JP2008304211A - カンチレバの自動チューニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はカンチレバの自動チューニング方法に関し、試料の温度変化に伴うスキャナのZ軸方向のドリフト補正と、カンチレバの発振自動調整を行なうことができるカンチレバの自動チューニング方法を提供することを目的としている。
【解決手段】試料を加熱又は冷却して温度変化させながら走査型原子間力顕微鏡で観察を行なうに際し、試料の熱膨張又は収縮を伴うZ方向の移動の制限を行なうために、スキャナの可動範囲を設定し、温度変化によりスキャナの伸縮が前記可動範囲を超えたら走査を中断し、スキャナを初期状態に戻しながら試料の膨張又は収縮に伴うドリフト分をZステージの移動により補正し、アプローチと走査を再開するように構成する。
【選択図】図4

Description

本発明はカンチレバの自動チューニング方法に関し、更に詳しくは温度の変更を伴いながら走査型プローブ顕微鏡が連続的に測定を行なうことができるカンチレバの自動チューニング方法に関するものである。
走査型プローブ顕微鏡は、タングステン探針やカンチレバ等を使用して試料表面を走査し、試料表面の凹凸を原子分解能で測定することができる。走査型プローブ顕微鏡において、試料を加熱・冷却しながら試料の測定を行なうことは、試料の物性変化を測定することが可能になるため、重要な測定手法の一つとなっている。
試料を加熱・冷却する際には、試料の熱膨張・収縮に伴う試料高さ方向のドリフトの補正が必要になると共に、カンチレバの温度変化に伴う発振周波数のズレを補正する必要がある。
走査型原子間力顕微鏡(AFM;Atomic Force Microscope)は、カンチレバ先端と試料表面の間に働く原子間力を検出し、この原子間力が一定になるようにフィードバックを行ないながら試料を走査し、試料の表面形状を得る測定方法である。このAFMには多くの測定モードがあり、例えばカンチレバ先端をコンタクトさせるContact Mode AFM、カンチレバを振動させながら試料に近づけ、カンチレバの振幅が一定になるように測定するAC Mode AFM、カンチレバを試料表面に接触させずに測定するNon Contact Mode AFMが代表的なものである。
図6はAFMのシステム構成例を示す図である。図において、1は探針(プローブ)、2はその先端に該探針1が取り付けられたカンチレバ、3は該カンチレバ2を励振させるPZTである。4は試料、10は該試料4が載置される試料ステージ、5は試料をX,Y2次元方向にスキャンさせるスキャナ、11は試料4をZ軸方向に移動させるモータである。ここで、試料ステージ10はX,YステージとZステージを含むものとする。
6はカンチレバ2に光を照射するレーザダイオード(LD)、7はカンチレバ2からの反射光を受光して電気信号に変換する光ディテクタ(PD)、8は該光ディテクタ7の出力を増幅するプリアンプ(Pre−Amp)である。12は該プリアンプ8の出力を受けて、PZT3を加振するための信号を作成するFMデモジュレータ(D−PLL)、13はFMデモジュレータ12の出力を受けて、振幅レベルを調整するアッテネータである。該アッテネータ13の出力がPZT3を加振するようになっている。
9はプリアンプ8の出力を受けてRMS−DC値に変換するRMS−DCコンバータ(Converter)、15は基準電圧発生回路(Reference回路)、14は前記RMS−DCコンバータ9の出力であるRMS−DCと、基準電圧発生回路15の出力とを比較し、その差分を出力する誤差アンプ(Error Amp)である。16は該誤差アンプ14の出力を受けるフィードバック回路(Feed Back Circuit)、18は該フィードバック回路16の出力を受けてスキャナ5のZ軸方向の移動量を制御するHV−アンプ(Amp)、20はFMデモジュレータ12の位相(Phase)信号と、フィードバック回路16の出力であるトポグラフィー(Topography:表面形状)を受けて、それぞれをデジタルデータに変換するA/D変換器である。
21はX,Yスキャン信号を発生するスキャンジェネレータ(Scan Generator)、19は該スキャンジェネレータ21の出力を受けてスキャナ5をXY2次元方向にスキャンさせるためのHV−アンプである。17は前記A/D変換器20の出力を受けて、所定の演算処理を行ない、モータ11に制御信号を与えるパソコン(PC)である。このように構成されたシステムの動作を説明すれば、以下の通りである。
カンチレバ2の先端にレーザダイオード6からのレーザ光のスポットが合うように調整し、カンチレバ2の先端から反射したレーザ光が光ディテクタ7の受光面で受光できるように調整する。次に、最適な振幅・加振周波数が検出できるように、カンチレバ2の加振自動調整を行ない、RMS−DCコンバータ9を通してカンチレバ2の振幅を検出する。またこの際、カンチレバ2に印加する波形と、光ディテクタ7で検出した波形の間には位相差が生じているため、RMS−DCコンバータ9から出力される電圧値が最大になるようにFMデモジュレータ12の中で位相の調整を行なう。
次に、RMS−DC値が基準電圧発生回路15の基準値と同じ値になるまで、モータ11を使用してステージ10をカンチレバ2に近づける(アプローチ)。このアプローチが完了した状態で、スキャナ5にHV−アンプ19からに走査電圧を印加し、誤差アンプ14からの出力が0になるようにフィードバック回路16を動作させ、測定を行なう。具体的には、フィードバック回路16の出力をA/D変換器20でデジタルデータに変換してパソコン17に与え、該パソコン17の出力でモータ11を駆動して試料4のZ軸方向の位置の調整を行なう。
ここで、モータ11によるZ移動と、HV−アンプ18との関係について説明する。モータ11はあくまでもZステージ10を移動させるものであり、HV−アンプ18は、測定中における試料表面の位置を上下動させるために使用するものである。
従来のこの種の装置としては、試料の加熱冷却に伴う熱膨張、熱収縮などで探針が試料表面から離れないように制御する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、走査型トンネル電子顕微鏡において、粗動機構と微動機構の動作を連動させるように制御し、試料表面の凹凸が大きい場合にも、探針が表面を追従できるようにした技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、走査型プローブ顕微鏡において、プローブと試料表面との接触を自動回避し、試料表面の3次元形状を自動測定する技術が知られている(例えば特許文献3参照)。
特開2003−172684号公報(段落0006〜0011、図1〜図3) 特開平4−318404号公報(段落0008〜0015、図1,図2) 特開2003−166924号公報(段落0013〜0022、図1,図2)
従来の走査型プローブ顕微鏡では、図7に示すように試料を加熱・冷却した際、試料の熱膨張・収縮により、カンチレバ先端と試料表面が接触、若しくは離脱することになる。そのため、温度の変更を行ないながら、連続的に測定を行なうことは困難である。図7は試料膨張・収縮状態におけるスキャナの状態を示す図である。図6と同一のものは、同一の符号を付して示す。(a)はアプローチ状態、(b)は試料膨張状態、(c)は試料収縮状態をそれぞれ示している。
(a)において、アプローチ状態における探針1と試料間の設定距離をΔHとする。ここで、試料4が熱膨張すると、(b)に示すように試料4と探針1とが接触するおそれが出てくる。このため、スキャナ5を(b)に示すように収縮させる必要がある。また、逆に試料4が冷却により収縮すると、試料4と探針1間の距離が離れて正常な動作ができないこととなる。このため、スキャナ5を(c)に示すように伸長させる必要がある。
また、温度を変更するために、カンチレバ2が暖められ、若しくは冷却されることになり、カンチレバ2のエネルギー状態が変わり、固有振動数がずれてしまう。この固有振動数のズレは、図8からも分かるように、振幅の変化として検出されるため、図6のRMS−DC信号が変化したとして検出され、誤差を生む要因になる。
図8はカンチレバ2の振幅−周波数特性を示す図である。横軸は周波数(Frequency)、縦軸は振幅(Amplitude)である。図の実線で示す特性f1は初期状態、破線で示す特性f2はカンチレバ2が熱変更を受けた状態を示す。図のF0は初期状態におけるf1がピーク値をとる時の周波数である。カンチレバ2が熱変更を受けて特性がf2に示すように周波数がΔFだけずれたものとする。F1は特性f2の振幅がピークをとる時の周波数である。
このような特性を持つ場合、周波数がF2の時の特性f1における振幅がA点であるものとする。温度変化のために、特性がf2に移動した場合、同一周波数F2における振幅はB点に移行する。この結果、振幅がA点からB点までの振幅ΔAだけずれたことになる。このような理由のために、温度を変更させながら試料表面を測定することは困難であった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、試料の温度変化に伴うスキャナのZ軸方向のドリフト補正と、カンチレバの発振自動調整を行なうことができるカンチレバの自動チューニング方法を提供することを目的としている。
(1)請求項1記載の発明は、試料を加熱又は冷却して温度変化させながら走査型原子間力顕微鏡で観察を行なうに際し、試料の熱膨張又は収縮を伴うZ方向の移動の制限を行なうために、スキャナの可動範囲を設定し、温度変化によりスキャナの伸縮が前記可動範囲を超えたら走査を中断し、スキャナを初期状態に戻しながら試料の膨張又は収縮に伴うドリフト分をZステージの移動により補正し、アプローチと走査を再開するようにしたことを特徴とする。
(2)請求項2記載の発明は、試料を加熱又は冷却して温度変化させながら走査型原子間力顕微鏡で観察を行なうに際し、カンチレバの加振自動調整を行ない、アプローチと走査を再開するようにしたことを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、試料を加熱又は冷却して温度変化させながら走査型原子間力顕微鏡で観察を行なうに際し、試料の熱膨張又は収縮を伴うZ方向の移動の制限を行なうために、スキャナの可動範囲を設定し、温度変化によりスキャナの伸縮が前記可動範囲を超えたら走査を中断し、スキャナを初期状態に戻しながら試料の膨張又は収縮に伴うドリフト分をZステージの移動により補正すると共に、カンチレバの加振自動調整を行ない、アプローチと走査を再開する、ようにしたことを特徴とする。
(4)請求項4記載の発明は、ワンフレーム測定終了毎に、カンチレバをリトラクト状態にして、カンチレバの加振自動調整を行なえるようにしたことを特徴とする。
(5)請求項5記載の発明によれば、任意の温度範囲毎に、カンチレバをリトラクト状態にして、カンチレバの加振自動調整を行なえるようにしたことを特徴とする。
(1)請求項1記載の発明によれば、Zステージの移動による自動補正を行なうことができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、カンチレバの加振補正による自動補正を行なうことができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、スキャナの可動範囲を予め設定して、その範囲を超えないようにZ軸方向を制御すると共に、カンチレバの加振自動調整を行なうことで、試料の温度変化に伴うスキャナのZ軸方向のドリフト補正と、カンチレバの発振自動調整を行なうことができるカンチレバの自動チューニング方法を提供することができる。
(4)請求項4記載の発明によれば、カンチレバの共振周波数のズレを防止することができる。
(5)請求項5記載の発明によれば、試料の熱膨張・収縮係数が小さくてZステージの移動によるドリフトの補正が行われない場合においても、カンチレバの共振周波数のズレを補正することが可能になり、安定した測定を行なうことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明を適用するためのシステムとしては、図6に示すシステムを用いる。図1,図2は試料を加熱・冷却した際、試料の熱膨張・収縮におけるZ軸方向のドリフトを補正する働きを示している。図1は試料膨張状態におけるスキャナの可動範囲設定状態の説明図、図2は試料収縮状態におけるスキャナの可動範囲設定状態の説明図である。図6と同一のものは、同一の符号を付して示す。図1において、(a)はアプローチ状態、(b)は試料膨張状態、(c)は補正後の状態を示す。図2において、(a)はアプローチ状態、(b)は試料収縮状態、(c)は補正後の状態を示す。
図1(a)と図2(a)はカンチレバ2が試料4の表面にアプローチした状態を示している。この状態でスキャナが動作できる範囲(可動範囲)ΔWを設定する。この設定範囲ΔWは、任意の距離を設定できるものとする。ΔL1はスキャナ5の伸び量を示す。試料4の膨張・収縮が始まり、図1(b)、図2(b)に示すようにスキャナ5の動作範囲が設定範囲を超えようとした時に、試料表面の測定を一時停止、若しくは停止させる。
そして、スキャナ5の伸び量ΔL1が図1(a),図2(a)と同じ量になるように、Zステージ10の位置を移動させる(図1(c),図2(c))。図1(c)の場合は、ZステージをΔL2だけ下げて補正しており、図2(c)の場合は、ZステージをΔL3だけ上げて補正をしている。なお、この時のステージの移動速度は任意に設定できるものとする。
また、ステージが移動している間は、スキャナ5はフィードバックが働いている状態にする。スキャナ5の伸び量ΔL1がそれぞれの(a)に示す量と同じになった時、一旦リトラクト状態(退避状態)にし、カンチレバ2の加振自動調整を行なうようにし、最適な加振条件に再設定する。カンチレバ2の自動調整が終了した後、リトラクト状態を解除し、測定を再開する。
また、ステージ10が移動し、カンチレバ2の自動調整が行われている最中は、図3の(b)に示すように、試料4に加わる温度は一定になるように調整されているものとする。図3において、(a)は時間と温度が比例関係にあることを示している。(b)はZ軸補正時間ΔTの間は、温度が一定に維持される様子を示している。なお、試料4に加える温度カーブは、任意に設定できるものとする。即ち、(a)に示す温度特性の傾きを任意に変えられるということである。
また、スキャナ5をリトラクトした状態にしてから、Zモータステージで試料膨張・収縮分の距離を補正し、再アプローチを行なう(前記特許文献1参照)ことも可能であるが、リトラクト/アプローチを絶えず繰り返すことになる。この繰り返しは、カンチレバ2の温度変化が生じやすい、スキャナ5のZ軸方向のクリープ(ずれ)が生じるなど、測定に対する不安定要因を大きくする。
以上、説明したように、本発明によれば、スキャナの可動範囲を予め設定して、その範囲を超えないようにZ軸方向を制御すると共に、カンチレバの加振自動調整を行なうことで、試料の温度変化に伴うスキャナのZ軸方向のドリフト補正と、カンチレバの発振自動調整を行なうことができるカンチレバの自動チューニング方法を提供することができる。
図4は温度変化におけるZ軸移動のアルゴリズムを示すフローチャートである。システムとしては、図6に示すシステムを用いる。先ず、パソコン17はカンチレバ2の自動加振設定を行なう(S1)。そして、リファレンス値の算出を行ない、位相の調整を行なう(S2)。ここまでが、前処理段階である。そして、パソコン17はモータアプローチを開始する(S3)。ここで、モータアプローチとは、カンチレバ2と探針1との距離が予め決められた基準値になるまで近づけることをいう。カンチレバ2と探針1との距離が予め決められた基準値になるまで近づいたら、モータアプローチを停止する(S4)。この状態が、図1(a),図2(a)に示す状態である。
次に、スキャナの可動範囲を設定する(S5)。このスキャナの可動範囲とは、図1の(a)に示すΔWのことであり、パソコン17のコンソール(図示せず)からオペレータにより入力される。この状態で測定を開始する。同時に試料温度変更を開始する(S6)。測定とは、AFMに基づき、試料4の表面を測定することである。温度変更は、図示しない温度調整手段により、試料4を加熱又は冷却することをいう。測定が開始されたら、パソコン17はスキャナ5の位置が可動範囲内であるかどうかチェックしている(S7)。従って、測定動作はスキャナ5の位置が可動範囲ΔWを超えるまで行われる。ここで、スキャナ5の位置は、図示しない測定手段により測定されパソコン17に通知されている。
スキャナ5の位置が前記可動範囲ΔWを超えたら測定位置で停止するか、測定を停止する。試料温度変更も停止する(S8)。この状態で、パソコン17はZ軸補正時間ΔT(図3の(b)参照)に入る。パソコン17はモータ11を駆動し、Zステージ10を移動させる(S9)。Zステージ10を移動させたら、パソコン17はスキャナ伸び量ΔL1(図1(a)参照)が測定を開始した時と同じ値であるかどうかをチェックする(S10)。同じ値でない場合には、ステップS9に戻り、Zステージ10の移動を行なう。
スキャナ5の伸び量ΔL1が測定を開始した時と同じ値になった時、パソコン17はモータ11に停止信号を送り、Zステージ10の移動を停止させる(S11)。そして、リトラクト状態(初期状態)に入る(S12)。リトラクトしたら、パソコン17はカンチレバ2の自動加振設定を行ない(S13)、アプローチを行なう(S14)。そして、測定の再開と試料温度変更の再開を行なう(S15)。そして、パソコン17は、測定が停止するかどうかチェックする(S16)。測定が停止したら処理の終了となり、測定が停止でなかった場合には、ステップS7に戻り、同様の動作を繰り返す。
図5はカンチレバと試料位置の関係を示す図である。(a)はスキャナ5がステージ側に設けられている例を示す。(b)はスキャナ5がカンチレバ2側に設けられている例を示す。(c)はスキャナ5とモータ11が反対側に設けられ、スキャナ5の上に試料4が搭載されている状態を示している。(d)はスキャナ5とモータ11とがカンチレバ2側に設けられた例を示している。試料4はステージ10の上に載置されている。本発明は、図5に示した位置関係の何れの場合にも適用できるものである。即ち、カンチレバ2と試料4の位置関係は一義的に決まるものではない。
上述の実施の形態では、AC−AFM(タッピングAFM)の場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限るものではなく、カンチレバを加振して測定するNC−AFMでも同様な測定が可能である。また、上述の実施の形態では、システムが測定中に動作する場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限るものではなく、測定停止中にも本発明を適用することは可能である。
また、測定する試料に応じて、熱膨張・収縮係数が異なるため、Zステージが動作する前に試料温度が数10゜C変わる可能性がある。この結果、カンチレバの共振周波数のズレが生じてくる。これを回避するために、ワンフレーム測定終了毎に、カンチレバをリトラクト状態にして、カンチレバの加振自動調整を行なうこともできる。また、任意の温度(例えば2゜C〜3゜C)毎に、カンチレバをリトラクト状態にして、カンチレバの加振自動調整を行なえるようにすることも可能である。
これらの方法により、試料の熱膨張・収縮係数が小さくて、Zステージの移動によるドリフト補正が行われない場合においても、カンチレバの共振周波数のズレを補正することが可能になり、安定した測定を行なうことができる。
以上、詳細に説明したように、本発明によれば試料の温度変化に伴うスキャナのZ軸方向のドリフト補正と、カンチレバの発振自動調整を行なうことができるカンチレバの自動チューニング方法を提供することができる。
試料膨張状態におけるスキャナの可動範囲設定状態の説明図である。 試料収縮状態におけるスキャナの可動範囲設定状態の説明図である。 時間と出力温度の関係を示す図である。 温度変化におけるZ軸移動のアルゴリズムを示すフローチャートである。 カンチレバと試料位置の関係を示す図である。 AFMのシステム構成例を示す図である。 試料膨張・収縮状態におけるスキャナの状態を示す図である。 カンチレバの振幅−周波数特性を示す図である。
符号の説明
1 探針
2 カンチレバ
3 PZT
4 試料
5 スキャナ
6 レーザダイオード
7 光ディテクタ
8 プリアンプ
9 RMS−DCコンバータ
10 ステージ
11 モータ
12 FMデモジュレータ
13 アッテネータ
14 誤差アンプ
15 基準電圧発生回路
16 フィードバック回路
17 パソコン
18 HV−アンプ
19 HV−アンプ
20 A/D変換器

Claims (5)

  1. 試料を加熱又は冷却して温度変化させながら走査型原子間力顕微鏡で観察を行なうに際し、
    試料の熱膨張又は収縮を伴うZ方向の移動の制限を行なうために、スキャナの可動範囲を設定し、
    温度変化によりスキャナの伸縮が前記可動範囲を超えたら走査を中断し、
    スキャナを初期状態に戻しながら試料の膨張又は収縮に伴うドリフト分をZステージの移動により補正し、
    アプローチと走査を再開するようにしたことを特徴とするカンチレバの自動チューニング方法。
  2. 試料を加熱又は冷却して温度変化させながら走査型原子間力顕微鏡で観察を行なうに際し、
    カンチレバの加振自動調整を行ない、
    アプローチと走査を再開するようにしたことを特徴とするカンチレバの自動チューニング方法。
  3. 試料を加熱又は冷却して温度変化させながら走査型原子間力顕微鏡で観察を行なうに際し、
    試料の熱膨張又は収縮を伴うZ方向の移動の制限を行なうために、スキャナの可動範囲を設定し、
    温度変化によりスキャナの伸縮が前記可動範囲を超えたら走査を中断し、
    スキャナを初期状態に戻しながら試料の膨張又は収縮に伴うドリフト分をZステージの移動により補正すると共に、カンチレバの加振自動調整を行ない、アプローチと走査を再開する、
    ようにしたことを特徴とするカンチレバの自動チューニング方法。
  4. ワンフレーム測定終了毎に、カンチレバをリトラクト状態にして、カンチレバの加振自動調整を行なえるようにしたことを特徴とする請求項2又は3記載のカンチレバの自動チューニング方法。
  5. 任意の温度範囲毎に、カンチレバをリトラクト状態にして、カンチレバの加振自動調整を行なえるようにしたことを特徴とする請求項2又は3記載の自動チューニング方法。
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JP2009109377A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Jeol Ltd 走査プローブ顕微鏡

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