JP2005345411A - 微小表面温度分布測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】走査型プローブ顕微鏡における温度測定の際の、誤差の原因であるカンチレバーの微小先端に微小な温度計測手段を配置するという構成を採らずに、1μm以下の微小領域の温度を計測できる微小表面温度分布測定装置の提供。
【解決手段】走査型プローブ顕微鏡におけるカンチレバー1として、共振周波数の温度依存性に所定の関係を有する材料を用い、前記カンチレバー1の温度変化を前記共振周波数の変化として測定し、前記所定の関係により温度に換算して測温する微小表面温度分布測定装置100とする。
【選択図】 図2
【解決手段】走査型プローブ顕微鏡におけるカンチレバー1として、共振周波数の温度依存性に所定の関係を有する材料を用い、前記カンチレバー1の温度変化を前記共振周波数の変化として測定し、前記所定の関係により温度に換算して測温する微小表面温度分布測定装置100とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、走査型微小表面温度分布測定装置、特にはこの装置に用いられるカンチレバーに測温デバイスを取り付けることなく温度を測定できるようにした装置に関する。
半導体デバイスや磁気記録媒体は年々高密度化、または大容量化されている。それに伴い設計においては最小設計寸法を1μm以下とした微細パターン化が進んでいる。このように微細化された設計パターンを有する前記半導体デバイスや磁気記録媒体の不良個所もまた微細化しており、その不良解析も難しくなってきている。これらの不良解析には異常電流に伴う発熱個所を見つけて観察することが有効である。従来、このように異常な微小リーク領域の検出にはホットスポットを検出する液晶解析が行われているが、その空間分解能は10μm以上と大きく、前述の1μm以下を最小設計寸法とするデバイスや媒体にはもはや対応できない。10μm以下の微小領域に対する表面温度分布の測定には走査型赤外線検出装置が用いられるが、赤外線を含む光の波長による制約から、1μmの分解能が限界である。
これに対して、近年、走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling
Microscope;略称STM)や原子間力顕微鏡(Atomic Force
Microscope;略称AFM)に代表される走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope;略称SPM)と呼ばれる測定装置が市販され、微小領域の物性分析や表面形状観察が行われるようになり、これに表面温度分布計測機能を付加した装置が複数提案されている。
前記SPMは、図3の要部概略構成図に示すように、測定試料11を載せてXYZ方向への微移動を可能にする試料ステージスキャナー12と、試料の表面性状を測定するための接点となるプローブ13と、プローブから入力した試料の表面性状を物理量の変化として捉える検出器14とを基本構成とする装置10の総称である。試料11とプローブ13間に流れるトンネル電流を検出し、その変化により画像を形成するようにした装置が前記STMと称される、同様に試料11とプローブ13間の原子間に相互に作用する微小な力を検出する装置が前記AFMである。
Microscope;略称STM)や原子間力顕微鏡(Atomic Force
Microscope;略称AFM)に代表される走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope;略称SPM)と呼ばれる測定装置が市販され、微小領域の物性分析や表面形状観察が行われるようになり、これに表面温度分布計測機能を付加した装置が複数提案されている。
前記SPMは、図3の要部概略構成図に示すように、測定試料11を載せてXYZ方向への微移動を可能にする試料ステージスキャナー12と、試料の表面性状を測定するための接点となるプローブ13と、プローブから入力した試料の表面性状を物理量の変化として捉える検出器14とを基本構成とする装置10の総称である。試料11とプローブ13間に流れるトンネル電流を検出し、その変化により画像を形成するようにした装置が前記STMと称される、同様に試料11とプローブ13間の原子間に相互に作用する微小な力を検出する装置が前記AFMである。
図4のAFMの概略構成図に示すように、前記AFMの技術を応用して試料21表面の凹凸形状と試料21表面の温度分布の計測を分離し、凹凸形状だけでなく、正確な試料表面の温度分布をも検出できるようにしたAFM20がすでに開発されている。このAFM20によれば、カンチレバー23と、カンチレバー23をZ方向に励振させるピエゾ素子などの励振手段26と、試料21表面のXYZ方向への自由な移動を可能にするXYZ移動手段22と、カンチレバー23のZ方向の撓みをレーザー光25を用いた光てこ法により検出する撓み検出器24を備えており、試料21をXY方向に移動させながら、継続的にカンチレバー23の撓み量を計測することにより試料21表面の凹凸を計測できる。実際にはカンチレバーに収束させたレーザー光の反射光を2つのフォトダイオードで受光し相互のレーザー光のズレからカンチレバーの撓みを検出してフィードバックすることにより、反射光の位置が一定になるようにステージスキャナー22を上下に制御し、同時に、XY方向に走査させることにより、試料21の表面形状を測定している。
カンチレバーは、一般にシリコン基板等の支持体に、一方の端部が固定され他端が自由端とされる片持ち梁の状態で固着された窒化膜等からなる小片であり、幅×長さ×厚さ=100μm×500μm×20μm程度の大きさである。自由端側の先端には試料との接点となる探針が取り付けられている。さらに前記シリコン支持体の他端にはピエゾ素子が固着され、カンチレバーを共振周波数で振動させる。前記カンチレバーの先端には温度分布を計測するための微小な熱電対が配置されている。
カンチレバーの先端に配置される微小熱電対は、カンチレバー上ならば、どこに配置されても構わないが、レスポンスを悪化させないため、また、試料表面における凹凸の計測部と温度の測定部のずれを少なくするには、先端から10μm以内に配置される。
先端に探針が配置されたカンチレバーにおいては、前述のように探針に熱電対が配置される。このようにすれば、凹凸を計測する計測部と、温度を測定する熱電対は同じ探針に配置され、試料表面における凹凸の計測部と温度の測定部にずれがないからである。熱電対による温度測定と前述の凹凸形状測定とにより、試料表面の凹凸形状と温度分布の測定は別個に計測することが可能となり、正確な試料表面の温度分布が検出可能となる。なお、試料表面の温度分布だけを測定する場合には、撓み検出手段(凹凸計測部)は不要となる。このAFM(微小表面温度分布測定装置)によれば、カンチレバーの先端に微小な熱電対を配置することにより、10〜100nmの空間分解能で温度分布を測定できる(特許文献1)。
カンチレバーの先端に配置される微小熱電対は、カンチレバー上ならば、どこに配置されても構わないが、レスポンスを悪化させないため、また、試料表面における凹凸の計測部と温度の測定部のずれを少なくするには、先端から10μm以内に配置される。
先端に探針が配置されたカンチレバーにおいては、前述のように探針に熱電対が配置される。このようにすれば、凹凸を計測する計測部と、温度を測定する熱電対は同じ探針に配置され、試料表面における凹凸の計測部と温度の測定部にずれがないからである。熱電対による温度測定と前述の凹凸形状測定とにより、試料表面の凹凸形状と温度分布の測定は別個に計測することが可能となり、正確な試料表面の温度分布が検出可能となる。なお、試料表面の温度分布だけを測定する場合には、撓み検出手段(凹凸計測部)は不要となる。このAFM(微小表面温度分布測定装置)によれば、カンチレバーの先端に微小な熱電対を配置することにより、10〜100nmの空間分解能で温度分布を測定できる(特許文献1)。
また、試料表面とカンチレバーの接触先端との間のある熱接触抵抗等の測定誤差要因を補正してカンチレバー温度と試料表面温度とを一致させるために、熱流速測定により前記補正係数を求め、測定された試料表面温度にフィードバックすることにより温度分布の測定精度をさらに高めた微小表面温度分布測定装置が知られている(特許文献2)。
特開平8−105801号公報
特開2001−4455号公報
しかしながら、前記特許文献1、2に開示されるAFMによる温度測定では、高い空間分解能で試料表面の形状測定と温度測定を分離して測定することができるが、まだ、充分に高精度とはいえない。試料の表面温度をさらに高精度に測定するには測定値の補正、校正を必要とするが、この補正が容易ではない。たとえば熱電対による温度測定値は、試料とカンチレバーとの熱伝導率の違い、両者の間の熱接触抵抗、サイズ、熱容量など、熱電対固有の感度特性等のファクターによる影響を受けた測定値である。さらに、微小熱電対をカンチレバーの先端に配置すると、微小熱電対と試料との微小な接触面積に起因する大きな接触熱抵抗に対して熱電対接点サイズは相対的に大きいため、試料表面の実際の温度よりも測定温度が小さくなる傾向がある。またさらに、微小なカンチレバーに2種類の絶縁された熱電対ワイヤを配線する構成のため、ワイヤ径を小さくする必要があるので、熱電対自身の電気抵抗が大きくなり、熱起電力検出のSN比が悪くなり、温度分解能が低下するという欠点も避けられない。これらの欠点をなくすためには、温度測定からその誤差の原因となる前述のファクターを正確に補正することが必要であるが、これが極めて複雑、煩雑であり、困難である。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、走査型プローブ顕微鏡における温度測定の際の、誤差の原因であるカンチレバーの微小先端に微小な温度計測手段を配置するという構成を採らずに、1μm以下の微小領域の温度を計測できる微小表面温度分布測定装置の提供である。
特許請求の範囲の請求項1記載の本発明によれば、前記目的は、走査型プローブ顕微鏡におけるカンチレバーとして、共振周波数の温度依存性に所定の関係を有する材料を用い、前記カンチレバーの温度変化を前記共振周波数の変化として測定し、前記所定の関係により温度に換算して測温する微小表面温度分布測定装置とすることにより達成される。
特許請求の範囲の請求項2記載の本発明によれば、前記目的は、カンチレバーの材料として、前記材料のヤング率の温度依存性が0.05%/℃以上である材料を用いる請求項1記載の微小表面温度分布測定装置とすることが好ましい。
特許請求の範囲の請求項3記載の本発明によれば、カンチレバーの材料がスズである請求項2記載の微小表面温度分布測定装置とすることが好ましい。
特許請求の範囲の請求項2記載の本発明によれば、前記目的は、カンチレバーの材料として、前記材料のヤング率の温度依存性が0.05%/℃以上である材料を用いる請求項1記載の微小表面温度分布測定装置とすることが好ましい。
特許請求の範囲の請求項3記載の本発明によれば、カンチレバーの材料がスズである請求項2記載の微小表面温度分布測定装置とすることが好ましい。
本発明によれば、走査型プローブ顕微鏡における温度測定の際の、誤差の原因であるカンチレバーの微小先端に微小な温度計測手段を配置するという構成を採らずに、1μm以下の微小領域の温度を計測できる微小表面温度分布測定装置を提供することができる。
本発明の一実施例について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の要旨を超えない限り、本発明は以下、説明する実施例および図面に限定されるものではない。
図1は本発明にかかる微小表面温度分布測定装置におけるカンチレバーの上面図(a)と断面図(b)である。図2は本発明の微小表面温度分布測定装置の概略構成図である。
図2に示す本発明の微小表面温度分布測定装置は、前記図4に示したAFM装置を応用した装置であるので、まず、AFMの概略構成について説明する。
AFMにおけるカンチレバーと試料との関係には、コンタクトモードと、ノンコンタクトモードがある。本発明にかかる走査型温度分布計測装置100は、コンタクトモードであって、タッピングモード(下記に説明)を適用する。すなわち、コンタクトモードのAFMは、試料表面にカンチレバーを接触させ、試料表面の凹凸により変化するカンチレバーの撓みを検出することによって試料表面の凹凸の形状を検出する装置である。
図1は本発明にかかる微小表面温度分布測定装置におけるカンチレバーの上面図(a)と断面図(b)である。図2は本発明の微小表面温度分布測定装置の概略構成図である。
図2に示す本発明の微小表面温度分布測定装置は、前記図4に示したAFM装置を応用した装置であるので、まず、AFMの概略構成について説明する。
AFMにおけるカンチレバーと試料との関係には、コンタクトモードと、ノンコンタクトモードがある。本発明にかかる走査型温度分布計測装置100は、コンタクトモードであって、タッピングモード(下記に説明)を適用する。すなわち、コンタクトモードのAFMは、試料表面にカンチレバーを接触させ、試料表面の凹凸により変化するカンチレバーの撓みを検出することによって試料表面の凹凸の形状を検出する装置である。
さらにタッピングモードでは、図2に示すようにカンチレバー1をその材料固有の共振周波数近辺で、XYZ方向に移動可能なステージスキャナー5上に載置された試料4面に対してZ方向(XY方向の形成する試料4面に対して垂直な方向)に振動させて、動的状態で試料4表面形状を検出する装置である。上下に振動するカンチレバー1の振動底部では試料4に接触するので、タッピングという。
タッピングモードでは、カンチレバー1は上下に振動しながら、XY方向に移動する試料4の表面を走査する。カンチレバー1が試料4に接触すると、振幅は減少する。カンチレバー1の振幅を一定にして試料4とカンチレバー1間にかかる力を一定にするために、フィードバック制御により試料台5を上下(Z方向)に移動させることが好ましい。カンチレバー1の励振はカンチレバー1の近くに接触させたピエゾ素子7を振動させることにより得られる。このピエゾ素子7の振動周波数をカンチレバー1に固有の共振周波数に一致させるとカンチレバーが励振される。
タッピングモードでは、カンチレバー1は上下に振動しながら、XY方向に移動する試料4の表面を走査する。カンチレバー1が試料4に接触すると、振幅は減少する。カンチレバー1の振幅を一定にして試料4とカンチレバー1間にかかる力を一定にするために、フィードバック制御により試料台5を上下(Z方向)に移動させることが好ましい。カンチレバー1の励振はカンチレバー1の近くに接触させたピエゾ素子7を振動させることにより得られる。このピエゾ素子7の振動周波数をカンチレバー1に固有の共振周波数に一致させるとカンチレバーが励振される。
前述のようにカンチレバー1をその材料の共振周波数近辺でZ方向に振動させて試料4の表面形状を計測する際には、共振周波数に温度依存性があると正確な表面形状の測定の妨げになるので、通常、カンチレバー1の材料としては温度依存性の小さい材料が選ばれる。そのような材料として窒化シリコンや単結晶シリコンが用いられる。
これに対して、本発明にかかるカンチレバーによる表面温度分布測定では、その材料の持つ共振周波数の温度依存性が大きい材料を選択することが重要である。そのような材料として、前記共振周波数と一定の関係にあるヤング率の温度に対する変化率が0.05%/℃以上という温度依存性を有するものが好ましい。そうすると、前記共振周波数はヤング率の1/2乗に比例するという関係にあるので、共振周波数の温度依存性は0.025%/℃以上となる。共振周波数の変化は通常、0.1%を捉えることが可能であるので、温度分解能は約4℃となる。しかし、実際には材料に内在する内部結晶欠陥などによる内部摩擦に基づく振動の減衰が大きい(すなわち、Q値が小さいまたは1/Q値が大きい)と分解能は悪くなるので、カンチレバーはできるかぎり、内部欠陥などが無く、振動における減衰の起因となる内部摩擦によるエネルギー吸収の小さい、すなわちQ値の高いものがよい。また、金属すずは室温におけるヤング率の温度依存性が約0.1%/℃と比較的大きいので、カンチレバーとしての材料として適している。
これに対して、本発明にかかるカンチレバーによる表面温度分布測定では、その材料の持つ共振周波数の温度依存性が大きい材料を選択することが重要である。そのような材料として、前記共振周波数と一定の関係にあるヤング率の温度に対する変化率が0.05%/℃以上という温度依存性を有するものが好ましい。そうすると、前記共振周波数はヤング率の1/2乗に比例するという関係にあるので、共振周波数の温度依存性は0.025%/℃以上となる。共振周波数の変化は通常、0.1%を捉えることが可能であるので、温度分解能は約4℃となる。しかし、実際には材料に内在する内部結晶欠陥などによる内部摩擦に基づく振動の減衰が大きい(すなわち、Q値が小さいまたは1/Q値が大きい)と分解能は悪くなるので、カンチレバーはできるかぎり、内部欠陥などが無く、振動における減衰の起因となる内部摩擦によるエネルギー吸収の小さい、すなわちQ値の高いものがよい。また、金属すずは室温におけるヤング率の温度依存性が約0.1%/℃と比較的大きいので、カンチレバーとしての材料として適している。
本発明にかかるカンチレバー1の形状は、図1に示すような短冊形状とした。カンチレバー1の先端にはさらにタングステン、銅等の導電材料からなる微少な接点部1aが設けられてよい。短冊形ではなく、三角形などの横方向の捩じれが起きにくい形状にすることもできる。
厚さ(d)15μm、長さ500μm、幅(w)100μmの金属すずからなる短冊形カンチレバー1を1mm×3mm角で0.5mm厚のシリコン基板2に固着させ、さらにこのシリコン基板をピエゾ素子7(図2)に接触させカンチレバー1の共振周波数で励振させ得るようにされる。このピエゾ素子7には共振周波数の検出回路3が接続されている。カンチレバー1の共振周波数fC(=ωC/2π)115.2kHzで励振させ、室温で試料に近づけると、カンチレバー1の振幅を一定にするようにステージスキャナー5を上下させるフィードバック制御が行われる。カンチレバー1と試料4間はそれらの間に働く相互作用(原子間力)によってたえず変動している。
厚さ(d)15μm、長さ500μm、幅(w)100μmの金属すずからなる短冊形カンチレバー1を1mm×3mm角で0.5mm厚のシリコン基板2に固着させ、さらにこのシリコン基板をピエゾ素子7(図2)に接触させカンチレバー1の共振周波数で励振させ得るようにされる。このピエゾ素子7には共振周波数の検出回路3が接続されている。カンチレバー1の共振周波数fC(=ωC/2π)115.2kHzで励振させ、室温で試料に近づけると、カンチレバー1の振幅を一定にするようにステージスキャナー5を上下させるフィードバック制御が行われる。カンチレバー1と試料4間はそれらの間に働く相互作用(原子間力)によってたえず変動している。
試料をXYZ方向に移動させるステージスキャナー5としてはピエゾ素子5が用いられる。ピエゾ素子5は電極間にPZTなどの強誘電体圧電材料を挟んだものであり、電極間に加えられる電圧による変形を利用するものである。
試料4の温度を室温より10℃高くしてカンチレバー1の共振周波数を測定したところ、114.7kHzに低下した。すなわち、10℃の温度上昇で共振周波数が500Hz低下したのだから、周波数測定の分解能である100Hzの変化があれば、2℃の温度変化を分解能として示すことができる。6は顕微鏡である。
以上、本発明の走査型の微小表面温度分布測定装置をAFMをベースとして説明した。しかし、本発明の装置は、AFMへの適用に限られるものではない。例えば、STM等のように、カンチレバーにて計測可能である装置ならば、適用可能である。
試料4の温度を室温より10℃高くしてカンチレバー1の共振周波数を測定したところ、114.7kHzに低下した。すなわち、10℃の温度上昇で共振周波数が500Hz低下したのだから、周波数測定の分解能である100Hzの変化があれば、2℃の温度変化を分解能として示すことができる。6は顕微鏡である。
以上、本発明の走査型の微小表面温度分布測定装置をAFMをベースとして説明した。しかし、本発明の装置は、AFMへの適用に限られるものではない。例えば、STM等のように、カンチレバーにて計測可能である装置ならば、適用可能である。
1 カンチレバー
1a 探針
2 シリコン基板
3 周波数検出回路
4 試料
5 ステージスキャナー(ピエゾ素子)
6 顕微鏡
7 ピエゾ素子
8 ケース
9 机
10 SPM(走査型プローブ顕微鏡)
11、21 試料
12、22 ステージスキャナー
13、23 カンチレバー
14、24 撓み検出器
20 AFM(原子間力顕微鏡)。
1a 探針
2 シリコン基板
3 周波数検出回路
4 試料
5 ステージスキャナー(ピエゾ素子)
6 顕微鏡
7 ピエゾ素子
8 ケース
9 机
10 SPM(走査型プローブ顕微鏡)
11、21 試料
12、22 ステージスキャナー
13、23 カンチレバー
14、24 撓み検出器
20 AFM(原子間力顕微鏡)。
Claims (3)
- 走査型プローブ顕微鏡におけるカンチレバーとして、共振周波数の温度依存性に所定の関係を有する材料を用い、前記カンチレバーの温度変化を前記共振周波数の変化として測定し、前記所定の関係により温度に換算して測温することを特徴とする微小表面温度分布測定装置。
- カンチレバーの材料として、前記材料のヤング率の温度依存性が0.05%/℃以上である材料を用いることを特徴とする請求項1記載の微小表面温度分布測定装置。
- カンチレバーの材料がスズであることを特徴とする請求項2記載の微小表面温度分布測定装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004168276A JP2005345411A (ja) | 2004-06-07 | 2004-06-07 | 微小表面温度分布測定装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008304211A (ja) * | 2007-06-05 | 2008-12-18 | Jeol Ltd | カンチレバの自動チューニング方法 |
JP2009109377A (ja) * | 2007-10-31 | 2009-05-21 | Jeol Ltd | 走査プローブ顕微鏡 |
-
2004
- 2004-06-07 JP JP2004168276A patent/JP2005345411A/ja active Pending
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