(実施例1)
本実施例に示すぱちんこ遊技機は、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する。遊技球が始動入賞口に入球すると当否抽選が実行され、その当否抽選の結果が「大当たり」となると大入賞口が開放を繰り返す特別遊技が開始される。大入賞口に入球があると、その都度所定数の賞球が払い出されるため、遊技者に有利な状態となる。本実施例では、大当たりとして「15R大当たり」と「2R大当たり」が設けられている。15R大当たりは、特別遊技を構成する単位遊技が15回繰り返される「15R特別遊技」への移行を示し、2R大当たりは、特別遊技を構成する単位遊技が2回繰り返される「2R特別遊技」への移行を示す。ただし、本実施例では2R特別遊技における大入賞口の開放時間は15R特別遊技におけるそれより短くなるよう開放パターンが設定されている。一方、当否抽選の結果が「小当たり」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口の短時間の開放がなされる小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技は、特別遊技を構成する複数回の単位遊技の1回分にしか相当しないため「大当たり」とは区別される。本実施例では、小当たり遊技における大入賞口の開放時間は2R特別遊技におけるそれよりさらに短くなるよう開放パターンが設定されている。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。
ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、第1大入賞口66、第2大入賞口67、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口67は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口67を拡開させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口67への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。
第1大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」または「小当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。第1大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。一方、第2大入賞口67は、2R大当たりによる2R特別遊技の過程で開閉される専用の大入賞口として設けられ、後述するセンター飾り64の側部に第1大入賞口66に比べて小さな部材により目立たない形状で設けられている。さらに、第2大入賞口67は、遊技者がいわゆる右打ち等通常と異なる打ち方をしない限り遊技球が入球しない位置であって、演出表示装置60に表示される演出に見入る遊技者の視線が届きにくい位置に設けられている。大入賞口ソレノイド81は、第2大入賞口67の羽根を開閉させる。入賞検出装置79は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。特別図柄192の変動表示が停止されたときの図柄態様が大当たりまたは小当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たりまたは小当たりの発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。第2大入賞口67は、センター飾り64の周囲を装飾する一片の飾り部材を構成するように取り付けられている。開放された第2大入賞口67に入球した遊技球は、センター飾り64の内部に設けられた通路31を通って内側の空間へ流入し、その底部中央に設けられた排出口32から遊技盤50の背部に排出される。入賞検出装置79は、その通路31に設けられている。図示のように、第2大入賞口67は、センター飾り64の右側で目立たない形で小さく開閉するため、第1大入賞口66と比較してその開放動作は認識され難い。なお、変形例においては、第2大入賞口をより目立たない位置に設けてもよい。例えば、センター飾り64の上部に設けるなど、演出表示装置60の演出表示領域から離間させ、演出表示を見る遊技者の目線から離れた位置に設けるようにしてもよい。
演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。本実施例では、その時間間隔が1分間あたり100球の遊技球が打ち出されるよう設計されている。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、第1大入賞口66、第2大入賞口67の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口66の開閉動作が開始される。15R大当たりである場合、スロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。本実施例において、15R特別遊技において、第1大入賞口66は、例えば約30秒間開放された後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。すなわち、第1大入賞口66の開放開始から所定時間(30秒)または所定数(10球以上)の入球が15R特別遊技を構成する単位遊技の終了条件とされている。
一方、2R大当たりである場合には、装飾図柄190は、3つの図柄を連続する奇数または偶数の図柄とする表示態様をとる。2R特別遊技は2回の単位遊技からなり、形式的には15R特別遊技と同様の単位遊技の終了条件が設定されている。しかし、本実施例においては2R特別遊技として大入賞口の固有の開閉パターンが設定されているため、15R特別遊技よりも大入賞口の開放時間は短くなる。また、2R特別遊技においては第1大入賞口66のみならず、第2大入賞口67の開放も行われるが、その詳細については後述する。また、停止時の特別図柄192および装飾図柄190が小当たりを示す図柄である場合、小当たり遊技に移行し、第1大入賞口66の短時間の開閉動作がなされる。その開閉動作の詳細については後述する。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては、原則として、特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基板39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、第1大入賞口66、第2大入賞口67、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、小当たり遊技制御手段121、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、特別遊技作動条件保持手段176、小当たり遊技作動条件保持手段180を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出動作制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口66に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口67に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
当否抽選手段112は、通常状態では通常確率による当否判定のための当否テーブル(以下、適宜「通常当否テーブルという」)を参照し、確変状態では通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブル(以下、適宜「確変当否テーブルという」)を参照する。本実施例では、通常当否テーブルにおいては当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときにのみ大当たりとなる。確変当否テーブルにおいては大当たりの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜399の範囲に該当する場合だけでなく、400〜3999の範囲に該当する場合にも大当たりとなる。このように、大当たりに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。
本実施例では、特別遊技として、第1大入賞口66が所定の開放基準時間以上開放される単位遊技が15回を上限として繰り返される長期開放遊技(15R特別遊技)と、単位遊技を最少回数である2回だけ繰り返す中期開放遊技(2R特別遊技)とが設けられている。本実施例における開放基準時間は2秒であり、第1大入賞口66を2秒以上開放できるのは特別遊技中に限られることとする。上述のように、本実施例における特別遊技の単位遊技の終了条件は、大入賞口の開放開始から30秒経過または10球以上の入球とされている。2R特別遊技については固有の開閉パターンが設定されている。また、開放基準時間未満の第1大入賞口66の開放をする単位遊技を1回だけ実行する短期開放遊技(小当たり遊技)が設けられている。
当否抽選値が大当たり範囲に該当しない場合のうち、所定の範囲に該当した場合に小当たりとなる。本実施例では、確変状態であるか否かにかかわらず、当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当たりとなる。このように大当たりに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本実施例では大当たりに該当しなかった場合のうち小当たりにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現する。
当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
変動パターン決定手段115は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために参照すべき複数のパターン選択テーブルを保持する。複数のパターン選択テーブルには、複数の変動パターンと抽選値との対応関係としてそれぞれ異なる関係が定められている。変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するためのパターン抽選値を取得する。変動パターン決定手段115は、遊技状態に応じたパターン選択テーブルにしたがい、当否抽選の結果とパターン抽選値に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
変動パターン決定手段115は、当否判定結果が外れのときは外れ用のパターン選択テーブルを参照し、15R大当たりのときは15R大当たり用のパターン選択テーブルを参照する。また、当否判定結果が2R大当たりや小当たりのときには、2R当たり用、小当たり用のパターン選択テーブルを参照する。このパターン選択テーブルには、時短状態のときに参照されるパターン選択テーブルや当否抽選結果の保留数に応じたパターン選択テーブルも含まれる。
本実施例では、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれの変動パターンも選択される可能性がある。このリーチ演出は、リーチ付きの変動パターンが選択されたときに、装飾図柄190によりあと一つ図柄が揃えば当たり図柄組み合わせとなる状態を経る図柄変動が表示されるものであり、大当たりとなる前兆を示唆して遊技者の期待感を高める演出である。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された停止図柄と変動パターン決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出動作制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出動作制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技作動条件保持手段176は、第1大入賞口66や第2大入賞口67の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件を保持する。特別遊技作動条件保持手段176は、長期作動条件保持手段178と中期作動条件保持手段179を含む。長期作動条件保持手段178は、長期開放遊技へ移行するための条件である長期作動条件を保持する。長期作動条件は、当否抽選で15R特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。中期作動条件保持手段179は、中期開放遊技へ移行するための条件である中期作動条件を保持する。中期作動条件は、当否抽選で2R特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。特別遊技作動条件保持手段176は、長期作動条件と中期作動条件とを包括して特別遊技作動条件として保持する。特別遊技作動条件は、当否抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
小当たり遊技作動条件保持手段180は、第1大入賞口66の短期の開放を伴う単位遊技を含む小当たり遊技へ移行するための条件を保持する。小当たり遊技作動条件保持手段180は、短期作動条件保持手段181を含み、短期開放遊技として小当たり遊技へ移行するための条件である小当たり作動条件(短期作動条件)を保持する。小当たり作動条件は、当否抽選で小当たり遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技作動条件保持手段176、すなわち長期作動条件保持手段178および中期作動条件保持手段179は、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させる確変特別遊技作動条件を保持する。確変特別遊技作動条件が成立するか否かは、当否抽選手段112による当否抽選の結果や図柄決定手段114が決定した特別図柄の種類によって判定される。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が大当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、第1大入賞口66や第2大入賞口67の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技が所定回数を消化した場合に特別遊技を終了させる。
特別遊技制御手段120は、長期開放遊技制御手段125と中期開放遊技制御手段126とを含む。長期開放遊技制御手段125は、当否抽選が長期開放遊技への移行を示す結果となって長期作動条件が成立したときに長期開放遊技として15R特別遊技を実行する。長期開放遊技制御手段125は、15R特別遊技として単位遊技を15回繰り返し、1回の単位遊技において第1大入賞口66を約30秒間開放させる。中期開放遊技制御手段126は、当否抽選が中期開放遊技への移行を示す結果となって中期作動条件が成立したときに中期開放遊技として2R特別遊技を実行する。中期開放遊技制御手段126は、2R特別遊技として単位遊技を2回繰り返す。本実施例では、その1回目の単位遊技において第1大入賞口66をトータル6秒間開放させ、2回目の単位遊技において第2大入賞口67をトータル7秒間開放させる。
なお、上述のように、特別遊技の単位遊技の終了条件として、大入賞口への10球以上の入球があったことがその条件の一つに設定されているが、このように第1大入賞口66がトータル6秒間開放される期間における10球以上の入球は、設計上不可能もしくは困難となっている。また、第2大入賞口67がトータル7秒間開放される期間における10球以上の入球も設計上不可能もしくは困難となっている。すなわち、それらの大入賞口の開放時に既に遊技領域52に滞在している遊技球があることを考慮しても、遊技領域52にある遊技釘や風車などの機構により遊技球の流下方向に変化が与えられる特性上、それらの大入賞口の開放期間に10球以上入球させることは困難となっている。言い換えれば、2R特別遊技の実行過程において各大入賞口への入球数によって単位遊技が終了させることがないよう、大入賞口をはじめとする遊技領域52上の各部の構成が設計されている。なお、この2R特別遊技の開閉態様の詳細については後述する。
小当たり遊技制御手段121は、短期開放遊技制御手段127を含む。短期開放遊技制御手段127は、当否抽選が小当たり遊技(短期開放遊技)への移行を示す結果となって小当たり作動条件(短期作動条件)が成立したときに短期開放遊技として小当たり遊技を実行する。小当たり遊技制御手段121は、小当たり遊技として単位遊技を1回だけ実行する。本実施例では、その単位遊技において第1大入賞口66を約0.5秒、約0.5秒の2回にわたって開放する。いずれの開放時間も開放基準時間である2秒間を下回るとともに、それらの合計時間も開放基準時間を下回る。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。遊技状態が確変状態となっているかどうかは、いわゆる「潜伏確変」とも呼ばれるように外観上は明示されない。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、例えば100回に至るまで継続される。ただし、確変中における時短は、確変と同様に次の大当たりが発生するまで継続される。
また、特別遊技の終了後は確変状態への移行有無にかかわらず原則として時短へ移行するが、時短状態でないときに2R大当たりが発生したときに限っては、その2R特別遊技の終了後は時短へ移行させない。また、小当たり遊技の終了後も時短や確変への移行は行われず、小当たり遊技開始前の遊技状態が維持される。したがって、小当たり遊技開始前から時短や確変の状態にある場合は、小当たり遊技終了後も終了条件を満たしていない限りは時短や確変の状態が維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や第1大入賞口66、第2大入賞口67の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中または小当たり遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、第1大入賞口66を開放させる。また、2R特別遊技中には大入賞口ソレノイド81にも開放指示を送り、第2大入賞口67を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当たりへの期待度の高さを予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。パターン記憶手段130は、後述するダミー演出に関する複数種の演出パターンをさらに保持する。
演出決定手段132は、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて変動演出パターンを決定する。演出決定手段132は、変動演出パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。演出決定手段132は、決定した変動演出パターンの情報やダミー演出の演出パターンを示す情報を演出動作制御手段134へ送る。
変動演出パターンには、通常の外れの図柄組合せを表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たりの図柄組合せを表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出動作制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による判定結果が15R特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。例えば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンや装飾図柄の変動演出パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。また、当否抽選手段112による判定結果が2R特別遊技への移行を示す場合、または小当たり遊技への移行を示す場合は「135」や「246」のように3つの図柄が連続する奇数または偶数となる組合せが選択される。本実施例では、2R特別遊技への移行を示す特別図柄、および小当たり遊技への移行を示す特別図柄として互いに異なる図柄が設定されているが、装飾図柄については区別なく設定されている。したがって、遊技者は装飾図柄の停止図柄を見ただけでは、それが2R特別遊技および小当たり遊技のいずれへの移行を示すものであるかを区別することはできない。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当たり態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当たりへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定するとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当たりの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当たりへの期待度の高さを示唆することができる。
演出動作制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。演出動作制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を演出表示装置60へ表示させる。演出動作制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出動作制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
次に、本実施例における特徴的な演出の進行制御の内容について説明する。
本実施例における2R特別遊技と小当たり遊技とは、それぞれ中期開放遊技、短期開放遊技である点で相異する。すなわち、2R大当たりも大当たりの範疇に属するため、小当たりよりも大入賞口の開放期間を長く設定し、より多くの賞球を得る機会を与えるようにしている。一方、その2R特別遊技固有の開閉パターンにて大入賞口の開放が行われる期間においては後述する特別演出(ダミー演出)によって遊技者の大入賞口への意識を反らせるようにし、小当たりと区別し難い形で遊技者の期待を煽るという機能を担保している。
図4は、2R特別遊技への移行過程で演出表示装置に表示される特別演出の画面例を表す図である。同図(a)から(d)は、その演出過程の例を表している。図5は、特別演出終了後に表示される共通演出の画面例を表す図である。同図(a)から(c)は、その演出過程の例を表している。
図4(a)に示すように、演出表示装置60の表示領域194には、その略中央の領域に装飾図柄190が変動表示される他、その装飾図柄190の変動表示に重ねられるように、各種予告演出等の画像が表示される。そして、当否抽選によって2R大当たりまたは小当たりが発生した場合、同図(b)に示すように装飾図柄190として連続する奇数または偶数(1つとびの数字)からなる図柄組み合わせが停止表示される。図示の例では、装飾図柄190の停止図柄「135」が停止表示されている。その後、2R特別遊技または小当たり遊技として、それぞれについて設定された開閉パターンにしたがって第1大入賞口66および第2大入賞口67の少なくとも一方の開放が実行される。
このとき、2R大当たりであれば、装飾図柄190が「135」にて停止した後、直ちに同図(c)に示す類似図柄191の変動表示によるダミー演出が開始される。類似図柄191は、装飾図柄190とはその図柄の表示形式が異なるが、遊技者が区別困難な程度に類似する図柄であり、装飾図柄190を擬似的に装う「疑似図柄」として機能する。類似図柄191は、当否抽選の結果とは直接関係のない図柄である点で装飾図柄190とは異なる。図示の例では、装飾図柄190がゴシック体からなる数字で表されるのに対し、類似図柄191はポップス体からなる数字で表され、互いにフォントが異なっている。なお、変形例においては、装飾図柄190と類似図柄191とのフォントを異ならせるかいなかは別として、両図柄の一方を青、他方を赤とするなど、その色を異ならせるようにしてもよい。あるいは、装飾図柄190と類似図柄191とで数字図柄の態様を同じとしつつ、その数字図柄に付加表示される絵柄模様やキャラクタの種類を異ならせるなど、図柄の一部が異なる態様としてもよい。2R特別遊技における大入賞口の開放パターンには、その2R特別遊技固有の開放パターンのほか、小当たり遊技の開放パターンと開放態様が同じ共通部分が含まれる。本実施例では、2R特別遊技へ移行されると、その2R特別遊技固有の開放パターンにて大入賞口が開閉される期間にダミー演出を表示させ、大入賞口ではなくダミー演出に遊技者の意識を振り向ける。そして、そのダミー演出の表示が終了すると、小当たり遊技と共通の開閉パターンにて大入賞口を開閉させる。
すなわち、2R大当たりが発生すると、その結果を示す装飾図柄190の変動表示が開始され、特別図柄の変動停止コマンドが送られたタイミングで装飾図柄190を停止させるとともに類似図柄191の変動表示を開始する。この装飾図柄190と類似図柄191の図柄変動の差し替えにより、遊技者に装飾図柄190が実際には停止表示されたものの、その変動を継続しているかのように見せる。このようにして遊技者の意識を類似図柄191による図柄変動演出に振り向けることで、逆に大入賞口から注意を反らせるようにする。そして、この2R特別遊技固有の開放パターンが終了すると、同図(d)に示すように類似図柄191を停止表示させる。このときの停止図柄は2R大当たりまたは小当たりを示唆する図柄組合せであってよい。図示の例では、同図(b)と同じ内容を表す「135」が停止表示されている。その後、小当たり遊技と共通の開閉態様にて大入賞口を開閉させる。なお、ここでは主に演出面のみを示し、大入賞口の具体的開閉態様については後述する。
一方、そのように小当たり遊技と共通の開閉態様にて大入賞口を開閉させる際には、図5に示すように、その小当たり遊技に移行された場合と同様の当たり演出が表示される。すなわち、2R特別遊技および小当たり遊技においては、両者の区別を困難にするために、大入賞口の開放態様として第1大入賞口66を短期間開放する共通部分が設けられるほか、その共通部分の開閉態様がなされる期間において、共通の画像表示演出(共通演出)が表示される。その共通演出として、第1大入賞口66の短期開放開始前には同図(a)に示す開始デモ演出が表示され、第1大入賞口66の短期開放終了後には同図(b)に示す終了デモ演出が表示される。図示の例では、開始デモ演出として女性のキャラクタが登場して「開放開始」を示す演出が示され、終了デモ演出として同キャラクタが「開放終了」を示しつつ去っていく演出が示されている。なお、共通演出はこれらのものに限られず、種々の演出内容を採用することができる。例えば終了デモ演出として、同図(c)に示すように特定のモードへの移行を示す演出内容を表示させ、その後、後続の図柄変動表示に合わせるなどして同モードの演出を付加表示してもよい。
図6は、当否テーブルの例を模式的に示す図である。
当否テーブルには、大当たり、小当たり、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当たり当否確率や小当たりの当否確率が定まる。当否抽選手段112は、当否判定において本図の当否テーブルを参照し、当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときは大当たりとなる。当否抽選値が大当たりの範囲に該当した場合、図柄抽選値に応じて確変ありの15R大当たり、確変なしの15R大当たり、確変ありの2R大当たり、確変なしの2R大当たりに抽選結果が振り分けられる。当否抽選値が大当たり範囲に該当しない場合でも、65000〜65535の範囲に該当した場合には小当たりとなる。それ以外の範囲、すなわち400〜64999の範囲に該当したときに「外れ」となる。なお、確変当否テーブルの例は図示しないが、本図の大当たりの当否抽選値範囲が、例えば0〜3999の範囲に拡大される。このような当否抽選値と当否判定結果の対応関係により、確変時の当否確率が定まる。
図7は、パターン選択テーブルの例を模式的に示す図である。
変動パターン決定手段115は、当否判定結果が外れのときは同図(a)に示される外れ用のパターン選択テーブルを参照する。また、当否判定結果が15R大当たりのときは同図(b)に示される15R大当たり用のパターン選択テーブルを参照する。また、当否判定結果が2R大当たりのときは同図(c)に示される2R大当たり用のパターン選択テーブルを参照する。さらに、当否判定結果が小当たりのときは同図(d)に示される小当たり用のパターン選択テーブルを参照する。
同図(a)においては、パターン抽選値0〜20にはスーパーリーチの変動パターンが対応付けられ、パターン抽選値21〜255にはノーマルリーチまたはリーチなしの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。ノーマルリーチまたはリーチなしの変動パターンとして変動時間が5〜30秒の複数種類の変動パターンが設定され、スーパーリーチの変動パターンとしては変動時間が40〜60秒の比較的長い複数種類の変動パターンが設定されている。なお、外れ用のパターン選択テーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、外れ用のパターン選択テーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、詳細な図示は省略する。
同図(b)においては、パターン抽選値0〜240にはスーパーリーチの変動パターンが対応付けられ、パターン抽選値241〜255にはノーマルリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、当否判定結果が15R大当たりの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。ノーマルリーチの変動パターンとして変動時間が20〜30秒の複数種類の変動パターンが設定され、スーパーリーチの変動パターンとしては変動時間が40〜60秒の比較的長い複数種類の変動パターンが設定されている。
同図(c)においては、パターン抽選値0〜122にはスーパーリーチの変動パターンが対応付けられ、パターン抽選値123〜255にはノーマルリーチの変動パターンが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当たりの場合はスーパーリーチまたはノーマルリーチの変動パターンがそれぞれ約50%の確率で選択される。ノーマルリーチの変動パターンとして変動時間が5〜15秒の複数種類の変動パターンが設定され、スーパーリーチの変動パターンとしては変動時間が25〜45秒の比較的長い複数種類の変動パターンが設定されている。
同図(d)においては、パターン抽選値0〜122にはスーパーリーチの変動パターンが対応付けられ、パターン抽選値123〜255にはノーマルリーチの変動パターンが対応付けられている。このように当否判定結果が小当たりの場合はスーパーリーチまたはノーマルリーチの変動パターンがそれぞれ約50%の確率で選択される。ノーマルリーチの変動パターンとして変動時間が20〜30秒の複数種類の変動パターンが設定され、スーパーリーチの変動パターンとしては変動時間が40〜60秒の比較的長い複数種類の変動パターンが設定されている。
本実施例において、2R大当たりの変動パターンと小当たりの変動パターンとは変動時間の差分値に基づいて対応付けられ、その対応付けられた変動パターンが共通の演出内容を伴うように設定されている。すなわち、同図(c)と(d)との対比から分かるように、2R大当たりの変動パターンは小当たりの変動パターンよりも変動時間が15秒程度短くなっており、その15秒程度変動時間が異なる変動パターンどうしが、登場キャラクタや背景が同じ共通の演出内容を伴うように設定されている。この15秒の時間差は、2R特別遊技特有の大入賞口の開閉時間に相当する。
2R大当たりおよび小当たりのいずれの場合も、その当否抽選結果や上記特別図柄の変動パターンに加え、図柄決定手段114により決定された特別図柄の停止図柄に応じて変動演出パターンが決定される。すなわち、当否抽選結果が2R大当たりまたは小当たりを示し、いずれかの変動パターンが決定された場合、演出決定手段132は、さらに特別図柄の停止図柄に応じて演出パターンを決定する。本実施例では、小当たりの複数の変動演出パターンと2R大当たりの複数の変動演出パターンとが、上述した2R特別遊技固有の大入賞口の開閉時間に対応する時間差(15秒)をもって対応付けられており、いずれの変動演出パターンを選択するかが特別図柄の各停止図柄によって決定される。具体的には、当否抽選結果が2R大当たりであり、その結果を示す変動パターンが決定されると、演出決定手段132は、その変動パターンと変動時間が等しく特別図柄の停止図柄に対応付けられた変動演出パターンを選択する。このとき、上記時間差分長い小当たりの変動演出パターンのうち同じ特別図柄の停止図柄に対応付けられたものに付加される演出内容が決定される。その結果、2R大当たりおよび小当たりの双方の場合について、小当たり遊技に対応する大入賞口の開放が開始されるまでの演出表示時間の時間値を合わせるとともに、共通の演出を表示させることができる。このように、2R大当たりを示す装飾図柄190による図柄変動演出、類似図柄191によるダミー演出、およびそれらの図柄変動表示に付加される演出により、小当たりの場合と類似した演出を見せることで、遊技者にとって小当たりの場合と見分けが付き難くなる遊技性が実現される。
図8は、大入賞口の開閉タイミングと、演出表示装置に表示される各演出の表示期間との対応関係を示すタイムチャートである。同図(a)は小当たりの場合を示し、同図(b)は2R大当たりの場合を示している。同図(c)は大入賞口による共通動作およびそれと並行して表示される演出内容を示している。
本実施例において当否抽選結果が小当たりになると、同図(a)に示すように、その結果を示すために選択された変動パターンにしたがった図柄変動が表示され、その後、小当たり遊技が開始されて大入賞口の短期開放が行われる。図示の例では、時刻t1にて小当たりとなり、その図柄変動表示が開始されている。時刻t5にて装飾図柄190による図柄変動が停止され、時刻t6から第1大入賞口66が2回開放されている。1回目は0.5秒間、2回目も0.5秒間の開放であり、各開放の間には0.5秒間のインターバル期間が設けられる。小当たり遊技の場合、1回目と2回目の開放が1回の単位遊技に相当する。このように小当たり遊技が実行される期間、演出表示装置60には同図(c)に示す特定の当たり演出が実行される。本実施例では図示のように、第1大入賞口66の短期開放の前に開始デモ演出が表示され、その短期開放後に終了デモ演出が表示される。これら開始デモ演出および終了デモ演出の具体的内容については図5に関連して説明したとおりである。時刻t7にてその単位遊技が終了すると、装飾図柄190による次変動が開始される。
一方、当否抽選結果が2R大当たりになると、同図(b)に示すように、その結果を示すために選択された変動パターンにしたがった図柄変動が表示され、その後、2R特別遊技が開始されて大入賞口の開放が行われる。図示の例では、時刻t1にて2R大当たりとなり、装飾図柄190による図柄変動表示が開始されている。そして、時刻t2にてその図柄変動が停止されて2R特別遊技へ移行され、時刻t3から大入賞口の開放が開始されている。すなわち、まず1回目の単位遊技(第1ラウンド:1R)として第2大入賞口67が3回開放される。その3回の第2大入賞口67の開放はいずれも2秒間の開放であり、各開放の間には0.5秒間のインターバル期間が設けられる。続いて、2回目の単位遊技(第2ラウンド:2R)として第1大入賞口66が5回開放される。その第1大入賞口66の1回目から3回目の開放はいずれも2秒間の開放であり、4回目および5回目の開放はいずれも0.5秒間の開放である。各開放の間には0.5秒間のインターバル期間が設けられる。
このように当否抽選結果が2R大当たりとなった場合、その結果を示す装飾図柄190による図柄変動の後、引き続き類似図柄191を変動表示するダミー演出が表示される。このダミー演出が表示される経過については、図4に関連して説明したとおりである。すなわち、装飾図柄190による図柄変動とともに小当たりの場合と共通の背景画像を付加する共通演出を表示させ、それに引き続き、類似図柄191による図柄変動とともに小当たりの場合と共通の背景画像を付加するダミー演出を表示させる。そして、そのダミー演出の終了後に、第1大入賞口66の短期開放とともに小当たりの場合と共通の当たり演出(同図(c)参照)を表示させる。この2R大当たりによる図柄変動開始から当たり演出が終了するまでのトータルの時間は、対応する小当たりによる図柄変動開始から当たり演出が終了するまでのトータルの時間と一致する。このように、2R大当たりの場合と小当たりの場合とでその演出が外観上共通し、ダミー演出の表示後に遊技者に認知される大入賞口の開閉動作も共通するため、遊技者にはそれらの区別が困難となっている。言い換えれば、その外観上共通する演出が表示された場合に、それが2R大当たりによるものか、小当たりによるものかについて遊技者の期待感を煽る遊技性が実現される。
図9は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、第1大入賞口66、第2大入賞口67などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行する(S10)。そして、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当たり遊技の制御処理を実行し(S17)、S10からS17までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図10は、図9におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出動作制御手段134へ送信し、これを受信した演出動作制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図11は、図10におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。 まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S46)、特別図柄の変動パターンを選択する(S48)。このとき、変動パターン決定手段115は、当否抽選結果に対応するパターン選択テーブルまたは遊技状態に対応するパターン選択テーブルを参照して特別図柄の変動パターンを選択する。演出決定手段132は、当否判定結果および特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S50)、特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動パターンを選択する(S52)。
図12は、図10におけるS40の変動表示処理を詳細に示すフローチャートである。 既に図柄変動表示が開始されている場合、図柄変動の画像を表示し(S60)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S61のY)、表示中の図柄変動を停止する(S62)。
停止した図柄変動に対応する当否抽選結果が15R大当たりであった場合(S63のY)、15R特別遊技へ移行する(S64)。15R大当たりではないが(S63のN)、2R大当たりであった場合(S65のY)、2R特別遊技へ移行する(S66)。2R大当たりでもなく(S65のN)、小当たりであった場合(S67のY)、小当たり遊技へ移行する(S68)。小当たりでもない場合には(S67のN)、S68の処理をスキップする。図柄表示の停止タイミングに達していない場合には(S61のN)、S62以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。
図13は、図9におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 当否抽選の結果が大当たりであった場合(S70のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S72のY)、第1大入賞口66または第2大入賞口67(単に「大入賞口」ともいう)が開放済でなければ(S74のN)、大入賞口の開放処理を実行し(S76)、開放済みであれば(S74のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S78)。所定回数の大入賞口の開閉が終了した場合であって(S80のY)、特別遊技の演出ないし終了デモ演出が終了した場合(S82のY)、特別遊技を終了し(S84)、時短や確変の特定遊技状態を開始する(S86)。特別遊技の演出ないし終了デモ演出が終了していない場合は(S82のN)、S84およびS86をスキップし、所定回数の大入賞口の開閉が終了していない場合は(S80のN)、S82〜S86をスキップする。S72において特別遊技が開始済みでない場合は(S72のN)、特別遊技を開始し(S88)、S74〜S86をスキップする。大当たりでない場合は本図のS72以降のフローをスキップする(S70のN)。
図14は、図13におけるS88の特別遊技開始処理を詳細に示すフローチャートである。
特別遊技が2R特別遊技である場合(S150のY)、ダミー演出および当たり演出(小当たりと共通の当たり演出)からなる一連の2R大当たり演出を選択してその演出表示を開始するとともに(S152)、大入賞口の開放による2R特別遊技を開始する(S154)。特別遊技が15R特別遊技である場合(S150のN)、15R当たり用に設定された大当たり演出の演出表示を開始するとともに(S156)、大入賞口の開放による15R特別遊技を開始する(S158)。
図15は、図13におけるS76の開放処理を詳細に示すフローチャートである。
設定された開放パターンに基づく第1大入賞口66または第2大入賞口67の所定の開放タイミングとなったとき(S110のY)、開閉制御手段124は第1大入賞口66、第2大入賞口67をそれぞれ開放させる(S112)。開放タイミングでないときは(S110のN)、S112の処理をスキップする。
図16は、図13におけるS78の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。
設定された開放パターンに基づく第1大入賞口66または第2大入賞口67の所定の閉鎖タイミングとなったとき(S114のY)、開閉制御手段124は第1大入賞口66、第2大入賞口67をそれぞれ閉鎖させる(S116)。閉鎖タイミングでないときは(S114のN)、S116の処理をスキップする。
図17は、図9におけるS17の小当たり遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
当否抽選の結果が小当たりであった場合(S120のY)、すでに小当たり遊技が開始済みであって(S122のY)、第1大入賞口66が開放済でなければ(S124のN)、第1大入賞口66の開放処理を実行し(S126)、開放済みであれば(S124のY)、第1大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S128)。所定回数の第1大入賞口66の開閉が終了した場合(S130のY)、小当たり遊技を終了し(S132)、所定回数の第1大入賞口66の開閉が終了していない場合は(S130のN)、S132をスキップする。S122において小当たり遊技が開始済みでない場合は(S122のN)、小当たり遊技を開始するとともに(S134)、2R大当たりと共通の演出を選択してその表示を開始する。S124〜S132についてはスキップする。小当たりでない場合は本図のS122以降のフローをスキップする(S120のN)。
以上に説明したように、本実施例のぱちんこ遊技機においては、2R特別遊技中に2R特別遊技固有の開閉パターンによる大入賞口の開閉がなされる一方でダミー演出が表示される。このダミー演出による類似図柄191の変動表示が装飾図柄190の変動表示と外観上類似しており、その類似図柄191の変動表示に付加される背景演出も小当たりの場合と共通するため、遊技者にとって2R大当たりまたは小当たりのいずれの演出が表示されているのかを識別するのが困難となる。2R特別遊技におけるその識別困難な演出の後には、小当たり遊技と同様の第1大入賞口66の開閉動作が実行される。すなわち、ダミー演出や共通演出によって2R大当たりに伴う演出と小当たりに伴う演出のいずれであるかが遊技者に分かり難くなる。一方、2R特別遊技と小当たり遊技では大入賞口の開放時間が異なるため、その利益状態の違いは担保される。その結果、2R特別遊技および小当たり遊技のいずれが実行されるのかに対して遊技者の期待感が高められる。
(実施例2)
実施例2は、小当たり遊技について大入賞口の開放開始タイミングを複数設定した点で実施例1と相違するが、その他の構成および動作は実施例1と共通する。このため、以下の説明においては実施例1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
本実施例では、変動パターン決定手段115が、小当たり遊技への移行を示す結果となったことを示す変動パターンとして、互いに図柄変動時間が異なる複数の変動パターンを選択対象に含む。演出決定手段132は、特定の小当たり遊技への移行を示す図柄変動が停止表示された後に、小当たり遊技中の演出として、その小当たり遊技への移行を示す図柄変動がいまだ継続しているように見せるダミー演出を選択対象に含む。特別遊技制御手段120は、そのダミー演出の表示が決定される場合、そのダミー演出の表示中に小当たり遊技による大入賞口の開放を実行させる。なお、本実施例においても、当否抽選の結果に応じて実施例1に示した2R特別遊技が行われる。
図18は、大入賞口の開閉タイミングと、演出表示装置に表示される各演出の表示期間との一対応関係を示すタイムチャートである。同図(a)は小当たりの場合の一態様を示し、同図(b)は小当たりの場合の他の態様を示している。
本実施例において当否抽選結果が通常の小当たりになると、基本的には同図(a)に示すように、その結果を示すために選択された変動パターンにしたがって装飾図柄190の変動表示がなされ、その後、小当たり遊技が開始されて第1大入賞口66の短期開放が行われる。図示の例では、時刻t31にて小当たりとなり、装飾図柄190の変動表示が開始されている。時刻t35にて装飾図柄190による図柄変動が停止され、時刻t36から第1大入賞口66が2回開放されている。1回目は0.5秒間、2回目も0.5秒間の開放であり、各開放の間には0.5秒間のインターバル期間が設けられる。この小当たり遊技においても、第1大入賞口66の短期開放の前に開始デモ演出が表示され、その短期開放後に終了デモ演出が表示される。時刻t37にてその単位遊技が終了すると、装飾図柄190による次変動が開始される。
一方、当否抽選結果が特定の小当たりになると、同図(b)に示すように、その結果を示すために選択された変動パターンにしたがって装飾図柄190の変動表示がなされ、その後、小当たり遊技が開始されて大入賞口の開放が行われる。図示の例では、時刻t31にて特定の小当たりとなり、装飾図柄190による図柄変動表示が開始されている。そして、時刻t32にてその図柄変動が停止されて小当たり遊技へ移行され、時刻t33から第1大入賞口66の開放が開始されている。1回目は0.5秒間、2回目も0.5秒間の開放であり、各開放の間には0.5秒間のインターバル期間が設けられる。
このように当否抽選結果が特定の小当たりとなった場合、その結果を示す装飾図柄190による図柄変動の後、引き続き類似図柄191を変動表示するダミー演出が表示される。このダミー演出が表示される経過については、図4に関連して説明したとおりである。すなわち、装飾図柄190による図柄変動とともに同図(a)に示した通常の小当たりの場合と共通の背景画像を付加する共通演出を表示させ、それに引き続き、類似図柄191による図柄変動とともに通常の小当たりの場合と共通の背景画像を付加するダミー演出を表示させる。そのダミー演出の表示中に小当たり遊技による第1大入賞口66の2回の開閉を完了させる。その第1大入賞口66の開閉完了後には、ダミー演出が終了するまで小当たり遊技の終了デモ演出を長く表示させてもよい。そして、そのダミー演出の終了後に、通常の小当たりの場合と共通の当たり演出を表示させる。この特定の小当たりによる図柄変動開始から当たり演出が終了するまでのトータルの時間は、通常の小当たりによる図柄変動開始から当たり演出が終了するまでのトータルの時間と一致する。また、これら小当たりによる図柄変動開始から当たり演出が終了するまでのトータルの時間は、実施例1の図8(b)に示した2R大当たりによる図柄変動開始から当たり演出が終了するまでのトータルの時間にも一致する。
このように、通常の小当たりの場合と特定の小当たりの場合の演出が外観上共通し、第1大入賞口66の開閉態様による利益状態も同じであるものの、特定の小当たりの場合には、類似した図柄変動演出の後に第1大入賞口66の開放は行われない。すなわち、遊技者が図柄変動演出から第1大入賞口66の開閉動作へ注意を移したときに、同じ小当たりであっても演出上大入賞口の開放がある場合とない場合があるように見せられる。その結果、遊技者は、小当たり遊技による大入賞口の開放開始タイミングそのものを把握し難くなる。一方、実施例1と同様に、当否抽選結果が2R大当たりである場合、図8(b)に示したような態様で2R特別遊技が実行される。その結果、2R特別遊技と小当たり遊技の実行を区別し難くするという遊技性をより確実に実現することができるようになる。
なお、変形例においては、実施例1のような2R特別遊技をあえて採用することなく、小当たり遊技とその図柄変動演出の組合せのバリエーションを複数設けるのみとしてもよい。その場合であっても、大入賞口を開閉させる開放遊技として、小当たり遊技の開始が分かり難くなるという従来にない遊技性を実現することができる。あるいは、2R特別遊技について、その図柄変動開始から当たり演出が終了するまでのトータルの時間を一定としつつ、大入賞口の開放開始タイミングを複数設定するようにしてもよい。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
上記実施例1においては、小当たり遊技との共通部分を除く2R特別遊技特有の大入賞口の開放動作期間(便宜上、「特有開放期間」という)に対応するようにダミー演出を表示させる例を示した。変形例においては、その特有開放期間に所定時間オーバラップするようにダミー演出を表示させてもよい。例えば、大入賞口の2回の短期開放のうち一方の開放動作期間に重なるようにダミー演出を特有開放期間より長く表示させてもよい。もともと短期開放時間が短いため、その一方のみが遊技者に認識されるようにしても、2R特別遊技と小当たり遊技のいずれが実行されたかを演出上分かり難くするという遊技性を担保できることが期待される。
(変形例2)
上記実施例1においては、図8に示すようにダミー演出として、装飾図柄190による図柄変動に引き続き、類似図柄191を継続的に変動表示させる例を示した。変形例においては、装飾図柄190の変動表示が停止された後にその装飾図柄190の表示を消し、その背景画像のみダミー演出として継続的に表示させてもよい。そして、2R特別遊技固有の大入賞口の開放が終了した後に、類似図柄191または一度消された装飾図柄190を再度停止図柄として出現させてもよい。このように構成しても、その背景画像の継続と類似図柄191または装飾図柄190による結果表示の演出により、その間、内部的には図柄変動が継続していたかのように見せることができる。また、一度消した図柄を大入賞口の共通動作が開始されるタイミングで再度表示させるため、そのタイミングから大入賞口の短期開放が開始されるかのように印象付けられる。あるいは、装飾図柄190の変動表示が停止された後にその表示を消さずに演出画面上のすみ等の目立たない位置に図柄変動表示可能な表示領域を縮小して表示させる等の目立たない態様で表示させてもよい。さらに、停止表示されている装飾図柄190の上に類似図柄191を重ねて変動表示させてもよい。あるいは、装飾図柄190とは異なる図柄として類似図柄191を別途設けることなく、装飾図柄190を一旦停止させるものの直ちに再変動させ、2R特別遊技固有の大入賞口の開放が終了するまで変動表示を継続させるようにしてもよい。その場合、装飾図柄190の再変動の部分については、特別図柄192に対応しない変動表示として位置づければよい。
(変形例3)
上記実施例では、2R大当たりと小当たりとの関係において共通演出および大入賞口の共通動作が行われる例を示した。変形例においては、これらの当たりに限らず、異なる利益態様の大当たりの動作を同じように見せるように構成してもよい。例えば、大当たりの種類によってラウンド数の違い、大入賞口の開放パターンの違い、または同じラウンド数あたりの大入賞口の開放回数の違いにより、その後の利益内容(確変や時短)または利益を得る期間(時短回数等)が異なる場合、共通動作のみ遊技者に認識させるようにし向けることも可能である。それにより、遊技者の期待感を高めることが可能になる。
(変形例4)
上記実施例では、本発明を従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に適用した例を示したが、第1種ぱちんこ遊技機の機能を備えた他の種別の遊技機に適用することもできる。例えば、第1種ぱちんこ遊技機を複数混在させたような複合機に適用することもできる。また、第1特別遊技として従来にいう第1種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を、第2特別遊技として従来にいう第2種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を提供する複合機に適用することもできる。