JPH09196940A - 微小熱電対付きカンチレバー - Google Patents

微小熱電対付きカンチレバー

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JPH09196940A
JPH09196940A JP8006487A JP648796A JPH09196940A JP H09196940 A JPH09196940 A JP H09196940A JP 8006487 A JP8006487 A JP 8006487A JP 648796 A JP648796 A JP 648796A JP H09196940 A JPH09196940 A JP H09196940A
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cantilever
metal film
probe
flexible plate
thermocouple
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JP8006487A
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Yoshihiko Suzuki
美彦 鈴木
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試料表面の温度分布と凹凸の形状を分離して観
察する。 【解決手段】本発明の熱電対付きカンチレバーは、支持
体1と、接合穴3が設けられ前記支持体1に一端が支持
された可撓性プレート2と、該可撓性プレート2の一方
の主面に配置され前記接合穴3を覆い支持体1まで延在
された第1の金属膜4と、前記可撓性プレート2の他方
の主面に配置され前記接合穴3を覆い支持体1まで延在
された第2の金属膜5と、前記第1の金属膜4と前記第
2の金属膜5からなり熱電対をなす探針6が前記接合穴
3に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、走査型温度分布計
測装置(STP:Scanning Thermal Profiler)に用いる
カンチレバー及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、走査型顕微鏡の進展に伴い、原
子、分子オーダーの分解能で、物質表面の形状、あるい
は物理化学的性質に起因したイメージを得ることが可能
となった。このような走査型顕微鏡において試料表面の
温度分布を計測する走査型温度分布計測装置(以下、S
TPと言う)が提案されている(Appl.Phys.Lett.49(2
3),8 December 1986 P1587 〜1589) 。
【0003】図4は、従来のSTPを示す概略構成図で
ある。この装置は、走査型トンネル顕微鏡(以下、ST
Mと言う)の技術を応用したものであり、第1伝導体1
01と、絶縁体102と、第2伝導体103と、熱電対
接合部104とを有する探針100を用いている。この
探針100は、試料表面の凹凸または温度を計測する計
測部である。尚、第1伝導体101と第2伝導体103
とで熱電対を構成するため、これらの伝導体は、それぞ
れ異なる種類の伝導体を用いている。また、絶縁体10
2は、第1伝導体101と第2伝導体103との間に形
成されている。このため、第1伝導体101と第2伝導
体103とは、熱電対接合部104以外の部分で電気的
に接触しない構成になっている。
【0004】次に、この装置の動作を説明する。探針1
00は、ピエゾ素子105によってXYZ方向に移動さ
れる。また、試料106が有する熱は、探針100の熱
電対接合部104によって計測される。探針100は、
試料表面上をXY方向に走査される。このとき、探針1
00は、計測する試料の熱が常に一定になるようにピエ
ゾ素子105でZ軸方向(試料表面に対して略垂直な方
向)に移動される。そして、このとき探針100のZ軸
方向(試料表面に対して略垂直な方向)の変位が計測さ
れる。このことにより、試料106の凹凸の形状を計測
することが可能となる。また、探針100をある一定の
高さに保った状態で探針100をXY方向に走査させる
と、試料106の温度分布を計測することができるので
ある。
【0005】STPのこの動作は、STMと類似してい
る。ただし、STMでは探針と試料との間に生じるトン
ネル電流を一定にしている点が異なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
STPでは、試料106に凹凸があると試料106の正
確な温度分布を計測することができないという問題点が
あった。即ち、従来の装置は、試料106の温度分布と
試料表面の凹凸の形状を分離して計測することができな
かったのである。
【0007】本発明は、上記問題点を鑑みて成されたも
のであり、試料表面の温度分布と凹凸の形状を分離して
同時に計測することを可能にするチレバーを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に「支持
体と、接合穴が設けられ前記支持体に一端が支持た可撓
性プレートと、該可撓性プレートの一方の主面に配置さ
れ前記接合穴を覆い支持体まで延在された第1の金属膜
と、前記可撓性プレートの他方の主面に配置され前記接
合穴を覆い支持体まで延在された第2の金属膜と、前記
第1の金属膜と前記第2の金属膜からなり熱電対をなす
探針が前記接合穴に配置されたことを特徴とする微小熱
電対付きカンチレバー(請求項1)」を提供する。これ
により、試料表面の温度分布と凹凸の形状を分離して同
時に計測することが可能となる。
【0009】また、温度分布の計測位置と凹凸の計測位
置は、試料表面の同じ位置であることが好ましい。即
ち、これらを計測する探針が可撓性プレートより突出し
ていることが好ましい。よって、本発明は、第2に「前
記探針は、前記可撓性プレートの一方の主面から突出し
てなることを特徴とする請求項1記載の微小熱電対付き
カンチレバー(請求項2)」を提供する。
【0010】また、温度分布を計測する探針は、その先
端が少なくとも鋭角であればさらに感度が向上する。よ
って、本発明は、第3に「前記探針は、先端が鋭角であ
ることを特徴とする請求項2記載の微小熱電対付きカン
チレバー(請求項3)」を提供する。本発明は、第4に
「前記支持体は、シリコン基板であることを特徴とする
請求項1から請求項3のいずれかに記載の微小熱電対付
きカンチレバー(請求項4)」を提供する。これによ
り、本発明の微小熱電対付きカンチレバーは、周知技術
であるシリコンプロセスにて製造されることが可能であ
り、安価な製造コストで大量にしかも容易に製造するこ
とが可能となる。
【0011】本発明は、第5に「前記可撓性プレートに
は、金属薄膜からなるレーザ反射膜が配置されているこ
とを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載
の微小熱電対付きカンチレバー(請求項5)」を提供す
る。これにより、光てこ法を使用した試料表面の凹凸形
状の計測が可能となる。本発明は、第6に「請求項1か
ら請求項5のいずれかに記載された微小熱電対付きカン
チレバーにおいて、(可撓性プレートの長さ)/(可撓
性プレートの先端部から探針までの寸法)の比が1/1
00以下であることを特徴とする微小熱電対付きカンチ
レバー(請求項6)」を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、原子間力顕微鏡(以
下、AFMと言う)の技術を応用することにより、試料
表面の凹凸形状と試料表面の温度分布を分離して同時に
計測する事を可能としたカンチレバーである。AFM
は、カンチレバーと、これを試料表面のXY方向に走査
させる平行移動手段と、カンチレバーのZ方向の撓みを
検出する撓み検出手段からなり、カンチレバーの撓みを
計測することにより試料表面の凹凸を計測する装置であ
る。
【0013】一般にカンチレバーは、シリコン基板等の
支持体と、これに一端が固定され窒化膜等からなる可撓
性プレートを有する。図1は、本発明の微小熱電対付き
カンチレバーを示す図であって、(a)はその概略斜視
図、(b)はそのA−A’部における概略断面図であ
る。本発明の熱電対付きカンチレバーは、熱電対をなす
探針6が可撓性プレート2に配置される。探針6は、第
1の金属膜4と第2の金属膜5からなる。なお、ここで
は合金も含めて金属と定義する。探針6は、可撓性プレ
ート2に設けられた接合穴3の領域に配置される。第1
の金属膜4は、可撓性プレート2の一方の主面に接合穴
3を覆うように配置される。このとき、第1の金属膜4
は接合穴3において可撓性プレート2から突出するよう
に配置される。第2の金属膜5は、可撓性プレート2の
他方の主面に接合穴3を覆うように配置される。このと
き、接合穴3には既に第1の金属膜4が突出して配置さ
れている。よって、第2の金属膜5は、第1の金属膜4
と接触し、且つ、接合して配置される。これにより、探
針6は熱電対をなし、試料表面の凹凸計測ばかりでなく
試料表面の温度分布を同時に計測することも可能とな
る。なお、試料表面の凹凸計測を不要とするなら、試料
表面のある一点の温度を計測することも可能である。
【0014】第1の金属膜4及び第2の金属膜5は、可
撓性プレート2の各主面から支持体1まで延在して配置
される。このようにすれば、端子4aを同時に形成させ
ることが可能である。熱電対をなす探針6は、可撓性プ
レート2上ならばどこにあっても構わない。しかし、レ
スポンスを悪化させないため、また、試料表面の凹凸計
測の感度を向上させるためには、可撓性プレートの長さ
/可撓性プレートの先端部から探針までの寸法の比を1
/100以下にするのが好ましい。
【0015】ところで、AFMにはコンタクトモード
と、ノンコンタクトモードの二つの計測モードがある。
本発明のカンチレバーは、いずれのモードにも適用でき
る。即ち、コンタクトモードのAFMは、試料表面にカ
ンチレバーを接触させ、試料表面の凹凸により変化する
カンチレバーの撓みを検出することによって試料表面の
凹凸の形状を計測する装置である。本発明の微小熱電対
付きカンチレバーも試料表面に接触させ、XY方向に走
査すれば、試料表面の凹凸のみならず、試料表面の温度
分布を計測することが可能となる。
【0016】ノンコンタクトモードのAFMは、カンチ
レバーを振動させる手段と、カンチレバーの振動周波数
を検出する手段がさらに設けられている。そして、この
装置は、カンチレバーと試料がある一定の距離を保った
状態で前記カンチレバーを振動させ、前記カンチレバー
と試料との距離の変動に応じて変化する前記カンチレバ
ーの振動周波数を検出することによって試料の凹凸の形
状を計測する。本発明の装置も、微小熱電対付きカンチ
レバーを振動させる手段と、振動周波数を検出する手段
をさらに設け、試料との距離をある一定の距離に保った
状態で熱電対付きカンチレバーを振動させ、このカンチ
レバーの振動周波数に相当する周波数の熱起電力を検出
すれば、試料の温度分布のみを独立に且つ正確に計測す
ることができる。また、当然ながら、試料表面の凹凸の
形状も同時に計測することができる。
【0017】一般に、カンチレバーの撓みの検出には光
てこ法が用いられる。これは、カンチレバーに照射され
反射されたレーザ光の位置を検出して、カンチレバーの
撓みを検出するものである。この場合、カンチレバーに
は、レーザをより高率に反射させるために、金属薄膜か
らなるレーザ反射膜7を配置させるのが好ましい。上記
のように、試料表面の凹凸の形状と試料の温度分布を同
時にかつ独立に計測すると計測領域を一致させるための
作業に時間が掛かるという欠点も無く、実際に計測して
いる領域が完全に同一であるため、試料表面の凹凸像と
温度分布像との対応づけ及び解析に手間が掛からない。
【0018】以上、本発明の走査型温度分布計測装置を
AFMと比較して説明した。しかし、本発明の装置は、
AFMへの適用に限られるものではない。例えば、ST
M等のように、カンチレバーにて計測可能である装置な
らば、適用可能である。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。しかし、本発明はこれに限るものではない。 (第1実施例)図2(e)は、本発明の第1実施例によ
る微小熱電対付きカンチレバーの完成断面図である。シ
リコン窒化膜からなる可撓性プレート2の一端は、シリ
コン基板から形成された支持体1に固定されている。可
撓性プレートの長さは、200μmである。可撓性プレ
ートには、その先端から10μmのところに接合穴3が
設けられている。この接合穴3に探針6が配置される。
探針6は、第1の金属膜4と第2の金属膜5を接合して
なる熱電対であり、可撓性プレート2から突出して配置
される。その先端は、針の先のような形状である。
【0020】本実施例においては、第1の金属膜4とし
てニクロム、第2の金属膜5としてチタンを配置させ
た。しかし、第1の金属と第2の金属は、これに限られ
るものではなく、金、白金、ニクロム、クロメル、アル
メル、白金ロジウム、ニッケル、チタン等、熱電対を成
しうる金属の組み合わせならなんでも構わない。第1の
金属膜4は、可撓性プレート2の一方の主面に接合穴を
覆うように配置される。また、第1の金属膜4は、支持
体1まで延在され端子4aを有する。第2の金属膜5
は、可撓性プレート2の他方の主面に接合穴を覆うよう
に配置される。第2の金属膜も、支持体1まで延在して
配置される。
【0021】可撓性プレート2には、ニクロムからなる
レーザ反射膜7が配置される。これは、光てこ法によっ
て可撓性プレートの撓みを検出するために配置される。
もし、光てこ法に依らずにこの撓みを検出するなら、あ
るいは、反射光が十分な強度を有するならレーザ反射膜
7は配置されなくとも構わない。次に、図2(a)から
(d)の工程断面図及び図2(e)の完成断面図を引用
し第1実施例による微小熱電対付きカンチレバーの製造
方法を説明する。なお、図2の断面は、図1におけるA
−A’に相当する。厚さが250μm、面方位が(10
0)のN型シリコン基板10に低圧気相成長法によりジ
クロルシランとアンモニアガスを原料としてシリコン窒
化膜20を700nm成膜した。シリコン窒化膜20は
シリコン基板10の両面に形成された。さらに、該基板
10上の一方の主面に形成されたシリコン窒化膜20を
フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法により部
分的に除去し接合穴3を形成した。本実施例において形
成した接合穴3は、一辺が5μmの正方形である。この
形状は、任意に設定されて構わない。しかしこの形状に
より、後に形成される探針の形状が定まる。探針は、可
撓性プレートからおよそ5μm乃至10μm突出される
のが好ましい。このため、シリコン窒化膜32を除去さ
せる形状(即ち接合穴3の形状)は、一辺が5から10
μmの四角形が好ましい。
【0022】次に、シリコン基板10を水酸化カリウム
(KOH)水溶液に浸漬し、シリコン窒化膜20をマス
クとしてエッチングした。シリコン基板10は、シリコ
ン単結晶で形成されている。シリコン単結晶は、水酸化
カリウム水溶液にて異方的にエッチングされる。即ち、
(111)面が露出されるとシリコン単結晶のエッチン
グは、停止される。これにより、接合穴3から露出され
たシリコンの部分は四方が(111)面で囲まれるよう
に四角錘状にエッチングされて凹溝30が形成された
〔図2(a)〕。
【0023】次に、周知の技術である熱酸化法に従い、
露出したシリコン溝部分にシリコン酸化膜8を成長させ
た。一般に知られているように、シリコン酸化膜の成長
速度は平坦な部分では速く、角の部分では遅い。このた
め、該凹溝30に成長されたシリコン酸化膜8の断面形
状は図2(b)に図示したごとく、底部の厚みが極端に
薄くなった。
【0024】次に、図2(b)に示したように、第1の
金属膜4としてニクロム膜をシリコン基板10の一方の
主面に形成した。第1の金属膜4は、周知のリフトオフ
法に従い、接合穴3及び凹溝30を覆うようにパターニ
ングされる。また、支持体予定部まで延在され、第1の
金属膜4の一部は、端子4a(図1参照)を成してい
る。さらに、このパターニングにおいて、レーザ反射膜
(図1参照)が同時に形成された。
【0025】次に、シリコン基板10の一方の主面(第
1の金属膜4が配置されている側)に形成されたシリコ
ン窒化膜20をカンチレバー形状にパターニングした。
次に、シリコン基板10の他方の主面に形成されたシリ
コン窒化膜20を支持体の形状にパターニングした。次
いで、シリコン基板10を33wt%の濃度で80℃に
加熱された水酸化カリウム水溶液に浸漬させ、シリコン
基板10をエッチングさせた。即ち、シリコン窒化膜2
0がマスクとして作用し、露出されているシリコン及び
露出されるシリコン酸化膜8が溶解した。これにより、
シリコン窒化膜20による可撓性プレート2と、シリコ
ン基板10による支持部1が形成された〔図2
(d)〕。
【0026】その後、第2の金属膜5としてチタン膜を
第1の金属が形成されている主面とは逆の主面(他方の
主面)に成膜した。第2の金属膜5は、パターニングさ
れることなく他方の面に全面に形成された。よって、第
2の金属膜5は、接合穴3を覆い、また、支持体1まで
延在されて配置された。これにより、第1の金属膜4と
第2の金属膜5を接合した熱電対からなる探針6が可撓
性プレート2から突出して配置される。その先端は、針
のような鋭い形状となる。以上により、本発明による微
小熱電対付きカンチレバーは完成した〔図2(e)〕。
【0027】ところで、一般に知られているように、熱
電対における温度計測は、熱電対の接合部(2つの伝導
体の接合されている部分)で行われる。従って、試料の
温度分布をより正確に計測するためには、第1実施例に
よるカンチレバーの熱電対に用いる2つの伝導体におい
て、図2のカンチレバーの下側に形成される伝導体(金
属膜5)は、膜厚が薄く、熱伝導率の高いものが好まし
い。
【0028】また、探針の先端部は、試料の温度分布及
び試料表面の凹凸の形状を高分解能で計測する場合には
鋭いことが好ましい。また、2種類の金属膜4、5の材
料及び組み合わせは、温度計測を行う試料の温度に合わ
せて任意に選ぶことができる。 (第2実施例)図3(d)は、本発明の第2実施例によ
る微小熱電対付きカンチレバーの完成断面図である。第
1実施例による微小熱電対付きカンチレバーとは探針6
の形状及び後述する製造方法が異なる。本実施例におけ
る微小熱電対付きカンチレバーの探針は、その先端の角
度がおよそ70度で形成される。この角度は、シリコン
単結晶の(111)面が異方性エッチングにより交差す
る角度である。このような探針を配置させれば、試料表
面の凹凸形状および温度分布を分離して同時に計測でき
る。また、本実施例における微小熱電対付きカンチレバ
ーは、凹溝に熱酸化膜を形成させることなく製造され
る。このため、製造工程が簡略化され、製造コストはさ
らに低減させることができる。
【0029】以下、図3(a)から(c)の工程断面図
及び図3(d)の完成断面図を引用し第2実施例による
微小熱電対付きカンチレバーの製造方法を説明する。な
お、図2の断面は、図1におけるA−A’に相当する。
厚さが250μm、面方位が(100)のN型シリコン
基板10に低圧気相成長法によりジクロルシランとアン
モニアガスを原料としてシリコン窒化膜20を700n
m成膜した。シリコン窒化膜20はシリコン基板10の
両面に形成された。さらに、該基板10上の一方の主面
に形成されたシリコン窒化膜20をフォトリソグラフィ
法及びドライエッチング法により部分的に除去し接合穴
3を形成した。本実施例において形成した接合穴3は、
一辺が10μmの正方形である。
【0030】次に、シリコン基板10を水酸化カリウム
(KOH)水溶液に浸漬し、シリコン窒化膜20をマス
クとしてエッチングした。シリコン基板10は、シリコ
ン単結晶で形成されている。シリコン単結晶は、水酸化
カリウム水溶液にて異方的にエッチングされる。即ち、
(111)面が露出されるとシリコン単結晶のエッチン
グは、停止される。これにより、接合穴3から露出され
たシリコンの部分は四方が(111)面で囲まれるよう
に四角錘状にエッチングされて凹溝30が形成された
〔図3(a)〕。なお、シリコン単結晶において、(1
11)面と(111)面の交差する角度は、およそ70
度である。
【0031】次に、図3(b)に示したように、第1の
金属膜4としてニクロム膜をシリコン基板10の一方の
主面に形成した。第1の金属膜4は、周知のリフトオフ
法に従い、接合穴3及び凹溝30を覆うようにパターニ
ングされる。また、支持体予定部まで延在され、第1の
金属膜4の一部は、端子4a(図1参照)を成してい
る。さらに、このパターニングにおいて、レーザ反射膜
(図1参照)が同時に形成された。
【0032】次に、シリコン基板10の一方の主面(第
1の金属膜4が配置されている側)に形成されたシリコ
ン窒化膜20をカンチレバー形状にパターニングした。
次に、シリコン基板10の他方の主面に形成されたシリ
コン窒化膜20を支持体の形状にパターニングした。次
いで、シリコン基板10を33wt%の濃度で80℃に
加熱された水酸化カリウム水溶液に浸漬させ、シリコン
基板10をエッチングさせた。即ち、シリコン窒化膜2
0がマスクとして作用し、露出されているシリコンが溶
解した。これにより、シリコン窒化膜20による可撓性
プレート2と、シリコン基板10による支持部1が形成
された〔図3(c)〕。
【0033】その後、第2の金属膜5としてチタン膜を
第1の金属が形成されている主面とは逆の主面(他方の
主面)に成膜した。第2の金属膜5は、パターニングさ
れることなく他方の面に全面に形成された。よって、第
2の金属膜5は、接合穴3を覆い、また、支持体1まで
延在されて配置された。これにより、第1の金属膜4と
第2の金属膜5を接合した熱電対からなる探針6が可撓
性プレート2から突出して配置される。その先端は、
(111)面と(111)面の交差するおよそ70度の
角度となる。以上により、本発明による微小熱電対付き
カンチレバーは完成した〔図3(d)〕。
【0034】
【発明の効果】以上の通り、本発明による微小熱電対付
きカンチレバーは、試料表面の温度分布と凹凸の形状を
分離して同時に検出することが可能である。また、シリ
コン基板を支持体に使用すれば、シリコンプロセスを活
用できるので、安価な製造コストで大量にしかも容易に
製造できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微小熱電対付きカンチレバーを示す図
であって、(a)はその概略斜視図、(b)はそのA−
A’部における概略断面図である。
【図2】本発明の第1実施例による微小熱電対付きカン
チレバーを示す断面図であって、(a)から(d)は工
程断面図、(e)は完成断面図である。
【図3】本発明の第2実施例による微小熱電対付きカン
チレバーを示す断面図であって、(a)から(c)は工
程断面図、(d)は完成断面図である。
【図4】従来のSTPを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・支持体 2・・・可撓性プレート 3・・・接合穴 4・・・第1の金属膜 4a・・端子 5・・・第2の金属膜 6・・・探針 7・・・レーザ反射膜 8・・・熱酸化膜 10・・・シリコン基板 20・・・シリコン窒化膜 30・・・凹溝 100・・・探針 101・・・第1伝導体 102・・・絶縁体 103・・・第2伝導体 104・・・熱電対接合部 105・・・ピエゾ素子 106・・・試料 以上

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、接合穴が設けられ前記支持体
    に一端が支持された可撓性プレートと、該可撓性プレー
    トの一方の主面に配置され前記接合穴を覆い支持体まで
    延在された第1の金属膜と、前記可撓性プレートの他方
    の主面に配置され前記接合穴を覆い支持体まで延在され
    た第2の金属膜と、前記第1の金属膜と前記第2の金属
    膜からなり熱電対をなす探針が前記接合穴に配置された
    ことを特徴とする微小熱電対付きカンチレバー。
  2. 【請求項2】 前記探針は、前記可撓性プレートの一方
    の主面から突出してなることを特徴とする請求項1記載
    の微小熱電対付きカンチレバー。
  3. 【請求項3】 前記探針は、先端が鋭角であることを特
    徴とする請求項2記載の微小熱電対付きカンチレバー。
  4. 【請求項4】 前記支持体は、シリコン基板であること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    微小熱電対付きカンチレバー。
  5. 【請求項5】 前記可撓性プレートには、金属薄膜から
    なるレーザ反射膜が配置されていることを特徴とする請
    求項1から請求項4のいずれかに記載の微小熱電対付き
    カンチレバー。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    された微小熱電対付きカンチレバーにおいて、(可撓性
    プレートの長さ)/(可撓性プレートの先端部から探針
    までの寸法)の比が1/100以下であることを特徴と
    する微小熱電対付きカンチレバー。
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