JP2008303951A - バルブ及び弁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】弁体が開く際の応答性の向上を図ったバルブ及び弁構造を提供する。
【解決手段】一方の領域K1の他方の領域K2に対する差圧が大きくなると弁体14が開いて一方の領域K1の圧力を他方の領域K2に逃し、差圧が小さくなると弁体14が閉じるバルブ10において、隔壁20に設けられた取付孔21に取り付けられる軸部11と、他方の領域K2側に配置され、かつ隔壁20の表面における取付孔21の周囲に設けられた少なくとも一つの圧力逃し孔22の全てを取り囲む位置に密着することで、一方の領域K1と他方の領域K2との間を遮る傘形の弁体14と、を備え、弁体14における隔壁20に対向する側の面には、隔壁20の表面に向かって突出する凸部15が設けられており、かつこの凸部15は弁体14が閉じた際に圧力逃し孔22の開口部全体を塞ぐことなく該開口部上を部分的に通過する位置に設けられていることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、傘形状の弁体を有するバルブ及び弁構造に関するものである。
従来、弁体が傘の形をしたバルブが知られている(特許文献1,2参照)。そのような従来例に係るバルブについて、図9及び図10を参照して説明する。図9及び図10は従来例に係るバルブが使用されている状態を示す模式的断面図である。
バルブ100,150は、一方の領域K1と他方の領域K2とを隔てる隔壁200に取り付けられ、一方の領域K1の圧力(より具体的には、一方の領域K1の他方の領域K2に対する差圧)が設定圧力を越えた場合には、弁体が開いて一方の領域K1の圧力を他方の領域K2に逃し、圧力が下がると再び弁体が閉じるように構成されている。
まず、図9に示すバルブ100について説明する。バルブ100は、隔壁200に設けられた取付孔201に取り付けられる軸部101と、傘形の弁体102とを備えている。隔壁200には、取付孔201の周囲に、圧力逃し孔202が一定の間隔で複数設けられている。
バルブ100が使用される場合、通常の状態では、他方の領域K2の方が一方の領域K1よりも圧力が高く、図9に示すように、弁体102はその大部分が隔壁200の表面に密着した状態となる。これにより、複数の圧力逃し孔202の各開口部は弁体102によってそれぞれ塞がれた状態となり、一方の領域K1と他方の領域K2との間は遮られた状態となる。
そして、一方の領域K1の圧力が何らかの影響で高くなり、当該圧力が設定圧力(少なくとも他方の領域K2の圧力よりも大きな圧力)を越えた場合には、弁体102の外周部分がめくれあがるように変形(図9中、外周端部が矢印M方向に変形)する。これにより、圧力逃し孔202を通じて、一方の領域K1と他方の領域K2が連通し、一方の領域K1の圧力が他方の領域K2に逃げる。
そして、一方の領域K1の圧力が下がると、弁体102は再び図9に示すような状態となり、一方の領域K1と他方の領域K2との間は遮られた状態となる。
このように、バルブ100を備えることによって、一方の領域K1の圧力が設定圧力よりも高くなってしまうことを防止することができる。
次に、図10に示すバルブ150について説明する。このバルブ150も上記図9に示すバルブ100と同様に、軸部151と傘形の弁体152とを備えている。そして、このバルブ150の場合には、弁体152に複数の凸部153が設けられている。これらの凸部153は、隔壁200に設けられた複数の圧力逃し孔202に対向する位置にそれぞれ設けられている。これにより、弁体152が閉じた状態においては、複数の圧力逃し孔202は、各圧力逃し孔202に対向する位置に設けられた凸部153によってそれぞれ開口部が塞がれた状態となる。
この図10に示すバルブ150も上記図9に示すバルブ100と同様の機能を発揮し、かつ、圧力逃し孔202を塞ぐ部分が凸部153で構成されるため、図9に示すバルブ100に比べて耐久性を高くすることができる。
以上のように、従来例に係るバルブの場合には、弁体が閉じた状態においては、隔壁に設けられた圧力逃し孔の開口部は弁体によって完全に塞がれた状態となる。そのため、弁体の表面に液体などが付着することにより弁体が隔壁に貼り付き、開口部端縁の全周に弁体が吸着したような状態で貼り付いてしまうおそれがある。特に、一方の領域K1や他方の領域K2に存在する液体(例えば、燃料)の粘着性が高いと、弁体が隔壁に対して貼り付いた場合の粘着力がかなり高くなってしまうおそれがある。
従って、一方の領域K1の圧力が設定圧力を越えても弁体が開かなかったり、弁体が開くまでの応答時間が長くなってしまったりするおそれがある。
実開平2−22475号公報 特開平10−325474号公報
本発明の目的は、弁体が開く際の応答性の向上を図ったバルブ及び弁構造を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明のバルブは、
一方の領域と他方の領域とを隔てる隔壁に備えられた圧力逃し孔の部分に取り付けられ、一方の領域の他方の領域に対する差圧が大きくなると弁体が開いて一方の領域の圧力を他方の領域に逃し、前記差圧が小さくなると弁体が閉じるバルブにおいて、
前記隔壁に設けられた取付孔に取り付けられる軸部と、
他方の領域側に配置され、かつ前記隔壁表面における前記取付孔の周囲に設けられた少なくとも一つの圧力逃し孔の全てを取り囲む位置に密着することで、一方の領域と他方の領域との間を遮る傘形の弁体と、
を備え、
前記弁体における前記隔壁に対向する側の面には、隔壁表面に向かって突出する凸部が設けられており、かつ該凸部は前記弁体が閉じた際に圧力逃し孔の開口部全体を塞ぐことなく該開口部上を部分的に通過する位置に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、弁体には、弁体が閉じた際に圧力逃し孔の開口部全体を塞ぐことなく開口部上を部分的に通過する位置に凸部が設けられている。そのため、弁体が閉じた状態において、開口部端縁の部分には、凸部の両側に隙間が形成される。これにより、開口部端縁の全周に亘って弁体が貼り付いてしまうことを防止できる。そして、弁体が閉じた状態において、この隙間を通じて、圧力逃し孔から弁体と隔壁表面との間の部分に至る空間領域を形成させることができる。そのため、一方の領域の流体は、弁体と隔壁表面との間の領域内に入り込む。これにより、弁体は、圧力逃し孔に面する部分だけでなく、隔壁表面に対向する部分についても一方の領域の圧力を受けることになる。また、一方の領域の圧力が高くなると、弁体と隔壁表面との間におけるより狭い隙間に一方の領域の流体が入り込んでいく、いわゆる「くさび効果」を発揮する。
前記凸部は前記軸部を取り囲むように設けられた環状の凸部であり、該環状の凸部は全ての圧力逃し孔の開口部上をそれぞれ部分的に通過する位置に設けられているとよい。
これにより、弁体が閉じた状態においても、軸部の周囲の全周に亘って、圧力逃し孔に通じる隙間を形成させることができる。
前記環状の凸部は、前記軸部と同心的に設けられているとよい。
これにより、バルブが取り付けられた際の回転方向の位置がどの位置であっても、圧力逃し孔の開口部上を凸部が通過する位置を同じ位置にすることができる。
前記凸部における長手方向に垂直な断面形状は半円形であるとよい。
これにより、弁体が閉じた状態において、凸部が隔壁表面に接する面積を小さくすることができるので、凸部の両側に形成される隙間を大きくすることができる。
前記弁体における前記隔壁に対向する側の面には、梨地処理が施されているとよい。
これにより、弁体の隔壁に対する粘着力を低下させることができる。
また、本発明の弁構造は、
一方の領域と他方の領域とを隔てると共に、一方の領域から他方の領域へ圧力を逃すための圧力逃し孔を有する隔壁と、
前記圧力逃し孔の部分に取り付けられ、一方の領域の他方の領域の対する差圧が大きくなると弁体が開いて圧力を逃し、前記差圧が小さくなると弁体が閉じるバルブと、を備える弁構造において、
前記隔壁は、
前記バルブを取り付けるための取付孔と、
該取付孔の周囲に備えられる少なくとも一つの前記圧力逃し孔と、
を備え、
前記バルブは、
前記取付孔に取り付けられる軸部と、
他方の領域側に配置され、かつ前記隔壁表面における前記圧力逃し孔の全てを取り囲む位置に密着することで、一方の領域と他方の領域との間を遮る傘形の弁体と、
を備え、
前記弁体における前記隔壁に対向する側の面には、隔壁表面に向かって突出する凸部が設けられており、かつ該凸部は圧力逃し孔の開口部全体を塞ぐことなく該開口部上を部分的に通過する位置に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、弁体には、弁体が閉じた際に圧力逃し孔の開口部全体を塞ぐことなく開口部上を部分的に通過する位置に凸部が設けられている。そのため、弁体が閉じた状態において、開口部端縁の部分には、凸部の両側に隙間が形成される。これにより、開口部端縁の全周に亘って弁体が貼り付いてしまうことを防止できる。そして、弁体が閉じた状態において、この隙間を通じて、圧力逃し孔から弁体と隔壁表面との間の部分に至る空間領域を形成させることができる。そのため、一方の領域の流体は、弁体と隔壁表面との間の領域内に入り込む。これにより、弁体は、圧力逃し孔に面する部分だけでなく、隔壁表面に対向する部分についても一方の領域の圧力を受けることになる。また、一方の領域の圧力が高くなると、弁体と隔壁表面との間におけるより狭い隙間に一方の領域の流体が入り込んでいく、いわゆる「くさび効果」を発揮する。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、弁体が開く際の応答性を向上させることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例)
図1〜図8を参照して、本発明の実施例に係るバルブ及び弁構造について説明する。
<バルブ>
図1〜図3を参照して、本発明の実施例に係るバルブの構成について説明する。図1は本発明の実施例に係るバルブの平面図である。図2は本発明の実施例に係るバルブの底面図である。図3は本発明の実施例に係るバルブの断面図である。なお、図3は、図1におけるAA断面図であり、かつ図2におけるBB断面図である。
本実施例に係るバルブ10は、軸部11と、軸部11の一端側に設けられる傘形の弁体14とから構成される。また、バルブ10は、ゴム状弾性体により構成されており、軸部11と弁体14は一体化されている。
軸部11の先端側には、軸部11の胴体部分(中央部分)よりも径が大きな大径部12が設けられている。また、軸部11の根本側には、バルブ10が取り付けられる隔壁に当接してバルブ10の姿勢を保持させる当接面13が設けられている。
そして、弁体14は、バルブ10が隔壁に取り付けられた際に、隔壁に対向する側の面がシール面14aとして機能するように構成されている。このシール面14aには、梨地処理が施されている。
また、弁体14のシール面14a側には、隔壁表面に向かって突出する環状の凸部15が設けられている。この環状の凸部15は、軸部11を取り囲むように、軸部11と同心的に設けられている。また、環状の凸部15における長手方向に垂直な断面形状は、図3に示すように半円形である。
<隔壁>
図4を参照して、本実施例に係るバルブが取り付けられる隔壁について説明する。図4は本発明の実施例に係る隔壁の平面図の一部である。
隔壁20は一方の領域と他方の領域を隔てるために設けられるものである。隔壁20の具体例としては、液体や気体を貯蔵するためのタンクのケースまたはカバーや、液体や気体が通る管などを挙げることができる。
隔壁20には、バルブ10を取り付けるための取付孔21と、取付孔21の周囲に備えられる複数(本実施例では3個)の圧力逃し孔22が設けられている。また、本実施例では、3個の圧力逃し孔22は、全て同一の寸法形状で構成されており、かついずれも取付孔21から等しい距離の位置に、それぞれの間隔が等しくなるように設けられている。
<弁構造>
特に、図5〜図8を参照して、本発明の実施例に係る弁構造について説明する。図5は本発明の実施例に係るバルブを隔壁に取り付けた状態(外力が作用していない状態)を示す模式的断面図である。なお、図5中のバルブは図1におけるAA断面図に相当し、かつ
図2におけるBB断面図に相当する(図6及び図8についても同様である)。また、図5中の隔壁は図4におけるCC断面図に相当する(図6及び図8についても同様である)。
図6は本発明の実施例に係るバルブが使用されている状態(通常状態)を示す模式的断面図である。図7は本発明の実施例に係るバルブが使用されている状態(通常状態)を示す拡大断面図である。なお、図7中の隔壁は図4におけるDD断面図に相当する。図8は本発明の実施例に係るバルブが使用されている状態(圧力を逃している状態)を示す模式的断面図である。
<<未使用時>>
図5はバルブ10を隔壁20に取り付けた状態であって、外力が作用していない状態を示している。バルブ10は、他方の領域K2側から、隔壁20に備えられた取付孔21に軸部11をその先端から差し込むことによって簡単に取り付けることができる。軸部11の胴体部分の外径は取付孔21の内径と同じかやや小さめに設定されるのに対して、軸部11の先端の大径部12は取付孔21の内径よりも大きく設定されている。従って、軸部11の先端を取付孔21に差し込むと、大径部12は取付孔21を通る過程では弾性変形により縮径し、取付孔21を通り抜けると弾性的に元の形状に戻る。これにより、大径部12の部分が抜け防止として機能するため、バルブ10を隔壁20に取り付けることができる。
バルブ10に外力が作用していない状態では、傘形の弁体14は、外周端縁の辺りだけが、隔壁20の表面に接する。
<<使用時(通常状態)>>
図6及び図7はバルブ10が隔壁20に取り付けられて使用されている状態であって、通常の状態を示している。通常の状態においては、他方の領域K2の方が一方の領域K1よりも圧力が高い状態となる。具体的な例としては、一方の領域K1が負圧状態にあるタンク内部で、他方の領域K2が大気の場合を挙げることができる。
通常状態においては、弁体14は閉じた状態となる。すなわち、他方の領域K2の方が一方の領域K1よりも圧力が高いため、弁体14は、弁体14のシール面14aの大部分が隔壁20の表面に密着するように変形した状態となる。このとき、当接面13が隔壁20における取付孔21の開口端縁の周囲に密着し、バルブ10の姿勢は安定的に保たれる。
また、弁体14のシール面14aは、隔壁20の表面のうち3つの圧力逃し孔22の全てを取り囲む位置(取付孔21から見て3つの圧力逃し孔22よりも外側の環状領域)に密着する。これにより、一方の領域K1と他方の領域K2との間は遮られる。従って、一方の領域K1内の流体が他方の領域K2に漏れたり、他方の領域K2内の流体が一方の領域K2に侵入したりすることを防止できる。このように、バルブ10は、他方の領域K2内の流体を一方の領域K1内に侵入することを防止する逆止弁としての機能を発揮する。
そして、上記の通り、本実施例に係るバルブ10においては、弁体14のシール面14a側には、隔壁20の表面に向かって突出する環状の凸部15が設けられている。弁体14が閉じた状態においては、この環状の凸部15は、圧力逃し孔22の開口部全体を塞ぐことなく開口部上を部分的に通過する位置に設けられている。図4中、点線Tで示した部分が、隔壁20の表面に対して凸部15が位置する部分である。図示のように、環状の凸部15は、全ての圧力逃し孔22の開口部上をそれぞれ部分的に通過する位置に設けられている。
このように、本実施例に係るバルブ10においては、弁体14のシール面14a側に凸部15が設けられているので、弁体14が閉じた状態においても、凸部15の両側に隙間Sが形成される。そして、この凸部15は、弁体14が閉じた状態において、圧力逃し孔22の開口部全体を塞ぐことなく開口部上を部分的に通過するため、圧力逃し孔22の開口部端縁には、必ず凸部15が当接している箇所が存在する。
そのため、弁体14が閉じた状態において、圧力逃し孔の開口部端縁の部分には、凸部15の両側に隙間Sが形成される。従って、弁体14が閉じた状態において、この隙間Sを通じて、圧力逃し孔22から弁体14と隔壁20の表面との間の部分に至る空間領域を形成させることができる(図7中、矢印R1参照)。
なお、環状の凸部15は、外力が作用していない状態においては、弁体14の外周端縁に対して軸部11の先端とは反対側の奥まった位置にあり、かつ当該外周端縁に対して軸部11の中心側の離れた位置にある。そのため、弁体14が閉じた際に凸部15の両側に隙間Sが形成されても、シール面14aによるシール性に悪影響を及ぼすことはない。
<<使用時(圧力を逃している状態)>>
図8はバルブ10が隔壁20に取り付けられて使用されている状態であって、圧力を逃している状態を示している。一方の領域K1の圧力が何らかの影響で高くなり、当該圧力が設定圧力(少なくとも他方の領域K2の圧力よりも大きな圧力)を越えた場合には、図8に示すように、弁体14の外周部分がめくれあがるように変形する。これにより、圧力逃し孔22を通じて、一方の領域K1と他方の領域K2が連通し、一方の領域K1の圧力が他方の領域K2に逃げる(図8中、矢印R2参照)。このように、バルブ10は、一方の領域K1の圧力が高くなった場合には、他方の領域K2に圧力を逃す安全弁としての機能を発揮する。なお、一方の領域K1の圧力が下がれば、バルブ10自体の弾性的な復元力と他方の領域K2の一方の領域K1に対する差圧が大きくなることにより、バルブ10は再び図6及び図7に示す状態に戻る。
<本実施例の優れた点>
本実施例に係るバルブ及び弁構造によれば、弁体14には、弁体14が閉じた際に圧力逃し孔22の開口部全体を塞ぐことなく開口部上を部分的に通過する位置に凸部15が設けられている。そのため、弁体14が閉じた状態において、開口部端縁の部分には、凸部15の両側に隙間Sが形成される。従って、開口部端縁の全周に亘って弁体14が貼り付いてしまうことを防止できる。
また、弁体14が閉じた状態において、この隙間Sを通じて、圧力逃し孔22から弁体14と隔壁20の表面との間の部分に至る空間領域を形成させることができる。そのため、一方の領域K1の流体は、弁体14と隔壁20の表面との間の領域内に入り込む。これにより、弁体14は、圧力逃し孔22に面する部分だけでなく、隔壁20の表面に対向する部分についても一方の領域K1の圧力を受けることになる。また、一方の領域K1の圧力が高くなると、弁体14と隔壁20の表面との間におけるより狭い隙間に一方の領域K1の流体が入り込んでいく、いわゆる「くさび効果」を発揮する。
このように、圧力逃し孔22の開口部端縁の全周に亘って弁体14が貼り付いてしまうことを防止できることと、弁体14が隔壁20の表面に対向する部分についても一方の領域K1の圧力を受けることと、くさび効果とが相俟って、一方の領域K1の圧力が設定圧力を越えた場合には、弁体14は直ちにその外周部分がめくれあがるように変形する。従って、一方の領域K1の圧力が設定圧力を越えても弁体14が開かないという不具合を解消でき、弁体14が開く際の応答性を向上させることができる。
そして、本実施例では、凸部15は軸部11を取り囲むように設けられた環状の凸部15により構成されており、この環状の凸部15は全ての圧力逃し孔22の開口部上をそれぞれ部分的に通過する位置に設けられている。従って、弁体14が閉じた状態においても、軸部11の周囲の全周に亘って、圧力逃し孔22に通じる隙間Sを形成させることができる。これにより、弁体14が開く際の応答性を効果的に向上させることができる。
なお、凸部15を環状にせずに、各圧力逃し孔22に対応させた位置にそれぞれ設ける構成を採用した場合においても、一定の効果が得られることは言うまでもない。
また、本実施例では、環状の凸部15は、軸部11と同心的に設ける構成を採用している。これにより、バルブ10が取り付けられた際の回転方向の位置がどの位置であっても、圧力逃し孔22の開口部上を凸部15が通過する位置を同じ位置にすることができる。つまり、回転方向に捉われることなく、バルブ10を隔壁20に取り付けることができる。勿論、バルブ10を隔壁に取り付ける際に、回転方向を位置決めさせる構成を採用する場合には、凸部15を軸部11と同心的に設ける構成を採用しなくても良いし、環状に設ける必要もない。
また、本実施例では、凸部15における長手方向に垂直な断面形状を半円形とする構成を採用している。これにより、弁体14が閉じた状態において、凸部15が隔壁20の表面に接する面積を小さくすることができるので、凸部15の両側に形成される隙間Sを大きくすることができる。
また、本実施例では、弁体14における隔壁20に対向する側の面に、梨地処理を施している。これにより、弁体14の隔壁20に対する粘着力を低下させることができる。従って、弁体14が開く際の応答性を効果的に向上させることができる。
図1は本発明の実施例に係るバルブの平面図である。 図2は本発明の実施例に係るバルブの底面図である。 図3は本発明の実施例に係るバルブの断面図である。 図4は本発明の実施例に係る隔壁の平面図の一部である。 図5は本発明の実施例に係るバルブを隔壁に取り付けた状態(外力が作用していない状態)を示す模式的断面図である。 図6は本発明の実施例に係るバルブが使用されている状態(通常状態)を示す模式的断面図である。 図7は本発明の実施例に係るバルブが使用されている状態(通常状態)を示す拡大断面図である。 図8は本発明の実施例に係るバルブが使用されている状態(圧力を逃している状態)を示す模式的断面図である。 図9は従来例に係るバルブが使用されている状態を示す模式的断面図である。 図10は従来例に係るバルブが使用されている状態を示す模式的断面図である。
符号の説明
10 バルブ
11 軸部
12 大径部
13 当接面
14 弁体
14a シール面
15 凸部
20 隔壁
21 取付孔
22 圧力逃し孔
K1 一方の領域
K2 他方の領域
S 隙間

Claims (6)

  1. 一方の領域と他方の領域とを隔てる隔壁に備えられた圧力逃し孔の部分に取り付けられ、一方の領域の他方の領域に対する差圧が大きくなると弁体が開いて一方の領域の圧力を他方の領域に逃し、前記差圧が小さくなると弁体が閉じるバルブにおいて、
    前記隔壁に設けられた取付孔に取り付けられる軸部と、
    他方の領域側に配置され、かつ前記隔壁表面における前記取付孔の周囲に設けられた少なくとも一つの圧力逃し孔の全てを取り囲む位置に密着することで、一方の領域と他方の領域との間を遮る傘形の弁体と、
    を備え、
    前記弁体における前記隔壁に対向する側の面には、隔壁表面に向かって突出する凸部が設けられており、かつ該凸部は前記弁体が閉じた際に圧力逃し孔の開口部全体を塞ぐことなく該開口部上を部分的に通過する位置に設けられていることを特徴とするバルブ。
  2. 前記凸部は前記軸部を取り囲むように設けられた環状の凸部であり、該環状の凸部は全ての圧力逃し孔の開口部上をそれぞれ部分的に通過する位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
  3. 前記環状の凸部は、前記軸部と同心的に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のバルブ。
  4. 前記凸部における長手方向に垂直な断面形状は半円形であることを特徴とする請求項1,2または3に記載のバルブ。
  5. 前記弁体における前記隔壁に対向する側の面には、梨地処理が施されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のバルブ。
  6. 一方の領域と他方の領域とを隔てると共に、一方の領域から他方の領域へ圧力を逃すための圧力逃し孔を有する隔壁と、
    前記圧力逃し孔の部分に取り付けられ、一方の領域の他方の領域の対する差圧が大きくなると弁体が開いて圧力を逃し、前記差圧が小さくなると弁体が閉じるバルブと、を備える弁構造において、
    前記隔壁は、
    前記バルブを取り付けるための取付孔と、
    該取付孔の周囲に備えられる少なくとも一つの前記圧力逃し孔と、
    を備え、
    前記バルブは、
    前記取付孔に取り付けられる軸部と、
    他方の領域側に配置され、かつ前記隔壁表面における前記圧力逃し孔の全てを取り囲む位置に密着することで、一方の領域と他方の領域との間を遮る傘形の弁体と、
    を備え、
    前記弁体における前記隔壁に対向する側の面には、隔壁表面に向かって突出する凸部が設けられており、かつ該凸部は圧力逃し孔の開口部全体を塞ぐことなく該開口部上を部分的に通過する位置に設けられていることを特徴とする弁構造。
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