(実施例1)
本実施例に示すぱちんこ遊技機は、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する。遊技球が始動入賞口に入球すると当否抽選が実行され、その抽選結果が「大当たり」であった場合、大入賞口が開閉を繰り返す特別遊技が開始される。大入賞口に入球があると、その都度所定数の賞球が払い出されるため、遊技者に有利な状態となる。本実施例では、大当たりとして、通常の大当たり(「通常大当たり」という)と特定の大当たり(「特定大当たり」)が設けられている。通常大当たりは通常の特別遊技(「通常特別遊技」という)への移行を示し、特定大当たりは特定の特別遊技(「特定特別遊技」)への移行を示す。いずれの特別遊技も15回の単位遊技(特別遊技が継続する場合の単位となる遊技)を含むが、大入賞口の開放態様および特別遊技の継続条件が互いに異なっている。
すなわち、通常特別遊技は15回の継続上限回数に達するまで単位遊技が繰り返し継続されるが、特定特別遊技は、2回目の単位遊技(2ラウンド)以降、大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過することが次の単位遊技を実行する継続条件とされている。その継続上限回数は通常特別遊技と同様に15回である。つまり、通常特別遊技は継続上限回数までの継続が約束されるが、特定特別遊技は、2ラウンド以降に特定領域への遊技球の通過がなければその単位遊技にて終了することになる。また、通常特別遊技においては所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(30秒)の経過が単位遊技の終了条件とされており、特定特別遊技においては所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(0.2秒)の経過が単位遊技の終了条件とされている。このため、通常特別遊技においては大入賞口の開放時間が長いため比較的多くの出玉(賞球)を獲得することができるが、特定特別遊技においては大入賞口の開放時間が短いため実質的に出玉は期待できない。特定特別遊技においてはその継続条件としての遊技球の入球が得られないいわゆるパンクが発生しやすく、2回目の単位遊技(2ラウンド)で終了する可能性が高い。
一方、当否抽選の結果が「小当たり」と呼ばれる所定の結果になった場合には、大入賞口の短時間の開放がなされる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技は、1回の単位遊技を含む特殊遊技として実行される。この小当たり遊技は、特定特別遊技を構成する複数回の単位遊技の1回分に相当する。つまり、本実施例では小当たり遊技においても大入賞口の開放時間が短いため実質的に出玉は期待できない。小当たりは確変を伴わず、前後の通常遊技の大当たり確率を変化させない。したがって、遊技者にとっては小当たりよりも特定大当たりのほうが利益状態が高くなる。ただし、確変状態(高確率状態)から大当たりが発生した場合、その大当たりが確変を伴わなければその特別遊技後の遊技状態は通常状態(低確率状態)に転落してしまうところ、確変状態から小当たりが発生してもその小当たり遊技後の遊技状態は確変状態に維持される。本実施例では、このように特定特別遊技をいち早くパンクさせることにより小当たり遊技と大入賞口の開放態様において外観上同様にみせて両遊技の区別を困難にし、それが特定特別遊技であることを望む遊技者の期待感を煽る遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。
以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置77および特定領域通過検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置77は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。特定領域通過検出装置78は、第1大入賞口91内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを検出するセンサであり、遊技球の通過時にその通過を示す特定領域通過情報を生成する。第1大入賞口91は、特別図柄192が特定大当たりを示す所定態様にて停止したときに開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、特別図柄192が通常大当たりを示す所定態様にて停止したとき、特定大当たりを示す所定態様にて停止したとき、および小当たりを示す所定態様にて停止したときに開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92は、アウト口58の右上方の位置、つまり遊技者がいわゆる右打ち等通常と異なる打ち方をしない限り遊技球が入球しない位置に設けられている。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。特別図柄192の変動表示が停止されたときの図柄態様が大当たりまたは小当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たりまたは小当たりの発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す作動口通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。本実施例では、その時間間隔が1分間あたり100球の遊技球が打ち出されるよう設計されている。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作が開始される。通常大当たりである場合、スロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。本実施例において、通常特別遊技において第2大入賞口92が開放される。第2大入賞口92は、例えば約30秒間開放された後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第2大入賞口92の開閉が所定回数(例えば15回)繰り返される。すなわち、第2大入賞口92の開放開始から所定時間(30秒)または所定数(10球以上)の入球が通常特別遊技を構成する単位遊技の終了条件とされている。
一方、特定大当たりである場合には、装飾図柄190は、3つの図柄を連続する奇数または偶数の図柄とする表示態様をとる。本実施例において、特定特別遊技において第2大入賞口92、第1大入賞口91の順に開放される。特定特別遊技も15回の単位遊技からなり、形式的には通常特別遊技と同様の単位遊技数であるが、第1大入賞口91が開放される単位遊技においては遊技球が特定領域を通過したことが次の単位遊技を実行、つまり特定特別遊技を継続させるための継続条件とされている。本実施例においては特定特別遊技として大入賞口の固有の開閉パターンが設定され、通常特別遊技よりも大入賞口の開放時間は短くなる。各特別遊技における大入賞口の開閉動作の詳細については後述する。また、停止時の特別図柄192および装飾図柄190が小当たりを示す図柄である場合、小当たり遊技に移行し、第2大入賞口92の短時間の開閉動作がなされる。この小当たりある場合にも、装飾図柄190は、3つの図柄を連続する奇数または偶数の図柄とする表示態様をとる。小当たり遊技における開閉動作の詳細については後述する。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては、原則として、特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基板39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、小当たり遊技制御手段121、特定遊技実行手段122、入球制御手段150、特別遊技作動条件保持手段176、小当たり遊技作動条件保持手段180を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出動作制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、特定領域通過情報を受け取ると遊技球が特定領域を通過したと判断し、作動口通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
当否抽選手段112は、通常状態では通常確率による当否判定のための当否テーブル(以下、適宜「通常当否テーブルという」)を参照し、確変状態では通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブル(以下、適宜「確変当否テーブルという」)を参照する。本実施例では、通常当否テーブルにおいては当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときにのみ大当たりとなる。確変当否テーブルにおいては大当たりの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜399の範囲に該当する場合だけでなく、400〜3999の範囲に該当する場合にも大当たりとなる。このように、大当たりに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。
本実施例では、上述のように、特別遊技の単位遊技の終了条件が、第2大入賞口92の開放開始から30秒経過または10球以上の入球とされた通常特別遊技と、第2大入賞口92または第1大入賞口91の開放開始から0.2秒経過または10球以上の入球とされた特定特別遊技とが設けられている。前者の30秒という開放時間は、設計上、第2大入賞口92に複数の遊技球が入球可能な時間値であり、特別遊技として多くの出玉が期待される。これに対し、後者の0.2秒という開放時間は、設計上、10球以上の入球はおろか、第2大入賞口92または第1大入賞口91への入球そのものを実質的に阻止可能な時間値であり、特別遊技としての出玉は期待できないものである。すなわち、第1大入賞口91の開放時に既に遊技領域52に滞在している遊技球があることを考慮しても、遊技領域52にある遊技釘や風車などの機構により遊技球の流下方向に変化が与えられる特性上、第1大入賞口91の開放期間に入球させることは困難となっている。
また、通常特別遊技においては単位遊技が無条件で15回繰り返される。これに対し、特定特別遊技においては形式的には単位遊技が15回を上限として繰り返し可能とされているものの、2回目以降の単位遊技においては大入賞口への遊技球の入球(特定領域の通過)が継続条件とされている。しかも、大入賞口の開放時間が極短であるため、2回の単位遊技にて終了する可能性が高い。初回の単位遊技については特定領域のない第2大入賞口92が開放されるため、特定特別遊技においても無条件にて次の単位遊技に移行される。すなわち、通常特別遊技は大入賞口のトータルの開放時間が比較的長いのに対し、特定特別遊技は大入賞口のトータルの開放時間が極めて短い。また、小当たり遊技は1回の単位遊技で構成されるが、特定特別遊技と同様に1回あたりの大入賞口の開放時間が極短である。このため、以下の説明においては、通常特別遊技を「長期開放遊技」、特定特別遊技と小当たり遊技とを総称して「短期開放遊技」とも呼ぶ。
当否抽選値が大当たり範囲に該当しない場合のうち、所定の範囲に該当した場合に小当たりとなる。本実施例では、確変状態であるか否かにかかわらず、当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当たりとなる。このように大当たりに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本実施例では大当たりに該当しなかった場合のうち小当たりにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現する。
当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
変動パターン決定手段115は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために参照すべき複数のパターン選択テーブルを保持する。複数のパターン選択テーブルには、複数の変動パターンと抽選値との対応関係としてそれぞれ異なる関係が定められている。変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するためのパターン抽選値を取得する。変動パターン決定手段115は、遊技状態に応じたパターン選択テーブルにしたがい、当否抽選の結果とパターン抽選値に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
変動パターン決定手段115は、当否判定結果が外れのときは外れ用のパターン選択テーブルを参照し、通常大当たりのときは通常大当たり用のパターン選択テーブルを参照する。また、当否判定結果が特定大当たりや小当たりのときには、特定大当たり用、小当たり用のパターン選択テーブルを参照する。このパターン選択テーブルには、時短状態のときに参照されるパターン選択テーブルや当否抽選結果の保留数に応じたパターン選択テーブルも含まれる。
本実施例では、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれの変動パターンも選択される可能性がある。このリーチ演出は、リーチ付きの変動パターンが選択されたときに、装飾図柄190によりあと一つ図柄が揃えば当たり図柄組み合わせとなる状態を経る図柄変動が表示されるものであり、大当たりとなる前兆を示唆して遊技者の期待感を高める演出である。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された停止図柄と変動パターン決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出動作制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出動作制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技作動条件保持手段176は、第1大入賞口91や第2大入賞口92の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための特別遊技移行条件と、特別遊技の移行後に当該特別遊技を継続するための特別遊技継続条件を保持する。特別遊技作動条件保持手段176は、長期作動条件保持手段178と短期特別遊技作動条件保持手段179を含む。長期作動条件保持手段178は、長期開放遊技へ移行するための条件である長期作動条件を保持する。長期作動条件は、当否抽選で通常特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
短期特別遊技作動条件保持手段179は、短期開放遊技として特別遊技の一種である特定特別遊技へ移行するための条件である短期特別遊技作動条件を保持する。短期特別遊技作動条件は、当否抽選で特定特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技作動条件保持手段176は、長期作動条件と短期特別遊技作動条件とを包括して特別遊技作動条件として保持する。特別遊技作動条件は、当否抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
小当たり遊技作動条件保持手段180は、第2大入賞口92の短期の開放を伴う単位遊技を含む小当たり遊技へ移行するための条件を保持する。短期作動条件保持手段181は、この小当たり遊技作動条件保持手段180を含む。小当たり遊技作動条件保持手段180は、短期開放遊技として小当たり遊技へ移行するための条件である小当たり作動条件(短期作動条件)を保持する。小当たり作動条件は、当否抽選で小当たり遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技作動条件保持手段176、すなわち長期作動条件保持手段178および短期特別遊技作動条件保持手段179は、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させる確変特別遊技移行条件を保持する。確変特別遊技移行条件が成立するか否かは、当否抽選手段112による当否抽選の結果や図柄決定手段114が決定した特別図柄の種類によって判定される。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が通常大当たりであった場合に、通常特別遊技の実行処理を制御する。通常特別遊技は、第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数(本実施例では15回)に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技が上限回数を消化した場合に通常特別遊技を終了させる。特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が特定大当たりであった場合に、特定特別遊技の実行処理を制御する。特定特別遊技は、第1大入賞口91および第2大入賞口92による開閉動作を複数回数連続して継続可能に設定された遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数(本実施例では15回)に達していなければ、初回の単位遊技(第1ラウンド)を除き、遊技球が第1大入賞口91内の特定領域を通過することを条件として現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。特定特別遊技においては、第1ラウンドにおいて特別遊技の継続条件が適用されない第2大入賞口92が開放されるため、第2ラウンドの実行までは確保される。本実施例では、特定特別遊技における第1大入賞口91の開放時間が極短であるため、第3ラウンド以降の単位遊技が継続される可能性は極めて低いが、仮に継続したとしても単位遊技が上限回数を消化した場合に特定特別遊技を終了させる。
特別遊技制御手段120は、長期開放遊技制御手段125と短期特別遊技制御手段127とを含む。長期開放遊技制御手段125は、当否抽選が長期開放遊技への移行を示す結果となって長期作動条件が成立したときに長期開放遊技として通常特別遊技を実行する。長期開放遊技制御手段125は、通常特別遊技として単位遊技を15回繰り返し、1回の単位遊技において第2大入賞口92を約30秒間開放させる。短期特別遊技制御手段127は、特定特別遊技として15回を上限とした単位遊技を実行し、各単位遊技において第2大入賞口92または第1大入賞口91を約0.2秒開放する。ただし、第1大入賞口91が開放される単位遊技においては、特定領域への入球がその特定特別遊技の継続条件となる。
小当たり遊技制御手段121は、当否抽選が小当たり遊技への移行を示す結果となって小当たり作動条件が成立したときに短期開放遊技として小当たり遊技を実行する。小当たり遊技制御手段121は、小当たり遊技として単位遊技を1回だけ実行し、その単位遊技において第2大入賞口92を約0.2秒開放する。短期特別遊技制御手段127と小当たり遊技制御手段121を包括して短期開放遊技制御手段126と位置づける。短期開放遊技制御手段126は、短期作動条件が成立したときに短期開放遊技を実行することとなる。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。本実施例では、遊技状態が確変状態となっているか否かについて外観上は明示されない。すなわち、遊技状態が確変中か否かを表示することをせず、また、大当たりが発生したときにもその当たりが確変付きの当たりか否かを表示しない、いわゆる「潜伏確変」の状態が保持される。本実施例では、特定大当たりが発生した場合に約50%の確率で確変移行がなされる。言い換えれば、そのように当否抽選値が割り当てられている。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、例えば100回に至るまで継続される。ただし、確変中における時短は、確変と同様に次の大当たりが発生するまで継続される。
また、特別遊技の終了後は確変状態への移行有無にかかわらず原則として時短へ移行するが、時短状態でないときに特定大当たりが発生したときに限っては、その特定特別遊技の終了後は時短へ移行させない。また、小当たり遊技の終了後も時短や確変への移行は行われず、小当たり遊技開始前の遊技状態が維持される。したがって、小当たり遊技開始前から時短や確変の状態にある場合は、小当たり遊技終了後も終了条件を満たしていない限りは時短や確変の状態が維持される。
入球制御手段150は、開閉パターン決定手段123および開閉制御手段124を含み、大入賞口および始動口への遊技球の入球容易性を制御する。入球制御手段150は、第1大入賞口91および第2大入賞口92の開閉機構や、始動口62の拡開機構の駆動を制御する。なお、本実施例においては、第1大入賞口91の開閉機構が、遊技球の特定領域の通過許容度を変化させるよう動作可能な「調整手段」として機能する。開閉パターン決定手段123は、第1パターン決定手段151および第2パターン決定手段152を含み、第1大入賞口91および第2大入賞口92の開閉態様がそれぞれ定められた複数種類の開閉パターンから当否抽選の結果に応じた開閉パターンを選択する。各大入賞口の開閉パターンの詳細については後述する。
開閉制御手段124は、第1開閉制御手段153、第2開閉制御手段154および役物開閉制御手段155を含む。第1開閉制御手段153は、選択された開閉パターンにしたがって大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、第1大入賞口91の開閉を制御する。第2開閉制御手段154は、選択された開閉パターンにしたがって大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第2大入賞口92の開閉を制御する。役物開閉制御手段155は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62の拡開機構を動作させてこれを拡開させる。役物開閉制御手段155は、また、通常特別遊技後の確変状態および時短状態においては始動口62の拡開機構を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行するが、特定特別遊技後の確変状態においてはその開放延長を行わない。通常特別遊技においては通常の確変および時短のメリットとして始動口62の拡開時間を長くし、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。一方、特定特別遊技後においてはその開放延長をもって遊技者が特定特別遊技であったこと、つまり確変移行していることを容易に認識することを避けるためである。すなわち、小当たり遊技と特定特別遊技のいずれが発生したかを、普通電動役物の作動により認識することを防止することで、いずれの遊技か区別し難くするという遊技性を担保するものである。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当たりへの期待度の高さを予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。パターン記憶手段130は、また、通常特別遊技、特定特別遊技および小当たり遊技のそれぞれにおいて演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。
演出決定手段132は、通常演出決定手段133および特別演出決定手段135を含む。通常演出決定手段133は、通常遊技中における当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて変動演出パターンを決定する。通常演出決定手段133は、変動演出パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。通常演出決定手段133は、決定した変動演出パターンおよび予告演出パターンを含む演出パターンを示す情報を演出動作制御手段134へ送る。特別演出決定手段135は、通常特別遊技、特定特別遊技および小当たり遊技のいずれかに移行された場合、いずれの遊技に移行されたかに応じて演出パターンを決定する。特別演出決定手段135は、演出パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。特別演出決定手段135は、決定した演出パターンを示す情報を演出動作制御手段134へ送る。
変動演出パターンには、通常の外れの図柄組合せを表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たりの図柄組合せを表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出動作制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による判定結果が通常特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。例えば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンや装飾図柄の変動演出パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。また、当否抽選手段112による判定結果が特定特別遊技への移行を示す場合、または小当たり遊技への移行を示す場合は「135」や「246」のように3つの図柄が連続する奇数または偶数となる組合せが選択される。本実施例では、特定特別遊技への移行を示す特別図柄、および小当たり遊技への移行を示す特別図柄として互いに異なる図柄が設定されているが、装飾図柄については区別なく設定されている。したがって、遊技者は装飾図柄の停止図柄を見ただけでは、それが特定特別遊技および小当たり遊技のいずれへの移行を示すものであるかを区別することはできない。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当たり態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当たりへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定するとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当たりの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当たりへの期待度の高さを示唆することができる。
演出動作制御手段134は、表示制御手段137および音声制御手段138を含む。表示制御手段137は、通常遊技中の演出表示を制御する通常演出表示制御手段142と、特別遊技中および小当たり遊技中の演出表示を制御する特別演出表示制御手段144を含む。通常演出表示制御手段142は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。通常演出表示制御手段142は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を演出表示装置60へ表示させる。特別演出表示制御手段144は、通常特別遊技、特定特別遊技および小当たり遊技について設定された演出パターンデータにしたがって、演出表示装置60へ演出画像を表示させる。表示制御手段137は、さらに遊技効果ランプ90の点灯および消灯などの演出処理を制御する。音声制御手段138は、スピーカ18からの音声出力などの演出処理を制御する。
役物制御手段136は、演出動作制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
図4は、特定領域を備える大入賞口における入球検出のための構成および方法を表す模式図である。同図には便宜上、第1大入賞口91の開放状態(その開口部を覆う扉部材は省略)が示されている。同図(a)〜(c)は、その入球検出過程を例示するものである。 同図(a)に示すように、第1大入賞口91の内部には、特定領域94への入口と非特定領域95への入口が設けられており、第1大入賞口91に入球した遊技球は、これら特定領域94および非特定領域95のいずれかを通過して遊技盤50の背部に排出される。図示の例では、遊技盤50の前面側からみて左側から右側に向けて低くなる傾斜通路93が設けられており、その傾斜通路93に沿って左側から特定領域94、非特定領域95が設けられている。すなわち、特定領域94のほうが非特定領域95よりもやや高い位置に設けられている。図示を省略するが、傾斜通路93は特定領域94および非特定領域95の位置にてさらに各領域側に傾斜しているため、いずれかの領域の入口に差し掛かると、その領域に落入する可能性が高い。
特定領域94の入口直下には特定領域通過検出装置78が配置されており、そのさらに下方において特定領域94と非特定領域95とが合流する通路には入賞検出装置77が配置されている。特定領域94を通過した遊技球は特定領域通過検出装置78および入賞検出装置77の双方に検出されるが、非特定領域95を通過した遊技球は入賞検出装置77にのみ検出される。このため、遊技球が特定領域94を通過したか否かについては特定領域通過検出装置78からその通過を示す信号が出力されるか否かによって判定することができる。一方、第1大入賞口91そのものへの遊技球の入球については、それが特定領域94および非特定領域95のいずれを通過しようと入賞検出装置77から遊技球の通過を示す信号が出力されることにより判定することができる。
図1を参照すれば分かるように、センター飾り64の形状や始動口62との位置関係から、第1大入賞口91は遊技領域52の左側に流下された遊技球が入球し易い配置構成となっているため、図4(b)に示すように、第1大入賞口91へは向かって左側からの入球確率が高い。図示のように遊技球99が左側から入球すると、まず特定領域94の入口に差し掛かるため、同図(c)に示すように特定領域94を通過する可能性が高い。
次に、本実施例における特徴的な演出の進行制御の内容について説明する。
図5は、大入賞口の開閉タイミングと、演出表示装置に表示される各演出の表示期間との対応関係を例示するタイムチャートである。同図(a)は小当たりの場合を示し、同図(b)は特定大当たりの場合を示している。同図(c)は通常大当たりの場合を示している。同図(d)は、大入賞口における遊技球の入球判定タイミングを表している。
本実施例では上述のように、小当たり遊技と特定特別遊技のいずれが発生したかを区別し難くすることで遊技者の期待感を煽るという遊技性を実現することを目標のひとつとしている。このため、特定特別遊技と小当たり遊技については、大入賞口の開閉態様が外観上近似した形でみえるような工夫をしている。
すなわち、同図(a)に示すように、当否抽選結果が小当たりになると、その結果を示す図柄変動(図示せず)が表示された後、小当たり遊技が開始されて大入賞口の短期開放が行われる。図示の例では、時刻t1にて小当たり遊技の実行開始を示すデモンストレーション演出(「開始デモ演出」という)が開始されている。そして、時刻t2から第2大入賞口92が1回開放されている。その開放時間は約0.2秒間とされ、さらに約4秒間のインターバル期間をおいて時刻t4にて小当たり遊技の実行終了を示すデモンストレーション演出(「終了デモ演出」という)が開始されている。時刻t2と時刻t4の間には所定の当たり演出が表示される。これら開始デモ演出、当たり演出および終了デモ演出の演出内容およびその組み合わせは特別演出決定手段135により決定される。本実施例では、開始デモ演出と当たり演出とが一体となった演出パターンが設けられ、特定の演出モードへの切り替え導入演出が静止画像を数回切り替える形で表示される。その中で最も遊技者の期待感を高揚させる表示として設定された「チャンスモード突入!」といった表示が、当たり演出の開始タイミングで表示される。小当たりは初回の単位遊技にて終了し、その終了時点は第2大入賞口92の開放開始から約2秒経過した時刻t3であるが、本実施例では後述する特定特別遊技に合わせて時刻t4まで当たり演出を継続する。終了デモ演出ではそのチャンスモードへの導入演出が動画像にて表示される。この終了デモ演出が終了すると、次の図柄変動が開始される。なお、変形例においては、このように開始デモ演出と当たり演出とを一体化した導入演出を当初から静止画像の切り替え表示とするのではなく、特定のムービーを繰り返し流すなど、所定の動画像を大入賞口の動作の切り換えにかかわらず垂れ流し状態にて表示させてもよい。あるいは、動画像を所定時間表示させた後に、静止画像に切り替えるようにしてもよい。例えば終了デモ演出が最も早く開始されるタイミングまでに動画像表示を終了させ、その後、静止画像に切り替えてもよい。ただし、当たり演出の開始とともに大入賞口の短開放が開始されるため、その大入賞口の開放契機であることを遊技者が認知できるよう、開始デモ演出と当たり演出との切り替わりタイミングに演出上のインパクトを与えられるよう演出内容を構成するようにする。
なお、本実施例においては、時刻t3にてメイン基板102側での小当たり遊技における短期開放が終了し、時刻t4まで小当り遊技を継続するとともにサブ基板104側で当たり演出の表示を継続し、時刻t4にて小当り遊技の実行終了を示す終了デモ演出の表示に切り替える例を示した。変形例においては、サブ基板104において小当たり遊技における短期開放が終了するとともに内部的に終了デモ演出の処理に移行させてもよい。すなわち、メイン基板102側の処理に応じて決まる終了デモ演出時間に合わせて、サブ基板104側でも時刻t3に終了デモ演出表示処理を開始し、その終了デモ演出表示時間の一部である時刻t3からt4の期間については当たり演出と同内容の表示を継続させるようにしてもよい。
一方、同図(b)に示すように、当否抽選結果が特定大当たりになると、その結果を示す図柄変動(図示せず)が表示された後、特定特別遊技が開始されて大入賞口の短期開放が開始される。本実施例では図示のように、特定特別遊技の初回の単位遊技(第1ラウンド)で第2大入賞口92を開放させ、第2ラウンド以降は第1大入賞口91を開放させる開放パターンが選択される。図示の例では、時刻t1にて特定特別遊技の実行開始を示す開始デモ演出が開始されている。そして、時刻t2から第2大入賞口92の開放が開始され、時刻t3から第1大入賞口91の開放が開始されている。この特定特別遊技が継続される場合、各単位遊技における大入賞口の開放時間は約0.2秒間とされ、さらに約2秒間のインターバル期間をおいて次の単位遊技が開始される。本実施例では、第1ラウンドにおいては特定領域を有しない第2大入賞口92が開放されるため、特定特別遊技の継続判定は行われず、そのまま第2ラウンドへ移行される。このため、第2ラウンド以降は遊技球が特定領域を通過しなければ次ラウンドへは移行されない。一方、既に説明したように、0.2秒間という開放期間は、設計上、第1大入賞口91への入球がほぼ不可能な期間として設定されている。このため、特定特別遊技へ移行された場合はほぼ第2ラウンドにて終了されるようになる。すなわち、特定特別遊技へ移行されると第2ラウンドまでの継続は確保されるが、その第2ラウンドにて実質的にパンクし、特定特別遊技が終了されるようになる。
図示の例では、第2ラウンドにて特定領域への入球がなかったため継続条件を満たさず、時刻t4にて終了デモ演出が開始されている。ただし、仮に特定領域への入球があり第3ラウンド以降の単位遊技が実行される場合には、その継続条件が満たされる限り第1大入賞口91が同様の開閉動作を繰り返し行い、図中点線にて示すような開閉態様にて制御される。本実施例では、特定特別遊技における開始デモ演出、当たり演出、終了デモ演出の各演出内容、およびその組み合わせとして小当たり遊技のそれと同じものが選択される。一方、図示のように特定特別遊技が第2ラウンドにて終了する場合、大入賞口の開放態様は最初に第2大入賞口92の極短開放がなされる点で小当たり遊技と共通する。すなわち、大入賞口の外観上の開放態様が近似し、演出内容は同一であるため、特定特別遊技と小当たり遊技との見分けがつき難くなる。
また、本実施例の特定特別遊技には、その終了後に確変を伴うものと時短のみを伴うものがある。上述のように、いずれにしても特定特別遊技は短期開放にて終了するため、前者はいわゆる突然確変を実現し、後者はいわゆる突然時短を実現する。突然確変は確変状態へ移行させるため突然時短よりも遊技者に有利となる。このため、同図(b)に示すような大入賞口の開放は実行された場合、突然確変および突然時短のいずれが発生したかにより遊技者の期待感を煽る遊技性が実現される。また、上述のように、特定特別遊技が小当たり遊技と近似したものとなるため、初回の大入賞口の短開放により、突然確変、突然時短および通常状態(通常遊技の低確率状態)のいずれであるかにつき、遊技者の期待感を煽る遊技性が実現される。
一方、同図(c)に示すように、当否抽選結果が通常大当たりになると、その結果を示す図柄変動(図示せず)が表示された後、通常特別遊技が開始されて大入賞口の長期開放が開始される。図示の例では、時刻t1にて通常特別遊技の実行開始を示す開始デモ演出が開始されている。そして、時刻t2から第2大入賞口92の開放および当たり演出が開始されている。この通常特別遊技は第2大入賞口92を用いるため、継続条件としての特定領域の通過を必要とせず、定められた上限回数(15回)に到るまで単位遊技が繰り返し実行され、しかもその第2大入賞口92の開放時間が約30秒間と長く設定されているため、遊技者は多くの賞球を期待することができる。この通常特別遊技については、そのように多くの出玉が期待されることを遊技者に認知させるために、特定特別遊技および小当たり遊技とは異なる大入賞口を開放させ、その開放期間も長く設定している。また、同様の趣旨から本実施例では開始デモ演出、当たり演出および終了デモ演出の演出内容およびその組み合わせとして、小当たり遊技および特定特別遊技のそれと異なるものが選択される。なお、先の単位遊技にて第2大入賞口92が閉鎖されてから次の単位遊技にて第2大入賞口92が開放されるまでのインターバル期間は2秒間に設定されている。
なお、このように大入賞口の開放タイミングの間に2秒間のインターバル期間を設けるの理由として以下のものがある。すなわち、大入賞口へ入球があってからそれが入賞検出装置により検出されるまでにはタイムラグがある。このため、大入賞口が閉鎖と同時に入賞検出装置の検出信号を無効とすると、大入賞口の閉鎖直前に入球した遊技球の検出がされず、遊技者に不利益を与える可能性がある。そこで、そのようなことのないよう、同図(d)に示すように大入賞口が閉鎖してから入球検出のための残余の有効期間を設定し、その残余の有効期間よりも余裕をもってインターバル期間(閉時間)を設定している。すなわち、大入賞口への入賞検出の有効期間は、大入賞口が開閉を終了するまでの期間のみならず、さらにその残余の期間を合わせたものとなる。本実施例では、その残余の有効期間を1.9秒としたため、インターバル期間をそれより長い2秒間としている。図4に示したように、本実施例では特定領域通過検出装置78を入賞検出装置77の上流側に配置したため、その残余の有効期間が確保されれば、特定領域94の通過についても漏れなく検出することができる。
図6は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行する(S10)。そして、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当たり遊技の制御処理を実行し(S17)、S10からS17までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
なお、S10における第1大入賞口91および第2大入賞口92の入賞処理については、図5(d)に示した有効期間を考慮して実行される。すなわち、各単位遊技において各大入賞口が閉鎖されてから有効期間(例えば1.9秒)が経過するまでは、各入賞検出装置から入力される検出信号を有効なものとして処理する。具体的には、特定特別遊技が開始されると、第1大入賞口91における入賞検出および特定領域通過検出を有効なものとして設定する。そして、第1大入賞口91が閉鎖されてから有効期間が経過するまで入賞情報および特定領域の通過情報の有無を判定し、その有効期間の経過後にその判定結果に基づく遊技を開始する。仮に有効期間を経過した後に各検出装置から検出信号が出力されたとしてもカウントされず、賞球の払い出しや特定領域の通過情報の記憶は行われない。
通常特別遊技が開始されると、第2大入賞口92における入賞検出を有効なものとして設定する。そして、第2大入賞口92が閉鎖されてから有効期間が経過するまで入賞情報の有無を判定し、その有効期間の経過後にその判定結果に基づく遊技を開始する。仮に有効期間を経過した後に検出装置から検出信号が出力されたとしてもカウントされず、賞球の払い出しは行われない。
図7は、図6におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出動作制御手段134へ送信し、これを受信した演出動作制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図8は、図7におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S46)、特別図柄の変動パターンを選択する(S48)。このとき、変動パターン決定手段115は、当否抽選結果に対応するパターン選択テーブルまたは遊技状態に対応するパターン選択テーブルを参照して特別図柄の変動パターンを選択する。演出決定手段132は、当否判定結果および特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S50)、特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動パターンを選択する(S52)。
図9は、図7におけるS40の変動表示処理を詳細に示すフローチャートである。
既に図柄変動表示が開始されている場合、図柄変動の画像を表示し(S60)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S62のY)、表示中の図柄変動を停止する(S64)。
停止した図柄変動に対応する当否抽選結果が通常大当たりであった場合(S66のY)、その通常特別遊技を終了させるための特別遊技終了条件を設定する(S68)。本実施例では、単位遊技の継続回数が継続上限回数の15回に達することを特別遊技終了条件として設定する。そして、通常特別遊技へ移行する(S70)。通常大当たりではないが(S66のN)、特定大当たりであった場合(S72のY)、その特定特別遊技を終了させるための特別遊技終了条件を設定する(S74)。本実施例では、単位遊技の継続回数が継続上限回数の15回に達すること、および第2ラウンド以降の単位遊技において特定領域94への遊技球の入球(通過)がなかったことのいずれか一方が成立することを特別遊技終了条件として設定する。すなわち、本実施例では特定特別遊技の第1ラウンドにて特定領域のない第2大入賞口92が開放されるため、継続判定(終了判定)は第1ラウンドにおいては行われず、第2ラウンド以降において行われることになる。そして、特定特別遊技へ移行する(S76)。一方、特定大当たりでもなく(S72のN)、小当たりであった場合(S78のY)、小当たり遊技へ移行する(S80)。小当たりでもない場合には(S78のN)、S80の処理をスキップする。図柄表示の停止タイミングに達していない場合には(S62のN)、S64以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。
図10は、図6におけるS10の入賞処理と並行して実行される通過情報記憶処理を示すフローチャートである。この通過情報記憶処理は、特定特別遊技時にのみ実行される処理であり、特定特別遊技と並行して所定の周期にて繰り返し実行され、特定特別遊技の継続条件として遊技球が特定領域94を通過した場合にその通過情報を記憶する処理である。
特別遊技制御手段120は、特定領域通過情報が入力されると(S82のY)、その旨を表すためにRAM上の所定領域に設定された通過フラグをオンにする(S84)。特定領域通過情報が入力されない場合は(S82のN)、S84の処理をスキップする。なお、本実施例では、通過情報記憶処理を特定特別遊技とともに開始し、その特定特別遊技中においてのみ実行するように設定したが、特定特別遊技中でない特別遊技においても特定領域通過情報を受け付ける処理を並列的に実行してもよい。例えば、図6に示す基本処理と並行して特定領域通過情報を常時受け付け、その入力タイミングが特定特別遊技中(つまり、大入賞口の開放動作期間とその閉鎖後の残余の有効期間とを合わせた期間)であるか否かの判定結果に応じて通過フラグを設定してもよい。すなわち、特定特別遊技中であれば通過フラグをオンにし、特定特別遊技中でなければその特定領域通過情報を無効として通過フラグの設定を行わないようにしてもよい。その他、特別遊技であるか否かにかかわらず、大入賞口への入球や特定領域への遊技球の通過を検出するようにしてもよい。その場合、遊技球の入球・通過時の状態(特別遊技または小当たり遊技における大入賞口の開放動作中であるか、またはその大入賞口の閉鎖後の残余の有効期間であるかなど)に応じてその入球・通過が有効であるかまたは無効であるかを決定してもよい。
図11は、図6におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 当否抽選の結果が大当たりであった場合(S90のY)、既に特別遊技(通常特別遊技または特定特別遊技)が開始済みであって(S92のY)、第1大入賞口91または第2大入賞口92(単に「大入賞口」ともいう)が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口の開放処理を実行し(S100)、開放済みであれば(S98のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、特別遊技終了条件が満たされたか否かを判定する終了判定処理を実行する(S108)。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、特別遊技終了条件が満たされることになる。特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、時短や確変の特定遊技状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当たりでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図12は、図11におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。
設定された開閉パターンに基づく第1大入賞口91または第2大入賞口92の所定の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、第1大入賞口91、第2大入賞口92をそれぞれ開放させる(S126)。すなわち、特定特別遊技中であれば、第1開閉制御手段153が第1大入賞口91を開放させ、第2開閉制御手段154が第2大入賞口92を開放させる。通常特別遊技中であれば、第2開閉制御手段154が第2大入賞口92を開放させる。それと共に、現在の単位遊技の繰り返し回数(ラウンド数)に対応した大当たり演出、または繰り返し回数(ラウンド数)が異なる回数になることに対応した大当たり演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図13は、図11におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。
設定された開閉パターンに基づく第1大入賞口91または第2大入賞口92の所定の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は第1大入賞口91、第2大入賞口92をそれぞれ閉鎖させる。すなわち、特定特別遊技中であれば、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、または開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、開放中の第2大入賞口92または第1大入賞口91を閉鎖する(S134)。なお、特定特別遊技における入球数による終了条件は第2大入賞口92または第1大入賞口91への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、第2大入賞口92または第1大入賞口91の開放開始から0.2秒の経過である。しかし、後者の条件である0.2秒の開放が極めて短いため、その間に10球以上の入球は事実上不可能である。したがって、事実上、特定特別遊技中に入球数による終了条件が成立することはなく、開放時間による終了条件のみで判定されることになる。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施例においてこの継続上限回数は15回である。
一方、通常特別遊技中であれば、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、または開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、第2大入賞口92を閉鎖する(S134)。なお、この入球数による終了条件は第2大入賞口92への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、第2大入賞口92の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施例においてこの継続上限回数は15回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図14は、図11におけるS108の終了判定処理を詳細に示すフローチャートである。
特定大当たりにより第1大入賞口91が開放され(S140のY)、その閉鎖後に残存球の有効期間(本実施例では1.9秒:図5(d)の「残余の有効期間」参照)が経過し(S142のY)、その時点で通過フラグ(図10のS84参照)がオフであれば(S144のN)、特定特別遊技の継続条件が満たされないため、その特定特別遊技を終了させるべく終了フラグをオンにする(S146)。既に述べたように、第1大入賞口91が閉鎖した直後は遊技球が未検出の状態で残存している可能性があるため、特定特別遊技の終了により第1大入賞口91が閉鎖されてから有効期間が経過するまで通過情報の有無が判定される。一方、通過フラグがオンになっている場合には(S144のY)、ここで終了フラグをオンにすることなく、その通過フラグをオフにしたうえで本処理を一旦終了する(S148)。この場合、特定特別遊技は終了されることなく、次の単位遊技が実行されることになる。有効期間が経過していなければ(S142のN)、S144からS148の処理をスキップする。また、特定大当たりでなく通常大当たりであれば(S140のN)、S142からS148の処理をスキップする。なお、特定特別遊技の第1ラウンドにおいては特定領域のない第2大入賞口92が開放され、無条件に次ラウンドへの継続されるため、本処理は実質的に特定特別遊技の第2ラウンド以降に実行されることになる。
なお、本実施例では、このように第1大入賞口91に特定領域を設け、特定特別遊技において第1大入賞口91が開放された単位遊技においては特定領域への入球を次の単位遊技への継続条件とした。一方、第2大入賞口92には特定領域を設けることなく、特定特別遊技において第2大入賞口92が開放された単位遊技においては継続上限回数に達していない限り、無条件に次の単位遊技へ移行させるようにした。変形例においては逆に、第1大入賞口91には特定領域を設けず、第2大入賞口92に特定領域を設けてもよい。そして、特定特別遊技において第2大入賞口92が開放された単位遊技においては特定領域への入球を次の単位遊技への継続条件とする一方、第1大入賞口91が開放された単位遊技においては無条件に次の単位遊技へ移行させるようにしてもよい。この場合、特定特別遊技の第1ラウンドにおいては第1大入賞口91を開放し、第2ラウンド以降に第2大入賞口92を開放させるようにするとよい。その場合、特定特別遊技においては実質的に第2大入賞口92が開放された単位遊技ごとにS108の処理が実行されることになる。
図15は、図6におけるS17の小当たり遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
当否抽選の結果が小当たりであった場合(S150のY)、既に小当たり遊技が開始済みであって(S152のY)、第1大入賞口91が開放済でなければ(S158のN)、第1大入賞口91の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、第1大入賞口91の閉鎖処理を実行する(S162)。その結果、第1大入賞口91が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当たり遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当たり遊技を開始して(S154)、特定特別遊技と同様の開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。
S166においては、小当たり遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当たり遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当たり遊技終了条件が満たされることになる。小当たり遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当たり遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当たり遊技を終了する(S178)。終了デモ演出が終了していない場合は(S176のN)、S178の処理をスキップする。小当たりでない場合は(S150のN)、本図のS152以降のフローをスキップする。
図16は、図15におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。
設定された開閉パターンに基づく第2大入賞口92の所定の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、第2大入賞口92の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図17は、図15におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。
設定された開閉パターンに基づく第2大入賞口92の開閉パターンにおける開閉動作の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、第2大入賞口92を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、第2大入賞口92の開放開始から0.2秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
以上に説明したように、本実施例においては、始動口への入球を契機に当否、図柄、演出パターン(変動パターン)を決定するための抽選値(乱数)を取得する。当否抽選手段112は、取得した抽選値に基づいて抽選を行い、大当たり(通常特別遊技または特定特別遊技への移行)、小当たり(小当たり遊技への移行)、または外れのいずれであるかを判定する。図柄決定手段114は、その抽選結果に応じてその結果を示すために表示される図柄の停止図柄を決定する。変動パターン決定手段115は、その抽選結果に応じてその図柄の変動過程(変動時間)が定められた変動パターンを決定する。メイン表示制御手段118は、抽選結果に対応する変動時間が経過するまで図柄を変動表示させ、対応する停止図柄にて停止表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選の結果が特定大当たりとなり、特定特別遊技への移行を示す図柄が停止表示されたときに特定特別遊技移行条件が成立したと判定し、特定特別遊技の実行を開始する。そして、その特定特別遊技において遊技球の特定領域の通過を継続条件とする継続判定処理を含む特定大当たりの処理を実行する。特別遊技制御手段120は、また、当否抽選の結果が通常大当たりとなり、通常特別遊技への移行を示す図柄が停止表示されたときに通常特別遊技移行条件が成立したと判定し、通常特別遊技の実行を開始する。そして、その通常特別遊技において遊技球の特定領域の通過による継続判定処理を含まない通常大当たりの処理を実行する。一方、小当たり遊技制御手段121は、当否抽選の結果が小当たりとなり、小当たり遊技への移行を示す図柄が停止表示されたときに小当たり遊技作動条件が成立したと判定し、小当たり遊技の実行を開始する。その小当たり遊技は、初回の単位遊技の終了により終了される。
すなわち、通常特別遊技、特定特別遊技、小当たり遊技は、以下のように継続条件、終了条件、演出設定などにおいて互いに異なる。
(継続条件)
通常特別遊技:特定領域の遊技球の通過を継続条件に含まず、規定ラウンド継続する。 特定特別遊技:第2ラウンド以降に特定領域への遊技球の通過を継続条件とする。
小当たり遊技:特定領域への遊技球の通過を継続条件に含まない。
(終了条件)
通常特別遊技:最大継続可能ラウンド数の消化を終了条件とする。
特定特別遊技:最大継続可能ラウンド数の消化、または第2ラウンド以降に特定領域へ
の遊技球の通過がなかったことを終了条件とする。
小当たり遊技:第1ラウンドの消化により終了する。
(演出設定)
通常特別遊技:次ラウンドを行うごとに各ラウンドに対応する演出内容を設定する。
特定特別遊技:継続条件が満たされて次ラウンドが継続されても新たな演出内容を
設定しない。つまり、各ラウンドに対応する演出内容を設定しない。
小当たり遊技:第1ラウンドで終了するため、新たな演出内容を設定しない。
すなわち、本実施例のぱちんこ遊技機においては、複数回の単位遊技にて構成される特別遊技として通常特別遊技と特定特別遊技が設けられ、それとは別に1回の単位遊技からなる小当たり遊技が設けられている。特定特別遊技は確変移行を伴う場合がある点で小当たり遊技よりも有利となっているが、いずれも大入賞口の開放時間が同程度に短く、さらに特定特別遊技の継続率が低くなるよう構成されているため、大入賞口の短開放により早期に終了する点で両遊技の区別が事実上困難となっている。すなわち、特定特別遊技においては第2ラウンドにおける特定領域の通過容易性が低いために2回の単位遊技にて終了する可能性が高いため、1回の単位遊技にて終了する小当たり遊技とは異なるものの、両遊技の区別は困難となり、特定特別遊技および小当たり遊技のいずれかであるかに対して遊技者の期待感を煽るという遊技性を実現することができる。また、特定特別遊技はその後に確変移行がなされる突然確変を伴うものと、確変移行はなされないが時短へ移行する突然時短を伴うものが含まれる。したがって、仮に遊技者が小当たり遊技ではなく特定特別遊技であると分かったとしても、それが突然確変を伴うものか、突然時短を伴うものかにより遊技者の期待感を煽るという遊技性を実現することができる。
さらに、通常特別遊技および特定特別遊技のいずれであるかにかかわらず、その特別遊技が継続する場合の単位遊技の上限回数を一定としたため、その単位遊技数の違いを遊技者に明示するためにいわゆるラウンド表示灯などの報知手段を設ける必要性もなくなる。結果的に、特定特別遊技と小当たり遊技との区別をつき難くして遊技者の期待感を煽るという遊技性の実効を維持することができる。また、仮にラウンド表示灯などの報知手段により単位遊技数(ラウンド数)を報知したとしても、大入賞口の開放動作が少なく遊技が短期間で終了するため、大当たりおよび小当たりの発生が認識し難くなり、特定特別遊技および小当たり遊技のいずれの遊技であったかを分かり難くして遊技者の期待感を煽るという遊技性の実効を維持することができる。
(実施例2)
実施例2は、小当たり遊技における大入賞口の開閉パターンが実施例1と相違するが、その他の構成および動作は実施例1と共通する。このため、以下の説明においては実施例1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
図18は、実施例2にかかる大入賞口の開閉パターンを例示するタイムチャートである。同図(a)は小当たりの場合を示し、同図(b)は特定大当たりの場合を示している。なお、同図(b)は図5(b)に示したものとほぼ同様である。
本実施例では、当否抽選の結果が小当たりとなり小当たり遊技へ移行されると、大入賞口の開閉パターンとして、図18(a)に示すように単位遊技において大入賞口が2回開閉されるパターンが選択される。すなわち、単位遊技において最初に第2大入賞口92が開放され、続いて第1大入賞口91が開放される。実施例1と同様に、各大入賞口の開放時間は0.2秒、インターバル期間は2秒に設定されている。すなわち本実施例では、小当たり遊技の単位遊技(1ラウンド)において、同図(b)に示す特定特別遊技の第1ラウンドと第2ラウンドとを合わせた態様の大入賞口の開閉が行われる。また、小当たり遊技中の当たり演出として、特定特別遊技の当たり演出と同様のものが設定されている。
なお、小当たり遊技が開始されると、第1大入賞口91および第2大入賞口92における入賞検出が有効なものとして設定される。そして、各大入賞口が閉鎖されてから有効期間が経過するまで入賞情報の有無を判定し、その有効期間の経過後にその判定結果に基づく遊技を開始する。仮に有効期間を経過した後に検出装置から検出信号が出力されたとしてもカウントされず、賞球の払い出しは行われない。このように、本実施例では小当たり遊技においても第1大入賞口91への入球が判定されるが、特定領域の通過判定は特定特別遊技においてのみ行われる。本実施例では、特別図柄192の停止図柄によって特定大当たりか小当たりかを判定し、特定大当たりであった場合にのみ特定領域の通過判定を有効にする。
本実施例によれば、特定特別遊技の第1ラウンド(「1R」と表記)および第2ラウンド(「2R」と表記)と小当たり遊技とで、大入賞口の開閉態様と演出内容が同じとなるように設定されている。一方、実施例1においても説明したように、特定特別遊技は実質的に第2ラウンドでパンクする。このため、遊技者には特定特別遊技と小当たり遊技とが外観上同じにみえるようになる。その結果、特定特別遊技および小当たり遊技のいずれの遊技であったかを分かり難くして遊技者の期待感を煽るという遊技性を、実施例1よりも確実に実現することができる。
(実施例3)
実施例3は、小当たり遊技における大入賞口の開閉パターンが複数設けられている点で実施例2と相違するが、その他の構成および動作は実施例2と共通する。このため、以下の説明においては実施例2との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
図19は、実施例3にかかる大入賞口の開閉パターンを例示するタイムチャートである。同図(a)は小当たりの場合を示し、同図(b)は特定大当たりの場合を示している。なお、同図(b)は図5(b)に示したものと内容的には同様である。すなわち、同図においては便宜上、開放される大入賞口を識別するための添え字が付されている。「1」は第1大入賞口91を表し、「2」は第2大入賞口92を表している。図20は、小当たり遊技における大入賞口の開閉パターンを決定する際に用いられる開閉パターンテーブルを示す図である。
図19(a)に示すように、当否抽選の結果が小当たりとなり、小当たり遊技へ移行されると、大入賞口の開閉パターンとしてパターン1〜4のいずれかが選択される。パターン1は、図18(a)に示したものと内容的に同様である。パターン2,3,4は、それぞれ図19(b)に示す特定特別遊技の単位遊技が3,4,5回継続した場合の開閉パターンと同様である。実施例1,2と同様に、特定特別遊技においては単位遊技ごとに大入賞口が1回ずつ開放される。各単位遊技における大入賞口の開放時間は0.2秒、インターバル期間は2秒に設定されている。すなわち本実施例では、特定特別遊技における単位遊技の継続確率が低いものの、あえて継続した場合を想定し、それに対応した第1大入賞口91の開閉パターンを小当たり遊技についても設定しておくものである。ただし、そのように想定しても6回以上継続する可能性はほぼないと考えられることから、単位遊技が1〜5回継続した場合(設定範囲)についてのみ対応する開閉パターンをそれぞれ設定している。そして、継続回数が多くなるほどその選択確率が低くなるよう設定している。
すなわち、第1パターン決定手段151は、小当たり遊技へ移行される際に図20に示す開閉パターンテーブルを参照する。この開閉パターンテーブルには、0〜255の開閉パターン抽選値がパターン1〜4に対して割り当てられている。図示のように、開閉パターン抽選値が0〜220までがパターン1に割り当てられ、開閉パターン抽選を行った場合に高確率にてパターン1が選択されるようになっている。つまり、高確率で実施例2と同様の開閉パターンが選択される。そして、残りの開閉パターン抽選値については、その選択確率が高いものからパターン2,3,4となるように割り当てられている。これにより、特定特別遊技が継続された場合に対応する大入賞口の開閉態様が小当たり遊技においても実現可能となっている。特定特別遊技が継続する可能性がその継続回数が増加するにつれて低くなるのに対応するように、小当たり遊技にて対応する開閉パターンの選択確率も低くなっているため、実体に則した結果が得られるようになる。なお、変形例においては、特別図柄の停止図柄を決定する際に用いる図柄決定抽選値を開閉パターン1〜4に対しても割り当てるようにしてもよい。抽選値を共用することでソフトの設計を簡素化することが可能になり、データ容量の削減にもつながる。
本実施例によれば、可能性が低いとはいえ、特定特別遊技が第3ラウンド以降も継続した場合の大入賞口の開閉態様が小当たり遊技においても実行される可能性がある。このため、第1大入賞口91の短期開放が複数回繰り返されたとしても、特定特別遊技と小当たり遊技のいずれが実行されているのかを遊技者に区別し難くすることができる。言い換えれば、実施例2においては、仮に第1大入賞口91の短期開放が特定ラウンド(第3ラウンド)以降も繰り返されると、それが特定特別遊技であることを遊技者が区別できるようになり、期待感を煽る遊技性が担保できなくなる。これに対し、本実施例では小当たり遊技においても同様の開閉パターンが設定されていると遊技者に認知させることで、そのように第1大入賞口91の短期開放が繰り返された場合であってもその遊技性を担保できるようになる。
なお、本実施例では、特定特別遊技の各単位遊技において大入賞口を1回開閉させる例を示したが、変形例においては、大入賞口の開閉パターンとして、特定特別遊技における単位遊技の繰り返し回数ごとに異なる複数回の開閉を伴う開閉パターンを設けるようにしてもよい。好ましくは、特定特別遊技の第2ラウンドにおける第1大入賞口91の開閉パターンを複数種類設け、その後の単位遊技における第1大入賞口91の開放は1回の開放動作から構成するようにしてもよい。例えば、特定特別遊技の第2ラウンドにおける第1大入賞口91の開閉態様として複数回の開閉が行われる開閉パターンをその回数が異なるように複数種類設けてもよい。このようにすれば、特定特別遊技へ移行した場合においても、第1大入賞口91の初回の開放時に特定領域94への入球がなかったにもかかわらず複数回の開閉が行われる場合が発生する。その結果、各開閉に対して単位遊技の継続条件が満たされたのかどうかの判別が難くなり、結果的に遊技者はそれが特定特別遊技であったのかどうかを判断し難くなる。つまり、特定領域への遊技球の通過があったか否かにかかわらず、特定特別遊技であるにもかかわらず、小当たり遊技の単位遊技にて第1大入賞口91を複数回開閉させる場合と同様の遊技状態を形成することができ、両遊技の区別が益々つき難くなる。その結果、両遊技の区別の困難性によりいずれの遊技であるかに対する遊技者の期待感を煽る遊技性をより確実に実現することができる。そしてこの際、初回の第1大入賞口91の開閉回数については、特定特別遊技よりも小当たり遊技の場合のほうが開閉回数が多く設定することが好ましい。そうすることで、仮に特定特別遊技における第2ラウンドに第1大入賞口91に入球したとしても、特定特別遊技における第1大入賞口91の開閉回数の合計が、小当たり遊技における第1大入賞口91の最大開閉回数以下となり、両遊技の区別をさらに困難とすることができる。
(実施例4)
実施例4は、一方の大入賞口の構成が実施例1〜3と相違するが、その他の構成および動作は実施例1〜3のいずれかと共通する。このため、以下の説明においては実施例1〜3との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
図21は、実施例4にかかる第1大入賞口の構成を表す模式図である。同図(a)および(b)は振分装置の動作状態を表している。図22は、第1大入賞口の開閉制御方法を例示するタイミングチャートである。同図上段は第1大入賞口の開閉動作を表し、下段は振分装置の回動動作を表している。
図21に示す第1大入賞口291は、実施例1でいう第1大入賞口91(図4参照)に対応し、内部に特定領域94を有し、特定特別遊技または小当たり遊技へ移行されたときに開閉される大入賞口である。同図(a)に示すように、第1大入賞口291においては、内部の通路293の中央に振分装置295が設けられている。振分装置295は、第1大入賞口291に入球した遊技球の通路を切り替えるための回動板296を有し、特定領域94の通過許容度を変化させる調整手段として機能する。回動板296は、特定領域94と非特定領域95とを架け渡すように設けられているが、水平状態には保持されず、同図(a)に示される反時計回り、または同図(b)に示す時計回りのいずれかに所定角度傾斜するように制御される。この制御は、役物開閉制御手段155(図3)により行われる。
役物開閉制御手段155は、特定特別遊技が開始されると、特定領域94への入球(遊技球の通過)を許容する場合には同図(a)に示す回動位置(「許容位置」ともいう)となるよう回動板296を駆動し、特定領域94への入球を許容しない場合には同図(b)に示す回動位置(「阻止位置」ともいう)となるよう回動板296を駆動する。
図22に示すように、役物開閉制御手段155は、特定特別遊技が開始されると回動板296を許容位置に駆動し、仮に入球があった場合には特定領域94を通過するように設定する。その結果、遊技球が特定領域94を通過すると、回動板296を阻止位置に駆動して特定領域94への入球を阻止する。なお、阻止位置への駆動は、少なくとも第1大入賞口291が閉鎖された後とする。図示の例では、時刻t21にて第1大入賞口291が開放されると同時に振分装置295が許容位置に制御されている。この第1大入賞口291の開放時に遊技球が入球し、さらに特定領域94を通過したため、第1大入賞口291の閉鎖後の残余の有効期間経過後に設定された時刻t22にて振分装置295が阻止位置に制御されている。
本実施例では、特定特別遊技において仮に入球があった場合、初回については特定領域94の通過が許容されるが、2回目以降は阻止されるようになる。このため、特定特別遊技が仮に継続されたとしても3回目の単位遊技までとなる。したがって、小当たり遊技における第1大入賞口291の開閉パターンとして、特定特別遊技の単位遊技が2回および3回継続した場合のそれぞれについて、対応する開閉態様の開閉パターンを選択態様として設ければ足りる。なお、変形例においては、回動板296が許容位置と阻止位置との間で周期的に動作するように振分装置295を制御してもよい。
(実施例5)
実施例5は、小当たり遊技がない点で実施例1〜4と相違するが、その他の構成および動作は実施例1〜4のいずれかと共通する。このため、以下の説明においては実施例1〜4との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
本実施例のぱちんこ遊技機は、実施例1と同様に、大当たりとして通常特別遊技への移行を示す通常大当たりと、特定特別遊技への移行を示す特定大当たりとが設けられている。いずれの特別遊技も15回の単位遊技を含むが、大入賞口の開放態様および特別遊技の継続条件が互いに異なっている。当否抽選手段112は、取得した抽選値に基づいて抽選を行い、通常大当たり、特定大当たり、または外れのいずれであるかを判定する。図柄決定手段114は、その抽選結果に応じてその結果を示すために表示される図柄の停止図柄を決定する。変動パターン決定手段115は、その抽選結果に応じてその図柄の変動過程(変動時間)が定められた変動パターンを決定する。メイン表示制御手段118は、抽選結果に対応する変動時間が経過するまで図柄を変動表示させ、対応する停止図柄にて停止表示させる。
通常特別遊技は、特定領域への遊技球の通過をその継続条件に含まず、最大継続可能ラウンド数(本実施例では15ラウンド)を消化するまで継続する。通常特別遊技においては、所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(30秒)の経過が単位遊技の終了条件とされている。一方、特定特別遊技は、第2ラウンド以降について特定領域への遊技球の通過を継続条件とし、最大継続可能ラウンド数が消化するか、または特定領域への遊技球の通過がなかった場合に終了する。特定特別遊技においては、所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(0.2秒)の経過が単位遊技の終了条件とされている。通常特別遊技においては比較的多くの出玉(賞球)を獲得することができるが、特定特別遊技においては2ラウンドでパンクに到る可能性が高く、実質的に出玉は期待できない。このため、特定特別遊技後には常に確変移行がなされるようにして遊技者の利益状態を補填するようにしてもよい。なお、本実施例における遊技制御処理は、実施例1に示した各処理から小当たり遊技の処理を除いた形で実行される。具体的には、図6における小当たり遊技制御処理が省略されることになる。
このように、本実施例では、特別遊技として通常特別遊技と特定特別遊技の2種類が設けられているが、いずれも最大継続可能ラウンド数(単位遊技数)が同じとなるよう設定されているため、ラウンド表示灯などを設ける必要がない。一方、特定特別遊技については実質的に2ラウンドでパンクとなり、突然確変や突然時短を発生させて遊技者にインパクトを与えることができる。
(実施例6)
実施例6は、特別遊技における大入賞口の開閉パターンが複数設けられている点で実施例1と相違するが、その他の構成および動作の多くが実施例1と共通する。このため、以下の説明においては実施例1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
図23は、実施例6にかかる大入賞口の開閉パターンを例示するタイムチャートである。同図(a)は特定大当たりの場合を示し、同図(b)は通常大当たりの場合を示している。図24は、特別遊技における大入賞口の開閉パターンを決定する際に用いられる開閉パターンテーブルを示す図である。同図(a)は特定特別遊技における開閉パターンを決定する際に用いられる開閉パターンテーブルを示し、同図(b)は通常特別遊技における開閉パターンを決定する際に用いられる開閉パターンテーブルを示している。
図23(a)に示すように、当否抽選の結果が特定大当たりとなり、特定特別遊技へ移行されると、大入賞口の開閉パターンとしてパターン1〜8のいずれかが選択される。パターン1は、第1ラウンドにおいて第2大入賞口92を1回開放させ、第2ラウンドにおいて第1大入賞口91を1回開放させるパターンである(実線参照)。パターン2,3,4は、それぞれ第1ラウンドにおいて第2大入賞口92を1回開放させ、第2ラウンドにおいて第1大入賞口91を2,3,4回開放させるパターンである。パターン1〜4のいずれの場合にも、第2ラウンドにおいて仮に入球があり、遊技球が特定領域を通過した場合には第3ラウンドに移行され、その第3ラウンド以降は各ラウンドにおいて第1大入賞口91が1回開放される(破線参照)。なお、第1大入賞口91および第2大入賞口92の1回あたりの開放時間は0.2秒、インターバル期間は2秒に設定されている。
また、演出内容については、パターン1〜4のいずれの場合にも、開始デモ演出の後、大入賞口の開閉が終了するまでは当たり演出Aが表示され、その後、終了デモ演出が表示される。当たり演出Aは実施例1における当たり演出と同内容とされている。ただし、大入賞口の開放期間の長さに応じて当たり演出Aの表示時間が異なっている。特定特別遊技のトータルの演出時間は等しく設定されているため、当たり演出Aが長いほど終了デモ演出が短くなるように設定されている。
一方、パターン5,6,7,8は、それぞれ第1ラウンドにおいて第2大入賞口92を1回開放させ、第2ラウンドにおいて第1大入賞口91を1,2,3,4回開放させるパターンである(実線参照)。なお、第1大入賞口91および第2大入賞口92の1回あたりの開放時間は0.2秒、インターバル期間は2秒に設定されている。パターン5〜8のいずれの場合にも、第2ラウンドにおいて仮に入球があり、遊技球が特定領域を通過した場合には第3ラウンドに移行され、その第3ラウンド以降は各ラウンドにおいて第1大入賞口91が1回開放される(破線参照)。ただし、その第3ラウンド以降に継続する場合、第1大入賞口91の1回あたりの開放時間は30秒、インターバル期間は2秒に設定されている。
すなわち本実施例では、特定特別遊技における単位遊技の継続確率が低いものの、仮に継続した場合を想定する。そして、第3ラウンド以降に継続しても依然として第1大入賞口91への入球確率が低く、基本的にパンクとなる可能性が極めて高いパターン1〜4と、第3ラウンド以降に継続した場合には第1大入賞口91への入球確率が通常特別遊技と同程度に高くなるパターン5〜8とを設定している。つまり、第3ラウンド以降に継続した場合には、遊技者への特典として、特定特別遊技から通常特別遊技へ近い状態へ発展する可能性がある遊技性を実現している。
また、演出内容については、パターン5〜8のいずれの場合にも、開始デモ演出の後に当たり演出Aが表示され、その後、遊技状態が発展して第1大入賞口91の長開放が開始されるとともに当たり演出Bが表示されている。この当たり演出Bは、後述のように通常特別遊技の演出内容と共通する。
一方、当否抽選の結果が通常大当たりとなり、通常特別遊技へ移行されると、第1大入賞口91の開閉パターンとしてパターン11〜14のいずれかが選択される。パターン11,12,13,14は、それぞれ第1ラウンドにおいて第2大入賞口92を1回開放させ、第2ラウンドにおいて第1大入賞口91を2,3,4,5回開放させるパターンである。パターン11〜14のいずれの場合にも、第1ラウンドにおける第2大入賞口92の開放時間は0.2秒、インターバル期間が2秒の短開放に設定されている。一方、パターン11〜14のいずれの場合にも、第2ラウンドにおける第1大入賞口91のトータルの開放時間は30秒に設定されているが、パターン11においては初回の開放、パターン12においては2回目までの開放、パターン13においては3回目までの開放、パターン14においては4回目までの開放が、それぞれ開放時間が0.2秒、インターバル期間が2秒の短開放に設定されている。ただし、その短開放の後は、インターバル期間の2秒をあけた後、30秒から短開放の開放時間を差し引いた時間の開放が行われる。通常特別遊技においては、この短開放とその後の長開放とを含めて第2ラウンドを形成するため、その短開放において第1大入賞口91への入球がなくてもその開閉は実行される。このため、少なくとも短開放後の長開放の期間においては第1大入賞口91への入球が可能となる。本実施例では、通常特別遊技における3ラウンド目以降は短開放は設定されておらず、30秒の長開放が設定されている。
また、演出内容については、パターン11〜14のいずれの場合にも、パターン5〜8と同様に開始デモ演出の後に当たり演出Aが表示され、その後、第1大入賞口91の長開放が開始されるとともに当たり演出Bが表示されている。このように、通常特別遊技と特定特別遊技とで大入賞口の開閉態様が類似した開閉パターンを設定し、また同様の演出内容を設定することで、特別遊技の開始当初においていずれの特別遊技が実行されているのかを区別し難くし、遊技者の期待感を煽るという遊技性が実現される。ただし、特定特別遊技においては特定領域への入球により継続条件が満たされる確率が低く、また短開放によるインパクトを高めるため、パターン1の選択確率が高く設定されている。そして、それに合わせるように、通常特別遊技においてはそのパターン1に類似するパターン11の選択確率が高く設定されている。
すなわち、開閉パターン決定手段123は、特定特別遊技へ移行される際に図24(a)に示す開閉パターンテーブルを参照する。この開閉パターンテーブルには、0〜255の開閉パターン抽選値がパターン1〜8に対して割り当てられている。図示のように、開閉パターン抽選値が0〜220までがパターン1に割り当てられ、開閉パターン抽選を行った場合に高確率にてパターン1が選択されるようになっている。そして、残りの開閉パターン抽選値については、その選択確率がほぼ均等に割り当てられている。一方、開閉パターン決定手段123は、通常特別遊技へ移行される際に図24(b)に示す開閉パターンテーブルを参照する。この開閉パターンテーブルには、0〜255の開閉パターン抽選値がパターン11〜14に対して割り当てられている。図示のように、開閉パターン抽選値が0〜220までがパターン11に割り当てられ、開閉パターン抽選を行った場合に高確率にてパターン11が選択されるようになっている。そして、残りの開閉パターン抽選値については、その選択確率がほぼ均等に割り当てられている。なお、変形例においては、短開放の回数が多くなるほど選択確率が低くなるように開閉パターンテーブルを構成してもよい。なお、変形例においては、特別図柄の停止図柄を決定する際に用いる図柄決定抽選値を開閉パターン1〜14に対しても割り当てるようにしてもよい。抽選値を共用することでソフトの設計を簡素化することが可能になり、データ容量の削減にもつながる。
なお、本実施例のように通常特別遊技と特定特別遊技との間に類似した開閉パターンを設定する手法を、実施例1や実施例3に組み合わせるようにしてもよい。具体的には、図24の開閉パターンテーブルに加えて図19(a)に示した小当たり遊技用の開閉パターンテーブルを設定することにより、通常特別遊技、特定特別遊技、小当たり遊技のいずれであるかが区別し難くなり、いずれであるかについて遊技者の期待感を煽る遊技性を創出することができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
本変形例は、特定特別遊技および小当たり遊技における大入賞口の開閉パターンが実施例1のそれと相違するが、その他の構成および動作は実施例1と共通する。このため、以下の説明においては実施例1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
図25は、変形例にかかる大入賞口の開閉パターンを例示するタイムチャートである。同図(a)は小当たりの場合を示し、同図(b)は特定大当たりの場合を示している。同図においても便宜上、開放される大入賞口を識別するための添え字が付されている。
本変形例では、当否抽選の結果が小当たりとなり小当たり遊技へ移行されると、同図(a)に示すように、大入賞口の開閉パターンとしてパターン1または2が選択される。パターン1は、その単位遊技において第2大入賞口92を2回開閉するパターンである。パターン2は、その単位遊技において第1大入賞口91を2回開閉するパターンである。実施例1と同様に、各大入賞口の開放時間は0.2秒、インターバル期間は2秒に設定されている。いずれのパターンが選択されるかは、図示しない開閉パターンテーブルを用いたパターン抽選により決定される。
また、演出内容については、パターン1,2のいずれの場合にも、開始デモ演出の後に当たり演出が表示され、単位遊技の終了とともに終了デモ演出が表示されている。すなわち、特別演出表示制御手段144は、入球制御手段150から小当たり遊技の単位遊技が終了した旨を表す終了コマンドを受けると、そのコマンドを受信したタイミングで終了デモ演出の表示を開始する。つまり、メイン基板102側の処理に応じて決まる終了デモ演出時間と、サブ基板104側で終了デモ演出を表示させる終了デモ演出表示時間とが一致するようになる。
一方、当否抽選の結果が特定大当たりとなり特定特別遊技へ移行されると、大入賞口の開閉パターンとして同図(b)に示すパターンが選択される。すなわち本変形例では、特定特別遊技の第1ラウンドにおいて第2大入賞口92が2回開放され、第2ラウンドにおいて第1大入賞口91が1回開放される。第3ラウンド以降に継続する場合には、第2ラウンドと同様に第1大入賞口91が1回ずつ開放される。
また、演出内容については、開始デモ演出の後に当たり演出が表示され、第1ラウンドの終了とともに終了デモ演出が表示されている。すなわち、特別演出表示制御手段144は、入球制御手段150から受ける特定特別遊技の終了コマンドのタイミングにかかわらず、終了デモ演出の表示を開始する。つまり、メイン基板102側の処理に応じて決まる終了デモ演出時間と、サブ基板104側で終了デモ演出を表示させる終了デモ演出表示時間とは一致しない。
本変形例によれば、特定特別遊技は第2ラウンドまでは継続するため、1回の単位遊技にて終了する小当たり遊技とは異なるものの、大入賞口の短開放を経て実質的に第2ラウンドにて終了するため両遊技の区別は困難となる。また、演出内容も共通するため、その困難性が助長される。その結果、特定特別遊技および小当たり遊技のいずれかであるかに対して遊技者の期待感を煽るという遊技性を実現することができる。
なお、本変形例ではパターン2よりもパターン1の選択確率が高くなるように設定することで、小当たり遊技が発生する際には特定特別遊技との区別が困難となるようにして遊技者の期待感を煽る遊技性が高い確率で得られるようにしているが、逆にパターン1よりもパターン2の選択確率が高くなるように設定してもよいし、両パターンの選択確率が同一となるように設定してもよい。このようにして確率的には低いものの、同様に遊技者の期待感を煽る大入賞口の作動が発生しうるようにすることで、逆に同遊技の希少性が高まり別の観点から遊技者の期待感を高めることも可能になる。また、本変形例では、小当たり遊技における大入賞口のパターン2として第1大入賞口91を2回開放させるパターンを設定したが、このパターン2については特定特別遊技における大入賞口の開閉パターンとは直接的な関係を有しないため、開放回数を2回とする優位性は特に得られない。このため、パターン2を第1大入賞口91を1回開放するパターンと差し替えてもよいし、パターン2に加えて第1大入賞口91を1回開放するパターンを追加してもよい。
(変形例2)
本変形例は、特定特別遊技における大入賞口の開閉パターンを複数備える点で変形例1と相違するが、その他の構成および動作は変形例1と共通する。図26は、変形例にかかる大入賞口の開閉パターンを例示するタイムチャートである。同図(a)は小当たりの場合を示し、同図(b)は特定大当たりの場合を示している。
本変形例では、当否抽選の結果が特定大当たりとなり特定特別遊技へ移行されると、同図(b)に示すように、大入賞口の開閉パターンとしてパターン21または22が選択される。パターン21は、図25(b)に示した変形例1のパターンと同様である。パターン22は、特定特別遊技の第1ラウンドにおいて第2大入賞口92が1回開放され、第2ラウンドにおいて第1大入賞口91が2回開放されるパターンである。なお、特定特別遊技が第3ラウンド以降も継続される場合には、パターン21,22のいずれにおいても、各単位遊技において第1大入賞口91が1回ずつ開放される。ただし、パターン22が選択される場合、図示のように初回の第2大入賞口92の開放が開始デモ演出中に実行されるため、当たり演出の開始とともに第1大入賞口91の開放が実行される。すなわち、遊技者に注目させる当たり演出中における大入賞口の開閉態様は、小当たり遊技のパターン2のそれと同様となる。
本変形例によれば、特定特別遊技と小当たり遊技との対比において、当たり演出中における大入賞口の開閉態様が外観上共通する。つまり、パターン22が選択された場合の最初の第1大入賞口91の開放を開始デモ演出に埋没させることにより遊技者の意識を反らせることで、両遊技の区別をつき難くするという遊技性を担保することができる。
(変形例3)
上記実施例1においては、特定特別遊技において開始デモ演出と当たり演出とが一体となった静止画像による演出パターンを設け、終了デモ演出が開始されるまで新たな演出パターンを設定しない構成とした。これにより、仮に遊技球が特定領域94を通過して特定特別遊技が継続されたとしても新たな演出を行わないことで(つまり、演出が切り替わる等の演出表示の変化がないことで)、演出の整合性を担保することができる。
変形例においては、特定特別遊技の継続上限回数に相当する演出表示時間を有する演出パターンを、特定特別遊技と小当たり遊技に共通の演出パターンとして設定してもよい。その演出パターンには動画像を含んでもよい。すなわち、表示時間が最も長尺となる演出パターンを共通の演出パターンとして設定し、各遊技が終了した時点でその演出表示をオフするようにしてもよい。このようにしても、意図しない特定領域94の通過があったとしても演出パターンを切り替える必要がなく、演出の整合性を担保することができる。上述のように、特定特別遊技における単位遊技の終了条件として、入球数による終了条件(10球以上入賞)と開放時間による終了条件(0.2秒)が設定された場合、事実上は入球数による終了条件は満たされないため、開放時間により終了することになる。このため、特定特別遊技の進行状況によってその特別遊技そのものの時間がずれる可能性はない。このため、このように動画像の映像を継続して表示し続けても演出上の整合性を保つことができる。また、多くの演出切り替えのための判断を必要とせず、終了デモ演出時に演出を設定すればよく、処理が簡易になる。または、簡易(単純)な処理にて整合性を保つことができる。
(変形例4)
上記実施例においては特定特別遊技への移行決定時にその後の時短および確変移行の有無を決定するようにした。変形例においては、特定特別遊技が確変移行を伴うか否かについて特定特別遊技の開始後に事後的に決定してもよい。具体的には、特定特別遊技の開始によりその後の時短移行を確定し、さらに遊技球の特定領域の通過により、特別図柄の種類によらず事後的に確変移行を確定させるようにしてもよい。このような構成によれば、当否抽選の結果(図柄抽選の結果)とは別に特定領域の通過により確変が付与されるため、特定領域への通過有無に対して遊技者の期待感を煽ることができる。また、特定特別遊技において特定領域へ入球することにより、より有利な遊技状態へ移行させるようにしてもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過することを条件に、その特定特別遊技後の時短の回数を多くしたり、確変遊技状態となる期間をその都度長くするなどの設定をしてもよい。それにより、特定領域への遊技球の通過があるほど、つまり継続条件が達成されるほど遊技者に対して有利となる遊技性を実現することができる。
(変形例5)
上記実施例4においては、振分装置295により回動板296が阻止位置に駆動され、さらに上述した残余の有効期間にあたる期間が経過すると、特定特別遊技が継続しないことが確定する。このように、特定特別遊技が継続しないことが確定したタイミングで終了デモ演出を開始してもよい。具体的には、特定特別遊技の第2ラウンドの単位遊技において第1大入賞口291が複数回開閉する構成としてもよい。そして、その初回の第1大入賞口291の開閉終了後に回動板296を阻止位置に駆動し、その初回の第1大入賞口291の閉鎖後に残余の有効期間を経過したことをもって特定特別遊技が継続しないことを確定的に判定し、その経過タイミングで終了デモ演出を開始してもよい。すなわち、特定特別遊技の第2ラウンドの単位遊技はその初回の開閉後も継続するため、その単位遊技終了を基準とする場合には残りの開閉を待つ必要があるところ、本変形例ではその残りの開閉を待つことなく、初回の開閉後に特定領域の通過を判定するための残余の有効期間が経過したタイミングで終了デモ演出を開始する。これにより、特定特別遊技における演出表示時間を短縮することができるようになり、続く遊技状態へ速やかに移行させることができるようになる。その際、小当たり遊技における終了デモ演出の開始タイミングについても、その特定特別遊技に対応させて複数設けるようにしてもよい。
(変形例6)
上記実施例では述べなかったが、特別遊技の利益状態をより高いものとするために、通常特別遊技が常に確変移行を伴うように設定してもよい。また、特定特別遊技についても常に確変移行を伴うように設定してもよい。このように特定特別遊技に常に確変移行を伴わせる場合、突然確変か否かについて遊技者を煽る遊技性は得られなくなるが、上述のように特定特別遊技と小当たり遊技とを区別困難とする遊技性については得ることができる。
(変形例7)
上記実施例では、本発明を従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に適用した例を示したが、第1種ぱちんこ遊技機の機能を備えた他の種別の遊技機に適用することもできる。例えば、第1種ぱちんこ遊技機を複数混在させたような複合機に適用することもできる。また、第1特別遊技として従来にいう第1種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を、第2特別遊技として従来にいう第2種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を提供する複合機に適用することもできる。
(変形例8)
上記各実施例では、特定領域を有する大入賞口として図4や図21に示す構造を例示した。変形例においては、これらと異なる種々の構造を採用してもよい。例えば上記実施例では、特定領域への入球を検出するセンサと、大入賞口そのものへの入球を検出するセンサとを設ける例を示した。すなわち、大入賞口そのものへの入球を検出するセンサについては特定領域および非特定領域に共用としたが、これらを別々に検出するようにしてもよい。例えば、特定領域の通過を検出する第1センサと、非特定領域の通過を検出する第2センサとを設けてもよい。そして、第1センサにより特定領域への入球と大入賞口そのものへの入球を同時に検出し、第2センサにより非特定領域への入球と大入賞口そのものへの入球を同時に検出するようにしてもよい。図4および図21を参考にすれば、特定領域と非特定領域の下流側に合流部を設けることなく、遊技球を個別の通路に排出するようにしてもよい。その場合、第1センサによる遊技球の検出をもって上述した特別遊技の継続条件の成立を判定することができる。遊技球が特定領域を通過するタイミング、つまり第1センサによりその通過が検出されたタイミングでその旨を表す通過フラグをオンにすると同時に継続判定を行うようにしてもよい。また、上記実施例では、大入賞口の左側に特定領域を設け、右側に非特定領域を設ける例を示したが、遊技領域における構造体の配置構成によっては逆に、左側に非特定領域を設け、右側に特定領域を設けるようにしてもよい。いわゆる右打ちにて大入賞口に入球しやすくなる構成においては特に有効となる。
また、実施例1のように特定領域の入口と非特定領域の入口の高さを異ならせる構造のほか、奥行き方向の位置(遊技者からみて前後方向の位置)を異ならせるようにしてもよい。例えば、特定領域の入口を手前側に設ける一方、非特定領域の入口をそれより奥側に設けてもよい。それにより、大入賞口に入球した場合に特定領域の方に入球しやすくなるようにしてもよい。また、大入賞口内に設けられた通路において(傾斜通路93や通路293等)、特定領域および非特定領域の各領域へつながる位置の奥行き方向の傾斜角度を異ならせるようにしてもよい。例えば、特定領域につながる部分の傾斜角度を非特定領域につながる部分の傾斜角度よりも大きくし、通路に落入した遊技球が特定領域の方により導かれやすくなるようにしてもよい。また、このような特定領域と非特定領域との高さ、奥行き方向の位置、奥行き方向の傾斜角度の違いを組み合わせた構成としてもよい。このように特定領域と非特定領域の遊技球の通過割合に差を設けることで、大入賞口そのものへの入球容易性と特定領域への通過割合とに対応関係を持たせることができる。
なお、上記実施例および変形例においては、大入賞口に入球し難い構成としたにもかかわらず入球してしまった場合に遊技者の利益を担保するために、非特定領域よりも特定領域への遊技球の通過率を高めるようにしたが、逆に、遊技球が特定領域を通過し難くなるように通路の形状や配置を設定したり、あるいは振分装置を動作させるようにしてもよい。このようにすれば、より短時間で特別遊技を終了させることができ、特定領域への遊技球の通過により演出時間がずれたり、特別遊技や小当たり遊技に設定された消化時間がずれたりすることを抑制できるようになる。
(変形例9)
上記実施例では、通常特別遊技および特定特別遊技のいずれの場合も単位遊技の継続上限回数を一定(15回)としたが、変形例においては、その上限回数を複数種類設けてもよい。例えば、出玉が期待される通常特別遊技および出玉が期待されない特定特別遊技のいずれについても、単位遊技の継続上限回数として15回(15R大当たり)、5回(5R大当たり)の2種類設けるようにしてもよい。この場合にも特定特別遊技における大入賞口の開放時間が短いため、その継続率は低い。このため、特定特別遊技と小当たり遊技との区別がつき難くなることで遊技者の期待感を煽る遊技性の実効を図ることができる。
(変形例10)
上記実施例では、第2大入賞口92をアウト口58の右上方の位置、つまり遊技者がいわゆる右打ち等通常と異なる打ち方をしない限り遊技球が入球しない位置に設ける例を示した。すなわち、遊技領域52がセンター飾り64(飾り部材)により右側の流路と左側の流路とに分岐されるように構成され、第2大入賞口92は右側の流路を流下してきた遊技球しか入球し得ない位置に配置されている。一方、第1大入賞口91はセンター飾り64の下方に位置する始動口62の直下に設けられており、始動口62および第1大入賞口91ともに左側の流路を流下してきた遊技球しか入球し得ないように構成されている。このような構成により、遊技者は通常、大当たりが発生するまでは始動口62を狙って遊技球の発射強度を調整し、遊技球を左側の流路に流下させようとする。一方、特定特別遊技が開始されて第2大入賞口92が開放されると、第2大入賞口92へ入賞させることで所定球数の賞球が得られることになるが、上述のように第2大入賞口92が極短開放であると入賞そのものの可能性が低い。これは2ラウンド以降に極短開放される第1大入賞口91の開放についても同様である。このため、特定特別遊技における大入賞口の開放が遊技者にとって単なる演出に留まり、その利益感が満たされない可能性がある点で改善の余地がある。
そこで、変形例においては第1大入賞口91と第2大入賞口92とが、上記実施例のように一方への入球を狙って遊技球が打ち出された場合に他方への入球が規制される配置構成でありつつ、特定特別遊技が特定ラウンド(第2ラウンド)にて終了するよう各大入賞口の開放時間を調整してもよい。例えば、特定特別遊技の第1ラウンドにおける第2大入賞口92の開放時間については、始動口62を狙った左打ちの状態から第2大入賞口92の開放開始と同時に右打ちに切り替えられても、その入賞が可能となる程度に設定してもよい。それにより、遊技者に右打ちをさせるという遊技性の実効を図ることができる。そして、その第2大入賞口92を狙った右打ちの状態から第2ラウンドの第1大入賞口91の開放開始と同時に左打ちに切り替えられた場合、その入賞が阻止可能な範囲で第1大入賞口91の開放時間を長く設定してもよい。それにより、遊技者に第2ラウンドにおける第1大入賞口91への入賞、つまり第3ラウンド以降の継続について期待感を持たせることができるようになり、その利益感の向上から遊技機の稼働率向上を図れるようになる。