JP2008289608A - 弾球遊技機の羽根車 - Google Patents

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Abstract

【課題】挙動が複雑で、遊技球の振り分け先が変化に富んだものにすることができる弾球遊技機の羽根車を提供すること。
【解決手段】羽根22には、筒状部21側とは反対側の端部で開口する収納部23が形成されている。この収納部23には、筒状部21に対して近づく方向と離れる方向に移動可能な副羽根24と、副羽根24を近づく方向に付勢するコイルスプリング26とが収納されている。羽根22の回転時に、副羽根24が遠心力でコイルスプリング26の付勢力に抗して離れる方向に移動することにより、羽根22からの副羽根24の突出量が大きくなる。羽根22の前面は前面板28により覆われている。副羽根24は前面板28とも羽根車20の周囲の遊技領域9とも異なる色に着色されていて、前面板28よりも外方に突出可能になっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、遊技球が流下する遊技領域が設けられた遊技盤にあって、羽根への遊技球の接触により回転する弾球遊技機の羽根車に関する。
従来の弾球遊技機の羽根車は、遊技盤に固定された支軸に回転可能に支持される筒状部と、この筒状部の外周面から外方に突出する複数の羽根とを有する。この羽根車は、羽根への遊技球の接触により支軸周りに回転することによって、遊技領域の見た目を賑やかにすることができ、また、遊技球を振り分けることができる。
この種の弾球遊技機の羽根車としては例えば特許文献1で開示されたものがある。
実開平7−22791号公報
前述の羽根車の挙動は単調であった。また、前述の羽根車による遊技球の振り分け先は、変化に乏しかった。これらのことから、羽根車に対する遊技者の興味は薄かった。
本発明は前述の実状を考慮してなされたものであり、その目的は、挙動が複雑で、遊技球の振り分け先を変化に富ませることができる弾球遊技機の羽根車を提供することにある。
前述の目的を達成するために、本発明は、遊技球が流下する遊技領域が設けられた遊技盤にあって、この遊技盤に固定された支軸に回転可能に支持される筒状部と、この筒状部の外周面から外方に突出する複数の羽根とを有し、前記羽根への前記遊技球の接触により前記支軸周りに回転する弾球遊技機の羽根車において、前記羽根には、前記筒状部側とは反対側の端部で開口する収納部が形成され、この収納部には、前記筒状部に対して近づく方向と離れる方向に移動可能な副羽根と、前記副羽根を近づく方向に付勢する弾性部材とが収納され、前記羽根の回転時に、前記副羽根が遠心力で前記弾性部材の付勢力に抗して離れる方向に移動することにより、前記羽根からの前記副羽根の突出量が大きくなることを特徴とする。
このように構成された本発明では、羽根の回転時に、副羽根が遠心力で弾性部材の付勢力に抗して筒状部から離れる方向に移動することによって、羽根からの副羽根の突出量が大きくなる。副羽根の突出量は羽根の回転速度に応じて変化する。これにより、羽根車の挙動を複雑にすることができる。また、副羽根に弾かれる遊技球の軌道が副羽根の突出量に応じて変化するので、遊技球の振り分け先を変化に富ませることができる。
また、本発明は、前記遊技盤と平行な方向に広がり前記羽根を覆う前面板が設けられ、前記副羽根の色は前記前面板とは異なり、前記羽根の回転時に前記副羽根が前記羽根から前記前面板よりも外方に突出することを特徴とするものであってもよい。
このように構成された本発明によれば、前面板の外方への副羽根の突出が視認しやすくなる。この結果、副羽根の突出量の変化をより強く印象付けることができ、また、遊技領域の見た目の賑やかさを向上させることができる。
本発明によれば、羽根の回転時に、副羽根が遠心力で弾性部材の付勢力に抗して筒状部から離れる方向に移動することによって、羽根からの副羽根の突出量が大きくなるので、挙動が複雑で、遊技球の振り分け先を変化に富ませることができる羽根車を実現できる。この結果、遊技者の羽根車への興味を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る弾球遊技機の羽根車について図を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る羽根車を備えた弾球遊技機の正面側を示す斜視図である。図2は図1に示した弾球遊技機の遊技盤の正面図である。図3は本発明の一実施形態に係る羽根車の正面図である。図4は図3に示した羽根車の裏面図である。図5は図3のV−V断面図である。図6は図3に示した副羽根が羽根から突出した状態を示す正面図である。図7は図6に示した状態の副羽根により振り分けられた遊技球の軌道の一例を示す図である。なお、図2において、遊技領域に設けられる釘や各種入賞口等を省略してある。
本実施形態に係る羽根車は、図1に示す弾球遊技機1に備えられている。この弾球遊技機1は、遊技場の島設備に設置される機枠2と、この機枠2の右側部(図1の左側)に回動可能に支持された前面枠3と、この前面枠3に右側部を回動可能に支持されたガラス扉4と、受け皿6や発射ハンドル7を一体化してなる一体皿ユニット5とを備えている。
前面枠3には、ガラス扉4を通じて視認可能な遊技盤8(図2に示す)が嵌め込まれている。この遊技盤8の前面には、遊技球が流下する遊技領域9が設けられている。この遊技領域9のほぼ中央には、演出のための図柄を表示する表示装置10が設けられている。この表示装置10の下方には、回動可能な一対の可動片12,13を備えた始動入賞口、いわゆる電動チューリップ11が設けられている。一対の可動片12,13は、遊技球の直径よりも若干大きな間隔をあけた初期位置(図2に実線で示す位置)から、所定の開位置(図2に2点差線で示す位置)まで回動できるようになっている。表示装置10の右側方(図2では左側方)には、遊技球の通過を検出するスルーチャッカー14が設けられている。弾球遊技機1は、スルーチャッカー14による遊技球の通過の検出を契機に、電動チューリップ11の可動片12,13を開くか否かの抽選を行い、当選したときに可動片24a,24bを所定時間(例えば0.5秒)開く制御を行うように設定されている。
本実施形態に係る羽根車は、遊技領域9に設けられた羽根車20である。この羽根車20は例えば表示装置10の右下方に設けられている。図3〜5に示すように、羽根車20は、遊技盤8に固定された支軸、例えば釘27に回転可能に支持される筒状部21と、この筒状部21の外周面から外方に突出する複数、例えば3枚の羽根22とを有する。筒状部21と羽根22は例えば合成樹脂製の一体部材である。
図3における27aは釘27の頭部であり、この頭部27aは、遊技盤8から離れる方向(前方向)への筒状部21の移動を規制している。つまり、羽根車20は、その筒状部21が釘27に挿通された状態で頭部27aと遊技盤8との間に保持されていて、羽根22への遊技球の接触により釘27周りに回転するようになっている。
羽根22には、筒状部21側とは反対側の端部で開口する収納部23が形成されている。この収納部23には、筒状部21に対して近づく方向と離れる方向に移動可能な副羽根24と、副羽根24を筒状部21に近づく方向に付勢する単数または複数の弾性部材、例えば3つのコイルスプリング26とが収納されている。各コイルスプリング26の一端(図6における上側の端部)は、収納部23の底部に保持されていて、同他端(図6における下側の端部)は、副羽根24の筒状部21側の端部から、その筒状部21から離れる方向に凹んで形成された凹部24cに挿入されて、この凹部24cの底部に保持されている。副羽根24の先端部には、慣性力の増大を図るためのおもり25が埋設されている。
羽根車20は、羽根22から副羽根24が抜けるのを防止する抜け止め手段を備えている。この抜け止め手段は、副羽根24の前面(図6の左側の面)と背面の筒状部21側の端部のそれぞれに設けられた一対の鍔24a,24bと、副羽根24の前面に対向する収納部23の内壁面、および、副羽根24の背面に対向する収納部23の先端部側の内壁面のそれぞれに設けられ、副羽根24の前面または背面の方向に突出する一対の阻止部23a,23bとから構成されている。つまり、筒状部21から離れる方向へ鍔24a,24bの移動が阻止部23a,23bで阻止されることで、副羽根24が抜け止めされる。図5の2点差線は、抜け止めされたときの副羽根24の位置である。
3つの羽根22の前面には、遊技盤8と平行な方向に広がり羽根22を覆う金属製の前面板28が設けられている。前面板28には筒状部21と同心の貫通孔29が形成されていて、その貫通孔29に釘27が挿通されている。副羽根24のテーパの設けられた先端は前面板28よりも外方に突出している。
図6において28aは前面板28の模様であり、この模様28aにより羽根車20が回転中か否かが識別しやすくなっている。副羽根24は、前面板28の外方に突出したことが分かりやすいように、例えば前面板28とも羽根車20の周囲の遊技領域9の色とも異なる色に着色されている。
このように構成された本実施形態に係る羽根車20は次のように動作する。
羽根22の回転時、副羽根24が遠心力でコイルスプリング26の付勢力に抗して、筒状部21離れる方向に移動することにより、羽根22からの副羽根24の突出量が大きくなる。この突出量は羽根22の回転速度に応じて変化する。
羽根22の回転が遅くなり、遠心力がコイルスプリング26の付勢力よりも小さくなると、コイルスプリング26が副羽根24を筒状部21に近づく方向に移動させながら復元する。これにより、副羽根24は図5に実線で示す初期位置に戻る。
回転中の羽根車20による遊技球の振り分け先は、副羽根24の突出量に応じて複雑に変化する。例えば副羽根24の突出量が最大になったときに、すなわち、阻止部23a,23bに鍔24a,24bが当接した位置まで副羽根24が移動したときに、副羽根24で弾かれた遊技球の軌道は、例えば図7に2点鎖線で示す遊技球30の軌道のように電動チューリップ11に向うものとなることがある。これに対し、副羽根24の突出量が最小の場合、図7に示す軌道が描かれることはない。
本実施形態に係る羽根車20よれば次の効果を得られる。
本実施形態に係る羽根車20では、羽根22の回転時に副羽根24が遠心力でコイルスプリング26の付勢力に抗して筒状部21から離れる方向に移動することによって、羽根22からの副羽根24の突出量が大きくなるので、羽根車20の挙動が複雑になる。また、羽根車20は、副羽根24に弾かれる遊技球の軌道を副羽根24の突出量に応じて変化させるので、遊技球の振り分け先を変化に富んだものにすることができる。これらの結果、遊技者の羽根車への興味を向上させることができる。
本実施形態によれば、前面板28の外方に突出した副羽根24の部分は、前面板28とも羽根車20の周囲の遊技領域9とも色が異なるから、遊技者は副羽根24の突出量の変化を視認できる。これにより、副羽根24の突出量の変化をより強く印象付けることができ、また、遊技領域9の見た目の賑やかさを向上させることができる。
なお、本実施形態に係る羽根車20は、すべての羽根22に副羽根24が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、すべての羽根のうちのいずれかに副羽根が設けられたものであってもよい。
本実施形態に係る羽根車20では、初期位置にある副羽根24が羽根22から突出しているが、本発明の副羽根の初期位置はこれに限定されるものではなく、副羽根24が収納部23内に完全に収納された位置であってもよい。
本実施形態に係る羽根車20では、初期位置にある副羽根24が前面板28の外方に突出しているが、本発明の副羽根の初期位置はこれに限定されるものではなく、前面板28の外方に突出しない位置であってもよい。
本実施形態に係る羽根車20では、羽根22に形成された収納部23の底部と、副羽根24に形成された凹部24cの底部とにコイルスプリング26の両端のそれぞれが保持されていて、伸張させられた状態から自然長に収縮する際のコイルスプリング26の復元力が副羽根24の付勢力となるが、本発明はこれに限定されるものではない。羽根車20において、凹部24cを設けるのをやめ、阻止部23aと鍔24aとの間の空間、および、阻止部23bと鍔24bとの間の空間のそれぞれを大きく形成し、阻止部23aと鍔24aの間、および、阻止部23bと鍔24bの間のそれぞれにコイルスプリング26の替わりの別のコイルスプリングを挟持させることによって、収縮させられた状態から自然長に伸張する際の別のコイルスプリングの復元力を、副羽根の付勢力としてもよい。
本実施形態に係る羽根車20は、副羽根24の色が前面板28と異なる色に着色されているが、本発明における副羽根の色はこれに限るものではなく、副羽根24が前面板28の外方に突出したことが視認しやすい色であれば、前面板の模様と同じ色であってもよい。
本発明の一実施形態に係る羽根車を備えた弾球遊技機の正面側を示す斜視図である。 図1に示した弾球遊技機の遊技盤の正面図である。 本発明の一実施形態に係る羽根車の正面図である。 図3に示した羽根車の裏面図である。 図3のV−V断面図である。 図3に示した副羽根が羽根から突出した状態を示す正面図である。 図6に示した状態の副羽根により振り分けられた遊技球の軌道の一例を示す図である。
符号の説明
1 弾球遊技機
2 機枠
3 前枠
4 ガラス扉
5 一体皿ユニット
6 受け皿
7 発射ハンドル
8 遊技盤
9 遊技領域
10 表示装置
11 電動チューリップ
12,13 可動片
14 スルーチャッカー
20 羽根車
21 筒状部
22 羽根
23 収納部
23a,23b 阻止部
24 副羽根
24a,24b 鍔
24c 凹部
25 おもり
26 コイルスプリング
27 釘
27a 頭部
28 前面板
28a 模様
29 貫通孔
30 遊技球

Claims (2)

  1. 遊技球が流下する遊技領域が設けられた遊技盤にあって、この遊技盤に固定された支軸に回転可能に支持される筒状部と、この筒状部の外周面から外方に突出する複数の羽根とを有し、前記羽根への前記遊技球の接触により前記支軸周りに回転する弾球遊技機の羽根車において、
    前記羽根には、前記筒状部側とは反対側の端部で開口する収納部が形成され、
    この収納部には、前記筒状部に対して近づく方向と離れる方向に移動可能な副羽根と、前記副羽根を近づく方向に付勢する弾性部材とが収納され、
    前記羽根の回転時に、前記副羽根が遠心力で前記弾性部材の付勢力に抗して離れる方向に移動することにより、前記羽根からの前記副羽根の突出量が大きくなることを特徴とする弾球遊技機の羽根車。
  2. 前記遊技盤と平行な方向に広がり前記羽根を覆う前面板が設けられ、前記副羽根の色は前記前面板とは異なり、前記羽根の回転時に前記副羽根が前記羽根から前記前面板よりも外方に突出することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機の羽根車。
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