以下、本発明の第一の実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、パチンコ機1の機械的構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、パチンコ機1の正面図であり、図2は、遊技盤2の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠11で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、前面枠11の上部には、左右方向の略全長に亘って前側に膨出するように照明装置35が形成されており、前面枠11の上部の左右の角にはスピーカ32,33がそれぞれ設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、LCDから構成された表示画面28、各種ランプ、LED等を備えた図柄表示装置8が設けられている。この図柄表示装置8の左方には第一普通図柄始動ゲート12が、右方には第二普通図柄始動ゲート13が設けられている。そして、図柄表示装置8の下方には特別図柄始動入賞口15が、さらにその下方には普通電動役物16が配設されている。また、特別図柄始動入賞口15の左方には第一大入賞口18が、右方には第二大入賞口19が設けられており、第二大入賞口19の下方には、3つのLEDにより構成されるラウンド表示灯20が配設されている。尚、普通電動役物16及び2つの大入賞口18,19は開閉部材を備えており、開閉部材が開放された場合(普通電動役物16及び大入賞口18,19が開放された場合)のみ遊技球の入賞が可能となっている。一方で、開閉部材の閉鎖時(普通電動役物16及び大入賞口18,19の閉鎖時)には遊技球は入賞できない。
次に、図柄表示装置8について、図2を参照して説明する。図2に示すように、図柄表示装置8は中央に表示画面28を備えている。この表示画面28には動画やメッセージ等様々な映像が表示されるが、特に大当たり判定の結果を遊技者に報知するために、表示画面28内に横並びに3つのデモ図柄表示部が設けられている。このデモ図柄表示部は、遊技者の目を惹くように後述の特別図柄表示部25よりも広い領域を占めている。
また、表示画面28の下方には、2つの7セグメントから構成される特別図柄表示部25が設けられており、アルファベットや数字、又はこれらの組み合わせからなる特別図柄が表示される。そして、表示画面28の上方には4つのLEDからなる特別図柄記憶数表示LED60が、さらにその左右には4つのLEDからなる普通図柄記憶数表示LED59がそれぞれ配設されている。これらのLEDが点灯する個数により、普通当たり判定及び大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂保留球数が表示される。また、特別図柄記憶数表示LED60の上方には1つのLEDからなる普通図柄表示部24が設けられている。この普通図柄表示部24は、点灯状態が普通当たりの当選を示し、消灯が普通当たりの落選を示しており、点滅状態がこれから普通当たり判定の判定結果を報知することを示す変動状態とされている。
次に、パチンコ機1の電気的構成について、図3を参照して説明する。図3は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、演出制御基板43、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47、及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
はじめに、主基板41について説明する。パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行う主基板CPUユニット50が設けられている。この主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続されており、CPU51は、この割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、ROM53に記憶されている制御プログラムを実行する。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられている。このI/Oインタフェイス54には、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と、特別図柄始動入賞口15に入賞した遊技球を検出するための近接スイッチである始動口スイッチ65と、普通電動役物16へ入賞した遊技球を検出するための近接スイッチである電動役物スイッチ66とが接続されている。また、I/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
次いで、払出制御基板45及び中継基板47について説明する。払出制御基板45には、CPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、賞品球払出装置49に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、賞品球払出装置49の制御を行う。また、中継基板47には、普通電動役物16の開閉部材を開閉させる電動役物開放ソレノイド69、第一大入賞口18の開閉部材を開閉させる第一大入賞口開放ソレノイド70、第二大入賞口19の開閉部材を開閉させる第二大入賞口開放ソレノイド71、第一普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する第一普通図柄作動スイッチ73、第二普通図柄始動ゲート13を通過した遊技球を検出する第二普通図柄作動スイッチ74、第一大入賞口18に入賞した遊技球を検出する第一大入賞口スイッチ75、第二大入賞口19に入賞した遊技球を検出する第二大入賞口スイッチ76、普通図柄表示部24、及び特別図柄表示部25が接続されている。そして、中継基板47は、スイッチやソレノイドの配線の中継と、主基板41から直接制御される表示部等への中継とを行っている。尚、特別図柄始動入賞口15、普通電動役物16、及び2つの大入賞口18,19に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
次いで、サブ統合基板58、演出制御基板43、及び電飾基板46について説明する。サブ統合基板58には、CPU581、RAM582、及びROM583が設けられており、演出制御基板43、電飾基板46、及びスピーカ32,33に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行っている。また、演出制御基板43はCPU43aや図示外のRAM、ROM等を内蔵しており、表示画面28の制御を行っている。また、電飾基板46はCPU46aや図示外のRAM,ROM等を内蔵し、照明装置35、普通図柄記憶数表示LED59、及び特別図柄記憶数表示LED60の制御を行っている。
次いで、電源基板42について説明する。電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給している。そして、遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施の形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域へ発射する。
次に、主基板41のROM53の記憶エリアについて説明する。ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリアと、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリアと、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリアと、特別図柄表示部25に表示する特別図柄の組み合わせを記憶する特別図柄組み合わせパターン記憶エリアと、大当たり判定の判定結果を報知する際の図柄の変動パターンに関するテーブル等の情報が記憶されている特別図柄変動パターン記憶エリアと、普通当たり判定、大当たり判定、及び特別図柄の決定等が行われる際に参照される各種テーブルを記憶する判定テーブル記憶エリアと、2つの大入賞口18,19の開放順序や開放時間、開放回数等を制御するための制御パターンを複数記憶した開閉制御パターン記憶エリアとが設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、主基板41のRAM52の記憶エリアについて説明する。RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリアと、普通図柄始動ゲート12,13や各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリアと、普通図柄始動ゲート12,13への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリアと、普通図柄作動保留球数を記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリアと、特別図柄始動入賞口15及び普通電動役物16への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する大当たり関係情報記憶エリアと、特別図柄作動保留球数を記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリアと、主基板41からサブ統合基板58、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等へ出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリアと、各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリアと、実際に実行される大入賞口18,19の制御パターンを記憶する実行制御パターン記憶エリアとが設けられている。さらに、RAM52には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、RAM52のカウンタ記憶エリアに記憶される各カウンタについて説明する。カウンタ記憶エリアに記憶される各カウンタには、乱数を取得するための乱数取得カウンタ、時間を計測するためのタイマカウンタ、入賞球数を計数するための入賞球数カウンタ等がある。
まず、乱数取得カウンタについて説明する。乱数取得カウンタとしては、普通当たり判定カウンタ、大当たり判定カウンタ、特別図柄作成カウンタ、変動パターン決定カウンタ等がある。これらのカウンタの値は、割込信号発生回路57(図3参照)からの割込信号に基づいて実行されるメイン処理のカウンタ更新処理(S12、図5参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば「1」)ずつ加算される。また、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値までの範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。そして、更新により値が一巡して初期値と同じ値となる毎に、新たな初期値が取得され、その初期値に対して「1」ずつの加算が行われる。この新たな初期値の決定には、所定のアルゴリズムにより乱数を発生させる初期値乱数処理によって生成された乱数が用いられる。尚、これらの乱数取得カウンタは、後述するメイン処理の普通図柄処理(S16、図5参照)、及び特別図柄処理(図6及び図7参照)において使用され、大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)等のRAM52の記憶エリアに格納される。
次いで、タイマカウンタについて説明する。タイマカウンタは時間を計測するために使用されるカウンタであり、時間の計測開始時に初期値として所定の値が記憶される。例えば、1秒を計測する場合には初期値として「500」が記憶される。そして、割込信号発生の間隔である2ms毎に行われるカウンタ更新処理(S12、図5参照)において「1」ずつ減算されて、値が「0」でなければ時間の計測中であると判断され、値が「0」となることで所定時間が経過したと判断される。また、タイマカウンタの値は、「0」となった後は更新されないようにプログラムされている。尚、本実施の形態では多数のタイマカウンタが使用されているが、個々のタイマカウンタについての説明は後述する。
次いで、入賞球数カウンタについて説明する。入賞球数カウンタは、可変入賞口が1回の開閉動作を行う間に、この可変入賞口へ入賞した遊技球の個数を計数するために使用される。このカウンタの初期値は「0」であり、後述するメイン処理のスイッチ読込処理(S11、図5参照)において入賞が検出される毎に「1」加算される。そして、可変入賞口が閉鎖すると初期化される。
次に、RAM52の大当たり関係情報記憶エリアについて、図4を参照して説明する。図4は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリアを示す概念図である。この大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図6及び図7参照)において使用される。図4に示すように、大当たり関係情報記憶エリアには、判定エリア及び第一〜第四記憶エリアが設けられており、第一〜第四記憶エリアには、特別図柄始動入賞口15若しくは普通電動役物16に入賞し、まだ大当たり判定の結果が報知されていない遊技球(特別図柄作動保留球)の取得した乱数が記憶される。また、判定エリアには、現在行われている大当たり判定の結果報知や、大当たり遊技の基になった乱数が記憶されている。
この判定エリア及び第一〜第四記憶エリアのそれぞれには、大当たり判定カウンタの値が記憶される大当たり乱数欄と、特別図柄作成カウンタの値が記憶される特別図柄決定乱数欄と、変動パターン決定カウンタの値が記憶される変動パターン決定乱数欄とが設けられている。そして、特別図柄始動入賞口15若しくは普通電動役物16への遊技球の入賞が確認されると、RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリアの値(特別図柄作動保留球数)に対応する記憶エリアに各値が記憶され、この値に基づいて大当たり判定や特別図柄の決定が行われる。尚、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリアにおいても、判定エリア及び第一〜第四記憶エリアが設けられており、4球の遊技球の情報(普通当たり乱数等)を保留できるようになっている。また、決定された特別図柄により、大当たり判定終了後に生起させる遊技状態や、2つの大入賞口18,19の開閉パターン等が決定されるが、この詳細は後述する。
次に、パチンコ機1の主基板41による動作の詳細について、図5乃至図7を参照して説明する。図5は、主基板41におけるメイン処理のフローチャートであり、図6及び図7は、メイン処理の中で行われる特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリアに記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図3参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込信号は、一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メイン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。
まず、主基板41で行われるメイン処理について、図5を参照して説明する。図5に示すように、割込信号の感知によってメイン処理が開始されると、まずコマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58や払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等に出力される。制御コマンドには、決定された特別図柄の変動パターンを指示するコマンド、特別図柄を停止させるタイミングを指示するコマンド、大当たり判定の判定結果をサブ統合基板58に通知するコマンド、電動役物の開閉タイミングを指示するコマンド等、多数のコマンドがあるが、これらの詳細は後述する。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理において、RAM52のコマンド関係記憶エリアに出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12,13、特別図柄始動入賞口15、普通電動役物16、大入賞口18,19への遊技球の入賞を検知する処理が行われる。具体的には、これらの入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)により遊技球が検出されたか否かが判断される。そして、遊技球が検出された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリアに記憶された各スイッチに対応したフラグがONとされる。尚、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリアの全てのフラグがリセットされる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。先述したように、このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリアに記憶されている乱数取得カウンタの各値が所定量だけ加算され、タイマカウンタの各値が所定量だけ減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、第一大入賞口18及び第二大入賞口19の開閉動作を指示するための大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド等の制御コマンドを送信するための処理が行われる。ここで、本発明では、大入賞口18,19の開閉動作を制御するための複数の制御パターンがROMの開閉制御パターン記憶手段に記憶されており、大当たりと判定された際に、複数の制御パターンの内の1つが決定される。そして、送信される制御コマンドの種類や、制御コマンドを送信するタイミングは、決定された制御パターンによって制御されることとなる。尚、この特別電動役物処理は、後述する特別図柄処理(S14)において、大当たり遊技状態であることを示す「1」が大当たり遊技状態フラグに記憶されて「ON」となっている際に実行され、大当たり遊技が終了すると大当たり遊技状態フラグを「OFF」とする処理が行われる。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。この特別図柄処理では、大当たりの判定、表示画面28に表示される図柄や変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等に加えて、大当たり遊技中の大入賞口18,19の開閉動作を制御するための制御パターンを決定する処理が行われる。この特別図柄処理については、図6及び図7に示すフローチャートを参照して後述する。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に、普通電動役物16を所定時間開放させて遊技球の入賞を可能とする処理が行なわれる。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、2つの普通図柄始動ゲート12,13のいずれかを遊技球が通過した際に、普通当たり判定カウンタの値が普通当たり乱数として取得される。取得された乱数は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリアのうち、普通図柄作動保留球数に対応した番号の記憶エリアに記憶される。そして、番号の若い記憶エリアの乱数から順次普通当たり判定が行われ、判定結果が報知される。
次いで、賞品球の払い出しを行う払出処理(S17)、及びエラーチェック(S18)が行われる。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示画面28にエラー表示を行わせたり、照明装置35を点灯・点滅させたり、スピーカ32,33にエラー音を発音させたりする。そこで、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58へ送信するためのエラーコマンドがRAM52のコマンド関係記憶エリアに記憶される。次いで、情報出力処理(S19)において、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメイン処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、また最初からメイン処理が実行される。
次に、メイン処理の特別図柄処理(S14)の詳細について、図6及び図7に示すフローチャートを参照して説明する。先述したように、特別図柄処理では、大当たりの判定、図柄や変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示、大当たり遊技における大入賞口の開閉パターンの決定等が行われる。
はじめに、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52のフラグ関係記憶エリアには、表示状態フラグ、大当たり遊技状態フラグ、確率変動フラグ等が記憶されている。表示状態フラグは特別図柄表示部25の状態を示すフラグであり、特別図柄表示部25が変動している場合(変動中)には「1」、特別図柄表示部25が停止表示されている場合(停止表示中)には「2」、変動中、停止表示中のいずれでもない場合には「0」が記憶されている。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態である場合には「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。また、確率変動フラグは確率変動中には「1」が記憶されて「ON」となっており、確率変動中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。尚、いずれも初期値は「0」である。
図6に示すように、メイン処理の特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動入賞口15及び普通電動役物16のいずれかに遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図5参照)において、特別図柄始動入賞口15及び普通電動役物16への遊技球の入賞が検出されていない場合には(S21:NO)、そのままS25の判断へ移行する。
特別図柄始動入賞口15若しくは普通電動役物16への遊技球の入賞が検出されている場合には(S21:YES)、その遊技球についての乱数が取得され、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)に記憶される。しかし、乱数を取得して記憶することができる特別図柄作動保留球の数は「4」である。そこで、RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリアの値が「4」であるか否かの判断が行われる(S22)。特別図柄作動保留球数記憶エリアの値が「4」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS25の判断へ移行する。
特別図柄作動保留球数記憶エリアの値が「0」〜「3」のいずれかである場合には(S22:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリアの値に「1」が加算される(S23)。そして、大当たり関係情報記憶エリアの第一〜第四記憶エリアのうち、特別図柄作動保留球数記憶エリアの値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S24)。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタの値が記憶され、特別図柄決定乱数欄には特別図柄作成カウンタの値が記憶され、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が記憶される。
次いで、大当たり遊技状態フラグにより、大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S25)。大当たり遊技状態である場合には、大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグが「ON」であり、大当たり遊技状態である場合には(S25:YES)、そのままメイン処理へ戻る。
大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合には(S25:NO)、大当たり遊技状態でないので、特別図柄表示部25の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグにより、特別図柄表示部25が変動中であるか否かの判断が行われる(S26)。表示状態フラグが「1」でなく、変動中でない場合には(S26:NO)、表示状態フラグにより停止表示中であるか否かの判断が行われる(S27)。表示状態フラグが「2」でなく、特別図柄表示部25が停止表示中でない場合には(S27:NO)、大当たり判定が行われる。
そこで、図7のフローチャートに示すように、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S28)。RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリアの値が「1」以上でなければ(S28:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S28:YES)、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、特別図柄作動保留球数記憶エリアの値が「1」減算され(S29)、大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)に記憶されている値がシフトされる。すなわち、第一記憶エリアに記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、第二〜第四記憶エリアに記憶されている乱数が番号の1つ若い記憶エリアへシフトされ、第四記憶エリアの値がクリアされる(S30)。
次いで、大当たり判定が行われる(S31〜S33)。大当たり判定は、判定エリアの大当たり乱数欄に記憶されている値を用いて、大当たりか否かの判断が行われる。確率変動フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている確率変動状態の場合は(S31:YES)、大当たりとして決められている特定の値の数が通常状態よりも多い高確率状態で大当たり判定が行われる(S32)。確率変動フラグに「0」が記憶されて「OFF」となっている場合は(S31:NO)、通常状態で大当たり判定が行われる(S33)。
次いで、大当たりと判定された場合には(S34:YES)、大当たり時の変動パターン決定処理が行われる(S35)。具体的には、大当たりである場合の変動パターン決定テーブル(図示外)において、判定エリアの変動パターン決定乱数に対応する変動パターンが決定される。そして、決定された変動パターンを示すと共に特別図柄の変動開始を指示する変動パターン指定コマンドが、RAM52のコマンド関係記憶エリアに記憶される。この変動パターン指定コマンドは、コマンド出力処理(S10、図5参照)においてサブ統合基板58に送信される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタに記憶される。
次いで、特別図柄決定処理が行われる(S36)。この特別図柄決定処理では、判定エリアの特別図柄決定乱数欄に記憶されている値に基づいて、ROM53の特別図柄組み合わせパターン記憶エリアに記憶されている大当たりの組み合わせの中の1つが決定され、決定された特別図柄を示す特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリアに記憶される。
次いで、開閉制御パターン決定処理が行われる(S37)。先述したように、ROM53の開閉制御パターン記憶エリアには、2つの大入賞口18,19の開放順序、開放時間、開放回数等を制御するための制御パターンが複数記憶されており、特別図柄決定乱数の値は、開閉制御パターン決定テーブルによって複数の制御パターンのいずれかに対応付けされている。そして、開閉制御パターン決定処理では、この制御パターン決定テーブルが参照されて、特別図柄決定乱数欄に記憶されている値により複数の制御パターンの内の1つが決定される。そして、決定された制御パターンがRAM52の実行制御パターン記憶エリアに記憶される。
次いで、特別図柄決定処理(S36)で決定された特別図柄により、大当たりが確率変動大当たりであるか否かの判断が行われる(S38)。確率変動大当たりであれば(S38:YES)、確率変動フラグに「1」が記憶されて「ON」とされ(S39)、S46の処理へ進む。大当たりが確率変動大当たりでなければ(S38:NO)、確率変動フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされ(S40)、S46の処理へ進む。
一方で、大当たり判定において大当たりと判定されなかった場合には(S34:NO)、はずれ時の変動パターン決定処理が行われる(S43)。具体的には、はずれである場合の変動パターン決定テーブル(図示外)において、変動パターン決定乱数に対応する変動パターンが決定され、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドが記憶される。そして、変動パターンに応じた変動時間が特別図柄変動時間カウンタに記憶される。
次いで、特別図柄決定処理(S44)において、ROM53の特別図柄組み合わせパターン記憶エリアに記憶されているはずれの組み合わせが特別図柄として決定され、決定された特別図柄を示す特別図柄指定コマンドがRAM52のコマンド関係記憶エリアに記憶される。そして、S46の処理へ移行する。
次いで、特別図柄表示部25が変動中であることを示す「1」が表示状態フラグに記憶されて(S46)、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
また、図6に示すS26の判断において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部25が変動中であると判断された場合には(S26:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S50)。S35若しくはS43(図7参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となった場合には、変動時間が経過したので(S50:YES)、RAM52のコマンド関係記憶エリアに特別図柄停止コマンドが記憶される(S51)。この特別図柄停止コマンドは、特別図柄表示部25及び表示画面28内のデモ図柄の変動を停止させる指示を行う。そして、所定の停止表示時間(例えば、0.8秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶され(S52)、特別図柄表示部25が停止表示中であることを示す「2」が表示状態フラグに記憶されて(S53)、メイン処理へ戻る。一方で、S50の判断において、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でなく、変動時間がまだ経過していない場合には(S50:NO)、特別図柄表示部25の変動が継続される。そこで、そのまま特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
また、S27の判断において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部25が停止表示中であると判断された場合には(S27:YES)、停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S54)。S52でセットされた特別図柄停止時間カウンタの値が、カウンタ更新処理(S12、図5参照)において減算されて「0」となった場合には、停止表示時間が経過したので(S54:YES)、特別図柄表示部25が停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が表示状態フラグに記憶される(S55)。
そして、先に行われた大当たり判定で「大当たり」と判定された場合には(S56:YES)、RAM52のフラグ関係記憶エリアにおける大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となる(S57)。一方で、大当たりでない場合には(S56:NO)、そのままメイン処理へ戻る。また、S54の判断において、停止表示時間がまだ経過していないと判断された場合には(S54:NO)、特別図柄表示部25には引き続き図柄が停止表示される。そこで、そのまま特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
以上説明したように、遊技球が特別図柄始動入賞口15若しくは普通電動役物16へ入賞すると(S21:YES)、乱数が取得され(S24)、大当たり判定が行われる(S31〜S33)。そして、大当たり判定の結果が大当たりであるか否かに応じて特別図柄が決定され(S36、S44)、「大当たり」である場合には、決定された特別図柄に対応した大入賞口18,19の開閉動作の制御パターンが決定される(S37)。そして、特別図柄表示部25の動作が制御され、「大当たり」の場合には大当たり遊技状態フラグが「ON」とされる(S57)。
次に、第一の実施形態のパチンコ機1におけるROM53の開閉制御パターン記憶エリアに記憶されている開閉制御パターン決定テーブルについて、図8を参照して説明する。図8は、第一の実施形態の開閉制御パターン決定テーブルを示す概念図である。図8に示すように、ROM53の開閉制御パターン記憶エリアには、2つの大入賞口18,19の開閉動作を制御するための制御パターンが複数記憶されている。また、それぞれの制御パターンと、「0」から「99」までの特別図柄決定乱数の値とが対応付けされている。そして、大当たり判定により大当たりと判定された場合には、判定エリアの特別図柄決定乱数欄に記憶されている値に対応した制御パターンが、実際に実行される制御パターンとして決定される。その後に行われる大当たり遊技では、決定された制御パターンに従って2つの大入賞口18,19の開閉動作が制御されることとなる。
ここで、第一の実施形態では、1回の大当たり遊技中に大入賞口18,19が連続して作動する回数の合計(以下、「ラウンド数」という。)は15回であり、このラウンド数は全ての制御パターンに共通の値となっている。しかし、遊技盤2(図2参照)の左側に設けられた第一大入賞口18が開放される場合には(図8に示す「A」)、最大開放時間は30秒に設定されているのに対し、遊技盤2の右側に設けられた第二大入賞口19が開放される場合には(図8に示す「B」)、最大開放時間は0.2秒に設定されている。また、先述したように、遊技球は0.6秒毎に1個ずつ発射される。よって、開放された第二大入賞口19へ遊技球を入賞させることは困難であり、遊技者が多数の遊技球を獲得可能な第一大入賞口18の開放回数、すなわち、実質ラウンド数は、制御パターンによって異なる。従って、第一の実施形態では、1回の大当たり遊技中に大入賞口18,19が開放される回数は同じであるが、1回の大当たり遊技中の最大開放時間の和が異なる複数種類の大当たり遊技が実行される。これにより、例えば特別図柄決定乱数が「0〜49」である場合の大当たり遊技(実質ラウンド数「15」)と、特別図柄決定乱数が「95〜99」である場合の大当たり遊技(実質ラウンド数「3」)とでは、払い出される遊技球の数が大きく異なることとなる。尚、第二大入賞口19の最大開放時間は、遊技球の発射間隔である0.6秒よりも短い時間に設定することが望ましい。
次に、第一の実施形態における大当たり遊技の遊技内容について、図9を参照して説明する。図9は、実質ラウンド数が15である場合の大入賞口18,19の動作と、実質ラウンド数が10である場合の大入賞口18,19の動作とを比較したタイミングチャートである。尚、実質ラウンド数が15である場合の動作とは、図8に示す開閉制御パターン決定テーブルにおいて、特別図柄決定乱数が「0〜49」である際に決定される制御パターンによって実行される動作である(図9に示すパターン1)。また、実質ラウンド数が10である場合の動作とは、特別図柄決定乱数が「55〜59」である際に決定される制御パターンによって実行される動作である(図9に示すパターン2)。
まず、実質ラウンド数が15である場合の大入賞口18,19の動作(パターン1)について説明する。パターン1の大当たり遊技では、全てのラウンドで第一大入賞口18が開放され、開放された第一大入賞口18は、30秒の最大開放時間が経過するか、9個の遊技球が入賞するかのいずれかの条件が満たされると閉鎖する。そして、パチンコ機1では0.6秒毎に1つの遊技球が発射されるため、遊技者は遊技盤2の左側を狙って遊技球を発射させることで、それぞれのラウンドで概ね9個の遊技球を第一大入賞口18へ入賞させることができる。尚、パターン1の大当たり遊技中には第二大入賞口19は一度も開放されることはない。また、この大当たり遊技中には、表示画面28、スピーカ32,33、及び照明装置35により、パターン1の大当たり遊技特有の演出であり、大当たり遊技の開始から終了までを通した一連の演出である大当たり演出が行われる。この演出と、15ラウンド分の遊技球の払出とにより、遊技者を楽しませることができる。
次いで、実質ラウンド数が10である場合の大入賞口18,19の動作(パターン2)について説明する。パターン2の大当たり遊技では、第一大入賞口18が2回開放された後に第二大入賞口19が1回開放され、このサイクルが繰り返される。ここで、開放された第二大入賞口19が閉鎖される条件は、第一大入賞口18の閉鎖条件とは異なり、0.2秒の最大開放時間の経過、又は9個の遊技球の入賞である。よって、遊技者は、第二大入賞口19へ遊技球を入賞させて遊技球を獲得することは困難である。従って、パターン2の大当たり遊技では、ラウンド数はパターン1と同じ「15」であるが、実質ラウンド数は「10」となる。これにより、1回の大当たり遊技中の大入賞口18,19の最大開放時間の和がパターン1の大当たり遊技よりも短くなると共に、払い出される遊技球の個数はパターン1よりも少なくなる。そして、パターン2の大当たり遊技の開始から終了までは、パターン1の大当たり遊技中の演出とは異なる一連の大当たり演出が表示画面28等によって行われる。
また、図9に示すように、第一大入賞口18が閉鎖されてから次に第一大入賞口18が開放されるまでの時間(第一大入賞口18の開閉動作のインターバル)は、途中で第二大入賞口19が開放されるか否かに関わらず、全て同じ時間に設定されている。すなわち、パターン1では第二大入賞口19が開放されることがなく、第一大入賞口18のインターバルは全て同じであるが、パターン2でもパターン1と同じ第一大入賞口18のインターバルが設けられており、このインターバル中に第二大入賞口19の開閉動作が行われる。従って、第一大入賞口18の開閉動作のインターバルに注目するだけでは、遊技者は第二大入賞口19が開放されたか否かの判別を行うことができない。また、大当たり遊技のラウンド数は、ラウンド表示灯20(図2参照)に表示されるが、表示されるラウンド数は、第一大入賞口18の開放回数に関わらず15である。よって、ラウンド表示灯20の表示から第一大入賞口18の開放回数を判別することもできない。従って、遊技者は大当たり遊技中も遊技内容に注目しながら遊技を行うこととなる。
以上説明したように、第一の実施形態のパチンコ機1では、ラウンド数が同じ(15回)であるが、遊技者が多数の遊技球を獲得可能な第一大入賞口18の開放回数(実質ラウンド数)が異なる複数種類の大当たり遊技を実行することができる。従来、ラウンド数が異なる複数種類の大当たり遊技を実行することで、払い出される遊技球の個数を変化させる遊技機が提案されているが、遊技機においては、大当たり遊技中にラウンド表示灯20等を用いてラウンド数を表示しなければならない規則が定められている。よって、遊技内容を熟知した遊技者にとっては、ラウンド表示灯20を見るだけでラウンド数を判別することができるため、大当たり遊技中に行われるラウンド数の報知等の演出や、大入賞口18,19の開閉動作等を十分に楽しむことができないという問題点があった。しかし、第一の実施形態のパチンコ機1によると、ラウンド表示灯からは実質ラウンド数を判別することができないため、大当たり遊技中も遊技者の期待感を継続させることができる。
また、最大開放時間が30秒であるラウンドでは遊技盤2の左方の第一大入賞口18を開放させるのに対し、最大開放時間が0.2秒であるラウンドでは右方の第二大入賞口19を開放させる。ここで、第二大入賞口19の最大開放時間は遊技球の発射間隔である0.6秒よりも短い時間に設定されているため、第二大入賞口19へ遊技球が入賞することは困難である。よって、遊技者は、長時間開放される第一大入賞口18に注目するため、0.2秒の短時間の開放が分かりにくくなる。従って、大入賞口18,19の動作による実質ラウンド数の判別が困難になるため、演出がより効果的に遊技者に影響を与えることになり、大入賞口18,19の開閉動作と演出とを組み合わせて遊技者の興趣を惹き付けることができる。さらには、第一大入賞口18の開放時間が第二大入賞口19の開放時間よりも長いことをあらかじめ遊技者に教えておき、次にどちらの大入賞口が開放するかに関心を持たせながら遊技者に遊技を楽しませることも可能である。
尚、第一の実施形態では、大当たり遊技の開始から終了までを通した一連の大当たり演出が行われ、大当たり遊技中に実行される大入賞口18,19の制御パターンに応じて演出の内容を変えることで遊技者を楽しませているが、これを変更することも可能である。例えば、第一大入賞口18が長時間開放されるラウンド中に、次のラウンドにおける開放が長時間開放であるか否かの報知を行う構成としてもよい。すなわち、大当たり演出は大当たり遊技を通した一連の内容としてもよいし、次のラウンドへの移行の際に内容が区切られる構成としてもよい。
また、第一の実施形態では大当たり遊技中のラウンド数は全て15ラウンドとなっているが、このラウンド数を複数種類設定してもよい。例えば、ラウンド表示灯によって表示されるラウンド数を2ラウンド、10ラウンド、16ラウンドの3種類とした場合には、実質ラウンド数はそれぞれ順に0〜2ラウンド、0〜10ラウンド、1〜16ラウンドの範囲で設定できることになる。また、これらの設定をさらに変更することで新しい遊技内容を実現することも可能である。例えば、ラウンド表示灯に10ラウンドが表示された場合には実質ラウンド数も10ラウンドに固定し、ラウンド表示灯に16ラウンドが表示された場合には、実質ラウンド数が8ラウンドから16ラウンドまでのいずれかとなるように設定することもできる。この場合、ラウンド表示灯に表示されたラウンド数が最も大きい値(16ラウンド)となった場合と、2番目以降に大きい値(10ラウンド)となった場合とで、実質ラウンド数が逆転する場合がある。従って、遊技者は、16ラウンドの大当たり遊技中に、実質ラウンド数がより大きい値となることを期待しながら遊技を楽しむことができる。
また、第一の実施形態における特別図柄始動入賞口15及び普通電動役物16が本発明の「始動口」に相当し、始動口スイッチ65及び電動役物スイッチ66が「遊技球検出手段」に相当する。また、図6に示すS24において、大当たり乱数を取得する主基板41のCPU51が「当たり乱数取得手段」として機能し、図7に示すS32及びS33において、取得された大当たり乱数が大当たりとして決められた乱数であるか否かを判断する主基板41のCPU51が「大当たり判定手段」として機能する。また、第一大入賞口開放ソレノイド70及び第二大入賞口開放ソレノイド71が「大入賞口開閉手段」に相当し、図5に示すS13において大入賞口18,19の開閉動作を制御する主基板41のCPU51が「大入賞口開閉制御手段」として機能する。また、主基板41のROM53の開閉制御パターン記憶エリアが「開閉制御パターン記憶手段」に相当し、図7に示すS37において複数の開閉制御パターンの中の1つを決定する主基板41のCPU51が「開閉制御パターン決定手段」として機能する。
次に、本発明の第二の実施形態について、図10を参照して説明する。図10は、第二の実施形態の開閉制御パターン決定テーブルを示す概念図である。尚、第二の実施形態では、どの大入賞口18,19の制御パターンが決定されるかの割合が、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起されるか否かに応じて異なる。また、第二の実施形態のパチンコ機では、大入賞口18,19の開閉動作、及び表示画面28等により行われる演出等は第一の実施形態のパチンコ機1とは異なるが、他の要素はパチンコ機1と同じである。よって、同一の構成要素については同一の符号を付し、図1乃至図7に示す機械的構成、電気的構成、及びメイン処理の動作の説明は省略する。
図10に示すように、ROM53の開閉制御パターン記憶エリアには、2つの大入賞口18,19の開閉動作を制御するための制御パターンが複数記憶されており、それぞれの制御パターンと、「0」から「99」までの特別図柄決定乱数の値とがテーブルによって対応付けされている。また、第二の実施形態では、大当たりと判定された際の特別図柄決定乱数が「0」から「49」までのいずれかの値であれば、特別図柄には確率変動図柄が決定される。一方で、特別図柄決定乱数が「50」から「99」までのいずれかであれば非確率変動図柄が決定される(S36、図7参照)。
そして、遊技盤2(図2参照)の左側に設けられた第一大入賞口18、及び右側に設けられた第二大入賞口19のどちらが開放されるかが、制御パターンによってラウンド毎にあらかじめ決められている。また、どちらの大入賞口が開放された場合でも、閉鎖される条件(最大開放時間及び入賞球数)は同じである。
しかし、第二の実施形態では、大当たりが確率変動大当たりであるか、非確率変動大当たりであるかに応じて、左側の第一大入賞口18が開放される割合が異なる。すなわち、特別図柄決定乱数が「0」から「49」までのいずれかの値である確率変動大当たりであれば、第一大入賞口18が開放される割合が多い制御パターンが決定される確率が高い。一方で、特別図柄決定乱数が「50」から「99」までのいずれかの値である非確率変動大当たりであれば、第二大入賞口19が開放される割合が多い制御パターンが決定される確率が高い。
さらに、第二の実施形態では、大当たり遊技中の表示画面28には、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起される期待度を示す表示(以下、「期待度表示」と言う。)がパーセント表示される。そして、1ラウンドから10ラウンドまでは、遊技盤2の左側の第一大入賞口18が開放される毎に、期待度表示に10パーセントが加算されていく。その後、11ラウンドから15ラウンドまでの間に、確率変動に当選したか否かを示す演出が表示画面28やスピーカ32,33等によって行われる。
以上説明したように、第二の実施形態のパチンコ機によると、大当たり遊技終了後に確率変動状態が生起されるか否かを示す期待度が、大入賞口18,19の開閉動作によって遊技者に報知される。従って、遊技球を打ち出すだけの単調な内容になりがちな大当たり遊技中も、遊技者は大入賞口18,19の動作に注目して遊技を楽しむことができる。また、大入賞口18,19の動作に合わせて表示画面28による期待度表示が変化するため、大入賞口18,19によって表される期待度を、より分かりやすく遊技者に伝えることができる。
尚、第二の実施形態では、全てのラウンドでの大入賞口18,19の最大開放時間が同一となっているが、これを変更してもよい。例えば、最大開放時間が長いラウンド数が多い程、その後に確率変動状態が生起される割合が高くなるように設定してもよい。また、確率変動大当たりである場合に特定のラウンドでの大入賞口18,19の開放時間を長くする方法や、確率変動大当たりの場合、特定のラウンドでは必ず左側の第一大入賞口18を開放させる方法等、確率変動状態が生起されるか否かの報知方法、及び確率変動状態が生起される期待度の表示方法は様々な変更が可能である。
また、第二の実施形態に関して、図7に示すS39,S40で確率変動フラグの「ON・OFF」を制御する主基板41のCPU51が、本発明の「遊技状態制御手段」として機能する。また、図7に示すS36,S38において、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態を決定する主基板41のCPU51が「遊技状態決定手段」として機能する。
次に、本発明の第三の実施形態について、図11乃至図13を参照して説明する。図11及び図12は、第三の実施形態のメイン処理で行われる特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートであり、図13は、第三の実施形態の大当たり遊技及び小当たり遊技のそれぞれを比較したタイミングチャートである。ここで、第三の実施形態のパチンコ機では、第一大入賞口18の内部に特定領域が設けられている点、小当たり遊技が設けられている点、及び大入賞口18,19の開閉動作が第一の実施形態のパチンコ機1と異なるのみであり、他の要素はパチンコ機1と同様である。よって、同一の構成要素については同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
尚、第三の実施形態では、大当たり乱数によって大当たり判定及び小当たり判定が行われ、小当たりと判定された場合には、所定の小当たり制御パターンにて第一大入賞口18が開閉される。また、第一大入賞口18内には特定領域及びはずれ領域(図示外)が設けられており、第一大入賞口18への遊技球の流入状況に応じて、特定領域及びはずれ領域のいずれかに遊技球が振り分けられる構成となっている。そして、小当たり遊技中に第一大入賞口18へ遊技球が流入し、この遊技球が特定領域へ振り分けられて入賞すると、大当たり遊技へ移行する。また、大当たり遊技には、ラウンド数が「2」である2R大当たり遊技、及びラウンド数が「16」である16R大当たり遊技が設けられている。そして、第一大入賞口18の開閉動作に関して、所定の16R大当たり遊技の最初の開閉動作と、2R大当たり遊技中の開閉動作と、小当たり遊技中の開閉動作とが全て同じ動作となっている。さらに、判定結果が大当たりであった場合には、小当たり遊技中と同様の処理を行った後、復活演出(16R大当たりの場合)や時短当選演出(2R大当たりの場合)が行われるが、詳細は後述する。
まず、第三の実施形態におけるメイン処理の特別図柄処理(S14)について、図11及び図12を参照して説明する。尚、第三の実施形態の特別図柄処理は、図6及び図7に示す第一の実施形態の特別図柄処理と一部が異なるのみであるため、図6及び図7と同じステップについては図11及び図12においても同じステップ番号を付し、この説明を省略する。また、図12で使用される時短生起フラグは、その後に行われる大当たり遊技の終了後に時短遊技状態を生起させることを示すフラグであり、時短遊技状態を生起させる際に「1」が記憶されて「ON」となり、生起させない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。この時短遊技状態とは、普通図柄表示部24の変動時間が非時短遊技状態中よりも短縮され、且つ普通電動役物16の開放時間が長くなる遊技状態である。また、小当たり遊技状態フラグは、小当たり遊技状態である場合には「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。尚、第三の実施形態では確率変動状態は設けられていない。
図11に示すように、第三の実施形態の特別図柄処理では、特別図柄始動入賞口15及び普通電動役物16のいずれかに遊技球が入賞している場合に乱数取得等の処理が行われる(S21〜S24)。次いで、小当たり遊技状態か否かの判断が行われる(S100)。小当たり遊技状態である場合には、大当たり判定、小当たり判定、特別図柄の変動等の処理は行われない。そこで、小当たり遊技状態フラグが「ON」となっている小当たり遊技状態中であれば(S100:YES)、そのままメイン処理へ戻る。一方、小当たり遊技状態中でなく(S100:NO)、大当たり遊技状態中でもなく(S25:NO)、特別図柄が変動中でも停止表示中でもない場合には(S26:NO、S27:NO)、大当たり判定及び小当たり判定が行われる。
そして、図12に示すように、大当たり判定及び小当たり判定を行うべき遊技球が存在する場合には、まず大当たり判定が行われる(S101)。大当たり関係情報記憶エリアの大当たり乱数欄(図4参照)に記憶されている値が、あらかじめ大当たりと決められた所定の乱数(大当たり決定乱数)であれば、大当たりと判定されて(S101:YES)、特別図柄を決定する処理が行われる(S102)。次いで、決定された特別図柄により、大当たりが16R大当たりであるか否かの判断が行われる(S103)。16R大当たりであれば(S103:YES)、変動パターン決定処理が行われる(S104)。この変動パターン決定処理では、16R大当たりの際の複数の変動パターンの中の1つが、変動パターン決定乱数欄(図4参照)に記憶されている値により決定される。そして、決定された変動パターンを示すと共に特別図柄の変動を開始させる指示を行うコマンドが、RAM52のコマンド関係記憶エリアに記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタに記憶される。
ここで、第三の実施形態では、16R大当たりであることを遊技者に報知する方法として、大当たり遊技が開始する前に16R大当たりであることを報知する方法と、第一大入賞口18が小当たり遊技中と同じ開閉動作を行った後に16R大当たりであったことを報知する方法とがある。そして、このいずれかの方法が、特別図柄及び変動パターン決定乱数欄の値により決定される。すなわち、大当たり遊技前に16R大当たりを報知する特別図柄である場合、後述する2R大当たり時及び小当たり時よりも変動時間が長い変動パターンの中の1つが変動パターン決定乱数欄の値により決定されて、デモ図柄やキャラクタ等を用いた演出が表示画面28にて行われる。一方で、大当たり遊技中に16R大当たりを報知する特別図柄である場合には、変動時間が2R大当たり時及び小当たり時と同様に短い変動パターン(以下、「小当たり時変動パターン」と言う。)が決定される。
次いで、決定されている特別図柄により、第一大入賞口18の動作を制御するための開閉制御パターンが決定される(S105)。詳細には、S102で決定された特別図柄が、大当たり遊技前に16R大当たりを報知する特別図柄であれば、全てのラウンドにおける最大開放時間が30秒となる制御パターンが決定される。また、S102で決定された特別図柄が、大当たり遊技中に16R大当たりを報知する特別図柄であれば、大当たり遊技の最初の2ラウンドが、小当たり遊技中における第一大入賞口18の制御パターン(以下、「小当たり制御パターン」と言う。)と同じである制御パターンが決定される。この制御パターンによると、小当たり制御パターンによるラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでのインターバルは、表示画面28等による復活演出を行うために、他のラウンド間のインターバルよりも長く設定されている。この詳細は図13を参照して後述する。
次いで、決定されている特別図柄により、大当たりが時短大当たりであるか否かの判断が行われる(S106)。時短大当たりであれば(S106:YES)、大当たり遊技終了後に時短遊技状態を生起させることを示す「1」が時短生起フラグに記憶されて「ON」とされ(S109)、S46の処理へ移行する。大当たりが時短大当たりでなければ(S106:NO)、そのままS46の処理へ移行する。
また、大当たり判定の結果が「大当たり」であり(S101:YES)、大当たりの種類が16R大当たりでない場合には(S103:NO)、大当たり判定の結果は2R大当たりである。この場合、特別図柄の変動パターンとして2R大当たり時変動パターンがRAM52に記憶されて、小当たり時と同じ変動時間が特別図柄変動時間カウンタに記憶される(S107)。この2R大当たり時変動パターンは、後述する小当たり時の変動パターンと同様に、大当たり時の変動パターンよりも変動時間が短く設定されている。次いで、第一大入賞口18の動作を制御するための制御パターンとして、2R大当たり制御パターンがRAM52の実行制御パターン記憶エリアに記憶される(S108)。この2R大当たり制御パターンは、小当たり制御パターンと同じ制御パターンとなっているが、詳細は図13を参照して後述する。そして、第三の実施形態では、2R大当たり遊技の終了後には必ず時短遊技状態を生起させる構成となっているため、時短生起フラグが「ON」とされて(S109)、S46の処理へ移行する。
一方で、大当たり判定の結果がはずれであった場合には(S101:NO)、小当たり判定が行われる(S110)。大当たり関係情報記憶エリアの大当たり乱数欄(図4参照)に記憶されている値が、あらかじめ小当たりと決められた所定の乱数(小当たり決定乱数)であれば、小当たりと判定されて(S110:YES)、小当たりであることを示す特別図柄が決定される(S111)。次いで、特別図柄の変動パターンとして小当たり時変動パターンが記憶され、この変動パターンに対応した変動時間が特別図柄変動時間に記憶される(S112)。そして、第一大入賞口18の制御パターンとして、2R大当たりの場合と同じ動作を行う小当たり制御パターンが記憶され(S113)、さらに、小当たり遊技から大当たり遊技へ移行した場合の、小当たり制御パターン終了後の制御パターンが記憶されて(S114)、S46の処理へ移行する。
また、大当たり判定及び小当たり判定の判定結果が共にはずれであった場合には(S101:NO、S110:NO)、はずれを示す特別図柄が決定される(S115)。次いで、小当たり時よりも変動時間が長く、且つはずれであることを報知する変動パターンが決定されて(S116)、S46の処理へ移行する。そして、大当たり判定及び小当たり判定に関する処理が終了すると、特別図柄表示部25が変動中であることを示す「1」が表示状態フラグに記憶されて(S46)、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
そして、図11に示すように、特別図柄の変動時間が経過すると(S26:YES、S50:YES)、特別図柄を停止させる処理が行われ(S51)、停止表示時間が経過すると(S27:YES、S54:YES)、特別図柄表示部25が変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が表示状態フラグに記憶される(S55)。次いで、判定結果が「小当たり」であった場合には(S121:YES)、小当たり遊技中であることを示す「1」が小当たり遊技状態フラグに記憶されて「ON」とされ(S122)、メイン処理へ戻る。また、判定結果が「大当たり」であった場合には(S121:NO、S123:YES)、大当たり遊技中であることを示す「1」が大当たり遊技状態フラグに記憶されて(S124)メイン処理へ戻る。判定結果がはずれであった場合には(S121:NO、S123:NO)、そのままメイン処理へ戻る。
以上説明したように、第三の実施形態のパチンコ機では、16R大当たりであることが大当たり遊技中に遊技者に報知される場合の最初の2Rと、2R大当たりである場合と、小当たりである場合とで、第一大入賞口18の開閉動作が全て同じになるように構成されている。すなわち、16R大当たりの一部における最初の2R中に第一大入賞口18は2回開閉され、2R大当たりの場合の開閉回数も2回、小当たりの場合の開閉回数も2回となっている。尚、図12に示すフローチャートでは、大当たり判定及び小当たり判定を2段階に分けて行っているが、テーブルを1回だけ参照して大当たり判定及び小当たり判定を同時に行うことができるのは言うまでもない。
次に、第三の実施形態における大当たり遊技及び小当たり遊技の遊技内容について、図13を参照して説明する。はじめに、大当たり遊技前に16R大当たりであることが報知される場合の遊技内容について説明する。まず、変動を開始した特別図柄は、変動パターン決定処理(S104、図12参照)において決定された変動パターンに従って、小当たりの場合よりも長い時間変動を続ける。この間、表示画面28、スピーカ32,33、照明装置35等では、デモ図柄やキャラクタ等を用いた多彩な演出が行われる。そして、特別図柄の変動時間が経過すると、特別図柄表示部25及び表示画面28では16R大当たりであることを示す図柄が表示されて、所定の停止表示時間が計測される。その後、メイン処理の特別電動役物処理(S13、図5参照)において、開閉制御パターン決定処理(S105、図12参照)により決定された制御パターンに従って、第一大入賞口18の開閉動作が制御される。この場合、開放された第一大入賞口18は、全てのラウンドに関して、30秒の最大開放時間の経過、及び最大入賞球数である9個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖する。また、全てのラウンド間のインターバルは同じ時間となっている。
次いで、はずれと判定された場合の遊技内容について説明する。はずれと判定された場合には、大当たり遊技前に16R大当たりであることが報知される場合と同様の様々な演出が、特別図柄の変動中に行われる。従って、特別図柄の変動時間は小当たりの場合よりも長くなっている。そして、変動時間が経過するとはずれであることが報知され、その遊技球に関する遊技は終了する。
次いで、小当たりと判定され、第一大入賞口18内の特定領域へ遊技球が入賞しなかった場合の遊技内容について説明する。小当たりの場合の特別図柄の変動時間は、先述したはずれ等の場合よりも短く設定されている。そして、変動時間及び停止表示時間が経過すると、小当たり制御パターンに従って、第一大入賞口18が2回開閉される。この1回の開放時間は0.8秒となっている。そして、第一大入賞口18内に設けられた特定領域(図示外)へ遊技球が入賞しなければ、その遊技球に関する遊技はそのまま終了する。
次いで、小当たりと判定され、所定時間内に第一大入賞口18内の特定領域へ遊技球が入賞した場合の遊技内容について説明する。第一大入賞口18が2回開閉されるまでの遊技内容は、大当たり遊技に移行しない小当たり遊技の場合と同じである。そして、1回目の第一大入賞口18の開放時から計測される所定時間内に、特定領域へ遊技球が入賞したことがスイッチによって検出されると、その後に移行する大当たり遊技のラウンド数を抽選する演出が表示画面28等によって行われる。ここで、第三の実施形態では、小当たり遊技から大当たり遊技へ移行した際のラウンド数、及び大当たり遊技終了後に生起される時短遊技状態の当否は、実際には小当たりと判定された際の特別図柄により既に決定されている。従って、遊技球が特定領域へ入賞した場合のラウンド数及び時短遊技状態の当否を、小当たり遊技中に遊技者に報知することもできる。これにより、遊技者は、遊技球が特定領域へ入賞することをより強く期待しながら遊技を楽しむことができる。そして、ラウンド抽選演出が終了すると、決定されているラウンド数の大当たり遊技が実行される。尚、小当たり遊技における2回の第一大入賞口18の開閉動作は、大当たり遊技の1ラウンドとして扱われる。そして、特定領域に遊技球が入賞して大当たり遊技へ移行すると、移行した次のラウンドは大当たり遊技における2ラウンド目として扱われる。また、特定領域への遊技球の入賞による大当たり遊技への移行等の処理は、メイン処理の特別電動役物処理(S13、図5参照)により行われている。
次いで、大当たり遊技中に16R大当たりであることが報知される場合の遊技内容について説明する。この場合の特別図柄の変動時間は、小当たりの場合の変動時間と同様に短く設定されている。そして、変動時間及び停止表示時間が経過すると、開閉制御パターン決定処理(S105、図12参照)により決定された制御パターンに従って大当たり遊技が行われる。ここで、1ラウンド目及び2ラウンド目の第一大入賞口18の動作は、小当たり時の動作と同じ動作となっており、最大開放時間は0.8秒に設定されている。また、表示画面28等により行われる演出も、小当たり時と同じ演出となっている。従って、遊技者は、判定結果が大当たりであったのか、小当たりであったのかをこの時点で判別することは不可能である。
そして、第一大入賞口18が小当たり制御パターンによる動作と同じ動作を行った後は、第一大入賞口18内の特定領域へ遊技球が入賞したか否かに関わらず、3ラウンド目以降の大当たり遊技が実行される。ここで、2ラウンド目と3ラウンド目の間のインターバルには、他のラウンド間のインターバルよりも長い時間が設定されている。そして、この長いインターバルの間に、判定結果が小当たりでなく16R大当たりであったことを示す復活演出が行われる。これにより、遊技内容が多様化すると共に、遊技球が第一大入賞口18の特定領域へ入賞しなかった場合でも、遊技者は期待感を損なうことなく遊技を行うことができる。また、2ラウンド目と3ラウンド目の間の長いインターバルの間に復活演出を行うことで、遊技者をより楽しませることができる。
次いで、大当たり判定により2R大当たりと判定された場合の遊技内容について説明する。2R大当たりと判定された場合、小当たり時と同様に短い変動時間を経た後、大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中の第一大入賞口18の開閉動作、及び開閉動作中に行われる演出は、全て小当たり判定時と同じである。従って、遊技者は、判定結果が小当たり、16R大当たり、2R大当たりのいずれであったのかをこの時点で判別することはできない。また、2R大当たりであった場合、2ラウンドの大当たり遊技の終了後には必ず時短遊技状態が生起される。そこで、第一大入賞口18の開閉動作の終了後に、時短遊技状態に当選したことを示す演出を実行することで、遊技者を喜ばせることができる。
以上説明したように、第三の実施形態のパチンコ機によると、大当たりと判定された場合の第一大入賞口18の制御パターンには、小当たり制御パターンを最初に含む制御パターンと、小当たり制御パターンと同じ制御パターンとが設けられている。さらに、大当たりの場合でも、小当たり制御パターンと同じパターンにて第一大入賞口18が動作している間は、表示画面28等によって行われる演出は小当たり時と同じ演出が行われる。よって、第一大入賞口18が小当たり時の動作を行った時点では、小当たり、16R大当たり、及び2R大当たりの判別を行うことができない。従って、第一大入賞口18が小当たり時の動作を行った際に遊技球が特定領域へ入賞しなかった場合でも、多数の遊技球が払い出される機会(第三の実施形態では、16R大当たりや、大当たり後に生起される時短遊技状態)が遊技者に与えられることがあり、遊技者に期待感を持たせながら遊技を楽しませることができる。
尚、第三の実施形態では、大当たり遊技の最初2ラウンドにおける第一大入賞口18の制御パターンが、小当たり制御パターンと同一となっている。しかし、これを変更することもでき、例えば、大当たり遊技の最初1ラウンド目を小当たり制御パターンと同一としてもよい。また、大当たり遊技中の第一大入賞口18の開放回数は、1ラウンド毎に1回とする必要はなく、1ラウンドに複数回開放させてもよい。また、第三の実施形態では、説明を簡略化するため、小当たり遊技中の第一大入賞口18の開放回数が全て2回となっている。しかし、実際には、第一大入賞口18は小当たり遊技中に1回開放する場合と2回開放する場合とがある。そして、1回しか開放しなかった場合には判定結果が大当たりであることはないが、2回開放した場合には、第一大入賞口18への遊技球の入賞率が高くなることに加えて、判定結果が大当たりである場合がある。これにより、第一大入賞口18が2回開放された場合の遊技者の期待感をより高くすることを実現している。
また、第三の実施形態では、2Rの大当たり遊技終了後のみ必ず時短遊技状態を生起させる構成としているが、全ての大当たり遊技終了後に時短遊技状態を生起させる構成としてもよいし、複数種類の大当たり(2R大当たりや16R大当たり等)のそれぞれの大当たりにおいて一定の割合で時短遊技状態を生起させるようにしてもよい。
また、第三の実施形態では、2Rの大当たり遊技終了後に必ず時短遊技状態を生起させる構成となっており、大当たり遊技終了後に時短遊技状態となることを報知している。しかし、この構成も変更が可能であり、小当たりに当選し、且つ第一大入賞口18が小当たり時の動作を行った際に遊技球が特定領域へ入賞しなかった場合の一部でも、時短遊技状態となるか否かの演出(以下、「時短当落演出」と言う。)を行うこともできる。そして、2Rの大当たり遊技終了後にも同様の時短当落演出を行うことにより、特定領域へ遊技球が入賞しなかった場合でも、その後もう一度遊技者の期待感を高めることができる。内部的には、2R大当たりであるか小当たりであるかは既に決定されており、2R大当たりである場合のみ時短遊技状態が生起させるが、第三の実施形態では第一大入賞口18の開閉動作によって判定結果の判別を行うことが困難である。これにより、先述したような時短当落演出を効果的に行うことができる。
そして、この時短当落演出を行う場合には、2Rの大当たり遊技での第一大入賞口18の開閉動作後、及び一部の小当たり遊技での第一大入賞口18の開閉動作後は、次回の判定が行われるまでの待機時間(インターバル)を、時短当落演出を行わない場合よりも長く設定する。この長い待機時間中に時短当落演出を行うこととする。詳細には、小当たり遊技終了後の待機時間は少なくとも2種類設定され、時短当落演出が行われない場合の第一待機時間と、時短当落演出が行われる場合の第二待機時間とが設けられている。この第二待機時間が先述した長い待機時間に該当し、2Rの大当たり遊技終了後にも第二待機時間を設けて時短当落演出を行う。また、第二待機時間は当たり遊技状態に含まれることが望ましい。これにより、2R大当たり時には大当たり遊技終了と同時に時短遊技状態が生起されるため、時短当落演出中に時短遊技状態となって当落の結果が判別されてしまうことを防ぐことができる。また、先述した16Rの大当たり遊技における2ラウンド目と3ラウンド目との間のインターバルを、第二待機時間と同じ長さに設定し、時短当落演出と16R大当たりであるか否かの演出とを同時に行ってもよい。
また、従来の所謂第一種タイプと言われる遊技機では、大入賞口が開放されてから、約30秒の最大開放時間の経過、及び約9個の遊技球の入賞のいずれかの閉鎖条件が満たされるまでに、ラウンド表示灯の表示を確認する十分な余裕がある。よって、遊技内容を熟知している遊技者であれば、ラウンド表示等によりラウンド数の判別を行うことが可能であった。これに対し、第三の実施形態の遊技機(所謂、第二種タイプの遊技機)では、小当たり時、及び小当たり時と同様の大入賞口の制御が行われる大当たり時には、ラウンド表示灯の表示を確認するだけの十分な時間はない。さらに、遊技者の興味は、遊技球が特定領域を通過するか否かに注がれる。従って、第一大入賞口18の開閉動作や演出を用いた遊技者の期待感の向上を、より効果的に行うことができる。
また、第三の実施形態に関して、図12に示すS110で小当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「小当たり判定手段」として機能する。また、図5に示すS13において、小当たり遊技中の第一大入賞口18の開閉動作を制御する主基板41のCPU51が「小当たり開閉制御手段」として機能する。また、大当たり判定の結果が16R大当たりであることを大当たり遊技中(2ラウンド終了後)に報知する場合の、第一大入賞口18の開閉制御パターンが「特定制御パターン」に相当する。
尚、本発明に基づく遊技の制御方法は、上記実施形態に限定されることはなく、遊技機の仕様等に応じて様々な変更が可能である。例えば、大入賞口18,19の配設位置や最大開放時間、ラウンド数等を変更することができる。また、第一〜第三の実施形態の要素を組み合わせて用いてもよい。