JPH08105801A - 微小熱電対付きカンチレバー及び走査型温度分布 計測装置 - Google Patents

微小熱電対付きカンチレバー及び走査型温度分布 計測装置

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JPH08105801A
JPH08105801A JP7198737A JP19873795A JPH08105801A JP H08105801 A JPH08105801 A JP H08105801A JP 7198737 A JP7198737 A JP 7198737A JP 19873795 A JP19873795 A JP 19873795A JP H08105801 A JPH08105801 A JP H08105801A
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thermocouple
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micro
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JP7198737A
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Inventor
Yoshihiko Suzuki
美彦 鈴木
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試料表面の温度分布と凹凸の形状を分離して観
察する。 【解決手段】支持体1と、支持体1に一端が固定されて
いる可撓性プレート2からなるカンチレバーにおいて、
可撓性プレート2に2種の金属4、5を接合してなる熱
電対を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、走査型温度分布計
測装置(STP:Scanning Thermal Profiler)に用いる
カンチレバー及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、走査型顕微鏡の進展に伴い、原
子、分子オーダーの分解能で、物質表面の形状、あるい
は物理化学的性質に起因したイメージを得る事が可能と
なった。このような走査型顕微鏡において試料表面の温
度分布を検出する走査型温度分布計測装置(以下、ST
Pと言う)が提案されている(Appl.Phys.Lett.49(23),
8 December 1986 P1587 〜1589) 。図11は、従来のS
TPを示す概略構成図である。この装置は、走査型トン
ネル顕微鏡(以下、STMと言う)の技術を応用したも
のであり、第1伝導体101と、絶縁体102と、第2
伝導体103と、熱電対接合部104とを有する探針1
00を用いている。この探針100は、試料表面の凹凸
または温度を計測する計測部である。尚、第1伝導体1
01と第2伝導体102とで熱電対を構成するため、そ
れぞれは異なる種類の伝導体を用いている。また、絶縁
体102は第1伝導体101と第2伝導体103との間
に形成されており、第1伝導体101と第2伝導体10
3とが熱電対接合部104以外の部分で電気的に接触し
ないようになっている。次に、この装置の動作を説明す
る。探針100は、ピエゾ素子105によってXYZ方
向に移動することが可能となっている。また、試料10
6が有する熱は探針100の熱電対接合部104によっ
て検出することができる。従って、STMと同様にし
て、探針100をXY方向に走査する際に、探針100
が検出する試料の熱が常に一定になるように(STMで
は探針と試料との間に生じるトンネル電流を一定にす
る)探針100をピエゾ素子105でZ軸方向(試料表
面に対して略垂直な方向)に移動させて、このときの探
針100のZ軸方向(試料表面に対して略垂直な方向)
の変位を検出することによって試料106の凹凸の形状
を観察することができる。また、探針100をある一定
の高さに保った状態で探針100をXY方向に走査させ
ると、試料106の温度分布を観察することができるの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
STPでは試料106の温度分布を観察する場合に、試
料106に凹凸があると試料106の正確な温度分布を
検出することができないという問題点があった。即ち、
従来の装置は、試料106の温度分布と試料表面の凹凸
の形状を分離して観察することができなかったのであ
る。
【0004】本発明は、上記問題点を鑑みて成されたも
のであり、試料表面の温度分布と凹凸の形状を分離して
観察することが可能なカンチレバー及び走査型温度分布
計測装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に「支持
体と、該支持体に一端が支持され可撓性プレートと、
からなるカンチレバーにおいて、前記可撓性プレートに
は熱電対が配置されたことを特徴とする微小熱電対付き
カンチレバー(請求項1)」を提供する。本発明は、第
2に「前記熱電対は、前記可撓性プレートの一方の面に
設けられた第1の金属の一部及び第2の金属の一部を接
合させて配置されたことを特徴とする請求項1記載の微
小熱電対付きカンチレバー(請求項2)」を提供する。
【0006】本発明は、第3に「前記可撓性プレートに
は接合穴が設けられ、前記熱電対は、前記可撓性プレー
トの一方の面に配置された第1の金属と、前記可撓性プ
レートの他方の面に配置された第2の金属が前記接合穴
を介して接合されて配置されることを特徴とする請求項
1記載の微小熱電対付きカンチレバー(請求項3)」を
提供する。
【0007】本発明は、第4に「前記熱電対は、前記可
撓性プレートの先端部から10μm以内に配置されてい
ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに
記載の微小熱電対付きカンチレバー(請求項4)」を提
供する。本発明は、第5に「支持体と、該支持体に一端
が支持されている可撓性プレートと、該可撓性プレート
の他端近傍に設けられた計測部である探針と、からなる
カンチレバーにおいて、前記探針に熱電対を設けたこと
を特徴とする微小熱電対付きカンチレバー(請求項
5)」を提供する。
【0008】本発明は、第6に「前記可撓性プレートに
は、金属薄膜からなるレーザー反射膜が配置されている
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記
載の微小熱電対付きカンチレバー(請求項6)」を提供
する。本発明は、第7に「請求項1から請求項6のいず
れかに記載された微小熱電対付きカンチレバーと、前記
計測部を試料表面に接触させながら前記計測部と前記試
料とを相対的かつ前記試料表面と略平行に移動させる平
行移動手段と、前記熱電対で発生する熱起電力を検出す
る熱起電力検出手段と、からなることを特徴とする走査
型温度分布計測装置(請求項7)」を提供する。
【0009】本発明は、第8に「前記微小熱電対付きカ
ンチレバーの撓みを検出する撓み検出手段と、前記撓み
検出手段からの信号に基づいて前記微小熱電対付きカン
チレバーの撓みが一定になるように前記微小熱電対付き
カンチレバーと前記試料とを相対的かつ前記試料表面に
対して略垂直に移動させる垂直移動手段と、前記垂直移
動手段によって変化する前記熱電対付きカンチレバーと
前記試料との前記試料表面に対して略垂直な方向の移動
量を検出するための手段と、を設けたことを特徴とする
請求項7に記載の走査型温度分布計測装置(請求項
8)」を提供する。
【0010】本発明は、第9に「請求項1から請求項6
のいずれかに記載の微小熱電対付きカンチレバーと、前
記微小熱電対付きカンチレバーを振動させるための振動
手段と、前記熱電対の熱起電力を検出する熱起電力検出
手段と、前記微小熱電対カンチレバーの振動周波数を検
出するための振動周波数検出手段と、前記振動周波数検
出手段で検出された振動周波数が一定になるように前記
微小熱電対付きカンチレバーと前記試料とを相対的かつ
前記試料表面に対して略垂直に移動させる垂直移動手段
と、前記試料と前記微小熱電対付きカンチレバーとを相
対的かつ前記試料表面と略平行に移動させる平行移動手
段と、からなることを特徴とする走査型温度分布計測装
置(請求項9)」を提供する。
【0011】本発明は、第10に「前記垂直移動手段に
よって変化する前記微小熱電対付きカンチレバーと前記
試料との前記試料表面に対して略垂直な方向の移動量を
検出するための手段を設けたことを特徴とする請求項9
に記載の走査型温度分布計測装置(請求項10)」を提
供する。本発明は、第11に「前記熱起電力検出手段か
らの信号を基に前記試料の温度分布像を形成するための
画像信号を出力する手段を設けたことを特徴とする請求
項7から請求項10のいずれかに記載の走査型温度分布
計測装置(請求項11)」を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、原子間力顕微鏡(以
下、AFMと言う)の技術を応用することにより、試料
表面の凹凸形状と試料表面の温度分布を分離して、正確
な試料表面の温度分布を検出するカンチレバー及びそれ
を用いた装置である。AFMは、カンチレーと、これ
を試料表面のXY方向に走査させる平行移動手段と、カ
ンチレバーのZ方向の撓みを検出する撓み検出手段から
なり、カンチレバーの撓みを計測することにより試料表
面の凹凸を計測する装置である。
【0013】カンチレバーは、一般に、シリコン基板等
の支持体と、これに一端が固定され窒化膜等からなる可
撓性プレートを有する。本発明のカンチレバーは、従来
のカンチレバーに熱電対を配置させ、微小熱電対付きカ
ンチレバーとしたものである。なお、試料表面の凹凸形
状を計測する従来のカンチレバーには、その先端部に試
料表面の凹凸を計測する計測部があるものと、カンチレ
バーの先端近傍に探針を配置させ、この探針が計測部で
あるものとがある。本発明の微小熱電対付きカンチレバ
ーは、いずれのタイプにも適用できる。
【0014】即ち、前者のカンチレバーにおいては、カ
ンチレバーを構成する可撓性プレートに2種の金属(こ
こでは合金も含めて金属と定義する)が接合され、熱電
対が形成される。2種の金属は、いずれも可撓性プレー
トの一方の面に配置される。あるいは、予め可撓性プレ
ートに接合部を定めるための接合穴を設け、可撓性プレ
ートの一方の面に第1の金属、他方の面に第2の金属を
配置させ、接合穴を介して2種の金属を接合させてもよ
い。熱電対は、可撓性プレート上ならば、どこにあって
も構わない。しかし、レスポンスを悪化させないため、
また、試料表面における凹凸の計測部と温度の測定部の
ずれを抑制させるためには、計測部(即ち、可撓性プレ
ートの先端部)から10μm以内に熱電対を配置させる
のが好ましい。
【0015】探針が配置された後者のカンチレバーにお
いては、探針部に熱電対が配置される。このようにすれ
ば、凹凸を計測する計測部と、温度を測定する熱電対は
同じ探針に配置され、試料表面における凹凸の計測部と
温度の測定部のずれがない。本発明の走査型温度分布計
測装置は、微小熱電対付きカンチレバーと、これをXY
方向に走査させる平行移動手段と、撓み検出手段と、熱
電対より生ずる熱起電力を検出する熱起電力検出手段か
らなる。試料表面の凹凸形状は、従来のAFMと同様に
計測する。また、試料表面の温度分布は、熱電対にて生
ずる起電力を起電力検出手段にて検出する。このため、
試料表面の凹凸形状と温度分布は、別個に計測すること
が可能となり、これにより、正確な試料表面の温度分布
が検出可能となる。なお、試料表面の温度分布だけを測
定する場合には、撓み検出手段は不要となる。
【0016】一方、AFMには、コンタクトモードと、
ノンコンタクトモードがある。本発明の走査型温度分布
計測装置は、いずれのモードにも適用できる。即ち、コ
ンタクトモードのAFMは、試料表面にカンチレバーを
接触させ、試料表面の凹凸により変化するカンチレバー
の撓みを検出することによって試料表面の凹凸の形状を
検出する装置である。本発明の装置も、微小熱電対付き
カンチレバーを試料表面に接触させ、XY方向に走査す
れば、試料表面の凹凸のみならず、試料表面の温度分布
を検出することが可能となる。
【0017】ノンコンタクトモードのAFMは、カンチ
レバーを振動させる手段と、カンチレバーの振動周波数
を検出する手段がさらに設けられている。そして、この
装置は、カンチレバーと試料がある一定の距離を保った
状態で前記カンチレバーを振動させ、前記カンチレバー
と試料との距離の変動に応じて変化する前記カンチレバ
ーの振動周波数を検出することによって試料の凹凸の形
状を検出する。本発明の装置も、微小熱電対付きカンチ
レバーを振動させる手段と、振動周波数を検出する手段
をさらに設け、試料との距離をある一定の距離に保った
状態で熱電対付きカンチレバーを振動させ、このカンチ
レバーの振動周波数に相当する周波数の熱起電力を検出
すれば、試料の温度分布のみを独立に且つ正確に観察す
ることができる。また、当然ながら、試料表面の凹凸の
形状も同時に観察することができる。
【0018】一般に、カンチレバーの撓みの検出には光
てこ法が用いられる。これは、カンチレバーに照射され
反射されたレーザ光の位置を測定して、カンチレバーの
撓みを検出するものである。この場合、カンチレバーに
は、レーザをより高率に反射させるために、金属薄膜か
らなるレーザ反射膜を配置させるのが好ましい。上記の
ように、試料表面の凹凸の形状と試料の温度分布を同時
にかつ独立に観察すると観察領域を一致させるための作
業に時間が掛かるという欠点も無く、実際に観察してい
る領域が完全に同一であるため、試料表面の凹凸像と温
度分布像との対応づけ及び解析に手間が掛からない。
【0019】以上、本発明の走査型温度分布計測装置を
AFMと比較して説明した。しかし、本発明の装置は、
AFMへの適用に限られるものではない。例えば、ST
M等のように、カンチレバーにて計測可能である装置な
らば、適用可能である。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。しかし、本発明はこれに限るものではない。 (第1実施例)図1は、本発明の第1実施例による微小
熱電対付きカンチレバーを示す概略斜視図である。シリ
コン酸化膜からなる可撓性プレート2の一端は、シリコ
ン基板である支持体1に固定されている。可撓性プレー
ト2の先端部6は、試料表面の凹凸を計測する場合には
凹凸形状計測用の計測部となる。可撓性プレート2の一
方の面には、第1の金属4として白金、第2の金属5と
して白金ロジウムが配置される。第1の金属と第2の金
属は、これに限られるものではなく、金、白金、二クロ
ム、クロメル、アルメル、白金ロジウム、ニッケル等、
熱電対を成しうる金属ならなんでも構わない。また、第
1及び第2の金属は、10μmの配線状にパターニング
されており、それぞれの端子4a、5aに延在される。
【0021】第1の金属4と第2の金属5は、可撓性プ
レート2の先端部6から8μmの位置にて接合され熱電
対7を形成している。可撓性プレート2には、アルミニ
ウムからなるレーザ反射膜3が配置される。これは、光
てこ法によって可撓性プレートの撓みを検出するために
配置される。もし、光てこ法に依らずにこの撓みを検出
するなら、あるいは、反射光が十分な強度を有するなら
必要ない。
【0022】図2は、図1のA−A’部における断面図
である。第1の金属4と第2の金属5が可撓性プレート
2にて接合され、熱電対7を形成している。次に、図3
の工程断面図を引用し第1実施例による微小熱電対付き
カンチレバーの製造方法を説明する。なお、図3の断面
は、図1におけるB−B’に相当する。厚さが250μ
m、面方位が(100)のP型シリコン基板11に熱酸
化法に従い、膜厚が700nmのシリコン酸化膜12を
形成した。シリコン酸化膜12は、基板11の両面に形
成された。次いで、周知のフォトリソエッチング法に従
い、シリコン酸化膜12をパターニングした。このシリ
コン酸化膜12は、後述するシリコンエッチングのマス
クとしても使用する。従って、このパターニングは、シ
リコンエッチングにて、可撓性プレート、支持体の形状
が図1のようになるように行うのが肝要である。この状
態を示したのが図3(a)である。
【0023】次に、図3(b)に示すように白金4、白
金ロジウム5を順次リフトオフ法に従ってパターニング
した。熱電対を形成した。白金4と白金ロジウム5は、
一部が重なる(接合する)ようにパターニングされた。
重なったところ(接合部)が熱電対7となる。次に、ア
ルミニウムによるレーザ反射膜をリフトオフ法により形
成した。次にシリコン基板11を25wt%の濃度で8
0℃に加熱されたテトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイド(TMAH)水溶液に浸漬し、シリコンエッチ
ングを施した。TMAH水溶液は、シリコン酸化膜、シ
リコン窒化膜、及び上記に記載された金属を溶解させず
に、シリコンのみを溶解させる。このため、シリコン酸
化膜12がマスクとして作用し、不要なシリコンだけが
溶解し、所謂片持ち梁状態の微小熱電対付きカンチレバ
ーが形成された〔図3(c)〕。
【0024】本実施例にて製造された微小熱電対付きカ
ンチレバーを溶液中にて加熱されたアルミナ基板上の酸
化タンタルの凹凸形状計測と、温度分布測定に使用した
ところ、これらの計測、測定が同時に行えた。また、温
度分布測定は、これまでのSTPと比較して、正確なも
のであった。ところで、カンチレバーの先端部は、試料
表面の凹凸の形状を高分解能で観察する場合には鋭いこ
とが好ましい。
【0025】また、第1の金属と第2の金属は、温度測
定を行う試料の温度に合わせて任意に選ぶことができ
る。 (第2実施例)図4は、本発明の第2実施例による微小
熱電対付きカンチレバーを示す概略斜視図である。シリ
コン窒化膜からなる可撓性プレート2の一端は、シリコ
ン基板である支持体1に固定されている。可撓性プレー
ト2の先端部6は、試料表面の凹凸を計測する場合には
凹凸形状計測用の計測部となる。可撓性プレート2に
は、接合穴8が設けられている。この接合穴8は、熱電
対の位置を定めるもので、可撓性プレート2の先端部6
から10μmの位置に配置される。
【0026】可撓性プレート2の一方の面には、第1の
金属4としてクロメルが配置される。可撓性プレート2
の他方の面には、第2の金属5としてアルメルが配置さ
れる。そして、第1の金属と第2の金属は、接合穴8に
て接合される。このように接合穴8にて接合させれば、
可撓性プレート2の両面にそれそれ熱電対用の金属を形
成できるばかりでなく、アライメント誤差による接合部
のズレや大きさのばらつきを小さくすることが可能とな
る。
【0027】第1の金属4は、可撓性プレート2の一方
の面に10μmの配線状にパターニングされており、端
子4aまで延在される。第2の金属5は、可撓性プレー
ト2の他方の面、支持部側面、支持部底面にパターニン
グされることなく全面配置される。可撓性プレート2に
は、アルミニウムからなるレーザ反射膜3が配置され
る。これは、光てこ法によって可撓性プレートの撓みを
検出するために配置される。もし、光てこ法に依らずに
この撓みを検出するなら、あるいは、反射光が十分な強
度を有するなら必要ない。
【0028】図5は、図4のC−C’部における断面図
である。第1の金属4と第2の金属5が可撓性プレート
8の接合穴9にて接合され、熱電対7を形成している。
次に、図6の工程断面図を引用し第2実施例による微小
熱電対付きカンチレバーの製造方法を説明する。なお、
図6の断面は、図4におけるD−D’に相当する。厚さ
が250μm、面方位が(100)のP型シリコン基板
21に低圧気相成長法によりジクロルシランとアンモニ
アガスを原料して、膜厚が700nmのシリコン窒化膜
22をを形成した。シリコン窒化膜22は、基板21の
両面に形成された。次いで、周知のフォトリソエッチン
グ法に従い、シリコン窒化膜22をパターニングした。
このパターニングは、後に接合穴8となる開口部28を
有する。大きさは、5μm×5μmとした。また、この
シリコン窒化膜22は、後述するシリコンエッチングの
マスクとしても使用する。従って、このパターニング
は、シリコンエッチングにて、可撓性プレート、支持体
の形状が図4のようになることも肝要である。この状態
を示したのが図6(a)である。
【0029】次に、図6(b)に示すように第1の金属
24として、クロメルをシリコン基板21の一方の面に
リフトオフ法によりパターニングした。このとき、クロ
メルがシリコン窒化膜22の開口部28を覆うようにパ
ターニングする。次に、アルミニウムによるレーザ反射
膜をリフトオフ法により形成した。次にシリコン基板2
1を25wt%の濃度で80℃に加熱されたテトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液
に浸漬し、シリコンエッチングを施した。これにより、
シリコン窒化膜22がマスクとして作用し、不要なシリ
コンだけが溶解した。これにより、シリコン窒化膜28
による可撓性プレート2と、シリコン基板21による支
持部1が形成された。
【0030】次に、第2の金属5として、アルメルを第
1の金属4が形成されている面とは逆の面に形成した。
第2の金属5は、パターニングしなくても構わない。こ
れにより、第1の金属4と第2の金属5は、開口部28
にて接合され、熱電対が形成された。なお、開口穴28
は、第1の金属及び第2の金属で塞がれ、接合穴9とな
っている〔図6(c)〕。
【0031】以上により、製造された微小熱電対付きカ
ンチレバーを溶液中にて加熱されたアルミナ基板上の酸
化タンタルの凹凸形状計測と、温度分布測定に使用した
ところ、これらの計測、測定が同時に行えた。また、温
度分布測定は、これまでのSTPと比較して、正確なも
のであった。 (第3実施例)図7は、本発明の第3実施例による微小
熱電対付きカンチレバーを示す概略斜視図である。第3
実施例によるカンチレバーは、支持体1と、支持体1に
一端が支持されている可撓性プレート2と、熱電対が設
けられている探針9と金属配線4と端子4aとを有す
る。
【0032】次に、図8の工程断面図を引用し第3実施
例による微小熱電対付きカンチレバーの製造方法を説明
する。なお、図3の断面は、図7におけるE−E’に相
当する。厚さが250μm、面方位が(100)のN型
シリコン基板31に低圧気相成長法によりジクロルシラ
ンとアンモニアガスを原料としてシリコン窒化膜32を
700nm成膜した。さらに、該基板31上のシリコン
窒化膜32をフォトリソグラフィ法及びドライエッチン
グ法により部分的に除去した。除去した形状は一辺が約
5μmから10μmの四角形状とした。これらのパター
ン形状、大きさは任意に設定する事が可能である。
【0033】次に、シリコン基板31を水酸化カリウム
(KOH)水溶液に浸漬し、これをエッチングした。こ
れにより、シリコン窒化膜32がマスクとして作用し、
露出したシリコン部分が四角錘状にエッチングされて凹
溝30が形成された〔図8(a)〕。次に、基板ごと電
気炉に設置し、露出したシリコン溝部分にシリコン酸化
膜39を成長させた。一般に、シリコン酸化膜の成長速
度は平坦な部分では速く、角の部分では遅いという性質
を有しているので、該凹溝30に成長したシリコン酸化
膜の断面形状は図8(b)のようになり、底部の厚みが
極端に薄くなる。
【0034】次に、図8(c)に示すように第1の金属
4として、クロメルをシリコン基板31の一方の面にリ
フトオフ法によりパターニングした。このとき、クロメ
ルが凹溝30を覆うようにパターニングした。次に、シ
リコン基板31の裏面に形成されたシリコン窒化膜32
をカンチレバー形状にパターニングした。次にシリコン
基板31を20wt%の濃度で80℃に加熱されたテト
ラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)
水溶液に浸漬し、シリコンエッチングを施した。即ち、
シリコン窒化膜32がマスクとして作用し、不要なシリ
コンだけが溶解した。これにより、シリコン窒化膜32
による可撓性プレートと、シリコン基板31による支持
部が形成された。
【0035】次に、基板全体を40wt%の濃度で85
度に加熱された水酸化カリウム水溶液に約30分浸漬さ
れ、凹溝部のシリコン酸化膜39全体をごく僅かにエッ
チング除去し、シリコン酸化膜39の厚みの一番薄い探
針頂点部に第1の金属4を僅かに露出させた〔図8
(c)〕。その後、第2の金属5を第1の金属が形成さ
れている面とは逆の面に成膜し、可撓性プレート2を支
持する支持体1と、支持体1から突出した可撓性プレー
ト2と、可撓性プレート先端領域部に、頂点部に熱電対
を設けた探針9とからなる微小熱電対付きカンチレバー
が完成した〔図8(d)〕。
【0036】ところで、一般に知られているように、熱
電対における温度検出は、熱電対の接合部(2つの伝導
体の接合されている部分)で行われる。従って、試料の
温度分布をより正確に検出するためには、第1実施例に
よるカンチレバーの熱電対に用いる2つの伝導体におい
て、図2のカンチレバーの下側に形成される伝導体(金
属膜14)は、膜厚が薄く、熱伝導率の高いものが好ま
しい。
【0037】また、探針の先端部は、試料の温度分布及
び試料表面の凹凸の形状を高分解能で観察する場合には
鋭いことが好ましい。また、2種類の伝導体である金属
膜13、14に用いる金属の材料は、温度測定を行う試
料の温度に合わせて任意に選ぶことができる。 (第4実施例)図9は、本発明の第4実施例による走査
型温度分布計測装置(STP)を示す概略構成図であ
る。
【0038】第4実施例によるSTPで用いるカンチレ
バーは、第3実施例で製造した微小熱電対付きカンチレ
バーを使用した。しかし、第1実施例または第2実施例
で説明した微小熱電対付きカンチレバー(以下、単にカ
ンチレバーと言う)を使用しても構わない。尚、本装置
は、コンタクトモードの装置である。第4実施例による
STPは、実施例3で説明した持する支持体と該支持体
から突出した可撓性プレートと該可撓性プレート先端領
域部に設けた探針と探針の頂点部に設けられた熱電対と
を有するカンチレバー41と、該カンチレバーを固定す
るカンチレバーホルダー42と、カンチレバー41をカ
ンチレバーホルダー42と共に移動させるためのカンチ
レバー移動手段43と、試料44を粗移動(試料を大ま
かに動かす)させる試料粗移動手段45と、試料44を
微移動(試料を微小に移動させる)試料微移動手段46
と、カンチレバー41の可撓性プレートの撓みを検出す
るための撓み検出手段47と、カンチレバー移動手段4
3に電気信号を入力するカンチレバー移動電源48と、
カンチレバー41に設けられた熱電対によって発生する
熱起電力を検出するための熱起電力検出装置49と、微
移動検出手段46及び粗移動手段45に電気信号を入力
する試料移動電源50と、撓み測定手段47の情報を基
に試料移動電源50、カンチレバー移動電源48を制御
し、熱起電力検出手段の信号、撓み測定手段47、試料
移動電源50及びカンチレバー移動電源48の状態から
試料44の表面の凹凸の形状と温度分布を画像信号とす
るためのコンピュータ51と、コンピュータ51からの
画像信号を基に画像を出力するCRT52とを有する。
試料微移動手段は測定する試料の試料台も兼ねている。
【0039】尚、具体的には、カンチレバー移動手段4
3はステッピングモータ又はピエゾ素子であり、試料粗
移動手段45はステッピングモーターであり、試料微移
動手段46はピエゾ素子からなるチューブスキャナと呼
ばれるものであり、XYZ方向に移動可能なものであ
り、撓み検出手段47はカンチレバー41にレーザ光を
照射するためのレーザ光源と前記カンチレバー41で反
射されたレーザ光を検出するための2分割フォトディテ
クタと(光てこ法)で構成されている。
【0040】次に、この装置の動作について説明する。
まず、カンチレバー移動手段43を用いてカンチレバー
の位置調整を行う。この位置調整とは、撓み検出手段4
7を構成するレーザ光源からのレーザ光をカンチレバー
41の所定の位置に照射し、カンチレバー41で反射し
た前記レーザ光を2分割フォトディテクタの所定の位置
に入射するように、カンチレバー41の位置を調整する
ことを言う。なお、光てこ法にて撓みを検出する場合、
カンチレバーにはレーザ反射膜が配置されているのが好
ましい。
【0041】次に、試料微移動手段46の上に試料を配
置し、その後、カンチレバー41を大まかに試料に近づ
けるために、試料粗移動手段45により試料を移動させ
る。次に、試料移動電源50で発生した電気信号により
試料粗移動手段45及び試料微移動手段46を駆動し、
カンチレバー41の先端に配置されている探針53と試
料44が接触するまで試料44をZ軸方向(試料表面に
対して略垂直な方向であり、紙面の上方向)に移動し
た。この時、カンチレバー41の探針53と試料44と
の接触は、カンチレバー41の撓みを上記した撓み測定
手段47により計測した。試料44と探針53との接触
が達成されたのちに、撓み測定手段47で計測したカン
チレバーの撓みを一定に保つように試料微移動手段46
を駆動させて試料44をZ軸方向(試料表面に対して略
垂直な方向)に上下させながら、試料をX,Y方向にそ
れぞれ約100μm走査した。又、この時の位置(即ち
X,Y座標)に対する、Z軸方向の位置即ち試料のZ軸
方向の高さと、熱起電力検出手段49により検出した試
料温度をコンピュータ51に記憶させ、コンピュータ5
1からの画像信号を基に試料44の表面の凹凸形状と試
料44の温度分布の像をCRT52に出力させた。第2
実施例では、試料の高さを検出するために、試料微移動
手段46をZ軸方向に動かすための試料移動電源50か
らの電気信号をモニターしたが、この試料の高さを検出
する方法としては、AFM等に用いられている各種の方
法を用いることができることは言うまでもない。
【0042】尚、第4実施例では、試料44の温度分布
を測定すると同時に試料44表面の凹凸の形状も測定す
ることが可能なSTPについて説明したが、STPとし
ては試料44の温度分布のみを測定しても良く、第2実
施例における撓み検出手段47は設けなくても良い。こ
の場合は、カンチレバー41がバネ体であることを利用
して、カンチレバー41の探針が試料44表面から離れ
ないように強く押圧しておくことが好ましい。また、こ
のような場合は、カンチレバー41の代わりに別のバネ
体を用いて、このバネ体の先端に熱電対を有する探針を
設けても良い。
【0043】尚、熱電対は2種類の伝導体がゼーベック
効果によって熱起電力が発生し、この熱起電力が2種類
の伝導体で異なることを利用して温度を検出するもので
あるが、それぞれの伝導体は温度検出する側の伝導体の
観察接点と、ある基準温度に設定されている基準接点と
の間の温度差によって熱起電力が発生するものである。
従って、基準接点側を一定温度に保つ必要があるが、現
在は、この基準温度を補償するための補正装置が市販さ
れているため、図8に示すように2種類の伝導体からな
る熱電対のそれぞれの伝導体を前記補正装置を含む熱起
電力検出手段に電気的に接続すれば問題ない。 (第5実施例)本実施例は、ノンコンタクトモードの装
置である。第4実施例で説明したSTPに、振動手段と
振動周波数検出手段を設け、撓み検出手段を削除したも
のである(装置を図示せず)。
【0044】第5実施例による装置は、カンチレバーの
可撓性プレートの部分にピエゾ素子が設けられており、
このピエゾ素子に交流電圧を印加することによってカン
チレバーが振動するようになっている。このとき、ピエ
ゾ素子に印加する交流電圧の周波数は、カンチレバーの
振動周波数がカンチレバーの固有周波数と僅かに異なる
周波数となるようにしておく。また、このときのカンチ
レバーの振動周波数を検出するための振動周波数検出手
段を設けておく。振動周波数検出手段は、具体的にはカ
ンチレバー上に形成されたピエゾ抵抗等で構成すること
ができ、このピエゾ抵抗の抵抗変化から振動周波数を検
出することができる。
【0045】そして、この振動周波数は試料の表面と探
針との距離に応じて変化するため、カンチレバーの振動
周波数が一定になるように、試料とカンチレバーとの距
離を相対的に上下方向に移動させる。このようにする
と、試料とカンチレバーの振動の中心との距離は一定で
あるため、試料の温度分布のみを独立に検出することが
できるのである。また、第3実施例による装置もカンチ
レバーの振動の中心と試料との距離を一定にさせるため
に、カンチレバーまたは試料を移動させるため、第2実
施例と同様にして試料表面の凹凸の形状も同時に観察す
ることができることは言うまでも無い。また、第3実施
例では撓み測定手段は不要である。
【0046】他の構成は第4実施例と同様である。第5
実施例によるSTPでは、カンチレバーを振動させるた
め、探針に形成されている熱電対で検出する温度の信号
も変調されている。従って、試料の温度を検出するため
にはこの変調周波数と同期させて検出する。このとき、
温度の信号が変調されているため、温度の信号のDCド
リフト等を防ぐことができ、制度の良い温度検出を行う
ことができる。 (第6実施例)図10は、本発明の第6実施例による走
査型温度分布計測装置(STP)を示す概略構成図であ
る。尚、本装置は、ノンコンタクトモードの装置であ
る。
【0047】第4実施例によるSTPは、第3実施例で
製造した微小熱電対付きカンチレバーを使用する。しか
し、第1実施例または第2実施例で説明した微小熱電対
付きカンチレバー(以下、単にカンチレバーと言う)を
使用しても構わない。このカンチレバーは、圧電素子4
3が一体化されているカンチレバーホルダー42に固定
される。
【0048】圧電素子43は、振動手段であり、交流電
圧を印加させることにより、カンチレバー41をある所
望の周波数にて振動させる。ただし、この周波数は、カ
ンチレバーの材質、寸法等により決定されるのが好まし
い。ここでは、周波数を50KHzに設定した。カンチ
レバーホルダー42は、カンチレバー移動手段43に固
定される。さらにカンチレバー移動手段43は、電源4
8より電力を供給される。即ち、カンチレバー移動手段
43とその電源48により平行移動手段が形成される。
この平行移動手段により、カンチレバーは、試料44に
対して相対的に平行移動されることが可能となる。
【0049】試料44は、試料粗移動手段45、試料微
移動手段46及びその電源50からなる垂直移動手段に
固定される。また、カンチレバーの撓みは、光てこ法に
よる撓み測定手段47にて測定される。なお、撓み測定
手段47は、カンチレバーの振動周波数を検出すること
も可能である。カンチレバーの探針53と試料表面との
間隔は、撓み測定手段47の測定結果を垂直移動手段に
フィードバックさせることにより、一定に固定すること
が可能となる。なお、撓み測定手段は、光てこ法を利用
したものの他、トンネル電流や静電容量を利用したもの
を使用しても構わない。
【0050】カンチレバー41の探針部53は熱電対を
有し、熱起電力検出手段に接続される。このため、探針
部の温度が計測可能となる。次に、この装置の動作につ
いて説明する。まず、カンチレバー移動手段43を用い
てカンチレバーの位置調整を行う。この位置調整とは、
撓み検出手段47を構成するレーザ光源からのレーザ光
をカンチレバー41の所定の位置に照射し、カンチレバ
ー41で反射した前記レーザ光を2分割フォトディテク
タの所定の位置に入射するように、カンチレバー41の
位置を調整することを言う。なお、光てこ法にて撓みを
検出する場合、カンチレバーにはレーザ反射膜が配置さ
れているのが好ましい。
【0051】次に、試料微移動手段46の上に試料を配
置し、その後、カンチレバー41を大まかに試料に近づ
けるために、試料粗移動手段45により試料を移動させ
る。次に、垂直移動手段45、46により、カンチレバ
ー41の先端に配置されている探針53と試料44が接
触するまで試料44をZ軸方向(試料表面に対して略垂
直な方向であり、紙面の上方向)に移動した。この時、
カンチレバー41の探針53と試料44との接触は、カ
ンチレバー41の撓みを上記した撓み測定手段47によ
り計測した。
【0052】次に、垂直移動手段により試料44とカン
チレバーの探針部53との間隔を10nmにした。次
に、振動手段によりカンチレバー41を50KHzにて
振動させた。ここで、試料44がさらに近づくと、カン
チレバー41は、試料44より引力を受けるため、共振
点がシフトした。例えば、振動周波数が49.5KHz
となる。
【0053】この共振点のシフト量を一定に保ように垂
直移動手段によりカンチレバーと試料の間隔を一定に保
ちながら、カンチレバー移動手段(平行移動手段)43
によりカンチレバー41をX−Y方向(平行方向)に走
査した。このとき、垂直移動手段に印加した電圧値によ
り、試料の凹凸値が位置(x、y)対して得られる。従
って、本実施例では、振動周波数検出手段(撓み測定手
段)47、垂直移動手段45、46、試料移動電源5
0、及び、コンピュータ51とにより、カンチレバーと
試料との略垂直な方向の移動量を検出する手段が構成さ
れている。
【0054】また、該走査時のカンチレバーが出力する
熱起電力は、熱起電力検出手段により計測され、試料の
温度値が位置(x、y)に対して同時に得られた。以上
制御は、コンピュータ51により実施され、得られた
測定結果を記憶或いはCRT52に出力することが可能
である。また、前述のカンチレバー41、試料44、試
料粗移動手段45、試料微移動手段46、カンチレバー
ホルダー42、カンチレバー移動手段43、撓み測定手
段47は、大気雰囲気中に設置して使用することも可能
であるが、これらを密閉容器54内に設置し、大気雰囲
気以外の環境、即ち真空雰囲気、または、窒素ガス等の
任意の気体雰囲気中で用いることも可能である。
【0055】
【発明の効果】以上の通り、本発明では、試料の温度分
布を正確に観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による微小熱電対付きカン
チレバーを示す概略斜視図である。
【図2】図1のA−A’部における断面図である。
【図3】本発明の第1実施例による微小熱電対付きカン
チレバーの製造方法を示す工程断面図である。
【図4】本発明の第2実施例による微小熱電対付きカン
チレバーを示す概略斜視図である。
【図5】図4のC−C’部における断面図である。
【図6】本発明の第2実施例による微小熱電対付きカン
チレバーの製造方法を示す工程断面図である。
【図7】本発明の第3実施例による微小熱電対付きカン
チレバーを示す概略断面図である。
【図8】本発明の第3実施例による微小熱電対付きカン
チレバーの製造方法を示す工程断面図である。
【図9】本発明の第4実施例によるSTPを示す概略構
成図である。
【図10】本発明の第6実施例によるSTPを示す概略
構成図である。
【図11】従来のSTPを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・支持体 2・・・可撓性プレート 3・・・レーザ反射膜 4・・・第1の金属 4a、5a・・端子 5・・・第2の金属 6・・・可撓性プレート先端部 7・・・熱電対 8・・・接合穴 9・・・探針 11、21、31・・・シリコン基板 12、39・・・シリコン酸化膜 22、32・・・シリコン窒化膜 28・・・開口穴 30・・・凹溝 41・・・カンチレバー 42・・・カンチレバーホルダー 43・・・カンチレバー移動手段 44・・・試料 45・・・試料粗移動手段 46・・・試料微移動手段 47・・・撓み検出手段 48・・・カンチレバー移動電源 49・・・熱起電力検出手段 50・・・垂直移動電源 51・・・コンピュータ 52・・・CRT 53・・・探針 54・・・密閉容器 100・・・探針 101・・・第1伝導体 102・・・絶縁膜 103・・・第2伝導体 104・・・熱電対接合部 105・・・ピエゾ素子 106・・・試料 以上

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、該支持体に一端が支持された
    可撓性プレートと、からなるカンチレバーにおいて、 前記可撓性プレートには熱電対が配置されたことを特徴
    とする微小熱電対付きカンチレバー。
  2. 【請求項2】 前記熱電対は、前記可撓性プレートの一
    方の面に設けられた第1の金属の一部及び第2の金属の
    一部を接合させて配置されたことを特徴とする請求項1
    記載の微小熱電対付きカンチレバー。
  3. 【請求項3】 前記可撓性プレートには接合穴が設けら
    れ、前記熱電対は、前記可撓性プレートの一方の面に配
    置された第1の金属と、前記可撓性プレートの他方の面
    に配置された第2の金属が前記接合穴を介して接合され
    て配置されることを特徴とする請求項1記載の微小熱電
    対付きカンチレバー。
  4. 【請求項4】 前記熱電対は、前記可撓性プレートの先
    端部から10μm以内に配置されていることを特徴とす
    る請求項1から請求項3のいずれかに記載の微小熱電対
    付きカンチレバー。
  5. 【請求項5】 支持体と、該支持体に一端が支持されて
    いる可撓性プレートと、該可撓性プレートの他端近傍に
    設けられた計測部である探針と、からなるカンチレバー
    において、 前記探針に熱電対を設けたことを特徴とする微小熱電対
    付きカンチレバー。
  6. 【請求項6】 前記可撓性プレートには、金属薄膜から
    なるレーザ反射膜が配置されていることを特徴とする請
    求項1から請求項5のいずれかに記載の微小熱電対付き
    カンチレバー。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれかに記載
    された微小熱電対付きカンチレバーと、 前記計測部を試料表面に接触させながら前記計測部と前
    記試料とを相対的かつ前記試料表面と略平行に移動させ
    る平行移動手段と、 前記熱電対で発生する熱起電力を検出する熱起電力検出
    手段と、 からなることを特徴とする走査型温度分布計測装置。
  8. 【請求項8】 前記微小熱電対付きカンチレバーの撓み
    を検出する撓み検出手段と、 前記撓み検出手段からの信号に基づいて前記微小熱電対
    付きカンチレバーの撓みが一定になるように前記微小熱
    電対付きカンチレバーと前記試料とを相対的かつ前記試
    料表面に対して略垂直に移動させる垂直移動手段と、 前記垂直移動手段によって変化する前記熱電対付きカン
    チレバーと前記試料との前記試料表面に対して略垂直な
    方向の移動量を検出するための手段と、 を設けたことを特徴とする請求項7に記載の走査型温度
    分布計測装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項6のいずれかに記載
    の微小熱電対付きカンチレバーと、 前記微小熱電対付きカンチレバーを振動させるための振
    動手段と、 前記熱電対の熱起電力を検出する熱起電力検出手段と、 前記微小熱電対カンチレバーの振動周波数を検出するた
    めの振動周波数検出手段と、 前記振動周波数検出手段で検出された振動周波数が一定
    になるように前記微小熱電対付きカンチレバーと前記試
    料とを相対的かつ前記試料表面に対して略垂直に移動さ
    せる垂直移動手段と、 前記試料と前記微小熱電対付きカンチレバーとを相対的
    かつ前記試料表面と略平行に移動させる平行移動手段
    と、 からなることを特徴とする走査型温度分布計測装置。
  10. 【請求項10】 前記垂直移動手段によって変化する前
    記微小熱電対付きカンチレバーと前記試料との前記試料
    表面に対して略垂直な方向の移動量を検出するための手
    段を設けたことを特徴とする請求項9に記載の走査型温
    度分布計測装置。
  11. 【請求項11】 前記熱起電力検出手段からの信号を基
    に前記試料の温度分布像を形成するための画像信号を出
    力する手段を設けたことを特徴とする請求項7から請求
    項10のいずれかに記載の走査型温度分布計測装置。
JP7198737A 1994-08-12 1995-08-03 微小熱電対付きカンチレバー及び走査型温度分布 計測装置 Pending JPH08105801A (ja)

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