JP2008291928A - ニードル弁及びこのニードル弁を有する冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】騒音を抑制できるニードル弁及びこのニードル弁を有する冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】ニードル弁1は弁箱10と弁体30を備えている。弁箱10には弁口12が形成された弁座22が設けられている。弁体30は弁座22に接離して開度を変更する。弁体30の流量調整部33は先細に形成されている。弁口12は入口シール部12aとポート部12bと出口部12cを備えている。入口シール部12aとポート部12bは弁座22の表面22aから離れるのにしたがって徐々に縮小している。弁体30の軸芯を通る断面において流量調整部33の外表面同士のなす角度をαとしポート部12bの内面同士のなす角度をβとするとβ≦α≦β+10度である。
【選択図】図2
【解決手段】ニードル弁1は弁箱10と弁体30を備えている。弁箱10には弁口12が形成された弁座22が設けられている。弁体30は弁座22に接離して開度を変更する。弁体30の流量調整部33は先細に形成されている。弁口12は入口シール部12aとポート部12bと出口部12cを備えている。入口シール部12aとポート部12bは弁座22の表面22aから離れるのにしたがって徐々に縮小している。弁体30の軸芯を通る断面において流量調整部33の外表面同士のなす角度をαとしポート部12bの内面同士のなす角度をβとするとβ≦α≦β+10度である。
【選択図】図2
Description
本発明は、冷凍サイクル装置などに用いられて、内側に冷媒などの流体を通すニードル弁及びこのニードル弁を有する冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置などの流体を循環させる各種の装置では、流体としての冷媒の流量を適宜変更するために、各種のニードル弁200(図8に断面の一部を示し、例えば、特許文献1参照)が用いられている。特許文献1に示された図8に例示されたニードル弁200は、内側に冷媒などの流体を通す流路が形成された弁箱201と、弁箱201の弁口202に接離自在に設けられた針状の弁体203と、前記弁体203を前記弁口202に接離させる駆動部とを備えている。
前記弁口202は、前記弁箱201を貫通しているとともに、当該弁箱201の弁座の前記弁体203に相対する表面に開口しかつ前記表面から離れるのにしたがって徐々に縮径するように形成された入口シール部202aと、前記入口シール部202aに連なりかつ内径が全長に亘って一定に形成されたポート部202bと、前記ポート部202bに連なりかつ前記表面から離れるのにしたがって徐々に拡径するように形成された出口部202cとを備えている。弁体203は、弁口202に近づくのにしたがって徐々に先細に形成されている。
前述した特許文献1に示されたニードル弁200は、駆動部のステータのコイルなどに電流が印加させることで、当該駆動部のロータを回転させることで、弁体203を弁口202に接離させて、開度を変更して、前述した流体の流量を適宜変更する。なお、弁口202を閉じる際には、弁体203を入口シール部202aに密着させ、流体の流量を変更する際には、弁体203とポート部202bとの間隔を適宜変更する。
特開2007−32979号公報
前述した特許文献1に示されたニードル弁200は、弁体203が先細に形成されかつポート部202bの内径が全長に亘って一定に形成されているので、最少絞り部を通過した後に、出口部202cに向かうにしたがってポート部202bの内面と弁体203の外周面とのなす角が広がり形状となり、ポート部202bの内面に剥離流れを生じる。このため、ポート部202b内の流れは、縮流によって流路が狭まり、流速が速くなるために、弁口202即ちポート部202b内を流れる冷媒の圧力が出口部202cに向かうにしたがって急激に低下する。
このため、ポート部202b内で冷媒の圧力が飽和蒸気圧を下回って、当該ポート部202b内で冷媒中に気泡が生じてしまう。そして、弁口202を通り過ぎた後に気泡が消滅し、この気泡が消滅する際の衝撃力によって、騒音を生じることとなる。
したがって、本発明の目的は、特に、騒音を抑制できるニードル弁及びこのニードル弁を有する冷凍サイクル装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のニードル弁は、内側に流体を通す弁口が設けられた弁座と、前記弁座に接離自在に設けられかつ当該弁座に近づくのにしたがって先細となる針状に形成されているとともに、前記弁座に接離することで開度を変更する弁体と、を備えたニードル弁において、前記弁口が、前記弁座の前記弁体寄りの表面に開口して前記表面から離れるのにしたがって徐々に縮小した入口シール部と、前記入口シール部に連なりかつ前記表面から離れるのにしたがって徐々に縮小したポート部と、を備えたことを特徴としている。
請求項2に記載の本発明のニードル弁は、請求項1記載のニードル弁において、前記弁体の軸芯を通る断面において、当該弁体の先端部の外周面同士のなす角度をαとし、前記弁口の前記ポート部の内面同士のなす角度をβとすると、β≦α≦β+10度であることを特徴としている。
請求項3に記載の本発明の冷凍サイクル装置は、請求項1又は請求項2記載のニードル弁を冷媒回路中に有することを特徴としている。
請求項1に記載された本発明のニードル弁は、弁口のポート部が弁座の弁体寄りの表面から離れるのにしたがって徐々に縮小しているので、ポート部の内面と弁体との間隔が急激に変化しない。このため、ポート部内で流体の圧力が急激に低下することを防止でき、ポート部内で流体の圧力が飽和蒸気圧を下回ることを防止して、ポート部内の流体に気泡が生じることを防止できる。したがって、ポート部内の流体中に生じる気泡の大きさや数を抑制でき、気泡が消滅する際の衝撃力によって生じる騒音を抑制できる。
請求項2に記載された本発明のニードル弁は、弁体の外周面同士のなす角度がポート部の内面同士の角度以上で、かつこれらの角度の差が10度以下であるので、弁体の外周面とポート部の内面とが略平行になる。このため、ポート部の内面と弁体との間隔が急激に変化せずに、ポート部内で流体の圧力が急激に低下することを防止でき、ポート部内で流体の圧力が飽和蒸気圧を下回ることを防止して、ポート部内の流体に気泡が生じることを防止できる。したがって、勿論、気泡が消滅することもなく、気泡が消滅する際の衝撃力によって生じる騒音を確実に抑制できる。
請求項3に記載された本発明の冷凍サイクル装置は、前述したニードル弁を備えているので、流体中に気泡が生じることを防止でき、気泡が消滅する際の衝撃力によって騒音が生じることを防止できる。
以下に、本発明の一実施形態にかかるニードル弁を、図1乃至図3、図5を参照して説明する。
図1に示すニードル弁1は、例えば、冷凍サイクル装置に用いられ、流体としての冷媒の流量を変化させる所謂膨張弁として用いられる。
ニードル弁1は、図1に示すように、カップ状の金屑製あるいは合成樹脂製の弁箱10を有する。弁箱10は、弁室11と、弁室11の後述する弁体30と相対する弁座22に開口形成された丸穴形状の弁口12と、横継手13を接続され弁室11に直接連通する入ロポート14と、下継手15を接続され弁口12を経て弁室11に連通する出ロポート16とを有する。即ち、弁箱10は、その内側に入ロポート14と弁室11と弁口12と出ロポート16とに亘って、前述した冷媒を流す流路が形成されている。また、弁箱10の図1中の上端部内には、円筒状の弁ガイド部材34が取り付けられている。
弁口12は、弁箱10を貫通した断面丸形の孔であり、図2に示すように、弁座22の弁室11内の弁体30寄りの表面22aに開口した入口シール部12aと、当該入口シール部12aに連なるポート部12bと、このポート部12bに更に連なり弁箱10の外表面に開口した出口部12cとを備えている。
入口シール部12aは、前記表面22aから離れるのにしたがって即ち弁箱10の外表面に近づくのにしたがって徐々に縮小している。ポート部12bは、前記表面22aから離れるのにしたがって即ち弁箱10の外表面に近づくのにしたがって徐々に縮小している。このように、入口シール部12aとポート部12bは、弁箱10の外表面に近づくのにしたがって徐々に小さくなるように形成されている。なお、入口シール部12aの内面の弁体30の軸芯を含んだ断面における当該軸芯とのなす角度は、ポート部12bの内面の弁体30の軸芯を含んだ断面における当該軸芯とのなす角度よりも大きく形成されている。出口部12cは、表面22aから離れるのにしたがって即ち弁箱10の外表面に近づくのにしたがって徐々に拡大している。弁口12は、その内側に流体としての冷媒を流す。
弁箱10の図1中の上部には、円筒状の蓋部材28が同軸的に取り付けられており、この蓋部材28の図1中の上部に取付板17によって固定支持部材(雌ねじ部材)18が固定されている。回定支持部材18にはガイド孔19が形成されている。ガイド孔19は弁口12と同心位置にあり、ガイド孔19には、円筒状の弁ホルダ20が軸芯方向(上下方向)、つまり弁開閉方向に摺動可能に嵌合している。これにより、弁ホルダ20は弁箱10内を軸芯方向に移動可能である。
弁ホルダ20は、図1中の下端の内周に円環状の下側リップ部材21が取り付けられ、その図1中の上端の内周に円環状の上側リップ片23が一体に形成されている。下側リップ部材21の図1中の上面は、円環段差状に形成された上向きのストッパ面部25をなしている。なお、弁ホルダ20には、均圧孔105が形成されている。
弁ホルダ20に取り付けられた下側リップ部材21に、金属製あるいは合成樹脂製の弁体30が軸芯方向に変位可能に取り付けられている。弁体30は、円柱状の針状に形成され、下側リップ部材21の内側に形成された開口26に遊嵌合、つまり、弁ホルダ20に対して径方向に変位できるよう所定の径方向間隙を有する状態で通されて、そして、図1中の上端部から凸に設けられた環段差部(肩部)32の下底面が下側リップ部材21の上面に係合することにより、弁ホルダ20より回転可能に吊り下げ支持されている。
さらに、弁体30は、弁ガイド部材34内に通されて、その軸芯に沿って移動自在に当該弁ガイド部材34に支持されている。弁体30は、図1中の下側に位置しかつ弁座22と相対する先端部が円錐形をした流量調整部33をなしており、流量調整部33は、下側リップ部材21の内側の開口26より弁口12へ向けて突出している。このように、弁体30は、軸芯方向に移動自在とされることで、弁座22に接離自在に設けられ、その流量調整部33が弁座22に近づくのにしたがって先細となるように形成されている。
弁体30は、流量調整部33の弁口12に対する進入度(軸芯方向位置)に応じて、即ちポート部12bの内面との間隔が適宜変更されて、冷媒の定量的な流量制御を行い、流量調整部33が弁口12の入口シール部12aに当接着座することにより、弁口12を閉じる(閉塞する)全閉状態になる。
弁ホルダ20には、後述するステッピングモータ70のロータ軸をなす雄ねじ軸73の下端部74が、弁ホルダ20の上側リップ片23の内側の開口27を遊嵌合状態で貫通している。この遊嵌合状態とは、弁ホルダ20と雄ねじ軸73とが相対的に径方向に変位できることを云う。
雄ねじ軸73の下端部74、つまり、雄ねじ軸73と、弁体30との間には、リテーナ部材35が配置されている。リテーナ部材35は、円柱状に形成され、勿論、弁ホルダ20内に収容されており、その図1中の上端には、ばねリテーナを兼ねたフランジ状の吊下係合部75がその全周に亘って凸に一体形成されている。吊下係合部75は、図1中の上面側にて、フッ素樹脂等の高滑性プラスチックをコーティングしたもの、あるいは高滑性プラスチックからなるワッシヤ29,31を挟んで弁ホルダ20の上側リップ片23に回転可能に係合している。この係合により、弁ホルダ20が雄ねじ軸73より回転可能に吊り下げ支持される。
リテーナ部材35に設けられた吊下係合部75と、弁体30の環段差部(肩部)32との間には、内側にリテーナ部材35を通した圧縮コイルばね36が所定の予荷重を与えられた状態で取り付けられている。
雄ねじ軸73の外周面には、雄ねじ部37が形成されている。雄ねじ部37は固定支持部材18に形成された雌ねじ部(雌ねじ孔)38にねじ係合している。このねじ係合により、雄ねじ軸73は、回転に伴って軸芯方向、つまり、弁開閉方向に移動する。この雄ねじ部37と雌ねじ部38とのねじ係合によって送りねじ機構が構成され、送りねじ機構は、雄ねじ軸73の回転運動を弁開閉方向の直線運動に変換する。
蓋部材28の図1中の上部には、ステッピングモータ70のキャン状のロータケース71が溶接等によって気密に固定されている。ロータケース71内には、外周面部72Aを多極着磁されたヨーク72が回転可能に設けられている。ヨーク72にはヨーク軸を兼ねている雄ねじ軸73の図1中の中央部が固定連結されている。
ロータケース71の外側には、ステータコイルユニット77が差し込み装着されている。ステータコイルユニット77は、詳細を図示されていないが、ステッピングモータ用のものとして、内部に、磁極歯、巻線部、電気配線部を有する周知の気密モールド構造のものである。
ロータケース71内には、ロータケース71の天井部より垂下固定されたガイド支持筒78と、ガイド支持筒78の外周部に装着された螺旋ガイド線体79と、ガイド支持筒78の上端部に形成された固定ストッパ部80と、螺旋ガイド線体79に螺合した可動ストッパ部材81と、可動ストッパ部材81と係合してこれを蹴り回すヨーク72の突起部82とがあり、これらによって、弁開あるいは弁閉のストッパが構成されている。また、ガイド支持筒78は、雄ねじ軸73の図1中の上端部76を内側に通して、当該雄ねじ軸73を回転自在に支持している。
ステッピングモータ70は、ロータとしてのヨーク72によって雄ねじ軸73を回転駆動し、回転に伴う雄ねじ軸73の軸芯方向移動によって弁ホルダ20と共に弁体30を弁開閉方向に直線移動させる。これにより、弁体30の流量調整部33の弁口12に対する軸芯方向位置(弁開閉方向の直線移動位置)が変わり、その軸芯方向位置に応じて弁口12の実効開口面積が増減し、冷媒の定量的な流量制御が行われる。このように、弁体30は、弁口12が設けられた弁座22に接離することで、冷媒の流量を変更即ちニードル弁1の開度を変更する。
弁体30の弁開閉方向の図1中の下方に向かう降下移動により、弁口12の実効開口面積が徐々に低減し、これに応じて弁口12を流れる流体の流量が徐々に低減する。弁体30が弁開閉方向に所定量降下移動すると、弁体30の流量調整部33が弁口12の入口シール部12aに当接着座することにより、弁口12が閉塞される全開状態になる。
また、本実施形態のニードル弁1では、図2に示すように、弁体30の軸芯を通る断面において、当該弁体30の流量調整部33即ち先端部の外周面同士のなす角度をα度とし、弁口12のポート部12bの内面同士のなす角度をβ度とすると、β≦α≦β+10度・・・式1となっている。
前述した構成のニードル弁1は、図5に示された冷凍サイクル装置の冷媒回路中に設けられて、当該冷凍サイクル装置の膨張弁として機能する。
この冷凍サイクル装置は、図5に示すように、圧縮機101と、凝縮器(室外熱交換器)102と、膨張弁として用いられる前述したニードル弁1と、蒸発器(室内熱交換器)104と、これらをループ接続する冷媒通路105〜108とを有する。
この冷凍サイクル装置は、空気調和装置(冷房)や冷凍・冷蔵庫等で使用される。なお、上述したこのニードル弁1が適用される冷凍サイクル装置は、図5に示されているような基本的な冷凍サイクル装置に限られることはなく、四方弁の組み込みにより、冷媒回路における冷媒流れ方向を逆転できる冷房・暖房用の空気調和装置や、室内機に二つの熱交換器が直列接続され、その二つの熱交換器間に追加の膨張弁を有する冷暖房・除湿可能な空気調和装置等、あらゆる冷凍サイクル装置にも適用可能である。また、ニードル弁1が適用される冷凍サイクル装置は、一つの室外機に複数の室内機が並列に接続され、それぞれの室内機に膨張弁を有する冷暖房可能な空気調和機等にも適用可能である。
本実施形態によれば、弁口12のポート部12bが弁座22の弁体30寄りの表面22aから離れるのにしたがって徐々に縮小しているので、ポート部12bの内面と弁体30との間隔が弁体30の長手方向に急激に変化しない。このため、ポート部12b内で流体としての冷媒の圧力が急激に低下することを防止でき、ポート部12b内で流体としての冷媒の圧力が飽和蒸気圧を下回ることを防止して、ポート部12b内の流体としての冷媒に気泡が生じることを防止できる。したがって、図3に示すように、ポート部12b内の冷媒中に生じる気泡Kの大きさや数を抑制でき、勿論、気泡Kが消滅する際の衝撃力によって生じる騒音を抑制できる。
弁体30の外周面同士のなす角度(α)がポート部12bの内面同士の角度(β)以上で、かつこれらの角度の差(α―β)が10度以下であるので、弁体30の外周面とポート部12bの内面とが略平行になる。このため、ポート部12bの内面と弁体30との間隔が弁体30の長手方向に急激に変化することを確実に防止でき、ポート部12b内で冷媒の圧力が急激に低下することを防止でき、ポート部12b内で冷媒の圧力が飽和蒸気圧を下回ることを防止して、ポート部12b内の冷媒に気泡が生じることを確実に防止できる。したがって、気泡が消滅する際の衝撃力によって生じる騒音を確実に抑制できる。
図5に示された冷凍サイクル装置は、前述したニードル弁1を備えているので、冷媒中に気泡が生じることを防止でき、気泡が消滅する際の衝撃力によって生じる騒音を抑制できる。
前述した実施形態では、出口部12cが弁箱10の外表面に近づくのにしたがって徐々に拡大している。しかしながら、本発明では、図4に示すように、出口部12cが、弁箱10の外表面に近づくのにしたがってその内径が一定となるように形成されても良い。この場合も、ポート部12bが外表面に近づくのにしたがって徐々に縮小しているので、冷媒中の気泡を抑制でき、騒音を抑制することができる。また、本発明では、弁口12に出口部12cを設けなくても良い。
次に、本発明の発明者らは、前述した角度の差(α―β)が異なるニードル弁を作成して、本発明の効果を確認した。結果を図6に示す。
図6は、前述した角度の差(α―β)が異なるニードル弁中に冷媒を流したときの騒音レベルを測定した結果を示し、図中縦軸は騒音レベルを示し、図中横軸は前述した角度の差(α―β)を示している。図6では、温度が10℃の冷媒を、弁箱10内の冷媒の圧力が3.0MPaとなり出口ポート16内の冷媒の圧力が1.5MPaとなるように、ニードル弁1内に流した。
図6によれば、前述した角度の差(α―β)を0度から10度以下とすると、角度の差(α―β)が12度のときよりも騒音レベルを約7dB以上抑制できることが明らかとなった。即ち、前述した角度の差(α―β)を0度から10度以下とすることで、ニードル弁1の低騒音化を図ることができることが明らかとなった。
また、本発明の発明者らは、本発明品と比較例のニードル弁1内の冷媒の圧力を測定した。結果を図7に示す。図7(b)は、前述した実施形態に示されたニードル弁1において弁口12に出口部12cが設けられていない本発明品(図7(a)中に実線で示す)を示し、図7(c)は、背景技術の欄で説明した従来の弁口12を備えた比較例(図7(a)中に二点差線で示す)を示している。なお、図7(b)中には、前述した実施形態と同一部分に同一符号を付して説明を省略し、図7(c)中には、図8に示された従来のニードル弁200と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。そして、弁座22よりも弁箱10の内側の位置Aと、弁口12内の弁座22の表面上の位置Bと、弁口12内のポート部12bの中央部の位置Cと、弁口12内の弁箱10の外表面上の位置Dと、弁箱10外でかつ出口ポート16内の位置Eとの各位置の冷媒の圧力を測定した。
また、図7(a)中の縦軸は、冷媒の圧力を示し、横軸は前述した各位置A,B,C,D,Eを示している。さらに、図7(a)中に密な平行斜線で示す領域は、冷媒の圧力が飽和蒸気圧を下回る領域を示している。図7によれば、本発明品は、比較例よりも冷媒の圧力が飽和蒸気圧を下回ることが少ないことが明らかとなり、冷媒中に生じる気泡を抑制できることが明らかとなった。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、前述した実施形態では、冷凍サイクル装置を構成する膨張弁をなすニードル弁1を示している。
しかしながら、本発明のニードル弁1は、冷凍サイクル装置以外の装置を構成する各種の用途に用いられても良い。要するに、本発明のニードル弁1は、各種の流体の流量を制御しても良い。また、本発明のニードル弁1は、弁口12のポート部12bが弁箱10の外側に向かうにしたがって徐々に縮小していれば、各部の寸法を適宜変更しても良いことは勿論である。さらに、本発明では、弁口12のポート部12bが弁箱10の外側に向かうにしたがって徐々に縮小していれば、角度αと角度βとが前述した式1の関係を満たしていなくてもよい。
1 ニードル弁
12 弁口
12a 入口シール部
12b ポート部
22 弁座
22a 表面
30 弁体
33 流量調整部(先端部)
α 弁体の外表面同士のなす角度
β ポート部の内面同士のなす角度
K 気泡
12 弁口
12a 入口シール部
12b ポート部
22 弁座
22a 表面
30 弁体
33 流量調整部(先端部)
α 弁体の外表面同士のなす角度
β ポート部の内面同士のなす角度
K 気泡
Claims (3)
- 内側に流体を通す弁口が設けられた弁座と、
前記弁座に接離自在に設けられかつ当該弁座に近づくのにしたがって先細となる針状に形成されているとともに、前記弁座に接離することで開度を変更する弁体と、を備えたニードル弁において、
前記弁口が、前記弁座の前記弁体寄りの表面に開口して前記表面から離れるのにしたがって徐々に縮小した入口シール部と、前記入口シール部に連なりかつ前記表面から離れるのにしたがって徐々に縮小したポート部と、を備えたことを特徴とするニードル弁。 - 前記弁体の軸芯を通る断面において、当該弁体の先端部の外周面同士のなす角度をαとし、前記弁口の前記ポート部の内面同士のなす角度をβとすると、
β≦α≦β+10度であることを特徴とする請求項1記載のニードル弁。 - 請求項1又は請求項2記載のニードル弁を冷媒回路中に有することを特徴とする冷凍サイクル装置。
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