以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、パチンコ機1の機械的構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、パチンコ機1の正面図であり、図2は、遊技盤2の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠11で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機(図示外)に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には、発射機による遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、前面枠11の上部には、左右方向の略全長に亘って前側に膨出するように照明装置35が形成されており、前面枠11の上部の左右の角にはスピーカ32,33がそれぞれ設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、LCDから構成された表示画面、各種ランプ、LED等を備えた図柄表示装置8が設けられている。この図柄表示装置8の左右には普通図柄始動ゲート12,12が、図柄表示装置8の下方には特別図柄始動入賞口15が、さらにその下方には普通電動役物16が配設されている。また、特別図柄始動入賞口15の左方には第一大入賞口18が、右方には第二大入賞口19が設けられている。尚、普通電動役物16及び2つの大入賞口18,19は開閉部材を備えており、開閉部材が開放された場合(普通電動役物16及び大入賞口18,19が開放された場合)のみ遊技球の入賞が可能となっている。一方で、開閉部材の閉鎖時(普通電動役物16及び大入賞口18,19の閉鎖時)には遊技球は入賞できない。
また、第二大入賞口19の下方には、特別図柄表示部25、普通図柄表示部24、普通図柄記憶数表示LED59、及びラウンド表示灯20が設けられている。特別図柄表示部25は2つの7セグメントから構成されており、アルファベットや数字、又はこれらの組み合わせからなる特別図柄が当たり判定の結果に応じて表示される。普通図柄表示部24は1つのLEDからなり、点灯状態が普通当たりの当選、消灯状態が落選を示しており、点滅状態がこれから普通当たり判定の判定結果を報知することを示す変動状態とされている。また、普通図柄記憶数表示LED59は4つのLEDからなり、点灯する個数により、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂普通図柄作動保留球数を表示する。そして、ラウンド表示灯20は2つのLEDにより構成されており、大当たり遊技中に大入賞口18,19が開放される回数(ラウンド数)が2ラウンド(以下、「2R」という。)及び15ラウンド(以下、「15R」という。)のいずれであるかを示す。
次に、図柄表示装置8について、図2を参照して説明する。図2に示すように、図柄表示装置8は中央に表示画面28を備えている。この表示画面28には動画やメッセージ等様々な映像が表示されるが、特に当たり判定(大当たり判定及び小当たり判定)の結果を表示するために、表示画面28の左下に第一デモ図柄表示部29が形成されている。この第一デモ図柄表示部29は、先述した特別図柄表示部25に表示される判定結果を、色の違いによって表示する。さらに、表示画面28の中央には、当たり判定の結果に応じた演出を行うための第二デモ図柄表示部30が形成されており、この第二デモ図柄表示部30は特別図柄表示部25及び第一デモ図柄表示部29よりも広い領域を占めている。そして、表示画面28の上方には4つのLEDからなる特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂特別図柄作動保留球数を表示する。
次に、パチンコ機1の電気的構成について、図3を参照して説明する。図3は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、演出制御基板43、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47、及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
はじめに、主基板41について説明する。パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行う主基板CPUユニット50が設けられている。この主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続されており、CPU51は、この割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、ROM53に記憶されている制御プログラムを実行する。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられている。このI/Oインタフェイス54には、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と、特別図柄始動入賞口15に入賞した遊技球を検出するための近接スイッチである始動口スイッチ65と、普通電動役物16へ入賞した遊技球を検出するための近接スイッチである電動役物スイッチ66とが接続されている。また、I/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
次いで、払出制御基板45及び中継基板47について説明する。払出制御基板45には、CPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、賞品球払出装置49に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、賞品球払出装置49の制御を行う。また、中継基板47には、普通電動役物16の開閉部材を開閉させる電動役物開放ソレノイド69、第一大入賞口18の開閉部材を開閉させる第一大入賞口開放ソレノイド70、第二大入賞口19の開閉部材を開閉させる第二大入賞口開放ソレノイド71、普通図柄始動ゲート12,12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73,73、第一大入賞口18に入賞した遊技球を検出する第一大入賞口スイッチ75、第二大入賞口19に入賞した遊技球を検出する第二大入賞口スイッチ76が接続されている。そして、中継基板47は、スイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。尚、特別図柄始動入賞口15、普通電動役物16、及び2つの大入賞口18,19に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
次いで、サブ統合基板58、演出制御基板43、及び電飾基板46について説明する。サブ統合基板58には、CPU581、RAM582、及びROM583が設けられており、演出制御基板43、電飾基板46、及びスピーカ32,33に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行っている。また、演出制御基板43はCPU43aや図示外のRAM、ROM等を内蔵しており、表示画面28の制御を行っている。また、電飾基板46はCPU46aや図示外のRAM、ROM等を内蔵している。そして、ラウンド表示灯20、普通図柄表示部24、特別図柄表示部25、照明装置35、普通図柄記憶数表示LED59、及び特別図柄記憶数表示LED60の制御を行っている。
次いで、電源基板42について説明する。電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給している。遊技球発射装置37は、図示外の発射モータや、発射ハンドル7に設けられたタッチセンサ、発射装置停止スイッチ、及び発射強弱ボリューム等からなり、一定間隔(本実施の形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域へ発射する。
次に、主基板41のRAM52の記憶エリアについて説明する。RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリアと、各入賞口や始動ゲートに遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリアと、普通図柄始動ゲート12,12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリアと、普通図柄作動保留球数を記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリアと、特別図柄始動入賞口15及び普通電動役物16への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する大当たり関係情報記憶エリアと、特別図柄作動保留球数を記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリアと、主基板41から各サブ基板へ出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリアと、各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリアとが設けられている。さらに、RAM52には各種の記憶エリアが設けられている。
次に、RAM52のカウンタ記憶エリアに記憶される各カウンタについて説明する。カウンタ記憶エリアに記憶される各カウンタには、乱数を取得するための乱数取得カウンタ、時間を計測するためのタイマカウンタ、入賞球数を計数するための入賞球数カウンタ、当たり遊技中の大入賞口18,19の開閉回数を計数する開閉回数カウンタ等がある。
まず、乱数取得カウンタについて説明する。乱数取得カウンタとしては、普通当たり判定カウンタ、大当たり判定カウンタ、特別図柄作成カウンタ、変動パターン決定カウンタ等がある。これらのカウンタの値は、割込信号発生回路57(図3参照)からの割込信号に基づいて実行されるメイン処理のカウンタ更新処理(S12、図6参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば「1」)ずつ加算される。また、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値までの範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値となると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。そして、更新により値が一巡して初期値と同じ値となる毎に、新たな初期値が取得され、その初期値に対して「1」ずつの加算が行われる。この新たな初期値の決定には、所定のアルゴリズムにより乱数を発生させる初期値乱数処理によって生成された乱数が用いられる。尚、これらの乱数取得カウンタは、後述するメイン処理の普通図柄処理(S16、図6参照)、及び特別図柄処理(図7及び図8参照)において使用され、大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)等のRAM52の記憶エリアに格納される。
次いで、タイマカウンタについて説明する。タイマカウンタは時間を計測するために使用されるカウンタであり、時間の計測開始時に初期値として所定の値が記憶される。例えば、1秒を計測する場合には初期値として「500」が記憶される。そして、割込信号発生の間隔である2ms毎に行われるカウンタ更新処理(S12、図6参照)において「1」ずつ減算されて、値が「0」でなければ時間の計測中であると判断され、値が「0」となることで所定時間が経過したと判断される。また、タイマカウンタの値は、「0」となった後は更新されないようにプログラムされている。
次いで、入賞球数カウンタについて説明する。入賞球数カウンタは、大入賞口18,19が1回の開閉動作を行う間に、この大入賞口18,19へ入賞した遊技球の個数を計数するために使用される。このカウンタの初期値は「0」であり、後述するメイン処理のスイッチ読込処理(S11、図6参照)において入賞が検出される毎に「1」加算される。そして、大入賞口18,19の閉鎖後、スイッチによる入賞の有効な検出を終了するまでの時間である有効検出時間が経過すると、その大入賞口についての入賞球数カウンタの値は初期化される。
次いで、開閉回数カウンタについて説明する。開閉回数カウンタは、1回の当たり遊技中に大入賞口18,19が連続して作動する回数の合計を計数するために使用される。例えば、15ラウンドの大当たり遊技が実行される場合、大当たり遊技開始時に開閉回数カウンタに「15」が記憶される。そして、1ラウンドの動作が終了する毎にカウンタが「1」ずつ減算され、値が「0」となると大当たり遊技が終了する。また、2ラウンドの大当たり遊技又は小当たり遊技が実行される場合には、開閉回数カウンタに「2」が記憶されて、大入賞口18,19は2回開閉される。この詳細はフローチャートを参照して後述する。
次に、RAM52の大当たり関係情報記憶エリアについて、図4を参照して説明する。図4は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリアを示す概念図である。この大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図7及び図8参照)において使用される。図4に示すように、大当たり関係情報記憶エリアには判定エリア及び第一〜第四記憶エリアが設けられており、第一〜第四記憶エリアには、特別図柄始動入賞口15若しくは普通電動役物16に入賞し、まだ当たり判定の結果が報知されていない遊技球(特別図柄作動保留球)の取得した乱数が記憶される。また、判定エリアには、現在行われている当たり判定の結果報知や、当たり遊技の基になった乱数が記憶されている。
この判定エリア及び第一〜第四記憶エリアのそれぞれには、大当たり判定カウンタの値が記憶される大当たり乱数欄と、特別図柄作成カウンタの値が記憶される特別図柄決定乱数欄と、変動パターン決定カウンタの値が記憶される変動パターン決定乱数欄とが設けられている。そして、特別図柄始動入賞口15若しくは普通電動役物16への遊技球の入賞が確認されると、RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリアの値(特別図柄作動保留球数)に対応する記憶エリアに各値が記憶され、この値に基づいて当たり判定(大当たり判定及び小当たり判定)、特別図柄の決定、及び図柄の変動パターンの決定が行われる。この詳細は後述する。
次に、主基板41のROM53の記憶エリアについて説明する。ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリアと、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリアと、主基板41から各サブ基板に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリアと、特別図柄表示部25に表示する特別図柄の組み合わせを記憶する特別図柄組み合わせパターン記憶エリアと、特別図柄表示部25、第一デモ図柄表示部29、及び第二デモ図柄表示部30に表示される図柄の変動パターンに関するテーブル等の情報が記憶されている特別図柄変動パターン記憶エリアと、普通当たり判定、当たり判定(大当たり判定及び小当たり判定)、特別図柄の決定等が行われる際に参照される各種テーブルを記憶する判定テーブル記憶エリアとが設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、ROM53の特別図柄変動パターン記憶エリアに記憶されている変動パターン決定テーブルについて、図5を参照して説明する。図5は、ROM53の特別図柄変動パターン記憶エリアに記憶されている変動パターン決定テーブルを示す概念図である。変動パターンとは、当たり判定による判定結果を示す際に用いられる図柄の変動のパターンである。そして、この変動パターンによって、特別図柄表示部25、第一デモ図柄表示部29、及び第二デモ図柄表示部30に表示される図柄の変動時間や、第二デモ図柄表示部30、スピーカ32,33、及び照明装置35により行われる演出のパターンが決定される。
図5に示すように、変動パターン決定テーブルには、当たり判定の判定結果(15R大当たり、はずれ、2R大当たり、小当たり)に応じて4つのテーブルが設けられている。また、本実施の形態では、第二デモ図柄表示部30等によって行われる演出には、3つの第二デモ図柄の内の2つが同じ図柄(リーチ状態)となって行われる演出であるリーチ演出(ノーマルリーチ、ロングリーチ、スーパーリーチA〜C)と、リーチ状態とならずにそのままはずれを示す図柄を停止させるリーチ非成立とが設けられている。そして、3つの第二デモ図柄は、変動を開始すると所定時間高速で変動し、その後、リーチ演出及びはずれ図柄の停止表示のいずれかが実行されることとなる。リーチ演出が行われる場合の変動時間は、保留球数に関わらずリーチ演出毎に一定の時間が定められているが、リーチ非成立の場合の変動時間は、保留球数に応じて異なるように設定されている。
そして、当たり判定が行われると、判定結果と、大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)の変動パターン決定乱数欄に記憶されている値(0から99までのいずれかの値)と、特別図柄作動保留球数とに応じて、実行される変動パターンが決定される。ここで、判定結果が2R大当たりであった場合、又は小当たりであった場合には、必ず「リーチ非成立」の変動パターンが選択されるように構成されている。この変動パターンによると、特別図柄表示部25及び第一デモ図柄表示部29には判定結果に応じた図柄が表示されるが、第二デモ図柄表示部30にははずれを示す第二デモ図柄が表示されることとなる。これにより、2R大当たり又は小当たりと判定されたことが遊技者に気付かれ難くなり、遊技者は、有利な遊技状態に変化することへの期待感を常に持ちながら遊技を楽しむことができる。
さらに、本実施の形態では、2R大当たり遊技及び小当たり遊技のいずれかが実行された後であること、すなわち、遊技状態が変化した可能性があることを遊技者に報知するためのチャンス演出を経てから各演出へ移行する場合がある。この場合、サブ統合基板58では、2R大当たり遊技及び小当たり遊技のいずれかが終了した際に、チャンス演出を実行することがフラグによってサブ統合基板58で把握されている。そして、第二デモ図柄の高速変動の代わりにチャンス演出を実行する処理がサブ統合基板58にて行われる。尚、変動パターンの決定についての詳細は、フローチャートを参照して後述する。
次に、パチンコ機1の主基板41による動作の詳細について、図6乃至図9を参照して説明する。図6は、主基板41におけるメイン処理のフローチャートであり、図7及び図8は、メイン処理で実行される特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。また、図9は、メイン処理で実行される特別電動役物処理のサブルーチンのフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリアに記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図3参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込信号は、一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メイン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。
まず、主基板41で行われるメイン処理について、図6を参照して説明する。図6に示すように、割込信号の感知によってメイン処理が開始されると、まずコマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58や払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等に出力される。制御コマンドには、決定された特別図柄の変動パターンを指示するコマンド、特別図柄を停止させるタイミングを指示するコマンド、特別図柄作動保留球数をサブ統合基板58に通知するコマンド、当たり判定の判定結果をサブ統合基板58に通知するコマンド、電動役物の開閉タイミングを指示するコマンド等、多数のコマンドがあるが、これらの詳細は後述する。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理において、RAM52のコマンド関係記憶エリアに出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12,12、特別図柄始動入賞口15、普通電動役物16、大入賞口18,19への遊技球の入賞を検知する処理が行われる。具体的には、これらの入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)により遊技球が検出されたか否かが判断され、遊技球が検出された場合には、RAM25の入賞球フラグ記憶エリアに記憶された各スイッチに対応したフラグがONとされる。さらに、大入賞口18,19へ遊技球が入賞する毎に、1回の開放中に入賞した遊技球の個数が入賞球数カウンタによって計数される。また、第一大入賞口18が閉鎖すると、1.9秒の第一有効検出時間の計測が開始され、この第一有効検出時間の計測が終了した場合には、第一大入賞口スイッチ75による入賞の検出は無効となる。すなわち、第一大入賞口スイッチ75による入賞の検出が有効な時間は、第一大入賞口18が開放されてから、閉鎖後に計測される第一有効検出時間が経過するまでの間となっている。尚、第二大入賞口19に関しても同様に1.9秒の第二有効検出時間が計測され、第二大入賞口スイッチ76による入賞の検出が有効な時間が制御されている。また、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリアの全てのフラグがリセットされ、有効検出時間が経過すると入賞球数カウンタの値が初期化される。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。先述したように、このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリアに記憶されている乱数取得カウンタの各値が所定量だけ加算され、タイマカウンタの各値が所定量だけ減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、第一大入賞口18及び第二大入賞口19の開閉動作を指示するための大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド等の制御コマンドを送信するための処理が行われる。これにより、2つの大入賞口18,19が交互に開閉されることとなるが、この詳細は図9のフローチャートを参照して後述する。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。この特別図柄処理では、当たり判定(大当たり判定及び小当たり判定)、変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等の処理が行われる。この特別図柄処理については、図7及び図8のフローチャートを参照して後述する。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に、普通電動役物16を所定時間開放させて遊技球の入賞を可能とする処理が行なわれる。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、2つの普通図柄始動ゲート12,12のいずれかを遊技球が通過した際に、普通当たり判定カウンタの値が普通当たり乱数として取得される。取得された乱数は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリアのうち、普通図柄作動保留球数に対応した番号の記憶エリアに記憶される。そして、番号の若い記憶エリアの乱数から順次普通当たり判定が行われ、判定結果が報知される。
次いで、賞品球の払い出しを行う払出処理(S17)、及びエラーチェック(S18)が行われる。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示画面28にエラー表示を行わせたり、照明装置35を点灯・点滅させたり、スピーカ32,33にエラー音を発音させたりする。そこで、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58へ送信するためのエラーコマンドがRAM52のコマンド関係記憶エリアに記憶される。次いで、情報出力処理(S19)において、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメイン処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、また最初からメイン処理が実行される。
次に、メイン処理の特別図柄処理(S14)の詳細について、図7及び図8に示すフローチャートを参照して説明する。先述したように、特別図柄処理では、当たり判定、図柄や変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等の処理が行われる。
はじめに、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52のフラグ関係記憶エリアには、表示状態フラグ、15R大当たり遊技フラグ、2R大当たり遊技フラグ、小当たり遊技フラグ等が記憶されている。表示状態フラグは特別図柄表示部25の状態を示すフラグであり、特別図柄表示部25が変動している場合(変動中)には「1」、停止表示されている場合(停止表示中)には「2」、変動中、停止表示中のいずれでもない場合には「0」が記憶されている。また、15R大当たり遊技フラグは15R大当たり遊技中に、2R大当たり遊技フラグは2R大当たり遊技中に、小当たり遊技フラグは小当たり遊技中にそれぞれ「1」が記憶されて「ON」となっている。尚、いずれも初期値は「0」である。また、2R大当たり遊技中及び小当たり遊技中は大入賞口18,19へ遊技球が入賞することは稀であり、払い出される遊技球は平均するとごく僅かであるため、説明の簡略化のため、これらの2つの大当たりをまとめて「出球の無い大当たり」とする。
図7に示すように、メイン処理の特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動入賞口15及び普通電動役物16のいずれかに遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図6参照)において、特別図柄始動入賞口15及び普通電動役物16への遊技球の入賞が検出されていない場合には(S21:NO)、そのままS26の判断へ移行する。
特別図柄始動入賞口15若しくは普通電動役物16への遊技球の入賞が検出されている場合には(S21:YES)、その遊技球についての乱数が取得され、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)に記憶される。しかし、乱数を取得して記憶することができる特別図柄作動保留球の数は「4」である。そこで、RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリアの値が「4」であるか否かの判断が行われ(S22)、「4」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS26の判断へ移行する。
特別図柄作動保留球数記憶エリアの値が「0」〜「3」のいずれかである場合には(S22:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリアの値に「1」が加算され(S23)、保留球数をサブ統合基板58へ通知するための特別図柄作動保留球数通知コマンドがRAM52のコマンド関係記憶エリアに記憶される(S24)。そして、大当たり関係情報記憶エリアの第一〜第四記憶エリアのうち、特別図柄作動保留球数記憶エリアの値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S25)。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタの値が記憶され、特別図柄決定乱数欄には特別図柄作成カウンタの値が記憶され、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が記憶される。
次いで、当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S26)。当たり遊技状態である場合には、当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、15R大当たり遊技フラグ、2R大当たり遊技フラグ、及び小当たり遊技フラグのいずれかが「ON」であり、当たり遊技状態であると判断された場合には(S26:YES)、そのままメイン処理へ戻る。
3つの当たり遊技フラグが全て「OFF」である場合には(S26:NO)、当たり遊技状態でないので、特別図柄表示部25の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグにより、特別図柄表示部25が変動中であるか否かの判断が行われる(S27)。表示状態フラグが「1」でなく、変動中でない場合には(S27:NO)、表示状態フラグにより停止表示中であるか否かの判断が行われる(S28)。表示状態フラグが「2」でなく、特別図柄表示部25が停止表示中でない場合には(S28:NO)、当たり判定が行われる。
そこで、図8のフローチャートに示すように、当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S31)。RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリアの値が「1」以上でなければ(S31:NO)、当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S31:YES)、当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、特別図柄作動保留球数記憶エリアの値が「1」減算され(S32)、保留球数をサブ統合基板58へ通知するための特別図柄作動保留球数通知コマンドが記憶される(S33)。そして、大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)に記憶されている値がシフトされる。すなわち、第一記憶エリアに記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、第二〜第四記憶エリアに記憶されている乱数が番号の1つ若い記憶エリアへシフトされ、第四記憶エリアの値がクリアされる(S34)。
次いで、当たり判定が行われる。ここで、当たり判定を行うための判定テーブルには、非確率変動中に用いられる低確率判定テーブルと、大当たりと判定される確率が非確率変動中よりも高くなる高確率判定テーブルとが設けられている。そして、当たり判定は、確率変動状態が生起されているか否かに応じて、いずれかの判定テーブルが参照されて行われる。この当たり判定により大当たりと判定された場合には(S35:YES)、判定エリアの特別図柄決定乱数欄に記憶されている値に基づいて、ROM53の特別図柄組み合わせパターン記憶エリアに記憶されている大当たりの組み合わせの中の1つが決定される(S36)。次いで、決定された特別図柄を示す特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリアに記憶される(S37)。そして、決定された特別図柄が15R大当たりを示す特別図柄であれば(S38:YES)、判定エリアの変動パターン決定乱数欄の値と特別図柄作動保留球数とにより、変動パターン決定テーブル(図5参照)が参照されて、15R大当たり時の変動パターンが決定される(S39)。そして、S58の処理へ移行する。一方で、15R大当たりでなく2R大当たりである場合には(S38:NO)、2R大当たりの変動パターンである「リーチ非成立」の変動パターンが決定されて(S40)、S58の処理へ移行する。
また、判定結果が大当たりでなく(S35:NO)、小当たりであった場合には(S45:YES)、小当たりを示す特別図柄が決定され(S46)、決定された特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドが記憶される(S47)。そして、小当たりの変動パターンである「リーチ非成立」の変動パターンが決定されて(S48)、S58の処理へ移行する。また、判定結果が「はずれ」であった場合には(S35:NO、S45:NO)、はずれを示す特別図柄が決定され(S51)、この特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドが記憶される(S52)。そして、変動パターン決定乱数欄の値によりはずれの変動パターンが決定されて(S53)、S58の処理へ移行する。
次いで、決定された変動パターン毎に決められている変動時間(図5参照)が特別図柄変動時間カウンタに記憶される(S58)。そして、決定された変動パターンを示すと共に図柄の変動開始を指示する変動パターン指定コマンドが記憶され(S59)、特別図柄表示部25が変動中であることを示す「1」が表示状態フラグに記憶されて(S60)、特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
また、図7に示すS27の判断において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部25が変動中であると判断された場合には(S27:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S61)。S58(図8参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となった場合には、変動時間が経過したので(S61:YES)、RAM52のコマンド関係記憶エリアに特別図柄停止コマンドが記憶される(S62)。この特別図柄停止コマンドは、特別図柄表示部25、第一デモ図柄表示部29、及び第二デモ図柄表示部30の図柄の変動を停止させる指示を行うためのコマンドである。そして、所定の停止表示時間(例えば、1.8秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶され(S63)、特別図柄表示部25が停止表示中であることを示す「2」が表示状態フラグに記憶されて(S64)、メイン処理へ戻る。一方で、S61の判断において、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でなく、変動時間がまだ経過していない場合には(S61:NO)、特別図柄表示部25の変動が継続される。そこで、そのまま特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
また、S28の判断において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部25が停止表示中であると判断された場合には(S28:YES)、停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S66)。S63でセットされた特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には(S66:NO)、そのまま特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方で、カウンタの値がカウンタ更新処理(S12、図6参照)において減算されて「0」となった場合には、停止表示時間が経過したので(S66:YES)、特別図柄表示部25が停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が表示状態フラグに記憶される(S67)。
次いで、先に行われた当たり判定で「15R大当たり」と判定された場合には(S68:YES)、15R大当たり遊技フラグに「1」が記憶されて「ON」とされる(S69)。そして、15R大当たり遊技中の演出を開始させる指示をサブ統合基板58へ行うための15R大当たり開始表示コマンドが記憶され(S70)、当たり遊技中の大入賞口18,19の開閉回数を計数する開閉回数カウンタに「15」が記憶されて(S71)、メイン処理へ戻る。
また、当たり判定の結果が「15R大当たり」でなく(S68:NO)、「2R大当たり」であった場合には(S73:YES)、2R大当たり遊技フラグに「1」が記憶されて「ON」とされる(S74)。次いで、2つの大入賞口18,19のいずれを先に開放させるかが決定される(S75)。この開放順序の決定は特別図柄に応じて行われ、第一大入賞口18を先に開放させることが決定されると、次に第一大入賞口18を開放させることを示す「1」が開放順序決定フラグに記憶されて「ON」とされる。そして、開閉回数カウンタに「2」が記憶されて(S76)、メイン処理へ戻る
また、当たり判定の結果が「小当たり」であった場合には(S68:NO、S73:NO、S78:YES)、小当たり遊技フラグに「1」が記憶されて「ON」とされる(S79)。次いで、2つの大入賞口18,19のいずれを先に開放させるかが決定されて開放順序決定フラグの値が制御され(S75)、開閉回数カウンタに「2」が記憶されて(S76)、メイン処理へ戻る。また、当たり判定の結果が「はずれ」であった場合には(S78:NO)、そのまま特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
以上説明したように、遊技球が特別図柄始動入賞口15若しくは普通電動役物16へ入賞すると(S21:YES)、乱数が取得され(S25)、当たり判定が行われる(S35、S45)。そして、当たり判定の結果と、特別図柄決定乱数の値と、特別図柄作動保留球数とに応じて変動パターンが決定される。また、2R大当たりと判定された場合、及び小当たりと判定された場合には、2つの大入賞口18,19のいずれを先に開放させるかが決定される(S75)。そして、判定結果に応じて開閉回数カウンタの値が制御される(S71及びS76)。
次に、メイン処理の特別電動役物処理(S13)の詳細について、図9を参照して説明する。本実施の形態では、一方の大入賞口の閉鎖後、入賞の有効な検出を終了するまでの有効検出時間の計測が終了する前に、他方の大入賞口の開放動作を開始させている。これにより、当たり遊技に要する時間を短縮し、2R大当たり遊技又は小当たり遊技が行われたことの認識を困難にしている。
まず、特別電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。ここで使用される主なフラグとして、大入賞口開放中フラグ、大入賞口処理待機中フラグ、開放順序決定フラグ等があり、RAM52のフラグ関係記憶エリアに記憶されている。大入賞口開放中フラグは、第一大入賞口18及び第二大入賞口19の一方が開放されているか否かを示すフラグであり、いずれか一方の大入賞口が開放されている場合に「1」が記憶されて「ON」となり、共に閉鎖されている場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。また、大入賞口処理待機中フラグは、第一大入賞口18若しくは第二大入賞口19が閉鎖されてから、大入賞口18,19に関する次の処理が行われるまでの待機時間中であるか否かを示すフラグであり、待機時間中には「1」が記憶されて「ON」となり、待機時間中でなければ「0」が記憶されて「OFF」となる。また、開放順序決定フラグは2つの大入賞口18,19の開放順序を決定するためのフラグであり、次に第一大入賞口18を開放させる場合に「1」が記憶されて「ON」とされ、次に第二大入賞口19を開放させる場合には「0」が記憶されて「OFF」とされる。尚、初期値はいずれも「0」である。
図9に示すように、メイン処理の特別電動役物処理が開始されると、当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S81)。15R大当たり遊技フラグ、2R大当たり遊技フラグ、及び小当たり遊技フラグの全てが「OFF」とされている場合には(S81:NO)、大入賞口18,19の開放・閉鎖は行われずにメイン処理へ戻る。
一方で、3つの当たり遊技フラグのいずれかが「ON」とされている当たり遊技状態であれば(S81:YES)、2つの大入賞口18,19に関する処理が行われる。まず、大入賞口処理待機中フラグにより、大入賞口18,19に関する次の処理が行われるまでの待機時間中であるか否かの判断が行われる(S82)。大入賞口処理待機中フラグが「OFF」であり、待機時間中でない場合には(S82:NO)、大入賞口開放中フラグにより、2つの大入賞口18,19の一方が開放されているか否かの判断が行われる(S83)。大入賞口開放中フラグが「OFF」であり、大入賞口18,19が共に閉鎖中である場合には(S83:NO)、2つの大入賞口18,19のいずれかを開放させる処理が行われる。
そこで、開放順序決定フラグにより、2つの大入賞口18,19のいずれを開放させるかが判断される(S84)。第一大入賞口18を開放させることを示す「1」が開放順序決定フラグに記憶されて「ON」となっている場合には(S84:YES)、第一大入賞口18を開放させるための第一大入賞口開放コマンドが、RAM52のコマンド関係記憶エリアに記憶される(S85)。また、第二大入賞口19を開放させることを示す「0」が記憶されて「ON」となっている場合には(S84:NO)、第二大入賞口19を開放させるための第二大入賞口開放コマンドが記憶される(S86)。
次いで、大入賞口18,19の最大開放時間を計測するためのカウンタが、当たり遊技の種類に応じて記憶される。本実施の形態では、大入賞口18,19の1回の最大開放時間は、15R大当たり遊技では30秒に設定されている。一方で、2R大当たり遊技及び小当たり遊技における最大開放時間は、当たり遊技を迅速に消化させるために、大入賞口18,19の閉鎖後に計測されるスイッチの有効検出時間(1.9秒)よりも短い0.5秒に設定されている。そこで、15R大当たり遊技フラグが「ON」となっている15R大当たり遊技中であれば(S87:YES)、30秒の最大開放時間が第一開放時間カウンタに記憶される(S88)。一方で、15R大当たり遊技中でなければ(S87:NO)、0.5秒の最大開放時間が第二開放時間カウンタに記憶される(S89)。そして、大入賞口18,19の一方が開放されていることを示す「1」が大入賞口開放中フラグに記憶されて「ON」とされる(S90)。
次いで、開放している大入賞口18,19へ入賞した遊技球数が「9」以上であるか否かの判断が行われる(S91)。先述したように、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図6参照)では、1回の開放中に大入賞口18,19へ入賞した遊技球の個数が入賞球数カウンタにより計数されている。この入賞球数カウンタの値が「9」以上でなければ(S91:NO)、S88又は89でセットされた開放時間カウンタにより、最大開放時間が経過したか否かの判断が行われる(S92)。開放時間カウンタの値が「0」でなく、最大開放時間が経過していないと判断された場合には(S92:NO)、そのままメイン処理へ戻る。
そして、その後に行われるメイン処理の特別電動役物処理で、当たり遊技状態であり(S81:YES)、次の処理が行われるまでの待機時間中でなく(S82:NO)、一方の大入賞口が開放中である場合には(S83:YES)、9個以上の遊技球が入賞するか、若しくは最大開放時間が経過するまで、繰り返しこれらの判断が行われる(S91:NO、S92:NO)。そして、9個以上の遊技球が入賞するか(S91:YES)、若しくは最大開放時間が経過した場合には(S92:YES)、開放している第一大入賞口18若しくは第二大入賞口19を閉鎖させるための大入賞口閉鎖コマンドがコマンド関係記憶エリアに記憶される(S93)。このコマンドは、次に行われるコマンド出力処理(S10、図6参照)において中継基板47に送信される。
次いで、大入賞口18,19に関する次の処理が行われるまでの待機時間(0.4秒)が大入賞口処理待機時間カウンタに記憶され(S94)、大入賞口開放中フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされる(S95)。そして、大入賞口18,19に関する次の処理が行われるまでの待機時間中であることを示す「1」が大入賞口処理待機中フラグに記憶されて「ON」とされ(S96)、メイン処理へ戻る。
また、大入賞口処理待機中フラグが「ON」である場合には(S82:YES)、大入賞口処理待機時間カウンタの値により、待機時間が経過したか否かの判断が行われる(S101)。カウンタの値が「0」でなく、待機時間の計測中であると判断された場合には(S101:NO)、そのままメイン処理へ戻る。そして、繰り返しメイン処理が行われる中で時間が経過し、大入賞口処理待機時間カウンタの値が「0」となった場合には(S101:YES)、待機時間中でないことを示す「0」が大入賞口処理待機中フラグに記憶されて「OFF」とされる(S102)。そして、大入賞口18,19の開閉回数を計数する開閉回数カウンタの値が「1」減算される(S103)。
次いで、開閉回数カウンタの値が「0」であるか否かが判断される(S104)。先述した特別図柄処理では、当たり判定の結果に応じて、開閉回数カウンタの値が「15」及び「2」のいずれかに設定される(図7参照)。このカウンタの値が「0」でなく、設定された回数の開閉動作がまだ終了していないと判断された場合には(S104:NO)、2つの大入賞口18,19を交互に開閉させるために、開放順序フラグが「ON」の場合には「OFF」に、「OFF」の場合には「ON」に変更されて(S105)、メイン処理へ戻る。
そして、繰り返し開閉動作が行われて開閉回数カウンタの値が減算され、値が「0」となった場合には(S104:YES)、当たり遊技が15R大当たり遊技であったか否かが判断される(S107)。15R大当たり遊技フラグが「ON」となっており、15R大当たり遊技であった場合には(S107:YES)、そのままS109の処理へ移行する。また、15R大当たり遊技でない場合には(S107:NO)、出球の無い2R大当たり遊技及び小当たり遊技のいずれかが終了したことをサブ統合基板58に通知する出球無し当たり終了コマンドが記憶される(S108)。次いで、判定結果が確率変動大当たりであった場合に、確率変動状態であることを示す「1」を確率変動フラグに記憶させて「ON」とする処理が行われる(S109)。そして、「ON」とされている当たり遊技フラグが「OFF」とされて(S110)、特別電動役物処理を終了し、メイン処理へ戻る。
以上説明したように、特別電動役物処理では、前回の閉鎖動作後、遊技球の発射間隔(0.6秒)よりも短い0.4秒のインターバルを経て次の開放動作が行われることとなる。さらに、2R大当たり遊技及び小当たり遊技における大入賞口18,19の開放時間は0.5秒と短いため、2R大当たり遊技及び小当たり遊技をより短い時間で実行することができる。そして、2R大当たり遊技又は小当たり遊技が終了すると、出球の無い大当たり遊技が終了したことを示すコマンドがサブ統合基板58へ送信される。
次に、サブ統合基板58における処理について、図10を参照して説明する。図10は、サブ統合基板58におけるサブ統合基板処理のフローチャートである。サブ統合基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、特別図柄表示部25や第一デモ図柄表示部29、第二デモ図柄表示部30等を制御する処理が行われる。特に、2R大当たり遊技又は小当たり遊技の終了後の最初の当たり判定の結果を報知する際に、遊技状態が変化した可能性があることを示すチャンス演出を実行する制御が行われる。また、2R大当たり遊技又は小当たり遊技の終了後に特別図柄作動保留球が「0」であれば、遊技状態が変化した可能性があることがデモ画面で遊技者に報知される。
まず、サブ統合基板58のRAM582について説明する。RAM582には、主基板41により指定された変動パターンが記憶される変動パターン記憶エリア、各種カウンタが記憶されるカウンタ記憶エリア、演出制御基板43等に出力される制御コマンドが記憶されるコマンド関係情報記憶エリア、各種フラグが記憶されるフラグ関係記憶エリア、主基板41から通知された特別図柄作動保留球数が記憶される特別図柄作動保留球数記憶エリア等の記憶エリアが設けられている。
次いで、サブ統合基板58のROM583について説明する。ROM583には、CPU581がパチンコ機1の制御を補助するための各種プログラムが記憶されている。また、サブ統合基板58から演出制御基板43、電飾基板46、及びスピーカ48に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア、変動パターンに関する情報が記憶されている変動パターン記憶エリア等の各種記憶エリアが設けられている。
以下、サブ統合基板58で行われるサブ統合基板処理について、図10を参照して説明する。サブ統合基板処理が開始されると、まず、保留球数通知コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S121)。受信した場合には(S121:YES)、通知された特別図柄作動保留球数がRAM582の特別図柄作動保留球数記憶エリアに記憶されて(S122)、S121の判断へ戻る。
また、保留球数通知コマンドを受信していない場合には(S121:NO)、出球無し当たり終了コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S124)。本実施の形態では、2R大当たり遊技又は小当たり遊技の終了後の最初の当たり判定の結果を報知する際に、遊技状態が変化した可能性があることを示すチャンス演出を実行する制御が行われる。また、2R大当たり遊技又は小当たり遊技の終了後に特別図柄作動保留球が「0」であれば、遊技状態が変化した可能性があることがデモ画面で遊技者に報知される。そこで、出球の無い2R大当たり遊技又は小当たり遊技が終了したことを示す出球無し当たり終了コマンドを受信した場合には(S124:YES)、変動パターンに基づく判定結果の報知演出(判定演出)を次に実行する際に、デモ図柄の高速変動に代えてチャンス演出を実行することを示す「1」がチャンス演出実行フラグに記憶されて「ON」とされる(S125)。次いで、RAM582の特別図柄作動保留球数記憶エリアの値が「0」であるか否かの判断が行われる(S126)。「0」でない場合には(S126:NO)、そのままS121の判断へ戻る。一方で、保留球数が「0」である場合には(S126:YES)、遊技状態が変化した可能性があることをデモ画面で表示させるためのチャンス報知デモ実行コマンドが演出制御基板43に送信されて(S127)、S121の判断へ戻る。すると、表示画面28では、第二デモ図柄表示部30の背景が変化し、チャンスであることを示すテロップが画面中央に表示される。尚、デモ画面の表示に同期させて、チャンスであることを示す音声をスピーカ32,33によって発生させる制御が行われる。
また、出球無し当たり終了コマンドを受信していない場合には(S124:NO)、変動パターン指定コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S131)。主基板41から変動パターン指定コマンドを受信した場合には(S131:YES)、指定されている変動パターンがRAM582の変動パターン記憶エリアに記憶される(S132)。次いで、チャンス演出実行フラグが「ON」となっているか否かが判断され(S133)、「ON」となっていなければ(S133:NO)、特別図柄表示部25及び第一デモ図柄表示部29の変動を開始させると共に、デモ図柄の高速変動を伴う判定演出を実行させるためのコマンドが、演出制御基板43及び電飾基板46へ送信される(S134)。そして、S121の判断へ戻る。一方で、チャンス演出実行フラグが「ON」となっている場合には(S133:YES)、チャンス演出実行フラグが「OFF」とされる(S135)。そして、特別図柄及び第一デモ図柄の変動と、チャンス演出を伴う判定演出とを実行させるコマンドが演出制御基板43及び電飾基板46へ送信されて(S136)、S121の判断へ戻る。尚、先述したように、当たり判定により「はずれ」と判定されて「リーチ非成立」が選択された場合と、「2R大当たり」と判定された場合と、「小当たり」と判定された場合とで、第二デモ図柄表示部30にて実行される演出は全て同じである。また、第二デモ図柄表示部30に表示される演出に同期させて、様々な音声を発生させる制御が同時に行われる。
また、変動パターン指定コマンドを受信していない場合には(S131:NO)、特別図柄指定コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S139)。特別図柄指定コマンドを受信した場合には(S139:YES)、指定されている特別図柄が、特別図柄表示部25に表示させる特別図柄としてRAM582に記憶される(S140)。そして、当たり判定の結果に応じて、第一デモ図柄表示部29に表示させる第一デモ図柄と、第二デモ図柄表示部30に表示させる第二デモ図柄とが決定される(S141)。詳細には、第一デモ図柄には、特別図柄表示部25に表示される当たり判定の結果に対応した図柄が決定される。一方で、第二デモ図柄は、判定結果が15R大当たりの場合には3つの図柄が同一となるように、判定結果が15R大当たりでない場合には3つの図柄が同一とならないように決定される。そして、S121の判断へ戻る。
また、特別図柄指定コマンドを受信していない場合には(S139:NO)、特別図柄停止コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S143)。特別図柄停止コマンドを受信した場合には(S143:YES)、変動している各図柄を停止させるコマンドが演出制御基板43及び電飾基板46に送信されて(S144)、S121の判断へ戻る。
また、特別図柄停止コマンドを受信していない場合には(S143:NO)、15R大当たり開始表示コマンドを受信したか否かの判断が行われる(S146)。受信した場合には(S146:YES)、15R大当たり遊技中の演出の表示を開始させるコマンドが演出制御基板43に送信されて(S147)、S121の判断へ戻る。尚、先述したように、2R大当たりの場合及び小当たりの場合には、当たり遊技中の演出の表示を開始させるコマンドは送信されないため、2R大当たり遊技及び小当たり遊技は、第二デモ図柄表示部30にはずれを示す図柄が表示されたまま実行されることとなる。
また、15R大当たり開始表示コマンドを受信していない場合には(S146:NO)、その他のコマンドを受信したか否かの判断が行われ(S149)、受信していない場合には(S149:NO)、そのままS121の判断へ戻る。一方で、サブ統合基板58からその他のコマンドを受信した場合には(S149:YES)、コマンドに応じた処理が行われて(S150)、S121の判断へ戻る。
次に、本実施の形態に係るパチンコ機1の遊技内容及び効果について、大入賞口が1つであるパチンコ機の遊技内容を比較対象に挙げて、図11を参照して説明する。図11は、大入賞口が1つであるパチンコ機で2R大当たりが実行される場合のタイミングチャートと、2つの大入賞口18,19を用いたパチンコ機1で2R大当たりが実行される場合のタイミングチャートとを比較した図である。尚、小当たり遊技の遊技内容については、当たり遊技後に遊技状態が変化しない点が2R大当たり遊技の遊技内容と異なるのみであるため、この説明は省略する。
まず、大入賞口が1つの場合のタイミングチャートについて説明する。当たり判定により「2R大当たり」と判定されると、第二デモ図柄表示部30では第二デモ図柄がリーチ変動を行い、決定された変動パターンに従って様々な演出が行われる。よって、遊技者は当たりと判定されることを期待して第二デモ図柄表示部30に注目する。次いで、2R大当たり及び小当たりのいずれかに当選したことを示す特定のチャンス目が、第二デモ図柄表示部30に所定時間表示される。そして、2R大当たり遊技が開始されると、第二デモ図柄表示部30では2R大当たり遊技用の演出が実行される。さらに、大入賞口の開閉が連続して行われる場合には、スイッチによって検出された遊技球が先の開放状態中に入賞した遊技球であるか、後の開放状態中に入賞した遊技球であるかを正確に識別しなければならない。よって、1回目の開放状態が終了してから1.9秒の有効検出時間の計測が終わるまでは、2回目の開放動作を開始させることができず、入賞の検出が有効となる時間(大入賞口の開放時から有効検出時間の終了時まで)を重複させることはできなかった。すなわち、2R大当たり遊技に要する時間を短縮することはできなかった。
従って、当たり遊技が実行されたことが遊技者に容易に察知されてしまうため、その後に遊技状態が変化する可能性があることが、実際に遊技状態が変化する前に認識されてしまっていた。従って、遊技状態が迅速に変化する遊技性を実現することはできず、遊技者の興趣を十分に惹き付けることはできなかった。さらに、大当たり遊技中には、大入賞口の開閉回数が15回であるか、2回であるかを示すラウンド表示灯を点灯させなければならない規則が定められている。一方で、小当たり遊技中にはラウンド表示灯を点灯させない。よって、遊技者はラウンド表示灯が点灯しているか否かを確認すれば、2R大当たり遊技及び小当たり遊技のいずれが実行されているかを容易に判別することができた。そして、小当たり遊技終了後は遊技者に有利な遊技状態へは移行しないため、当たり遊技終了後に様々な演出を行っても、すでに遊技状態の移行結果を知っている遊技者を楽しませることはできなかった。
次いで、2つの大入賞口18,19を用いた本実施の形態のパチンコ機1のタイミングチャートについて説明する。当たり判定により「2R大当たり」と判定されると、第二デモ図柄表示部30では第二デモ図柄が非リーチ変動を行い、「はずれ」と判定された場合と同じ第二デモ図柄(はずれ目)が停止表示される。ここで、特別図柄表示部25及び第一デモ図柄表示部29には「2R大当たり」を示す図柄が表示されているが、これらの図柄は第二デモ図柄よりも極めて小さいため、遊技者は第二デモ図柄に注目する。従って、その後に2R大当たり遊技が実行されることを遊技者に気付かれ難くすることができ、ラウンド表示灯の表示を確認することも困難となる。よって、遊技状態が変化したタイミングを判別することを困難にすることができ、有利な遊技状態となることを常に遊技者に期待させながら遊技を楽しませることができる。
そして、「はずれ」を示す第二デモ図柄が所定時間停止表示された後、2R大当たり遊技が実行されるが、第二デモ図柄表示部30には2R大当たり遊技中も引き続き「はずれ」を示す図柄が表示される。従って、2R大当たり遊技が実行されたことを遊技者に気付かれ難くすることができ、常に遊技者に期待感を持たせながら遊技を楽しませることができる。
また、パチンコ機1では2つの大入賞口18,19を用いているため、第一大入賞口18の閉鎖後、スイッチの有効な検出を終了するまでの時間である第一有効検出時間が経過する前に、第二大入賞口19による2ラウンド目の開放動作を開始させることができる。すなわち、スイッチによる入賞の検出が有効となる時間を重複させることで、2R大当たり遊技に要する時間を短縮させることができる。従って、2R大当たり遊技の前後で遊技状態を迅速に変化させることができ、ラウンド表示灯の確認も困難になるため、遊技者の興趣を惹き付けることができる。
また、2R大当たり遊技及び小当たり遊技では、2つの大入賞口18,19のいずれが先に開放されるかが分からない。よって、先に開放される大入賞口があらかじめ決められている場合に比べて、当たり遊技が実行されたことをより分かり難くすることができる。さらに、パチンコ機1では、2つの大入賞口18,19を図柄表示装置8の左方と右方とに距離を置いて配設することで、大入賞口18,19が並べて配設されている場合よりも、当たり遊技中の大入賞口18,19の動作を正確に把握することを困難にしている。これにより、当たり遊技が実行されたことをより分かり難くし、遊技者の興趣を惹き付けることができる。
そして、2R大当たりが終了した後の最初の判定演出中は、リーチ演出やはずれ図柄の停止表示が行われる前に、遊技状態が変化した可能性があることを示すチャンス演出が、デモ図柄の高速変動に代わって行われる。従って、2R大当たり遊技が実行されたことの判別を困難にしつつ、遊技状態が変化した可能性があることを当たり遊技の終了後に遊技者に報知することができる。よって、遊技状態が突然変化することを遊技者に期待させながら遊技を楽しませることができる。
また、2R大当たり遊技が終了した際に特別図柄作動保留球が「0」である場合には、次の特別図柄の変動が開始するまでの間、遊技状態が変化した可能性があることがデモ画面で遊技者に報知される。従って、遊技状態が変化した可能性があるにも関わらず遊技者が遊技を止めてしまうことを防止することができるため、遊技者の興趣を損なうことがない。
尚、本実施の形態における特別図柄始動入賞口15及び普通電動役物16が本発明の「始動口」に相当し、始動口スイッチ65及び電動役物スイッチ66が「始動口遊技球検出手段」に相当する。また、大当たり乱数が「当たり乱数」に相当し、図7のS25で大当たり乱数を取得する主基板41のCPU51が「当たり乱数取得手段」として機能する。また、図8のS35及びS45において、取得された大当たり乱数が当たりと決められた乱数であるか否かを判断する主基板41のCPU51が「当たり判定手段」として機能する。また、第一大入賞口開放ソレノイド70及び第二大入賞口開放ソレノイド71が「入賞口開閉手段」に相当し、第一大入賞口スイッチ75が「第一遊技球検出手段」に、第二大入賞口スイッチ76が「第二遊技球検出手段」に相当する。また、図6のS11で大入賞口スイッチ75,76の有効検出時間を計測する主基板41のCPU51が「第一有効検出時間計測手段」及び「第二有効検出時間計測手段」として機能する。
また、図9のS85,86,93において、大入賞口18,19の開閉動作を制御する主基板41のCPU51が「入賞口開閉制御手段」として機能する。また、図8のS38で特別図柄から大当たり遊技の種別を決定する主基板41のCPU51が「大当たり遊技種別決定手段」として機能し、図9のS109で遊技状態を決定するフラグの処理を行う主基板41のCPU51が「遊技状態制御手段」として機能する。また、15R大当たり遊技における大入賞口18,19の最大開放時間(30秒)が「第一時間」に相当し、15R大当たり遊技中の大入賞口18,19の動作が「第一動作」に、15R大当たり遊技が「第一大当たり遊技」に相当する。また、2R大当たり遊技及び小当たり遊技における大入賞口18,19の最大開放時間(0.5秒)が「第二時間」に相当し、2R大当たり遊技中及び小当たり遊技中の大入賞口18,19の動作が「第二動作」に、2R大当たり遊技が「第二大当たり遊技」に相当する。
また、第二デモ図柄表示部30が「演出手段」に相当し、図10のS123において、第二デモ図柄の変動に伴う演出を変動パターンに応じて制御するサブ統合基板58のCPU581が、「判定演出制御手段」として機能する。また、図10のS134,135において、第二デモ図柄表示部30にて行われる当たり遊技中の演出を当たり遊技の種類に応じて制御するサブ統合基板58のCPU581が「当たり演出制御手段」として機能する。また、主基板41におけるRAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリア、及びサブ統合基板58におけるRAM582の特別図柄作動保留球数記憶エリアが「当たり乱数記憶手段」に相当し、図10のS141で保留球数が「0」であるか否かを判断するサブ統合基板58のCPU581が「保留球数判別手段」として機能する。また、図10のS142において、2R大当たり遊技又は小当たり遊技が実行された後であることを遊技者に報知するデモ画面を表示させるサブ統合基板58のCPU581及び表示画面28が「当たり遊技実行報知手段」として機能する。
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。まず、本実施の形態では、2R大当たり遊技及び小当たり遊技のいずれかが実行された後の最初の図柄の変動中に、遊技状態が遊技者に有利な遊技状態に変化した可能性があることを示すチャンス演出を行っているが、これは変更が可能である。例えば、出球の無い当たり遊技の終了後、特定の変動パターンが決定された場合にチャンス演出を行うことも可能である。より具体的には、決定されている変動パターンがリーチ演出を行う変動時間の長い変動パターン(図5参照)であるか否かの判断を図10に示すS133とS135との間で行う。そして、リーチ演出を行う変動パターンが決定されていないと判断された場合にはS134の処理へ、リーチ演出を行う変動パターンが決定されていると判断された場合にS135の処理へ移行する。S136の処理では、第二デモ図柄の4秒間の高速変動を行わずに、8秒間のチャンス演出を経てその後の演出へ移行させる処理が行われる。これにより、出球の無い当たり遊技が実行された後であっても、特定の変動パターンが決定されるまでは、遊技状態が変化した可能性があること知ることが困難になる。従って、遊技者は、遊技状態がより有利な遊技状態へ変化していることを常に期待しながら遊技を楽しむことができるため、遊技者による遊技の継続率を向上させることができる。さらに、変動時間の長い変動パターンが決定された際にチャンス演出を行うことで、より長い時間をチャンス演出に費やすことができ、遊技者の興趣を惹き付けることができる。尚、この変形例において、図8に示すS39,40,48,53で変動パターンを決定する主基板41のCPU51が、本発明の「演出パターン決定手段」として機能する。
また、本実施の形態におけるチャンス演出は、当たり判定の結果を報知するための1回の図柄変動中に行われるが、これも変更が可能である。例えば、第二デモ図柄の背景を変化させると共に特有の演出態様を実行するチャンス演出を、複数回の図柄変動に亘って実行する構成としてもよい。すなわち、遊技状態がより有利な状態へ移行している可能性があることを示す演出の状態(チャンスモード)を設け、2R大当たり遊技及び小当たり遊技のいずれかが実行されたことを契機として、チャンスモードによる変動演出を複数回実行する。これにより、長い時間を費やしてチャンス演出を行うことができるため、遊技状態が移行している可能性があることを容易に遊技者に報知することができる。
また、本実施の形態では、2R大当たり遊技中及び小当たり遊技中は共に2つの大入賞口18,19を1回ずつ開閉させるが、これも変更が可能である。例えば、小当たり遊技中は、2つの大入賞口18,19のいずれか一方を1回のみ開閉させる構成としてもよい。この場合、図7に示すS76の処理において、小当たり遊技フラグが「ON」とされている場合に記憶される開閉回数カウンタの値を「2」ではなく「1」とすればよい。これにより、小当たり遊技に要する時間をより短くしつつ、出球の無い当たり遊技が実行されたことの把握を困難にして、遊技状態が突然変化した印象を遊技者に与えることができる。また、遊技者の視点では、小当たり遊技の1回の開放動作を確認できたとしても、2R大当たり遊技における2回目の開放動作のみ確認できた場合と混同することが考えられる。小当たり遊技中にはラウンド表示灯20は点灯しないが、2R大当たり遊技における2回目の開放動作後も、ラウンド表示灯20は2R大当たり遊技の終了と共に点灯状態から消灯状態へと変化する。すなわち、遊技者が小当たり遊技中の開放動作、若しくは2R大当たり遊技中の2回目の開放動作を察知した後にラウンド表示灯の点灯状況を確認したとしても、先述したように、小当たり遊技の際の消灯状態と、2R大当たり遊技終了後の消灯状態との区別ができない場合がある。従って、遊技者はその後の遊技進行においても期待感を持続しながら遊技を楽しむことができる。
また、本実施の形態では、図5に示すように、2R大当たり及び小当たりの場合の変動パターンには必ず「リーチ非成立」の変動パターンが決定される構成となっている。これにより、遊技に対する遊技者の注意を逸らし、当たり遊技が実行されることを気付かれ難くしている。しかし、2R大当たり及び小当たりの場合の変動パターンは、最終的にはずれを示すデモ図柄を停止表示させれば、リーチ演出が行われる変動パターンを決定してもよい。従って、例えばスーパーリーチのリーチ演出を経てはずれを報知した後に、2R大当たり遊技又は小当たり遊技を実行する構成とすることも可能である。
また、本実施の形態では、特別図柄表示部25及び第一デモ図柄表示部29の停止と同時に、第二デモ図柄表示部30で変動している第二デモ図柄も停止させているが、このタイミングを変更してもよい。例えば、2R大当たり又は小当たりと判定された場合には、特別図柄表示部25及び第一デモ図柄表示部29の停止後所定時間が経過するまで、第二デモ図柄の変動を継続させる構成とすることも可能である。これにより、出球の無い当たり遊技が実行される場合の第二デモ図柄の停止表示時間を、はずれと判定された場合の停止表示時間の長さに近づけることができる。よって、出球の無い当たり遊技が実行されたことを、停止表示時間の長さの違いによって識別することが困難になるため、遊技状態が突然変化した印象を遊技者に与えることができる。
また、本実施の形態では、出球の無い当たり遊技が実行された場合、この当たり遊技が2R大当たり遊技であれば必ず確率変動状態が生起され、小当たり遊技であれば遊技状態は変化しない構成となっているが、これに限られない。例えば、2R大当たり遊技の終了後には、確率変動状態及び非確率変動状態のいずれかが生起される構成としてもよい。この場合には、2R大当たり遊技を契機として遊技者に不利な遊技状態が生起されることがあるため、本実施の形態のパチンコ機1とは異なる遊技性(非確率変動状態への転落抽選が行われる遊技性)を遊技者に提供することができる。また、本実施の形態における当たり遊技は15R大当たり遊技、2R大当たり遊技、及び小当たり遊技の3種類設けられているが、大当たり遊技のラウンド数は変更してもよいし、他のラウンド数の大当たり遊技を新たに設けてもよい。また、小当たり遊技が設けられていない遊技機にも本発明を適用できることは言うまでもない。
また、本実施の形態では、出球の無い当たり遊技の終了後に特別図柄作動保留球数が「0」であれば、遊技状態が変化した可能性があることを示す演出を、第二デモ図柄表示部30の背景画面とテロップと音声とを用いて行っているが、これも変更が可能である。例えば、音声のみを用いてこの演出を用いてもよいし、表示画面28全体を用いて演出を行ってもよい。また、照明装置35等の他の演出手段を用いてもよいことは言うまでもない。同様に、第二デモ図柄の変動演出等の他の演出の態様も適宜設定することができる。
また、本実施の形態では、2R大当たり又は小当たりと判定された場合には、「はずれ」と判定された場合と同じ図柄を第二デモ図柄表示部30に表示させているが、例えば特定の「チャンス目」を表示させてもよい。この場合には、遊技者は「チャンス目」が表示されることを期待して第二デモ図柄に注目することとなり、遊技者の興趣を惹き付けることができる。また、パチンコ機1における遊技状態は「確率変動状態」及び「非確率変動状態」の2種類であるが、普通電動役物16が開放される割合が通常よりも高くなる「時短遊技状態」等、他の遊技状態を生起させる遊技機にも本発明は適用できる。また、出球のある大当たり遊技(15R大当たり遊技)中は、2つの大入賞口18,19のいずれか一方を連続して開閉させてもよい。この場合、図9に示すS105の処理において、15R大当たり遊技中であればフラグを変更しないように設定すればよい。