JP2008285440A - 1−メチレンインダン類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、1−メチレンインダン骨格を有する不飽和化合物の製造方法に関する。
1−メチレンインダンは、機能性樹脂の原料、医農薬中間体として有用な化学物質である。従来、1−メチルインダンの製造方法はいくつか知られているが、工業的には、1−インダノンを原料とする方法が一般的である。たとえば、1−インダノンにメチルアルキルマグネシウムハライド(グリニヤール試薬)を作用させ、得られるアルコールを脱水反応させる方法、1−インダノンにメチルトリフェニルホスホニウム塩から導かれるウィッティヒ試薬を作用させる方法などがある(特許文献1参照)。
上記反応を適用して、1−メチレンインダンのメチレン炭素にアルキル基が結合した不飽和化合物を製造しようとする場合には、該目的化合物のアルキル基に対応するグリニヤール試薬またはウィッティヒ試薬前駆体のアルキルトリフェニルホスホニウム塩を必要とする。しかしながら、量産化で利用可能な試薬は限定されるため、上記メチレン炭素上に導入しうるアルキル基も実質的に制限される。また、反応の性質上、メチレン炭素上に2置換導入することは困難である。
本発明は、1−メチレンインダンのメチレン炭素にアルキル基が結合した構造を高い自由度で設計でき、該位置への2置換導入も容易な1−メチレンインダン骨格を有する不飽和化合物の製造方法を提供することを目的としている。
上記のような課題を解決するものとして、以下のような本発明を提供する。
本発明の製造方法によれば、1−メチレンインダンのメチレン炭素にアルキル基が結合した構造の不飽和化合物を高い自由度で設計でき、量産化可能である。また、従来のカルボニル化合物として1−インダノンを用いる反応では製造困難であったメチレン炭素に2置換導入した不飽和化合物の製造も容易である。
本発明は、下記反応式(1)で示される1−メチレンインダン類の製造方法であって、(2,3−ジヒドロ−1H−インデニル)トリフェニルホスホニウムクロライド(以下、1−インダニルトリフェニルホスホニウムクロライドとも記す)とアルカリを反応させてウィッティヒ試薬を生成した後、該ウィッティヒ試薬と下記一般式(1)に示されるカルボニル化合物をウィッティヒ反応させることにより、下記一般式(2)に示される1−メチレンインダン類を製造する。
(上記式(1)および(2)中、R1、R2は、水素および炭素数1〜10までのアルキル基から選ばれるいずれかを示し、R1、R2は互いに同じでも、異なってもよい)
(上記式(1)および(2)中、R1、R2は、水素および炭素数1〜10までのアルキル基から選ばれるいずれかを示し、R1、R2は互いに同じでも、異なってもよい)
上記反応は、溶媒を用いて、通常、不活性雰囲気下で行われる。
溶媒は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル2−イミダゾリジノン、水等が挙げられ、その中でも、テトラヒドロフランまたはジメチルスルホキシドが好ましい。
理由は、1−インダニルトリフェニルホスホニウム塩やアルカリを溶解させ、ウィッティヒ反応に関与しないからである。
溶媒は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル2−イミダゾリジノン、水等が挙げられ、その中でも、テトラヒドロフランまたはジメチルスルホキシドが好ましい。
理由は、1−インダニルトリフェニルホスホニウム塩やアルカリを溶解させ、ウィッティヒ反応に関与しないからである。
本発明における溶媒の使用量は、(2,3−ジヒドロ−1H−インデニル)トリフェニルホスホニウムクロライドに対して、通常、1〜20倍質量である。好ましくは、2〜10倍質量である。
本発明において用いられる1−インダニルトリフェニルホスホニウムクロライドは、例えば、下記反応式(2)により製造することができるが(参考文献:Recueil des Travaux Chimiques des Pays-Bas(1976),95(7〜8),165−8) 、特に限定されない。インデンのクロル化は、インデンに塩化水素ガスを付加させて得ることができる。1−クロルインダンとトリフェニルホスフィン(PPh3)との反応は、トルエン溶媒中、4時間環流させることで得ることができる。
上記の1−インダニルトリフェニルホスホニウムクロライドは、溶媒中でアルカリ処理される。
アルカリとしては、溶媒に対する溶解性の良いものが好ましく、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ペントキシド、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、りん酸ナトリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、カリウムt−ペントキシド、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、りん酸カリウム等が挙げられる。アルカリは、その中でも、カリウムt−ブトキシドが好ましい。
アルカリとしては、溶媒に対する溶解性の良いものが好ましく、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ペントキシド、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、りん酸ナトリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、カリウムt−ペントキシド、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、りん酸カリウム等が挙げられる。アルカリは、その中でも、カリウムt−ブトキシドが好ましい。
本発明におけるアルカリの使用量は、1−インダニルトリフェニルホスホニウムクロライドに対して、通常、0.5〜4.0倍モルである。好ましくは、1.0〜2.0倍モルである。
1−インダニルトリフェニルホスホニウムクロライドとアルカリとの反応温度は、−20〜60℃、好ましくは0〜50℃であり、反応時間は、0.5〜12時間であり、好ましくは、1〜5時間である。
上記条件であれば、1−インダニルトリフェニルホスホニウムクロライドからウィッティヒ試薬を十分に生成することができる。
上記条件であれば、1−インダニルトリフェニルホスホニウムクロライドからウィッティヒ試薬を十分に生成することができる。
1−インダニルトリフェニルホスホニウムハライドのアルカリ処理によって生成するウィッティヒ試薬(リンイリド)は、P=C二重結合を有する5価5配位ホスホランであり、正の形式電荷をもつリン原子により隣接位のアニオンが安定化された化学種である。
ウィッティヒ反応は、通常、溶媒中でのアルカリ処理により生成させた上記ウィッティヒ試薬を単離せず、そこに、一般式(1)で示されるカルボニル化合物を加えて反応させる。
カルボニル化合物は、目的化合物中のR1およびR2を持つものから選ばれる。
例えば、アセトン、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。その中でも、入手容易な汎用品であるアセトン、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドが好ましい。
カルボニル化合物は、目的化合物中のR1およびR2を持つものから選ばれる。
例えば、アセトン、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。その中でも、入手容易な汎用品であるアセトン、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドが好ましい。
本発明におけるカルボニル化合物の使用量は、1―インダニルトリフェニルホスホニウムクロライドに対して、通常、0.5〜4.0倍モルである。好ましくは、1.0〜2.0倍モルである。
上記カルボニル化合物とウィッティヒ試薬との反応の温度は、比較的低温で行なうことができ、通常、−20〜60℃である。好ましくは、0〜50℃である。
反応時間は、通常、0.5〜48時間で、好ましくは、1〜24時間である。
上記ウィッティヒ反応により、一般式(1)に示されるカニボニル化合物のカルボニル基Oがインダニル−1−ジイル基に置換され、一般式(2)に示される目的の不飽和化合物1−メチレンインダン類が生成する。目的の不飽和化合物の生成は、たとえば、反応液のガスクロマトグラフィにより、反応原料のカルボニル化合物の残存率を分析することにより確認することができる。
反応終了後、反応液から副生ホスフィンオキサイドを除去して、目的の不飽和化合物を得ることができる。反応液の精製処理は、公知の方法を適宜に採用して行なうことができる。たとえばヘキサンなどの有機溶媒でろ過抽出し、有機層を適宜に水洗浄した後、蒸留により、目的化合物を留出液中に取り出すことができる。
目的化合物は、ガスクロマトグラフィにより確認することができる。
目的化合物は、ガスクロマトグラフィにより確認することができる。
本発明のウィッティヒ反応により製造される一般式(2)に示される1−メチレンインダン類とは、上記ウィッティヒ試薬と一般式(1)に示されるカルボニル化合物を反応させて得られる化合物である。
具体的には、1’−1’−ジメチル−1−メチレンインダン、1’−メチル−1−メチレンインダン、1−メチレンインダン、1’−メチル−1’−エチル−1−メチレンインダン、1’−メチル−1’−イソブチル−1−メチレンインダン等が挙げられる。
具体的には、1’−1’−ジメチル−1−メチレンインダン、1’−メチル−1−メチレンインダン、1−メチレンインダン、1’−メチル−1’−エチル−1−メチレンインダン、1’−メチル−1’−イソブチル−1−メチレンインダン等が挙げられる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。
<実施例1>
1’,1’−ジメチル−1−メチレンインダンの合成
全ての操作は、窒素気流下で行った。
撹拌装置、温度計、冷却コンデンサー、オイルバスを備えた200mlのフラスコに、(2,3−ジヒドロ−1H−インデニル)トリフェニルホスホニウムクロライド(0.10モル)4.14g、テトラヒドロフラン40mlを加え、5℃で保持した。次いでカリウムt−ブトキシド(0.20モル)2.26gを加え、1時間処理を行った。次にアセトンを(0.20モル)1.16gを加えた。45℃に昇温し、2時間保持した。反応終了後、40mlのヘキサンを加え、ろ紙ろ過を行った。ろ液に水を加え洗浄し、有機層を分離した。有機層を濃縮し、次いで蒸留を行った。留出液より0.94g(収率60%)の1’,1’−ジメチル−1−メチレンインダンを得た。ガスクロマトグラフィにより純度は98%であった。
1’,1’−ジメチル−1−メチレンインダンの合成
全ての操作は、窒素気流下で行った。
撹拌装置、温度計、冷却コンデンサー、オイルバスを備えた200mlのフラスコに、(2,3−ジヒドロ−1H−インデニル)トリフェニルホスホニウムクロライド(0.10モル)4.14g、テトラヒドロフラン40mlを加え、5℃で保持した。次いでカリウムt−ブトキシド(0.20モル)2.26gを加え、1時間処理を行った。次にアセトンを(0.20モル)1.16gを加えた。45℃に昇温し、2時間保持した。反応終了後、40mlのヘキサンを加え、ろ紙ろ過を行った。ろ液に水を加え洗浄し、有機層を分離した。有機層を濃縮し、次いで蒸留を行った。留出液より0.94g(収率60%)の1’,1’−ジメチル−1−メチレンインダンを得た。ガスクロマトグラフィにより純度は98%であった。
<実施例2>
1’−メチル−1−メチレンインダンの合成
実施例1において、アセトンの代わりにアセトアルデヒドを用いた以外は同様の方法を行った。1’−メチル−1−メチレンインダンの収量は0.82g(収率57%)であり、純度は98%であった。
1’−メチル−1−メチレンインダンの合成
実施例1において、アセトンの代わりにアセトアルデヒドを用いた以外は同様の方法を行った。1’−メチル−1−メチレンインダンの収量は0.82g(収率57%)であり、純度は98%であった。
<実施例3>
1−メチレンインダンの合成
実施例1において、アセトンの代わりにホルムアルデヒドを用いた以外は同様の方法を行った。1−メチレンインダンの収量は0.78g(収率60%)であり、純度は99%であった。
1−メチレンインダンの合成
実施例1において、アセトンの代わりにホルムアルデヒドを用いた以外は同様の方法を行った。1−メチレンインダンの収量は0.78g(収率60%)であり、純度は99%であった。
Claims (2)
- 前記一般式(1)で示されるカルボニル化合物が、アセトン、アセトアルデヒドおよびホルムアルデヒドから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の1−メチレンインダン類の製造方法。
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JP2007132606A JP2008285440A (ja) | 2007-05-18 | 2007-05-18 | 1−メチレンインダン類の製造方法 |
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Citations (2)
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JPH0341112A (ja) * | 1989-05-31 | 1991-02-21 | Minnesota Mining & Mfg Co <3M> | 蛍光硬化度モニター |
JP2003295441A (ja) * | 2002-04-01 | 2003-10-15 | Shin Etsu Chem Co Ltd | ポジ型レジスト材料及びこれを用いたパターン形成方法 |
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2007
- 2007-05-18 JP JP2007132606A patent/JP2008285440A/ja active Pending
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