JP2008290248A - 移動ロボットにおける排熱利用機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動ロボットの光学シールドへの水滴や塵の付着も問題を解決する。
【解決手段】 モータの制御回路や制御CPU等の熱源201からの発熱を利用した温風をファン502によりダクト501を介して吸い上げ、それをチューブ503からノズル504に導き、ノズル504から光学シールド125の全面に吹き出させる。この温風により、光学シールド125への水滴や塵の付着の問題が解決される。
【選択図】図5

Description

本発明は、自律制御や遠隔操作によって稼働し、移動機能を有する移動ロボットに関し、内部に搭載される制御用CPUやモータ制御回路等の発熱機器から発生する排熱を有効利用する構造に関するものである。
脚部を備え歩行を行う人型ロボット等の移動ロボットにおいて、内部に搭載される制御用CPUやモータ制御回路等からは、その稼動中において常時熱が発生する。よく知られているように、CPUやモータ制御回路に使われている半導体デバイスは、熱に弱く、そのため上述した制御用CPUやモータ制御回路等から発生した熱は排熱する必要がある。
移動ロボットにおける発熱の問題に対応する技術としては、例えば特許文献1に記載のように、排気ファンを設けて排熱を行う冷却構造が提案されている。
特開2002−154083
人型ロボット等の移動ロボットにおいては、一般に、画像認識処理を用いて動作の制御を行っているが、この視覚手段としてロボットの内部にCCDカメラ等の撮像機器を搭載している。このカメラの撮像方向(レンズ正面方向)には、レンズを保護し、かつ撮影視野角を得るための透明のアクリル樹脂等で形成された光学シールド(カバー部材)が配置されている。
ロボットが降雨時や多湿環境、さらには粉塵等が浮遊する環境下において稼働する場合、光学シールドに水滴や粉塵が付着する。この結果、光学シールドを介して撮像した画像が歪んだり不鮮明になったりし、画像認識処理に悪影響を及ぼす場合があった。画像認識処理に悪影響が出ると、移動や物をつかむといった動作を正確に行えなくなる場合があった。このため、上述した光学シールドへの水滴や粉塵の付着の問題を解決することが望まれていた。
本発明は、上記課題を解決することを目的とする。特に、前述したロボットの排熱を有効に利用して上記の課題を効果的に解決することを目的とする。
本発明は、移動ロボット内で発生する熱を利用する機構であって、発熱機器と、前記発熱機器からの発熱を利用した温風を導く温風移送手段と、撮像光学系に配置される光学シールドとを備え、前記光学シールドに対して、前記温風移送手段から前記温風を供給し、前記光学シールドの表面に付着した水滴の乾燥、またはその表面に付着した塵の除去が行われることを特徴とする移動ロボットにおける排熱利用機構である。
また本発明は、移動ロボット内で発生する熱を利用する機構であって、発熱機器と、前記発熱機器からの発熱を利用した温風を導く温風移送手段と、撮像光学系に配置される光学シールドとを備え、前記温風移送手段から供給される温風を前記光学シールドの内面に吹きつけることを特徴とする移動ロボットにおける排熱利用機構である。
また本発明は、移動ロボット内で発生する熱を利用する機構であって、発熱機器と、前記発熱機器からの発熱を利用した温風を導く温風移送手段と、撮像光学系に配置される光学シールドとを備え、前記温風移送手段から供給される温風を前記光学シールドの外部に露出した表面に沿って流すことで、前記光学シールドの表面を保護するエアーカーテンを形成することを特徴とする移動ロボットにおける排熱利用機構である。
上記発明の適用対象となる移動ロボットとしては、脚部を備えて歩行を行う人型ロボット、あるいは脚部の変わりに車輪や無限軌道による移動手段を備えたロボットを挙げることができる。本発明における移動ロボットは、電源および動作制御のための機器を内蔵し、自律制御あるいは操作信号を外部から受けての制御が行われる形態のものが好ましい。したがって、生産ライン等で用いられている溶接ロボットや塗装ロボットのように、電源や制御機器の一部あるいは全部がロボットの外部に外付けであるような構成のロボットは、本発明の適用対象として適当ではない。
本発明における発熱機器としては、ロボットの動作を制御する制御用CPUおよびその周辺回路、ロボットの動作の動力となるモータを制御する制御回路、さらには電圧の調整等を行う電源回路等が挙げられる。
ロボットの動作制御は極めて複雑な電子制御が必要とされるものであり、そのために高速演算処理機能を有する制御用CPUを多数必要としている。この制御用CPUの動作時における発熱量は多く、効果的な冷却あるいは排熱を行わなくてはならない。このことは、演算速度の上がったコンピュータ機器の例からも良く理解されることである。
また、モータ制御用回路には、モータに流れるアンペア単位以上の大電流をスイッチングする半導体スイッチ(例えば大電流対応のスイッチング用FET等)が用いられるが、このような半導体スイッチは発熱量が大きい。特に人型ロボットの場合は多数のサーボモータを各関節等に配置する必要があり、その制御のための回路もモータの数の分だけ必要となる。このことから、全体として見ればモータ制御用回路からの発熱はかなりのものとなる。
発熱機器からの発熱を利用した温風を導く温風移送手段としては、温風の流れを作るファンやコンプレッサー等の送風装置を挙げることができる。送風装置は、発熱機器に向かって空気の流れを送るように1つまたは複数を配置しても良いし、発熱機器の付近から空気を吸引するように1つまたは複数を配置してもよいし、その両方を組み合わせても良い。
また、温風移送手段には、温風を所定の場所に導くダクト構造を含めても良い。ダクト構造は、独立したダクト構造を備えるものでもよいし、ロボットを構成する構造体を利用してダクトとして機能する空気の流れを導く流路を構成するものでもよい。また両者を組み合わせた構造とするものでもよい。また、ダクト構造としてフレキシブルホースのような空気の流れを導く手段を利用してもよい。
次に加熱、乾燥またはクリーニングについて説明する。ここで加熱というのは、温風を当てることで、被加熱対象物に熱を供給することをいう。乾燥は、温風を当てることで、温風を当てた対象から水分を飛ばし乾燥させることをいう。例えば、水に濡れたり、結露による水滴が付着したりした部分を乾燥させることをいう。また、湿気がこもった部分を乾燥させることをいう。クリーニングは、温風の風圧により、温風を当てた部分の塵を吹き飛ばすことをいう。
本発明において、発熱機器は、集中配置されていることは好ましい。すなわち、ロボットの内部において、発熱機器が集中配置されている構造であることは好ましい。
発熱機器が集中配置されていると、その排熱を集めて有効に利用することができる。発熱機器が分散していると、温風移送手段もまた分散して配置しなくてはならず、構成が複雑化し、ロボット全体の小型化および軽量化を図る観点から見て好ましくない。
本発明において、発熱機器からの発熱を外部に排気する排熱用送風装置と、温風移送手段内の温風供給用送風装置と、温風が送られる装置に備えたセンサとをさらに備え、このセンサからの検出信号に応答して前記温風供給用送風装置のONまたはOFFを制御する構造とすることは好ましい。
この態様によれば、温風が当てられる装置に温度センサを配置し、その温度センサから出力される温度情報に基づいて温風の送風状態を制御することができる。これにより、当該装置が所定の第1の温度以下に低下した場合に温風の送風により加熱が行われ、さらに当該装置の温度が所定の第2の温度以上に上昇した場合に温風の送風を停止する制御を行うことができる。これにより、温風が当てられる装置を、所定の温度範囲内の温度に維持することができる。
また、センサとして湿度センサを採用すれば、温風が当てられる装置が所定の範囲の湿度に保たれるように制御することができる。この技術を利用することで、例えばロボット内部の結露を防止する構成を実現することができる。
本発明において、移動もしくは可動のための関節軸を備え、前記関節軸の軸内を前記温風が流れるダクトとして利用する構造とすることは好ましい。
この態様によれば、例えば首や腰を揺動させる関節軸の軸内を利用して温風を流すためのダクトが構成される。関節軸である首や腰といった揺動機構を備える部分は、揺動時に揺動軸以外の部分が相対的に動くことになるため、温風の流路の確保が困難になる。フレキシブルなパイプによる流路の確保も考えられるが、軸の内部に流路を確保することで、余計なスペースを必要とせず、しかもある程度の断面積も確保できる優位性が得られる。
また、このダクト構造において、温風の流量を制御するバルブを備えることは好ましい。例えば、センサとバルブを連動させ、センサが捕らえた温度情報や湿度情報に基づいてバルブを調整し、それによりダクト内を流れる流量を制御し、温風による加熱作用や乾燥作用を調整することができる。
光学シールドに温風が当てられることで、撮像装置(例えばCCDカメラ)の前に配置される光学シールドの表面への水滴や塵の付着が防止される。また、水滴が付着したとしても、温風による乾燥が行われ、水滴の除去が行われる。また、付着した塵の除去が行われる。また、シールドの内側に温風が供給されるようにすることで、シールドの曇りが防止される。
この態様によれば、シールドの汚れや曇りによる画像解析結果への悪影響を排除することができる。このことは、ロボットの野外での稼働、降雨時における稼働、粉塵等が存在する環境での稼働において有効となる。
特にシールドの外側表面に温風を流して、シールドの表面にエアーカーテンを形成することで、シールドへの水滴や塵の付着を防止する機能を与えることができる。
本発明において、温風移送手段は、外気を取り入れる外気取り入れ用送風装置を備え、この外気取り入れ用送風装置から取り入れる風量を調整することで、温風の熱量を制御する構造とすることは好ましい。
本発明によれば、光学シールドへの水滴や粉塵の付着の問題が解決される。
以下、本発明の排熱利用機構を利用した移動ロボットの一例について、図面を参照して説明する。本実施形態において説明する移動ロボットは、自律制御型の2足歩行可能なロボットである。このロボットは、工事現場等における作業や介護作業といった人間がこれまで行ってきた作業を行うことを目的としているロボットの一例である。
(実施形態の概要)
図1は、本実施形態のロボットの全体を示す正面図(図1(A))および側面図(図1(B))である。図1に示すロボット101は、胴体を構成する上胴体部102および下胴体部103を備えている。上胴体部102と下胴体部103とは、腰連結部111を介して連結されており、下胴体部103に対する上胴体部102の相対的に捻り回転、および上胴体部の前後への傾き動作を行えるようになっている。上胴体部102の上部には、頭部104が首連結部112を介して連結され、上胴体部102の左右には左右両方の腕部105が肩連結部113を介して連結され、下胴体部103の下部には、左右両方の脚部106が股関節部114を介して連結されている。
各構成部材は、外側が合成樹脂板やアルミニウム鋳造品によって構成される外殻によって覆われている。この外殻は、人間でいうところの皮膚に相当するもので、ロボット101内部の各種装置を塵、水分あるいは衝撃等から保護する機能、意匠性を与える機能、人間協調・共存型ロボットとしての対人親和性を確保する機能を有している。
上胴体部102には、腕部105等の各種可動部を動かすためのモータ制御回路、このモータ制御回路その他を制御するための演算を行う制御CPUを含む演算回路、電源回路その他が収められている。また、上胴体部102には、発熱するモータ制御回路および演算回路を冷却するための外気を取り入れるための吸気口121および122が前面に、吸気口124が後部側面にそれぞれ設けられ、また温められた空気を外部に排気するための排気口123が、背面に設けられている。つまり、吸気口121および122ならびに124から外気がロボット101内に取り入れられ、内部の発熱機器の発生した熱を奪って、排気口123から外部に排出される。こうして、ロボット101内の温度上昇が抑制される。また、下胴体部103には、ロボット101の稼働に必要な電力を供給するためのバッテリーが納められている。
頭部104には、ロボット101の行動を制御する際に利用される画像を撮像する撮像装置(例えばCCDカメラ)が備えられている。撮像は、アクリル等の光透過性材料から構成される光学シールド125を介して行われる。
以下、モータ制御回路および演算回路からの発熱を利用した排熱利用機構の一例について説明する。図2は、ロボット101の上半身の内部構造の概略を説明するための透視図である。図2(A)は、上方から見た透視図であり、図2(B)は側面方向から見た透視図である。
図2には、上部胴体102内における熱源201が示されている。この例では、熱源201として、モータ制御回路と制御CPUを備えた演算回路が示されている。以下、熱源201の詳細について説明する。図3は、熱源201となるモータ制御回路と制御CPUを備えた演算回路を説明するためのもので、ロボット101の上半身の内部構造の概略を説明するための透視図である。
図3には、図2に示す熱源201として、演算回路ボード群301、電源ボード304およびドライバ回路ボード群303が示されている。演算回路ボード群301は、ロボットを動かすために必要な演算処理を行う回路のボードを複数備えている。この回路は、制御CPUその他必要な半導体チップ等を備えている。電源ボード304は、ロボット内で必要とされる電力を供給するための電源回路であり、DC−DCコンバータ類を備えている。ドライバ回路ボード群303は、ロボットを動かすための各種モータを駆動するドライバ回路を備えたボードが配置されている。
演算回路ボード群301は、多数のCPUを初め、発熱を伴う多数の半導体デバイスを備えており、発熱量は多い。電源ボード304は、多数のモータを駆動する電力を供給する回路であり、電圧を制御する回路であるので、やはり発熱量は多い。ドライバ回路ボード群303は、多数のモータを駆動する大電力スイッチング素子を備えており、やはり発熱量は多い。特に本実施形態で示すロボットは、人間に代わって各種の作業を行うことを目的としているため、腕部等を駆動するモータは、かなりの出力を発揮する必要があり、そのため電流消費が大きいモータを採用する必要がある。また、熱源201には、姿勢センサ302が配置されている。姿勢センサ302にはスイッチング素子が備えられており、発熱量は多い。このように、電源ボード304およびドライバ回路ボード群303、そして姿勢センサ302の発熱はかなり大きいものとなる。
図2に示すように、上胴体部102の胸部分の吸気口121の背後には、外気を吸引するための外気吸気ファン202が配置されている。この外気吸気ファン202の機能によって、外気が上胴体部102の外殻内に吸引される。吸引された外気は、熱源201に導かれ、さらに熱源201から熱を奪う。熱源201から熱を奪った空気は、排気ファン205および排熱供給用ファン203によって吸引される。
排気ファン205は、熱源201によって暖められた空気を吸い込み、それを背面の排気口123から外殻の外部に排気する。他方、排熱供給用ファン203は、排気ファン205と同様に、熱源201によって暖められた空気を吸い込み、その吸い込んだ空気を温風としてダクト204に供給する。
ダクト204は、排熱供給用ファン203からの温風を、上胴体部102の背面(背中の部分)から上胴体部102の両側(人間でいうと肩の後ろの部分から脇部分)付近を通って、肩連結部113を構成するユニットである肩部ギアボックス221に供給する。
肩部ギアボックス221は、腕部105の前後方向への振れ動作を行わすための出力軸222を駆動するためのギア機構が収められているユニットである。
肩部ギアボックス221を温めた温風は、上胴体部102内を循環し、排気ファン205の機能によって排気口123から外殻の外部に排出される。また、この温風は、関節部分の隙間その他から外殻外に排出される。なお、肩部ギアボックス221を温めた温風によって、上胴体部102内の温度上昇を防ぐために、肩部ギアボックス221を温めた温風を外殻外に逃がす排気口を設けても良い。
以下、排熱供給用ファン203と排気ファン205とに対して行われる制御の一例を説明する。まず、ロボット101の起動時(動作立ち上げ時)においては、演算回路ボード群301およびドライバ回路ボード群303に電力が供給され、制御ソフトウェアの起動、各種駆動部分の起動が行われる。
ロボット101が起動されると、目に見える動作を行っていなくても、演算回路ボード群301は、各種の情報処理やバランスを維持するための各種の演算を絶え間なく行っており、電力を消費している。また、ドライバ回路ボード群303は、各種のモータが動いていなくてもアイドリング電流が流れ、また直立状態等であれば、絶え間なくサーボ制御が行われるので、ドライバ回路群303でも電力が消費される。また、この状態においては、演算回路ボード群301およびドライバ回路ボード群303において電力が消費されるので、電源ボード304も動作している。
したがって、ロボット101が起動されると、目に見える動作を行っていなくても、熱源201は発熱する。
本実施形態においては、この熱源201の発熱を利用して、肩部ギアボックス221の加熱を行う。すなわち、ロボット101の起動が行われると、吸気ファン202、排気ファン205および排熱供給用ファン203の動作が開始される。そして、熱源201において発生した熱によって暖められた空気は、一部が排気ファン205から外部に排気され、他の一部は排熱供給用ファン203からダクト204内に取り込まれ、肩部ギアボックス221に温風として供給される。
ダクト204によって導かれる温風が当てられることによって、肩部ギアボックス221は温められ、内部のギア機構に塗られている潤滑剤の粘度が低下する。こうして、起動直後において、肩部ギアボックス221内の潤滑剤の粘度を低下させるための予備加熱動作が行われ、起動処理終了後における肩部ギアボックス221のスムーズな動作状態が確保される。
肩部ギアボックス221には、温度センサ223が取り付けられており、肩部ギアボックス221の温度をモニタするようになっている。肩部ギアボックス221の温度が所定の温度を超えた場合、排熱供給用ファン203は停止する。こうすることで、肩部ギアボックス221の過剰な加熱が防止される。
このファンの動作制御は、ロボット101の稼動中においても行われる。これにより、例えば寒冷な環境におけるロボット101の稼働中において、ある程度の時間、腕部105を動かす機会がなく、その間に肩部ギアボックス221が冷えてしまい、内部の潤滑剤の粘度が上昇してしまう不都合が回避される。
このように、ロボットの外部への排気を行う排気ファンとロボット内部の所定の装置に排熱を送るための排熱供給用ファンの動作を制御することで、必要な排熱を行いつつ、同時に必要とする箇所への加熱を適宜行うことができる。
肩部ギアボックス221に供給される熱量を制御する方法としては、排熱供給用ファン203のON/OFFによって行う、排熱供給用ファン203の回転数を制御し、送風能力を調整する、ダクト204等の適当な部分にバルブを配置し、バルブの開閉あるいは開閉具合を調整する、ダクト204にロボット外部への温風の逃げ道となる開閉自在な開口部を設け、この開口部の開口状態を調整する、ダクト204に外気を取り入れるための送風ファンを設け、この送風ファンからダクト内に送られる外気の流量を調整する、これら方法の複数を組み合わせる、といった方法を採用することができる。
次にロボットが備えたバッテリーの予備加熱に熱源の排熱を利用する場合の一例を説明する。図4は、ロボットの内部構造の概略を説明するための透視図である。図4は(A)は正面から見た透視図であり、図4(B)側面から見た透視図である。
図4には、上胴体部102と下胴体部103とを連結する腰連結部111の概略の構造について記載されている。腰連結部111は、上胴体部102の下胴体部103に対する前後方向の傾き動作を行わせるための揺動軸部401、上胴体部102の下胴体部103に対する左右方向の揺動(上半身の左右へのひねり回転に相当)を行わせるための揺動軸部402を備えている。各揺動軸の中心は、空洞になっており、そこが温風を移送するダクトして機能するようになっている。なお、熱源201の構成は、図3に示すものと同じである。
揺動軸部402には、排熱供給用ファン403が配置されている。排熱供給用ファン403は、熱源201からの排熱を揺動軸部401、揺動軸部402を介して、ダクト404に送り込む機能を有する。ダクト404は、揺動軸部403から送り出される温風をバッテリー405に供給する機能を有する。
バッテリー405は、ニッケル−水素電池であり、またバッテリー405には温度センサ406が取り付けられている。また、排熱供給用ファン403の送風先側にはバルブ407が配置されており、温度センサ406が検出した温度によって、バルブ407の開閉状態が調整されるようになっている。
この構成においては、例えば以下に例示するような制御が行われる。例えば、ロボット101の稼働中は、常に排熱供給用ファン403が動作しており、温度センサ406が検出する温度情報に基づいてバルブ407の開閉が制御される。
この場合、バッテリー405の温度が所定の設定温度を下回った場合、バルブ407が全開となり排熱供給用ファン403の能力が最大限発揮されてバッテリー405への熱量の供給が行われる。また、バッテリー405の温度が所定の第2の設定温度を上回った場合、バルブ407が閉鎖され、熱源201を利用したバッテリー405への熱量の供給を停止し、バッテリー405の温度がそれ以上上昇しないようにする。
こうすることで、低温環境下におけるロボットの稼働において、低温に起因するバッテリー405の放電容量の低下を熱源201からの発熱を利用して補償することができる。すなわち、バッテリー405の低温状態が検出された場合に、バッテリー405を熱源201の排熱を利用して適宜加熱し、その放電容量が低下することを防止することができる。
なお、バッテリー405を暖めた温風は、図示しない股関節の隙間や図示しない排気口から排出される。
また、排熱供給用ファン403の後流側に温風をロボット101の外部に導くために流路をさらに設け、温度センサ406からの温度情報に基づいて、排熱供給用ファン403からの温風を適宜外部に排出するようにしてもよい。この場合、バッテリー405を加熱したくない場合は、排熱供給用ファン403からの温風がロボット101の外部に排出される。
この構成では、排熱供給用ファン403による熱源201からの温風の吸い込み能力が常に発揮されるので、バッテリー405の加熱状態によって、熱源201の冷却効果が影響を受けない構成を実現できる。
その他、排熱供給用ファン403を利用した温風のバッテリー405への供給制御の方法は、第1の実施形態において説明した内容と同じである。
次に、ロボットの頭部に備えた光学シールドの汚れ防止およびクリーニングに熱源の排熱を利用する場合の例を説明する。図5は、ロボットの上半身の内部構造の概略を説明するための透視図である。図6は、頭部の構造の詳細を示す分解斜視図である
本実施形態においては、頭部104の左右方向への揺動(首の捻り回転)を可能にする揺動軸を利用して構成されているダクト501によって、熱源201において発生した温風をファン502によって頭部104内に吸い上げる。そして、その温風はチューブ503を介して噴出しノズル504に送られ、光学シールド125の前面に沿って流される。
すなわち、図6(C)に示すようにノズル504が光学シールドの形状に合わせて、光学シールド表面の前面に面状に温風を流すノズル構造を有している。このため、光学シールド125の前面に温風によるエアーカーテンが形成される。なお図6は、頭部を縦に割った状態を示しているので、ノズル504も半分の部分が示されている。実際の構造では、ノズル504は光学シールド125の曲面に沿った半円形状を有している。
図5の空間505には、光学シールド125を介して、撮像を行うためのCCDカメラ(図示省略)が配置される。このCCDカメラによって撮像した画像を利用することで、例えば歩行時における障害物を認識する、手で物を掴む際の位置関係を認識するといった処理が行われる。
上述のエアーカーテンによって、光学シールド125の表面に水滴や塵が付着することが防止される。また、光学シールド125の表面に水滴や塵が付着しても、温風によって強制乾燥および強制クリーニングが行われる。
これにより、光学シールド125の光透過性が低下する不都合が防止され、空間505に配置されるCCDカメラによる撮像画像の忠実度が低下することを抑えることができる。そして、光学シールド125の汚れによって、ロボット101の動作に支障がでることが抑制される。
次に、ロボット内の熱源からの発熱を利用した温風によって、ロボット内部における結露を防止する構成の一例について説明する。例えば、図2に示す構成における肩部ギアボックス221に結露検出センサを装着し、この結露検出センサが結露を検出した際に、排熱供給用ファン203が動作し、ダクト204を介して肩部ギアボックス221に温風を供給するようにする。
こうすると、肩部ギアボックス221における結露を防止することができる。ロボットには金属部品を使わざるを得ない部分もあり、また野外での稼動、湿度の高い環境での稼働、温度変化の激しい環境での稼働を考えた場合、ロボットの内部構造における結露が問題になる。ロボット内部を外気から完全にシールする構造も考えられるが、放熱や多くの関節構造を考えると、それは困難である。
本実施形態を採用した場合、ロボットの内部に結露が生じるような環境であっても、温風を送り、強制的に乾燥させることができ、結露の発生を防止することができる。さらに、結露が発生してもそれを強制乾燥により除去することができる。そして、この温風の熱源としてCPUからの発熱やモータ制御回路からの発熱を利用するので、上述した好ましい仕組みを消費電力の上昇を招かずに実現することができる。
結露検出センサとしては、半導体表面や導体表面の電気抵抗を検出する測温抵抗体タイプのものを用いることができる。このタイプの結露検出センサは、結露による半導体表面等の電気抵抗の変化を検出することで、結露が検出される。
ここでは、肩部ギアボックスにおける結露を防止する例を説明したが、乾燥対象となる部位は、どこであってもよい。例えば、図5および図6に示す光学シールド125の内面に温風を吹き付けることで、光学シールド125の内面が水蒸気で曇ってしまうことを防止する構成としてもよい。
本発明は、2足歩行型のロボット等の移動ロボットに利用することができる。特に本発明は、野外環境、寒冷な環境、多湿な環境といった場所で人間に代わって作業を行う移動ロボット、あるいは人間の作業を補助する移動ロボットに利用することに適している。
ロボットの全体を示す正面図および側面図である。 ロボットの上半身の内部構造の概略を説明するための透視図である。 ロボットの上半身の内部構造の概略を説明するための透視図である。 ロボットの内部構造の概略を説明するための透視図である。 ロボットの上半身の内部構造の概略を説明するための透視図である。 頭部の分解斜視図である。
符号の説明
101…ロボット、102…上胴体部、103…下胴体部、104…頭部、105…腕部、106…脚部、111…腰連結部、112…首連結部、113…肩連結部、114…股関節部、121…吸気口、122…吸気口、123…排気口、124…吸気口、125…光学シールド、201…熱源、202…外気吸気ファン、203…排熱供給用ファン、204…ダクト、205…排気ファン、221…肩部ギアボックス、222…出力軸、223…温度センサ、301…演算回路ボード群、302…姿勢センサ、303…ドライバ回路ボード群、304…電源ボード、401…揺動軸部、402…揺動軸部、403…排熱供給用ファン、404…ダクト、405…バッテリー、406…温度センサ、407…バルブ、501…ダクト、502…ファン、503…チューブ、504…ノズル、505…CCDカメラが配置される空間。

Claims (3)

  1. 移動ロボット内で発生する熱を利用する機構であって、
    発熱機器と、
    前記発熱機器からの発熱を利用した温風を導く温風移送手段と、
    撮像光学系に配置される光学シールドと
    を備え、
    前記光学シールドに対して、前記温風移送手段から前記温風を供給し、前記光学シールドの表面に付着した水滴の乾燥、またはその表面に付着した塵の除去が行われることを特徴とする移動ロボットにおける排熱利用機構。
  2. 移動ロボット内で発生する熱を利用する機構であって、
    発熱機器と、
    前記発熱機器からの発熱を利用した温風を導く温風移送手段と、
    撮像光学系に配置される光学シールド
    を備え、
    前記温風移送手段から供給される温風を前記光学シールドの内面に吹きつけることを特徴とする移動ロボットにおける排熱利用機構。
  3. 移動ロボット内で発生する熱を利用する機構であって、
    発熱機器と、
    前記発熱機器からの発熱を利用した温風を導く温風移送手段と、
    撮像光学系に配置される光学シールドと
    を備え、
    前記温風移送手段から供給される温風を前記光学シールドの外部に露出した表面に沿って流すことで、前記光学シールドの表面を保護するエアーカーテンを形成することを特徴とする移動ロボットにおける排熱利用機構。
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