JPH07253170A - 流量制御弁 - Google Patents

流量制御弁

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JPH07253170A
JPH07253170A JP7157394A JP7157394A JPH07253170A JP H07253170 A JPH07253170 A JP H07253170A JP 7157394 A JP7157394 A JP 7157394A JP 7157394 A JP7157394 A JP 7157394A JP H07253170 A JPH07253170 A JP H07253170A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャビテーション発生を防止し、微開状態で
の使用に適した流量制御弁を提供すること。 【構成】 流量制御弁の弁座には、弁体が当接可能な当
接端と、その外側の反弁体側が拡径される外周テーパ面
と、その外側の第1平坦面とが形成されている。弁体に
は、当接端と当接可能な当接面と、その外側の弁座側が
拡径される内周テーパ面と、その外側の第2平坦面とが
形成されている。弁体の内周テーパ面と弁座の第1平坦
面とにより液体の流れが折り曲げられ流速が抑制され、
キャビテーションを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体の流量制御を行う
流量制御弁に関し、更に詳細には、微量流量の液体を流
す場合における流体の流れ方向の圧力変化を軽減するこ
とにより、気泡発生や流体中への異物の混入等の異常発
生を防止するようにした流量制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば半導体製造設備等において
は、ウェハの洗浄や腐食用に純水や薬液等の液体を各種
機器に配送している。この種の薬液は、その使用状況に
応じて流量を変更する必要があるため、その配管には流
量制御弁が配設される。そして、液体の用途によっては
非常に微量の流量を安定して流すことが必要とされる場
合がある。このため、流量制御弁の開弁幅を非常に小さ
くして微量流量を流していた。
【0003】従来の流量制御弁における弁座及び弁体部
分の構造を図5に断面図で示す。弁座70は、弁体71
と当接する突端72と、突端72の外側に設けられた、
弁座70と反対側が拡径される外周面73と、外周面7
3の外側に設けられた、ほぼ平坦な平坦面74とを有し
ている。弁体71の下面75は、平坦に形成されてい
る。弁体71が図示しない弁体駆動手段により上下に移
動されることにより、弁座70の突端72と弁体71の
下面75との間の開弁幅G4 を変化させ、入側76から
出側77への流量制御を行う。例えば、図5の流量制御
弁において突端部の径D4 が10mmで開弁幅G4 の最
大値が2mmであるとして、開弁幅G4 を最大の2mm
としたときに20リッター/分の流量を流すことができる配
管系である場合に、3リッター/分の流量を流すときには、
開弁幅G4 を0.2〜0.3mm程度に維持する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通常の流量制
御弁を微開状態で使用すると、弁隙間から流れ出た液体
中に気泡(キャビティ)が発生する問題点(キャビテー
ション)があった。即ち、流量制御弁の入側76には相
当の供給圧力(0.15〜0.2MPa程度)が印加さ
れており、流量が小さいときには供給圧力はほとんど出
側77に伝達されないため入側76と出側77との圧力
差はかなり大きくなる。従って、弁隙間における流速は
非常に速い。そして、弁隙間は非常に狭い一方、その部
分を通過すると流路断面積は急激に増加する。
【0005】図5の流量制御弁では、突端72と下面7
5との開弁幅G4 が0.1mmであるとすれば、この部
分の流路断面積S4 は、 S4 = π×D4×G4 (1) で、約3.1mm2となる。そして、この部分を出た平
坦面74付近での流路断面積S5 は、 S5 =π×D5×G5 (2) で、約43.2mm2となり、流路断面積はいっきに1
0数倍にまで増加するわけである。
【0006】この流路断面積の急激な増加と、流速が非
常に速いこととにより、液体は急激な圧力低下を経験す
ることになる。このときに液体に溶存している気体成分
が気化してキャビテーションを起こすのである。流れの
形状によっては渦が誘起され、渦内での局所的圧力低下
により液体の蒸気圧にまで絶対圧力が下がる場合があ
り、その場合には液体自身が一部気化する。即ち溶存気
体がなくてもキャビテーションが起こる。
【0007】この種の流量制御弁への液体の供給圧力と
流量とキャビテーションの発生との関係を示すグラフを
図4に示す。このグラフから従来の流量制御弁では、供
給圧力が0.15MPaであるときには約1〜5リッター/
分の範囲の流量で、供給圧力が0.2MPaであるとき
には約1〜10リッター/分の範囲の流量で、キャビテーシ
ョンが起こることがわかる。従って、通常の微量流量状
態は、キャビテーション発生領域内である。尚、図4の
グラフで流量があまりに増加されると(供給圧力0.1
5MPaで5リッター/分以上)キャビテーションが発生し
なくなるのは、流量の増加により流速がむしろ遅くなる
からである。
【0008】かかるキャビテーションにより、以下のよ
うな弊害が生じる。第1に、液体の流量が不安定とな
る。気相状態の発生により大きな体積変動効果を生ずる
からである。このため流れに脈動が誘起される場合があ
り、一定の流量を維持することができない。第2に、発
生したキャビティは短期間で消滅するが、消滅時に衝撃
を伴う。この衝撃は外部からは不快な異音として捉えら
れ、程度によっては作業者に流量制御弁の故障ではない
かとの不安を生じさせる。また、このときの衝撃圧力に
より、弁座や弁体等の接液面に異常摩耗が生じる場合も
ある。第3に、キャビテーションが起こるような圧力変
動の下では、弁座や弁体等の接液面からの異物の剥離が
起こりやすい。これにより、半導体製造上好ましくない
パーティクルが液中に混入することとなる。
【0009】かかるキャビテーション現象は、液体の流
速の速さをその主因としているので、弁座及び弁体の接
流部分の形状により流速を抑えることが考えられる。例
えば、図6に示すものは、実開昭56−136103号
公報に蒸気加減弁として開示されているものであり、弁
座80及び弁体81の接流部分に設けられた段差82、
83によりラビリンスが形成されている。この弁を微開
状態で使用すれば、段差82、83により圧力変化が反
復され、流速を抑えることができると考えられる。しか
し、矢印Xに示す直線状の流れが排除しきれないので、
流速の抑制は不十分である。また、段差82、83の溜
り部分84に渦が発生し、渦内では絶対圧力の局所的低
下が起きるので、却ってキャビテーションを助長する場
合がある。従って、図6の弁では、キャビテーションの
有効な防止ができないのである。
【0010】本発明は、前記従来技術に係る流量制御弁
の問題点を解決するためになされたものであり、弁座及
び弁体を特殊な形状とすることにより微開状態としたと
きの弁隙間部分における液体の流速を遅くすると共に、
流路断面積の増加を急激でなくゆるやかなものとするこ
とにより、液体の急激な圧力変動を排除してキャビテー
ション発生等の現象を防止した、微開状態での使用に適
した流量制御弁を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の流量制御弁は、入力ポートと、出力ポート
と、弁座と、弁体と、弁体を弁座に対し離間又は接近さ
せる弁体駆動手段とを有し、弁体駆動手段により弁体と
弁座との間隔を調節して入力ポートから出力ポートへの
液体の流量を制御する流量制御弁であって、前記弁座の
上端に形成された、前記弁体と当接可能な当接端と、前
記弁座の、前記当接端の外側に形成された、反弁体側が
拡径される外周テーパ面と、前記弁座の、前記外周テー
パ面の外側に形成された第1平坦面と、前記弁体の下面
に形成された、前記当接端と当接可能な当接面と、前記
弁体の、前記当接面の外側に形成された、弁座側が拡径
される内周テーパ面と、前記弁体の、前記内周テーパ面
の外側に形成された第2平坦面とを有し、前記弁体駆動
手段により前記当接端と前記当接面との間隔を0.5m
m以下としたときに、前記当接端と前記当接面との隙間
から流出した液体の流れの全部が、前記内周テーパ面に
当たって折り曲げられ、流れの流速が抑制されるように
した構成とされる。
【0012】また、本発明の流量制御弁は、前記弁体の
前記当接面と前記第2平坦面との段差E2 が0.5mm
以上であり、前記弁座の前記当接端と前記第1平坦面と
の段差E1 と、前記段差E2 とが、E1 < E2なる関係
を満たすように構成されていることを特徴とする。ま
た、本発明の流量制御弁は、前記弁体の前記当接面の内
側に形成された弁座側に隆起する突起を有する構成とさ
れる。
【0013】
【作用】前記構成を有する本発明の流量制御弁では、弁
体駆動手段により弁体を弁座に対し離間又は接近させる
と、弁体と弁座との間隔が調節され、入力ポートから出
力ポートへの液体の流量の制御がなされる。弁体が弁座
からわずかに離間されているときには、入力ポートに印
加された流体は、弁座の上端に形成された当接端と弁体
の下面に形成された当接面との隙間から噴出し、弁座の
当接端の外側に形成された外周テーパ面と弁体の当接面
の外側に形成された内周テーパ面との隙間を経由し、弁
座の外周テーパ面の外側に形成された第1平坦面と弁体
の内周テーパ面の外側に形成された第2平坦面との隙間
を経由して出力ポートに至る。ここで液体の流れは内周
テーパ面及び第1平坦面により曲げられ直線状でないの
で流速が抑制される。当接端と当接面との間隔を0.5
mm以下とすると、流れの全部が内周テーパ面に当たっ
て折り曲げられ、流速が効果的に抑制される。
【0014】また、本発明の流量制御弁では、弁体の当
接面の内側に、弁座側に隆起する突起が形成されている
ので、入力ポートに印加された液体の当接端と当接面と
の隙間への流れが整えられ、圧力の不規則な変化が防止
される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の流量制御弁を具現化した一実
施例を、図面を参照しつつ説明する。図1に、本実施例
に係る流量制御弁10の断面図を示す。流量制御弁10
は、入力ポート21と出力ポート22とが左右に形成さ
れたアンダーボディ20を有し、その上方に第1操作ポ
ート31が形成された中間ボディ30が固設され、その
上方に、第2操作ポート41が形成され調整ネジ42が
装着されたアッパーボディ40が固設されて全体の外形
をなしている。図2に流量制御弁10のカットモデルの
斜視図を示す。以下、流量制御弁10の全体構成を説明
する。
【0016】アンダーボディ20には、図中右方の入力
ポート21と図中左方の出力ポート22との他、中央に
円環形状の弁座1が形成されている。弁座1の内部Aは
入力ポート21と連通し、弁座1の外部Bは出力ポート
22と連通している。後述する弁体2が弁座1に当接す
ることにより入力ポート21と出力ポート22とが遮断
され、弁体2が弁座1から離間することにより両ポート
21、22が連通される。弁座1の詳細な形状は後述す
る。
【0017】中間ボディ30は、アンダーボディ20の
中央部上方に固設される概略円筒形状の部材である。中
間ボディ30には、第1操作ポート31が形成されてい
る他、内部に小径シリンダ32と大径シリンダ33とが
形成されている。中間ボディ30の内部には、略円柱形
状のピストン50が上下方向に摺動可能に嵌持されてい
る。ピストン50は、中央の大径部分51と、その下方
の下小径部分52と、大径部分51の上方の上小径部分
53とを有している。大径部分51は中間ボディ30の
大径シリンダ33に、下小径部分52は小径シリンダ3
2に、それぞれ気密に嵌合されている。そして、大径部
分51の下面54と中間ボディ30とにより第1操作室
34が区画される。第1操作室34には、中間ボディ3
0の第1操作ポート31が開成されており、第1操作ポ
ート31を通じて第1操作室34に空気圧を印加し又は
開放することができる。第1操作室34に空気圧が印加
されると、ピストン50は上方に押圧される。
【0018】ピストン50の下小径部分52の下端に
は、弁体2が取り付けられている。弁体2の周囲はダイ
アフラム56となっておりその周縁はアンダーボディ2
0と中間ボディ30とに挟持される。弁体2は、ピスト
ン50の上下動に伴って移動し、アンダーボディ20の
弁座1に離間又は当接する。弁体2が弁座1に当接する
と入力ポート21と出力ポート22とが遮断され、弁体
2が弁座1から離間すると両ポート21、22が連通さ
れる。弁体2の詳細な形状は後述する。
【0019】アッパーボディ40は、中間ボディ30の
上方に固設される概略円筒形状の部材である。アッパー
ボディ40には、第2操作ポート41が形成されている
他、中央に孔43が貫通して形成されている。ピストン
50の上小径部分53が、アッパーボディ40の孔43
に嵌合される。大径部分51の上面55と中間ボディ3
0とアッパーボディ40とにより第2操作室44が区画
される。第2操作室44には、アッパーボディ40の第
2操作ポート41が開成されており、第2操作ポート4
1を通じて第2操作室44に空気圧を印加し又は開放す
ることができる。第2操作室44に空気圧が印加される
と、ピストン50は下方に押圧される。また、アッパー
ボディ40には、バネ溝45が形成されており、ピスト
ン50の上面55とバネ溝45との間には復帰バネ46
が挟持されている。復帰バネ46はピストン50を下方
に付勢している。
【0020】アッパーボディ40の孔43の上半分には
ネジ溝が切られている。この部分に調整ネジ42が装着
される。調整ネジ42は、その下端47によりピストン
50の上方向への動きを規制するものである。調整ネジ
42を回してその下端47の高さを変化させると、ピス
トン50の停止位置も変化し、開弁時における弁体2と
弁座1との間隔を調節することができる。尚、調整ネジ
42が不用意に動かないように、ロックナット48で固
定することができる。以上が流量制御弁10の全体構成
である。
【0021】次に、前記全体構成を有する流量制御弁1
0の特徴部分である弁座1と弁体2との形状について説
明する。図3は、弁座1と弁体2との形状を示す拡大断
面図である。まず、弁座1について説明する。弁座1は
円環形状に形成された部材であり、その内側Aは前記の
ように入力ポート21と連通している。弁座1の頂部に
は、弁体2が当接する当接端3が形成されている。当接
端3の外側には、弁体2から遠隔する側が拡径する円錐
台斜面形状の外周テーパ面4が形成されている。外周テ
ーパ面4の外側には、略平坦な第1平坦面5が形成され
ている。尚、弁座1の外側Bは前記のように出力ポート
22と連通している。
【0022】次に、弁体2について説明する。弁体2は
前記のようにピストン50の下端に取り付けられ、ピス
トン50と共に上下動して弁座1に当接又は離間して、
入力ポート21と出力ポート22とを遮断又は連通させ
るものである。弁体2の底面には、弁座1の当接端3と
当接する当接面6が形成されている。当接面6の外側に
は、弁座1に近接する側が拡径する円錐台内斜面形状の
内周テーパ面7が形成されている。内周テーパ面7の外
側には、略平坦な第2平坦面8が形成されている。尚、
弁体2における当接面6と第2平坦面8との段差E2
は、0.5mm以上であり、かつ、弁座1における当接
端3と第1平坦面5との段差E1 より小さい。また、当
接面6の内側には、弁座1に近接する側に隆起する突起
9が形成されている。
【0023】図3は、ピストン50を駆動して、弁座1
の当接端3と弁体2の当接面6との間隔G1 を0.1m
mに維持している状態を示している。弁座1及び弁体2
は、この状態において以下の条件を満たすように各部の
寸法が定められている。即ち、弁座1の外周テーパ面4
と弁体2の内周テーパ面7との間の流路断面積S2 が、
弁座1の当接端3と弁体2の当接面6との間の流路断面
積S1 より大きいこと、そして、弁座1の第1平坦面5
と弁体2の第2平坦面8との間の流路断面積S3 が、流
路断面積S2 より大きいこと、の2つであり、次式で表
される。 S1 < S2 < S3 (3)
【0024】図3に示す流量制御弁10で流路断面積S
1 、S2 、S3 を計算する。まず流路断面積S1 につい
ては、当接端3の径D1 と、間隔G1 とから計算され
る。 S1 = π×D1×G1 =約 3.1mm2 (4) 流路断面積S2 については厳密な計算は困難であるが、
図3中の径D2 と、外周テーパ面4と内周テーパ面7と
の間隔G2 とから概略値を計算できる。 S2 =約 π×D2×G2 =約 19.6mm2 (5) 流路断面積S3 については、第2平坦面8の肩部の径D
3 と、第1平坦面5と第2平坦面8との間隔G3 とから
計算される。 S3 = π×D3×G3 =約 24.5mm2 (6) (4)、(5)、(6)の各式から、(3)式が成り立
つことがわかる。
【0025】ここで、流路断面積S2 は流路断面積S1
の約6倍であり、流路断面積S3 は流路断面積S2 の約
1.25倍である。即ち、図5の従来の流量制御弁のよ
うに、流路断面積がいっきに10数倍に増加することは
なく、順次緩やかに増加するようになっている。そして
この関係は、間隔G1 を0.5mm程度まで増加しても
維持されることが望ましい。間隔G1 を0.5mm以上
になると、流速自体がむしろ遅くなるので、このような
関係を満たさなくともキャビテーションは起きないから
である。以上が流量制御弁10の特徴部分の構成であ
る。
【0026】次に、前記構成を有する流量制御弁10の
作用を説明する。まず、流量制御弁10の全体的な作用
を説明する。流量制御弁10は、第1操作ポート31又
は第2操作ポート41に、空気圧を印加することにより
操作される。この空気圧の供給手段は、圧縮空気ボンベ
や空気圧ポンプその他何でもよい。まず、第1操作ポー
ト31及び第2操作ポート41のいずれにも空気圧を印
加しない状態について考察する。この状態ではピストン
50は、復帰バネ46による付勢力のみを受ける。従っ
てピストン50は、下端に取り付けられた弁体2が弁座
1に当接するまで下方に移動した状態となっている。こ
の状態では、弁座1の当接端3と弁体2の当接面6とが
接触することにより、入力ポート21と出力ポート22
との連通が遮断され、流量制御弁10は閉となってい
る。
【0027】第1操作ポート31に空気圧を印加する
と、流量制御弁10の第1操作室34が高圧となる。こ
のためピストン50は、上方に押圧され復帰バネ46の
付勢力に抗して、上端が調整ネジ42の下端47に当接
するまで移動して停止する。このため弁体2もピストン
50と共に上方に移動し、弁座1の当接端3と弁体2の
当接面6との間に隙間が開成され、入力ポート21と出
力ポート22とが連通し、流量制御弁10は開となる。
この状態において、調整ネジ42を操作して下端47の
位置を変更すると、ピストン50の停止位置が変更さ
れ、流量制御弁10の開状態における弁座1と弁体2と
の間の隙間を調整して流量調整を行うことができる。流
量制御弁10は、弁座1の当接端3と弁体2の当接面6
との間の隙間を0.5mm以下に調整した微開状態での
使用を主たる用途とするものである。この状態で弁座1
及び弁体2の形状が奏する特殊な作用については後述す
る。
【0028】第1操作ポート31への空気圧の供給を停
止し、第1操作室34の圧力を開放すると、流量制御弁
10は復帰バネ46の付勢力により再び閉状態となる。
このとき、第2操作ポート41に空気圧を印加すると第
2操作室44が高圧となる。この圧力が復帰バネ46の
付勢力を助勢してピストン50を下方に押圧するので、
閉弁動作が更に確実となる。以上が流量制御弁10の全
体的な作用である。
【0029】次に、流量制御弁10の特徴部分である弁
座1と弁体2との形状が奏する特殊な作用について説明
する。流量制御弁10において弁座1及び弁体2は、図
3で説明したように特殊な形状をしており、当接端3と
当接面6との隙間を0.5mm以下の微開状態にしたと
きにその形状により特有の効果を奏するものである。図
3に示す状態では前記のように当接端3と当接面6との
間隔G1 は0.1mmとされている。この状態で、弁座
1の内側Aには、入力ポート21から提供される液体の
供給圧力が印加されている。一方弁座1の外側Bには、
かかる圧力は印加されない。このため当接端3と当接面
6との隙間を通じて液体が弁座1の内側Aから外側Bへ
流れることとなる。ここで、当接端3と当接面6との間
隔G1が0.1mmと狭いことから流れの流速は相当に
速いものとなろうとする。
【0030】しかし、隙間G1 を出た流れは、まず第1
の壁、即ち弁体2の内周テーパ面7に当たって下方に曲
げられることになる。そして、内周テーパ面7によって
曲げられた流れは、第2の壁、即ち弁座1の第1平坦面
5に当たって再度曲げられ、図中外方向へ向かう。即ち
流れは2度にわたって壁に当たり折り曲げられ、これに
より流速が速まることが防がれる。ここで、弁体2の当
接面6と第2平坦面8との段差E2 が0.5mm以上あ
り、隙間G1 より大きいことから、隙間G1 から出た流
れの全てが内周テーパ面7により折り曲げられ、直線状
の流れは全くなく流速の高速化が効果的に防止される。
【0031】そして、隙間G1 から出た流れは、外周テ
ーパ面4と内周テーパ面7との隙間G2 、第1平坦面5
と第2平坦面8との隙間G3 を経由して、弁座1の外側
Bに流出する。ここで、隙間G1 、G2 、G3 における
流路断面積S1 、S2 、S3の間には前記のように、 S1 < S2 < S3 (3) なる関係がある。このように流路断面積が順次拡大する
ので、流路断面積がいっきに拡大する従来の流量調整弁
と異なり、液体の流れ方向の圧力低下が緩やかである。
流速が押えられていることもこれに貢献している。
【0032】従って流量制御弁10では、弁座1の内側
Aから外側Bへ向かう流れが、急激な圧力低下を経験す
ることがなく、これにより、キャビテーションが防止さ
れている。また、図6の弁と異なり、特に渦が誘起され
る部位もないので、局所的な圧力低下によるキャビテー
ションも防止されている。また、弁体2の下面に形成さ
れている突起9により、弁座1の内側Aから隙間G1
流入する流れが整列され、圧力の不規則な変化が防止さ
れている。かかる流量制御弁10における液体の供給圧
力と流量とキャビテーションの発生との関係を示すグラ
フを図4に示す。このグラフから流量制御弁10では、
キャビテーション発生領域が従来の流量制御弁の場合よ
りも非常に狭く、供給圧力が0.33MPa以下のとき
にはいかなる流量でも、キャビテーションが起こらない
ことがわかる。通常流量制御弁10は0.15〜0.2
MPa程度の供給圧力下で使用されるので、キャビテー
ションが起こることはない。
【0033】以上詳細に説明したように、本実施例に係
る流量制御弁10では、弁座及び弁体を特殊な形状とし
たので、微開状態としたときの弁隙間部分において液体
の直線状の流れが排除され流れは全て折り曲げられてお
り、流速が抑制されている。また、流路断面積の急激な
増加はなく順次緩やかに増加する。そして、弁隙間に流
入する流れや隙間内での流れは整列されており渦等が生
じる部位もない。このことから、液体には急激な圧力低
下や局所的圧力低下が起こらず、従ってキャビテーショ
ンは発生しない。また、圧力の急変動がないことによ
り、弁座及び弁体の接液面における異常摩耗や異物剥離
等も発生しない。従って流量制御弁10は、例えば半導
体製造設備における純水や薬液配送等、微開状態を多用
する用途に優れているといえる。尚、本発明は前記実施
例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない
範囲内において種々の変形、改良が可能であることはも
ちろんである。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の流量制御
弁では、弁座及び弁体を特殊な形状とすることにより微
開状態としたときの弁隙間部分における液体の流速を遅
くすると共に、流路断面積の増加を急激でなくゆるやか
なものとすることにより、液体の急激な圧力変動を排除
してキャビテーション発生等の現象を防止した、微開状
態での使用に適した流量制御弁を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る流量制御弁の構成を説明する断
面図である。
【図2】図1の流量制御弁の構成をカットモデルにより
説明する斜視図である。
【図3】図1の流量制御弁の弁座及び弁体の形状を説明
する断面図である。
【図4】流量制御弁への液体の供給圧力と流量とキャビ
テーションの発生との関係を示すグラフである。
【図5】従来の流量制御弁の弁座及び弁体の形状を説明
する断面図である。
【図6】従来の別の流量制御弁の弁座及び弁体の形状を
説明する断面図である。
【符号の説明】
1 弁座 2 弁体 3 当接端 4 外周テーパ面 5 第1平坦面 6 当接面 7 内周テーパ面 8 第2平坦面 9 突起 10 流量制御弁 21 入力ポート 22 出力ポート 31 第1操作ポート 41 第2操作ポート G1、G2、G3 隙間間隔 S1、S2、S3 流路断面積 E1 段差

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ポートと、出力ポートと、弁座と、
    弁体と、弁体を弁座に対し離間又は接近させる弁体駆動
    手段とを有し、弁体駆動手段により弁体と弁座との間隔
    を調節して入力ポートから出力ポートへの液体の流量を
    制御する流量制御弁において、 前記弁座の上端に形成された、前記弁体と当接可能な当
    接端と、 前記弁座の、前記当接端の外側に形成された、反弁体側
    が拡径される外周テーパ面と、 前記弁座の、前記外周テーパ面の外側に形成された第1
    平坦面と、 前記弁体の下面に形成された、前記当接端と当接可能な
    当接面と、 前記弁体の、前記当接面の外側に形成された、弁座側が
    拡径される内周テーパ面と、 前記弁体の、前記内周テーパ面の外側に形成された第2
    平坦面とを有し、 前記弁体駆動手段により前記当接端と前記当接面との間
    隔を0.5mm以下としたときに、前記当接端と前記当
    接面との隙間から流出した液体の流れの全部が、前記内
    周テーパ面に当たって折り曲げられ、流れの流速が抑制
    されるようにした流量制御弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する流量制御弁におい
    て、 前記弁体の前記当接面と前記第2平坦面との段差E2
    0.5mm以上であり、 前記弁座の前記当接端と前記第1平坦面との段差E1
    と、前記段差E2 とが、 E1 < E2 なる関係を満たすように構成されていることを特徴とす
    る流量制御弁。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載する流量
    制御弁において、 前記弁体の、前記当接面の内側に形成された、弁座側に
    隆起する突起を有する流量制御弁。
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