JP4931708B2 - 顕微鏡用プローブ及び走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

顕微鏡用プローブ及び走査型プローブ顕微鏡 Download PDF

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Description

本発明は、試料表面を観察する顕微鏡用プローブ及び走査型プローブ顕微鏡に関する。
現在、試料表面におけるナノメートルオーダの微小な領域を観察するための顕微鏡は、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning ProbeMicroscope)が使われている。このSPMの中でも、先端部に探針を設けたカンチレバーを走査プローブとして使用する、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)が、特に注目されている。この原子間力顕微鏡は、カンチレバーの探針を試料表面に沿って走査し、試料表面と探針との間に発生する原子間力(引力または斥力)をカンチレバーの撓み量として検出することにより、試料表面の形状測定が行われる。カンチレバーには、その撓み量の測定方法の違いから光てこ式と自己検知型のものがある。このような走査型プローブ顕微鏡において、近年、試料表面の凹凸形状とともに試料表面の微小領域での正確な温度分布を測定する方法(例えば、特許文献1参照。)あるいは、試料表面の凹凸形状とともに試料表面の微小領域での表面電位を測定する方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
特開平8−105801号公報 特開2000−65718号公報
しかし、上述の特許文献1のカンチレバーにおいては、カンチレバー先端に熱電対を形成することで試料表面の凹凸形状と温度分布を分離して観察することを可能としたものであり、特許文献2のSPMプローブにおいてはSPMプローブの探針とその近傍に導電性を付与し、探針から電極配線を形成することで、試料表面の凹凸形状と、試料と探針の間に電圧を印加することで試料表面の表面電位とを測定する事を可能としたものであり、いずれの方法とも、ひとつのカンチレバーで測定できる特性は試料表面の凹凸形状以外に一種類であった。
そのため、例えば、試料の温度分布と表面電位の両特性を測定したい場合には、それぞれの特性に対応したカンチレバーを付けかえて測定しなければならない。つまり、カンチレバーを付替える度に、試料の測定位置合わせを行わなければならないため、試料上の微小部位の測定を行う場合などは、正確に同じ位置の測定を行うといった事が困難であった。また、カンチレバーを付替えて再度位置合わせを行うのに時間を要するため試料特性が経時的に変化してしまう試料などの測定は不可能であった。
また、カンチレバーを複数備えたいわゆるマルチカンチレバーとして、カンチレバーを付替える手間を省略する方法が考えられるが、マルチカンチレバーの場合は、例えば1本目のカンチレバーで測定を行った後、2本目のカンチレバーで測定を行う場合は、1本目のカンチレバーが試料面の別な部位に干渉してしまう課題があった。対策方法として、1本目のカンチレバーを試料面に干渉しないように逃がす方法が提案されているが、カンチレバーをそらすための構造を付与する必要がある。また、プローブ(もしくは試料)測定部位に移動する必要があり、厳密に同じ位置の測定を行うことは困難であった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、試料表面の形状、および微小領域での複数の物性を同時測定することが可能である顕微鏡用プローブ及び走査型顕微鏡を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の顕微鏡用プローブは、上面に絶縁層を有するカンチレバーと、前記カンチレバーの先端に設けられ、先鋭化された探針部と、前記カンチレバーの上面に設けられ、前記カンチレバーの先端部に第1の端部を有する第1の金属構造体と、前記カンチレバーの上面に設けられ、前記カンチレバーの先端部に第2の端部を有する第2の金属構造体と、前記第1の端部および前記第2の端部が重なることで形成された温度測定素子と、前記探針部およびその近傍に形成された導電層と、前記カンチレバーの上面に前記第1の金属構造体および前記第2の金属構造体から離間して設けられ、前記導電層に接続された第3の金属構造体と、前記導電層および前記第3の金属構造体からなる電気特性検出素子と、を有し、前記カンチレバーの基端部に撓み易い応力集中部を有し、該応力集中部は、前記カンチレバーの中心軸と直交する面について当該中心軸に対する左右それぞれの断面の形状が異なるように構成することで左右均等のバネ定数を有する構造を備える構成とした。
また、本発明の顕微鏡用プローブは、上面に絶縁層を有するカンチレバーと、前記カンチレバーの先端に設けられ、先鋭化された探針部と、前記カンチレバーの上面に設けられ、前記カンチレバーの先端部に第1の端部を有する第1の金属構造体と、前記カンチレバーの上面に設けられ、前記カンチレバーの先端部に第2の端部を有する第2の金属構造体と、前記第1の端部および前記第2の端部が重なることで形成された温度測定素子と、前記探針部およびその近傍に形成された導電層と、前記カンチレバーの上面に前記第1の金属構造体および前記第2の金属構造体から離間して設けられ、前記導電層に接続された第3の金属構造体と、前記導電層および前記第3の金属構造体からなる電気特性検出素子と、を有し、前記カンチレバーの基端部に撓み易い応力集中部を有し、該応力集中部は前記カンチレバーの中心軸に対して左右均等のバネ定数を有する構造であり、前記左右均等のバネ定数を有する構造は、前記第1の金属構造体に近接する状態に形成された、前記第2の金属構造体と同一の厚み、同一の幅、および同一の材料で形成された第4の金属構造体と、前記第2の金属構造体に近接する状態に形成された、前記第1の金属構造体と同一の厚み、同一の幅、および同一の材料で形成された第5の金属構造体と、を有する構成とした。
上記発明に係る顕微鏡用プローブによれば、第1の金属構造体の第1の端部と第2の金属構造体の第2の端部が重なることで形成された温度測定用素子と、探針およびその近傍に形成された導電層と第3の金属構造体からなる電気特性検出素子とにより、試料の表面形状を測定するとともに試料の温度特性および電気特性を正確に測定することができる。
この発明に係る顕微鏡用プローブによれば、カンチレバーの撓み易い応力集中部が、中心軸に対して左右均等のバネ定数を有する構成となっているため、測定時のカンチレバー全体のたわみが均等になり、精度の高い観察が可能となる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、前述した顕微鏡用プローブと、探針部を試料の被測定面に接近させて試料表面を走査することにより試料表面形状に応じて変位する探針の変位データを検出する変位検出手段と、探針部を試料の表面に対して相対的に平行で、互いに直交する二方向の走査及び試料の表面に垂直方向の移動を行う移動手段と、温度測定用素子の熱起電力を検出する温度特性検出手段と、電気特性検出素子と試料表面との間に流れる電流変化や、試料表面の表面電位を計測する電気特性検出手段を備える構成とした。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡によれば、凹凸を表面に有する試料表面微小領域の形状だけではなく、温度分布や熱特性と、電気特性検出素子と試料表面との間に流れる電流変化や、試料表面の表面電位とを同時に感度良く測定することができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、探針部を任意の周波数で共振または強制振動させる加振手段を備え、変位検出手段は、探針部の振動状態を検出する振動検出手段である構成とした。
この発明に係わる走査型プローブ顕微鏡によれば、DFM(Dynamic Force Mode)などのカンチレバーを振動させて試料の表面形状を測定する場合において、カンチレバーの共振周波数が高まり、試料との相互作用を感度良く測定することができる。
また、本発明のプローブは、変位検出手段をカンチレバー内に設ける。
また、さらには変位検出手段はピエゾ抵抗素子であることとした。
この発明にかかわるプローブによればカンチレバーにレーザ光を反射させる反射面を設ける必要がないので、カンチレバーの形状に制限を受ける必要がなく、プローブの設計の自由度が向上し、製造し易い。また、レーザ光源等の大がかりな装置が不要なので、装置コスト及び装置スペースの削減を図ることができる。
本発明によれば、試料表面の形状および微小領域での、試料表面の微小領域の形状だけではなく、温度分布、熱特性と、電気特性検出素子と試料表面との間に流れる電流変化や、試料表面の表面電位とを同時に精度よく測定することができる。
以下に本願発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1から図11は、この発明に係る第一実施形態を示している。図1に走査型プローブ顕微鏡のブロック図を示す。図2にプローブの斜視図、図3に平面図、図4に断面図を示す。図5から図9にはプローブの製造工程の工程図を示す。また、図10、図11には本第一実施形態の変形例を示している。
図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡1は、試料100を支持する試料支持部9と、試料100を移動させる試料移動手段3と、試料移動手段3によって試料100の試料上面S上を相対的に走査される探針部21を有するプローブ20と、プローブ20の探針部21をカンチレバー22が共振または強制振動する周波数で振動させる加振手段500とを備えている。プローブ20は、探針部21が先端部に突出して設けられるカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部を、該カンチレバー22の先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備えている。なお、図1では、カンチレバー22の上面が下向きとなるように図示されている。
試料移動手段3は、試料支持部9を支持し、試料上面Sに平行で互いに直交する2方向であるX、Y方向及び試料上面Sに垂直な方向であるZ方向に移動する試料移動手段3と、試料移動手段3を駆動させる駆動装置4とを備える。より詳しくは、試料移動手段3は、試料100をX、Y、Z方向に粗動移動させる粗動機構及び微小移動させるXYスキャナ、及びZスキャナとで構成される。粗動機構に対応する駆動装置4としては、例えばステッピングモータなどである。また、XYスキャナ及びZスキャナに対応する駆動装置4としては、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等からなる圧電素子であり、電圧が印加されると、電圧印加量及び極性等に応じて試料100をXYZ方向に微小移動させることが可能である。また、加振手段500は、プローブ20に接続され所定の周波数及び振幅で振動するようにプローブ20を加振するPZTからなる圧電素子と、圧電素子に電圧を印加して圧電素子を振動させる加振電源5とを備える。
さらに、図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡1は、加振手段500によって加振されたプローブ20の探針部21の振動状態を検出する変位検出手段6を備える。変位検出手段6は、探針部21の裏面に形成された反射面(例えば、金やアルミニウム等の金属材料をコーティングして形成:図示しない)にレーザ光を照射するレーザ光源と、レーザ光源の電源であるレーザ電源と、反射面で反射したレーザ光を検出するフォトダイオードとを備えている。フォトダイオードで検出されるレーザ光は、DIF信号として出力され、プリアンプで増幅され、交流−直流変換器によって直流変換され、コンピュータ7に送られる。コンピュータ7には、Z電圧フィードバック回路が備えられており、コンピュータ7に入力されたDIF信号に基づいて試料移動手段3のZスキャナに電圧を印加して試料100をZ方向に微小移動させる。
また、図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡1は、プローブ20に接続され、探針部21近傍に設置された温度測定用素子で発生する熱起電力を測定する温度特性検出手段8と、探針21表面およびその近傍に形成された電気特性検出素子に接続され、試料上面Sとの間に流れる電流変化や、試料上面Sの表面電位を計測する電気特性検出手段10とを備える。また、コンピュータ7は、前述のように駆動装置4、加振電源5、変位検出手段6、温度特性検出手段8、および電気特性検出手段10と接続されている。
以上の構成により、走査型プローブ顕微鏡1は、以下に示すように、試料100の表面形状及び温度特性、電気特性を測定する。まず、コンピュータ7による制御のもとに加振電源5で加振手段500を振動させるとともに、変位検出手段6からプローブ20のカンチレバー22の反射面にレーザ光を照射させる。カンチレバー22は加振手段500から伝達される振動によって上下に振動し、これによりカンチレバー22で反射され変位検出手段6のフォトダイオードで検出されるレーザ光は一定の振幅及び周波数の振動波形を形成する。この状態で、コンピュータ7による制御のもと、駆動装置4を駆動させて、試料100をX、Y方向に走査させて試料100の表面形状、温度特性および電気特性を測定する。
プローブ20の探針部21が走査された位置に凹凸があると、変位検出手段6のフォトダイオードで検出されるレーザ光の振動振幅が減衰される。この振動振幅は、DIF信号としてプリアンプで増幅され、交流−直流変換器によって直流変換され、コンピュータ7に入力される。コンピュータ7には前述のZ電圧フィードバック回路が備えられており、DIF信号化された振動振幅がしきい値を超えた場合、入力されたDIF信号に基づいて駆動装置4を駆動させ、振動振幅がしきい値内で一定となるように試料移動手段3をZ方向に移動し、調整する。これを駆動装置4によって試料100をX、Y方向に移動させて、繰り返すことによって試料100の表面形状の測定を行う。
さらに、試料100の表面形状の測定と平行して、探針部21近傍に発生する熱起電力、および電気特性を測定する。これらの試料100の表面形状、温度特性、および電気特性の測定結果は、試料100のX、Y方向の走査位置とともにコンピュータ7によって表示される。
次に、このような走査型プローブ顕微鏡1に搭載されるプローブ20の詳細の構成について説明する。
図2はプローブ20の要部を示す部分斜視図であるが、走査型プローブ顕微鏡1に搭載される向きとは上下逆となるように記載されている。
図2に示すように、プローブ20は、尖鋭化された探針部21と、探針部21が先端部に突出して設けられたカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部を先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23と、第1の金属構造体29と、第2の金属構造体30と、第1の金属構造体29の第1の端部291および第2の金属構造体30の第2の端部301が重なり合うことで形成された温度測定用素子と、探針部21およびその近傍に形成された導電層70と、この導電層70に接続された第3の金属構造体80と、導電層70および第3の金属構造体80からなる電気特性検出素子とを備える。カンチレバー22及び本体部23は、シリコン基板、特に、シリコンからなるシリコン活性層24及びシリコン支持層25と、シリコン活性層24とシリコン支持層25との間に介装されたSiO2からなるBOX層26とを貼り合わせたSOI基板27(Silicon on Insulator)から形成されている。
また、図3及び図3の平面図中に記載したカンチレバー22の中心軸(カンチレバー22の幅方向中央を通ってカンチレバー22の長手方向に延びる軸線)をしめすA−A´における断面を示した図4のとおり、カンチレバー22の上面には絶縁層28が形成され、絶縁層28上において、先端部から基端部にかけて第1の金属構造体29、第2の金属構造体30および第3の金属構造体80が形成されている。絶縁層28は、例えばSiO2からなるシリコン酸化膜である。また、第1の金属構造体29はクロム、第2の金属構造体30はニッケルからなる金属膜である。なお、第1の金属構造体と第2の金属構造体は、それぞれクロム、ニッケルに限ること無く、金、白金、白金ロジウム、ニクロム、クロメル、アルメルなど、熱電対を形成できる材料であれば良い。また、第3の金属構造体は、例えばアルミからなる金属膜で形成されている。探針部21は、カンチレバー22の上面の先端部に形成されており、その表面および近傍には白金からなる導電層70を形成することで導電性を持たせてある。探針部21および導電層70、第3の金属構造体80により電気特性検出素子を構成している。なお、第3の金属構造体および導電層はそれぞれアルミと白金に限ることは無く金属など導電性を有する材料であればよい。
この実施形態のプローブ20では、温度測定用素子が探針部21近傍に形成されているため、試料の温度が温度測定用素子にロスが少ない状態で伝わり、熱起電力を発生することから、図1に示す温度特性検出手段8によって試料100の温度特性を高精度に測定することができる。また、探針部21近傍に形成された導電層70および第3の金属構造体80により構成された電気特性検出素子によって測定された電気的特性、例えば導電層70と試料100との間に流れる電流変化や試料100の表面電位を、図1に示す電気特性検出手段10によって高精度に、かつ温度特性と同時に測定することが出来る。また、探針21はその先端が先鋭化されているため、試料100がアスペクト比の高い凹凸を有する表面形状であったとしても、探針部21が凹凸に対して正確に追従し、凹凸の深さ、幅を高い精度で測定し、正確な観察像を得ることができる。さらに、凹凸の深い部分の温度特性、および電気特性の測定も追従性良く高精度に行うことが可能となる。
次に、この実施形態のプローブ20の製造方法について説明する。前述のとおり、プローブ20のカンチレバー22及び本体部23は、シリコン活性層24、BOX層26、シリコン支持層25から構成されるSOI基板27から形成される。ここで、シリコン活性層24の厚さはカンチレバー22の厚さに設定され、また、BOX層26及びシリコン支持層25の厚さは本体部23の厚さに設定されている。以下、順に説明する。
図5から図9は図3のA−A´断面におけるプローブ20の形成工程断面図である。まず、図5(a)のように、SOI基板27の表面および裏面を熱酸化することによりシリコン酸化膜33を形成する。さらに表面側のシリコン酸化膜33上にエッチングマスクとなるフォトレジスト膜31を形成する。次にフォトレジスト膜31をマスクとしてバッファードフッ酸溶液(BHF)を用いて表面側のシリコン酸化膜33をエッチングすることにより図5(b)に示すように探針部21を形成するためのマスクとなるシリコン酸化膜33をパターニングする。つづいて、パターニングしたシリコン酸化膜33をマスクとして反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)することで、図5(c)に示すように、マスクであるシリコン酸化膜33の下に探針21が形成される。そして、バッファードフッ酸溶液(BHF)を用いてマスクであるシリコン酸化膜33をエッチングすることにより図5(d)に示すとおり、先の先鋭化した探針部21が形成される。フォトレジスト膜としては、ポジ型でもネガ型でも良い。シリコン活性層24をエッチングする方法としては、ドライエッチングでもウェットエッチングでもいずれの方法でも良いが、ドライエッチングが好適である。ドライエッチングであれば、他にDRIE(Deep Reactive Ion Etching)などがある。またウェットエッチングであれば、水酸化カリウム(KOH)やテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等のアルカリ性エッチャントによる異方性エッチングなどがある。
次に、図6(a)に示すように、シリコン活性層24の探針21及び探針近傍以外の部分をシリコン酸化膜で被覆することで絶縁層28を形成する。つづいて、図6(b)に示すように、探針部21の表面およびその近傍をスパッタリングにより白金などで被覆することで導電層70を形成する。さらに図6(c)に示すようにアルミなどで導電層70からカンチレバー22及び本体部23にいたる第3の金属構造体80(導電層70部分のみを図示)を形成する。
次に、図7(a)に示すように探針部21、導電層70および第3の金属構造体80を形成したシリコン活性層24上の第1の金属構造体29となる部分以外の部分をフォトレジスト膜34でパターニングする。次に、図7(b)に示すように、クロム膜をスパッタリング法によって全面に形成する。そして、図7(c)に示すように、フォトレジスト膜34を除去することによって第1の金属構造体29が形成される。
なお、第1の金属構造体29となるクロム膜を形成する方法は、スパッタリング法に限らず、蒸着法としても良い。また、あらかじめ全体にスパッタリング法あるいは蒸着法によってクロム膜を成膜し、第1の金属構造体29となる部分にフォトレジスト膜をパターニングする。つづいてフォトレジスト膜が形成されていない部分のクロム膜をエッチングにより除去することで第1の金属構造体29を形成する方法としても良い。
同様にして、金属構造体30も形成する。図8(a)に示すように探針部21、導電層70、第3の金属構造体80および第1の金属構造体29を形成したシリコン活性層24上の第2の金属構造体30となる部分以外の部分をフォトレジスト膜35でパターニングする。次に、図8(b)に示すように、ニッケル膜をスパッタリング法によって全面に形成する。そして、図8(c)に示すように、フォトレジスト膜35を除去することによって第2の金属構造体30が形成される。
なお、第2の金属構造体30となるニッケル膜を形成する方法は、スパッタリング法に限らず、蒸着法としても良い。また、あらかじめ全体にスパッタリング法あるいは蒸着法によってニッケル膜を成膜し、第2の金属構造体30となる部分にフォトレジスト膜をパターニングする。つづいて、フォトレジスト膜が形成されていない部分のニッケル膜をエッチングにより除去することで、第2の金属構造体30を形成する方法としても良い。
さらには、第1の金属構造体29と、第2の金属構造体30の形成の順序についてもこの限りではなく、第2の金属構造体を形成した後に第1の金属構造体を形成しても良い。
次に、図9(a)から(d)に示すように、本体部23を形成する。まず、図9(a)に示すように、シリコン酸化膜33をエッチングすることにより本体部23を形成するためのマスクとなるシリコン酸化膜33をパターニングする。つぎに、図9(b)に示すように、探針部21、導電層70、第1の金属構造体29(291)、第2の金属構造体30(301)および第3の金属構造体80が配設されたカンチレバー22を保護するため、カンチレバー22側の全面にフォトレジスト膜36を形成する。そして、図9(c)に示すように、酸化膜33をマスクとして、本体部23以外のシリコン支持層25をエッチングする。この場合、ドライエッチングでもウェットエッチングでもいずれでも構わないが、ウェットエッチングが好適である。さらに、図9(d)に示すように、バッファードフッ酸(BHF)によってシリコン酸化膜33及び本体部23以外のBOX層26を除去し、フォトレジスト膜36を除去することでプローブ20が製作される。本実施例においては、探針部の断面形状を円形としたが、これに限られることはなく、四角形や半円形などいずれの形状でも良い。
ここで、本第1実施形態の顕微鏡用プローブの変形例について図10及び図11を参照して説明する。図10は、本発明の第1の実施形態に係るプローブの変形例を示す全体平面図であり、図11は、図10における切断線B−B´での部分断面図である。ここで、切断線B−B´はカンチレバー22の中心軸(カンチレバー22の幅方向中央を通ってカンチレバー22の長手方向に延びる軸線)でもある。
図10に示す顕微鏡用のプローブ20においては、第1の金属構造体29の第1の端部291と第2の金属構造体30の第2の端部301とが重なり合うことで形成された温度測定用素子が、絶縁層90を介して第3の金属構造体80上に形成されていることとした。このように温度測定用素子を形成させても、図3に示したプローブ20と同様の作用・効果を発揮できる。
図12から図21は、この発明に係る第2の実施形態を示している。図12に走査型プローブ顕微鏡のブロック図を示す。図13にプローブの平面図、図14から図20にはプローブの製造工程の工程図を示す。図21は本第2実施形態の変形例を示す全体平面図であり、カンチレバーの基部にスリットを形成した例を示している。この第2実施形態において前述した第1実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図12に示すように、本実施の形態における走査型プローブ顕微鏡2は、主な構成については実施例1の記述した図1の説明と同様であるが、プローブ201の探針部21の変位を測定する手段として、カンチレバー22の基端部に備えられた、カンチレバーの撓みを検出するピエゾ抵抗素子を採用し、このピエゾ抵抗素子に接続された変位検出手段60が検出した抵抗変化に基づいて探針部の変位を測定するものとした。
図13はプローブ201の全体平面図であるが、走査型プローブ顕微鏡2に搭載される向きと上下逆となるように記載されている。
図13に示すように、プローブ201は、尖鋭化された探針部21と、探針部21が先端部に突出して設けられたカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部を先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23と、第1の金属構造体29と、第2の金属構造体30と、第1の金属構造体29の第1の端部291および第2の金属構造体30の第2の端部301が重なり合うことで形成された温度測定用素子と、探針部21およびその近傍に形成された導電層70と、この導電層70に接続された第3の金属構造体80と、導電層70および第3の金属構造体80からなる電気特性検出素子と、を備える。温度測定用素子と第3の金属構造体80は絶縁層90により電気的に絶縁されている。カンチレバー22の基端部には、カンチレバーの撓みを検出するピエゾ抵抗素子40が形成され、カンチレバー22の本体部23にはピエゾ抵抗素子40の抵抗変化を検出するためのピエゾ抵抗素子用電極配線41および42が形成されている。カンチレバー22及び本体部23は、シリコン基板、特に、シリコンからなるシリコン活性層24及びシリコン支持層25と、シリコン活性層24とシリコン支持層25との間に介装されたSiO2からなるBOX層26とを貼り合わせたSOI基板27(Silicon on Insulator)から形成されている。
次に、この実施形態のプローブ201の製造方法について説明する。図14は、図13における切断線C−C´での部分断面図、図15及び図16は、図13における切断線D−D´での部分断面図、図17及び図18は、図14と同じく図13における切断線C−C´での部分断面図である。ここで、切断線C−C´はカンチレバー22の中心軸でもある。
前述のとおり、プローブ201のカンチレバー22及び本体部23は、シリコン活性層24、BOX層26、シリコン支持層25から構成されるSOI基板27から形成される。ここで、シリコン活性層24の厚さはカンチレバー22の厚さに設定され、また、BOX層26及びシリコン支持層25の厚さは本体部23の厚さに設定されている。以下、順に説明する。
まず、図14(a)のように、SOI基板27の表面および裏面を熱酸化することによりシリコン酸化膜33を形成する。さらに表面側のシリコン酸化膜33上にエッチングマスクとなるフォトレジスト膜50を形成する。次にフォトレジスト膜50をマスクとしてバッファードフッ酸溶液(BHF)を用いて表面側のシリコン酸化膜33をエッチングすることにより図14(b)に示すように探針部21を形成するためのマスクとなるシリコン酸化膜33をパターニングする。つづいて、パターニングしたシリコン酸化膜33をマスクとして反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)することで、図14(c)に示すように、マスクであるシリコン酸化膜33の下に探針21が形成される。そして、バッファードフッ酸溶液(BHF)を用いてマスクであるシリコン酸化膜33をエッチングすることにより図14(d)に示すとおり、先の先鋭化した探針部21が形成される。フォトレジスト膜としては、ポジ型でもネガ型でも良い。シリコン活性層24をエッチングする方法としては、ドライエッチングでもウェットエッチングでもいずれの方法でも良いが、ドライエッチングが好適である。ドライエッチングであれば、他にDRIE(Deep Reactive Ion Etching)などがある。またウェットエッチングであれば、水酸化カリウム(KOH)やテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等のアルカリ性エッチャントによる異方性エッチング等がある。
次に、図15に示すように、カンチレバー22の基端部にピエゾ抵抗素子40を形成する。まず、図15(a)のように、カンチレバー22が形成された側の全体をフォトレジスト膜51でパターニングする。つぎに図15(b)に示すようにフォトリソグラフィ技術によって、ピエゾ抵抗素子40を形成する範囲のフォトレジスト膜51を除去する。そして、図15(C)に示すとおり、フォトレジスト膜51をマスクとして、シリコン活性層24にボロンをイオンインプラしてフォトレジスト膜51を除去することで、図15(d)に示すようにカンチレバー22の基端部にピエゾ抵抗素子40を形成する。フォトレジスト膜としては、ポジ型でもネガ型でも良い。
つぎに、図示しないが、カンチレバー22の上面に絶縁層28を形成する。絶縁層28は熱酸化法によって形成される。
つづいて、図16(a)から図16(d)に示すように、ピエゾ抵抗素子40に電極配線を形成する。まず、図16(a)に示すように、ピエゾ抵抗素子40とピエゾ抵抗素子用電極配線41および42の接続部となる部分以外の部分をフォトレジスト膜52でパターニングする。次に、レジストで保護されていない部分の絶縁層28をフッ酸により除去し、更にレジスト52を除去する。次に、図16(b)に示すようにカンチレバー22のピエゾ抵抗素子を形成した面全体に電極配線材料となるアルミ膜をスパッタリングにより形成し、図16(c)に示すように、ピエゾ抵抗素子用電極配線41および42となる部分にフォトレジスト膜53を形成する。図16(d)に示すようにフォトレジスト53を形成していない部分のアルミ膜を除去しフォトレジスト膜53を除去することによってピエゾ抵抗素子用電極配線41および42が形成される。
なお、ピエゾ抵抗素子用電極配線41および42を形成する方法は、スパッタリング法に限らず、蒸着法としても良い。また、あらかじめ全体にフォトレジスト膜53を形成し、ピエゾ抵抗素子用電極配線41および42を形成する部分のフォトレジスト膜53を除去する。つづいて、スパッタリング法あるいは蒸着法によってアルミ膜を成膜し、つづいてフォトレジスト膜53を除去することでピエゾ抵抗素子用電極配線41および42を形成する方法としても良い。
次に、図17(a)に示すように、シリコン活性層24の探針21及び探針近傍以外の部分をシリコン酸化膜で被覆することで絶縁層28を形成する。つづいて、図17(b)に示すように、探針部21の表面およびその近傍をスパッタリングにより白金などで被覆することで導電層70を形成する。さらに図17(c)に示すようにアルミなどで導電層70からカンチレバー22及び本体部23にいたる第3の金属構造体80を形成する。
次に、図18(a)から図18(c)に示すように、金属構造体形成工程において、絶縁層28上に第1の金属構造体29を形成する。まず、図18(a)に示すように、第1の金属構造体29となる部分以外の部分をフォトレジスト膜54でパターニングする。次に、図18(b)に示すように、クロム膜をスパッタリング法によって全面に形成する。そして、図18(c)に示すように、フォトレジスト膜54を除去することによって第1の金属構造体29が形成される。
なお、第1の金属構造体29となるクロム膜を形成する方法は、スパッタリング法に限らず、蒸着法としても良い。また、あらかじめ全体にスパッタリング法あるいは蒸着法によってクロム膜を成膜し、第1の金属構造体29となる部分にフォトレジスト膜をパターニングする。つづいてフォトレジスト膜が形成されていない部分のクロム膜をエッチングにより除去することで第1の金属構造体29を形成する方法としても良い。
同様にして、金属構造体30も形成する。図19(a)に示すように探針部21、導電層70、第3の金属構造体80および第1の金属構造体29を形成したシリコン活性層24上の第2の金属構造体30となる部分以外の部分をフォトレジスト膜55でパターニングする。次に、図19(b)に示すように、ニッケル膜をスパッタリング法によって全面に形成する。そして、図19(c)に示すように、フォトレジスト膜55を除去することによって第2の金属構造体30が形成される。
なお、第2の金属構造体30となるニッケル膜を形成する方法は、スパッタリング法に限らず、蒸着法としても良い。また、あらかじめ全体にスパッタリング法あるいは蒸着法によってニッケル膜を成膜し、第2の金属構造体30となる部分にフォトレジスト膜をパターニングする。つづいて、フォトレジスト膜が形成されていない部分のニッケル膜をエッチングにより除去することで、第2の金属構造体30を形成する方法としても良い。さらには、第1の金属構造体29と、第2の金属構造体30の形成の順序についてもこの限りではなく、第2の金属構造体を形成した後に第1の金属構造体を形成しても良い。
次に、図20(a)から(d)に示すように、本体部23を形成する。まず、図9(a)に示すように、シリコン酸化膜33をエッチングすることにより本体部23を形成するためのマスクとなるシリコン酸化膜33をパターニングする。つぎに、図20(b)に示すように、探針部21、導電層70、第1の金属構造体29(291)、第2の金属構造体30(301)および第3の金属構造体80が配設されたカンチレバー22を保護するため、カンチレバー22側の全面にフォトレジスト膜56を形成する。そして、図20(c)に示すように、酸化膜33をマスクとして、本体部23以外のシリコン支持層25をエッチングする。この場合、ドライエッチングでもウェットエッチングでもいずれでも構わないが、ウェットエッチングが好適である。さらに、図20(d)に示すように、バッファードフッ酸(BHF)によってシリコン酸化膜33及び本体部23以外のBOX層26を除去し、フォトレジスト膜56を除去することでプローブ201が製作される。
本実施例においては、探針部の断面形状を円形としたが、これに限られることはなく、四角形や半円形などいずれの形状でも良い。なお、上述の各工程において、フォトレジスト膜を露光させることでパターニングするが、これに限らず、電子ビームなどによる直接描画する方法でも構わない。
また、本実施例においてはその変形例として、図21に示すようにカンチレバー22の基端部にはスリット24Sが形成されている構造としてもよい。これによりカンチレバー22の基端部はたわみやすい応力集中部となり、更に精度の高い測定を可能とする。
なお、このような応力集中部を基端部に形成した自己検知型のカンチレバーの場合には、以下に述べる実施例が有効である。
図22から図29は、この発明に係る第3の実施形態を示している。図22は本第3の実施形態のプローブの全体平面図である。図23から図27は、図22における切断線E−E´での部分断面図および切断線F−F´での部分断面図であり、図23は、本第3の実施形態のプローブを説明するための参考部分断面図、図24から図27は、本第3の実施形態のプローブの変形例を示している。
この第3実施形態において前述した第1実施形態および第2実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。図22はプローブ211の全体平面図であるが、走査型プローブ顕微鏡に搭載される向きと上下逆となるように記載されている。
図22に示すように、プローブ211は、尖鋭化された探針部21と、探針部21が先端部に突出して設けられたカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部を先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23と、第1の金属構造体29と、第2の金属構造体30と、第1の金属構造体29の第1の端部291および第2の金属構造体30の第2の端部301が重なり合うことで形成された温度測定用素子と、探針部21およびその近傍に形成された導電層70と、この導電層70に接続された第3の金属構造体80と、導電層70および第3の金属構造体80からなる電気特性検出素子と、を備える。温度測定用素子と第3の金属構造体80は絶縁層90により電気的に絶縁されている。カンチレバー22の基端部には、カンチレバーの撓みを検出するピエゾ抵抗素子40が形成され、カンチレバー22の本体部23にはピエゾ抵抗素子40の抵抗変化を検出するためのピエゾ抵抗素子用電極配線41および42が形成されている。カンチレバー22及び本体部23は、シリコン基板、特に、シリコンからなるシリコン活性層24及びシリコン支持層25と、シリコン活性層24とシリコン支持層25との間に介装されたSiO2からなるBOX層26とを貼り合わせたSOI基板27(Silicon on Insulator)から形成されている。ここで、切断線E−E´および切断線F−F´は、カンチレバー22のピエゾ抵抗素子40が形成された部分の部分断面図であるが、切断線F−F´部分は、特にカンチレバー22の基端部にスリット24Sが形成され、カンチレバー22の基端部がたわみやすい応力集中部となっている部分である。ここで、スリット24Sは、カンチレバー22の中心軸と略平行に延びるようにして、第1の金属構造体29と第3の金属構造体80との間、第2の金属構造体30と第3の金属構造体80との間にそれぞれ1つずつ、合計2つ設けられている。
本第3の実施形態の製造方法は、上述した第2の実施形態における方法と同様であるが、本第3の実施形態に述べる4種の変形例それぞれにおいて一部製造方法が異なる部分があるので、その部分については個別に記述する。
図24は第3の実施形態におけるプローブのひとつの変形例の断面図である。(a)は切断線E−E´での部分断面図、(b)は切断線F−F´での応力集中部を示す部分断面図である。
上述の製造方法において、カンチレバー22の基端部に備えられた、応力集中部分における第2の金属構造体30(301)の形成厚みを、第1の金属構造体29(291)よりも厚くもしくは薄く形成することで、カンチレバー22の基端部に備えられた、応力集中部分の左右のたわみが同等となるようにするものである。すなわち、カンチレバー22の中心軸に対する左右のバネ定数が均等となるように、第1の金属構造体29(291)及び第2の金属構造体30(301)の互いの形成厚みが調整されている。本実施例においては、第2の金属構造体30(301)の形成厚みを第1の金属構造体29(291)形成厚みよりも相対的に厚くした例を示したが、この限りではなく、逆に第2の金属構造体30(301)の形成厚みを第1の金属構造体29(291)形成厚みよりも相対的に薄くしてもよい。また、図示しないが、カンチレバー22の基端部に備えられた、応力集中部分のみの第2の金属構造体30(301)の形成厚みを厚くもしくは薄くしても良いし、第2の金属構造体30(301)全体の形成厚みを厚くもしくは薄くしても良い。
図25は第3の実施形態におけるプローブのひとつの変形例の断面図である。(a)は切断線E−E´での部分断面図、(b)は切断線F−F´での部分断面図である。上述の製造方法において、カンチレバー22の基端部に備えられた、応力集中部分における第2の金属構造体30(301)の形成幅を、第1の金属構造体29(291)よりも広くもしくは狭く形成することで、カンチレバー22の基端部に備えられた、応力集中部分の左右のたわみが同等となるようにするものである。すなわち、カンチレバー22の中心軸に対する左右のバネ定数が均等となるように、第1の金属構造体29(291)及び第2の金属構造体30(301)の互いの形成幅が調整されている。本実施例においては、第2の金属構造体30(301)の形成幅を第1の金属構造体29(291)形成幅よりも相対的に広くした例を示したが、この限りではなく、逆に第2の金属構造体30(301)の形成幅を第1の金属構造体29(291)形成幅よりも相対的に狭くしてもよい。また、図示しないが、カンチレバー22の基端部に備えられた、応力集中部分のみの第2の金属構造体30(301)の形成幅を広くもしくは狭くしても良いし、第2の金属構造体30(301)全体の形成幅を広くもしくは狭くしても良い。
図26は第3の実施形態におけるプローブのひとつの変形例の断面図である。(a)は切断線E−E´での部分断面図、(b)は切断線F−F´での部分断面図である。上述の製造方法において、カンチレバー22の基端部に備えられた、応力集中部分の一方のシリコン活性層24aの厚みを、他方のシリコン活性層24bよりも厚くもしくは薄くなるように形成することで、カンチレバー22の基端部に備えられた、応力集中部分の左右のたわみが同等となるようにするものである。すなわち、カンチレバー22の中心軸に対する左右のバネ定数が均等となるように、カンチレバー22の中心を挟んだシリコン活性層24aの互いの厚みが調整されている。本実施例においては、一方のシリコン活性層24aの厚みを、他方のシリコン活性層24bよりも厚く形成した例を示したがこの限りではなく、逆に一方のシリコン活性層24aの厚みを、他方のシリコン活性層24bよりも薄くしても良い。また、図示しないが、カンチレバー22の基端部に備えられた、応力集中部分のシリコン活性層24aのみの形成厚みを厚くもしくは薄くしても良いし、応力集中部分を含むカンチレバー22の一部の形成厚みを厚くもしくは薄くしても良い。
図27は第3の実施形態におけるプローブのひとつの変形例の断面図である。(a)は切断線E−E´での部分断面図、(b)は切断線F−F´での部分断面図である。上述の製造方法において、カンチレバー22の基端部に備えられた、応力集中部分の一方のシリコン活性層24aの幅を、他方のシリコン活性層24bよりも広くもしくは狭くなるように形成することで、カンチレバー22の基端部に備えられた、応力集中部分の左右のたわみが同等となるようにするものである。すなわち、カンチレバー22の中心軸に対する左右のバネ定数が均等となるように、カンチレバー22の中心を挟んだシリコン活性層24aの互いの幅が調整されている。本実施例においては、一方のシリコン活性層24aの幅を、他方のシリコン活性層24bよりも狭く形成した例を示したがこの限りではなく、逆に一方のシリコン活性層24aの幅を、他方のシリコン活性層24bよりも狭くしても良い。
また、図28から図29は、この発明に係る第3の実施形態の変形例を示している。図28は本第3の実施形態の変形例を示すプローブの全体平面図である。図29は、図28における切断線G−G´での部分断面図および切断線H−H´での部分断面図である。
この実施形態において前述した第1実施形態、第2実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。図28はプローブ212の全体平面図であるが、走査型プローブ顕微鏡に搭載される向きと上下逆となるように記載されている。
図28に示すように、プローブ212は、尖鋭化された探針部21と、探針部21が先端部に突出して設けられたカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部を先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23と、第1の金属構造体29と、第2の金属構造体30と、第1の金属構造体29の第1の端部291および第2の金属構造体30の第2の端部301が重なり合うことで形成された温度測定用素子と、探針部21およびその近傍に形成された導電層70と、この導電層70に接続された第3の金属構造体80と、導電層70および第3の金属構造体80からなる電気特性検出素子とを備えている。カンチレバー22の基端部には、スリット24Sが形成されて、カンチレバー22の基端部がたわみやすい応力集中部となっている。ここで、スリット24Sは、カンチレバー22の中心軸と略平行に延びるようにして、第1の金属構造体29と第3の金属構造体80との間、第2の金属構造体30と第3の金属構造体80との間にそれぞれ1つずつ、合計2つ設けられている。前記カンチレバーの基端部に設けられた撓み易い応力集中部の一方には、前記第1の金属構造体と近接する状態に形成された前記第2の金属構造体と同一の厚み、同一の幅、および同一の材料で形成された第4の金属構造体が設けられ、前記カンチレバーの基端部に設けられた撓み易い応力集中部の他方には、前記第2の金属構造体と近接する状態に形成された前記第1の金属構造体と同一の厚み、同一の幅、および同一の材料で形成された第5の金属構造体が設けられている。温度測定用素子と第3の金属構造体80は絶縁層90により電気的に絶縁されている。カンチレバー22の基端部には、カンチレバーの撓みを検出するピエゾ抵抗素子40が形成され、カンチレバー22の本体部23にはピエゾ抵抗素子40の抵抗変化を検出するためのピエゾ抵抗素子用電極配線41および42が形成されている。カンチレバー22及び本体部23は、シリコン基板、特に、シリコンからなるシリコン活性層24及びシリコン支持層25と、シリコン活性層24とシリコン支持層25との間に介装されたSiO2からなるBOX層26とを貼り合わせたSOI基板27(Silicon on Insulator)から形成されている。
本実施形態の製造方法については、上述した第2の実施形態における方法と同様の部分については省略する。製造方法が異なる部分については個別に記述する。
この実施形態のプローブ212の製造方法について順に説明する。
まず、第2の実施形態の図14から図17に説明した順にカンチレバーを作製していく。つづいて、図18(a)から図18(c)に示すように、金属構造体形成工程において、絶縁層28上に第1の金属構造体29および第5の金属構造体292を形成する。まず、図18(a)に示すように、第1の金属構造体29および第5の金属構造体292となる部分以外の部分をフォトレジスト膜54でパターニングする。次に、図18(b)に示すように、クロム膜をスパッタリング法によって全面に形成する。そして、図18(c)に示すように、フォトレジスト膜54を除去することによって第1の金属構造体29および第5の金属構造体292が形成される。
なお、第1の金属構造体29および第5の金属構造体292となるクロム膜を形成する方法は、スパッタリング法に限らず、蒸着法としても良い。また、あらかじめ全体にスパッタリング法あるいは蒸着法によってクロム膜を成膜し、第1の金属構造体29および第5の金属構造体292となる部分にフォトレジスト膜をパターニングする。つづいてフォトレジスト膜が形成されていない部分のクロム膜をエッチングにより除去することで第1の金属構造体29および第5の金属構造体292を形成する方法としても良い。
同様にして、金属構造体30および第4の金属構造体302も形成する。図19(a)に示すように探針部21、導電層70、第3の金属構造体80および第1の金属構造体29および第5の金属構造体292を形成したシリコン活性層24上の第2の金属構造体30および第4の金属構造体302となる部分以外の部分をフォトレジスト膜55でパターニングする。次に、図19(b)に示すように、ニッケル膜をスパッタリング法によって全面に形成する。そして、図19(c)に示すように、フォトレジスト膜55を除去することによって第2の金属構造体30および第4の金属構造体302が形成される。
なお、第2の金属構造体30および第4の金属構造体302となるニッケル膜を形成する方法は、スパッタリング法に限らず、蒸着法としても良い。また、あらかじめ全体にスパッタリング法あるいは蒸着法によってニッケル膜を成膜し、第2の金属構造体30および第4の金属構造体302となる部分にフォトレジスト膜をパターニングする。つづいて、フォトレジスト膜が形成されていない部分のニッケル膜をエッチングにより除去することで、第2の金属構造体30および第4の金属構造体302を形成する方法としても良い。さらには、第1の金属構造体29および第5の金属構造体292と、第2の金属構造体30および第4の金属構造体302の形成の順序についてもこの限りではなく、第2の金属構造体および第4の金属構造体を形成した後に第1の金属構造体および第5の金属構造体292を形成しても良い。
つづいて図20(a)から(d)に示すように、本体部23を形成する。詳細については第2実施形態と同様であるためここでは省略する。
図29は第4実施形態におけるプローブの断面図である。(a)は切断線G−G´での部分断面図、(b)は切断線H−H´での部分断面図である。
上述の製造方法において、カンチレバー22の基端部に備えられた応力集中部分の一方には、第1の金属構造体29(291)と近接する状態に形成され第2の金属構造体30(301)と同一の厚み、同一の幅、および同一の材料で形成された第4の金属構造体302が形成された状態、また、カンチレバー22の基端部に備えられた応力集中部分の他方には、第2の金属構造体30(301)と近接する状態に形成された第1の金属構造体29(291)と同一の厚み、同一の幅、および同一の材料で形成された第5の金属構造体292が形成された状態になっている。これにより、カンチレバー22の中心軸に対する左右のバネ定数が均等となり、カンチレバー22の基端部に備えられた、応力集中部分の左右のたわみが同等となるようにするものである。
以上述べたように、本発明によれば、試料表面の形状および微小領域での、試料表面の微小領域の形状だけではなく、温度分布、熱特性と、電気特性検出素子と試料表面との間に流れる電流変化や、試料表面の表面電位とを同時に精度よく測定することができる。
なお、カンチレバー22の探針部21探針上に磁性体をコーティングすることで試料表面微小領域の磁気特性を測定することもできる。
また、特に自己検知型のカンチレバーの場合には、カンチレバー22の中心軸に対する左右のバネ定数が均等となるように、第1の金属構造体29(291)及び第2の金属構造体30(301)の互いの形成厚みを調整してもよい。
あるいは、カンチレバー22の中心軸に対する左右のバネ定数が均等となるように、第1の金属構造体29(291)及び第2の金属構造体30(301)の互いの形成幅を調整してもよい。
あるいは、カンチレバー22の中心軸に対する左右のバネ定数が均等となるように、カンチレバー22の中心を挟んだシリコン活性層24aの互いの厚みを調整してもよい。
あるいは、カンチレバー22の中心軸に対する左右のバネ定数が均等となるように、カンチレバー22の中心を挟んだシリコン活性層24aの互いの幅を調整してもよい。
あるいは、カンチレバー22の基端部に備えられた応力集中部分の一方には、第1の金属構造体29(291)と近接する状態に形成され第2の金属構造体30(301)と同一の厚み、同一の幅、および同一の材料で形成された第4の金属構造体302が形成された状態、また、カンチレバー22の基端部に備えられた応力集中部分の他方には、第2の金属構造体30(301)と近接する状態に形成された第1の金属構造体29(291)と同一の厚み、同一の幅、および同一の材料で形成された第5の金属構造体292が形成された状態としてもよい。
このように構成することで、カンチレバー22で試料表面を走査する際のカンチレバー22全体のたわみがカンチレバー22の基端部に備えられた応力集中部分の左右のバネ定数が異なることによる影響を受けたたわみとなることを排除できるため、たとえば、実施例1に記載のレーザー光の反射を変位検出手段6として用いる場合においても、あるいは実施例2に記載のカンチレバー22の基端部に備えられカンチレバーの撓みを検出するピエゾ抵抗素子により検出した抵抗変化に基づいて探針部の変位を測定する方法においても真に試料表面の状態によるたわみを検出できることから精度の高い観察が可能となる。
以上、本発明の第1、第2、第3の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
なお、プローブのカンチレバー及び本体部はSOI基板から形成されるものとしたが、これに限ることは無く、樹脂、半導体、ガラス、あるいは金属に絶縁層をコートしたものなどでも良い。
また、プローブに振動を与えて試料の表面形状を測定するDFMモードの走査型プローブ顕微鏡としたが、これに限ることは無く、探針部の変位を直接測定するAFMモードに使用するものとしても、アスペクト比の高い凹凸を感度良く測定することができる。
また、プローブには、探針部が1つ設けられるものとしたが、これに限ることは無く、複数の探針部を突出して設けることで、アレイ化したプローブとしても良い。さらに、プローブは走査型プローブ顕微鏡に備えられるものとしたこれに限ることはない。
本発明の第1の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡の構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るプローブの要部を示す部分斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るプローブの全体を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプローブの要部を示す部分断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプローブの形成工程を説明するための部分断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプローブの形成工程を説明するための部分断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプローブの形成工程を説明するための部分断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプローブの形成工程を説明するための部分断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプローブの形成工程を説明するための部分断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプローブの変形例を示す全体平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るプローブの変形例の要部を示す部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係るプローブの全体を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプローブの形成工程を説明するための部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプローブの形成工程を説明するための部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプローブの形成工程を説明するための部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプローブの形成工程を説明するための部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプローブの形成工程を説明するための部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプローブの形成工程を説明するための部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプローブの形成工程を説明するための部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプローブの変形例を示す全体平面図である。 本発明の第3の実施形態に係るプローブの全体を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係るプローブを説明するための参考部分断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るプローブの変形例を説明するための部分断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るプローブの変形例を説明するための部分断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るプローブの変形例を説明するための部分断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るプローブの変形例を説明するための部分断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るプローブの変形例を示す全体平面図である。 本発明の第3の実施形態に係るプローブの変形例を説明するための部分断面図である。
符号の説明
1、2 走査型プローブ顕微鏡
3 試料移動手段
4 駆動装置
5 加振電源
500 加振手段
6、60 変位検出手段
7 コンピュータ
8 温度特性検出手段
9 試料支持部
10 電気特性検出手段
20、201、211、212 プローブ
21 探針部
22 カンチレバー
23 本体部
24、24a、24b シリコン活性層
24S スリット
25 シリコン支持層
26 BOX層
27 SOI基板(シリコン基板)
28、90 絶縁層
29 第1の金属構造体
291 第1の端部
292 第5の金属構造体
30 第2の金属構造体
301 第2の端部
302 第4の金属構造体
33 シリコン酸化膜
31、32、34、35、36 フォトレジスト膜
40 ピエゾ抵抗素子
41、42 ピエゾ抵抗素子用電極配線
50、51、52、53、54、55、56 フォトレジスト膜
70 導電層
100 試料

Claims (10)

  1. 上面に絶縁層を有するカンチレバーと、
    前記カンチレバーの先端に設けられ、先鋭化された探針部と、
    前記カンチレバーの上面に設けられ、前記カンチレバーの先端部に第1の端部を有する第1の金属構造体と、
    前記カンチレバーの上面に設けられ、前記カンチレバーの先端部に第2の端部を有する第2の金属構造体と、
    前記第1の端部および前記第2の端部が重なることで形成された温度測定素子と、
    前記探針部およびその近傍に形成された導電層と、
    前記カンチレバーの上面に前記第1の金属構造体および前記第2の金属構造体から離間して設けられ、前記導電層に接続された第3の金属構造体と、
    前記導電層および前記第3の金属構造体からなる電気特性検出素子と、
    を有し、
    前記カンチレバーの基端部に撓み易い応力集中部を有し、該応力集中部は、前記カンチレバーの中心軸と直交する面について当該中心軸に対する左右それぞれの断面の形状が異なるように構成することで左右均等のバネ定数を有する構造を備えることを特徴とする顕微鏡用プローブ。
  2. 前記左右均等のバネ定数を有する構造は、前記第1の金属構造体及び前記第2の金属構造体の互いの厚さが異なって構成されていることを特徴とする請求項に記載の顕微鏡用プローブ。
  3. 前記左右均等のバネ定数を有する構造は、前記第1の金属構造体及び前記第2の金属構造体の互いの幅が異なって構成されていることを特徴とする請求項に記載の顕微鏡用プローブ。
  4. 前記左右均等のバネ定数を有する構造は、前記応力集中部の左右の厚さが異なって構成されていることを特徴とする請求項に記載の顕微鏡用プローブ。
  5. 前記左右均等のバネ定数を有する構造は、前記応力集中部の左右の幅が異なって構成されていることを特徴とする請求項に記載の顕微鏡用プローブ。
  6. 上面に絶縁層を有するカンチレバーと、
    前記カンチレバーの先端に設けられ、先鋭化された探針部と、
    前記カンチレバーの上面に設けられ、前記カンチレバーの先端部に第1の端部を有する第1の金属構造体と、
    前記カンチレバーの上面に設けられ、前記カンチレバーの先端部に第2の端部を有する第2の金属構造体と、
    前記第1の端部および前記第2の端部が重なることで形成された温度測定素子と、
    前記探針部およびその近傍に形成された導電層と、
    前記カンチレバーの上面に前記第1の金属構造体および前記第2の金属構造体から離間して設けられ、前記導電層に接続された第3の金属構造体と、
    前記導電層および前記第3の金属構造体からなる電気特性検出素子と、
    を有し、
    前記カンチレバーの基端部に撓み易い応力集中部を有し、該応力集中部は前記カンチレバーの中心軸に対して左右均等のバネ定数を有する構造であり、
    前記左右均等のバネ定数を有する構造は、
    前記第1の金属構造体に近接する状態に形成された、前記第2の金属構造体と同一の厚み、同一の幅、および同一の材料で形成された第4の金属構造体と、
    前記第2の金属構造体に近接する状態に形成された、前記第1の金属構造体と同一の厚み、同一の幅、および同一の材料で形成された第5の金属構造体と、
    を有することを特徴とする顕微鏡用プローブ。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の顕微鏡用プローブと、
    前記探針部を試料の被測定面に接近させて試料表面を走査することにより試料表面形状に応じて変位する前記探針の変位データを検出する変位検出手段と、
    前記探針部を前記試料の表面に対して相対的に平行で、互いに直交する二方向の走査及び前記試料の表面に垂直方向の移動を行う移動手段と、
    前記温度測定用素子の熱起電力を検出する温度特性検出手段と、
    前記第3の金属構造体に接続された電気特性検出手段と、
    を備える走査型プローブ顕微鏡。
  8. 前記探針部を任意の周波数で共振または強制振動させる加振手段をさらに備え、
    前記変位検出手段は、前記探針部の振動状態を検出する振動検出手段である請求項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  9. 前記変位検出手段を前記カンチレバー内に設けた請求項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  10. 前記変位検出手段はピエゾ抵抗素子である請求項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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