)を形成し、続いて、基板11に対して酸
化雰囲気で1〜2時間程度の熱酸化処理を行なって、エ
ピタキシャル積層体に素子分離膜15を選択的に形成す
る。
【0081】次に、図11(b)に示すように、保護膜
を除去した後、絶縁膜形成層16Aに対して酸化雰囲気
で数分間程度の熱酸化処理を行なうことにより、絶縁膜
形成層16Aから絶縁酸化層16Bを形成する。続い
て、絶縁酸化層16Bの上に、例えばCVD法により、
膜厚が約10nmの酸化シリコンからなる上部ゲート絶
縁膜21を形成する。
【0082】ここで、第3の実施形態においても、絶縁
酸化層16Bの膜厚を絶縁膜形成層16Aに対する加熱
時間により調節しているが、第2の実施形態と同様に、
酸化防止層20を絶縁膜形成層16Aの下側に設けたこ
とにより、絶縁酸化層16Bの膜厚は実質的に絶縁膜形
成層16Aの膜厚で調節することができるようになる。
その結果、絶縁ゲートを有する素子の動作特性に大きな
影響を与える絶縁酸化層16Bの膜厚制御性を大幅に向
上することができる。
【0083】次に、図12(a)に示すように、例えば
スパッタ法により、膜厚が約50nmのチタン及び白金
と膜厚が約200nmの金とを積層してゲート電極形成
膜を形成する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッ
チング法により、ゲート電極形成膜に対して選択的にパ
ターニングを行なって、ゲート電極形成膜からゲート電
極17を形成する。これにより、ゲート電極17の下側
には、上部ゲート絶縁膜21と絶縁酸化層16Bからな
る下部ゲート絶縁膜とにより構成されるゲート絶縁膜2
6が形成される。その後、上部ゲート絶縁膜21及び絶
縁酸化層16Bにおけるゲート長方向側の領域に対して
選択的にエッチングを行なって、上部ゲート絶縁膜21
及び絶縁酸化層16Bに開口部16aを設けることによ
り、該開口部16aから酸化防止層20を露出する。
【0084】次に、図12(b)に示すように、酸化防
止層20における開口部16aからの露出部分に、例え
ばスパッタ法により、膜厚が約20nmのチタンと膜厚
が約200nmのアルミニウムとを積層する。続いて、
リソグラフィ法及びドライエッチング法により、堆積し
た金属膜に対して所定のパターニングを行ない、さらに
熱処理を行なって、金属膜から酸化防止層20とオーミ
ック接触するソースドレイン電極18を形成する。
【0085】このように、第3の実施形態に係るHEM
Tの製造方法は、ゲート絶縁膜26を、窒化ガリウムか
らなる絶縁膜形成層16Aが熱酸化されてなる絶縁酸化
層16Bと、該絶縁酸化層16Bの上に形成された上部
ゲート絶縁膜21とから構成している。これにより、前
述したように、ゲート電極17によるリーク電流を防止
でき、ゲート電極17への印加電圧を高くすることがで
きるので、HEMTの電流駆動能力を向上することがで
きる。
【0086】なお、第3の実施形態においては、ゲート
絶縁膜26の上部ゲート絶縁膜21に酸化シリコンを用
いたが、酸化シリコンに限られない。すなわち、酸化絶
縁層16Bと密着性が良く且つ該酸化絶縁層16Bより
も絶縁性が高い材料であれば良く、例えば窒化シリコン
(Si34)を用いてもよい。
【0087】(第4の実施形態)以下、本発明の第4の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0088】図13は本発明の第4の実施形態に係る半
導体装置であって、III-V族窒化物半導体からなる絶縁
ゲート型のHEMTの断面構成を示している。図13に
おいて、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一
の符号を付している。
【0089】図13に示すように、例えば、炭化ケイ素
からなる基板11上には、基板11と該基板11上に成
長するエピタキシャル層との格子不整合を緩和する窒化
アルミニウムからなるバッファ層12と、窒化ガリウム
からなりその上部に2次元電子ガス層が形成される能動
層としてのチャネル層13と、n型の窒化アルミニウム
ガリウム(AlGaN)からなりチャネル層13にキャ
リア(電子)を供給するキャリア供給層14とが順次形
成されている。
【0090】バッファ層12にまで達する絶縁体からな
る素子分離膜15に囲まれた素子形成領域上であって、
キャリア供給層14上のゲート電極形成領域には、キャ
リア供給層14の上に成長した窒化ガリウムからなる絶
縁膜形成層16A自体が酸化された絶縁酸化層16Bが
選択的に形成されている。
【0091】絶縁酸化層16B上には、チタン、白金及
び金の積層体からなるゲート電極47が形成されてお
り、キャリア供給層14上におけるゲート電極17のゲ
ート長方向側の領域には、キャリア供給層14とオーミ
ック接触するチタン及びアルミニウムからなるソース電
極18s及びドレイン電極18dがそれぞれ形成されて
いる。
【0092】第4の実施形態においては、図13に示す
ように、ゲート電極17とドレイン電極18dとの間の
領域に、絶縁酸化層16Bの膜厚がゲート電極17の下
側部分よりも厚い厚膜部16cを有している。
【0093】このように、第4の実施形態に係るHEM
Tは、ゲート絶縁膜として、キャリア供給層14の上に
成長した窒化ガリウムからなる絶縁膜形成層16Aが酸
化されてなる絶縁酸化層16Bを用いているため、該絶
縁酸化層16Bとキャリア供給層14と絶縁膜形成層1
6Aとの界面には汚染等による不純物がまったく存在し
ないので、良好な界面が形成されている。その上、絶縁
酸化層16Bは窒化物が酸化されて形成されているた
め、その膜質は極めて緻密であり、高い絶縁性を有す
る。
【0094】さらに、ゲート電極17とドレイン電極1
8dとの間の絶縁酸化層16Bには厚膜部16cが形成
されているため、HEMTのドレイン耐圧が高くなり、
且つドレインリーク電流が小さくなる。その結果、HE
MTの動作電圧を高くすることができるので、高出力化
が容易となる。
【0095】図14は第4の実施形態に係るHEMTの
電流電圧特性を示している。横軸はソースドレイン間の
電圧値Vdsを示し、縦軸はゲート幅当たりの電流値を示
している。本実施形態に係るHEMTは、ゲート絶縁膜
である絶縁酸化層16Bの絶縁特性が優れていること
と、ゲート電極17とドレイン電極18dとの間に絶縁
酸化層16Bの膜厚を厚くした厚膜部16cを設けてい
るため、ドレイン耐圧が250V以上にも達する。ま
た、順方向に6V以上のゲートソース間電圧Vgsを印加
してもゲート電極17からのリーク電流は発生せず、良
好な電流電圧特性を示すことが分かる。
【0096】以下、前記のように構成された絶縁ゲート
を有するHEMTの製造方法について図面を参照しなが
ら説明する。
【0097】図15(a)〜図15(d)及び図16
(a)〜図16(c)は本発明の第4の実施形態に係る
絶縁ゲート型のHEMTの製造方法の工程順の断面構成
を表わしている。
【0098】まず、図15(a)に示すように、MOC
VD法により、炭化ケイ素からなる基板11上に、例え
ば膜厚が100nm程度の窒化アルミニウムからなるバ
ッファ層12と、膜厚が3μm程度の窒化ガリウムから
なるチャネル層13と、膜厚が15nm程度でシリコン
をドーパントするn型の窒化アルミニウムガリウムから
なるキャリア供給層14と、膜厚が50nm〜100n
m程度の窒化ガリウムからなる絶縁膜形成層16Aとを
順次成長することにより、窒化物半導体からなるエピタ
キシャル積層体を形成する。
【0099】次に、図15(b)に示すように、リソグ
ラフィ法及びエッチング法により素子形成領域をマスク
するシリコンからなる保護膜41を形成し、続いて、基
板11に対して酸化雰囲気で1〜2時間程度の熱酸化処
理を行なってエピタキシャル積層体に素子分離膜15を
選択的に形成する。
【0100】次に、図15(c)に示すように、リソグ
ラフィ法及びエッチング法により、保護膜41における
ゲート電極形成領域とドレイン電極形成領域との間に開
口部を形成して、絶縁膜形成層16Aを露出する。その
後、露出した縁膜形成層16Aに対して、酸化雰囲気で
数分間程度の熱酸化処理を行なうことにより、絶縁膜形
成層16Aにおけるゲート電極形成領域とドレイン電極
形成領域との間に、絶縁膜形成層16A自体が部分的に
酸化されてなる厚膜形成部16bを形成する。
【0101】次に、図15(d)に示すように、保護膜
41を除去し、続いて、絶縁膜形成層16Aに対して酸
化雰囲気で数分間程度の熱酸化処理を行なって、絶縁膜
形成層16A及び厚膜形成部16bをさらに酸化するこ
とにより、絶縁膜形成層16A自体が酸化されてなり、
ゲート電極形成領域とドレイン電極形成領域との間に、
厚膜部16cを有する絶縁酸化層16Bを形成する。
【0102】次に、図16(a)に示すように、例えば
スパッタ法により、膜厚が約50nmのチタン及び白金
と膜厚が約200nmの金とを積層し、続いて、リソグ
ラフィ法及びドライエッチング法により、堆積したゲー
ト電極形成膜に対して所定のパターニングを行なって、
ゲート電極形成膜からゲート電極17を形成する。
【0103】次に、図16(b)に示すように、絶縁酸
化層16Bにおけるゲート長方向側の領域に対して選択
的にエッチングを行なって、絶縁酸化層16Bに開口部
16aを設けることにより、該開口部16aからキャリ
ア供給層14を露出する。
【0104】次に、図16(c)に示すように、キャリ
ア供給層14における該開口部16aからの露出部分
に、例えばスパッタ法により、膜厚が約20nmのチタ
ンと膜厚が約200nmのアルミニウムとを積層する。
続いて、リソグラフィ法及びドライエッチング法によ
り、堆積した金属膜に対して所定のパターニングを行な
い、さらに熱処理を行なって、金属膜からキャリア供給
層14とオーミック接触するソース電極18sとドレイ
ン電極18dとそれぞれ形成する。
【0105】このように、第4の実施形態によると、熱
酸化による絶縁酸化層16Bを、ゲート電極17とドレ
イン電極18dとの間に厚膜部16cを設けることによ
り、部分的に厚くなるように形成している。これによ
り、前述したように、HEMTのドレイン耐圧が高くな
る共にドレインリーク電流を抑制することができる。
【0106】なお、第4の実施形態においては、絶縁酸
化層16Bを形成するよりも前に厚膜形成部16bを形
成したが、これとは逆に、絶縁酸化層16Bをほぼ一様
な厚さに形成した後、厚膜部16cを形成してもよい。
【0107】また、保護膜41にシリコンを用いたが、
窒化物系の半導体層の酸化を防止することができる材料
であれば良く、シリコンに代えて、例えば酸化シリコン
又は窒化シリコンを用いても良い。
【0108】(第5の実施形態)以下、本発明の第5の
実施形態に係るHEMTの製造方法について図面を参照
しながら説明する。
【0109】図17(a)〜図17(c)及び図18
(a)、図18(b)は本発明の第5の実施形態に係る
絶縁ゲート型のHEMTの製造方法の工程順の断面構成
を表わしている。
【0110】まず、図17(a)に示すように、MOC
VD法により、炭化ケイ素からなる基板11上に、例え
ば膜厚が100nm程度の窒化アルミニウムからなるバ
ッファ層12と、膜厚が3μm程度の窒化ガリウムから
なるチャネル層13と、膜厚が15nm程度でシリコン
をドーパントするn型の窒化アルミニウムガリウムから
なるキャリア供給層14と、膜厚が20nm〜50nm
程度の窒化アルミニウムからなる酸化防止層20と、膜
厚が50nm〜100nm程度の窒化ガリウムからなる
絶縁膜形成層16Aとを順次成長することにより窒化物
半導体からなるエピタキシャル積層体を形成する。
【0111】次に、図17(b)に示すように、リソグ
ラフィ法及びエッチング法により、素子形成領域をマス
クするシリコンからなる保護膜41Aを形成し、続い
て、基板11に対して酸化雰囲気で1〜2時間程度の熱
酸化処理を行なって、エピタキシャル積層体に素子分離
膜15を選択的に形成する。
【0112】次に、図17(c)に示すように、リソグ
ラフィ法及びエッチング法により、保護膜41Aから絶
縁膜形成層16Aにおけるオーミック電極形成領域をマ
スクする酸化保護膜41Bを形成する。続いて、形成し
た酸化保護膜41Bをマスクとして、絶縁膜形成層16
Aに対して酸化雰囲気で数分間程度の熱酸化処理を行な
うことにより、絶縁膜形成層16Aから、該絶縁膜形成
層16Aのオーミック電極形成領域に導電性領域16d
を有する絶縁酸化層16Bを形成する。
【0113】ここで、第5の実施形態においても、絶縁
酸化層16Bの膜厚を絶縁膜形成層16Aに対する加熱
時間により調節しているが、第2の実施形態と同様に、
酸化防止層20を絶縁膜形成層16Aの下側に設けたこ
とにより、絶縁酸化層16Bの膜厚は実質的に絶縁膜形
成層16Aの膜厚で調節することができるようになる。
その結果、絶縁ゲートを有する素子の動作特性に大きな
影響を与える絶縁酸化層16Bの膜厚制御性を大幅に向
上することができる。
【0114】次に、図18(a)に示すように、酸化保
護膜41Bを除去し、その後、例えばスパッタ法によ
り、膜厚が約50nmのチタン及び白金と膜厚が約20
0nmの金とを積層し、続いて、リソグラフィ法及びド
ライエッチング法により、堆積したゲート電極形成膜に
対して所定のパターニングを行なって、ゲート電極形成
膜からゲート電極17を形成する。
【0115】次に、図18(b)に示すように、絶縁酸
化層16B及び導電性領域16dの上に、例えばスパッ
タ法により、膜厚が約20nmのチタンと膜厚が約20
0nmのアルミニウムとを積層する。続いて、リソグラ
フィ法及びドライエッチング法により、堆積した金属膜
に対して所定のパターニングを行ない、さらに熱処理を
行なって、金属膜から導電性領域16dとオーミック接
触するソースドレイン電極18を形成する。
【0116】このように、第5の実施形態に係るHEM
Tの製造方法は、絶縁膜形成層16Aから熱酸化により
絶縁酸化層16Bを形成する際に、絶縁膜形成層16A
におけるオーミック電極形成領域を酸化保護膜41Bに
よりマスクした状態で絶縁酸化層16Bを形成する。こ
れにより、絶縁膜形成層16Aにおけるオーミック電極
形成領域は酸化されず、良好な電気特性を保つ導電性領
域16dとして残るため、ソースドレイン電極18をコ
ンタクト抵抗が小さい良好なオーミック電極として形成
することができる。
【0117】なお、第5の実施形態においては、保護膜
41Aにシリコンを用いたが、窒化物系の半導体層の酸
化を防止することができる材料であれば良く、例えば酸
化シリコン又は窒化シリコンを用いても良い。
【0118】また、第5の実施形態においては、素子分
離膜15を形成するための保護膜41Aから、絶縁膜形
成層16Aの導電性領域16dをマスクする酸化保護膜
41Bを形成したが、これに限られない。すなわち、図
17(c)に示す工程において、酸化保護膜41Bを他
の部材により形成しても良い。一例として、素子分離膜
15をエピタキシャル積層体を酸化して形成する代わり
に、素子分離領域をエッチングして除去するメサ分離法
を用いて形成する場合には、酸化保護膜41Bは新たに
形成する必要がある。
【0119】さらに、第1〜第5の各実施形態において
は、絶縁酸化層16Bに窒化ガリウム(GaN)を用い
たが、これに限られず、良質な酸化層を形成できれば、
窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムガリウム
(InGaN)又は窒化インジウムアルミニウムガリウ
ム(InAlGaN)等の、いわゆる窒化ガリウム系半
導体を用いてもよい。
【0120】また、絶縁酸化層16Bを絶縁膜形成層1
6Aに対して熱酸化を行なうことにより形成したが、絶
縁性に優れた良好な酸化膜を形成できる方法であれば良
く、例えば、絶縁膜形成層16Aにイオン注入又はプラ
ズマドーピング等を行なうことにより絶縁酸化層16B
を形成してもよい。
【0121】また、第4の実施形態を除く各実施形態に
おいては、絶縁酸化層16Bを絶縁膜形成層16Aの全
部に対して酸化を行なったが、絶縁膜形成層16Aの上
側部分に対して行ない、その下部に窒化ガリウムが残っ
ていてもよい。また、第4の実施形態においては、絶縁
酸化層16Bの厚膜部16cを絶縁膜形成層16Aの下
部にまで達するように酸化を行なったが、その下部に窒
化ガリウムが残っていてもよい。
【0122】また、窒化ガリウムからなる絶縁膜形成層
16Aを、窒化アルミニウムガリウムからなるキャリア
供給層14の上に形成したが、該キャリア供給層14の
膜厚を厚くして、その上部だけを選択的に酸化して、キ
ャリア供給層14自体から絶縁酸化層16Bを形成して
も良い。
【0123】また、絶縁ゲートを有する半導体装置とし
て、チャネル層13に窒化ガリウムを用い、キャリア供
給層14にn型の窒化アルミニウムガリウムを用いたH
EMTを採用したが、これに代えて、例えば、窒化ガリ
ウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムガリ
ウム又は窒化インジウムアルミニウムガリウム等を用い
たHEMT又はFETであってもよい。但し、HEMT
の場合には、通常、キャリア供給層14には、そのエネ
ルギーギャップがチャネル層13のエネルギーギャップ
よりも大きい材料を用いる。良く知られているように、
窒化ガリウム系化合物半導体は、組成にアルミニウム
(Al)を含むと半導体のエネルギーギャップがより大
きくなり、また、組成にインジウム(In)を含むと半
導体のエネルギーギャップがより小さくなる。
【0124】また、基板11に炭化ケイ素を用いたが、
炭化ケイ素の代わりに、窒化ガリウム又はサファイア
(Al23 )等であって、III-V族窒化物半導体から
なるチャネル層13等がエピタキシャル成長可能な基板
であればよい。
【0125】また、ゲート電極17及びソースドレイン
電極18は、前述した金属に限られない。
【0126】また、ゲート電極17とソースドレイン電
極18との形成順序は問われなく、いずれを先に形成し
てもよい。
【0127】また、素子分離膜15は、窒化物半導体か
らなるエピタキシャル積層体を選択的に酸化することに
より形成したが、素子分離部分をエッチングして除去す
るメサ分離法により形成してもよい。
【0128】また、ソースドレイン電極18は、堆積し
た金属膜に対してパターニングを行なう代わりに、ソー
スドレイン電極形成領域を開口部に持つマスクパターン
を形成し、該マスクパターン上に開口部が充填されるよ
うに金属膜を堆積し、その後、レジストパターンを除去
する、いわゆるリフトオフ法により形成しても良い。
【0129】
【発明の効果】本発明に係る半導体装置及びその製造方
法によると、第1の窒化物半導体層の上に形成された絶
縁酸化層は、該第1の窒化物半導体層上の第2の窒化物
半導体層自体が酸化されて形成されているため、該絶縁
酸化層の膜質は良好で且つ該絶縁酸化層とその下側の第
1の窒化物半導体層と接する界面も極めて清浄である。
その結果、絶縁酸化層上に形成されたゲート電極におけ
るリーク電流の発生を防止することができ、電圧特性が
ショットキ特性に規制されなくなるので、高耐圧で且つ
高電流駆動能力の絶縁ゲート型半導体装置を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示
す構成断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置にお
ける電流電圧特性を示すグラフである。
【図3】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係
る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図であ
る。
【図4】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に
係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示
す構成断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置にお
ける電流電圧特性を示すグラフである。
【図7】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係
る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図であ
る。
【図8】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に
係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図で
ある。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示
す構成断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置に
おける電流電圧特性を示すグラフである。
【図11】(a)〜(c)は本発明の第3の実施形態に
係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図で
ある。
【図12】(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態
に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図
である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置を
示す構成断面図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置に
おける電流電圧特性を示すグラフである。
【図15】(a)〜(d)は本発明の第4の実施形態に
係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図で
ある。
【図16】(a)〜(c)は本発明の第4の実施形態に
係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図で
ある。
【図17】(a)〜(c)は本発明の第5の実施形態に
係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図で
ある。
【図18】(a)及び(b)は本発明の第5の実施形態
に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の構成断面図
である。
【図19】従来のショットキ型ゲートを有するHEMT
を示す構成断面図である。
【符号の説明】
11 基板 12 バッファ層 13 チャネル層(能動層) 14 キャリア供給層(第1の窒化物半導層) 15 素子分離膜 16A 絶縁膜形成層(第2の窒化物半導層) 16B 絶縁酸化層 16a 開口部 16b 厚膜形成部 16c 厚膜部 16d 導電性領域 17 ゲート電極 18 ソースドレイン電極 18s ソース電極 18d ドレイン電極 20 酸化防止層 21 上部ゲート絶縁膜 26 ゲート絶縁膜 41 保護膜 41A 保護膜 41B 酸化保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松野 年伸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 池田 義人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 正戸 宏幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F102 FA03 GB01 GC01 GD01 GD10 GJ02 GJ04 GJ10 GK04 GL04 GM04 GM08 GQ01 GR09 GS01 GT03 HC01 HC15 HC21 5F140 AA01 AA25 BA02 BA06 BB15 BB18 BC11 BC12 BD01 BD04 BD18 BE01 BE03 BE07 BE09 BE14 BF05 BF07 BF15 BF21 BF25 BG27 BG38 BJ07 BJ11 BJ15 BK29 CB01

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された第1の窒化物半導体
    層と、 前記第1の窒化物半導体層の上に形成された第2の窒化
    物半導体層が酸化されてなる絶縁酸化層と、 前記絶縁酸化層の上に形成されたゲート電極とを備えて
    いることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の窒化物半導体層の酸化速度
    は、前記第2の窒化物半導体層の酸化速度よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の窒化物半導体層と前記第2の
    窒化物半導体層とは同一の材料からなることを特徴とす
    る請求項1に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の窒化物半導体層はアルミニウ
    ムを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導
    体装置。
  5. 【請求項5】 前記基板と前記第1の窒化物半導体層と
    の間に形成され、エネルギーギャップが前記第1の窒化
    物半導体層よりも小さい第3の窒化物半導体からなる能
    動層をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記
    載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の窒化物半導体層と前記絶縁酸
    化層との間に形成され、酸化速度が前記第2の窒化物半
    導体層よりも小さい第4の窒化物半導体からなる酸化防
    止層をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5
    のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記酸化防止層は窒化アルミニウムから
    なることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記絶縁酸化層と前記ゲート電極との間
    に形成された絶縁膜をさらに備えていることを特徴とす
    る請求項1に記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記絶縁膜はシリコン酸化膜又はシリコ
    ン窒化膜からなることを特徴とする請求項8に記載の半
    導体装置。
  10. 【請求項10】 前記第1の窒化物半導体層の上のゲー
    ト長方向側の領域に形成されたソースドレイン電極をさ
    らに備え、 前記絶縁酸化層は、前記ゲート電極と前記ソースドレイ
    ン電極との間の少なくとも一方に、その厚さが前記ゲー
    ト電極の下側部分の厚さよりも大きい厚膜部を有してい
    ることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】 基板上に第1の窒化物半導体層を形成
    する第1の工程と、 前記第1の窒化物半導体層の上に第2の窒化物半導体層
    を形成した後、形成した第2の窒化物半導体層を酸化す
    ることにより、前記第2の窒化物半導体層からなる絶縁
    酸化層を形成する第2の工程と、 前記絶縁酸化層の上にゲート電極を形成する第3の工程
    と、 前記絶縁酸化層におけるゲート長方向側の領域に対して
    選択的にエッチングを行なって前記絶縁酸化層に開口部
    を形成し、形成した開口部上にソースドレイン電極を形
    成する第4の工程とを備えていることを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の窒化物半導体層の酸化速度
    は、前記第2の窒化物半導体層の酸化速度よりも小さい
    ことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 前記第1の窒化物半導体層と前記第2
    の窒化物半導体層とは同一の材料からなることを特徴と
    する請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第1の工程よりも前に、 前記基板の上にエネルギーギャップが前記第1の窒化物
    半導体層よりも小さい第3の窒化物半導体からなる能動
    層を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする
    請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第1の工程と前記第2の工程との
    間に、 前記第1の窒化物半導体層の上に酸化速度が前記第2の
    窒化物半導体層よりも小さい第4の窒化物半導体からな
    る酸化防止層を形成する工程をさらに備えていることを
    特徴とする請求項11〜14のうちのいずれか1項に記
    載の半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記酸化防止層はアルミニウムを含む
    ことを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 前記第2の工程と前記第3の工程との
    間に、 前記絶縁酸化層の上に絶縁膜を形成する工程をさらに備
    え、 前記第4の工程は、前記絶縁膜における前記ソースドレ
    イン電極を形成する領域に対しても開口部を形成する工
    程を含むことを特徴とする請求項11に記載の半導体装
    置の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記絶縁膜はシリコン酸化膜又はシリ
    コン窒化膜からなることを特徴とする請求項17に記載
    の半導体装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記第2の工程は、 前記第2の窒化物半導体層における少なくとも前記ゲー
    ト電極を形成する領域に前記絶縁酸化層を形成する工程
    と、 前記ゲート電極を形成する領域と前記ソースドレイン電
    極のうちドレイン電極を形成する領域との間の領域を選
    択的に酸化することにより、前記絶縁酸化層にその厚さ
    が前記絶縁酸化層よりも大きい厚膜部を形成する工程と
    を含むことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置
    の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記第1の窒化物半導体層はアルミニ
    ウムを含むことを特徴する請求項11〜19のうちのい
    ずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 基板上に第1の窒化物半導体層を形成
    する第1の工程と、 前記第1の窒化物半導体層の上に第2の窒化物半導体層
    を形成する第2の工程と、 前記第2の窒化物半導体層の上におけるオーミック電極
    形成領域に酸化保護膜を形成する第3の工程と、 前記酸化保護膜をマスクとして、前記第2の窒化物半導
    体層を酸化することにより、前記第2の窒化物半導体層
    における前記オーミック電極形成領域を除く領域に絶縁
    酸化層を形成する第4の工程と、 前記酸化保護膜を除去した後、前記第2の窒化物半導体
    層における前記オーミック電極形成領域の上にオーミッ
    ク電極を形成する第5の工程と、 前記絶縁酸化層の上にゲート電極を選択的に形成する第
    6の工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  22. 【請求項22】 前記酸化保護膜はシリコンからなるこ
    とを特徴とする請求項21に記載の半導体装置の製造方
    法。
  23. 【請求項23】 前記酸化保護膜は絶縁膜であることを
    特徴とする請求項21に記載の半導体装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記第2の工程と前記第3の工程との
    間に、 前記第2の窒化物半導体層の上に、該第2の窒化物半導
    体層の素子形成領域を覆う保護膜を形成する工程と、 形成された保護膜をマスクとして、前記第1の窒化物半
    導体層及び第2の窒化物半導体層を酸化することによ
    り、前記素子形成領域の周辺部に素子分離膜を形成する
    工程とをさらに備え、 前記第3の工程は、前記酸化保護膜を前記保護膜から形
    成する工程を含むことを特徴とする請求項21に記載の
    半導体装置の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記第1の工程よりも前に、 前記基板の上にエネルギーギャップが前記第1の窒化物
    半導体層よりも小さい第3の窒化物半導体からなる能動
    層を形成する工程をさらに備えていることを特徴とする
    請求項21〜24のうちのいずれか1項に記載の半導体
    装置の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記第1の工程と前記第2の工程との
    間に、 前記第1の窒化物半導体層の上に酸化速度が前記第2の
    窒化物半導体層よりも小さい第4の窒化物半導体からな
    る酸化防止層を形成する工程をさらに備えていることを
    特徴とする請求項21〜25のうちのいずれか1項に記
    載の半導体装置の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記酸化防止層はアルミニウムを含む
    ことを特徴とする請求項26に記載の半導体装置の製造
    方法。
  28. 【請求項28】 前記第1の窒化物半導体層はアルミニ
    ウムを含むことを特徴する請求項21〜27のうちのい
    ずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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