JP2009047477A - 顕微鏡用プローブ及び走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

顕微鏡用プローブ及び走査型プローブ顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】 試料表面の形状及び微小領域での複数の物性を同時測定することが可能である顕微鏡用プローブ及び走査型顕微鏡を提供する。
【解決手段】 カンチレバー22と、カンチレバー先端に設けられた探針部21と、カンチレバー上面に設けられ、カンチレバー先端部に第1の端部291を有する第1の金属構造体29と、カンチレバー上面に設けられ、カンチレバー先端部に第2の端部301を有する第2の金属構造体30と、第1及び第2の端部291,301が重なることで形成された温度測定素子と、探針部21及びその近傍に形成された導電層70と、カンチレバー上面に設けられ、導電層70に接続された第3の金属構造体80と、導電層70及び第3の金属構造体80からなる電気特性検出素子と、を備え、第1〜第3の金属構造体29,30,80が、カンチレバー基端部において中心軸A上に重なって形成された顕微鏡用プローブとした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、試料表面を観察する顕微鏡用プローブ及び走査型プローブ顕微鏡に関する。
現在、試料表面におけるナノメートルオーダの微小な領域を観察するための顕微鏡は、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)が使われている。このSPMの中でも、先端に探針部を設けたカンチレバーを走査プローブとして使用する、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)が、特に注目されている。この原子間力顕微鏡は、カンチレバーの探針部を試料表面に沿って走査し、試料表面と探針部との間に発生する原子間力(引力または斥力)をカンチレバーの撓み量として検出することにより、試料表面の形状測定が行われる。カンチレバーには、その撓み量の測定方法の違いから光てこ方式と自己検知方式がある。
このような走査型プローブ顕微鏡において、近年、試料表面の凹凸形状とともに試料表面の微小領域での正確な温度分布を測定する方法(例えば、特許文献1参照)、あるいは、試料表面の凹凸形状とともに試料表面の微小領域での表面電位を測定する方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特開平8−105801号公報 特開2000−65718号公報
しかし、上述の特許文献1のカンチレバーにおいては、カンチレバー先端に熱電対を形成することで試料表面の凹凸形状と温度分布を分離して観察することを可能としたものであり、特許文献2のSPMプローブにおいては、SPMプローブの探針部とその近傍に導電性を付与し、探針部から電極配線を形成して試料と探針部の間に電圧を印加することで、試料表面の凹凸形状と試料表面の表面電位とを測定する事を可能としたものであり、いずれの方法とも、ひとつのカンチレバーで測定できる特性は試料表面の凹凸形状以外に一種類であった。
そのため、例えば、試料の温度分布と表面電位の両特性を測定したい場合には、それぞれの特性に対応したカンチレバーを付け替えて測定しなければならない。つまり、カンチレバーを付け替える度に、試料の測定位置合わせを行わなければならないため、試料上の微小部位の測定を行う場合などは、正確に同じ位置の測定を行うといった事が困難であった。また、カンチレバーを付け替えて再度位置合わせを行うのに時間を要するため、試料特性が経時的に変化してしまう試料などの測定は不可能であった。
また、カンチレバーを複数備えたいわゆるマルチカンチレバーとして、カンチレバーを付け替える手間を省略する方法が考えられるが、マルチカンチレバーの場合は、例えば1本目のカンチレバーで測定を行った後、2本目のカンチレバーで測定を行う場合は、1本目のカンチレバーが試料面の別な部位に干渉してしまう課題があった。対策方法として、1本目のカンチレバーを試料面に干渉しないように逃がす方法が提案されているが、カンチレバーをそらすための構造を付与する必要がある。また、プローブ(もしくは試料)を測定部位に移動する必要があり、厳密に同じ位置の測定を行うことは困難であった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、試料表面の形状と、微小領域での複数の物性とを同時測定することが可能である顕微鏡用プローブ及び走査型顕微鏡を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の顕微鏡用プローブは、上面に絶縁層を有するカンチレバーと、前記カンチレバーの先端に設けられ、先鋭化された探針部と、前記カンチレバーの上面に設けられ、前記カンチレバーの先端部に第1の端部を有する第1の金属構造体と、前記カンチレバーの上面に設けられ、前記カンチレバーの先端部に第2の端部を有する第2の金属構造体と、前記第1の端部及び前記第2の端部が重なることで形成された温度測定素子と、前記探針部及びその近傍に形成された導電層と、前記カンチレバーの上面に設けられ、前記導電層に接続された第3の金属構造体と、前記導電層及び前記第3の金属構造体からなる電気特性検出素子と、を備え、前記第1の金属構造体と前記第2の金属構造体と前記第3の金属構造体とは、前記カンチレバーの基端部において該カンチレバーの中心軸上に重なって形成されている構成とした。
上記発明に係る顕微鏡用プローブによれば、第1の金属構造体の第1の端部と第2の金属構造体の第2の端部とが重なることで形成された温度測定素子と、探針部及びその近傍に形成された導電層と第3の金属構造体とからなる電気特性検出素子とにより、試料の表面形状を測定するとともに試料の温度特性及び電気特性を正確に測定することができる。また、第1〜第3の金属構造体がカンチレバーの基端部においてこのカンチレバーの中心軸上に重なって形成されているため、カンチレバーの基端部が中心軸に対して左右均等のバネ定数を有するようにでき、測定時のカンチレバー全体の撓みが均等になり、精度の高い観察が可能となる。
さらに、本発明の顕微鏡用プローブは、上記顕微鏡用プローブにおいて、カンチレバーの基端部に撓み易い応力集中部を有する構成とした。
この発明に係る顕微鏡用プローブによれば、カンチレバーの基端部に撓み易い応力集中部が設けられていることにより、さらに精度の高い観察が可能となる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、前述した顕微鏡用プローブと、探針部を試料の被測定面に接近させて試料表面を走査することにより試料表面形状に応じて変位する探針部の変位データを検出する変位検出手段と、探針部を試料表面に平行で互いに直交する二方向及び試料表面に垂直な方向に試料に対して相対的に移動させる移動手段と、温度測定素子に接続された温度特性検出手段と、第3の金属構造体に接続された電気特性検出手段とを備える構成とした。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡によれば、凹凸を表面に有する試料表面の微小領域の形状だけではなく、温度分布や熱特性と、電気特性検出素子と試料表面との間に流れる電流変化や試料表面の表面電位とを同時に感度良く測定することができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、探針部を任意の周波数で共振または強制振動させる加振手段を備え、変位検出手段は、探針部の振動状態を検出する構成とした。
この発明に係わる走査型プローブ顕微鏡によれば、DFM(Dynamic Force Mode)などのカンチレバーを振動させて試料の表面形状を測定する場合において、カンチレバーの共振周波数が高まり、試料との相互作用を感度良く測定することができる。
また、本発明のプローブは、変位検出手段が、カンチレバー内に設けられた変位検出部に接続されている構成とした。さらには、変位検出部はピエゾ抵抗素子であることとした。
この発明に係るプローブによれば、カンチレバーにレーザ光を反射させる反射面を設ける必要がないので、カンチレバーの形状に制限を受ける必要がなく、プローブの設計の自由度が向上し、製造し易い。また、レーザ光源等の大がかりな装置が不要なので、装置コスト及び装置スペースの削減を図ることができる。
本発明によれば、試料表面の微小領域の形状だけではなく、温度分布や熱特性と、電気特性検出素子と試料表面との間に流れる電流変化や試料表面の表面電位とを同時に精度良く測定することができる。
以下に本願発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1から図6は、この発明に係る実施形態を示している。図1に走査型プローブ顕微鏡のブロック図を示す。図2にプローブの斜視図、図3に平面図、図4には部分断面図を示す。また、図5には本実施形態の変形例の平面図、図6には本実施形態の変形例の部分断面図を示している。
図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡1は、試料100を支持する試料支持部9と、試料100を移動させる試料移動手段3と、試料移動手段3によって試料100の試料上面S上を相対的に走査される探針部21を有するプローブ20と、プローブ20の探針部21をカンチレバー22が共振または強制振動する周波数で振動させる加振手段500とを備えている。プローブ20は、探針部21が先端に突出して設けられるカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部を、該カンチレバー22の先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備えている。なお、図1では、カンチレバー22の上面が下向きとなるように図示されている。
試料移動手段3は、試料支持部9を支持し、試料上面Sに平行で互いに直交する2方向であるX、Y方向及び試料上面Sに垂直な方向であるZ方向に試料を移動させるものであり、試料移動手段3を駆動させる駆動装置4に接続されている。より詳しくは、試料移動手段3は、試料100をX、Y、Z方向に粗動移動させる粗動機構と、微小移動させるXYスキャナ及びZスキャナとで構成される。粗動機構に対応する駆動装置4としては、例えばステッピングモータなどである。また、XYスキャナ及びZスキャナに対応する駆動装置4としては、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等からなる圧電素子であり、電圧が印加されると電圧印加量及び極性等に応じて試料100をXYZ方向に微小移動させることが可能である。また、加振手段500は、プローブ20に接続され所定の周波数及び振幅で振動するようにプローブ20を加振するPZTからなる圧電素子であり、圧電素子に電圧を印加して圧電素子を振動させる加振電源5に接続されている。
さらに、図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡1は、加振手段500によって加振されたプローブ20の探針部21の振動状態を検出する変位検出手段60を備える。プローブ20の探針部21の変位を測定する手段として、カンチレバー22の基端部に備えられた、カンチレバーの撓みを検出するピエゾ抵抗素子(変位検出部)を採用し、このピエゾ抵抗素子に接続された変位検出手段60が検出した抵抗変化に基づいて探針部の変位を測定する。
また、図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡1は、プローブ20に接続され、探針部21近傍に設置された温度測定素子で発生する熱起電力を測定する温度特性検出手段8と、探針部21表面及びその近傍に形成された電気特性検出素子に接続され、試料上面Sとの間に流れる電流変化や試料上面Sの表面電位を計測する電気特性検出手段10とを備える。また、コンピュータ7が、前述の駆動装置4、加振電源5、変位検出手段60、温度特性検出手段8、及び電気特性検出手段10に接続されている。
以上の構成により、走査型プローブ顕微鏡1は、以下に示すように、試料100の表面形状、温度特性、及び電気特性を測定する。まず、コンピュータ7による制御のもとに加振電源5で加振手段500を振動させ、カンチレバー22は加振手段500から伝達される振動によって上下に振動する。この状態で、コンピュータ7による制御のもと、駆動装置4を駆動させ、試料100をX、Y方向に移動させて試料100の表面形状、温度特性、及び電気特性を測定する。
プローブ20の探針部21が走査された位置に凹凸があると、カンチレバー22が撓み、基端部に備えられたピエゾ抵抗素子に抵抗変化を生じる。ピエゾ抵抗素子に接続された変位検出手段60により検出した抵抗変化に基づいて探針部の変位を測定する。これを、駆動装置4によって試料100をX、Y方向に移動させて繰り返すことによって試料100の表面形状の測定を行う。
さらに、試料100の表面形状の測定と平行して、探針部21近傍に発生する熱起電力及び電気特性を測定する。これらの試料100の表面形状、温度特性、及び電気特性の測定結果は、試料100のX、Y方向の走査位置とともにコンピュータ7によって表示される。
次に、このような走査型プローブ顕微鏡1に搭載されるプローブ20の詳細の構成について説明する。
図2はプローブ20の要部を示す部分斜視図であるが、走査型プローブ顕微鏡1に搭載される向きとは上下逆となるように記載されている。
図2に示すように、プローブ20は、上面に絶縁層28を有するカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部を先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備えている。なお、カンチレバー22の上面に形成された絶縁層28は、本体部23にまで延在している。また、カンチレバー22の先端には、尖鋭化された探針部21がカンチレバー22の上面から突出して設けられている。
カンチレバー22の上面には、カンチレバー22の先端部に第1の端部291を位置させるとともに、そこからカンチレバー22の長手方向に沿って基端部まで延びる第1の金属構造体29が設けられている。同様に、カンチレバー22の上面には、カンチレバー22の先端部に第2の端部301を位置させるとともに、そこからカンチレバー22の長手方向に沿って基端部まで延びる第2の金属構造体30が設けられている。なお、第1及び第2の金属構造体29,30は、カンチレバー22の基端部を超えて本体部23の上面にまで延びており、上述した温度特性検出手段8に接続されている。第1の金属構造体29の第1の端部291と第2の金属構造体30の第2の端部301とは、カンチレバー22の先端部において探針部21よりもわずかに基端側で重なることにより、温度測定素子を構成している。
カンチレバー22の上面において探針部21及びその近傍には、導電層70が形成されている。また、カンチレバー22の上面には、導電層70に接続されるとともに、そこからカンチレバー22の長手方向に沿って基端部まで延びる第3の金属構造体80が設けられている。なお、第3の金属構造体80は、カンチレバー22の基端部を超えて本体部23の上面にまで延びており、上述した電気特性検出手段10に接続されている。導電層70と第3の金属構造体80とは、電気特性検出素子を構成している。
上述のように、カンチレバー22の上面には第1〜第3の金属構造体29,30,80が形成されているが、これら第1〜第3の金属構造体同士が重なる部分については、上述した温度測定素子を構成する部分を除いて、絶縁層90,91により電気的な絶縁が図られている。本実施形態では、カンチレバー22の上面に絶縁層28を介して第3の金属構造体80が形成され、この第3の金属構造体80上に絶縁層90を介して第1の金属構造体29が形成され、この第1の金属構造体29上に絶縁層91を介して第2の金属構造体30が形成されている。これにより、第3の金属構造体80と温度測定素子及び第1の金属構造体29とが重なる部分での絶縁が図られるとともに、温度測定素子を構成する部分を除いて第1の金属構造体29と第2の金属構造体とが重なる部分での絶縁が図られている。
カンチレバー22の基端部には、カンチレバーの撓みを検出するピエゾ抵抗素子40がその一部を本体部23に跨らせるようにして形成され、本体部23にはピエゾ抵抗素子40の抵抗変化を検出するためのピエゾ抵抗素子用電極配線41及び42が形成されている。ピエゾ抵抗素子40は、例えば、後述するSOI基板27におけるシリコン活性層24にボロンをイオンインプラントすることで形成されている。
プローブ20のカンチレバー22及び本体部23は、シリコン基板から形成され、特に、シリコンからなるシリコン活性層24及びシリコン支持層25と、シリコン活性層24及びシリコン支持層25の間に介装されたSiO2からなるBOX層26と、を貼り合わせたSOI基板27(Silicon on Insulator)から形成されている。詳細には、プローブ20のカンチレバー22は、SOI基板27におけるシリコン活性層24から形成され、プローブ20の本体部23は、SOI基板27におけるシリコン活性層24、BOX層26、及びシリコン支持層25から形成されている。
また、図3は本実施形態にかかわるプローブの全体平面図である。本平面図中に記載したAは、カンチレバー22の中心軸(カンチレバー22の幅方向中央を通ってカンチレバー22の長手方向に延びる軸線)を示す。また、図4は図3における切断線B−B´での部分断面図である。
図3及び図4に示すとおり、カンチレバー22及びピエゾ抵抗素子40の上面には絶縁層28が形成され、絶縁層28上において、第1の金属構造体29、第2の金属構造体30、及び第3の金属構造体80が、絶縁層90,91を介して層状に形成されている。
また、カンチレバー22の基端部においては、図4に示すように、第1の金属構造体29、第2の金属構造体30、及び第3の金属構造体80が、それぞれカンチレバー22の幅方向中央に位置しており、絶縁層90を介してカンチレバー22の中心軸A上で互いに重なって層状に形成されている。これにより、カンチレバー22の基端部が、中心軸Aを挟んだ左右両側について左右均等のバネ定数を有する構造となる。
なお、本実施形態では、図3に示すように、カンチレバー22の基端部で中心軸A上に位置する第1〜第3の金属構造体29,30,80のうち、第3の金属構造体80は、カンチレバー22の基端部から先端までに亘って中心軸A上に位置するように延びている一方で、第1及び第2の金属構造体29,30は、カンチレバー22の基端部から先端側へ向かうにしたがい、一旦中心軸Aから離れるように幅方向外側へ向かって互いに反対側へ延びてから、それぞれ中心軸Aと略平行にカンチレバー22の先端側へ延びて探針21よりもわずかに基端側に到達した後、中心軸Aに近づくように幅方向内側へ向かって延びて、第1の端部291及び第2の端部301を互いに重ならせている。
絶縁層28,90,91は、例えばSiO2からなるシリコン酸化膜である。また、第1の金属構造体29はクロム、第2の金属構造体30はニッケルからなる金属膜である。なお、第1の金属構造体及び第2の金属構造体29,30は、それぞれクロム、ニッケルに限ること無く、金、白金、白金ロジウム、ニクロム、クロメル、アルメルなど、熱電対を形成できる材料であれば良い。また、第3の金属構造体80及びピエゾ抵抗素子用電極配線41,42は、例えばアルミからなる金属膜で形成されている。導電層70は、例えば白金からなる金属膜で形成されている。なお、第3の金属構造体80、ピエゾ抵抗素子用電極配線41,42、及び導電層70は、それぞれアルミと白金に限ること無く、金属など導電性を有する材料であればよい。
この実施形態のプローブ20では、温度測定素子が探針部21近傍に形成されているため、試料の温度が温度測定素子にロスが少ない状態で伝わり、熱起電力を発生することから、図1に示す温度特性検出手段8によって試料100の温度特性を高精度に測定することができる。また、探針部21近傍に形成された導電層70及び第3の金属構造体80により構成された電気特性検出素子によって、電気的特性、例えば導電層70と試料100との間に流れる電流変化や試料100の表面電位を、高精度にかつ温度特性と同時に測定することが出来る。また、探針部21はその先端が先鋭化されているため、試料100がアスペクト比の高い凹凸を有する表面形状であったとしても、探針部21が凹凸に対して正確に追従し、凹凸の深さ、幅を高い精度で測定し、正確な観察像を得ることができる。さらに、凹凸の深い部分の温度特性及び電気特性の測定も追従性良く高精度に行うことが可能となる。
また、カンチレバー22の基端部において第1〜第3の金属構造体29,30,80がカンチレバー22の中心軸A上に重なって形成されており、カンチレバー22の基端部が左右均等のバネ定数を有しているため、測定時のカンチレバー22全体の撓みが均等になり、精度の高い観察が可能となっている。
なお、本実施形態においては、探針部の断面形状を円形としたが、これに限られることはなく、四角形や半円形などいずれの形状でも良い。
ここで、本実施形態の顕微鏡用プローブの変形例について図5及び図6を参照して説明する。図5は、本発明の実施形態に係るプローブの変形例を示す全体平面図である。図6は、図5における切断線D−D´での部分断面図である。ここで、Cはカンチレバー22の中心軸(カンチレバー22の幅方向中央を通ってカンチレバー22の長手方向に延びる軸線)である。
図5及び図6に示すように、カンチレバー22の基端部に、中心軸Cを挟んで左右両側にそれぞれカンチレバー22の長手方向に延びるスリット24Sが形成されている構造とすることにより、カンチレバー22の基端部が撓み易い応力集中部となり、更に精度の高い測定を可能とする。
本発明の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るプローブの要部を示す部分斜視図である。 本発明の実施形態に係るプローブの全体を示す平面図である。 本発明の実施形態に係るプローブの要部を示す部分断面図である。 本発明の実施形態に係るプローブの変形例を示す全体平面図である。 本発明の実施形態に係るプローブの変形例の要部を示す部分断面図である。
符号の説明
1 走査型プローブ顕微鏡
3 試料移動手段
4 駆動装置
5 加振電源
500 加振手段
60 変位検出手段
7 コンピュータ
8 温度特性検出手段
9 試料支持部
10 電気特性検出手段
20 プローブ
21 探針部
22 カンチレバー
23 本体部
24 シリコン活性層
24S スリット
25 シリコン支持層
26 BOX層
27 SOI基板(シリコン基板)
28、90、91 絶縁層
29 第1の金属構造体
291 第1の端部
30 第2の金属構造体
301 第2の端部
33 シリコン酸化膜
40 ピエゾ抵抗素子
41、42 ピエゾ抵抗素子用電極配線
70 導電層
80 第3の金属構造体
100 試料

Claims (6)

  1. 上面に絶縁層を有するカンチレバーと、
    前記カンチレバーの先端に設けられ、先鋭化された探針部と、
    前記カンチレバーの上面に設けられ、前記カンチレバーの先端部に第1の端部を有する第1の金属構造体と、
    前記カンチレバーの上面に設けられ、前記カンチレバーの先端部に第2の端部を有する第2の金属構造体と、
    前記第1の端部及び前記第2の端部が重なることで形成された温度測定素子と、
    前記探針部及びその近傍に形成された導電層と、
    前記カンチレバーの上面に設けられ、前記導電層に接続された第3の金属構造体と、
    前記導電層及び前記第3の金属構造体からなる電気特性検出素子と、
    を備え、
    前記第1の金属構造体と前記第2の金属構造体と前記第3の金属構造体とは、前記カンチレバーの基端部において該カンチレバーの中心軸上に重なって形成されていることを特徴とする顕微鏡用プローブ。
  2. 前記カンチレバーの基端部に撓み易い応力集中部を有していることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡用プローブ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の顕微鏡用プローブと、
    前記探針部を試料の被測定面に接近させて試料表面を走査することにより試料表面形状に応じて変位する前記探針部の変位データを検出する変位検出手段と、
    前記探針部を前記試料表面に平行で互いに直交する二方向及び前記試料表面に垂直な方向に前記試料に対して相対的に移動させる移動手段と、
    前記温度測定素子に接続された温度特性検出手段と、
    前記第3の金属構造体に接続された電気特性検出手段と、
    を備える走査型プローブ顕微鏡。
  4. 前記探針部を任意の周波数で共振または強制振動させる加振手段をさらに備え、
    前記変位検出手段は、前記探針部の振動状態を検出する請求項3に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  5. 前記変位検出手段が、前記カンチレバー内に設けられた変位検出部に接続されている請求項3または請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 前記変位検出部はピエゾ抵抗素子である請求項5に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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