JP2870517B2 - 熱伝導率測定プローブおよび熱伝導率測定装置および方法 - Google Patents
熱伝導率測定プローブおよび熱伝導率測定装置および方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料の表面の熱伝
導率の変化を測定するための熱伝導率測定プローブおよ
び熱伝導率測定装置に関する。
導率の変化を測定するための熱伝導率測定プローブおよ
び熱伝導率測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、試料の熱伝導率の測定に熱伝導率
測定装置が利用されている。このような熱伝導率測定装
置は、温度を測定する機能と調節する機能とを具備した
熱伝導率測定プローブを具備しており、このプローブを
試料の表面に接触させて走査させることで、試料の表面
の熱伝導率の変化を測定する。
測定装置が利用されている。このような熱伝導率測定装
置は、温度を測定する機能と調節する機能とを具備した
熱伝導率測定プローブを具備しており、このプローブを
試料の表面に接触させて走査させることで、試料の表面
の熱伝導率の変化を測定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の熱伝導
率測定装置は熱的な考慮がなされていないため、0,1(μ
m)程度の空間分解能しか実現できなかった。
率測定装置は熱的な考慮がなされていないため、0,1(μ
m)程度の空間分解能しか実現できなかった。
【0004】例えば、アプライド・フィジックス・レタ
ー誌Vol.62,20号,pp.2501-2503(1993)(Appl.Phys.Let
t.,62(20),2501-2503(1993))には、原子間顕微鏡のプロ
ーブの先端部に熱電対構造を作り込んで温度の測定を可
能とすることにより、高い空間分解能で試料の表面温度
を測定できる装置が開示されている。この装置は試料の
表面温度を測定できるので、物質の違いによる発熱量や
吸熱量の変化として熱伝導率の変化を測定することがで
きる。
ー誌Vol.62,20号,pp.2501-2503(1993)(Appl.Phys.Let
t.,62(20),2501-2503(1993))には、原子間顕微鏡のプロ
ーブの先端部に熱電対構造を作り込んで温度の測定を可
能とすることにより、高い空間分解能で試料の表面温度
を測定できる装置が開示されている。この装置は試料の
表面温度を測定できるので、物質の違いによる発熱量や
吸熱量の変化として熱伝導率の変化を測定することがで
きる。
【0005】しかし、単にプローブの先端部が鋭角で微
細であるだけで設計に熱的な考慮がなされていないの
で、発熱量や吸熱量の変化を測定する場合の空間分解能
も0.1(μm)程度でしかない。この装置では、試料か
らの汚染がプローブの先端部に付着して熱伝効果を発生
する先端部が偶然形成された場合のみ、小さな熱量変化
として熱伝導率の変化を空間分解能0.1(μm)以下で
測定できることになるが、このような空間分解能で試料
によらず安定して熱伝導率を測定することは困難であ
る。
細であるだけで設計に熱的な考慮がなされていないの
で、発熱量や吸熱量の変化を測定する場合の空間分解能
も0.1(μm)程度でしかない。この装置では、試料か
らの汚染がプローブの先端部に付着して熱伝効果を発生
する先端部が偶然形成された場合のみ、小さな熱量変化
として熱伝導率の変化を空間分解能0.1(μm)以下で
測定できることになるが、このような空間分解能で試料
によらず安定して熱伝導率を測定することは困難であ
る。
【0006】本発明は上述のような課題を鑑みてなされ
たものであり、熱伝導率を試料によらず安定して高い空
間分解能で測定できる熱伝導率測定プローブおよび熱伝
導率測定装置を提供することを目的とする。
たものであり、熱伝導率を試料によらず安定して高い空
間分解能で測定できる熱伝導率測定プローブおよび熱伝
導率測定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【発明を解決するための手段】本発明の熱伝導率測定プ
ローブは、温度を測定する機能と調節する機能とを先端
部に具備し、該先端部を試料の表面に接触させて熱伝導
率の測定に利用される熱伝導率測定プローブにおいて、
前記試料と接触する部分の面積をS(m2)、前記先端部
の熱容量をCP(J/K)としたとき、 S≦1×10-15 CP≦3.5×106S なる関係を満足する。
ローブは、温度を測定する機能と調節する機能とを先端
部に具備し、該先端部を試料の表面に接触させて熱伝導
率の測定に利用される熱伝導率測定プローブにおいて、
前記試料と接触する部分の面積をS(m2)、前記先端部
の熱容量をCP(J/K)としたとき、 S≦1×10-15 CP≦3.5×106S なる関係を満足する。
【0008】または、前記支持部の熱伝導効率をKS(W
・m/K)としたとき、 S≦1×10-15 KS≦1.2×107S なる関係を満足する。
・m/K)としたとき、 S≦1×10-15 KS≦1.2×107S なる関係を満足する。
【0009】本発明の熱伝導率測定装置は、温度を測定
する機能と調節する機能とを先端部に具備した熱伝導率
測定プローブを有し、該熱伝導率測定プローブをプロー
ブ支持部で支持するとともに試料を試料支持部で支持
し、前記熱伝導率測定プローブの先端部を前記試料の表
面に接触させて熱伝導率を測定する熱伝導率測定装置に
おいて、上述した発明の熱伝導率測定プローブを具備す
る。
する機能と調節する機能とを先端部に具備した熱伝導率
測定プローブを有し、該熱伝導率測定プローブをプロー
ブ支持部で支持するとともに試料を試料支持部で支持
し、前記熱伝導率測定プローブの先端部を前記試料の表
面に接触させて熱伝導率を測定する熱伝導率測定装置に
おいて、上述した発明の熱伝導率測定プローブを具備す
る。
【0010】または、前記熱伝導率測定プローブの試料
と接触する部分の面積が1×10-1 5(m2)以下であり、
前記熱伝導率測定プローブの先端部に連続する支持部と
前記試料との温度を同一に制御する温度制御手段が設け
られている。
と接触する部分の面積が1×10-1 5(m2)以下であり、
前記熱伝導率測定プローブの先端部に連続する支持部と
前記試料との温度を同一に制御する温度制御手段が設け
られている。
【0011】本発明の熱伝導率測定方法は、温度を測定
する機能と調節する機能とを具備した熱伝導率測定プロ
ーブの先端部を試料の表面に接触させて熱伝導率を測定
する熱伝導率測定方法において、前記熱伝導率測定プロ
ーブの試料と接触する部分の面積を1×10-15(m2)以
下とし、前記熱伝導率測定プローブの支持部と前記試料
との温度を同一に制御するようにした。
する機能と調節する機能とを具備した熱伝導率測定プロ
ーブの先端部を試料の表面に接触させて熱伝導率を測定
する熱伝導率測定方法において、前記熱伝導率測定プロ
ーブの試料と接触する部分の面積を1×10-15(m2)以
下とし、前記熱伝導率測定プローブの支持部と前記試料
との温度を同一に制御するようにした。
【0012】従って、本発明の熱伝導率測定プローブと
熱伝導率測定装置および方法では、試料の表面の熱伝導
率を高い空間分解能で測定することができる。つまり、
熱伝導率測定プローブで測定する試料の表面の熱伝導率
の空間分解能αを向上させるためには、一般的に熱伝導
率測定プローブと試料との接触の面積S(m2)を縮小で
きれば良い。しかし、その場合に熱伝導率測定プローブ
の先端部の熱容量と支持部の熱伝導効率とが変化しない
と、温度分解能や熱量分解能βが阻害されることにな
る。
熱伝導率測定装置および方法では、試料の表面の熱伝導
率を高い空間分解能で測定することができる。つまり、
熱伝導率測定プローブで測定する試料の表面の熱伝導率
の空間分解能αを向上させるためには、一般的に熱伝導
率測定プローブと試料との接触の面積S(m2)を縮小で
きれば良い。しかし、その場合に熱伝導率測定プローブ
の先端部の熱容量と支持部の熱伝導効率とが変化しない
と、温度分解能や熱量分解能βが阻害されることにな
る。
【0013】そして、上述した熱伝導率測定の空間分解
能α、熱伝導率測定プローブの先端部の熱容量CP(J/
K)、支持部の熱伝導効率KS(W・m/K)、熱伝導率測
定プローブと試料との接触面積S(m2)には、 α∝S1/2 β∝(KSCP/S) なる比例関係が成立する。上述の関係式の比例定数は、
理論的には予想しがたいが実験的に求めることが可能で
ある。
能α、熱伝導率測定プローブの先端部の熱容量CP(J/
K)、支持部の熱伝導効率KS(W・m/K)、熱伝導率測
定プローブと試料との接触面積S(m2)には、 α∝S1/2 β∝(KSCP/S) なる比例関係が成立する。上述の関係式の比例定数は、
理論的には予想しがたいが実験的に求めることが可能で
ある。
【0014】そこで、直径0.1(μm)の円形の接点を
持つ熱伝導率測定プローブを試作し、人工的に形成した
薄膜パターンを測定した。すると、空間分解能は0.3
0〜0.36(μm)であったので、熱伝導率測定プロー
ブの接点の直径の三倍程度が空間分解能となることが判
明した。つまり、空間分解能0.1(μm)を実現するた
めには、熱伝導率測定プローブと試料との接触面積が
0.8×10-15(m2)であれば良いことになるが、多少
の誤差を考慮して1××10-15が好適である。
持つ熱伝導率測定プローブを試作し、人工的に形成した
薄膜パターンを測定した。すると、空間分解能は0.3
0〜0.36(μm)であったので、熱伝導率測定プロー
ブの接点の直径の三倍程度が空間分解能となることが判
明した。つまり、空間分解能0.1(μm)を実現するた
めには、熱伝導率測定プローブと試料との接触面積が
0.8×10-15(m2)であれば良いことになるが、多少
の誤差を考慮して1××10-15が好適である。
【0015】さらに、上記の熱伝導率測定プローブで測
定したときのノイズレベルが、そのときの熱伝導率の分
解能なので前述の熱量分解能βの比例関係式の比例定数
が判明した。これに基づいて熱容量CP(J/K)と熱伝
導効率KS(W・m/K)とを実際に変化させる範囲を見
積もることができる。
定したときのノイズレベルが、そのときの熱伝導率の分
解能なので前述の熱量分解能βの比例関係式の比例定数
が判明した。これに基づいて熱容量CP(J/K)と熱伝
導効率KS(W・m/K)とを実際に変化させる範囲を見
積もることができる。
【0016】以上のような実験により、 S≦1×10-15 CP≦3.5×106S KS≦1.2×107S なる三つの条件を満足する場合に熱伝導率を空間分解能
0.1(μm)で測定できることが判明した。さらに検討
したところ、上述の三つの条件のうち、第一第二の条件
を満足した状態と、第一第三の条件を満足した状態で
も、熱伝導率は充分に高い空間分解能で測定できること
が判明した。
0.1(μm)で測定できることが判明した。さらに検討
したところ、上述の三つの条件のうち、第一第二の条件
を満足した状態と、第一第三の条件を満足した状態で
も、熱伝導率は充分に高い空間分解能で測定できること
が判明した。
【0017】また、第三の条件は、“熱伝導率測定プロ
ーブの支持部と試料との温度が等しい”なる条件に置換
できることも判明した。従って、上述のような発明の熱
伝導率測定装置における他の発明として“温度制御手段
がプローブ支持部と試料支持部との温度を制御する”こ
とが可能である。
ーブの支持部と試料との温度が等しい”なる条件に置換
できることも判明した。従って、上述のような発明の熱
伝導率測定装置における他の発明として“温度制御手段
がプローブ支持部と試料支持部との温度を制御する”こ
とが可能である。
【0018】なお、本発明で云う熱伝導率測定プローブ
の先端部とは、熱伝導率測定プローブの先端から熱伝導
効率が最小となる位置までの部分を意味している。熱伝
導効率とは、複合材料で形成された単位長さの構造物に
おいて、単位温度勾配に対して単位時間当りに伝導され
る熱量を意味している。
の先端部とは、熱伝導率測定プローブの先端から熱伝導
効率が最小となる位置までの部分を意味している。熱伝
導効率とは、複合材料で形成された単位長さの構造物に
おいて、単位温度勾配に対して単位時間当りに伝導され
る熱量を意味している。
【0019】また、上述のような熱伝導率測定装置にお
ける他の発明として、プローブ支持部と試料支持部とを
相対移動させて熱伝導率測定プローブの先端部を試料の
表面に接触させたまま走査させるプローブ走査機構を設
けることも可能であり、その場合は試料の表面の熱伝導
率の変化が高い空間分解能で測定されることになる。
ける他の発明として、プローブ支持部と試料支持部とを
相対移動させて熱伝導率測定プローブの先端部を試料の
表面に接触させたまま走査させるプローブ走査機構を設
けることも可能であり、その場合は試料の表面の熱伝導
率の変化が高い空間分解能で測定されることになる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図面に基
づいて以下に説明する。なお、図1は熱伝導率測定プロ
ーブを示す平面図、図2は熱伝導率測定装置の要部を示
す斜視図、図3は熱伝導率測定装置の全体を示す斜視図
である。
づいて以下に説明する。なお、図1は熱伝導率測定プロ
ーブを示す平面図、図2は熱伝導率測定装置の要部を示
す斜視図、図3は熱伝導率測定装置の全体を示す斜視図
である。
【0021】本実施の形態の熱伝導率測定装置1は、図
3に示すように、その一部として熱伝導率測定プローブ
2を具備している。この熱伝導率測定プローブ2は、図
1および図2に示すように、一つの先端部3を二つの支
持部4で支持したV字型のカンチレバー構造に形成され
ており、その本体5の下面には銅とコンスタンタンとタ
ングステンとの薄膜配線6〜8が形成されている。
3に示すように、その一部として熱伝導率測定プローブ
2を具備している。この熱伝導率測定プローブ2は、図
1および図2に示すように、一つの先端部3を二つの支
持部4で支持したV字型のカンチレバー構造に形成され
ており、その本体5の下面には銅とコンスタンタンとタ
ングステンとの薄膜配線6〜8が形成されている。
【0022】銅とコンスタンタンとの前記薄膜配線6,
7は、二つの前記支持部4に個々に形成されており、前
記先端部3の位置で接続されて熱電対9を形成してい
る。コンスタンタンの前記薄膜配線8は、前記先端部3
を介して二つの前記支持部4に連続するよう形成されて
おり、前記先端部3の位置で細く形成されてヒータ10
を形成している。つまり、前記先端部3には、前記熱電
対9により温度を測定する機能が付与されており、前記
ヒータ10により温度を制御する機能が付与されてい
る。
7は、二つの前記支持部4に個々に形成されており、前
記先端部3の位置で接続されて熱電対9を形成してい
る。コンスタンタンの前記薄膜配線8は、前記先端部3
を介して二つの前記支持部4に連続するよう形成されて
おり、前記先端部3の位置で細く形成されてヒータ10
を形成している。つまり、前記先端部3には、前記熱電
対9により温度を測定する機能が付与されており、前記
ヒータ10により温度を制御する機能が付与されてい
る。
【0023】本実施の形態の熱伝導率測定プローブ2
は、上述のような構造において、前記先端部3の試料1
5と接触する部分の面積をS(m2)、前記先端部3の熱
容量をCP(J/K)、前記支持部4の熱伝導効率をK
S(W・m/K)としたとき、 S≦1×10-15 CP≦3.5×106S KS≦1.2×107S なる関係を満足している。
は、上述のような構造において、前記先端部3の試料1
5と接触する部分の面積をS(m2)、前記先端部3の熱
容量をCP(J/K)、前記支持部4の熱伝導効率をK
S(W・m/K)としたとき、 S≦1×10-15 CP≦3.5×106S KS≦1.2×107S なる関係を満足している。
【0024】上述のような構造の熱伝導率測定プローブ
2は、図2に示すように、基板11の下面に装着されて
おり、熱伝導率測定装置1のプローブ支持部12に支持
されている。このプローブ支持部12は、絶縁端子台1
3と位置制御ステージ14からなり、試料15が載置さ
れる試料支持部である試料台16に上方から対向してい
る。この試料台16と前記絶縁端子台13とには、温度
制御手段として熱媒体を循環させる配管17が共通に連
結されているので、これらの台13,14は熱伝導率測
定プローブ2の支持部4と試料15との温度を同一に制
御する。
2は、図2に示すように、基板11の下面に装着されて
おり、熱伝導率測定装置1のプローブ支持部12に支持
されている。このプローブ支持部12は、絶縁端子台1
3と位置制御ステージ14からなり、試料15が載置さ
れる試料支持部である試料台16に上方から対向してい
る。この試料台16と前記絶縁端子台13とには、温度
制御手段として熱媒体を循環させる配管17が共通に連
結されているので、これらの台13,14は熱伝導率測
定プローブ2の支持部4と試料15との温度を同一に制
御する。
【0025】前記位置制御ステージ14は、プローブ走
査機構に相当し、熱伝導率測定プローブ2を試料15に
対して三軸方向に移動させる。つまり、熱伝導率測定プ
ローブ2の前記先端部3を試料15の表面に接離させる
ことや、接触させたまま走査させることを実行する。な
お、熱伝導率測定プローブ2の前記薄膜配線6〜8に
は、接続ケーブル18が接続されており、これに温度測
定回路やヒータ駆動回路(ともに図示せず)が接続されて
いる。
査機構に相当し、熱伝導率測定プローブ2を試料15に
対して三軸方向に移動させる。つまり、熱伝導率測定プ
ローブ2の前記先端部3を試料15の表面に接離させる
ことや、接触させたまま走査させることを実行する。な
お、熱伝導率測定プローブ2の前記薄膜配線6〜8に
は、接続ケーブル18が接続されており、これに温度測
定回路やヒータ駆動回路(ともに図示せず)が接続されて
いる。
【0026】上述のような構成において、本実施の形態
の熱伝導率測定装置1は、熱伝導率測定プローブ2によ
り試料15の表面の熱伝導率を測定する。その場合、熱
伝導率測定プローブ2は、先端部3の試料15と接触す
る部分の面積S(m2)、先端部3の熱容量CP(J/K)、
支持部4の熱伝導効率KS(W・m/K)が、 S≦1×10-15 CP≦3.5×106S KS≦1.2×107S なる関係を満足しており、さらに、熱伝導率測定装置1
は、熱伝導率測定プローブ2の支持部4と試料15とを
同一の温度に制御するので、試料15の表面の熱伝導率
が高い空間分解能で測定される。
の熱伝導率測定装置1は、熱伝導率測定プローブ2によ
り試料15の表面の熱伝導率を測定する。その場合、熱
伝導率測定プローブ2は、先端部3の試料15と接触す
る部分の面積S(m2)、先端部3の熱容量CP(J/K)、
支持部4の熱伝導効率KS(W・m/K)が、 S≦1×10-15 CP≦3.5×106S KS≦1.2×107S なる関係を満足しており、さらに、熱伝導率測定装置1
は、熱伝導率測定プローブ2の支持部4と試料15とを
同一の温度に制御するので、試料15の表面の熱伝導率
が高い空間分解能で測定される。
【0027】しかも、熱伝導率測定装置1は、熱伝導率
測定プローブ2の先端部3を試料15の表面に接触させ
たまま走査させるので、試料15の表面の熱伝導率の変
化も高い空間分解能で測定することができる。
測定プローブ2の先端部3を試料15の表面に接触させ
たまま走査させるので、試料15の表面の熱伝導率の変
化も高い空間分解能で測定することができる。
【0028】なお、本発明は上記形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許
容する。例えば、上記形態では熱伝導率測定プローブ2
が前述の三つの条件の全部を満足することを例示した
が、これは第一第二の条件のみ満足した状態や第一第三
の条件のみ満足した状態でも、熱伝導率を高い空間分解
能で測定することができる。
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許
容する。例えば、上記形態では熱伝導率測定プローブ2
が前述の三つの条件の全部を満足することを例示した
が、これは第一第二の条件のみ満足した状態や第一第三
の条件のみ満足した状態でも、熱伝導率を高い空間分解
能で測定することができる。
【0029】また、上記形態では三つの条件を満足した
熱伝導率測定プローブ2の支持部4と試料5とを熱伝導
率測定装置1が同一の温度に制御することを例示した
が、このように温度を制御するのであれば熱伝導率を高
い空間分解能で測定するためには第一の条件のみ満足す
れば良い。
熱伝導率測定プローブ2の支持部4と試料5とを熱伝導
率測定装置1が同一の温度に制御することを例示した
が、このように温度を制御するのであれば熱伝導率を高
い空間分解能で測定するためには第一の条件のみ満足す
れば良い。
【0030】さらに、上述のような条件を満足するので
あれば、当然ながら熱伝導率測定プローブ2の形状や材
料、熱伝導率測定装置1の温度制御の手法などは、各種
の形態に変形することができる。
あれば、当然ながら熱伝導率測定プローブ2の形状や材
料、熱伝導率測定装置1の温度制御の手法などは、各種
の形態に変形することができる。
【0031】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、温度を測定する
機能と調節する機能とを先端部に具備し、該先端部を試
料の表面に接触させて熱伝導率の測定に利用される熱伝
導率測定プローブにおいて、前記試料と接触する部分の
面積をS(m2)、前記先端部の熱容量をCP(J/K)とし
たとき、 S≦1×10-15 CP≦3.5×106S なる関係を満足することにより、試料の表面の熱伝導率
を高い空間分解能で測定することができる。
機能と調節する機能とを先端部に具備し、該先端部を試
料の表面に接触させて熱伝導率の測定に利用される熱伝
導率測定プローブにおいて、前記試料と接触する部分の
面積をS(m2)、前記先端部の熱容量をCP(J/K)とし
たとき、 S≦1×10-15 CP≦3.5×106S なる関係を満足することにより、試料の表面の熱伝導率
を高い空間分解能で測定することができる。
【0032】請求項2記載の発明は、温度を測定する機
能と調節する機能とを先端部に具備し、該先端部を試料
の表面に接触させて熱伝導率の測定に利用される熱伝導
率測定プローブにおいて、前記試料と接触する部分の面
積をS(m2)、前記先端部に連続する支持部で最小の熱
伝導効率をKS(W・m/K)としたとき、 S≦1×10-15 KS≦1.2×107S なる関係を満足することにより、試料の表面の熱伝導率
を高い空間分解能で測定することができる。
能と調節する機能とを先端部に具備し、該先端部を試料
の表面に接触させて熱伝導率の測定に利用される熱伝導
率測定プローブにおいて、前記試料と接触する部分の面
積をS(m2)、前記先端部に連続する支持部で最小の熱
伝導効率をKS(W・m/K)としたとき、 S≦1×10-15 KS≦1.2×107S なる関係を満足することにより、試料の表面の熱伝導率
を高い空間分解能で測定することができる。
【0033】請求項3記載の発明は、温度を測定する機
能と調節する機能とを先端部に具備した熱伝導率測定プ
ローブを有し、該熱伝導率測定プローブをプローブ支持
部で支持するとともに試料を試料支持部で支持し、前記
熱伝導率測定プローブの先端部を前記試料の表面に接触
させて熱伝導率を測定する熱伝導率測定装置1におい
て、請求項1または2記載の熱伝導率測定プローブを具
備することにより、試料の表面の熱伝導率を高い空間分
解能で測定することができる。
能と調節する機能とを先端部に具備した熱伝導率測定プ
ローブを有し、該熱伝導率測定プローブをプローブ支持
部で支持するとともに試料を試料支持部で支持し、前記
熱伝導率測定プローブの先端部を前記試料の表面に接触
させて熱伝導率を測定する熱伝導率測定装置1におい
て、請求項1または2記載の熱伝導率測定プローブを具
備することにより、試料の表面の熱伝導率を高い空間分
解能で測定することができる。
【0034】請求項4記載の発明は、温度を測定する機
能と調節する機能とを先端部に具備した熱伝導率測定プ
ローブを有し、該熱伝導率測定プローブをプローブ支持
部で支持するとともに試料を試料支持部で支持し、前記
熱伝導率測定プローブの先端部を前記試料の表面に接触
させて熱伝導率を測定する熱伝導率測定装置1におい
て、前記熱伝導率測定プローブの試料と接触する部分の
面積が1×10-15(m2)以下であり、前記熱伝導率測定
プローブの先端部に連続する支持部と前記試料との温度
を同一に制御する温度制御手段が設けられていることに
より、試料の表面の熱伝導率を高い空間分解能で測定す
ることができる。
能と調節する機能とを先端部に具備した熱伝導率測定プ
ローブを有し、該熱伝導率測定プローブをプローブ支持
部で支持するとともに試料を試料支持部で支持し、前記
熱伝導率測定プローブの先端部を前記試料の表面に接触
させて熱伝導率を測定する熱伝導率測定装置1におい
て、前記熱伝導率測定プローブの試料と接触する部分の
面積が1×10-15(m2)以下であり、前記熱伝導率測定
プローブの先端部に連続する支持部と前記試料との温度
を同一に制御する温度制御手段が設けられていることに
より、試料の表面の熱伝導率を高い空間分解能で測定す
ることができる。
【0035】請求項5記載の発明は、請求項4記載の熱
伝導率測定装置であって、落とせ着手段は、プローブ支
持部と試料支持部との温度を制御することにより、簡単
な構造で熱伝導率測定プローブの支持部と試料とを同一
の温度に制御することができる。
伝導率測定装置であって、落とせ着手段は、プローブ支
持部と試料支持部との温度を制御することにより、簡単
な構造で熱伝導率測定プローブの支持部と試料とを同一
の温度に制御することができる。
【0036】請求項6記載の発明は、請求項3ないし5
の何れか一記載の熱伝導率測定装置であって、プローブ
支持部と試料支持部とを相対移動させて熱伝導率測定プ
ローブの先端部を試料の表面に接触させたまま走査させ
るプローブ走査機構を設けたことにより、試料の表面の
熱伝導率の変化を高い空間分解能で測定することができ
る。
の何れか一記載の熱伝導率測定装置であって、プローブ
支持部と試料支持部とを相対移動させて熱伝導率測定プ
ローブの先端部を試料の表面に接触させたまま走査させ
るプローブ走査機構を設けたことにより、試料の表面の
熱伝導率の変化を高い空間分解能で測定することができ
る。
【0037】請求項7記載の発明は、温度を測定する機
能と調節する機能とを具備した熱伝導率測定プローブの
先端部を試料の表面に接触させて熱伝導率を測定する熱
伝導率測定方法において、前記熱伝導率測定プローブの
試料と接触する部分の面積を1×10-15(m2)以下と
し、前記熱伝導率測定プローブの支持部と前記試料との
温度を同一に制御するようにしたことにより、試料の表
面の熱伝導率を高い空間分解能で測定することができ
る。
能と調節する機能とを具備した熱伝導率測定プローブの
先端部を試料の表面に接触させて熱伝導率を測定する熱
伝導率測定方法において、前記熱伝導率測定プローブの
試料と接触する部分の面積を1×10-15(m2)以下と
し、前記熱伝導率測定プローブの支持部と前記試料との
温度を同一に制御するようにしたことにより、試料の表
面の熱伝導率を高い空間分解能で測定することができ
る。
【図1】本発明の実施の一形態の熱伝導率測定プローブ
を示す平面図である。
を示す平面図である。
【図2】熱伝導率測定装置の要部を示す斜視図である。
【図3】熱伝導率測定装置の全体を示す斜視図である。 1 熱伝導率測定装置 2 熱伝導率測定プローブ 3 先端部 4 支持部 5 本体 6〜8 薄膜配線 9 熱電対 10 ヒータ 11 基板 12 プローブ支持部 13 絶縁端子台 14 プローブ走査手段である位置制御ステージ 15 試料 16 試料支持部である試料台 17 温度制御手段に相当する配管
Claims (7)
- 【請求項1】 温度を測定する機能と調節する機能とを
先端部に具備し、該先端部を試料の表面に接触させて熱
伝導率の測定に利用される熱伝導率測定プローブにおい
て、 前記試料と接触する部分の面積をS(m2)、前記先端部
の熱容量をCP(J/K)としたとき、 S≦1×10-15 CP≦3.5×106S なる関係を満足することを特徴とする熱伝導率測定プロ
ーブ。 - 【請求項2】 温度を測定する機能と調節する機能とを
先端部に具備し、該先端部を試料の表面に接触させて熱
伝導率の測定に利用される熱伝導率測定プローブにおい
て、 前記試料と接触する部分の面積をS(m2)、前記先端部
に連続する支持部で最小の熱伝導効率をKS(W・m/
K)としたとき、 S≦1×10-15 KS≦1.2×107S なる関係を満足することを特徴とする熱伝導率測定プロ
ーブ。 - 【請求項3】 温度を測定する機能と調節する機能とを
先端部に具備した熱伝導率測定プローブを有し、該熱伝
導率測定プローブをプローブ支持部で支持するとともに
試料を試料支持部で支持し、前記熱伝導率測定プローブ
の先端部を前記試料の表面に接触させて熱伝導率を測定
する熱伝導率測定装置において、 請求項1または2記載の熱伝導率測定プローブを具備す
ることを特徴とする熱伝導率測定装置。 - 【請求項4】 温度を測定する機能と調節する機能とを
先端部に具備した熱伝導率測定プローブを有し、該熱伝
導率測定プローブをプローブ支持部で支持するとともに
試料を試料支持部で支持し、前記熱伝導率測定プローブ
の先端部を前記試料の表面に接触させて熱伝導率を測定
する熱伝導率測定装置において、 前記熱伝導率測定プローブの試料と接触する部分の面積
が1×10-15(m2)以下であり、 前記熱伝導率測定プローブの先端部に連続する支持部と
前記試料との温度を同一に制御する温度制御手段が設け
られていることを特徴とする熱伝導率測定装置。 - 【請求項5】 温度制御手段は、プローブ支持部と試料
支持部との温度を制御することを特徴とする請求項4記
載の熱伝導率測定装置。 - 【請求項6】 プローブ支持部と試料支持部とを相対移
動させて熱伝導率測定プローブの先端部を試料の表面に
接触させたまま走査させるプローブ走査機構を設けたこ
とを特徴とする請求項3ないし5の何れか一記載の熱伝
導率測定装置。 - 【請求項7】 温度を測定する機能と調節する機能とを
具備した熱伝導率測定プローブの先端部を試料の表面に
接触させて熱伝導率を測定する熱伝導率測定方法におい
て、 前記熱伝導率測定プローブの試料と接触する部分の面積
を1×10-15(m2)以下とし、 前記熱伝導率測定プローブの支持部と前記試料との温度
を同一に制御するようにしたことを特徴とする熱伝導率
測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1857297A JP2870517B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 熱伝導率測定プローブおよび熱伝導率測定装置および方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1857297A JP2870517B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 熱伝導率測定プローブおよび熱伝導率測定装置および方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10221280A JPH10221280A (ja) | 1998-08-21 |
JP2870517B2 true JP2870517B2 (ja) | 1999-03-17 |
Family
ID=11975344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1857297A Expired - Lifetime JP2870517B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 熱伝導率測定プローブおよび熱伝導率測定装置および方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2870517B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3925610B2 (ja) * | 2001-02-13 | 2007-06-06 | 喜萬 中山 | 発熱プローブ及び発熱プローブ装置 |
JP2007212390A (ja) * | 2006-02-13 | 2007-08-23 | Kyushu Univ | ナノスケールの熱センサ及び加熱プローブ |
JP4931708B2 (ja) * | 2006-08-31 | 2012-05-16 | セイコーインスツル株式会社 | 顕微鏡用プローブ及び走査型プローブ顕微鏡 |
JP5136868B2 (ja) * | 2010-08-18 | 2013-02-06 | 横河電機株式会社 | 熱伝導度検出器およびそれを用いたガスクロマトグラフ |
-
1997
- 1997-01-31 JP JP1857297A patent/JP2870517B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10221280A (ja) | 1998-08-21 |
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